説明

エチニルエストラジオールを含むタナプロゲット組成物

【課題】 避妊およびホルモン置換療法のための、タナプロゲットを含む組成物が必要とされている。
【解決手段】 本発明は、ミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容されるその塩、およびエチニルエストラジオールを含む組成物、ならびにこれを調製するための方法が提供される。また、この組成物を備えるキット、避妊方法およびホルモン置換療法が提供され、これらは、ミクロ化タナプロゲットおよびエチニルエストラジオールを含む組成物を投与する工程を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
タナプロゲットおよびエチニルエストラジオールを含む組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
プロゲステロンレセプター(PR)調節因子(天然物および合成物)は、女性の健康において重要な役割を果たすことが公知であり、そしてしばしば出生制御組成物およびホルモン置換療法に使用される。
【0003】
タナプロゲット(tanaproget)、5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾキサジン−6−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリルは、プロゲステロンレセプター調節因子であり、避妊、ホルモン置換療法において効果的であり、そして癌および腺癌、機能不全性出血、子宮平滑筋種(uterine leiomyomata)、子宮内膜症、ならびに多嚢胞性卵巣症候群を処置するのに効果的である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
避妊およびホルモン置換療法のための、タナプロゲットを含む組成物が必要とされるものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
1局面において、ミクロ化タナプロゲット、または薬学的に許容されるその塩、およびエチニルエストラジオールを含む組成物が提供される。
【0006】
別の局面において、ミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容されるその塩、エチニルエストラジオール、結晶セルロース、無水ラクトース、クロスカルメロースナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムを含む組成物が提供される。
【0007】
さらなる局面において、ミクロ化タナプロゲットおよびエチニルエストラジオールを含む組成物を調製するためのプロセスが提供される。
【0008】
なお別の局面において、ミクロ化タナプロゲットおよびエチニルエストラジオールを含む組成物を含むキットが提供される。
【0009】
なおさらなる局面において、避妊方法が提供され、この方法は、ミクロ化タナプロゲットおよびエチニルエストラジオールを含む組成物を、これを必要とする女性に投与する工程を包含する。
【0010】
別の局面において、ホルモン置換療法の方法が提供され、この方法は、ミクロ化タナプロゲットおよびエチニルエストラジオールを含む組成物を、これを必要とする女性に投与する工程を包含する。
【0011】
本発明の他の局面および利点は、本発明の以下の詳細な説明から容易に明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
ミクロ化タナプロゲットおよびエチニルエストラジオールを含む効果的な医薬組成物が記載される。この組成物は、経口投薬形態へと容易に処方でき、そして直接圧縮錠に特によく適している。
【0013】
簡潔に述べると、タナプロゲットは、望ましくは窒素下で、非ミクロ化タナプロゲットに適用される従来のミクロ化技術(例えば、Trostまたはジェットミルを用いる技術)によってミクロ化される。非ミクロ化タナプロゲットを調製する1方法は、米国特許第6,436,929号に記載され、そして一般的には米国特許出願公開第2005−0272702(A1)号に記載される(これは本明細書により参考として援用される)。しかしながら、本発明は非ミクロ化タナプロゲットが作製される方法に制限されない。
【0014】
本発明に記載されるように調製したミクロ化タナプロゲットは、約20μm未満の粒子サイズ、望ましくは約15μm未満の粒子サイズ、さらに望ましくは約10μm未満の粒子サイズを有する。特に、マルバーン(Malvern)法(この方法は当業者に容易に理解される)により測定される場合、粒子の90%は約20μm以下であり、かつ粒子の50%が約15μm以下である。
【0015】
ミクロ化タナプロゲットは、タナプロゲットの互換異性体形態、ならびに医薬的または生理学的に許容可能な酸、塩基、アルカリ金属およびアルカリ土類金属から誘導される塩を包含する。また、タナプロゲットの誘導体が提供され、この誘導体としては、エステル、カルバメート、スルフェート、エーテル、オキシム、カルボネートなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
生理学的に許容可能な酸としては、無機酸および有機酸から誘導されるものが挙げられる。多くの無機酸が当該分野で公知であり、これら無機酸としてはとりわけ、塩酸、臭素酸、ヨウ素酸、硫酸、硝酸およびリン酸が挙げられる。同様に、種々の有機酸が当該分野で公知であり、これら有機酸としては、非限定的に、とりわけ乳酸、ギ酸、酢酸、フマル酸、クエン酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、グリコール酸、グルクロン酸、マレイン酸、フロ酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、サリチル酸、酒石酸、マロン酸、リンゴ酸(mallic acid)、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パントテン酸(panthenoic acid)、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ステアリン酸、スルファニル酸、アルギン酸、およびガラクツロン酸が挙げられる。
【0017】
生理学的に許容可能な塩基としては、無機塩基および有機塩基から誘導されるものが挙げられる。多くの無機塩基が当該分野で公知であり、これら無機塩基としては、とりわけ、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛の硫酸化合物またはリン酸化合物が挙げられる。多くの有機塩基が当該分野で公知であり、これら有機塩基としては、非限定的に、とりわけN,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン、およびプロカインが挙げられる。
【0018】
生理学的に許容可能なアルカリ塩およびアルカリ土類金属塩としては、非限定的に、エステル形態およびカルバメート形態のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩を挙げることができる。
【0019】
これらの塩ならびに非ミクロ化タナプロゲットおよびミクロ化タナプロゲットは、エステル形態、カルバメート形態および他の従来の「プロドラッグ」形態であってもよく、このプロドラッグ形態は、その形態で投与される場合、インビボで活性部分へと転換する。1実施形態において、プロドラッグはエステルである。例えば、B.TestaおよびJ.Caldwell,「Prodrugs Revisited:The "Ad Hoc" Approach as a Complement to Ligand Design」,Medicinal Research Reviews,16(3):233-241、版、John Wiley & Sons(1996)を参照のこと。
【0020】
本明細書中に考察されるミクロ化タナプロゲットはまた、「代謝物」を含み、これは、細胞または患者によりタナプロゲットを処理することにより形成される固有の産物である。望ましくは、代謝物はインビボで形成される。
【0021】
1実施形態において、組成物は、単位服用量の総重量に基づくミクロ化タナプロゲットと、組成物の他成分とを乾燥混合して(dry mixing)乾燥顆粒を形成することにより調製される。
【0022】
本明細書中以下に示されるように、用語「wt/wt」は、その組成物の総重量に基づく1成分の重量を指す。典型的にこの比率は、利用される場合、カプセルの重量、カプセルに利用される任意の増量剤の重量、およびシールコーティングの重量を含まない。
【0023】
(A.組成物)
本明細書中に記載される組成物は、タナプロゲットおよびエチニルエストラジオールの迅速な放出をもたらし、同時に保存条件下で安定であるように処方される。1実施形態において、組成物はミクロ化タナプロゲットおよびエチニルエストラジオールを含む。別の実施形態において、組成物はミクロ化タナプロゲット、エチニルエストラジオール、結晶セルロース(MCC)、無水ラクトース、クロスカルメロースナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムを含む。
【0024】
適切には、ミクロ化タナプロゲットは組成物において、約0.01%(wt/wt)〜1%(wt/wt)の量で存在する。1例において、組成物は、約0.1%〜約0.6%(wt/wt)の量でミクロ化タナプロゲットを含む。さらなる例において、組成物は、約0.17%〜約1%(wt/wt)の量でミクロ化タナプロゲットを含む。別の例において、組成物は約0.17%(wt/wt)の量でタナプロゲットを含む。さらなる例において、組成物は約0.35%(wt/wt)の量でタナプロゲットを含む。なお別の例において、組成物は約0.52%(wt/wt)の量でタナプロゲットを含む。この量は、患者に送達されるべきミクロ化タナプロゲットの量に依存して変動され得る。1実施形態において、組成物は約100μg〜約300μgのタナプロゲットを含み、そして望ましくは、約100μg、200μg、300μgのタナプロゲットを含む。
【0025】
典型的に、組成物に必要とされるタナプロゲットの量よりも過量のタナプロゲット(望ましくは5%過量)が利用される。別の実施形態において、組成物が過量のタナプロゲットを含む場合、この組成物は約105μg〜約315μgのタナプロゲット、そして望ましくは約105μg、210μgおよび315μgのタナプロゲットを含む。
【0026】
エチニルエストラジオールもまた本明細書中に記載される組成物に存在する。エチニルエストラジオールは、別個の成分として組成物に添加できるか、または1つ以上の賦形剤と共に添加され得る。1例において、エチニルエストラジオールは別個の成分として組成物に添加され、そして組成物の約0.03%〜約0.05%(wt/wt)を占める。別の例において、エチニルエストラジオールは別個の成分として添加され、そして組成物の約0.035%(wt/wt)を占める。1実施形態において、組成物は約20μgのエチニルエストラジオールを含む。
【0027】
典型的に、組成物に必要とされるエチニルエストラジオール量よりも過量のエチニルエストラジオール(望ましくは5%過量)が利用される。別の実施形態において、組成物は約21μgのエチニルエストラジオールを含む。
【0028】
エチニルエストラジオールはまた、他の賦形剤と組合わせて添加でき、そして望ましくは無水ラクトースとの混合物として添加され得る。1実施形態において、エチニルエストラジオール供給源は、無水ラクトース中に2%のエチニルエストラジオールを含む粉砕物であり、これによってこのエチニルエストラジオールは無水ラクトース中の粉砕物のうち約2%(wt/wt)を占める。本明細書中で使用される場合、用語「粉砕物」は、微細な粒子および/または粉末を含む組成物をいう。1例において、組成物は組成物の約1%〜約2%(wt/wt)の量でラクトース中にエチニルエストラジオール2%の粉砕物を含む。別の例において、組成物は、その組成物の約1.75%(wt/wt)の量でラクトース中のエチニルエストラジオール約2%粉砕物を含む。この量は、患者に送達されるべきエチニルエストラジオールの量に依存して、変動され得る。
【0029】
組成物はまた結晶セルロース(MCC)を含み得る。典型的に、結晶セルロースは組成物の約30%〜約60%(wt/wt)を占める。1実施形態において、MCCは組成物の約30%〜約56%(wt/wt)を占める。さらなる例において、MCCは組成物の約54%(wt/wt)を占める。別の例において、MCCは組成物の約54.5%(wt/wt)を占める。さらなる例において、MCCは組成物の54.4%を占める。さらに別の例において、MCCは組成物の約54.3%を占める。
【0030】
無水ラクトースもまた、本明細書中に記載される組成物に含まれ得る。典型的に、無水ラクトースは組成物の約30%〜約56%(wt/wt)を占める。1例において、無水ラクトースは組成物の約37%(wt/wt)を占める。さらなる例において、無水ラクトースは組成物の約38%(wt/wt)を占める。別の例において、無水ラクトースは組成物の約39%(wt/wt)を占める。さらに、さらなる例において、無水ラクトースは組成物の約37.3%(wt/wt)を占める。なおさらなる例において、無水ラクトースは組成物の約37.2%(wt/wt)を占める。さらに別の例において、無水ラクトースは組成物の約37.15%(wt/wt)を占める。さらなる例において、無水ラクトースは組成物の約38.9%(wt/wt)を占める。なお別の例において、無水ラクトースは組成物の約38.8%(wt/wt)を占める。
【0031】
組成物はさらにクロスカルメロースナトリウムを含み得る。典型的に、クロスカルメロースナトリウムは組成物の約2%〜約6%(wt/wt)を占める。1例において、クロスカルメロースナトリウムは組成物の約6%(wt/wt)を占める。
【0032】
ステアリン酸マグネシウムもまた組成物に含まれ得る。典型的に、ステアリン酸マグネシウムは組成物の約0.25%〜約0.5%(wt/wt)を占める。1例において、ステアリン酸マグネシウムは組成物の約0.25%(wt/wt)を占める。
【0033】
1実施形態において、組成物は、約0.175%(wt/wt)のミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容されるその塩、約0.035%(wt/wt)のエチニルエストラジオール、約54.5%(wt/wt)の結晶セルロース、約37.3%(wt/wt)の無水ラクトース、約6%(wt/wt)のクロスカルメロースナトリウム、および約0.25%(wt/wt)のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0034】
別の実施形態において、組成物は、約0.35%(wt/wt)のミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容されるその塩、約0.035%(wt/wt)のエチニルエストラジオール、約54.4%(wt/wt)の結晶セルロース、約37.2%(wt/wt)の無水ラクトース、約6%(wt/wt)のクロスカルメロースナトリウム、および約0.25%(wt/wt)のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0035】
さらなる実施形態において、組成物は、約0.525%(wt/wt)のミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容されるその塩、約0.035%(wt/wt)のエチニルエストラジオール、約54.3%(wt/wt)の結晶セルロース、約37.15%(wt/wt)の無水ラクトース、約6%(wt/wt)のクロスカルメロースナトリウム、および約0.25%(wt/wt)のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0036】
さらに別の実施例において、組成物は、約0.525%(wt/wt)のミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容されるその塩、約0.035%(wt/wt)のエチニルエストラジオール、約54.5%(wt/wt)のMCC、約39%(wt/wt)の無水ラクトース、約6%(wt/wt)のクロスカルメロースナトリウム、および約0.25%(wt/wt)のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0037】
なおさらなる実施形態において、組成物は、約0.35%(wt/wt)のミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容されるその塩、約0.035%(wt/wt)のエチニルエストラジオール、約54.4%(wt/wt)のMCC、約39.0%(wt/wt)の無水ラクトース、約6%(wt/wt)のクロスカルメロースナトリウム、および約0.25%(wt/wt)のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0038】
さらに別の実施形態において、組成物は、約0.5250%(wt/wt)のミクロ化タナプロゲット、約0.035%(wt/wt)のエチニルエストラジオール、約54.3%(wt/wt)のMCC、約38.9%(wt/wt)の無水ラクトース、約6%(wt/wt)のクロスカルメロースナトリウム、および約0.25%(wt/wt)のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0039】
本明細書中に記載される組成物の調製方法に関して限定することなく、適切なミクロ化タナプロゲット組成物が表1に提供される。
【表1】

【0040】
適切なミクロ化タナプロゲット組成物の別の例が表2に提供される。
【表2】

【0041】
適切なミクロ化タナプロゲット組成物のさらなる例が表3に提供される。
【表3】

【0042】
適切なミクロ化タナプロゲット組成物のさらに別の例が表4に提供される。
【表4】

【0043】
適切なミクロ化タナプロゲット組成物のさらなる例が表5に提供される。
【表5】

【0044】
適切なミクロ化タナプロゲット組成物のさらに別の例が表6に提供される。
【表6】

【0045】
組成物は典型的に、ミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容されるその塩、エチニルエストラジオール、MCC、クロスカルメロースナトリウム、無水ラクトース、およびステアリン酸マグネシウムを合わせる工程、ならびにその混合物を混合する工程または造粒する工程により調製される。望ましくは、組成物は、組成物中の成分を乾燥混合する工程(dry mixing)、またはローラー凝縮(roller compaction)、スラッグ工程(slugging)もしくはそれらの組み合わせなどの技術を使用して組成物中の成分を造粒することによって調整され、乾燥した造粒物が形成される。
【0046】
本明細書中で使用される場合、用語「ローラー凝縮」とは、2種以上の固体材料を2つの回転するロール(望ましくは対向して回転するロール)間で凝縮して固体のリボンを形成するプロセスをいう。次いで、これらのリボンは、組成物を形成するため、粉砕工程を含むさらなる工程に供される。
【0047】
本明細書中で使用される場合、用語「スラッグ工程(スラッグすること)」とは、2種以上の固体材料をプレス機にて圧縮するプロセスをいい、典型的には巨大錠を調製するために利用されるプレス機よりも巨大なプレス機を使用する。次いで、これらの錠剤は、粉砕工程を含むさらなる工程に供され、組成物を形成する。
【0048】
また、成分が当業者に決定される場合であってプロセスの要件によって決定される場合、顆粒外在性(extragranular)形態あるいは顆粒内在性(intragranular)形態であってもよい。
【0049】
さらに、種々の器具が本明細書中に記載されるプロセスを実施するために利用でき、これら器具としてはとりわけ、小サイズ、中サイズおよび大サイズのバッグ、種々のサイズのスクリーン(篩)、ならびにブレンダーが挙げられる。
【0050】
このプロセスはまた、組成物を凝縮させる工程または粉砕する工程を含むことができ、典型的には当業者により選択されるコンパクターおよびミルを使用する。粉砕工程は典型的に種々のサイズの粒子(すなわち、巨大粒子、粉末および微細粉末)について実施され、優先的かつより均一な粒子サイズを得る。粉砕工程は、所望の粒子サイズを達成するため分離工程、再利用工程(recycling step)および篩過工程をいくつか含むことができる。
【0051】
望ましくは、組成物は、その組成物の溶解を可能にするのに最適なサイズの粒子を含むことができ、そしてさらに望ましくは、それら粒子は約100μm以下である。組成物の粒子サイズは、典型的に、固体組成物を種々のサイズのスクリーンに通過させることによって測定される。1実施形態において、約8%の粒子は約350μm以上である。別の実施形態において、約28%の粒子が約180μm以上である。さらなる実施形態において、約34%の粒子が約150μm以上である。さらに別の実施形態において、約39%の粒子は約125μm以上である。なお別の実施形態において、約49%の粒子が約89μm以上である。さらなる実施形態において、約64%の粒子が約75μm以上である。さらに別の実施形態において、約90%の粒子が約45μm以上である。
【0052】
組成物の粒子が最適サイズより大きい場合、かつ同一粒子が未だカプセル中にカプセル充填されていない場合、同一粒子はとりわけ、さらなる粉砕工程および篩過工程に供されてその粒子サイズを低減される。
【0053】
このプロセスは典型的に組成物を経口投与に適切な形態へと圧縮する工程を包含し、典型的には錠剤またはカプレットである。錠剤またはカプレットへと圧縮される場合、当業者は本明細書における使用に適した打錠機(Tablet Press)を容易に選択できる。しかしながら、このような打錠機の1例としては、とりわけStokes(登録商標)B2 打錠機が挙げられる。
【0054】
1実施形態において、本明細書中に記載されるように調製された錠剤が1カプセル中に入れられる。望ましくは、カプセルはヒドロキシプロピルメチルセルロースカプセルまたはヒプロメロースカプセルである。このカプセルは必要に応じて錠剤をその中に入れたままシールされ得るか、または錠剤を収容するカプセルに増量剤が添加され得る。典型的に、増量剤はMCC、クロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを含む。望ましくは、増量剤を添加する前にカプセル中に錠剤が入れられる。1実施形態において、0.1mgのタナプロゲットおよび20μgのエチニルエストラジオールを含む錠剤が、カプセル中に入れられる。別の例において、0.2mgのタナプロゲットおよび20μgのエチニルエストラジオールを含む錠剤がカプセル中に入れられる。さらなる例において、0.3mgのタナプロゲットおよび20μgのエチニルエストラジオールを含む錠剤がカプセル中に入れられる。
【0055】
別の実施形態において、本明細書中に記載されるように調製された錠剤は、カプセル充填なしに利用される。1例において、0.1mgのタナプロゲットおよび20μgのエチニルエストラジオールがカプセル中に入れられる。別の例において、0.2mgのタナプロゲットおよび20μgのエチニルエストラジオールを含む錠剤がカプセル中に入れられる。さらなる例において、0.3mgのタナプロゲットおよび20μgのエチニルエストラジオールを含む錠剤がカプセル中に入れられる。
【0056】
錠剤は、適宜フィルムコーティングされる。適切なフィルムコーティングは当業者に公知である。例えば、フィルムコーティングは、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコールおよびこれらの組み合わせなどの適切なポリマーの中から選択することができる。他の適切なフィルムコーティングも当業者は容易に選択することができる。典型的に、錠剤は、Opadry(商標)シールコートによりコーティングされる。利用される場合、フィルムコートの重量パーセントは一般に、錠剤の2%(wt/wt)〜6%(wt/wt)の範囲にある。
【0057】
本発明に従って調製される場合、組成物を含む錠剤、カプセルまたは錠剤入りカプセル(tablets-in-capsules)は、約15分後に約94%〜約100%のタナプロゲットを放出する。
【0058】
(B.組成物の安定性)
本明細書中に記載される組成物は、変動性の温度および湿度において保存したサンプルに関して、約1月の期間にわたって安定である。本明細書中で使用する場合、安定という用語は、本発明の組成物の分解が1%未満であることをいう。典型的に、組成物中で分解するのはタナプロゲットである。望ましくは、組成物は、約20℃/相対湿度50%から約45℃/相対湿度75%まで、そして約25℃の温度において安定である。
【0059】
1実施形態において、組成物は低温で保存され、望ましくは約5℃の温度で保存される。また、この組成物は、水、空気および湿気なしに保存されることが望ましい。
【0060】
別の実施形態において、組成物は室温で保存される。典型的に、安定剤(例えば、システイン、チオ硫酸ナトリウム、またはこれらの組み合わせ)をこの組成物に添加して、室温における安定性を維持する。
【0061】
(C.組成物の追加成分)
他の適切な成分を組成物に添加してもよい。但し、同一成分はまだ存在せず、当業者に容易に明らかとなる。典型的に、追加成分は不活性であり、組成物のうちの必要成分の機能を妨害しない。従って、組成物はさらに、とりわけ、他のアジュバント、シロップ、エリキシル、希釈剤、賦形剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、顆粒化剤、分解剤(disintegrating agent)、軟化剤、金属キレート剤、pH調整剤、界面活性剤、増量剤、崩壊剤(disintegrant)、およびそれらの組み合わせを含み得る。
【0062】
アジュバントとしては、非限定的に、矯味矯臭剤、着色剤、保存剤および補充の酸化防止剤(これらとしては、ビタミンE、アスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)およびブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、システインおよびチオ硫酸ナトリウムが挙げられ得る)を挙げることができる。
【0063】
結合剤としては、非限定的に、とりわけ以下が挙げられ得る:ポビドン、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、非結晶セルロース、ポリプロピルピロリドン、ポリビニルピロリドン(ポビドン、PVP)、ゼラチン、アラビアゴムおよびアカシアゴム、ポリエチレングリコール、デンプン、糖(例えば、ショ糖、カオリン、デキストロースおよびラクトース)、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、ゼラチン、カゼイン、レシチン(ホスファチド)、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、セチルエステルワックス、デキストレート、デキストリン、モノオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンステアリン酸、ポリビニルアルコール、ならびにゼラチン。1実施形態において、結合剤はポビドンである。
【0064】
滑沢剤としては、とりわけ、軽質無水ケイ酸、タルク、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、およびステアリルフマル酸ナトリウム(sodium stearyl furamate)が挙げられ得る。1実施形態において、滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。
【0065】
賦形剤としては、非限定的に、とりわけ二酸化ケイ素、デンプン、炭酸カルシウム、ペクチン、およびクロスポビドン(ポリプラスドン)が挙げられ得る。
【0066】
分解剤または崩壊剤としては、とりわけ、デンプン、カルボキシメチルセルロース、置換ヒドロキシプロピルセルロース、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルファー化デンプン、またはクロスポビドン挙げられ得る。
【0067】
軟化剤としては、非限定的に、ステアリルアルコール、ミンクオイル、セチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリル酸イソプロピル、ポリエチレングリコール、オリーブ油、ワセリン、パルミチン酸、オレイン酸、およびミリスチン酸ミリスチルが挙げられ得る。
【0068】
界面活性剤としては、ポリソルビン酸、ソルビタンエステル、ポロキサマー(poloxamer)またはラウリル硫酸ナトリウムが挙げられ得る。1実施形態において、界面活性剤はラウリル硫酸ナトリウムである。
【0069】
金属キレート剤としては、生理学的に許容可能なキレート剤を挙げることができ、エデト酸、リンゴ酸またはフマル酸が挙げられる。1実施形態において、金属キレート剤はエデト酸である。
【0070】
また、pH調整剤を利用して、タナプロゲットを含む溶液のpHを約4〜約6に調節することができる。1実施形態において、タナプロゲットを含む溶液のpHは、約4.6のpHに調整される。pH調整剤としては生理学的に許容可能な薬剤を挙げることができ、クエン酸、アスコルビン酸、フマル酸、またはリンゴ酸、およびそれらの塩が挙げられる。1実施形態において、pH調整剤はクエン酸である。
【0071】
組成物に使用され得るさらなる増量剤としては、マンニトール、リン酸カルシウム、アルファー化デンプンおよびショ糖が挙げられる。
【0072】
(D.組成物を使用する方法)
さらに、患者にタナプロゲットを送達する方法を提供し、ここでこの方法は、本発明に従ってミクロ化タナプロゲットの投与単位を投与する工程を包含する。
【0073】
タナプロゲットの投薬量要件は、提示される症状の重篤度および処置されている特定の被験体に基づき変動させてよい。処置は最適用量のタナプロゲットよりも少ない小さな投薬量で開始することができる。その後、この投薬量は、その状況下で最適な効果に至るまで増加される。正確な投薬量は、処置される被験体個々が受ける体験に基づき、投薬する医者によって決定される。一般に、組成物は最も望ましくは、許容できない損害性の(harmful)副作用も有害な(deleterious)副作用も引き起こすことなく有効な結果を概ねもたらす濃度にて投与される。例えば、ミクロ化タナプロゲットの有効量は、一般に、例えば約100μg〜約300μg、約100μg、約200μg、または約300μgである。
【0074】
従って、ミクロ化タナプロゲットを含むこれらの組成物は、避妊およびホルモン置換療法に有効である。この組成物はまた、避妊、ならびに子宮筋層線維症、良性前立腺肥大、良性および悪性の新生物疾患、機能不全性出血、子宮平滑筋種、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群、および下垂体、子宮内膜、腎臓、卵巣、乳房、結腸および前立腺の癌および腺癌ならびに他のホルモン依存性腫瘍の処置ならびに/または予防に有用である。この組成物のさらなる使用としては、食物摂取の刺激が挙げられる。
【0075】
組成物は、患者に対する送達に適切な投薬単位に形成される。適切な投薬単位としては、経口投薬単位、例えば、直接圧縮錠、カプレット、カプセル、粉末、懸濁物、ミクロカプセル、分散性粉末、顆粒、懸濁物、シロップ、エリキシル、およびエアロゾルが挙げられる。望ましくは、組成物は、錠剤またはカプレットに圧縮され、これは必要に応じてカプセルに加えられるか、または組成物は直接カプセルに加えられる。本発明の組成物はまた、他の適切な経路による送達のために処方することができる。これらの投与単位は、本明細書中に記載される方法および当業者に公知の方法を使用して容易に調製される。
【0076】
ミクロ化タナプロゲットを含む固体形態(錠剤、カプレットおよびカプセルが挙げられる)は、上記の成分とタナプロゲットとを乾式混合することにより形成することができる。1実施形態において、カプセルとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースカプセル、ヒプロメロースカプセル、またはハードシェルのゼラチンカプセルが挙げられる。タナプロゲットを含む錠剤またはカプセルは、適宜フィルムコーティングされる。適切なフィルムコーティングは当業者に公知である。例えば、フィルムコーティングは、ポリマーの中から、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、およびこれらの組み合わせから選択することができる。
【0077】
医薬的有効量のタナプロゲットは、組成物の成分、送達様式、処置されている状態の重篤度、患者の年齢および体重、ならびにその組成物中に使用される他の任意の活性成分に依存して変動することができる。投薬量レジメンもまた、最適な治療応答をもたらすように調節することができる。いくつかの分割用量(例えば、1日あたり2〜4回の分割用量)を毎日送達することができるか、または単回で用量を送達することができる。しかしながら、この用量は、治療状態の緊急性により必要性が示された場合、比率を低減しても増加してもよい。1実施形態において、送達は1日ベース、1週間ベース、または1ヶ月ベースである。別の実施形態において、送達は、毎日の送達である。しかしながら、1日投薬量は、定期的な送達に基づき、低下させても上昇させてもよい。
【0078】
避妊またはホルモン置換治療において使用される場合、組成物は、とりわけ1つ以上の他のプロゲステロンレセプターアゴニスト、エストロゲンレセプターアゴニスト、プロゲステロンレセプターアンタゴニストおよび選択的エストロゲンレセプター調節因子と組み合わせて投与できることが企図される。
【0079】
新生物疾患、癌および腺癌を処置するために利用される場合、組成物は、当業者により容易に選択され得る1つ以上の化学療法剤と組み合わせて投与することができる。
【0080】
(E.キット)
また、ミクロ化タナプロゲットおよびエチニルエストラジオールを含む錠剤、カプレットまたはカプセルを収容するキットまたは包装物が提供される。このキットは、上記で考察した哺乳動物被験体への投与に適したタナプロゲットおよびエチニルエストラジオールおよびキャリアを含む錠剤、カプレットまたはカプセルを備えることができる。典型的に、錠剤、カプレットまたはカプセルはブリスターパックに包装され、望ましくはUltrx(商標)2000ブリスターパックに包装される。
【0081】
組成物を収容するキットまたは包装物は、本明細書中に記載されるレジメンにおける使用のために設計される。望ましくは、これらのキットは、とりわけ21日サイクル、28日サイクル、30日サイクルまたは31日サイクルにわたる毎日の経口送達のため、そしてより望ましくは1日あたり1回の経口送達のために設計される。この組成物が連続的に送達されるとき、包装物またはキットはそれぞれの錠剤中またはカプレット中に組成物を含むことができる。組成物が一定期間の間断で送達されるとき、包装物またはキットは組成物が送達されない日におけるプラセボを備えることができる。
【0082】
さらなる成分が組成物と同時投与でき、それらとしてはとりわけ、妊娠誘発剤、エストロゲン、および選択的エストロゲンレセプター調節因子を挙げることができる。
【0083】
キットはまた、サイクルのそれぞれの日に服用されるべき単回の経口処方物または経口処方物の組み合わせを示すように構成され、望ましくは特定される各日に服用されるべき経口錠剤またはカプレットを備え、そしてさらに望ましくは、1つの経口錠剤またはカプレットは指示される1日の各投薬量の組合わせを含む。
【0084】
1実施形態において、キットは、21日サイクル、28日サイクル、30日サイクルまたは31日サイクルにわたる、本発明の組成物の1日投薬量について一つ(single)の段階部(phase)を含むことができる。あるいは、キットは、28日サイクル、30日サイクルまたは31日サイクルのうちの最初の21日にわたる、組成物の1日投薬量について一つの段階部を含むことができる。キットはまた、30日サイクルまたは31日サイクルのうちの最初の28日にわたる、組成物の1日投薬量について一つの段階部を含むことができる。
【0085】
さらなる実施形態において、キットは、21日サイクル、28日サイクル、30日サイクルまたは31日サイクルにわたる、組成物および抗黄体ホルモンの1日投薬量について一つの組合わせられた段階部を含んでよい。あるいは、キットは、28日サイクル、30日サイクルまたは31日サイクルの最初の21日にわたる、組成物および抗黄体ホルモンの1日投薬量について一つの組合わせられた段を含むことができる。キットはまた、30日サイクルまたは31日サイクルの最初の28日にわたる、組成物および黄体ホルモンの1日投薬量について一つの組合わせられた段階部を含むことができる。
【0086】
別の実施形態において、28日キットは、組成物の14〜28回の1日投薬量単位である第一段階部;および経口の薬学的に許容されるプラセボの0〜7回の1日投薬量単位である第二段階部を含んでよく、ここでこの1日投薬量単位の総数は28である。
【0087】
なお、さらなる実施形態において、28日キットは、組成物の14〜21回の1日投薬量単位である第一段階部;経口の薬学的に許容されるプラセボの0〜7回の1日投薬量単位である第二段階部を含んでもよい。
【0088】
別の実施形態において、28日キットは、組成物の18〜21回の1日投薬量単位である第一段階部;薬学的に許容されるプラセボの0〜7回の1日用量単位である第二段階部を含むことができる。
【0089】
なお、さらなる実施形態において、28日キットは、組成物の14回の1日投薬量単位である第一段階部;および経口の薬学的に許容されるプラセボの14回の1日単位である第三段階部を含むことができる。
【0090】
さらに別の実施形態において、28日キットは、組成物の17回の1日投薬量単位である第一段階部;および経口の薬学的に許容されるプラセボの11回の1日単位である第三段階部を含んでもよい。
【0091】
なおさらなる実施形態において、28日キットは、組成物の21回の1日投薬量単位である第一段階部;および経口の薬学的に許容されるプラセボの7回の1日単位である第三段階部を含んでよい。
【0092】
望ましくは、タナプロゲットの1日投薬量は、それが送達される特定の段階中で固定されたままである。さらに、記載の1日用量単位が、第一段階部から順に第二段階部、第三段階部へと続く記載の順番で送達されることが好ましい。また、各々のレジメンを用いるコンプライアンスを容易にするのを助けるため、キットはサイクルの最終日について記されたプラセボを含むことが好ましい。
【0093】
経口使用のための医薬品を分配する使用のため、多くの包装物またはキットが当該分野で公知である。望ましくは、包装物は28日のサイクルの各日に対する指標を有し、より望ましくは包装物はラベルの付いたブリスター包装物であるか、ダイヤル式ディスペンサー包装物であるか、またはボトルである。
【0094】
キットはさらに、タナプロゲット組成物を投与するための指示書を備えることができる。
【0095】
また、出産年齢の女性に対する避妊の用意、またはホルモン置換療法を必要とする女性に対するホルモン置換療法の用意における同時使用、分割使用または連続使用のための1組みの調製物として、ミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容されるその塩、およびエチニルエストラジオールを含む製品が提供される。
【0096】
以下の実施例は、本発明を例示するために提供され、本発明の範囲を制限しない。当業者は、特定の試薬および条件が以下の実施例に概説されているが、改変が可能であり、これら改変が本発明の本質および範囲に包含されると意味されることを、理解する。
【実施例】
【0097】
(実施例1−ミクロ化タナプロゲットおよびエチニルエストラジオールを含む組成物)
本実施例についての組成物を、以下のプロトコルを使用し、そして表7の成分を使用して製造した。
【表7】

【0098】
MCCおよび無水ラクトースを30メッシュハンドスクリーンに通し、増強バー(ピンバー)を取付けたPK−ブレンダーに移し、そして増強バーを作動させずに1分間ブレンドした。第2部分のMCCおよび無水ラクトースを30番メッシュのハンドスクリーンに通し、適切なサイズのプラスチックバッグに入れ、そして1分間ブレンドした。第3部分のMCCを30番メッシュのスクリーンに通し、より小さなプラスチックバッグに入れ、そしてこのバッグを15秒間振り混ぜた。この第3部分のMCCを収容するバッグにタナプロゲットを加え、1分間ブレンドした。第3部分の無水ラクトースを30番メッシュのハンドスクリーンに通し、そのMCCおよびタナプロゲットを収容しているバッグに入れ、1分間ブレンドした。次いで、このブレンドした材料を30番メッシュのハンドスクリーンに通して、上記第2部分のMCCおよび無水ラクトースを収容しているより大きなバッグに入れた。その空にしたバッグを、第4部分および第5部分のMCCおよび無水ラクトースをバッグ内で1分間混合することによって2回リンスした。このリンスしたものを、上記のタナプロゲットを篩過するために使用した30番メッシュのスクリーンに通して、タナプロゲットと第3部分のMCCおよび無水ラクトースを収容しているより大きなバッグに移した。第6部分のMCCおよび無水ラクトースを、上記の2回のリンスに使用した30番メッシュのハンドスクリーンに通して、タナプロゲットと第3部分のMCCおよび無水ラクトースとを収容しているプラスチックバッグに移した。このバッグをブレンドして、予備ブレンドを形成した。この予備ブレンドを、第1部分のMCCおよび無水ラクトースを収容するPK−ブレンダーに移した。予備ブレンドを収容していた空にしたバッグを、30番メッシュのハンドスクリーンに通した第7部分および第8部分のMCCおよび無水ラクトースをバッグに入れて2分間振り混ぜることで、2回リンスした。このリンスしたものをPK−ブレンダーに移した。
【0099】
第9部分のMCCおよび無水ラクトースを30番メッシュのハンドスクリーンに通してプラスチックバッグに入れ、この材料をブレンドした。エチニルエストラジオールの2.0%粉砕物を30番メッシュのスクリーンに通して、上記第9部分のMCCおよび無水ラクトースを入れたプラスチックバッグに入れ、そして混合した。第10部分のMCCおよび無水ラクトースを30番メッシュのハンドスクリーンに通し、上記第9部分のMCCおよび無水ラクトースとエチニルエストラジオールを収容している同じプラスチックバッグに移し、そしてこれらの材料を混合した。第11部分のMCCおよび無水ラクトースを30番メッシュのハンドスクリーンに通し、エチニルエストラジオールを収容しているバッグに移し、この材料を混合し、そしてPK−ブレンダーに移した。クロスカルメロースナトリウムを30番メッシュのハンドスクリーンに通し、上記の第11部分のMCCおよび無水ラクトースを収容するプラスチックバッグに直接入れた。第12部分のMCCおよび無水ラクトースを30番メッシュのハンドスクリーンに通し、クロスカルメロースナトリウムを収容しているプラスチックバッグに直接入れ、このバッグを振り混ぜ、そしてこの振り混ぜた材料をPK−ブレンダーに移した。第13部分のMCCおよび無水ラクトースを30番メッシュのハンドスクリーンに通して、上記第12部分のMCC/無水ラクトース/クロスカルメロースナトリウムを収容するプラスチックバッグに直接入れ、振り混ぜ、そしてPK−ブレンダーに移した。第14部分のMCCおよび無水ラクトースを30番メッシュのハンドスクリーンに通し、PK−ブレンダーに移し、そしてこの材料をブレンドした。
【0100】
顆粒内在分(intra-granular portion)のステアリン酸マグネシウムを30番メッシュのハンドスクリーンに通してプラスチックバッグに入れ、このスクリーンを、ブレンダーからのほぼ等量分のブレンドによりリンスし、そしてこの予備ブレンドをブレンドした。顆粒内在分のステアリン酸マグネシウムを含む予備ブレンドをPKブレンダーに移し、混合した。このブレンドをPKブレンダーから取り出し、二重のポリバッグで内張りした(double poly-lined)容器に入れた。即時に利用されない場合、このブレンドを光なしおよび2つのポリバッグの間に2つの乾燥剤バッグを使用して水分なしで、約2℃〜約8℃の低温で保存した。
【0101】
このタナプロゲットのブレンドをローラーコンパクターを使用してリボン状に凝縮した。この凝縮したリボンをFitz-MillモデルDを使用して、33番プレート、低速および順方向のナイフにより粉砕した。この粉砕した材料を30番メッシュスクリーンを使用して篩過し、スクリーン上およびFitz-Millのプレート上の材料を収集した。30番メッシュのスクリーンを通した材料を次に120番メッシュのスクリーンに通した。この120番メッシュのスクリーン上に留まった材料をプラスチックバッグに保存した。120番メッシュを通過した粉末をローラーコンパクターを使用して凝縮し、凝縮したリボンをFitz-MillモデルDを使用して、33番プレートにより、低速および順方向のナイフにて粉砕した。粉砕した材料を30番メッシュのスクリーンに通し、30番メッシュのスクリーン上に留まった材料を上記のFitz-Millのプレート上に留まった粉砕した材料合わせた。スクリーン上およびFitz-Millのプレート上に留まった材料の全てを収集し、乳鉢および乳棒を使用して手動で粉砕し、30番メッシュのスクリーンに通した。30番メッシュを通過した全ての材料を合わせ、この合わせた材料の半分をPK−ブレンダーに移した。
【0102】
顆粒外在分(extragranular portion)のクロスカルメロースナトリウムを30番メッシュのスクリーンに通過させてプラスチックバッグに入れ、このスクリーンを上記30番メッシュのスクリーンを通過した材料の一部によりリンスしてそのバッグに移し、そのバッグ内のブレンドを混合し、そしてこのブレンドした材料をPK−ブレンダーに移した。上記30番メッシュのスクリーンを通過した材料の残分をPK−ブレンダーに移し、この材料を混合した。顆粒外在分のステアリン酸マグネシウムを30番メッシュのスクリーンを通過させてプラスチックバッグに入れ、このスクリーンをブレンダーからの材料の一部によりリンスし、そしてこのバッグをブレンドして予備混合物を形成した。この予備混合物をPK−ブレンダーに移して2分間ブレンドした。ブレンドした予備混合物をPK−ブレンダーから取り出し、二重のポリバッグで内張りした容器に入れ、そして光なしおよび2つのポリバッグの間に乾燥剤バッグを使用して水分なしで、約2℃〜約8℃の低温で保存した。この組成物に利用した成分の総量については表8を参照のこと。
【表8】

a定量が100.0%以外の場合、適切なレベルのタナプロゲットを示すように投入量を調整し、これに伴って無水ラクトースの投入量を調整する。
bEEの定量が2%以外の場合、適切なレベルのEEを示すように投入量を調整し、これに伴ってラクトースを調整する。
c5%過量のタナプロゲットを含む。
d5%過量のEEを含む。
【0103】
(実施例2−タナプロゲットおよびエチニルエストラジオールの組成物を含む錠剤)
本実施例は、タナプロゲットおよびエチニルエストラジオールを含む組成物を含む錠剤の調製を提供する。
【0104】
実施例1のブレンドを、必要に応じて圧力を調節してStokes(登録商標)打錠機(Tablet Compressor)を使用して圧縮した。錠剤を二重のポリバッグで内張りした容器中で、2つのポリバッグの間に2つの乾燥剤バッグを配置して保存し、光なしおよび水分なしで約2℃〜8℃で冷蔵庫に保存した。
【0105】
(実施例3−タナプロゲットおよびエチニルエストラジオールの組成物を含む錠剤入りカプセル)
この実施例は、タナプロゲットおよびエチニルエストラジオールを含む組成物を含む錠剤入りカプセル(tablets-in-capsules)の調製を提供する。この実施例は、100μg、200μgおよび300μgのタナプロゲットを含む錠剤の調製に有用である。各成分の量を表9に例示する。
【0106】
MCCおよびクロスカルメロースナトリウムを20番メッシュのスクリーンに通過させ、増強バーを取り付けていないPK−ブレンダーに加え、そして15分間ブレンドした。ステアリン酸マグネシウムを30番メッシュのスクリーンに通過させ、上記MCC/クロスカルメロースのブレンドの一部と予備混合した。このステアリン酸マグネシウムの予備ブレンドをPK−ブレンダーに加え、2分間ブレンドして、最終のプラセボブレンドを形成した。
【0107】
カプセル充填機を使用して、1号サイズのカプセルシェルに初期設定し、赤褐色不透明のHPMCカプセルシェルを、カプセルシェル本体1個の中に1錠のタナプロゲット/EE錠剤(100μg/20μg、200μg/20μg、300μg/20μg)を入れて各カプセルシェルに約144mgのプラセボブレンドを溢れるまで充填すること(flood filling)によって充填した。この充填した1号赤褐色カプセル本体を1号赤褐色不透明HPMCシェルキャップを使用して封をした。充填したカプセルを水分、光および湿度なしでポリバッグで内張りした容器中に保存した。
【0108】
錠剤のカプセル充填に即時に利用しない最終ブレンドはいずれもポリバッグで内張りした容器に入れて水分なしで室温にて保存した。
【表9】

【0109】
本明細書中に列挙した全ての文書は、本明細書中で参考として援用される。本発明は、特定の好ましい実施形態を参照して記載されているが、本発明の本質から逸脱することなく改変がなされ得ることが理解される。このような改変は添付の特許請求の範囲に帰すものと意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量のミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容されるその塩、および有効量のエチニルエストラジオールを含む、医薬組成物。
【請求項2】
微結晶セルロース、無水ラクトース、クロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムをさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記タナプロゲットが前記組成物の約0.1%〜約1%(wt/wt)を構成する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記タナプロゲットが前記組成物の約0.17%〜約0.53%(wt/wt)を構成する、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記タナプロゲットが前記組成物の約0.17%(wt/wt)を構成する、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
前記タナプロゲットが前記組成物の約0.35%(wt/wt)を構成する、請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
前記タナプロゲットが前記組成物の約0.52%(wt/wt)を構成する、請求項3に記載の組成物。
【請求項8】
約100μg〜約300μgのタナプロゲットを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記エチニルエストラジオールが前記組成物の約0.03%〜約0.05%(wt/wt)を構成する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記エチニルエストラジオールが前記組成物の約0.035%(wt/wt)を構成する、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記エチニルエストラジオールがラクトース中の2%粉砕物である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記エチニルエストラジオールのラクトース中2%粉砕物が前記組成物の約1.75%を構成する、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
約20μgのエチニルエストラジオールを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
約25℃までの温度および約60%までの相対湿度において1ヶ月よりも長期間にわたって分解するのが約1%未満である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
前記温度が約5℃である、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記微結晶セルロースが前記組成物の約30%〜約56%(wt/wt)を構成する、請求項2〜15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
前記微結晶セルロースが前記組成物の約54%(wt/wt)を構成する、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記無水ラクトースが前記組成物の約30%〜約56%(wt/wt)を構成する、請求項2〜17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
前記無水ラクトースが前記組成物の約37%(wt/wt)を構成する、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記クロスカルメロースナトリウムが前記組成物の約2%〜約6%(wt/wt)を構成する、請求項2〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
前記クロスカルメロースナトリウムが前記組成物の約6%(wt/wt)を構成する、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記ステアリン酸マグネシウムが前記組成物の約0.25%〜約0.5%(wt/wt)を構成する、請求項2〜21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
前記ステアリン酸マグネシウムが前記組成物の約0.25%(wt/wt)を構成する、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
錠剤として処方される、請求項1〜23のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
前記錠剤が約100μg、200μgまたは300μgのタナプロゲットを含む、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記錠剤が約20μgのエチニルエストラジオールを含む、請求項24に記載の組成物。
【請求項27】
約0.175%(wt/wt)のミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容されるその塩、約0.035%(wt/wt)のエチニルエストラジオール、約54.5%(wt/wt)の微結晶セルロース、約37.3%(wt/wt)の無水ラクトース、約6%(wt/wt)のクロスカルメロースナトリウム、および約0.25%(wt/wt)のステアリン酸マグネシウムを含む、医薬組成物。
【請求項28】
約0.35%(wt/wt)のミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容されるその塩、約0.035%(wt/wt)のエチニルエストラジオール、約54.4%(wt/wt)の微結晶セルロース、約37.2%(wt/wt)の無水ラクトース、約6%(wt/wt)のクロスカルメロースナトリウム、および約0.25%(wt/wt)のステアリン酸マグネシウムを含む、医薬組成物。
【請求項29】
約0.525%(wt/wt)のミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容されるその塩、約0.035%(wt/wt)のエチニルエストラジオール、約54.3%(wt/wt)の微結晶セルロース、約37.1%(wt/wt)の無水ラクトース、約6%(wt/wt)のクロスカルメロースナトリウム、および約0.25%(wt/wt)のステアリン酸マグネシウムを含む、医薬組成物。
【請求項30】
(a)ミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容されるその塩、およびエチニルエストラジオールを混合する工程;および
(b)工程(a)の産物を造粒する工程
を包含する、ミクロ化タナプロゲットまたはその薬学的に許容されるその塩を含む経口組成物を調製するためのプロセス。
【請求項31】
工程(a)が、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、無水ラクトース、およびステアリン酸マグネシウムをさらに含む、請求項30に記載のプロセス。
【請求項32】
工程(b)が乾式造粒である、請求項30または請求項31に記載のプロセス。
【請求項33】
前記組成物を凝縮する工程、該組成物を粉砕する工程、またはそれらの組み合わせをさらに包含する、請求項30〜32のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項34】
前記タナプロゲットの約94%〜約100%が15分後に前記経口組成物から放出される、請求項30〜33のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項35】
前記組成物が凝縮されて経口投与に適した錠剤へと圧縮される、請求項30〜34のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項36】
前記錠剤がカプセル内に入れられる、請求項25〜34のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項37】
請求項35に記載の前記錠剤の1日投薬量単位、または請求項36に記載の前記カプセルの1日投薬量単位を備える医薬キット。
【請求項38】
(a)タナプロゲットおよびエチニルエストラジオールを含む処方物の14〜21回の1日投薬量単位である第一段階部;および
(b)経口の薬学的に許容されるプラセボの0〜7回の1日投薬量単位である第二段階部を備え、
該1日投薬量単位の総数が28回である、薬学的に有用なキット。
【請求項39】
抗プロゲスチンをさらに備える、請求項38に記載のキット。
【請求項40】
前記第一段階部が14回の1日投薬量単位を含む、請求項38または請求項39に記載のキット。
【請求項41】
前記第一段階部が17回の1日投薬量単位を含む、請求項38または請求項39に記載のキット。
【請求項42】
前記第一段階部が21回の1日投薬量単位を含む、請求項38または請求項39に記載のキット。
【請求項43】
前記処方物が約100μg、200μgまたは300μgのタナプロゲットを含む、請求項38〜42のいずれか1項に記載のキット。
【請求項44】
前記処方物が約20μgのエチニルエストラジオールを含む、請求項38〜43のいずれか1項に記載のキット。
【請求項45】
出産年齢の女性に請求項1〜29のいずれかに記載の組成物を投与する工程を包含する、避妊方法。
【請求項46】
請求項1〜29のいずれかに記載の組成物を必要とする女性に投与する工程を包含する、ホルモン置換療法。
【請求項47】
出産年齢の女性に対する避妊対策またはホルモン置換療法を必要とする女性に対するホルモン置換療法の提供における同時使用、分割使用または連続使用のための組み合わせ調製物として、ミクロ化タナプロゲットまたは薬学的に許容されるその塩、およびエチニルエストラジオールを含む製品。

【公表番号】特表2008−543758(P2008−543758A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515878(P2008−515878)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/022150
【国際公開番号】WO2006/135638
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】