説明

エチレンマルチブロックコポリマーを含む電子装置モジュール

電子装置モジュールは:A.少なくとも1つの電子装置、例えばソーラーセル、および、B.電子装置の少なくとも1つの面に密接に接触しているポリマー材料であって、エチレンマルチブロックコポリマーを含むポリマー材料を含む。典型的に、前記ポリオレフィン材料は、約0.90g/cm3未満の密度(g/cc)を有するエチレンマルチブロックコポリマーである。前記ポリマー材料は、電子装置を完全に封入することができるか、または、装置の1つのフェイス面へ積層され得る。所望により、前記ポリマー材料はスコーチ防止剤をさらに含んでよく、前記コポリマーは、架橋されないままであっても架橋されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置モジュールに関する。一態様では、本発明は電子装置、例えばソーラーセルあるいは光起電力(PV)セル、および保護ポリマー材料を含む電子装置モジュールに関し、一方、別の態様では、本発明は、前記保護ポリマー材料がエチレンマルチブロックコポリマーである電子装置モジュールに関する。さらに別の態様では、本発明は電子装置モジュールを作製する方法に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本願は、2006年9月20日に出願された米国仮特許出願第60/826,319号および2006年11月15日に出願された米国仮特許出願第60/865,953号の利益を主張する。
【背景技術】
【0003】
ポリマー材料は、一般に、限定されるものではないが、ソーラーセル(光起電力セルとしても知られている)、液晶パネル、電子発光装置、ならびにプラズマディスプレイユニットを含む1又はそれ以上の電子装置を含むモジュールの製造に用いられる。モジュールは、電子装置を1又はそれ以上の基板、例えば1又はそれ以上のガラスカバーシートと一緒に含む場合が多く、基板の一方または両方がガラス、金属、プラスチック、ゴム、または別の材料を含む2枚の基板の間に位置することが多い。ポリマー材料は、典型的に、モジュール用の封入剤またはシーラントとして、あるいは、モジュールのデザインによっては、モジュールのスキン層構成材料、例えばソーラーセルモジュール中のバックスキンとして用いられる。これらの目的のための典型的なポリマー材料としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、酢酸セルロース、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、およびアイオノマーが挙げられる。
【0004】
米国特許出願公開第2001/0045229A1号では、電子装置モジュールの構成に用いられる任意のポリマー材料における多くの望ましい特性が確認されている。これらの特性には、(i)特に長時間にわたる、外部環境、例えば湿度と外気への暴露から装置を保護すること、(ii)機械的衝撃から保護すること、(iii)電子装置および基板への強力な接着性、(iv)封止を含む易加工性、(v)特に光あるいは他の電磁放射線が重要な用途、例えばソーラーセルモジュールにおける優れた透明性、(vi)硬化の間のポリマーの収縮に起因する機械的応力から電子装置を保護する短い硬化時間、(vii)あるとしてもごくわずかな電気伝導度しかない高い電気抵抗、ならびに、(viii)低コスト、が含まれる。いかなるポリマー材料も、任意の特定の用途において、これらの特性すべてに最大の性能をもたらすとは限らず、通常、特定の用途に対して最も重要な特性(例えば、透明度および環境からの保護)のパフォーマンスを最大限にするために、その用途に対して2番目に重要な特性(例えば、硬化時間およびコスト)を犠牲にしてトレードオフがなされている。ポリマー材料の組み合わせは、ブレンドとして、またはモジュールの別個の構成材料としてのいずれかでも用いられる。
【0005】
高含量(28から35重量%)の酢酸ビニルモノマー由来のユニットを含むEVAコポリマーは、一般に、光起電力(PV)モジュールに用いるための封入膜を作製するために用いられる。例えば、国際公開公報第95/22844号、同第99/04971号、同第99/05206号および同第2004/055908号を参照。EVA樹脂は、典型的に紫外(UV)線添加物により安定し、それらは過酸化物を用いるソーラーセルの積層加工の間に典型的に架橋されて、耐熱性および約80から90℃の間の温度に対する耐クリープ性を改善する。しかし、EVA樹脂は、いくつかの理由から、決して膜材料を封入する理想的なPVセルではない。例えば、EVA膜は、UV光の影響下で化学分解するEVA樹脂に起因して、強烈な日光の下で次第に黒くなる。この変色は、環境への暴露後わずか4年程度で、30%を上回るソーラーセルモジュールの出力の損失をもたらし得る。EVA樹脂はまた、湿度を吸収し、分解を起こしやすい。
【0006】
さらに、また上記のとおり、EVA樹脂は典型的にUV添加剤により安定し、ソーラーセルの積層加工および/または封入加工の間に過酸化物を用いて架橋され、耐熱性および高温、例えば、80から90℃での耐クリープ性を改善する。しかし、UV放射線を吸収するEVA分子構造中にC=O結合があり、かつ硬化後にその系の中に残りの過酸化物架橋剤が存在するため、添加剤パッケージを用いてUVに誘導される分解に対してEVAを安定させる。残りの過酸化物は、発色団の生成に関与する主要な酸化剤であると見られている(例えば、米国特許第6,093,757号)。添加剤、例えば、抗酸化剤、UV安定剤、UV吸収剤、およびその他などは、EVAを安定させることができるが、同時に添加剤パッケージは、360ナノメートル(nm)以下のUV波長も阻止し得る。
【0007】
光起電力モジュールの効率は、光起電力セルの効率および封入剤を通過する日光の波長に依存する。ソーラーセルの効率への最も基本的な制限の一つは、その半導体材料のバンドギャップ、すなわち、束縛された価電子帯(bound valence band)から可動性の伝導帯へ電子を押し上げるために必要なエネルギーである。バンドギャップよりもエネルギーの少ない光子は、吸収されることなくモジュールを通過する。バンドギャップよりもエネルギーの多い光子は吸収されるが、その過剰なエネルギーは消費される(熱として消散する)。光起電力セル効率を増大させるためには、「タンデム」セル、すなわち多接合セルを用いてエネルギー変換のための波長帯を広げる。その上、薄膜技術、例えばアモルファスシリコン、テルル化カドミウム、またはセレン化銅インジウムガリウムなどの多くにおいて、半導体材料のバンドギャップは、単結晶シリコンのバンドキャップとは異なる。これらの光起電力セルは、360nm以下の波長の光を電気に変換する。これらの光起電力セルにとって、360nm以下の波長を吸収することのできる封入剤は、PVモジュール効率を維持するために必要である。
【0008】
米国特許第6,320,116号および同第6,586,271号は、こうしたポリマー材料、特にソーラーセルモジュールの構成に用いられる材料のもう1つの重要な特性を教示する。この特性は、耐熱クリープ性、すなわち、温度に起因するある期間にわたるポリマーの恒久的な変形に対する耐性である。通常、耐熱クリープ性は、ポリマーの溶融温度に正比例する。建築用途における使用のために設計されたソーラーセルモジュールは、90℃又はそれ以上の温度にて熱クリープに対する優れた耐性を示す必要のある場合が多い。溶融温度の低い材料、例えばEVAに関して、ポリマー材料を架橋することは、より大きい耐熱クリープ性をそれに与えるために必要である場合が多い。
【0009】
架橋、特に化学架橋は、一つの問題、例えば熱クリープに取り組んでいる間に、他の問題をもたらし得る。例えば、EVAは、ソーラーセルモジュールの構成に用いられる一般的なポリマー材料であり、幾分低い融点を有するが、有機過酸化物開始剤を用いて架橋される場合が多い。これが熱クリープ問題に取り組む一方で、腐食問題がもたらされる。すなわち、全体的な架橋が達成されることはめったになく、達成されたとしてもこれによりEVA中に残余過酸化物が残される。この残った過酸化物は、例えば、電子装置モジュールの寿命の間酢酸の解放によって、EVAポリマーおよび/または電子装置の酸化と分解を促進することができる。さらに、有機過酸化物をEVAへ添加することは、早期の架橋を避けるために注意深い温度管理を必要とする。
【0010】
過酸化物により開始される架橋に関するもう一つの起こり得る問題は、加工機器の金属表面上に架橋された材料が蓄積することである。押出稼働中、全ての金属の流れの表面において、長い滞留時間を経験する。より長い押出時間にわたり、架橋された材料は、金属の表面で形成され、機器の洗浄を必要とし得る。ゲル形成を最小化するための現在の習慣、すなわち、加工機器の金属表面でこのポリマーを架橋することは、低い加工温度を用いることであり、これは順に、押出された製品の生産速度を低下させることである。
【0011】
電子装置モジュールの製造に用いるポリマー材料の選択において重要であり得る他の一つの特性は、熱可塑性、すなわち、軟化、成形、および形成される能力である。例えば、ポリマー材料が、フレームなしのモジュール中でバックスキン層として使用される場合、米国特許第5,741,370号に記載されるように、その材料は積層の間に熱可塑性を示すべきである。しかし、この熱可塑性は、効率的な熱耐クリープ性を犠牲にして得られるものであってはならない。
【発明の概要】
【0012】
一実施形態では、本発明は、
A.少なくとも1つの電子装置、および、
B.前記電子装置の少なくとも1つの面に密接に接触しているポリマー材料であって、(i)エチレンマルチブロックコポリマー、(ii)所望により、コポリマーの重量に基づいて少なくとも約0.05重量%の量のフリーラジカル開始剤、例えば過酸化物もしくはアゾ化合物、または光開始剤、例えばベンゾフェノン、および(iii)所望により、コポリマーの重量に基づいて少なくとも約0.05重量%の量の助剤を含むポリマー材料
を含む電子装置モジュールである。
【0013】
別の実施形態では、本発明は、
A.少なくとも1つの電子装置、および、
B.電子装置の少なくとも1つの面に密接に接触しているポリマー材料であって、(i)エチレンマルチブロックコポリマー、および(ii)コポリマーの重量に基づいて少なくとも約0.1重量%の量のビニルシラン、例えばビニルトリ−エトキシシランもしくはビニルトリ−メトキシシラン、(iii)コポリマーの重量に基づいて少なくとも約0.05重量%の量の、フリーラジカル開始剤、例えば、過酸化物もしくはアゾ化合物、または光開始剤、例えばベンゾフェノン、および(iv)所望により、コポリマーの重量に基づいて少なくとも約0.05重量%の量の助剤を含むポリマー材料
を含む電子装置モジュールである。
【0014】
「密接に接触している」および同種の用語は、被膜が基板と接触しているのと同様の様式で、ポリマー材料が装置またはその他の物品の少なくとも1つの面に接触していることを意味し、例えば、ポリマー材料と装置の面の間に隙間または空間がたとえあるとしてもわずかしかなく、その材料が装置の面に良好ないし優れた接着を示す。押出、または電子装置の少なくとも1面にポリマー材料を適用するその他の方法の後、材料は典型的に、透明かまたは不透明のいずれかであってよく、かつ軟質または硬質のいずれかであってよい膜を形成し、かつ/または硬化させる。電子装置が、日光へのアクセスを遮断されないかまたは最小限にしか遮断されないことを必要とするか、あるいは、ユーザーがそれから情報を読みとることのできる、ソーラーセルまたはその他の装置である場合(例えば、プラズマディスプレイユニット)、装置の有効な面または「機能」面を覆う材料のその部分は透明性が高い。
【0015】
モジュールは、1又はそれ以上のその他の構成材料、例えば1又はそれ以上のガラスカバーシートなどをさらに含んでよく、これらの実施形態では、ポリマー材料は通例電子装置とガラスカバーシートとの間にサンドイッチ構造で配置される。ポリマー材料が、電子装置の反対側のガラスカバーシートの面へ膜として適用される場合、ガラスカバーシートの面に接触する膜の面は、滑らかであってもでこぼこしていてもよい(例えば、エンボス加工または表面模様加工)。
【0016】
典型的に、エチレンマルチブロックコポリマーは、エチレン/α−オレフィンコポリマーであり、(a)その画分が少なくとも0.5かつ約1までのブロックインデックスおよび約1.3より大きい分子量分布(PDI、Mw/Mn、MWD)を有することを特徴とする、昇温流出(effluent)分別法(TREF)を用いて分別した場合約40℃から約130℃の間で溶出する分子画分、または(b)0より大きく約1.0までの平均ブロックインデックス、および約1.3より大きいMWDを有する。その上、エチレンマルチブロックコポリマーは、典型的に、以下の特性の少なくとも1つを有する:(i)約1.3より大きい分子量分布、(ii)約0.90g/cc未満の密度、(iii)ASTM D−882−02により測定して約150メガパスカル(mPa)未満の2%割線係数、(iv)約125℃未満の融点、(v)コポリマーの重量に基づいて少なくとも約10から約80重量%のα−オレフィン含量、(vi)約−35℃未満のTg、および(vii)10分あたり約100グラム未満(g/10分)のメルトインデックス(MI)。ポリマー材料は、電子装置を完全に封入することができるか、または、その一部のみに密接に接触していることができる。例えば、部分的に装置を封入するか、または装置の1つのフェイス面へ積層される。その上、少なくとも1枚の追加の膜を、ポリマー材料と電子装置との間に挟むことができる。所望により、ポリマー材料はスコーチ防止剤をさらに含んでよく、モジュールが目的とする用途、コポリマーの化学組成、およびその他の要素によって、コポリマーは、架橋されないままであっても架橋されてもよい。架橋される場合、それはASTM 2765−95で測定して約70%未満の抽出可能なキシレン可溶物を含有するように架橋される。
【0017】
別の実施形態では、本発明は、少なくとも1枚の外側のスキン層が、(i)架橋のための過酸化物を含まず、かつ(ii)モジュールと密接に接触する状態になる面である電子装置の少なくとも1つの面に密接に接触しているポリマー材料が同時に押出された材料であることを除いて、上記の二つの実施形態に記載されるような電子装置モジュールである。典型的に、この外側のスキン層は、ガラスへの良好な接着を示す。同時に押出された材料のこの外側のスキンは、多数の異なるポリマーの内の任意の1種類からなってよいが、一般に、過酸化物含有ポリマーと同じポリマーであるが過酸化物を含まない。本発明のこの実施形態は、より高い加工温度での使用を可能にするものであり、それは次に、加工機器の金属面との長期にわたる接触が原因で、ポリマーの封入の際に不要なゲルが形成されることなく生産速度をより速くすることを可能にするものである。別の実施形態では、押出製品は、少なくとも3層を含み、その電子モジュールに接触しているスキン層は過酸化物を含まず、かつ、その過酸化物含有層はコア層である。
【0018】
別の実施形態では、本発明は、電子装置モジュールを製造する方法であり、前記方法は:
A.少なくとも1つの電子装置を供給する段階、および、
B.(i)エチレンマルチブロックコポリマー、(ii)所望により、コポリマーの重量に基づいて少なくとも約0.05重量%の量のフリーラジカル開始剤、例えば、過酸化物もしくはアゾ化合物、または光開始剤、例えば、ベンゾフェノン、および(iii)所望により、コポリマーの重量に基づいて少なくとも約0.05重量%の量の助剤を含むポリマー材料に電子装置の少なくとも1つの面を接触させる段階を含む。
【0019】
別の実施形態では、本発明は、電子装置を製造する方法であり、前記方法は:
A.少なくとも1つの電子装置を供給する段階、および、
B.(i)エチレンマルチブロックコポリマー、(ii)コポリマーの重量に基づいて少なくとも約0.1重量%の量のビニルシラン、例えば、ビニルトリ−エトキシシランもしくはビニルトリ−メトキシシラン、(iii)コポリマーの重量に基づいて少なくとも約0.05重量%の量のフリーラジカル開始剤、例えば、過酸化物もしくはアゾ化合物、または光開始剤、例えば、ベンゾフェノン、および(iv)所望により、コポリマーの重量に基づいて少なくとも約0.05重量%の量の助剤を含むポリマー材料に電子装置の少なくとも1つの面を接触させる段階を含む。
【0020】
これらの二方法の実施形態の両方に対する一変形形態では、モジュールは、装置の1つのフェイス面から離れて配置された少なくとも1枚の半透明のカバー層をさらに含み、ポリマー材料は、電子装置とカバー層との間のシーリング関係で挿入される。カバー層は、硬質であっても(例えば、ガラス)、軟質であっても(例えば、ポリマー膜)であってもよい。「シーリング関係で」および同種の用語は、ポリマー材料がカバー層と電子装置の両方に、典型的に互いの少なくとも1つのフェイス面に十分に接着すること、ならびに、2つのモジュール構成材料間に、(ポリマー材料がエンボス加工または表面模様加工された膜の形態でカバー層へ適用された結果、あるいはカバー層自体がエンボス加工、そうでなければ表面模様加工された結果として、ポリマー材料とカバー層との間に存在し得る任意の隙間または空間以外の)隙間または空間がたとえあるとしてもごくわずかしかない状態で、ポリマー材料が2つを結び付けることを意味する。
【0021】
さらに、これらの方法の実施形態の両方において、ポリマー材料は、スコーチ防止剤をさらに含むことができ、前記方法は、所望により、例えば架橋条件下で電子装置および/またはガラスカバーシートをポリマー材料と接触させるか、またはモジュールが形成された後に、ASTM 2765−95で測定してポリオレフィンコポリマーが約70%未満の抽出可能なキシレン可溶物を含有するように、モジュールを架橋条件に暴露するかのいずれかで、コポリマーが架橋される段階を含んでよい。架橋条件には、熱(例えば、少なくとも約160℃の温度)、放射線(例えば、電子ビームで計測した場合少なくとも約15メガラド、またはUV光で計測した場合少なくとも約0.05ジュール/cm2)、湿度(例えば、少なくとも約50%の相対湿度)、などが含まれる。
【0022】
これらの方法の実施形態のもう一つの変形形態では、電子装置は、ポリマー材料の内部に封入される、すなわち、完全に包み込まれるか、または取り囲まれる。これらの実施形態のもう一つの変形形態では、カバー層は、シランカップリング剤、例えば、γ−アミノプロピルトリ−エトキシシランで処理される。これらの実施形態のさらにもう一つの変形形態では、ポリマー材料は、電子装置とカバー層のいずれかまたは両方に対してその接着特性を強化するためのグラフトポリマーをさらに含む。典型的に、グラフトポリマーは、エチレンマルチブロックコポリマーをカルボニル基、例えば無水マレイン酸を含む不飽和有機化合物に原位置で単にグラフトすることにより作製される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の電子装置モジュールの一実施形態、すなわち、硬質光起電力(PV)モジュールを示す図である。
【図2】本発明の電子装置モジュールの別の実施形態、すなわち、軟質PVモジュールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
用語「ポリマー」は、両方の従来型ホモポリマー、つまり、単一のモノマーから調製された均質なポリマーおよび、少なくとも2種のモノマーの反応により調製されたポリマー、そうでなければ、たとえ単一モノマーから形成されたとしても、化学的に区別されるセグメントまたはブロックを含有するものを意味するコポリマー(互換的にインターポリマーと称される)を含む。より具体的には、用語「ポリエチレン」には、エチレンのホモポリマーと、中にエチレンを少なくとも50モル%含む、エチレンと1又はそれ以上のC3-8α−オレフィンのコポリマーが含まれる。用語「結晶性」は、用いられる場合、示差走査熱量測定(DSC)または同等の手法により測定される、一次転移点または結晶融点(Tm)を有するポリマーをさす。この用語は、用語「半結晶性」と互換的に使用してよい。用語「非晶質」は、DSCもしくは同等の手法により測定される、結晶融点のないポリマーをさす。
【0025】
「マルチブロックコポリマー」、「セグメント化コポリマー」および同種の用語は、好ましくは線状の様式で接合された2又はそれ以上の化学的に異なる領域またはセグメント(「ブロック」と称される)を含むポリマー、すなわちペンダント方式またはグラフト方式ではなく、重合エチレン官能基に関して末端間で接合される化学的に区別される単位を含むポリマーをさす。好ましい実施形態では、ブロックは、組み込まれるコモノマーの量または種類、密度、結晶化度の量、かかる組成のポリマーに起因する晶子サイズ、立体規則性の種類または程度(アイソタクチックまたはシンジオタクチック)、位置規則性もしくは位置不規則性、分岐の量(長鎖分岐または超分岐を含む)、均質性、またはその他のいかなる化学的もしくは物理的特性の点で異なる。順次的なモノマー添加、流動的触媒、またはアニオン重合手法により生成されたコポリマーを含む、先行技術のブロックコポリマーに比べて、本発明の実践に用いられるマルチブロックコポリマーは、好ましい実施形態において、それらの調製に用いられる複数の触媒と組み合わせたシャトリング剤(shuttling agent)の効果により、両方のポリマー多分散性(PDIまたはMw/MnまたはMWD)の独自の分布、ブロック長分布、および/またはブロック数分布により特徴づけられる。より具体的には、連続工程で製造される場合、ポリマーは、1.7から3.5の、好ましくは1.8から3の、より好ましくは1.8から2.5の、および最も好ましくは1.8から2.2のPDIを有することが望ましい。バッチ工程またはセミバッチ工程で産生される場合、ポリマーは、1.0から3.5の、好ましくは1.3から3の、より好ましくは1.4から2.5の、および最も好ましくは1.4から2のPDIを有することが望ましい。
【0026】
用語「エチレンマルチブロックコポリマー」は、エチレンが少なくとも1つのブロックまたはセグメントからなる複数個の重合されたモノマーユニットをポリマー中に、好ましくはブロックの少なくとも90モル%、より好ましくは少なくとも95モル%、そして最も好ましくは少なくとも98モル%含む、エチレンおよび1又はそれ以上の共重合可能なコモノマーを含むマルチブロックコポリマーを意味する。総ポリマー重量に基づいて、本発明の実践に用いられるエチレンマルチブロックコポリマーは、好ましくは25から97%、より好ましくは40から96%、一層より好ましくは55から95%、および最も好ましくは65から85%のエチレン含量を有する。
【0027】
2又はそれ以上のモノマーから形成される、個々の区別可能なセグメントまたはブロックは単一のポリマー鎖に接合されるため、ポリマーは、標準的な選択的抽出手法を用いて完全に分別することができない。例えば、比較的結晶質の領域(高密度セグメント)および比較的非晶質な領域(低密度セグメント)を含むポリマーは、異なる溶媒を用いても選択的に抽出または分別されることができない。好ましい実施形態では、ジアルキルエーテルまたはアルカン溶媒のいずれかを用いて抽出可能なポリマーの量は、ポリマー総重量の10%未満、好ましくは7%未満、より好ましくは5%未満、および最も好ましくは2%未満である。
【0028】
その上、本発明の実践に用いられるマルチブロックコポリマーは、ポアソン分布よりむしろシュルツ・フローリー分布にあてはまるPDIを有することが望ましい。国際公開公報第2005/090427号および米国特許出願第11/376,835号に記載の重合プロセスを使用すると、多分散ブロック分布ならびにブロックサイズの多分散分布の両方を有する生成物がもたらされる。この結果、改良され、区別可能な物理的特性を有するポリマー生成物の形成がもたらされる。多分散ブロック分布の理論的利点は、Potemkin, Physical Review E (1998) 57 (6), pp. 6902-6912およびDobrynin, J. Chem.Phvs. (1997) 107 (21), pp 9234-9238に既にモデル化され考察されている。
【0029】
さらなる実施形態では、本発明のポリマー、特に連続溶液重合の反応器中で作製されるポリマーは、最も可能性の高いブロック長の分布を有する。本発明の実践に用いられる最も好ましいポリマーは、ターミナルブロックを含む4又はそれ以上のブロックまたはセグメントを含有するマルチブロックコポリマーである。本発明の一実施形態では、エチレンマルチブロックコポリマーは:
(a)約1.7から約3.5のMw/Mn、少なくとも1つの融点Tm(℃)、および密度d(g/cm3)を有し、ここで、Tmおよびdの数値は、次の関係
Tm>−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)2
に一致すること、または、
(b)約1.7から約3.5のMw/Mnを有し、融解熱ΔH(J/g)および最高のDSCピークと最高のCRYSTAFピークとの間の温度差として定義されるデルタ量ΔT(℃)により特徴付けられ、ここで、ΔTおよびΔHの数値は、次の関係を有すること:
ΔT>−0.1299(ΔH)+62.81(0<ΔH≦130J/gの場合)
ΔT≧48℃(130J/g<ΔHの場合)
ここで、CRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも5%を用いて測定され、ポリマーの5%未満が識別可能なCRYSTAFピークを有する場合、CRYSTAF温度は30℃である;または、
(c)エチレン/α−オレフィンインターポリマーの圧縮成形膜を用いて計測された、300%歪みおよび1サイクルでの弾性回復率Re(%)により特徴付けられ、かつ密度d(g/cm3)を有し、ここでエチレン/α−オレフィンインターポリマーが実質的に架橋相を有さない場合、Reおよびdの数値は、次の関係を満たすこと:
Re>1481―1629(d)を有し;または、
(d)TREFを用いて分別される場合40℃から130℃の間で溶出する分子量画分であって、前記画分が前記同じ温度間で溶出する比較対象となるランダムエチレンインターポリマー画分のコモノマーモル含量よりも少なくとも5%大きいコモノマーモル含量を有することを特徴とする分子量画分を有し、ここで前記比較対象となるランダムエチレンインターポリマーは同じコモノマー(1または複数)を有し、かつ、エチレン/α−オレフィンインターポリマーのそれの10%以内のメルトインデックス、密度、および(ポリマー全体に基づく)コモノマーモル含量を有すること;または、
(e)25℃での貯蔵弾性率G’(25℃)、および100℃での貯蔵弾性率G’(100℃)を有し、ここで、G’(25℃):G’(100℃)の比が約1:1から約9:1の範囲にあること、を有するものと定義される。
【0030】
また、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、
(a)画分が少なくとも0.5かつ約1までのブロックインデックス、および約1.3より大きい分子量分布Mw/Mn、を有することを特徴とする、TREFを用いて分別される場合40℃から130℃の間で溶出する分子画分;または、
(b)0より大きくかつ約1.0までの平均ブロックインデックス、および約1.3より大きい分子量分布、Mw/Mn、を有し得る。
【0031】
本発明の実践に用いられるエチレンマルチブロックコポリマーを調製する際に使用するために適したモノマーには、エチレンおよび1又はそれ以上のさらに重合可能なエチレン以外のモノマーが含まれる。適したコモノマーの例としては、3から30個、好ましくは3から20個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖α−オレフィン類、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、および1−エイコセンなど;3から30個、好ましくは3から20個の炭素原子を有するシクロオレフィン類、例えば、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、および2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなど;ジオレフィンおよびポリオレフィン類、例えば、ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、および5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエンなど;芳香族ビニル化合物類、例えば、モノまたはポリアルキルスチレン、(スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、およびp−エチルスチレンを含む)、ならびに官能基を含む誘導体類、例えば、メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、メチルビニル安息香酸、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、3−フェニルプロペン、4−フェニルプロペン、a−メチルスチレン、塩化ビニル、1,2−ジフルオロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、および3,3,3−トリフルオロ−1−プロペンなどが挙げられる。
【0032】
本発明の実践に用いることのできるその他のエチレンマルチブロックコポリマーは、エチレン、C3-20α−オレフィン、特にプロピレン、および所望により1又はそれ以上のジエンモノマーのエラストマーインターポリマーである。本発明のこの実施形態への使用に好ましいα−オレフィンは、化学式CH2=CHR*で表され、ここでR*は、1から12個の炭素原子の直鎖または分岐アルキル基である。適したα−オレフィンの例としては、限定されるものではないが、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、および1−オクテンが挙げられる。特に好ましいα−オレフィンの一つは、プロピレンである。プロピレン系ポリマーは、通常当分野において、EPまたはEPDMポリマーと称される。かかるポリマー、特にマルチブロックEPDM型ポリマーを調製する際に使用するために適したジエンとしては、4から20個の炭素原子を含む、共役または非共役、直鎖または分岐鎖、環状または多環式ジエンが含まれる。好ましいジエン類としては、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、および5−ブチリデン−2−ノルボルネンが挙げられる。特に好ましいジエンの一つは、5−エチリデン−2−ノルボルネンである。
【0033】
ジエン含有ポリマーは、より多量もしくはより少量の(無しを含む)ジエンおよび(無しを含む)α−オレフィンを含有する交互のセグメントまたはブロックを含むため、それに続くポリマー特性を失うことなく、ジエンおよびα−オレフィンの総量を減らすことができる。すなわち、ジエンおよびα−オレフィンモノマーは、ポリマー全体にわたって均一にまたは無作為にではなく、むしろポリマーの一種類のブロックに優先的に組み込まれるため、それらはより効果的に利用され、それに続いてポリマーの架橋密度をより良好に制御することができる。かかる架橋可能なエラストマーおよび硬化生成物は、より強い引っ張り強度およびより良い弾性回復率を含む、有利な特性を有する。
【0034】
望ましくは、エチレンマルチブロックコポリマーは、異なる量のコモノマーを組み込む2種類の触媒を用いて作製され、これらのコポリマーのブロックの重量比は95:5から5:95である。弾性ポリマーは、ポリマーの総重量に基づいて20から90%のエチレン含量を有することが望ましく、所望により0.1から10%のジエン含量、および10から80%のα−オレフィン含量を有する。さらに、本実施形態のマルチブロック弾性ポリマーは、ポリマーの総重量に基づいて、60から90%のエチレン含量、0.1から10%のジエン含量、および10から40%のα−オレフィン含量を有することが好ましい。好ましいポリマーは、重量平均分子量(Mw)が、10,000から約2,500,000、好ましくは20,000から500,000、より好ましくは20,000から350,000であり;多分散性が、3.5未満、より好ましくは3.0未満であり;かつムーニー粘度試験(ML(1+4)125℃)が1から250である、高分子量ポリマーである。より好ましくは、かかるポリマーは、65から75%のエチレン含量、0から6%のジエン含量、および20から35%のα−オレフィン含量を有する。
【0035】
本発明の実践に有用なエチレンマルチブロックコポリマーは、約0.90未満、好ましくは約0.89未満、より好ましくは約0.885未満、さらにより好ましくは約0.88未満、そしてさらにより好ましくは約0.875g/cc未満の密度を有する。エチレンマルチブロックコポリマーは、典型的に約0.85より大きい、そしてより好ましくは約0.86g/ccより大きい密度を有する。密度は、ASTM D−792の手順で測定される。低密度エチレンマルチブロックコポリマーは、通常、非晶質で、軟質であり、かつ良好な光学的特性を有している(例えば、可視光とUV光の透過率が高く、曇りが少ない)として通常特徴づけられる。
【0036】
本発明の実践に有用なエチレンマルチブロックコポリマーは、ASTM D−882−02の手順により測定して、約150未満、好ましくは約140未満、より好ましくは約120未満、およびさらにより好ましくは約100mPa未満の2%割線係数を有する。エチレンマルチブロックコポリマーは、典型的に0より大きい2%割線係数を有するが、係数が低くなればなるほど、コポリマーはそれだけより良好に本発明での使用へ適応する。割線係数は、対象となる点で前記曲線と交差している、応力−歪み曲線の原点からの線の勾配であって、図の非弾性領域における材料の固さを記述するために用いられる。係数の低いエチレンマルチブロックコポリマーは、それらは応力下での安定性(例えば、応力または収縮によって亀裂しにくいこと)をもたらすため、本発明での使用に特に良好に適応する。
【0037】
本発明の実践に有用なエチレンマルチブロックコポリマーは、典型的に約125より低い融点を有する。融点は、国際公開公報第2005/090427号(米国特許第2006/0199930号)に記載の示差走査熱量測定(DSC)法により計測される。低い融点を有するエチレンマルチブロックコポリマーは、本発明のモジュールの二次加工に有用な、望ましい柔軟性および熱可塑性を示す場合が多い。
【0038】
本発明の実践に用いられるエチレンマルチブロックコポリマーならびにその調製および使用は、国際公開公報第2005/090427号、米国特許第2006/0199931号、米国特許第2006/0199930号、米国特許第2006/0199914号、米国特許第2006/0199912号、米国特許第2006/0199911号、米国特許第2006/0199910号、米国特許第2006/0199908号、米国特許第2006/0199907号、米国特許第2006/0199906号、米国特許第2006/0199905号、米国特許第2006/0199897号、米国特許第2006/0199896号、米国特許第2006/0199887号、米国特許第2006/0199884号、米国特許第2006/0199872号、米国特許第2006/0199744号、米国特許第2006/0199030号、米国特許第2006/0199006号、および米国特許第2006/0199983号により十分に記載されている。
【0039】
本発明の実践に用いられるエチレンマルチブロックコポリマーがもつ独自の組成構造に起因して、これらの材料は、特に熱クリープおよび弾性率に関して、電子装置モジュール内の保護ポリマー構成材料の望ましい特性を得るために、架橋を必要としない場合が多い。エチレンマルチブロックコポリマーが、特に低密度、例えば約0.86g/cc未満、または低融点、例えば約120℃未満、を有する状況では、これらのコポリマーは、接触の時点で、もしくはモジュールが構築された後、通例は直後に、典型的に硬化または架橋される。低密度および/または低弾性率ポリマーに関して、架橋は、環境から電子装置を保護するためのそれらの機能の遂行に重要である。具体的には、架橋は、熱、衝撃、および耐溶剤性に関して、かかるポリマーの耐熱クリープ性およびモジュールの耐久性を強化する。架橋が望ましい場合、それは、多数の異なる方法の任意の一法により、例えば、熱により活性化される開始剤、例えば、過酸化物およびアゾ化合物;光開始剤、例えば、ベンゾフェノン;日光およびUV光以外の放射線手法、例えば、電子ビームおよびX線;ビニルシラン、例えば、ビニルトリエトキシシランまたはビニルトリメトキシシラン;および湿気硬化の使用により、もたらすことができる。
【0040】
本発明の実践に用いられるフリーラジカル開始剤には、比較的不安定で少なくとも2つのラジカルに容易に割り込む、任意の熱により活性化される化合物が含まれる。このクラスの化合物の代表は、過酸化物、特に有機過酸化物、およびアゾ開始剤である。架橋剤として用いられるフリーラジカル開始剤の中では、ジアルキルペルオキシド開始剤およびジペルオキシケタール開始剤が好ましい。これらの化合物は、「Encyclopedia of Chemical Technology, 3rd edition, Vol. 17, pp 27-90. (1982)」に記載されている。
【0041】
ジアルキルペルオキシドの群の中で好ましい開始剤は、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−アミルペルオキシ)−ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−アミルペルオキシ)ヘキシン−3、α,α−ジ[(t−ブチルペルオキシ)−イソプロピル]−ベンゼン、ジ−t−アミルペルオキシド、1,3,5−トリ−[(t−ブチルペルオキシ)−イソプロピル]ベンゼン、1,3−ジメチル−3−(t−ブチルペルオキシ)ブタノール、1,3−ジメチル−3−(t−アミルペルオキシ)ブタノール、およびこれら開始剤の2又はそれ以上の混合物である。
【0042】
ジペルオキシケタール開始剤の群の中で好ましい開始剤は、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンn−ブチル、4,4−ジ(t−アミルペルオキシ)吉草酸、エチル3,3−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブチラート、2,2−ジ(t−アミルペルオキシ)プロパン、3,6,6,9,9−ペンタメチル−3−エトキシカルボニルメチル−1,2,4,5−テトラオキサシクロノナン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)吉草酸、エチル−3,3−ジ(t−アミルペルオキシ)−ブチラート、およびこれら開始剤の2又はそれ以上の混合物である。
【0043】
その他の過酸化物開始剤、例えば、00−t−ブチル−0−水素−モノペルオキシスクシナート;00−t−アミル−0−水素−モノペルオキシスクシナートおよび/またはアゾ開始剤、例えば、2,2’−アゾビス−(2−アセトキシプロパン)も、架橋されたポリマーマトリックスをもたらすために用いることができる。その他の適したアゾ化合物としては、米国特許第3,862,107号および第4,129,531号に記載のものが挙げられる。2又はそれ以上のフリーラジカル開始剤の混合物も、本発明の範囲内の開始剤として、共に使用してよい。その上、フリーラジカルは、剪断エネルギー、熱または放射線から形成され得る。
【0044】
本発明の架橋可能な組成物中に存在する過酸化物またはアゾ開始剤の量は、大きく異なる可能性があるが、その最少量は望まれる架橋の程度をもたらすために十分な量である。開始剤の最少量は、典型的に、架橋される1又は複数のポリマーの重量に基づいて、少なくとも約0.05重量%、好ましくは少なくとも約0.1重量%、およびより好ましくは少なくとも約0.25重量%である。これらの組成物中に用いられる開始剤の最大量は、大きく異なる可能性があるが、典型的に、コスト、効率、および所望する架橋の所望の程度などの要因により決定される。その最大量は、典型的に架橋される1又は複数のポリマーの重量に基づいて、約10重量%未満、好ましくは約5重量%未満、およびより好ましくは約3重量%未満である。
【0045】
電磁放射線、例えば、日光、紫外(UV)光、赤外(IR)線、電子ビーム、β線、γ線、X線、および中性子線などによるフリーラジカル架橋の開始を用いてもよい。放射線は、合成および架橋してよいポリマーラジカルを発生させることにより、架橋に作用すると考えられている。「The Handbook of Polymer Foams and Technology、前掲、198から204頁」により、さらなる教示が提供される。硫黄元素は、ジエン含有ポリマー、例えば、EPDMおよびポリブタジエンなどの架橋剤として用いられ得る。コポリマーを硬化させるために用いられる放射線の量は、コポリマーの化学組成、もしあれば開始剤の組成および量、放射線の種類などに伴い変化するが、UV光の典型的な量は少なくとも約0.05、より典型的には約0.1、およびさらにより典型的には少なくとも約0.5ジュール/cm2であり、電子ビーム放射線の典型的な量は、少なくとも約0.5、より典型的には少なくとも約1、およびさらにより典型的には少なくとも約1.5メガラドである。
【0046】
日光またはUV光が、硬化または架橋をもたらすために用いられる場合、典型的に、かつ好ましくは、1又はそれ以上の光開始剤が使用される。かかる光開始剤としては、有機カルボニル化合物、例えば、ベンゾフェノン、ベンズアントロン、ベンゾインとそのアルキルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ、2 フェニルアセトフェノン、p−フェノキシジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシシクロヘキシルフェノン、2−ヒドロキシイソプロピルフェノン、および1−フェニルプロパンジオン−2−(エトキシカルボキシル)オキシムなどが挙げられる。これらの開始剤は、公知の様式および公知の量、例えば、コポリマーの重量に基づいて、典型的には少なくとも約0.05重量%、より典型的には少なくとも約0.1重量%、およびさらにより典型的には約0.5重量%で用いられる。
【0047】
もし水分、すなわち水を用いて硬化または架橋をもたらす場合、典型的に、かつ好ましくは、1又はそれ以上の加水分解/縮合触媒が使用される。かかる触媒としては、ルイス酸、例えばジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、第一錫オクトノエートなど、およびスルホン酸水素、例えばスルホン酸などが挙げられる。
【0048】
フリーラジカル架橋助剤、すなわち促進剤または共開始剤としては、多官能性ビニルモノマーおよびポリマー、トリアリルシアヌレートおよびトリメチロールプロパントリメタクリレート、ジビニルベンゼン、ポリオールのアクリレートおよびメタクリレート、アリルアルコール誘導体、および低分子量ポリブタジエンが挙げられる。硫黄架橋促進剤としては、ベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール、銅ジメチルジチオカーバメート、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドおよびテトラメチルチウラムモノスルフィドが挙げられる。
【0049】
これらの助剤は既知量および公知の方法で用いられる。助剤の最小量は、典型的に、架橋される1又は複数のポリマーの重量に基づいて、少なくとも約0.05重量%、好ましくは少なくとも約0.1重量%、より好ましくは少なくとも約0.5重量%である。これらの組成物中に用いられる助剤の最大量は大きく異なる可能性があり、それは典型的に、コスト、効率および所望する架橋の所望の程度などの要因により決定される。最大量は、典型的に、架橋される1又は複数のポリマーの重量に基づいて、約10重量%未満、好ましくは約5重量%未満、より好ましくは約3重量%未満である。
【0050】
架橋、すなわち熱可塑性材料の硬化を促進するために熱により活性化されるフリーラジカル開始剤を用いる際の困難の1つは、硬化が望まれる全体的なプロセス中の実際の相よりも前に配合および/または加工する間に、それらが未熟な架橋、すなわちスコーチを開始させ得ることである。配合、例えば粉砕、バンバリー、または押出などの従来法を用いると、その時間−温度の関係の結果、フリーラジカル開始剤が熱分解を受け、それが順番に配合されたポリマーの塊中にゲル粒子を作り出し得る架橋反応を開始させる条件をもたらす場合に、スコーチが生じる。これらのゲル粒子は、最終生成物の均質性に悪影響を及ぼし得る。さらに、過剰なスコーチは、従ってバッチ全体が失われるという起こり得る可能性で効率的に加工されることのできない材料の可塑性を低下させ得る。
【0051】
スコーチを最小化させる一方法は、スコーチ防止剤を組成物に組み込むことである。例えば、英国特許第1,535,039号は、有機ヒドロ過酸化物の過酸化物硬化エチレンポリマー組成物のためのスコーチ防止剤としての使用を開示している。米国特許第3,751,378号は、様々なエラストマー処方物に長いムーニースコーチ時間をもたらすための、N−ニトロソジフェニルアミンまたはN,N’−ジニトロソ−パラ−フェニルアミンの、多官能性アクリレート架橋モノマーに組み込まれたスコーチ遅延剤としての使用を開示している。米国特許第3,202,648号は、亜硝酸塩、例えば亜硝酸イソアミル、亜硝酸tert−デシルおよびポリエチレンのスコーチ防止剤としてのその他のものなどの使用を開示している。米国特許第3,954,907号は、スコーチに対する保護物としての単量体ビニル化合物の使用を開示している。米国特許第3,335,124号には、芳香族アミン、フェノール化合物、メルカプトチアゾール化合物、ビス(N,N−ジ置換チオカルバモイル)スルフィド、ヒドロキノンおよびジアルキルジチオカーバメート化合物の使用が記載されている。米国特許第4,632,950号は、一方の金属塩が銅に基づく、ジ置換ジチオカルバミン酸の2つの金属塩の混合物の使用を開示している。
【0052】
フリーラジカル、特に過酸化物、開始剤含有組成物で用いるための1種類の慣用されるスコーチ防止剤は、ニトロキシル2、またはNR1または4−オキシピペリドール、またはタノール(tanol)、またはテンポール(tempol)、またはtmpn、または恐らく最も一般的には、4−ヒドロキシ−TEMPOあるいはさらにより簡単に、h−TEMPOとしても公知の、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルである。4−ヒドロキシ−TEMPOを添加することによって、溶融加工温度で架橋可能なポリマーのフリーラジカル架橋を「クエンチする」ことによりスコーチが最低限に抑えられる。
【0053】
本発明の組成物中に用いられるスコーチ防止剤の好ましい量は、組成物のその他の成分、特にフリーラジカル開始剤の量および性質と共に変動するが、典型的に、1.7重量パーセント(wt%)の過酸化物を含むポリオレフィンエラストマーの系で用いられるスコーチ防止剤の最小量は、ポリマーの重量に基づいて少なくとも約0.01重量%、好ましくは少なくとも約0.05重量%、より好ましくは少なくとも約0.1重量%、最も好ましくは少なくとも約0.15重量%である。スコーチ防止剤の最大量は大きく異なり得、ほかの何よりもコストと効率の機能による。1.7重量%の過酸化物を含むエチレンマルチブロックコポリマーの系で用いられるスコーチ防止剤の典型的な最大量は、ポリマーの重量に基づいて約2重量%を超えない、好ましくは約1.5重量%を超えない、より好ましくは約1重量%を超えない。
【0054】
効果的にグラフトされてエチレンマルチブロックコポリマーを架橋する任意のシランを本発明の実践に使用してよい。適したシランとしては、エチレン性不飽和ヒドロカルビル基、例えばビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、シクロヘキセニルまたはγ−(メタ)アクリロキシアリル基など、および加水分解性基、例えば、ヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルボニルオキシ、またはヒドロカルビルアミノ基などを含む不飽和シランが挙げられる。加水分解性基の例としては、メトキシ、エトキシ、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロプリオニルオキシ、およびアルキルまたはアリールアミノ基が挙げられる。好ましいシランは、ポリマーにグラフトすることのできる不飽和アルコキシシランである。これらのシラン類およびそれらの調製方法は米国特許第5,266,627号により詳細に記載されている。ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランおよびこれらのシランの混合物は、本発明における使用のための好ましいシラン架橋剤である。増量剤が存在するならば、架橋剤にはビニルトリエトキシシランが含まれることが好ましい。
【0055】
本発明の実践に用いられるシラン架橋剤の量は、エチレンマルチブロックコポリマーの性質、シラン、加工条件、グラフト効率、最終的な適用、および同様の因子によって大きく変動し得るが、典型的に、少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも1重量%が使用される。利便性と経済を検討することは、通常本発明の実践に用いられるシラン架橋剤の最大量の2つの主な制限であり、典型的に、シラン架橋剤の最大量は、エチレンマルチブロックコポリマーの重量に基づいて、5重量%を超えない、好ましくは3重量%を超えない。
【0056】
シラン架橋剤は、任意の従来法、典型的に、フリーラジカル開始剤、例えば過酸化物およびアゾ化合物の存在下で、または電離放射線などによりエチレンマルチブロックコポリマーにグラフトされる。有機開始剤、例えば上に記載されるものなど、例えば、過酸化物およびアゾ開始剤が好ましい。開始剤の量は変動し得るが、典型的に、上に記載されるエチレンマルチブロックコポリマーの架橋のための量で存在する。
【0057】
任意の従来法を用いてシラン架橋剤をエチレンマルチブロックコポリマーにグラフトすることができるが、好ましい一方法は、反応押出機、例えばBussニーダーの最初の段階で、2種類を開始剤とともにブレンドすることである。グラフト条件は変動し得るが、溶融温度は、開始剤の滞留時間および半減期にもよるが、典型的に160から260℃、好ましくは190から230℃の間である。
【0058】
本発明のもう1つの実施形態では、ポリマー材料は、1又はそれ以上のガラスカバーシートの接着を、これらのシートが電子装置モジュールの構成材料である程度に促進するためのグラフトポリマーをさらに含む。グラフトポリマーは、ポリマー材料のエチレンマルチブロックコポリマーに適合し、モジュールの構成材料としてのコポリマーの性能を有意に損なわない、任意のグラフトポリマーであってよいが、典型的に、グラフトポリマーは、グラフトポリオレフィンポリマー、より典型的に、ポリマー材料のエチレンマルチブロックコポリマーと同じ組成物のものであるグラフトエチレンマルチブロックコポリマーである。このグラフト添加剤は、典型的に、エチレンマルチブロックコポリマーの少なくとも一部分がグラフト材料でグラフトされるように、エチレンマルチブロックコポリマーをグラフト試薬およびグラフト条件に単に付すことにより、原位置で作製される。
【0059】
少なくとも1つのエチレン不飽和(例えば、少なくとも1つの二重結合)、少なくとも1つのカルボニル基(−C=O)を含み、ポリマー、特にポリオレフィンポリマー、およびより特にエチレンマルチブロックコポリマーにグラフトされる任意の不飽和有機化合物は、本発明のこの実施形態においてグラフト材料として用いることができる。少なくとも1つのカルボニル基を含む化合物の代表は、カルボン酸、無水物、エステルおよびそれらの塩(金属塩および非金属塩の両方)である。好ましくは、有機化合物は、カルボニル基と共役したエチレン不飽和を含む。代表的な化合物としては、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、α−メチルクロトン酸、および桂皮酸ならびに存在する場合それらの無水物、エステルおよび塩誘導体が挙げられる。無水マレイン酸は、少なくとも1つのエチレン不飽和と少なくとも1つのカルボニル基を含む好ましい不飽和有機化合物である。
【0060】
グラフトポリマーの不飽和有機化合物含量は、ポリマーと有機化合物を合わせた重量に基づいて、少なくとも約0.01重量%、好ましくは、少なくとも約0.05重量%である。不飽和有機化合物含量の最大量は便宜に変動し得るが、典型的にそれは約10重量%を超えない、好ましくはそれは約5重量%を超えない、より好ましくはそれは約2重量%を超えない。
【0061】
不飽和有機化合物は、米国特許第3,236,917号および同第5,194,509号に教示されるものなどの任意の公知の技法によりポリマーにグラフトすることができる。例えば、米国特許第3,236,917号において、ポリマーは2ロールミキサーに導入され、60℃の温度で混合される。不飽和有機化合物は、次に、フリーラジカル開始剤、例えば、過酸化ベンゾイルなどと共に加えられ、成分はグラフトが完了するまで30℃にて混合される。米国特許第5,194,509号において、反応温度が高い、例えば、210から300℃であることと、フリーラジカル開始剤が使用されないかまたは低い濃度で使用されることを除いて手順は類似している。
【0062】
代わりとなる好ましいグラフトの方法は、米国特許第4,950,541号に、2軸スクリュー脱蔵押出機を混合装置として用いることにより教示されている。ポリマーおよび不飽和有機化合物を混合し、反応物質が溶融する温度にてフリーラジカル開始剤の存在下で押出機の中で反応させる。好ましくは、不飽和有機化合物は、押出機内部で圧力下で維持される区域に注入される。
【0063】
本発明のポリマー材料は、その他の添加剤も同様に含むことができる。例えば、かかるその他の添加剤としては、UV安定剤および加工安定剤、例えば三価のリン化合物などが挙げられる。UV安定剤は、PVモジュール(例えば、360nm未満まで)により吸収されることのできる電磁放射の波長を低下させる際に有用であり、ヒンダードフェノール類、例えばCyasorb UV2908など、およびヒンダードアミン類、例えばCyasorb UV3529など、Hostavin N30、Univil 4050、Univin 5050、Chimassorb UV119、Chimassorb 944 LD、Tinuvin 622 LDなどが挙げられる。リン化合物としては、ホスホニット類(PEPQ)およびホスフィット類(Weston 399、TNPP、P−168およびDoverphos 9228)が挙げられる。UV安定剤の量は、一般に約0.1から0.8%、好ましくは約0.2から0.5%である。加工安定剤の量は、典型的に約0.02から0.5%、好ましくは約0.05から0.15%である。
【0064】
さらにその他の添加剤としては、限定されるものではないが、抗酸化剤(例えば、ヒンダードフェノール類(例えば、Ciba Geigy Corp.製Irganox(登録商標)1010)、粘着添加剤(cling additives)、例えば、PIB、粘着防止剤、抗スリップ剤、色素および増量剤(透明性が適用に重要である場合透明なもの)が挙げられる。工程内の添加剤、例えばステアリン酸カルシウム、水、その他も用いてよい。これらおよびその他の可能性のある添加剤は、当分野で一般に公知の方法および量で用いられる。
【0065】
本発明のポリマー材料は、当分野で公知の封入剤材料、例えば、米国特許第6,586,271号、米国特許出願公開US2001/0045229 A1号、国際公開公報第99/05206号および国際公開公報第99/04971号に教示されるものなどと同じ方法で、同じ量を使用して電子装置モジュールを構築するために使用される。これらの材料は、電子装置の「スキン」として、すなわち装置の一方または両方のフェイス面に適用されて、あるいは装置が全体的にその材料の中に封入される封入剤として使用してよい。典型的に、ポリマー材料は、ポリマー材料由来のフィルムの層が最初に装置の1つのフェイス面に適用され、次にその装置のもう一方のフェイス面に適用される、1又はそれ以上の積層技法により装置に適用される。代替実施形態では、ポリマー材料を溶融形態で装置の上に押出し、装置の上で凝結させることができる。本発明のポリマー材料は装置のフェイス面に対して良好な接着を示す。
【0066】
一実施形態では、電子装置モジュールは、(i)少なくとも1つの電子装置、典型的に直線または平面パターンに整列した複数のかかる装置、(ii)少なくとも1枚のガラスカバーシート、典型的に装置の両フェイス面を覆うガラスカバーシート、および(iii)少なくとも1つのポリマー材料を含む。ポリマー材料は、典型的にガラスカバーシートと装置の間に配置され、ポリマー材料は装置とシートの両方に良好な接着を示す。装置が特定の形態の電磁放射、例えば、日光、赤外線、紫外線などへの接近を必要とする場合、ポリマー材料は、その放射線に対して、良好な、典型的に優れた、透明度、例えば、UV−vis分光分析法(約250から1200ナノメートルの波長範囲での吸光度を測定する)により測定して90パーセントを超える、好ましくは95パーセントを超える、さらにより好ましくは97パーセントを超える透過率を示す。代わりとなる透明度の尺度は、ASTM D1003−00の内部曇り法である。透明度が電子装置の作動のための要件でない場合、ポリマー材料は不透明な増量剤および/または色素を含んでよい。
【0067】
図1において、硬質PVモジュール10は、本発明の実践に用いられるエチレンマルチブロックコポリマーを含む透明な保護層または封入剤12により包囲されているかまたは封入されている光起電力セル11を含む。ガラスカバーシート13は、PVセル11を覆って配置された透明な保護層の一部分のフロント面を覆う。バックスキンまたはバックシート14は、例えば、第2のガラスカバーシートまたは任意の種類の別の基材であり、PVセル11の裏面に配置された透明な保護層12の一部分の裏面を支持する。バックスキン層14は、その向かい合っているPVセルの面が日光に反応性でない場合、透明である必要はない。この実施形態では、保護層12はPVセル11を封入する。これらの層の厚さは絶対的状況および相互比較の両方において本発明にとって絶対不可欠ではなく、それ自体はモジュールの全体的な設計および目的に応じて大きく変動し得る。保護層12に対する典型的な厚さは、約0.125から約2ミリメートル(mm)の範囲内であり、ガラスカバーシートおよびバックスキン層に対しては約0.125から約1.25mmの範囲内である。電子装置の厚さも大きく変動し得る。
【0068】
図2において、軟質PVモジュール20は、本発明の実践に用いられるエチレンマルチブロックコポリマーを含む透明な保護層または封入剤22が上に載っている薄膜光起電力セル21を含む。光沢/最上層23は、薄膜PV21の上に配置された透明な保護層の一部分の前面を覆う。軟質バックスキンまたはバックシート24は、例えば、第2の保護層または任意の種類の別の軟質基材であって、薄膜PV21の底面を支持する。バックスキン層24は、その支持している薄膜セルの面が日光に反応性でない場合、透明である必要はない。この実施形態では、保護層21は薄膜PV21を封入しない。典型的な硬質または軟質PVセルモジュールの全体的な厚さは、典型的に、約5から約50mmの範囲内となる。
【0069】
図1および2に説明されるモジュールは、多数の異なる方法、典型的にフィルムまたはシートの同時押出法、例えばインフレートフィルム、改質されたインフレートフィルム、カレンダリングおよびキャスティングなどのいずれか1つにより構築することができる。一方法において、かつ図1を参照すると、保護層12は、最初にエチレンマルチブロックコポリマーをPVセルの上面の上一面に押出し、この最初の押出と同時にまたはこの最初の押出に続いて、同じエチレンマルチブロックコポリマーまたは異なるポリマーをPVセルの裏面の上一面に押出することにより形成される。保護フィルムがPVセルに接着した時点で、ガラスカバーシートおよびバックスキン層を任意の便宜な方法、例えば、押出、積層、などで接着剤を用いてまたは用いずに保護層に接着させてよい。保護層の一方または両方の外面、すなわちPVセルと接触している面の反対の面は、エンボス加工または別の方法で処理してガラスおよびバックスキン層との接着性を高めることができる。図2のモジュールは、保護層をPVセルに取り付ける前かまたは取り付けた後のいずれかに、接着剤を用いてまたは用いずに、バックスキン層がPVセルに直接接着していることを除いて、同様の方法で構築することができる。
【0070】
以下の机上の実施例によって、本発明をさらに説明する。特に断りのない限り、全ての部およびパーセンテージは重量による。
(具体的な実施形態)
【0071】
実施例A:
単層15ミル厚の保護キャストフィルムを、80重量%のエチレン/1−オクテンマルチブロックコポリマー(MI5、全密度0.87g/cc;ハードセグメント30%、約0.85g/ccの密度を有するソフトセグメント70%)、20重量%の無水マレイン酸(MAH)改質エチレン/1−オクテン(約1重量%MAHのレベルでグラフトされ、改質後MIが約1.25g/10分であり密度が約0.87g/ccであるENGAGE(登録商標)ポリオレフィン)、0.1重量%のChimassorb(登録商標)944、0.2重量%のNaugard(登録商標)P、および0.3重量%のCyasorb(登録商標)UV531を含むブレンドから作製する。保護フィルムを透明なスーパーストレート(superstrate)(通常ガラス)とソーラーセルとの間、およびソーラーセルとバックスキン材料との間に配置して、150℃でのソーラーセル積層プロセスを用いてソーラーセルモジュールを調製する。
【0072】
実施例B:
単層15ミル厚の保護キャストフィルムを、90重量%のエチレン/1−オクテンマルチブロックコポリマー(MI5、全密度0.87g/cc;ハードセグメント30%、約0.85g/ccの密度を有するソフトセグメント70%)、10重量%の無水マレイン酸(MAH)改質エチレン/1−オクテン(約1重量%MAHのレベルでグラフトされ、改質後MIが約1.25g/10分であり密度が約0.87g/ccであるENGAGE(登録商標)ポリオレフィン)、0.1重量%のChimassorb(登録商標)944、0.2重量%のNaugard(登録商標)P、および0.3重量%のCyasorb(登録商標)UV531を含むブレンドから作製する。保護フィルムを透明なスーパーストレート(通常ガラス)とソーラーセルとの間、およびソーラーセルとバックスキン材料との間に配置して、150℃でのソーラーセル積層プロセスを用いてソーラーセルモジュールを調製する。
【0073】
処方および加工手順:
段階1:ZSK−30押出機をAdhere Screwとともに用いて樹脂と、Amplifyを含む添加剤パッケージを配合する。
段階2:段階2の材料を最大100°Fにて4時間乾燥させる(W&Cキャニスタードライヤーを使用)。
【表1】

【0074】
試験方法および結果:
ガラスへの接着力は、シラン処理ガラスを用いて測定する。ガラス処理の手順は、Gelest社「Silanes and Silicones, Catalog 3000 A」中の手順から適合させる。
【0075】
およそ10mLの酢酸を、200mLの95%エタノールに加えてわずかに酸性の溶液を作製する。次に、4mLの3−アミノプロピルトリメトキシシランを攪拌しながら添加し、シランの約2%溶液を作製する。溶液を5分間置いて加水分解を開始させ、次にそれをガラス皿に移す。緩やかにかき混ぜながら各プレートをこの溶液に2分間浸漬させ、取り出し、95%エタノールで手短にすすいで過剰なシランを除去し、排水させる。プレートを110℃のオーブン中で15分間硬化させる。次に、それらを重炭酸ナトリウムの5%溶液に2分間浸してアミンの酢酸塩を遊離アミンに変換させる。それらを水ですすぎ、ペーパータオルで拭きとり、室温にて一晩風乾させる。
【0076】
ポリマーとガラスとの間の接着強さを試験する方法は、180剥離試験である。これはASTM標準試験ではないが、PVモジュール用のガラスへの接着力を検査するために用いられる。試験サンプルは、未硬化のフィルムをガラスの上部に置き、次にそのフィルムを圧縮成形機の中で圧力下で硬化させることにより調製される。成形されたサンプルは実験室条件下で試験の前の2日間維持される。接着強さはInstron機で測定される。負荷速度は2インチ/分であり、試験は周囲条件下で行われる。試験は安定な剥離範囲(約2インチ)が観察された後に停止される。剥離負荷のフィルム幅に対する比を接着強さとして報告する。
【0077】
硬化したフィルムのいくつかの重要な機械的特性は、引張および動的機械的分析(DMA)法を用いて評価する。引張試験は周囲条件下で負荷速度2インチ/分で行われる。DMA法は−100℃から120℃で実施される。
【0078】
光学特性は次のように測定される:光線透過率のパーセントをUV−vis分光分析法により測定する。それにより250nmから1200nmの波長の吸光度が測定される。内部曇りは、ASTM D1003−61を用いて測定される。
【0079】
結果を表2に報告する。EVAは、Etimexより入手可能な完全に処方されたフィルムである。
【表2】

【0080】
表2のデータから分かるように、エチレン/1−オクテンマルチブロックコポリマーは、EVAポリマーと比較して非常に優れた破断点伸び、引張強さおよび85℃での破断点伸びをもたらし、ガラス強度および光学が少し減少した。
【0081】
実施例C:
ブロックコポリマーポリオレフィン系封入剤フィルム
The Dow Chemical Companyにより開発されたエチレン/1−オクテンブロックコポリマーを本実施例に使用する。この樹脂の密度は、0.877g/cm3であり、メルトインデックスは5g/10分である(標準的なASTM D1238、条件190℃/2.16kgに基づき測定)。この樹脂は1000ppmの抗酸化剤Irganox−168を含む。官能価を加えるため、または樹脂の長期安定性を改良するために数種類の添加剤を選択する。添加剤はUV吸収剤Cyasorb UV531、UV安定剤Chimassorb 944 LD、抗酸化剤Tinuvin 622 LD、ビニルトリメトキシシラン(VTMS)、および過酸化物Luperox−101である。処方(重量による)は表3に記載される。
【表3】

【表4】

【表5】

【0082】
サンプルの調製
エチレン/1−オクテンブロックコポリマーペレットを乾燥機中で40℃にて一晩乾燥させる。ペレットと添加剤を乾燥混合し、ドラムの中に入れて30分間混転させる。次に、シランと過酸化物をドラムに注入し、さらに15分間混転させる。十分に混合した材料をフィルムキャスティング用のフィルム押出機に供給する。フィルムをフィルムライン(Killion単軸スクリュー押出機、シート押出ダイ24インチ)に流延する。加工条件を表6に要約する。
【表6】

【0083】
18から19ミル厚のフィルムを5.9フィート/分にて保存する。フィルムサンプルを、UV照射および湿度を避けるためにアルミニウムバッグに封入する。
【0084】
試験方法および結果
次のフィルムの主要特性が試験される。
【0085】
1.光学特性:
フィルムの光線透過率は、UV−可視スペクトロメーター(走査型ダブルモノクロメーターおよび積分球(integrating sphere)アクセサリーを備えたPerkin Elmer UV−Vis950)により、初期キャストフィルムを約150℃の温度にて30分間圧縮成形し、その後2枚の冷たい(20℃)定盤の間に置くことにより室温まで急冷した後に調べて、約15ミルの最終フィルム厚を達成する。この分析で用いたサンプルは15ミル厚である。フィルムのUV−可視スペクトルは、同じ適用用の市販の現在使われているフィルムと比較する。両方のフィルムが400nmから1100nmの波長範囲の間に90%を上回る透過率を示す。
【0086】
2.ガラスへの接着:
接着試験を判定するために用いた方法は、180℃剥離試験である。これはASTM標準試験ではないが、PVモジュールおよび自動車用ラミネートガラス用のガラスへの接着力を検査するために用いられる。試験サンプルは、圧縮成形機中、圧力下でフィルムをガラスの上部に置くことにより調製される。所望の接着幅は1インチである。テフロンシートを、試験準備の目的でガラスと材料の間に入れてガラスとポリマーを分離する。ガラス/フィルムサンプル調製の条件は下に記載される:
1)2000ポンドで3分間160℃
2)8000ポンドで30分間160℃
3)8000ポンドで室温まで冷却
4)サンプルを型枠から取り出し、接着試験の前に材料を48時間室温で状態調整する。
【0087】
接着強さは材料試験システムで測定する(Instron5581)。負荷速度は1分当たり2インチであり、試験は周囲条件で実施される(24℃およびRH50%)。ガラスへの接着を評価するために安定な剥離領域が必要である(約2インチ)。安定な剥離領域における剥離負荷のフィルム幅に対する比を接着強さとして報告した。
【0088】
温度および湿度の接着強さへの効果を、温水(80℃)中で1週間老化させたサンプルを用いて調べる。これらのサンプルをガラス上で成形し、次に温水に1週間浸漬する。次に、これらのサンプルを、接着試験の前に実験室条件下で2日間乾燥させる。比較として、市販のフィルムの接着強さも同じ条件下で評価する。フィルムおよび市販のサンプルの接着強さを表7に示す。
【表7】

【0089】
3.水蒸気透過速度:
水蒸気透過速度(WVTR)は、透過分析機器(Mocon社製Permatran W型101K)を用いて測定する。全てのWVTR単位は、38℃および50℃ならびに相対湿度(RH)100%にて測定された1日あたり100平方インチあたりのグラム(g/(100in2−日)であり、2つの検体の平均である。市販のフィルムも試験して防湿層特性を比較する。実験フィルムおよび市販のフィルムの厚さは15ミルであり、両方のフィルムが160℃にて30分間硬化される。WVTRの結果を表8に示す。
【表8】

【0090】
表8中のデータが示すように、本発明のフィルムのWVTRは、市販のフィルムよりも水蒸気に対する透過性がはるかに低い。
【0091】
本発明は先行する説明および実施例によってかなり詳細に説明されてきたが、この詳細な記述は説明目的のものであり、添付される特許請求の範囲に記載されているとおりの本発明の範囲の制限と解釈されるべきではない。上に特定される全ての米国特許、公開特許および許可された特許出願は参照により本明細書に援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A.少なくとも1つの電子装置、および
B.電子装置の少なくとも1つの面に密接に接触しているポリマー材料であって、(1)(a)約1.3よりも大きい分子量分布、(b)約0.90g/ccよりも小さい密度、(c)ASTM D−882−02により測定して約150メガパスカル(mPa)よりも小さい2%割線係数、(d)約125℃未満の融点、(e)コポリマーの重量に基づいて少なくとも約10重量パーセントであり約80重量パーセント(wt%)未満のα−オレフィン含量、および(f)−35℃未満のTg、の中の少なくとも1つの特性をもつエチレンマルチブロックコポリマー、(2)所望によりフリーラジカル開始剤、および(3)所望により助剤を含むポリマー材料
を含む、電子装置モジュール。
【請求項2】
前記電子装置がソーラーセルである、請求項1に記載のモジュール。
【請求項3】
前記フリーラジカル開始剤が、前記コポリマーの重量に基づいて少なくとも約0.05重量%の量で存在する、請求項2に記載のモジュール。
【請求項4】
前記助剤が、前記コポリマーの重量に基づいて少なくとも約0.05重量%の量で存在する、請求項3に記載のモジュール。
【請求項5】
前記フリーラジカル開始剤が過酸化物である、請求項4に記載のモジュール。
【請求項6】
前記コポリマーが、ASTM 2765−95により測定して約70パーセント未満のキシレン可溶性抽出可能物を含むように、ポリオレフィンコポリマーが架橋されている、請求項1に記載のモジュール。
【請求項7】
前記ポリマー材料が、電子装置の少なくとも1つの面に密接に接触している単層フィルムの形態である、請求項1に記載のモジュール。
【請求項8】
前記ポリマー材料が、約0.01から約1.7重量%の量のスコーチ防止剤をさらに含む、請求項1に記載のモジュール。
【請求項9】
少なくとも1枚のガラスカバーシートをさらに含む、請求項1に記載のモジュール。
【請求項10】
前記ポリマー材料が、少なくとも1つのエチレン不飽和と少なくとも1つのカルボニル基を含む不飽和有機化合物でグラフトされたポリオレフィンポリマーをさらに含む、請求項1に記載のモジュール。
【請求項11】
前記不飽和有機化合物が無水マレイン酸である、請求項10に記載のモジュール。
【請求項12】
前記エチレンマルチブロックコポリマーが、(i)TREFを用いて分画された場合に約40℃から約130℃の間で溶出する分子画分が、前記画分のブロックインデックスが少なくとも0.5より大きく約1までであり、MWDが約1.3より大きいことを特徴とすること、および(ii)平均ブロックインデックスが0より大きく約1.0までであり、MWDが約1.3より大きいこと、の少なくとも1つによりさらに特徴付けられる、請求項1に記載のモジュール。
【請求項13】
A.少なくとも1つの電子装置、および
B.前記電子装置の少なくとも1つの面に密接に接触しているポリマー材料であって、(1)(a)約1.3よりも大きい分子量分布、(b)約0.90g/ccよりも小さい密度、(c)ASTM D−882−02により測定して約150メガパスカル(mPa)よりも小さい2%割線係数、(d)約125℃未満の融点、(e)コポリマーの重量に基づいて少なくとも約10であって約80重量パーセント(wt%)未満のα−オレフィン含量、および(f)−35℃未満のTg、の中の少なくとも1つの特性をもつエチレンマルチブロックコポリマー、(2)コポリマーの重量に基づいて少なくとも約0.1重量%の量のビニルシラン、(3)コポリマーの重量に基づいて少なくとも約0.05重量%の量のフリーラジカル開始剤、および(4)所望により助剤を含むポリマー材料
を含む、電子装置モジュール。
【請求項14】
前記電子装置がソーラーセルである、請求項13に記載のモジュール。
【請求項15】
前記助剤が、コポリマーの重量に基づいて少なくとも約0.05重量%の量で存在する、請求項14に記載のモジュール。
【請求項16】
前記フリーラジカル開始剤が過酸化物である、請求項15に記載のモジュール。
【請求項17】
前記ビニルシランが、ビニルトリエトキシシランおよびビニルトリメトキシシランの中の少なくとも1つである、請求項16に記載のモジュール。
【請求項18】
前記コポリマーが、ASTM 2765−95により測定して約70パーセント未満のキシレン可溶性抽出可能物を含むように、ポリオレフィンコポリマーが架橋されている、請求項13に記載のモジュール。
【請求項19】
前記ポリマー材料が、電子装置の少なくとも1つの面に密接に接触している単層フィルムの形態である、請求項13に記載のモジュール。
【請求項20】
前記ポリマー材料が、約0.01から約1.7重量%の量のスコーチ防止剤をさらに含む、請求項13に記載のモジュール。
【請求項21】
前記ポリマー材料が、少なくとも1つのエチレン不飽和と少なくとも1つのカルボニル基を含む不飽和有機化合物でグラフトされたポリオレフィンポリマーをさらに含む、請求項13に記載のモジュール。
【請求項22】
前記不飽和有機化合物が無水マレイン酸である、請求項21に記載のモジュール。
【請求項23】
前記エチレンマルチブロックコポリマーが、(i)TREFを用いて分画された場合に約40℃から約130℃の間で溶出する分子画分が、前記画分のブロックインデックスが少なくとも0.5より大きく約1までであり、MWDが約1.3より大きいことを特徴とすること、および(ii)平均ブロックインデックスが0より大きく約1.0までであり、MWDが約1.3より大きいこと、の少なくとも1つによりさらに特徴付けられる、請求項13に記載のモジュール。
【請求項24】
A.少なくとも1つの電子装置、および
B.前記電子装置の少なくとも1つの面に密接に接触しているポリマー材料であって、エチレンマルチブロックコポリマーを含むポリマー材料
を含む、電子装置モジュール。
【請求項25】
エチレン/非極性α−オレフィンポリマーフィルムであって、前記フィルムが、(i)400から1100ナノメートルの波長範囲の間、92%以上の透過率、および(ii)1日平方メートル当たり約50グラム未満(g/m2・日)の水蒸気透過速度、を有することを特徴とする、フィルム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−504646(P2010−504646A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529354(P2009−529354)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/078845
【国際公開番号】WO2008/036707
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】