エネルギー貯蔵デバイスのための可変体積格納
積層エネルギー貯蔵デバイス(ESD)は、積層状態に配列される少なくとも2つのセル区画を有する。各セル区画は、第1の活物質電極を有する第1の電極ユニットと、第2の活物質電極を有する第2の電極ユニットと、活物質電極間の電解質層とを有し得る。可変体積格納を使用して、各セル区画内の電極間間隔を制御し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の可撓性ガスケットが、セル区画内に電解質を封止し、好ましい方向に変形するように、各セル区画内に含まれ得る。いくつかの実施形態では、硬質停止部が、ESDの電極間間隔を設定し得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/147,725号(2009年1月27日出願)および米国仮特許出願第61/181,194号(2009年1月27日出願)の利益を主張し、両出願は、その全体が本明細書に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、エネルギー貯蔵デバイス(ESD)に関し、より具体的には、本発明は、可変体積格納(variable volume containment)を組み込んでいるESDに関する。
【背景技術】
【0003】
密封されたESDの特徴は、外部汚染および/または干渉からのESD内へのセルの格納および絶縁である。従来の格納デバイス(例えば、ESD包体)は、電解質溶媒混合物および活物質等、ESD物質の種々の位相のために、格納および絶縁を提供する。多くの場合、これらのESD物質を含有する一方、セルは、休止または動作状態にある必要がある。セルは、休止または動作状態にあるが、セル内に含有されるある物質は、状態変化を被る。状態変動は、格納デバイス上に応力を付与するセル圧力に変化をもたらす。
【0004】
固定体積コンテナ内の圧力は、コンテナ内の活物質の量および状態または複数の状態に比例する。例えば、金属水酸化物ESDでは、電気化学結合として、アノード内の金属水酸化物合金と、カソード内の金属水酸化物とを含む。これらの物質はそれぞれ、コンテナ内の正味体積偏移をもたらす、状態変化を受ける。体積偏移は、セル圧力の変化および/または自由体積の正味変化をもたらし得る。したがって、活物質の状態変化は、より少ないか、またはより多い利用可能な自由体積をもたらす可能性がある(自由体積とは、セル内に含有される物質全ての体積とユニットセル体積が異なることを指す)。例示的な金属水素化物構成では、変位された液体からの水圧、電解質溶媒混合物の気相成分、および電解質溶媒混合物の蒸気相の部分的圧力が、コンテナ壁に対して力を発生させる。また、変化する活物質状態に起因する圧力によって、電極表面は、コンテナ壁に対して物理的に押圧する。応力が、格納デバイスの能力を超える場合、デバイスは、劣化または適切に機能しない場合がある。
【0005】
従来のESDは、2つの電極のみを有する巻回セルESD、または多数の板の集合を並列に有する標準的な柱状セルESDのいずれかとして製造されている。これらの種類の両方では、電解質は、ESD内のあらゆる場所で共有される。巻回セル構造および柱状セル構造は両方とも、剛性の固定体積の格納を採用する。これらの構造は、コンテナが、体積拡張および/または収縮を許容しないため(すなわち、自由体積の量が固定される)、剛性コンテナ内の物質の厳密な考慮を要求する。自由体積が多過ぎると、性能不良(例えば、弛緩セル)をもたらし、自由体積が少な過ぎると、潜在的にデバイスの爆発をもたらすので、自由体積の量は、ESDの動作に影響を及ぼし得る。いくつかの事例では、これらの従来のESDの動作の際に発生される力は、コンテナの物質限度を超え、コンテナを破砕させ得る。高圧によってコンテナが破砕すると、内部組成が、相当量のエネルギーによって出射される。
【0006】
故に、可変体積格納を有するESDを提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述に照らして、可変体積格納を有するESDのための装置および方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のいくつかの実施形態では、複数の双極電極ユニットの積層を有する、ESDが提供される。各電極ユニットは、伝導性基板と、伝導性基板の第1の表面上の正極活物質電極層と、伝導性基板の第2の表面上の負極活物質電極層とを含んでもよい。電解質層が、各対の隣接電極ユニット間に提供されてもよい。可撓性ガスケットが、電解質層のそれぞれの周りに配置されてもよく、ガスケットは、所定の様式において、機械的に変形可能であってもよい。
【0009】
ある実施形態によると、その中の電極間間隔が維持される、ESDが提供される。ESDは、複数のセル区画を含んでもよく、各セル区画は、第1の活物質電極層を有する第1の伝導性基板と、第2の活物質電極層を有する第2の伝導性基板とを含んでもよい。電解質層が、第1と第2の活物質電極層との間に提供されてもよい。複数の硬質停止部が、提供されてもよく、各それぞれの伝導性基板は、それぞれの硬質停止部上に固定されて配置されてもよく、硬質停止部は、ESDの電極間間隔を設定するように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の上述の利点および他の利点は、添付の図面と併用して以下の詳細な説明を考察することによってより明白となるであろう(図面において、同一の参照文字は、同一の部分を指す)。
【図1】図1は、本発明のある実施形態による、双極電極ユニット(BPU)の構造の概略断面図を示す。
【図2】図2は、本発明のある実施形態による、図1のBPUの積層の構造の概略断面図を示す。
【図3】図3は、本発明のある実施形態による、積層双極ESDの斜視図を示す。
【図4】図4は、本発明のある実施形態による、図3の積層双極ESDの部分的断面図を示す。
【図5】図5は、本発明のある実施形態による、図4の積層双極ESDの概略断面図を示す。
【図6】図6は、本発明のある実施形態による、図5の双極ESDの硬質停止部の斜視図を示す。
【図7】図7は、本発明のある実施形態による、図5の双極ESDの可撓性封止材の概略断面図を示す。
【図8】図8は、本発明のある実施形態による、積層双極ESDの部分的に分解された概略断面図を示す。
【図9】図9は、本発明のある実施形態による、積層双極ESDの構造の概略断面図を示す。
【図10】図10は、本発明のある実施形態による、積層双極ESDの構造の概略断面図を示す。
【図11】図11は、本発明のある実施形態による、積層双極ESDの構造の概略断面図を示す。
【図12】図12は、本発明のある実施形態による、積層双極ESDの構造の概略断面図を示す。
【図13】図13は、本発明のある実施形態による、積層双極ESDの構造の概略断面図を示す。
【図14】図14は、本発明のある実施形態による、柱状セルESDの構造の概略断面図を示す。
【図15】図15は、本発明のある実施形態による、柱状セルESDの構造の概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
可変体積格納を有するエネルギー貯蔵デバイス(ESD)のための装置および方法が提供され、図1−図15を参照して以下に説明される。本発明は、電気エネルギーまたは電流を貯蔵および/または提供し得る、例えば、バッテリ、キャパシタ、あるいは任意の他の好適な電気化学エネルギーもしくは電力貯蔵デバイス等のESDに関する。本発明は、積層された双極可変体積格納を有するESDとの関連において、本明細書に説明され、論じられる概念は、平行板、柱状、折畳、巻回および/または双極構成、任意の他の好適な構成、あるいは任意のそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意のセル間電極構成に適用可能であることを理解されるであろう。
【0012】
本明細書に定義されるように、「電極間間隔」とは、積層双極ESD内の活物質電極層間の距離である。これは、例えば、1つの正と1つの負の電極のみを含有する、セル内の正と負の電極との間の距離に該当し得る。いくつかの実施形態では、これは、同一セル内に複数の電極集合または区画を有するセルに該当し得る。複数の電極または電極区画を有するセルの場合、複数の電極間間隔が存在してもよい。
【0013】
積層形式の封止セルを有するESDは、概して、一連の積層された双極電極ユニット(BPU)を含むように開発されている。これらのBPUはそれぞれ、集電体の対向する面の上に塗膜される正極活物質電極層と、負極活物質電極層とが提供される。任意の2つのBPUは、相互の上部に積層され、電解質層が、それらの2つのBPSの集電体を電気的に絶縁するために、BPUのうちの1つの正極活物質電極層とBPUのうちの他方の負極活物質電極層との間に提供されてもよい。任意の2つの隣接するBPUの集電体は、活物質電極層およびそれらの間の電解質を伴う、封止された単一のセルまたはセル区画である。それぞれ、第1のBPUの一部分および第2のBPUの一部分を有する、そのようなセルの積層を含むESDは、本明細書において「積層双極」ESDと称されるものとする。
【0014】
可変体積格納は、多重セル双極ESD構造等、通常でないESD構成に恩恵をもたらし得る。双極ESD構成では、セルは、セル間の共通集電板を使用して、直列に積層され、格納物質の減少と、それによる質量および/または体積の減少とをもたらす。双極構成の潜在的欠点の1つは、ESDの動作および繰返しの際の電極間間隔の変動性である。セル圧力が蓄積すると、電極表面を離れる方向に押し得る。この移動は、電極表面間の空隙距離を増加させ、デバイスの内部抵抗に影響を及ぼす。さらに、電極間間隔の増加に伴って、例えば、電気インピーダンスの増加、充電効率の低下、放電能力、率能力等、望ましくないカスケード効果がもたらされ得る。
【0015】
従来の積層双極ESDは、平面電極板を使用する。平面板を使用し、縁封止の使用によって平面板を絶縁することによって、積層された電気化学ESD内のセルは、実質的に独立して動作し得る。独立したセルが充電および放電されると、わずかな圧力差が隣接セル間に発生し得る。隣接セル間の圧力差が、平方インチ当たり数ポンドを超える場合、平面電極は、第1のセルから第2のセルに向かって偏向し得る。この偏向は、第2のセルの隔離板物質を歪め、短絡を発生させ得る「ホットスポット」を生成する場合がある。概して、個々のセルの物理的構成要素および化学的性質が、相互に若干異なり得るため、概して、セル間の圧力差が存在し得る。
【0016】
例えば、セル電圧が、電解質溶媒(例えば、NiMHの場合、水)の絶縁破壊電圧を超えることが許容される場合、溶媒のそれぞれの気相成分(例えば、酸素および水素)の形成がもたらされ得る。気相成分が形成され、放出される速度は、セルの気相圧成分に作用し、活物質電極マトリクスに影響を及ぼし得る。気相形成速度は、例えば、ESDの内部抵抗、電荷の状態、電荷受容の段階、および充電率に関連し得る。過度の気相形成速度は、例えば、活物質を電極マトリクスから分断することによって、電極マトリクスの機械的安定性を低下させ、ESDの容量減退をもたらし得る。
【0017】
組み合わせられた圧力(例えば、水圧、機械圧、および気相/蒸気相圧)が、電極結合圧力を超える場合、電極は、分離し得る。空隙距離の増加は、活物質を電極マトリクスから移動させ、サイクル毎に容量減退をもたらし得る。活物質は、最終的に、隔離板を通っておよび/またはその周囲を移動し、潜在的に、例えば、電極の早発絶縁破壊および個々のセル内の短絡等、望ましくない効果をもたらし得る。可変体積格納は、電極表面を実質的に隔離板に当接させたままにし、それによって、活物質を電極マトリクス内に順応的に保持することによって、一連の望ましくない効果を軽減し得る。
【0018】
ESDを説明するために一般的に使用される性能指標は、ワット時/kgおよび/またはワット時/Lの単位を有する特有のエネルギーと、ワット/kgおよび/またはワット/Lの単位を有する特有の電力であり得る。これらの性能指標は、比較的に軽量および/または小体積のデバイスに有利に働き得る。双極ESDは、格納デバイスの質量および/または体積を低減させることが可能であって、それによって、巻回セルおよび柱状セルESD等の従来のESDパックに勝る利点をもたらし得る。しかしながら、双極ESDの開発における課題とは、活物質が、電極分離をもたらし得る、ESDの動作および繰返しの際、形状を変化する場合があることである。
【0019】
双極ESDのセル機構は、複雑かつ多変数の問題であり得る。セルの挙動は、付勢機能、または刺激、ならびに電場内の活物質の物理的および熱力学的状態または状態に関連し得る。瞬間的または略瞬間的セル動態を予測するために、実質的に、デバイス全体内の物質の瞬間的あるいは略瞬間的状態もしくは複数の状態が、必要とされ得る。したがって、ESDの挙動の記述を比較的に単純に維持するために、状態記述(例えば、充電状態および放電状態)が、使用されてもよい。
【0020】
ESDの熱力学的状態は、外部付勢機能(例えば、電圧または電流源および/または負荷)によって駆動されてもよい。外部付勢機能への接続は、ESDの電気化学刺激を可能にし得る。外部付勢機能とESDの活物質または複数の物質との間の接続の質は、界面反応が生じ得る、デバイス内に複数の界面が存在する場合があるため、重要なパラメータであり得る。例えば、界面反応は、活物質界面、曜日−電解質界面、およびカソード界面で生じ得る。外部付勢機能とESDの活物質または複数の物質との間の比較的に低質の接続は、これらの界面の一部または全部における界面反応に負の影響を及ぼし得る。
【0021】
溶媒(例えば、電解質)内に含有される流動性イオンに対する、電極表面の物理的配向およびその位置は、電気化学的動態に影響を有し得る。帯電粒子上に発生される力は、実質的に、例えば、粒子の電荷および電場強度に正比例し得る。いくつかの事例では、帯電粒子上に発生される力は、力の不均衡をもたらし、得られた力ベクトルの方向に、帯電粒子の正味の加速を生じさせ得る。
【0022】
帯電粒子上に発生させられる力は、引力および/または斥力であり得る。引力および斥力の寄与は、電極間隔に依存し得る。したがって、ESDの電極間間隔は、帯電粒子上の電気力学的力に影響を及ぼし得る。引力および斥力は、帯電粒子上の正味加速に寄与し得る。斥力および引力の両方が、得られた力内にあると見なされる場合、正味の力または加速は、電極間隔内の減少に伴って増加する。可変体積格納を採用する、双極ESDは、物理的負荷の印加を介して、電極間間隔を動的に制御可能であってもよい。可変体積格納は、格納デバイスへの物理的負荷の印加および電極間間隔の動的制御を可能にし得る。電極間間隔の動的制御は、例えば、電極表面の配向に垂直である力を物理的に調節することによって、提供されてもよい。
【0023】
ESDに影響を及ぼし得る、別の変数は、活物質の熱力学的状態であり得る。活物質は、活物質の形状変化をもたらし得る、熱力学的状態間を繰り返し得る。例えば、状態変化を通してセル圧力に影響を及ぼし得るニッケル金属水素化物(NiMH)デバイス内の活物質は、金属水素化物、ニッケル水酸化物、および電解質溶媒(例えば、気体および蒸気圧力成分の両方)であり得る。
【0024】
活物質の状態変化は、格納デバイスの正味体積拡張および/または収縮をもたらし得る。固体活物質(例えば、金属水素化物合金またはニッケル水酸化物)の場合、拡張差は、300%も大きくなり得る。したがって、活物質は、ある場合には、繰返しの際、格納デバイスに比較的に相当量の力を付与し得る。いくつかの実施形態では、力が、格納デバイス物質または複数の物質の能力を超えると、破損が生じ得る。これは、格納デバイスから排出され得る物質または複数の物質の比較的に高い動力学的エネルギーのために、潜在的に危険である場合がある。したがって、格納デバイスを活物質の体積ニーズに合致させる一方で、また、界面の電極間間隔を維持するように設計することが好ましいあろう。格納デバイスの体積成分は、格納デバイスの体積の量が、活物質の状態または複数の状態を考慮して、必要とされるものと同等となり得るように設計されてもよい。
【0025】
図1は、本発明のある実施形態による、例示的な「平板」双極電極ユニットまたはBPU102を示す。積層されたセルESD内において使用するための平板構造については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Oggらによる米国特許出願第11/417,489号および米国特許出願第12/069,793号に詳述されている。BPU102は、不透過性伝導性基板または集電体106の第1の面上に提供され得る正極活物質電極層104と、不透過性伝導性基板106の他方の面上に提供され得る負極活物質電極層108とを含んでもよい(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2007年10月9日に発行されたFukuzawaらによる米国特許第7,279,248号参照)。
【0026】
双極電極は、任意の好適な形状または幾何学形状を有し得ることを理解されるであろう。例えば、本発明のいくつかの実施形態では、「平板」BPUは、代替として、または加えて、「皿形状」電極であってもよい。皿形状電極は、双極ESDの動作の際に発生し得る圧力を低減させ得る。皿形状圧平衡電極については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Westらによる米国特許出願第12/258,854号に詳述されている。
【0027】
図2に示されるように、例えば、複数のBPU202は、BPU202の正電極層204が、電解質層210を介して、隣接するBPU202の負電極層208に対向し得るように、2つの隣接するBPU202間に提供され得る電解質層210とともに、積層220へと実質的に垂直に積層される。各電解質層210は、電解質を保持し得る隔離板を含んでもよい。隔離板は、正電極層204とそれに隣接する負電極層208とを電気的に分離する一方で、電極ユニット間のイオン移行を可能にし得る。
【0028】
図2におけるBPU202の積層された状態のBPU202を引き続き参照すると、例えば、第1のBPU202の正電極層204および基板206と、第1のBPU202に隣接する第2のBPU202の負電極層208および基板206と、第1と第2のBPU202との間の電解質層210とに含まれる構成要素は、本明細書において、単一の「セル」または「セル区画」222と呼ばれるものとする。各セル区画の各不透過性基板は、適用可能な隣接するセル区画222によって共有されてもよい。
【0029】
図3および4は、本発明のある実施形態による、それぞれ積層双極ESDの斜視図および部分的断面図を示す。積層双極ESD350は、圧縮ボルト323と、整列リング324aおよび324bと、機械式バネ326aおよび326bと、積層320(基板フランジ307を含む)と、積層320の両端に提供される、剛性端部キャップ334および318とを含んでもよい。整列リング324は、積層双極ESD350の両端に提供されてもよい。例えば、整列リング324aと整列リング324bとは、ESD350の対向する端に提供されてもよい。機械式バネは、整列リング324a/324bと剛性端部キャップ334/318との間に提供されてもよい。例えば、機械式バネ326aは、整列リング324aと剛性端部キャップ334との間に提供されてもよく、機械式バネ326bは、整列リング324bと剛性端部キャップ318との間に提供されてもよい。機械式バネ326aおよび326bは、ESD350の動作および繰返しの際に発生される力に応答して、偏向するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、バネ326aおよび326bの偏向は、印加される負荷に正比例してもよい。
【0030】
剛性端部キャップ334および318は、双極ESD350の電極の形状に実質的に適合するように成形されてもよい(例えば、図5のBPU2a−d参照)。例えば、端部キャップ334および318は、ESD350の電極および/または基板の「平板」、「皿形状」、または任意の他の形状、またはそれらの組み合わせに適合してもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、基板フランジ307は、双極ESD350の周りに提供され、積層320から半径方向外向きに突出してもよい。フランジ307は、例えば、フランジ307が結合されるそれぞれの不透過性伝導性基板に対応する双極電極ユニットに電気接続を提供してもよい(例えば、図5のBPU2aのフランジ7参照)。図3のフランジ307は、「舌圧子」として成形されるが、積層320から外向きに延在するように構成される任意の他の好適な形状および任意の他の好適なサイズであってもよい。例えば、フランジ307の断面領域は、実質的に、四角形、三角形、円形または楕円形、六角形、または任意の他の所望の形状、あるいはそれらの組み合わせであってもよく、特定のコネクタもしくは複数のコネクタと電気的に結合するように構成されてもよい。
【0032】
図5は、本発明のある実施形態による、図4の積層双極ESDの概略断面図を示す。端部キャップ18および34は、それぞれ、積層20の第1の端部および第2の端部に提供されてもよい。図5に示されるように、例えば、本発明のある実施形態に従って、積層双極ESD50を構成するために、正端子および負端子が、1つ以上のBPU2a−dの積層20とともに提供されてもよい。不透過性伝導性基板16の一方の面に提供される正極活物質電極層14を含み得る正の単極電極ユニットまたはMPU12は、正のMPU12の正電極層14が、電解質層10eを介して、積層20のその第1の端部において、BPU(すなわち、BPU2d)の負電極層(すなわち、8d)と対向し得るように提供される電解質層(すなわち、電解質層10e)とともに、積層20の第1の端部に配置されてもよい。不透過性伝導性基板36の一方の面に提供される負極活物質電極層38を含み得る、負の単極電極ユニットまたはMPU32は、負のMPU32の負電極層38が、電解質層10aを介して、積層20のその第2の端部において、BPU(すなわち、BPU2a)の正電極層(すなわち、4a)と対向し得るように提供される電解質層(すなわち、電解質層10a)とともに、積層20の第2の端部に配置されてもよい。MPU12および32は、対応する正電極導線および負電極導線(図示せず)が、それぞれ提供されてもよい。
【0033】
例えば、図5に示されるように、各MPUの基板と電極層とは、その隣接するBPU2a/2dの基板および電極層と、それらの間の電解質層10a/10eとともに、セル区画22を形成し得ることに留意されたい(例えば、区画22aおよび22e参照)。積層20内の積層されたBPU2a−dの数は、1つ以上であってもよく、例えば、ESD50のための所望の電圧に対応するために、適切に決定されてもよい。各BPU2a−dは、ESD50のための所望の電圧が、各成分BPU2a−dによって提供される電位に効果的に追加されることによって達成され得るように、任意の所望の電位を提供してもよい。各BPU2a−dは、同一の電位を提供する必要がないことが理解されるであろう。
【0034】
いくつかの実施形態では、双極ESD50は、BPU積層20およびそのそれぞれの正および負のMPU12および32が、低下した圧力下のケースまたは包体内に少なくとも部分的にカプセル化(例えば、密封)され得るように構築されてもよい。MPU伝導性基板16および36は、例えば、利用時に外部からの衝撃を緩和し、環境劣化を防止するようにESDケースから引き出されてもよい。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態では、双極ESD50は、端部キャップ18、または端部キャップ34、あるいは両方が不透過性伝導性基板であって、活物質電極層14および38が、端部キャップ18/34の一方の面上に直接提供され得るように、構築されてもい。本実施形態では、例えば、正のMPU12は、端部キャップ18(図示せず)の一方の面上に提供される正極活物質電極層14を含み、負のMPU32は、端部キャップ34(図示せず)の一方の面上に提供される負極活物質電極層38を含み得るので、不透過性伝導性基板16/36の必要性がなくてもよい。
【0036】
第1のセル区画の電解質(例えば、セル区画22aの電解質層10aを参照)が、別のセル区画の電解質(例えば、セル区画22bの電解質層10bを参照)と結合することを防止するために、動的可撓性ガスケットまたは封止材が、その特定のセル区画内の電解質を実質的に封止するために、隣接電極ユニット間の電解質層とともに積層されてもよい。ガスケットまたは封止材は、例えば、特定のセルの隣接する電極ユニットと機械的に相互作用し、それらの間の電解質を封止し得る任意の好適な圧縮性あるいは非圧縮性の固体もしくは粘着性物質、または他の好適な物質、あるいはそれらの組み合わせであってもよい。一つの好適な配列では、例えば、図5に示されるように、本発明の双極ESDは、各セル区画22a−eの電解質層10a−eならびに活物質電極層4a−d/14および8a−d/38の周りに、障壁として配置され得る、ガスケットまたは封止材60a−eを含んでもよい。ガスケットまたは封止材は、連続的で、密閉されてもよく、そのセルのガスケットと隣接電極ユニットとの間の電解質(すなわち、BPUあるいはそのガスケットまたは封止材に隣接するBPUおよびMPU)を実質的に封止してもよい。ガスケットまたは封止材は、例えば、そのセルの隣接する電極ユニット間に適切な間隔を提供し得る。
【0037】
第1のセル区画の電解質(例えば、セル区画22aの電解質層10aを参照)が、別のセル区画の電解質(例えば、セル区画22bの電解質層10bを参照)と結合することを防止するために、積層双極ESD50のセル区画を封止する際に、セル区画は、セルが充電および放電されるに伴って、隣接するセル(例えば、セル22a/22b)の間に圧力差を産生し得る。平衡弁は、このように発生する圧力差を実質的に減少させるために提供されてもよい。平衡弁は、気体の移行を可能にし、かつ電解質の移行を実質的に防止する半透過性膜または破裂板として、機械的あるいは化学的に動作し得る。ESDは、平衡弁の任意の組み合わせを有するBPUを有してもよい。圧力平衡弁については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Westらによる米国特許出願第12/258,854号に詳述されている。
【0038】
圧力解放弁は、バネ、または時として、圧縮性ゴムスラグを使用して、セル内の開口部に対して圧縮される、剛性物質(例えば、鋼鉄)によって支持される、封止物質(例えば、ゴム)の機械的配列であってもよい。セル内の圧力が、許容可能な限度を超えて増加すると、バネは、圧縮し、ゴム封止材は、開口部から押しのけられ、過剰な気体が漏出する。圧力が低下すると、弁は再び封止され、セルはほぼ正常に機能することが可能となる。過剰な電解質は、ほぼ確実に解放される圧力とともに漏出する。
【0039】
気体平衡弁は、極性液体の輸送を実質的に防止するが、二原子気体および非反応性気体または希ガスは、弁を通して拡散させられ、弁の両側の圧力を平衡化してもよい。拡散または輸送が遮断される液体として、水、アルコール、食塩水、塩基性溶液、酸性溶液、および極性溶媒を含んでもよいが、これらに限定されない。気体平衡弁を使用して、二原子気体を極性液体から分離してもよい。また、耐極性溶媒封止材および黒鉛炭素繊維束から成る気体平衡弁が、使用されてもよい。気体平衡弁を使用して、複数のセルESD、双極セルESD、またはウルトラキャパシタ貯蔵デバイス内のセル間の圧力を平衡化してもよい。気体平衡弁を使用して、例えば、少なくとも1つの車輪および少なくとも1キログラムの積載量を有する、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、またはプラグインハイブリッド電気自動車のESDの圧力差を制御してもよい。
【0040】
引き続き、図5を参照すると、硬質停止部62a−eは、ガスケット60a−eから半径方向外向きに提供されてもよい。例えば、硬質停止部62aは、ガスケット60aから半径方向外向きに提供されてもよく、硬質停止部62aは、セル区画22aの内容物を実質的に包囲してもよい。各硬質停止部62a−eは、その上に、基板(例えば、基板6a)が、固定して配置され得る、棚部63a−eを有してもよい。ガスケット60a−eは、硬質停止部62a−eに隣接して示されるが、ガスケット60a−eおよび硬質停止部62a−eは、ガスケット60a−eが、硬質停止部62a−eに向かって半径方向外向きに拡張または変形し、例えば、所与のセルの圧力を低減させることが可能であり得る、任意の好適な空隙距離によって、分離されてもよいことを理解されるであろう。
【0041】
次に図6を参照すると、本発明のある実施形態による、図5の双極ESDの2つの硬質停止部662の斜視図が示される。図5に関連して上述のように、各硬質停止部662は、その上に、不透過性伝導性基板(例えば、図5の基板6a)が、固定して配置され得る、硬質停止部662の内側リム672上に棚部663を有してもよい。硬質停止部662は、内側リム672上の棚部663によって、ESDの電極間間隔を実質的に設定してもよい。いくつかの実施形態では、棚部663の高さは、基板、電極層、電解質層、およびガスケットの物質および幾何学形状が、セル区画からセル区画へと積層の高さに沿って変化し得ることに伴って、積層内のセルからセルへと変化してもよい。棚部663の高さは、例えば、特定のセル区画の種々の物質および幾何学形状が、そのセル区画の最適電極間間隔に影響を及ぼし得るため、変化し得る。
【0042】
また、硬質停止部662の内側リム672は、一式のスタッド(例えば、スタッド667および669参照)と、一式のスタッド穴(例えば、スタッド穴668参照)とを含んでもよい。第1の硬質停止部662のスタッド穴668は、第2の硬質停止部662’の相補的スタッド667と結合してもよい。硬質停止部662の複数のスタッドおよびスタッド穴は、例えば、積層アセンブリの積層軸を実質的に中心としてそれぞれの基板を維持することによって、基板フランジ(例えば、図3のフランジ307参照)を硬質停止部に整合する補助となってもよい。硬質停止部662の内側リム672を横行することによって、複数の交互スタッド669およびスタッド穴668は、実質的に円形パターンで提供されてもよい。
【0043】
例えば、複数の圧縮ボルトまたは任意の他の好適な剛性締結具のための一式のボルト穴664aおよび664bが、硬質停止部662の周縁に沿って、外側リム676沿に提供されてもよい。ボルト穴664aおよび664bは、例えば、組み立ての際、双極電極ユニットの積層全体(例えば、図5のBPU2a−d参照)と整合され、動作の際、安定性を提供してもよい。ボルト穴664aおよび664bは、特定の圧縮ボルトまたは任意の他の好適な剛性締結具を収容するように定寸されてもよい。ボルト穴664aおよび664bは、円形として示されるが、また、実質的に四角形、三角形、楕円形、六角形、あるいは任意の他の所望の形状またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0044】
また、硬質停止部662は、基板フランジ(例えば、図3のフランジ307参照)と整合し得る、基板棚部674を含んでもよい。基板棚部674は、フランジを、硬質停止部662を通して、積層(例えば、図5の積層20)から半径方向外向きに突出させ、例えば、フランジを電気的に導線に接続させることが可能であってもよい。硬質停止部662は、5つの基板棚部674を示すが、任意の好適な数の棚部674が、提供されてもよく、その数は、ESD内で使用される特定のBPUまたは複数のBPUに依存してもよい。
【0045】
図7は、本発明のある実施形態による、図5の双極ESDの動的可撓性封止材またはガスケット760の概略断面図を示す。可撓性ガスケット760は、第1の層756と、第2の層758とを具備してもよい。第1の層756は、ガスケットおよびそれに隣接する電極ユニットによって画定される空間内に電解質を効果的に封止し得る、任意の好適な物質または物質の組み合わせから形成されてもよい。可撓性の動的封止材またはガスケットは、1つ以上の層を組み込み、例えば、格納の質を向上させてもよい。
【0046】
第2の層758は、第1の層756の物質と異なる物質であってもよく、または、いくつかの実施形態では、同一物質であってもよい。第2の層758は、2つの層が、封止を生成するように、ともに融合され得るように、第1の層756に射出成形されることを含め、任意の好適な技法を使用して、第1の層756に追加されてもよい。ある実施形態では、第2の層758は、ともに封止を形成し得るように、第1の層756に超音波で溶接されてもよい。他の実施形態では、第2の層758は、第1の層756に熱的に融合されてもよく、または熱流量を通して、第2の層758は、第1の層756内に溶融されるように加熱されてもよい。
【0047】
動的可撓性封止材またはガスケット760は、物理的に寸法を調節する一方で、実質的に格納を維持するように構成されてもよい。上述のように、いくつかの実施形態では、封止材760は、1つ以上の層を組み込み、例えば、格納の質を向上させてもよい。
【0048】
ESDのための格納設計は、物理的に寸法を調節し、例えば、熱力学的状態との間のESD繰返しの活物質によって生じる応力を低減させ得る、動的格納特徴を組み込んでもよい。内容物によってコンテナに付与される応力を低減させるために、例えば、コンテナは、好ましい配列に変形するように構成されてもよい。格納応力を低減させるように組み込まれ得る、デバイスは、可撓性の動的封止材またはガスケット(例えば、ガスケット760)であってもよい。
【0049】
ガスケットは、好ましい使用期間または耐用年数にわたって、コンテナ内の内容物を実質的に格納るおよび/または絶縁可能であってもよい。耐用年数は、例えば、15年以上(例えば、車両用途では)と長く、用途に応じて、1年以下と短くてもよい。温度、充電および放電率、充電手順、ならびに放電深度等、動作条件は、ESDの耐用年数に影響を及ぼし得る。例えば、ハイブリッド電気自動車(HEV)ESDまたはプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)ESDの耐用年数は、ESD内で利用可能な完全エネルギーのある割合で動作時、EVESDの利用可能なエネルギーおよび/または能力の実質的にすべてを充電/放電する反復サイクルを有し得る、純粋な電気自動車(EV)ESDより比較的に長くあり得る。比較的に高温または冷温環境で動作されるESDは、より温暖な環境で動作されるESDはより短い耐用年数を有し得る。例えば、宇宙および衛星用途を有するESDは、環境的配慮(例えば、宇宙が低温のため、動作のために要求され得るヒータ)のため、他の用途より比較的に短い耐用年数を有し得る。
【0050】
格納デバイスの一部として、ガスケットは、ESD内の内容物を内部および/または外部汚染から絶縁可能であってもよい。格納は、好ましくは、動的可撓性封止材またはガスケット物質を通した内容物の耐用透過性率に対して、実質的に完全絶縁かつゼロを維持する。格納は、伝達/透過特性の観点から説明されてもよい。以下の式1は、所与の物質を通した質量透過率の挙動を説明するために使用され得る、関係を提供する。
【0051】
【数1】
ここで、Qは、質量流速であって、Pは、透過定数であって、Aは、接触表面積であって、Δpは、経路長厚(d)にわたる圧力差である。式1に一致する挙動の場合、低い透過定数(P)が、好ましであろう。
【0052】
複数の組成が、所与のコンテナ内に存在してもよく、各組成は、環境条件に応じて、複数の位相(例えば、固体、液体、および気相)として存在してもよい。複数の位相を有する、複数の組成の共存は、潜在的に、ガスケット性能の変化につながり得る。例えば、透過定数は、組成および/または組成の状態あるいは複数の状態によって変化し得る。基礎ガスケット物質(例えば、図7の第1の層756および第2の層758参照)への付加的層の組み込みは、格納を向上させるための任意の好適な数の技法のうちの1つであってもよい。可撓性の動的封止材またはガスケットのために使用され得る物質として、ポリマー、金属、セラミック、任意の他の物質、または好適なそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0053】
ある実施形態では、可撓性の動的封止材またはガスケットが、ニッケル−金属水素化物(NiMH)化学物質を有する双極ESD内に採用されてもよい。この用途において、ガスケットは、機械的に寸法を調節する一方で、隣接する表面と実質的に密封した接触を維持し得る。機械的に変形するために、封止材は、弾性的な機械的変形が可能な物質を含んでもよい。採用され得るいくつかの物質として、あるポリマー、セラミック、金属、または任意の他の好適な物質、あるいはそれらの組み合わせを含んでもよい。双極金属水素化物の実施形態の好ましい基礎物質は、BunaNゴムまたは他の好適なニトリルゴム等のエラストマーであってもよい。動作の間、機械的変形の弾性限界が超えられない限り、物質は十分であり得る。
【0054】
双極金属水素化物エネルギー貯蔵デバイスの実施例では、可撓性の動的封止材またはガスケットを選択および/または設計する際に配慮され得る複数の透過物(例えば、水素、酸素、水、水蒸気)が存在してもよい。複数の透過物が存在し得るので、実質的にすべての透過物を格納するには、均質な封止材またはガスケットは好ましくないであろう。したがって、ある実施形態では、ガスケットに層を追加することが、好ましいでろう。
【0055】
例えば、双極金属水素化物ESDの機能に対して相対的に重要な透過物は、水素ガスであり得る。ESDの動作の間、水素ガス圧は、比較的重要であって、基礎封止材またはガスケット物質への付加的層または複数の付加的層の組み込みは、潜在的に単一層のみを含む封止材またはガスケットを通して生じるであろう水素ガスの透過率を実質的に低減させ得る。ガスケット層は、金属箔および/または触媒結合特性(例えば、酸素および水素に触媒作用を及ぼし、水を形成するため)を有する金属箔を含んでもよい。
【0056】
上述のように、可撓性の動的封止材またはガスケットは、好ましい方向または複数の好ましい方向に変形するように構成されてもよい。変形方向は、封止材またはガスケット自体の軸方向または半径方向に沿ってであってもよく、ESD積層の軸方向および半径方向と同一であっても、もしくはそうでなくてもよい。さらに、封止材またはガスケットは、1つの軸または複数の軸に沿って変形するように構成されてもよい。
【0057】
図8は、本発明のある実施形態による、積層双極ESDの部分的に分解された概略断面図を示す。例えば、図8に示されるように、圧縮板103、バネ126、および積層120は、動的格納容器140内に実質的に封入されてもよい。積層120は、端部キャップ134および118と、不透過性伝導性基板または集電体116a−eと、各伝導性基板116a−e間に提供される可撓性の動的な封止材またはガスケット160a−dとを含んでもよい。積層120の種々の成分は、ESD180のある局面を強調するために、省略されている。例えば、ESD180の各双極ユニットは、伝導性基板116a−eの第1の面上に提供され得る、正極活物質電極層(例えば、図1の正の電極層104参照)と、伝導性基板116a−eの他の面上に提供され得る、負極活物質電極層(例えば、図1の負の電極層108参照)とを含んでもよいことが理解されるであろう。
【0058】
本発明のある実施形態では、比較的により良好な封止を生成するように、ガスケットの表領域の1つ以上の部分と、相互に接触する隣接電極ユニットの表領域とのそれぞれが、相互にまたは対応的に溝付け、面取り、あるいは成形されてもよい。ガスケットの表面の少なくとも一部分は、例えば、2つの表面が、共に嵌合して、2つの表面間の一定の種類の相対移動を制限し、かつESDの製造の際に、ガスケットと電極ユニットとを自己整列するように、電極ユニットの表面の少なくとも一部分に対応的に成形されてもよい(例えば、図5のガスケット60aと基板6aとの間の溝70参照)。ガスケットおよび隣接する基板の相互に成形される部分の嵌合によって形成されるこの溝は、例えば、それによって、それらの嵌合接触領域の大きさを増加させ、それによって、ガスケットと基板との嵌合接触領域の間に生成される封止の破壊を試みる任意の流体(例えば、電解質)に対して、より大きな抵抗経路を提供し得る。ガスケット溝については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Oggらによる米国特許出願第12/069,793号に詳述されている。
【0059】
いくつかの実施形態では、積層双極ESD180は、好ましい方向に沿った移動を可能にするように設計されてもよい。これは、例えば、格納容器140、ガスケット160a−d、バネ126、および端部キャップ134/118のうちの1つ、または任意の他の好適な構成要素、あるいは任意のそれらの組み合わせを使用して、達成されてもよい。例えば、動的格納容器140は、物理的拡張を許容するように設計されてもよいが、積層方向のみに移動を限定してもよい。各セル区画の活物質が、例えば、繰返しの際に、体積変化を被り、気体が発生および/または消費されることに伴って、格納容器140は、セルが半径方向に拡張することを防止する一方で、ガスケット160a−dは、積層方向に沿って拡張し得る。拡張および/または収縮の際に、格納容器140およびガスケット160a−dは、セル構成要素(例えば、正極ならびに負極活物質、電解質、および/または種々の気体)を実質的に含有してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、ESDは、硬質停止部(例えば、図6の硬質停止部662参照)を使用せずに、可変体積格納を提供してもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、硬質停止部が、ESD180に追加されてもよいことを理解されるであろう。
【0060】
図9は、本発明のある実施形態による、双極ESDの2つのセル区画822aおよび822bの積層820の構造の概略断面図を示す。例えば、図9に示されるように、各セル区画822a/822bは、その間に提供される電解質層とともに、ガスケット860a/860bと、正極活物質電極層804と、負極活物質電極層808とを含んでもよい。不透過性伝導性基板または集電体806cは、積層820の第1の端部であって、伝導性基板806aは、積層820の第2の端部であってもよい。積層方向は、積層820の第1の端部から積層820の第2の端部への方向として、伝導性基板806cおよび806aを使用して、画定されてもよい。引き続き、図9の積層された状態を参照すると、例えば、伝導性基板806aおよび伝導性基板806bを含む、その間の成分は、セル区画822a内に含まれてもよい。同様に、伝導性基板806bおよび伝導性基板806cを含む、その間の成分は、セル区画822b内に含まれてもよい。BPU802は、伝導性基板806bの第1の面上に提供され得る、正の電極層804と、伝導性基板806bの他方の面上に提供され得る、負の電極層808とを含んでもよい。
【0061】
図9の積層では、例えば、正の電極層804および負の電極層808は、空隙距離815によって分離されてもよい。空隙距離815は、内部抵抗を最小限にする一方、電極表面間の電子移動を抑制する、任意の好適な距離であってもよい。例えば、好適な空隙距離は、設計特有であって、0ミル、5ミル、10ミル以上であってもよい。空隙距離は、例えば、ESDアセンブリの閉鎖力、電極厚、および活物質の電極負荷に関連してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、積層820のESD容量を増加させるために、正の電極層804および/または負の電極層808は、空隙距離815が、例えば、図2の正の電極層204と負の電極層208との間の空隙距離と比較して、比較的小さくなり得るように、厚くされてもよい。種々の電極構成を使用したESD容量の増加については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2010年1月27日に出願されたWestらの米国特許出願第12/694,641号に詳述されている。
【0062】
図10は、本発明のある実施形態による、積層方向における短軸に沿って、過延在され得る、ガスケット961aおよび961bを有する、図9の積層双極ESDの構造の概略断面図を示す。上述のように、固定体積コンテナ内の圧力は、固定体積コンテナ内の活物質(例えば、活物質電極層904および908)の量ならびに状態または複数の状態に比例し得る。ガスケット961aおよび961bを使用するESDでは、圧力の増加は、積層920のセル区画内の電極間間隔に望ましくない増加をもたらし得る。例えば、セル区画922a内に発生し得る、圧力(例えば、図10の圧力P2は、図9の圧力P1を上回り得る)の増加に応答して、正の電極層904と負の電極層908との間の空隙距離915は、ガスケット960aが、積層方向に拡張するのに伴って、増加し得る。図10のESDの電極間間隔構成の変化は、図9の空隙距離815と比較して、空隙距離915に比較的に大きな増加であって、例えば、電気インピーダンスの増加、充電効率の低下、放電能力、および率能力等、望ましくないカスケード効果をもたらし得るため、望ましくないであろう。
【0063】
図11は、本発明のある実施形態による、動的可撓性封止材またはガスケット1060aおよび1060bを有する、図9の積層双極ESDの構造の概略断面図を示す。ガスケット1060aおよび1060bは、好ましい方向または複数の方向に変形することによって、積層1020のセル区画1022aならびに1022bの電極間間隔を実質的に維持し得る。例えば、ガスケット1060aは、積層1020の積層方向から半径方向外向き方向に変形してもよい。半径方向外向き方向に変形することにより、ガスケット1060aは、セル区画1022aの体積を増加させ、正の電極層1004と負の電極層1008との間の実質的に一定の空隙距離1015(すなわち、図9の元々の空隙距離815と実質的に同一である空隙距離)を維持することによって、セル区画1022a内の圧力を減少させてもよい。いくつかの実施形態では、ガスケット1060aは、空隙距離1015が、ESDの動作全体を通して、実質的に一定のままであり得るように、変形してもよいことを理解されるであろう。他の実施形態では、ガスケット1060aは、空隙距離1015が、変化し得るように変形してもよい。しかしながら、空隙距離1015は、両ESD内の同一圧力P2を考慮して、実質的に、図10の空隙距離915未満で変化し得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、ガスケット1060aは、他の好ましい方向に変形してもよい。例えば、ガスケット1060aは、軸外方向(例えば、積層方向でもなく、積層方向から半径方向外向きでもない軸)に変形してもよい。他の実施形態では、ガスケット1060aは、セル区画内の圧力増加以外の条件に応答して、変形してもよい。例えば、ガスケット1060aは、セル区画1022a内の種々の温度条件に応答して、好ましい方向に変形するように設計されてもよい。別の実施例として、ガスケット1060aは、活物質電極層(例えば、正の電極層1004参照)の体積サイズ変化に応答して、このまし伊方向に変形するように設計されてもよい。
【0065】
図12は、本発明のある実施形態による、積層双極ESDの構造の概略断面図を示す。例えば、図12に示されるように、各セル区画1122a/1122bは、その間に提供される電解質層とともに、ガスケット1160a/1160bと、正極活物質電極層1104と、負極活物質電極層1108とを含んでもよい。不透過性伝導性基板または集電体1116は、積層1120の第1の端部であって、不透過性伝導性基板または集電体1136は、積層1120の第2の端部であってもよい。積層方向は、積層1120の第1の端部から積層1120の第2の端部への方向として、伝導性基板1116および1136を使用して、画定されてもよい。例えば、引き続き、図12の積層された状態を参照すると、伝導性基板1136および伝導性基板1106を含む、その間の成分は、セル区画1122a内に含まれてもよい。同様に、伝導性基板1106および伝導性基板1116を含む、その間の成分は、セル区画1122b内に含まれてもよい。BPU1102は、伝導性基板1106の第1の面上に提供され得る、正の電極層1104と、伝導性基板1106の他方の面上に提供され得る、負の電極層1108とを含んでもよい。
【0066】
引き続き、図12を参照すると、剛性端部キャップ1134および1118が、積層双極ESD1150の端部に提供されてもよい。本発明のいくつかの実施形態では、機械式バネ1126a/1126bは、剛性端部キャップ1134/1118と積層1120の伝導性基板1136/1116との間に提供されてもよい。例えば、機械式バネ1126aは、剛性端部キャップ1134と伝導性基板1136との間に提供されてもよく、機械式バネ1126bは、剛性端部キャップ1118と伝導性基板1116との間に提供されてもよい。本発明のいくつかの実施形態では、機械式バネ1126a/1126bは、端部キャップ1134/1118と整列リング(例えば、図3の機械式バネ326aおよび326b参照)との間に提供されてもよい。機械式バネ1126aおよび1126bは、上述のように、任意の好適な場所または複数の場所に提供されてもよく、あるいは全く提供されなくてもよいことを理解されるであろう。
【0067】
図13は、本発明のある実施形態による、動的可撓性封止材またはガスケット1260aおよび1260bと、機械式バネ1226aおよび1226bとを有する、図12の積層双極ESDの構造の概略断面図を示す。図11と関連して上述のように(例えば、ガスケット1060a参照)、ガスケット1260aおよび1260bは、好ましい方向または複数の方向に変形することによって、積層双極ESD1250のセル区画1222aおよび1222bの電極間間隔を実質的に維持してもよい。例えば、ガスケット1260aは、積層1220の積層方向から半径方向外向き方向に変形してもよい。半径方向外向き方向に変形することにより、ガスケット1260aは、セル区画1222aの体積を増加させ、正の電極層1204と負の電極層1208との間の実質的に一定の空隙距離1215を維持することによって、セル区画1222a内の圧力を低下させてもよい。また、機械式バネ1226aおよび1226bは、積層双極ESD1250のセル区画1222aならびに1222bの電極間間隔を実質的に維持してもよい。例えば、バネ1226aおよび1226bは、双極ESD1150の積層1120内の圧力に対して印加される負荷に応答して、圧縮してもよい。
【0068】
図13の積層双極ESD1250は、硬質停止部(図示せず)を含み、セル区画1222aおよび1222bの電極間間隔を実質的に維持してもよい。例えば、硬質停止部は、硬質停止部の内側リム上の棚部(例えば、図6の内側リム672上の棚部663参照)を使用して、ESDの電極間間隔を設定してもよい。動的可撓性封止材またはガスケット1260aおよび1260b、機械式バネ1226aおよび1226b、ならびに硬質停止部、または任意の他の好適な構成要素、あるいはそれらの組み合わせを含む、上述のいずれの構成要素も、別個に、もしくは一緒に、積層双極ESDの電極間間隔を実質的に維持するように動作し得ることを理解されるであろう。
【0069】
本発明は、可変体積格納を有する、積層双極ESDを背景として、本明細書に説明されるが、論じられる概念は、並行板、柱状、折畳、巻回、および/または双極構成、任意の他の好適な構成、あるいは任意のそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意のセル間電極構成に適用可能である。
【0070】
例えば、図14は、本発明のある実施形態による、柱状セルESDの構造の概略断面図を示す。ESD1350は、積層1320を形成するように、その間に提供される、電気的絶縁隔離板1311とともに積層される、一連の交互正極活物質電極層1304および負極活物質電極層1308を含んでもよい。電極層の本配列は、例えば、対向電極との間に、比較的高拡散面積を提供し得る。交互する正の電極層1304および負の電極層1308は、正の領域1344ならびに負の領域1388における導線を介して、並列に、電気的に結合されてもよい。剛性筐体1334および1318が、積層されたESD1350のそれぞれの端部に提供されてもよく、ESD1350内に電解質を実質的に封止し得る。剛性筐体1334および1318は、種々の金属(例えば、鋼鉄、アルミニウム、および銅合金)、ポリマー、セラミック、任意の他の好適な伝導性または非伝導性物質、あるいはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、伝導性または非伝導性であり得る、任意の好適な物質もしくは物質の組み合わせから形成されてもよい。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態では、機械式バネ1326a/1326bは、剛性筐体1334/1318と積層1320のそれぞれの隔離板1311との間に提供されてもよい。例えば、機械式バネ1326aは、積層1320の第1の端部において、剛性筐体1334と隔離板1311との間に提供されてもよく、機械式バネ1326bは、積層1320の第2の端部において、剛性筐体1318と隔離板1311との間に提供されてもよい。しかしながら、機械式バネ1326aおよび1326bは、上述のように、任意の好適な場所または複数の場所に提供されてもよく、あるいは全く提供されなくてもよいことが理解されるであろう。
【0072】
図15は、本発明のある実施形態による、柱状セルESDの構造の概略断面図を示す。ESD1450は、剛性筐体1434および1418と、機械式バネ1426aおよび1426bと、電気的絶縁隔離板1411と、正の領域1444を有する正極活物質電極層1404と、負の領域1448を有する負極活物質電極層1408とを含む。例えば、図15に示されるように、積層1420内の圧力の増加に応答して、バネ1426a、またはバネ1426b、あるいは両方が、積層1420内の圧力を低下させるたために、偏向してもよい(例えば、バネ1426aの高さH’は、バネ1326aの高さH未満であってもよい)。上述のように、積層1420内の圧力増加は、例えば、ESD1450の動作の際、またはESD1450が休止状態の間の活物質(例えば、正の電極層1404および/または負の電極層1408)の状態変化により得る。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態では、バネ1426a/1426bは、積層1420内の圧力増加に応答して、偏向する一方、依然として、積層1420の層(すなわち、正および負の電極層1404ならびに1408と隔離板1411)上に好適な圧力を維持し、隣接層間に比較的に密接触を確保するように構成されてもよい。隣接電極間の準最適接触は、例えば、ESD1450の全体的容量を低減させ、双極ESDの電極間の空隙層の増加に関連して上述のものに類似する、他の望ましくない効果をもたらし得る。
【0074】
本発明の電極ユニットを形成するために使用される基板(例えば、基板6a−d、16、および36)は、例えば、非穿孔性金属箔、アルミニウム箔、ステンレス鋼箔、ニッケルおよびアルミニウムを含むクラッド物質、銅およびアルミニウムを含むクラッド物質、ニッケルめっき鋼、ニッケルめっき銅、ニッケルめっきアルミニウム、金、銀、任意の他の好適な物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の好適な伝導性かつ不透過性あるいは実質的に不透過性の物質から形成されてもよい。各基板は、ある実施形態では、相互に接着される2つ以上の金属箔シートから作製されてもよい。各BPUの基板は、典型的には、0.025から5ミリメートルの厚さであってもよい一方、各MPUの基板は、0.025から10ミリメートルの厚さであって、例えば、ESDに対する端子として作用してもよい。金属化発泡体は、例えば、セル区画の活物質間の抵抗が、電極における伝導性マトリクスを拡張することによって低減されるように、例えば、平坦金属フィルムまたは箔において任意の好適な基板物質と組み合わせられてもよい。
【0075】
これらの基板上に提供され、本発明の電極ユニットを形成する正電極層(例えば、正電極層4a−dおよび14)は、例えば、水酸化ニッケル(Ni(OH)2)、亜鉛(Zn)、任意の他の好適な物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の好適な活物質から形成されてもよい。正極活物質は、焼結されて含浸されるか、水性バインダで塗膜されて押圧されるか、有機バインダで塗膜されて押圧されるか、または伝導性マトリクス内に、他の支援化学物質とともに、正極活物質を含有する、任意の他の好適な方法によって、含有されてもよい。電極ユニットの正電極層は、例えば、膨張を低減するためにそのマトリクス内に注入される、金属水素化物(MH)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、他任意の他の好適な物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、粒子を有してもよい。これによって、例えば、サイクル寿命が延長し、再結合が改善され、セル区画内の圧力が低減し得る。また、MH等のこれらの粒子は、電極内の導電性を改善し、かつ再結合を支援するために、Ni(OH)2等の活物質ペーストの結合に存在してもよい。
【0076】
これらの基板上に提供され、本発明の電極ユニットを形成する、負電極層(例えば、負電極層8a−dおよび38)は、例えば、MH、Cd、Mn、Ag、任意の他の好適な物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の好適な活物質から形成されてもよい。負極活物質は、例えば、焼結されるか、水性バインダで塗膜されて押圧されるか、有機バインダで塗膜されて押圧されるか、または伝導性マトリクス内に他の支援化学物質とともに、負極活物質を含有する、任意の他の適切な方法によって含有されてもよい。負電極側は、例えば、構造を安定化させ、酸化を低減させ、サイクル寿命を延長させるように、負の電極物質マトリクス内に注入される、Ni、Zn、Al、任意の他の好適な物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、化学物質を有してもよい。
【0077】
有機カルボキシメチルセルロース(CMC)バインダ、クレイトンゴム、PTFE(テフロン(登録商標))、任意の他の好適な物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、種々の好適なバインダは、例えば、層をそれらの基板に保持するように、活物質層と混合されてもよい。また、200ppiの金属発泡体等の超静止バインダが、本発明の積層されたESD構造と併用されてもよい。
【0078】
本発明のESDの各電解質層の隔離板は、その2つの隣接電極ユニットを電気的に絶縁する一方、それらの電極ユニット間のイオン移動を可能にする、任意の好適な物質から形成されてもよい。隔離板は、充填を改善し、かつサイクル寿命を延長させるために、電解質貯留層として作用するように、セルロース超吸収材を含有してもよく、隔離板は、例えば、ポリ吸収性おむつ用物質から作製されてもよい。それによって、隔離板は、電荷がESDに印加されると、以前に吸収された電解質を放出し得る。ある実施形態では、隔離板は、電極間間隔(IES)が、通常よりも高間隔から開始し、その寿命にわたって、ESDの容量(または、Cレート)を維持し、ならびにESDの寿命を延長するために、継続的に低減されるように、通常のセルよりも密度が小さく、厚くてもよい。
【0079】
隔離板は、短絡を低減し、かつ再結合を改善するために、電極ユニット上の活性物質の表面に接合される物質よりも比較的に薄くてもよい。本隔離板物質は、例えば、噴霧、塗膜、押圧される、またはそれらの組み合わせであってもよい。隔離板は、ある実施形態では、そこに取り付けられる再結合剤を有してもよい。本剤は、隔離板の構造内に注入される(例えば、これは、本剤を隔離板繊維に結合するために、ポリビニルアルコール(PVAまたはPVOH)を使用して、湿式プロセスにおいて、本剤を物理的に捕捉することによって行なわれる、または本剤は、電気蒸着によって、その中に入れられ得る)、あるいは、例えば、蒸着によって、表面上に層状化されてもよい。隔離板は、例えば、Pb、Ag、任意の他の好適な物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、再結合を効果的に支援する任意の好適な物質または剤から作製されてもよい。セルの基板が相互に向かって移動する場合、隔離板は、抵抗を呈し得るが、隔離板は、偏向しない程十分に堅い基板を利用し得る、本発明のある実施形態では、提供されなくてもよい。
【0080】
本発明のESDの各電解質層の電解質は、溶解または融解時に、イオン化して、導電性媒体を産生し得る、任意の好適な化学化合物から形成されてもよい。電解質は、例えば、NiMHを含むが、これに限定されない、任意の好適な化学物質の標準的な電解質であってもよい。電解質は、例えば、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カルシウム(CaOH)、水酸化カリウム(KOH)、任意の他の好適な物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、付加的化学物質を含有してもよい。また、電解質は、例えば、Ag(OH)2を含むが、これに限定されない、再結合を改善するための添加剤を含有してもよい。また、電解質は、例えば、低温性能を改善するために、水酸化ルビジウム(RbOH)を含有してもよい。本発明のいくつかの実施形態では、電解質は、隔離板内で凍結され、次いで、ESDが完全に組み立てられた後、解凍されてもよい。これによって、ガスケットが、それに隣接する電極ユニットとの実質的に流体密封を形成する前に、特に、粘着性電解質のESDの電極ユニット積層への挿入が可能になり得る。
【0081】
本発明のESDの封止剤およびガスケット(例えば、ガスケット60a−e)は、ガスケットとそれに隣接する電極ユニットとにより画定される空間内に電解質を効果的に封止し得る,任意の好適な物質または物質の組み合わせから形成されてもよい。ある実施形態では、ガスケットは、例えば、ナイロン、ポリプロピレン、セルガード、ゴム、PVOH、任意の他の好適な物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の好適な非伝導性物質から作製され得る、固体封止障壁またはループ、あるいは固体封止ループを形成可能な複数のループ部分から形成されてもよい。固体封止障壁から形成されるガスケットは、それらの間に封止を生成するために、隣接電極の一部分に接触してもよい。
【0082】
代替として、ガスケットは、例えば、エポキシ樹脂、ブレアタール、電解質(例えば、KOH)不透過性膠、圧縮性接着剤(例えば、シリコン、アクリル、および/または繊維強化プラスチック(FRP)から形成され、かつ電解質に不透過性であり得る、Henkel Corporationより入手可能である、Loctite(R)銘柄の接着剤等の2つの部分から成るポリマー)、任意の好適な物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の好適な粘着性物質またはペーストから形成されてもよい。粘着性物質から形成されるガスケットは、それらの間に封止を生成するために、隣接電極の一部分に接触してもよい。いくつかの実施形態では、ガスケットは、粘着性物質が、固体封止ループと隣接電極ユニットとの間の封止を改善するように、固体封止ループと粘着性物質との組み合わせによって形成されてもよい。代替的または付加的に、電極ユニット自体が、固体封止ループ、付加的粘着性物質で処理された固体封止ループ、隣接電極ユニット、または付加的粘着性物質で処理された隣接電極ユニットが、例えば、そこに封止される前に、粘着性物質で処理されてもよい。
【0083】
さらに、ある実施形態では、隣接する電極ユニット間のガスケットまたは封止材は、ある種類の流体(すなわち、ある液体または気体)をそこから漏出させ得る(例えば、そのガスケットにより画定されるセル区画内の内圧が、ある閾値を超えて増加する場合)、1つ以上の脆弱点を具備し得る。ある量の流体が漏出する、または内圧が減少すると、脆弱点は、再び封止されてもよい。ブレイ(brai)等のある種類の好適な粘着性物質またはペーストにより少なくとも部分的に形成されるガスケットは、ある流体がそこを通って通過可能なように構成または調製され、そこを通る他のある流体の通過を防止するように構成および調製されてもよい。そのようなガスケットは、任意の電解質が、2つのセル区間の間で共有され、ESDの電圧およびエネルギーを急速にゼロにまで減退(すなわち、放電)させ得ることを防止してもよい。
【0084】
上述のように、積層形成における封止されたセルにより設計されるESD(例えば、双極ESD50)を利用する1つの利点は、ESDの放電率の増加であり得る。本放電率の増加によって、そうでなければ、柱状ESD設計または巻回ESD設計では実現不可能であり得る、ある低腐食性電解質の使用が可能になり得る(例えば、研磨、伝導性強化、および/または電解質の化学反応性の高い成分または複数の成分を除去または低減することによって)。低腐食性電解質を使用するように積層されたESD設計により提供され得る、本余地によって、ガスケットとの封止を形成する際に、そうでなければ、より腐食性の電解質により腐食され得る、あるエポキシ樹脂(例えば、J−B Weldエポキシ樹脂)の利用が可能になり得る。
【0085】
本発明のESDの硬質停止部(例えば、図6の硬質停止部662参照)は、種々のポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、セラミック(例えば、アルミナ、シリカ)、任意の他の好適な機械的耐性および/または化学的に不活性物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の好適な物質から形成されてもよい。硬質停止部物質または複数の物質は、例えば、使用され得る種々のESD化学物質に耐性があるように選択されてもよい。
【0086】
本発明の機械式バネ(例えば、図3の機械式バネ326aおよび326b参照)は、印加される負荷に応答して偏向または変形し得る、任意の好適なバネであってもよい。例えば、機械式バネは、特定の負荷または特定の負荷閾値に応答して偏向するように設計されてもよい。開放コイル状螺旋バネ、可変ピッチバネ、および捩りバネ等の圧縮性バネ、または平坦バネ、あるいは任意の他の好適なバネ、もしくはそれらの組み合わせを含む、任意の好適な種類のバネが使用されてもよい。バネ自体は、高炭素鋼、合金鋼鉄、ステンレス鋼、銅合金、任意の他の好適な非可撓性または可撓性物質、あるいはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の好適な物質であってもよい。
【0087】
本発明の端部キャップ(例えば、図3の端部キャップ18および36参照)は、種々の金属(例えば、鋼鉄、アルミニウム、および銅合金)、ポリマー、セラミック、任意の他の好適な伝導性または非伝導性物質、あるいはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、伝導性または非伝導性であり得る任意の好適な物質または物質の組み合わせから形成されてもよい。
【0088】
本発明のESDのケースまたは包体、すなわち、動的格納容器(例えば、動的格納容器140参照)が提供されてもよく、それらの伝導性基板(例えば、基板16および36)またはそれらの付随導線(図示せず)を曝露するために、末端電極ユニット(例えば、MPU12および32)に封止し得る、任意の好適な非伝導性物質から形成されてもよい。また、包体は、それらのそれぞれのセル区画内の電解質を絶縁するために、ガスケットとそれに隣接する電極ユニットとの間の封止を生成、支持、および/または維持するために形成されてもよい。包体は、封止が、セル区画内の内圧の増加に伴って、ESDの拡張に抵抗し得るように、これらの封止に必要な支持を生成および/または維持してもよい。包体は、例えば、ナイロン、任意の他のポリマーまたは弾性物質(強化複合物質、ニトリルゴム、あるいはポリスルホンを含む)、もしくは収縮包着物質、またはエナメル塗膜鋼あるいは任意の他の金属等の任意の剛性物質、もしくは任意の絶縁物質、任意の他の好適な物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の好適な物質から作製されてもよい。ある実施形態では、包体は、例えば、積層されたセルの封止上に連続的な圧力を維持し得る、張力クリップの外骨格によって形成されてもよい。非伝導性障壁は、ESDの短絡を防止するために、積層と包体との間に提供されてもよい。
【0089】
引き続き図5を参照すると、例えば、本発明の双極ESD50は、MPU12および32と、それらの間の1つ以上のBPU2a−2dの積層によって形成される複数のセル区画(例えば、セル区画22a−22e)とを含んでもよい。本発明のある実施形態によると、基板(例えば、基板6a−6d、16、および36)、電極層(例えば、正の層4a−dおよび14、ならびに負の層8a−8dおよび38)、電解質層(例えば、層10a−10e)、およびガスケット(例えば、ガスケット60a−60e)のそれぞれの厚さおよび物質は、セル区画毎だけでなく、特定のセル区画内でも相互に異なり得る。積層レベルだけでなく、個々のセルレベルにおける幾何学形状および化学的性質のこの変動によって、種々の利点および性能特徴を備えるESDが生成され得る。
【0090】
加えて、基板、電極層、電解質層、およびガスケットの物質および幾何学形状は、セル区画からセル区画の積層の高さに沿って変化してもよい。さらに図5を参照すると、例えば、ESD50の電解質層10a−eのそれぞれに使用される電解質は、そのそれぞれのセル区画22a−eのセル区画の積層の中心に対する近接性に基づいて変化し得る。例えば、最も内側のセル区画22c(すなわち、ESD50における5つの区画22の真ん中のセル区画)は、第1の電解質から形成される電解質層(すなわち、電解質層10c)を含んでもよい一方、真ん中のセル区画22bおよび22d(すなわち、ESD50における末端セル区画に隣接するセル区画)は、第2の電解質からそれぞれ形成される電解質層(すなわち、それぞれ、電解質層10bおよび10d)を含んでもよい一方、最も外側のセル区画22aおよび22e(すなわち、ESD50における最も外側のセル区画)は、第3の電解質からそれぞれ形成される電解質層(すなわち、それぞれ、電解質層10aおよび10e)を含んでもよい。内側積層において、より高い伝導性の電解質を使用することによって、発生する熱がより少なくなるように、抵抗が小さくなり得る。これは、外部冷却方法の代わりに、設計によって、ESDに熱制御を提供し得る。
【0091】
別の実施例として、また、ESD50のセル区画のそれぞれにおいて電極層として使用される活物質は、そのそれぞれのセル区画22a−eのセル区画の積層の中心に対する近接性に基づいて変化し得る。例えば、最も内側のセル区画22cは、第1の温度および/または率性能を有する第1の種類の活物質から形成される電極層(すなわち、層8bおよび4c)を含んでもよい一方、真ん中のセル区画22bおよび22dは、第2の温度および/または率性能を有する第2の種類の活物質から形成される電極層(すなわち、層8a/4bおよび層8c/4d)を含んでもよい一方、最も外側のセル区画22aおよび22eは、第3の温度および/または率性能を有する第3の活物質から形成される電極層(すなわち、層38/4aおよび層8d/14)を含んでもよい。実施例として、ESD積層は、熱をより良好に吸収し得る、ニッケルカドミウムの電極とともに、最も内側のセル区画を構築することによって、熱的に管理されてもよい一方、最も外側のセル区画は、例えば、冷却器である必要があり得る、ニッケル金属水素化物の電極を具備してもよい。代替として、ESDの化学的性質または幾何学形状は、非対称であってもよく、積層の一方の端部におけるセル区画は、第1の活物質および第1の高さから作製されてもよい一方、積層の他方の端部におけるセル区画は、第2の活物質および第2の高さを有してもよい。 さらに、また、ESD50のセル区画のそれぞれの幾何学形状も、セル区画の積層に沿って変化し得る。特定のセル区画内の活物質間の距離の変化に加え、あるセル区画22a−eは、それらの区画の活物質の間に第1の距離を有してもよい一方で、他のセル区画は、それらの区画の活物質の間に第2の距離を有してもよい。いずれにしても、活物質電極層間の距離が小さいセル区画またはその部分は、例えば、電力が高くてもよい一方、活物質電極層間の距離が大きいセル区画またはその部分は、例えば、樹枝状結晶成長のためのより多くの余地、より長いサイクル寿命、および/またはより多くの電解質蓄積を有してもよい。活物質電極間の距離が大きいこれらの部分は、例えば、活物質電極層間の距離が小さい部分が最初に充電されることを確実にするように、ESDの充電受容を調節してもよい。
【0092】
ある実施形態では、ESD50の電極層(例えば、図5の正の層4a−dおよび14、ならびに負の層8a−8dおよび38)の幾何学形状は、基板6a−dの半径方向長さに沿って変化してもよい。図5に関して、電極層は、均一の厚さであって、電極形状について対称である。ある実施形態では、電極層は、非均一であってもよい。例えば、正極活物質電極層および負極活物質電極層の厚さは、伝導性基板の表面上の半径方向位置に伴って変化し得る。非均一電極層については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Westらの米国特許出願第12/258,854号に詳述されている。
【0093】
積層されたESDの上述および例示された実施形態はそれぞれ、電解質をその中に封止するために、第1および第2の電極ユニットのそれぞれに封止されるガスケットを含むセル区画を示すが、セル区画の各電極ユニットは、それ自体のガスケットに封止され、次いで、2つの隣接する電極のガスケットは、封止されたセル区画を生成するために、相互に封止されてもよいことに留意されたい。
【0094】
ある実施形態では、ガスケットは、ともに融合されて封止を生成するように、電極ユニットまたは別のガスケットに射出成形されてもよい。ある実施形態では、ガスケットは、ともに封止を形成するように、電極ユニットまたは別のガスケットに超音波で溶接されてもよい。他の実施形態では、ガスケットは、電極ユニットまたは別のガスケットに熱的に融合されるか、または熱流により融合されてもよく、それによって、ガスケットまたは電極ユニットは、加熱されて、他のガスケットまたは電極ユニットに溶解されてもよい。さらに、ある実施形態では、封止を生成するためにガスケットおよび/または電極ユニットの表面に溝状の部分を生成する代わりに、または生成することに加えて、ガスケットおよび/または電極ユニットが、穿孔を有するか、またはその1つ以上の部分を通る、1つ以上の穴を有してもよい。代替として、穴、または通路、あるいは穿孔は、電極ユニットの一部分(例えば、基板)がガスケットにおよびガスケットを通って成形し得るように、ガスケットの一部分を通って提供されてもよい。さらに他の実施形態では、穴は、ガスケットおよび電極ユニットのそれぞれが、例えば、ガスケットおよび電極ユニットの他方におよび他方を通って成形され得るように、ガスケットおよび電極ユニットの両方を通して作製されてもよい。
【0095】
積層されたESDの上述および例示した実施形態のそれぞれは、実質的に円形の断面を有する基板を円筒状のESDに積層することによって形成される、ESDを示すが、広範な形状のうちのいずれかを利用して、本発明の積層されたESDの基板を形成してもよいことに留意されたい。例えば、本発明の積層されたESDは、四角形、三角形、六角形、または任意の他の所望の形状、あるいはそれらの組み合わせである、断面積を有する基板を有する電極ユニットを積層することによって、形成されてもよい。
【0096】
上述は、本発明の原理の例示にすぎず、種々の修正が、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者によって成され得ることを理解されるであろう。また、「水平」および「垂直」、「上部」および「底部」および「面」、「長さ」および「幅」および「高さ」および「厚さ」、「内側」および「外側」、「内部」および「外部」、ならびにその同等物等の種々の方向および配向に関する用語は、便宜のためだけに本明細書において使用され、決定的または絶対的な方向または配向に関する限定がこれらの単語の使用によって意図されないことも理解されたい。例えば、本発明のデバイスならびにその個々の較正は、任意の所望の配向を有してもよい。再配向される場合、異なる方向または配向に関する用語が、その説明において使用されることを必要とされ得るが、本発明の範囲および精神内にあるように、その基本的な性質を変更するものではない。当業者は、本発明が、限定目的ではなく例示目的で提示される上述の実施形態以外によって実施されてもよく、本発明が以下の請求項によってのみ限定されることを理解するであろう。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/147,725号(2009年1月27日出願)および米国仮特許出願第61/181,194号(2009年1月27日出願)の利益を主張し、両出願は、その全体が本明細書に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、エネルギー貯蔵デバイス(ESD)に関し、より具体的には、本発明は、可変体積格納(variable volume containment)を組み込んでいるESDに関する。
【背景技術】
【0003】
密封されたESDの特徴は、外部汚染および/または干渉からのESD内へのセルの格納および絶縁である。従来の格納デバイス(例えば、ESD包体)は、電解質溶媒混合物および活物質等、ESD物質の種々の位相のために、格納および絶縁を提供する。多くの場合、これらのESD物質を含有する一方、セルは、休止または動作状態にある必要がある。セルは、休止または動作状態にあるが、セル内に含有されるある物質は、状態変化を被る。状態変動は、格納デバイス上に応力を付与するセル圧力に変化をもたらす。
【0004】
固定体積コンテナ内の圧力は、コンテナ内の活物質の量および状態または複数の状態に比例する。例えば、金属水酸化物ESDでは、電気化学結合として、アノード内の金属水酸化物合金と、カソード内の金属水酸化物とを含む。これらの物質はそれぞれ、コンテナ内の正味体積偏移をもたらす、状態変化を受ける。体積偏移は、セル圧力の変化および/または自由体積の正味変化をもたらし得る。したがって、活物質の状態変化は、より少ないか、またはより多い利用可能な自由体積をもたらす可能性がある(自由体積とは、セル内に含有される物質全ての体積とユニットセル体積が異なることを指す)。例示的な金属水素化物構成では、変位された液体からの水圧、電解質溶媒混合物の気相成分、および電解質溶媒混合物の蒸気相の部分的圧力が、コンテナ壁に対して力を発生させる。また、変化する活物質状態に起因する圧力によって、電極表面は、コンテナ壁に対して物理的に押圧する。応力が、格納デバイスの能力を超える場合、デバイスは、劣化または適切に機能しない場合がある。
【0005】
従来のESDは、2つの電極のみを有する巻回セルESD、または多数の板の集合を並列に有する標準的な柱状セルESDのいずれかとして製造されている。これらの種類の両方では、電解質は、ESD内のあらゆる場所で共有される。巻回セル構造および柱状セル構造は両方とも、剛性の固定体積の格納を採用する。これらの構造は、コンテナが、体積拡張および/または収縮を許容しないため(すなわち、自由体積の量が固定される)、剛性コンテナ内の物質の厳密な考慮を要求する。自由体積が多過ぎると、性能不良(例えば、弛緩セル)をもたらし、自由体積が少な過ぎると、潜在的にデバイスの爆発をもたらすので、自由体積の量は、ESDの動作に影響を及ぼし得る。いくつかの事例では、これらの従来のESDの動作の際に発生される力は、コンテナの物質限度を超え、コンテナを破砕させ得る。高圧によってコンテナが破砕すると、内部組成が、相当量のエネルギーによって出射される。
【0006】
故に、可変体積格納を有するESDを提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述に照らして、可変体積格納を有するESDのための装置および方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のいくつかの実施形態では、複数の双極電極ユニットの積層を有する、ESDが提供される。各電極ユニットは、伝導性基板と、伝導性基板の第1の表面上の正極活物質電極層と、伝導性基板の第2の表面上の負極活物質電極層とを含んでもよい。電解質層が、各対の隣接電極ユニット間に提供されてもよい。可撓性ガスケットが、電解質層のそれぞれの周りに配置されてもよく、ガスケットは、所定の様式において、機械的に変形可能であってもよい。
【0009】
ある実施形態によると、その中の電極間間隔が維持される、ESDが提供される。ESDは、複数のセル区画を含んでもよく、各セル区画は、第1の活物質電極層を有する第1の伝導性基板と、第2の活物質電極層を有する第2の伝導性基板とを含んでもよい。電解質層が、第1と第2の活物質電極層との間に提供されてもよい。複数の硬質停止部が、提供されてもよく、各それぞれの伝導性基板は、それぞれの硬質停止部上に固定されて配置されてもよく、硬質停止部は、ESDの電極間間隔を設定するように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の上述の利点および他の利点は、添付の図面と併用して以下の詳細な説明を考察することによってより明白となるであろう(図面において、同一の参照文字は、同一の部分を指す)。
【図1】図1は、本発明のある実施形態による、双極電極ユニット(BPU)の構造の概略断面図を示す。
【図2】図2は、本発明のある実施形態による、図1のBPUの積層の構造の概略断面図を示す。
【図3】図3は、本発明のある実施形態による、積層双極ESDの斜視図を示す。
【図4】図4は、本発明のある実施形態による、図3の積層双極ESDの部分的断面図を示す。
【図5】図5は、本発明のある実施形態による、図4の積層双極ESDの概略断面図を示す。
【図6】図6は、本発明のある実施形態による、図5の双極ESDの硬質停止部の斜視図を示す。
【図7】図7は、本発明のある実施形態による、図5の双極ESDの可撓性封止材の概略断面図を示す。
【図8】図8は、本発明のある実施形態による、積層双極ESDの部分的に分解された概略断面図を示す。
【図9】図9は、本発明のある実施形態による、積層双極ESDの構造の概略断面図を示す。
【図10】図10は、本発明のある実施形態による、積層双極ESDの構造の概略断面図を示す。
【図11】図11は、本発明のある実施形態による、積層双極ESDの構造の概略断面図を示す。
【図12】図12は、本発明のある実施形態による、積層双極ESDの構造の概略断面図を示す。
【図13】図13は、本発明のある実施形態による、積層双極ESDの構造の概略断面図を示す。
【図14】図14は、本発明のある実施形態による、柱状セルESDの構造の概略断面図を示す。
【図15】図15は、本発明のある実施形態による、柱状セルESDの構造の概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
可変体積格納を有するエネルギー貯蔵デバイス(ESD)のための装置および方法が提供され、図1−図15を参照して以下に説明される。本発明は、電気エネルギーまたは電流を貯蔵および/または提供し得る、例えば、バッテリ、キャパシタ、あるいは任意の他の好適な電気化学エネルギーもしくは電力貯蔵デバイス等のESDに関する。本発明は、積層された双極可変体積格納を有するESDとの関連において、本明細書に説明され、論じられる概念は、平行板、柱状、折畳、巻回および/または双極構成、任意の他の好適な構成、あるいは任意のそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意のセル間電極構成に適用可能であることを理解されるであろう。
【0012】
本明細書に定義されるように、「電極間間隔」とは、積層双極ESD内の活物質電極層間の距離である。これは、例えば、1つの正と1つの負の電極のみを含有する、セル内の正と負の電極との間の距離に該当し得る。いくつかの実施形態では、これは、同一セル内に複数の電極集合または区画を有するセルに該当し得る。複数の電極または電極区画を有するセルの場合、複数の電極間間隔が存在してもよい。
【0013】
積層形式の封止セルを有するESDは、概して、一連の積層された双極電極ユニット(BPU)を含むように開発されている。これらのBPUはそれぞれ、集電体の対向する面の上に塗膜される正極活物質電極層と、負極活物質電極層とが提供される。任意の2つのBPUは、相互の上部に積層され、電解質層が、それらの2つのBPSの集電体を電気的に絶縁するために、BPUのうちの1つの正極活物質電極層とBPUのうちの他方の負極活物質電極層との間に提供されてもよい。任意の2つの隣接するBPUの集電体は、活物質電極層およびそれらの間の電解質を伴う、封止された単一のセルまたはセル区画である。それぞれ、第1のBPUの一部分および第2のBPUの一部分を有する、そのようなセルの積層を含むESDは、本明細書において「積層双極」ESDと称されるものとする。
【0014】
可変体積格納は、多重セル双極ESD構造等、通常でないESD構成に恩恵をもたらし得る。双極ESD構成では、セルは、セル間の共通集電板を使用して、直列に積層され、格納物質の減少と、それによる質量および/または体積の減少とをもたらす。双極構成の潜在的欠点の1つは、ESDの動作および繰返しの際の電極間間隔の変動性である。セル圧力が蓄積すると、電極表面を離れる方向に押し得る。この移動は、電極表面間の空隙距離を増加させ、デバイスの内部抵抗に影響を及ぼす。さらに、電極間間隔の増加に伴って、例えば、電気インピーダンスの増加、充電効率の低下、放電能力、率能力等、望ましくないカスケード効果がもたらされ得る。
【0015】
従来の積層双極ESDは、平面電極板を使用する。平面板を使用し、縁封止の使用によって平面板を絶縁することによって、積層された電気化学ESD内のセルは、実質的に独立して動作し得る。独立したセルが充電および放電されると、わずかな圧力差が隣接セル間に発生し得る。隣接セル間の圧力差が、平方インチ当たり数ポンドを超える場合、平面電極は、第1のセルから第2のセルに向かって偏向し得る。この偏向は、第2のセルの隔離板物質を歪め、短絡を発生させ得る「ホットスポット」を生成する場合がある。概して、個々のセルの物理的構成要素および化学的性質が、相互に若干異なり得るため、概して、セル間の圧力差が存在し得る。
【0016】
例えば、セル電圧が、電解質溶媒(例えば、NiMHの場合、水)の絶縁破壊電圧を超えることが許容される場合、溶媒のそれぞれの気相成分(例えば、酸素および水素)の形成がもたらされ得る。気相成分が形成され、放出される速度は、セルの気相圧成分に作用し、活物質電極マトリクスに影響を及ぼし得る。気相形成速度は、例えば、ESDの内部抵抗、電荷の状態、電荷受容の段階、および充電率に関連し得る。過度の気相形成速度は、例えば、活物質を電極マトリクスから分断することによって、電極マトリクスの機械的安定性を低下させ、ESDの容量減退をもたらし得る。
【0017】
組み合わせられた圧力(例えば、水圧、機械圧、および気相/蒸気相圧)が、電極結合圧力を超える場合、電極は、分離し得る。空隙距離の増加は、活物質を電極マトリクスから移動させ、サイクル毎に容量減退をもたらし得る。活物質は、最終的に、隔離板を通っておよび/またはその周囲を移動し、潜在的に、例えば、電極の早発絶縁破壊および個々のセル内の短絡等、望ましくない効果をもたらし得る。可変体積格納は、電極表面を実質的に隔離板に当接させたままにし、それによって、活物質を電極マトリクス内に順応的に保持することによって、一連の望ましくない効果を軽減し得る。
【0018】
ESDを説明するために一般的に使用される性能指標は、ワット時/kgおよび/またはワット時/Lの単位を有する特有のエネルギーと、ワット/kgおよび/またはワット/Lの単位を有する特有の電力であり得る。これらの性能指標は、比較的に軽量および/または小体積のデバイスに有利に働き得る。双極ESDは、格納デバイスの質量および/または体積を低減させることが可能であって、それによって、巻回セルおよび柱状セルESD等の従来のESDパックに勝る利点をもたらし得る。しかしながら、双極ESDの開発における課題とは、活物質が、電極分離をもたらし得る、ESDの動作および繰返しの際、形状を変化する場合があることである。
【0019】
双極ESDのセル機構は、複雑かつ多変数の問題であり得る。セルの挙動は、付勢機能、または刺激、ならびに電場内の活物質の物理的および熱力学的状態または状態に関連し得る。瞬間的または略瞬間的セル動態を予測するために、実質的に、デバイス全体内の物質の瞬間的あるいは略瞬間的状態もしくは複数の状態が、必要とされ得る。したがって、ESDの挙動の記述を比較的に単純に維持するために、状態記述(例えば、充電状態および放電状態)が、使用されてもよい。
【0020】
ESDの熱力学的状態は、外部付勢機能(例えば、電圧または電流源および/または負荷)によって駆動されてもよい。外部付勢機能への接続は、ESDの電気化学刺激を可能にし得る。外部付勢機能とESDの活物質または複数の物質との間の接続の質は、界面反応が生じ得る、デバイス内に複数の界面が存在する場合があるため、重要なパラメータであり得る。例えば、界面反応は、活物質界面、曜日−電解質界面、およびカソード界面で生じ得る。外部付勢機能とESDの活物質または複数の物質との間の比較的に低質の接続は、これらの界面の一部または全部における界面反応に負の影響を及ぼし得る。
【0021】
溶媒(例えば、電解質)内に含有される流動性イオンに対する、電極表面の物理的配向およびその位置は、電気化学的動態に影響を有し得る。帯電粒子上に発生される力は、実質的に、例えば、粒子の電荷および電場強度に正比例し得る。いくつかの事例では、帯電粒子上に発生される力は、力の不均衡をもたらし、得られた力ベクトルの方向に、帯電粒子の正味の加速を生じさせ得る。
【0022】
帯電粒子上に発生させられる力は、引力および/または斥力であり得る。引力および斥力の寄与は、電極間隔に依存し得る。したがって、ESDの電極間間隔は、帯電粒子上の電気力学的力に影響を及ぼし得る。引力および斥力は、帯電粒子上の正味加速に寄与し得る。斥力および引力の両方が、得られた力内にあると見なされる場合、正味の力または加速は、電極間隔内の減少に伴って増加する。可変体積格納を採用する、双極ESDは、物理的負荷の印加を介して、電極間間隔を動的に制御可能であってもよい。可変体積格納は、格納デバイスへの物理的負荷の印加および電極間間隔の動的制御を可能にし得る。電極間間隔の動的制御は、例えば、電極表面の配向に垂直である力を物理的に調節することによって、提供されてもよい。
【0023】
ESDに影響を及ぼし得る、別の変数は、活物質の熱力学的状態であり得る。活物質は、活物質の形状変化をもたらし得る、熱力学的状態間を繰り返し得る。例えば、状態変化を通してセル圧力に影響を及ぼし得るニッケル金属水素化物(NiMH)デバイス内の活物質は、金属水素化物、ニッケル水酸化物、および電解質溶媒(例えば、気体および蒸気圧力成分の両方)であり得る。
【0024】
活物質の状態変化は、格納デバイスの正味体積拡張および/または収縮をもたらし得る。固体活物質(例えば、金属水素化物合金またはニッケル水酸化物)の場合、拡張差は、300%も大きくなり得る。したがって、活物質は、ある場合には、繰返しの際、格納デバイスに比較的に相当量の力を付与し得る。いくつかの実施形態では、力が、格納デバイス物質または複数の物質の能力を超えると、破損が生じ得る。これは、格納デバイスから排出され得る物質または複数の物質の比較的に高い動力学的エネルギーのために、潜在的に危険である場合がある。したがって、格納デバイスを活物質の体積ニーズに合致させる一方で、また、界面の電極間間隔を維持するように設計することが好ましいあろう。格納デバイスの体積成分は、格納デバイスの体積の量が、活物質の状態または複数の状態を考慮して、必要とされるものと同等となり得るように設計されてもよい。
【0025】
図1は、本発明のある実施形態による、例示的な「平板」双極電極ユニットまたはBPU102を示す。積層されたセルESD内において使用するための平板構造については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Oggらによる米国特許出願第11/417,489号および米国特許出願第12/069,793号に詳述されている。BPU102は、不透過性伝導性基板または集電体106の第1の面上に提供され得る正極活物質電極層104と、不透過性伝導性基板106の他方の面上に提供され得る負極活物質電極層108とを含んでもよい(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2007年10月9日に発行されたFukuzawaらによる米国特許第7,279,248号参照)。
【0026】
双極電極は、任意の好適な形状または幾何学形状を有し得ることを理解されるであろう。例えば、本発明のいくつかの実施形態では、「平板」BPUは、代替として、または加えて、「皿形状」電極であってもよい。皿形状電極は、双極ESDの動作の際に発生し得る圧力を低減させ得る。皿形状圧平衡電極については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Westらによる米国特許出願第12/258,854号に詳述されている。
【0027】
図2に示されるように、例えば、複数のBPU202は、BPU202の正電極層204が、電解質層210を介して、隣接するBPU202の負電極層208に対向し得るように、2つの隣接するBPU202間に提供され得る電解質層210とともに、積層220へと実質的に垂直に積層される。各電解質層210は、電解質を保持し得る隔離板を含んでもよい。隔離板は、正電極層204とそれに隣接する負電極層208とを電気的に分離する一方で、電極ユニット間のイオン移行を可能にし得る。
【0028】
図2におけるBPU202の積層された状態のBPU202を引き続き参照すると、例えば、第1のBPU202の正電極層204および基板206と、第1のBPU202に隣接する第2のBPU202の負電極層208および基板206と、第1と第2のBPU202との間の電解質層210とに含まれる構成要素は、本明細書において、単一の「セル」または「セル区画」222と呼ばれるものとする。各セル区画の各不透過性基板は、適用可能な隣接するセル区画222によって共有されてもよい。
【0029】
図3および4は、本発明のある実施形態による、それぞれ積層双極ESDの斜視図および部分的断面図を示す。積層双極ESD350は、圧縮ボルト323と、整列リング324aおよび324bと、機械式バネ326aおよび326bと、積層320(基板フランジ307を含む)と、積層320の両端に提供される、剛性端部キャップ334および318とを含んでもよい。整列リング324は、積層双極ESD350の両端に提供されてもよい。例えば、整列リング324aと整列リング324bとは、ESD350の対向する端に提供されてもよい。機械式バネは、整列リング324a/324bと剛性端部キャップ334/318との間に提供されてもよい。例えば、機械式バネ326aは、整列リング324aと剛性端部キャップ334との間に提供されてもよく、機械式バネ326bは、整列リング324bと剛性端部キャップ318との間に提供されてもよい。機械式バネ326aおよび326bは、ESD350の動作および繰返しの際に発生される力に応答して、偏向するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、バネ326aおよび326bの偏向は、印加される負荷に正比例してもよい。
【0030】
剛性端部キャップ334および318は、双極ESD350の電極の形状に実質的に適合するように成形されてもよい(例えば、図5のBPU2a−d参照)。例えば、端部キャップ334および318は、ESD350の電極および/または基板の「平板」、「皿形状」、または任意の他の形状、またはそれらの組み合わせに適合してもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、基板フランジ307は、双極ESD350の周りに提供され、積層320から半径方向外向きに突出してもよい。フランジ307は、例えば、フランジ307が結合されるそれぞれの不透過性伝導性基板に対応する双極電極ユニットに電気接続を提供してもよい(例えば、図5のBPU2aのフランジ7参照)。図3のフランジ307は、「舌圧子」として成形されるが、積層320から外向きに延在するように構成される任意の他の好適な形状および任意の他の好適なサイズであってもよい。例えば、フランジ307の断面領域は、実質的に、四角形、三角形、円形または楕円形、六角形、または任意の他の所望の形状、あるいはそれらの組み合わせであってもよく、特定のコネクタもしくは複数のコネクタと電気的に結合するように構成されてもよい。
【0032】
図5は、本発明のある実施形態による、図4の積層双極ESDの概略断面図を示す。端部キャップ18および34は、それぞれ、積層20の第1の端部および第2の端部に提供されてもよい。図5に示されるように、例えば、本発明のある実施形態に従って、積層双極ESD50を構成するために、正端子および負端子が、1つ以上のBPU2a−dの積層20とともに提供されてもよい。不透過性伝導性基板16の一方の面に提供される正極活物質電極層14を含み得る正の単極電極ユニットまたはMPU12は、正のMPU12の正電極層14が、電解質層10eを介して、積層20のその第1の端部において、BPU(すなわち、BPU2d)の負電極層(すなわち、8d)と対向し得るように提供される電解質層(すなわち、電解質層10e)とともに、積層20の第1の端部に配置されてもよい。不透過性伝導性基板36の一方の面に提供される負極活物質電極層38を含み得る、負の単極電極ユニットまたはMPU32は、負のMPU32の負電極層38が、電解質層10aを介して、積層20のその第2の端部において、BPU(すなわち、BPU2a)の正電極層(すなわち、4a)と対向し得るように提供される電解質層(すなわち、電解質層10a)とともに、積層20の第2の端部に配置されてもよい。MPU12および32は、対応する正電極導線および負電極導線(図示せず)が、それぞれ提供されてもよい。
【0033】
例えば、図5に示されるように、各MPUの基板と電極層とは、その隣接するBPU2a/2dの基板および電極層と、それらの間の電解質層10a/10eとともに、セル区画22を形成し得ることに留意されたい(例えば、区画22aおよび22e参照)。積層20内の積層されたBPU2a−dの数は、1つ以上であってもよく、例えば、ESD50のための所望の電圧に対応するために、適切に決定されてもよい。各BPU2a−dは、ESD50のための所望の電圧が、各成分BPU2a−dによって提供される電位に効果的に追加されることによって達成され得るように、任意の所望の電位を提供してもよい。各BPU2a−dは、同一の電位を提供する必要がないことが理解されるであろう。
【0034】
いくつかの実施形態では、双極ESD50は、BPU積層20およびそのそれぞれの正および負のMPU12および32が、低下した圧力下のケースまたは包体内に少なくとも部分的にカプセル化(例えば、密封)され得るように構築されてもよい。MPU伝導性基板16および36は、例えば、利用時に外部からの衝撃を緩和し、環境劣化を防止するようにESDケースから引き出されてもよい。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態では、双極ESD50は、端部キャップ18、または端部キャップ34、あるいは両方が不透過性伝導性基板であって、活物質電極層14および38が、端部キャップ18/34の一方の面上に直接提供され得るように、構築されてもい。本実施形態では、例えば、正のMPU12は、端部キャップ18(図示せず)の一方の面上に提供される正極活物質電極層14を含み、負のMPU32は、端部キャップ34(図示せず)の一方の面上に提供される負極活物質電極層38を含み得るので、不透過性伝導性基板16/36の必要性がなくてもよい。
【0036】
第1のセル区画の電解質(例えば、セル区画22aの電解質層10aを参照)が、別のセル区画の電解質(例えば、セル区画22bの電解質層10bを参照)と結合することを防止するために、動的可撓性ガスケットまたは封止材が、その特定のセル区画内の電解質を実質的に封止するために、隣接電極ユニット間の電解質層とともに積層されてもよい。ガスケットまたは封止材は、例えば、特定のセルの隣接する電極ユニットと機械的に相互作用し、それらの間の電解質を封止し得る任意の好適な圧縮性あるいは非圧縮性の固体もしくは粘着性物質、または他の好適な物質、あるいはそれらの組み合わせであってもよい。一つの好適な配列では、例えば、図5に示されるように、本発明の双極ESDは、各セル区画22a−eの電解質層10a−eならびに活物質電極層4a−d/14および8a−d/38の周りに、障壁として配置され得る、ガスケットまたは封止材60a−eを含んでもよい。ガスケットまたは封止材は、連続的で、密閉されてもよく、そのセルのガスケットと隣接電極ユニットとの間の電解質(すなわち、BPUあるいはそのガスケットまたは封止材に隣接するBPUおよびMPU)を実質的に封止してもよい。ガスケットまたは封止材は、例えば、そのセルの隣接する電極ユニット間に適切な間隔を提供し得る。
【0037】
第1のセル区画の電解質(例えば、セル区画22aの電解質層10aを参照)が、別のセル区画の電解質(例えば、セル区画22bの電解質層10bを参照)と結合することを防止するために、積層双極ESD50のセル区画を封止する際に、セル区画は、セルが充電および放電されるに伴って、隣接するセル(例えば、セル22a/22b)の間に圧力差を産生し得る。平衡弁は、このように発生する圧力差を実質的に減少させるために提供されてもよい。平衡弁は、気体の移行を可能にし、かつ電解質の移行を実質的に防止する半透過性膜または破裂板として、機械的あるいは化学的に動作し得る。ESDは、平衡弁の任意の組み合わせを有するBPUを有してもよい。圧力平衡弁については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Westらによる米国特許出願第12/258,854号に詳述されている。
【0038】
圧力解放弁は、バネ、または時として、圧縮性ゴムスラグを使用して、セル内の開口部に対して圧縮される、剛性物質(例えば、鋼鉄)によって支持される、封止物質(例えば、ゴム)の機械的配列であってもよい。セル内の圧力が、許容可能な限度を超えて増加すると、バネは、圧縮し、ゴム封止材は、開口部から押しのけられ、過剰な気体が漏出する。圧力が低下すると、弁は再び封止され、セルはほぼ正常に機能することが可能となる。過剰な電解質は、ほぼ確実に解放される圧力とともに漏出する。
【0039】
気体平衡弁は、極性液体の輸送を実質的に防止するが、二原子気体および非反応性気体または希ガスは、弁を通して拡散させられ、弁の両側の圧力を平衡化してもよい。拡散または輸送が遮断される液体として、水、アルコール、食塩水、塩基性溶液、酸性溶液、および極性溶媒を含んでもよいが、これらに限定されない。気体平衡弁を使用して、二原子気体を極性液体から分離してもよい。また、耐極性溶媒封止材および黒鉛炭素繊維束から成る気体平衡弁が、使用されてもよい。気体平衡弁を使用して、複数のセルESD、双極セルESD、またはウルトラキャパシタ貯蔵デバイス内のセル間の圧力を平衡化してもよい。気体平衡弁を使用して、例えば、少なくとも1つの車輪および少なくとも1キログラムの積載量を有する、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、またはプラグインハイブリッド電気自動車のESDの圧力差を制御してもよい。
【0040】
引き続き、図5を参照すると、硬質停止部62a−eは、ガスケット60a−eから半径方向外向きに提供されてもよい。例えば、硬質停止部62aは、ガスケット60aから半径方向外向きに提供されてもよく、硬質停止部62aは、セル区画22aの内容物を実質的に包囲してもよい。各硬質停止部62a−eは、その上に、基板(例えば、基板6a)が、固定して配置され得る、棚部63a−eを有してもよい。ガスケット60a−eは、硬質停止部62a−eに隣接して示されるが、ガスケット60a−eおよび硬質停止部62a−eは、ガスケット60a−eが、硬質停止部62a−eに向かって半径方向外向きに拡張または変形し、例えば、所与のセルの圧力を低減させることが可能であり得る、任意の好適な空隙距離によって、分離されてもよいことを理解されるであろう。
【0041】
次に図6を参照すると、本発明のある実施形態による、図5の双極ESDの2つの硬質停止部662の斜視図が示される。図5に関連して上述のように、各硬質停止部662は、その上に、不透過性伝導性基板(例えば、図5の基板6a)が、固定して配置され得る、硬質停止部662の内側リム672上に棚部663を有してもよい。硬質停止部662は、内側リム672上の棚部663によって、ESDの電極間間隔を実質的に設定してもよい。いくつかの実施形態では、棚部663の高さは、基板、電極層、電解質層、およびガスケットの物質および幾何学形状が、セル区画からセル区画へと積層の高さに沿って変化し得ることに伴って、積層内のセルからセルへと変化してもよい。棚部663の高さは、例えば、特定のセル区画の種々の物質および幾何学形状が、そのセル区画の最適電極間間隔に影響を及ぼし得るため、変化し得る。
【0042】
また、硬質停止部662の内側リム672は、一式のスタッド(例えば、スタッド667および669参照)と、一式のスタッド穴(例えば、スタッド穴668参照)とを含んでもよい。第1の硬質停止部662のスタッド穴668は、第2の硬質停止部662’の相補的スタッド667と結合してもよい。硬質停止部662の複数のスタッドおよびスタッド穴は、例えば、積層アセンブリの積層軸を実質的に中心としてそれぞれの基板を維持することによって、基板フランジ(例えば、図3のフランジ307参照)を硬質停止部に整合する補助となってもよい。硬質停止部662の内側リム672を横行することによって、複数の交互スタッド669およびスタッド穴668は、実質的に円形パターンで提供されてもよい。
【0043】
例えば、複数の圧縮ボルトまたは任意の他の好適な剛性締結具のための一式のボルト穴664aおよび664bが、硬質停止部662の周縁に沿って、外側リム676沿に提供されてもよい。ボルト穴664aおよび664bは、例えば、組み立ての際、双極電極ユニットの積層全体(例えば、図5のBPU2a−d参照)と整合され、動作の際、安定性を提供してもよい。ボルト穴664aおよび664bは、特定の圧縮ボルトまたは任意の他の好適な剛性締結具を収容するように定寸されてもよい。ボルト穴664aおよび664bは、円形として示されるが、また、実質的に四角形、三角形、楕円形、六角形、あるいは任意の他の所望の形状またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0044】
また、硬質停止部662は、基板フランジ(例えば、図3のフランジ307参照)と整合し得る、基板棚部674を含んでもよい。基板棚部674は、フランジを、硬質停止部662を通して、積層(例えば、図5の積層20)から半径方向外向きに突出させ、例えば、フランジを電気的に導線に接続させることが可能であってもよい。硬質停止部662は、5つの基板棚部674を示すが、任意の好適な数の棚部674が、提供されてもよく、その数は、ESD内で使用される特定のBPUまたは複数のBPUに依存してもよい。
【0045】
図7は、本発明のある実施形態による、図5の双極ESDの動的可撓性封止材またはガスケット760の概略断面図を示す。可撓性ガスケット760は、第1の層756と、第2の層758とを具備してもよい。第1の層756は、ガスケットおよびそれに隣接する電極ユニットによって画定される空間内に電解質を効果的に封止し得る、任意の好適な物質または物質の組み合わせから形成されてもよい。可撓性の動的封止材またはガスケットは、1つ以上の層を組み込み、例えば、格納の質を向上させてもよい。
【0046】
第2の層758は、第1の層756の物質と異なる物質であってもよく、または、いくつかの実施形態では、同一物質であってもよい。第2の層758は、2つの層が、封止を生成するように、ともに融合され得るように、第1の層756に射出成形されることを含め、任意の好適な技法を使用して、第1の層756に追加されてもよい。ある実施形態では、第2の層758は、ともに封止を形成し得るように、第1の層756に超音波で溶接されてもよい。他の実施形態では、第2の層758は、第1の層756に熱的に融合されてもよく、または熱流量を通して、第2の層758は、第1の層756内に溶融されるように加熱されてもよい。
【0047】
動的可撓性封止材またはガスケット760は、物理的に寸法を調節する一方で、実質的に格納を維持するように構成されてもよい。上述のように、いくつかの実施形態では、封止材760は、1つ以上の層を組み込み、例えば、格納の質を向上させてもよい。
【0048】
ESDのための格納設計は、物理的に寸法を調節し、例えば、熱力学的状態との間のESD繰返しの活物質によって生じる応力を低減させ得る、動的格納特徴を組み込んでもよい。内容物によってコンテナに付与される応力を低減させるために、例えば、コンテナは、好ましい配列に変形するように構成されてもよい。格納応力を低減させるように組み込まれ得る、デバイスは、可撓性の動的封止材またはガスケット(例えば、ガスケット760)であってもよい。
【0049】
ガスケットは、好ましい使用期間または耐用年数にわたって、コンテナ内の内容物を実質的に格納るおよび/または絶縁可能であってもよい。耐用年数は、例えば、15年以上(例えば、車両用途では)と長く、用途に応じて、1年以下と短くてもよい。温度、充電および放電率、充電手順、ならびに放電深度等、動作条件は、ESDの耐用年数に影響を及ぼし得る。例えば、ハイブリッド電気自動車(HEV)ESDまたはプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)ESDの耐用年数は、ESD内で利用可能な完全エネルギーのある割合で動作時、EVESDの利用可能なエネルギーおよび/または能力の実質的にすべてを充電/放電する反復サイクルを有し得る、純粋な電気自動車(EV)ESDより比較的に長くあり得る。比較的に高温または冷温環境で動作されるESDは、より温暖な環境で動作されるESDはより短い耐用年数を有し得る。例えば、宇宙および衛星用途を有するESDは、環境的配慮(例えば、宇宙が低温のため、動作のために要求され得るヒータ)のため、他の用途より比較的に短い耐用年数を有し得る。
【0050】
格納デバイスの一部として、ガスケットは、ESD内の内容物を内部および/または外部汚染から絶縁可能であってもよい。格納は、好ましくは、動的可撓性封止材またはガスケット物質を通した内容物の耐用透過性率に対して、実質的に完全絶縁かつゼロを維持する。格納は、伝達/透過特性の観点から説明されてもよい。以下の式1は、所与の物質を通した質量透過率の挙動を説明するために使用され得る、関係を提供する。
【0051】
【数1】
ここで、Qは、質量流速であって、Pは、透過定数であって、Aは、接触表面積であって、Δpは、経路長厚(d)にわたる圧力差である。式1に一致する挙動の場合、低い透過定数(P)が、好ましであろう。
【0052】
複数の組成が、所与のコンテナ内に存在してもよく、各組成は、環境条件に応じて、複数の位相(例えば、固体、液体、および気相)として存在してもよい。複数の位相を有する、複数の組成の共存は、潜在的に、ガスケット性能の変化につながり得る。例えば、透過定数は、組成および/または組成の状態あるいは複数の状態によって変化し得る。基礎ガスケット物質(例えば、図7の第1の層756および第2の層758参照)への付加的層の組み込みは、格納を向上させるための任意の好適な数の技法のうちの1つであってもよい。可撓性の動的封止材またはガスケットのために使用され得る物質として、ポリマー、金属、セラミック、任意の他の物質、または好適なそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0053】
ある実施形態では、可撓性の動的封止材またはガスケットが、ニッケル−金属水素化物(NiMH)化学物質を有する双極ESD内に採用されてもよい。この用途において、ガスケットは、機械的に寸法を調節する一方で、隣接する表面と実質的に密封した接触を維持し得る。機械的に変形するために、封止材は、弾性的な機械的変形が可能な物質を含んでもよい。採用され得るいくつかの物質として、あるポリマー、セラミック、金属、または任意の他の好適な物質、あるいはそれらの組み合わせを含んでもよい。双極金属水素化物の実施形態の好ましい基礎物質は、BunaNゴムまたは他の好適なニトリルゴム等のエラストマーであってもよい。動作の間、機械的変形の弾性限界が超えられない限り、物質は十分であり得る。
【0054】
双極金属水素化物エネルギー貯蔵デバイスの実施例では、可撓性の動的封止材またはガスケットを選択および/または設計する際に配慮され得る複数の透過物(例えば、水素、酸素、水、水蒸気)が存在してもよい。複数の透過物が存在し得るので、実質的にすべての透過物を格納するには、均質な封止材またはガスケットは好ましくないであろう。したがって、ある実施形態では、ガスケットに層を追加することが、好ましいでろう。
【0055】
例えば、双極金属水素化物ESDの機能に対して相対的に重要な透過物は、水素ガスであり得る。ESDの動作の間、水素ガス圧は、比較的重要であって、基礎封止材またはガスケット物質への付加的層または複数の付加的層の組み込みは、潜在的に単一層のみを含む封止材またはガスケットを通して生じるであろう水素ガスの透過率を実質的に低減させ得る。ガスケット層は、金属箔および/または触媒結合特性(例えば、酸素および水素に触媒作用を及ぼし、水を形成するため)を有する金属箔を含んでもよい。
【0056】
上述のように、可撓性の動的封止材またはガスケットは、好ましい方向または複数の好ましい方向に変形するように構成されてもよい。変形方向は、封止材またはガスケット自体の軸方向または半径方向に沿ってであってもよく、ESD積層の軸方向および半径方向と同一であっても、もしくはそうでなくてもよい。さらに、封止材またはガスケットは、1つの軸または複数の軸に沿って変形するように構成されてもよい。
【0057】
図8は、本発明のある実施形態による、積層双極ESDの部分的に分解された概略断面図を示す。例えば、図8に示されるように、圧縮板103、バネ126、および積層120は、動的格納容器140内に実質的に封入されてもよい。積層120は、端部キャップ134および118と、不透過性伝導性基板または集電体116a−eと、各伝導性基板116a−e間に提供される可撓性の動的な封止材またはガスケット160a−dとを含んでもよい。積層120の種々の成分は、ESD180のある局面を強調するために、省略されている。例えば、ESD180の各双極ユニットは、伝導性基板116a−eの第1の面上に提供され得る、正極活物質電極層(例えば、図1の正の電極層104参照)と、伝導性基板116a−eの他の面上に提供され得る、負極活物質電極層(例えば、図1の負の電極層108参照)とを含んでもよいことが理解されるであろう。
【0058】
本発明のある実施形態では、比較的により良好な封止を生成するように、ガスケットの表領域の1つ以上の部分と、相互に接触する隣接電極ユニットの表領域とのそれぞれが、相互にまたは対応的に溝付け、面取り、あるいは成形されてもよい。ガスケットの表面の少なくとも一部分は、例えば、2つの表面が、共に嵌合して、2つの表面間の一定の種類の相対移動を制限し、かつESDの製造の際に、ガスケットと電極ユニットとを自己整列するように、電極ユニットの表面の少なくとも一部分に対応的に成形されてもよい(例えば、図5のガスケット60aと基板6aとの間の溝70参照)。ガスケットおよび隣接する基板の相互に成形される部分の嵌合によって形成されるこの溝は、例えば、それによって、それらの嵌合接触領域の大きさを増加させ、それによって、ガスケットと基板との嵌合接触領域の間に生成される封止の破壊を試みる任意の流体(例えば、電解質)に対して、より大きな抵抗経路を提供し得る。ガスケット溝については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Oggらによる米国特許出願第12/069,793号に詳述されている。
【0059】
いくつかの実施形態では、積層双極ESD180は、好ましい方向に沿った移動を可能にするように設計されてもよい。これは、例えば、格納容器140、ガスケット160a−d、バネ126、および端部キャップ134/118のうちの1つ、または任意の他の好適な構成要素、あるいは任意のそれらの組み合わせを使用して、達成されてもよい。例えば、動的格納容器140は、物理的拡張を許容するように設計されてもよいが、積層方向のみに移動を限定してもよい。各セル区画の活物質が、例えば、繰返しの際に、体積変化を被り、気体が発生および/または消費されることに伴って、格納容器140は、セルが半径方向に拡張することを防止する一方で、ガスケット160a−dは、積層方向に沿って拡張し得る。拡張および/または収縮の際に、格納容器140およびガスケット160a−dは、セル構成要素(例えば、正極ならびに負極活物質、電解質、および/または種々の気体)を実質的に含有してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、ESDは、硬質停止部(例えば、図6の硬質停止部662参照)を使用せずに、可変体積格納を提供してもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、硬質停止部が、ESD180に追加されてもよいことを理解されるであろう。
【0060】
図9は、本発明のある実施形態による、双極ESDの2つのセル区画822aおよび822bの積層820の構造の概略断面図を示す。例えば、図9に示されるように、各セル区画822a/822bは、その間に提供される電解質層とともに、ガスケット860a/860bと、正極活物質電極層804と、負極活物質電極層808とを含んでもよい。不透過性伝導性基板または集電体806cは、積層820の第1の端部であって、伝導性基板806aは、積層820の第2の端部であってもよい。積層方向は、積層820の第1の端部から積層820の第2の端部への方向として、伝導性基板806cおよび806aを使用して、画定されてもよい。引き続き、図9の積層された状態を参照すると、例えば、伝導性基板806aおよび伝導性基板806bを含む、その間の成分は、セル区画822a内に含まれてもよい。同様に、伝導性基板806bおよび伝導性基板806cを含む、その間の成分は、セル区画822b内に含まれてもよい。BPU802は、伝導性基板806bの第1の面上に提供され得る、正の電極層804と、伝導性基板806bの他方の面上に提供され得る、負の電極層808とを含んでもよい。
【0061】
図9の積層では、例えば、正の電極層804および負の電極層808は、空隙距離815によって分離されてもよい。空隙距離815は、内部抵抗を最小限にする一方、電極表面間の電子移動を抑制する、任意の好適な距離であってもよい。例えば、好適な空隙距離は、設計特有であって、0ミル、5ミル、10ミル以上であってもよい。空隙距離は、例えば、ESDアセンブリの閉鎖力、電極厚、および活物質の電極負荷に関連してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、積層820のESD容量を増加させるために、正の電極層804および/または負の電極層808は、空隙距離815が、例えば、図2の正の電極層204と負の電極層208との間の空隙距離と比較して、比較的小さくなり得るように、厚くされてもよい。種々の電極構成を使用したESD容量の増加については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2010年1月27日に出願されたWestらの米国特許出願第12/694,641号に詳述されている。
【0062】
図10は、本発明のある実施形態による、積層方向における短軸に沿って、過延在され得る、ガスケット961aおよび961bを有する、図9の積層双極ESDの構造の概略断面図を示す。上述のように、固定体積コンテナ内の圧力は、固定体積コンテナ内の活物質(例えば、活物質電極層904および908)の量ならびに状態または複数の状態に比例し得る。ガスケット961aおよび961bを使用するESDでは、圧力の増加は、積層920のセル区画内の電極間間隔に望ましくない増加をもたらし得る。例えば、セル区画922a内に発生し得る、圧力(例えば、図10の圧力P2は、図9の圧力P1を上回り得る)の増加に応答して、正の電極層904と負の電極層908との間の空隙距離915は、ガスケット960aが、積層方向に拡張するのに伴って、増加し得る。図10のESDの電極間間隔構成の変化は、図9の空隙距離815と比較して、空隙距離915に比較的に大きな増加であって、例えば、電気インピーダンスの増加、充電効率の低下、放電能力、および率能力等、望ましくないカスケード効果をもたらし得るため、望ましくないであろう。
【0063】
図11は、本発明のある実施形態による、動的可撓性封止材またはガスケット1060aおよび1060bを有する、図9の積層双極ESDの構造の概略断面図を示す。ガスケット1060aおよび1060bは、好ましい方向または複数の方向に変形することによって、積層1020のセル区画1022aならびに1022bの電極間間隔を実質的に維持し得る。例えば、ガスケット1060aは、積層1020の積層方向から半径方向外向き方向に変形してもよい。半径方向外向き方向に変形することにより、ガスケット1060aは、セル区画1022aの体積を増加させ、正の電極層1004と負の電極層1008との間の実質的に一定の空隙距離1015(すなわち、図9の元々の空隙距離815と実質的に同一である空隙距離)を維持することによって、セル区画1022a内の圧力を減少させてもよい。いくつかの実施形態では、ガスケット1060aは、空隙距離1015が、ESDの動作全体を通して、実質的に一定のままであり得るように、変形してもよいことを理解されるであろう。他の実施形態では、ガスケット1060aは、空隙距離1015が、変化し得るように変形してもよい。しかしながら、空隙距離1015は、両ESD内の同一圧力P2を考慮して、実質的に、図10の空隙距離915未満で変化し得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、ガスケット1060aは、他の好ましい方向に変形してもよい。例えば、ガスケット1060aは、軸外方向(例えば、積層方向でもなく、積層方向から半径方向外向きでもない軸)に変形してもよい。他の実施形態では、ガスケット1060aは、セル区画内の圧力増加以外の条件に応答して、変形してもよい。例えば、ガスケット1060aは、セル区画1022a内の種々の温度条件に応答して、好ましい方向に変形するように設計されてもよい。別の実施例として、ガスケット1060aは、活物質電極層(例えば、正の電極層1004参照)の体積サイズ変化に応答して、このまし伊方向に変形するように設計されてもよい。
【0065】
図12は、本発明のある実施形態による、積層双極ESDの構造の概略断面図を示す。例えば、図12に示されるように、各セル区画1122a/1122bは、その間に提供される電解質層とともに、ガスケット1160a/1160bと、正極活物質電極層1104と、負極活物質電極層1108とを含んでもよい。不透過性伝導性基板または集電体1116は、積層1120の第1の端部であって、不透過性伝導性基板または集電体1136は、積層1120の第2の端部であってもよい。積層方向は、積層1120の第1の端部から積層1120の第2の端部への方向として、伝導性基板1116および1136を使用して、画定されてもよい。例えば、引き続き、図12の積層された状態を参照すると、伝導性基板1136および伝導性基板1106を含む、その間の成分は、セル区画1122a内に含まれてもよい。同様に、伝導性基板1106および伝導性基板1116を含む、その間の成分は、セル区画1122b内に含まれてもよい。BPU1102は、伝導性基板1106の第1の面上に提供され得る、正の電極層1104と、伝導性基板1106の他方の面上に提供され得る、負の電極層1108とを含んでもよい。
【0066】
引き続き、図12を参照すると、剛性端部キャップ1134および1118が、積層双極ESD1150の端部に提供されてもよい。本発明のいくつかの実施形態では、機械式バネ1126a/1126bは、剛性端部キャップ1134/1118と積層1120の伝導性基板1136/1116との間に提供されてもよい。例えば、機械式バネ1126aは、剛性端部キャップ1134と伝導性基板1136との間に提供されてもよく、機械式バネ1126bは、剛性端部キャップ1118と伝導性基板1116との間に提供されてもよい。本発明のいくつかの実施形態では、機械式バネ1126a/1126bは、端部キャップ1134/1118と整列リング(例えば、図3の機械式バネ326aおよび326b参照)との間に提供されてもよい。機械式バネ1126aおよび1126bは、上述のように、任意の好適な場所または複数の場所に提供されてもよく、あるいは全く提供されなくてもよいことを理解されるであろう。
【0067】
図13は、本発明のある実施形態による、動的可撓性封止材またはガスケット1260aおよび1260bと、機械式バネ1226aおよび1226bとを有する、図12の積層双極ESDの構造の概略断面図を示す。図11と関連して上述のように(例えば、ガスケット1060a参照)、ガスケット1260aおよび1260bは、好ましい方向または複数の方向に変形することによって、積層双極ESD1250のセル区画1222aおよび1222bの電極間間隔を実質的に維持してもよい。例えば、ガスケット1260aは、積層1220の積層方向から半径方向外向き方向に変形してもよい。半径方向外向き方向に変形することにより、ガスケット1260aは、セル区画1222aの体積を増加させ、正の電極層1204と負の電極層1208との間の実質的に一定の空隙距離1215を維持することによって、セル区画1222a内の圧力を低下させてもよい。また、機械式バネ1226aおよび1226bは、積層双極ESD1250のセル区画1222aならびに1222bの電極間間隔を実質的に維持してもよい。例えば、バネ1226aおよび1226bは、双極ESD1150の積層1120内の圧力に対して印加される負荷に応答して、圧縮してもよい。
【0068】
図13の積層双極ESD1250は、硬質停止部(図示せず)を含み、セル区画1222aおよび1222bの電極間間隔を実質的に維持してもよい。例えば、硬質停止部は、硬質停止部の内側リム上の棚部(例えば、図6の内側リム672上の棚部663参照)を使用して、ESDの電極間間隔を設定してもよい。動的可撓性封止材またはガスケット1260aおよび1260b、機械式バネ1226aおよび1226b、ならびに硬質停止部、または任意の他の好適な構成要素、あるいはそれらの組み合わせを含む、上述のいずれの構成要素も、別個に、もしくは一緒に、積層双極ESDの電極間間隔を実質的に維持するように動作し得ることを理解されるであろう。
【0069】
本発明は、可変体積格納を有する、積層双極ESDを背景として、本明細書に説明されるが、論じられる概念は、並行板、柱状、折畳、巻回、および/または双極構成、任意の他の好適な構成、あるいは任意のそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意のセル間電極構成に適用可能である。
【0070】
例えば、図14は、本発明のある実施形態による、柱状セルESDの構造の概略断面図を示す。ESD1350は、積層1320を形成するように、その間に提供される、電気的絶縁隔離板1311とともに積層される、一連の交互正極活物質電極層1304および負極活物質電極層1308を含んでもよい。電極層の本配列は、例えば、対向電極との間に、比較的高拡散面積を提供し得る。交互する正の電極層1304および負の電極層1308は、正の領域1344ならびに負の領域1388における導線を介して、並列に、電気的に結合されてもよい。剛性筐体1334および1318が、積層されたESD1350のそれぞれの端部に提供されてもよく、ESD1350内に電解質を実質的に封止し得る。剛性筐体1334および1318は、種々の金属(例えば、鋼鉄、アルミニウム、および銅合金)、ポリマー、セラミック、任意の他の好適な伝導性または非伝導性物質、あるいはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、伝導性または非伝導性であり得る、任意の好適な物質もしくは物質の組み合わせから形成されてもよい。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態では、機械式バネ1326a/1326bは、剛性筐体1334/1318と積層1320のそれぞれの隔離板1311との間に提供されてもよい。例えば、機械式バネ1326aは、積層1320の第1の端部において、剛性筐体1334と隔離板1311との間に提供されてもよく、機械式バネ1326bは、積層1320の第2の端部において、剛性筐体1318と隔離板1311との間に提供されてもよい。しかしながら、機械式バネ1326aおよび1326bは、上述のように、任意の好適な場所または複数の場所に提供されてもよく、あるいは全く提供されなくてもよいことが理解されるであろう。
【0072】
図15は、本発明のある実施形態による、柱状セルESDの構造の概略断面図を示す。ESD1450は、剛性筐体1434および1418と、機械式バネ1426aおよび1426bと、電気的絶縁隔離板1411と、正の領域1444を有する正極活物質電極層1404と、負の領域1448を有する負極活物質電極層1408とを含む。例えば、図15に示されるように、積層1420内の圧力の増加に応答して、バネ1426a、またはバネ1426b、あるいは両方が、積層1420内の圧力を低下させるたために、偏向してもよい(例えば、バネ1426aの高さH’は、バネ1326aの高さH未満であってもよい)。上述のように、積層1420内の圧力増加は、例えば、ESD1450の動作の際、またはESD1450が休止状態の間の活物質(例えば、正の電極層1404および/または負の電極層1408)の状態変化により得る。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態では、バネ1426a/1426bは、積層1420内の圧力増加に応答して、偏向する一方、依然として、積層1420の層(すなわち、正および負の電極層1404ならびに1408と隔離板1411)上に好適な圧力を維持し、隣接層間に比較的に密接触を確保するように構成されてもよい。隣接電極間の準最適接触は、例えば、ESD1450の全体的容量を低減させ、双極ESDの電極間の空隙層の増加に関連して上述のものに類似する、他の望ましくない効果をもたらし得る。
【0074】
本発明の電極ユニットを形成するために使用される基板(例えば、基板6a−d、16、および36)は、例えば、非穿孔性金属箔、アルミニウム箔、ステンレス鋼箔、ニッケルおよびアルミニウムを含むクラッド物質、銅およびアルミニウムを含むクラッド物質、ニッケルめっき鋼、ニッケルめっき銅、ニッケルめっきアルミニウム、金、銀、任意の他の好適な物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の好適な伝導性かつ不透過性あるいは実質的に不透過性の物質から形成されてもよい。各基板は、ある実施形態では、相互に接着される2つ以上の金属箔シートから作製されてもよい。各BPUの基板は、典型的には、0.025から5ミリメートルの厚さであってもよい一方、各MPUの基板は、0.025から10ミリメートルの厚さであって、例えば、ESDに対する端子として作用してもよい。金属化発泡体は、例えば、セル区画の活物質間の抵抗が、電極における伝導性マトリクスを拡張することによって低減されるように、例えば、平坦金属フィルムまたは箔において任意の好適な基板物質と組み合わせられてもよい。
【0075】
これらの基板上に提供され、本発明の電極ユニットを形成する正電極層(例えば、正電極層4a−dおよび14)は、例えば、水酸化ニッケル(Ni(OH)2)、亜鉛(Zn)、任意の他の好適な物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の好適な活物質から形成されてもよい。正極活物質は、焼結されて含浸されるか、水性バインダで塗膜されて押圧されるか、有機バインダで塗膜されて押圧されるか、または伝導性マトリクス内に、他の支援化学物質とともに、正極活物質を含有する、任意の他の好適な方法によって、含有されてもよい。電極ユニットの正電極層は、例えば、膨張を低減するためにそのマトリクス内に注入される、金属水素化物(MH)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、他任意の他の好適な物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、粒子を有してもよい。これによって、例えば、サイクル寿命が延長し、再結合が改善され、セル区画内の圧力が低減し得る。また、MH等のこれらの粒子は、電極内の導電性を改善し、かつ再結合を支援するために、Ni(OH)2等の活物質ペーストの結合に存在してもよい。
【0076】
これらの基板上に提供され、本発明の電極ユニットを形成する、負電極層(例えば、負電極層8a−dおよび38)は、例えば、MH、Cd、Mn、Ag、任意の他の好適な物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の好適な活物質から形成されてもよい。負極活物質は、例えば、焼結されるか、水性バインダで塗膜されて押圧されるか、有機バインダで塗膜されて押圧されるか、または伝導性マトリクス内に他の支援化学物質とともに、負極活物質を含有する、任意の他の適切な方法によって含有されてもよい。負電極側は、例えば、構造を安定化させ、酸化を低減させ、サイクル寿命を延長させるように、負の電極物質マトリクス内に注入される、Ni、Zn、Al、任意の他の好適な物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、化学物質を有してもよい。
【0077】
有機カルボキシメチルセルロース(CMC)バインダ、クレイトンゴム、PTFE(テフロン(登録商標))、任意の他の好適な物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、種々の好適なバインダは、例えば、層をそれらの基板に保持するように、活物質層と混合されてもよい。また、200ppiの金属発泡体等の超静止バインダが、本発明の積層されたESD構造と併用されてもよい。
【0078】
本発明のESDの各電解質層の隔離板は、その2つの隣接電極ユニットを電気的に絶縁する一方、それらの電極ユニット間のイオン移動を可能にする、任意の好適な物質から形成されてもよい。隔離板は、充填を改善し、かつサイクル寿命を延長させるために、電解質貯留層として作用するように、セルロース超吸収材を含有してもよく、隔離板は、例えば、ポリ吸収性おむつ用物質から作製されてもよい。それによって、隔離板は、電荷がESDに印加されると、以前に吸収された電解質を放出し得る。ある実施形態では、隔離板は、電極間間隔(IES)が、通常よりも高間隔から開始し、その寿命にわたって、ESDの容量(または、Cレート)を維持し、ならびにESDの寿命を延長するために、継続的に低減されるように、通常のセルよりも密度が小さく、厚くてもよい。
【0079】
隔離板は、短絡を低減し、かつ再結合を改善するために、電極ユニット上の活性物質の表面に接合される物質よりも比較的に薄くてもよい。本隔離板物質は、例えば、噴霧、塗膜、押圧される、またはそれらの組み合わせであってもよい。隔離板は、ある実施形態では、そこに取り付けられる再結合剤を有してもよい。本剤は、隔離板の構造内に注入される(例えば、これは、本剤を隔離板繊維に結合するために、ポリビニルアルコール(PVAまたはPVOH)を使用して、湿式プロセスにおいて、本剤を物理的に捕捉することによって行なわれる、または本剤は、電気蒸着によって、その中に入れられ得る)、あるいは、例えば、蒸着によって、表面上に層状化されてもよい。隔離板は、例えば、Pb、Ag、任意の他の好適な物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、再結合を効果的に支援する任意の好適な物質または剤から作製されてもよい。セルの基板が相互に向かって移動する場合、隔離板は、抵抗を呈し得るが、隔離板は、偏向しない程十分に堅い基板を利用し得る、本発明のある実施形態では、提供されなくてもよい。
【0080】
本発明のESDの各電解質層の電解質は、溶解または融解時に、イオン化して、導電性媒体を産生し得る、任意の好適な化学化合物から形成されてもよい。電解質は、例えば、NiMHを含むが、これに限定されない、任意の好適な化学物質の標準的な電解質であってもよい。電解質は、例えば、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カルシウム(CaOH)、水酸化カリウム(KOH)、任意の他の好適な物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、付加的化学物質を含有してもよい。また、電解質は、例えば、Ag(OH)2を含むが、これに限定されない、再結合を改善するための添加剤を含有してもよい。また、電解質は、例えば、低温性能を改善するために、水酸化ルビジウム(RbOH)を含有してもよい。本発明のいくつかの実施形態では、電解質は、隔離板内で凍結され、次いで、ESDが完全に組み立てられた後、解凍されてもよい。これによって、ガスケットが、それに隣接する電極ユニットとの実質的に流体密封を形成する前に、特に、粘着性電解質のESDの電極ユニット積層への挿入が可能になり得る。
【0081】
本発明のESDの封止剤およびガスケット(例えば、ガスケット60a−e)は、ガスケットとそれに隣接する電極ユニットとにより画定される空間内に電解質を効果的に封止し得る,任意の好適な物質または物質の組み合わせから形成されてもよい。ある実施形態では、ガスケットは、例えば、ナイロン、ポリプロピレン、セルガード、ゴム、PVOH、任意の他の好適な物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の好適な非伝導性物質から作製され得る、固体封止障壁またはループ、あるいは固体封止ループを形成可能な複数のループ部分から形成されてもよい。固体封止障壁から形成されるガスケットは、それらの間に封止を生成するために、隣接電極の一部分に接触してもよい。
【0082】
代替として、ガスケットは、例えば、エポキシ樹脂、ブレアタール、電解質(例えば、KOH)不透過性膠、圧縮性接着剤(例えば、シリコン、アクリル、および/または繊維強化プラスチック(FRP)から形成され、かつ電解質に不透過性であり得る、Henkel Corporationより入手可能である、Loctite(R)銘柄の接着剤等の2つの部分から成るポリマー)、任意の好適な物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の好適な粘着性物質またはペーストから形成されてもよい。粘着性物質から形成されるガスケットは、それらの間に封止を生成するために、隣接電極の一部分に接触してもよい。いくつかの実施形態では、ガスケットは、粘着性物質が、固体封止ループと隣接電極ユニットとの間の封止を改善するように、固体封止ループと粘着性物質との組み合わせによって形成されてもよい。代替的または付加的に、電極ユニット自体が、固体封止ループ、付加的粘着性物質で処理された固体封止ループ、隣接電極ユニット、または付加的粘着性物質で処理された隣接電極ユニットが、例えば、そこに封止される前に、粘着性物質で処理されてもよい。
【0083】
さらに、ある実施形態では、隣接する電極ユニット間のガスケットまたは封止材は、ある種類の流体(すなわち、ある液体または気体)をそこから漏出させ得る(例えば、そのガスケットにより画定されるセル区画内の内圧が、ある閾値を超えて増加する場合)、1つ以上の脆弱点を具備し得る。ある量の流体が漏出する、または内圧が減少すると、脆弱点は、再び封止されてもよい。ブレイ(brai)等のある種類の好適な粘着性物質またはペーストにより少なくとも部分的に形成されるガスケットは、ある流体がそこを通って通過可能なように構成または調製され、そこを通る他のある流体の通過を防止するように構成および調製されてもよい。そのようなガスケットは、任意の電解質が、2つのセル区間の間で共有され、ESDの電圧およびエネルギーを急速にゼロにまで減退(すなわち、放電)させ得ることを防止してもよい。
【0084】
上述のように、積層形成における封止されたセルにより設計されるESD(例えば、双極ESD50)を利用する1つの利点は、ESDの放電率の増加であり得る。本放電率の増加によって、そうでなければ、柱状ESD設計または巻回ESD設計では実現不可能であり得る、ある低腐食性電解質の使用が可能になり得る(例えば、研磨、伝導性強化、および/または電解質の化学反応性の高い成分または複数の成分を除去または低減することによって)。低腐食性電解質を使用するように積層されたESD設計により提供され得る、本余地によって、ガスケットとの封止を形成する際に、そうでなければ、より腐食性の電解質により腐食され得る、あるエポキシ樹脂(例えば、J−B Weldエポキシ樹脂)の利用が可能になり得る。
【0085】
本発明のESDの硬質停止部(例えば、図6の硬質停止部662参照)は、種々のポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、セラミック(例えば、アルミナ、シリカ)、任意の他の好適な機械的耐性および/または化学的に不活性物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の好適な物質から形成されてもよい。硬質停止部物質または複数の物質は、例えば、使用され得る種々のESD化学物質に耐性があるように選択されてもよい。
【0086】
本発明の機械式バネ(例えば、図3の機械式バネ326aおよび326b参照)は、印加される負荷に応答して偏向または変形し得る、任意の好適なバネであってもよい。例えば、機械式バネは、特定の負荷または特定の負荷閾値に応答して偏向するように設計されてもよい。開放コイル状螺旋バネ、可変ピッチバネ、および捩りバネ等の圧縮性バネ、または平坦バネ、あるいは任意の他の好適なバネ、もしくはそれらの組み合わせを含む、任意の好適な種類のバネが使用されてもよい。バネ自体は、高炭素鋼、合金鋼鉄、ステンレス鋼、銅合金、任意の他の好適な非可撓性または可撓性物質、あるいはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の好適な物質であってもよい。
【0087】
本発明の端部キャップ(例えば、図3の端部キャップ18および36参照)は、種々の金属(例えば、鋼鉄、アルミニウム、および銅合金)、ポリマー、セラミック、任意の他の好適な伝導性または非伝導性物質、あるいはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、伝導性または非伝導性であり得る任意の好適な物質または物質の組み合わせから形成されてもよい。
【0088】
本発明のESDのケースまたは包体、すなわち、動的格納容器(例えば、動的格納容器140参照)が提供されてもよく、それらの伝導性基板(例えば、基板16および36)またはそれらの付随導線(図示せず)を曝露するために、末端電極ユニット(例えば、MPU12および32)に封止し得る、任意の好適な非伝導性物質から形成されてもよい。また、包体は、それらのそれぞれのセル区画内の電解質を絶縁するために、ガスケットとそれに隣接する電極ユニットとの間の封止を生成、支持、および/または維持するために形成されてもよい。包体は、封止が、セル区画内の内圧の増加に伴って、ESDの拡張に抵抗し得るように、これらの封止に必要な支持を生成および/または維持してもよい。包体は、例えば、ナイロン、任意の他のポリマーまたは弾性物質(強化複合物質、ニトリルゴム、あるいはポリスルホンを含む)、もしくは収縮包着物質、またはエナメル塗膜鋼あるいは任意の他の金属等の任意の剛性物質、もしくは任意の絶縁物質、任意の他の好適な物質、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の好適な物質から作製されてもよい。ある実施形態では、包体は、例えば、積層されたセルの封止上に連続的な圧力を維持し得る、張力クリップの外骨格によって形成されてもよい。非伝導性障壁は、ESDの短絡を防止するために、積層と包体との間に提供されてもよい。
【0089】
引き続き図5を参照すると、例えば、本発明の双極ESD50は、MPU12および32と、それらの間の1つ以上のBPU2a−2dの積層によって形成される複数のセル区画(例えば、セル区画22a−22e)とを含んでもよい。本発明のある実施形態によると、基板(例えば、基板6a−6d、16、および36)、電極層(例えば、正の層4a−dおよび14、ならびに負の層8a−8dおよび38)、電解質層(例えば、層10a−10e)、およびガスケット(例えば、ガスケット60a−60e)のそれぞれの厚さおよび物質は、セル区画毎だけでなく、特定のセル区画内でも相互に異なり得る。積層レベルだけでなく、個々のセルレベルにおける幾何学形状および化学的性質のこの変動によって、種々の利点および性能特徴を備えるESDが生成され得る。
【0090】
加えて、基板、電極層、電解質層、およびガスケットの物質および幾何学形状は、セル区画からセル区画の積層の高さに沿って変化してもよい。さらに図5を参照すると、例えば、ESD50の電解質層10a−eのそれぞれに使用される電解質は、そのそれぞれのセル区画22a−eのセル区画の積層の中心に対する近接性に基づいて変化し得る。例えば、最も内側のセル区画22c(すなわち、ESD50における5つの区画22の真ん中のセル区画)は、第1の電解質から形成される電解質層(すなわち、電解質層10c)を含んでもよい一方、真ん中のセル区画22bおよび22d(すなわち、ESD50における末端セル区画に隣接するセル区画)は、第2の電解質からそれぞれ形成される電解質層(すなわち、それぞれ、電解質層10bおよび10d)を含んでもよい一方、最も外側のセル区画22aおよび22e(すなわち、ESD50における最も外側のセル区画)は、第3の電解質からそれぞれ形成される電解質層(すなわち、それぞれ、電解質層10aおよび10e)を含んでもよい。内側積層において、より高い伝導性の電解質を使用することによって、発生する熱がより少なくなるように、抵抗が小さくなり得る。これは、外部冷却方法の代わりに、設計によって、ESDに熱制御を提供し得る。
【0091】
別の実施例として、また、ESD50のセル区画のそれぞれにおいて電極層として使用される活物質は、そのそれぞれのセル区画22a−eのセル区画の積層の中心に対する近接性に基づいて変化し得る。例えば、最も内側のセル区画22cは、第1の温度および/または率性能を有する第1の種類の活物質から形成される電極層(すなわち、層8bおよび4c)を含んでもよい一方、真ん中のセル区画22bおよび22dは、第2の温度および/または率性能を有する第2の種類の活物質から形成される電極層(すなわち、層8a/4bおよび層8c/4d)を含んでもよい一方、最も外側のセル区画22aおよび22eは、第3の温度および/または率性能を有する第3の活物質から形成される電極層(すなわち、層38/4aおよび層8d/14)を含んでもよい。実施例として、ESD積層は、熱をより良好に吸収し得る、ニッケルカドミウムの電極とともに、最も内側のセル区画を構築することによって、熱的に管理されてもよい一方、最も外側のセル区画は、例えば、冷却器である必要があり得る、ニッケル金属水素化物の電極を具備してもよい。代替として、ESDの化学的性質または幾何学形状は、非対称であってもよく、積層の一方の端部におけるセル区画は、第1の活物質および第1の高さから作製されてもよい一方、積層の他方の端部におけるセル区画は、第2の活物質および第2の高さを有してもよい。 さらに、また、ESD50のセル区画のそれぞれの幾何学形状も、セル区画の積層に沿って変化し得る。特定のセル区画内の活物質間の距離の変化に加え、あるセル区画22a−eは、それらの区画の活物質の間に第1の距離を有してもよい一方で、他のセル区画は、それらの区画の活物質の間に第2の距離を有してもよい。いずれにしても、活物質電極層間の距離が小さいセル区画またはその部分は、例えば、電力が高くてもよい一方、活物質電極層間の距離が大きいセル区画またはその部分は、例えば、樹枝状結晶成長のためのより多くの余地、より長いサイクル寿命、および/またはより多くの電解質蓄積を有してもよい。活物質電極間の距離が大きいこれらの部分は、例えば、活物質電極層間の距離が小さい部分が最初に充電されることを確実にするように、ESDの充電受容を調節してもよい。
【0092】
ある実施形態では、ESD50の電極層(例えば、図5の正の層4a−dおよび14、ならびに負の層8a−8dおよび38)の幾何学形状は、基板6a−dの半径方向長さに沿って変化してもよい。図5に関して、電極層は、均一の厚さであって、電極形状について対称である。ある実施形態では、電極層は、非均一であってもよい。例えば、正極活物質電極層および負極活物質電極層の厚さは、伝導性基板の表面上の半径方向位置に伴って変化し得る。非均一電極層については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Westらの米国特許出願第12/258,854号に詳述されている。
【0093】
積層されたESDの上述および例示された実施形態はそれぞれ、電解質をその中に封止するために、第1および第2の電極ユニットのそれぞれに封止されるガスケットを含むセル区画を示すが、セル区画の各電極ユニットは、それ自体のガスケットに封止され、次いで、2つの隣接する電極のガスケットは、封止されたセル区画を生成するために、相互に封止されてもよいことに留意されたい。
【0094】
ある実施形態では、ガスケットは、ともに融合されて封止を生成するように、電極ユニットまたは別のガスケットに射出成形されてもよい。ある実施形態では、ガスケットは、ともに封止を形成するように、電極ユニットまたは別のガスケットに超音波で溶接されてもよい。他の実施形態では、ガスケットは、電極ユニットまたは別のガスケットに熱的に融合されるか、または熱流により融合されてもよく、それによって、ガスケットまたは電極ユニットは、加熱されて、他のガスケットまたは電極ユニットに溶解されてもよい。さらに、ある実施形態では、封止を生成するためにガスケットおよび/または電極ユニットの表面に溝状の部分を生成する代わりに、または生成することに加えて、ガスケットおよび/または電極ユニットが、穿孔を有するか、またはその1つ以上の部分を通る、1つ以上の穴を有してもよい。代替として、穴、または通路、あるいは穿孔は、電極ユニットの一部分(例えば、基板)がガスケットにおよびガスケットを通って成形し得るように、ガスケットの一部分を通って提供されてもよい。さらに他の実施形態では、穴は、ガスケットおよび電極ユニットのそれぞれが、例えば、ガスケットおよび電極ユニットの他方におよび他方を通って成形され得るように、ガスケットおよび電極ユニットの両方を通して作製されてもよい。
【0095】
積層されたESDの上述および例示した実施形態のそれぞれは、実質的に円形の断面を有する基板を円筒状のESDに積層することによって形成される、ESDを示すが、広範な形状のうちのいずれかを利用して、本発明の積層されたESDの基板を形成してもよいことに留意されたい。例えば、本発明の積層されたESDは、四角形、三角形、六角形、または任意の他の所望の形状、あるいはそれらの組み合わせである、断面積を有する基板を有する電極ユニットを積層することによって、形成されてもよい。
【0096】
上述は、本発明の原理の例示にすぎず、種々の修正が、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者によって成され得ることを理解されるであろう。また、「水平」および「垂直」、「上部」および「底部」および「面」、「長さ」および「幅」および「高さ」および「厚さ」、「内側」および「外側」、「内部」および「外部」、ならびにその同等物等の種々の方向および配向に関する用語は、便宜のためだけに本明細書において使用され、決定的または絶対的な方向または配向に関する限定がこれらの単語の使用によって意図されないことも理解されたい。例えば、本発明のデバイスならびにその個々の較正は、任意の所望の配向を有してもよい。再配向される場合、異なる方向または配向に関する用語が、その説明において使用されることを必要とされ得るが、本発明の範囲および精神内にあるように、その基本的な性質を変更するものではない。当業者は、本発明が、限定目的ではなく例示目的で提示される上述の実施形態以外によって実施されてもよく、本発明が以下の請求項によってのみ限定されることを理解するであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー貯蔵デバイス(ESD)であって、
複数の双極電極ユニットの積層であって、各電極ユニットは、
伝導性基板と、
該伝導性基板の第1の表面上の正極活物質電極層と、
該伝導性基板の第2の表面上の負極活物質電極層と
を備える、双極電極ユニットの積層と、
各対の隣接する電極ユニットの間に提供される電解質層と、
該電解質層の各々の周りに配置される可撓性ガスケットであって、該ガスケットは、所定の態様で機械的に変形可能である、ガスケットと
を備える、ESD。
【請求項2】
前記可撓性ガスケットは、ESDの動作の間、前記正極活物質電極層と前記負極活物質電極層との電極間間隔を維持する、請求項1に記載のESD。
【請求項3】
前記可撓性ガスケットは、前記正極活物質電極層と前記負極活物質電極層との相互に対する移動を最小にする、請求項1に記載のESD。
【請求項4】
複数のバネをさらに備え、該バネは、前記ESD内の圧力の増加に応答して偏向するように構成される、請求項1に記載のESD。
【請求項5】
各電解質層内に隔離板をさらに備え、該隔離板は、それぞれの正極活物質電極層をそれぞれの負極活物質電極層から電気的に絶縁する、請求項1に記載のESD。
【請求項6】
前記ガスケットから半径方向外向きに配置される硬質停止部をさらに備える、請求項1に記載のESD。
【請求項7】
前記硬質停止部は、棚部を有する内側リムを備え、該棚部の上に、前記複数の電極のそれぞれの外側縁が整列させられる、請求項6に記載のESD。
【請求項8】
前記内側リム上の棚部は、前記ESDの隣接する電極間の間隔を設定する、請求項7に記載のESD。
【請求項9】
前記硬質停止部は、
複数のスタッドと、
複数のスタッド穴と
をさらに備え、該複数のスタッド穴は、それぞれのスタッドを隣接する硬質停止部上に係合するように適合される、請求項6に記載のESD。
【請求項10】
前記スタッドは、前記スタッド穴に係合することにより、ツールを使用せずに隣接する硬質停止部を整列させるように適合される、請求項9に記載のESD。
【請求項11】
前記複数のスタッドは、前記基板が前記積層アセンブリの積層方向と共線の軸上に中心を置く状態を維持することによって、該基板の基板フランジを前記硬質停止部に整列させる、請求項9に記載のESD。
【請求項12】
前記硬質停止部は、複数の圧縮ボルトのための一組の穴を有する外側リムを備え、該穴は、組み立ての間、電極の積層を整列させ、前記ESDの動作の間、安定性を提供する、請求項6に記載のESD。
【請求項13】
前記所定の方向が、前記電極の表面に垂直である積層方向である、請求項1に記載のESD。
【請求項14】
前記所定の方向は、積層方向から半径方向外向きである、請求項1に記載のESD。
【請求項15】
前記所定の方向は、軸外の方向である、請求項1に記載のESD。
【請求項16】
前記可撓性ガスケットは、複数の所定の方向を有する、請求項1に記載のESD。
【請求項17】
前記ガスケットの変形は、前記ESD内の圧力を均一化しつつ、最適な電極間間隔を維持することによって、該ESDの各セル内の内部応力を低減させる、請求項1に記載のESD。
【請求項18】
エネルギー貯蔵デバイス(ESD)であって、その中の電極間間隔が維持される該ESDは、
複数のセル区画であって、各セル区画は、
第1の活物質電極層を有する第1の伝導性基板と、
第2の活物質電極層を有する第2の伝導性基板と、
該第1と第2の活物質電極層との間に提供される電解質層と
を備える、セル区画と、
複数の硬質停止部であって、各伝導性基板がそれぞれの硬質停止部上に固定して配置されており、該硬質停止部は、該ESDの該電極間間隔を設定するように構成される、硬質停止部と
を備える、ESD。
【請求項19】
前記ESDの各端部に提供される整列リングをさらに備え、該整列リングは、複数のボルトのための複数のボルト穴を備え、該ボルトは、前記複数のセル区画の各々を整列させる、請求項18に記載のESD。
【請求項20】
前記複数のセル区画の各々の電極間間隔は、各セル区画内のそれぞれの第1および第2の活物質電極層に基づいて変化する、請求項18に記載のESD。
【請求項1】
エネルギー貯蔵デバイス(ESD)であって、
複数の双極電極ユニットの積層であって、各電極ユニットは、
伝導性基板と、
該伝導性基板の第1の表面上の正極活物質電極層と、
該伝導性基板の第2の表面上の負極活物質電極層と
を備える、双極電極ユニットの積層と、
各対の隣接する電極ユニットの間に提供される電解質層と、
該電解質層の各々の周りに配置される可撓性ガスケットであって、該ガスケットは、所定の態様で機械的に変形可能である、ガスケットと
を備える、ESD。
【請求項2】
前記可撓性ガスケットは、ESDの動作の間、前記正極活物質電極層と前記負極活物質電極層との電極間間隔を維持する、請求項1に記載のESD。
【請求項3】
前記可撓性ガスケットは、前記正極活物質電極層と前記負極活物質電極層との相互に対する移動を最小にする、請求項1に記載のESD。
【請求項4】
複数のバネをさらに備え、該バネは、前記ESD内の圧力の増加に応答して偏向するように構成される、請求項1に記載のESD。
【請求項5】
各電解質層内に隔離板をさらに備え、該隔離板は、それぞれの正極活物質電極層をそれぞれの負極活物質電極層から電気的に絶縁する、請求項1に記載のESD。
【請求項6】
前記ガスケットから半径方向外向きに配置される硬質停止部をさらに備える、請求項1に記載のESD。
【請求項7】
前記硬質停止部は、棚部を有する内側リムを備え、該棚部の上に、前記複数の電極のそれぞれの外側縁が整列させられる、請求項6に記載のESD。
【請求項8】
前記内側リム上の棚部は、前記ESDの隣接する電極間の間隔を設定する、請求項7に記載のESD。
【請求項9】
前記硬質停止部は、
複数のスタッドと、
複数のスタッド穴と
をさらに備え、該複数のスタッド穴は、それぞれのスタッドを隣接する硬質停止部上に係合するように適合される、請求項6に記載のESD。
【請求項10】
前記スタッドは、前記スタッド穴に係合することにより、ツールを使用せずに隣接する硬質停止部を整列させるように適合される、請求項9に記載のESD。
【請求項11】
前記複数のスタッドは、前記基板が前記積層アセンブリの積層方向と共線の軸上に中心を置く状態を維持することによって、該基板の基板フランジを前記硬質停止部に整列させる、請求項9に記載のESD。
【請求項12】
前記硬質停止部は、複数の圧縮ボルトのための一組の穴を有する外側リムを備え、該穴は、組み立ての間、電極の積層を整列させ、前記ESDの動作の間、安定性を提供する、請求項6に記載のESD。
【請求項13】
前記所定の方向が、前記電極の表面に垂直である積層方向である、請求項1に記載のESD。
【請求項14】
前記所定の方向は、積層方向から半径方向外向きである、請求項1に記載のESD。
【請求項15】
前記所定の方向は、軸外の方向である、請求項1に記載のESD。
【請求項16】
前記可撓性ガスケットは、複数の所定の方向を有する、請求項1に記載のESD。
【請求項17】
前記ガスケットの変形は、前記ESD内の圧力を均一化しつつ、最適な電極間間隔を維持することによって、該ESDの各セル内の内部応力を低減させる、請求項1に記載のESD。
【請求項18】
エネルギー貯蔵デバイス(ESD)であって、その中の電極間間隔が維持される該ESDは、
複数のセル区画であって、各セル区画は、
第1の活物質電極層を有する第1の伝導性基板と、
第2の活物質電極層を有する第2の伝導性基板と、
該第1と第2の活物質電極層との間に提供される電解質層と
を備える、セル区画と、
複数の硬質停止部であって、各伝導性基板がそれぞれの硬質停止部上に固定して配置されており、該硬質停止部は、該ESDの該電極間間隔を設定するように構成される、硬質停止部と
を備える、ESD。
【請求項19】
前記ESDの各端部に提供される整列リングをさらに備え、該整列リングは、複数のボルトのための複数のボルト穴を備え、該ボルトは、前記複数のセル区画の各々を整列させる、請求項18に記載のESD。
【請求項20】
前記複数のセル区画の各々の電極間間隔は、各セル区画内のそれぞれの第1および第2の活物質電極層に基づいて変化する、請求項18に記載のESD。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2012−516541(P2012−516541A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−547975(P2011−547975)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/000235
【国際公開番号】WO2010/087963
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(510113553)ジー4 シナジェティクス, インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/000235
【国際公開番号】WO2010/087963
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(510113553)ジー4 シナジェティクス, インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】
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