説明

エコー源性ステント

【課題】病院のX線透視設備を使用する必要なく、診療所を訪問している間に容易に配置および追跡でき、設計が簡単でかつ容易に製造できる医療器具を提供することにある。
【解決手段】細長チューブと、該細長チューブの長手方向軸線に沿って延びている少なくとも1つのルーメンとを有する、生物学的組織または脈管内に挿入されるステント等のエコー源性ステント。本発明のエコー源性ステントは、患者の身体の生物学的組織または脈管の音響的インピーダンスとは異なる音響的インピーダンスをもつ材料からなり、患者の身体内での細長チューブの超音波撮像を達成できる。細長チューブは、特定用途に基いて種々の形状に成形しおよび/または押出すことができるポリエチレン等のプラスチック材料または任意のしなやかな材料で作ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、「エコー源性ステント(Echogenic Stent)」の名称に係る2003年5月15日付米国仮特許出願第60/471,092号(この全開示を本願に援用する)の優先権を主張する非仮特許出願である。
本発明は、広くは医療器具に関し、より詳しくは、体腔内および体導管内に挿入されかつ超音波撮像装置を用いて追跡するエコー源性ステント(Echogenic Stent)に関する。
【背景技術】
【0002】
エコー源性ステントは、一般に、生理学的構造および器官および脈管等の組織の撮像を行う医療分野で使用される。超音波撮像は、針およびカテーテル等の小さい医療器具を追跡するのに使用されている。しかしながら、これらの小さい器具は、これらの反射表面が制限されているため、強い超音波撮像を行うことができない。例えば泌尿器科学の領域では、医者は、患者体内に尿管ステントを配置するのに依然としてX線透視法を頼りにしている。この方法は、一般に、X線透視設備を備えた病院に行く必要がある。なぜならば、殆どの医者は、このような設備を彼らの診療所に備えていないからである。いずれにせよ、種々の医療器具のうち特にステントを、病院の手術室内のX線透視設備を用いるのではなく、診療所を訪れている間に超音波撮像機器を用いて配置しかつ追跡できるならば、有利でありかつよりコスト有効性に優れたものとなるであろう。なぜならば、多くの泌尿器科医は、彼らの診療所に既に超音波撮像機器を備えているからである。
【0003】
小さい医療器具の反射表面特性を改良することにより医療器具の超音波撮像を向上させる多くの試みがなされてきた。例えば、針の先端部に溝を切込んで針の表面に回折格子(defraction grating)を形成し、針の超音波反射を改善することが行われている。より詳しくは、間隔を隔てた溝は超音波反射の構造的干渉を生じさせ、従って、超音波撮像機器に対する最大反射を与えることができる。他の試みとして、医療器具の材料に、超音波反射性粒子をコーティングし、埋入しおよび/または混入する方法がある。この方法は、粒子と、患者の身体の組織または脈管との間の総インピーダンス差すなわちミスマッチを頼りにするものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記および他のコーティング方法は、異なる基板へのコーティングの塗布が困難なこと、コーティング厚さが過大になること、医療器具の反射表面の改質が複雑なこと等の多くの問題がある。従って、現在のシステムは或る程度進歩しているが、設計が簡単でかつ容易に製造できる改善された医療器具が要望されている。特に、これらの医療器具は、病院のX線透視設備を使用する必要なく、診療所を訪問している間に容易に配置および追跡できるものでなくてはならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、高度の超音波反射性をもつステント等のエコー源性医療器具に関する。エコー源性ステントは、患者の生物学的組織または脈管の所望位置まで前進できるように設計された細長チューブを有している。チューブは実質的に長手方向軸線に沿って延びているルーメンを有し、該ルーメンの少なくとも一部は、超音波撮像を向上させるための空気を捕捉すべくシールされる。細長チューブは、患者の生物学的組織または脈管の音響的インピーダンスとは異なる音響的インピーダンスをもつ材料からなり、この結果、患者の体内のチューブの超音波撮像を更に向上できる。ステントには、身体の組織または体腔から流体を排出させる第二ルーメンを設けることができる。細長チューブは、ポリエチレン等のプラスチック材料、または特定用途に基いて種々の形状に成形されおよび/または押出される任意の成形可能でしなやかな材料で作ることができる。ルーメンは任意の横断面形状にでき、かつ長手方向軸線に沿う任意の位置でシールできる。キンク抵抗性および超音波反射を高めるため、細長チューブ内にはコイル状スプリング等の構造体を一体成形できる。超音波反射の強さを調節するため、コイル間の間隔をチューブに沿って変えることができることは理解されよう。
【0006】
エコー源性ステントには、尿管のような身体の脈管すなわち通路内でステントを位置決めするためのカール状端部と、腎臓または膀胱のような組織または体腔内の流体を排出すべくルーメンに連結された複数の孔またはポートを更に設けることができる。ステントには空気を捕捉するための1つ以上のルーメンを設けて、ステントの超音波撮像を更に向上させることができる。空気捕捉ルーメンは約1mmの直径を有するが、超音波の波長は周波数および組織の種類に基いてかなり変化し、従って空気補足ルーメンは、特定用途に基いて変化することを理解すべきである。また、カール状端部のコイルは超音波反射を行うのにも使用できることは理解されよう。コイルは、音波の適正反射を行わせるため間隔を隔てることができる。カール状端部のコイル間の間隔も、超音波の適用および周波数に基いて変えることができる。
【0007】
本発明の他の態様では、所望位置まで前進されるように設計されたルーメンを備えかつ複数の多孔質粒子または気泡が形成されたステントが押出成形される。特に、押出加工中に発泡剤等の物質を添加して、ステントの押出中にステントの材料中にCO2ガスの発泡体を発生させることができる。CO2ガスの形成によって、完成したステントの押出形状または特性が気付くほど変化することはない。それどころか、CO2ガスは、ステント材料単独よりも、超音波に対する反射をより強くする。本発明の更に別の態様では、個々の要素のエコー源性がより高くなるように改造するか、編組形状を反射性が高くなるように調節することにより、所望位置まで前進できるように設計されたルーメンを備えたメッシュステントを有利に使用することができる。
【0008】
本発明の他の態様では、エコー源性ステントの製造方法は、ルーメンを備えた成形可能材料から細長チューブを形成する段階と、超音波反射を向上させる空気を捕捉すべく、ルーメンの少なくとも一部をシールする段階と、細長チューブを、患者の生物学的組織または脈管内に配置できる所望の形状に成形する段階とを有している。本発明の一態様では、前記材料は熱可塑性であり、前記形成段階は、溶融状態または液体状態の成形可能材料を加熱して細長チューブを形成する段階を更に有する。他の態様では、材料は熱硬化性であり、形成段階は、細長チューブを形成する化学反応またはプロセスを更に有する。熱可塑性材料は、患者の身体の組織または脈管の音響的インピーダンスとは異なる音響的インピーダンスを有することは理解されよう。本発明の方法は更に、硬質プラスチック粒子、砂粒子および/または金属粒子等の音反射粒子を、加工中に材料内に混入させる段階を有する。本発明の方法は更に、細長チューブ内にCO2ガスを発生させるべく、材料中に発泡剤を添加する段階を有する。
【0009】
本発明の特徴および長所は、ガイドワイヤ、針、カテーテル、シース等の他の小さい医療器具の超音波撮像を改善するのにも使用できることは理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、超音波撮像に使用される、本発明の第一実施形態によるエコー源性ステント100を示すものである。エコー源性ステント100は細長チューブ105を有し、該細長チューブ105は、ガイドワイヤ(図示せず)に沿って所望位置まで前進されるように設計された第一ルーメン110と、実質的に長手方向軸線120に沿って延びている第二ルーメン115とを備えている。エコー源性ステント100は、患者の生物学的組織または脈管内に挿入される。エコー源性ステント100は、患者の生物学的組織または脈管の音響的インピーダンスとは異なる音響的インピーダンスを有する材料からなり、これにより、患者の体内のチューブ105の超音波撮像が達成される。細長チューブ105は、特定用途に基いて種々の形状に成形されおよび/または押出される、任意の成形可能でしなやかなポリエチレンのようなプラスチック材料で作ることができる。
【0011】
ステント100が患者の組織または脈管内に挿入されたとき、患者の組織とステント100の材料との間の音響的インピーダンスの差は、一般に、撮像機器からの超音波ビームに応答して超音波反射を行うには不充分である。本発明の1つの特徴は、ステントの第二ルーメン115および/または付加ルーメン等のルーメン内に空気を捕捉することにより、ステントの超音波撮像を改善することにある。例えば、ルーメン115(該ルーメンは任意の断面形状にすることができる)は、空気を捕捉してステント100の超音波撮像を向上させるべく、長手方向軸線120に沿う任意の位置でシールすることができる。より詳しくは、閉鎖されたルーメン115内に捕捉された空気は、超音波エネルギを強く反射して、身体内のステント100の可視性を増大させる。好ましくは、ステント100の実質的に長手方向軸線120に沿って延びているルーメン115により、該ルーメン115内に捕捉された空気は、ルーメン115の全長に沿って、像を発生させる超音波レシーバまで音を反射できる。
【0012】
ステント100には更に、尿管等の脈管または体通路内にステントを位置決めするためのカール状端部125、130と、腎臓または膀胱等の体組織または体腔内の流体を第一ルーメン110を通して排出させるための複数の孔またはポート135とを設けることができる。ステント100には、空気を捕捉するための第三ルーメン140のような1つ以上のルーメンを設けて、ステントの超音波撮像を更に向上させることができることは理解されよう。図7に示すように、コイル状スプリング700のような構造を細長チューブに形成して、キンク抵抗および超音波反射を増大させることができる。超音波反射の強さを調節するため、スプリングコイル間の間隔を変えることができることも理解されよう。
【0013】
図2は図1のステント100の横断面図であり、ステント100は、ガイドワイヤを受入れる第一ルーメン110と、ほぼ円形の横断面をもつ第二ルーメン115とを有している。ルーメン115は約1mmの直径を有するが、超音波の波長は周波数および組織の種類に基いて変化し、従ってステントのルーメンの直径は特定用途に基いて変えることができることを理解すべきである。例えば、ルーメン115は、ルーメン115は約0.25〜6mmの範囲内の直径にすることができる。また、カール状端部125、130のコイルを用いて超音波反射を行わせることもできることも理解されよう。より詳しくは、図3に示すように、コイルは、音波の適正な反射が行えるように、密の間隔(例えば約1mm)に形成することができる。また、カール状端部のコイル間の間隔も、用途に基いて例えば約0.25〜6mmの範囲内で変えることができることも理解されよう。
【0014】
本発明のエコー源性ステント100の製造方法は、ルーメンを備えた成形可能な材料から細長チューブ105を形成する段階と、超音波反射を向上させるための空気を捕捉すべく、ルーメンの少なくとも一部をシールする段階と、細長チューブ105を、患者の生物学的組織または脈管内に配置される所望の形状に成形する段階とを有している。本発明の一態様では、材料は熱可塑性材料であり、前記形成段階は更に、溶融状態すなわち液状の成形可能材料を加熱して細長チューブ105を形成する段階を有する。他の態様では、材料は熱硬化性材料であり、前記形成段階は更に、細長チューブ105を形成する化学反応またはプロセスを有する。
【0015】
図4を参照すると、ここには、本発明のエコー源性ステントの形成方法が示されている。より詳しくは、細長チューブは、段階405で加熱され、次に、内部ルーメンを包囲すべく段階410で押出される。加熱段階は、成形可能材料を溶融状態すなわち液状に維持して、成形可能材料を、押出段階410中に所望形状に形成できるようにする。次に、細長チューブは、段階415で、特定長さに切断されおよび/または成形される。細長チューブには更に、排出ポートおよびルーメン、カール状および/またはテーパ状端部、およびプラスチック工業およびカテーテル工業で知られている他のこのような加工をすることができる。加熱段階405の前または加熱段階中に、成形可能材料と、硬質プラスチック粒子、砂粒子、金属粒子等の音反射性粒子とを混合して、超音波撮像能力を更に向上させることができる。図8には、音反射性粒子800と混合された材料から形成されたエコー源性ステントの一例が示されている。
【0016】
図5は、超音波撮像機器510を用いて患者の体内に挿入されかつ追跡されている本発明のエコー源性ステント100を示すものである。より詳しくは、超音波撮像は、医者または使用者が患者の脈管または器官を通してステント100を案内するときに行うことができる。より詳しくは、音波ビーム520がプローブ530により患者の脈管または器官に向けられると、ステント100は、細長チューブおよび包囲されたルーメンからのステントの反射または画像(これらの反射または画像は、脈管または器官の反射とは大きく異なる)を用いて追跡される。前述のように、ステント100の周囲に対するステント100の音響的インピーダンスは、撮像機器510からの音波ビーム520に応答してステント100の超音波画像を作るのに充分な大きさである。本発明の長所は、X線透視法ではなく超音波を用いてステントを配置しかつ追跡できることである。
【0017】
本発明の他の態様では、所望位置まで前進されるように設計されたルーメンを備えかつ複数の多孔質粒子または気泡が形成されたステントが押出成形される。また、押出加工中に発泡剤等の物質を添加して、ステントの押出中にステントの材料中にCO2ガスの発泡体を発生させることができる。CO2ガスの形成によって、完成したステントの押出形状または特性が気付くほど変化することはない。それどころか、CO2ガスは、ステント材料単独よりも、超音波に対する反射をより強くする。
【0018】
図6に示す本発明の更に別の態様では、個々の要素610のエコー源性がより高くなるように改造するか、編組形状を反射性が高くなるように調節するか、これらの両方を行うことにより、所望位置まで前進できるように設計されたルーメンを備えたメッシュステント600を有利に使用することができる。本発明の上記態様では、ガイドワイヤを前進させるのに使用されるルーメンを、ドレナージ(排液)に使用することもできる。
【0019】
本発明の特徴および長所は、ガイドワイヤ、針、カテーテル、シース等の他の小さい医療器具の超音波撮像を改善するのに使用することもできる。
以上、本発明の例示実施形態を示しかつ説明したが、当業者には、本発明の精神および範囲から逸脱しない他の多くの変更および置換は明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第一実施形態によるエコー源性ステントを示す斜視図である。
【図2】図1のエコー源性ステントの横断面図である。
【図3】本発明のエコー源性ステントのコイルのおおよその間隔を示す図面である。
【図4】本発明のエコー源性ステントの製造方法を示す概略図である。
【図5】超音波撮像機器を用いて患者体内に挿入および追跡される本発明のエコー源性ステントを示す図面である。
【図6】本発明の他の実施形態によるエコー源性ステントを示す図面である。
【図7】本発明の他の実施形態による細長チューブ内に形成されたコイル状スプリングを備えたエコー源性ステントを示す図面である。
【図8】本発明の他の実施形態による音反射性粒子と混合された材料で形成されたエコー源性ステントを示す図面である。
【符号の説明】
【0021】
100 エコー源性ステント
105 細長チューブ
110、115、140 第一、第二、第三ルーメン
125、130 カール状端部
510 超音波撮像機器
530 プローブ
600 メッシュステント
620 編組形状
700 コイル状スプリング
800 音反射性粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に長手方向軸線に沿って延びているルーメンを備えた細長チューブを有し、
該チューブは、生物学的組織または脈管の所望位置まで前進でき、
前記ルーメンの少なくとも一部は、超音波反射を向上させる空気を捕捉すべくシールされていることを特徴とする、患者の生物学的組織または脈管内に配置できるエコー源性ステント。
【請求項2】
前記ルーメンは第一ルーメンおよび第二ルーメンを有し、第一ルーメンは生物学的組織または脈管の所望位置まで前進でき、第二ルーメンの少なくとも一部は、超音波反射を向上させる空気を捕捉すべくシールされていることを特徴とする請求項1記載のエコー源性ステント。
【請求項3】
前記第一ルーメンは、生物学的組織または脈管から流体を排出させることもできることを特徴とする請求項2記載のエコー源性ステント。
【請求項4】
前記細長チューブは、生物学的組織または脈管の音響的インピーダンスとは異なる音響的インピーダンスをもつ材料を有することを特徴とする請求項1記載のエコー源性ステント。
【請求項5】
前記細長チューブは、所望形状に成形されまたは押出されるプラスチック材料から形成されることを特徴とする請求項1記載のエコー源性ステント。
【請求項6】
キンク抵抗性および超音波反射性を高めるべく細長チューブ内に形成されたコイル状スプリングを更に有することを特徴とする請求項1記載のエコー源性ステント。
【請求項7】
スプリングコイル間の間隔は、超音波反射の強さを調節すべく変えることができることを特徴とする請求項6記載のエコー源性ステント。
【請求項8】
前記細長チューブの遠位端に、生物学的組織または脈管内でのステントの位置決めを行うためのカール状端部が更に設けられていることを特徴とする請求項1記載のエコー源性ステント。
【請求項9】
前記細長チューブの近位端に、カール状端部が更に設けられていることを特徴とする請求項8記載のエコー源性ステント。
【請求項10】
前記カール状端部は、生物学的組織または脈管から流体を排出させるルーメンに連結された複数の孔またはポートを備えていることを特徴とする請求項8記載のエコー源性ステント。
【請求項11】
前記ルーメンは約0.25〜6mmの範囲内の直径を有することを特徴とする請求項1記載のエコー源性ステント。
【請求項12】
前記ルーメンは約1mmの直径を有することを特徴とする請求項1記載のエコー源性ステント。
【請求項13】
前記カール状端部は、超音波反射を行うべく互いに間隔を隔てているコイルを有することを特徴とする請求項8記載のエコー源性ステント。
【請求項14】
前記コイルは、約0.25〜6mmの範囲内で間隔を隔てていることを特徴とする請求項13記載のエコー源性ステント。
【請求項15】
前記コイルは約1mmの間隔を隔てていることを特徴とする請求項13記載のエコー源性ステント。
【請求項16】
前記第一および第二ルーメンの各々が、円形、楕円形、正方形、三角形、長方形、五角形および六角形を含む任意の幾何学的形状の横断面を有することを特徴とする請求項2記載のエコー源性ステント。
【請求項17】
長手方向軸線に沿って延びているルーメンを備えた細長チューブと、
該細長チューブの一部に沿って形成された複数の多孔質粒子または気泡とを有し、
前記細長チューブは、生物学的組織または脈管の所望位置まで前進でき、
超音波反射を向上させる複数の多孔質粒子または気泡が、前記チューブの一部に沿って形成されていることを特徴とする、患者の生物学的組織または脈管内に配置できる医療器具。
【請求項18】
前記ルーメンは、生物学的組織または脈管から流体を排出させることもできることを特徴とする請求項17記載の医療器具。
【請求項19】
前記細長チューブはプラスチック材料で形成されていることを特徴とする請求項17記載の医療器具。
【請求項20】
前記プラスチック材料は所望の形状に押出されることを特徴とする請求項19記載の医療器具。
【請求項21】
細長チューブ内にCO2ガスを形成すべく、押出加工中に添加された発泡剤を更に有することを特徴とする請求項20記載の医療器具。
【請求項22】
実質的に長手方向軸線に沿って延びているルーメンを備えた細長チューブと、
該細長チューブの一部の周囲に形成された複数の個々の要素を備えた編組またはメッシュとを有し、
前記チューブは、生物学的組織または脈管の所望位置まで前進でき、
前記編組またはメッシュは、超音波反射を向上させるべくチューブの一部の回りに形成されていることを特徴とする、患者の生物学的組織または脈管内に配置できるエコー源性ステント。
【請求項23】
前記ルーメンは、生物学的組織または脈管から流体を排出させることもできることを特徴とする請求項22記載のエコー源性ステント。
【請求項24】
超音波反射の強さは、編組またはメッシュの形状により一部が決定されることを特徴とする請求項22記載のエコー源性ステント。
【請求項25】
超音波反射の強さは、編組またはメッシュの個々の要素を調節することにより調節されることを特徴とする請求項24記載のエコー源性ステント。
【請求項26】
ルーメンを備えた成形可能材料から細長チューブを形成する段階と、
超音波反射を向上させる空気を捕捉すべく、ルーメンの少なくとも一部をシールする段階と、
細長チューブを、患者の生物学的組織または脈管内に配置できる所望の形状に成形する段階とを有することを特徴とする、患者の生物学的組織または脈管内に配置できるエコー源性ステントの製造方法。
【請求項27】
前記材料は熱可塑性であり、前記形成段階は、溶融状態または液体状態の成形可能材料を加熱して細長チューブを形成する段階を更に有することを特徴とする請求項26記載の製造方法。
【請求項28】
前記材料は熱硬化性であり、前記形成段階は、細長チューブを形成する化学反応またはプロセスを更に有することを特徴とする請求項26記載の製造方法。
【請求項29】
前記材料は、生物学的組織または脈管の音響的インピーダンスとは異なる音響的インピーダンスをもつ熱可塑性材料であることを特徴とする請求項26記載の製造方法。
【請求項30】
前記細長チューブの遠位端には、生物学的組織または脈管内でステントを位置決めするためのカール状端部が設けられていることを特徴とする請求項26記載の製造方法。
【請求項31】
前記カール状端部は、生物学的組織または脈管から流体の排出を行うためのルーメンに連結された複数の孔またはポートを有していることを特徴とする請求項30記載の製造方法。
【請求項32】
音反射性粒子を成形可能材料内に混合する段階を更に有することを特徴とする請求項26記載の製造方法。
【請求項33】
前記音反射性粒子は、超音波反射を更に向上させるための硬質プラスチック粒子、砂粒子および金属粒子のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項32記載の製造方法。
【請求項34】
細長チューブ内にCO2ガスを発生させるべく、材料中に発泡剤を添加する段階を更に有することを特徴とする請求項26記載の製造方法。
【請求項35】
第一可撓性および第一長さをもつ遠位側セクションと、
第二可撓性および第二長さをもつ近位側セクションとを有し、
遠位側セクションおよび近位側セクションの少なくとも一部に、超音波反射を向上させる複数の多孔質粒子または気泡が設けられていることを特徴とする医療器具。
【請求項36】
前記器具はガイドワイヤ、針またはカテーテルであることを特徴とする請求項35記載の医療器具。
【請求項37】
細長チューブを有し、該細長チューブは、近位端と遠位端との間で延びている第一ルーメンを備え、
チューブの近位端に配置されたハンドルを有し、該ハンドルは、拡開形状と、ほぼ遠位側を向いた第一表面と、ほぼ近位側を向きかつ器具をルーメン内に導入する形状を有する第二表面とを備え、
細長チューブは第二ルーメンを更に備え、該第二ルーメンの少なくとも一部は、超音波反射を向上させる空気を捕捉すべくシールされていることを特徴とする尿管アクセスシース。
【請求項38】
キンク抵抗性および超音波反射性を高めるための、細長チューブ内に成形されたコイル状スプリングを更に有することを特徴とする請求項37記載の尿管アクセスシース。
【請求項39】
超音波反射の強さを調節すべく、スプリングコイル間の間隔を変えることができることを特徴とする請求項38記載の尿管アクセスシース。
【請求項40】
前記第一表面は凹状であることを特徴とする請求項37記載の尿管アクセスシース。
【請求項41】
前記第二表面は凸状であることを特徴とする請求項40記載の尿管アクセスシース。
【請求項42】
前記第一表面は凸状であることを特徴とする請求項37記載の尿管アクセスシース。
【請求項43】
前記第二表面は凹状であることを特徴とする請求項42記載の尿管アクセスシース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−503965(P2007−503965A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533005(P2006−533005)
【出願日】平成16年5月11日(2004.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2004/014918
【国際公開番号】WO2004/103207
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(503000978)アプライド メディカル リソーシーズ コーポレイション (70)
【Fターム(参考)】