説明

エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物からなる単層又は多層成形品、容器及び回収・再使用による成形品の製造方法

本発明は、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH樹脂)組成物からなる単層又は多層成形品、該樹脂を含む樹脂組成物及びEVOH樹脂含有層を含む成形品を熱可塑性樹脂成形品中に回収・再使用する成形品の製造方法において、回収成形品の再使用される層が抗酸化性物質を含有する成形品の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと呼称する)樹脂の熱劣化反応を抑制する安定化技術を利用した成形品、容器及び回収・再使用による成形品の製造方法に関するものである。
特に、EVOH樹脂を酸素ガスバリアー層として含む食品包装材料・容器などを製造するため、加熱状態で成形加工を行なうプロセスにおいて使用される熱安定性が改良された成形品、容器及び回収・再使用による成形品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
EVOH樹脂は、酸素などの気体透過性が極めて低い特長を有するため、食品包装材料などの他、種々の用途で使用されている。
例えば、EVOH樹脂の成形品は、単層フィルム及び該フィルムを接着剤でラミネートしたフィルムとして、また、多層ブローや多層フィルムなどの押出成形品や多層射出成形品の少なくとも1層として、ボトルやフィルムなどの形態で使用されている。
これらのEVOH樹脂の成形品を得るプロセスは、他の熱可塑性樹脂と同様に、一般的に加熱可塑化状態でスクリュー式押出機などを使用して行うものである。
従って、EVOH樹脂は、その樹脂ペレットの製造段階及びボトルやフィルム状の成形品を得る成形加工段階までに、少なくとも2回は加熱状態での熱履歴とせん断履歴を受けることになり、その結果、EVOH樹脂の熱分解や酸化などの熱劣化反応が無視し得ない程度まで起こることになる。
このEVOH樹脂の熱劣化反応は、酸化、熱分解、ケタール化、異性化、分子切断及び架橋などの形で進行することが知られている。
酸化反応や熱分解反応の結果として、EVOH樹脂から最終的にアセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、ペンタナール及びアセトンなどの分解物が生成し、成形品中に微量ではあるが含有されることになる。
本発明者は、その結果として、EVOH樹脂からなる包装材料・容器などを使用したレトルト食品を、電子レンジなどで再加熱する際に、上記分解物が揮発し、異味・悪臭となり、内容物の味覚を損ねるなどの問題が起こることを発見した。
また、架橋反応の結果としては、成形品を製造する押出装置の加熱滞留部分において、EVOH樹脂の焦げや焼けた異物が生成し、このものが配管内壁及び押出機のスクリュー壁面に付着するなどの問題が発生する場合がある。
特に、成形品を回収し、再使用する場合には、成形品を製造する技術上の課題の一つとなる。
その他、EVOH樹脂の熱劣化反応の結果起きる問題としては、分解物中のガス成分によるボイドや気泡の発生、EVOH樹脂の溶融粘度の変化などによる押出成形加工不良及び成形品の黄変などの品質不良が挙げられる。
以上のように、EVOH樹脂の熱劣化反応は種々の問題の原因となっている。
このEVOH樹脂の熱劣化反応を抑制し、熱安定性を高めるために、これまで種々の添加剤を含有する樹脂組成物が提案されているが未だ十分とは言えない。
EVOH樹脂とアルカリ金属の酢酸塩との組成物(例えば、特開平6−293848号公報)、及びEVOH樹脂と酢酸及び酢酸金属塩との組成物(例えば、特開平11−106592号公報)が提案されている。
また、EVOH樹脂に、ヒンダードフェノール基を有する化合物及びヒンダードアミン基を有する化合物などの酸化防止剤、酢酸、乳酸及びシュウ酸などのカルボン酸、リン酸、亜リン酸及びリン酸2水素ナトリウムなどのリン酸化合物、ホウ酸類、ホウ酸エステル、ホウ酸塩及び水素化ホウ素類などのホウ素化合物などを添加した組成物(例えば、特開2001−354779号公報)が提案されている。
また、特開2001−354779号公報では、通常使用される200℃以上の押出温度でのEVOH樹脂の溶融ペレット化の際、熱劣化反応が起こる場合があることを指摘し、低温で溶融混練を行なうEVOH樹脂組成物の製造方法を提案している。
このことは、通常のEVOH樹脂の溶融成形加工においては、酸化防止剤は有効に働き難いことを意味している。
即ち、酸化防止剤をEVOH樹脂に低温で添加し、熱劣化反応を起こさずに樹脂組成物を得ることができたとしても、EVOH樹脂の成形品の製造は、通常200℃以上の温度の溶融状態で行われるため、熱劣化反応は避けられないことになる。
従来より、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂が酸化劣化反応により、臭気を発生することは公知であり、脱気や消臭剤の添加等の対策の他、酸化防止剤を添加してポリオレフィンの安定化が図られてきた。
ポリオレフィン等に対する酸化防止剤としては、ビタミンE等も公知である(例えば、特表2002−531664号公報及び特開2003−181959号公報)。
しかし、例えば、EVOH樹脂層とポリオレフィン樹脂層からなる食品用積層包装材料・容器のポリオレフィン樹脂層のみにビタミンE等の酸化防止剤を添加したとしても、レトルト食品への十分な臭気対策とはなり得なかった。
このことは、上記のように、EVOH樹脂自体が悪臭の発生原因であることが知られておらず、悪臭成分に対する対策がなされなかったことによるものである。
また、ポリオレフィンの溶融押出プロセスにおける、ポリオレフィンの一般的な劣化反応機構及び安定化技術は、数多くの文献に示されている(例えば、西原一監修、「高分子の長寿命化技術(Long Life−cycling Technologies of Polymer Materials)」、シーエムシー出版、2001年1月発行)。
一般的に、ポリオレフィンの熱劣化反応は、酸素による炭化水素系ポリマー鎖からの水素原子の引抜きなどの酸化反応、過酸化物の生成と分解、炭素−炭素結合の解裂、異性化反応及び架橋反応などを伴って、自動酸化と呼ばれる連鎖反応によって進行する。
ポリオレフィン業界では、この劣化反応を抑制するため、過酸化物の安定化に有効とされるリン系化合物、及びラジカル捕捉剤として有効に働くヒンダードフェノール基を有する化合物などを酸化防止剤として、複合的にポリオレフィンに添加し、ポリオレフィン樹脂組成物として使用している。
しかしながら、これらの酸化防止剤は、それ自体の熱分解や加水分解などの劣化反応により、分解物が生成し、悪臭の発生や黄変などの問題が起こる場合がある(例えば、木村健治、「樹脂加工時の新しい安定化技術」、ポリマーダイジェスト、2002年2月号、p.97)。
また、EVOH樹脂業界では、ポリオレフィンに有効な一般的な酸化防止剤は、EVOH樹脂に対しては有効でないことが広く認識されている。
即ち、EVOH樹脂の熱劣化反応は、EVOH樹脂の酸化を開始反応とするにも拘わらず、これまで有効な酸化防止剤は開発されていないのが実状である。
本発明は、EVOH樹脂の加熱溶融状態における熱安定性、特に、加熱溶融とスクリュー回転などによるせん断を伴う成形加工時における熱安定性を高めることを共通の課題とし、結果として、異臭の低減した成形品を得ること、及びEVOH樹脂を少なくとも、1層含む多層成形品の回収・再使用に際して、EVOH樹脂の熱劣化に起因するゲル、焼け、凝集物の発生量を大幅に低減することを目的とするものである。
【発明の開示】
本発明者は、EVOH樹脂の熱劣化反応機構が基本的に酸化反応であるにも拘わらず、前述のように有効な酸化防止剤がないことに着目し、その理由を究明するために鋭意検討を行なった。
その結果、これまでのEVOH樹脂の劣化対策は、EVOH樹脂の溶融粘度の変化、黄変、ゲル化及び滞留焼けなどに対するものであり、EVOH樹脂の熱劣化反応により生成する分解物を問題とし、その低減を図る事例は極めて希有であることが判明した。
前述のように、EVOH樹脂の熱劣化反応機構は、EVOH樹脂の酸化を開始反応とする一連の劣化反応の結果、最終的にEVOH樹脂鎖の分解と異性化反応により、アルデヒド類が生成することを示唆している。
従って、以下の事項を推論することができる。
1.通常のポリオレフィンに使用される酸化防止剤が有効でないのは、その反応速度がEVOH樹脂の酸化劣化反応に対して十分でない可能性があること。
2.効果が十分でないとされる酸化防止剤の中、ヒンダードフェノール基を有し、かつアミド結合を有する化合物(特開2001−354779参照)が比較的良好な結果が得られるのは、該化合物がEVOH樹脂と水素結合し、反応サイト同士の衝突確率を高めていると考えられ、上記1を支持する結果であること。
3.人工的に合成され、商業的に入手可能な通常の酸化防止剤に比べて、生体や植物中に微量含まれる抗酸化性物質は一桁以上速い反応速度が期待できること〔Burton等、J.Am.Chem.Soc.,107(24),p7053(1985)など〕
4.人工の酸化防止剤は、通常、数百〜数千ppm程度使用しないと効果が充分でないうえ、前述のように、酸化防止剤自体の熱分解や加水分解などの劣化反応により分解物が生成し、悪臭や黄変の懸念があるのに対して、生体や植物中に微量含まれる抗酸化性物質では、添加量が微量でよい可能性からその懸念が少ないと期待できること。
これらの推論に基づき、本発明者は、EVOH樹脂の成形加工時や成形品自体の悪臭の原因物質にもなるアルデヒドの生成を低減すべく鋭意努力検討し、生体や植物中に含まれる抗酸化性物質が極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
1.エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(以下、EVOH樹脂と呼称する)とビタミンE、ビタミンC、フラボノイド及びカロテノイドから選ばれる少なくとも1種以上の抗酸化性物質を含有する樹脂組成物からなる層を少なくとも1層有する単層又は多層樹脂成形品、
2.熱可塑性樹脂99.9〜60質量%、EVOH樹脂0.1質量%〜40質量%及び熱可塑性樹脂とEVOH樹脂の総和を100質量部として、0.1〜5000x10−6質量部のビタミンE、ビタミンC、フラボノイド及びカロテノイドから選ばれた少なくとも1種以上の抗酸化性物質を含有する熱可塑性樹脂組成物、
3.EVOH樹脂含有層を少なくとも1層含む多層の熱可塑性樹脂成形品を単層若しくは多層の熱可塑性樹脂成形品の少なくとも1層中に回収・再使用する熱可塑性樹脂成形品の製造方法において、回収成形品の再使用される層がビタミンE、ビタミンC、フラボノイド及びカロテノイドから選ばれた抗酸化性物質を含有する多層熱可塑性樹脂成形品の製造方法、
4.抗酸化性物質が、ビタミンEである上記1に記載の単層又は多層樹脂成形品、
5.抗酸化性物質が、ビタミンEである上記2に記載の熱可塑性樹脂組成物、
6.抗酸化性物質が、ビタミンEである上記3に記載の多層熱可塑性樹脂成形品の製造方法、
7.EVOH樹脂を含有する樹脂組成物が、抗酸化性物質を樹脂の総和100質量部に対して0.1〜5000x10−6質量部含有する上記1に記載の単層又は多層樹脂成形品、
8.上記1に記載の単層又は多層樹脂成形品を熱成形してなる飲食品用容器又は医療用容器、
9.米飯を内容物とする上記8に記載の食品容器、
10.熱可塑性樹脂がポリプロピレンである上記2に記載の熱可塑性樹脂組成物、
11.上記2又は10に記載の組成物を少なくとも1層とする単層又は多層樹脂成形品、
12.上記11に記載の単層又は多層樹脂成形品から熱成形された飲食品用容器又は医療用容器
に関するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
(A)本発明の単層又は多層樹脂成形品について、以下に詳述する。
(1)本発明に使用される抗酸化性物質は、ビタミンE、ビタミンC、フラボノイド及びカロテノイドの一種以上から選ばれる。
本発明におけるビタミンEは、トコフェロール、トコトリエノール及びこれらの誘導体を意味している。
トコフェロール及びトコトリエノールは、それぞれ、α−、β−、γ−及びδ体が存在し、天然には少なくとも8種類のビタミンEが存在する。
ビタミンEの生物活性(効力)は、それぞれ異なり、α−トコフェロールが最も生物活性が強いとされており、一般的には、ビタミンEというとα−トコフェロールを指すが、本発明ではすべてのビタミンEが含まれる。
天然のビタミンEは、主に大豆、菜種及び綿実などの油かすから抽出されるが、酢酸などとの誘導体であってもよい。
また、人工的に合成されたビタミンEであってもよい。
本発明におけるビタミンCは、アスコルビン酸を意味している。
本発明におけるフラボノイドは、一つの物質を意味するのではなく、ポリフェノール類、アントシアニジン、ケルセチン、カテキン類及びイソフラボンなどの一群の化合物の総称である。
本発明におけるカロテノイドは、基本的に8個のイソプレノイド単位からなるテトラテルペノイドであり、カロテン類及びキサントフィル類の一群の化合物の総称である。
本発明に使用される抗酸化性物質は、ビタミンEが好ましく、更にビタミンEの中でもα−トコフェロールが好ましい。
抗酸化性物質の添加量としては、熱可塑性樹脂とEVOH樹脂の総和100質量部に対して、0.1〜5000x10−6質量部、更に好ましくは10〜1000x10−6質量部である。
0.1x10−6質量部以上であると、熱劣化反応を抑制し、アルデヒド類などの悪臭の原因物質の生成を効果的に低減することができる。
また、5000x10−6質量部以下とすることにより、抗酸化性物質自体の分解もなく、また経済性も確保できる。
(2)本発明に使用されるEVOH樹脂は、一般に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと呼称する)樹脂のケン化反応を経て製造されたものである。
本発明におけるEVOH樹脂のエチレン単位含有量は、特に制限はないが、好ましくは3〜97モル%、より好ましくは20〜50モル%である。
また、本発明におけるEVOH樹脂のケン化度は、特に制限はないが、好ましくは70〜100モル%である。
本本発明においては、このEVOH樹脂は、1種使用してもよいし、エチレン単位含有量及び/又はケン化度が異なるものを2種以上組合せて使用してもよい。
(3)本発明において、抗酸化性物質をEVOHに添加する方法には、特に制限はないが、例えば、次の方法などを挙げることができる。
1.EVOH樹脂の製造段階の適切な段階で、例えば、EVA樹脂などの原料に抗酸化性物質を添加、均一に混練し、ケン化工程を経てEVOH樹脂組成物を得る方法。
2.EVOH樹脂の熱履歴及びせん断履歴が最も過酷となる押出成形や射出成形などの加熱溶融成形加工の直前に、抗酸化性物質を添加、均一に混練し、EVOH樹脂組成物を得る方法。
3.前二法の中間の段階、即ち、EVOH樹脂の製造プロセスと加熱溶融成形加工などのプロセスの間のいずれかの段階で、抗酸化性物質を添加、均一に混練し、EVOH樹脂組成物を得る方法。
抗酸化性物質の添加、混練の方法は、特に制限はなく、バッチ式及び定量フィーダーを使用する連続式を採用することができる。
抗酸化性物質は、液体状であるものはEVOH樹脂にそのまま添加、混練してもよい。
また、EVOHや後述のポリオレフィンなどと予めマスターバッチとしたものを使用することもできる。
(4)EVOH樹脂組成物は、上記のようにして得ることできるが、該樹脂組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により各種添加成分、例えば、他の熱可塑性樹脂、他の酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、可塑剤、架橋剤、充填剤、着色剤などを適宜配合することができる。
ここで、他の熱可塑性樹脂としては、例えば、各種ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体、ポリオレフィンと無水マレイン酸との共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、またはこれらを不飽和カルボン酸またはその誘導体でグラフト変性した変性ポリオレフィンなど)、各種ナイロン(ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6/6,6共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリアセタールおよび変性ポリビニルアルコール樹脂などが使用される。
また、他の酸化防止剤としては、従来公知のヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤などを使用することができる。
紫外線吸収剤としては、従来公知のベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系などが、光安定剤としては、従来公知のヒンダードアミン系化合物が使用される。
(5)本発明における、単層又は多層成形品は、例えば、単層又は多層のフィルム、シート、容器等である。
多層成形品は、一般に、射出成形法、ブロー法、射出・ブロー法、Tダイ法及びチューブラー法など各種成形法によって製造することができる。
これらの、単層又は多層成形品は、更に加工され、二次加工品が製造される。
即ち、前記成形品を、接着剤を用いてポリエチレンテレフタレート樹脂及びナイロン樹脂などの他の材料との積層フィルムとしたり、熱成形加工することにより、飲料品包装材料及び飲料品用容器、食品包装材料及び食品用容器、医療用包装材料及び医療用容器として使用することができる。
特に、本発明の、単層又は多層成形品は、再加熱を伴なうレトルト食品用の容器や包装材料として最適に使用することができ、好ましくは、米飯、弁当(米飯及び香りの強くない副菜)、ピラフ、チャーハン等を内容物とする容器として最適である。
尚、単層又は多層成形品において、本発明における樹脂組成物からなる層以外の層に使用される他の樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体(炭素数4〜20のα−オレフィン)、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエステルエラストマー、ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリカーボネート、塩素化ポリエチレン及び塩素化ポリプロピレンなどが挙げられる。
(B)本発明の熱可塑性樹脂組成物について、以下に詳述する。
(1)EVOH樹脂、抗酸化性物質は、上記(A)−(1)(2)と同じで良い。
(2)熱可塑性樹脂は、EVOH樹脂と組成物を形成するものであれば特に制限はなく、例えば上記(A)−(5)に記載された、「単層又は多層成形品において、本発明における樹脂組成物からなる層以外の層に使用される他の樹脂」と同じものを適宜選択することができるが、中でもポリプロピレンが、レトルトや滅菌処理等で加熱する食品容器、医療容器としても用いることが可能で、かつ安価なため好ましい。
(3)本発明の熱可塑性樹脂組成物は、主に、多層シートやその熱成形品、及び多層ブロー成形品等の、多層成形品やその二次加工品の少なくとも1層に用いられることが多い。
成形品の製造時に発生する端尺部分等の非製品部、寸法精度の規格外品、又は熱成形後に製品である容器部分を打ち抜いて発生するスケルトン等の二次加工品製造時に発生するロス分を回収し、粉砕等により溶融成形加工の原料樹脂として適切な形状に粒状化したもの(以下、「粉砕品等」と呼称する)に対して、ビタミンE、ビタミンC、フラボノイド及びカロテノイドから選ばれる少なくとも1種以上の抗酸化性物質を含有した状態で多層シート等の多層樹脂成形品の基材層や、中間層に戻して回収・再使用すると、ゲル・焼け・凝集物や臭気の発生を抑制することができる。
これは、回収・再使用する層(以下、「回収層」と呼称する)を構成するEVOH樹脂、熱可塑性樹脂等からなる樹脂組成物中に特定の抗酸化性物質が共存することにより、溶融成形加工時の主にEVOH樹脂に起因する熱劣化反応が抑制される結果と考えられる。
勿論、回収層に含有されるEVOH樹脂以外の熱可塑性樹脂も、溶融状態での滞留時間が回収・再使用する分だけ長くなり、酸化反応等の熱劣化を引き起こすことも一般に考えられ、この熱可塑性樹脂自体の熱劣化反応も抑制される他、更に酸化劣化反応におけるEVOH樹脂の劣化反応との相互作用の影響も軽減されることが考えられる。
いずれにせよ、EVOH樹脂を少なくとも1層含む多層成形品等の回収・再使用において、しばしば問題となるゲル、焼け、凝集物等の発生が大幅に抑制されることが見出された結果、本発明に至ったものである。
尚、基材層とは、多層成形品において一般に最大の層比率を占める主層であって、強度や耐熱性を保持する層であり、中間層は、多層成形品の内部にある層を意味し、回収・再使用を目的に回収層として意図的に設けることもできる。
多層成形品の一例を下記する。
5層シートの場合は、「基材層(ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂)/接着層/EVOHを含む層/接着層/基材層」であり、6層シートの場合は、「基材層/中間層/接着樹脂層/EVOH樹脂を含む層/接着樹脂層/基材層」である。
その他、易開封性を目的とした特別の層を設けることもできる。
(4)各必須成分の配合量としては、熱可塑性樹脂が99.9〜60質量%、EVOH樹脂が0.1質量%〜40質量%であり、好ましくは熱可塑性樹脂が99.8〜80質量%、EVOH樹脂が0.2〜20質量%である。
EVOH樹脂が0.1質量%未満の場合は、回収・再使用率が低すぎて、回収・再使用した意味がなく、40質量%を超えると、熱可塑性樹脂組成物の強度や耐熱性が低下して、特に加熱する容器等への使用が困難になる場合がある。
抗酸化性物質は、熱可塑性樹脂とEVOH樹脂の総和を100重量部としたとき、0.1x10−6質量部以上含まれれば、本願効果を発現すると期待できるが、好ましくは、
0.1〜5000x10−6質量部であり、特に10〜500x10−6質量部である。
熱可塑性樹脂とEVOH樹脂の総和に対し、抗酸化性物質が5000x10−6質量部より多く含まれると、抗酸化性物質自体の分解が進む恐れがあり、経済的にも劣る。
抗酸化性物質としては、ビタミンEが好ましい。
(5)この熱可塑性樹脂組成物の用途は、上記(A)−(5)と同様である。
(C)本発明の多層熱可塑性樹脂成形品の製造方法について、以下に詳述する。
(1)EVOH樹脂、抗酸化性物質は、上記(A)−(1)(2)と同じで良い。
(2)本発明のEVOH樹脂含有層を少なくとも1層含む多層の熱可塑性樹脂成形品を単層若しくは多層の熱可塑性樹脂成形品の少なくとも1層中に回収・再使用する熱可塑性樹脂成形品の製造方法において、回収成形品が再使用される層がビタミンE、ビタミンC、フラボノイド及びカロテノイドから選ばれた抗酸化性物質を含有すると、回収・再使用する際に、ゲル・焼け・凝集物や臭気の発生を抑制することができる。
EVOH樹脂含有層を少なくとも1層含む多層の熱可塑性樹脂成形品を回収・再使用する場合には、粉砕品等を用いることが好ましい。
上記粉砕品等中のEVOH樹脂が、上記抗酸化性物質を含んでいないか、規定量より少ない場合は、上記粉砕品等中の熱可塑性樹脂とEVOH樹脂の総和に対し、抗酸化性物質が0.1〜5000x10−6質量部となるように添加して溶融混練するか、溶融混練時に添加すると、回収・再使用する際に、ゲル・焼け・凝集物や臭気の発生を抑制することができる。
抗酸化性物質としては、ビタミンEが好ましい。
粉砕品は、押出プロセスの原料系として使用できる程度の大きさであれば特に制限はない。
また、粉砕品等は、EVOH樹脂を含む成形品であれば特に制限はないが、通常は、EVOH樹脂又は該樹脂を含む組成物を少なくとも1層持つ多層成形品そのものや、該多層成形品の製造時に発生する粉砕品等を用いることができる。
回収・再使用する粉砕品等を上記範囲内で配合すると、再度成形品に成形した場合でも、凝集物の発生を抑制することができる。
ここで、基材層に用いるバージン樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体(炭素数4〜20のα−オレフィン)、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエステルエラストマー、ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリカーボネート、塩素化ポリエチレン及び塩素化ポリプロピレンなどが挙げられる。
好ましいバージン樹脂としては、ポリプロピレン、ポリスチレン等が挙げられる。
多層成形品のとき、EVOH樹脂層との接着樹脂層には、ポリプロピレンの場合、無水マレイン酸変性ポリプロピレンが、又、ポリスチレンの場合、スチレン−水添ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−水添イソプレン−スチレン系共重合体等が用いられる。
その結果、回収層にはこれらの接着樹脂も含有されることになる。
また、酸化チタン等の着色剤や成形加工に一般に用いられる添加剤が含有する場合もある。
更に、回収・再使用した成形加工を行う場合に、一般に用いられるバージン樹脂とEVOH樹脂の相溶化剤を回収層に添加することもできる。
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【実施例1】
(1)エチレン単位を32モル%含有するEVOH樹脂〔日本合成化学工業(株)製、ソアノールBS3203、ケン化度99モル%以上〕に、ビタミンE〔チバ・スペシャリティケミカル社製、IRGANOX E201、化学名;2,5,7,8−テトラメチル−2(4’,8’,12’−トリメチルトリデシル)クロマン−6−オール〕を1質量%含有する低密度ポリエチレン(MFR9g/10分、190℃)ベースのマスターバッチ〔チバ・スペシャリティケミカル社製、IRGANOX MB202〕を1質量%添加し、ドライブレンドを行った後、単軸押出機〔プラコー(株)製、40mmφフルフライト型スクリュー、L/D=26〕を使用して、250℃で押出成形を行ない、ビタミンEを100x10−6質量部含有するEVOH樹脂組成物(A)の0.7mm厚押出シートを得た。
(2)ポリプロピレン層/接着樹脂層/EVOH樹脂/接着樹脂層/ポリプロピレン層からなる多層成形品をポリプロピレン層に回収・再使用したときの回収層のモデル樹脂として、上記(1)のEVOH樹脂5質量%、ポリプロピレン〔出光石油化学(株)製、出光ポリプロE−105GM〕86質量%、酸化チタンマスターバッチ5質量%、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(三菱化学(株)製、モディックP604V)4質量%から成る樹脂100重量部に対して、上記(1)のビタミンEマスターバッチを2質量部添加した混合物5.0kgをドライブレンドした後、3.5mmΦの開口部を3つ有するダイ付のフルフライト型40mmΦ押出機にかけて、230℃で溶融押出を行い、ポリプロピレン、EVOH樹脂、ビタミンE等の組成物からなる棒状成形品を得た。
尚、酸化チタンマスターバッチは、低密度ポリエチレン〔東ソー(株)製、ペトロセン205〕31質量%、酸化チタン〔石原産業(株)R−680〕60質量%、ハイドロタルサイト〔協和化学(株)製、DHT−4A〕7.5質量%及びステアリン酸カルシウム1.5質量%からなる。
この棒状成形品を粉砕して、単軸押出機で樹脂温度230℃で溶融混練して、押出機2回パスの棒状成形品を得た。
この操作を更に3回繰り返した(合計で、単軸押出機を5回パスした)。
各押出成形毎に、溶融押出開始時から溶融押出終了時までに、押出機ダイのダイ開口部周囲に発生した目やにを採取し、5回押出機パス分までの目やにの積算総質量を測定したところ、82mgであった。
(3)上記(1)におけるEVOH樹脂組成物(A)の押出シートを小さく切断し、その1.0gを20mlのバイアル瓶に入れ、密閉後バイアル瓶を90℃で60分間加熱した。
次に、生成したガスを1.0ml採取し、ヘッドスペースガスクロマトグラム(GC)に導入し、生成ガス中の成分を質量分析(MS)し、同定を行なった。
上記(3)の測定条件は下記のとおりである。
装置:アジレントテクノロジー社製ヘッドスペース付きGC−MS
ヘッドスペース測定条件
加熱温度 ;90℃
加熱時間 ;60分
ループ加熱温度 ;110℃
トランスファーライン温度;130℃
GC−MS測定条件
カラム ;DB−WAX、30m、0.25mm、0.5μm
カラム温度 ;10℃(3分)→200℃、8℃/分
キャリャーガス;ヘリウム、1.0ml/分
検出器 ;四重極
イオン源温度;230℃
その測定結果を表1に示す。
尚、面積値は、イオンクロマトグラム上の各成分の面積である。
また、表1の嗅覚閾値は、物質が最低限どれだけ存在すれば嗅覚が生じるかの限界量である。
(4)上記(2)における押出機を5回パスした、ポリプロピレン、酸化チタン、変性ポリプロピレン、EVOH樹脂からなる組成物(以下、PP/EVOH組成物と略称する)を、フラットダイ付のフルフライト型40mmΦ押出機にかけて、成形温度230℃で、30μmのフィルムを作成した。
このフィルムからA4版のサンプルを切り出し、目視で凝集物を数えたところ、凝集物は8個確認された。
比較例1
(1)実施例1−(1)と同様にして、ヒンダードフェノール系酸化防止剤であるN,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド(チバ・スペシャリルティ・ケミカルズ社製、IRGANOXTM1098)を1000x10−6質量部含有するEVOH樹脂組成物の押出品シートを得た。
この押出シートを実施例1−(3)と同様にして処理後、GC−MSを用いて、生成ガス中の成分を測定した。その結果を表1に示す。
(2)実施例1−(1)で用いたEVOH樹脂と、上記(1)のヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャリルティ・ケミカルズ社製、IRGANOXTM1098)1000x10−6質量部からなる樹脂組成物を用いた以外は、実施例1−(2)と同じ操作を行い、目やに量を測定したところ、103mgであった。
(3)上記(2)で得られた、押出機5回パスしたPP/EVOH組成物を用いた以外は、実施例1−(4)と同じ操作を行い、凝集物を数えたところ、19個であった。
比較例2
実施例1−(1)と同様にして、エチレン単位を32モル%含有するEVOH樹脂〔日本合成化学工業(株)製、ソアノールBS3203、ケン化度99モル%以上〕のみからなる押出シートを得た。
この押出シートを実施例1−(3)と同様にして処理後、生成ガス中の成分を測定した。
その結果を表1に示す。
(2)抗酸化性物質を使用しない以外は、実施例1−(2)と同じ操作を行い、目やに量を測定したところ、140mgであった。
(3)上記(2)で得られた、押出機を5回パスしたPP/EVOH組成物を用いた以外は、実施例1−(4)と同じ操作を行い、凝集物を数えたところ、17個であった。

表1から、EVOH樹脂にビタミンE〔2,5,7,8−テトラメチル−2(4’,8’,12’−トリメチルトリデシル)クロマン−6−オール〕を添加すると、無添加の場合に比し、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド及びペンタナールなどの分解物の生成が約1/4に抑制される。
また、特開平2001−354799号公報で有効とされたヒンダードフェノール基を有する化合物は、無添加の場合に比し、効果がないばかりか、表1には記載していないがノナナール等の生成が無添加の場合よりも増大し、逆効果である。
また、約1mm厚の押出シートを、20×50mm程度に切出し、全量10gを300mlのバイアル瓶に入れ、90℃で60分間加熱後、表2に示す6段階評価法に従ってパネラー3人による官能試験を行なった。
その結果、実施例1の臭気の強さは0〜1段階と極めて低く、実用上問題のないレベルであったが、比較例1及び2の臭気は3〜4段階と強く、実用上問題があった。
更に、ポリプロピレン、EVOH樹脂、ビタミンE等から成るモデル組成物について、押出機を5回パスさせる、回収・再使用試験の結果から、実施例1においては、EVOH樹脂の熱劣化、分解に主として起因すると考えられる目ヤニ量を、市販の高性能の抗酸化性物質を用いた比較例1に比べ抑制できることが分かった。

【産業上の利用可能性】
本発明によれば、特定の抗酸化性物質を含有するEVOH樹脂又は該樹脂を含む組成物を200℃以上で成形したり、また、EVOH樹脂を含む層を少なくとも1層持つ多層成形品を回収・再使用する場合でも、EVOH樹脂の熱劣化反応が著しく抑制される。
特に、EVOH樹脂の分解物であるアセトアルデヒド、クロトンアルデヒド及びペンタナールなどのアルデヒド類の生成が極めて抑制されるため、多層成形品や容器等に用いても、臭いの殆どない製品・商品を得ることができる。
また、EVOH樹脂を含む層を少なくとも1層持つ多層成形品を回収・回収・再使用して、成形加工を行った場合でも、凝集物の発生を抑制することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(以下、EVOH樹脂と呼称する)とビタミンE、ビタミンC、フラボノイド及びカロテノイドから選ばれる少なくとも1種以上の抗酸化性物質を含有する樹脂組成物からなる層を少なくとも1層有する単層又は多層樹脂成形品。
【請求項2】
熱可塑性樹脂99.9〜60質量%、EVOH樹脂0.1質量%〜40質量%及び熱可塑性樹脂とEVOH樹脂の総和を100質量部として、0.1〜5000x10−6質量部のビタミンE、ビタミンC、フラボノイド及びカロテノイドから選ばれた少なくとも1種以上の抗酸化性物質を含有する熱可塑性樹脂組成物。
【請求項3】
EVOH樹脂含有層を少なくとも1層含む多層の熱可塑性樹脂成形品を単層若しくは多層の熱可塑性樹脂成形品の少なくとも1層中に回収・再使用する熱可塑性樹脂成形品の製造方法において、回収成形品の再使用される層がビタミンE、ビタミンC、フラボノイド及びカロテノイドから選ばれた抗酸化性物質を含有する多層熱可塑性樹脂成形品の製造方法。
【請求項4】
抗酸化性物質が、ビタミンEである請求項1に記載の単層又は多層樹脂成形品。
【請求項5】
抗酸化性物質が、ビタミンEである請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項6】
抗酸化性物質が、ビタミンEである請求項3に記載の多層熱可塑性樹脂成形品の製造方法。
【請求項7】
EVOH樹脂を含有する樹脂組成物が、抗酸化性物質を樹脂の総和100質量部に対して0.1〜5000x10−6質量部含有する請求項1に記載の単層又は多層樹脂成形品
【請求項8】
請求項1に記載の単層又は多層樹脂成形品を熱成形してなる飲食品用容器又は医療用容器。
【請求項9】
米飯を内容物とする請求項8に記載の食品容器。
【請求項10】
熱可塑性樹脂がポリプロピレンである請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項11】
請求項2又は10に記載の組成物を少なくとも1層とする単層又は多層樹脂成形品。
【請求項12】
請求項11に記載の単層又は多層樹脂成形品から熱成形された飲食品用容器又は医療用容器。

【国際公開番号】WO2005/014716
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【発行日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−513024(P2005−513024)
【国際出願番号】PCT/JP2004/011655
【国際出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(500163366)出光ユニテック株式会社 (128)
【Fターム(参考)】