説明

エアゾール容器及びエアゾール容器に噴射キャップを装着したエアゾール噴射装置

【課題】使用を繰り返しているうちに噴射キャップとアダプターとの間に緩みが生じることがなく、安心して使用することができるエアゾール容器を提供すること。
【解決手段】高圧充填された内容物を収容するエアゾール容器本体7と、エアゾール容器本体7に取り付けられ、内容物を噴射するための噴射キャップ5が螺着されるアダプター12と、を有するエアゾール容器3であって、アダプター12には、噴射キャップ5を螺着するねじ部11aと、このねじ部11aによる螺着状態の緩みを防止する緩み防止手段33と、を備える。これにより、使用を繰り返しているうちに噴射キャップ5とアダプター12との間に緩みが生じることを防止することができるので、内容物が漏れ出す虞がない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物を高圧充填して収容したエアゾール容器本体にアダプターが固定されたエアゾール容器及びエアゾール容器の内容物をエアゾール容器外へ噴射させる噴射キャップをエアゾール容器に装着したエアゾール噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スタイリング剤や殺虫剤などの有効成分を含む原液と、この原液を噴射させるための液化ガスや圧縮ガスとを内容物として収容したエアゾール容器と、このエアゾール容器に取り付けられてエアゾール容器内の内容物を外部へ噴射させる噴射キャップとを具備したエアゾール製品が知られている。
【0003】
ところで近年、資源の枯渇、資源開発に伴う環境破壊等が危惧されており、環境に配慮したリサイクルや再利用が浸透しつつある。エアゾール製品もその例外ではない。エアゾール製品は、金属製のエアゾール容器に合成樹脂製の噴射キャップ等を装着させたものが多い。このうち合成樹脂製の噴射キャップは、そのまま別のエアゾール容器本体に装着させれば再利用することができる。
この場合、ユーザは使用後のエアゾール容器から噴射キャップを取り外す必要があり、比較的容易に噴射キャップを取り外すことができる構造であることが望まれる。
【0004】
一方、エアゾール噴射装置は内容物を高圧充填しているため、容易に取り外すことができる構成を採用すると噴射中にエアゾール容器と噴射キャップとの係合状態が解除されて内容物が漏れ出る虞がある。
したがって、噴射使用中はエアゾール容器と噴射キャップとの結合状態を確実に維持する一方で、内容物を使い切った後は比較的容易に係合状態を解除できる構成が求められる。
【0005】
特許文献1には、ステムを具えたバルブ部材と頭部周縁に形成された取付環とを備えたエアゾール容器と、前記取付環に取付部材を介して装着される吐出部材とからなるエアゾール式吐出容器であって、前記取付部材は、吐出部材を螺着する支持筒と、取付環に係合される嵌合筒と、取付環をはさんで配設された複数の傾斜した挟持片とを具備し、前記吐出部材は、支持筒に螺着される螺着筒と、前記挟持片に係合し取付環を締め付けるよう挟持片を起立させる係合筒を具備したエアゾール式吐出容器が記載されている。
このような構成によれば、使用後のエアゾール容器の廃棄にあたっては、吐出部材、取付部材をエアゾール容器から簡単に取り外すことができ、新しいエアゾール容器への交換を容易に行うことができる。すなわち、使用済みのエアゾール容器から分離した合成樹脂製の吐出部材等を再利用することができる。
【0006】
【特許文献1】特開平11−105954号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記特許文献1に記載のエアゾール式吐出容器(本発明におけるエアゾール噴射装置に相当する)では、吐出部材(本発明における噴射キャップに相当する)が取付部材(本発明におけるアダプターに相当する)に螺着されているが、高圧充填された内容物の噴射動作を繰り返し実行すると、噴射時の作用力によって螺着に徐々に緩みが生じ、最終的に螺着状態が解除されてしまう場合がある。
【0008】
また、噴射キャップをアダプターに螺着させた際に、螺着が螺着完了位置に到達したときにその旨をユーザに報知するような特別な配慮はされていない。そのため、螺着時に、噴射キャップを締め付け過ぎてねじ部を破壊してしまったり、あるいは締め付け不足のときには緩みが生じ易く、使用を繰り返すうちに緩みによって噴射キャップとアダプターとの結合が外れてしまい内容物が漏れ出るという虞があった。
【0009】
また、環境に配慮したエアゾール噴射装置の処分形態として、例えば、使用後のエアゾール噴射装置のうち、エアゾール容器本体とアダプターとを分別廃棄し、噴射キャップのみを繰り返し再利用する形態を想定する。
この場合、ユーザはアダプター付きのエアゾール容器を購入し、これに再利用する噴射キャップを装着させて使用する。つまり、噴射キャップの装着作業をユーザが行わなければならない。このため、取り扱いが容易で、高度の安全性を備えた構成を採用する必要がある。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、噴射キャップのアダプターへの着脱をユーザが簡単に実施できるとともに、使用を繰り返しているうちに噴射キャップとアダプターとの間に緩みが生じて内容物が漏れ出すことがなく安心して使用することができるエアゾール容器及びエアゾール噴射装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、噴射キャップの装着操作時に締め付け過ぎによって噴射キャップ等の破損が生じたり、締め付け不足によって噴射キャップとアダプターとの結合が外れたりするような不都合が発生することがなく、安心して取り扱うことができるエアゾール容器及びエアゾール噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決することのできる本発明は、高圧充填された内容物を収容するエアゾール容器本体と、前記エアゾール容器本体に取り付けられ、前記内容物を噴射するための噴射キャップが螺着されるアダプターと、を有するエアゾール容器であって、前記アダプターには、前記噴射キャップを螺着するねじ部と、このねじ部による螺着状態の緩みを防止する緩み防止手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、アダプターへの噴射キャップの取り付けは螺着によるものであるため、ねじ部の締め付けにより簡単に噴射キャップをアダプターに結合でき、また螺着を緩めることによって、相互の結合を簡単に解除することができる。
一方、噴射キャップが螺着されるアダプターには、ねじ部による螺着状態の緩みを防止する緩み防止手段が装備されているため、使用を繰り返しているうちに噴射キャップとアダプターとの間に緩みが生じることがない。
したがって、噴射キャップのアダプターへの着脱をユーザが簡単に実施できるとともに、使用を繰り返しているうちに噴射キャップとアダプターとの間に緩みが生じることがなく安心して使用することができる。
【0014】
また、上記課題を解決することのできる本発明は、上記エアゾール容器と、前記噴射キャップと、を備えたエアゾール噴射装置であって、
前記緩み防止手段が、前記アダプター及び前記噴射キャップのいずれか一方に設けられた弾性変形可能な突起部材と、他方に設けられ前記アダプターと前記噴射キャップとの螺着が螺着完了位置に到達したときに前記突起部材に係合する係合部材と、によって構成されていることを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、ユーザが噴射キャップをアダプターに取り付ける操作を実施した場合に、相互の螺着が螺着完了位置に到達したときには、緩み防止手段を構成している突起部材と係合部材とが係合して緩み防止機能が発揮される。すなわち、噴射キャップのアダプターへの取り付けをユーザが実施した際に、アダプターと噴射キャップとの螺着が適正に完了することで緩み防止機能が働き、高圧充填された内容物の噴射動作が繰り返し実行されても、噴射時の作用力によって螺着に緩みが生じることを防止できる。
また、アダプターや噴射キャップが樹脂成形品の場合、緩み防止手段を構成する突起部材や係合部材は、それぞれの部品に一体成形により設けることで、コストアップの原因となる構成部品の増加を招くこともない。
【0016】
また、上記課題を解決することのできる本発明は、高圧充填された内容物を収容するエアゾール容器本体と、前記エアゾール容器本体に取り付けられ、前記内容物を噴射するための噴射キャップが螺着されるアダプターと、を有するエアゾール容器であって、
前記アダプターには、前記アダプターと前記噴射キャップとの螺着が螺着完了位置に到達したことをユーザに知らせる報知手段が備えられていることを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、ユーザが噴射キャップをアダプターに取り付ける操作を実施したとき、相互の螺着が螺着完了位置に到達したときには、報知手段によって、その旨がユーザに知らされる。したがって、例えば取り扱い説明書等で、噴射キャップの取り付けの際には、報知手段による報知があるまで、噴射キャップをアダプターにねじ込む操作を続ける旨をユーザに周知させておくことで、ユーザは自身が実行しているねじ込み操作が適正に完了したか否かを報知手段による報知により容易且つ確実に認識することができる。これにより、螺着完了位置に到達する前にねじ込みを終了して締め付け不足を招いたり、あるいは、螺着完了位置に到達した後も強引にねじ込みを続けることで、締め付け過ぎ等によって噴射キャップの破損等を招いたりすることを防止できる。
【0018】
また、上記課題を解決することのできる本発明は、上記のエアゾール容器と、前記噴射キャップと、を備えたエアゾール噴射装置であって、
前記報知手段は、前記螺着完了位置に到達したときに、所定の報知音を発生することを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、ユーザは、噴射キャップをエアゾール容器のアダプターに取り付ける際には、報知手段が報知音を発生するまで噴射キャップをアダプターにねじ込むことで、必要な結合強度を発揮する適正な螺着が完了する。したがって、ユーザ自身が螺着完了位置が適正か否か迷うことがなく、噴射キャップをエアゾール容器のアダプターに取り付ける際の操作性、取り扱い性が向上する。
【0020】
また、本発明において、前記報知手段は、前記アダプター及び前記噴射キャップのいずれか一方に設けられた弾性変形可能な突起部材と、他方に設けられて前記アダプターと前記噴射キャップとの螺着が前記螺着完了位置に到達したときに前記突起部材に係合する係合部材と、によって構成され、
前記アダプターと噴射キャップとの螺着状態の緩みを防止する緩み防止手段を兼ねることを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、報知手段は、緩み防止手段を兼ねるため、報知手段と緩み防止手段とを個別に設ける構成とした場合と比較して、構成を単純にすることができる。
また、報知手段は、アダプターと噴射キャップとの螺着が螺着完了位置に到達したときに係合する突起部材と係合部材との係合時の動作音を報知音とすることができるため、電気回路を使って音を発生する報知手段を装備する場合と比較して、構成部品の増加を抑止することができる。
【0022】
また、本発明において、前記突起部材は、前記係合部材に対して螺着が緩む方向への付勢力を作用させる第1傾斜面と、この第1傾斜面の終端に連設されて接触する前記係合部材に対して螺着が締まる方向への付勢力を作用させる第2傾斜面と、を備え、
前記第1傾斜面の傾斜角度が、前記第2傾斜面の傾斜角度よりも小さく設定されていることを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、ユーザが噴射キャップをエアゾール容器のアダプターに取り付ける際、アダプターと噴射キャップとの間のねじ部相互の螺着を進めて、両者の螺着が螺着完了位置に近接すると、係合部材が突起部材の第1傾斜面に乗り上げた状態となる。そして、第1傾斜面から係合部材に作用する付勢力によって、噴射キャップをねじ込む際の抵抗力が増大する。このため、ユーザは抵抗力が増大する触感により、螺着完了位置に近接したことを察知することが可能になる。
【0024】
さらに、係合部材が突起部材の第1傾斜面の終端を乗り越えると、係合部材が突起部材の第2傾斜面に係合した状態になる。この時には、第2傾斜面から係合部材に作用する付勢力が第1傾斜面に係合していた時と逆向きになり、操作力に大きな差異が生ずる。これと同時に、係合部材が第1傾斜面を乗り越えた時に、それまでの突起部材の弾性変位が復帰したときに動作音が発生する。ユーザは、この動作音を報知音として認識し、アダプターと噴射キャップとの螺着が螺着完了位置に到達したことを確実に察知することができる。
【0025】
また、上記突起部材においては、第1傾斜面の傾斜角度が、第2傾斜面の傾斜角度よりも小さく設定されていることで、係合部材が第1傾斜面を乗り越える際の抵抗は比較的に小さく抑えることができ、抵抗力によって操作性が低下することを防止できる。
一方、第2傾斜面から係合部材に作用する締まり方向への付勢力は大きな力となり、係合部材が螺着の緩み方向に戻ることを抑止して、安定した緩み止め機能が発揮されることになる。
【0026】
また、本発明において、前記突起部材は前記アダプターの上面部に上方に突出して形成され、前記係合部材は前記アダプターの上面部に対向する前記噴射キャップの対向部に形成されていることを特徴とする。
【0027】
上記構成によれば、アダプターに噴射キャップを螺着させる際、両者の螺着が進んで、アダプターの上面部と該上面部に対向する噴射キャップの対向部とが徐々に接近するのに伴い、係合部材が突起部材に徐々に接近して、螺着完了位置に到達したときに、係合部材が突起部材に係合する機構を容易に実現することができる。したがって、緩み防止手段や報知手段を比較的に簡単な構成で実現することができる。
【0028】
また、本発明において、前記突起部材は前記噴射キャップが螺着する前記アダプターの外周面に形成され、前記係合部材は前記アダプターに螺着する噴射キャップの内周面に形成されていることを特徴とする。
【0029】
上記構成によれば、アダプターに噴射キャップを螺着させる時、両者の螺着が進んで、アダプターの外周面のねじ部上を、噴射キャップの内周面のねじ部が螺進するに従って、係合部材が突起部材に徐々に接近して、螺着完了位置に到達したときに、係合部材が突起部材に係合する機構を容易に実現することができる。したがって、緩み防止手段や報知手段を比較的に簡単な構成で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明に係るエアゾール容器及びエアゾール容器に噴射キャップが装着されたエアゾール噴射装置の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
図1は本発明に係るエアゾール噴射装置の第1の実施の形態の分解斜視図、図2は図1に示したエアゾール噴射装置の一部を破断して示した側面図、図3は図1に示したアダプターの一部を破断して示した側面図、図4は図2に示したエアゾール噴射装置においてアダプターとキャップ取付け部との螺着状態の緩みを防止する緩み防止手段を兼ねた報知手段の装備位置を示す要部側面図、図5は図4に示した緩み防止手段を兼ねた報知手段の拡大断面図である。
【0032】
第1の実施形態のエアゾール噴射装置1は、エアゾール容器3に噴射キャップ5を装着した構成である。
エアゾール容器3は、高圧充填された内容物を収容する金属製のエアゾール容器本体7と、噴射キャップ5が取り付けられるキャップ取付け部11を備えたアダプター12と、を備えている。アダプター12は、樹脂成形品であり、嵌合部14,15によってエアゾール容器本体7に固定される。なお、エアゾール容器を廃棄する際には、嵌合部14,15の嵌合状態を解除することもできるため、エアゾール容器本体7とアダプター12との分別が可能である。
【0033】
エアゾール容器本体7は、上面の中心部に突設されたバルブステム7aが押下されると、バルブステム7aから内容物を噴出する。エアゾール容器本体7は、バルブステム7aの周囲に、第1のアダプタ嵌合部7bと第2のアダプタ嵌合部7cとが形成されている。これらのアダプタ嵌合部7b,7cは、バルブステム7aと同心の環状に形成されている。
【0034】
アダプター12は、図3に示したように、バルブステム7aを挿通させる開口12aが中心に形成された上面壁12bと、上面壁12bの外周部から下方に延出した円筒壁12cとを具備している。そして、第1のアダプタ嵌合部7bに対向する上面壁12bの内周側の内面部には、第1のアダプタ嵌合部7bに嵌合する第1の嵌合部14が形成されている。また、第2のアダプタ嵌合部7cに対向する円筒壁12cの下端には、第2のアダプタ嵌合部7cに嵌合する第2の嵌合部15が形成されている。
アダプター12は、第1のアダプタ嵌合部7bと第1の嵌合部14との嵌合と、第2のアダプタ嵌合部7cと第2の嵌合部15との嵌合とによって、エアゾール容器本体7に固定される。
【0035】
アダプター12の円筒壁12cの外周面は、噴射キャップ5を取り付けるキャップ取付け部11となるもので、図1及び図3に示すように、噴射キャップ5をねじ止め(螺着)するための雄ねじ部11aが形成されている。
【0036】
噴射キャップ5は、樹脂成形品で、アダプター12の円筒壁12cの外周面に被さる円筒部21と、この円筒部21の上部に連なるキャップ本体部22とを備えている。円筒部21の内周面には、キャップ取付け部11の雄ねじ部11aに螺着する雌ねじ部21a(図4参照)が形成されている。
噴射キャップ5は、雌ねじ部21aを雄ねじ部11aに螺着させることによりアダプター12に結合され、アダプター12を介してエアゾール容器3に固定された状態になる。
【0037】
このような螺着によるアダプター12と噴射キャップ5の結合構造は、例えば数個の弾性係止片の係合による結合構造と比較して、優れた結合強度を安定して得ることが可能であり、内容物をより遠くまで噴射させるために内容物が高圧充填されるエアゾール容器3と噴射キャップ5との結合に適している。
【0038】
キャップ本体部22の内側には、図2に示すように、噴射キャップ5をアダプター12に螺着させたときに、バルブステム7aに連通接続される噴射機構24が組み込まれている。
噴射機構24は、バルブステム7aから供給される内容物を所定の噴霧状態、あるいは所定径の噴流状態で外部に噴射するノズル25(図1参照)を備えている。
【0039】
ユーザがグリップ30を矢印D方向にたてて握り、噴射キャップ5の外側に露出したトリガ31を図2の矢印A方向に引くと、それに連動して噴射機構24のバルブステム7aに連通される基端部位24aがエアゾール容器本体7側に変位して、バルブステム7aを押下する。トリガ31を矢印A方向に引くことで、バルブステム7aから噴射機構24に内容物が供給され、噴射機構24からノズル25を通じて外部に内容物が噴射される。
【0040】
本実施形態のエアゾール容器3に装備されるアダプター12には、前述した噴射キャップ5を螺着するための雄ねじ部11aの他に、この雄ねじ部11aによる螺着状態の緩みを防止する緩み防止手段33が備えられている。緩み防止手段33は、アダプター12に装備された弾性変形可能な突起部材35と、噴射キャップ5に設けられた係合部材37とで構成されている。
【0041】
係合部材37は、アダプター12と噴射キャップ5との螺着が必要な結合強度を発揮する螺着完了位置に到達したときに、突起部材35に係合して、噴射キャップ5の緩み方向への回転を規制する。
【0042】
本実施形態の場合、図1に示すように、突起部材35は、アダプター12の上面部に上方に突出して形成されている。また、係合部材37は、アダプター12の上面部に対向する噴射キャップ5の対向部に突出形成されている。
図5に矢印Bで示すように、突起部材35は、係合部材37により押圧されると下方に弾性変形して、係合部材37の通過を許容する弾性係止片である。
【0043】
本実施形態では、図1に示すように、突起部材35はアダプター12の上面部上で、同一円周上の2箇所に装備されている。これらの突起部材35,35の装備位置は、アダプター12と噴射キャップ5との螺着が必要な結合強度を発揮する螺着完了位置に到達したときに、ちょうど係合部材37が突起部材35を通過する位置に設定されている。
【0044】
また図5に示すように、突起部材35は、接触する係合部材37に対して螺着が緩む方向への付勢力を作用させる第1傾斜面35aと、この第1傾斜面35aの終端に連設されて接触する係合部材37に対して螺着が締まる方向への付勢力を作用させる第2傾斜面35bと、を備えている。また、第1傾斜面35aの傾斜角度が、第2傾斜面35bの傾斜角度よりも小さく設定されている。
【0045】
突起部材35は、係合部材37が第1傾斜面35aに乗り上げている時は、図5に矢印Bで示すように、下方に弾性変位して、係合部材37の通過を許容する。そして、係合部材37が、図5に示すように、第2傾斜面35bを通過すると、弾性復元力で、元の状態に復帰する。このとき、第2傾斜面35bは、係合部材37の戻り方向への移動を拘束するように、係合部材37に当接していて、螺着が緩む方向への噴射キャップ5の回転を規制する。
【0046】
係合部材37の通過によって、突起部材35が復帰するとき、復帰する突起部材35の一部が、係合部材37あるいはその周囲に衝突して、ユーザに聞こえる程度の動作音と、クリック感を発生するようになっている。
この動作音は、アダプター12と噴射キャップ5との螺着が必要な結合強度を発揮する螺着完了位置に到達したときに発生するため、アダプター12と噴射キャップ5との螺着が螺着完了位置に到達したことをユーザに知らせる報知音となる。
【0047】
すなわち、本実施の形態の場合、緩み防止手段33として装備された突起部材35及び係合部材37は、アダプター12と噴射キャップ5との螺着が必要な結合強度を発揮する螺着完了位置に到達したことをユーザに知らせる報知手段を兼ねるようになっている(換言すると、報知手段が、緩み防止手段33を兼ねているとも言える)。
【0048】
以上に説明したエアゾール容器3では、アダプター12への噴射キャップ5の取り付けは、アダプター12及び噴射キャップ5に装備されたねじ部相互の螺着によるもので、相互のねじ部の締め付けにより簡単に噴射キャップ5をアダプター12に結合した状態にできる。また、相互のねじ部の螺着を緩めることによって、相互の結合を簡単に解除することができる。したがって、噴射キャップ5のアダプター12への着脱をユーザが簡単に実施できるため、噴射キャップ5のみを新たなエアゾール容器本体に装着させることで再利用することができる。
【0049】
また、噴射キャップ5が螺着されるアダプター12には、これらアダプター12と噴射キャップ5との螺着状態の緩みを防止する緩み防止手段33が装備されているため、使用を繰り返しているうちに噴射キャップ5とアダプター12との間に緩みが生じることがなく、安心して使用することができる。
【0050】
また、以上に説明したエアゾール噴射装置1では、上記エアゾール容器3のアダプター12に噴射キャップ5を螺着させたものである。ユーザが噴射キャップ5をエアゾール容器3のアダプター12に螺着させる取り付け操作を実施した場合に、相互の螺着が進んで、相互の螺着が必要な結合強度を発揮する螺着完了位置に到達したときには、緩み防止手段33を構成している突起部材35と係合部材37とが自動的に係合して、緩み防止手段33による緩み防止機能が発揮されるようになる。
【0051】
すなわち、噴射キャップ5のアダプター12への取り付けをユーザが実施した際に、アダプター12と噴射キャップ5との螺着が適正に完了すれば、自動的に緩み防止機能が働き、高圧充填された内容物の噴射動作が繰り返し実行されても、噴射時の作用力によって螺着状態に緩みが生じることを防止できる。このため、螺着状態の緩みによって最終的に噴射キャップ5とアダプター12との螺着状態が解除されてしまうような不都合の発生を回避することができる。
【0052】
また、アダプター12や噴射キャップ5が上記実施形態のように樹脂成形品の場合、緩み防止手段33を構成する突起部材35や係合部材37は、それぞれの部品に一体成形により設けることで、コストアップの原因となる構成部品の増加を招くこともない。
【0053】
また、上記実施形態のエアゾール容器3の場合、アダプター12に装備された緩み防止手段33は、アダプター12と噴射キャップ5との螺着が必要な結合強度を発揮する螺着完了位置に到達したことをユーザに知らせる報知手段を兼用している。
【0054】
すなわち、アダプター12には、噴射キャップ5との螺着が必要な結合強度を発揮する螺着完了位置に到達したことをユーザに知らせる報知手段(緩み防止手段33)が備えられた構成になっている。ユーザが噴射キャップ5をエアゾール容器3のアダプター12に取り付ける操作を実施したとき、相互の螺着を進めていって、相互の螺着が必要な結合強度を発揮する螺着完了位置に到達したときには、報知手段(緩み防止手段33)によって、その旨がユーザに知らされる。
【0055】
したがって、例えば取り扱い説明書等で、噴射キャップ5の取り付けの際には、報知手段による報知があるまで、噴射キャップ5をアダプター12にねじ込む操作を続ける旨をユーザに周知させておくことで、ユーザは自身が実行しているねじ込み操作が適正に完了したか否かを報知手段による報知により容易且つ確実に認識することができる。このため、螺着完了位置に到達する前にねじ込みを終了して締め付け不足を招いたり、あるいは、螺着完了位置に到達した後も強引にねじ込みを続けることで、締め付け過ぎ等によって噴射キャップ5の破損等を招いたりすることを防止できる。
【0056】
すなわち、噴射キャップ5のアダプター12への取り付けをユーザが実施した際に、噴射キャップ5が適正且つ確実にアダプター12に結合された状態を容易に得ることができる。噴射キャップ5の装着操作時に締め付け過ぎによって噴射キャップ5等の破損が生じたり、あるいは締め付け不足によって噴射キャップ5とアダプター12との結合が外れたりするような不都合が発生することがなく、安心して取り扱いすることができる。
【0057】
また、緩み防止手段33が兼用する報知手段は、アダプター12への噴射キャップ5の螺着が螺着完了位置に到達したときに、所定の報知音を発生することでその旨をユーザに報知する。ユーザは、噴射キャップ5をエアゾール容器3のアダプター12に取り付ける際には、報知手段が報知音を発生するまで、噴射キャップ5をアダプター12にねじ込めむだけで、必要な結合強度を発揮する適正な螺着を完了させることができる。これにより、ユーザ自身が螺着完了位置が適正か否か迷うことがなく、噴射キャップ5をエアゾール容器3のアダプター12に取り付ける際の操作性、取り扱い性が向上する。
【0058】
また、上記実施形態のエアゾール噴射装置1は、報知手段が緩み防止手段33を兼ねた構成になっているため、報知手段と緩み防止手段33とを個別に設ける構成とした場合と比較して、構成を単純にすることができる。
また,報知手段は、アダプター12と噴射キャップ5との螺着が螺着完了位置に到達したときに係合する突起部材35と前記係合部材37との係合時の動作音を報知音としたもので、電気回路を使って音を発生する報知手段を装備する場合と比較して、構成部品の増加を抑止することができる。
【0059】
また、上記実施形態のエアゾール噴射装置1の場合、報知手段及び緩み防止手段33の構成要素である突起部材35が、接触する係合部材37に対して螺着が緩む方向への付勢力を作用させる第1傾斜面35aと、この第1傾斜面35aの終端に連設されて接触する係合部材37に対して螺着が締まる方向への付勢力を作用させる第2傾斜面35bと、を備えており、第1傾斜面35aの傾斜角度が、第2傾斜面35bの傾斜角度よりも小さく設定されている。
【0060】
このため、アダプター12と噴射キャップ5との螺着が螺着完了位置に近接すると、係合部材37が突起部材35の第1傾斜面35aに乗り上げた状態になり、第1傾斜面35aから係合部材37に作用する付勢力によって、噴射キャップ5をねじ込む際の抵抗力が増大する。このため、ユーザは抵抗力が増大する触感により、螺着完了位置に近接したことを察知することが可能になる。
【0061】
そして、係合部材37が突起部材35の第1傾斜面35aの終端を乗り越えると、それまでの突起部材35の弾性変位が復帰して報知音となる動作音が生じるため、ユーザは、アダプター12と噴射キャップ5との螺着が螺着完了位置に到達したことを確実に察知することができる。
【0062】
また、上記の突起部材35においては、第1傾斜面35aの傾斜角度が、第2傾斜面35bの傾斜角度よりも小さく設定されていることで、係合部材37が第1傾斜面35aを乗り越える際の抵抗は比較的に小さく抑えることができ、抵抗力によって操作性が低下することを防止できる。一方、第2傾斜面35bから係合部材37に作用する締まり方向への付勢力は大きな力となり、係合部材37が螺着の緩み方向に戻ることを抑止して、安定した緩み止め機能が発揮される。
【0063】
また、上記実施の形態のエアゾール噴射装置1では、突起部材35はアダプター12の上面部に上方に突出して形成され、係合部材37はアダプター12の上面部に対向する噴射キャップ5の対向部に形成されている。そして、それぞれの部品が樹脂成形品であって一体成形により製造することができるので、コストアップの原因となる構成部品の増加を招くこともない。
【0064】
また、上記実施形態では、緩み防止手段33は、アダプター12の上面上で、同一円周上の2箇所に装備しているが、緩み防止手段33の装備数は、上記実施の形態に限定しない。
1箇所でも良く、3箇所以上の複数箇所に装備するようにしても良い。但し、複数箇所に装備した場合は、一つの緩み防止手段33当たりに作用する負荷(緩み防止用に必要な係合力)を軽減できるため、緩み防止手段33を構成する突起部材35や係合部材37の肉厚を軽減することができる。
【0065】
また、本発明に係るエアゾール容器及びエアゾール噴射装置において、緩み防止手段や報知手段の装備位置や形状等は、上記実施の形態に示した位置に限定しない。
以下、本発明に係る緩み防止手段を兼ねた報知手段の第2の実施形態について説明する。
図6は、外周面に突起部材が装備されたアダプターの斜視図であり、図7は、内周面に係合部材が装備された噴射キャップの斜視図であり、図8(a)は、図6に示したアダプターと図7に示した噴射キャップとの螺着が螺着完了位置付近まで進んだ状態の要部断面図であり、図8(b)は、図6に示したアダプターと図7に示した噴射キャップとの螺着が螺着完了位置まで進んだ状態の要部断面図である。
【0066】
この実施の形態では、図6に示すように緩み防止手段及び報知手段を構成するアダプター120A上の突起部材350Aは、噴射キャップ50が螺着するアダプター120Aの外周面のキャップ取付け部110Aに形成されている。また、図7に示すように緩み防止手段及び報知手段を構成する噴射キャップ50上の係合部材370は、アダプター120Aに螺着する噴射キャップ50の円筒部210の内周面に形成されている。
【0067】
なお、図6に示したアダプター120A及び図7に示した噴射キャップ50において、アダプター120Aの外周面に装備される雄ねじ部110aや、噴射キャップ50の内周面に装備される雌ねじ部210aは、第1の実施形態の場合と共通であり、共通の構成については説明を省略する。
【0068】
この第2の実施形態において、突起部材350Aは、図6に示したように、雄ねじ部110aのねじ山間を横断する突条形状に形成されている。また、係合部材370は、図7、図8(a),(b)に示すように、雌ねじ部210aのねじ山の先頭付近に、突起部材350Aを乗り越える第1隆起部410と、第1隆起部410が突起部材350Aを乗り越えた時に突起部材350Aに当接する第2隆起部430とを形成し、これらの隆起部410,430間に、突起部材350Aが嵌入する凹部450を形成したものである。
【0069】
この第2の実施形態の構成では、アダプター120Aに噴射キャップ50を螺着させる時、両者の螺着が進んで、アダプター120Aの外周面の雄ねじ部110a上を、噴射キャップ50の内周面の雌ねじ部210aが螺進するに従って、係合部材370が突起部材350Aに徐々に接近する。螺着完了位置に到達したときに、係合部材370の凹部450が突起部材350Aに係合する機構を容易に実現することができ、緩み防止手段330Aや報知手段330Aを比較的に簡単な構成で実現することができる。
【0070】
また、本発明に係るエアゾール容器及びエアゾール噴射装置において、緩み防止手段及び報知手段を構成するアダプター上の突起部材は、図9に示す構造にしても良い。
図9は本発明に係るアダプターの第3の実施形態を示す要部斜視図である。
ここに示したアダプター120Bは、その上面部に上方に突出した形態に、緩み防止手段及び報知手段を構成する突起部材350Bを設けている。
【0071】
この突起部材350Bは、第1の実施形態の突起部材35に装備した第1傾斜面35a及び第2傾斜面35bの代わりに、隆起を円弧面状の曲面470に仕上げている。なお、図9に矢印Cで示すように、曲面470を有した部位の下方は、開口480になっていて、噴射キャップ側の係合部材が曲面470を乗り越える際に曲面470が下方に弾性変位可能になっている。
この突起部材350Bに対向するように噴射キャップに装備される係合部材は、第1の実施形態の係合部材37と同様の構成で良い。
【0072】
また、本発明に係るエアゾール容器及びエアゾール噴射装置において、緩み防止手段及び報知手段を構成する噴射キャップ上の係合部材は、図10に示す構造にしても良い。
図10は本発明に係る緩み防止手段を兼ねた報知手段の第4の実施形態を示す要部断面図である。
図10に示した緩み防止手段を兼ねた報知手段330Bは、図5に示した第1の実施形態の緩み防止手段33の係合部材37を改良したもので、アダプター12の上面に上方に突出して設けられた突起部材35は第1の実施の形態のものと共通である。
この実施の形態において、係合部材370Aは、突起部材35の第1傾斜面35a及び第2傾斜面35bに当接するそれぞれの角部が、面取りされて、傾斜面51,52になっている。
【0073】
このように、突起部材35に当接する角部を傾斜面51,52とした場合には、係合部材370Aが突起部材35に当接したときに作用する衝撃を当接する傾斜面に分散することができ、集中荷重の作用による係合部材370Aの先端部の破損等を防止できる。また、各傾斜面51,52の角度を適正に選定しておくことで、突起部材35と係合部材370Aとの接触性が改善され、突起部材35と係合部材370Aとの係合による噴射キャップの緩み方向への回転規制をより安定させることが可能になる。
【0074】
なお、上記の各実施の形態では、緩み防止手段及び報知手段を構成する突起部材と係合部材のうち、突起部材はアダプターに装備し、係合部材は噴射キャップに装備したが、突起部材を噴射キャップに装備し、且つ係合部材をアダプターに装備するようにしても良い。
【0075】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。上記実施形態において例示した噴射キャップ、トリガおよびグリップ等の材質、形状、寸法、形態、数、配置個所、厚さ寸法等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。また、本実施形態ではトリガ式の噴射キャップを例示して説明したが、キャップとボタンが一体化されたいわゆるワンタッチキャップにも適用することができる。
【0076】
さらに、本実施形態の噴射キャップは、エアゾール容器のバルブステムの種類によって限定的に使用されることなく、あらゆるタイプのバルブステムを備えたエアゾール容器に採用することができる。ステムを上から押し下げるプッシュダウンタイプのバルブステムを採用したエアゾール容器のみならずステムを傾けることで噴射するチルトタイプのバルブステムを採用したエアゾール容器にも装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明に係るエアゾール噴射装置の第1の実施の形態の分解斜視図である。
【図2】図1に示したエアゾール噴射装置の一部を破断して示した側面図である。
【図3】図1に示したアダプターの一部を破断して示した側面図である。
【図4】図2に示したエアゾール噴射装置においてアダプターとキャップ取付け部との螺着状態の緩みを防止する緩み防止手段を兼ねた報知手段の装備位置を示す要部側面図である。
【図5】図4に示した緩み防止手段を兼ねた報知手段の拡大断面図である。
【図6】第2の実施形態に係る、外周面に突起部材が装備されたアダプターの斜視図である。
【図7】第2の実施形態に係る、内周面に係合部材が装備された噴射キャップの斜視図である。
【図8】(a)は、図6に示したアダプターと図7に示した噴射キャップとの螺着が螺着完了位置付近まで進んだ状態の要部断面図であり、(b)は、図6に示したアダプターと図7に示した噴射キャップとの螺着が螺着完了位置まで進んだ状態の要部断面図である。
【図9】本発明に係るアダプターの第3の実施の形態を示す要部斜視図である。
【図10】本発明に係る緩み防止手段を兼ねた報知手段の第4の実施の形態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0078】
1:エアゾール噴射装置、3:エアゾール容器、5:噴射キャップ、7:エアゾール容器本体、11:キャップ取付け部、11a:雄ねじ部(ねじ部)、12:アダプター、21a:雌ねじ部(ねじ部)、24、噴射機構、33:緩み防止手段(報知手段)35,350A,350B:突起部材、35a:第1傾斜面、35b:第2傾斜面、37,370A:係合部材、410:第1隆起部、430:第2隆起部、450:凹部、470:曲面、51,52:傾斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧充填された内容物を収容するエアゾール容器本体と、前記エアゾール容器本体に取り付けられ、前記内容物を噴射するための噴射キャップが螺着されるアダプターと、を有するエアゾール容器であって、
前記アダプターには、前記噴射キャップを螺着するねじ部と、このねじ部による螺着状態の緩みを防止する緩み防止手段と、を備えたことを特徴とするエアゾール容器。
【請求項2】
請求項1に記載のエアゾール容器と、前記噴射キャップと、を備えたエアゾール噴射装置であって、
前記緩み防止手段が、前記アダプター及び前記噴射キャップのいずれか一方に設けられた弾性変形可能な突起部材と、他方に設けられ前記アダプターと前記噴射キャップとの螺着が螺着完了位置に到達したときに前記突起部材に係合する係合部材と、によって構成されていることを特徴とするエアゾール噴射装置。
【請求項3】
高圧充填された内容物を収容するエアゾール容器本体と、前記エアゾール容器本体に取り付けられ、前記内容物を噴射するための噴射キャップが螺着されるアダプターと、を有するエアゾール容器であって、
前記アダプターには、前記アダプターと前記噴射キャップとの螺着が螺着完了位置に到達したことをユーザに知らせる報知手段が備えられていることを特徴とするエアゾール容器。
【請求項4】
請求項3に記載のエアゾール容器と、前記噴射キャップと、を備えたエアゾール噴射装置であって、
前記報知手段は、前記螺着完了位置に到達したときに、所定の報知音を発生することを特徴とするエアゾール噴射装置。
【請求項5】
前記報知手段は、前記アダプター及び前記噴射キャップのいずれか一方に設けられた弾性変形可能な突起部材と、他方に設けられて前記アダプターと前記噴射キャップとの螺着が前記螺着完了位置に到達したときに前記突起部材に係合する係合部材と、によって構成され、
前記アダプターと噴射キャップとの螺着状態の緩みを防止する緩み防止手段を兼ねることを特徴とする請求項4に記載のエアゾール噴射装置。
【請求項6】
前記突起部材は、前記係合部材に対して螺着が緩む方向への付勢力を作用させる第1傾斜面と、この第1傾斜面の終端に連設されて接触する前記係合部材に対して螺着が締まる方向への付勢力を作用させる第2傾斜面と、を備え、
前記第1傾斜面の傾斜角度が、前記第2傾斜面の傾斜角度よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項2または5に記載のエアゾール噴射装置。
【請求項7】
前記突起部材は前記アダプターの上面部に上方に突出して形成され、前記係合部材は前記アダプターの上面部に対向する前記噴射キャップの対向部に形成されていることを特徴とする請求項2または5に記載のエアゾール噴射装置。
【請求項8】
前記突起部材は前記噴射キャップが螺着する前記アダプターの外周面に形成され、前記係合部材は前記アダプターに螺着する噴射キャップの内周面に形成されていることを特徴とする請求項2または5に記載のエアゾール噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−291759(P2009−291759A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150304(P2008−150304)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(000100539)アース製薬株式会社 (191)
【Fターム(参考)】