説明

エアロゾルローション製剤

非発泡性水性エマルジョン組成物;メチルパラベンが加水分解し始めるpH又はそれより上のpHを有する水性エアロゾル組成物のためのメチルパラベンベースの防腐システム;これらの組成物を含む化粧品、家庭用品並びにヒト及び家畜の医薬製品。一実施形態では、本発明は、防腐剤としてメチルパラベンを含み、メチルパラベンが通常加水分解するレベル又はそれより上のpHを有するエアロゾル組成物を提供し、この組成物においてメチルパラベンは有意に分解しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、エアロゾルローション製剤、特に加圧下で保持されるエマルジョン製剤を対象とする。本発明はまた、防腐剤としてパラベンを含むエアロゾル製剤、より詳細には、防腐剤が通常加水分解するレベルより上のpHで維持されるエアロゾル製剤中での防腐剤としてのメチルパラベンの使用を目的とする。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
抗菌防腐剤は、組成物中の微生物を死滅させるか又は増殖を防止若しくは阻害する物質又は製剤であり、これはまた、酸化からの保護を提供しうる。防腐剤は、しばしば自己殺菌性の水性ベースの化粧品(例えば、エマルジョン)を作製するために使用される。防腐剤は、製品中に存在しうる微生物の発達を、製品の製造及び流通の間並びに消費者(通常の使用中にさらに気付かずに製品を汚染しうる)による使用の間に増殖から防止する。典型的な防腐剤として、パラヒドロキシベンゾエート(パラベン)の低級アルキルエステル、特にメチルパラベン、プロピルパラベン、イソブチルパラベン及びそれらの混合物が挙げられる。
【0003】
パラベンは、毒性がなく、防腐活性スペクトルが広いため、水性製剤のための一般的に使用される、効果的な防腐剤であり、食品、医薬品及び化粧品に広く使用される。パラベンの組合せが典型的に使用され、ある範囲のpHにわたって保護を提供するために他の防腐剤との組合せでも使用される。例えば、メチルパラベンはpH3と6の間で安定であるが、pH6より上では加水分解し、そのため、中性から塩基性の製剤ではその効果及び有用性が減少する(非特許文献1)。結果として、製剤者は、メチルパラベンが不安定で在りうることが公知である製剤を優れた防腐性の製品に導くように付加的な防腐効果のある成分を添加する。
【0004】
したがって、より高価な防腐剤に代わって安価だが効果的なパラベン(例えば、メチルパラベン)で防腐される6より上のpHを有する水性製剤を提供することは有用である。さらに、6より上のpHを有する水性製剤中に典型的に含まれる付加的な防腐剤の使用を避けることができることは有用である。さらに、数ある用途のなかでも多様な消費者用製品及びパーソナルケア製品(例えば、ヘアスプレー、日焼け止め剤、殺虫剤、除草剤、化粧品)並びに家庭用品(例えば、クレンザー、コーティング及び塗料)で使用されるエアロゾル、特にジメチルエーテルを含むエアロゾルとしてこれらの製剤を調製することは有用である。
【0005】
いくつかの製剤(例えば、従来の日焼け止め製剤)は、エアロゾルとして、典型的には容器の開口部が開かれた場合、容器から製剤を放出する圧縮不活性ガスにより加圧下に保持される液体製剤として送達されうる。しかしながら、エマルジョン(水中油型又は水中油型エマルジョンとして)として形成される製剤のために、付加的な成分(例えば、界面活性剤及びフィルム形成剤)が、圧縮不活性ガスと組み合わせて存在すると、ガス状の圧縮不活性ガスの膨張により容器から放出されるとき、発泡体を形成する傾向にある。発泡体の存在は製剤の有用性を減少させることはないが、ある製品カテゴリにおいては、発泡性製剤は望ましい質ではない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Raval,N.N及びParrott,E.L.、J.Pharm.Sci.、第56巻、第2号、274頁(1967年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、容器から放出された場合、発泡体を形成しないエマルジョンのエアロゾル製剤を提供することもまた有用である。これら目的及び他の目的は、明細書中に、より完全に記載され請求される発明によって得られる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、防腐剤としてメチルパラベンを含み、メチルパラベンが加水分解し始めるレベルのpH又はそれより上のpHを有するエアロゾル組成物であって、このメチルパラベンは有意に分解しないエアロゾル組成物を提供する。
【0009】
本発明はまた、混合物での圧縮不活性ガス及びメチルパラベンを含む加圧下の水性組成物であって、この組成物は6を超えるpHを維持し、メチルパラベンは有意に分解しない水性組成物を提供する。
【0010】
本発明はまた、抗菌剤として作用するのに十分な量のメチルパラベンを含む日焼け止め組成物であって、この組成物は6より上のpHを有し、メチルパラベンは有意に分解せず、この組成物は加圧容器中に含まれる日焼け止め組成物を提供する。
【0011】
本発明はさらに、加圧下の、6を超えるpHを有する水性組成物を防腐するための方法であって、抗菌有効量のメチルパラベンを含む防腐システムの組成物への添加を含む方法を提供する。
【0012】
本発明はまた、メチルパラベンが加水分解し始めるレベルのpH又はそれより上のpHを有する水性エアロゾル組成物のための防腐システムであって、抗菌有効量で存在するメチルパラベンを含む防腐システムを提供する。
【0013】
本発明はまた、抗菌剤として作用するのに十分な量のメチルパラベンを含む日焼け止め組成物であって、この組成物は6より上のpHを有し、メチルパラベンは有意に分解せず、この組成物はジメチルエーテルで加圧された容器に含まれる日焼け止め組成物を提供する。
【0014】
本発明はさらに、加圧下容器中に保持されるように製剤化されたエアロゾルエマルジョンであって、このエマルジョン製剤は容器からの放出の際に発泡体を形成しないエアロゾルエマルジョンを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(詳細な説明)
本発明は、エアロゾル組成物、特にエアロゾルエマルジョン組成物を提供する。本明細書中により完全に記載されるように、本発明の1つの態様は、組成物が機能性防腐剤としてメチルパラベンを含み、メチルパラベンが加水分解し始めるレベル又はそれより上のpHで製剤化されることである。さらに、そのような組成物から期待されるように、本発明の別の態様は、エアロゾル組成物が、加圧下容器から放出される場合、発泡体を形成しないエマルジョンを含むことである。
【0016】
本発明の実施において、組成物中で使用される圧縮不活性ガスは、任意の適したガスか又はガスの組合せであり、分注スプレーキャニスター(dispensing spray canister)内に圧縮されるか又は液化され、周囲温度及び加圧状態に曝露された際に蒸気又はガスの形態に膨張するか又は揮発し、エアロゾル形態中の組成物を送達し、メチルパラベンを可溶化する。適した圧縮不活性ガスとしては、これらに限定されないが、メタン、エタン、プロパン、イソプロパン、ブタン、イソブタン、ブテン、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ペンテン、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、クロロフルオロカーボン(CFC)、窒素、ジメチルエーテルを含むエーテル類及びこれらの混合物を含む1〜5個の炭素原子を有する炭化水素が挙げられる。当業者は、密閉容器(例えばアルミニウム缶又はガラス瓶)において、圧縮不活性ガス(例えば、ジメチルエーテル)は、周囲温度で液体状態に液化することを理解する。したがって、エアロゾル容器中の組成物は、溶解した圧縮不活性ガス、溶解していない液体圧縮不活性ガス及びガス状圧縮不活性ガスを含みうる液体製剤である。これらのすべては、圧縮不活性ガスの蒸気圧により加圧下にある。本発明の実施において、圧縮不活性ガスは、エアロゾル組成物の総重量に対して約90重量%まで、好ましくは約2重量%〜約50重量%、より好ましくは約5重量%〜約40重量%、より好ましくは約30重量%の量で存在しうる。
【0017】
したがって、本発明はさらに、混合物での圧縮不活性ガス及びメチルパラベンを含む加圧下の水性組成物であって、この組成物は6を超えるpHを維持し、メチルパラベンは有意に分解しない水性組成物を提供する。本発明はさらに、加圧下の、6を超えるpHを有する水性組成物を防腐するための方法であって、抗菌有効量のメチルパラベンを含む防腐システムの組成物への添加を含む方法を提供する。好ましい実施態様において、メチルパラベンは組成物に添加されてから圧縮不活性ガスで加圧される。好ましい実施態様において、組成物は7を超えるpHを維持し、同等に好ましい実施態様において、組成物は8を超えるpHを維持する。本発明の実施において、組成物は、メチルパラベンが少なくとも2年間有意に分解しないように安定した状態を保つはずである。
【0018】
本発明の組成物はまた、エアロゾルフォーム又はいわゆるムース組成物を含みうる。例えば、米国特許第6,627,585号は、少なくとも1種の界面活性剤を含む発泡性濃縮物、水不溶性コンディショニング剤の分散粒子、水性担体;及びエアロゾル圧縮不活性ガスを含む、ムース形成クレンジングシャンプー組成物を記載している。米国特許第6,264,964号は、加圧システムにおいてエアロゾル発泡体の形態である架橋非乳化性ポリシロキサンエラストマー及びカルボキシビニルポリマーを含む化粧組成物を記載している。圧縮不活性ガスは、標準エアロゾルディスペンサー(例えば、スプレー缶アレンジメント)の使用により充填時にムース組成物中に導入することができる。
【0019】
本発明はまた、メチルパラベンが加水分解し始めるレベルのpH又はそれより上のpHを有する水性エアロゾル組成物のための防腐システムであって、抗菌有効量で存在するメチルパラベンを含む防腐システムを提供する。好ましい実施態様において、この防腐剤システムは、基本的に抗菌有効量で存在するメチルパラベンからなる。同等に好ましい実施態様において、この防腐システムは、抗菌有効量で存在するメチルパラベンからなる。防腐システムは、ヒト又は家畜への使用のための化粧品、家庭用品及び医薬品のために広い適用性を有する。防腐剤としてパラベン、特にメチルパラベンを含むことが公知の製品として、保湿剤、クレンザー、コンディショナー、シャンプー、ボディウォッシュ、スタイリングジェル/ローション、アイクリーム及びアイライナー、ほお紅、マスカラ、ファウンデーション、マニキュア液、除光液、アイシャドウ、口紅、リップグロス、リップライナー、リップバーム、メイクアップリムーバー、ネイルトリートメント、フットケア組成物、座瘡処置剤、赤み/酒さ処置剤、静脈瘤/クモ状静脈処置剤、抗加齢組成物、日焼け止め剤、サンレスタンニング組成物、日焼け後用組成物、コンシーラー、ヘアカラー及びブリーチング組成物、スキンフェーディング/ライトナー、ボディを引き締めるローション、シェービングクリーム、アフターシェーブ、リラクサー、制汗剤及びデオドラント、エクスフォリアント、スクラブ、液体ハンドソープ、泡立て溶剤、痛み及び創傷の処置組成物、防虫剤、かゆみ止め及び発疹クリーム、スタイリングムース及びフォーム、バスオイル及びソルト、歯磨き粉、香水、グリッター、潤滑剤、ボディパウダー、ボディオイル、ボディスプレー、ベビーローション、おむつ用クリーム、ベビーソープ、ベビーシャンプー、ベビーオイル、おしり拭き、抜け毛処置剤、ヘアスプレー、キューティクルトリートメント、ふけ/頭皮用トリートメント、除毛剤、発毛阻害剤、脱毛ワックス、パーソナルクレンジング、オーデコロン、オイルコントローラー、手の除菌剤、マウスウォッシュ、歯のホワイトニング剤、点眼剤及び人工涙液組成物が挙げられる。これらのタイプの用途の任意のエアロゾル製剤は、本発明の範囲内で意図される。
【0020】
本発明の組成物は、本明細書中に「化粧成分」と称される広い範囲の付加的な、任意の成分を含みうるが、一般的に薬学的活性物質として公知の成分も含みうる。CTFA Cosmetic Ingredient Handbook、第7版、1997年及び第8版、2000年は、その全体が本明細書中に参考として援用され、一般にスキンケア組成物で使用される幅広い種類の化粧成分及び薬学的成分を記載し、これらは本発明の組成物における使用に適している。この参考文献に開示されるこれら機能的クラスの例として:吸収剤、研磨剤、凝固阻止剤、消泡剤、抗酸化剤、結合剤、生物学的添加剤、緩衝化剤、充填剤、キレート剤、化学的添加物、着色剤、化粧用収斂剤、化粧用刹生物剤、変性剤、薬物収斂剤、外用鎮痛剤、フィルム形成剤、香料成分、保湿剤、乳白剤、pH調整剤、可塑剤、還元剤、皮膚脱色剤、皮膚コンディショニング剤(皮膚軟化剤、保湿剤、多岐にわたる閉塞性の)、皮膚保護剤、溶媒、泡立ちブースター、ヒドロトロープ、可溶化剤、懸濁化剤(非界面活性剤)、日焼け止め剤、紫外線吸収剤、SPFブースター、防水剤及び増粘剤(水性及び非水性の)が挙げられる。
【0021】
本発明はまた、抗菌剤として作用するのに十分な量のメチルパラベンを含む日焼け止め組成物であって、この組成物は6より上のpHを有し、メチルパラベンは有意に分解せず、この組成物は加圧容器中に含まれる日焼け止め組成物を提供する。本発明の実施において、日焼け止め組成物は1種又は複数の日焼け止め活性物質を含みうる。本発明の目的のために、「日焼け止め活性物質」又は「日焼け止め活性物」は、単独で又は組合せで、紫外線を吸収するそれらの能力に基づいて活性日焼け止め成分としての使用にふさわしいと見なされるそれら物質をすべて含む。そのような化合物は、一般的にUV−A、UV−B又はUV−A/UV−B活性物質として記載される。ヒトへの使用を対象とした製剤における活性物質の含有には、規制当局による承認が一般的に必要とされる。米国において日焼け止め剤の使用について認可されているか又は現在認可された活性物質として、パラアミノ安息香酸、アボベンゾン、シノキサート、ジオキシベンゾン、ホモサレート、メンチルアントラニレート、オクトクリレン、オクチルメトキシシンナメート、オクチルサリチレート、オキシベンゾン、パジメート(padimate)O、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、スルイソベンゾン、トロラミン(trolamine)サリチレート、二酸化チタン、酸化亜鉛、ジエタノールアミンメトキシシンナメート、ジガロイトリオレエート(digalloy trioleate)、エチルジヒドロキシプロピルPABA、グリセリルアミノベンゾエート、ジヒドロキシアセトンを有するローソン(lawsone)、赤色ワセリンを含む有機及び無機物質が挙げられるが、これらに限定されない。米国においてまだ認可されていないが米国以外で販売される製剤には許可されている付加的な日焼け止め活性物の例として、エチルヘキシルトリアゾン、ジオクチルブタミドトリアゾン、ベンジリデンマロネートポリシロキサン、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、二ナトリウムフェニルジベンズイミダゾールテトラスルホネート、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビスジエチルアミノヒドロキシベンゾイルベンゾエート、ビスベンズオキサゾイルフェニルエチルヘキシルイミノトリアジン、ドロメトリゾールトリシロキサン、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール及びビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、4−メチルベンジリデンカンフル及びイソペンチル4−メトキシシンナメートが挙げられる。しかし、認可された日焼け止め剤のリストは現在増加しつつあるので、当業者は、本発明は、現在ヒトへの使用について認可されている日焼け止め活性物質に限定されることなく、将来認可されうる日焼け止め活性物質に容易に適用できることを理解する。
【0022】
好ましい実施態様において、本発明は、抗菌剤として作用するのに十分な量のメチルパラベンを含む日焼け止め組成物であって、この組成物は6を超えるpHを有し、メチルパラベンは有意に分解せず、この組成物はジエチルエーテルで加圧された容器に含まれる日焼け止め組成物を提供する。本発明のこの態様の実施において、上記の日焼け止め活性物質のいずれも、有用である。
【0023】
本明細書中で使用される場合、用語「サンレスタンニング」又は「セルフタンニング組成物」は、ヒトの皮膚に施用された場合、自然光又は人工太陽光に皮膚を曝露することにより得られるものと似た外観を皮膚に与える組成物をいう。サンレスタンニング活性物質の例は、米国特許第6,482,397号、同第6,261,541号及び同第6,231,837号に記載されている。そのようなサンレスタンニング組成物は、典型的に人工タンニング有効量のセルフタンニング剤に加え、有効量の組成物着色剤及びヒトの皮膚への局所的な施用に適した美容上許容可能なキャリアを含む。セルフタンニング剤はまた、ヒトの皮膚への施用に関して当該分野において一般的に受け入れられ、施用された場合、そこでアミノ酸と反応し、色素性生成物を形成する組成物を含む。そのような反応は、皮膚を日焼けさせるのに十分な時間太陽光に曝露して得られる色に似た褐色の外観を皮膚に与える。適したセルフタンニング剤として、α−ヒドロキシアルデヒド及びケトン、グリセルアルデヒド及び関連するアルコールアルデヒド、種々のインドール、イミダゾール及びその誘導体並びに種々の認可された色素沈着剤が挙げられるが、これらに限定されない。本発明でセルフタンニング剤として現在好ましいのは、α−ヒドロキシアルデヒド及びケトンである。最も好ましいセルフタンニング剤は、ジヒドロキシアセトン(「DHA」)である。他の適したセルフタンニング剤として、メチルグリオキサル、グリセロールアルデヒド、エリスルロース、アロキサン、2,3−ジヒドロキシスクシンジアルデヒド、2,3−ジメトキシスクシンジアルデヒド、2−アミノ−3−ヒドロキシ−スクシンジアルデヒド及び2−ベンジルアミノ−3−ヒドロキシスクシンジアルデヒドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
本発明の組成物は、皮膚保護活性物質をさらに含みうる。適した例として(好ましい重量パーセント範囲で)、アラントイン(0.5〜2%);水酸化アルミニウムゲル(0.15〜5%);カラミン(1〜25%);ココアバター(50より多い);タラの肝油(5〜14%);コロイド状オートミール;ジメチコーン(1〜30%);グリセリン(20〜45%);硬性脂肪(50より多い);カオリン(4〜20%);ラノリン(12.5〜50%);鉱油(50%より多い);ワセリン(30%より多い);重炭酸ナトリウム;局所用デンプン(Topical starch)(10〜98%);白色ワセリン(30%より多い);酢酸亜鉛(0.1〜2%);炭酸亜鉛(0.2〜2%);及び酸化亜鉛(1〜25%)が挙げられる。
【0025】
本発明の組成物は、防虫成分をさらに含みうる。パーソナルケア製品のために最も広く使用される活性物質は、しばしば「DEET」と呼ばれるN,N−ジエチル−m−トルアミドであり、少なくとも約95%DEETを含む濃縮形態で入手可能である。他の合成化学防虫剤として、フタル酸ジメチル、エチルヘキサンジオール、インダロン、ジ−n−プロピルイソシンクロネート、ビシクロヘプテン、ジカルボキシミド及びテトラヒドロフルアルデヒドが挙げられる。特定の植物由来の材料はまた、防虫活性を有し、これにはシトロネラ油及びシトロネラの他の供給源(レモングラス油を含む)、リモネン、ローズマリー油及びユーカリ油が挙げられる。日焼け止めエマルジョンへ組み込むための防虫剤の選択は、防虫剤の臭いによってしばしば影響を受ける。使用される防虫剤の量は、剤の選択に依存する;DEETは、高い濃度(例えば、約15%以上まで)で有用であり、一方で、植物由来の物質のうちいくつかは、典型的にかなり少ない量(例えば、0.1%以下)で使用される。
【0026】
適した乳化剤又は界面活性剤として、薬学的に許容可能な非毒性、非イオン性、陰イオン性及び陽イオン性の界面活性剤が挙げられる。適した非イオン性界面活性剤の例として、グリセロール脂肪酸エステル(例えば、グリセロールモノステアレート)、グリコール脂肪酸エステル(例えば、プロピレングリコールモノステアレート)、多価アルコール脂肪酸エステル(例えば、ポリエチレングリコール(400)モノステアレート)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレン(40)ステアレート)、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル(例えば、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート)、ソルビタンエステル(例えば、ソルビタンモノステアレート)、アルキルグリコシド(例えば、セテアリールグリコシド)、脂肪酸エタノールアミド及びこれらの誘導体(例えば、ステアリン酸のジエタノールアミド)などが挙げられる。適した陰イオン性界面活性剤の例は、アルカリセッケン(例えば、脂肪族カルボン酸、通常脂肪酸のナトリウム、カリウム及びアンモニウム塩(例えば、ステアリン酸ナトリウム))を含むセッケンである。有機アミンセッケンとして、脂肪族カルボン酸、通常脂肪酸の有機アミン塩(例えば、ステアリン酸トリエタノールアミン)が挙げられる。金属セッケンとして、多価金属及び脂肪族カルボン酸、通常脂肪酸の塩(例えば、ステアリン酸アルミニウム)が挙げられる。他のクラスの適した陰イオン性界面活性剤として、硫酸化脂肪酸アルコール(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、硫酸化油(例えば、リシノール酸二ナトリウム塩の硫酸エステル)及びスルホン酸化化合物(例えば、ナトリウムセタンスルホネート(sodium cetane sulfonate)を含むスルホン酸アルキル)、アミドスルホネート(例えば、N−メチル−N−オレイルラウレート)、スルホン酸化二塩基酸エステル(例えば、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム)、アルキルアリールスルホネート(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、アルキルナフタレンスルホネート(例えば、イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム)、石油スルホネート(例えば、アルキル置換基を有するアリールナフタレン)が挙げられる。適した陽イオン性界面活性剤の例として、アミン塩(例えば、オクタデシル塩化アンモニウム)、第4級アンモニウム化合物(例えば、塩化ベンザルコニウム)が挙げられる。
【0027】
皮膚軟化剤は、皮膚を滑らかにし、軟化させるのを助ける油性又は油状物質であり、また皮膚の粗さ、亀裂又は炎症を減少させうる。典型的に適した皮膚軟化剤として、50〜500センチポアズ(cps)の範囲の粘度を有する鉱油、ラノリン油、ココナッツ油、ココアバター、オリーブ油、アーモンド油、マカデミアナッツ油、アロエ抽出物(例えば、アロエベラリポキノン(lipoquinone))、合成ホホバ油、天然セノーラ(senora)ホホバ油、ベニバナ油、トウモロコシ油、液体ラノリン、綿実油及びピーナッツ油が挙げられる。好ましくは、皮膚軟化剤は、Henkel KGaA製のMyritol 331の商品名で販売されるココア油のモノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドの混合物であるココグリセリド、又はHenkel KGaA製のCetiol OEの商品名で入手可能なジカプリリルエーテル、若しくはFinetex製のFinsolv TNの商品名で販売されるC12〜C15アルキルベンゾエートである。1種又は複数の皮膚軟化剤が約1重量%〜約10重量%の量の範囲で、好ましくは約5重量%で存在しうる。別の皮膚軟化剤は、Dow Corning Corpから入手可能なDC 200 Fluid 350、シリコーン流体である。
【0028】
他の適切な皮膚軟化剤として、スクアラン、ヒマシ油、ポリブテン、スイートアーモンド油、アボカド油、カロフィラム(calophyllum)油、リシン油、ビタミンEアセテート、オリーブ油、シリコーン油(例えば、ジメチルポリシロキサン及びシクロメチコーン(cyclomethicone))、リノレンアルコール、オレイルアルコール、穀物の胚の油(例えば、麦芽の油)、イソプロピルパルミテート、オクチルパルミテート、イソプロピルミリステート、ヘキサデシルステアレート、ブチルステアレート、デシルオレアート、アセチルグリセリド、(C12〜C15)アルコールのオクタノエート及びベンゾエート、アルコール及びポリアルコール(例えば、グリコール及びグリセリル)のオクタノエート及びデカノエート、リシノール酸エステル(例えば、イソプロピルアジペート、ヘキシルラウレート及びオクチルドデカノエート)、ジカプリルマレエート、水酸化植物油、フェニルトリメチコーン(phenyltrimethicone)、ホホバ油並びにアロエベラ抽出物が挙げられる。
【0029】
周囲温度で固体又は半固体である他の適した皮膚軟化剤が使用されうる。このような固体又は半固体の化粧品用皮膚軟化剤として、グリセリルジラウレート、水素化ラノリン、ヒドロキシル化ラノリン、アセチル化ラノリン、ワセリン、イソプロピルラノレート、ブチルミリステート、セチルミリステート、ミリスチルミリステート、ミリスチルラクテート、セチルアルコール、イソステアリルアルコール及びイソセチルラノレートが挙げられる。1種又は複数の皮膚軟化剤が場合により製剤中に含まれうる。
【0030】
保湿剤は、その吸湿特性により水の保持を促進する湿潤剤である。適した保湿剤として、グリセリン、ポリマー性グルコール(例えば、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール)、マンニトール及びソルビトールが挙げられる。好ましくは、保湿剤は、Sorbitol、70% USP又はポリエチレングリコール400、NFである。1種又は複数の保湿剤が、場合により約1重量%〜約10重量%、好ましくは約5重量%の量で製剤中に含まれうる。
【0031】
乾燥感改変剤は、エマルジョンに添加された場合、エマルジョンが乾燥した場合に皮膚に「乾燥した感じ」を与える薬剤である。乾燥感改変剤として、タルク、カオリン、チョーク、酸化亜鉛、シリコーン流体、無機塩(例えば、硫酸バリウム)、表面処理シリカ、沈殿シリカ、ヒュームドシリカ(例えば、Degussa Inc.、New York,N.Y.U.S.Aから入手可能なAerosil)が挙げられうる。別の乾燥感改変剤は、米国特許第6,488,916号に開示される型のエピクロロヒドリン架橋グリセリルデンプンである。
【0032】
例えば、Noveon Co.から入手可能な種々のCarbopolのようなさらなる増粘剤を組み込むことが有利でありうる。特に好ましいのは、最終製品の製剤中で層状構造を崩壊しない薬剤(例えば、非イオン性増粘剤)である。さらなる増粘剤の選択は、十分に当業者の範囲内である。
【0033】
「抗酸化剤」は、空気中での酸素の作用(酸化)による劣化から保護するため又は劣化を遅延させるために日焼け止め剤に添加される天然又は合成の物質である。これらはまた、皮膚組織における酸化反応を減少させうる。抗酸化剤は、酸敗臭及び非酵素的な褐変反応産物の生成を導きうる酸化性の劣化を妨ぐ。典型的な適切な抗酸化剤として、没食子酸プロピルエステル、没食子酸オクチルエステル及び没食子酸ドデシルエステル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA、オルト異性体及びメタ異性体の混合物として通常購入される)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、緑茶抽出物、尿酸、システイン、ピルベート、ノルジヒドログアイアレチン酸、ビタミンA、ビタミンE及びビタミンC、並びにそれらの誘導体が挙げられる。1種又は複数の抗酸化剤は、場合により約0.001〜約5重量%、好ましくは、約0.01〜約0.5重量%の範囲の量で日焼け止め組成物中に含まれうる。
【0034】
「キレート剤」は、関与する環の各々から化学結合によってイオンが保持されるように、例えば、複素環構造で金属イオンをキレートするか又は結合するために使用される物質である。適切なキレート剤として、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、EDTA二ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、EDTA三ナトリウム、アルブミン、トランスフェリン、デスフェロキサミン、デスフェラル(desferal)、デスフェロキサミンメシレート、EDTA四ナトリウム及びEDTA二カリウム、又はこれらのうちのいずれかの組合せが挙げられる。
【0035】
「芳香剤」は、審美的に心地よい芳香を日焼け止め組成物に与えうる芳香性物質である。典型的な芳香剤として、精油を作り出すために、単独で又は任意の組合せで使用されうる植物供給源(すなわち、バラの花びら、クチナシの花、ジャスミンの花など)から抽出された芳香性材料が挙げられる。あるいは、アルコール抽出物は、芳香を混ぜ合わせるために調製されうる。しかしながら、天然の物質からの芳香を得るためには比較的高い費用がかかるため、特に高容量の製品において、合成的に調製された芳香剤を使用するのが現在の傾向である。1種又は複数の芳香剤が、場合により約0.001〜約5重量%、好ましくは約0.01〜約0.5重量%の範囲の量で日焼け止め組成物中に含まれうる。望まれる場合、さらなる防腐剤も使用することができ、これには周知の防腐剤組成物(例えば、数ある中でもベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール及び安息香酸、ジアゾリジニル、尿素、クロルフェネシン、ヨードプロピニル及びブチルカルバメート)を含みうる。
【0036】
特定の実施態様において、本発明はまた、非発泡性のエアロゾルエマルジョン製剤を提供する。本発明のこの態様において、エマルジョン製剤は、特定の粘度で維持される及び/又は圧縮不活性ガス及びエマルジョンの外部相が相溶性であるように特に製剤化される。この製剤の粘度は、低粘度のエマルジョンを形成する成分を用いて製剤化することにより最適化されうる。本発明の実施において、処方の粘度は、製造中分離することなく均一なエマルジョンを維持するのに十分なものとすべきである。また、容器に分注されるのに十分に薄いものとすべきでもある。さらに、圧縮不活性ガスと処方の粘度は、霧状ミストとしてスプレーするのに十分な薄さでなければならない。本発明のさらなる態様において、非極性圧縮不活性ガスは、炭化水素の外部相を有する製剤(例えば、油中水型エマルジョン)が好ましい。そのような非極性圧縮不活性ガスの例として、炭化水素及びハロゲン化炭化水素(例えば、塩素化及びフッ素化炭化水素)の圧縮不活性ガスが挙げられる。水性外部相製剤(例えば、水中油型エマルジョン)のために、より極性の圧縮不活性ガスが好ましい(例えば、ジメチルエーテル及びメチルエチルエーテル)。
【0037】
本発明の実施の1つの態様において、非発泡性エアロゾルエマルジョン製剤は、エマルジョンの粘度が約10,000cps未満であるように調製される。特定の好ましい実施態様において、エマルジョンの粘度は、約5,000cps未満、約3,000cps未満、又は約2,000cps未満で維持される。さらなる実施態様において、この粘度は、約3000と約4000cpsの間である。
【0038】
非発泡性製剤は、好ましくはベーパータップバルブシステムを含む容器から投与され、軽いミストを作り出すために作動の際に圧縮不活性ガスと製剤をさらに混合することを可能にする。ベーパータップバルブシステムは、当該分野において周知であり、特定の態様が米国特許第4,117,958号、同第6,824,079号及び同第7,014,127号に開示され、これらの内容は参考として明細書中に援用される。非ベーパータップバルブシステムはまた、バルブシステムが、ミストを産生するバルブとアクチュエータ開口部の組合せを含む場合使用されうる。特に、このバルブシステムは、バルブの目詰まりを防ぐために乱流を可能にする。
【0039】
本発明は以下の実施例によりさらに記載されるが、これらはいかなる様式においても添付の特許請求の範囲によって規定されるように本発明を制限することを意図しない。
【実施例】
【0040】
pH8で水性製剤中にメチルパラベンを含む日焼け止めローション製剤を調製し、30%w/wジメチルエーテルを含むエアロゾルに変換した。下記のように、エアロゾル製剤中のメチルパラベンは、たとえpHがメチルパラベン分解するはずのレベルより上であっても高温で長時間、予想外に安定であることが示された。
【0041】
この処方成分は以下のとおりであった:
【0042】
【数1】

水性エマルジョン製剤は、すべての日焼け止め剤、2種のパラベン及び乳化剤を含むすべての有機成分を合わせ、すべての固体成分が溶解するまで混合物を160〜180°Fに加熱することにより調製した。次いで、撹拌しながら150〜170°Fの水を添加した。ソルビトール及びEDTAを添加し、次いでこの処方をトリエタノールアミンの添加により中和し、次いで撹拌して安定化溶液を形成した。この処方を110〜115°Fでまで冷却し、次いでベンジルアルコール及び香料を添加した。エアロゾル製剤を調製するために、エマルジョンを室温まで冷却させ、次いで下記の安定性試験のためにアルミニウムエアロゾル缶又はpH試験のためにガラス瓶に秤量した。適切なバルブ、浸漬管及びアクチュエータを缶又は瓶中に配置し、このシステムは缶又は瓶の特定の直径に合うように設計されたハンドクリンパーを使用して端を曲げて密閉される。次いで密閉されたアセンブリを秤量し、氷浴に浸した。アセンブリを0℃で維持している間、アクチュエータステムを押圧し、ガスをエアロゾル缶又は瓶中に流入させることにより、ジメチルエーテルを含むガスシリンダーから圧縮不活性ガスを缶又は瓶中に導入した。0℃でのエアロゾル缶又は瓶の内部の圧力は、周囲温度でのガスシリンダー内の圧力より低いので、この移動が起こる。缶又は瓶を定期的に秤量し、添加された圧縮不活性ガスの量を決定した。上の実施例に示される最終製剤において、70重量%は日焼け止めエマルジョンであり、30重量%はジメチルエーテルである。この製剤はまた、その製剤の低い粘度により、この製剤が加圧下容器からの放出の際に軽いミストを形成するので加圧下のエマルジョンに関して独特の特性を示した。
【0043】
安定性試験
表1及び2は、50℃、4週間の非公式の過酷安定性試験及び40℃、8週間の非公式の過酷安定性試験の結果を示す。エアロゾル及び水性エマルジョンの両方をこれら安定性試験の間中、温度制御されたチャンバー中に置いた。メチルパラベンのアッセイのための分析方法として、分離を得るために逆相カラム及びメタノール/水/酢酸の勾配移動相を用いる高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用する。このカラムは、Zorbax Bonus−RPであり、これはアミド基を埋め込んだC14であり、カラムに独自の選択性を与える。検出は254nmの波長での紫外吸光度によるものである。各時間/温度で測定されたメチルパラベンの量を最初のメチルパラベンの量(時間0でのサンプルにおいて)と比較した。表1及び2から判るように、これら条件下で、エアロゾル製剤に存在するメチルパラベンの量は減少しないが、水性エマルジョン中ではメチルパラベンが減少する。
【0044】
反応速度は通常、高温で加速される。40℃及び50℃での安定性試験は、室温での安定性を予測及び予見するために従来実施される。例えば、3カ月間40℃で安定なサンプルには、従来、室温で2年の有効期限が与えられる。この特定の安定性試験は40℃、3カ月間で実施しなかったが、40℃、2カ月間のデータが、メチルパラベン存在量の有意な減少を示さないという事実は、エアロゾル製剤中のメチルパラベンの加水分解の反応速度が40℃で非常に小さいことを示す。当業者は、これらの試験がエアロゾル製剤中のメチルパラベンが室温で少なくとも2年間安定であるという結論を支持することを理解する。水性エマルジョンでのメチルパラベンが不安定性であるのに比べ、8週間にわたるエアロゾル製剤中のメチルパラベンの安定性は実に驚くべき、予想外の結果である。
【0045】
【表1】

【0046】
【表2】

pHの測定
メチルパラベンの分解はpH依存的であるので、試験は、安定性試験の間、エアロゾルとして処方のpHが変化するかどうか見るために実施された。ブロモチモールブルー指示薬を数滴含むエマルジョン製剤をエアロゾルガラス瓶中に配置し、密閉した。次いでジメチルエーテルを前に記載されたとおりに添加した。ブロモチモールブルー指示薬は酸性で黄色、pH8で緑色及び塩基性で青色である。エアロゾル製剤において指示薬の最初の色は緑色であり、50℃で6週間後にエアロゾル瓶の内容物を指示薬に曝露しても依然として緑色であった。6週間の試験期間中、これはエアロゾルのpHがpH8付近のままであったことを確証する。
【0047】
本発明の現在好ましい実施態様を本明細書中に記載したが、記載される実施態様の変更及び改変が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなくなされうることが、本発明が関係する当業者に明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防腐剤としてメチルパラベンを含み、メチルパラベンが通常加水分解するレベル又はそれより上のpHを有するエアロゾル組成物であって、該メチルパラベンが有意に分解しないエアロゾル組成物。
【請求項2】
前記組成物が、C〜Cの炭化水素、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、クロロフルオロカーボン(CFC)、窒素、エーテル及びそれらの混合物からなる群から選択されるエアロゾル圧縮不活性ガスを含む請求項1に記載のエアロゾル組成物。
【請求項3】
前記C〜Cの炭化水素が、メタン、エタン、プロパン、イソプロパン、ブタン、イソブタン、ブテン、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ペンテン及びそれらの混合物から選択される請求項2に記載のエアロゾル。
【請求項4】
前記圧縮不活性ガスがジメチルエーテルである請求項2に記載のエアロゾル。
【請求項5】
発泡体又はムースの形態である請求項1に記載のエアロゾル組成物。
【請求項6】
吸収剤、研磨剤、凝固阻止剤、消泡剤、抗酸化剤、結合剤、生物学的添加剤、緩衝化剤、充填剤、キレート剤、化学的添加物、着色剤、化粧用収斂剤、化粧用刹生物剤、変性剤、薬物用収斂剤、外用鎮痛剤、フィルム形成剤、香料成分、保湿剤、乳白剤、pH調整剤、可塑剤、還元剤、皮膚脱色剤、皮膚コンディショニング剤、皮膚保護剤、溶媒、泡立ちブースター、ヒドロトロープ、可溶化剤、懸濁化剤、日焼け止め剤、紫外線吸収剤、SPFブースター、防水剤、水性及び非水性の増粘剤からなる群から選択される1種又は複数の化粧品成分をさらに含む請求項1に記載のエアロゾル組成物。
【請求項7】
混合物での圧縮不活性ガス及びメチルパラベンを含む加圧下の水性組成物であって、該組成物が6を超えるpHを維持し、該メチルパラベンが有意に分解しない水性組成物。
【請求項8】
前記組成物が7を超えるpHを維持する請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が8を超えるpHを維持する請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記メチルパラベンが少なくとも2年間有意に分解しない請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、C〜Cの炭化水素、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、クロロフルオロカーボン(CFC)、窒素、エーテル及びそれらの混合物からなる群から選択されるエアロゾル圧縮不活性ガスを含む請求項7に記載のエアロゾル組成物。
【請求項12】
前記C〜Cの炭化水素が、メタン、エタン、プロパン、イソプロパン、ブタン、イソブタン、ブテン、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ペンテン及びそれらの混合物から選択される請求項11に記載のエアロゾル。
【請求項13】
前記圧縮不活性ガスがジメチルエーテルである請求項11に記載のエアロゾル。
【請求項14】
抗菌剤として作用するのに十分な量のメチルパラベンを含む日焼け止め組成物であって、該組成物が6より上のpHを有し、該メチルパラベンが有意に分解せず、該組成物が加圧容器中に含まれる日焼け止め組成物。
【請求項15】
加圧下の、6を超えるpHを有する水性組成物を防腐するための方法であって、抗菌有効量のメチルパラベンを含む防腐システムの組成物への添加を含む方法。
【請求項16】
前記メチルパラベンが、加圧前に前記組成物に添加される請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記組成物が、圧縮不活性ガスを添加することにより加圧される請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記圧縮不活性ガスが、C〜Cの炭化水素、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、クロロフルオロカーボン(CFC)、窒素、エーテル及びそれらの混合物からなる群から選択されるエアロゾル圧縮不活性ガスを含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記C〜Cの炭化水素が、メタン、エタン、プロパン、イソプロパン、ブタン、イソブタン、ブテン、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ペンテン及びそれらの混合物から選択される請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記圧縮不活性ガスがジメチルエーテルである請求項18に記載の方法。
【請求項21】
メチルパラベンが加水分解し始めるレベルのpH又はそれより上のpHを有する水性エアロゾル組成物のための防腐システムであって、抗菌有効量で存在するメチルパラベンを含む防腐システム。
【請求項22】
前記組成物が7を超えるpHを有する請求項21に記載の防腐システム。
【請求項23】
前記組成物が8を超えるpHを有する請求項21に記載の防腐システム。
【請求項24】
前記メチルパラベンが少なくとも2年間、有意に分解しない請求項21に記載の防腐システム。
【請求項25】
前記システムが、保湿剤、クレンザー、コンディショナー、シャンプー、ボディウォッシュ、スタイリングジェル/ローション、アイクリーム及びアイライナー、ほお紅、マスカラ、ファウンデーション、マニキュア液、除光液、アイシャドウ、口紅、リップグロス、リップライナー、リップバーム、メイクアップリムーバー、ネイルトリートメント、フットケア組成物、座瘡処置剤、赤み/酒さ処置剤、静脈瘤/クモ状静脈処置剤、抗加齢組成物、日焼け止め剤、サンレスタンニング組成物、日焼け後用組成物、コンシーラー、ヘアカラー及びブリーチング組成物、スキンフェーディング/ライトナー、ボディを引き締めるローション、シェービングクリーム、アフターシェーブ、リラクサー、制汗剤及びデオドラント、エクスフォリアント、スクラブ、液体ハンドソープ、泡立て溶剤、痛み及び創傷の処置組成物、防虫剤、かゆみ止め及び発疹クリーム、スタイリングムース及びフォーム、バスオイル及びソルト、歯磨き粉、香水、グリッター、潤滑剤、ボディパウダー、ボディオイル、ボディスプレー、ベビーローション、おむつ用クリーム、ベビーソープ、ベビーシャンプー、ベビーオイル、おしり拭き、抜け毛処置剤、ヘアスプレー、キューティクルトリートメント、ふけ/頭皮用トリートメント、除毛剤、発毛阻害剤、脱毛ワックス、パーソナルクレンジング、オーデコロン、オイルコントローラー、手の除菌剤、マウスウォッシュ、歯のホワイトニング剤、点眼剤及び人工涙液組成物からなる群から選択されるエアロゾル組成物に含まれる請求項21に記載の防腐システム。
【請求項26】
抗菌剤として作用するのに十分な量のメチルパラベンを含む日焼け止め組成物であって、該組成物が6より上のpHを有し、メチルパラベンが有意に分解せず、該組成物がジメチルエーテルで加圧された容器に含まれる日焼け止め組成物。
【請求項27】
加圧下容器中に保持されるように製剤化されたエアロゾルエマルジョンであって、該エマルジョン製剤が容器からの放出の際に発泡体を形成しないエアロゾルエマルジョン。
【請求項28】
前記エマルジョンが水中油型エマルジョンである請求項27に記載のエマルジョン製剤。
【請求項29】
前記エマルジョンが油中水型エマルジョンである請求項27に記載のエマルジョン製剤。
【請求項30】
前記製剤が非極性圧縮不活性ガスを含む請求項28に記載のエマルジョン製剤。
【請求項31】
前記非極性圧縮不活性ガスが、炭化水素及びハロゲン化炭化水素圧縮不活性ガスからなる群から選択される請求項30に記載のエマルジョン製剤。
【請求項32】
前記製剤が極性圧縮不活性ガスを含む請求項29に記載のエマルジョン製剤。
【請求項33】
前記極性圧縮不活性ガスが、ジメチルエーテル及びメチルエチルエーテルからなる群から選択される請求項32に記載のエマルジョン製剤。
【請求項34】
前記製剤が約10,000cps未満の粘度で調製される請求項27に記載のエマルジョン製剤。
【請求項35】
前記製剤が約5,000cps未満の粘度で調製される請求項27に記載のエマルジョン製剤。
【請求項36】
前記製剤が約3,000cps未満の粘度で調製される請求項27に記載のエマルジョン製剤。
【請求項37】
前記製剤が約2,000cps未満の粘度で調製される請求項27に記載のエマルジョン製剤。
【請求項38】
前記製剤が約3,000cpsと4,000cpsの間の粘度で調製される請求項27に記載のエマルジョン製剤。
【請求項39】
加圧下で維持される請求項27に記載のエマルジョン製剤を含む容器。
【請求項40】
ベーパータップバルブシステムをさらに含む請求項39に記載の容器。
【請求項41】
容器からの放出の際にエマルジョンの乱流を可能にするバルブシステムをさらに含む請求項40に記載の容器。
【請求項42】
前記製剤が日焼け止め組成物を含む請求項27に記載のエマルジョン製剤。

【公表番号】特表2009−542668(P2009−542668A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518267(P2009−518267)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/015032
【国際公開番号】WO2008/002646
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(398029706)シェーリング−プラウ ヘルスケア プロダクツ,インコーポレイテッド (30)
【Fターム(参考)】