説明

エアフィルタおよび吸気濾過器

【課題】 圧力損失の増加を防いで吸気騒音の低減効果を高めることのできる吸気濾過器を提供する。
【解決手段】 吸気濾過器に内蔵されるエアフィルタ5の濾材エレメント7は、空気流の上流側から下流側に向かって粗層19、中層20、密層21の積層構造を採用しており、そのうち最もエンジンに近い密層21は、内部が中空の繊維である中空繊維16を使用した中空糸不織布17によって設けられている。このように、濾材エレメント7に中空糸不織布17を用いることにより、中空糸不織布17によって効率的に吸気騒音を減衰させることができる。これにより、濾材エレメント7の厚みや密度を変えることなく、従来技術よりも吸気騒音を少なくすることができる。また、中空糸不織布17を用いることで2kHz以上の周波数域において特に吸音効果を高めることができるため、ターボ過給器を搭載する車両では、ターボ作動音を効率的に抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通過する空気の濾過を行なうエアフィルタ、および内燃機関(以下、エンジンと称す)に吸引される空気の濾過を行なう吸気濾過器(エアクリーナ)に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景技術1)
エアフィルタは、空気が流れる部位(例えば、空気が流れる開口や、空気が流れる通路など)に配置される。
このため、エアフィルタの内部の音が、エアフィルタが設けられる部位(エアフィルタが配置された開口や、エアフィルタが配置された通路)を介して外部へ放出される。
【0003】
ここで、エアフィルタは、通過する空気の濾過を行なう濾材エレメントを備える。この濾材エレメントは、空気の通過が可能で、空気中に含まれる塵や埃などの通過を阻止するものであり、不織布を用いたものが知られている。
濾材エレメントにおける不織布には、少量の吸音効果が期待できる。しかし、従来の技術では、不織布の吸音効果を積極的に高める発想がなく、不織布の厚みが増すことや、不織布の密度が高まることで、受動的に吸音効果が高まるものでしかなかった。
即ち、従来のエアフィルタにおいて吸音効果を高めようとすると、厚みの増加や、密度の増加によって、エアフィルタの空気抵抗が大きくなり、圧力損失が大きくなる不具合があった。
【0004】
(背景技術2)
上記の問題点を、自動車のエンジンの吸気騒音を例に説明する。
エンジンは、運転に伴って吸気騒音を発生する。エンジンの発生する吸気騒音は、吸気管を伝播して吸気管の端(外気の取入口)等から大気中に放出される。
吸気管の途中には、エンジンに吸引される空気の濾過を行なう吸気濾過器が配置されている(例えば、特許文献1、2参照)。そして、エンジン側から伝播する吸気騒音は、吸気濾過器のエアフィルタを透過する際に、エアフィルタを構成する濾材エレメントによって少量の消音がなされる。
しかし、従来の技術では、吸気濾過器の濾材エレメントによって吸音効果を積極的に高める発想がなかった。
【0005】
具体的に、濾材エレメントに用いられる不織布には、少量の吸音効果が期待できる。しかし、従来の技術では、濾材エレメントの不織布によって吸気騒音を積極的に吸音させる発想がない。
なお、不織布の厚みを増すことや、不織布の密度を高めることで、吸音効果を高めることができるが、厚みの増加や、密度の増加によって、エアフィルタの空気抵抗が大きくなり、吸気通路の圧力損失が大きくなってしまう。
【0006】
そこで、従来の技術では、図6に示すように、共鳴によって音エネルギーの喪失を図るレゾネータJ1を吸気管の途中に設ける手段が提案されているが、レゾネータJ1を吸気管の途中に設けるために、大きな搭載スペースが必要になるとともに、レゾネータJ1によって吸気通路の圧力損失が大きくなってしまう不具合があった。
【特許文献1】特開平11−137928号公報
【特許文献2】特開平11−137937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、第1の目的は圧力損失の増加を防いで吸音効果を高めることのできるエアフィルタの提供にあり、第2の目的は圧力損失の増加を防いで吸気騒音の低減効果を高めることのできる吸気濾過器の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[請求項1、2の手段]
請求項1、2の手段のエアフィルタは、不織布を用いて空気の濾過を行なう濾材エレメントを備えるものであり、この濾材エレメントは、内部が中空の繊維である中空繊維を使用した中空糸不織布を備える。
(i)濾材エレメントの中空糸不織布に到達した音波は、中空繊維を振動させる。そして、音波の一部は、中空繊維を振動させることで減衰するとともに、振動する中空繊維が隣接する中空繊維と接触することによって減衰する(従来技術と同様の吸音効果)。
(ii)また、濾材エレメントの中空糸不織布に到達した音波の一部は、中空繊維の表皮側から内部の中空部に入射する。そして、中空繊維の中空部に入射した音波は、中空部内で反射を繰り返して減衰する(本発明特有の吸音効果)。
このように、中空繊維を使用した中空糸不織布を用いることで、音波を効率的に減衰させることができる。このため、不織布の厚みや密度を変えることなく、従来技術よりも大きい吸音効果を得ることができる。
【0009】
即ち、請求項1の手段を採用することにより、圧力損失の増加を招くことなく、エアフィルタにおいて吸音効果を高めることができる。
また、請求項2の手段を採用することにより、吸気濾過器に中空糸不織布を備えるエアフィルタを用いることで、吸気通路の圧力損失の増加を招くことなく、吸気騒音の低減効果を高めることができる。
また、請求項1、2の手段における中空糸不織布は、不織布を構成する繊維を中空繊維に変更しただけで、つまり、従来技術の不織布と同様の製造方法によって製造可能であるため、製造コストの増加を抑えることができる。即ち、製造コストを高めることなく、吸音効果を高めることができる。
【0010】
[請求項3の手段]
請求項3の手段のエアフィルタまたは吸気濾過器の濾材エレメントは、密度の異なる複数の不織布層を積層してなり、複数の不織布層の少なくとも1つ以上の不織布層が中空糸不織布である。
このように設けても、圧力損失の増加を招くことなく、吸音効果を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
最良の形態1のエアフィルタは、空気の濾過を行なう濾材として少なくとも一部に不織布を用いる濾材エレメントと、この濾材エレメントを保持するフィルタ枠とからなり、空気が通過する部位に配置される。
そして、濾材エレメントは、内部が中空の繊維である中空繊維を使用した中空糸不織布を備える。
【0012】
最良の形態2の吸気濾過器は、内燃機関に吸引される燃焼用の空気が通過する吸気通路途中に設けられて、通過する空気の濾過を行なう。
この吸気濾過器は、空気の濾過を行なう濾材として少なくとも一部に不織布を用いる濾材エレメント、およびこの濾材エレメントを保持するフィルタ枠からなるエアフィルタと、空気の流入口、および内燃機関側に連通する流出口を備え、内部にエアフィルタを収容するフィルタハウジングとを備える。
そして、濾材エレメントは、内部が中空の繊維である中空繊維を使用した中空糸不織布を備える。
【0013】
ここで、最良の形態1、2における中空糸不織布は、不織布を構成する繊維のうち、中空繊維の割合が100%のものであっても良いし、中空繊維と、中空繊維ではない通常繊維とが混合されたものであっても良い。なお、中空繊維と通常繊維が混合される場合は、中空繊維の割合が多いことが望ましい。
【実施例1】
【0014】
エアフィルタが搭載された吸気濾過器の一例を、図1〜図3を参照して説明する。
車両は、燃料の燃焼により車両走行用の出力を生じさせるエンジンを搭載している。このエンジンは、気筒内に吸気を導く吸気通路1と、気筒内で発生した排気ガスを排出する排気通路とを備える。
吸気通路1は、吸気管、インテークマニホールドおよび吸気ポートの各内部通路よりなる。
【0015】
吸気管には、エンジンに吸い込まれる吸気中に含まれた塵や埃を除去する吸気濾過器2、吸気量を計測する吸気量センサ3(エアフロセンサ)、気筒内に吸引される吸気量の調整を行なうスロットルバルブ4等が設けられている。
インテークマニホールドは、吸気管から供給される吸気をエンジンの各気筒内に分配する分岐管であり、その内部には吸気量センサ3の精度に悪影響を与える吸気脈動や吸気干渉を防ぐためのサージタンクが設けられている。
【0016】
吸気ポートは、エンジンのシリンダヘッドに形成されて、インテークマニホールドによって分配された吸気を気筒内に導く。
ここで、シリンダヘッドには、各気筒内に吸気を導く吸気ポートの他に、各気筒内で生成された排気ガスを排出する排気ポートが形成されている。そして、シリンダヘッドには、各気筒毎に、吸気ポートの出口端(気筒内との境界部)を開閉する吸気バルブと、排気ポートの入口端(気筒内との境界部)を開閉する排気バルブとが設けられている。
【0017】
エンジンは、吸入、圧縮、爆発、排気の各行程を順次繰り返すものであり、吸気の開始時に吸気バルブが開かれ、吸気の終了時に吸気バルブが閉じられる。このエンジンの吸気動作と吸気バルブの開閉動作によって、吸気通路1には吸気騒音が発生する。具体的に、エンジンの吸気動作と吸気バルブの開閉動作によって発生した吸気騒音は、吸気ポート→インテークマニホールド→吸気管の順で伝播し、外気の取入口から放出される。
【0018】
次に、吸気濾過器2の基本構造を説明する。
吸気濾過器2は、空気の濾過を行なうエアフィルタ5と、このエアフィルタ5を収容するフィルタハウジング6(エアクリーナケース)とで構成される。
エアフィルタ5は、図1(a)に示すように、通過する空気の濾過を行なう濾材エレメント7と、波状に多数曲折された状態の濾材エレメント7を保持するフィルタ枠8(骨格部材)とからなり、フィルタハウジング6内を通過する空気が全て濾材エレメント7を通過するようにフィルタハウジング6内に配置される。
なお、フィルタ枠8は、濾材エレメント7とは別の部材(例えば通気性のない樹脂部材など)で設けられるものであっても良いし、濾材エレメント7と同様の部材(例えば、通気性を有する部材)で設けられるものであっても良い。
【0019】
図3に示すフィルタハウジング6は、空気の流入口9が形成された樹脂製の上流側ケース10と、エンジン側に連通する流出口11が形成された樹脂製の下流側ケース12とを組み合わせた箱体であり、内部にエアフィルタ5を収容する。
なお、図3に示す上流側ケース10には、外気の取入口が形成されるインレットダクト13が流入口9から上流側に向かって延長して設けられており、下流側ケース12にはアウトレットホース14に接続されるアウトレットダクト15が流出口11から下流側に向かって延長して設けられている。また、図3では、上流側ケース10と下流側ケース12との接合面に、エアフィルタ5の外周縁に形成されたリブ5aが挟み付けられて、エアフィルタ5がフィルタハウジング6内に固定される例を示す。
【0020】
次に、この実施例1の特徴技術を説明する。
エアフィルタ5における濾材エレメント7は、内部が中空の繊維である中空繊維16を使用した中空糸不織布17を備える。
この実施例1の特徴技術を以下において具体的に説明する。
中空糸不織布17に用いられる中空繊維16は、細く、柔軟性に富む長繊維であり、図1(b)に示すように内部が中空に設けられている。具体的な一例を示すと、中空繊維16は、1〜5デニール程のポリエステルなどの化学繊維である。
【0021】
中空糸不織布17は、従来の不織布(中空繊維16ではない通常繊維の不織布:以下、通常不織布18と称す)と同様の製造方法によって設けられる。即ち、中空糸不織布17の製造方法は、不織布を構成する繊維が中空繊維16に変更されただけである。
ここで、中空糸不織布17の製造方法の一例を説明する。
(1)先ず、接着用のバインダー繊維が混合された所定量の中空繊維16を所定のマット形状に成形する。(2)続いて、マット状に成形された中空繊維16を所定の厚みに加熱プレスする。以上により、バインダーが熱によって一旦溶融して隣接する中空繊維16を接合することで所定密度で所定厚みの中空糸不織布17が製造される。もちろん、この製造方法は一例であって、他の製造方法により中空糸不織布17を製造するものであっても良い。
【0022】
この実施例の濾材エレメント7は、密度の異なる複数の不織布層を積層した構造を採用するものであり、複数の不織布層の少なくとも1つ以上の不織布層が中空糸不織布17によって設けられている。
具体的にこの実施例の濾材エレメント7は、図1(c)に示すように、密度の異なる3種の不織布を積層してなる。
さらに具体的にこの実施例の濾材エレメント7は、空気流の上流側(外気の取入口に近い側)から下流側(エンジン側)に向かって、密度の低い粗層19、密度が粗層19より高い中層20、密度が最も高い密層21の3層を積層した構造を採用している。
そして、この実施例1の濾材エレメント7は、最もエンジンに近い側(吸気騒音が入射する側)で最も密度の高い密層21が中空糸不織布17によって設けられ、粗層19と中層20が通常不織布18によって設けられている。
【0023】
(実施例1の効果)
エンジンの運転によりエンジン側より生じた吸気騒音は、吸気ポート、インテークマニホールド、吸気管を通って吸気濾過器2の内部(フィルタハウジング6の内部)に到達し、エアフィルタ5の濾材エレメント7に入射する。
(i)濾材エレメント7に到達した吸気騒音が、粗層19と中層20の通常繊維と、密層21の中空繊維16を振動させる。そして、吸気騒音は、繊維を振動させることで減衰するとともに、振動する繊維が隣接する繊維と接触することで減衰する(従来技術と同様の吸音効果)。
(ii)さらに、濾材エレメント7の中空糸不織布17に到達した吸気騒音の一部は、中空繊維16の表皮側から内部の中空部に入射する。そして、中空繊維16の中空部に入射した吸気騒音は、中空部内で反射を繰り返して減衰する(中空糸不織布17に特有の吸音効果)。
このように、濾材エレメント7の少なくとも一部に中空繊維16を使用した中空糸不織布17を用いることで、濾材エレメント7において積極的に吸音を行なうことができ、従来技術に比較して吸気騒音を減衰させることができる。即ち、濾材エレメント7の厚みや密度を変えることなく、従来技術よりも吸気騒音を少なくすることができる。
【0024】
次に、図2の実験結果を参照して実施例1の効果を説明する。
図2に示す実線Aは、密層21が中空糸不織布17で設けられ、粗層19と中層20が通常不織布18で設けられた濾材エレメント7のエアフィルタ5(本発明が採用された実施例1のエアフィルタ5)を車両に搭載した場合における吸気騒音の測定結果を示す。
図2に示す実線Bは、粗層19、中層20、密層21の全てが通常不織布18で設けられた濾材エレメント7を採用するエアフィルタ5(本発明を採用しない参考例のエアフィルタ5)を車両に搭載した場合における吸気騒音の測定結果を示す。
【0025】
この実線Aと実線Bを比較して解るように、密層21だけを中空糸不織布17で設けても、吸気騒音の音圧レベルを下げることができる。
また、実線Aと実線Bを比較して解るように、中空糸不織布17を用いることで2000Hz以上の周波数域において特に吸音効果を高めることができる。このため、吸気騒音だけでなく、ターボ過給器を搭載する車両では、ターボの作動音(高回転で回転するインペラの作動音)を効果的に抑えることができる。
【0026】
上述したように、この実施例1の吸気濾過器2は、中空糸不織布17を用いた濾材エレメント7を有するエアフィルタ5を用いることで、吸気通路1の圧力損失の増加を招くことなく、吸気騒音を抑えることができる。
また、中空糸不織布17は、不織布を構成する繊維を中空繊維16に変更しただけで、つまり、従来技術の不織布と同様の製造方法によって製造可能であるため、エアフィルタ5の製造コストの増加が抑えられる。即ち、製造コストを高めることなく、吸気騒音やターボの作動音を抑えることが可能になる。
【実施例2】
【0027】
実施例2を図4を参照して説明する。なお、実施例1と同一符号は、同一機能物を示すものである。
上記の実施例1では、密層21の厚みが、粗層19と中層20の厚みより薄い例を示したが、粗層19、中層20、密層21の厚みは、適宜変更可能なものである。
具体的に、この実施例2では、図4に示すように、中層20の厚みを、粗層19と密層21の厚みより薄く設けたものである。
【0028】
上記の実施例1では、密層21を中空糸不織布17で設け、粗層19と中層20を通常不織布18で設ける例を示したが、中空糸不織布17で設ける層は、密層21に限定されるものではない。
具体的に、この実施例2では、図4に示すように、中層20を中空糸不織布17で設け、粗層19と密層21を通常不織布18で設けたものである。
このように設けても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0029】
〔変形例〕
上記の実施例では、濾材エレメント7を構成する3層の不織布層のうち、1層のみを中空糸不織布17で設け、他の2層を通常不織布18で設ける例を示したが、3層の不織布層のうちの2層を中空糸不織布17で設けても良いし、3層の全てを中空糸不織布17で設けても良い。
上記の実施例では、濾材エレメント7を3層の不織布を積層して設ける例を示したが、2層の不織布を積層して濾材エレメント7を設けても良い。この場合、空気流の下流側の層だけ、あるいは空気流の上流側の層だけを中空糸不織布17で設けても良いし、2層とも中空糸不織布17で設けても良い。
または、濾材エレメント7を1層の不織布層だけで構成し、その1層を中空糸不織布17で設けるものであっても良い。
あるいは、図5に示すように、既存の濾材エレメント7に中空糸不織布17によるプレフィルタ22を追加することで、既存の濾材エレメント7に中空糸不織布17を設けても良い。
【0030】
上記の実施例では、濾材エレメント7を複数層で設ける場合に、全ての層を不織布で設ける例を示したが、少なくとも1層が中空糸不織布17であれば良く、他の層は不織布でなくても良い。即ち、一例を示すと、濾紙と中空糸不織布17を組み合わせて濾材エレメント7を構成しても良い。
上記の実施例では、中空繊維16だけ(即ち、中空繊維16の割合が100%)で中空糸不織布17を設ける例を示したが、中空繊維16と、中空繊維16ではない通常繊維を混合して中空繊維16が配合された中空糸不織布17を設けても良い。
【0031】
上記の実施例では、エンジンの吸気濾過器2のエアフィルタ5に本発明を適用して吸気騒音を低減する例を示したが、吸気濾過器2とは異なる他のエアフィルタに本発明を適用しても良い。具体的には、車両用空調装置のエアフィルタに本発明を適用しても良い。あるいは、家庭用の電気機器(エアコン、空気清浄機、換気扇、掃除機等)のエアフィルタなど、車両以外のエアフィルタに本発明を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】エアフィルタの斜視図、中空繊維の説明図、および濾材エレメントの積層構造を示す要部断面である(実施例1)。
【図2】騒音レベルの比較結果を示すグラフである(実施例1)。
【図3】吸気濾過器の説明図である(実施例1)。
【図4】濾材エレメントの積層構造を示す要部断面である(実施例2)。
【図5】濾材エレメントの構造図である(変形例)。
【図6】レゾネータの設置例を示す概略図である(従来例)。
【符号の説明】
【0033】
1 吸気通路
2 吸気濾過器
5 エアフィルタ
6 フィルタハウジング
7 濾材エレメント
8 フィルタ枠
9 流入口
11 流出口
16 中空繊維
17 中空糸不織布
18 通常不織布

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布を用いて空気の濾過を行なう濾材エレメントと、この濾材エレメントを保持するフィルタ枠とからなり、空気が通過する部位に配置されるエアフィルタにおいて、
前記濾材エレメントは、内部が中空の繊維である中空繊維を使用した中空糸不織布を備えることを特徴とするエアフィルタ。
【請求項2】
内燃機関に吸引される燃焼用の空気が通過する吸気通路途中に設けられて、通過する空気の濾過を行なう吸気濾過器において、
この吸気濾過器は、不織布を用いて空気の濾過を行なう濾材エレメント、およびこの濾材エレメントを保持するフィルタ枠からなるエアフィルタと、
空気の流入口、および前記内燃機関側に連通する流出口を備え、内部に前記エアフィルタを収容するフィルタハウジングとを備え、
前記濾材エレメントは、内部が中空の繊維である中空繊維を使用した中空糸不織布を備えることを特徴とする吸気濾過器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のエアフィルタまたは吸気濾過器において、
前記濾材エレメントは、密度の異なる複数の不織布層を積層してなり、
前記複数の不織布層の少なくとも1つ以上の不織布層は、前記中空糸不織布であることを特徴とするエアフィルタまたは吸気濾過器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−112299(P2010−112299A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−286551(P2008−286551)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】