説明

エアフィルター濾材および空気清浄機用エアフィルター

【課題】 洗浄によって付着臭気を効果的に除去することができ、かつ洗浄後の乾燥時間を短縮することができるエアフィルター濾材、ならびにそれを用いた空気清浄機用エアフィルターを提供する。
【解決手段】 本発明のエアフィルター濾材は、疎水性繊維と親水性繊維とを含む繊維シートに、平均粒径が40μm以下の多孔質体と、2〜5質量%の化学脱臭剤とを添着したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば空気清浄機に好適に用いることができるエアフィルター濾材、ならびにそれを用いた空気清浄機用洗浄再生型エアフィルターに関する。詳しくは、付着臭気の再発生が少なく、かつ洗浄後の乾燥時間が短く、かつ脱臭性能の変化が少ないため繰り返し使用しても使用者が不快感を覚えるような臭気を発することのないエアフィルター用濾材ならびにそれを用いた空気清浄機用洗浄再生型エアフィルターに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、空気清浄機用エアフィルターに求められる性能として、従来の低圧損、高集塵といった基本性能に加え、タバコ臭などの不快臭の発生を防止する脱臭性能、さらに洗浄による再生性能、繰り返し使用性が要求されている。
【0003】
脱臭性能を有するエアフィルターとしては、シート状のエレクトレットフィルターと、平均粒径が20μm程度の吸着剤を含有するシートを積層し、プリーツ状に一体成形せしめてなるフィルターが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、このフィルターでは、タバコ煙などの複合臭に対する脱臭性能が十分とは言えない。また、シートの構成によっては、洗浄後の乾燥性、もしくは臭気の除去が不十分となり易くなるため好ましくない。
【0005】
また、レーヨン繊維とポリエステル繊維を含む支持繊維に平均粒子径60μmの比較的大きい粒径の活性炭に接着固定する脱臭層と、エレクトレット繊維からなる集塵層によって構成される吸着材シートを空気清浄化用フィルターとして用いることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
しかしながら、このフィルターにおいては、洗浄時に粒状活性炭が保持する水分量が大きくなり、乾燥に相当の時間を有する可能性が高くなる。このため、実使用面で問題がある。
【0007】
また、洗浄による性能変化が少ないエアフィルターとして、ポリエステルおよびポリエチレン複合不織布とポリテトラフロロエチレン微多孔膜の2層構造からなる濾材を用いるものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
しかしながら、このフィルターでは、タバコ臭などの臭気成分に対する脱臭性能および洗浄による臭気除去性が不十分である。このため、エアフィルターとして長時間使用していると、濾材に付着した臭気成分が再放出され易くなるという問題がある。
【特許文献1】特開平4−74505号公報
【特許文献2】特開2000−117024号公報
【特許文献2】特開2006−61830号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明では、上記課題を解決し、洗浄によって付着臭気を効果的に除去することができ、かつ洗浄後の乾燥時間を短縮することができるエアフィルター濾材、ならびにそれを用いた空気清浄機用エアフィルターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、疎水性および親水性両方の繊維を使用した繊維シートに多孔質体と化学脱臭剤を添着することにより、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
【0011】
すなわち、本発明のエアフィルター濾材は、疎水性繊維と親水性繊維とを含む繊維シートに、平均粒径が40μm以下の多孔質体と、2〜5質量%の化学脱臭剤とを添着したものである。
【0012】
上記多孔質体は、疎水性であり、少なくとも活性炭もしくは疎水性ゼオライトのいずれかを含むとよい。
【0013】
上記繊維シートは、疎水性繊維を10〜80質量%含むと好ましい。
【0014】
上記エアフィルター濾材において、化学脱臭剤が少なくともヒドラジド化合物、アルカリ金属化合物のいずれかを含み、JEMA1467脱臭性能試験法に準拠した試験方法において、濾材の初期脱臭率が40%以上であるとよい。
【0015】
また、本発明の高集塵エアフィルター濾材は、上記エアフィルター濾材に、疎水性の繊維で構成されるエレクトレット不織布が一体的に積層されている。
【0016】
本発明の空気清浄機用洗浄再生型エアフィルターは。上記エアフィルター濾材で構成される。
【発明の効果】
【0017】
本発明のエアフィルター濾材は、疎水性繊維および親水性繊維を含む繊維シートを用いる。疎水性繊維を含む繊維シートを用いることにより、乾燥が容易となる。一方、繊維シートには、親水性繊維を含むので、繊維に付着した周期成分の除去が容易となる。
【0018】
本発明のエアフィルター濾材は、平均粒径が40μm以下と、粒子の小さい多孔質体を用いる。これにより、洗浄後の乾燥時間を短くすることができる。
【0019】
さらに、本発明のエアフィルター濾材は、化学脱臭剤を用いる。化学脱臭剤は、吸着成分の再発生を生じにくい。したがって、付着臭気の再発生が少ないエアフィルター濾材を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明のエアフィルター濾材は、疎水性繊維と親水性繊維とを含む繊維シートに、平均粒径が40μm以下の多孔質体と、2〜5質量%の化学脱臭剤とを添着したものである。
【0021】
(繊維シート)
本発明で用いる繊維シートは、疎水性繊維と親水性繊維とを含む。疎水性繊維と親水性繊維とを含むことにより、疎水性繊維と親水性繊維の両方の長所を生かすことができる。すなわち、疎水性繊維単体で繊維シートを構成した場合、洗浄工程において水分が繊維内部に浸透しないため早く乾燥するが、繊維に付着した臭気成分の除去性が著しく劣る。逆に親水性繊維単体で繊維シートを構成した場合は、洗浄によって繊維シートが多量の水分を含有するので、乾燥時間が著しく長くなるため好ましくない。疎水性および親水性の両方の繊維を用いると、洗浄時に親水性繊維が適度な水分を保持し、その水分が疎水性繊維に接触するため、疎水性および親水性両方の繊維に付着した水溶性の臭気成分を除去する効果が得られる。また、乾燥時には、疎水性繊維が、親水性繊維に含まれる水分を早く排出する。
【0022】
本発明で使用される疎水性繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアラミド繊維などの疎水性有機繊維、炭化珪素繊維などの疎水性無機繊維、炭素繊維などの疎水性を有する繊維が挙げられる。中でもポリエステル繊維が汎用性の面で好ましい。
【0023】
本発明で用いる繊維シートには、疎水性繊維を繊維シート全体の10〜80質量%混合すればよい。この範囲で疎水性繊維を混合することで、洗浄による繊維シートの含水量が適度なものとなり、乾燥時間が大幅に短縮される。また、親水性繊維が保持している水分による付着臭気の除去効果が得られる。
【0024】
本発明で使用される親水性繊維としては、綿などの天然繊維、レーヨン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ビニロン繊維といった親水性を有する繊維が挙げられる。中でもビニロン繊維が、洗浄、乾燥工程における寸法の変化が最も小さく好ましい。
【0025】
本発明で使用される繊維シートとしては、織物や編物、不織布などの繊維によって構成される面積に対して十分な薄さを持った布帛状の構造物が使用できる。中でも、短繊維不織布が湿式抄紙法やケミカルボンド法といった製法上、複数の繊維を混合することが容易であり、エアフィルター濾材の基本要求特性である通気性に優れたシートを得ることができるため好ましい。また、上述の短繊維不織布を製造する場合、カーディングや抄紙工程によって不織布状に構成された繊維群に樹脂バインダーを付着し、乾燥させて固化し、繊維間を接着させることによって洗浄工程による繊維の脱落を防止する効果を付与できるためより好ましい。樹脂バインダーとしては、繊維間を接着する効果を有するものであれば使用可能であり、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。
【0026】
(多孔質体)
本発明で使用される多孔質体は、物理吸着、化学吸着、イオン交換など、ガス成分と接触、反応することにより除去する性能を有しているものである。中でも、疎水性を有する多孔質体は、洗浄後の乾燥時間を短縮できるので、好ましい。疎水性を有する多孔質体としては、活性炭、多孔質シリカ、疎水性ゼオライトなどが挙げられる。本発明では、疎水性を有する多孔質体として、活性炭もしくは疎水性ゼオライトのいずれかを含むと好ましい。活性炭は、様々なガス成分の吸着に優れた性質を有している。また、疎水性ゼオライトは、アンモニアの吸着性に特に優れている。これらは、洗浄による繰り返し使用が可能である。このため、活性炭もしくは疎水性ゼオライトのいずれかを含むエアフィルター濾材は、タバコ臭、トイレ臭など臭気問題が発生しやすい場所への使用に非常に適している。
【0027】
本発明で使用される活性炭としては、ヤシ殻、石炭、木粉、フェノール樹脂等を原料とするものが好ましい。特に、焼成、洗浄、粉砕、分球などの工程を経て製品化される比較的粒度の細かい粉末活性炭が好ましい。
【0028】
また、多孔質体を用いるのは、臭気成分との反応面積を大きくするためである。また、後述する化学脱臭剤が微細孔内に入り込むため、洗浄による薬剤の溶出を防止することができるため好ましい。この場合、微細孔の直径としては、平均1〜2ナノメートルであることが上述の効果が最も大きいためより好ましい。
【0029】
本発明で使用される多孔質体は、粒子状のものを用いることにより、繊維への添着が容易であり、添着量を調整して必要な性能を得ることができる。そして、メジアン径によって求められる平均粒子径が40μm以下のものを用いる必要がある。平均粒子径が40μmを超えるような、微粒子に分類される中でも比較的粒子系の大きな脱臭剤を用いると、洗浄後の乾燥時間が著しく長くなる。原因としては脱臭剤粒子間に水分が保持されて残留する量が、粒子経が小さいものと比較して大きくなることが考えられる。平均粒子径としては40μmであれば上述のような洗浄後の乾燥性に優れるため好ましく、4〜40μmであれば、繊維に添着させる工程における取り扱いが容易であるためより好ましい。
【0030】
本発明で使用される多孔質体は、繊維シートを構成する繊維上に接着状態で添着される。添着は、繊維と多孔質体とをアクリルなどのバインダー樹脂を介して接着する方法や、繊維を融点以上の温度に加熱して溶融状態の繊維に多孔質体を散布して接着させる方法などから任意に選択できる。
【0031】
多孔質体の繊維への添着量としては、10〜50g/mが多孔質体の効果を得ることができ、かつ繊維上への添着が容易であるため好ましい。
【0032】
(化学脱臭剤)
本発明で使用する化学脱臭剤とは、吸着対象物の成分中の特定物質と化学結合して他の成分に変質させ無害化する性能を有する物質をいう。化学脱臭剤は、多孔質体による物理吸着と比較して吸着成分の再発生が起こりにくい特徴があり、脱臭処方としても有効であることが知られている。
【0033】
本発明で使用する化学脱臭剤としては、例えば、酸化反応を発生させアルカリ系のガスの脱臭を行なうリン酸、塩酸や、アルカリ反応を発生させ酸系ガスの脱臭を行なう水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、アルデヒド類との反応を発生させる第1級から第3級アミン化合物の中のアジピン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジドなどのヒドラジド化合物や、p−アミノベンゼンスルホン酸、エチレン尿素縮合体薬剤などが挙げられる。
【0034】
本発明で使用する化学脱臭剤としては、少なくともヒドラジド化合物、アルカリ金属化合物のいずれかを含むことが好ましい。ヒドラジド化合物はタバコ煙に多く含まれるアセトアルデヒドとの反応性に優れるため、タバコ独特の刺激臭を著しく緩和する効果を得ることができる。ヒドラジド化合物としては前記したアジピン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジドなどから任意に選択できる。中でもアジピン酸ジヒドラジドは、適度な溶解度を示し、脱臭剤の微細孔への添着が容易で、洗浄しても脱落しにくいためより好ましい。
【0035】
アルカリ金属化合物は酢酸などの酸系ガスとの反応性が高く、酸系の「すっぱい臭気」を緩和し、使用者が感知しにくい臭気に変化させるためより好ましい。アルカリ金属化合物としては前記したような水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどから任意に選択できる。中でも炭酸水素ナトリウムは弱アルカリ性であり取り扱いの面で安全製が高いためより好ましい。
【0036】
本発明で使用される化学脱臭剤は、繊維シートを構成する繊維上あるいは多孔質体上に接着状態で添着される。添着は、多孔質体と化学脱臭剤を同浴中に分散もしくは溶解させ、多孔質体表面に化学脱臭剤を添着させた後に、多孔質体を繊維に添着する方法や、前記多孔質体と同様にバインダーを介して接着する方法や繊維を融着状態にしてそこに接着させる方法がある。
【0037】
本発明で使用される化学脱臭剤は、その添着量が濾材に対して2〜5質量%であることが必須である。化学脱臭剤の添着量が2%未満であると、化学脱臭剤による化学吸着が十分に作用しないため好ましくない。逆に添着量が5%を超えると、初期の化学吸着は高い性能を示すが、洗浄によって溶出もしくは脱落する割合が大きく、洗浄後の化学吸着性能は大幅に低下する。性能の相対的な変化が大きいと、使用者側にとって極めて悪い使用感となるため、洗浄を必要とする場合はかえって好ましくない。
【0038】
上記構成を有する本発明のエアフィルター濾材は、JEMA1467脱臭性能試験法に準拠した試験方法において初期の平均脱臭効率40%以上の性能を有すると好ましい。本発明のエアフィルター濾材を使用することにより、脱臭効果および付着臭気の再発生がより少なくなるからである。
【0039】
(他の構成要素)
本発明のエアフィルター濾材は、上記構成に加え、疎水性の繊維で構成されるエレクトレット不織布が一体的に積層されているものであってもよい。このような構成とすることで、微細塵の捕集効率に優れかつ洗浄後の乾燥時間が短いエアフィルター濾材を得ることができる。
【0040】
ここでいう疎水性の繊維とは、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアラミド繊維などの疎水性有機繊維、炭化珪素繊維などの疎水性無機繊維、炭素繊維といった、疎水性を有する繊維から任意に選択することができる。中でもポリプロピレン繊維はエレクトレットの効果が最も大きいためより好ましい。ここでいうエレクトレット加工処理は、コロナ放電方式、純水接触方式など公知の方法から任意に選択することが好ましい。特に、純水接触方式を用いると、静電気力が高く圧力損失の低い繊維シートを得ることができるので、より好ましい。また、ここでいう不織布とは、単繊維不織布、長繊維不織布など公知の形態から任意に選択することができる。特に、メルトブロー方式で得られる不織布は、極めて薄型で繊維径の細い不織布であるので、より好ましい。
【0041】
本発明のエアフィルター濾材は、たとえば、プリーツ加工やコルゲート加工を施す、あるいは枠体に収納することで、エアフィルターとして使用することができる。得られるエアフィルターは、上記したエアフィルター濾材と同様の効果を奏する。そのため、かかる濾材は、各種空気清浄機において好ましく利用される。なお、本発明における空気清浄機とは、主に一般住宅やホテルなどの居室内空気を清浄する目的に使用されるものである。
【実施例】
【0042】
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0043】
[測定方法]
本実施例における化学脱臭剤添着率(%)、初期脱臭性能(%)、水洗い後脱臭性能(%)、乾燥時間(hr)、タバコ臭気強度(使用後、洗浄後、再使用後)の測定は、以下に記載の方法を用いる。測定装置は、以下の測定方法と同等の結果が得られるものであれば、他の装置を用いてもよい。
【0044】
(1) 化学脱臭剤添着率[%]
間口寸法が259mm×493mmの評価用濾材もしくはフィルターを、65℃×40%RHの乾燥個内にて乾燥させた後、pH計「Eco Scan pH5」((株)テックジャム製)で測定した時のpH=5.8の水道水15L中に120時間含浸し、取り出した後50℃×60%RHの乾燥庫内にて24時間保管し乾燥させた後の重量を測定し、水含浸前の基材重量との比から算出した。処理前後の重量比=化学吸着剤の添着比率として求めた値である。
【0045】
(2) 初期脱臭性能[%]
間口寸法が259mm×493mmの評価用濾材もしくはフィルター単独を、三菱電機ホーム機器(株)製家庭用空気清浄機「MA−516SV」にセットし、JEMA1467法「脱臭性能試験方法」に準拠した方法において、タバコ(“マイルドセブン”)5本分の燃焼煙に対する急速運転(風量5.1m3/min)30分後の平均除去率を測定した。
【0046】
(3) 水洗い後脱臭性能[%]、乾燥時間[hr]
上述の(2)初期脱臭性能測定に使用した濾材もしくはフィルターを、上述の薬剤添着率測定と同様のpH計で測定した時のpH=5.8の水道水15L中に6時間含浸して洗浄し、取り出した後25℃×60%RHの密閉空間内にて保管し、重量が水含浸前の重量から±1%になるまでの時間を乾燥時間とした。乾燥後の濾材もしくはフィルターは再度上記(2)初期脱臭性能測定と同様の方法で脱臭性能を測定した。
【0047】
(4)タバコ臭気強度(使用後、洗浄後、再使用後)
外気の出入りのない敷地面積12m、高さ3.5mの居室に評価用濾材もしくはフィルター単独をセットした三菱電機ホーム機器(株)製家庭用空気清浄機「MA−516SV」を配置し、運転条件「静音」で運転した時の空気清浄機からの吹き出しエアーの臭気強度を、6人のモニターが表1の6段階臭気判定法にて判定し、各人の判定結果の算術平均で示した。
【表1】

【0048】
臭気強度の判定は、(a)上述の(2)初期脱臭性能測定から24時間経過後、(b)上述の(3)水洗い後脱臭性能測定における水洗浄−乾燥後、(c)上述の(3)水洗い後脱臭性能測定から24時間経過後に実施した。
【0049】
[実施例1]
(繊維シート)
繊維長24mmのポリエステル繊維85質量%(繊度1.3dtexのものを10質量%、繊度3dtexのものを30質量%、繊度6dtexのものを45質量%)、繊度17dtex、繊維長12mmのビニロン繊維10質量%、パルプ5質量%から構成される繊維群を湿式抄紙法にて不織布に加工し、ガラス転移点40℃のスチレン・アクリル樹脂バインダーを繊維全体の25質量%付着した目付42g/mの繊維シートを使用した。
【0050】
(多孔質体)
平均粒子径40μmの多孔質シリカ「サイリシア550N」(富士シリシア化学(株)製)を使用した。
【0051】
(化学脱臭剤)
純度96%のリン酸を使用した。
【0052】
(濾材)
上述の化学脱臭剤を0.02質量%添加した水中に上述の多孔質体6質量%とガラス転移点−4℃のスチレン・アクリル樹脂1.5質量%とを均一分散させた分散液中に上述の繊維シートを含浸させ、脱臭剤付着量20g/m、薬剤添着量1.5g/m、総目付70.5g/mの濾材を使用した。
【0053】
この濾材の初期脱臭性能は35.7%、水洗い後の脱臭性能は33.3%、乾燥時間は24時間であった。また、使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均2.9、水洗い後のタバコ臭気強度の判定値は平均1.6、再使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均2.9であった。
【0054】
[実施例2]
(繊維シート)
実施例1と同様の繊維シートを使用した。
【0055】
(多孔質体)
実施例1と同様の脱臭剤を使用した。
【0056】
(化学脱臭剤)
実施例1と同様の薬剤を使用した。
【0057】
(濾材)
上述の化学脱臭剤の添加量を0.05質量%に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、脱臭剤付着量20g/m、薬剤添着量3.6g/m、総目付73g/mの濾材を使用した。
【0058】
この濾材の初期脱臭性能は38.1%、水洗い後の脱臭性能は33.5%、乾燥時間は20時間であった。また、使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均2.7、水洗い後のタバコ臭気強度の判定値は平均1.6、再使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均2.9であった。
【0059】
[実施例3]
(繊維シート)
実施例1と同様の繊維シートを使用した。
【0060】
(多孔質体)
平均粒子径が20μmの微粒子活性炭「白鷺E−25kN」(日本エンバイロケミカル(株)製)を使用した。
【0061】
(化学脱臭剤)
実施例1と同様の薬剤を使用した。
【0062】
(濾材)
脱臭剤を上述の活性炭に変更した以外は実施例1と同様の方法で、脱臭剤付着量20g/m、薬剤添着量2.0g/m、総目付71g/mの濾材を使用した。
【0063】
この濾材の初期脱臭性能は37.9%、水洗い後の脱臭性能は35.5%、乾燥時間は18時間であった。
【0064】
また、使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均2.5、水洗い後のタバコ臭気強度の判定値は平均1.7、再使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均2.5であった。
【0065】
[実施例4]
(繊維シート)
実施例1と同様の繊維シートを使用した。
【0066】
(多孔質体)
平均粒子径が20μmの疎水性ゼオライト「アブセンツ1000」(ユニオン昭和(株)製)35質量%、平均粒子径5μmの疎水性多孔質シリカ「サイロホービック」(富士シリシア化学(株))65質量%の混合品を使用した。
【0067】
(化学脱臭剤)
実施例1と同様の薬剤を使用した。
【0068】
(濾材)
脱臭剤を上述のゼオライト混合品に変更した以外は実施例1と同様の方法で、脱臭剤付着量20g/m、薬剤添着量2.0g/m、総目付71g/mの濾材を使用した。
【0069】
この濾材の初期脱臭性能は36.1%、水洗い後の脱臭性能は32%、乾燥時間は18時間であった。また、使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均2.5、水洗い後のタバコ臭気強度の判定値は平均1.7、再使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均2.5であった。
【0070】
[実施例5]
(繊維シート)
繊度3dtex、繊維長10mmのポリエステル繊維10質量%、繊度17dtex、繊維長18mmのビニロン繊維17質量%、繊度6.7dtex、繊維長10mmのビニロン繊維53%、パルプ19%から構成される繊維群を湿式抄紙法にて不織布に加工し、実施例1と同様のスチレン・アクリル樹脂バインダーを繊維全体の25質量%付着した目付35g/mの繊維シートを使用した。
【0071】
(多孔質体)
実施例3と同様の活性炭を使用した。
【0072】
(化学脱臭剤)
実施例1と同様の薬剤を使用した。
【0073】
(濾材)
上述の化学脱臭剤を0.03%添加した水中に上述の脱臭剤8質量%と実施例1と同様のスチレン・アクリル樹脂2質量%とを分散させた水分散液中に上述の繊維シートを含浸させ、脱臭剤付着量23g/m、薬剤添着量2g/m、総目付67g/mの濾材を使用した。
【0074】
この濾材の初期脱臭性能は35.8%、水洗い後の脱臭性能は33.3%、乾燥時間は24時間であった。また、使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均2.5、水洗い後のタバコ臭気強度の判定値は平均1.2、再使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均2.4であった。
【0075】
[実施例6]
(繊維シート)
繊維長24mmのポリエステル繊維80質量%(繊度1.3dtexのものを10質量%、繊度3dtexのものを30質量%、繊度6dtexのものを40質量%)、繊度17dtex、繊維長12mmのビニロン繊維15重量、パルプ5質量%から構成される繊維群を湿式抄紙法にて不織布に加工し、実施例1と同様のスチレン・アクリル樹脂バインダーを繊維全体の25質量%付着した目付42g/mの繊維シートを使用した。
【0076】
(多孔質体)
実施例3と同様の活性炭を使用した。
【0077】
(化学脱臭剤)
実施例1と同様の薬剤を使用した。
【0078】
(濾材)
繊維シートを上述のものに変更した以外は実施例1と同様の方法で、脱臭剤付着量18g/m、薬剤添着量1.8g/m、総目付69g/mの濾材を使用した。
【0079】
この濾材の初期脱臭性能は35.8%、水洗い後の脱臭性能は33.3%、乾燥時間は20時間であった。また、使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均2.7、水洗い後のタバコ臭気強度の判定値は平均1.4、再使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均2.6であった。
【0080】
[実施例7]
(繊維シート)
実施例6と同様の繊維シートを使用した。
【0081】
(多孔質体)
実施例3と同様の活性炭を使用した。
【0082】
(化学脱臭剤)
アジピン酸ジヒドラジド「ケムキャッチH6000S」(大塚化学(株)製)を使用した。
【0083】
(濾材)
上述の化学吸着薬剤を1.5質量%添加した水中に上述の脱臭剤8質量%と実施例1と同様のスチレン・アクリル樹脂1.5質量%とを均一分散させた分散液中に上述の繊維シートを含浸させ、脱臭剤付着量20g/m、薬剤添着量3.0g/m、総目付69g/mの濾材を使用した。
【0084】
この濾材の初期脱臭性能は51.1%、水洗い後の脱臭性能は46.3%、乾燥時間は20時間であった。また、使用後のタバコ臭気強度の判定値は1.9、水洗い後のタバコ臭気強度の判定値は1.0、再使用後のタバコ臭気強度の判定値は1.9であった。
【0085】
[実施例8]
(繊維シート)
実施例6と同様の繊維シートを使用した。
【0086】
(多孔質体)
実施例3と同様の活性炭を使用した。
【0087】
(化学脱臭剤)
炭酸カリウムを使用した。
【0088】
(濾材)
上述の化学吸着剤3.0質量%を溶解させた水溶液中に上述の脱臭剤8質量%と実施例1と同様のスチレン・アクリル樹脂1.5質量%とを均一分散させた分散液中に上述の繊維シートを含浸させ、脱臭剤付着量21g/m、薬剤添着量4g/m、総目付70g/mの濾材を使用した。
【0089】
この濾材の初期脱臭性能は47.3%、水洗い後の脱臭性能は42.1%、乾燥時間は20時間であった。また、使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均2.0、水洗い後のタバコ臭気強度の判定値は平均1.2、再使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均2.0であった。
【0090】
[実施例9]
(濾材)
目付30g/mのポリプロピレンメルトブロー不織布にエチレン・酢酸ビニル共重合体パウダーを6g/m分均一に散布し、加熱してパウダーを溶融させ、実施例7と同様の濾材を積層接着した総目付105g/mの高集塵濾材を使用した。
【0091】
この濾材の初期脱臭性能は53.6%、水洗い後の脱臭性能は49.9%、乾燥時間は23時間であった。また、使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均2.1、水洗い後のタバコ臭気強度の判定値は平均1.3、再使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均2.1であった。
【0092】
[実施例10]
(濾材)
実施例9と同様の濾材を使用した。
【0093】
(フィルターユニット)
実施例9と同様の濾材を山高さ30mmにプリーツ加工して、フィルターサイズが巾259mm、長さ471mm、厚み32mmの枠体の中に収納し、濾材面積2.0mの空気清浄機用エアフィルターを使用した。
【0094】
このフィルターユニットの初期脱臭性能は86.5%、水洗い後の脱臭性能は75.3%、乾燥時間は24時間であった。また、使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均1.7、水洗い後のタバコ臭気強度の判定値は平均1.0、再使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均1.6であった。
【0095】
[比較例1]
(繊維シート)
ポリエステル繊維100%スパンボンド不織布「ルトラデュールLD7250W」(日本ルトラビル(株)製)を使用した。
【0096】
(多孔質体)
実施例3と同様の活性炭を使用した。
【0097】
(化学脱臭剤)
実施例7と同様のアジピン酸ジヒドラジドを使用した。
【0098】
(濾材)
繊維シートを上述のものとした以外は、実施例7と同様の方法で脱臭剤付着量23g/m、薬剤添着量4g/m、総目付84g/mの濾材を使用した。
【0099】
この濾材の初期脱臭性能は56.7%、水洗い後の脱臭性能は41.5%、乾燥時間は15時間であった。また、使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均1.9、水洗い後のタバコ臭気強度の判定値は平均1.8、再使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均3.4であった。
【0100】
[比較例2]
(繊維シート)
繊維長12mmのビニロン繊維55質量%(繊度6.7dtexのものを20質量%、繊度17dtexのものを35質量%)、繊度17dtex、繊維長18mmのビニロン繊維を15%、繊度2.2dtex繊維長32mmのレーヨン繊維10質量%、パルプ20質量%から構成される繊維群を湿式抄紙法にて不織布に加工し、実施例1と同様のスチレン・アクリル樹脂バインダーを繊維全体の25質量%付着した目付42g/mの繊維シートを使用した。
【0101】
(多孔質体)
実施例3と同様の活性炭を使用した。
【0102】
(化学脱臭剤)
実施例7と同様のアジピン酸ジヒドラジドを使用した。
【0103】
(濾材)
繊維シートを上述のものとした以外は、実施例7と同様の方法で脱臭剤付着量20g/m、薬剤添着量3g/m、総目付72g/mの濾材を使用した。
【0104】
この濾材の初期脱臭性能は51.8%、水洗い後の脱臭性能は47.7%、乾燥時間は63時間であった。また、使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均2.0、水洗い後のタバコ臭気強度の判定値は平均1.3、再使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均2.0であった。
【0105】
[比較例3]
(繊維シート)
実施例6と同様の繊維シートを使用した。
【0106】
(多孔質体)
平均粒径が46μmの微粒子活性炭「白鷺E−25kN」(日本エンバイロケミカル(株)製)を使用した。
【0107】
(化学脱臭剤)
実施例7と同様のアジピン酸ジヒドラジドを使用した。
【0108】
(濾材)
脱臭剤に上述のものを使用し、分散量を8質量%とした以外は上述の実施例7と同様の方法で脱臭剤付着量25g/m、薬剤添着量5g/m、総目付82g/mの濾材を使用した。
【0109】
この濾材の初期脱臭性能は55.3%、水洗い後の脱臭性能は39.1%、乾燥時間は48時間であった。また、使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均1.7、水洗い後のタバコ臭気強度の判定値は平均1.2、再使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均2.1であった。
【0110】
[比較例4]
(繊維シート)
実施例6と同様の繊維シートを使用した。
【0111】
(多孔質体)
多孔質体は使用しなかった。
【0112】
(化学脱臭剤)
実施例7と同様のアジピン酸ジヒドラジドを使用した。
【0113】
(濾材)
実施例7と同様の化学吸着剤8.0質量%を溶解させた水溶液中に実施例1と同様のスチレン・アクリル樹脂1.5質量%を均一分散させた分散液中に上述の繊維シートを含浸させ、薬剤添着量1.5g/m、総目付50g/mの濾材を使用した。
【0114】
この濾材の初期脱臭性能は12.1%、水洗い後の脱臭性能は4.2%、乾燥時間は20時間であった。また、使用後のタバコ臭気強度の判定値はへいきん4.3、水洗い後のタバコ臭気強度の判定値は平均3.1、再使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均4.5であった。
【0115】
[比較例5]
(繊維シート)
実施例6と同様の繊維シートを使用した。
【0116】
(多孔質体)
実施例3と同様の活性炭を使用した。
【0117】
(化学脱臭剤)
実施例7と同様のアジピン酸ジヒドラジドを使用した。
【0118】
(濾材)
実施例7と同様の化学吸着剤の添加量を8.0%としたこと以外は、実施例7と同様の方法で脱臭剤付着量20g/m、薬剤添着量5g/m、総目付75g/mの濾材を使用した。
【0119】
この濾材の初期脱臭率は61.6%、水洗い後の脱臭率は39.2%、乾燥時間は20時間であった。また、使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均1.7、水洗い後のタバコ臭気強度の判定値は平均1.3、再使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均3.9であった。
【0120】
[比較例6]
(繊維シート)
実施例6と同様の繊維シートを使用した。
【0121】
(多孔質体)
実施例3と同様の活性炭を使用した。
【0122】
(化学脱臭剤)
実施例7と同様のアジピン酸ジヒドラジドを使用した。
【0123】
(濾材)
実施例7と同様の化学吸着薬剤の添加量を0.8質量%とした以外は実施例7と同様の方法で脱臭剤付着量20g/m、総目付67g/mの濾材を使用した。
【0124】
この濾材の初期脱臭性能は28.6%、水洗い後の脱臭性能は27.3%、乾燥時間は20時間であった。また、使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均3.2、水洗い後のタバコ臭気強度の判定値は平均2.6、再使用後のタバコ臭気強度の判定値は平均4.3であった。
【0125】
なお、実施例1〜10の結果を表2に、そして比較例1〜6の結果を表3にまとめて示す。表中、「→」は、その欄の左側に記載されている条件と同じであることを意味する。
【表2】


【表3】

【0126】
実施例1〜10は、疎水性、親水性両方の繊維を混合したシートを基材に使用し、そこに粒径の小さい疎水性多孔質体を付着させ、さらに化学吸着剤を適量添着している。このため、タバコ臭気の様々な成分を脱臭していることがわかる。また、臭気の再発生を抑えられていることがわかる。水洗いによって脱臭剤および繊維の両方に付着した臭気成分が除去され、かつ乾燥時間も短い。この結果から、本実施例のエアフィルター濾材は、タバコ臭などの不快臭の発生を防止する脱臭性能、さらに洗浄による再生性能、繰り返し使用性を備えることがわかる。タバコ臭気の再発生防止に関しては、脱臭剤に活性炭もしくは疎水性ゼオライトを使用し、ヒドラジン系化合物もしくはアルカリ金属化合物を添着することにより、より性能が向上するといえる。
【0127】
各実施例に対して比較例1は、繊維シートに疎水性繊維のみを使用しているため、水洗いによって繊維に付着したタバコ臭気成分を除去できない。このため、繰り返し使用すると臭気強度が高い割合で向上してしまうことを示している。
【0128】
比較例2は、比較例1と逆に繊維シートに親水性繊維のみを使用している。このため、水洗い後によって繊維が多量の水分を保持し、乾燥時間が著しく長くなることを示している。
【0129】
比較例3は、平均粒子径の大きな多孔質体を使用している。このため、多孔質体が保持する水分量が大きくなって乾燥に時間を有することを示している。またそのため化学脱臭剤が溶出もしくは除去される割合が大きく、脱臭性能が低下し発生するタバコ臭気強度が大きくなることを示している。
【0130】
比較例4は、多孔質体を使用していないため、脱臭性能が著しく低く、タバコ臭気成分が全て繊維表面に付着し、強い臭気とて再発臭することを示している。
【0131】
比較例5は、化学脱臭剤の添着量が多すぎる分、水洗いによる脱臭性能の低下が大きく、
洗浄前後の臭気強度の差が大きい。このため、使用者にとって実際の臭気強度以上の臭気として感じられていることを示している。
【0132】
比較例6は、化学脱臭剤の添着量が少なく、初期の脱臭性能自体が十分とは言えず、使用後のタバコ臭気強度が大きいことを示している。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明の本発明によるエアフィルター用濾材は、主に一般住宅、ペット対応マンション、高齢者入所施設、病院、オフィス等で使用される空気清浄機用洗浄再生型エアフィルターに使用される。さらには自動車や鉄道車両などの車室内の空気を正常化するためのエアフィルター、エアコン用エアフィルター、OA機器の吸気・廃棄フィルター、ビル空調、個別空調用エアフィルター、として好ましく利用される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水性繊維と親水性繊維とを含む繊維シートに、平均粒径が40μm以下の多孔質体と、2〜5質量%の化学脱臭剤とを添着した、エアフィルター濾材。
【請求項2】
前記多孔質体は、疎水性であり、少なくとも活性炭もしくは疎水性ゼオライトのいずれかを含む、請求項1に記載のエアフィルター濾材。
【請求項3】
前記繊維シートは、疎水性繊維を10〜80質量%含む、請求項1または2に記載のエアフィルター濾材。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のエアフィルター濾材において、化学脱臭剤が少なくともヒドラジド化合物、アルカリ金属化合物のいずれかを含み、JEMA1467脱臭性能試験法に準拠した試験方法において、濾材の初期脱臭率が40%以上である、高脱臭エアフィルター濾材。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のエアフィルター濾材に、疎水性の繊維で構成されるエレクトレット不織布が一体的に積層されている、高集塵エアフィルター濾材。
【請求項6】
請求項1〜5いずれかに記載のエアフィルター濾材で構成される、空気清浄機用洗浄再生型エアフィルター。




【公開番号】特開2009−178670(P2009−178670A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20651(P2008−20651)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】