説明

エレベーター制御装置

【課題】作業利用者が設定した乗りかごの専用運転中に作業支障が生じない範囲で他の利用者へのサービスを有効に実行でき、全ての利用者への運転効率を向上させられるエレベーター制御装置を提供する。
【解決手段】このエレベーターシステムの制御盤(エレベーター制御装置)3は、乗りかご2に設けられた通常運転モードと引越し運転モードとを切替えて操作設定するための運転モード切替えスイッチ2eに入力処理部3aの運転モード切替えスイッチ入力処理部3a−2が接続され、スイッチ2eの操作設定の有無に応じて運転モード制御部3bが制御処理部3cに制御指令を発出して引越し運転モードによる引越し専用運転と通常運転モードによる通常運転とを切替え制御し、引越し専用運転中にかご2へのかご呼び又はホール1でのホール呼びがあり、一定時間内に引越し専用運転の継続操作を行わなければ専用運転を一時解除して引越し解除運転とする制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗りかごの運転モードを制御可能なエレベーター制御装置に係り、詳しくは引越し作業時等に作業利用者が設定した乗りかごの専用運転中に作業支障が生じない範囲で他の利用者へのサービスを実行できるように運転モードを切替える機能を有するエレベーター制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のエレベーター制御装置では、主に引越し作業時等に作業利用者が専用操作設定した乗りかごの専用運転中における運転効率の向上を目的とした周知技術が提案されている。例えば、係る周知技術として、エレベータを利用して引越しを行なう場合、引越し中も一般住人が自由に利用できるとともに、引越し作業に支障のない「エレベータのかご呼び登録装置」(特許文献1参照)、引越し運転とした時、エレベーターの扉をかご室に対する荷物の出し入れに要する所定時間、開放状態に保持し、その所定時間経過後は自動的に正常運転に復帰させる「エレベーター扉開放装置」(特許文献2参照)が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−298463号公報
【特許文献2】特開平8−81165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に係る技術は、最初に操作された2個のかご呼び釦によって登録されるかご呼びだけの登録を解除無効とし、引越し中も一般利用者が自由に利用できるとともに、作業利用者が乗場呼び釦をその都度操作しなくとも、エレベーターを利用することができるものであるが、こうした場合には他の利用者が多ければ、特定階のかご呼び登録の解除無効としただけでは、作業利用者が利用したい時に他の利用者へサービスしてしまい、使用できなくなって作業効率が低下してしまう虞がある。その他、大きな荷物の運搬作業時には他の利用者が同乗していると作業を行うことができない可能性もあり、こうした場合にも作業に支障が出る虞があるばかりでなく、常に2箇所の呼び登録を行うために常時往復運転となり、引越し作業中に一般利用者からみれば、引越し作業していない時間でも特定の二箇所の呼びにサービスを行うことになり、運転効率の低下を招いてしまう。このように、特許文献1に係る技術の場合には、引越し時の作業利用者への利便性に課題があり、総括的には全ての利用者への運転効率が優れないという問題がある。
【0005】
また、特許文献2に係る技術は、戸開放が所定時間経過すると、自動的に運転モードを通常運転に復帰するものであるが、こうした場合には、引越し作業前に所定時間を設定する必要があるものの、一般に引越し作業に要する時間は一定ではなく、事前に判るものでないため、設定する所定時間が短か過ぎると作業に支障が出てしまい、反対に所定時間を最大値に長く設定すると作業していないときでも他の利用者へのサービスができなくなって通常の専用運転と変わらなくなってしまう。このように、特許文献2に係る技術の場合には、通常運転に復帰するまでの時限設定となる予め設定する所定時間の選定に課題が残り、実用上で取り扱い難いという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたもので、その技術的課題は、作業利用者が設定した乗りかごの専用運転中に作業支障が生じない範囲で他の利用者へのサービスを有効に実行することで全ての利用者への運転効率を向上させることができるエレベーター制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的課題を達成するため、本発明の第1の手段は、建物に設備された昇降路の多床階間を昇降又は停止を含んで運転制御される乗りかごの運転モードとして、通常運転モードと作業利用者が設定する専用運転モードとを有するエレベーター制御装置において、通常運転モードと専用運転モードとを切替えて操作設定するために乗りかごに設けられた運転モード切替えスイッチに接続されると共に、当該運転モード切替えスイッチによる当該操作設定の有無に応じて当該専用運転モードによる専用運転と当該通常運転モードによる通常運転とを切替え制御することを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の手段は、第1の手段において、運転モード切替えスイッチでの操作設定を行ったオン状態で専用運転モードによる専用運転とすると共に、操作設定を行わないオフ状態で通常運転モードによる通常運転とする制御を行うことを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の手段は、第2の手段において、運転モード切替えスイッチをオフからオンにして通常運転モードから専用運転モードに切替えた場合、専用運転の出発操作、及び乗りかごへのかご呼び登録により呼びにサービスし、当該サービス完了後に戸開待機する制御を行うことを特徴とする。
【0010】
本発明の第4の手段は、第3の手段において、専用運転中に乗りかごへのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、一定時間内に当該専用運転の継続操作を行わない場合には、当該専用運転を一時解除して専用解除運転とする制御を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明の第5の手段は、第3の手段において、専用運転中に乗りかごへのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、一定時間内に当該専用運転の継続操作を行った場合、当該専用運転を継続する制御を行うことを特徴とする。
【0012】
本発明の第6の手段は、第3の手段において、専用運転中に乗りかごへのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、一定時間内に当該専用運転の継続操作を行った場合、当該専用運転の継続操作時から一定時間の間、当該階床乗場での新規ホール呼び登録を禁止する制御を行うことを特徴とする。
【0013】
本発明の第7の手段は、第3の手段において、専用運転中に乗りかごへのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、戸開待機中の階床ホールに設置された報知手段に対して呼びありの報知を行わせる制御を行うことを特徴とする。
【0014】
本発明の第8の手段は、第4の手段において、専用運転を一時解除して専用解除運転とした場合に、戸開待機中の階床ホールに設置された報知手段に対して呼びありの報知を停止させる制御を行うことを特徴とする。
【0015】
本発明の第9の手段は、第5の手段において、専用運転中に乗りかごへのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、一定時間内に当該専用運転の継続操作を行った場合、戸開待機中の階床ホールに設置された報知手段に対して呼びありの報知を停止させる制御を行うことを特徴とする。
【0016】
本発明の第10の手段は、第3の手段において、専用運転中に乗りかごへのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、一定時間内に当該専用運転の継続操作を行った場合、当該呼び操作のあったホールに設置された報知手段に対して当該専用運転中である旨の報知を行わせる制御を行うことを特徴とする。
【0017】
本発明の第11の手段は、第3の手段において、専用運転中に乗りかごへのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、一定時間内に当該専用運転の継続操作を行った場合、当該専用運転の継続操作時から一定時間内に再度当該呼び操作があったとき、当該呼び操作のあったホールに設置された報知手段に対して当該専用運転中である旨の報知を行わせる制御を行うことを特徴とする。
【0018】
本発明の第12の手段は、第3の手段において、専用運転中に乗りかごへのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、当該乗りかごの当該専用運転状態を判別するための判別手段が動作中であった場合、当該呼び操作のあったホールに設置された報知手断に対して当該専用運転中である旨の報知を行わせる制御を行うことを特徴とする。
【0019】
本発明の第13の手段は、第3の手段において、専用運転中に乗りかごへのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、当該乗りかごの当該専用運転状態を判別するための判別手断が動作中であった場合、当該専用運転の解除を禁止する制御を行うことを特徴とする。
【0020】
本発明の第14の手段は、第4の手段において、専用運転を一時解除して専用解除運転とした場合に、当該専用運転で停止した階床を記憶手段に記憶させる制御を行うことを特徴とする。
【0021】
本発明の第15の手段は、第4の手段において、専用運転を一時解除して専用解除運転とし、当該専用運転で停止した階床で呼び戻し操作を行った場合、乗りかごへの新規かご呼び又は階床乗場での新規ホール呼びについての呼び登録を禁止する制御を行うことを特徴とする。
【0022】
本発明の第16の手段は、第14の手段において、専用解除運転中に記憶手段に記憶させた当該階で呼び戻し操作を行った場合、記憶手段に記憶させた当該階へ乗りかごを移動させる制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明のエレベーター制御装置によれば、作業利用者が設定した乗りかごの専用運転中に一時的に引越し作業等で乗りかごを利用していないときに他の利用者が存在していると、乗りかご内に設けられた運転モード切替えスイッチの操作設定により運転モードを専用運転モードによる専用運転から通常運転モードによる通常運転へと切替えて他の利用者へのサービスへと自動で移行することができるため、作業利用者に対して作業支障が生じない範囲で他の利用者へのサービスを有効に実行することができ、結果として従来に無く全ての利用者への運転効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施例1に係るエレベーター制御装置としての制御盤を含むエレベーターシステムの要部構成を示した概略ブロック図である。
【図2】図1に示す制御盤に係る動作処理全体の概要を示したフローチャートである。
【図3】図2に示した動作処理に含まれる引越し運転モード切替え処理の細部を示した動作処理のフローチャートである。
【図4】図2に示した動作処理に含まれる引越し専用運転制御処理の細部を示した動作処理のフローチャートである。
【図5】図2に示した動作処理に含まれる引越し解除運転制御処理の細部を示した動作処理のフローチャートである。
【図6】図2に示した動作処理に含まれる呼戻し運転制御処理の細部を示した動作処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明のエレベーター制御装置について、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0026】
図1は、本発明の実施例1に係るエレベーター制御装置としての制御盤3を含むエレベーターシステムの要部構成を示した概略ブロック図である。図1に示すエレベーターシステムの要部構成は、建物に設備された略図する昇降路の多床階間を昇降又は停止を含んで運転制御される乗りかご2用に設置される機器と、乗りかご2の運転制御を行うエレベーター制御装置としての制御盤3と、各階床乗場のホール1用に設置される機器と、引越し先となる居室4用に設置される機器により構成される。
【0027】
このうち、ホール1用に設置される機器は、操作盤1a、ブザー・音声案内装置1b、乗場ドア(汎用的に外ドアとも呼ばれる)1c、及びメッセージの表示を行うインジケーター1dを備えている。乗りかご2用に設置される機器は、操作盤2a、ブザー・音声案内装置2b、かごドア(汎用的に内ドアとも呼ばれる)2c、インジケーター2d、運転モード切替えスイッチ2e、カードリーダー2f、カメラ2g、各階床乗場でのドアセンサ2h、マルチビームドアセンサ2i、及び荷重センサ2jを備えている。但し、ここでの乗りかご2自体は、待機中での戸開状態を示している。居室4用に設置される機器は、居室インターホン4aを備えている。
【0028】
尚、乗りかご2用に設置される機器のセンサ類は、基本的に乗りかご2の引越し専用運転状態を判別可能な機能を持てば良いもので、開示した種類の機器に限定されない。また、ホール1の操作盤1a及び乗りかご2の操作盤2aは、車椅子仕様や顧客仕様で複数存在する場合には、全ての操作に対応して信号入力が可能なように構成される。
【0029】
制御盤3は、基本構成として、入力処理部3a、運転モード制御部3b、制御処理部3c、及び出力処理部3dを備えている。このうち、入力処理部3aは、ホール1の操作盤1aに接続され、操作盤1aからの各種釦の押下操作に応じて送出される信号を処理する乗り場呼び入力処理部3a−1と、乗りかご2に設けられた運転モード切替えスイッチ2eに接続され、運転モード切替えスイッチ2eの操作設定の有無によるオン信号、オフ信号を処理する運転モード切替えスイッチ入力処理部3a−2と、乗りかご2に設けられた操作盤2aに接続され、操作盤2aからの各種釦の押下操作に応じて送出される信号を処理する操作盤入力処理部3a−3と、乗りかご2に設けられたカメラ2g、マルチビームドアセンサ2i、荷重センサ2jと各階床乗場に設けられたドアセンサ2hとに接続され、各種機器から得られた各種信号を処理するセンサ入力処理部3a−4と、乗りかご2に設けられたカードリーダー2fに接続され、カードリーダー2fからの読み込み信号を処理するカードリーダー入力処理部3a−5と、居室に設けられた居室インターホン4aに接続され、居室インターホン4aからの入力信号を処理するインターホン入力処理部3a−6と、を備えている。
【0030】
運転モード制御部3bは、入力処理部3aの各部からの各種信号に応じて引越し専用運転モードによる引越し専用運転、通常運転モードによる通常運転、及び引越し専用運転モード中における一時的な引越し解除運転を行わせるための制御指令信号を制御処理部3cへ発出する引越し運転モード制御部3b−1を有する。また、運転モード制御部3b自体は、その他の各部の制御処理を行わせるための制御指令信号についても制御処理部3cへ発出する。制御処理部3cは、引越し専用運転制御部3c−1、引越し解除運転制御部3c−2、呼戻し運転制御部3c−3、呼び登録制御部3c−4、ドアタイム制御部3c−5、及びブザー・音声案内制御部3c−6を備え、運転モード制御部3bからの各種制御指令信号に応じて各部が選択的に起動し、出力処理部3dへ各種指令信号を発出する。これにより、出力処理部3dは、出力回路3d−1を介してブザー・音声案内装置1b、2bとインジケーター1d、2dと居室インターホン4aとに係る報知手段を動作させ、ブザー・音声案内装置1b、2bでの音によるメッセージのアナウンス、インジケーター1d、2dでのメッセージの表示(難聴者向けのサービス)、居室インターホン4aでのメッセージのアナウンスを行わせる。
【0031】
このエレベーターシステムでは、乗りかご2に設けられた通常運転モードと引越し運転モードとを切替えて操作設定するための運転モード切替えスイッチ2eに制御盤3の入力処理部3aにおける運転モード切替えスイッチ入力処理部3a−2が接続されると共に、運転モード切替えスイッチ2eによる操作設定の有無に応じて運転モード制御部3bの引越し運転モード制御部3b−1が制御処理部3cに制御指令を発出して引越し運転モードによる引越し専用運転と通常運転モードによる通常運転とを切替え制御する。具体的には、制御処理部3cにおいて、運転モード切替えスイッチ2eによる操作設定を行ったオン状態では引越し専用運転制御部3c−1が引越し運転モードによる引越し専用運転を行い、操作設定を行わないオフ状態では通常運転モードによる通常運転を行う引越し運転モード切替え処理の制御を行う。また、制御処理部3cでは、運転モード切替えスイッチ2eをオフ状態からオン状態にして通常運転モードから専用運転モードに切替えた場合、引越し専用運転制御部3c−1の引越し専用運転制御処理により引越し専用運転の出発操作、及び乗りかご2へのかご呼び登録により呼びにサービスし、サービス完了後に戸開待機する制御を行う。更に、制御処理部3cでは、引越し専用運転中に乗りかご2へのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、一定時間内に引越し専用運転の継続操作を行わない場合には、引越し解除運転制御部3c−2の引越し解除運転制御処理により引越し専用運転を一時解除して引越し解除運転(専用解除運転)とする制御を行う。
【0032】
これにより、係るエレベーターシステムにおける制御盤3によれば、乗りかご2内に設けられた通常運転モードと引越し運転モード(専用運転モード)とを切替える運転モード切替えスイッチ2aを操作設定することにより、引越し専用運転や通常運転を切替え制御することができ、引越し専用運転中に乗りかご1へのかご呼び又は各階床乗場でのホール呼びについての呼び操作がされてから一定時間以内に引越し専用運転の継続操作が行われなかった場合に、一時的にかご呼びやホール呼びへサービスする引越し解除運転(専用解除運転)を行う機能が得られる。
【0033】
図2は、制御盤3に係る動作処理全体の概要を示したフローチャートである。制御盤3の動作処理では、まずプログラムの演算を開始するため、内部回路における入出力ユニットをリセットしてデータを初期化するイニシャル処理(ステップS21)を行った後、運転モード切替えスイッチ2eでの操作設定の有無に応じて、運転モード切替えスイッチ2eが操作設定されてオン状態で信号が入力された場合と操作設定されずにオフ状態で信号が入力されない場合との両方について、入力処理部3aの運転モード切替えスイッチ入力処理部3a−2からの処理信号を運転モード制御部3bにおける引越し運転モード制御部3b−1へ送出し、引越し運転モード制御部3b−1が両方の場合に応じた制御指令を制御処理部3cへ送出することにより、引越し運転モード切替え処理(ステップS22)を行う。
【0034】
そこで、運転モード制御部3bでは、入力処理部3aの運転モード切替えスイッチ入力処理部3a−2から運転モード切替えスイッチ2eが操作設定されたオンを示す処理信号を入力すると、引越し運転モード制御部3b−1から指令信号を発出して制御処理部3cにおける引越し専用運転制御部3c−1での引越し専用運転の制御を行わせる引越し専用運転制御処理(ステップS23)に移行した後、入力処理部3aの乗場呼び入力処理部3a−1又は操作盤入力処理部3a−3から呼びを示す処理信号を入力すると、引越し運転モード制御部3b−1から指令信号を発出して制御処理部3cにおける引越し解除運転制御部3c−2での引越し解除運転の制御を行わせる引越し解除運転制御処理(ステップS24)に移行する。
【0035】
引き続き、運転モード制御部3bでは、入力処理部3aの乗場呼び入力処理部3a−1又は操作盤入力処理部3a−3から専用運転で停止した階床(引越し階床)での呼戻しを示す処理信号を入力すると、引越し運転モード制御部3b−1から指令信号を発出して制御処理部3cにおける呼戻し運転制御部3c−3での呼戻し運転の制御を行わせる呼戻し運転制御処理(ステップS25)に移行した後、入力処理部3aの操作盤入力処理部3a−3とカードリーダー入力処理部3a−5とから呼び登録を示す処理信号を入力すると、引越し運転モード制御部3b−1から指令信号を発出して制御処理部3cにおける呼び登録制御部3c−4での呼び登録の制御を行わせる呼び登録制御処理(ステップS26)に移行する。
【0036】
更に、運転モード制御部3bでは、入力処理部3aのセンサ入力処理部3a−5からドアタイムに係る処理信号を入力すると、引越し運転モード制御部3b−1から指令信号を発出して制御処理部3cにおけるドアタイム制御部3c−5でのドアタイム制御を行わせるドアタイム制御処理(ステップS27)に移行した後、入力処理部3aのインターホン入力処理部3a−6からブザー・音声案内に係る処理信号を入力すると、引越し運転モード制御部3b−1から指令信号を発出して制御処理部3cにおけるブザー・音声案内制御部3c−6でのブザー・音声案内の制御を行わせるブザー・音声案内制御処理(ステップS28)に移行し、係る処理の終了後は引越し運転モード切替え処理(ステップS22)の前にリターンしてそれ以降の処理を繰り返す。
【0037】
図3は、上述した図2の動作処理に含まれる引越し運転モード切替え処理(ステップS22)の細部を示した動作処理のフローチャートである。引越し運転モード切替え処理(ステップS22)では、運転モード制御部3bの引越し運転モード制御部3b−1により運転モード切替えスイッチ2eが操作されているか否かの判定(ステップS221)を行い、この判定の結果、運転モード切替えスイッチ2eが操作設定されてオン状態を示していれば、制御処理部3cの引越し専用運転制御部3c−1による引越し運転モード(ステップS222)に移行してから動作処理を終了するが、運転モード切替えスイッチ2eが操作設定されずにオフ状態を示していれば、通常運転モード(ステップS223)に移行してから動作処理を終了する。
【0038】
図4は、上述した図2の動作処理に含まれる引越し専用運転制御処理(ステップS23)の細部を示した動作処理のフローチャートである。引越し専用運転制御処理(ステップS23)では、運転モード制御部3bの引越し運転モード制御部3b−1が入力処理部3aの運転モード切替えスイッチ入力部3a−2からの操作設定の有無を示す信号に基づいて、引越し運転モードであるか否かの判定(ステップS231)を行い、この判定の結果、引越し運転モードでなければ動作処理を終了するが、引越し運転モードであれば制御処理部3cの引越し専用運転制御部3c−1に対して指令信号を送出し、引越し専用運転制御部3c−1による引越し専用運転(ステップS232)とした後、呼び登録制御部3c−4に対して指令信号を送出して新規ホール呼び登録禁止(ステップS233)とする。
【0039】
引き続き、運転モード制御部3bの引越し運転モード制御部3b−1は、入力処理部3aの操作盤入力処理部3a−3及びカードリーダー入力処理部3a−5からの処理信号に基づいて、かご呼び登録+引越し運転出発操作をしたか否かの判定(ステップS234)を行う。尚、ここでの引越し運転出発操作は、引越し作業者が乗りかご2を利用する際に乗りかご2における操作盤2aの暗号操作及びカードリーダー2fを利用したカード認証で行うものとする。因みに、周知の通常の専用運転では、専用運転中の乗りかご2に乗り込み、操作盤2aのかご呼び釦+ドア閉釦の押下操作を行うと、戸閉完了後にかご呼び階床に向けてサービス運転するが、本実施例1では、引越し作業中に引越し作業者以外の他の利用者が引越し運転モードにある乗りかご2に乗り込んでかご呼び登録+閉釦操作をして利用されるのを防止するため、上述した引越し運転出発操作を行う(但し、引越し運転出発操作自体は、上述した操作盤2aの暗号操作及びカードリーダー2fのカード認証に限定されない)ようにする。
【0040】
上記判定の結果、かご呼び登録+引越し運転の出発操作をしていなければ動作処理を終了するが、かご呼び登録+引越し運転の出発操作をしていれば、運転モード制御部3bの引越し運転モード制御部3b−1は、出力処理部3dの出力回路3d−1を介して乗りかご2のかごドア2cを戸閉(ステップS235)した後、呼びの階床にサービス(ステップS236)運転する。更に、サービス運転を終了したサービス終了(ステップS237)後は戸開待機(ステップS238)するようにして動作処理を終了する。
【0041】
図5は、上述した図2の動作処理に含まれる引越し解除運転制御処理(ステップS24)の細部を示した動作処理のフローチャートである。引越し解除運転制御処理(ステップS24)では、運転モード制御部3bの引越し運転モード制御部3b−1が入力処理部3aの運転モード切替えスイッチ入力部3a−2からの操作設定の有無を示す信号に基づいて、引越し運転モードであるか否かの判定(ステップS2401)を行い、この判定の結果、引越し運転モードでなければ動作処理を終了するが、引越し運転モードであれば入力処理部3aの操作盤入力処理部3a−3又は乗場呼び入力処理部3a−1からの処理信号に基づいて、かご呼び又はホール呼び操作有りか否かの判定(ステップS2402)を行う。この判定の結果、かご呼び又はホール呼び操作が無ければ動作処理を終了するが、かご呼び又はホール呼び操作が有れば制御処理部3cの呼び登録制御部3c−4に対して指令信号を送出し、ホール呼び操作階を略図する記憶部に記憶(ステップS2403)した後、乗りかご2の引越し専用運転状態を判別する機能を成す荷重センサ2j、その他センサ検出中か否かの判定(ステップS2404)を行う。係る判定は、例えば乗りかご2内に引越しの荷物が乗ったままであった場合、荷重センサ2jの検出中は他の利用者から呼びがあった場合も引越し作業中とみなすためのものである。即ち、ここでのセンサは、荷重センサ2jに限らず、乗りかご2の専用運転状態を判別可能な機能を持てば良いもので、乗りかご2内やかごドア2c及び乗場ドア1c付近等で人や物を検出し、引越し作業中と判断できるカメラ2gによる画像判定等を含む他の検出手段であっても良く、そうした意味では引越し専用運転状態を判別するための判別手段が動作中であるか否かを判定する処理と換言することができる。
【0042】
上記判定の結果、センサ検出中であれば運転モード制御部3bの引越し運転モード制御部3c−1は、引越し作業中と判断して制御処理部3cのブザー・音声案内制御部3c−6に対して指令信号を送出し、これにより出力処理部3dの出力回路3d−1を介してかご呼び登録がある乗りかご2内のブザー・音声案内装置2b又はホール呼び登録階でホール1のブザー・音声案内装置1bに引越し運転中である旨の報知(ステップS2419)を行った後、制御処理部3cの呼び登録制御部3c−4に対して指令信号を送出し、記憶部のホール呼び操作階をクリア(ステップS2420)してから動作処理を終了するが、センサ検出中でなければ略図する引越し解除禁止タイマが起動中か否かの判定(ステップS2405)を行う。この引越し解除禁止タイマは、引越し作業者の引越し継続操作が行われた後、一定時間乗りかご2を引越し業者の作業専用とすべく、他の利用者の呼び登録を一定時間禁止するためのものである。因みに、本実施例1では、引越し運転モード中に他の利用者の呼び登録があったとき、引越し作業者が利用しないと判断されると他の利用者の呼びにサービスするものであり、逆に引越し作業者が利用すると判断されると他の利用者の呼びにサービスしない機能を提供するものである。ここで、引越し作業者が利用するか利用しないかの判断は、乗りかご2の運転状況、各種センサの検出結果の内容、引越し作業者による引越し継続の操作設定の有無で判断される。
【0043】
上記判定の結果、引越し解除禁止タイマが起動していれば、上述したステップS2404の処理の場合と同様に、運転モード制御部3bの引越し運転モード制御部3c−1は、引越し作業中と判断して制御処理部3cのブザー・音声案内制御部3c−6に対して指令信号を送出し、これにより出力処理部3dの出力回路3d−1を介してかご呼び登録がある乗りかご2内のブザー・音声案内装置2b又はホール呼び登録階でホール1のブザー・音声案内装置1bに引越し運転中である旨の報知(ステップS2419)を行った後、制御処理部3cの呼び登録制御部3c−4に対して指令信号を送出し、記憶部のホール呼び操作階をクリア(ステップS2420)してから動作処理を終了するが、引越し解除禁止タイマが起動していなければ制御処理部3cのブザー・音声案内制御部3c−6に対して指令信号を送出し、出力処理部3dの出力回路3d−1を介して引越し階にて呼び有りの報知(ステップS2406)を行う。ここでの引越し解除禁止タイマの時計機能により、引越し作業者が断続的に乗りかご2を利用しようとしている際、他の利用者の呼び登録が短時間に複数回登録された場合においても、引越し作業者がその都度、引越し継続の操作を行わなくて済むようになる。因みに、ステップS2406での報知方法は、ブザー・音声案内等に限らず、乗りかご2のインジケーター2d、ホール1のインジケーター1dによる報知、或いはインターホン連動エレベーター設備等であれば、引越し先の居室4の居室インターホン4aからの報知でも良いので、例示した形態に限定されない。
【0044】
引き続き、運転モード制御部3bの引越し運転モード制御部3b−1は、入力処理部3aの乗場呼び入力処理部3a−1又は操作盤入力処理部3a−3からの処理信号に基づいて、引越し継続操作があるか否かの判定(ステップS2407)を行う。引越し継続操作は、引越し作業者が引越し階のホール1の操作盤1aや乗りかご2内の操作盤2aの釦操作によって行われるものとするが、それ以外にもインターホン連動エレベーター設備等であれば、居室4で作業をしながら居室インターホン4aの操作や或いは特定のカードリーダーの操作等でも適用できるので、例示した形態に限定されない。
【0045】
上記判定の結果、引越し継続操作があれば運転モード制御部3bの引越し運転モード制御部3b−1は、引越し解除禁止タイマ起動(ステップS2421)を行い、更に制御処理部3cのブザー・音声案内制御部3c−6に対して指令信号を送出し、引越し階にて呼び有りの報知停止(ステップS2422)を行ってから呼びにサービス(ステップS2418)する処理に移行した後、動作処理を終了するが、引越し継続操作が無ければ略図する引越し解除待機タイマ起動(ステップS2408)を行い、更に引越し解除待機タイマが満了したか否かの判定(ステップS2409)を行う。この引越し解除待機タイマは、引越し階で呼び有りの報知をした後、引越し作業者が引越し継続操作を行わない状態が一定時間継続した場合に、引越し作業者が一時的に乗りかご2を利用しないと判断するためのものである。
【0046】
上記判定の結果、引越し解除待機タイマが満了していなければ動作処理を終了するが、引越し解除待機タイマ満了していれば運転モード制御部3bの引越し運転モード制御部3b−1は、制御処理部3cの呼び登録制御部3c−4に対して指令信号を発出し、記憶部に記憶したホール呼び操作階のホール呼びを登録(ステップS2410)した後、制御処理部3cのドアタイム制御部3c−5に対して指令信号を発出し、ドアタイムをカウント開始(ステップS2411)する。
【0047】
更に、運転モード制御部3bの引越し運転モード制御部3b−1は、ドアタイム満了したか否かの判定(ステップS2412)を行った結果、ドアタイム満了でなければ動作処理を終了するが、ドアタイム満了であれば制御処理部3cのブザー・音声案内制御部3c−6に対して指令信号を送出し、引越し階での呼び有りの報知停止(ステップS2413)を行った後、制御処理部3cの呼び登録制御部3c−4に対して指令信号を発出し、記憶部に現在停止中の引越し階床を記憶(ステップS2414)するようにする。この後、運転モード制御部3bの引越し運転モード制御部3b−1は、制御処理部3cの引越し解除運転制御部3c−2に対して指令信号を発出し、引越し専用運転一時解除(ステップS2415)することにより引越し解除運転(ステップS2416)とする。
【0048】
最後に、運転モード制御部3bの引越し運転モード制御部3b−1は、乗りかご2のかごドア2cを戸閉(ステップS2417)するようにしてから呼びにサービス(ステップS2418)した後、動作処理を終了する。
【0049】
図6は、上述した図2に示した動作処理に含まれる呼戻し運転制御処理(ステップS25)の細部を示した動作処理のフローチャートである。呼戻し運転制御処理(ステップS25)では、運転モード制御部3bの引越し運転モード制御部3b−1が入力処理部3aの運転モード切替えスイッチ入力処理部3a−2からの処理信号に基づいて、引越し運転モードであるか否かの判定(ステップS251)を行い、この判定の結果、引越し運転モードでなければ動作処理を終了するが、引越し運転モードであれば入力処理部3aの操作盤入力処理部3a−3からの処理信号に基づいて、呼戻し操作をしたか否かの判定(ステップS252)を行う。この判定の結果、呼戻し操作をしていなければ動作処理を終了するが、呼戻し操作をしていれば運転モード制御部3bの引越し運転モード制御部3b−1は、制御処理部3cの呼び登録制御部3c−4に対して指令信号を発出し、新規かご呼び又は新規ホール呼び登録禁止(ステップS253)を行った後、呼び登録制御部3c−4により呼戻し操作が行われる以前に登録されたかご呼びサービスを示す既登録かご呼びサービスが完了したか否かの判定(ステップS254)を行う。この判定の結果、既登録かご呼びサービスが完了していなければ動作処理を終了するが、既登録かご呼びサービスが完了していれば運転モード制御部3bの引越し運転モード制御部3b−1は、記憶部に記憶した引越し階へ乗りかご2を移動(ステップS255)することにより、引越し階到着(ステップS256)を行う処理に移行する。この後は、運転モード制御部3bの引越し運転モード制御部3b−1が引越し解除運転制御部3c−2に対して指令信号を発出し、引越し解除運転終了(ステップS257)としてから引越し専用運転制御部3c−1に対して指令信号を発出し、引越し専用運転(ステップS258)を再び行わせるようにしてから動作処理を終了する。
【0050】
以上、図5で説明した引越し解除運転制御処理、及び図6で説明した呼戻し運転制御処理についての技術的概要は、制御盤3の引越し専用運転制御部3−1による引越し専用運転中に乗りかご2へのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、一定時間内に引越し専用運転の継続操作を行った場合には、引越し専用運転を継続する制御を行うこと、或いは一定時間内に引越し専用運転の継続操作を行った場合、引越し専用運転の継続操作時から一定時間の間、階床乗場での新規ホール呼び登録を禁止する制御を行うこと、或いは引越し専用運転中に乗りかご2へのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、戸開待機中の階床ホールに設置された報知手段(主にブザー・音声案内装置1b)に対して呼びありの報知を行わせる制御を行うことを示している。
【0051】
また、制御盤3の引越し解除運転制御部3−2による引越し解除運転とした場合に、戸開待機中の階床ホールに設置された報知手段(主にブザー・音声案内装置1b)に対して呼びありの報知を停止させる制御を行うこと、或いは制御盤3の引越し専用運転制御部3−1による引越し専用運転中に乗りかご2へのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、一定時間内に引越し専用運転の継続操作を行った場合、戸開待機中の階床ホールに設置された報知手段(主にブザー・音声案内装置1b)に対して呼びありの報知を停止させる制御を行うことを示している。
【0052】
更に、制御盤3の引越し専用運転制御部3−1による引越し専用運転中に乗りかご2へのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、一定時間内に引越し専用運転の継続操作を行った場合、呼び操作のあったホールに設置された報知手段(主にブザー・音声案内装置1b)に対して引越し専用運転中である旨の報知を行わせる制御を行うこと、或いは一定時間内に引越し専用運転の継続操作を行った場合、引越し専用運転の継続操作時から一定時間内に再度呼び操作があったとき、呼び操作のあったホールに設置された報知手段(主にブザー・音声案内装置1b)に対して引越し専用運転中である旨の報知を行わせる制御を行うことを示している。
【0053】
加えて、制御盤3の引越し専用運転制御部3−1による引越し専用運転中に乗りかご2へのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、各種センサの検出中(乗りかご2の引越し専用運転状態を判別するための判別手段が動作中)であった場合、呼び操作のあったホールに設置された報知手段(主にブザー・音声案内装置1b)に対して引越し専用運転中である旨の報知を行わせる制御を行うこと、或いは各種センサの検出中(判別手段が動作中)であった場合、引越し専用運転の解除を禁止する制御を行うことを示している。
【0054】
その他、制御盤3の引越し解除運転制御部3−2による引越し解除運転とした場合に、引越し専用運転で停止した階床(引越し階)を記憶部に記憶させる制御を行うこと、或いは引越し解除運転とし、引越し専用運転で停止した階床(引越し階)で呼び戻し操作を行った場合、呼び登録制御部3c−4により乗りかご2への新規かご呼び又は階床乗場での新規ホール呼びについての呼び登録を禁止する制御を行うこと、或いは引越し解除運転中に呼び登録制御部3c−4により記憶部に記憶させた階(引越し階)で呼び戻し操作を行った場合、記憶部に記憶させた階(引越し階)へ乗りかご2を移動させる制御を行うことを示している。
【0055】
尚、上述した実施例1に係るエレベーターシステムでは、説明を簡単にするため、1台の乗りかご2を1台のエレベーター制御装置(制御盤3)で運転制御する場合を説明したが、制御盤3で運転制御対象となる乗りかご2を識別できれば、乗りかご2や制御盤3は複数台設備されても良く、乗りかご2が複数併設されたエレベーター設備にも適用できるので、本発明のエレベーター制御装置は、図1に示したエレベーターシステムの構成のものに限定されない。
【符号の説明】
【0056】
1 ホール
1a 操作盤
1b ブザー・音声案内装置
1c 乗場ドア
1d、2d インジケーター
2 乗りかご
2a 操作盤
2b ブザー・音声案内装置
2c かごドア
2e 運転モード切替えスイッチ
2f カードリーダー
2g カメラ
2h ドアセンサ
2i マルチビームドアセンサ
2j 荷重センサ
3 制御盤(エレベーター制御装置)
3a 入力処理部
3a−1 乗り場呼び入力処理部
3a−2 運転モード切替えスイッチ入力処理部
3a−3 操作盤入力処理部
3a−4 センサ入力処理部
3a−5 カードリーダー入力処理部
3a−6 インターホン入力処理部
3b 運転モード制御部
3b−1 引越し運転モード制御部
3c 制御処理部
3c−1 引越し専用運転制御部
3c−2 引越し解除運転制御部
3c−3 呼戻し運転制御部
3c−4 呼び登録制御部
3c−5 ドアタイム制御部
3c−6 ブザー・音声案内制御部
3d 出力処理部
3d−1 出力回路
4 居室
4a 居室インターホン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に設備された昇降路の多床階間を昇降又は停止を含んで運転制御される乗りかごの運転モードとして、通常運転モードと作業利用者が設定する専用運転モードとを有するエレベーター制御装置において、
前記通常運転モードと前記専用運転モードとを操作設定により切替えるために前記乗りかごに設けられた運転モード切替えスイッチに接続されると共に、当該運転モード切替えスイッチによる当該操作設定の有無に応じて当該専用運転モードによる専用運転と当該通常運転モードによる通常運転とを切替え制御することを特徴とするエレベーター制御装置。
【請求項2】
請求項1記載のエレベーター制御装置において、
前記運転モード切替えスイッチでの前記操作設定を行ったオン状態で前記専用運転モードによる前記専用運転とすると共に、当該操作設定を行わないオフ状態で前記通常運転モードによる前記通常運転とする制御を行うことを特徴とするエレベーター制御装置。
【請求項3】
請求項2記載のエレベーター制御装置において、
前記運転モード切替えスイッチをオフからオンにして前記通常運転モードから前記専用運転モードに切替えた場合、前記専用運転の出発操作、及び前記乗りかごへのかご呼び登録により呼びにサービスし、当該サービス完了後に戸開待機する制御を行うことを特徴とするエレベーター制御装置。
【請求項4】
請求項3記載のエレベーター制御装置おいて、
前記専用運転中に前記乗りかごへのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、一定時間内に当該専用運転の継続操作を行わない場合には、当該専用運転を一時解除して専用解除運転とする制御を行うことを特徴とするエレベーター制御装置。
【請求項5】
請求項3記載のエレベーター制御装置おいて、
前記専用運転中に前記乗りかごへのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、一定時間内に当該専用運転の継続操作を行った場合、当該専用運転を継続する制御を行うことを特徴とするエレベーター制御装置。
【請求項6】
請求項3記載のエレベーター制御装置おいて、
前記専用運転中に前記乗りかごへのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、一定時間内に当該専用運転の継続操作を行った場合、当該専用運転の継続操作時から一定時間の間、当該階床乗場での新規ホール呼び登録を禁止する制御を行うことを特徴とするエレベーター制御装置。
【請求項7】
請求項3記載のエレベーター制御装置おいて、
前記専用運転中に前記乗りかごへのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、前記戸開待機中の階床ホールに設置された報知手段に対して呼びありの報知を行わせる制御を行うことを特徴とするエレベーター制御装置。
【請求項8】
請求項4記載のエレベーター制御装置おいて、
前記専用運転を一時解除して前記専用解除運転とした場合に、前記戸開待機中の階床ホールに設置された報知手段に対して呼びありの報知を停止させる制御を行うことを特徴とするエレベーター制御装置。
【請求項9】
請求項5記載のエレベーター制御装置おいて、
前記専用運転中に前記乗りかごへのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、一定時間内に当該専用運転の継続操作を行った場合、前記戸開待機中の階床ホールに設置された報知手段に対して前記呼びありの報知を停止させる制御を行うことを特徴とするエレベーター制御装置。
【請求項10】
請求項3記載のエレベーター制御装置おいて、
前記専用運転中に前記乗りかごへのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、一定時間内に当該専用運転の継続操作を行った場合、当該呼び操作のあったホールに設置された報知手段に対して当該専用運転中である旨の報知を行わせる制御を行うことを特徴とするエレベーター制御装置。
【請求項11】
請求項3記載のエレベーター制御装置おいて、
前記専用運転中に前記乗りかごへのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、一定時間内に当該専用運転の継続操作を行った場合、当該専用運転の継続操作時から一定時間内に再度当該呼び操作があったとき、当該呼び操作のあったホールに設置された報知手段に対して当該専用運転中である旨の報知を行わせる制御を行うことを特徴とするエレベーター制御装置。
【請求項12】
請求項3記載のエレベーター制御装置おいて、
前記専用運転中に前記乗りかごへのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、当該乗りかごの当該専用運転状態を判別するための判別手段が動作中であった場合、当該呼び操作のあったホールに設置された報知手段に対して当該専用運転中である旨の報知を行わせる制御を行うことを特徴とするエレベーター制御装置。
【請求項13】
請求項3記載のエレベーター制御装置おいて、
前記専用運転中に前記乗りかごへのかご呼び又は階床乗場でのホール呼びについての呼び操作があったとき、当該乗りかごの当該専用運転状態を判別するための判別手段が動作中であった場合、当該専用運転の解除を禁止する制御を行うことを特徴とするエレベーター制御装置。
【請求項14】
請求項4記載のエレベーター制御装置おいて、
前記専用運転を一時解除して前記専用解除運転とした場合に、当該専用運転で停止した階床を記憶手段に記憶させる制御を行うことを特徴とするエレベーター制御装置。
【請求項15】
請求項4記載のエレベーター制御装置おいて、
前記専用運転を一時解除して前記専用解除運転とし、当該専用運転で停止した階床で呼び戻し操作を行った場合、前記乗りかごへの新規かご呼び又は階床乗場での新規ホール呼びについての呼び登録を禁止する制御を行うことを特徴とするエレベーター制御装置。
【請求項16】
請求項14記載のエレベーター制御装置おいて、
前記専用解除運転中に前記記憶手段に記憶させた当該階で呼び戻し操作を行った場合、当該記憶手段に記憶させた当該階へ前記乗りかごを移動させる制御を行うことを特徴とするエレベーター制御装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図1】
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【公開番号】特開2013−91544(P2013−91544A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234093(P2011−234093)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】