説明

エレベータ呼び登録装置

【課題】操作装置が誤って操作されてしまうことを防止することができるとともに、操作を容易化させることができるエレベータ呼び登録装置を得る。
【解決手段】かご1内に設けられ、操作されることによりかご1の呼び登録が行われる押ボタン5と、押ボタン5から検出範囲内に位置する利用者の指を検出する人体センサ6と、人体センサ6が利用者の指を検出することにより、検出範囲内に利用者の指が位置する押ボタン5に対応した内容のアナウンスを行う音声発生装置4とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、音声発生装置を備えたエレベータ呼び登録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、かご内に設けられ、操作されることによりかごの行先登録が行われるタッチパネルと、アナウンスが行われる音声発生装置とを備えたエレベータ呼び登録装置が知られている。タッチパネルには、各階に対応したボタンが設けられている。音声発生装置は、利用者がタッチパネルのボタンを操作することにより、操作されたボタンが選択された旨のアナウンスを行う。その後、操作されたボタンが所定の時間内に再び操作されると、操作されたボタンに対応する階へのかごの行先登録が行われる。これにより、利用者が視覚障害者である場合であっても、目的階とは異なる階に対応するボタンが誤って押されてしまうことが防止される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−7074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、利用者は、かごの行先登録が行われるためにボタンの操作を2度も行わなければならず、操作が面倒であるという問題点があった。
【0005】
この発明は、操作装置が誤って操作されてしまうことを防止することができるとともに、操作を容易化させることができるエレベータ呼び登録装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベータ呼び登録装置は、乗場またはかご内に設けられ、操作されることにより呼び登録が行われる操作装置と、前記操作装置から検出範囲内に位置する被検出体を検出する検出装置と、前記検出装置が前記被検出体を検出することにより、前記操作装置に対応した内容のアナウンスを行う音声発生装置とを備えている。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るエレベータ呼び登録装置によれば、検出装置が操作装置から検出範囲内に位置する被検出体を検出し、音声発生装置は検出装置が被検出体を検出することにより操作装置に対応した内容のアナウンスを行い、さらに、操作装置が操作されることにより呼び登録が行われるので、操作装置が誤って操作されてしまうことを防止することができるとともに、操作を容易化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1に係るエレベータ呼び登録装置を示すブロック図である。
【図2】図1のかご操作盤を示す正面図である。
【図3】図2の4階に対応する階ボタンを示す正面図である。
【図4】図1のエレベータ呼び登録装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベータ呼び登録装置を示すブロック図である。図において、エレベータ呼び登録装置は、昇降路を昇降するかご1の動作を制御する制御盤2と、かご1の内壁面に設けられ、操作されることによりかご1の呼び登録が行われるかご操作盤3と、かご1内に音声を発生させる音声発生装置4とを有している。制御盤2は、機械室(図示せず)に配置されている。
【0010】
かご操作盤3は、かご1内の利用者に操作される押ボタン(操作装置)5と、押ボタン5から検出範囲内に位置する利用者の指(被検出体)を検出する人体センサ(検出装置)6と、押ボタン5および人体センサ6から信号が送られるかご操作盤制御部7とを有している。
【0011】
押ボタン5は、かご1内の利用者に押ボタン5が操作されることにより、押ボタン5が操作されたことを示す信号をかご操作盤制御部7へ送る。人体センサ6は、人体センサ6が押ボタン5から検出範囲内に位置する利用者の指を検出することにより、押ボタン5から検出範囲内に利用者の指が位置することを示す信号をかご操作盤制御部7へ送る。
【0012】
かご操作盤制御部7は、押ボタン5が操作されたことを示す信号が押ボタン5から送られることにより、押ボタン5が操作されたことを示す信号を制御盤2へ送る。また、かご操作盤制御部7は、押ボタン5から検出範囲内に利用者の指が位置することを示す信号が送られることにより、押ボタン5から検出範囲内に利用者の指が位置することを示す信号を制御盤2へ送る。
【0013】
人体センサ6は、測距センサ(図示せず)を有している。人体センサ6は、測距センサにより測定された利用者の指までの距離を用いて、押ボタン5から検出範囲内に位置する利用者の指を検出する。具体的には、人体センサ6は、測距センサにより測定された押ボタン5から利用者の指までの距離が検出範囲として予め設定された距離よりも小さいときに、検出範囲内に利用者の指が位置するとする。一方、人体センサ6は、測距センサにより測定された押ボタン5から利用者の指までの距離が検出範囲として予め設定された距離よりも大きいときに、検出範囲内に利用者の指が存在しないとする。
【0014】
音声発生装置4は、かご1内に配置されアナウンスを行うスピーカ8と、スピーカ8を駆動させる音声制御部9とを有している。音声制御部9は、制御盤2から信号が送られるようになっている。
【0015】
制御盤2は、押ボタン5から検出範囲内に利用者の指が位置することを示す信号がかご操作盤制御部7から送られることにより、押ボタン5から検出範囲内に利用者の指が位置することを示す信号を音声制御部9へ送る。音声制御部9は、押ボタン5から検出範囲内に利用者の指が位置することを示す信号が制御盤2から送られることにより、利用者の指が検出範囲内に位置する押ボタン5に対応した内容のアナウンスをスピーカ8に行わせる。
【0016】
制御盤2は、押ボタン5が操作されたことを示す信号がかご操作盤制御部7から送られることにより、押ボタン5が操作されたことを示す信号を音声制御部9へ送る。音声制御部9は、押ボタン5が操作されたことを示す信号が制御盤2から送られることにより、操作された押ボタン5に対応する行先階についてのアナウンスをスピーカ8に行わせる。
【0017】
図2は図1のかご操作盤3を示す正面図である。図において、押ボタン5は、各階に対応する複数の階ボタン5aと、操作されることにより戸が移動して出入口が開く開ボタン5bと、操作されることにより戸が移動して出入口が閉じられる閉ボタン5cとを有している。
【0018】
図3は図2の4階に対応する階ボタン5aを示す正面図である。図において、人体センサ6は、4階に対応する階ボタン5a内に設けられている。人体センサ6は、その他の階に対応する階ボタン5a内にも設けられている。また、人体センサ6は、開ボタン5b内および閉ボタン5c内にも設けられている。
【0019】
次に、エレベータ呼び登録装置の動作について説明する。図4は図1のエレベータ呼び登録装置の動作を示すフローチャートである。図において、利用者の指が階ボタン5aに近づき、階ボタン5aから検出範囲内に利用者の指が位置すると(ステップS1)、人体センサ6は階ボタン5aから検出範囲内に位置する利用者の指を検出する(ステップS2)。
【0020】
これにより、音声発生装置4は、検出範囲内に利用者の指が位置する階ボタン5aに対応した内容のアナウンスを行う(ステップS3)。
【0021】
その後、制御盤2は、検出範囲内に利用者の指が位置する階ボタン5aが操作されたか否かを判定する(ステップS4)。
【0022】
ステップS4で、検出範囲内に利用者の指が位置する階ボタン5aが操作されたと制御盤2が判定すると、制御盤2により、行先階へのかご1の呼び登録が行われる(ステップS5)。
【0023】
一方、ステップS4で、検出範囲内に利用者の指が位置する階ボタン5aが操作されていないと制御盤2が判定すると、ステップS1へ進む。
【0024】
ステップS5で制御盤2により行先階へのかご1の呼び登録が行われると、音声発生装置4は、行先階のアナウンスを行う(ステップS6)。
【0025】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るエレベータ呼び登録装置によれば、人体センサ6が押ボタン5から検出範囲内に位置する利用者の指を検出し、音声発生装置4は人体センサ6が利用者の指を検出することにより押ボタン5に対応した内容のアナウンスを行うので、押ボタン5が誤って操作されてしまうことを防止することができる。また、押ボタン5が一度操作されることによりかご1の呼び登録が行われるので、操作を容易化させることができる。
【0026】
また、人体センサ6は、押ボタン5内に配置されているので、利用者の指が階ボタン5aに近づくときに、利用者の指が人体センサ6に近づく。これにより、階ボタン5aから検出範囲内に位置する利用者の指を確実に検出することができる。
【0027】
なお、上記実施の形態1では、操作装置がかご1内に設けられる構成について説明したが、操作装置が乗場に設けられる構成であってもよい。この場合、音声発生装置は、乗場に音声を発生させる。
【0028】
また、上記実施の形態1では、操作装置として押ボタン5を例に説明したが、これに限らず、例えば、タッチパネル等であってもよい。
【0029】
また、上記実施の形態1では、検出装置として測距センサを有した人体センサ6を例に説明したが、検出装置は、測距センサに限らず、例えば、赤外線センサを有した人体センサであってもよい。この場合、検出装置は、利用者の指から放射される赤外線を受けることにより、検出範囲内に位置する利用者の指を検出する。
【符号の説明】
【0030】
1 かご、2 制御盤、3 かご操作盤、4 音声発生装置、5 押ボタン(操作装置)、5a 階ボタン、5b 開ボタン、5c 閉ボタン、6 人体センサ(検出装置)、7 かご操作盤制御部、8 スピーカ、9 音声制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗場またはかご内に設けられ、操作されることにより呼び登録が行われる操作装置と、
前記操作装置から検出範囲内に位置する被検出体を検出する検出装置と、
前記検出装置が前記被検出体を検出することにより、前記操作装置に対応した内容のアナウンスを行う音声発生装置とを備えたことを特徴とするエレベータ呼び登録装置。
【請求項2】
前記検出装置は、前記操作装置内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ呼び登録装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−25517(P2012−25517A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−164521(P2010−164521)
【出願日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】