説明

エアーマッサージ装置

【課題】マット本体の表面に複数のエアーバッグを並設配置したマッサージ装置を寝具として使用した場合に、快適な睡眠が得られる様にする事を目的とするものである。
【解決手段】マット本体1表面の長手方向に複数のエアーバッグ10を並設配置し、これらのエアーバッグにホース11を接続し、これらホースによりエアーバッグ内に空気を給排気して膨張収縮を行うものにおいて、エアーバッグをその並設方向に間隔を置いて配置すると共に、これらの間隔にマット本体の上面に向けてエアーを噴出するエアーダクト17を配設して成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マット本体の表面に複数のエアーバッグを並設配置し、これらのエアーバッグに空気を給排気することでエアーバッグを膨張収縮させ、マット本体の上に寝ている人体のマッサージを行うエアーマッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クッション材にて構成したマット本体の表面に複数のエアーバッグを並設配置し、これらのエアーバッグに空気を給排気することでエアーバッグを膨張収縮し、エアーバッグの上に寝ている人体のマッサージを行うものでは、例えば特許文献1に示される様に、マット本体にマイナスイオン発生装置を配置し、より快適なマッサージ効果が得られる様な提案が行われて。
【特許文献1】特開2004−215759号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、マット式のエアーマッサージ装置は、本来マッサージを行う場合に使用するものであるが、設置スペースの問題や、お年寄りの床ずれを防止する効果がある等により、寝具として使用するケースもある。
【0004】
そこで本発明は、マット本体を寝具として使用した場合にも、快適な睡眠が得られる様に構成する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1の構成は、マット本体表面の長手方向に複数のエアーバッグを並設配置し、これらのエアーバッグにホースを接続し、これらホースによりエアーバッグ内に空気を給排気して膨張収縮を行うものにおいて、エアーバッグをその並設方向に間隔を置いて配置すると共に、これらの間隔にマット本体の上面に向けてエアーを噴出するエアーダクトを配設して成るものである。
【0006】
本発明の請求項2の構成は、請求項1の構成において、マット本体の人体の足を位置させる足側端部に、エアーバッグ内に空気を供給するエアーコンプレッサや、このエアーコンプレッサから供給する空気をエアーバッグに選択的に供給する切換バルブ等の駆動ユニットを配置すると共に、これら駆動ユニットに隣接してエアーダクトに所定温度の温風を送風する送風ユニットを配設して成るものである。
【0007】
本発明の請求項3の構成は、請求項1〜2の構成において、エアーダクトを、人体の下半身部分の風量が上半身部分の風量よりも多くなる様に設定して成るものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1に記載の構成により、エアーバッグとエアーバッグの間にエアーダクトを配置し、このエアーダクトより空気を噴出する様に構成したことで、マット本体の上に布団を掛けて寝具として利用した場合にも、エアーダクトより噴出する空気により布団の中を適切な温度や湿度に保ち、快適で健康的な睡眠を得る事が出来るものである。
【0009】
本発明の請求項2に記載の構成により、マット本体の足側端部に駆動ユニットやエアーダクトに温風を送風する送風ユニットを配置したことで、これらユニットを共通の制御回路にて制御を行うことも可能となり、かつ各ユニットを分散配置した場合に比べ、組み立て時の作業性も向上する事が出来るものである。
【0010】
本発明の請求項3に記載の構成により、エアーダクトから噴出する空気の量を、上半身に比べ下半身の方が多くなる様に構成したことで、例えば冬場にエアーダクトより温風を供給する場合には、胸元や首元への送風による寝苦しさを抑え、所謂頭寒足熱型の快適な睡眠環境を得る事が出来るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明による実施例を先ず図1に基づき説明すると、1はマッサージ装置で、ウレタン等のクッション材から構成したマット本体2の略中心部の長手方向に収納溝3を一体形成していると共に、上面に表面マット4を積層し、かつこの表面マットの上面に補強布5を被覆固定している。
【0012】
又、上記マット本体2の人体が上に寝た場合に足側となる足側端部の右端には、ベース板6を介して例えばウレタン製のコーナー部材7を連結配置していると共に、左端には送風ユニット8を配置し、かつこれらの間には駆動ユニット9を配置固定している。
【0013】
更に、上記マット本体2の中央部には、複数のエアーバッグ10・・を長手方向に所定の間隔を置いて並設配置していると共に、これらエアーバッグの底面には、上記収納溝3内に配置したホース11・・を各々接続し、これらのホースよりエアーバッグ10・・の空気室12・・に空気を給排気することで、エアーバッグを膨張・収縮させる様に構成している。
【0014】
又、上記エアーバッグ10・・は、周縁の左右両端部に左右一対の固定片13・・を一体に突出形成し、一方上記補強布4の固定片13・・対向位置に、左右一対の固定テープ14,14を糸15,15による縫い合わせ等によって固定し、かつ上記固定片13・・を周知のホック16・・等の固定具によって固定テープ14,14に着脱自在に固定している。
【0015】
17は上記エアーバッグ10・・の周囲に配置したエアーダクトで、これらエアーバッグの間隔と頭側端部に並設配置した噴出部18・・と、これら噴出部を連通する連通部19,19´とを一体成形して構成し、これらの上面或いは全体を通気性材料にて構成していると共に、一方19´の足側端部を上記送風ユニット7に接続し、この送風ユニットから内部に送風された温風を少なくともマット本体1の上面に向けて噴出する様に構成している。
【0016】
これにより、上記マッサージ装置1の上に図示しない布団を掛けて、マッサージ装置を寝具として使用する場合には、送風ユニット8よりエアーダクト17内に湿度の低い温風を供給して上記噴出部18・・や連通部19,19´より噴出することで、布団の内部を所定湿度でかつ所定温度に維持すれば、快適な睡眠を得る事が出来るものである。
【0017】
尚、上記送風ユニット8内には、図示しない周知の電気ヒータと送風器とを内蔵し、この送風ユニットより例えば27℃〜38℃の範囲の温風を供給し、布団の内部を32℃前後で湿度を40〜45%に保つことで、理想的な睡眠が得られるものである。
【0018】
一方、上記駆動ユニット9は、例えば図2に示す様に、樹脂製のケース20内に上記エアーバッグ10・・に圧縮空気を供給するエアーコンプレッサ21や、このエアーコンプレッサから供給する圧縮空気を上記各ホース11・・に選択的に供給する切換バルブ22、この切換バルブや上記エアーコンプレッサ21を制御する回路基板23等を収納配置して構成している。
【0019】
又、上記実施例ではエアーダクト17を通気性の材料にて構成しているが、例えば合成樹脂シートやゴム等により構成し、少なくとも上面に多数の噴出孔を穿孔しても良い。
【0020】
更に上記エアーダクト17は、噴出部18・・の人体の下半身部分に位置する部分を太く構成したり、噴出孔の数を多くする等により、下半身部分の空気の噴出量が上半身部分の噴出量より多くなる様に構成しており、これにより、胸元や首元への送風を抑え、所謂頭寒足熱型の快適な睡眠を提供する事が出来るものである。
【0021】
尚、上記エアーダクト17の形状や配置は上記実施例に限定されるものではなく、例えば噴出部18・・は全てのエアーバッグ10・・間に配置しているが、下半身部分のみに配置しても良く、上半身と下半身への空気の配分や温度を個々に調節する様に構成しても良い。
【0022】
又、上記実施例では送風ユニット8を駆動ユニット9に隣接して配置し、これにより、マイクロコンピュータ等の制御回路を兼用することで、回路部品の削減や組み立て作業性の向上によるコストダウンを図る事が出来るが、これに限定されることなく、マット本体2の中央や頭側等に送風ユニット8を配置しても良く、かつ送風ユニット8と駆動ユニット9のケース20とを一体的に構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例を示す斜視図である。
【図2】同じく駆動ユニットの実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0024】
2 マット本体
8 送風ユニット
9 駆動ユニット
10 エアーバッグ
11 ホース
17 エアーダクト
21 エアーコンプレッサ
22 切換バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マット本体表面の長手方向に複数のエアーバッグを並設配置し、これらのエアーバッグにホースを接続し、これらホースによりエアーバッグ内に空気を給排気して膨張収縮を行うものにおいて、上記エアーバッグをその並設方向に間隔を置いて配置すると共に、これらの間隔に上記マット本体の上面に向けてエアーを噴出するエアーダクトを配設した事を特徴とするエアーマッサージ装置。
【請求項2】
上記マット本体の人体の足を位置させる足側端部に、上記エアーバッグ内に空気を供給するエアーコンプレッサや、このエアーコンプレッサから供給する空気を上記エアーバッグに選択的に供給する切換バルブ等の駆動ユニットを配置すると共に、これら駆動ユニットに隣接して上記エアーダクトに所定温度の温風を送風する送風ユニットを配設した事を特徴とする、上記請求項1に記載のエアーマッサージ装置。
【請求項3】
上記エアーダクトを、人体の下半身部分の風量が上半身部分の風量よりも多くなる様に設定した事を特徴とする、上記請求項1〜2に記載のエアーマッサージ装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−87820(P2006−87820A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−280071(P2004−280071)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(302071092)テガ三洋工業株式会社 (244)
【Fターム(参考)】