説明

エキスパンションジョイント手摺

【課題】 各建物間の相対変位を許容できるものでありながら、通行者の視覚に最も顕著に訴える部位を幅方向の段差の無い無段差に構成することで、外観が整えられて見栄えがよくなり、形態的な違和感を与えることがないエキスパンションジョイント手摺を提供する。
【解決手段】 四辺組みされた第1および第2柵体25,26が長手方向に伸縮するエキスパンションジョイント手摺1において、通行者の視覚に最も顕著に訴える部位である第1,第2手摺ユニット23,24の上横材62を、第1柵体25の第1上弦材27と、第1上弦材27の長手方向の軸線C1上に配置されて第1上弦材27を長手方向の相対移動自在に嵌挿して第1上弦材27に組み合わされる第2柵体26の第2上弦材34とで構成して、外観を整えて見栄えをよくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣接する2つの建物間に設けられる渡り通路の手摺として好適に実施することができるエキスパンションジョイント手摺に関する。
【背景技術】
【0002】
図19は、従来のエキスパンションジョイント手摺1を示す鉛直断面図であり、このエキスパンションジョイント手摺1は、たとえば特許文献1に記載されている。すなわち、隣接する2つの建物間で相互の通行を可能とするため、各建物は渡り通路によって接続されている。この渡り通路には、通行者の転落および物体の落下を防ぐために、目地カバー体2の図19の紙面に垂直な通行方向に向かって左右両側部には、エキスパンションジョイント手摺1が設けられている。
【0003】
前記エキスパンションジョイント手摺1は、通路の内側(図19の右側)に配置され、一方の建物に図示しないヒンジによって鉛直軸線まわりに回動自在に連結される第1手摺組立体3と、この第1手摺組立体3よりも外側(図19の左側)に隣接して配置され、他方の建物に図示しないヒンジによって鉛直軸線まわりに回動自在に連結される第2手摺組立体4とを有する。
【0004】
第1手摺組立体3は、第1上弦材5の長手方向両端部と、第1下弦材6の長手方向両端部とが第1支柱7によって連結され、各第1支柱7間には、上端部が第1上弦材5に連結され、かつ下端部が第1下弦材6に連結される複数の第1竪桟8が設けられる。
【0005】
第2手摺組立体4は、第2上弦材9の長手方向両端部と、第2下弦材10の長手方向両端部とが第2支柱11によって連結され、各第2支柱11間には、上端部が第2上弦材9に連結され、かつ下端部が第2下弦材10に連結される複数の第2竪桟12が設けられる。
【0006】
前記第1および第2上弦材5,9には、案内溝13,14が相互に対向してそれぞれ形成される。これらの案内溝13,14には、断面がH字状のスライド芯材15が挿入され、このスライド芯材15と各案内溝13,14とによって、第1および第2上弦材5,9が長手方向に移動自在に連結される。
【0007】
また、第1および第2下弦材6,10には、案内溝16,17が相互に対向してそれぞれ形成される。これらの案内溝16,17には、断面がH字状のスライド芯材18が挿入され、このスライド芯材18と各案内溝16,17とによって、第1および第下上弦材6,10が長手方向に移動自在に連結される。
【0008】
各建物が急激な地震によって近接および離反する方向に相対変位すると、第1および第2手摺組立体3,4は、各建物の変位に追従して変位するが、第1および第2上弦材5,9ならびに第1および第2下弦材6,10は、各案内溝13,14、16,17に挿入されたスライド芯材15,18によって長手方向に移動自在に連結されているため、第1および第2手摺組立体3,4の相対変位が許容され、第1および第2手摺組立体3,4が互いに干渉して破損してしまうことが防がれ、地震が生じても通路の両側が開放されないようにして、通行者の安全を確保している。
【0009】
【特許文献1】特開2001−220832号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記特許文献1に記載のエキスパンションジョイント手摺1は、第1手摺組立体3の幅方向の外側に隣接して第2手摺組立体3を配置した幅方向の有段差構造であるため、見栄えがよくなく、形態的に違和感を与える視覚上の問題がある。
【0011】
本発明は、このような問題を解決するものであって、その目的とするところは、各建物間の相対変位を許容できるものでありながら、通行者の視覚に最も顕著に訴える部位を幅方向の段差の無い無段差に構成することで、外観が整えられて見栄えがよくなり、形態的な違和感を与えることがないエキスパンションジョイント手摺を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、四辺組みされた第1および第2柵体によって長手方向に伸縮する手摺ユニットが構成され、この手摺ユニットの長手方向両端部の第1および第2支柱が隣接し相対変位する構造物側にヒンジによって鉛直軸線まわりに回動自在に連結されて前記構造物に跨がるエキスパンションジョイント手摺であって、
手摺ユニットの上横材は、第1柵体の第1上弦材と、第1上弦材の長手方向の軸線上に配置されて第1上弦材に長手方向の相対移動自在に相互に嵌合して組み合わされる第2柵体の第2上弦材とを有し、
手摺ユニットの下横材は、第1柵体の第1下弦材と、第1下弦材に平行かつ長手方向と直交する幅方向に隣接して長手方向の相対移動自在に配置された第2柵体の第2下弦材とを有しているとともに、第1下弦材と第2下弦材とが連結手段によって長手方向の相対移動自在に相互に連結され、
第1上弦材の長手方向一端部と第1下弦材の長手方向一端部とが前記第1支柱によって連結され、前記一端部を除く第1上弦材と第1下弦材とが複数の第1竪桟によって連結され、
第2上弦材の長手方向他端部と第2下弦材の長手方向他端部とが前記第2支柱によって連結され、前記他端部を除く第2上弦材と第2下弦材とが複数の第2竪桟によって連結されることを特徴とするエキスパンションジョイント手摺である。
【0013】
また本発明は、前記第1上弦材は、第1支柱の上端部を上から覆って長手方向に延びる内外二重構造の円弧状の屋根部と、各円弧状の屋根部の幅方向両端部から垂設されて相対向する内外二重構造の縦壁部と、内側の一方の縦壁部から内側の他方の縦壁部に向かって幅方向に水平に延設された一方の支柱連結板部および外側の他方の縦壁部に連設されて内側の一方の縦壁部に向かって幅方向に水平に延設され前記一方の支柱連結板部の長手方向の一部に幅方向で相対向する他方の支柱連結板部からなる第1支柱連結板部と、前記複数の第1竪桟の上端部を上から覆って長手方向に延びる前記内側の円弧状の屋根部と内側の各縦壁部および第1竪桟連結板部として機能する前記一部を除く一方の支柱連結板部とを有する第1笠木部材と、第1支柱連結板部が装着され、第1支柱の上端部が連結される第1笠木受け部材と、前記一部を除く一方の支柱連結板部が装着され、各第1竪桟の上端部が連結される第1竪桟受け部材とを含み、
前記第2上弦材は、第2支柱の上端部を上から覆って長手方向に延びる内外二重構造の円弧状の屋根部と、各円弧状の屋根部の幅方向両端部から垂設されて相対向する内外二重構造の縦壁部と、外側の他方の縦壁部に連設されて内側の一方の縦壁部に向かって幅方向に水平に延設された他方の支柱連結板部および内側の一方の縦壁部から内側の他方の縦壁部に向かって幅方向に水平に延設され前記他方の支柱連結板部の長手方向の一部に幅方向で相対向する一方の支柱連結板部からなる第2支柱連結板部と、前記複数の第2竪桟の上端部を上から覆って長手方向に延びる前記外側の円弧状の屋根部と外側の各縦壁部および第2竪桟連結板部として機能する前記一部を除く他方の支柱連結板部とを有する第2笠木部材と、第2支柱連結板部が装着され、第2支柱の上端部が連結される第2笠木受け部材と、前記一部を除く他方の支柱連結板部が装着され、各第2竪桟の上端部が連結される第2竪桟受け部材とを含むことを特徴とする。
【0014】
さらに本発明は、前記下横材の幅方向の大きさは、上横材の幅方向の大きさ以内に設定されていることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記連結手段は、第1下弦材と第2下弦材の一方に形成された長手方向に延びるレール部と、このレール部がその長手方向に移動自在に嵌まり込むように第1下弦材と第2下弦材の他方に形成された長手方向に延びる案内溝部とのペアによって構成され、このペアが上下2位置に分離して設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、手摺ユニットの上横材は、第1柵体の第1上弦材と、第1上弦材の長手方向の軸線上に配置されて第1上弦材に長手方向の相対移動自在に相互に嵌合して組み合わされる第2柵体の第2上弦材とを有して、幅方向の段差の無い無段差に構成された上横材を実現できる。エキスパンションジョイント手摺において、通行者の視覚に最も顕著に訴える部位は手摺ユニットの上横材であると考えられるから、幅方向の段差の無い無段差に構成された上横材によって、外観が整えられて見栄えがよくなるので、形態的な違和感を与えることがない。また、第1上弦材と第2上弦材とが相対移動自在に相互に嵌合して組み合わされることによって、第1上弦材と第2上弦材の上下方向および幅方向の相対変位が抑えられて、第1上弦材と第2上弦材の円滑な長手方向の相対移動を実現して、各建物の近接および離反する方向の相対変位に追従して第1上弦材と第2上弦材との長手方向の相対移動を許容できる。
【0017】
また本発明によれば、第1上弦材の第1笠木部材および第2上弦材の第2笠木部材は、それぞれ円弧状の屋根部を有しているので、平坦な屋根部の笠木部材よりも見栄えがよくなる。円弧状の屋根部を有している第1笠木部材および第2笠木部材は、同じ素材で等しい肉厚を有して等高・等幅で形成された平坦な屋根部を有している笠木部材よりも強度アップを図れる。そのため、第1笠木部材および第2笠木部材それぞれの肉厚を小さく設定しても、所定の強度を十分に確保できるので、第1笠木部材と第2笠木部材との間にいずれか一方の第1笠木部材の肉厚によって生じる段差を小さく抑えて上横材の外観を整えることができる。
【0018】
さらに本発明によれば、下横材の幅方向の大きさは、上横材の幅方向の大きさ以内に設定されているので、下横材に形成される幅方向の段差を上横材の幅方向の大きさの略1/2に縮小して下横材の外観を整えることができる。
【0019】
また本発明によれば、下横材の第1下弦材と第2下弦材とを長手方向の相対移動自在に相互に連結している連結手段は、第1下弦材と第2下弦材の一方に形成されたレール部と、このレール部がその長手方向に移動自在に嵌まり込むように第1下弦材と第2下弦材の他方に形成された案内溝部とのペアが上下2位置に離反して設けられることによって構成されているので、第1下弦材と第2下弦材との連結力が高められ、第1下弦材と第2下弦材の上下方向および幅方向の相対変位が抑えられて、第1下弦材と第2下弦材の円滑な長手方向の相対移動を実現して、各建物の近接および離反する方向の相対変位に追従して第1下弦材と第2下弦材との長手方向の相対移動を許容できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係るエキスパンションジョイント手摺の好ましい一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係るエキスパンションジョイント手摺20が適用される渡り通路21の正面図、図2は図1の切断面線II−IIら見たエキスパンションジョイント手摺の平面図である。隣接した2つの建物A,B間に、目地として空隙Cが存在し、この空隙Cを介して各建物A,Bの通路A1、B1間を通行可能とするために、各建物A,B間には渡り通路21が設けられる。各建物A,Bは、たとえばコンクリート構造物からなる。
【0021】
前記渡り通路21は、各建物A,Bが地震などによって相互に近接および離反する長手方向X(図2において左右方向)と、前記近接および離反する方向Xに水平面上で直角な幅方向Y(図2において上下方向)とに生じる相対変位を許容するため、エキスパンションジョイントと称される伸縮継手構造が採用されている。
【0022】
このような渡り通路21は、各建物A,Bの通路A1、B1にわたって略水平に掛け渡される伸縮床構造体22と、伸縮床構造体22の幅方向Yの両側に立設される本発明に係るエキスパンションジョイント手摺20とによって構成される。
【0023】
エキスパンションジョイント手摺20は、渡り通路21の幅方向Yの両側に相互に対向して平行に立設される第1手摺ユニット23と第2手摺ユニット24とを含み、これら第1および第2手摺ユニット23,24は、それぞれの長手方向X、つまり各建物A,Bが地震などによって相互に近接および離反する方向Xに伸縮する四辺組みされた第1柵体25と第2柵体26とで構成される。
【0024】
第1柵体25は、第1上弦材27と、第1下弦材28と、第1支柱29と、長手方向に所定の間隔を隔てて設けられる複数の第1竪桟とを有する。第1上弦材27の長手方向一端部(図1,図2の左端部)と第1下弦材28の長手方向一端部とは、第1支柱29によって連結され、前記一端部以外には、上端部が第1上弦材27に連結され、かつ下端部が第1下弦材28に連結される複数の第1竪桟30が設けられる。第1支柱29は、一方の建物A側の支柱31に、上下各一対のヒンジ32,33によって鉛直軸線まわりに回動自在に連結される。
【0025】
第2柵体26は、第2上弦材34と、第2下弦材35と、第2支柱36と、長手方向に所定の間隔を隔てて設けられる複数の第2竪桟37とを有する。第2上弦材34の長手方向他端部(図1,図2の右端部)と第2下弦材35の長手方向他端部とは、第2支柱36によって連結され、前記他端部以外には、上端部が第2上弦材34に連結され、かつ下端部が第2下弦材35に連結される複数の第2竪桟37が設けられる。第2支柱36は、他方の建物B側の支柱38に、上下各一対のヒンジ39,40によって鉛直軸線まわりに回動自在に連結される。
【0026】
各建物A,Bの通路A1、B1の床A1a,B1b間にわたって、前記伸縮床構造体22が設けられる。この伸縮床構造体22は、各床A1a,B1bの相互に近接および離反する長手方向Xと幅方向Yとに生じる相対変位を許容できるように設けられている。
【0027】
図3は図1の切断面線III−IIIから見たエキスパンションジョイント手摺の拡大側面図、図4は第1,第2手摺ユニットの第1上弦材と第2上弦材との嵌挿状態を拡大して示す斜視図、図5は第1,第2手摺ユニットの第1上弦材の一端部を拡大して示す斜視図、図6は第1,第2手摺ユニットの第2上弦材の他端部を拡大して示す斜視図である。第1および第2手摺ユニット23,24の上横材62は、第1柵体25の第1上弦材27と、第1上弦材27を長手方向の相対移動自在に嵌挿する第2柵体26の第2上弦材34とを有している。
【0028】
前記第1上弦材27は、第1支柱29の上端部を上から覆って長手方向に延びる内外二重構造の円弧状の屋根部41、42と、内側の円弧状の屋根部41の幅方向両端部から垂設されて相対向する内側の縦壁部41a,41bと、外側の円弧状の屋根部42の幅方向両端部から垂設されて相対向する外側の縦壁部42a,42bと、内側の一方の縦壁部41aから内側の他方の縦壁部41bに向かって幅方向に水平に延設された一方の支柱連結板部43と、外側の一方の縦壁部42aの下端部に長手方向に延びて形成されて内側の一方の縦壁部41aの下端部を下側から支承する一方の支承部44と、外側の他方の縦壁部42bの下端部に長手方向に延びて形成されて内側の他方の縦壁部41bの下端部を下側から支承する他方の支承部45と、この他方の支承部45の上端部から内側の一方の縦壁部41aに向かって幅方向に水平に延設され前記一方の支柱連結板部43の長手方向の一部に幅方向で相対向する他方の支柱連結板部46とを有している。
【0029】
また前記第1上弦材27は、一方の支柱連結板部43の長手方向の一部と他方の支柱連結板部46とで構成される第1支柱連結板部47と、各第1竪桟30の上端部を上から覆って長手方向に延びる前記内側の円弧状の屋根部41と内側の各縦壁部41a,41bおよび第1竪桟連結板部48として機能する前記一部を除く一方の支柱連結板部43とを有する第1笠木部材49と、第1支柱連結板部47が装着され、第1支柱29の上端部が連結される第1笠木受け部材(図8,図9a参照)と、一部を除く一方の支柱連結板部43が装着され、各第1竪桟30の上端部が連結される第1竪桟受け部材51(図11,12参照)とを含む。内側の各縦壁部41a,41bそれぞれの内面における一方の支柱連結板部43よりも上側には、タッピングねじ止め用の突条52が長手方向に延設されている。
【0030】
前記第2上弦材34は、第2支柱36の上端部を上から覆って長手方向に延びる内外二重構造の円弧状の屋根部41、42と、内側の円弧状の屋根部41の幅方向両端部から垂設されて相対向する内側の縦壁部41a,41bと、外側の円弧状の屋根部42の幅方向両端部から垂設されて相対向する外側の縦壁部42a,42bと、外側の一方の縦壁部42aの下端部に長手方向に延びて形成されて内側の一方の縦壁部41aの下端部を下側から支承する一方の支承部44と、外側の他方の縦壁部42bの下端部に長手方向に延びて形成されて内側の他方の縦壁部41bの下端部を下側から支承する他方の支承部45と、この他方の支承部45の上端部から内側の一方の縦壁部41aに向かって幅方向に水平に延設された他方の支柱連結板部46と内側の一方の縦壁部41aから内側の他方の縦壁部41bに向かって幅方向に水平に延設され前記他方の支柱連結板部46の長手方向の一部に幅方向で相対向する一方の支柱連結板部43とを有している。
【0031】
また前記第2上弦材34は、他方の支柱連結板部46の長手方向の一部と一方の支柱連結板部43とで構成される第2支柱連結板部53と、各第2竪桟37の上端部を上から覆って長手方向に延びる前記外側の円弧状の屋根部42と外側の各縦壁部42a,42bおよび第2竪桟連結板部54として機能する前記一部を除く他方の支柱連結板部46とを有する第2笠木部材55と、第2支柱連結板部43が装着され、第2支柱36の上端部が連結される第2笠木受け部材(図8,図9a参照)と、一部を除く他方の支柱連結板部46が装着され、各第2竪桟37の上端部が連結される第2竪桟受け部材57(図11,12参照)とを含む。内側の各縦壁部41a,41bそれぞれの内面における一方の支柱連結板部43よりも上側には、タッピングねじ止め用の突条52が長手方向に延設されている。
【0032】
図4に示すように、第1上弦材27の円弧状の屋根部41と各縦壁部41a,41bとの他端部は、小さい隙間を有して第2上弦材34の円弧状の屋根部42と各縦壁部42a,42bとの一端部に嵌挿されるとともに、第1上弦材27の一方の縦壁部41aの下端部が第2上弦材34の一方の支承部44に摺動自在に支承され、かつ第1上弦材27の他方の縦壁部41bの下端部が第2上弦材34の他方の支承部45に摺動自在に支承されることで、第1上弦材27の他端部が第2上弦材34の一端部に長手方向の相対移動自在に嵌挿される。これにより、第1柵体25の第1上弦材27の長手方向の軸線C1上に第2柵体26の第2上弦材34が配置されて相互に嵌合して組み合わされた第1および第2手摺ユニット23,24の上横材62を実現できる。
【0033】
図5に示すように、第1上弦材27の長手方向の一端開口部は、第1小口蓋板58によって塞がれる。第1小口蓋板58は、第1小口蓋板58を貫通してタッピングねじ止め用の突条52の一端開口部側から長手方向にタッピングねじ(図示省略)をねじ込んで、タッピングねじ止め用の突条52にねじ立てを行うことによって第1上弦材27の長手方向の一端開口部を塞いで固定される。外側の縦壁部42a,42bと内側の縦壁部41a,41bとは、外側の縦壁部42a,42bの外側からタッピングねじ止め用の突条52に向かって水平にタッピングねじ(図示省略)をねじ込んで、タッピングねじ止め用の突条52にねじ立てを行うことによって一体に結合される。
【0034】
図6に示すように、第2上弦材34の長手方向の他端開口部は、第2小口蓋板60によって塞がれる。第2小口蓋板60は、第2小口蓋板60を貫通してタッピングねじ止め用の突条52の他端開口部側から長手方向にタッピングねじ(図示省略)をねじ込んで、タッピングねじ止め用の突条52にねじ立てを行うことによって第2上弦材34の長手方向の他端開口部を塞いで固定される。また、外側の縦壁部42a,42bと内側の縦壁部41a,41bとは、外側の縦壁部42a,42bの外側からタッピングねじ止め用の突条52に向かって水平にタッピングねじ(図示省略)をねじ込んで、タッピングねじ止め用の突条52にねじ立てを行うことによって一体に結合される。
【0035】
図7は第1,第2支柱29,36の拡大横断面図である。第1,第2支柱29,36は断面形状が長方形の筒体からなり、その四隅のそれぞれにタッピングねじ止め用の突条63が長手方向に延設されている。図8は第1,第2笠木受け部材50,56の拡大斜視図である。第1,第2笠木受け部材50,56は、平坦部64と、平坦部64の長手方向の両端部のそれぞれに上向きに突設された一対の突条64aとを有し、その幅方向の寸法W1は、第1,第2支柱29,36の幅方向の寸法(長辺の寸法)W2(図7参照)に略等しく設定され、長手方向の寸法L1は、幅方向の寸法W1よりも十分に大きく設定されている。平坦部64には、上下方向に貫通する8個の透孔65が形成されている。
【0036】
図9(a)は第1,第2笠木部材49,55と第1,第2笠木受け部材50,56との連結を示す側面図であり、図9(b)は第1,第2支柱29,36と第1,第2笠木受け部材50,56との連結を示す斜視図である。まず図9(b)のように、第1,第2支柱29,36の上面に第1,第2笠木受け部材50,56を載置して、8個の透孔65の内の中央部の4個の透孔65を第1,第2支柱29,36四隅のタッピングねじ止め用の突条63の上側に対向させて、前記4個の透孔65を貫通して四隅のタッピングねじ止め用の突条63の上端開口部側から下向きにタッピングねじ(図示省略)をねじ込んで、各タッピングねじ止め用の突条63にねじ立てを行うことによって、第1,第2支柱29,36の上面に第1,第2笠木受け部材50,56を固定する。
【0037】
つぎに図9(a)のように、第1,第2笠木受け部材50,56を第1,第2笠木部材49,55の第1,第2支柱連結板部47,53の下側に対向させて、第1,第2支柱連結板部47,53に予め形成されている上下方向に貫通する4個のねじ下孔(図示省略)の下側に前記中央部の4個の透孔65を除いた残りの4個の透孔65を対向させ、これらの4個の透孔65を貫通して前記4個のねじ下孔に上向きにタッピングねじ67をねじ込んで、4個のねじ下孔ににねじ立てを行い、一対の突条64aそれぞれの上端面を第1,第2笠木部材49,55の第1,第2支柱連結板部47,53の下面に当接させることによって、第1,第2支柱連結板部47,53の下側に第1,第2笠木受け部材50,56を装着する。
【0038】
図10は第1,第2竪桟30,37の拡大横断面図である。各第1,第2竪桟30,37は断面形状が略正方形の筒体からなり、その幅方向で相互に対向する2辺にタッピングねじ止め用の突条68が長手方向に延設されている。図11は各第1,第2竪桟受け部材51,57と各第1,第2竪桟30,37との連結を示す拡大斜視図であり、図12は第1,第2竪桟受け部材51,57と第1,第2笠木部材49,55との連結を示す側面図である。第1,第2竪桟受け部材51,57は平坦なリブ69と、平坦なリブ69の幅方向両端部から上下に突出して相互に対向するフランジ70とを有する断面略H形のもので、相互に対向するフランジ70の内法W3は各第1,第2竪桟30,37の幅方向の寸法W4よりも若干大きく設定されている。平坦なリブ69には、幅方向の間隔を有して上下方向に貫通する一対で1組の透孔71が長手方向に所定の間隔を有して複数組形成されているとともに、各一対で1組の透孔71間の中央部に上下方向に貫通する透孔72が形成されている。
【0039】
まず図11のように、各第1,第2竪桟30,37の上面に第1,第2竪桟受け部材51,57を載置して、各一対で1組の透孔71を各第1,第2竪桟30,37のタッピングねじ止め用の突条68(図10参照)の上側に対向させて、各一対で1組の透孔71を貫通してタッピングねじ止め用の突条68の上端開口部側から下向きにタッピングねじ73をねじ込んで、各タッピングねじ止め用の突条68にねじ立てを行うことによって、各第1,第2竪桟30,37の上面に第1,第2竪桟受け部材51,57を固定する。
【0040】
つぎに図12のように、第1竪桟受け部材51を第1笠木部材49における第1竪桟連結板部48として機能する前記一部を除く一方の支柱連結板部43の下側に対向させて、この一方の支柱連結板部43に予め形成されている上下方向に貫通する複数のねじ下孔(図示省略)の下側に第1竪桟受け部材51の平坦なリブ69に形成されている複数の透孔72(図11参照)を対向させ、これら複数の透孔72を貫通して前記複数のねじ下孔に上向きにタッピングねじ67をねじ込んで、複数のねじ下孔にねじ立てを行い、一対のフランジ70それぞれの上端面を第1竪桟連結板部48として機能する前記一部を除く一方の支柱連結板部43の下面に当接させることによって、前記一部を除く一方の支柱連結板部43の下側に第1竪桟受け部材51を装着する。
【0041】
また図12のように、第2竪桟受け部材57を第2笠木受け部材56における第2竪桟連結板部54として機能する前記一部を除く他方の支柱連結板部46の下側に対向させて、この他方の支柱連結板部46に予め形成されている上下方向に貫通する複数のねじ下孔(図示省略)の下側に第2竪桟受け部材57の平坦なリブ69に形成されている複数の透孔72(図11参照)を対向させ、これら複数の透孔72を貫通して前記複数のねじ下孔に上向きにタッピングねじ67をねじ込んで、複数のねじ下孔にねじ立てを行い、一対のフランジ70それぞれの上端面を第2竪桟連結板部54として機能する前記一部を除く他方の支柱連結板部46の下面に当接させることによって、前記一部を除く他方の支柱連結板部46の下側に第2竪桟受け部材57を装着する。
【0042】
図13は第1手摺ユニット23の第2下弦材35の他端部と第2支柱36との連結状態を拡大して示す斜視図であり、図14は第1手摺ユニット23の第1下弦材28の他端部側と第2下弦材35の一端部側との連結状態を拡大して示す斜視図である。また図15は第1手摺ユニット23の第1下弦材28の一端部と第1支柱29との連結状態を拡大して示す斜視図である。第1手摺ユニット23の下横材74は、第1柵体25の第1下弦材28と、第1下弦材28に平行かつ長手方向と直交する幅方向内側に隣接して長手方向の相対移動自在に配置された第2柵体26の第2下弦材35とを有しているとともに、第1下弦材28と第2下弦材35とが長手方向に延びる連結手段75によって長手方向の相対移動自在に相互に連結される。
【0043】
前記第1,第2下弦材28,35は、下辺を開口した断面形状が門形のもので、各第1,第2下弦材28,35を長手方向の相対移動自在に相互に連結する前記連結手段75は、図16に示すように、第1下弦材28と第2下弦材35に一体に形成されたレール部76と、このレール部76がその長手方向に移動自在に嵌まり込むように第1下弦材28と第2下弦材35に一体に形成された案内溝部77とのペア78が上下2位置に離反して設けられることによって構成される。
【0044】
図13のように、第1手摺ユニット23の第2下弦材35の他端部における幅方向の外側には、前記第1下弦材28を短く切断することによって得られる補助部材79が前記連結手段75によって連結される。第2下弦材35の他端部と補助部材79の上面に第2支柱36の下端部を載置して、第2支柱36四隅のタッピングねじ止め用の突条63を第2下弦材35の他端部と補助部材79の上面に予め形成されている4個の透孔80の上側に対向させて、これらの4個の透孔80を貫通して四隅のタッピングねじ止め用の突条63の下端開口部側から上向きにタッピングねじ80aをねじ込んで、各タッピングねじ止め用の突条63にねじ立てを行うことによって、第2下弦材35の他端部と補助部材79の上面に第2支柱36を固定する。補助部材79の長手方向の両端開口部および第2下弦材35の他端開口部は、第3小口蓋板81と第4小口蓋板82とによって塞がれる。
【0045】
図15のように、第1手摺ユニット23の第1下弦材28の一端部における幅方向の内側には、前記第2下弦材35を短く切断することによって得られる補助部材83が前記連結手段75によって連結される。第1下弦材28の一端部と補助部材83の上面に第1支柱29の下端部を載置して、第1支柱29四隅のタッピングねじ止め用の突条63を第1下弦材28の一端部と補助部材83の上面に予め形成されている4個の透孔80の上側に対向させて、これらの4個の透孔80を貫通して四隅のタッピングねじ止め用の突条63の下端開口部側から上向きにタッピングねじ80aをねじ込んで、各タッピングねじ止め用の突条63にねじ立てを行うことによって、第1下弦材28の一端部と補助部材83の上面に第1支柱29を固定する。補助部材83の長手方向の両端開口部および第1下弦材28の一端開口部は、第5小口蓋板85と第6小口蓋板86とによって塞がれる。
【0046】
図16は第1,第2下弦材28,35と第1,第2竪桟30,37との連結を示す拡大断面図である。第1下弦材28の上面に各第1竪桟30の下端部を載置して、タッピングねじ止め用の突条68(図10参照)の下側に第1下弦材28の上面に予め形成されている各一対で複数組の透孔(図示省略)を対向させて、これらの透孔を貫通してタッピングねじ止め用の突条68の下端開口部側から上向きにタッピングねじ87をねじ込んで、各タッピングねじ止め用の突条68にねじ立てを行うことによって、第1下弦材28の上面に各第1竪桟30の下端部を固定する。
【0047】
また第2下弦材35の上面に各第2竪桟37の下端部を載置して、タッピングねじ止め用の突条68(図10参照)の下側に第2下弦材35の上面に予め形成されている各一対で複数組の透孔(図示省略)を対向させて、これらの透孔を貫通してタッピングねじ止め用の突条68の下端開口部側から上向きにタッピングねじ88をねじ込んで、各タッピングねじ止め用の突条68にねじ立てを行うことによって、第2下弦材35の上面に各第2竪桟37の下端部を固定する。
【0048】
第1手摺ユニット23の下横材74の幅方向の大きさW5は、図3のように上横材62の幅方向の大きさW6に略等しく設定されているので、下横材74に形成される幅方向の段差を下横材74の幅方向の大きさW5の略1/2に縮小して下横材74の外観を整えることができる。なお、第2手摺ユニット24の下横材74は、図2のように第1手摺ユニット23の下横材74と同じ構造でありかつ第1手摺ユニット23と同様に第1,第2支柱29,36および各第1,第2竪桟30,37の下端部が連結されるので、第2手摺ユニット24の構造説明は省略し、第1手摺ユニット23と同一部分には、図2において同一符号を付す。
【0049】
前記第1笠木部材49と第2笠木部材55は、アルミニウム合金製またはステンレスなどの不銹鋼製の押し出し形材によって製作できるので生産性が向上する。また前記第1笠木受け部材50と第2笠木受け部材56との第1グループ、第1竪桟受け部材51と第2竪桟受け部材57との第2グループ、第1支柱29と第2支柱36との第3グループ、第1竪桟30と第2竪桟37との第4グループは、各グループ毎で前記押し出し形材によって共用可能に製作できるので生産性が向上する。さらに第1下弦材28と第2下弦材35は、前記押し出し形材によって製作できるので生産性が向上する。また、補助部材79は第1下弦材28を短く切断することによって得られ、補助部材83は第2下弦材28を短く切断することによって得られるので、各補助部材79,83の生産性が向上する。
【0050】
前記構成の実施形態において、第1,第2手摺ユニット23,24の上横材62は、第1柵体25の第1上弦材27と、第1上弦材27の長手方向の軸線C1上に配置されて第1上弦材27に長手方向の相対移動自在に相互に嵌合して組み合わされる第2柵体26の第2上弦材34とを有して、幅方向の段差の無い無段差に構成された上横材62を実現できる。エキスパンションジョイント手摺1において、通行者の視覚に最も顕著に訴える部位は第1,第2手摺ユニット23,24の上横材62であると考えられるから、幅方向の段差の無い無段差に構成された上横材62によって、外観が整えられて見栄えがよくなるので、形態的な違和感を与えることがない。また、第1上弦材27と第2上弦材34とが相対移動自在に相互に嵌合して組み合わされることによって、第1上弦材27と第2上弦材34の上下方向および幅方向の相対変位が抑えられて、第1上弦材27と第2上弦材34の円滑な長手方向の相対移動を実現して、各建物A,Bの近接および離反する方向の相対変位に追従して第1上弦材27と第2上弦材34との長手方向の相対移動を許容できる。
【0051】
また本実施形態によれば、第1上弦材27の第1笠木部材49は円弧状の屋根部41を有し、第2上弦材34の第2笠木部材55は円弧状の屋根部42を有しているので、平坦な屋根部の笠木部材よりも見栄えがよくなる。円弧状の屋根部41,42を有している第1,第2笠木部材49,55は、同じ素材で等しい肉厚を有して等高・等幅で形成された平坦な屋根部を有している笠木部材よりも強度アップを図れる。そのため、第1笠木部材49および第2笠木部材それぞれの肉厚を小さく設定しても、所定の強度を十分に確保できるので、第1笠木部材49と第2笠木部材55との間に第2笠木部材55の肉厚によって生じる段差を小さく抑えて上横材62の外観を整えることができる。
【0052】
さらに本実施形態によれば、下横材74の幅方向の大きさW5は、上横材62の幅方向の大きさW6以内に設定されているので、下横材74に形成される幅方向の段差を下横材74の幅方向の大きさW5の略1/2に縮小して下横材74の外観を整えることができる。
【0053】
また本実施形態によれば、下横材74の第1下弦材28と第2下弦材35とを長手方向の相対移動自在に相互に連結している連結手段75は、第1下弦材28と第2下弦材35に一体に形成されたレール部76と、このレール部76がその長手方向に移動自在に嵌まり込むように第1下弦材28と第2下弦材35に一体に形成された案内溝部77とのペア78が上下2位置に離反して設けられることによって構成されているので、第1下弦材28と第2下弦材35との連結力が高められ、第1下弦材28と第2下弦材35の上下方向および幅方向の相対変位が抑えられて、第1下弦材28と第2下弦材35の円滑な長手方向の相対移動を実現して、各建物A,Bの近接および離反する方向の相対変位に追従して第1下弦材28と第2下弦材35との長手方向の相対移動を許容できる。
【0054】
図17(a)は、上横材62における第1笠木部材49の第2実施形態を示す鉛直断面図であり、図17(b)は、上横材62における第1,第2笠木部材49,55の第3実施形態を示す鉛直断面図である。図17(a)のように、第1笠木部材49は、その内側の円弧状の屋根部41と一方の支柱連結板部43の内端部とを縦壁部89で連続させて、内側の円弧状の屋根部41の一部,一方の縦壁部41a,一方の支柱連結板部43および縦壁部89によって囲まれた中空部90を有する閉断面構造にすることで強度を高めることができる。図17(b)のように、第1笠木部材49は、その内側の円弧状の屋根部41と一方の支柱連結板部43の内端部とを、案内溝部91を形成した縦壁部89で連続させて、内側の円弧状の屋根部41の一部,一方の縦壁部41a,一方の支柱連結板部43,案内溝部91および縦壁部89によって囲まれた中空部90を有する閉断面構造にするとともに、第2笠木部材55の他方の支柱連結板部46の内端部には、前記案内溝部91に長手方向の移動自在に嵌まり込むレール部92を形成し、レール部92と案内溝部91とで、第1笠木部材49と第2笠木部材55とを長手方向に移動自在に相互に連結する連結部93を構成することにより、第1笠木部材49の強度を高め、かつ第1笠木部材49と第2笠木部材55との連結による組み合わせ強度を高めて、各建物の近接および離反する方向の相対変位に追従して第1笠木部材49と第2笠木部材55との長手方向の相対移動を許容できる。なお、図17(a),(b)において、前記第1実施形態で説明した第1,第2笠木部材49,55と同一部分には同一符号を付して、重複する構造および作用の説明は省略する。
【0055】
図18は、下横材74における第1下弦材28と第2下弦材35の第2実施形態を示す鉛直断面図である。第1下弦材28は、下側のレール部76の下端部近傍と第2下弦材35に離反する側の外側縦壁部28aとを幅方向水平に延びる横壁部94で連続させて、外側縦壁部28a,横壁部94,下側のレール部76,上側の案内溝部77および天井壁部28bによって囲まれた中空部95を有する閉断面構造にすることで強度を高めることができ、第2下弦材35は、下側の案内溝部77と第1下弦材28に離反する側の外側縦壁部35aとを幅方向水平に延びる横壁部96で連続させて、下側の案内溝部77,横壁部96,外側縦壁部35aおよび天井壁部35bによって囲まれた中空部97を有する閉断面構造にすることで強度を高めることができる。
【0056】
前記実施形態では、第2上弦材34の断面を第1上弦材27の断面よりも大きくして、第1上弦材27を第2上弦材34に小さい隙間を有して嵌挿しているが、逆に、第1上弦材27の断面を第2上弦材34の断面よりも大きくして、第2上弦材34を第1上弦材27に小さい隙間を有して嵌挿してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態が適用される渡り通路の正面図である。
【図2】図1の切断面線II−IIら見た平面図である。
【図3】図1の切断面線III−IIIから見た拡大側面図である。
【図4】第1上弦材と第2上弦材との嵌挿状態を拡大して示す斜視図である。
【図5】第1上弦材の一端部を拡大して示す斜視図である。
【図6】第2上弦材の他端部を拡大して示す斜視図である。
【図7】第1,第2支柱の拡大横断面図である。
【図8】第1,第2笠木受け部材の拡大斜視図である。
【図9】図9(a)は笠木部材と笠木受け部材との連結を示す側面図であり、図9(b)は支柱と笠木受け部材との連結を示す斜視図である。
【図10】第1,第2竪桟の拡大横断面図である。
【図11】竪桟受け部材と竪桟との連結を示す拡大斜視図である。
【図12】竪桟受け部材と笠木受け部材との連結を示す側面図である。
【図13】手摺ユニットの第2下弦材の他端部と第2支柱との連結状態を示す斜視図である。
【図14】手摺ユニットの第1下弦材と第2下弦材との連結状態を示す斜視図である。
【図15】手摺ユニットの第1下弦材の一端部と第1支柱との連結状態を示す斜視図である。
【図16】第1,第2下弦材と第1,第2竪桟との連結を示す断面図である。
【図17】図17(a)は第1笠木部材の第2実施形態を示す鉛直断面図であり、図17(b)は第1,第2笠木部材の第3実施形態を示す鉛直断面図である。
【図18】第1下弦材と第2下弦材の第2実施形態を示す鉛直断面図である。
【図19】従来例を示す鉛直断面図である。
【符号の説明】
【0058】
20 エキスパンションジョイント手摺
23 第1手摺ユニット
24 第2手摺ユニット
25 第1柵体
26 第2柵体
27 第1上弦材
28 第1下弦材
29 第1支柱
30 第1竪桟
32 ヒンジ
33 ヒンジ
34 第2上弦材
35 第2下弦材
36 第2支柱
37 第2竪桟
39 ヒンジ
40 ヒンジ
41 内側の円弧状の屋根部
41a 内側の縦壁部
41b 内側の縦壁部
42 外側の円弧状の屋根部
42a 外側の縦壁部
42b 外側の縦壁部
43 一方の支柱連結板部
46 他方の支柱連結板部
47 第1支柱連結板部
48 第1竪桟連結板部
49 第1笠木部材
50 第1笠木受け部材
51 第1竪桟受け部材
53 第2支柱連結板部
54 第2竪桟連結板部
55 第2笠木部材
56 第2笠木受け部材
57 第2竪桟受け部材
62 上横材
74 下横材
75 連結手段
76 レール部
77 案内溝部
78 ペア
A,B 建物
C 空隙
C1 第1上弦材の長手方向の軸線
A1,B1 通路
W5 下横材の幅方向の大きさ
W6 上横材の幅方向の大きさ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
四辺組みされた第1および第2柵体によって長手方向に伸縮する手摺ユニットが構成され、この手摺ユニットの長手方向両端部の第1および第2支柱が隣接し相対変位する構造物側にヒンジによって鉛直軸線まわりに回動自在に連結されて前記構造物に跨がるエキスパンションジョイント手摺であって、
手摺ユニットの上横材は、第1柵体の第1上弦材と、第1上弦材の長手方向の軸線上に配置されて第1上弦材に長手方向の相対移動自在に相互に嵌合して組み合わされる第2柵体の第2上弦材とを有し、
手摺ユニットの下横材は、第1柵体の第1下弦材と、第1下弦材に平行かつ長手方向と直交する幅方向に隣接して長手方向の相対移動自在に配置された第2柵体の第2下弦材とを有しているとともに、第1下弦材と第2下弦材とが連結手段によって長手方向の相対移動自在に相互に連結され、
第1上弦材の長手方向一端部と第1下弦材の長手方向一端部とが前記第1支柱によって連結され、前記一端部を除く第1上弦材と第1下弦材とが複数の第1竪桟によって連結され、
第2上弦材の長手方向他端部と第2下弦材の長手方向他端部とが前記第2支柱によって連結され、前記他端部を除く第2上弦材と第2下弦材とが複数の第2竪桟によって連結されることを特徴とするエキスパンションジョイント手摺。
【請求項2】
請求項1に記載のエキスパンションジョイント手摺において、
前記第1上弦材は、第1支柱の上端部を上から覆って長手方向に延びる内外二重構造の円弧状の屋根部と、各円弧状の屋根部の幅方向両端部から垂設されて相対向する内外二重構造の縦壁部と、内側の一方の縦壁部から内側の他方の縦壁部に向かって幅方向に水平に延設された一方の支柱連結板部および外側の他方の縦壁部に連設されて内側の一方の縦壁部に向かって幅方向に水平に延設され前記一方の支柱連結板部の長手方向の一部に幅方向で相対向する他方の支柱連結板部からなる第1支柱連結板部と、前記複数の第1竪桟の上端部を上から覆って長手方向に延びる前記内側の円弧状の屋根部と内側の各縦壁部および第1竪桟連結板部として機能する前記一部を除く一方の支柱連結板部とを有する第1笠木部材と、第1支柱連結板部が装着され、第1支柱の上端部が連結される第1笠木受け部材と、前記一部を除く一方の支柱連結板部が装着され、各第1竪桟の上端部が連結される第1竪桟受け部材とを含み、
前記第2上弦材は、第2支柱の上端部を上から覆って長手方向に延びる内外二重構造の円弧状の屋根部と、各円弧状の屋根部の幅方向両端部から垂設されて相対向する内外二重構造の縦壁部と、外側の他方の縦壁部に連設されて内側の一方の縦壁部に向かって幅方向に水平に延設された他方の支柱連結板部および内側の一方の縦壁部から内側の他方の縦壁部に向かって幅方向に水平に延設され前記他方の支柱連結板部の長手方向の一部に幅方向で相対向する一方の支柱連結板部からなる第2支柱連結板部と、前記複数の第2竪桟の上端部を上から覆って長手方向に延びる前記外側の円弧状の屋根部と外側の各縦壁部および第2竪桟連結板部として機能する前記一部を除く他方の支柱連結板部とを有する第2笠木部材と、第2支柱連結板部が装着され、第2支柱の上端部が連結される第2笠木受け部材と、前記一部を除く他方の支柱連結板部が装着され、各第2竪桟の上端部が連結される第2竪桟受け部材とを含むことを特徴とするエキスパンションジョイント手摺。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のエキスパンションジョイント手摺において、
前記下横材の幅方向の大きさは、上横材の幅方向の大きさ以内に設定されていることを特徴とするエキスパンションジョイント手摺。
【請求項4】
請求項1,請求項2または請求項3に記載のエキスパンションジョイント手摺において、
前記連結手段は、第1下弦材と第2下弦材の一方に形成された長手方向に延びるレール部と、このレール部がその長手方向に移動自在に嵌まり込むように第1下弦材と第2下弦材の他方に形成された長手方向に延びる案内溝部とのペアによって構成され、このペアが上下2位置に分離して設けられることを特徴とするエキスパンションジョイント手摺。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−308921(P2007−308921A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−137616(P2006−137616)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【出願人】(000004732)株式会社日本アルミ (64)
【Fターム(参考)】