説明

ウレタンフォームの加熱方法および加熱炉

【課題】より効率的に加熱でき、揮発性有機化合物質を容易に取り除くことができるウレタンフォームの加熱方法および加熱炉を提供する。
【解決手段】揮発性有機化合物質を含む軟質ポリウレタン発泡原料を発泡させ、シート状に加工したウレタンフォーム3を形成した後、ウレタンフォーム3を、加熱炉10中を通過して加熱するウレタンフォーム3の加熱方法であって、加熱炉10内においてウレタンフォーム3の進行方向を複数回変更させ、ウレタンフォーム3に熱風をあてるウレタンフォームの加熱方法である。加熱炉10内においてウレタンフォーム3の進行方向を変更させる機構4と、ウレタンフォーム3に熱風をあてる熱風の供給口6を有する加熱炉10である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウレタンフォームの加熱方法および加熱炉に関し、詳しくは、より効率的に加熱でき、揮発性有機化合物質を容易に取り除くことができるウレタンフォームの加熱方法および加熱炉に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から軟質ポリウレタンフォームは、製造時のポリウレタン原料中に酸化防止剤としてのBHT(ジブチルクレゾール)等の揮発性有機化合物質(「VOC」とも称す)が含まれており、このVOC、特にBHTによるフォーム自体の変色等の問題があった。即ち、BHTは、原料自体の酸化を防ぐと共に、発泡時の発熱を抑えるために添加されているが、ポリウレタン原料としてBHTを含む配合で発泡を行った場合、発泡後のフォーム中にもBHTが残存することとなり、このBHTが大気中に含有される窒素酸化物と反応してウレタンフォーム自体を黄変させる(NOx変色)。
【0003】
このようなBHTに起因する軟質ポリウレタンフォームのNOx変色を防止すべく、BHTの代わりに他の酸化防止剤を添加して、フォーム中のBHT含有量を低減させることもでき、この場合においても原料の酸化及び発泡中の発熱を抑えることができる。しかしながら、BHTを他の酸化防止剤に代替した場合には、
(i)酸化防止剤自体の分解、変色を引き起こし、最終的にはウレタンフォーム自体の変色を早める。
(ii)発泡時の発熱制御効果は、BHTに比べて劣るため、発泡温度を抑制させるために、原料配合組成や用いる原材料種の選択、調整が必要となる。
このため、原料配合や得られるフォームの物性が制限される。
【0004】
そこで、特許文献1には、NOx変色の問題のない軟質ポリウレタンフォーム及びその製造方法を提供することを目的として、加熱処理を施して発泡直後の軟質ポリウレタンフォーム中のジブチルクレゾール含有量の20質量%以下である軟質ポリウレタンフォーム及びその製造方法が、開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、軟質ポリウレタンフォームに過熱蒸気を当てる軟質ポリウレタンフォームの製造方法が、開示されている。
【特許文献1】特開2000−95838号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】特開2006−45443号公報(特許請求の範囲等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の方法は、発泡直後のポリウレタンフォーム中のBHT含有量の20質量%以下とすることはできるものの、シート状ウレタンフォームを加熱処理するには加熱炉に入れる必要がある。図2は、従来の加熱炉を示す断面図である。従来の加熱炉20は、ウレタンフォームの供給ローラ21から送り出せたウレタンフォーム23を、ローラ24を回転させてベルト25上を搬送し、ウレタンフォームの巻取りローラ22で巻き取っている。一般に加熱炉20にシート状ウレタンフォーム23のロールをそのまま投入しても内部まで熱を通すまでに非常に時間がかかるため、ロールを送り出しシート状態で加熱すると効果的であるが、図2に示すように、従来の加熱炉20はコンベヤまたはフリーローラコンベア(コロコン)で搬送するため、シート状ウレタンフォーム23を加熱するためには非常に大きな加熱炉20が必要である。また、従来の技術ではシート状ウレタンフォーム23を十分に加熱するためには、非常にゆっくりと加熱炉20の中を通す必要があり、時間がかかるという問題がある。さらに、加熱炉20を長くして加熱時間を稼ぐことも考えられるが、単純に加熱炉20を長くしただけでは、設備が大きく費用がかかるという問題がある。そのため、より効率的に加熱でき、揮発性有機化合物質を容易に取り除くことが求められている。
【0007】
また、特許文献2記載の方法は、ウレタン発泡後に飽和蒸気をあてることによりVOCを低減する技術が開示されているが、実施例には200×200×10mmの試験片に熱風を当てることの記載のみであり、使用する装置によっては十分なVOCの低減効果が得られないものである。
【0008】
そこで本発明の目的は、上記問題を解消して、より効率的に加熱でき、揮発性有機化合物質を容易に取り除くことができるウレタンフォームの加熱方法および加熱炉を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、ウレタンフォームを、特定の条件下で加熱炉中を通過させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明のウレタンフォームの加熱方法は、揮発性有機化合物質を含む軟質ポリウレタン発泡原料を発泡させ、シート状に加工したウレタンフォームを形成した後、該ウレタンフォームを、加熱炉中を通過して加熱するウレタンフォームの加熱方法であって、
前記加熱炉内において前記ウレタンフォームの進行方向を複数回変更させ、かつ、前記ウレタンフォームに熱風をあてることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明のウレタンフォームの加熱方法は、前記加熱炉内において前記ウレタンフォームの進行方向を垂直方向に複数回変更することが好ましく、前記加熱炉の天井の供給口から、前記ウレタンフォームに熱風をあてることが好ましい。さらに、前記加熱炉内において前記ウレタンフォームの進行方向を、ローラで変更することが好ましい。
【0012】
さらにまた、本発明のウレタンフォームの加熱方法は、前記加熱炉の底面の吸引口から、熱風を吸引することが好ましく、吸引した熱風と、外部から取り入れた空気を加熱した熱風を混合して、前記供給口から熱風を供給することが好ましい。また、吸引した熱風と、外部から取り入れた空気を加熱した熱風を、25:75〜75:25の割合で混合することが好ましい。
【0013】
さらに、本発明のウレタンフォームの加熱方法は、前記加熱炉内において前記ウレタンフォームの進行方向を複数回変更させた場合の加熱炉内通過距離が、前記加熱炉内において前記ウレタンフォームの進行方向を変更させない場合の加熱炉内通過距離と比較して、2〜20倍であることが好ましい。
【0014】
本発明の加熱炉は、揮発性有機化合物質を含む軟質ポリウレタン発泡原料を発泡させ、シート状に加工したウレタンフォームを形成した後、該ウレタンフォームを加熱する加熱炉であって、
前記加熱炉内において前記ウレタンフォームの進行方向を複数回変更させる機構と、前記ウレタンフォームに熱風をあてる熱風の供給口を有することを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の加熱炉は、前記機構がローラであることが好ましく、天井に前記供給口を有し、底面に吸引口を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、上記構成としたことにより、より効率的に加熱でき、揮発性有機化合物質を容易に取り除くことができるウレタンフォームの加熱方法および加熱炉を実現することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好適実施形態について、詳細に説明する。
本発明のウレタンフォームの加熱方法は、揮発性有機化合物質を含む軟質ポリウレタン発泡原料を発泡させ、シート状に加工したウレタンフォームを形成した後、該ウレタンフォームを、加熱炉中を通過して加熱するウレタンフォームの加熱方法であり、加熱炉内においてウレタンフォームの進行方向を複数回変更させ、かつ、ウレタンフォームに熱風をあてるものである。また、本発明の加熱炉は、揮発性有機化合物質を含む軟質ポリウレタン発泡原料を発泡させ、シート状に加工したウレタンフォームを形成した後、該ウレタンフォームを加熱する加熱炉であり、加熱炉内においてウレタンフォームの進行方向を複数回変更させる機構と、ウレタンフォームに熱風をあてる熱風の供給口を有するものである。これにより、スペース効率がよく、少ないエネルギーでウレタンフォームを加熱できる。また、より効率的に加熱できるため、VOCを容易に取り除くことができる。なお、加熱炉中のウレタンフォームの進行方向とは、ウレタンフォームを加熱炉へ最初に投入する際の方向であり、一般には、加熱炉の底面に対し水平な方向を示す。
【0018】
また、本発明において、加熱炉内においてウレタンフォームの進行方向を垂直方向に複数回変更することが好ましい。垂直方向とすることにより、ウレタンフォームが加熱炉内を通過する距離をより長くすることができる。
【0019】
さらに、本発明において、加熱炉の天井の供給口からウレタンフォームに熱風をあてることが好ましく、加熱炉の底面に対し垂直方向に熱風を送ることができる。ウレタンフォームの表面に対し、平行に熱風が送られるため、効率よく熱風が流れ、熱風によりウレタンフォーム表面からVOCを容易に取り除くことができる。
【0020】
さらにまた、本発明において、垂直方向にウレタンフォームを通過させる機構としてローラを使用し、加熱炉内においてウレタンフォームの進行方向を、該ローラで垂直方向にウレタンフォームを通過させることが好ましく、該ローラがシートの巻取りローラの駆動と連動して同調駆動することが好ましい。高温に加熱された状態でウレタンフォームを通すとウレタンフォームの強度が低下しているため破断するおそれがあるが、ローラを使用して垂直方向にウレタンフォームを通過させ、ローラをウレタンフォームの巻取りローラの回転に同調駆動させることで、ウレタンフォームにテンションがかからないようにすることができる。
【0021】
また、本発明において、加熱炉の底面の吸引口から、熱風を吸引することが好ましい。加熱炉が、加熱炉の天井に熱風の供給口、および底面に熱風の吸引口を有し、吸引口から揮発したVOCを吸引して熱風を回収することができる。さらに、吸引した熱風と、外部から取り入れた空気を加熱した熱風を混合して、供給口から熱風を供給することが好ましい。加熱によりVOC等の揮発ガスが発生するため加熱炉内のガスを全て排出すると加熱炉内温度が低下してしまう。また、加熱炉内ガスを排出しないと揮発ガスがウレタンフォームに再吸着するため適度な換気が必要である。そこで、上記のように加熱炉の上と下、あるいは加熱炉の前と後等対面になる方向からの給気、排気を行うことで、加熱炉内温度を低下することなくより効率的に加熱でき、揮発性有機化合物質を容易に取り除くことができる。また、排気の一部を給気に戻すことで、炉内温度維持と揮発ガス除去をよりバランスよく両立することができる。
【0022】
さらに、本発明において、吸引した熱風と、外部から取り入れた空気を加熱した熱風を、25:75〜75:25の割合で混合することが好ましい。外部から取りいれる空気が多い場合は、加熱に必要なエネルギーが多く必要になり、加熱が不十分となりVOCが揮発しないおそれがある。一方、外部から取りいれる空気が少ない場合は、VOCが滞留してしまうおそれがある。そのため、上記比率で行うことが好ましい。
【0023】
また、本発明において、加熱炉内においてウレタンフォームの進行方向を複数回変更させた場合の加熱炉内通過距離が、加熱炉内においてウレタンフォームの進行方向を変更させない場合の加熱炉内通過距離と比較して、2〜20倍であることが好ましい。これにより、加熱炉内での加熱経路としてより十分な長さを得られるため加熱時間をより稼ぐことができ、より効率的に加熱でき、揮発性有機化合物質を容易に取り除くことができる。
【0024】
図1は、本発明の一実施の形態に係る加熱炉を示す断面図である。図1に示すように、ウレタンフォームの供給ローラ1から送り出されたウレタンフォーム3を、ローラ5を使用して加熱炉10内に矢印8の方向に進行させる。次いで、ローラ4を回転させて、進行方向に対して垂直方向(矢印9の方向)に、進行してきたウレタンフォーム3を通過させ、これを繰り返して加熱炉10内を通過させる。加熱炉10内を通過後、ウレタンフォーム3は、ウレタンフォームの巻取りローラ2で巻き取られる。ここで、ローラ4は、ウレタンフォームの巻取りローラ2の回転に同調駆動している。かかる構成とすることにより、ウレタンフォーム3が加熱される距離および時間を稼ぐことができ、具体的には、図2に示すローラ対を使用した場合と比較して、加熱距離を約2倍程度稼ぐことができる。
【0025】
また、ウレタンフォーム3は加熱炉10の底面に対して水平方向に進行し、加熱炉10は、かかるウレタンフォーム3の進行方向に対し天井側に熱風の供給口6、および底面側に熱風の吸引口7を有している。供給口6から矢印6aの方向に熱風を送り、ウレタンフォーム3の表面に対し、平行に熱風をあてた後、吸引口7で熱風を矢印7aの方向に吸引するとともに揮発したVOCを吸引する。吸引した熱風は、一部を矢印11に従って廃棄し、残りを供給口6に戻して再度、熱風を加熱炉10内に送っている。図1に示すように、ウレタンフォーム3を上下に迂回させながら熱風路を通過させることで、必要なエネルギーである熱風路の容積を小さくすることができる。さらに、給気と排気のバランスを取ることができ、加熱炉10内温度とウレタンフォーム3のラインスピードのバランスを取りながら揮発ガス量を1/10に減らすことができる。
【0026】
なお、図1は縦型の加熱炉10を図示し、ウレタンフォーム3の進行方向(矢印8)に対する垂直方向(矢印9)を、地面に対する垂直方向と一致させているが、かかる加熱炉10を横向きに設置し、該垂直方向(矢印9)を、地面に対する水平方向と一致させることもできる。ただし、省スペース化の観点から、縦型の加熱炉10が好ましい。
【0027】
本発明において、軟質ポリウレタン発泡原料としては、酸化防止剤としてBHTを用いた下記のような通常の原料配合とすることができ、このような原料を用いて常法に従って発泡した後、得られた軟質ポリウレタンフォームに上述のような加熱処理を施せばよい。なお、原料のNCOインデックスは90〜120が好適である。
【0028】
〈ポリウレタン原料配合(質量部)〉
ポリオール成分:100
イソシアネート成分:10〜80
酸化防止剤(BHT):0.01〜0.5
触媒:0.01〜2.0
発泡剤:1.0〜25.0
整泡剤:0.1〜3.0
【0029】
上記ポリオール成分としては、特に制限はないが、分子量2500〜5000、OH価40〜60程度のものを用いるのが好ましい。
【0030】
イソシアネート成分としては特に制限はなく、一分子中に2個以上のイソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートであって、脂肪族系及び芳香族ポリイソシアネート化合物、更にこれらの変性物が包含される。脂肪族系ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられ、芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。また、これらの変性物としては、カルボジイミド変性物、プレポリマー変性物が挙げられる。本発明において好ましいポリイソシアネートは、芳香族系ポリイソシアネート又は芳香族系ポリイソシアネートの変性物であり、特に好ましくはジフェニルメタンイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
【0031】
また、発泡剤としては、ポリウレタンフォームの製造に使用される全ての発泡剤が使用できる。例えば、低沸点不活性溶剤としてトリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン等のフロン系化合物等、メチレンクロライド、液化炭酸ガス反応によってガスを発生するものとして水、酸アミド、ニトロアルカン等、熱分解してガスを発生するものとして重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等がある。これらのうち、好ましい発泡剤としては、メチレンクロライド、水等が挙げられる。
【0032】
触媒としては、通常のウレタンフォームの製造に使用される全ての触媒が使用できる。例えば、ジブチルチンジウラレート、スタナスオクトエート等の錫系触媒、トリエチルアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン等の3級アミン類等が挙げられる。
【0033】
本発明においては、ポリウレタン原料中に、更に必要に応じて界面活性剤や、難燃剤、その他の助剤を配合使用してもよい。界面活性剤としてはシリコーン系界面活性剤が通常用いられる。難燃剤としては、トリス(2−クロロエチル)フォスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)フォスフェート等のような従来公知の難燃剤の他、尿素、チオ尿素のような有機質粉末あるいは金属水酸化物、三酸化アンチモン等の無機質粉末を用いることができる。
【0034】
また、その他の助剤としては、顔料、染料などの着色粉末、タルク、グラファイトなどの粉末、ガラス短繊維、その他の無機増量剤や有機溶媒などが挙げられる。
【実施例】
【0035】
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0036】
実施例1〜6、比較例1〜4
下記配合のポリウレタン原料を常法に従って25℃で発泡させて軟質ポリウレタンフォームを製造した後、実施例1〜6は図1に示す加熱炉、比較例1〜4は図2に示す加熱炉を使用して、表1および2に示す条件で加熱処理を行ってBHTを揮散除去した。なお、表1および2中、工程長さは、ウレタンフォームの加熱炉内通過距離を示す。
【0037】
得られた軟質ポリウレタンフォームにつき加熱処理前後のBHT含有量を調べ(島津製作所社製「GC−18A」により測定)、BHT低減率(発ガス低減率、%)を算出して、結果を表1および2に併記した。なお、発ガス低減率は、数字が大きい程、良好である。
【0038】
〈ポリウレタン原料配合(質量部)〉
ポリオール(三洋化成社製「GS3000」) :100
酸化防止剤(BHT:このBHTはポリオール中に含有されている):0.30
アミン触媒(三共エアプロダクツ社製「DABCO33LV」) :0.2
水(発泡剤) :4.3
シリコーン整泡剤(信越化学工業社製「F242TB」) :1.0
イソシアネート(ダウケミカル社製「T−80」) :52
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
表1および2から、比較例1〜4は、効率的に加熱できないため発ガス低減率が低く、揮発性有機化合物質を十分に取り除くことができなかった。一方、実施例1〜6は、効率的に加熱できるため発ガス低減率が高く、揮発性有機化合物質を容易に取り除くことができた。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施の形態に係る加熱炉を示す断面図である。
【図2】従来の加熱炉を示す断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1、21 ウレタンフォームの供給ローラ
2 ウレタンフォームの巻取りローラ
3、23 ウレタンフォーム
4 ローラ
5 ローラ
6 供給口
6a 矢印
7 吸引口
7a 矢印
8 矢印
9 矢印
10 加熱炉
11 矢印
20 従来の加熱炉
24 ローラ
25 ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮発性有機化合物質を含む軟質ポリウレタン発泡原料を発泡させ、シート状に加工したウレタンフォームを形成した後、該ウレタンフォームを、加熱炉中を通過して加熱するウレタンフォームの加熱方法であって、
前記加熱炉内において前記ウレタンフォームの進行方向を複数回変更させ、かつ、前記ウレタンフォームに熱風をあてることを特徴とするウレタンフォームの加熱方法。
【請求項2】
前記加熱炉内において前記ウレタンフォームの進行方向を垂直方向に複数回変更する請求項1記載のウレタンフォームの加熱方法。
【請求項3】
前記加熱炉の天井の供給口から、前記ウレタンフォームに熱風をあてる請求項1または2記載のウレタンフォームの加熱方法。
【請求項4】
前記加熱炉内において前記ウレタンフォームの進行方向を、ローラで変更する請求項1〜3のうちいずれか一項記載のウレタンフォームの加熱方法。
【請求項5】
前記加熱炉の底面の吸引口から、熱風を吸引する請求項1〜4のうちいずれか一項記載のウレタンフォームの加熱方法。
【請求項6】
吸引した熱風と、外部から取り入れた空気を加熱した熱風を混合して、前記供給口から熱風を供給する請求項5記載のウレタンフォームの加熱方法。
【請求項7】
吸引した熱風と、外部から取り入れた空気を加熱した熱風を、25:75〜75:25の割合で混合する請求項6記載のウレタンフォームの加熱方法。
【請求項8】
前記加熱炉内において前記ウレタンフォームの進行方向を複数回変更させた場合の加熱炉内通過距離が、前記加熱炉内において前記ウレタンフォームの進行方向を変更させない場合の加熱炉内通過距離と比較して、2〜20倍である請求項1〜7のうちいずれか一項記載のウレタンフォームの加熱方法。
【請求項9】
揮発性有機化合物質を含む軟質ポリウレタン発泡原料を発泡させ、シート状に加工したウレタンフォームを形成した後、該ウレタンフォームを加熱する加熱炉であって、
前記加熱炉内において前記ウレタンフォームの進行方向を複数回変更させる機構と、前記ウレタンフォームに熱風をあてる熱風の供給口を有することを特徴とする加熱炉。
【請求項10】
前記機構がローラである請求項9記載の加熱炉。
【請求項11】
天井に前記供給口を有し、底面に吸引口を有する請求項9または10記載の加熱炉。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−137517(P2010−137517A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318708(P2008−318708)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】