説明

ウシ個体における枝肉重量を評価する遺伝子マーカー及びそれを用いた枝肉重量評価方法

【課題】遺伝子マーカーを用いたウシ個体における枝肉重量を評価する評価方法を提供すること。
【解決手段】ウシNCAPG遺伝子のe9部位における塩基を決定し、それがGのとき、枝肉重量が重いと評価する。またはウシNCAPGタンパク質のE9部位におけるアミノ酸を決定し、メチオニンであるとき、枝肉重量が重いと評価する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウシ個体における枝肉重量を評価する遺伝子マーカー及びそれを用いた枝肉重量評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウシの肉質や枝肉重量は、価格に直結する経済形質であり、これらに関する遺伝的能力をどのように評価し、ウシの改良に役立てるかについては、育種価による方法などが考案され、用いられてきた。
【0003】
肉質や枝肉重量は、複数の遺伝子が関与する量的形質と考えられる。もし、肉質や枝肉重量に比較的大きな影響を与える遺伝子またはゲノム領域(QTL)が特定でき、優良な遺伝子型の判別ができれば、それをウシの改良に利用することができる。
【0004】
これまでに、黒毛和種種雄牛の父方半きょうだい家系を用いたQTL解析により、ウシ6番染色体上に体重または枝肉重量に影響を与えるゲノム領域が存在することが報告されている(非特許文献1参照)。その後、別の黒毛和種種雄牛において、6番染色体上の同じ領域にQTLが確認された(非特許文献2参照)。一方、ある褐毛和種種雄牛とその優良型遺伝的形質を受け継いだ産子種雄牛においても、上記とほぼ同じ領域にQTLが検出されていた。
【非特許文献1】Takasuga et al. (2007) Mamm. Genome 18, 125-136.
【非特許文献2】瀬戸口ら(2006)日本動物遺伝育種学会第7回大会要旨集
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実際に、どのような遺伝情報が優良型遺伝的形質を担っているのかわからないため、ウシ個体における枝肉重量を評価する際、遺伝子型などの遺伝情報を用いることができなかった。
そこで、本発明は、遺伝子マーカーを用いたウシ個体における枝肉重量を評価する評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、ウシ6番染色体上の体重または枝肉重量に影響を与えるゲノム領域を詳細に解析することにより、NCAPG遺伝子のSNPのうちで、e9部位におけるSNPが、6番染色体上の体重または枝肉重量QTLの責任SNPもしくは責任SNPと連鎖不平衡にあるSNPであること、それによって、NCAPG遺伝子のe9部位を含み、e9部位における塩基がGであるDNAが、枝肉重量を増加させる遺伝子マーカーとして有用であることを見出し、さらに、e9部位における塩基がGであるSNPは優性変異であること、また、このSNPを有するNCAPG遺伝子はE9部位におけるアミノ酸がメチオニンである変異NCAPGタンパク質をコードすることなどを明らかにし、本発明の完成に至った。
【0007】
そこで、本発明の、ウシ個体における枝肉重量を評価する評価方法は、NCAPG遺伝子のe9部位における塩基またはNCAPGタンパク質のE9部位におけるアミノ酸を決定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明のウシNCAPG遺伝子は、e9部位がGである。本発明のウシNCAPGタンパク質は、E9部位におけるアミノ酸がメチオニンである。
【0009】
また、本発明のDNAは、ウシNCAPG遺伝子のe9部位を含む前記遺伝子の一部又は全部を有し、当該e9部位における塩基がGである。
【0010】
また、本発明の、ウシ個体における枝肉重量を評価する遺伝子マーカーは、ウシNCAPG遺伝子のe9部位を含む前記遺伝子の一部又は全部を有するDNAからなる。
【0011】
また、本発明の、枝肉重量の重いウシ個体を選択する選択方法は、各ウシ個体でNCAPG遺伝子のSNPのうちで、e9部位における塩基を決定する工程と、NCAPG遺伝子の少なくとも一方のアリルで、当該塩基がGである個体を選択する工程とを含む。
【0012】
また、本発明の、野生型ウシ個体の枝肉重量を増加させる方法は、交配によらず、遺伝子組換え技術を用いて、NCAPG遺伝子の少なくとも一方のアリルで、e9部位の塩基をGに置換したウシを作出すること、またはE9部位のアミノ酸がメチオニンであるNCAPGタンパク質を発現するウシを作出することを特徴とする。
【0013】
また、本発明のウシは、E9部位のアミノ酸がメチオニンであるNCAPGタンパク質をコードする外来性DNAを有する。この外来性DNAは当該NCAPGタンパク質を発現する発現ベクターであってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、遺伝子マーカーを用いたウシ個体における枝肉重量を評価する評価方法を提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、上記知見に基づき完成した本発明の実施の形態を、実施例を挙げながら詳細に説明する。実施の形態及び実施例に特に説明がない場合には、J. Sambrook, E. F. Fritsch & T. Maniatis (Ed.), Molecular cloning, a laboratory manual (3rd edition), Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New York (2001); F. M. Ausubel, R. Brent, R. E. Kingston, D. D. Moore, J.G. Seidman, J. A. Smith, K. Struhl (Ed.), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons Ltd.などの標準的なプロトコール集に記載の方法、あるいはそれを修飾したり、改変した方法を用いる。また、市販の試薬キットや測定装置を用いている場合には、特に説明が無い場合、それらに添付のプロトコルを用いる。
【0016】
なお、本発明の目的、特徴、利点、及びそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態及び具体的に実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図並びに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々な改変並びに修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
【0017】
==ウシNCAPG遺伝子のSNP==
ウシ野生型NCAPG遺伝子のe9部位における塩基はTであるが、実施例に示すように、ウシNCAPG遺伝子のe9部位における塩基がGである場合、枝肉の重量が増加する。従って、ウシNCAPG遺伝子のSNPのうちで、e9部位における塩基を決定すれば、枝肉の重量を評価したり、予測したりすることができる。
【0018】
ここで、e9部位とは、配列番号1のウシNCAPG遺伝子のcDNA(NM_001102376)における1372番目の塩基、及びウシゲノム中のNCAPG遺伝子や転写産物hnRNA、NCAPG遺伝子ホモログなどにおける当該塩基に対応する塩基すべてを指すものとする。
【0019】
ウシ野生型NCAPGタンパク質のE9部位におけるアミノ酸はイソロイシンであるが、e9部位における塩基がGであるウシ変異NCAPG遺伝子は、E9部位におけるアミノ酸がメチオニンである変異NCAPGタンパク質をコードする。従って、NCAPG遺伝子e9部位における塩基を決定するかわりに、ウシNCAPGタンパク質のE9部位におけるアミノ酸を決定してもよい。
【0020】
ここで、E9部位とは、配列番号2のウシNCAPGタンパク質(NP_001095846)における442番目のアミノ酸、及び部分ペプチドやNCAPGホモログなどにおける当該アミノ酸に対応するアミノ酸すべてを指すものとする。
【0021】
==遺伝子マーカー==
本発明において、ウシ個体の枝肉の重量を評価する際の診断マーカーは、ウシNCAPG遺伝子のe9部位におけるSNPを検出するための遺伝子関連物質をいう。例えば、NCAPG遺伝子を含むDNA、転写物であるhnRNAやmRNA、翻訳物であるポリペプチド、最終産物であるタンパク質などが含まれる。
【0022】
診断マーカーがNCAPG遺伝子等のDNAの場合、上記SNPを検出するためには、SNPを有する塩基を決定できればよい。具体的には、塩基配列を直接決定してもよく、PCRを利用してもよく、RFLPを利用してもよく、特に検出方法は限定されない。診断マーカーがNCAPG遺伝子の転写産物であるhnRNAやmRNAである場合も、RNA配列を決定することにより、SNPを検出できる。これらSNPを直接検出する場合、配列を決定する核酸にはNCAPG遺伝子全体が含まれる必要はなく、NCAPG遺伝子やcDNAの一部であってもよく、SNPを有する塩基(ここでは、e9部位における塩基)が含まれ、その塩基を決定することができれば十分である。
【0023】
診断マーカーがNCAPGタンパク質等のペプチドの場合、上記変異を検出するためには、常法によって、変異を有するアミノ酸を直接決定してもよい。この変異を直接検出する場合、配列を決定するペプチドにはNCAPGタンパク質全体が含まれる必要はなく、NCAPGタンパク質の一部であってもよく、変異を有するアミノ酸(ここでは、E9部位におけるアミノ酸)が含まれ、そのアミノ酸を決定することができれば十分である。
【0024】
==SNPの判定方法==
e9部位における塩基の種類は、分子生物学的に決定すればよく、例えば、ウシ細胞からゲノムDNAを抽出し、e9部位の塩基を常法によって決定する。このe9部位の塩基がGのヘテロ接合またはGのホモ接合であれば、そのウシの枝肉の重量は重いと評価できる。
【0025】
E9部位におけるアミノ酸も、例えば、抗体等を用いてウシ細胞からNCAPGタンパク質を精製し、常法に従って、アミノ酸配列を決定すればよい。このE9部位におけるアミノ酸がメチオニンであれば、そのウシの枝肉の重量は重いと評価できる。
【0026】
また、この評価方法を用いて、多数のウシの中から、枝肉重量の重いウシ個体を選択することができる。すなわち、各ウシ個体で、NCAPG遺伝子のe9部位における塩基を決定し、少なくとも一方のアリルで、その塩基がGである個体を選択すること、またはNCAPGタンパク質のE9部位におけるアミノ酸を決定し、少なくともそのアミノ酸がメチオニンである変異NCAPGタンパク質を有する個体を選択することにより、枝肉重量の重いウシ個体を選択することができる。
【0027】
ここで、NCAPG遺伝子は、ウシの中で高度に保存されているため、本発明を実施する対象となるウシの種類は、黒毛和種、褐毛和種、ホルスタイン種など、特に限定されない。
【0028】
==SNPの人為的操作==
NCAPG遺伝子の少なくとも一方のアリルで、e9部位の塩基がGであり、そのためE9部位のアミノ酸がメチオニンであるNCAPGタンパク質を発現する変異ウシにおいては、実施例のように、枝肉重量が増加している。このNCAPG遺伝子において、e9部位以外の変異はないか、あっても枝肉重量の増加とは関連しない。
【0029】
従って、野生型ウシ個体の枝肉重量を増加させるためには、交配によらず、ノックアウト動物作製、ノックダウン動物作製、トランスジェニック動物作製など、広く知られている個体における遺伝子組換え技術を用いて、NCAPG遺伝子の少なくとも一方のアリルで、e9部位の塩基をGに置換したウシを作出したり、またはE9部位のアミノ酸がメチオニンであるNCAPGタンパク質を発現するウシを作出したりすればよい。
【0030】
これまでウシを用いて、胚幹細胞が樹立され(Biochem. Biophys. Res. Commun. vol.309, p.104-113, 2003)、ノックアウトウシも作出されている(Nat Ganet vol.36, p.671-672, 2004)。このような発生工学的な遺伝子組換え技術を用い、ウシ個体において、特定の塩基を目的の塩基に置換することも可能である。
【0031】
そこで、NCAPG遺伝子の両方のアリルにおいて、e9部位の塩基としてGを有しないウシ個体の枝肉重量を増加させるには、例えば、NCAPG遺伝子の少なくとも一方のアリルで、e9部位の塩基をGに置換したウシを作出すればよい。この場合、この変異アリルは優性であるため、必ずしも両方のアリルを置換する必要はなく、一方を置換するだけでよい。
【0032】
あるいは、実施例に示すように、この変異は優性変異であるため、ウシ個体中でNCAPGタンパク質のE9部位におけるアミノ酸がメチオニンである変異タンパク質を発現するウシを作出することにより、枝肉重量を増加したウシ個体を作出することもできる。具体的には、例えば、当該変異タンパク質を発現する発現ベクターを導入されたトランスジェニックウシを作出すればよい。
【実施例】
【0033】
以下、実施例を用いてより詳細に説明する。
【0034】
[1]DNAの抽出及びマイクロサテライトとSNPのタイピング方法
ゲノムDNAは、精液、腎周囲脂肪もしくは血液より常法により抽出した。目的とするゲノム断片を特異的に増幅できるプライマーを用いて、PCR法により該当ゲノム領域を増幅した。マイクロサテライトについては、リバース側プライマーを蛍光標識し、PCR増幅産物をABI 3730 DNAアナライザー(アプライドバイオシステムズ社)で電気泳動後、GENESCANとGeneMapperソフトウェア(アプライドバイオシステムズ社)により解析することでタイピングを行った。SNPについては、Big Dye Terminator v.3.1 Cycle Sequencing Kit (アプライドバイオシステムズ社)を用いてPCR増幅産物のダイレクトシークエンシングを行うことによって配列を決定し、SNPの検出およびタイピングを行った。表2のSNP 19については、繰り返し配列の多型であるので、リバース側プライマーを蛍光標識し、PCR増幅産物をABI 3730 DNAアナライザー(アプライドバイオシステムズ社)で電気泳動後、GENESCANとGeneMapperソフトウェア(アプライドバイオシステムズ社)により解析することでタイピングを行った。
【0035】
[2]枝肉の重量の測定方法
枝肉重量は、屠場に出荷されたウシの枝肉の格付け成績を用いた。
【0036】
[3]枝肉の重量に関するSNPの統計学的処理
本実施例では、NCAPG遺伝子のe9部位に生じたGへの変異が優性変異であり、枝肉重量に影響を及ぼすことを示す。
【0037】
ウシ6番染色体上に枝肉重量または体重QTLを検出している黒毛和種種雄牛3頭(A〜C)と褐毛和種種雄牛2頭(D、E)のゲノムDNAを、ウシゲノム配列を用いて作成した多数のマイクロサテライトマーカーとSNPマーカーでタイピングし比較した。この際、各マーカーで得られる2つのアリル型が、相同染色体の優良型(Q)に由来するか非優良型(q)に由来するかを見分けるために、それぞれの種雄牛の産子についてもタイピングを行った。表1に用いたプライマーを示す。
【表1】

【0038】
その結果、NCAPG遺伝子を含む約660 kb(SNP0-DIK9017)の領域が、5頭の種雄牛の優良型アリルで共通し、かつ、5頭の種雄牛すべてで非優良型アリルとは区別できるマーカーを含むことがわかった。
【0039】
この領域に存在する4つの遺伝子のタンパク質翻訳領域に存在するSNPを検索したところ、種雄牛Aにおいてヘテロであり、かつ、アミノ酸置換を伴うSNPを5箇所見出した。それらについて、各種雄牛を調べたところ、種雄牛5頭すべてがヘテロでもつSNPはe9部位におけるもののみであった。
【0040】
このSNPを含む、近傍19個のSNP(表2)について、枝肉重量への影響を調べた。
【表2】

【0041】
ここで、PCRに用いたプライマーを表3に示した。
【表3】

【0042】
まず、黒毛和種去勢牛7990頭の枝肉重量上位集団(570-670 kg; 上位4.7%)のうちの94頭(同じ種雄牛の産子は5頭まで)、下位集団(290-410 kg; 下位4.6%)のうちの96頭(同じ種雄牛の産子は5頭まで)をタイピングし、2x2表でFisherの正確検定を行ったところ(表3「p値」参照)、このe9部位との相関性が最も高かった(表4のSNP 9: p (アリル数) = 1.2 x 10-11)。
【表4】

【0043】
次にfastPHASEプログラム(Scheet, P. and M. Stephens (2006) Am J Hum Genet 78, 629-644.)を用いて、19個のSNPで構成されるハプロタイプを推定したところ、このe9部位がGであるハプロタイプだけが枝肉重量上位集団内の頻度の方が下位集団内の頻度より大きかった(表5のハプロタイプ5と6: これらのハプロタイプとそれ以外のハプロタイプについての2x2表のFisherの正確検定値は、p = 6.7 x 10-11)。
【表5】

【0044】
このように、枝肉重量に影響を及ぼす変異は、NCAPG遺伝子のe9部位に生じたGであり、この変異が優性変異であることがわかる。
【0045】
[4]マーカーとしての利用
種雄牛A-Dの産子をタイピングし、枝肉重量との相関を調べた。結果を表6及び表7に示す。
【表6】

【表7】

【0046】
NCAPG遺伝子のe9部位におけるGへの変異で判定される枝肉の重量増加効果は、一方のアリルでの変異(ヘテロ個体)で常に効果を示し、両方のアリルで変異を生じても(ホモ個体)、ヘテロ個体と比べると、家系によって効果は異なるが、最初の変異より効果は小さかった。このように、この変異が不完全優性であることが確認された。
【0047】
また、特定の家系ではなく、任意の集団375頭をタイピングした結果においても、同等の結果が得られたことから、このSNPは、枝肉重量を増加させる遺伝子型を判別できる良いマーカーとして広く利用可能であることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウシ個体における枝肉重量を評価する評価方法であって、
NCAPG遺伝子のe9部位における塩基またはNCAPGタンパク質のE9部位におけるアミノ酸を決定することを特徴とする評価方法。
【請求項2】
e9部位における塩基がGであることを特徴とするウシNCAPG遺伝子。
【請求項3】
E9部位におけるアミノ酸がメチオニンであることを特徴とするウシNCAPGタンパク質。
【請求項4】
ウシNCAPG遺伝子のe9部位を含む前記遺伝子の一部又は全部を有し、当該e9部位における塩基がGであることを特徴とするDNA。
【請求項5】
ウシ個体における枝肉重量を評価する遺伝子マーカーであって、
ウシNCAPG遺伝子のe9部位を含む前記遺伝子の一部又は全部を有するDNAからなることを特徴とする遺伝子マーカー。
【請求項6】
枝肉重量の重いウシ個体を選択する選択方法であって、
各ウシ個体でNCAPG遺伝子のe9部位における塩基を決定する工程と、
NCAPG遺伝子の少なくとも一方のアリルで、当該塩基がGである個体を選択する工程と、
を含む選択方法。
【請求項7】
野生型ウシ個体の枝肉重量を増加させる方法であって、
遺伝子組換え技術を用いて、NCAPG遺伝子の少なくとも一方のアリルで、e9部位の塩基をGに置換したウシを作出することを特徴とする方法。
【請求項8】
野生型ウシ個体の枝肉重量を増加させる方法であって、
遺伝子組換え技術を用いて、E9部位のアミノ酸がメチオニンであるNCAPGタンパク質を発現するウシを作出することを特徴とする方法。
【請求項9】
E9部位のアミノ酸がメチオニンであるNCAPGタンパク質をコードする外来性DNAを有するウシ。
【請求項10】
前記外来性DNAが、前記NCAPGタンパク質を発現する発現ベクターであることを特徴とする請求項9に記載のウシ。
【請求項11】
E9部位のアミノ酸がメチオニンであるNCAPGタンパク質を発現する発現ベクター。

【公開番号】特開2009−240233(P2009−240233A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−91328(P2008−91328)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(595038556)社団法人畜産技術協会 (10)
【出願人】(591155242)鹿児島県 (56)
【出願人】(591202155)熊本県 (17)
【出願人】(592072791)鳥取県 (19)
【出願人】(391011700)宮崎県 (63)
【Fターム(参考)】