説明

ウエブ収縮を制御するために直接接触加熱ロールを用いる弾性ラミネートの製造方法

弾性ラミネートを製造する方法は、第1の基材を機械方向に給送し、第1の基材と整列した第2の基材を機械方向に給送し、機械方向に伸張させたエラストマーストランド材料の列を第1及び第2の基材の間に給送する工程を含む。ホットメルト接着剤をストランド材料上に施し、硬化性接着剤を基材の一方又は両方に施す。次に、エラストマーストランド材料をその伸張状態に保持しながら、二つの基材及びエラストマーストランド材料を圧締して、エラストマープリフォームウエブを形成する。次に、伸張させたエラストマープリフォームウエブを、加熱ロール上に給送することによってインライン加熱し、その後、冷却し加熱ロールから下流に移動させながら、機械方向に弛緩及び収縮させて、ひだ付きエラストマーラミネートを形成する。剥離ライナーを機械方向に給送し、ひだ付きエラストマーラミネートと整列させ、感圧性接着剤を剥離ライナーに施す。次に、ひだ付きエラストマーラミネート及び剥離ライナーを圧締して、窓フラッシング材として特に有用な弾性ラミネートを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮性構造体として有用な、より具体的には窓フラッシング材のような屋外の用途において有用な積層弾性ウエブを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの使い捨て又は非使い捨て物品は、物品中に1以上の膨張性又は伸縮性の部分を形成する積層弾性要素を有している。例えば、これらのタイプの物品の幾つかとしては、汗止めバンド、包帯、及び弾性ウエストバンド、使い捨てオムツにおける側面及び足口が挙げられる。使い捨てオムツの積層弾性要素は、その間に接着したエラストマーストランドを有する二層の不織布から構成することができる。エラストマーストランドは、予め伸張された状態で不織布層に積層される。エラストマーストランドを弛緩すると、不織布材料はひだを形成する。積層弾性物品の一体製造に必要な機械及び工具は極めて複雑である。
【0003】
通常、エラストマーストランドと基材とは、ホットメルト感圧性接着剤のような接着剤によって一緒に結合される。ホットメルト接着剤は、通常、雰囲気温度において固体物質として存在し、熱を施すことによって流動可能な液体状態に転化させることができる。これらの用途においては、ホットメルト接着剤をその溶融状態に加熱し、次に基材に施す。次に、第2の基材を第1の基材に接触させて積層し、冷却することによって接着剤を凝固させて強固な結合を形成する。ホットメルト接着剤の主たる有利性は、水ベース又は溶剤ベースの接着剤の場合のように液体キャリアが存在しないことであり、それによって水又は溶剤を除去するのに必要な比較的コストの高い乾燥工程が排除されることである。また、ホットメルト接着剤は、比較的短い開放時間を有するように配合することができ、このため硬化及び/又は架橋を必要としない。而して、ホットメルト接着剤は、通常、適用した際に高い「生」強度を有する。好適なホットメルト接着剤は、用いる基材を接着する適度な結合強度を有していなければならず、また、適度な可撓性、着色又は脱色抵抗性、商業的な装置上で機能させるための好適な粘度及び開放時間、保管条件下での許容しうる安定性、並びに通常の適用温度下での許容しうる熱安定性を有していなければならない。
【0004】
ラミネートの製造において用いられるホットメルト接着剤において多くの異なるポリマーが用いられてきた。この点に関し、通常のホットメルト接着剤は、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS);スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS);スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS);エチレン−酢酸ビニル(EVA);アモルファスポリ−α−オレフィン(APAO);をはじめとするポリマーを用いている。これらのポリマーは、適当にブレンドすると、オムツ及び包装材料のような通常の使い捨て商品の製造において用いられる殆どの基材の間に許容しうる接着を与えるが、これらは、窓フラッシング材のような屋外の用途に関してこれらの有用性を損なう幾つかの欠点を有している。
【0005】
ホットメルト接着剤の最も注目される欠点の一つは、それらの耐久性に関係する。通常のホットメルト接着剤は、夏と冬の温度が劇的に変動する屋外の用途のような大きな温度の極値を含む条件下では良好に機能しない。また、ホットメルト接着剤の長期経時変化安定性、即ちUV安定性も、日光に曝露される屋外用途に関する懸念事項である。而して、長期間の強度を与え、UV安定性で、幅広い温度変動下で良好に機能して屋外用途において用いるための積層構造体を一緒に結合することのできる接着剤を用いることが道理にかなっていると思われる。しかしながら、このような特性を得るためには、ポリウレタンをベースとする接着剤のような硬化性又は架橋性の接着剤を志向しなければならない。残念なことに、硬化及び/又は架橋の必要性のために、及び硬化及び/又は架橋のために必要な時間のために、かかる接着剤は、低い「生」強度を有し、而して最初の適用によって不十分な結合性能しか有しない。結果として、伸縮性ラミネートウエブにおいてポリウレタンのような硬化性又は架橋性接着剤を用いることは、ウエブが製造後に部分的に層間隔離する可能性があるので、実際的ではない。
【0006】
米国特許6,491,776においては、ホットメルト感圧性接着剤と硬化性接着剤との組み合わせを用いてそれぞれの個々の接着剤の欠点を克服する、積層のひだ付き弾性ウエブを製造する方法が開示されている。’776特許の方法においては、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)をベースとする接着剤のようなホットメルト感圧性接着剤をエラストマーストランド上に施し、ポリウレタンをベースとする接着剤のような硬化性接着剤を基材の一方に施す。その後、エラストマーストランドをその伸張状態に保持しながら、二つの基材及びエラストマーストランドを圧締して積層弾性ウエブを形成する。ホットメルト接着剤が冷却されて層が一緒に結合するまで、ラミネート上に機械方向の張力を保持する。その後、機械方向の張力を解放して弾性ウエブを収縮させて、ひだ付き弾性ウエブを形成する。感圧性のホットメルト接着剤は、積層弾性ウエブを最初に一緒に結合するのに必要な生強度を与え、一方硬化性接着剤は、ある範囲の温度極値にわたる構造体の長期間の強度、並びに窓フラッシング材のような屋外用途のために望ましい優れた紫外光安定性を与える。
【0007】
窓フラッシング材として有用であるためには、米国特許6,491,776において開示されている方法によって製造されたひだ付き弾性ウエブは、一方の側面を他の接着剤、通常はブチル接着剤によって被覆し、これを次に剥離ライナー又はフィルムで被覆しなければならない。これを行うためには、ラミネートをまず約200°F〜約300°Fの温度に加熱し、次に冷却して機械方向において収縮するようにする。これらの加熱及び冷却工程は、加熱及びそれに続く冷却によって基材を軟化させ弾性ストランドをより完全に収縮させることが可能になるので、ラミネートの伸張性を最大にする意図で行われる。収縮後、ブチル接着剤を剥離ライナーに施し、次にその上にブチルが施された剥離ライナーを、ひだ付き弾性ウエブ上に積層する。使用の際には、単に剥離ライナーを剥がし、弾性ラミネートを伸張させ、窓開口の周囲の位置に押しつける。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ラミネートを加熱してそれを機械方向において収縮させる方法は、通常、ラミネートを加熱した非接触型オーブンを通して給送することによって行う。このタイプの加熱はラミネートの縮み又は収縮を引き起こすが、熱の制御に欠けており、縮み又は収縮の量及び方向を予測できない。結果として、ラミネートは変形するようになる可能性がある。例えば、ラミネートは、機械方向において「ねじれる」ようになる可能性がある、即ち、機械方向において真っ直ぐではなく、ラミネートは機械方向において変動する偏位量で「S−字型」になる可能性がある。他の問題点は、「ストーブパイピング」(stove-piping)と呼ばれるものに関係しており、これはラミネートの縦方向の端部が上向き又は下向きに湾曲して、平面的な形状ではなく、ラミネートが断面において弓形の形状となる。ねじれは、機械方向における不均一な収縮の結果であり、一方ストーブパイピング又は湾曲は機械の交差方向における不均一な収縮の結果である。ラミネートが機械方向においてねじれたり或いは機械交差方向において湾曲するようになると、ラミネートは包装のための包装装置(a festooning station)において容易にロール巻きしたり収容したりできない。結果として、ラミネート収縮の熱的制御を与えてねじれ及びストーブパイピングを排除する製造方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、加熱エラストマーウエブの寸法収縮を制御して、望ましくないねじれ及びストーブパイピングを排除したひだ付きエラストマーラミネートを形成する方法を提供する。本方法は、機械方向において伸張させたエラストマープリフォームウエブを機械方向に給送し、次にその一方又は両方の側面を少なくとも一つの加熱ロールと接触させることによって伸張させたエラストマープリフォームウエブを加熱する工程を含む。その後、伸張させたエラストマープリフォームを、冷却し加熱ロールから下流に移動させながら収縮させて、ひだ付きエラストマーラミネートを形成する。好ましくは、伸張させたエラストマープリフォームウエブは、蛇行軌道で連続して配置された複数のロールと接触して、その一方又は両方の側面が所望の温度に加熱される。加熱ロールの加熱された外表面と伸張させたエラストマープリフォームウエブの外表面との間の均一な熱移動、及びプリフォームウエブ自体を加熱しながら同時に伸張させることによって、ウエブ収縮に対する所望の熱的制御が与えられる。更に、加熱ロールとの直接接触は、空気対流オーブン内でラミネートを加熱するよりも効率的である。次に、ひだ付きエラストマーラミネートは、場合によっては、一方の側面上を、ブチル接着剤のような感圧性接着剤或いは感圧性ホットメルト接着剤で被覆することができ、また所望の場合には、剥離ライナーを接着剤上に施して、窓フラッシング材として有用な弾性ラミネートを形成することができる。
【0010】
本方法は、プロセス中に行われるインライン加熱によってウエブ収縮に対する制御を有利に保持する。好ましくはウエブを伸張させながらプリフォームウエブを加熱ロール上に通すことによって行われるインライン加熱によって、加熱ロールとプリフォームウエブとの間の均一な熱移動が与えられる。この均一な熱移動は、加熱ロール上を下流に移動させながらその全幅にわたってプリフォームウエブを均一に機械方向に緊張させることと相まって、機械公差方向における材料の湾曲並びに機械方向における不均一な収縮を最小にするか又は排除する。また、加熱ロールを用いるインライン加熱により、最終弾性ラミネートの機械方向の収縮が増大し、広範囲の伸張性を有するより多用途の最終製品が提供される。
【0011】
本発明の他の態様においては、弾性ラミネートを製造する方法が提供される。この方法は、第1の基材を機械方向に給送し、第1の基材と整列させた第2の基材を機械方向に給送し、エラストマーストランド材料が機械方向において伸張され、第1及び第2の基材と整列するように、第1及び第2の基材の間にエラストマーストランド材料の列を給送する工程を含む。スチレン−イソプレン−スチレンをベースとする接着剤のようなホットメルト感圧性接着剤をエラストマーストランド材料上に施し、ポリウレタンをベースとする接着剤のような硬化性接着剤を基材の一方又は両方に施す。次に、エラストマーストランド材料をその伸張状態に保持しながら、二つの基材及びエラストマーストランド材料を圧締してエラストマープリフォームウエブを形成する。次に、伸張させたエラストマープリフォームウエブを、その少なくとも一方の側面を少なくとも一つの加熱ロールと接触させることによってインラインで加熱し、その後、冷却し、加熱ロールから下流に移動させながら機械方向において弛緩及び収縮させて、プリフォームウエブを加熱なしに収縮させた場合よりも遙かに大きな機械方向における収縮度を有するひだ付きエラストマーラミネートを形成する。剥離ライナーを機械方向に給送し、ひだ付きエラストマーラミネートと整列させ、感圧性接着剤をひだ付きエラストマーラミネート又は剥離ライナーのいずれかに施す。次に、ひだ付きエラストマーラミネート及び剥離ライナーを圧締して、窓フラッシング材として特に有用な弾性ラミネートを形成する。
【0012】
ストランドに施す感圧性ホットメルト接着剤は、積層プリフォームウエブをはじめに一緒に結合するのに必要な生強度を与える熱可塑性接着剤であり、これに対して一方又は両方の基材に施す硬化性接着剤は、構造体に一定範囲の温度の極値にわたる長期強度、並びに窓フラッシング材のような屋外用途のために望ましい優れた紫外光安定性を与える。而して、感圧性ホットメルト接着剤は、弾性ストランドをはじめに定位置に結合するために十分な強度を有していなければならない。一つの好ましい例は、オムツのような使い捨て物品において弾性ストランドを結合するのに用いられるホットメルト接着剤である。硬化性接着剤は、種々の単成分又は二成分接着剤の任意の一つであることができる。硬化性接着剤は、好ましくは、ホットメルト塗布装置を用いて施す。例えば、単成分系の場合には、接着剤は、熱硬化性であっても湿分硬化性であってもよいが、好ましくは湿分硬化性のポリウレタンをベースとするものである。二成分系の場合には、硬化性接着剤は、同様にウレタンをベースとするものであってよく、或いはエポキシをベースとするものであってもよい。
【0013】
二つの基材は、好ましくはスパンボンド高密度ポリエチレンウエブ及び低密度ポリエチレンフィルムから構成される。感圧性ホットメルト接着剤は、約2〜約20g/m2、好ましくは約15g/m2の付加量で施す。同様に、硬化性接着剤は、約2〜約20g/m2、好ましくは約6g/m2の付加量で施す。
【0014】
而して、本発明の方法は、それぞれの個々の接着剤の欠点のみならず、最終製品上にブチル接着剤及び剥離ライナーを施す前に別の加熱空気対流オーブン内で加熱する従来法の欠点及び品質制御の問題点をも解決する。好ましくは、本方法は、窓フラッシング材のような屋外用途に特に適した弾性ラミネートの製造方法を提供する。本発明の種々の他の特徴、目的及び有利性は、以下の図面及びその説明を検討することで当業者に明らかとなるであろう。
【0015】
発明の詳細な説明
各図面は、本発明を実施する現在考えられている最良の態様を示す。
本明細書において用いる「弾性ラミネート」という用語は、図2及び/又は図2Aに示される方法によって製造され、ここではそれぞれ参照番号10及び/又は10Aによって示される最終製品を指す。この最終製品は、ひだ付きエラストマーウエブ(ここでは参照番号8、8A及び/又は8Bによって示される)、剥離ライナー、及びひだ付きエラストマーラミネートと剥離ライナーとの間に配置された感圧性接着剤から構成される積層体を含む。最終製品は、窓フラッシング材のような屋外用途において用いることができる。
【0016】
本明細書において用いる「エラストマープリフォームウエブ」又は「プリフォームウエブ」という用語は、図2、図2A及び/又は図2Bに示される方法によって製造され、ここではそれぞれ参照番号2、2A及び/又は2Bによって示される初期積層体を指す。初期積層体は、1以上の基材、機械方向において伸張された弾性層、及び基材と伸張弾性層とを一緒に結合する接着剤層を含み、機械方向のライン張力を解放する前で且つ積層体を収縮させる前に形成される伸張積層体である。
【0017】
本明細書において用いる「ひだ付きエラストマーウエブ」又は「ひだ付きウエブ」という用語は、「エラストマープリフォームウエブ」又は「プリフォームウエブ」として上記に定義した初期積層体を指すが、機械方向のライン張力を解放した後で且つ積層体をひだ付き構造体に収縮した後に形成される積層体であり、ここでは参照番号8、8A及び/又は8Bによって示される。
【0018】
図1は、本発明の方法及び装置によって構成された弾性ラミネート10の片を示す。図1においては弾性ラミネート10の一部のみを示しているが、弾性ラミネート10は、連続的な長さを有し、その後にエンドユーザーによって所望の長さに切断されることを理解すべきである。ラミネート10は、有利にはロール形態で保存され販売される。その好ましい態様においては、弾性ラミネート10は約8インチの幅を有するが、弾性ラミネート10の幅は、用途に応じて変動させることができる。本発明の好ましい態様においては、弾性ラミネート10は、ラミネート10の連続長さに沿って機械方向において縦方向に伸長する46個の隣接する個別のエラストマーストランド14から構成される弾性層を含む。本発明によれば、弾性ラミネート10の特定の最終用途に応じてより大きいか又はより小さな数のエラストマーストランド14を用いることができることを理解すべきである。好ましい態様においては、エラストマーストランド14は、Invista, Inc.から市販されているセグメント化ポリウレタンであるLycra XAの個別のストランドである。弾性層は、それらがラミネート10の所望の弾性を与える限りにおいて、種々の弾性フィルム、メッシュ、スクリム、糸又は接着剤のようなエラストマーストランド14と置き換えることができる他のタイプの弾性材料で構成することができると考えられる。
【0019】
ここで特に図1Aを参照すると、弾性ラミネート10は、好ましくは、ひだ付きエラストマーウエブ8、剥離ライナー4、及びウエブ8とライナー4との間に配置された感圧性接着剤6を含む。ひだ付きウエブ8は、図3及び4に示されており、図5、6及び7に示されているプリフォームウエブ2と構造的に同一であり、図5、6及び7においては、構造体8及び2は、いずれも、第1の基材又は層16、第2の基材又は層18、弾性ストランド14、及び基材16、18及びストランド14を一緒に結合するように機能する接着剤層20から構成される。しかしながら、相違点は、ウエブ2は未だ収縮していない(図5参照)のに対して、ウエブ8は図2に示す方法で収縮している(図4参照)という点である。本発明は二つの基材のみを有するウエブ及び/又はラミネートに限定されないことに注目すべきである。本明細書において開示する製造技術は、2を超える基材を有する、即ち多層の弾性ラミネート、ひだ付きウエブ及び/又はエラストマープリフォームウエブに関して、或いは単一の基材を有する、即ち単層のウエブ又はラミネートに関しても用いることができる。図6に示す好ましい構成においては、第1の基材16及び第2の基材18が、その間に弾性ストランド14を捕捉し、サンドイッチする。幾つかの場合においては、ひだ付きウエブ8及び/又は弾性ラミネート10の所望の最終用途に応じて、第1の基材16及び第2の基材18は同様のタイプの材料であることができ、他の場合においては、それらは異なるタイプの材料であることができる。特定の例として、第1の基材16の好ましい組成物は、DuPontからTyvekの商標名で入手することができるスパンボンド高密度ポリエチレンウエブ材料である。第2の基材18は、好ましくは、Clopay,Inc.のような多数の供給者から入手することができる線状低密度ポリエチレンフィルム材料であるが、任意の多数の他のポリオレフィンフィルムから構成することもできる。
【0020】
図6及び7を参照すると、接着剤層20によってエラストマーストランド14が第1の基材16と第2の基材18との間に保持されてプリフォームウエブ2を形成する。エラストマーストランド14は、第1の基材16及び第2の基材18の両方に接着している。層20を構成する好適な接着剤は、エラストマーストランド14が基材16及び18の間で滑動するのを防止するのに適度な接着特性を有する。更に、選択された接着剤層20は、第1の基材16を第2の基材18に接着するのに適度な結合を与えなければならない。本発明の好ましい態様においては、接着剤層20は、実際には、二つの異なる接着剤、即ち、本発明の譲受人であるBostik,Inc.から入手できるスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)をベースとする接着剤である製品番号H2385のような感圧性ホットメルト接着剤、及び同様にBostik,Inc.から入手できる脂肪族湿分硬化性のポリウレタンをベースとする接着剤である製品番号XPU18228のような硬化性接着剤から構成される。
【0021】
弾性ラミネート10において用いられる剥離ライナー4は、接着剤6にはじめは接着するが、容易に除去又は剥がして接着剤6を曝露することができる任意のシート又はフィルム材料で構成することができる。而して、ライナー4と接着剤6との間の結合は、ライナー4を接着剤6上の所定位置に保持するのに十分であるが、ライナー4を接着剤6から容易に剥がすことができないか、或いは剥がすと接着剤6の凝集破壊を引き起こすか、或いは剥がすと接着剤6と基材18との間の接着剤の破壊を引き起こすほど強力であってはならない。剥離ライナーは、当該技術において周知であり、一つのタイプの好ましいライナー4はシリコン処理紙で構成される。ライナー4は、また、シリコン化ポリプロピレン及び/又はシリコン化ポリエチレンのような他の材料で構成することもできる。
【0022】
接着剤層6は、天然及び/又は合成ゴム接着剤のような任意の感圧性接着剤で構成することができる。典型的な合成ゴム接着剤としては、ブチル接着剤、ポリイソブチレン接着剤、イソブチレンコポリマー接着剤、及びスチレンブロックコポリマーをベースとするホットメルト接着剤が挙げられる。窓フラッシング材のような屋外用途のために好ましい接着剤は、ブチル接着剤である。ブチル接着剤は、通常、ブチル、ブロモブチル、クロロブチル、星形分岐ブチル、及び星形分岐ハロブチルのようなブチルポリマーをベースとし、これを含んでいる。星形分岐ブチルポリマー(標準のブチル及びハロゲン化ブチル)は、スチレンブロックコポリマー分岐剤を含むイソブチレンとイソプレンとのコポリマーである。ブチル接着剤は、Bostik,Inc.からの商品表示番号1183のように容易に商業的に入手することができる。ポリイソブチレン接着剤は、Bostik,Inc.からの商品表示番号H9135−01のように容易に商業的に入手することができる。
【0023】
本方法によって製造されるプリフォームウエブ2は、図2に概略的に示される高速(例えば150〜600ft/分)積層機を用いて、第1及び第2の基材16、18、並びにエラストマーストランド材料14の列を一緒に接合することによって製造することができる。「列」という用語は、基材16、18の間に結合したストランド14の配列又はパターンを指す。ウエブ2において、ストランド14は、機械方向に給送され、単一の面内に互いに平行で離隔して配置されている。当業者は、異なる列を用いることができることを認識するであろう。また、図2は、便宜的な理由のみでストランド14の列を単一の線として示しており、図2におけるこの線はストランド14の全部の列を示していることを理解すべきである。第1の基材16は、材料の薄いフィルム又はシートの形態であり、供給ロール22から供給され、所定の速度で、接着剤塗布器28に向かって、更にロール26を回ってニップロール24と25の間に形成されたニップ29に給送される。エラストマーストランド14の列は、機械方向に整列され、積層プロセスの間、機械方向の張力下で、好ましくはその弛緩長さの約150%〜350%、最も好ましくは約200%〜300%の伸びの伸張状態にされている。エラストマーストランドは、第1及び第2の基材16、18のひだ形成を引き起こすのに十分に伸張させなければならないが、エラストマーストランド14が破断しプロセスの中断を引き起こすほど大きく伸張させてはならない。
【0024】
エラストマーストランド14の列を、エラストマーストランド巻き出し装置30からニップ29に給送する。エラストマーストランド巻き出し装置30は、当該技術において周知であり、個々のエラストマーストランド14を供給するための多数のスプール(図示せず)を含む。エラストマーストランド14を、装置30内に配置されたスプールから引き出し、その弛緩長さの少なくとも150%に予備伸張させる。本発明の好ましい態様においては、エラストマーストランド14は、その弛緩長さの約280%に予備伸張させる。
【0025】
予備伸張させたら、エラストマーストランド14を、アイドラーロール27を回って、次にロール26を回ってニップ29中に給送する。積層機は、約300ft/分のライン速度で運転するが、条件に応じて調節することができる。第2の基材18は、同様に、材料の薄いフィルム又はシートの形態であり、供給ロール32から供給し、基材16及びストランド14と整列させて、基材16及びストランド14と同じライン速度で機械のニップ29中に給送する。好ましくは、第1及び第2の基材16、18は、約8インチの幅を有する材料のシートである。一緒に結合させた後、積層機から下流で、基材16、18を最終的に横方向に又は交差方向に切断して、それぞれが所望の幅及び長さを有する多数の積層構造体を形成することができる。
【0026】
湿分硬化性接着剤、例えば、湿分硬化性のポリウレタンをベースとする接着剤のような硬化性接着剤を、接着剤塗布器28を用いて基材16上に施す。場合によっては、硬化性接着剤は、接着剤塗布器34を用いて基材18上に施すこともできる。好適な塗布器の例は、噴霧及びスロット塗工機、好ましくはスロット塗工機である。
【0027】
また、感圧性ホットメルト接着剤のような接着剤を、接着剤塗布器35を用いてストランド14上に施す。好適な接着剤塗布器の例は、噴霧及びスロット塗工機である。ホットメルト接着剤は、加熱貯留容器内で溶融状態で保持して、それぞれノズル又はダイオリフィスを通してそれからポンプ押出してストランド14に施すことができる。図2に示す態様においては、接着剤をエラストマーストランド14の列の上に溶融吹出又は噴霧する。第1の基材16がスパンボンド高密度ポリエチレンウエブであり、第2の基材18が線状低密度ポリエチレンフィルムである好ましい態様においては、接着剤は、好ましくは、低密度ポリエチレンシートに対向するストランド14の側面に施す。また、まず硬化性接着剤を基材16に施し、その後ホットメルト接着剤をストランド14上に施すことが好ましい。
【0028】
第1の基材16及びエラストマーストランド14の列を、反対方向に回転するニップロール24及び25によって形成されるニップ29において、供給ロール32から供給される第2の基材18と接触させる。ニップ29内において、第1及び第2の基材16、18を、伸張させたエラストマーストランド14の列、ホットメルト接着剤及び硬化性接着剤と(圧締によって)直接接触させて、第1及び第2の基材16、18の間にサンドイッチされた伸張させたエラストマーストランド14を有する張力がかけられているか或いは伸張されているエラストマープリフォームウエブ2を形成する。
【0029】
ニップ29を通過した後、プリフォームウエブ2を下流に移動させながらそれに対して機械方向の張力を維持する。張力がかけられているか或いは伸張されているプリフォームウエブ2を図5に概略的に示す。伸張されたプリフォームウエブ2を、引き続き下流に移動させながらインラインで加熱する。インライン加熱は、プリフォームウエブ2を一つ又はそれ以上の加熱ロールと接触させることによって、プリフォームウエブ2の基材16、18の一方又は両方の側面に実質的に同時に熱を施すことによって行う。好ましい方法においては、図2において最良に示されているように、1又はそれ以上(図2では3つが示されている)の加熱ロール42、44、46が配置され、プリフォームウエブ2の比較的平坦な表面が、加熱ロール42、44、46のそれぞれの比較的平坦な外表面と蛇行軌道で接触して、熱がウエブ2の一方の側面のみに施されるようにする。而して、約300ft/分の好ましいライン速度において、加熱ロール42、44、46は基材18の外表面と接触し、それによってプリフォームウエブ2のその側面を加熱して、ウエブ2の全体に対する均一な熱移動を与える。しかしながら、所望の場合には、多数の組のインラインロールを用いることもできる。典型的には、ロール42、44、46には、約250°F〜約300°Fの温度範囲の加熱オイルが充填されており、これによってプリフォームウエブ2を、ロール46の表面から離れる前に約200°F〜約250°Fの温度範囲に加熱する。図2においては三つの加熱ロールを示しているが、加熱のために望ましい時間及び温度に応じて任意の数の加熱ロールを用いることができることは明らかである。
【0030】
加熱したら、プリフォームウエブ2を加熱ロール42、44、46から下流に移動させ、冷却する。冷却させながら、また、プリフォームウエブ2を、機械方向において収縮及び弛緩させて、ひだ付きウエブ8を形成する。ロール42、44、46の後にライン速度の減少によって機械方向の張力が解放され、これによりエラストマーストランド14が収縮し、アコーディオン状に層がひだ形成することによってプリフォームウエブ2の長さが減少し、ひだ付きプリフォームウエブ8が形成される。ひだ付きプリフォームウエブ8を図4に最良に概略的に示す。この収縮プロセスを図3に概略的に示す。
【0031】
ウエブ8が冷却され、所望の程度にひだ形成がなされた後に、ウエブ8を、ニップロール50、52によって形成されるニップ48に給送する。実質的に同時に、供給ロール56から剥離ライナー又はシート54を供給し、ひだ付きウエブ8のライン速度と同等の予め定められた速度でニップ48へ給送する。ブチル接着剤のような感圧性接着剤層6を、接着剤塗布器58を用いて剥離ライナー54上に施す。好適な塗布器の例は、噴霧又はスロット塗工機であり、好ましくはスロット塗工機である。所望の場合には、接着剤層6を、ひだ付きウエブ8、具体的には基材18の外表面上に施すこともできることに注意すべきである。しかしながら、通常は、接着剤層6を剥離ライナー54上に直接施すことがより好都合であろう。
【0032】
反対方向に回転するニップロール50、52によって形成されるニップ48において、剥離ライナー54及びひだ付きウエブ8を接着剤層6と一緒に互いに接触させる。ニップ48において、ひだ付きウエブ8及び剥離ライナー54を、圧締によって一緒に接着剤層6と直接接触させて、弾性ラミネート10を形成する。その後、ラミネート10を、図2において64として概略的に示す巻き取り機に給送して、ラミネート10をロール形態で保管することができるようにする。弾性ラミネート10を、図1Aにおいて、参照番号12によって示されるラミネート10のひだを示す端面図として概略的に示す。
【0033】
エラストマーストランド14上の張力を解放してひだ付きプリフォームウエブ8を形成する際には、ホットメルト接着剤によって第1及び第2の基材16、18とエラストマーストランド14の列との間に強固な接着結合が形成されていることが重要である。而して、ホットメルト接着剤は、ストランド14と基材16、18との間の強固な結合を速やかに与える高い初期粘着性を有することが重要である。好ましくは、接着剤は、また、ストランド14を所定位置に適切に結合する良好な昇温クリープ抵抗性を有していることが望ましい。好ましい例としては、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS);スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS);スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS);エチレン−酢酸ビニル(EVA);アモルファスポリ−α−オレフィン(APAO);及びエチレン−スチレンインターポリマー(ESI);からなる群から選択されるポリマーを有する熱可塑性ホットメルト感圧性接着剤が挙げられる。所望の場合には、感圧性接着剤のブレンドを用いることもできる。スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロックコポリマーをベースとする接着剤が最も好ましい。好ましいホットメルト感圧性接着剤は、Bostik,Inc.から商品番号H2385で入手することができるSISベースの製品である。
【0034】
ホットメルト接着剤は、好ましくは、層間の良好な結合強度を与え、また良好な紫外光及び熱安定性を有するように選択される。異なる貯留槽から別々のオリフィスに給送することによってホットメルト接着剤組成物の組み合わせを用いることができる。例えば、オムツの製造において用いるための当該技術において公知のもののようなスチレン−イソプレン−スチレンホットメルト接着剤などの高い初期粘着性を与える第1のホットメルト接着剤を施し、続いて、フラッシング材のような屋外用途のためにも望ましい増大した可撓性のような他の所望の特性を与える、別のオリフィスから供給される他のホットメルト接着剤を施すことができる。
【0035】
上記で言及したホットメルト感圧性接着剤に加えて、本発明方法は、弾性ラミネート10に長期間強度及び耐久性を与える硬化性接着剤を用いる。窓フラッシング材のような用途においては、弾性ラミネート10は、夏及び冬の温度による広範囲の温度極値、並びに、積層体が優れた長期間経時変化安定性、即ちUV安定性を有することを必要とする日光に曝露される。上記に記載したように、ホットメルト感圧性接着剤は、製造中に積層体をはじめに一緒に保持するのに優れた「生」強度を与えるが、このようなホットメルト接着剤は、適当な長期間強度、温度耐性及び耐久性を与えない。したがって、熱硬化性、紫外光硬化性(UV硬化性)、又は湿分硬化性の単成分接着剤、或いは架橋性の二成分接着剤のような硬化性接着剤を用いることができる。好ましい硬化性接着剤は、ポリウレタンをベースとするものであり、Bostik,Inc.からXPU18228の表示で入手できる脂肪族湿分硬化性ポリウレタンが最も好ましい。他の例としては、二成分ポリウレタン及び二成分エポキシ接着剤が挙げられる。湿分硬化性接着剤を用いる場合には、少なくとも一つの基材が湿分透過性でなければならない。硬化性接着剤は、スロット塗工機28を用いて基材16に、及び/又はスロット塗工機34を用いて基材18に直接施す。次に、ニップ29に入る前に、ホットメルト感圧性接着剤を、弾性ストランド14の上に溶融吹出又は噴霧する。硬化性接着剤は、約2〜約20g/m2の範囲の付加量で施すことができるが、好ましくは、約6g/m2の付加量で施す。同様に、感圧性ホットメルト接着剤は、約2〜約20g/m2の範囲の付加量で施すことができるが、好ましくは約15g/m2の付加量でストランド14上に溶融吹出又は噴霧する。好ましいホットメルト感圧性接着剤は、Bostik,Inc.から製品番号H2385で入手することができるSISベースの製品である。
【0036】
図2Aは、弾性ラミネート10を製造する方法の他の態様を示す。図2Aに示す装置及びプロセス工程の全ては、加熱工程を除いて図2に関して記載したものと同一である。したがって、同様の装置は文字「A」で示す。加熱工程に関しては、図2Aは、図2において示されるように一方の側面のみではなく、プリフォームウエブ2Aの両方の側面を加熱することができることを示す。基材16A及び18Aの両方の加熱を行う一つの方法は、図2Aに示すように、プリフォームウエブ2Aを、蛇行軌道で、複数の加熱ロール66、68及び70の外表面と接触させることである。而して、プリフォームウエブ2Aが所望の温度に加熱されるまで、一つの基材18Aをロール66と接触させ、一方基材16Aを次にロール68と接触させ、以下これを続けるという作業を行う。図2Aにおいては三つの加熱ロールが示されているが、加熱に所望の時間及び温度に応じて任意の数の加熱ロールを用いることができることは明らかである。
【0037】
図2Bは、弾性ラミネート10を製造する方法の更に他の態様を示す。図2Aに示す方法が連続的であるのに対して、図2Bに示す方法が不連続的であることを除き、図2Bに示す装置及びプロセス工程の全ては図2Aに関して記載したものと同一である。したがって、同様の装置は文字「B」で示す。この他の態様の方法の不連続性に関しては、図2Bは、ブチル接着剤のような感圧性接着剤及び剥離ライナーを用いて直ちに積層する代わりに、ひだ付きエラストマーウエブ8Bを、J−box72に給送し、次に保管のために包装装置74に給送することができることを示す。J−box72は、緩衝装置として機能し、また、ひだ付きウエブ8Bを更に冷却及び弛緩する。ひだ付きウエブ8Bは、J−box72から、次に包装装置74に給送され、ここでひだ付きウエブ8Bは前後の動きで誘導されて容器内で層を形成することによって包装され、ここでひだ付きウエブ8Bは更に冷却及び弛緩する。
【0038】
図2Bは、ロール42B、44B及び46Bによるプリフォームウエブ2Bの単一側面の加熱を示しているが、図2Aの両面加熱配置を用いることもできることに注意すべきである。また、当業者であれば、図2、2A及び2Bは概略図にすぎず、図2、2A及び2Bにおける部品の間の距離は、その寸法と同様に例示目的のみのものであることを容易に認識するであろう。
【0039】
ひだ付きウエブ8を包装装置74によって包装したら、それは、現地外に輸送するか、或いはその後の使用のために保管することができる。いずれの場合においても、弾性ラミネート10は、それに感圧性接着剤及び剥離ライナーを施すことによってその後形成することができる。これは、任意の所望の場所で、並びに、図2又は2Aに関して示され記載された方法のような任意の適当な方法によって行うことができる。
【実施例】
【0040】
本実施例は、エンボス加工され縮み加工されたフラッシュスパン高密度ポリエチレン不織布の第1の基材、線状低密度ポリエチレンフィルムを含む第2の基材、及び二つの層の間にサンドイッチされたLycra XAスパンデックス弾性糸の列を有し、基材が、一つは熱可塑性ホットメルト、もう一つは湿分硬化性ポリウレタン接着剤の二つの接着剤の組み合わせを用いて結合されている、ひだ付きエラストマーウエブをその一成分として含む弾性ラミネートの形成を示す。ひだ付きウエブを図2の方法にしたがって製造し、一方の側面をブチル接着剤及びシリコン処理紙製の剥離ライナーで被覆した。
【0041】
基材に、300ft/分の積層速度で、620デシテックス/フィラメントの線密度を有するLycra XAスパンデックスの48ストランドの列を積層した。第1の基材のエンボス加工された側面をスパンデックス列に隣接させた。個々のスパンデックスストランドは、7.625インチ(19.4cm)の最も外側のストランドの間の間隔に等間隔で配置した。積層の間、Lycra XAスパンデックス列を、280%の伸びに張力をかけた。Bostik,Inc.からのH−2385スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ホットメルト接着剤を、Westlake,OhioのNordson CorporationからのDF2スプレーヘッドを用いて、390°Fの空気温度、及び10psiの計量ヘッド中の空気圧力で基材16上に直接施し、同様にBostik,Inc.から入手したXPU18288ポリウレタン硬化性接着剤を、スロットダイ塗工機を用いて8.5インチ(21.6cm)の幅を有する基材18上に直接施した。スチレン−イソプレン−スチレン(H−2385)ホットメルト接着剤をタンク内で380°Fに保持して15g/m2の付加量で施し、ポリウレタン接着剤(XPU18288)をタンク内で250°Fに保持して6g/m2の付加量で施した。開放時間(ホットメルトを基材16上に噴霧した時点から、Tyvekシート、Lycra XAスパンデックス、SISホットメルト、ポリウレタン及びポリエチレンフィルムがニップロールと接触するまでの時間)は、0.43秒(13インチ(33cm)の距離に相当する)であった。ニップロール圧は40psiに設定した。8インチ(20.3cm)の幅を有するスリッターをプロセスの末端部に配置した。
【0042】
加熱ロール42、44及び46に、275°Fの温度の加熱オイルを充填し、加熱ロールの回りの滞留時間は約0.8秒であった。Bostik,Inc.から入手した1183と表示されたブチル接着剤を、0.020インチの付加量で剥離ライナー54上に直接施した。
【0043】
図2の方法によって形成した加熱し冷却したひだ付きエラストマーウエブ8の選択された試料は、約18インチの当初の伸張状態から約6インチに収縮したことが認められた。また、選択された試料は、機械方向のねじれ及び/又はストーブパイピングを有しなかった。これに対して、図2の方法において加熱しなかった試料は、約18インチの当初の伸張状態から約10インチにしか収縮しなかった。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、本発明方法にしたがって製造した窓フラッシング材として有用な弾性ラミネートの斜視図である。
【図1A】図1Aは、その要素をより詳細に示す図1の弾性ラミネートの端面図である。
【図2】図2は、エラストマープリフォームウエブの一方の側面のみを加熱する、図1に示す弾性ラミネートを製造するのに用いる装置を示す概略図である。
【図2A】図2Aは、プリフォームウエブの両方の側面を加熱する第2の態様を示す、図2と同様の概略図である。
【図2B】図2Bは、プロセスが不連続的である第3の態様を示す、図2及び2Aと同様の概略図である。
【図3】図3は、ラミネート中の弾性材料が弛緩するにつれたプリフォームウエブの伸張の種々の度合いを示す、図2のプロセス中に製造されるエラストマープリフォームウエブの上面図である。
【図4】図4は、比較的ひだ付きが行われた状態のプリフォームウエブを示す、図3の4−4線に沿った部分断面図である。
【図5】図5は、伸張状態のプリフォームウエブを示す、図3の5−5線に沿った部分断面図である。
【図6】二つの基材層とそれを通って伸長する弾性ストランドとの間の接着結合を拡大して示す、図3の6−6線に沿った部分断面図である。
【図7】二つの基材層の間に保持された一つの弾性ストランドを更に示す、図6の7−7線に沿った部分断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸張させたエラストマーウエブを機械方向に給送し;
該伸張させたエラストマーウエブの少なくとも一方の側面を少なくとも一つの加熱ロールと接触させることによって該伸張させたエラストマーウエブを加熱し;そして
該エラストマーウエブを冷却し該少なくとも一つの加熱ロールの下流に移動させながら、該伸張させたエラストマーウエブを機械方向に収縮させて、ひだ付きエラストマーウエブを形成する;
工程を含む、エラストマーウエブの寸法収縮を制御する方法。
【請求項2】
該エラストマーウエブを空気に曝露することによって冷却する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
空気が雰囲気温度である請求項2に記載の方法。
【請求項4】
加熱工程が、該伸張させたエラストマーウエブの対向する両側面に熱を施すことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該伸張させたエラストマーウエブの対向する両側面を実質的に同時に加熱する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
該伸張させたエラストマーウエブの該対向する側面のそれぞれを1以上の加熱ロールと接触させることによって熱を施す請求項4に記載の方法。
【請求項7】
該伸張させたエラストマーウエブが、蛇行軌道で該加熱ロールと接触する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
該伸張させたエラストマーウエブを収縮させる工程が、該ウエブの機械方向のライン速度を低下させることを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
伸張させたエラストマーウエブを機械方向に給送し;
該伸張させたエラストマーウエブの少なくとも一方の側面を少なくとも一つの加熱ロールと接触させることによって該伸張させたエラストマーウエブを加熱し;
該エラストマーウエブを冷却し該少なくとも一つの加熱ロールの下流に移動させながら、該伸張させたエラストマーウエブを機械方向に収縮させて、ひだ付きエラストマーウエブを形成し;
剥離ライナーを該機械方向に給送し;
該ひだ付きエラストマーウエブ又は該剥離ライナーのいずれかの一方の側面に感圧性接着剤を施し;そして
該ひだ付きエラストマーウエブ及び該剥離ライナーを一緒に圧締して弾性ラミネートを形成する;
工程を含む、弾性ラミネートの製造方法。
【請求項10】
該感圧性接着剤が合成ゴム接着剤を含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
該合成ゴム接着剤が、ブチル接着剤、ポリイソブチレン接着剤、イソブチレンコポリマー接着剤及びスチレンブロックコポリマーをベースとするホットメルト接着剤からなる群から選択される請求項10に記載の方法。
【請求項12】
該ブチル接着剤が、ブチル、ブロモブチル、クロロブチル、星形分岐ブチル、及び星形分岐ハロブチルからなる群から選択されるブチルポリマーを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
加熱工程が、該伸張させたエラストマーウエブの対向する両側面に熱を施すことを含む請求項9に記載の方法。
【請求項14】
該伸張させたエラストマーウエブの対向する両側面を実質的に同時に加熱する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
該伸張させたエラストマーウエブの該対向する側面のそれぞれを1以上の加熱ロールと接触させることによって熱を施す請求項13に記載の方法。
【請求項16】
該伸張させたエラストマーウエブが、蛇行軌道で該加熱ロールと接触する請求項15に記載の方法。
【請求項17】
該剥離ライナーがシリコン処理紙のシートを含む請求項9に記載の方法。
【請求項18】
第1の基材を機械方向に給送し;
該第1の基材と整列させた第2の基材を該機械方向に給送し;
該第1及び第2の基材の間に、機械方向に伸張され、該第1及び第2の基材と整列したエラストマーストランド材料の列を給送し;
該基材の一方に硬化性接着剤を施し;
該基材の一方に熱可塑性ホットメルト接着剤を施し;
該エラストマーストランド材料をその伸張状態に保持しながら、該第1及び第2の基材、該硬化性接着剤、該ホットメルト接着剤、及び該エラストマーストランド材料を一緒に圧締して、エラストマープリフォームウエブを形成し;
該伸張させたエラストマープリフォームウエブの少なくとも一方の側面を少なくとも一つの加熱ロールと接触させることによって該伸張させたエラストマープリフォームウエブを加熱し;
該エラストマーストランド材料上の機械方向の張力を解放して、該伸張させたエラストマープリフォームウエブを機械方向に収縮させて、ひだ付きエラストマーウエブを形成し;
該ひだ付きエラストマーウエブを該少なくとも一つの加熱ロールの下流に移動させながら、該ひだ付きエラストマーウエブを冷却し;
剥離ライナーを該機械方向に給送し;
該ひだ付きエラストマーウエブ又は該剥離ライナーのいずれかの一方の側面に感圧性接着剤を施し;そして
該ひだ付きエラストマーウエブ及び該剥離ライナーを一緒に圧締して弾性ラミネートを形成する;
工程を含む、弾性ラミネートの製造方法。
【請求項19】
該ホットメルト接着剤が、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS);スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS);スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS);エチレン−酢酸ビニル(EVA);アモルファスポリ−α−オレフィン(APAO);及びエチレン−スチレンインターポリマー(ESI);からなる群から選択されるポリマーを含む感圧性ホットメルト接着剤である請求項18に記載の方法。
【請求項20】
該ホットメルト接着剤が、スチレン−イソプレン−スチレンをベースとする接着剤である請求項18に記載の方法。
【請求項21】
該硬化性接着剤が、単成分及び二成分硬化性接着剤からなる群から選択される請求項18に記載の方法。
【請求項22】
該硬化性接着剤が、ポリウレタンをベースとする接着剤である請求項18に記載の方法。
【請求項23】
該第1の基材が、高密度ポリエチレンシートである請求項18に記載の方法。
【請求項24】
該第2の基材が、ポリオレフィンフィルムである請求項18に記載の方法。
【請求項25】
該第2の基材が、低密度ポリエチレンフィルムである請求項24に記載の方法。
【請求項26】
該感圧性ホットメルト接着剤を、約2〜約20g/m2の付加量で施す請求項18に記載の方法。
【請求項27】
該感圧性ホットメルト接着剤を、約15g/m2の付加量で施す請求項26に記載の方法。
【請求項28】
該硬化性接着剤を、約2〜約20g/m2の付加量で施す請求項18に記載の方法。
【請求項29】
該硬化性接着剤を、約6g/m2の付加量で施す請求項28に記載の方法。
【請求項30】
該硬化性接着剤が、熱硬化性、紫外光硬化性、及び湿分硬化性の単成分硬化性接着剤からなる群から選択される請求項21に記載の方法。
【請求項31】
該硬化性接着剤が、湿分硬化性ポリウレタンである請求項21に記載の方法。
【請求項32】
該硬化性接着剤及び該熱可塑性ホットメルト接着剤を、いずれも同一の基材に施す請求項18に記載の方法。
【請求項33】
該硬化性接着剤及び該熱可塑性ホットメルト接着剤を、異なる基材に施す請求項18に記載の方法。
【請求項34】
該硬化性接着剤を該第1の基材に施し、該熱可塑性ホットメルト接着剤を該エラストマーストランド材料及び該第2の基材に同時に施す請求項18に記載の方法。
【請求項35】
該硬化性接着剤を連続的に施す請求項18に記載の方法。
【請求項36】
該硬化性接着剤を不連続的に施す請求項18に記載の方法。
【請求項37】
該ホットメルト接着剤を連続的に施す請求項18に記載の方法。
【請求項38】
該ホットメルト接着剤を不連続的に施す請求項18に記載の方法。
【請求項39】
該感圧性接着剤が合成ゴム接着剤を含む請求項18に記載の方法。
【請求項40】
該合成ゴム接着剤が、ブチル接着剤、ポリイソブチレン接着剤、及びイソブチレンコポリマー接着剤からなる群から選択される請求項39に記載の方法。
【請求項41】
該ブチル接着剤が、ブチル、ブロモブチル、クロロブチル、星形分岐ブチル、及び星形分岐ハロブチルからなる群から選択されるブチルポリマーを含む請求項40に記載の方法。
【請求項42】
加熱工程が、該伸張させたエラストマープリフォームウエブの対向する両側面に熱を施すことを含む請求項18に記載の方法。
【請求項43】
該伸張させたエラストマープリフォームウエブの対向する両側面を実質的に同時に加熱する請求項42に記載の方法。
【請求項44】
該伸張させたエラストマープリフォームウエブの該対向する側面のそれぞれを1以上の加熱ロールと接触させることによって熱を施す請求項42に記載の方法。
【請求項45】
該伸張させたエラストマープリフォームウエブが、蛇行軌道で該加熱ロールと接触する請求項44に記載の方法。
【請求項46】
該剥離ライナーが、シリコン処理紙のシートを含む請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−525672(P2008−525672A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501858(P2008−501858)
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/039364
【国際公開番号】WO2007/097736
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(505252090)ボスティック・インコーポレーテッド (10)
【Fターム(参考)】