説明

エアバッグ装置

【課題】搭載スペースを小さくでき、かつ、取付強度を確保して、フロントドアに搭載できるエアバッグ装置を提供すること。
【解決手段】エアバッグ装置Mは、車両Vのフロントピラー1の前面1a側を覆い可能なエアバッグ40、インフレーター55、エアバッグカバー65、エアバッグとインフレーターとを収納して保持し、かつ、エアバッグカバーを保持するケース61、及び、ケースから延びるように配設されて、エアバッグ装置をフロントドア11の搭載部位に取付可能なボルト59、を備える。ボルトを取り付けるフロントドアの取付部位20は、フロントドアのアウタパネル18を補強しているアウタリインホースメント19、として、エアバッグ装置Mは、アウタパネルの開口18bを経て、アウタリインホースメントの取付部位20にボルト59を取り付けて、フロントドアのベルトライン14付近の車外側Oの部位に搭載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のフロントピラーにおける前面側を覆い可能なエアバッグを備えたエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の歩行者との衝突時に、歩行者が車両のフロントピラーに直接当たらないように、フロントピラーの前面側を覆うようにエアバッグを膨張させて配置させる構成のエアバッグ装置があった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来のエアバッグ装置では、折り畳まれたエアバッグを、フロントドアの前縁側に配設させ、エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターを、ベルトラインの下方に配置させていた。インフレーターは、エアバッグに膨張用ガスを供給するために、エアバッグに接続させる供給管、を備えていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−6957公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のエアバッグ装置では、折り畳まれて収納されるエアバッグが、フロントピラー近傍のフロントドアの窓枠の前縁側や、あるいは、ドアミラー自体の部位に、取り付けられており、それらのエアバッグの取付部位自体は、剛性が高いものではなく、エアバッグをフロントドアに取り付ける取付強度に関して、エアバッグの膨張形態を安定して確保する上で、改善の余地があった。例えば、折り畳んで収納するエアバッグの取付強度が低ければ、エアバッグの膨張時、取付部位が変形し、安定したエアバッグの支持状態を確保できなくなり、フロントピラーを覆う所定の形態を確保し難くなってしまう。
【0006】
また、従来のエアバッグ装置では、インフレーターから延びる供給管のスペースが必要となり、搭載スペースを低減する点に関しても、改善の余地があった。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、搭載スペースを小さくでき、かつ、取付強度を確保して、フロントドアに搭載できるエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るエアバッグ装置は、車両のフロントピラーの前面側を覆い可能なエアバッグを備えたエアバッグ装置であって、
フロントピラーの下端側のフロントドアにおけるベルトライン付近の車外側の部位に、搭載される構成として、
エアバッグと、
エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、
エアバッグを突出可能な突出用開口を備えて、折り畳まれたエアバッグ及びインフレーターを収納するケースと、
ケースの突出用開口を覆って、膨張時のエアバッグを突出可能に、膨張するエアバッグに押されて開く扉部を有して、ケースに保持されるエアバッグカバーと、
エアバッグ、インフレーター、及び、エアバッグカバー、を保持したケースから延びるように配設されて、エアバッグ装置をフロントドアの搭載部位に取付可能な取付手段と、
を備えて構成され、
取付手段を取り付けるフロントドアの取付部位が、フロントドアのアウタパネルを補強しているアウタリインホースメント、として、
エアバッグ装置が、アウタパネルの開口を経て、アウタリインホースメントの取付部位に取付手段を取り付けて、フロントドアに搭載されていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るエアバッグ装置では、作動時、インフレーターからエアバッグに膨張用ガスが供給されれば、エアバッグは、膨張用ガスによって膨張し、エアバッグカバーの扉部を押し開いて、ケースの突出用開口を経てエアバッグカバーから突出し、フロントピラーの前面側を覆うこととなる。
【0010】
そして、エアバッグ装置は、エアバッグ、インフレーター、及び、エアバッグカバー、を保持したケースから延びるように配設されている取付手段を利用して、フロントドアの窓枠の前縁側やドアミラー自体でなく、アウタパネルを補強する剛性の高いアウタリインホースメントに対し、直接、取り付けられており、十分な高い取付強度を確保して、フロントドアに搭載することができる。そのため、膨張するエアバッグが、エアバッグカバーを押し開いてケースから突出しようとしても、ケースが安定した姿勢を維持してアウタリインホースメントに保持されており、エアバッグは、安定した支持状態として、ケースの突出用開口を経てエアバッグカバーから突出し、そして、膨張を完了させることができる。
【0011】
また、エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターも、エアバッグを収納するケースに保持されて配設されており、従来のような供給管を不要にできるため、嵩張らず、エアバッグ装置をコンパクトに構成できて、搭載スペースを低減できる。
【0012】
したがって、本発明に係るエアバッグ装置では、搭載スペースを小さくでき、かつ、取付強度を確保して、フロントドアに搭載することができる。
【0013】
そして、フロントドアが、エアバッグ装置の後方に隣接して配設されるドアミラー、を備え、
ドアミラーが、フロントドアから車外側に突出するミラー本体と、ミラー本体を保持して、フロントドアに取り付けるための取付手段を有した取付基部と、を備えて構成されている場合には、
取付基部の取付手段も、フロントドアのアウタパネルの開口を経て、アウタリインホースメントに取り付けられるように構成し、そして、
エアバッグ装置の取付手段におけるアウタリインホースメントの取付部位は、取付基部の取付手段におけるアウタリインホースメントへの取付部位の前方側に、隣接して配設することが望ましい。
【0014】
このような構成では、ドアミラーとエアバッグ装置とを、共に、取付強度を高くして、フロントドアに搭載できる。また、エアバッグ装置が、ドアミラーの前方側に配設されており、膨張を完了させたエアバッグは、ドアミラーの後方側に配置される場合に比べて、フロントピラーの下端から上方にわたるエリアの前面の全域を、円滑に覆うことができる。ちなみに、例えば、ドアミラーの後方側にエアバッグ装置が配置されていれば、エアバッグ装置から見て、フロントピラーの下端は、ドアミラーを越えた前方に配置されることとなって、エアバッグが、フロントピラーの下端の前面側を覆うように膨張しようとしても、前方に配置されたドアミラーに干渉(接触)して、フロントピラーの下端より浮き上がり易く、そして、エアバッグの前部側が浮き上がれば、フロントピラーの下端の前面側を覆えず、エアバッグが安定して歩行者を保護できなくなってしまう。
【0015】
また、エアバッグ装置がドアミラーの前方側に配設される場合、エアバッグは、膨張完了時にミラー本体の外表面の少なくとも一部に当接して支持される当接支持部を備え、膨張完了時に、当接支持部をミラー本体の外表面に支持させて、左右方向に沿う車外側方向への移動を抑制させることが望ましい。
【0016】
このような構成では、膨張を完了させたエアバッグが歩行者を受け止める際、歩行者によって強く押圧されることとなっても、エアバッグは、当接支持部により、車外側へ横ずれすることを防止できて、フロントピラーの前面側から外れずに、歩行者を的確に受け止めることができる。
【0017】
また、ドアミラーとエアバッグ装置とは、相互に一体的に組み付けられた組付体として構成し、
取付基部とエアバッグ装置との取付手段を、アウタパネルに設けられた開口を経て、アウタリインホースメントの隣接する取付部位に取り付けられることにより、組付体を、フロントドアに搭載することが望ましい。
【0018】
このような構成では、ドアミラーとエアバッグ装置とをアウタリインホースメントに取り付ける際、組付体とした一体物として取り扱って、取り付けることができて、フロントドアにドアミラーとエアバッグ装置とを搭載する作業を、効率的に行うことができる。
【0019】
さらに、エアバッグ装置は、フロントドアの車外側におけるアウタパネルの開口の周縁と、フロントドアの内部側のアウタリインホースメントの取付部位の周縁と、に、それぞれ、シール材を配設させた防水構造を設けて、フロントドアに配設することが望ましい。
【0020】
このような構成では、エアバッグ装置が雨水に曝され易いフロントドアの車外側のアウタパネルから、フロントドアの内部におけるドアガラスを経て伝わる雨水に曝され易いアウタリインホースメントの内側面側まで、の間に、エアバッグ装置が搭載されても、防水構造によって、エアバッグ装置内への雨水や異物の侵入を防止でき、長期間にわたって安定してエアバッグ装置を作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る一実施形態のエアバッグ装置の搭載状態を示す車両の斜視図であり、膨張完了状態のエアバッグを二点鎖線で示す。
【図2】実施形態のエアバッグ装置の搭載状態を示す車両の側面図である。
【図3】実施形態のエアバッグ装置の搭載状態を示す車両の平面図である。
【図4】実施形態のエアバッグ装置の搭載状態を示す左右方向に沿った概略縦断面図であり、図2のIV−IV部位に対応する。
【図5】実施形態のエアバッグ装置の搭載状態を示す概略横断面図であり、図4のV−V部位に対応する。
【図6】実施形態に使用するエアバッグを平らに展開した状態を示す図である。
【図7】実施形態のエアバッグの縦断面図であり、図6のVII−VII部位に対応する。
【図8】実施形態のエアバッグの支持膨張部を折り返した状態として、エアバッグを単独で膨張させた状態を示す拡大縦断面図である。
【図9】実施形態のエアバッグ装置の作動時を示す車両の左右方向に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態のエアバッグ装置Mは、図1〜3に示すように、車両Vの左右のフロントピラー1の後側に隣接して配設される各フロントドア11に、搭載されている。左右の各フロントピラー1は、図9に示すように、鋼板等からなるアウタパネル2、インナパネル3、及び、アウタパネル2とインナパネル3との間に配置されるリインホースメント4を、備えて構成されており、車両Vの構造体としての高い剛性を具備して、配設されている。なお、図1の符号6で示す部材は、窓枠ゴムであり、符号7で示す部材はフロントウインドガラスである。また、図1の符号8で示す部材はフードパネルであり、符号9で示す部材は、フロントバンパである。
【0023】
なお、本明細書において、前後・上下・左右の方向は、特に断らない限り、前進走行中の車両Vの向きにおける前後・上下・左右の各方向に対応するものである。
【0024】
また、実施形態では、車両Vの右側に位置するフロントピラー1の前面1a側を覆うエアバッグ40を備えたエアバッグ装置Mについて、詳細に説明する。左側のフロントピラー1の前面1a側を覆うエアバッグ40を備えたエアバッグ装置Mは、右側のエアバッグ装置Mと左右対称形として、同一の構成であることから、左側のエアバッグ装置に関しては、説明を省略する。
【0025】
実施形態のエアバッグ装置Mが搭載されるフロントドア11は、フロントピラー1の後側に隣接して配設されるもので、フロントピラー1の後方に、ドアガラス13を昇降させて開閉可能なサイドウインド12を配設させて構成され、サイドウインド12の前後と上縁とを囲む窓枠部16と、サイドウインド12の下方のドア本体部17と、を備えて構成されている。ドア本体部17におけるサイドウインド12の直下近傍のベルトライン14の前端側には、ドアミラー30とエアバッグ装置Mとが配設されている。
【0026】
ドア本体部17は、図4に示すように、車外側Oに配置されるアウタパネル18と、アウタパネル18を補強するためのアウタパネル18の車内側Iに結合されるアウタリインホースメント19と、車内側Iに配置されるドアトリム25と、ドアトリム25の車外側Oに配置されるインナパネル23と、インナパネル23を補強するためのインナパネル23の車外側Oに結合されるインナリインホースメント24と、を備えて構成されている。アウタパネル18、アウタリインホースメント19、インナパネル23、及び、インナリインホースメント24は、適宜所定の鋼板等から形成され、アウタリインホースメント19とインナリインホースメント24との間には、ドアガラス13を昇降させたり収納するための隙間Hが配設されている。
【0027】
また、アウタリインホースメント19とインナリインホースメント24との上端19a,24a側には、ガラスウェザストリップ28,28がそれぞれ配設されている。さらに、アウタパネル18とアウタリインホースメント19とは、上端18a,19aを含めて、周縁相互が、かしめや溶接等を利用して結合され、特に、上端18a,19a側は、シールリップを有したアウタモール27を外嵌させて、防水性を確保して相互に結合されている。
【0028】
また、アウタパネル18には、図4,5に示すように、ドアミラー30とエアバッグ装置Mとを挿入可能な開口18bが、形成されている。実施形態の場合、開口18bは、ドアミラー30とエアバッグ装置Mとを一体的に組み付けた組付体AMを挿入可能なように、長方形状の一つの開口として、形成されている。アウタリインホースメント19は、アウタパネル18の開口18bの車内側Iの部位を、組付体AMを取り付ける取付部位20(20F,20B)としている。この取付部位20には、組付体AMをアウタリインホースメント19に取り付け可能な複数(実施形態では3個)の取付孔20aが、形成されている。組付体AMは、取付孔20aに、組付体AMから延びる取付手段としてのボルト33,59を挿通させて、各ボルト33,39にナット21止めすることにより、アウタリインホースメント19の取付部位20に、取り付けられることとなる。
【0029】
さらに、インナパネル23とインナリインホースメント24とには、取付部位20の車内側Iの部位に、各ボルト33,39にナット21を締結させるための作業用開口23a,24aが形成されている。
【0030】
さらにまた、アウタリインホースメント19の取付部位20の車内側I、すなわち、ドアガラス13の昇降する隙間H側には、取付部位20の水密性を確保するため、外周縁73aを取付部位20の周囲に接着させたシート状のシール材73が、配設されている。このシール材73は、アウタリインホースメント19の取付孔20aに挿通させた各ボルト33,39にナット21を締結させた後、作業用開口23a,24aを利用して、取付部位20の周囲に貼着させることとなる。
【0031】
ドアミラー30は、図1〜3,9に示すように、フロントピラー1の下方におけるドア本体部17のベルトライン14のエリアに、エアバッグ装置Mの後方に隣接して配設されている。ドアミラー30は、図5に示すように、フロントドア11から車外側Oに突出するミラー本体31と、ミラー本体31を保持して、アウタリインホースメント19の取付部位20(20B)に取り付けるための取付手段としてのボルト33を有した取付基部32と、を備えて構成されている。取付基部32は、ミラー本体31を回動させる図示しないモータ等を配設させて、ミラー本体31を回動可能に保持している。そして、取付基部32は、ミラー本体31の元部31b側から延びる先端31a側をアウタパネル18に沿わせる収納位置HPと、元部31b側から延びる先端31a側を車外側Oに向ける使用位置UPと、にそれぞれ配置できるように、構成されている。
【0032】
そして、ミラー本体31を保持する取付基部32は、組付体AMに一体的に形成されるカバー部材35のミラー側部36に、車外側Oの表面を覆われて、配設されている。
【0033】
エアバッグ装置Mは、図1〜3に示すように、フロントピラー1の下端1b側のフロントドア11におけるベルトライン14の前端側の車外側Oの部位として、ドアミラー30の前方に隣接して、搭載されている。エアバッグ装置Mは、図4,5に示すように、可撓性を有した袋状のエアバッグ40と、エアバッグ40に膨張用ガスを供給するインフレーター55と、エアバッグカバー65と、エアバッグ40、インフレーター55、及び、エアバッグカバー65を保持するケース61と、エアバッグ装置Mごとケース61を、アウタリインホースメント19に取り付ける取付手段としてのボルト59と、を備えて構成されている。
【0034】
インフレーター55は、図4,5に示すように、複数のガス吐出口56aを有して前後方向に延びた円柱状の本体56と、本体56を把持するように包んで保持するディフューザー57と、を備えて、エアバッグ40の内部に収納されるように構成されている。ディフューザー57には、エアバッグ40の取付孔50a(図5〜8参照)からエアバッグ40外へ突出する複数(実施形態の場合、2本)のボルト59が配設されている。これらのボルト59は、ケース61の取付孔62aを挿通して、エアバッグ装置Mごとケース61を、アウタリインホースメント19の取付部位20(20F)に取り付ける取付手段を構成するものである。
【0035】
ケース61は、エアバッグ40を突出可能な突出用開口61aを備えた板金製の略直方体の箱形状として、折り畳まれたエアバッグ40を収納して保持するとともに、インフレーター55を保持し、さらに、エアバッグカバー65も保持して、既述のボルト59を利用して、アウタリインホースメント19に取付固定される。ケース61は、ボルト59を挿通させる取付孔62aを備えた長方形板状の底壁62と、底壁62の外周縁から車外側Oに延びる略四角筒形状の周壁63と、を備えて構成されている。周壁63の上下で対向する上壁63aと下壁63bとには、エアバッグカバー65の取付壁部69を係止する複数の断面逆U字状の係止爪63cが形成されている。ケース61は、エアバッグ40内に配設させたインフレーター55のディフューザー57から延びる取付手段としてのボルト59を、底壁62を経て、アウタリインホースメント19の取付孔20aに挿通させて、ボルト59にナット21を締結させることにより、エアバッグ40の取付孔50aの周縁の取付部位50をディフューザー57で押えて、インフレーター55やエアバッグカバー65とともに、アウタリインホースメント19に取り付けられることとなる。そして、ケース61は、底壁62から突出用開口61aに連なる向きを、斜め上向きの車外側O方向として、アウタリインホースメント19に取り付けられている。
【0036】
エアバッグカバー65は、略半割円柱状の合成樹脂製として、ケース61の突出用開口61aを覆って、膨張時のエアバッグ40を突出可能に、膨張するエアバッグ40に押されて開く扉部66を有して、構成されている。扉部66は、車外側Oから見て逆U字状の薄肉の破断予定部68を設けて構成され、膨張するエアバッグ40に押された際、破断予定部68を破断させて、下縁側をヒンジ部67として、下開きで開くように配設されている。
【0037】
また、エアバッグカバー65は、扉部66の周縁における裏面側(車内側I)に、略四角筒形状の車内側Iに延びる略四角筒形状の取付壁部69を備え、取付壁部69の上下で対向する上壁69aと下壁69bとには、取付壁部69を係止するためのケース61の各係止爪63cを挿入させる係止孔69cが、形成されている。
【0038】
そして、実施形態の場合、エアバッグカバー65は、カバー部材35の前部側のエアバッグ側部37として構成されている。カバー部材35は、外周縁を肉厚を薄くするように、アウタパネル18の開口18bの周縁である開口周縁18cに圧接されるようなヒレ部38を備え、ヒレ部38の先端には、開口周縁18cの水密性を確保するために、テープ状若しくは粘着状のシール材71が設けられて、開口周縁18cとエアバッグカバー65の外周縁全周との防水性が確保されている。
【0039】
エアバッグ40は、図6〜9に示すように、内部に膨張用ガスを流入させて膨張可能な可撓性を有した袋状とされるバッグ本体41を備え、バッグ本体41は、カバー膨張部42と、膨張完了時にカバー膨張部42の下面側に配置される支持膨張部46と、を備えて構成されている。また、エアバッグ40は、実施形態の場合、バッグ本体41と別体とされて、カバー膨張部42をケース61側に連結する連結ベルト52、を備えている。
【0040】
バッグ本体41は、膨張完了時にフロントピラー1側に配置される車体側パネル41aと、車体側パネル41aに対向して配置される車外側パネル41bと、を有して、平らに展開した状態の車体側パネル41aと車外側パネル41bとの外周縁相互を、周縁閉じ部51により結合させるとともに、バッグ本体41の内側のエリアの車体側パネル41aと車外側パネル41bとの所定部位を、区画用閉じ部48によって結合させた平面バッグとして、構成されている。実施形態の場合、バッグ本体41は、ポリエステル糸やポリアミド糸等を使用した袋織りから、形成されている。
【0041】
カバー膨張部42は、フロントピラー1の下端1bから上端1c側に延びるエリアの前面1a側を覆い可能なピラーカバー部43と、ピラーカバー部43の下方側の前後方向の長さ寸法を、ピラーカバー部43より短くする連結膨張部44と、を備えて構成されている。ピラーカバー部43と連結膨張部44とは、前縁43a,44a側を上下に延びるように直線状に連ならせており、連結膨張部44の後縁44b側が、ドアミラー30のミラー本体31付近の外表面付近(内側面31dや上面31c付近)に圧接可能に、ピラーカバー部43の後縁43bより前方へ凹むように構成されている。
【0042】
連結膨張部44は、インフレーター55を内部に配置させて、インフレーター55のディフューザー57から延びるボルト59によって、エアバッグ40をケース61やアウタリインホースメント19に取り付ける取付部位50を、下端側に備え、取付部位50は、連結膨張部44の車体側パネル41aの部位に、ボルト59を挿通させる取付孔50aを備えている。この連結膨張部44は、取付部位50から離れたフロントピラー1の下端1b側の全面をピラーカバー部43が覆えるように、取付部位50付近からピラーカバー部43を支持するために配設されている。そして、連結膨張部44は、ピラーカバー部43との間に、後縁43b,44b側から前方に延びて下方に下がるような逆L字用の区画用閉じ部48の上側閉じ部48aを設けて、ピラーカバー部43と区画されている。なお、上側閉じ部48aの前方側には、区画用閉じ部48で区画しないで、連結膨張部44とピラーカバー部43とを上下方向の直線状に連結して、ピラーカバー部43を強固に支持できるように、膨張時に上下方向の棒状に膨らむ縦セル部44cが、配設されている。
【0043】
そして、連結膨張部44は、エアバッグ40の膨張時、後縁44bの車体側パネル41a付近を、ドアミラー30のミラー本体31の外表面における上面31cやドアガラス13側の内側面31dに当接する部位として、ピラーカバー部43の左右方向に沿う車外側O方向への移動(横ずれ)を抑制可能な、当接支持部45としている。
【0044】
支持膨張部46は、連結膨張部44の下方で、区画用閉じ部48の下側閉じ部48bで区画されて配設されている。下側閉じ部48bは、周縁閉じ部51の前縁51cと後縁51dとを連結するように、前後方向に沿って、断続的に配設されている。そして、支持膨張部46は、下側閉じ部48bの閉じ部位の無い部位を、連結膨張部44からの膨張用ガスを流入させる流入口46a、としている。
【0045】
この支持膨張部46は、エアバッグ40の折り畳み時、図7,8に示すように、下側閉じ部48b付近に折目FCを入れて、周縁閉じ部51の下縁51bを、連結膨張部44の車体側パネル41a側の取付部位50付近に接近させるように折り、下縁51bに設けられた連結孔51eに、ディフューザー57のボルト59を挿入させて、ボルト59を利用して取付部位50に連結させている。このように支持膨張部46を車体側パネル41aの側で、取付部位50に連結させることにより、エアバッグ40の膨張時、支持膨張部46が、折り返して車内側Iに表れる支持面46bをアウタパネル18やエアバッグカバー65に当てた状態として、楔のように、連結膨張部44を下面側から支持でき、ドアミラー30のミラー本体31の配設されていない部位において、連結膨張部44が支持するピラーカバー部43の下方や車外側O方向へのずれを、防止することができる。
【0046】
また、連結ベルト52は、図6,7に示すように、元部52aを、周縁閉じ部51の上縁51aに縫合等を利用して、連結させて配設されている。そして、図8に示すように、連結ベルト52は、エアバッグ40の折り畳み時、元部52aから離れた先端部52bに設けられた連結孔51eにボルト59を挿入させて、先端部52bを、ボルト59を利用して、取付部位50に連結させている。連結ベルト52は、エアバッグ40の膨張時、ピラーカバー部43が、フロントピラー1の前面1aから上方に浮き上がらないように、下方に抑えるために配設されて、そして、ピラーカバー部43の上縁43cを、車体側パネル41aの側で、取付部位50側に牽引するように、配設されている。そのため、連結ベルト52は、元部52aから先端部52bまでの長さ寸法が、上記のような牽引可能な寸法に設定されている。
【0047】
実施形態の場合、エアバッグ40は、ディフューザー57のボルト59を取付孔50aから突出させるようにして、取付部位50に設けた図示しない小さなスリット状の組付孔を経て、バッグ本体41の連結膨張部44内の取付部位50にインフレーター55を配設させ、支持膨張部46を連結膨張部44に対して折り返して、周縁閉じ部51の下縁51bを、ボルト59と連結孔51eとを利用して、取付部位50に連結し、ケース61内に収納可能な所定形状に折り畳むこととなる。そして、折り畳まれたバッグ本体41は、連結ベルト52の先端部52bを、ボルト59と連結孔52cとを利用して、取付部位50に連結し、ボルト59を底壁62から突出させるようにして、ケース61内に収納する。ついで、ドアミラー30を組み付け済みのカバー部材35におけるエアバッグカバー29の取付壁部69を、係止爪63cで係止して、ケース61にエアバッグカバー65を組み付ければ、組付体AMを形成することができる。
【0048】
そして、組付体AMを、取付手段としてのボルト33,59を先頭にして、アウタパネル18の組付体AM用の長方形の開口18bからアウタリインホースメント19側に挿入し、各ボルト33,59を取付孔20aに挿入させるとともに、ケース61の底壁62と取付基部32の底部32aとを、アウタリインホースメント19の取付部位20に当てて、各ボルト33,59にナット21を締結すれば、エアバッグ装置Mとドアミラー30とを組み付けてなる組付体AMを、一体的に、アウタリインホースメント19の取付部位20に取り付けることができる。
【0049】
なお、組付体AMをアウタパネル18の開口18bに挿入する前には、カバー部材35の外周縁のヒレ部38には、所定のシール材71を貼着させておく。そのため、各ボルト33,59がナット21止めされる際には、ケース61や取付基部32が車内側Iに移動するように締め付けられることから、ヒレ部38が、アウタパネル18の開口周縁18cに押し付けられ、シール材71の水密性を一層向上させることができる。
【0050】
また、組付体AMをアウタリインホースメント19に取り付けた後には、ナット21止め時に利用した作業用開口23a,24bを利用して、アウタリインホースメント19の取付部位20の車内側Iを覆うように、シール材73を貼着し、さらに、ドアガラス13を伝う雨水がドアトリム25側に侵入しないように、インナリインホースメント24の作業用開口24aも、シート状のシール材75を貼着させて塞いでおく。そして、ドアトリム25等を組み付けてフロントドア11を組み立て、組み立てたフロントドア11を車両Vに組み付ければ、エアバッグ装置Mを車両Vに搭載することができる。
【0051】
なお、インフレーター55やドアミラー30の取付基部32のモータ等を作動させる図示しないリード線は、組付体AMのアウタリインホースメント19への取付時に、防水性を確保し易い下方側に延ばしておき、そして、ドアガラスの昇降するモータの作動用のリード線ととともに、フロントドア11の車両Vへの組付時、所定の制御装置に結線すればよい。
【0052】
そして、車両Vへの搭載後、実施形態のエアバッグ装置Mが作動して、インフレーター55の本体56のガス吐出口56aから膨張用ガスが供給されれば、エアバッグ40は、膨張用ガスによって膨張し、エアバッグカバー65の扉部66を押し開いて、ケース61の突出用開口61aを経てエアバッグカバー65から突出し、フロントピラー1の前面1a側を覆うこととなる。
【0053】
そして、実施形態のエアバッグ装置Mでは、エアバッグ40、インフレーター55、及び、エアバッグカバー65、を保持したケース61から延びるように配設されている取付手段としてのボルト59を利用して、フロントドアの窓枠の前縁側やドアミラー自体でなく、アウタパネル18を補強する剛性の高いアウタリインホースメント19に対し、直接、取り付けられており、十分な高い取付強度を確保して、フロントドア11に搭載することができる。そのため、膨張するエアバッグ40が、エアバッグカバー65を押し開いてケース61から突出しようとしても、ケース61が安定した姿勢を維持してアウタリインホースメント19に保持されており、エアバッグ40は、安定した支持状態として、ケース61の突出用開口61aを経て、エアバッグカバー65から突出し、そして、膨張を完了させることができる。
【0054】
また、エアバッグ40に膨張用ガスを供給するインフレーター55も、エアバッグ40を収納するケース61に保持されて配設されており、従来のような供給管を不要にできるため、嵩張らず、エアバッグ装置Mをコンパクトに構成できて、搭載スペースを低減できる。特に、実施形態の場合、インフレーター55が、エアバッグ40内に収納されて、一層、コンパクトに配設され、さらに、インフレーター55のディフューザー57が、アウタリインホースメント19に取り付ける取付手段としてのボルト59を備えて、ボルト59により、インフレーター55とともに、エアバッグ40を共締めして、アウタリインホースメント19に取り付ける構成であり、別途、エアバッグ40におけるケース61等への取付手段を設ける必要がないことから、一層、コンパクトに構成できる。
【0055】
したがって、実施形態のエアバッグ装置Mでは、搭載スペースを小さくでき、かつ、取付強度を確保して、フロントドア11に搭載することができる。
【0056】
なお、エアバッグ装置Mをアウタリインホースメント19に取り付ける取付手段としては、ボルトやナットの他に、リベット等を利用することができる。また、取付手段は、実施形態のように、インフレーター55から延びるボルト59の他、ケース61自体から延びるボルト等を取付手段としてもよい。
【0057】
そして、実施形態では、フロントドア11が、エアバッグ装置Mの後方に隣接して配設されるドアミラー30、を備えて、ドアミラー30が、フロントドア11から車外側Oに突出するミラー本体31と、ミラー本体31を保持して、フロントドア11に取り付けるための取付手段としてのボルト33を有した取付基部32と、を備えて構成されている。さらに、取付基部32のボルト33も、フロントドア11のアウタパネル18の開口18bを経て、アウタリインホースメント19に取り付けられるように構成されている。そして、エアバッグ装置Mの取付手段としてボルト59におけるアウタリインホースメント19の取付部位20(20F)が、取付基部32のボルト33におけるアウタリインホースメント19への取付部位20(20B)の前方側に、隣接して配設されている。
【0058】
そのため、ドアミラー30とエアバッグ装置Mとを、共に、取付強度を高くして、フロントドア11に搭載できる。また、エアバッグ装置Mが、ドアミラー30の前方側に配設されており、膨張を完了させたエアバッグ40は、ドアミラー30の後方側に配置される場合に比べて、フロントピラー1の下端1bから上方にわたるエリアの前面1aの全域を、円滑に覆うことができる。ちなみに、例えば、ドアミラー30の後方側にエアバッグ装置が配置されていれば、そのエアバッグ装置から見て、フロントピラー1の下端1bは、ドアミラー30を越えた前方に配置されることとなって、エアバッグが、フロントピラー1の下端1bの前面1a側を覆うように膨張しようとしても、前方に配置されたドアミラー30に干渉(接触)して、フロントピラー1の下端1bより浮き上がり易く、そして、エアバッグの前部側が浮き上がれば、フロントピラー1の下端1bの前面1a側を覆えず、エアバッグが安定して歩行者を保護できなくなってしまう。
【0059】
そして、実施形態のように、エアバッグ装置Mがドアミラー30の前方側に配設される場合、エアバッグ40は、膨張完了時にミラー本体31の外表面の少なくとも一部(実施形態の場合、上面31cと内側面31d)に当接して支持される当接支持部45を備え、膨張完了時に、当接支持部45をミラー本体31の外表面(上面31cと内側面31d)とに支持させて、左右方向に沿う車外側O方向への移動を抑制されている。そのため、実施形態のエアバッグ装置Mでは、
膨張を完了させたエアバッグ40が歩行者を受け止める際、歩行者によって強く押圧されることとなっても、エアバッグ40は、当接支持部45により、車外側Oへ横ずれすることを防止できて、フロントピラー1の前面1a側から外れずに、歩行者を的確に受け止めることができる。
【0060】
なお、実施形態では、エアバッグ40の当接支持部45が当接して支持されるミラー本体31の部位を、上面31cと内側面31dとの二つの面とした場合を示したが、当接支持部45によって、エアバッグ40が車外側Oへ横ずれすることを防止できれば、上面31cと内側面31dとのどちらか一方だけとしてもよい。
【0061】
また、実施形態では、ドアミラー30とエアバッグ装置Mとが、相互に一体的に組み付けられた組付体AMとして構成され、取付基部32とエアバッグ装置Mとの取付手段としてのボルト33,59を、アウタパネル18に設けられた開口18bを経て、アウタリインホースメント19の隣接する取付部位20B、20Fに取り付けられることにより、組付体AMが、フロントドア11に搭載されている。そのため、実施形態では、ドアミラー30とエアバッグ装置Mとをアウタリインホースメント19に取り付ける際、組付体AMとした一体物として取り扱って、取り付けることができて、フロントドア11にドアミラー30とエアバッグ装置Mとを搭載する作業を、効率的に行うことができる。
【0062】
なお、ドアミラー30とエアバッグ装置Mとを相互の一体的に組み付ける組付体AMは、ミラー側部36とエアバッグ側部37とが連なるカバー部材35だけを共用化してもよいし、カバー部材35と併せて、取付基部32とケース61とを相互に結合させたり、あるいは、取付基部32とインフレーター55とを相互に結合させて、組付体を構成してもよい。
【0063】
さらに、実施形態では、エアバッグ装置Mが、フロントドア11の車外側Oにおけるアウタパネル18の開口周縁18cと、フロントドア11の内部側のアウタリインホースメント19の取付部位20の周縁と、に、それぞれ、シール材71,73を配設させた防水構造WPを設けて、フロントドア11に配設されている。そのため、実施形態では、エアバッグ装置Mが雨水に曝され易いフロントドア11の車外側Oのアウタパネル18から、フロントドア11の内部におけるドアガラス13を経て伝わる雨水に曝され易いアウタリインホースメント19の内側面側まで、の間に、エアバッグ装置Mが搭載されても、防水構造WPによって、エアバッグ装置M内への雨水や異物の侵入を防止でき、長期間にわたって安定してエアバッグ装置Mを作動させることができる。
【0064】
特に、実施形態では、ドアミラー30とエアバッグ装置Mとを組付体AMとして、一体的に組み付けており、そして、アウタパネル18とアウタリインホースメント19との間への雨水の侵入し易い上端18a,19a相互は、アウタモール27により防水性を確保されており、組付体AMの防水構造WPとしては、単に、車外側Oのアウタパネル18側のシール材71と、内部側のアウタリインホースメント19側のシール材73と、の二種類を利用するだけよく、一層、簡便に構成することができる。
【符号の説明】
【0065】
1…フロントピラー、
1a…前面、
1b…下端、
11…フロントドア、
18…アウタパネル、
18b…開口、
19…アウタリインホースメント、
20(20F,20B)取付部位、
30…ドアミラー、
31c…(外表面)上面、
31d…(外表面)内側面、
32…取付基部、
33,59…(取付手段)
40…エアバッグ、
45…当接支持部、
55…インフレーター、
61…ケース、
65…エアバッグカバー、
66…扉部、
71,73…シール材、
V…車両、
I…車内側、
O…車外側、
AM…組付体、
M…エアバッグ装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のフロントピラーの前面側を覆い可能なエアバッグを備えたエアバッグ装置であって、
前記フロントピラーの下端側のフロントドアにおけるベルトライン付近の車外側の部位に、搭載される構成として、
前記エアバッグと、
前記エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、
前記エアバッグを突出可能な突出用開口を備えて、折り畳まれた前記エアバッグ及び前記インフレーターを収納するケースと、
前記ケースの突出用開口を覆って、膨張時の前記エアバッグを突出可能に、膨張する前記エアバッグに押されて開く扉部を有して、前記ケースに保持されるエアバッグカバーと、
前記エアバッグ、前記インフレーター、及び、前記エアバッグカバー、を保持した前記ケースから延びるように配設されて、前記エアバッグ装置を前記フロントドアの搭載部位に取付可能な取付手段と、
を備えて構成され、
前記取付手段を取り付ける前記フロントドアの取付部位が、前記フロントドアのアウタパネルを補強しているアウタリインホースメント、として、
前記エアバッグ装置が、前記アウタパネルの開口を経て、前記アウタリインホースメントの取付部位に前記取付手段を取り付けて、前記フロントドアに搭載されていることを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項2】
前記フロントドアが、前記エアバッグ装置の後方に隣接して配設されるドアミラー、を備え、
該ドアミラーが、前記フロントドアから車外側に突出するミラー本体と、該ミラー本体を保持して、前記フロントドアに取り付けるための取付手段を有した取付基部と、を備えて構成され、
前記取付基部の取付手段が、前記フロントドアの前記アウタパネルの開口を経て、前記アウタリインホースメントに取り付けられ、
前記エアバッグ装置の前記取付手段における前記アウタリインホースメントの取付部位が、前記取付基部の取付手段における前記アウタリインホースメントへの取付部位の前方側に、隣接して配設されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
【請求項3】
前記エアバッグが、膨張完了時に前記ミラー本体の外表面の少なくとも一部に当接して支持される当接支持部を備え、膨張完了時に、前記当接支持部を前記ミラー本体の外表面に支持させて、左右方向に沿う車外側方向への移動を抑制されることを特徴とする請求項2に記載のエアバッグ装置。
【請求項4】
前記ドアミラーと前記エアバッグ装置とが、相互に一体的に組み付けられた組付体として構成され、
前記取付基部と前記エアバッグ装置との取付手段が、前記アウタパネルに設けられた開口を経て、前記アウタリインホースメントの隣接する取付部位に取り付けられることにより、前記組付体が、前記フロントドアに搭載されていることを特徴とする請求項2若しくは請求項3に記載のエアバッグ装置。
【請求項5】
前記エアバッグ装置が、前記フロントドアの車外側における前記アウタパネルの開口の周縁と、前記フロントドアの内部側の前記アウタリインホースメントの取付部位の周縁と、に、それぞれ、シール材を配設させた防水構造を設けて、前記フロントドアに配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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