エポキシドのイソ選択的重合
本発明は、新規な二金属錯体、およびエポキシドのイソ選択的重合における該錯体の使用方法に関する。本発明は、また、エポキシドの速度論的分割法を提供する。本発明は、消費財から材料にわたる応用で有用である、高いエナンチオマー過剰率を有するポリエーテルも提供する。一態様によれば、本開示は、食品包装、電子機器、消費財、キラルなクロマトグラフィー媒体、ポリマー試薬、およびポリマー触媒に適した材料を提供し、該材料は、本明細書に記載のように提供されたポリマーを含む。いくつかの実施形態において、材料は耐油性である。いくつかの実施形態において、材料はフィルムである。若干の実施形態において、材料は押出し成形される。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化99】
の二金属錯体
[式中、
Mは、金属原子であり、
Xは、求核基であり、
nは、0〜2の整数(両端を含む)であり、
L1、L2、Y1、およびY2は、出現する毎に独立に、−O−、−P(R')2−、=NR'−、または−N(R')2−であり、
【化100】
は、出現する毎に、C2〜12脂肪族;C7〜12アリールアルキル;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい部分であり、
【化101】
は、出現する毎に、C7〜12アリールアルキル;6員〜10員のアリール;および窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリールからなる群から選択される置換されていてもよい部分であり、
【化102】
は、各
【化103】
のアリール環またはヘテロアリール環に直接連結された単結合を表し、
R'は、出現する毎に、水素であるか;またはC3〜C14炭素環、C6〜C10アリール基、C3〜C14複素環、およびC5〜C10ヘテロアリール基からなる群から選択される置換されていてもよい部分;または置換されていてもよいC2〜20脂肪族基であり、ここで、1つまたは複数のメチレン単位は、独立に、−NRy−、−N(Ry)C(O)−、−C(O)N(Ry)−、−OC(O)N(Ry)−、−N(Ry)C(O)O−、−OC(O)O−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO2−、−C(=S)−、−C(=NRy)−、−C(=NORy)−または−N=N−で代替されていてもよいか;あるいは2つのR'が、それらの間にある原子と一緒になって、単環式または二環式の5員環〜12員環を形成し;
ここで、置換基は、1つまたは複数の有機カチオンを含むことができ、
Ryは、出現する毎に独立に、水素、または置換されていてもよいC1〜6脂肪族基である]。
【請求項2】
Mが典型金属である、請求項1に記載の二金属錯体。
【請求項3】
Mが、5族〜12族(両端を含む)からの遷移金属、ホウ素、およびアルミニウムからなる群から選択される、請求項1に記載の二金属錯体。
【請求項4】
Mが、ランタニドから選択される、請求項1に記載の二金属錯体。
【請求項5】
Mが、Cr、Mn、V、Fe、Co、Mo、W、Ru、Ti、Al、Zr、HfおよびNiからなる群から選択される、請求項3に記載の二金属錯体。
【請求項6】
MがCoである、請求項5に記載の二金属錯体。
【請求項7】
軸性キラリティーを有する元素を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の二金属錯体。
【請求項8】
軸性キラリティーを有する前記元素が、次式
【化104】
を有する式Iの部分に含まれる、請求項7に記載の二金属錯体。
【請求項9】
前記軸性キラリティーが、次式
【化105】
に示す結合B1の周りの分子の回転障害に由来する、請求項7に記載の二金属錯体。
【請求項10】
前記錯体が、式I−a
【化106】
[式中、
Qは、出現する毎に、C3〜C14炭素環、C6〜C10アリール基、C3〜C14複素環、およびC5〜C10ヘテロアリール基からなる群から選択される置換されていてもよい部分であるか;または置換されていてもよいC2〜20脂肪族基であり、ここで、1つまたは複数のメチレン単位は、独立に、−NRy−、−N(Ry)C(O)−、−C(O)N(Ry)−、−OC(O)N(Ry)−、−N(Ry)C(O)O−、−OC(O)O−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO2−、−C(=S)−、−C(=NRy)−、−C(=NORy)−、または−N=N−で代替されていてもよく;
Ryは、出現する毎に独立に、水素であるか、または置換されていてもよいC1〜6脂肪族基であり;
R1およびR2は、出現する毎に独立に、水素、ハロゲン、−NO2、−CN、−SRy、−S(O)Ry、−S(O)2Ry、−NRyC(O)Ry、−OC(O)Ry、−CO2Ry、−NCO、−N3、−ORy、−OC(O)N(Ry)2、−N(Ry)2、−NRyC(O)Ry、−NRyC(O)ORyであるか、あるいはC1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12ヘテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であるか、あるいは
R1およびR2は、それらの間にある原子と一緒になって、置換されていてもよい4員〜14員の炭素環、置換されていてもよい4員〜14員の複素環、置換されていてもよい6員〜10員のアリール基、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する置換されていてもよい5員〜10員のヘテロアリール基を形成し、
R3およびR4は、出現する毎に独立に、水素、ハロゲン、−NO2、−CN、−SRy、−S(O)Ry、−S(O)2Ry、−NRyC(O)Ry、−OC(O)Ry、−CO2Ry、−NCO、−N3、−ORy、−OC(O)N(Ry)2、−N(Ry)2、−NRyC(O)R、−NRyC(O)ORyであるか;あるいはC1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12ヘテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基である]
を有する、請求項1に記載の二金属錯体。
【請求項11】
前記錯体が、式I−b
【化107】
[式中、
Qは、出現する毎に、C3〜C14炭素環、C6〜C10アリール基、C3〜C14複素環、およびC5〜C10ヘテロアリール基からなる群から選択される置換されていてもよい部分であるか;または置換されていてもよいC2〜20脂肪族基であり、ここで、1つまたは複数のメチレン単位は、独立に、−NRy−、−N(Ry)C(O)−、−C(O)N(Ry)−、−OC(O)N(Ry)−、−N(Ry)C(O)O−、−OC(O)O−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO2−、−C(=S)−、−C(=NRy)−、−C(=NORy)−、または−N=N−で代替されていてもよく;
Ryは、出現する毎に独立に、水素であるか、または置換されていてもよいC1〜6脂肪族基であり;
R5、R5aおよびR5bは、出現する毎に独立に、水素、ハロゲン、−NO2、−CN、−SRy、−S(O)Ry、−S(O)2Ry、−NRyC(O)Ry、−OC(O)Ry、−CO2Ry、−NCO、−N3、−ORy、−OC(O)N(Ry)2、−N(Ry)2、−NRyC(O)Ry、−NRyC(O)ORyであるか;あるいはC1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12ヘテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であり、ここで、隣接するR5基、R5a基またはR5b基は、一緒になって、0個〜4個のへテロ原子を含む、置換されていてもよい飽和、部分不飽和の、または芳香族の5員環〜12員環を形成する]
を有する、請求項1に記載の二金属錯体。
【請求項12】
式I−c
【化108】
[式中、
Qは、出現する毎に、C3〜C14炭素環、C6〜C10アリール基、C3〜C14複素環、およびC5〜C10ヘテロアリール基からなる群から選択される置換されていてもよい部分であるか、または置換されていてもよいC2〜20脂肪族基であり、ここで、1つまたは複数のメチレン単位は、独立に、−NRy−、−N(Ry)C(O)−、−C(O)N(Ry)−、−OC(O)N(Ry)−、−N(Ry)C(O)O−、−OC(O)O−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO2−、−C(=S)−、−C(=NRy)−、−C(=NORy)−、または−N=N−で代替されていてもよく;
Ryは、出現する毎に独立に、水素であるか、または置換されていてもよいC1〜6脂肪族基であり;
R5、R6、R7、R8、およびR9は、出現する毎に独立に、水素、ハロゲン、−NO2、−CN、−SRy、−S(O)Ry、−S(O)2Ry、−NRyC(O)Ry、−OC(O)Ry、−CO2Ry、−NCO、−N3、−ORy、−OC(O)N(Ry)2、−N(Ry)2、−NRyC(O)Ry、−NRyC(O)ORyであるか;あるいはC1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12ヘテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であり、ここで、隣接するR6基、R7基、R8基、またはR9基は、一緒になって、0個〜4個のへテロ原子を含み置換されていてもよい飽和、部分不飽和、または芳香族の5員環〜12員環を形成することができる]
を有する、請求項1に記載の二金属錯体。
【請求項13】
式II
【化109】
[式中、
Qは、出現する毎に、C3〜C14炭素環、C6〜C10アリール基、C3〜C14複素環、およびC5〜C10ヘテロアリール基からなる群から選択される置換されていてもよい部分であるか、または置換されていてもよいC2〜20脂肪族基であり、ここで、1つまたは複数のメチレン単位は、独立に、−NRy−、−N(Ry)C(O)−、−C(O)N(Ry)−、−OC(O)N(Ry)−、−N(Ry)C(O)O−、−OC(O)O−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO2−、−C(=S)−、−C(=NRy)−、−C(=NORy)−、または−N=N−で代替されていてもよく;
Ryは、出現する毎に独立に、水素であるか、または置換されていてもよいC1〜6脂肪族基であり;
R1およびR2は、出現する毎に独立に、水素、ハロゲン、−NO2、−CN、−SRy、−S(O)Ry、−S(O)2Ry、−NRyC(O)Ry、−OC(O)Ry、−CO2Ry、−NCO、−N3、−ORy、−OC(O)N(Ry)2、−N(Ry)2、−NRyC(O)Ry、−NRyC(O)ORyであるか;あるいはC1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12ヘテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であるか、あるいは
R1およびR2は、それらの間にある原子と一緒になって、置換されていてもよい4員〜14員の炭素環、置換されていてもよい4員〜14員の複素環、置換されていてもよい6員〜10員のアリール基、あるいは窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する置換されていてもよい5員〜10員のヘテロアリール基を形成し、
R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は、出現する毎に独立に、水素、ハロゲン、−NO2、−CN、−SRy、−S(O)Ry、−S(O)2Ry、−NRyC(O)Ry、−OC(O)Ry、−CO2Ry、−NCO、−N3、−ORy、−OC(O)N(Ry)2、−N(Ry)2、−NRyC(O)Ry、−NRyC(O)ORyであるか;またはC1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12ヘテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であり、ここで、隣接するR6基、R7基、R8基およびR9基は、一緒になって、0個〜4個のへテロ原子を含み置換されていてもよい飽和、部分不飽和、または芳香族の5員環〜12員環を形成する]
を有する、請求項1に記載の二金属錯体。
【請求項14】
MがCoである、請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項15】
nが0である、請求項1または請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項16】
nが1である、請求項1または請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項17】
nが2である、請求項1または請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項18】
Xがハロゲンである、請求項1または請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項19】
XがClである、請求項18に記載の二金属錯体。
【請求項20】
Qが、置換されていてもよいC5〜10脂肪族である、請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項21】
Qが、置換されていてもよいC6〜8脂肪族である、請求項20に記載の二金属錯体。
【請求項22】
Qが、置換されていてもよい1,2−シクロヘキシルである、請求項21に記載の二金属錯体。
【請求項23】
ビアリールの間を連結する結合が、Sキラリティーを有する場合に、Qが、(R,R)−1,2−シクロヘキシルである、請求項22に記載の二金属錯体。
【請求項24】
ビアリールの間を連結する結合が、Rキラリティーを有する場合に、Qが、(S,S)−1,2−シクロヘキシルである、請求項22に記載の二金属錯体。
【請求項25】
R1およびR2が、それらの間にある原子と一緒になって、6員〜10員のアリール基;4員〜14員の炭素環;あるいは窒素環、酸素環または硫黄環から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール基を形成する、請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項26】
R1およびR2が、それらの間にある原子と一緒になって、6員〜10員のアリール環を形成する、請求項25に記載の二金属錯体。
【請求項27】
R1およびR2が、それらの間にある原子と一緒になって、6員のアリール環を形成する、請求項26に記載の二金属錯体。
【請求項28】
R1およびR2が、それらの間にある原子と一緒になって、
【化110】
を形成する、請求項27に記載の二金属錯体。
【請求項29】
R1およびR2が、それらの間にある原子と一緒になって、
【化111】
を形成する、請求項25に記載の二金属錯体。
【請求項30】
R3、R4、R5、R6およびR8が、それぞれ水素である、請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項31】
R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9が、それぞれ水素である、請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項32】
R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9の中の1つまたは複数が、有機カチオンで置換されている、請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項33】
前記有機カチオンが、第4級アンモニウム基である、請求項32に記載の二金属錯体。
【請求項34】
各有機カチオンが、求核基であるXで錯化されている、請求項32に記載の二金属錯体。
【請求項35】
Xが、2,4−ジニトロフェノレートアニオンである、請求項34に記載の二金属錯体。
【請求項36】
R7およびR9が、C1〜12脂肪族;および窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12へテロ脂肪族からなる群から選択される、独立に、置換されていてもよい基である、請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項37】
R7およびR9が、独立に、置換されていてもよいC1〜6脂肪族基である、請求項36に記載の二金属錯体。
【請求項38】
R7およびR9が、t−ブチルである、請求項37に記載の二金属錯体。
【請求項39】
ラセミ型である、請求項1または請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項40】
非ラセミ型である、請求項1または請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項41】
軸対称をもつ、請求項1または請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項42】
触媒である、請求項1または請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項43】
式II−a
【化112】
を有する、請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項44】
式II−b
【化113】
を有する、請求項43に記載の二金属錯体。
【請求項45】
【化114】
【化115】
【化116】
【化117】
から選択される、請求項43に記載の二金属錯体。
【請求項46】
式II−c
【化118】
を有する、請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項47】
式
【化119】
のポリマー
[式中、
Raは、C1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12へテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であり、
RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素であるか、あるいはC1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12へテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であり、
ここで、(RaおよびRc)、(RbおよびRc)および(RaおよびRb)のいずれも、それらの間にある原子と一緒になって、置換されていてもよいC3〜C14炭素環、置換されていてもよいC3〜C14複素環、置換されていてもよいC6〜C10アリール、および置換されていてもよいC5〜C10ヘテロアリールからなる群から選択される1つまたは複数の環を形成することができ、
ここで、ポリマーのエナンチオマー過剰率は、90%を超える]。
【請求項48】
異なる2種の反復単位(ここで、該異なる2種の反復単位中のRa、RbおよびRcは、すべて同一であるとは限らない)からなるコポリマーを含む、請求項47に記載のポリマー。
【請求項49】
異なる3種以上の反復単位(ここで、該異なる各反復単位中のRa、RbおよびRcは、他の異なる反復単位のいずれかのRa、RbおよびRcと同一であるとは限らない)からなるコポリマーを含む、請求項47に記載のポリマー。
【請求項50】
ランダムコポリマーである、請求項47から請求項49のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項51】
テーパー型コポリマーである、請求項47から請求項49のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項52】
ブロックコポリマーである、請求項47から請求項49のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項53】
請求項1に記載の二金属錯体を含む、請求項47に記載のポリマー。
【請求項54】
請求項1に記載の二金属錯体の残留物を含む、請求項47に記載のポリマー。
【請求項55】
有機カチオンとXとの塩をさらに含む、請求項54に記載のポリマー。
【請求項56】
Rcが水素である、請求項47に記載のポリマー。
【請求項57】
Rbが水素である、請求項47に記載のポリマー。
【請求項58】
RbおよびRcが、両方とも水素である、請求項47に記載のポリマー。
【請求項59】
Raが、置換されていてもよいC1〜12脂肪族である、請求項58に記載のポリマー。
【請求項60】
Raが、窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する置換されていてもよいC1〜12へテロ脂肪族である、請求項58に記載のポリマー。
【請求項61】
Raが、置換されていてもよい6員〜10員のアリールである、請求項58に記載のポリマー。
【請求項62】
Raが、窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する置換されていてもよい5員〜10員のへテロアリールである、請求項58に記載のポリマー。
【請求項63】
Raが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、アリル、フェニル、トリフルオロメチル、
【化120】
、またはこれらのいずれか2つ以上から選択される、請求項58に記載のポリマー。
【請求項64】
Raがトリフルオロメチルである、請求項63に記載のポリマー。
【請求項65】
Raが、
【化121】
である、請求項63に記載のポリマー。
【請求項66】
ポリマーを構成するポリマー鎖のエナンチオマー過剰率が、ポリマー鎖の一端から該ポリマー鎖の他端に向かって減少する、請求項47から請求項65のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項67】
ポリマーの一端から該ポリマーの次端に向かうエナンチオマー過剰率の減少が、漸減的である、請求項66に記載のポリマー。
【請求項68】
ポリマーのエナンチオマー過剰率が、95%を超える、請求項47から請求項65のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項69】
ポリマーのエナンチオマー過剰率が、97%を超える、請求項68に記載のポリマー。
【請求項70】
ポリマーのエナンチオマー過剰率が、98%を超える、請求項69に記載のポリマー。
【請求項71】
ポリマーのエナンチオマー過剰率が、99%を超える、請求項70に記載のポリマー。
【請求項72】
式
【化122】
のポリマー
[式中、
Raは、C1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12へテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であり、
RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素であるか;あるいはC1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12へテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であり、
ここで、(RaおよびRc)、(RbおよびRc)および(RaおよびRb)のいずれも、それらの間にある原子と一緒になって、置換されていてもよいC3〜C14炭素環、置換されていてもよいC3〜C14複素環、置換されていてもよいC6〜C10アリール、および置換されていてもよいC5〜C10ヘテロアリールからなる群から選択される1つまたは複数の環を形成することができ、
ここで、該ポリマーのアシソタクティシティーは、90%を超える]。
【請求項73】
ポリマーを構成するポリマー鎖のアイソタクチシティーが、該ポリマー鎖の他端近辺に比べ、該ポリマー鎖の一端近辺でより大きい、請求項47から請求項65のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項74】
ポリマーを構成するポリマー鎖のアイソタクチシティーが、該ポリマー鎖の一端から該ポリマー鎖の他端に向けて減少する、請求項47から請求項65のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項75】
80%を超えるm−二連子含有量で光学的に不活性である、請求項47から請求項65のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項76】
90%を超えるm−二連子含有量で光学的に不活性である、請求項47から請求項65のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項77】
95%を超えるm−二連子含有量で光学的に不活性である、請求項47から請求項65のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項78】
99%を超えるm−二連子含有量で光学的に不活性である、請求項47から請求項65のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項79】
a)式
【化123】
[式中、
Raは、C1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12へテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であり、
RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素であるか;あるいはC1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12へテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であり、
ここで、(RaおよびRc)、(RbおよびRc)および(RaおよびRb)のいずれも、それらの間にある原子と一緒になって、置換されていてもよいC3〜C14炭素環、置換されていてもよいC3〜C14複素環、置換されていてもよいC6〜C10アリール、および置換されていてもよいC5〜C10ヘテロアリールからなる群から選択される1つまたは複数の環を形成することができる]のプロキラルなエポキシドを準備すること、および
b)該エポキシドを適切な条件下において二金属触媒で処理して式
【化124】
のポリマーを形成することを含む、重合方法。
【請求項80】
前記二金属触媒が、請求項1から請求項46のいずれか一項に記載の二金属錯体である、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
ステップ(a)の後に、式
【化125】
を有する少なくとも1種のさらなるエポキシドを添加するステップをさらに含み、ここで、さらなるエポキシドのそれぞれが、ステップ(a)で準備されるエポキシドの構造と異なる構造を有し、その結果、ステップ(b)で形成されるポリマーが、2種以上のエポキシドのコポリマーである、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
前記二金属触媒が、式II
【化126】
[式中、
Mは、典型金属であり;
Qは、出現する毎に、C3〜C14炭素環、C6〜C10アリール基、C3〜C14複素環、およびC5〜C10ヘテロアリール基からなる群から選択される置換されていてもよい部分であるか、または置換されていてもよいC2〜20脂肪族基であり、ここで、1つまたは複数のメチレン単位は、独立に、−NRy−、−N(Ry)C(O)−、−C(O)N(Ry)−、−OC(O)N(Ry)−、−N(Ry)C(O)O−、−OC(O)O−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO2−、−C(=S)−、−C(=NRy)−、−C(=NORy)−、または−N=N−で代替されていてもよく;
Ryは、出現する毎に独立に、水素であるか、または置換されていてもよいC1〜6脂肪族基であり;
R1およびR2は、出現する毎に独立に、水素、ハロゲン、−NO2、−CN、−SRy、−S(O)Ry、−S(O)2Ry、−NRyC(O)Ry、−OC(O)Ry、−CO2Ry、−NCO、−N3、−ORy、−OC(O)N(Ry)2、−N(Ry)2、−NRyC(O)Ry、−NRyC(O)ORyであるか;あるいはC1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12ヘテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であるか、あるいは
R1およびR2は、それらの間にある原子と一緒になって、置換されていてもよい4員〜14員の炭素環、置換されていてもよい4員〜14員の複素環、置換されていてもよい6員〜10員のアリール基、あるいは窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する置換されていてもよい5員〜10員のヘテロアリール基を形成し、
R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は、出現する毎に独立に、水素、ハロゲン、−NO2、−CN、−SRy、−S(O)Ry、−S(O)2Ry、−NRyC(O)Ry、−OC(O)Ry、−CO2Ry、−NCO、−N3、−ORy、−OC(O)N(Ry)2、−N(Ry)2、−NRyC(O)Ry、−NRyC(O)ORyであるか;あるいはC1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12ヘテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であり、ここで、隣接するR6基、R7基、R8基またはR9基は、一緒になって、0個〜4個のへテロ原子を含む置換されていてもよい飽和、部分不飽和、または芳香族の5員環〜12員環を形成することができる]
を有する、請求項79に記載の方法。
【請求項83】
nが0である、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
nが1である、請求項82に記載の方法。
【請求項85】
nが2である、請求項82に記載の方法。
【請求項86】
Xがハロゲンである、請求項82に記載の方法。
【請求項87】
XがClである、請求項82に記載の方法。
【請求項88】
適切な条件が、1種または複数の共触媒を含む、請求項79に記載の方法。
【請求項89】
前記共触媒が、アミン、ホスホニウム塩、アンモニウム塩、アルソニウム塩、およびこれらのいずれか2つ以上の組合せからなる群から選択される、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記共触媒がPPN−Xであり、ここで、Xは求核基である、請求項88に記載の方法。
【請求項91】
前記共触媒がPPNOAcである、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
ポリマーのエナンチオマー過剰率が、90%を超える、請求項79または請求項82に記載の方法。
【請求項93】
ポリマーのエナンチオマー過剰率が、95%を超える、請求項79または請求項82に記載の方法。
【請求項94】
ポリマーのエナンチオマー過剰率が、97%を超える、請求項79または請求項82に記載の方法。
【請求項95】
ポリマーのエナンチオマー過剰率が、98%を超える、請求項79または請求項82に記載の方法。
【請求項96】
ポリマーのエナンチオマー過剰率が、99%を超える、請求項79または請求項82に記載の方法。
【請求項97】
前記重合がエナンチオ選択的である、請求項79または請求項82に記載の方法。
【請求項98】
速度論的分割である、請求項79または請求項82に記載の方法。
【請求項99】
前記重合がリビング重合である、請求項79または請求項82に記載の方法。
【請求項100】
未反応エポキシドを回収するステップをさらに含み、ここで、回収されたエポキシドがエナンチオマーとして濃縮されている、請求項79から請求項99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記回収されたエポキシドのエナンチオマー過剰率が、50%を超える、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記回収されたエポキシドのエナンチオマー過剰率が、75%を超える、請求項100に記載の方法。
【請求項103】
前記回収されたエポキシドのエナンチオマー過剰率が、90%を超える、請求項100に記載の方法。
【請求項104】
前記回収されたエポキシドのエナンチオマー過剰率が、95%を超える、請求項100に記載の方法。
【請求項105】
前記回収されたエポキシドのエナンチオマー過剰率が、97%を超える、請求項100に記載の方法。
【請求項106】
前記回収されたエポキシドのエナンチオマー過剰率が、98%を超える、請求項100に記載の方法。
【請求項107】
前記回収されたエポキシドのエナンチオマー過剰率が、99%を超える、請求項100に記載の方法。
【請求項108】
請求項47から請求項78のいずれか一項に記載のポリマーを含む、食品包装に適した材料。
【請求項109】
請求項47から請求項78のいずれか一項に記載のポリマーを含む、耐油性材料。
【請求項110】
請求項47から請求項78のいずれか一項に記載のポリマーを含む、電子機器ケーシングに適した材料。
【請求項111】
請求項47から請求項78のいずれか一項に記載のポリマーを含む、消費財を包装するのに適した材料。
【請求項112】
前記材料がフィルムである、請求項108から請求項111のいずれか一項に記載の材料。
【請求項113】
請求項47から請求項78のいずれか一項に記載のポリマーを含む、キラルなクロマトグラフィー媒体に適した材料。
【請求項114】
請求項47から請求項78のいずれか一項に記載のポリマーを含む、ポリマー試薬に適した材料。
【請求項115】
請求項47から請求項78のいずれか一項に記載のポリマーを含む、ポリマー触媒に適した材料。
【請求項116】
押出し成形される、請求項108から請求項111のいずれか一項に記載の材料。
【請求項117】
熱成形される、請求項108から請求項111のいずれか一項に記載の材料。
【請求項1】
式I
【化99】
の二金属錯体
[式中、
Mは、金属原子であり、
Xは、求核基であり、
nは、0〜2の整数(両端を含む)であり、
L1、L2、Y1、およびY2は、出現する毎に独立に、−O−、−P(R')2−、=NR'−、または−N(R')2−であり、
【化100】
は、出現する毎に、C2〜12脂肪族;C7〜12アリールアルキル;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい部分であり、
【化101】
は、出現する毎に、C7〜12アリールアルキル;6員〜10員のアリール;および窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリールからなる群から選択される置換されていてもよい部分であり、
【化102】
は、各
【化103】
のアリール環またはヘテロアリール環に直接連結された単結合を表し、
R'は、出現する毎に、水素であるか;またはC3〜C14炭素環、C6〜C10アリール基、C3〜C14複素環、およびC5〜C10ヘテロアリール基からなる群から選択される置換されていてもよい部分;または置換されていてもよいC2〜20脂肪族基であり、ここで、1つまたは複数のメチレン単位は、独立に、−NRy−、−N(Ry)C(O)−、−C(O)N(Ry)−、−OC(O)N(Ry)−、−N(Ry)C(O)O−、−OC(O)O−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO2−、−C(=S)−、−C(=NRy)−、−C(=NORy)−または−N=N−で代替されていてもよいか;あるいは2つのR'が、それらの間にある原子と一緒になって、単環式または二環式の5員環〜12員環を形成し;
ここで、置換基は、1つまたは複数の有機カチオンを含むことができ、
Ryは、出現する毎に独立に、水素、または置換されていてもよいC1〜6脂肪族基である]。
【請求項2】
Mが典型金属である、請求項1に記載の二金属錯体。
【請求項3】
Mが、5族〜12族(両端を含む)からの遷移金属、ホウ素、およびアルミニウムからなる群から選択される、請求項1に記載の二金属錯体。
【請求項4】
Mが、ランタニドから選択される、請求項1に記載の二金属錯体。
【請求項5】
Mが、Cr、Mn、V、Fe、Co、Mo、W、Ru、Ti、Al、Zr、HfおよびNiからなる群から選択される、請求項3に記載の二金属錯体。
【請求項6】
MがCoである、請求項5に記載の二金属錯体。
【請求項7】
軸性キラリティーを有する元素を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の二金属錯体。
【請求項8】
軸性キラリティーを有する前記元素が、次式
【化104】
を有する式Iの部分に含まれる、請求項7に記載の二金属錯体。
【請求項9】
前記軸性キラリティーが、次式
【化105】
に示す結合B1の周りの分子の回転障害に由来する、請求項7に記載の二金属錯体。
【請求項10】
前記錯体が、式I−a
【化106】
[式中、
Qは、出現する毎に、C3〜C14炭素環、C6〜C10アリール基、C3〜C14複素環、およびC5〜C10ヘテロアリール基からなる群から選択される置換されていてもよい部分であるか;または置換されていてもよいC2〜20脂肪族基であり、ここで、1つまたは複数のメチレン単位は、独立に、−NRy−、−N(Ry)C(O)−、−C(O)N(Ry)−、−OC(O)N(Ry)−、−N(Ry)C(O)O−、−OC(O)O−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO2−、−C(=S)−、−C(=NRy)−、−C(=NORy)−、または−N=N−で代替されていてもよく;
Ryは、出現する毎に独立に、水素であるか、または置換されていてもよいC1〜6脂肪族基であり;
R1およびR2は、出現する毎に独立に、水素、ハロゲン、−NO2、−CN、−SRy、−S(O)Ry、−S(O)2Ry、−NRyC(O)Ry、−OC(O)Ry、−CO2Ry、−NCO、−N3、−ORy、−OC(O)N(Ry)2、−N(Ry)2、−NRyC(O)Ry、−NRyC(O)ORyであるか、あるいはC1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12ヘテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であるか、あるいは
R1およびR2は、それらの間にある原子と一緒になって、置換されていてもよい4員〜14員の炭素環、置換されていてもよい4員〜14員の複素環、置換されていてもよい6員〜10員のアリール基、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する置換されていてもよい5員〜10員のヘテロアリール基を形成し、
R3およびR4は、出現する毎に独立に、水素、ハロゲン、−NO2、−CN、−SRy、−S(O)Ry、−S(O)2Ry、−NRyC(O)Ry、−OC(O)Ry、−CO2Ry、−NCO、−N3、−ORy、−OC(O)N(Ry)2、−N(Ry)2、−NRyC(O)R、−NRyC(O)ORyであるか;あるいはC1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12ヘテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基である]
を有する、請求項1に記載の二金属錯体。
【請求項11】
前記錯体が、式I−b
【化107】
[式中、
Qは、出現する毎に、C3〜C14炭素環、C6〜C10アリール基、C3〜C14複素環、およびC5〜C10ヘテロアリール基からなる群から選択される置換されていてもよい部分であるか;または置換されていてもよいC2〜20脂肪族基であり、ここで、1つまたは複数のメチレン単位は、独立に、−NRy−、−N(Ry)C(O)−、−C(O)N(Ry)−、−OC(O)N(Ry)−、−N(Ry)C(O)O−、−OC(O)O−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO2−、−C(=S)−、−C(=NRy)−、−C(=NORy)−、または−N=N−で代替されていてもよく;
Ryは、出現する毎に独立に、水素であるか、または置換されていてもよいC1〜6脂肪族基であり;
R5、R5aおよびR5bは、出現する毎に独立に、水素、ハロゲン、−NO2、−CN、−SRy、−S(O)Ry、−S(O)2Ry、−NRyC(O)Ry、−OC(O)Ry、−CO2Ry、−NCO、−N3、−ORy、−OC(O)N(Ry)2、−N(Ry)2、−NRyC(O)Ry、−NRyC(O)ORyであるか;あるいはC1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12ヘテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であり、ここで、隣接するR5基、R5a基またはR5b基は、一緒になって、0個〜4個のへテロ原子を含む、置換されていてもよい飽和、部分不飽和の、または芳香族の5員環〜12員環を形成する]
を有する、請求項1に記載の二金属錯体。
【請求項12】
式I−c
【化108】
[式中、
Qは、出現する毎に、C3〜C14炭素環、C6〜C10アリール基、C3〜C14複素環、およびC5〜C10ヘテロアリール基からなる群から選択される置換されていてもよい部分であるか、または置換されていてもよいC2〜20脂肪族基であり、ここで、1つまたは複数のメチレン単位は、独立に、−NRy−、−N(Ry)C(O)−、−C(O)N(Ry)−、−OC(O)N(Ry)−、−N(Ry)C(O)O−、−OC(O)O−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO2−、−C(=S)−、−C(=NRy)−、−C(=NORy)−、または−N=N−で代替されていてもよく;
Ryは、出現する毎に独立に、水素であるか、または置換されていてもよいC1〜6脂肪族基であり;
R5、R6、R7、R8、およびR9は、出現する毎に独立に、水素、ハロゲン、−NO2、−CN、−SRy、−S(O)Ry、−S(O)2Ry、−NRyC(O)Ry、−OC(O)Ry、−CO2Ry、−NCO、−N3、−ORy、−OC(O)N(Ry)2、−N(Ry)2、−NRyC(O)Ry、−NRyC(O)ORyであるか;あるいはC1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12ヘテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であり、ここで、隣接するR6基、R7基、R8基、またはR9基は、一緒になって、0個〜4個のへテロ原子を含み置換されていてもよい飽和、部分不飽和、または芳香族の5員環〜12員環を形成することができる]
を有する、請求項1に記載の二金属錯体。
【請求項13】
式II
【化109】
[式中、
Qは、出現する毎に、C3〜C14炭素環、C6〜C10アリール基、C3〜C14複素環、およびC5〜C10ヘテロアリール基からなる群から選択される置換されていてもよい部分であるか、または置換されていてもよいC2〜20脂肪族基であり、ここで、1つまたは複数のメチレン単位は、独立に、−NRy−、−N(Ry)C(O)−、−C(O)N(Ry)−、−OC(O)N(Ry)−、−N(Ry)C(O)O−、−OC(O)O−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO2−、−C(=S)−、−C(=NRy)−、−C(=NORy)−、または−N=N−で代替されていてもよく;
Ryは、出現する毎に独立に、水素であるか、または置換されていてもよいC1〜6脂肪族基であり;
R1およびR2は、出現する毎に独立に、水素、ハロゲン、−NO2、−CN、−SRy、−S(O)Ry、−S(O)2Ry、−NRyC(O)Ry、−OC(O)Ry、−CO2Ry、−NCO、−N3、−ORy、−OC(O)N(Ry)2、−N(Ry)2、−NRyC(O)Ry、−NRyC(O)ORyであるか;あるいはC1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12ヘテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であるか、あるいは
R1およびR2は、それらの間にある原子と一緒になって、置換されていてもよい4員〜14員の炭素環、置換されていてもよい4員〜14員の複素環、置換されていてもよい6員〜10員のアリール基、あるいは窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する置換されていてもよい5員〜10員のヘテロアリール基を形成し、
R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は、出現する毎に独立に、水素、ハロゲン、−NO2、−CN、−SRy、−S(O)Ry、−S(O)2Ry、−NRyC(O)Ry、−OC(O)Ry、−CO2Ry、−NCO、−N3、−ORy、−OC(O)N(Ry)2、−N(Ry)2、−NRyC(O)Ry、−NRyC(O)ORyであるか;またはC1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12ヘテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であり、ここで、隣接するR6基、R7基、R8基およびR9基は、一緒になって、0個〜4個のへテロ原子を含み置換されていてもよい飽和、部分不飽和、または芳香族の5員環〜12員環を形成する]
を有する、請求項1に記載の二金属錯体。
【請求項14】
MがCoである、請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項15】
nが0である、請求項1または請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項16】
nが1である、請求項1または請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項17】
nが2である、請求項1または請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項18】
Xがハロゲンである、請求項1または請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項19】
XがClである、請求項18に記載の二金属錯体。
【請求項20】
Qが、置換されていてもよいC5〜10脂肪族である、請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項21】
Qが、置換されていてもよいC6〜8脂肪族である、請求項20に記載の二金属錯体。
【請求項22】
Qが、置換されていてもよい1,2−シクロヘキシルである、請求項21に記載の二金属錯体。
【請求項23】
ビアリールの間を連結する結合が、Sキラリティーを有する場合に、Qが、(R,R)−1,2−シクロヘキシルである、請求項22に記載の二金属錯体。
【請求項24】
ビアリールの間を連結する結合が、Rキラリティーを有する場合に、Qが、(S,S)−1,2−シクロヘキシルである、請求項22に記載の二金属錯体。
【請求項25】
R1およびR2が、それらの間にある原子と一緒になって、6員〜10員のアリール基;4員〜14員の炭素環;あるいは窒素環、酸素環または硫黄環から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール基を形成する、請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項26】
R1およびR2が、それらの間にある原子と一緒になって、6員〜10員のアリール環を形成する、請求項25に記載の二金属錯体。
【請求項27】
R1およびR2が、それらの間にある原子と一緒になって、6員のアリール環を形成する、請求項26に記載の二金属錯体。
【請求項28】
R1およびR2が、それらの間にある原子と一緒になって、
【化110】
を形成する、請求項27に記載の二金属錯体。
【請求項29】
R1およびR2が、それらの間にある原子と一緒になって、
【化111】
を形成する、請求項25に記載の二金属錯体。
【請求項30】
R3、R4、R5、R6およびR8が、それぞれ水素である、請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項31】
R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9が、それぞれ水素である、請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項32】
R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9の中の1つまたは複数が、有機カチオンで置換されている、請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項33】
前記有機カチオンが、第4級アンモニウム基である、請求項32に記載の二金属錯体。
【請求項34】
各有機カチオンが、求核基であるXで錯化されている、請求項32に記載の二金属錯体。
【請求項35】
Xが、2,4−ジニトロフェノレートアニオンである、請求項34に記載の二金属錯体。
【請求項36】
R7およびR9が、C1〜12脂肪族;および窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12へテロ脂肪族からなる群から選択される、独立に、置換されていてもよい基である、請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項37】
R7およびR9が、独立に、置換されていてもよいC1〜6脂肪族基である、請求項36に記載の二金属錯体。
【請求項38】
R7およびR9が、t−ブチルである、請求項37に記載の二金属錯体。
【請求項39】
ラセミ型である、請求項1または請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項40】
非ラセミ型である、請求項1または請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項41】
軸対称をもつ、請求項1または請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項42】
触媒である、請求項1または請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項43】
式II−a
【化112】
を有する、請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項44】
式II−b
【化113】
を有する、請求項43に記載の二金属錯体。
【請求項45】
【化114】
【化115】
【化116】
【化117】
から選択される、請求項43に記載の二金属錯体。
【請求項46】
式II−c
【化118】
を有する、請求項13に記載の二金属錯体。
【請求項47】
式
【化119】
のポリマー
[式中、
Raは、C1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12へテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であり、
RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素であるか、あるいはC1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12へテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であり、
ここで、(RaおよびRc)、(RbおよびRc)および(RaおよびRb)のいずれも、それらの間にある原子と一緒になって、置換されていてもよいC3〜C14炭素環、置換されていてもよいC3〜C14複素環、置換されていてもよいC6〜C10アリール、および置換されていてもよいC5〜C10ヘテロアリールからなる群から選択される1つまたは複数の環を形成することができ、
ここで、ポリマーのエナンチオマー過剰率は、90%を超える]。
【請求項48】
異なる2種の反復単位(ここで、該異なる2種の反復単位中のRa、RbおよびRcは、すべて同一であるとは限らない)からなるコポリマーを含む、請求項47に記載のポリマー。
【請求項49】
異なる3種以上の反復単位(ここで、該異なる各反復単位中のRa、RbおよびRcは、他の異なる反復単位のいずれかのRa、RbおよびRcと同一であるとは限らない)からなるコポリマーを含む、請求項47に記載のポリマー。
【請求項50】
ランダムコポリマーである、請求項47から請求項49のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項51】
テーパー型コポリマーである、請求項47から請求項49のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項52】
ブロックコポリマーである、請求項47から請求項49のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項53】
請求項1に記載の二金属錯体を含む、請求項47に記載のポリマー。
【請求項54】
請求項1に記載の二金属錯体の残留物を含む、請求項47に記載のポリマー。
【請求項55】
有機カチオンとXとの塩をさらに含む、請求項54に記載のポリマー。
【請求項56】
Rcが水素である、請求項47に記載のポリマー。
【請求項57】
Rbが水素である、請求項47に記載のポリマー。
【請求項58】
RbおよびRcが、両方とも水素である、請求項47に記載のポリマー。
【請求項59】
Raが、置換されていてもよいC1〜12脂肪族である、請求項58に記載のポリマー。
【請求項60】
Raが、窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する置換されていてもよいC1〜12へテロ脂肪族である、請求項58に記載のポリマー。
【請求項61】
Raが、置換されていてもよい6員〜10員のアリールである、請求項58に記載のポリマー。
【請求項62】
Raが、窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する置換されていてもよい5員〜10員のへテロアリールである、請求項58に記載のポリマー。
【請求項63】
Raが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、アリル、フェニル、トリフルオロメチル、
【化120】
、またはこれらのいずれか2つ以上から選択される、請求項58に記載のポリマー。
【請求項64】
Raがトリフルオロメチルである、請求項63に記載のポリマー。
【請求項65】
Raが、
【化121】
である、請求項63に記載のポリマー。
【請求項66】
ポリマーを構成するポリマー鎖のエナンチオマー過剰率が、ポリマー鎖の一端から該ポリマー鎖の他端に向かって減少する、請求項47から請求項65のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項67】
ポリマーの一端から該ポリマーの次端に向かうエナンチオマー過剰率の減少が、漸減的である、請求項66に記載のポリマー。
【請求項68】
ポリマーのエナンチオマー過剰率が、95%を超える、請求項47から請求項65のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項69】
ポリマーのエナンチオマー過剰率が、97%を超える、請求項68に記載のポリマー。
【請求項70】
ポリマーのエナンチオマー過剰率が、98%を超える、請求項69に記載のポリマー。
【請求項71】
ポリマーのエナンチオマー過剰率が、99%を超える、請求項70に記載のポリマー。
【請求項72】
式
【化122】
のポリマー
[式中、
Raは、C1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12へテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であり、
RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素であるか;あるいはC1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12へテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であり、
ここで、(RaおよびRc)、(RbおよびRc)および(RaおよびRb)のいずれも、それらの間にある原子と一緒になって、置換されていてもよいC3〜C14炭素環、置換されていてもよいC3〜C14複素環、置換されていてもよいC6〜C10アリール、および置換されていてもよいC5〜C10ヘテロアリールからなる群から選択される1つまたは複数の環を形成することができ、
ここで、該ポリマーのアシソタクティシティーは、90%を超える]。
【請求項73】
ポリマーを構成するポリマー鎖のアイソタクチシティーが、該ポリマー鎖の他端近辺に比べ、該ポリマー鎖の一端近辺でより大きい、請求項47から請求項65のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項74】
ポリマーを構成するポリマー鎖のアイソタクチシティーが、該ポリマー鎖の一端から該ポリマー鎖の他端に向けて減少する、請求項47から請求項65のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項75】
80%を超えるm−二連子含有量で光学的に不活性である、請求項47から請求項65のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項76】
90%を超えるm−二連子含有量で光学的に不活性である、請求項47から請求項65のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項77】
95%を超えるm−二連子含有量で光学的に不活性である、請求項47から請求項65のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項78】
99%を超えるm−二連子含有量で光学的に不活性である、請求項47から請求項65のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項79】
a)式
【化123】
[式中、
Raは、C1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12へテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であり、
RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素であるか;あるいはC1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12へテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であり、
ここで、(RaおよびRc)、(RbおよびRc)および(RaおよびRb)のいずれも、それらの間にある原子と一緒になって、置換されていてもよいC3〜C14炭素環、置換されていてもよいC3〜C14複素環、置換されていてもよいC6〜C10アリール、および置換されていてもよいC5〜C10ヘテロアリールからなる群から選択される1つまたは複数の環を形成することができる]のプロキラルなエポキシドを準備すること、および
b)該エポキシドを適切な条件下において二金属触媒で処理して式
【化124】
のポリマーを形成することを含む、重合方法。
【請求項80】
前記二金属触媒が、請求項1から請求項46のいずれか一項に記載の二金属錯体である、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
ステップ(a)の後に、式
【化125】
を有する少なくとも1種のさらなるエポキシドを添加するステップをさらに含み、ここで、さらなるエポキシドのそれぞれが、ステップ(a)で準備されるエポキシドの構造と異なる構造を有し、その結果、ステップ(b)で形成されるポリマーが、2種以上のエポキシドのコポリマーである、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
前記二金属触媒が、式II
【化126】
[式中、
Mは、典型金属であり;
Qは、出現する毎に、C3〜C14炭素環、C6〜C10アリール基、C3〜C14複素環、およびC5〜C10ヘテロアリール基からなる群から選択される置換されていてもよい部分であるか、または置換されていてもよいC2〜20脂肪族基であり、ここで、1つまたは複数のメチレン単位は、独立に、−NRy−、−N(Ry)C(O)−、−C(O)N(Ry)−、−OC(O)N(Ry)−、−N(Ry)C(O)O−、−OC(O)O−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO2−、−C(=S)−、−C(=NRy)−、−C(=NORy)−、または−N=N−で代替されていてもよく;
Ryは、出現する毎に独立に、水素であるか、または置換されていてもよいC1〜6脂肪族基であり;
R1およびR2は、出現する毎に独立に、水素、ハロゲン、−NO2、−CN、−SRy、−S(O)Ry、−S(O)2Ry、−NRyC(O)Ry、−OC(O)Ry、−CO2Ry、−NCO、−N3、−ORy、−OC(O)N(Ry)2、−N(Ry)2、−NRyC(O)Ry、−NRyC(O)ORyであるか;あるいはC1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12ヘテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であるか、あるいは
R1およびR2は、それらの間にある原子と一緒になって、置換されていてもよい4員〜14員の炭素環、置換されていてもよい4員〜14員の複素環、置換されていてもよい6員〜10員のアリール基、あるいは窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する置換されていてもよい5員〜10員のヘテロアリール基を形成し、
R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は、出現する毎に独立に、水素、ハロゲン、−NO2、−CN、−SRy、−S(O)Ry、−S(O)2Ry、−NRyC(O)Ry、−OC(O)Ry、−CO2Ry、−NCO、−N3、−ORy、−OC(O)N(Ry)2、−N(Ry)2、−NRyC(O)Ry、−NRyC(O)ORyであるか;あるいはC1〜12脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有するC1〜12ヘテロ脂肪族;6員〜10員のアリール;窒素、酸素または硫黄から独立に選択される1個〜4個のへテロ原子を有する5員〜10員のヘテロアリール;ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される1個〜2個のへテロ原子を有する4員〜7員の複素環式からなる群から選択される置換されていてもよい基であり、ここで、隣接するR6基、R7基、R8基またはR9基は、一緒になって、0個〜4個のへテロ原子を含む置換されていてもよい飽和、部分不飽和、または芳香族の5員環〜12員環を形成することができる]
を有する、請求項79に記載の方法。
【請求項83】
nが0である、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
nが1である、請求項82に記載の方法。
【請求項85】
nが2である、請求項82に記載の方法。
【請求項86】
Xがハロゲンである、請求項82に記載の方法。
【請求項87】
XがClである、請求項82に記載の方法。
【請求項88】
適切な条件が、1種または複数の共触媒を含む、請求項79に記載の方法。
【請求項89】
前記共触媒が、アミン、ホスホニウム塩、アンモニウム塩、アルソニウム塩、およびこれらのいずれか2つ以上の組合せからなる群から選択される、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記共触媒がPPN−Xであり、ここで、Xは求核基である、請求項88に記載の方法。
【請求項91】
前記共触媒がPPNOAcである、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
ポリマーのエナンチオマー過剰率が、90%を超える、請求項79または請求項82に記載の方法。
【請求項93】
ポリマーのエナンチオマー過剰率が、95%を超える、請求項79または請求項82に記載の方法。
【請求項94】
ポリマーのエナンチオマー過剰率が、97%を超える、請求項79または請求項82に記載の方法。
【請求項95】
ポリマーのエナンチオマー過剰率が、98%を超える、請求項79または請求項82に記載の方法。
【請求項96】
ポリマーのエナンチオマー過剰率が、99%を超える、請求項79または請求項82に記載の方法。
【請求項97】
前記重合がエナンチオ選択的である、請求項79または請求項82に記載の方法。
【請求項98】
速度論的分割である、請求項79または請求項82に記載の方法。
【請求項99】
前記重合がリビング重合である、請求項79または請求項82に記載の方法。
【請求項100】
未反応エポキシドを回収するステップをさらに含み、ここで、回収されたエポキシドがエナンチオマーとして濃縮されている、請求項79から請求項99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記回収されたエポキシドのエナンチオマー過剰率が、50%を超える、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記回収されたエポキシドのエナンチオマー過剰率が、75%を超える、請求項100に記載の方法。
【請求項103】
前記回収されたエポキシドのエナンチオマー過剰率が、90%を超える、請求項100に記載の方法。
【請求項104】
前記回収されたエポキシドのエナンチオマー過剰率が、95%を超える、請求項100に記載の方法。
【請求項105】
前記回収されたエポキシドのエナンチオマー過剰率が、97%を超える、請求項100に記載の方法。
【請求項106】
前記回収されたエポキシドのエナンチオマー過剰率が、98%を超える、請求項100に記載の方法。
【請求項107】
前記回収されたエポキシドのエナンチオマー過剰率が、99%を超える、請求項100に記載の方法。
【請求項108】
請求項47から請求項78のいずれか一項に記載のポリマーを含む、食品包装に適した材料。
【請求項109】
請求項47から請求項78のいずれか一項に記載のポリマーを含む、耐油性材料。
【請求項110】
請求項47から請求項78のいずれか一項に記載のポリマーを含む、電子機器ケーシングに適した材料。
【請求項111】
請求項47から請求項78のいずれか一項に記載のポリマーを含む、消費財を包装するのに適した材料。
【請求項112】
前記材料がフィルムである、請求項108から請求項111のいずれか一項に記載の材料。
【請求項113】
請求項47から請求項78のいずれか一項に記載のポリマーを含む、キラルなクロマトグラフィー媒体に適した材料。
【請求項114】
請求項47から請求項78のいずれか一項に記載のポリマーを含む、ポリマー試薬に適した材料。
【請求項115】
請求項47から請求項78のいずれか一項に記載のポリマーを含む、ポリマー触媒に適した材料。
【請求項116】
押出し成形される、請求項108から請求項111のいずれか一項に記載の材料。
【請求項117】
熱成形される、請求項108から請求項111のいずれか一項に記載の材料。
【図1】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図3a)】
【図3b)】
【図4a)】
【図4b)】
【図5a)】
【図5b)】
【図6a)】
【図6b)】
【図7a)】
【図7b)】
【図8a)】
【図8b)】
【図9a)】
【図9b)】
【図10a)】
【図10b)】
【図11a)】
【図11b)】
【図12a)】
【図12b)】
【図13a)】
【図13b)】
【図14a)】
【図14b)】
【図15a)】
【図15b)】
【図16a)】
【図16b)】
【図17a)】
【図17b)】
【図18a)】
【図18b)】
【図19a)】
【図19b)】
【図20a)】
【図20b)】
【図21a)】
【図21b)】
【図22a)】
【図22b)】
【図23a)】
【図23b)】
【図24a)】
【図24b)】
【図25a)】
【図25b)】
【図26a)】
【図26b)】
【図27a)】
【図27b)】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図3a)】
【図3b)】
【図4a)】
【図4b)】
【図5a)】
【図5b)】
【図6a)】
【図6b)】
【図7a)】
【図7b)】
【図8a)】
【図8b)】
【図9a)】
【図9b)】
【図10a)】
【図10b)】
【図11a)】
【図11b)】
【図12a)】
【図12b)】
【図13a)】
【図13b)】
【図14a)】
【図14b)】
【図15a)】
【図15b)】
【図16a)】
【図16b)】
【図17a)】
【図17b)】
【図18a)】
【図18b)】
【図19a)】
【図19b)】
【図20a)】
【図20b)】
【図21a)】
【図21b)】
【図22a)】
【図22b)】
【図23a)】
【図23b)】
【図24a)】
【図24b)】
【図25a)】
【図25b)】
【図26a)】
【図26b)】
【図27a)】
【図27b)】
【公表番号】特表2010−536799(P2010−536799A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−521231(P2010−521231)
【出願日】平成20年8月18日(2008.8.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/073530
【国際公開番号】WO2009/026261
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(308007479)コーネル リサーチ ファウンデーション, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月18日(2008.8.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/073530
【国際公開番号】WO2009/026261
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(308007479)コーネル リサーチ ファウンデーション, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】
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