エレベータのデータ収集システム
【課題】現場にて電波状況を考慮してセンサを適切に設置でき、その設置後の初期化やデータ収集を無線により確実に行う。
【解決手段】本システムはエレベータ設備内の少なくとも1つの保守対象機器(乗りかご2等)に設置され、保守対象機器の故障診断に必要なデータを計測する無線センサ端末11と、エレベータ設備内の任意の箇所に設置され、無線センサ端末11によって計測されたデータを無線通信により収集するデータ収集装置12とからなる。データ収集装置12は保守員Aが所持する携帯無線端末15との間の無線通信により電波強度を測定する電波強度測定機能を備え、保守員Aが無線センサ端末11を設置する際に上記電波強度測定機能により測定された電波強度を無線センサ端末11の設置場所の電波強度として携帯無線端末15に送信する。
【解決手段】本システムはエレベータ設備内の少なくとも1つの保守対象機器(乗りかご2等)に設置され、保守対象機器の故障診断に必要なデータを計測する無線センサ端末11と、エレベータ設備内の任意の箇所に設置され、無線センサ端末11によって計測されたデータを無線通信により収集するデータ収集装置12とからなる。データ収集装置12は保守員Aが所持する携帯無線端末15との間の無線通信により電波強度を測定する電波強度測定機能を備え、保守員Aが無線センサ端末11を設置する際に上記電波強度測定機能により測定された電波強度を無線センサ端末11の設置場所の電波強度として携帯無線端末15に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータの故障診断に必要なセンサのデータを収集するエレベータのデータ収集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの点検、整備、修理に関する保守の効率化が求められている。現在、保守の効率化のため、エレベータ設備の各箇所に設置された各種センサのデータを収集し、遠隔地の監視センタに送って管理する遠隔監視システムがある。
【0003】
一方、点検、整備、修理を行う保守員は、PC等を利用した保守ツール(保守端末装置)を現場に持ち込んで作業を行っている。具体的には、保守ツールをエレベータの制御盤に有線接続し、保守に必要な動作指令を保守ツールから制御盤に対して送信している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−56676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
センサの設置箇所はエレベータの昇降路内などの容易にアクセスできない場所が多いため、センサの設置に時間がかかる。また、乗りかごやカウンタウェイトなどの移動体にセンサを設置する場合、ケーブルの敷設に困難を要する。
【0006】
そこで、センサのデータを無線で収集することが考えられている。その場合、センサのデータが途切れることなく受信できる位置に設置することが重要であり、センサとデータ収集装置との間の電波状況を把握できる手段が必要となる。さらに、センサの設置後はデータ収集装置と通信するための初期設定が必要である。これらの作業を現場から離れた監視センタで処理しようとすると、監視センタにいる監視員と現場にいる保守員との間で緊密に連絡を取り合う必要があり、多大な労力と時間を要する。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、現場にて電波状況を考慮してセンサを適切に設置でき、その設置後の初期化やデータ収集を無線により確実に行うことのできるエレベータのデータ収集システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態に係るエレベータのデータ収集システムは、エレベータ設備内の少なくとも1つの保守対象機器に設置され、上記保守対象機器の故障診断に必要なデータを計測する無線センサ端末と、上記エレベータ設備内の任意の箇所に設置され、上記無線センサ端末によって計測されたデータを無線通信により収集するデータ収集装置とからなるエレベータのデータ収集システムである。
【0009】
上記データ収集装置は、保守員が所持する携帯無線端末との間の無線通信により電波強度を測定する電波強度測定手段を備え、上記保守員が上記無線センサ端末を設置する際に、上記電波強度測定手段によって測定された電波強度を上記無線センサ端末の設置場所の電波強度として上記携帯無線端末に送信する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は一実施形態に係るエレベータのデータ収集システムの概略構成を示す図である。
【図2】図2は同実施形態における無線センサ端末の内部回路の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は同実施形態におけるデータ収集装置の内部回路の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は同実施形態におけるデータ収集装置に設けられた構成管理テーブルの構成を示す図である。
【図5】図5は同実施形態におけるデータ収集装置に設けられた電波強度管理テーブルの構成を示す図である。
【図6】図6は同実施形態におけるデータ収集装置によるセンサ設置時の処理動作を示すフローチャートである。
【図7】図7は同実施形態におけるデータ収集装置による無線センサ端末の初期化処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】図8は同実施形態におけるデータ収集装置による構成管理情報の更新処理の動作を示すフローチャートである。
【図9】図9は同実施形態におけるデータ収集装置に判定部と発報部を追加した構成を示す図である。
【図10】図10は同実施形態におけるエレベータの移動体に無線センサ端末を設置した場合のデータ収集装置による初期化処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】図11は同実施形態におけるエレベータの移動体に無線センサ端末を設置した場合のデータ収集装置によるデータ収集処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0012】
なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0013】
(システム構成)
図1は一実施形態に係るエレベータのデータ収集システムの概略構成を示す図である。
【0014】
エレベータの昇降路1内に乗りかご2が設けられている。乗りかご2は巻上機5に巻き架けられたロープ4の一端に連結されている。そのロープ4の他端には「吊り合い錘」と呼ばれるカウンタウェイト3が連結されている。巻上機5が駆動されると、乗りかご2とカウンタウェイト3がロープ4を介して昇降路1内を上下に昇降動作する。
【0015】
また、エレベータ制御装置6は、昇降路1内の側壁部等に設置されている。このエレベータ制御装置6は、「制御盤」とも呼ばれ、巻上機5の駆動制御などを含むエレベータ全体の制御を行う。なお、建物の最上部などに機械室を有するエレベータでは、機械室の中にエレベータ制御装置6が設置される。
【0016】
このような構成のエレベータ設備の中に本システムを構成する無線センサ端末11とデータ収集装置12が設置されている。
【0017】
無線センサ端末11は、無線機能を備えたセンサ端末であり、少なくとも1つ保守対象機器に設置され、その保守対象機器の故障診断に必要なデータを計測する。図1の例では、無線センサ端末11が乗りかご2の床面に設置されている。なお、保守対象機器としては、乗りかご2の他にカウンタウェイト3や巻上機5などがある。
【0018】
データ収集装置12は、無線センサ端末11によって計測されたデータを無線通信により収集し、通信網13を介して外部の監視センタ14に送る。監視センタ14は、遠隔地に存在し、各物件のエレベータの状態を通信網13を介して遠隔的に監視している。このデータ収集装置12は、エレベータ制御装置6の近傍に設置され、エレベータ制御装置6との有線で電気的に接続されていると共に、保守員Aが所持する携帯無線端末15との間で無線通信できる。
【0019】
携帯無線端末15は、保守点検作業を行うための保守ツールとして用いられ、無線電話網16を介して現場から離れた監視センタ14と通信できる。また、この携帯無線端末15は、現場にて所定の範囲内でデータ収集装置12との間で無線通信可能な機能を備えている。
【0020】
(無線センサ端末の構成)
図2は本システムの無線センサ端末11の内部回路の構成を示すブロック図である。
【0021】
無線センサ端末11は、センサ21と無線通信処理部22とを備える。センサ21は、例えば音データを測定するための「音センサ」、温度データを測定するための「温度センサ」、加速度データを測定するための「加速度センサ」、電流データを測定するための「電流センサ」、電圧データを測定するための「電圧センサ」などがあり、保守対象機器を故障診断する内容によって使い分けられる。
【0022】
無線通信処理部22は、データ収集装置12との間で所定の範囲内で無線通信を行う。この無線通信処理部22は、無線センサ端末11の無線機能(無線通信処理部22の機能)を識別するための無線通信識別情報22aと、センサ21の種類を識別するためのセンサ情報22bを備える。
【0023】
(データ収集装置の構成)
図3は本システムのデータ収集装置12の内部回路の構成を示すブロック図である。
【0024】
データ収集装置12は、無線通信部31、制御部32、電波強度測定部33、記憶部34を備える。
【0025】
無線通信部31は、無線センサ端末11及び保守員Aが所持する携帯無線端末15との間の無線通信を行う。制御部32は、携帯無線端末15から受信したコマンドや無線センサ端末11から受信した情報の処理などを行う。また、この制御部32には、無線センサ端末11に関する処理部として初期化部32aおよびデータ収集部32bを有する。
【0026】
初期化部32aは、無線センサ端末11の設置後に保守員Aが持つ無線センサ端末11からの要求に従って無線センサ端末11の初期化処理を行う。特に、無線センサ端末11が保守対象機器として移動体(乗りかご2またはカウンタウェイト3)に設置されている場合には、その移動体を最も高い電波強度が得られる場所に移動させて無線センサ端末11の初期化処理を行う。
【0027】
データ収集部32bは、初期化部32aによる無線センサ端末11の初期化後に無線センサ端末11のデータを無線通信により収集する。特に、無線センサ端末11が保守対象機器として移動体(乗りかご2またはカウンタウェイト3)に設置されている場合には、その移動体を最も高い電波強度が得られる場所に移動させて無線センサ端末11のデータ収集を行う。
【0028】
電波強度測定部33は、保守員Aが持つ携帯無線端末15との間の無線の電波強度を測定する。記憶部34は、無線センサ端末11から収集したデータなどを記憶する。この記憶部34には、構成管理テーブル34aおよび電波強度管理テーブル34bが設けられている。
【0029】
図4に構成管理テーブル34aの構成を示す。
構成管理テーブル34aは、無線センサ端末11とデータ収集装置12との間の無線通信を確立するためのテーブルであり、「昇降機識別情報」、「データ収集装置識別情報」、「無線通信識別情報」、「センサ識別情報」から構成される。
【0030】
「昇降機識別情報」は、建屋に設けられた昇降機(エレベータ)を識別するための情報である。「データ収集装置識別情報」は、データ収集装置12を識別するための情報でする。「無線通信識別情報」と「センサ識別情報」は、それぞれ無線センサ端末11から得られる無線通信識別情報22aとセンサ識別情報22bのことである。なお、「昇降機識別情報」および「データ収集装置識別情報」については、予め出荷時に構成管理テーブル34aに登録されている。これらの情報を対応付けた構成管理情報が無線センサ端末11の数だけ作成されて、構成管理テーブル34aに保存される。
【0031】
図5に電波強度管理テーブル34bの構成を示す。
電波強度管理テーブル34bは、無線センサ端末11が保守対象機器として移動体(乗りかご2またはカウンタウェイト3)に設置されている場合に、その移動体の位置と電波強度との関係を示したテーブルである。図中のL1,L2,L3は電波強度のレベルを表しており、L1<L2<L3であるとする。この例では、乗りかご2が10Fに位置しているときに電波強度が最も強いレベルになることが示されている。
【0032】
次に、本実施形態におけるエレベータのデータ収集システムの処理動作について説明する。
【0033】
(a)センサ設置
まず、保守員Aが無線センサ端末11を設置する場合の処理動作について説明する。
図6はデータ収集装置12によるセンサ設置時の処理動作を示すフローチャートである。
【0034】
無線センサ端末11の設置は、保守員Aが携帯無線端末15を持って設置場所の電波強度を調べながら行う。図1の例のように、乗りかご2内に無線センサ端末11を設置する場合であっても、その設置場所によって電波強度が異なることがある。これは、一般的にエレベータが建物内に設置されるため、無線電波が所々で遮蔽されて不安定な状態にあるからである。
【0035】
保守員Aは携帯無線端末15を持って無線センサ端末11の設置場所まで来ると、所定の操作によりデータ収集装置12に対して電波強度要求コマンドを無線通信により送信する。データ収集装置12は携帯無線端末15から電波強度要求コマンドを受信すると(ステップS21)、電波強度測定部33を通じて保守員Aが持つ携帯無線端末15との間の電波強度を測定する(ステップS22)。
【0036】
なお、電波強度の測定方法については、RSSI(Received Signal Strength Indication)などを用いるものとし、ここではその詳しい説明を省略する。
【0037】
電波強度測定部33によって保守員Aが持つ携帯無線端末15の電波強度が測定されると、データ収集装置12は、その測定結果を携帯無線端末15に送信する(ステップS23)。携帯無線端末15では、データ収集装置12から受信した電波強度を図示せぬ表示器に表示する。
【0038】
このように、保守員Aが携帯無線端末15から電波強度要求コマンドをデータ収集装置12に送ることで、現在位置における電波強度を知ることができる。この場合、保守員Aは無線センサ端末11の近傍で携帯無線端末15を操作しているので、このとき測定された電波強度は無線センサ端末11の設置場所における電波強度と見なすことができる。したがって、携帯無線端末15を無線センサ端末11の設置場所の周辺で動かしながら電波強度が最も強くなる場所を探して、そこに無線センサ端末11を設置すれば、安定した状態で無線通信を行うことができる。
【0039】
なお、図1の例では、保守員Aが乗りかご2の中にいて無線センサ端末11を設置する場合を示している。乗りかご2の中でも場所によって電波強度が違うので、保守員Aは携帯無線端末15を通じて電波強度が最も強くなる場所を探して無線センサ端末11を設置することができる。
【0040】
また、乗りかご2の他にカウンタウェイト3や巻上機5などに無線センサ端末11を設置する場合も同様であり、保守員Aがこれらの機器の近くで携帯無線端末15からデータ収集装置12にアクセスし、最も電波強度が強くなる場所に無線センサ端末11を設置すれば良い。
【0041】
なお、カウンタウェイト3には保守員Aが乗って一緒に移動することはできないので、カウンタウェイト3を例えば最下階に止めた状態で、カウンタウェイト3の中で最も電波強度が強くなる場所を探して無線センサ端末11を設置するものとする。
【0042】
(b)無線センサ端末の初期化
次に、無線センサ端末11を初期化する場合の処理動作について説明する。
図7はデータ収集装置12による無線センサ端末11の初期化処理の動作を示すフローチャートである。
【0043】
無線センサ端末11を保守対象機器に設置した後、データ収集装置12と無線通信可能な状態に初期化する必要がある。このときも保守員Aの携帯無線端末15を用いてデータ収集装置12にアクセスすることで簡単に行うことができる。
【0044】
まず、保守対象機器に設置した無線センサ端末11とデータ収集装置12とを無線通信可能な状態にするため、保守員Aは無線センサ端末11の近傍で携帯無線端末15からデータ収集装置12へ初期設定要求コマンドを送信する。
【0045】
データ収集装置12は、携帯無線端末15から初期設定要求コマンドを受信すると(ステップS21)、無線センサ端末11に対して接続要求コマンドを送信する(ステップS22)。
【0046】
この接続要求コマンドを受信した無線センサ端末11は、データ収集装置12に応答コマンドを送ると共に、図2に示した無線通信処理部22を通じて無線通信識別情報22aとセンサ識別情報22bを送信する。
【0047】
無線センサ端末11から応答コマンドを受信できない場合には(ステップS23のNO)、データ収集装置12は一定間隔ごとに無線センサ端末11へ接続要求コマンドを送信する(ステップS22)。
【0048】
無線センサ端末11から応答コマンドを受信し、続いて無線通信識別情報22aとセンサ識別情報22bを受信できた場合には(ステップS23のYES)、データ収集装置12は、これらの情報に基づいて図4に示すような構成管理情報を構成管理テーブル34aに作成し、保存する(ステップS24)。
【0049】
なお、昇降機識別情報およびデータ収集装置識別情報は予め出荷時に構成管理テーブル34aに登録されている。無線センサ端末11から得られた無線通信識別情報22aとセンサ識別情報22bをこの昇降機識別情報およびデータ収集装置識別情報に対応付けて1つの構成管理情報を作成することにより、無線センサ端末11とデータ収集装置12との間で無線通信可能な状態となる。
【0050】
以上の処理を完了したデータ収集装置12は、保守員Aが所持する携帯無線端末15に対して初期化完了コマンドを送信する(ステップS25)。
【0051】
このように、保守員Aが持つ携帯無線端末15からデータ収集装置12をアクセスすることで、無線センサ端末11の初期化処理を簡単に行うことができる。したがって、現場から離れた監視センタ14に連絡しながら初期化処理を行うような面倒な作業は不要であり、現場にて保守員Aが速やかに初期化の作業を済ませることができる。
【0052】
また、初期化後に保守員Aが携帯無線端末15からデータ収集装置12にアクセスすることにより、構成管理テーブル33aに保存された構成管理情報を取得することができる。この構成管理情報を携帯無線端末15から無線電話網16を介して監視センタ14へ送信すれば、監視センタ14側で現場に設置された無線センサ端末11の管理を効率的に行うことができる。
【0053】
(c)構成管理情報の更新
次に、構成管理情報の更新する場合の処理動作について説明する。
図8はデータ収集装置12による構成管理情報の更新処理の動作を示すフローチャートである。
【0054】
無線センサ端末11に内蔵されたセンサ21を別のセンサと交換した場合において、保守員Aは携帯無線端末15からデータ収集装置12に更新要求コマンドを送信する。なお、センサ交換後は新たなセンサ識別情報(以下、センサ識別情報22b’と表記する)が無線センサ端末11の無線通信処理部22にセットされるものとする。
【0055】
データ収集装置12は、携帯無線端末15から更新要求コマンドを受信すると(ステップS31)、無線センサ端末11に対して情報要求コマンドを送信する(ステップS32)。
【0056】
この情報要求コマンドを受信した無線センサ端末11は、データ収集装置12に応答コマンドを送ると共に、図2に示した無線通信処理部22を通じて無線通信識別情報22aと新たなセンサ識別情報22b’を送信する。
【0057】
無線センサ端末11から応答コマンドを受信できない場合には(ステップS33のNO)、データ収集装置12は一定間隔ごとに無線センサ端末11へ情報要求コマンドを送信する(ステップS32)。
【0058】
無線センサ端末11から応答コマンドを受信し、続いて無線通信識別情報22aと新たなセンサ識別情報22b’を受信できた場合には(ステップS33のYES)、データ収集装置12は、構成管理テーブル34aの中から当該無線通信識別情報22aが一致する構成管理情報を検索する(ステップS34)。そして、データ収集装置12は、その一致した構成管理情報のセンサ識別情報22bを新たなセンサ識別情報22b’に書き換えることにより、新たな構成管理テーブル34aとして更新して保存する(ステップS35)。
【0059】
以上の処理を完了したデータ収集装置12は、保守員Aが所持する携帯無線端末15へ更新完了コマンドを送信する(ステップS36)。
【0060】
更新された構成管理テーブル34aは、保守員Aの携帯無線端末15から無線電話網16を介して監視センタ14へ送信される。監視センタ14は、受信した新たな構成管理テーブル34aを基に無線センサ端末11の管理情報を更新する。
【0061】
このように、無線センサ端末11のセンサ21を交換した場合でも、保守員Aが持つ携帯無線端末15からデータ収集装置12にアクセスすることにより、構成管理テーブル34a内の構成管理情報を簡単に更新することができる。したがって、現場から離れた監視センタ14に連絡しながら更新処理を行うような面倒な作業は不要であり、現場にて保守員Aが速やかに更新の作業を済ませることができる。
【0062】
なお、無線センサ端末11の無線通信処理部22に、図9に示すように判定部22cと発報部22dを付加する構成としても良い。
【0063】
無線センサ端末11のセンサ21を新たにセンサに交換した後、電源を投入すると、判定部22cはセンサ識別情報22bと新規のセンサ識別情報22b’とを照合して、センサ21が新規のセンサに交換されたことを判定する。
【0064】
センサ交換を判定後、データ収集装置12から情報要求コマンドを一定時間受信しない場合、無線センサ端末11は発報部22dから警告コマンドをデータ収集装置12に送信する。この警告コマンドを受信したデータ収集装置12は、保守員Aが所持する携帯無線端末15に警告コマンドを送信する。これにより、センサ交換時における構成管理情報の更新し忘れを防止することができる。
【0065】
(d)移動体に無線センサ端末を設置した場合
次に、エレベータの移動体に無線センサ端末11を設置した場合の処理動作について説明する。
【0066】
エレベータの移動体とは、乗りかご2とカウンタウェイト3のことである。これらは昇降路1内を昇降動作するため、場所によって電波状況も変わってくる。したがって、無線センサ端末11を設置した後の初期化やデータ収集は、移動体の昇降動作に伴う電波状況の変化を考慮して行うことが好ましい。
【0067】
図10はエレベータの移動体に無線センサ端末11を設置した場合のデータ収集装置12による初期化処理の動作を示すフローチャートである。
【0068】
いま、図1の例のように保守員Aが乗りかご2内に無線センサ端末11を設置した場合を想定する。無線センサ端末11の設置後、保守員Aは無線センサ端末11の近傍で携帯無線端末15からデータ収集装置12へ初期設定要求コマンドを送信する。このとき、所定の操作により携帯無線端末15から保守対象機器が乗りかご2である旨をデータ収集装置12に送るものとする。
【0069】
保守対象機器が乗りかご2であった場合(ステップS41のYES)、データ収集装置12は、エレベータ制御装置6にかご移動コマンドを送信することにより、乗りかご2を各階に移動させる(ステップS42)。そして、乗りかご2の移動毎にデータ収集装置12は電波強度測定部33を通じて携帯無線端末15の電波強度を測定することにより(ステップS43)、その測定値をかご位置(階床)と対応付けて電波強度管理テーブル34bに記憶する(ステップS44)。
【0070】
図5に電波強度管理テーブル34bの一例を示す。図中のL1,L2,L3は測定結果として得られた電波強度のレベルであり、L1<L2<L3である。
【0071】
このようして、乗りかご2を各階に移動させたときの電波強度が得られると、データ収集装置12は、電波強度管理テーブル34bを参照することにより、最も電波強度の強い場所(階床)に乗りかご2を移動させ(ステップS45)、その場所にて無線センサ端末11に接続要求コマンドを送って初期化処理を実行する(ステップS46)。
【0072】
図5の例では、レベルL3を有する10階に乗りかご2を移動させて、そこで初期化処理を行うことになる。なお、このときの初期化処理は図7と同様であるため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0073】
このように、乗りかご2を各階に移動させて、最も電波強度の強くなる場所を探して初期化を行えば、何度も場所を変えて初期化の作業を繰り返すといった手間がなくなり、安定した通信状態の下で確実に初期化を行うことができる。
【0074】
なお、もう1つの移動体であるカウンタウェイト3に無線センサ端末11を設置した場合に同様であり、カウンタウェイト3を各階に移動させて、最も電波強度の強くなる場所で初期化を行えば良い。
【0075】
ただし、カウンタウェイト3には保守員Aが乗って一緒に移動することはできないので、カウンタウェイト3を各階で停止させながら、その都度、保守員Aがカウンタウェイト3に設置された無線センサ端末11の近くに行って携帯無線端末15からデータ収集装置12にアクセスして当該位置における電波強度を測定する必要がある。
【0076】
図11はエレベータの移動体に無線センサ端末11を設置した場合のデータ収集装置12によるデータ収集処理の動作を示すフローチャートである。
【0077】
無線センサ端末11の初期化が完了すると、データ収集装置12は、エレベータの運転中に無線センサ端末11のセンサ21にて測定されたデータを収集して、これを監視センタ14に定期的に送る。ここで、保守対象機器が乗りかご2である場合には、以下のような処理が行われる。
【0078】
すなわち、保守対象機器が乗りかご2であった場合(ステップS51のYES)、データ収集装置12は、図5に示した電波強度管理テーブル34bを参照して最も電波強度の強い場所(階床)を確認する(ステップS52)。そして、データ収集装置12は、エレベータ制御装置6にかご移動コマンドを送って、乗りかご2を最も電波強度の強い場所に移動させ(ステップS53)、その場所にて無線センサ端末11に無線接続してセンサ21のデータを収集する(ステップS54)。
【0079】
なお、乗りかご2の移動中にセンサ21で測定されたデータは無線センサ端末11内の図示せぬメモリに保存される。乗りかご2を最も電波強度の強い場所(図5の例では10階)に移動させたときに、上記メモリに保存されたデータを無線通信によりデータ収集装置12に送るようにする。
【0080】
データ収集装置12では、無線センサ端末11から収集したデータを通信網13を介して外部の監視センタ14に送る(ステップS55)。
【0081】
このように、センサ21で測定されたデータを収集する際に、乗りかご2を最も電波強度の強い場所に移動させておくことで、データ収集装置12と無線センサ端末11との間で無線通信を安定して行うことができ、通信途中でデータが欠落することなく、確実に収集することができる。
【0082】
なお、もう1つの移動体であるカウンタウェイト3に無線センサ端末11を設置した場合に同様であり、カウンタウェイト3を最も電波強度の強くなる場所に移動させて、そこでデータ収集を行えば良い。
【0083】
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、現場にて電波状況を考慮してセンサを適切に設置でき、その設置後の初期化やデータ収集を無線により確実に行うことのできるエレベータのデータ収集システムを提供することができる。
【0084】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
1…昇降路、2…乗りかご、3…カウンタウェイト、4…ロープ、5…巻上機、6…エレベータ制御装置、11…無線センサ端末、12…データ収集装置、13…通信網、14…監視センタ、15…携帯無線端末、16…無線電話網、21…センサ、22…無線通信処理部、22a…無線通信識別情報、22bおよび22b’…センサ識別情報、22c…判定部、22d…発報部、31…無線通信部、32…制御部、33…電波強度測定部、34…記憶部、34a…構成管理テーブル、34b…電波強度管理テーブル。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータの故障診断に必要なセンサのデータを収集するエレベータのデータ収集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの点検、整備、修理に関する保守の効率化が求められている。現在、保守の効率化のため、エレベータ設備の各箇所に設置された各種センサのデータを収集し、遠隔地の監視センタに送って管理する遠隔監視システムがある。
【0003】
一方、点検、整備、修理を行う保守員は、PC等を利用した保守ツール(保守端末装置)を現場に持ち込んで作業を行っている。具体的には、保守ツールをエレベータの制御盤に有線接続し、保守に必要な動作指令を保守ツールから制御盤に対して送信している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−56676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
センサの設置箇所はエレベータの昇降路内などの容易にアクセスできない場所が多いため、センサの設置に時間がかかる。また、乗りかごやカウンタウェイトなどの移動体にセンサを設置する場合、ケーブルの敷設に困難を要する。
【0006】
そこで、センサのデータを無線で収集することが考えられている。その場合、センサのデータが途切れることなく受信できる位置に設置することが重要であり、センサとデータ収集装置との間の電波状況を把握できる手段が必要となる。さらに、センサの設置後はデータ収集装置と通信するための初期設定が必要である。これらの作業を現場から離れた監視センタで処理しようとすると、監視センタにいる監視員と現場にいる保守員との間で緊密に連絡を取り合う必要があり、多大な労力と時間を要する。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、現場にて電波状況を考慮してセンサを適切に設置でき、その設置後の初期化やデータ収集を無線により確実に行うことのできるエレベータのデータ収集システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態に係るエレベータのデータ収集システムは、エレベータ設備内の少なくとも1つの保守対象機器に設置され、上記保守対象機器の故障診断に必要なデータを計測する無線センサ端末と、上記エレベータ設備内の任意の箇所に設置され、上記無線センサ端末によって計測されたデータを無線通信により収集するデータ収集装置とからなるエレベータのデータ収集システムである。
【0009】
上記データ収集装置は、保守員が所持する携帯無線端末との間の無線通信により電波強度を測定する電波強度測定手段を備え、上記保守員が上記無線センサ端末を設置する際に、上記電波強度測定手段によって測定された電波強度を上記無線センサ端末の設置場所の電波強度として上記携帯無線端末に送信する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は一実施形態に係るエレベータのデータ収集システムの概略構成を示す図である。
【図2】図2は同実施形態における無線センサ端末の内部回路の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は同実施形態におけるデータ収集装置の内部回路の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は同実施形態におけるデータ収集装置に設けられた構成管理テーブルの構成を示す図である。
【図5】図5は同実施形態におけるデータ収集装置に設けられた電波強度管理テーブルの構成を示す図である。
【図6】図6は同実施形態におけるデータ収集装置によるセンサ設置時の処理動作を示すフローチャートである。
【図7】図7は同実施形態におけるデータ収集装置による無線センサ端末の初期化処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】図8は同実施形態におけるデータ収集装置による構成管理情報の更新処理の動作を示すフローチャートである。
【図9】図9は同実施形態におけるデータ収集装置に判定部と発報部を追加した構成を示す図である。
【図10】図10は同実施形態におけるエレベータの移動体に無線センサ端末を設置した場合のデータ収集装置による初期化処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】図11は同実施形態におけるエレベータの移動体に無線センサ端末を設置した場合のデータ収集装置によるデータ収集処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0012】
なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0013】
(システム構成)
図1は一実施形態に係るエレベータのデータ収集システムの概略構成を示す図である。
【0014】
エレベータの昇降路1内に乗りかご2が設けられている。乗りかご2は巻上機5に巻き架けられたロープ4の一端に連結されている。そのロープ4の他端には「吊り合い錘」と呼ばれるカウンタウェイト3が連結されている。巻上機5が駆動されると、乗りかご2とカウンタウェイト3がロープ4を介して昇降路1内を上下に昇降動作する。
【0015】
また、エレベータ制御装置6は、昇降路1内の側壁部等に設置されている。このエレベータ制御装置6は、「制御盤」とも呼ばれ、巻上機5の駆動制御などを含むエレベータ全体の制御を行う。なお、建物の最上部などに機械室を有するエレベータでは、機械室の中にエレベータ制御装置6が設置される。
【0016】
このような構成のエレベータ設備の中に本システムを構成する無線センサ端末11とデータ収集装置12が設置されている。
【0017】
無線センサ端末11は、無線機能を備えたセンサ端末であり、少なくとも1つ保守対象機器に設置され、その保守対象機器の故障診断に必要なデータを計測する。図1の例では、無線センサ端末11が乗りかご2の床面に設置されている。なお、保守対象機器としては、乗りかご2の他にカウンタウェイト3や巻上機5などがある。
【0018】
データ収集装置12は、無線センサ端末11によって計測されたデータを無線通信により収集し、通信網13を介して外部の監視センタ14に送る。監視センタ14は、遠隔地に存在し、各物件のエレベータの状態を通信網13を介して遠隔的に監視している。このデータ収集装置12は、エレベータ制御装置6の近傍に設置され、エレベータ制御装置6との有線で電気的に接続されていると共に、保守員Aが所持する携帯無線端末15との間で無線通信できる。
【0019】
携帯無線端末15は、保守点検作業を行うための保守ツールとして用いられ、無線電話網16を介して現場から離れた監視センタ14と通信できる。また、この携帯無線端末15は、現場にて所定の範囲内でデータ収集装置12との間で無線通信可能な機能を備えている。
【0020】
(無線センサ端末の構成)
図2は本システムの無線センサ端末11の内部回路の構成を示すブロック図である。
【0021】
無線センサ端末11は、センサ21と無線通信処理部22とを備える。センサ21は、例えば音データを測定するための「音センサ」、温度データを測定するための「温度センサ」、加速度データを測定するための「加速度センサ」、電流データを測定するための「電流センサ」、電圧データを測定するための「電圧センサ」などがあり、保守対象機器を故障診断する内容によって使い分けられる。
【0022】
無線通信処理部22は、データ収集装置12との間で所定の範囲内で無線通信を行う。この無線通信処理部22は、無線センサ端末11の無線機能(無線通信処理部22の機能)を識別するための無線通信識別情報22aと、センサ21の種類を識別するためのセンサ情報22bを備える。
【0023】
(データ収集装置の構成)
図3は本システムのデータ収集装置12の内部回路の構成を示すブロック図である。
【0024】
データ収集装置12は、無線通信部31、制御部32、電波強度測定部33、記憶部34を備える。
【0025】
無線通信部31は、無線センサ端末11及び保守員Aが所持する携帯無線端末15との間の無線通信を行う。制御部32は、携帯無線端末15から受信したコマンドや無線センサ端末11から受信した情報の処理などを行う。また、この制御部32には、無線センサ端末11に関する処理部として初期化部32aおよびデータ収集部32bを有する。
【0026】
初期化部32aは、無線センサ端末11の設置後に保守員Aが持つ無線センサ端末11からの要求に従って無線センサ端末11の初期化処理を行う。特に、無線センサ端末11が保守対象機器として移動体(乗りかご2またはカウンタウェイト3)に設置されている場合には、その移動体を最も高い電波強度が得られる場所に移動させて無線センサ端末11の初期化処理を行う。
【0027】
データ収集部32bは、初期化部32aによる無線センサ端末11の初期化後に無線センサ端末11のデータを無線通信により収集する。特に、無線センサ端末11が保守対象機器として移動体(乗りかご2またはカウンタウェイト3)に設置されている場合には、その移動体を最も高い電波強度が得られる場所に移動させて無線センサ端末11のデータ収集を行う。
【0028】
電波強度測定部33は、保守員Aが持つ携帯無線端末15との間の無線の電波強度を測定する。記憶部34は、無線センサ端末11から収集したデータなどを記憶する。この記憶部34には、構成管理テーブル34aおよび電波強度管理テーブル34bが設けられている。
【0029】
図4に構成管理テーブル34aの構成を示す。
構成管理テーブル34aは、無線センサ端末11とデータ収集装置12との間の無線通信を確立するためのテーブルであり、「昇降機識別情報」、「データ収集装置識別情報」、「無線通信識別情報」、「センサ識別情報」から構成される。
【0030】
「昇降機識別情報」は、建屋に設けられた昇降機(エレベータ)を識別するための情報である。「データ収集装置識別情報」は、データ収集装置12を識別するための情報でする。「無線通信識別情報」と「センサ識別情報」は、それぞれ無線センサ端末11から得られる無線通信識別情報22aとセンサ識別情報22bのことである。なお、「昇降機識別情報」および「データ収集装置識別情報」については、予め出荷時に構成管理テーブル34aに登録されている。これらの情報を対応付けた構成管理情報が無線センサ端末11の数だけ作成されて、構成管理テーブル34aに保存される。
【0031】
図5に電波強度管理テーブル34bの構成を示す。
電波強度管理テーブル34bは、無線センサ端末11が保守対象機器として移動体(乗りかご2またはカウンタウェイト3)に設置されている場合に、その移動体の位置と電波強度との関係を示したテーブルである。図中のL1,L2,L3は電波強度のレベルを表しており、L1<L2<L3であるとする。この例では、乗りかご2が10Fに位置しているときに電波強度が最も強いレベルになることが示されている。
【0032】
次に、本実施形態におけるエレベータのデータ収集システムの処理動作について説明する。
【0033】
(a)センサ設置
まず、保守員Aが無線センサ端末11を設置する場合の処理動作について説明する。
図6はデータ収集装置12によるセンサ設置時の処理動作を示すフローチャートである。
【0034】
無線センサ端末11の設置は、保守員Aが携帯無線端末15を持って設置場所の電波強度を調べながら行う。図1の例のように、乗りかご2内に無線センサ端末11を設置する場合であっても、その設置場所によって電波強度が異なることがある。これは、一般的にエレベータが建物内に設置されるため、無線電波が所々で遮蔽されて不安定な状態にあるからである。
【0035】
保守員Aは携帯無線端末15を持って無線センサ端末11の設置場所まで来ると、所定の操作によりデータ収集装置12に対して電波強度要求コマンドを無線通信により送信する。データ収集装置12は携帯無線端末15から電波強度要求コマンドを受信すると(ステップS21)、電波強度測定部33を通じて保守員Aが持つ携帯無線端末15との間の電波強度を測定する(ステップS22)。
【0036】
なお、電波強度の測定方法については、RSSI(Received Signal Strength Indication)などを用いるものとし、ここではその詳しい説明を省略する。
【0037】
電波強度測定部33によって保守員Aが持つ携帯無線端末15の電波強度が測定されると、データ収集装置12は、その測定結果を携帯無線端末15に送信する(ステップS23)。携帯無線端末15では、データ収集装置12から受信した電波強度を図示せぬ表示器に表示する。
【0038】
このように、保守員Aが携帯無線端末15から電波強度要求コマンドをデータ収集装置12に送ることで、現在位置における電波強度を知ることができる。この場合、保守員Aは無線センサ端末11の近傍で携帯無線端末15を操作しているので、このとき測定された電波強度は無線センサ端末11の設置場所における電波強度と見なすことができる。したがって、携帯無線端末15を無線センサ端末11の設置場所の周辺で動かしながら電波強度が最も強くなる場所を探して、そこに無線センサ端末11を設置すれば、安定した状態で無線通信を行うことができる。
【0039】
なお、図1の例では、保守員Aが乗りかご2の中にいて無線センサ端末11を設置する場合を示している。乗りかご2の中でも場所によって電波強度が違うので、保守員Aは携帯無線端末15を通じて電波強度が最も強くなる場所を探して無線センサ端末11を設置することができる。
【0040】
また、乗りかご2の他にカウンタウェイト3や巻上機5などに無線センサ端末11を設置する場合も同様であり、保守員Aがこれらの機器の近くで携帯無線端末15からデータ収集装置12にアクセスし、最も電波強度が強くなる場所に無線センサ端末11を設置すれば良い。
【0041】
なお、カウンタウェイト3には保守員Aが乗って一緒に移動することはできないので、カウンタウェイト3を例えば最下階に止めた状態で、カウンタウェイト3の中で最も電波強度が強くなる場所を探して無線センサ端末11を設置するものとする。
【0042】
(b)無線センサ端末の初期化
次に、無線センサ端末11を初期化する場合の処理動作について説明する。
図7はデータ収集装置12による無線センサ端末11の初期化処理の動作を示すフローチャートである。
【0043】
無線センサ端末11を保守対象機器に設置した後、データ収集装置12と無線通信可能な状態に初期化する必要がある。このときも保守員Aの携帯無線端末15を用いてデータ収集装置12にアクセスすることで簡単に行うことができる。
【0044】
まず、保守対象機器に設置した無線センサ端末11とデータ収集装置12とを無線通信可能な状態にするため、保守員Aは無線センサ端末11の近傍で携帯無線端末15からデータ収集装置12へ初期設定要求コマンドを送信する。
【0045】
データ収集装置12は、携帯無線端末15から初期設定要求コマンドを受信すると(ステップS21)、無線センサ端末11に対して接続要求コマンドを送信する(ステップS22)。
【0046】
この接続要求コマンドを受信した無線センサ端末11は、データ収集装置12に応答コマンドを送ると共に、図2に示した無線通信処理部22を通じて無線通信識別情報22aとセンサ識別情報22bを送信する。
【0047】
無線センサ端末11から応答コマンドを受信できない場合には(ステップS23のNO)、データ収集装置12は一定間隔ごとに無線センサ端末11へ接続要求コマンドを送信する(ステップS22)。
【0048】
無線センサ端末11から応答コマンドを受信し、続いて無線通信識別情報22aとセンサ識別情報22bを受信できた場合には(ステップS23のYES)、データ収集装置12は、これらの情報に基づいて図4に示すような構成管理情報を構成管理テーブル34aに作成し、保存する(ステップS24)。
【0049】
なお、昇降機識別情報およびデータ収集装置識別情報は予め出荷時に構成管理テーブル34aに登録されている。無線センサ端末11から得られた無線通信識別情報22aとセンサ識別情報22bをこの昇降機識別情報およびデータ収集装置識別情報に対応付けて1つの構成管理情報を作成することにより、無線センサ端末11とデータ収集装置12との間で無線通信可能な状態となる。
【0050】
以上の処理を完了したデータ収集装置12は、保守員Aが所持する携帯無線端末15に対して初期化完了コマンドを送信する(ステップS25)。
【0051】
このように、保守員Aが持つ携帯無線端末15からデータ収集装置12をアクセスすることで、無線センサ端末11の初期化処理を簡単に行うことができる。したがって、現場から離れた監視センタ14に連絡しながら初期化処理を行うような面倒な作業は不要であり、現場にて保守員Aが速やかに初期化の作業を済ませることができる。
【0052】
また、初期化後に保守員Aが携帯無線端末15からデータ収集装置12にアクセスすることにより、構成管理テーブル33aに保存された構成管理情報を取得することができる。この構成管理情報を携帯無線端末15から無線電話網16を介して監視センタ14へ送信すれば、監視センタ14側で現場に設置された無線センサ端末11の管理を効率的に行うことができる。
【0053】
(c)構成管理情報の更新
次に、構成管理情報の更新する場合の処理動作について説明する。
図8はデータ収集装置12による構成管理情報の更新処理の動作を示すフローチャートである。
【0054】
無線センサ端末11に内蔵されたセンサ21を別のセンサと交換した場合において、保守員Aは携帯無線端末15からデータ収集装置12に更新要求コマンドを送信する。なお、センサ交換後は新たなセンサ識別情報(以下、センサ識別情報22b’と表記する)が無線センサ端末11の無線通信処理部22にセットされるものとする。
【0055】
データ収集装置12は、携帯無線端末15から更新要求コマンドを受信すると(ステップS31)、無線センサ端末11に対して情報要求コマンドを送信する(ステップS32)。
【0056】
この情報要求コマンドを受信した無線センサ端末11は、データ収集装置12に応答コマンドを送ると共に、図2に示した無線通信処理部22を通じて無線通信識別情報22aと新たなセンサ識別情報22b’を送信する。
【0057】
無線センサ端末11から応答コマンドを受信できない場合には(ステップS33のNO)、データ収集装置12は一定間隔ごとに無線センサ端末11へ情報要求コマンドを送信する(ステップS32)。
【0058】
無線センサ端末11から応答コマンドを受信し、続いて無線通信識別情報22aと新たなセンサ識別情報22b’を受信できた場合には(ステップS33のYES)、データ収集装置12は、構成管理テーブル34aの中から当該無線通信識別情報22aが一致する構成管理情報を検索する(ステップS34)。そして、データ収集装置12は、その一致した構成管理情報のセンサ識別情報22bを新たなセンサ識別情報22b’に書き換えることにより、新たな構成管理テーブル34aとして更新して保存する(ステップS35)。
【0059】
以上の処理を完了したデータ収集装置12は、保守員Aが所持する携帯無線端末15へ更新完了コマンドを送信する(ステップS36)。
【0060】
更新された構成管理テーブル34aは、保守員Aの携帯無線端末15から無線電話網16を介して監視センタ14へ送信される。監視センタ14は、受信した新たな構成管理テーブル34aを基に無線センサ端末11の管理情報を更新する。
【0061】
このように、無線センサ端末11のセンサ21を交換した場合でも、保守員Aが持つ携帯無線端末15からデータ収集装置12にアクセスすることにより、構成管理テーブル34a内の構成管理情報を簡単に更新することができる。したがって、現場から離れた監視センタ14に連絡しながら更新処理を行うような面倒な作業は不要であり、現場にて保守員Aが速やかに更新の作業を済ませることができる。
【0062】
なお、無線センサ端末11の無線通信処理部22に、図9に示すように判定部22cと発報部22dを付加する構成としても良い。
【0063】
無線センサ端末11のセンサ21を新たにセンサに交換した後、電源を投入すると、判定部22cはセンサ識別情報22bと新規のセンサ識別情報22b’とを照合して、センサ21が新規のセンサに交換されたことを判定する。
【0064】
センサ交換を判定後、データ収集装置12から情報要求コマンドを一定時間受信しない場合、無線センサ端末11は発報部22dから警告コマンドをデータ収集装置12に送信する。この警告コマンドを受信したデータ収集装置12は、保守員Aが所持する携帯無線端末15に警告コマンドを送信する。これにより、センサ交換時における構成管理情報の更新し忘れを防止することができる。
【0065】
(d)移動体に無線センサ端末を設置した場合
次に、エレベータの移動体に無線センサ端末11を設置した場合の処理動作について説明する。
【0066】
エレベータの移動体とは、乗りかご2とカウンタウェイト3のことである。これらは昇降路1内を昇降動作するため、場所によって電波状況も変わってくる。したがって、無線センサ端末11を設置した後の初期化やデータ収集は、移動体の昇降動作に伴う電波状況の変化を考慮して行うことが好ましい。
【0067】
図10はエレベータの移動体に無線センサ端末11を設置した場合のデータ収集装置12による初期化処理の動作を示すフローチャートである。
【0068】
いま、図1の例のように保守員Aが乗りかご2内に無線センサ端末11を設置した場合を想定する。無線センサ端末11の設置後、保守員Aは無線センサ端末11の近傍で携帯無線端末15からデータ収集装置12へ初期設定要求コマンドを送信する。このとき、所定の操作により携帯無線端末15から保守対象機器が乗りかご2である旨をデータ収集装置12に送るものとする。
【0069】
保守対象機器が乗りかご2であった場合(ステップS41のYES)、データ収集装置12は、エレベータ制御装置6にかご移動コマンドを送信することにより、乗りかご2を各階に移動させる(ステップS42)。そして、乗りかご2の移動毎にデータ収集装置12は電波強度測定部33を通じて携帯無線端末15の電波強度を測定することにより(ステップS43)、その測定値をかご位置(階床)と対応付けて電波強度管理テーブル34bに記憶する(ステップS44)。
【0070】
図5に電波強度管理テーブル34bの一例を示す。図中のL1,L2,L3は測定結果として得られた電波強度のレベルであり、L1<L2<L3である。
【0071】
このようして、乗りかご2を各階に移動させたときの電波強度が得られると、データ収集装置12は、電波強度管理テーブル34bを参照することにより、最も電波強度の強い場所(階床)に乗りかご2を移動させ(ステップS45)、その場所にて無線センサ端末11に接続要求コマンドを送って初期化処理を実行する(ステップS46)。
【0072】
図5の例では、レベルL3を有する10階に乗りかご2を移動させて、そこで初期化処理を行うことになる。なお、このときの初期化処理は図7と同様であるため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0073】
このように、乗りかご2を各階に移動させて、最も電波強度の強くなる場所を探して初期化を行えば、何度も場所を変えて初期化の作業を繰り返すといった手間がなくなり、安定した通信状態の下で確実に初期化を行うことができる。
【0074】
なお、もう1つの移動体であるカウンタウェイト3に無線センサ端末11を設置した場合に同様であり、カウンタウェイト3を各階に移動させて、最も電波強度の強くなる場所で初期化を行えば良い。
【0075】
ただし、カウンタウェイト3には保守員Aが乗って一緒に移動することはできないので、カウンタウェイト3を各階で停止させながら、その都度、保守員Aがカウンタウェイト3に設置された無線センサ端末11の近くに行って携帯無線端末15からデータ収集装置12にアクセスして当該位置における電波強度を測定する必要がある。
【0076】
図11はエレベータの移動体に無線センサ端末11を設置した場合のデータ収集装置12によるデータ収集処理の動作を示すフローチャートである。
【0077】
無線センサ端末11の初期化が完了すると、データ収集装置12は、エレベータの運転中に無線センサ端末11のセンサ21にて測定されたデータを収集して、これを監視センタ14に定期的に送る。ここで、保守対象機器が乗りかご2である場合には、以下のような処理が行われる。
【0078】
すなわち、保守対象機器が乗りかご2であった場合(ステップS51のYES)、データ収集装置12は、図5に示した電波強度管理テーブル34bを参照して最も電波強度の強い場所(階床)を確認する(ステップS52)。そして、データ収集装置12は、エレベータ制御装置6にかご移動コマンドを送って、乗りかご2を最も電波強度の強い場所に移動させ(ステップS53)、その場所にて無線センサ端末11に無線接続してセンサ21のデータを収集する(ステップS54)。
【0079】
なお、乗りかご2の移動中にセンサ21で測定されたデータは無線センサ端末11内の図示せぬメモリに保存される。乗りかご2を最も電波強度の強い場所(図5の例では10階)に移動させたときに、上記メモリに保存されたデータを無線通信によりデータ収集装置12に送るようにする。
【0080】
データ収集装置12では、無線センサ端末11から収集したデータを通信網13を介して外部の監視センタ14に送る(ステップS55)。
【0081】
このように、センサ21で測定されたデータを収集する際に、乗りかご2を最も電波強度の強い場所に移動させておくことで、データ収集装置12と無線センサ端末11との間で無線通信を安定して行うことができ、通信途中でデータが欠落することなく、確実に収集することができる。
【0082】
なお、もう1つの移動体であるカウンタウェイト3に無線センサ端末11を設置した場合に同様であり、カウンタウェイト3を最も電波強度の強くなる場所に移動させて、そこでデータ収集を行えば良い。
【0083】
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、現場にて電波状況を考慮してセンサを適切に設置でき、その設置後の初期化やデータ収集を無線により確実に行うことのできるエレベータのデータ収集システムを提供することができる。
【0084】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
1…昇降路、2…乗りかご、3…カウンタウェイト、4…ロープ、5…巻上機、6…エレベータ制御装置、11…無線センサ端末、12…データ収集装置、13…通信網、14…監視センタ、15…携帯無線端末、16…無線電話網、21…センサ、22…無線通信処理部、22a…無線通信識別情報、22bおよび22b’…センサ識別情報、22c…判定部、22d…発報部、31…無線通信部、32…制御部、33…電波強度測定部、34…記憶部、34a…構成管理テーブル、34b…電波強度管理テーブル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータ設備内の少なくとも1つの保守対象機器に設置され、上記保守対象機器の故障診断に必要なデータを計測する無線センサ端末と、
上記エレベータ設備内の任意の箇所に設置され、上記無線センサ端末によって計測されたデータを無線通信により収集するデータ収集装置とからなるエレベータのデータ収集システムであって、
上記データ収集装置は、
保守員が所持する携帯無線端末との間の無線通信により電波強度を測定する電波強度測定手段を備え、
上記保守員が上記無線センサ端末を設置する際に、上記電波強度測定手段によって測定された電波強度を上記無線センサ端末の設置場所の電波強度として上記携帯無線端末に送信することを特徴とするエレベータのデータ収集システム。
【請求項2】
上記データ収集装置は、
上記無線センサ端末の設置後に上記携帯無線端末からの要求に従って上記無線センサ端末の初期化処理を行う初期化手段と、
この初期化手段による上記無線センサ端末の初期化後に上記無線センサ端末のデータを無線通信により収集するデータ収集手段と
を備えたことを特徴とする請求項1記載のエレベータのデータ収集システム。
【請求項3】
上記初期化手段は、
上記保守対象機器が移動体である場合に、上記移動体を最も高い電波強度が得られる場所に移動させて上記無線センサ端末の初期化処理を行うことを特徴とする請求項2記載のエレベータのデータ収集システム。
【請求項4】
上記データ収集手段は、
上記保守対象機器が移動体である場合に、上記移動体を最も高い電波強度が得られる場所に移動させて上記無線センサ端末のデータ収集を行うことを特徴とする請求項2記載のエレベータのデータ収集システム。
【請求項5】
上記移動体は、昇降路内を昇降動作する乗りかごであることを特徴とする請求項3または4記載のエレベータのデータ収集システム。
【請求項6】
上記移動体は、昇降路内を昇降動作するカウンタウェイトであることを特徴とする請求項3または4記載のエレベータのデータ収集システム。
【請求項1】
エレベータ設備内の少なくとも1つの保守対象機器に設置され、上記保守対象機器の故障診断に必要なデータを計測する無線センサ端末と、
上記エレベータ設備内の任意の箇所に設置され、上記無線センサ端末によって計測されたデータを無線通信により収集するデータ収集装置とからなるエレベータのデータ収集システムであって、
上記データ収集装置は、
保守員が所持する携帯無線端末との間の無線通信により電波強度を測定する電波強度測定手段を備え、
上記保守員が上記無線センサ端末を設置する際に、上記電波強度測定手段によって測定された電波強度を上記無線センサ端末の設置場所の電波強度として上記携帯無線端末に送信することを特徴とするエレベータのデータ収集システム。
【請求項2】
上記データ収集装置は、
上記無線センサ端末の設置後に上記携帯無線端末からの要求に従って上記無線センサ端末の初期化処理を行う初期化手段と、
この初期化手段による上記無線センサ端末の初期化後に上記無線センサ端末のデータを無線通信により収集するデータ収集手段と
を備えたことを特徴とする請求項1記載のエレベータのデータ収集システム。
【請求項3】
上記初期化手段は、
上記保守対象機器が移動体である場合に、上記移動体を最も高い電波強度が得られる場所に移動させて上記無線センサ端末の初期化処理を行うことを特徴とする請求項2記載のエレベータのデータ収集システム。
【請求項4】
上記データ収集手段は、
上記保守対象機器が移動体である場合に、上記移動体を最も高い電波強度が得られる場所に移動させて上記無線センサ端末のデータ収集を行うことを特徴とする請求項2記載のエレベータのデータ収集システム。
【請求項5】
上記移動体は、昇降路内を昇降動作する乗りかごであることを特徴とする請求項3または4記載のエレベータのデータ収集システム。
【請求項6】
上記移動体は、昇降路内を昇降動作するカウンタウェイトであることを特徴とする請求項3または4記載のエレベータのデータ収集システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−103817(P2013−103817A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249648(P2011−249648)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
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