説明

エネルギー設備運用計画システムおよびエネルギー設備運用計画方法

【課題】 複エネルギー設備において、環境負荷を評価関数または制約条件とし、最適なベストミックス運用計画を算出し、運用することができるエネルギー設備運用計画システムおよびエネルギー設備運用計画方法を提供する。
【解決手段】 複数のエネルギー設備の負荷情報、排出ガス関連情報、エネルギーの市場価格情報、予想変動率情報、需要予測情報のうち、いずれか1つ以上を記憶し、記憶された情報を用いて、複数のエネルギー設備のエネルギー需要に応じた負荷配分の最適なベストミックス計算をベストミックス運用計画最適化計算エンジン部11によって行い、計算された負荷配分に対して、所定の期間の誤差を算出し、誤差修正をリアルタイムベストミックス運用計画最適化計算エンジン部21によって行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー設備の最適運用を容易に行うことができるエネルギー設備運用計画システムおよびエネルギー設備運用計画方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、プラントの運転制御システム及び運転制御の方法についての技術は、電力、熱、他の複数の需要予測値に対し、複数の電源をどのように運用するかを経済性最適化問題として定式化し、数理計画手法を用いて負荷配分、起動計画、運転パターンの最適解を求めるものである(特許文献1参照)。しかし、昨今の環境負荷、CO2排出権の考慮から、環境負荷を考慮した発電設備、エネルギー設備の運用計画最適化が必要になってきた。これらに対する先行技術情報としては、温室効果ガス削減最適化システムやその方法(特許文献2参照)、環境投資決定支援方法、装置等(特許文献3参照)が開示されている。
【特許文献1】特開平9−179604
【特許文献2】特開2003−331088
【特許文献3】特開2003−296512
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述特許文献では、環境負荷制約、例えばCO2排出枠や排出権に対する発電機器の最適化を示しているが、年間計画における最適化、月間計画における最適化、日運用における最適化の区別が明確でない。また、複数の発電設備の固定費、変動費や負荷追従特性を考慮したベストミックスという考えが明確ではない。特に、今後重要となる排出枠や排出権は、年間の運用制約であるのに対し、発電設備、エネルギー設備は需給マッチングの視点から日々のリアルタイム需給制御とその最適化が重要であり、日ベースの最適化から月、年ベースの最適化まで一貫性と柔軟性のある最適運用が必要となるが、従来の最適運用システムでは実現が困難である。
【0004】
かかる問題を解決するために、本発明では、複エネルギー設備において、環境負荷を評価関数または制約条件とし、最適なベストミックス運用計画を算出し、運用することができるエネルギー設備運用計画システムおよびエネルギー設備運用計画方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述目的を達成するために、本発明の一態様によれば、複数のエネルギー設備の負荷情報、排出ガス関連情報、エネルギーの市場価格情報、予想変動率情報、需要予測情報のうちいずれか1つ以上を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された情報を用いて、前記複数のエネルギー設備の需要に応じた負荷配分の最適なベストミックス計算を行う計算手段と、前記計算手段によって計算された前記複数のエネルギー設備の負荷配分に対して、所定の期間の誤差を算出し、誤差修正を行う修正手段とを備えることを特徴とするエネルギー設備運用計画システムが提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明を用いることにより、複エネルギー設備において、環境負荷を評価関数または制約条件とし、最適なベストミックス運用計画を算出し、運用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るエネルギー設備運用計画システムの構成を示したブロック図である。
【0009】
なお、本発明のエネルギー設備運用計画システムは、複数の発電設備または熱回収を伴うコジェネレーション、ボイラーなどのエネルギー設備において用いられるものであり、エネルギー効率、経済効率の他に環境負荷を評価関数または制約条件とし、最適なベストミックス運用計画を年、月、日の単位で算出を行うものである。
【0010】
エネルギー設備運用計画システムは、ベストミックス運用計画最適化計算エンジン部11、年間需要データベース12、CO2排出枠データまたはCO2排出権取引価格またはその年間予測値およびボラティリティのデータ13、設備データベース14、電力または熱の市場取引価格またはその予測値、ボラティリティのデータ15、各発電設備・エネルギー設備の年間負荷パターン16、月配分展開機能17、各発電設備・エネルギー設備の月間負荷パターン18、日配分展開機能19、各発電設備・エネルギー設備の日負荷パターン20、リアルタイムベストミックス運用計画最適化計算エンジン部21、リアルタイム需要予測機能22、修正日負荷パターン23、月間日負荷パターン修正機能24、年間月負荷パターン修正機能25、年間負荷パターン修正機能26、表示機能27、収益性計算機能28等から構成されている。
【0011】
ベストミックス運用計画最適化計算エンジン部11は、各発電設備の起動停止・負荷配分計画を最適化する最適化計算機能を有する。年間需要データベース(電力需要および熱需要のデータ)12は、年間の最適化計算に必要な需要の年間予測値を備えたデータベースで過去の実績データに基づき、電力、熱などの需要を推定、修正、出力する。
【0012】
CO2排出枠データまたはCO2排出権取引価格またはその年間予測値およびボラティリティのデータ13は、環境コストを加味した最適化計算のための必要データである。当該データは、SOx、NOxの排出枠データまたは排出権取引価格またはその年間予測値およびボラティリティのデータに置き換えることも共存させることも可能である。設備データベース14は、各発電設備、熱源機器の定格、部分負荷特性、運転範囲、運転制約条件、燃料種類、燃料カロリー単価、効率、単位出力あたりのCO2排出係数、SOx排出係数、NOx排出係数、脱硫コスト、脱硝コストなどのデータを記憶したデータベースである。
【0013】
電力または熱の市場取引価格またはその予測値、ボラティリティのデータ15は、経済的最適運用のために、市場調達電源または地域冷暖房設備からの購入蒸気などの熱も一つの架空の発電設備、エネルギー設備とし、全体のベストミックス最適運用に含めることができる。各発電設備・エネルギー設備の年間負荷パターン16は、最適運用の結果として、ベストミックス運用計画最適化計算エンジン部11によって計算されたベストミックス運用計画値である。
【0014】
月配分展開機能17は、年間負荷パターンを月間運用目標値または制約値へ展開する機能で、年間のCO2排出枠などの制約条件を満たすように各月の制約条件または目標値を算出するものである。具体的には、年間CO2排出枠を各月排出枠に分解し、各月の発電設備、エネルギー設備の運用計画最適化計算を行う。各発電設備・エネルギー設備の月間負荷パターン18は、月配分展開機能17により生成された各月の発電設備、エネルギー設備の運用計画値である。
【0015】
日配分展開機能19は、各発電設備・エネルギー設備の月間負荷パターン18を日負荷パターン目標値または制約値へ展開する機能で、月間のCO2排出枠などの制約条件を満たすように各日の制約条件または目標値を算出するものである。具体的には、月間CO2排出枠を各日排出枠に分解し、各日の発電設備、エネルギー設備の運用計画最適化計算を行う。各発電設備・エネルギー設備の日負荷パターン20は、日配分展開機能19により生成された各日の発電設備、エネルギー設備の運用計画値である。
【0016】
リアルタイムベストミックス運用計画最適化計算エンジン部21は、例えば、前日の段階でリアルタイム需要予測機能22から得られた最新の需要予測値に従い、再度、1日べ一スの負荷配分最適化計算を行い、結果としての修正された日負荷パターン23を算出する。リアルタイム需要予測機能22は、リアルタイムベストミックス運用計画最適化計算エンジン部21のリアルタイム最適化のために最新の電力、熱などの需要予測を行うもので、過去のデータのほかに気象予測情報などの外部環=境データと連動して1日分の需要予測値を算出する。
【0017】
修正日負荷パターン23は、リアルタイムベストミックス運用計画最適化計算エンジン部21により修正された各発電設備・エネルギー設備の日負荷パターンである。月間日負荷パターン修正機能24は、それまでの実績値と修正日負荷パターン23の修正された日負荷パターンを考慮して当月の残りの日負荷パターンを修正する機能である。具体的には、気象条件などの変動で急激に電力需要が増加し、結果としてCO2排出量実績値が計画値より増えてしまった場合、当月の残りの日々のCO2排出枠を月間目標値または制約値を満たすように修正することができる。
【0018】
年間月負荷パターン修正機能25は、月間日負:荷パターン修正機能24で修正された各発電設備・エネルギー設備の月間負荷パターン18を考慮して、当年の残りの月間負荷パターンを修正する機能である。具体的には、異常気象で夏の需要が急増し、CO2排出量実績値が計画値より増えてしまった場合、当年の残りの月々のCO2排出枠を年間目標値または制約値を満たすように修正することができる。年間負荷パターン修正機能26は、年間月負荷パターン修正機能25で修正された月間負荷パターンの修正値を反映し、年間負荷パターンを修正する機能である。
【0019】
表示機能27はベストミックス運用計画最適化結果の表示を行うもので、上述のようにして得られた個々の発電設備、エネルギー機器の最適運用パターンを表示する機能である。収益性計算機能28は、ベストミックス運用計画最適化の結果の収益見込み額計算機能で、上述のようにして得られた個々の発電設備、エネルギー機器の最適運用パターンから実現されるはずの年間の収益性すなわち、売電利益、売熱利益などから買電、買熱、燃料調達などのエネルギー調達コストを差し引いたものを表示する。
【0020】
次に、本発明の第1実施形態に係るエネルギー設備運用計画方法を図2のフローチャート、図3、図4を参照して説明する。
【0021】
まず、複数のエネルギー設備の負荷情報、排出ガス関連情報、エネルギーの市場価格情報、予想変動率情報、需要予測情報のうち、いずれか1つ以上を記憶手段にあらかじめ、記憶する。記憶手段は、年間需要データベース12、設備データベース14やこれら以外の所定の記憶手段であってもよい。これらの記憶手段に記憶された情報を用いて、複数のエネルギー設備のエネルギー需要に応じた負荷配分の最適なベストミックス計算をベストミックス運用計画最適化計算エンジン部(計算手段)11が行う。
【0022】
計算手段によって計算された複数のエネルギー設備の負荷配分に対して、所定の期間の誤差を修正日負荷パターンとして算出し、リアルタイムベストミックス運用計画最適化計算エンジン部21により、誤差修正を行う。
【0023】
以下に詳細に説明する。
【0024】
ベストミックス運用計画最適化計算エンジン部11は、年間需要データベース12、設備データベース14、電力または熱の市場取引価格またはその予測値、ボラティリティのデータ15が記憶されている所定の記憶手段等から各種の必要なデータを読み出す(ステップS101、図3参照)。なお、所定の記憶手段とは、年間需要データベース12および設備データベース14内にあってもよいし、任意に別途設けてもよい。
【0025】
例えば、年間需要データベース12では、年間の最適化計算に必要な需要の年間予測値を、CO2排出枠データまたはCO2排出権取引価格またはその年間予測値およびボラティリティのデータ13では、環境コストを加味した最適化計算のための必要データ、すなわち、SOx、NOxの排出枠データまたは排出権取引価格またはその年間予測値等を、設備データベース14では、各発電設備、熱源機器の定格、部分負荷特性、運転範囲、運転制約条件、燃料種類、燃料カロリー単価、効率、単位出力あたりのCO2排出係数、SOx排出係数、NOx排出係数、脱硫コスト、脱硝コストなどのデータを、電力または熱の市場取引価格またはその予測値、ボラティリティのデータ15では、経済的最適運用のために、市場調達電源情報、地域冷暖房設備からの購入蒸気情報などの熱も一つの架空の発電設備、エネルギー設備とし、全体のベストミックス最適運用に含めるためのデータを、読み出す。
【0026】
次に、ベストミックス運用計画最適化計算エンジン部11は、読み出した各種のデータを基にベストミックス運用計画最適化計算を行い、計算結果を算出する(ステップS102、図3参照)。このように、CO2排出枠、排出権などの環境負荷を考慮した最適化問題を解くことにより、環境負荷とエネルギー運用の経済性をバランスさせた複数の発電設備、エネルギー機器に対する最適運用計画すなわちベストミックス解を得ることができる。
【0027】
さらに、リアルタイムベストミックス運用計画最適化計算エンジン部21は、年間負荷パターン、月間負荷パターン、日負荷パターンへの展開機能と逆方向の計算処理、修正処理を行う(ステップS103、図4参照)。
【0028】
ベストミックス運用計画最適化計算エンジン部11は、必要があると判別した場合は、収益性計算を行う(ステップS104)。また、ベストミックス運用計画最適化計算エンジン部11は、各種の計算結果をディスプレイ等に表示処理を行う(ステップS105、後術する図5参照)。
【0029】
以上、本実施形態によれば、上述した機能を併せ持つことで、年間運用制約にかかわるCO2排出枠、排出権などの環境制約と日々の需給計画に係わるリアルタイム運用最適化を連携させることができ、日々や季節の気象変動要因などの需要変動、他の計画のずれに対し、柔軟に修正を加えることができる。
【0030】
また、年間運用制約の基となる排出枠、排出権などの環境負荷と日々の需要変動に追従した最適運用との調和させたベストミックス最適運用計画を市場調達も含めた複数の発電設備、エネルギー機器に対して立案することができ、環境制約下で、より柔軟な運用が可能となる。
【0031】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図5、6を参照して説明する。
【0032】
システム構成は、第1実施形態と同様であり、詳細は上述に譲る。
【0033】
第2実施形態では、図1の月配分展開機能17の表示機能において、ベストミックス運用計画最適化結果の表示を図5のように行う。すなわち、年間負荷持続曲線上にプロット表示する。
【0034】
また、図6は、排出枠、排出権取引価格、そのボラティリティ、電力市場価格、熱市場価格、需要予測値のうちの1つまたはいくつかをパラメータとして、その負荷配分が変動する様子を図示する機能を図示した模式図である。
【0035】
以上のように構成された本実施形態では、年間負荷持続曲線は、複数電源のベストミックスを直感的に理解しやすい表示を可能にするものである。すなわち、設備投資が大きく、燃料単価が安い石炭火力はべ一ス電源、設備償却を終え、効率が悪い老朽化火力はピーク電源、中間の天然ガスコンバインドサイクルはミドルロードなどの割り当てが稼働率と運用パターンの関係で把握できる。また、環境負荷、たとえば、CO2排出係数の高い石炭火力の環境コスト、CO2排出係数の低い天然ガスコンバインドサイクルの環境コスト、などを加味することによって、ベストミックスがどのように変化するかが一目に把握できる。さらに、排出枠、排出権取引価格、そのボラティリティ、電力市場価格、熱市場価格、需要予測値のうちの一つまたはいくつかをパラメータとして、その負荷配分が変動する様子を図示する機能により、各因子のベストミックスへの影響を把握することが可能となる。
【0036】
本実施形態では、環境負荷を考慮した発電設備・エネルギー設備の運用計画立案システムの表示方法を可能とし、環境コストのベストミックス電源配分に対する影響、またはその他各種要因に対する影響が明確に表示され、複数発電設備、エネルギー設備の運用戦略立案上のサポートに役立てることができる。
【0037】
なお、本発明では、外部から調達する電源を含めた複数の発電設備またはエネルギー設備において、経済性、エネルギー効率を考慮して、与えられた電力需要、熱需要を満たす個々の設備運用計画を算出する機能を備えることにより、CO2排出枠制約またはCO2排出権コストを考慮することが可能な発電設備・エネルギー設備の運用計画立案方法およびシステムを提供することができる。また、年間のCO2排出枠制約またはCO2排出権取引価格予測値が与えられたとき、各月のCO2排出量制約値または目標値に展開する機能、各月のCO2排出量制約値または目標値を各日のCO2排出量制約値または目標値に展開する機能、翌日の発電設備・エネルギー設備の運用計画を最新の需要予測、燃料価格、排出権取引価格に基づき、修正する機能、過去から当日までの運用実績に基づき、当月残りの各日のCO2排出量制約値または目標値を修正する機能、過去から当月までの運用実績に基づき、当年残りの各月のCO2排出量制約値または目標値を修正する機能、CO2排出権の将来の予想価格とボラティリティなどの変動幅、および電力、熱の将来の予想需要とその不確定性を加味し、トータルコストの最悪ケースをリスク制約条件として運用計画を算出する機能、を提供することができる。さらに、上述の機能は、CO2だけでなく、SOx、NOxの排出管理が必要な場合についても、SOx排出枠制約、NOx排出枠制約、またはSOx排出権価格および脱硫コスト、NOx排出権価格および脱硝コストを考慮し、対応する排出量制約値または目標値を算出する機能を提供することができる。また、ベストミックス運用最適化計画値として、年間負荷持続曲線図上に各発電設備の負荷配分を図示する機能さらに、排出枠、排出権取引価格、そのボラティリティ、電力市場価格、熱市場価格、需要予測値のうちの一つまたはいくつかをパラメータとして、その負荷配分が変動する様子を図示する機能、により、年間計画における最適化、月間計画における最適化、日運用における最適化の区別と連携関係を明確にすること、さらにリアルタイム計算から修正された日負荷パターンから月間負荷パターン、年間負荷パターンの修正を行うことで、従来の問題点を解決し、リアルタイム運用から年間計画運用まで連携のとれた発電設備・エネルギー設備の最適運用が実現できる。また、ベストミックス最適運用の負荷配分を図示し、運用者に判断しやすくする表示することも可能である。
【0038】
また、本発明は上述実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1実施形態に係るエネルギー設備運用計画システムの構成を示したブロック図。
【図2】本発明の第1実施形態に係るエネルギー設備運用計画方法を示すフローチャート。
【図3】本発明の第1実施形態に係るエネルギー設備運用計画システムの構成の一部を示したブロック図。
【図4】本発明の第1実施形態に係るエネルギー設備運用計画システムの構成の一部を示したブロック図。
【図5】ベストミックス運用計画最適化結果の表示形態を示した模式図。
【図6】所定のパラメータと、その負荷配分が変動する様子を図示した模式図。
【符号の説明】
【0040】
11…ベストミックス運用計画最適化計算エンジン部、12…年間需要データベース、13…CO2排出枠データまたはCO2排出権取引価格またはその年間予測値およびボラティリティのデータ、14…設備データベース、15…電力または熱の市場取引価格またはその予測値、ボラティリティのデータ、16…各発電設備・エネルギー設備の年間負荷パターン、17…月配分展開機能、18…各発電設備・エネルギー設備の月間負荷パターン、19…日配分展開機能、20…各発電設備・エネルギー設備の日負荷パターン、21…リアルタイムベストミックス運用計画最適化計算エンジン部、22…リアルタイム需要予測機能、23…修正日負荷パターン、24…月間日負荷パターン修正機能、25…年間月負荷パターン修正機能、26…年間負荷パターン修正機能、27…表示機能、28…収益性計算機能

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエネルギー設備の負荷情報、排出ガス関連情報、エネルギーの市場価格情報、予想変動率情報、需要予測情報のうち、いずれか1つ以上を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された情報を用いて、前記複数のエネルギー設備のエネルギー需要に応じた負荷配分の最適なベストミックス計算を行う計算手段と、
前記計算手段によって計算された前記複数のエネルギー設備の負荷配分に対して、所定の期間の誤差を算出し、誤差修正を行う修正手段と、
を備えることを特徴とするエネルギー設備運用計画システム。
【請求項2】
請求項1に記載の設備運用計画システムであって、
前記排出ガス関連情報は、CO2、SOx、NOxの各排出枠制約、排出権コストおよび排出処理コストのうち、いずれか1つ以上であることを特徴とするエネルギー設備運用計画システム。
【請求項3】
請求項1に記載の設備運用計画システムであって、
前記エネルギー設備の負荷情報は、各エネルギー設備ごとの定格出力情報、排出ガスの排出係数情報、発電効率情報、燃料単価情報のいずれか1つ以上であることを特徴とするエネルギー設備運用計画システム。
【請求項4】
請求項1に記載の設備運用計画システムであって、
前記計算手段は、必要に応じて、年単位、月単位、日単位で、計算を行うことを特徴とするエネルギー設備運用計画システム。
【請求項5】
請求項1に記載の設備運用計画システムであって、
前記計算手段は、年間のCO2排出枠制約またはCO2排出権取引価格予測値が与えられたとき、各月のCO2排出量制約値または目標値に展開することを特徴とするエネルギー設備運用計画システム。
【請求項6】
請求項1に記載の設備運用計画システムであって、
各月のCO2排出量制約値または目標値を各日のCO2排出量制約値または目標値に展開することを特徴とするエネルギー設備運用計画システム。
【請求項7】
請求項1に記載の設備運用計画システムであって、
前記修正手段は、翌日の発電設備・エネルギー設備の運用計画を最新の需要予測、燃料価格、排出権取引価格に基づき、修正することを特徴とするエネルギー設備運用計画システム。
【請求項8】
請求項1に記載の設備運用計画システムであって、
前記修正手段は、所定の過去の日から当日までの運用実績に基づき、当月残りの各日のCO2排出量制約値または目標値を修正することを特徴とするエネルギー設備運用計画システム。
【請求項9】
請求項1に記載の設備運用計画システムであって、
前記修正手段は、所定の過去の日から当月までの運用実績に基づき、当年残りの各月のCO2排出量制約値または目標値を修正することを特徴とするエネルギー設備運用計画システム。
【請求項10】
請求項1に記載の設備運用計画システムであって、
前記計算手段は、CO2排出権の将来の予想価格情報、予想変動率情報、エネルギーの将来の予想需要情報、および予想需要情報の不確定性に基づいて、総合的なコストが一番高いケースをリスク制約条件として運用計画を計算することを特徴とするエネルギー設備運用計画システム。
【請求項11】
請求項1に記載の設備運用計画システムであって、
表示手段をさらに備え、
前記表示手段は、年間負荷持続曲線図上に各発電設備の負荷配分を図示する機能または、排出枠、排出権取引価格、そのボラティリティ、電力市場価格、熱市場価格、需要予測値のうちの一つまたはいくつかをパラメータとして、その負荷配分が変動する様子を図示する機能を備えることを特徴とするエネルギー設備運用計画システム。
【請求項12】
複数のエネルギー設備の負荷情報、排出ガス関連情報、エネルギーの市場価格情報、予想変動率情報、需要予測情報のうちいずれか1つ以上を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された情報を用いて、前記複数のエネルギー設備の需要に応じた負荷配分の最適なベストミックス計算を行う計算手段と、
前記計算手段によって計算された前記複数のエネルギー設備の負荷配分に対して、所定の期間の誤差を算出し、誤差修正を行う修正手段と、
を備えることを特徴とするエネルギー設備運用計画システム。
【請求項13】
複数のエネルギー設備の負荷情報、排出ガス関連情報、エネルギーの市場価格情報、予想変動率情報、需要予測情報のうちいずれか1つ以上を記憶手段に記憶する記憶ステップと、
前記記憶手段に記憶された情報を用いて、前記複数のエネルギー設備の需要に応じた負荷配分の最適なベストミックス計算を行う計算ステップと、
前記計算ステップによって計算された前記複数のエネルギー設備の負荷配分に対して、所定の期間の誤差を算出し、誤差修正を行う修正ステップと、
を有することを特徴とするエネルギー設備運用計画方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−75876(P2009−75876A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−244320(P2007−244320)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】