エンコーダセンサ及び画像形成装置
【課題】エンコーダスケールのスリットに汚れが発生した場合には正確な検出を行なうことができない。
【解決手段】エンコーダセンサ24は、エンコーダスケール23のパターンを読み取る光透過型のエンコーダセンサであって、スリット23Aの長手方向の上下に配置された2つの光源101A、101Bで構成される発光部101と、光源101A、101Bから射出された光を、エンコーダスケール23を介して受光する受光部102とを有し、2つの光源101A、101Bからの光はいずれも受光部102に向かって射出される。
【解決手段】エンコーダセンサ24は、エンコーダスケール23のパターンを読み取る光透過型のエンコーダセンサであって、スリット23Aの長手方向の上下に配置された2つの光源101A、101Bで構成される発光部101と、光源101A、101Bから射出された光を、エンコーダスケール23を介して受光する受光部102とを有し、2つの光源101A、101Bからの光はいずれも受光部102に向かって射出される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエンコーダセンサ及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
【0003】
なお、本願において、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体にインクを着弾させて画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体、樹脂などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用いる。また、「用紙」とは、材質を紙に限定するものではなく、上述したOHPシート、布なども含み、インク滴が付着されるものの意味であり、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含むものの総称として用いる。また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を3次元的に造形して形成された像も含まれる。
【0004】
また、本発明では液体吐出方式の画像形成装置で説明するが、画像形成手段としては液体吐出ヘッドに限るものではない。
【0005】
特にシリアル型画像形成装置において、液体吐出ヘッドを搭載したキャリッジの主走査方向に沿って配置したエンコーダスケールと、このエンコーダスケールのパターン(位置識別部)を読み取るエンコーダセンサとを含むリニアエンコーダ(位置検出装置)を備えて、キャリッジの位置及び速度を検出し、この検出結果に基づいてキャリッジの移動速度、液体吐出ヘッドの駆動などの制御を行うようにしている。また、画像形成装置においては、画像形成手段によって画像が形成される被記録媒体をローラ、ベルトなどの搬送手段によって搬送し、ローラなどに設けたホイール状のエンコーダスケール(エンコーダホイールともいう。)と、このエンコーダスケールのパターンを読み取るエンコーダセンサとを含むロータリエンコーダ(位置検出装置)を備えて、搬送手段の位置及び速度を検出し、この検出結果に基づいて搬送手段の駆動などの制御を行うようにしている。
【0006】
従来のリニアエンコーダとしては、磁気式や光学式などの様々なものがある。磁気式のリニアエンコーダではリニアスケール表面に少量の汚れ等が付着しても性能には影響しないとういう長所があるが、一方でリニアエンコーダの分解能の高精細化が困難であり、リニアスケールとエンコーダセンサのギャップが広げづらく、取り付け精度の問題や、磁気を帯びた工具の取り扱いの問題がある。これに対して、光学式のリニアエンコーダはエンコーダスケールとエンコーダセンサのギャップを比較的広げ易く、組立も容易で、高分解能化に向いている。
【0007】
しかしながら、画像形成装置の高速度化、高精度化に伴ってリニアエンコーダの高分解能化が進み、装置内に飛散するインクなどの液体、紙粉等の付着による出力低下、誤信号の影響が無視できない問題となっている。例えば、長期間の使用によりインクミスト、紙粉がエンコーダスケールやエンコーダセンサに付着して読み取りエラーを生じ、キャリッジ位置ズレによる記録画像の乱れ、エラー発生によるマシン停止といった問題が生じる。
【0008】
そこで、特許文献1に記載されているように、インクミストの色毎に吸収しやすい光の波長が異なることを利用して、エンコーダセンサに複数色のLEDを備え、それまでに吐出したインク滴の数を数えるドットカウント値からエンコーダスケールに付着しているインクミストの色を想定して、光が吸収されにくくなるようにLEDの発光色を切り替えるインクジェット記録装置が、既に知られている。
【0009】
また、特許文献2に記載されているように、エンコーダセンサの下側にエンコーダスケールの表面を清掃する清掃部材を取り付け、ギャップ位置変更手段によって清掃部材がエンコーダスケールの表面に接触する清掃位置と接触しない退避位置との間でキャリッジを昇降させる昇降手段を兼ねたギャップ位置変更手段を備え、清掃部材がエンコーダスケールの表面に接触する清掃位置にした状態でキャリッジを主走査方向に移動することで、清掃部材によってエンコーダスケールの表面に付着している汚れを払拭する画像形成装置が、既に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−55050号公報
【特許文献2】特開2008−179103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、エンコーダセンサに複数色のLEDを備え、エンコーダスケールに付着したインクミストの色によってLEDを切替える技術にあっては、使用するインクの特性によっては吸収する光の波長に差異がない場合もあり、このような場合には対応できないという課題がある。また、単一色のインクを大量に使用する場合にはある程度の性能低下を抑えられるが、全色を均一に使用する場合には、エンコーダセンサの性能低下を改善することができないという課題がある。さらに、インクミスト以外の汚れが付着した場合には対応できないという課題もある。
【0012】
また、清掃部材によってエンコーダスケールの表面に付着している汚れを払拭する技術にあっては、清掃部材によって汚れを残さず拭ききることが困難で、検出精度の低下を十分に改善することが困難であるという課題がある。
【0013】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、エンコーダスケールの汚れによるエンコーダセンサの検出精度の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するため、本発明に係るエンコーダセンサは、
エンコーダスケールのパターンを読み取る光透過型のエンコーダセンサであって、
光を射出する発光部と、前記発光部からの光を受光する受光部と、を有し、
前記発光部は、前記パターンの並び方向と直交する方向の複数の箇所から前記受光部側に向けて光を射出する
構成とした。
【0015】
ここで、前記発光部は、複数の光源を備えている構成とできる。
【0016】
また、前記発光部は、1又は複数の光源と、前記光源から射出された光を前記受光部に向けて偏向するレンズとを備えている構成とできる。
【0017】
また、前記発光部は、1又は複数の光源と、前記光源から射出された光を前記受光部に向けて反射するミラーとを備えている構成とできる。
【0018】
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係るエンコーダセンサを含むリニアエンコーダ及びロータリエンコーダの少なくともいずれかを備えているものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るエンコーダセンサによれば、発光部は、エンコーダスケールのパターンの並び方向と直交する方向の複数の箇所から受光部側に向けて光を射出する構成としたので、エンコーダスケールの汚れに伴う検出精度の低下を抑制できる。
【0020】
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係るエンコーダセンサを含むエンコーダを備えているので、エンコーダスケールの汚れに伴う動作不良を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明を適用する画像形成装置としてのインクジェット記録装置の概略構成を示す平面説明図である。
【図2】同じく正面説明図である。
【図3】同装置の制御部の概要を示すブロック説明図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るエンコーダセンサを含むエンコーダの説明に供する説明図である。
【図5】同実施形態の作用説明に供する説明図である。
【図6】比較例のエンコーダセンサを含むエンコーダの説明に供する説明図である。
【図7】同比較例のエンコーダセンサの作用説明に供する説明図である。
【図8】本発明の第2実施形態の第1例に係るエンコーダセンサを含むエンコーダの説明に供する説明図である。
【図9】本発明の第2実施形態の第2例に係るエンコーダセンサを含むエンコーダの説明に供する説明図である。
【図10】同第2例の説明に供する説明図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係るエンコーダセンサを含むエンコーダの説明に供する説明図である。
【図12】本発明の第4実施形態に係るエンコーダセンサを含むエンコーダの説明に供する説明図である。
【図13】複数光源間の距離の説明に供する説明図である。
【図14】同じく複数光源の配置範囲の説明に供する説明図である。
【図15】比較例の複数の発行部の配置の説明に供する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明を適用する画像形成装置としてのインクジェット記録装置の概要について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同インクジェット記録装置の概略構成を示す平面説明図、図2は同じく正面説明図である。
このインクジェット記録装置は、左右の側板101L,101R間に横架した主ガイドロッド1及び図示しない従ガイド部材でキャリッジ3を摺動自在に保持し、主走査モータ5によって、駆動プーリ6と従動プーリ7間に渡したタイミングベルト8を介して主走査方向に移動走査する。
【0023】
このキャリッジ3には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド4y、4m、4c、4k(区別しないときは「記録ヘッド4」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0024】
記録ヘッド4を構成する液体吐出ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
【0025】
一方、用紙10を搬送するために、用紙を静電吸着して記録ヘッド4に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト12を備えている。この搬送ベルト12は、無端状ベルトであり、搬送ローラ13とテンションローラ14との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成し、周回移動しながら帯電ローラ15によって帯電(電荷付与)される。
【0026】
また、搬送ベルト12は、副走査モータ16によってタイミングベルト17及びタイミングプーリ18を介して搬送ローラ13が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
【0027】
さらに、キャリッジ3の主走査方向の一方側には搬送ベルト12の側方に記録ヘッド4の維持回復を行う維持回復機構21が配置され、他方側には搬送ベルト12の側方に記録ヘッド4から空吐出を行う空吐出受け21がそれぞれ配置されている。
【0028】
なお、維持回復機構20は、例えば記録ヘッド4のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングする4個のキャップ部材31、ノズル面を払拭するワイパ部材32、画像形成に寄与しない液滴(空吐出滴)を受ける空吐出受け33などで構成されている。
【0029】
また、キャリッジ3の主走査方向に沿って両側板間に、主走査方向に並ぶ所定のパターン(位置識別部、目盛り、スリットなどともいう。)を形成したエンコーダスケール23を張装し、キャリッジ23にはエンコーダスケール23のスリットを読取る透過型フォトセンサからなる本発明に係るエンコーダセンサ24を設け、これらのエンコーダスケール23とエンコーダセンサ24によってキャリッジ23の移動を検知するリニアエンコーダ(主走査エンコーダ)を構成している。
【0030】
また、搬送ローラ13の軸には周方向に並ぶ所定のパターンを形成したエンコーダスケール(コードホール)25を取り付け、このエンコーダスケール25に形成したパターン(スリット)を検出する透過型フォトセンサからなる本発明に係るエンコーダセンサ26を設けて、これらのエンコーダスケール25とエンコーダセンサ26によって搬送ベルト12の移動量及び移動位置を検出するロータリエンコーダ(副走査エンコーダ)を構成している。
【0031】
このように構成したこの画像形成装置においては、図示しない給紙トレイから用紙10が帯電された搬送ベルト12上に給紙されて吸着され、搬送ベルト12の周回移動によって用紙が副走査方向に搬送される。そこで、キャリッジ3を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド4を駆動することにより、停止している用紙10にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙10の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙を図示しない排紙トレイに排紙する。
【0032】
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図3を参照して説明する。なお、同図は同制御部の全体ブロック説明図である。
この制御部200は、この装置全体の制御を司り、本発明における判別手段及びキャリッジの移動制御を行う手段を兼ねるCPU201と、CPU201が実行する本発明に係るプログラムを含む各種プログラム、その他の固定データを格納するROM202と、画像データ等を一時格納するRAM203と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ204と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC205とを備えている。
【0033】
また、この制御部200は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F206と、記録ヘッド4を駆動制御するためのデータ転送手段、駆動波形を生成する駆動波形生成手段を含む印刷制御部207と、キャリッジ3側に設けた記録ヘッド4を駆動するためのヘッドドライバ(ドライバIC)208と、主走査モータ4及び副走査モータ31を駆動するためのモータ駆動部210と、帯電ローラ34にACバイアスを供給するACバイアス供給部212と、エンコーダセンサ24、26からの各検出信号、ドット形成位置のズレを来たす要因としての環境温度を検出する温度センサなどの各種センサ215からの検出信号を入力するためのI/O213などを備えている。また、この制御部200には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル214が接続されている。
【0034】
ここで、制御部200は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト側からの画像データ等をケーブル或いはネットを介してI/F206で受信する。
【0035】
そして、制御部200のCPU201は、I/F206に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC205にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、この画像データをヘッド駆動制御部207からヘッドドライバ208に転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成はホスト側のプリンタドライバで行っている。
【0036】
印刷制御部207は、上述した画像データをシリアルデータでヘッドドライバ208に転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、滴制御信号(マスク信号)などをヘッドドライバ208に出力する以外にも、ROMに格納されている駆動信号のパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動波形生成部及びヘッドドライバに与える駆動波形選択手段を含み、1の駆動パルス(駆動信号)或いは複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形を生成してヘッドドライバ208に対して出力する。
【0037】
ヘッドドライバ208は、シリアルに入力される記録ヘッド7の1行分に相当する画像データに基づいて印刷制御部207から与えられる駆動波形を構成する駆動信号を選択的に記録ヘッド7の液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子(例えば前述したような圧電素子)に対して印加することで記録ヘッド7を駆動する。このとき、駆動波形を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴(大ドット)、中滴(中ドット)、小滴(小ドット)など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
【0038】
また、CPU201は、リニアエンコーダを構成するエンコーダセンサ24からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値と、予め格納した速度・位置プロファイルから得られる速度目標値及び位置目標値とに基づいて主走査モータ5に対する駆動出力値(制御値)を算出してモータ駆動部210を介して主走査モータ4を駆動する。同様に、ロータリエンコーダを構成するエンコーダセンサ26からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値と、予め格納した速度・位置プロファイルから得られる速度目標値及び位置目標値とに基づいて副走査モータ16対する駆動出力値(制御値)を算出してモータ駆動部210を介しモータドライバを介して副走査モータ61を駆動する。
【0039】
なお、制御部200には、各種センサ215からの検知信号が入力され、また、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル214が接続されている。
【0040】
次に、本発明の第1実施形態に係るエンコーダセンサを含むエンコーダについて図4を参照して説明する。なお、図4(a)はエンコーダスケールの要部拡大説明図、(b)はエンコーダスケールの透過部が対向する状態でのエンコーダの模式的説明図、(c)はエンコーダスケールの遮光部が対向する状態でのエンコーダの模式的説明図である。
【0041】
まず、エンコーダセンサ24で読み取るエンコーダスケール23には、図4(a)に示すように、光を遮断するスリット(遮光部)23Aと光を透過するスリット(透過部)23Bが交互に長手方向に所定の幅で所定の間隔で主走査方向を並び方向として形成されたパターンが設けられている。
【0042】
エンコーダセンサ24は、図4(b)、(c)に示すように、スリット23A、23Bの長手方向の上下、すなわちスリット23A、23Bの並び方向と直交する方向に配置された2つの光源101A、101Bで構成される発光部101と、光源101A、101Bから射出された光を、エンコーダスケール23を介して受光する受光部102とを有している。ここで、2つの光源101A、101Bからの光はいずれも受光部102に向かって射出される。なお、「直交する方向」とは交差する方向の意味であり、本発明に係る効果を得られる限りにおいて、スリットの並び方向に対して傾斜する方向も含まれる。また、ロータリエンコーダの場合には、スリットの並び方向と直交する方向とは、接線方向と「直交する方向」の意味である。
【0043】
光源101A、101BとしてLEDのような指向性がある光源を使用する場合には、受光感度を向上するため、光軸を受光部102に向けて設置することが好ましい。また、ここでは、光源101A、101Bと受光部102との距離は同じにしている。
【0044】
次に、このように構成した第1実施形態の作用について図5を参照して説明する。
エンコーダスケール23とエンコーダセンサ24が相対的に移動することで、受光部102からはON/OFFを繰り返すパルス信号が出力され、パルスが繰り返される回数から、エンコーダスケール23とエンコーダセンサ24の相対的な移動の距離(回転式であれば角度)を求めることができ、またパルスのエッジ間隔時間を測定することで、速度(回転式であれば角速度)を求めることができる。なお、本発明をエンコーダスケール25及びエンコーダセンサ26に適用した場合には、エンコーダスケール25とエンコーダセンサ26が相対的に移動することで、受光部102からはON/OFFを繰り返すパルス信号が出力され、パルスが繰り返される回数から、エンコーダスケール25とエンコーダセンサ26の相対的な角度を求めることができ、またパルスのエッジ間隔時間を測定することで、角速度を求めることができる。
【0045】
ここで、エンコーダセンサ24においては、図5に示すように、光源101A、101Bからの光が受光部102に向けて、上下方向(エンコーダスケール23上のスリット23A、23Bが伸びる方向:スリットの長手方向)に並んだ複数の箇所から投光される。
【0046】
これにより、図5に示すように、エンコーダスケール23の透過部23Bに汚れ300が付着した場合、エンコーダスケール23の汚れ300によって一部の光が遮られるが、受光面104上には何れかの箇所から投光された光が当たる。例えば、図5(a)において、領域aは光源101A、101Bからのいずれの光も当たる領域、領域bは光源101A、101Bのいずれかからの光が当たる領域となり、光源101A、101Bのいずれの光も当たらない領域は汚れ300付近の領域cとなり、受光部102は透過部23Bと対向するときには確実に受光することができる。
【0047】
すなわち、図5(b)に示すように、エンコーダセンサ23の透過部23Bであるにもかかわらず、汚れ300によって受光部102が発光部101の光を検出できなくなることはなく、汚れ300が付着してもエンコーダセンサ24は正常な読み取りを行なうことができる。
【0048】
なお、複数箇所(例えば二箇所)から投光した場合であっても、エンコーダスケール23の遮光部23Aは汚れ300に対して十分に大きいため、図4(c)に示すように、遮光部23Aの読み取りに影響は生じない。
【0049】
このように、発光部は複数の箇所から受光部側に向けて光を射出する構成とすることで、エンコーダスケールの汚れに伴う検出精度の低下を抑制できる。
【0050】
ここで、比較のために一般的なエンコーダセンサについて図6及び図7を参照して説明する。
一般的なエンコーダセンサ1024は、図6に示すように、1つの光源からなる発光部1101と、エンコーダスケール23を挟んで1つの発光部(光源)1101に対向する1つの受光部1102とを有している。
【0051】
ここで、図7に示すように、エンコーダスケール23の透過部23Bに汚れ300が付着した場合、発光部(光源)1101からの光は汚れ300に遮られ、受光部1102が配置された受光面1104上に光源(発光部1101)からの光が当たらない領域cが発生する。そのため、この領域c内に受光部1102が配設されている場合、透過部23Bであるにもかかわらず受光部1102が光を検出できないので、エンコーダセンサ1024は正常な読み取りができなくなる。
【0052】
次に、本発明の第2実施形態の第1例について図8を参照して説明する。なお、図8は同実施形態のエンコーダを説明する説明図である。
ここでは、発光部101の2つの光源101A、101Bと受光部102との距離L1、L2が異なっている。
【0053】
このように構成することで、光源101A、101Bからの両方の光が当たる場合(図8(a))、近い方の光だけが当たる場合(図8(b))、遠い方の光が当たる場合(図8(c))の、それぞれで受光部102が受光する光量が変化することから、汚れ300がエンコーダスケール23の上の方にあるのか、下の方にあるのか、つまり、汚れの位置を検出することができる。
【0054】
なお、2つの光源101A、101Bと受光部102との距離が同じ構成としても、各光源101A、101Bの発光量を変えることで同様の検出を行なうこともできる。
【0055】
次に、本発明の第2実施形態の第2例について図9を参照して説明する。なお、図9は同実施形態のエンコーダを説明する説明図である。
ここでは、発光部101の各光源として異なる色の光を射出する光源101C、101Dを有している。
【0056】
これにより、受光部102が検出する色の違いから汚れ300の位置を検出することができる。
【0057】
なお、この場合、受光部102で受光した色の判別方法としては、一般的に光センサには、図10に示すように光の波長に対する感度特性を有するので、センサ出力の大きさから、受光した色を判別することができる。なお、図10の「色1」は光源101Cの光の色を、「色2」は光源101Dの光の色を意味している。
【0058】
また、特定の色の光しか検知しない各色専用の受光部を設置することで、検知した受光部の種類から汚れの位置を判別することもできる。
【0059】
これらの第2実施形態によれば、例えばエンコーダスケールを上下方向(スケール面に平行な方向でスリットの長手方向)に移動可能に配設し、上下方向の汚れの位置を検出して、例えばエンコーダスケールの上の方に汚れが検出された場合にはエンコーダスケールを機械的に上方向にずらすことで汚れの位置を避けるようにすることができる。
【0060】
次に、本発明の第3実施形態について図11を参照して説明する。なお、図11は同実施形態のエンコーダを説明する説明図である。
ここでは、発光部101は、1(又は複数でもよい。)の光源105と、光源105からら光を偏向する(曲げる)レンズ106とで構成されている。この場合、レンズ106の焦点が受光部102になるようにレンズ106を設置することが好ましい。
【0061】
このように構成することで、光源の数を増やすことなく、複数の箇所から受光部側に向けて光を射出する(投光する)ことができる。また、点光源であっても、受光部に向かわずに拡散してしまっていた光を受光部に向けることができので、同じ消費電力であってもセンサの感度が向上する、又は消費電力を低減しても同じ感度が得られる。
【0062】
次に、本発明の第4実施形態について図12を参照して説明する。なお、図12は同実施形態のエンコーダを説明する説明図である。
ここでは、発光部101は、1(又は複数でもよい。)の光源105と、光源105からら光を反射するミラー107とで構成されている。この場合、上下方向の全ての反射光が受光部102に集中するよう、ミラー107を設置することが好ましい。
【0063】
このように構成することで、光源が全方向に発光できる(極端な指向性がない)場合、これまで受光部と反対方向に発光し、無駄になっていた光を受光部に向けることができるので、同じ消費電力であってもセンサの感度が向上する、又は消費電力を低減しても同じ感度が得られる。また、上記第3実施形態と比較して、ミラーはレンズよりも安価に生産できるため、コストを低減することができる。
【0064】
次に、複数の光源を有する場合における複数光源間距離について図13及び図14を参照して説明する。
まず、図13に示すように、想定される汚れ300の上下方向の幅をXm、投光面103から受光面104までの距離をX0、エンコーダスケール23の受光面側から受光面104までの距離をXsとすると、複数光源間101A、101Bの距離(投光面上での距離)を、次の(1)式で得られる複数光源間の最小距離Xwよりも大きく取ることで、受光面104上に何れの光源からの光も当たらない範囲ができないようにすることができる。
【0065】
Xw=Xm×X0/Xs …(1)
【0066】
次に、図14に示すように、受光部102とスリット23A、23Bの上下限を結ぶ直線に囲まれる範囲Hより外側から投光した場合、遮光部23Aであっても光が遮光部23Aを超えて受光部102に検出されてしまい、正しく検出できない。したがって、この範囲Hの内側に光源を配置する必要がある。
【0067】
つまり、エンコーダセンサ24の複数光源の間隔は、(1)式の最小距離Xwより大きく、かつ、受光部102とスリット上下限を結ぶ線分で囲まれた範囲内とする。
【0068】
次に、複数の発光部を有する場合の複数の発光部とスリットの並び方向に関係について図15も参照して説明する。なお、図15では発光部がエンコーダスケールに対して移動したときの状態で図示している。
通常1つの発光部1011と1つの受光部1102を備える場合には、図15(a)に示すように、横方向の位置によって検知(実線図示の射出光)と非検知(破線図示の射出光)を繰り返すので、エンコーダスケール23のパターンに応じた出力を得ることができる。
【0069】
しかしながら、図15(b)に示すように、複数の発光部101A、101Bを有する場合には、複数の発光部101A、101Bがスリットの並び方向に沿う方向に配置されていると、エンコーダスケール23の非透過部23Aの位置にかかわらず、複数の発光部101A、101Bからの射出光が受光部102に届き、エンコーダスケール23のパターに応じた出力が得られなくなることがある。
【0070】
そこで、本発明では、上述したようにエンコーダスケール23のパターンの並び方向と直交する方向に複数の発光部を配置することで、エンコーダスケール23のパターに応じた出力が得られるようにしている。
【0071】
これの本発明に係るエンコーダセンサを前記画像形成装置におけるエンコーダセンサ24、26として使用することで、汚れによる検出精度の低下(読取誤り)が抑制され、高精度なキャリッジ位置、速度の制御、搬送ベルトなどの搬送手段の駆動送り制御を行なうことができて、高画質画像を形成することができ、また、エンコーダの読取り誤りによる動作不良などを防止できる。
【符号の説明】
【0072】
3 キャリッジ
4 記録ヘッド
23 エンコーダスケール
23A スリット(遮蔽部)
23B スリット(透過部)
24 エンコーダセンサ
101 発光部
101A、101B、101C、101D 光源
103 投光面
104 受光面
200 制御部
【技術分野】
【0001】
本発明はエンコーダセンサ及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
【0003】
なお、本願において、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体にインクを着弾させて画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体、樹脂などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用いる。また、「用紙」とは、材質を紙に限定するものではなく、上述したOHPシート、布なども含み、インク滴が付着されるものの意味であり、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含むものの総称として用いる。また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を3次元的に造形して形成された像も含まれる。
【0004】
また、本発明では液体吐出方式の画像形成装置で説明するが、画像形成手段としては液体吐出ヘッドに限るものではない。
【0005】
特にシリアル型画像形成装置において、液体吐出ヘッドを搭載したキャリッジの主走査方向に沿って配置したエンコーダスケールと、このエンコーダスケールのパターン(位置識別部)を読み取るエンコーダセンサとを含むリニアエンコーダ(位置検出装置)を備えて、キャリッジの位置及び速度を検出し、この検出結果に基づいてキャリッジの移動速度、液体吐出ヘッドの駆動などの制御を行うようにしている。また、画像形成装置においては、画像形成手段によって画像が形成される被記録媒体をローラ、ベルトなどの搬送手段によって搬送し、ローラなどに設けたホイール状のエンコーダスケール(エンコーダホイールともいう。)と、このエンコーダスケールのパターンを読み取るエンコーダセンサとを含むロータリエンコーダ(位置検出装置)を備えて、搬送手段の位置及び速度を検出し、この検出結果に基づいて搬送手段の駆動などの制御を行うようにしている。
【0006】
従来のリニアエンコーダとしては、磁気式や光学式などの様々なものがある。磁気式のリニアエンコーダではリニアスケール表面に少量の汚れ等が付着しても性能には影響しないとういう長所があるが、一方でリニアエンコーダの分解能の高精細化が困難であり、リニアスケールとエンコーダセンサのギャップが広げづらく、取り付け精度の問題や、磁気を帯びた工具の取り扱いの問題がある。これに対して、光学式のリニアエンコーダはエンコーダスケールとエンコーダセンサのギャップを比較的広げ易く、組立も容易で、高分解能化に向いている。
【0007】
しかしながら、画像形成装置の高速度化、高精度化に伴ってリニアエンコーダの高分解能化が進み、装置内に飛散するインクなどの液体、紙粉等の付着による出力低下、誤信号の影響が無視できない問題となっている。例えば、長期間の使用によりインクミスト、紙粉がエンコーダスケールやエンコーダセンサに付着して読み取りエラーを生じ、キャリッジ位置ズレによる記録画像の乱れ、エラー発生によるマシン停止といった問題が生じる。
【0008】
そこで、特許文献1に記載されているように、インクミストの色毎に吸収しやすい光の波長が異なることを利用して、エンコーダセンサに複数色のLEDを備え、それまでに吐出したインク滴の数を数えるドットカウント値からエンコーダスケールに付着しているインクミストの色を想定して、光が吸収されにくくなるようにLEDの発光色を切り替えるインクジェット記録装置が、既に知られている。
【0009】
また、特許文献2に記載されているように、エンコーダセンサの下側にエンコーダスケールの表面を清掃する清掃部材を取り付け、ギャップ位置変更手段によって清掃部材がエンコーダスケールの表面に接触する清掃位置と接触しない退避位置との間でキャリッジを昇降させる昇降手段を兼ねたギャップ位置変更手段を備え、清掃部材がエンコーダスケールの表面に接触する清掃位置にした状態でキャリッジを主走査方向に移動することで、清掃部材によってエンコーダスケールの表面に付着している汚れを払拭する画像形成装置が、既に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−55050号公報
【特許文献2】特開2008−179103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、エンコーダセンサに複数色のLEDを備え、エンコーダスケールに付着したインクミストの色によってLEDを切替える技術にあっては、使用するインクの特性によっては吸収する光の波長に差異がない場合もあり、このような場合には対応できないという課題がある。また、単一色のインクを大量に使用する場合にはある程度の性能低下を抑えられるが、全色を均一に使用する場合には、エンコーダセンサの性能低下を改善することができないという課題がある。さらに、インクミスト以外の汚れが付着した場合には対応できないという課題もある。
【0012】
また、清掃部材によってエンコーダスケールの表面に付着している汚れを払拭する技術にあっては、清掃部材によって汚れを残さず拭ききることが困難で、検出精度の低下を十分に改善することが困難であるという課題がある。
【0013】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、エンコーダスケールの汚れによるエンコーダセンサの検出精度の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するため、本発明に係るエンコーダセンサは、
エンコーダスケールのパターンを読み取る光透過型のエンコーダセンサであって、
光を射出する発光部と、前記発光部からの光を受光する受光部と、を有し、
前記発光部は、前記パターンの並び方向と直交する方向の複数の箇所から前記受光部側に向けて光を射出する
構成とした。
【0015】
ここで、前記発光部は、複数の光源を備えている構成とできる。
【0016】
また、前記発光部は、1又は複数の光源と、前記光源から射出された光を前記受光部に向けて偏向するレンズとを備えている構成とできる。
【0017】
また、前記発光部は、1又は複数の光源と、前記光源から射出された光を前記受光部に向けて反射するミラーとを備えている構成とできる。
【0018】
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係るエンコーダセンサを含むリニアエンコーダ及びロータリエンコーダの少なくともいずれかを備えているものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るエンコーダセンサによれば、発光部は、エンコーダスケールのパターンの並び方向と直交する方向の複数の箇所から受光部側に向けて光を射出する構成としたので、エンコーダスケールの汚れに伴う検出精度の低下を抑制できる。
【0020】
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係るエンコーダセンサを含むエンコーダを備えているので、エンコーダスケールの汚れに伴う動作不良を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明を適用する画像形成装置としてのインクジェット記録装置の概略構成を示す平面説明図である。
【図2】同じく正面説明図である。
【図3】同装置の制御部の概要を示すブロック説明図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るエンコーダセンサを含むエンコーダの説明に供する説明図である。
【図5】同実施形態の作用説明に供する説明図である。
【図6】比較例のエンコーダセンサを含むエンコーダの説明に供する説明図である。
【図7】同比較例のエンコーダセンサの作用説明に供する説明図である。
【図8】本発明の第2実施形態の第1例に係るエンコーダセンサを含むエンコーダの説明に供する説明図である。
【図9】本発明の第2実施形態の第2例に係るエンコーダセンサを含むエンコーダの説明に供する説明図である。
【図10】同第2例の説明に供する説明図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係るエンコーダセンサを含むエンコーダの説明に供する説明図である。
【図12】本発明の第4実施形態に係るエンコーダセンサを含むエンコーダの説明に供する説明図である。
【図13】複数光源間の距離の説明に供する説明図である。
【図14】同じく複数光源の配置範囲の説明に供する説明図である。
【図15】比較例の複数の発行部の配置の説明に供する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明を適用する画像形成装置としてのインクジェット記録装置の概要について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同インクジェット記録装置の概略構成を示す平面説明図、図2は同じく正面説明図である。
このインクジェット記録装置は、左右の側板101L,101R間に横架した主ガイドロッド1及び図示しない従ガイド部材でキャリッジ3を摺動自在に保持し、主走査モータ5によって、駆動プーリ6と従動プーリ7間に渡したタイミングベルト8を介して主走査方向に移動走査する。
【0023】
このキャリッジ3には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド4y、4m、4c、4k(区別しないときは「記録ヘッド4」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0024】
記録ヘッド4を構成する液体吐出ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
【0025】
一方、用紙10を搬送するために、用紙を静電吸着して記録ヘッド4に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト12を備えている。この搬送ベルト12は、無端状ベルトであり、搬送ローラ13とテンションローラ14との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成し、周回移動しながら帯電ローラ15によって帯電(電荷付与)される。
【0026】
また、搬送ベルト12は、副走査モータ16によってタイミングベルト17及びタイミングプーリ18を介して搬送ローラ13が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
【0027】
さらに、キャリッジ3の主走査方向の一方側には搬送ベルト12の側方に記録ヘッド4の維持回復を行う維持回復機構21が配置され、他方側には搬送ベルト12の側方に記録ヘッド4から空吐出を行う空吐出受け21がそれぞれ配置されている。
【0028】
なお、維持回復機構20は、例えば記録ヘッド4のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングする4個のキャップ部材31、ノズル面を払拭するワイパ部材32、画像形成に寄与しない液滴(空吐出滴)を受ける空吐出受け33などで構成されている。
【0029】
また、キャリッジ3の主走査方向に沿って両側板間に、主走査方向に並ぶ所定のパターン(位置識別部、目盛り、スリットなどともいう。)を形成したエンコーダスケール23を張装し、キャリッジ23にはエンコーダスケール23のスリットを読取る透過型フォトセンサからなる本発明に係るエンコーダセンサ24を設け、これらのエンコーダスケール23とエンコーダセンサ24によってキャリッジ23の移動を検知するリニアエンコーダ(主走査エンコーダ)を構成している。
【0030】
また、搬送ローラ13の軸には周方向に並ぶ所定のパターンを形成したエンコーダスケール(コードホール)25を取り付け、このエンコーダスケール25に形成したパターン(スリット)を検出する透過型フォトセンサからなる本発明に係るエンコーダセンサ26を設けて、これらのエンコーダスケール25とエンコーダセンサ26によって搬送ベルト12の移動量及び移動位置を検出するロータリエンコーダ(副走査エンコーダ)を構成している。
【0031】
このように構成したこの画像形成装置においては、図示しない給紙トレイから用紙10が帯電された搬送ベルト12上に給紙されて吸着され、搬送ベルト12の周回移動によって用紙が副走査方向に搬送される。そこで、キャリッジ3を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド4を駆動することにより、停止している用紙10にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙10の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙を図示しない排紙トレイに排紙する。
【0032】
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図3を参照して説明する。なお、同図は同制御部の全体ブロック説明図である。
この制御部200は、この装置全体の制御を司り、本発明における判別手段及びキャリッジの移動制御を行う手段を兼ねるCPU201と、CPU201が実行する本発明に係るプログラムを含む各種プログラム、その他の固定データを格納するROM202と、画像データ等を一時格納するRAM203と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ204と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC205とを備えている。
【0033】
また、この制御部200は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F206と、記録ヘッド4を駆動制御するためのデータ転送手段、駆動波形を生成する駆動波形生成手段を含む印刷制御部207と、キャリッジ3側に設けた記録ヘッド4を駆動するためのヘッドドライバ(ドライバIC)208と、主走査モータ4及び副走査モータ31を駆動するためのモータ駆動部210と、帯電ローラ34にACバイアスを供給するACバイアス供給部212と、エンコーダセンサ24、26からの各検出信号、ドット形成位置のズレを来たす要因としての環境温度を検出する温度センサなどの各種センサ215からの検出信号を入力するためのI/O213などを備えている。また、この制御部200には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル214が接続されている。
【0034】
ここで、制御部200は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト側からの画像データ等をケーブル或いはネットを介してI/F206で受信する。
【0035】
そして、制御部200のCPU201は、I/F206に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC205にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、この画像データをヘッド駆動制御部207からヘッドドライバ208に転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成はホスト側のプリンタドライバで行っている。
【0036】
印刷制御部207は、上述した画像データをシリアルデータでヘッドドライバ208に転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、滴制御信号(マスク信号)などをヘッドドライバ208に出力する以外にも、ROMに格納されている駆動信号のパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動波形生成部及びヘッドドライバに与える駆動波形選択手段を含み、1の駆動パルス(駆動信号)或いは複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形を生成してヘッドドライバ208に対して出力する。
【0037】
ヘッドドライバ208は、シリアルに入力される記録ヘッド7の1行分に相当する画像データに基づいて印刷制御部207から与えられる駆動波形を構成する駆動信号を選択的に記録ヘッド7の液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子(例えば前述したような圧電素子)に対して印加することで記録ヘッド7を駆動する。このとき、駆動波形を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴(大ドット)、中滴(中ドット)、小滴(小ドット)など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
【0038】
また、CPU201は、リニアエンコーダを構成するエンコーダセンサ24からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値と、予め格納した速度・位置プロファイルから得られる速度目標値及び位置目標値とに基づいて主走査モータ5に対する駆動出力値(制御値)を算出してモータ駆動部210を介して主走査モータ4を駆動する。同様に、ロータリエンコーダを構成するエンコーダセンサ26からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値と、予め格納した速度・位置プロファイルから得られる速度目標値及び位置目標値とに基づいて副走査モータ16対する駆動出力値(制御値)を算出してモータ駆動部210を介しモータドライバを介して副走査モータ61を駆動する。
【0039】
なお、制御部200には、各種センサ215からの検知信号が入力され、また、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル214が接続されている。
【0040】
次に、本発明の第1実施形態に係るエンコーダセンサを含むエンコーダについて図4を参照して説明する。なお、図4(a)はエンコーダスケールの要部拡大説明図、(b)はエンコーダスケールの透過部が対向する状態でのエンコーダの模式的説明図、(c)はエンコーダスケールの遮光部が対向する状態でのエンコーダの模式的説明図である。
【0041】
まず、エンコーダセンサ24で読み取るエンコーダスケール23には、図4(a)に示すように、光を遮断するスリット(遮光部)23Aと光を透過するスリット(透過部)23Bが交互に長手方向に所定の幅で所定の間隔で主走査方向を並び方向として形成されたパターンが設けられている。
【0042】
エンコーダセンサ24は、図4(b)、(c)に示すように、スリット23A、23Bの長手方向の上下、すなわちスリット23A、23Bの並び方向と直交する方向に配置された2つの光源101A、101Bで構成される発光部101と、光源101A、101Bから射出された光を、エンコーダスケール23を介して受光する受光部102とを有している。ここで、2つの光源101A、101Bからの光はいずれも受光部102に向かって射出される。なお、「直交する方向」とは交差する方向の意味であり、本発明に係る効果を得られる限りにおいて、スリットの並び方向に対して傾斜する方向も含まれる。また、ロータリエンコーダの場合には、スリットの並び方向と直交する方向とは、接線方向と「直交する方向」の意味である。
【0043】
光源101A、101BとしてLEDのような指向性がある光源を使用する場合には、受光感度を向上するため、光軸を受光部102に向けて設置することが好ましい。また、ここでは、光源101A、101Bと受光部102との距離は同じにしている。
【0044】
次に、このように構成した第1実施形態の作用について図5を参照して説明する。
エンコーダスケール23とエンコーダセンサ24が相対的に移動することで、受光部102からはON/OFFを繰り返すパルス信号が出力され、パルスが繰り返される回数から、エンコーダスケール23とエンコーダセンサ24の相対的な移動の距離(回転式であれば角度)を求めることができ、またパルスのエッジ間隔時間を測定することで、速度(回転式であれば角速度)を求めることができる。なお、本発明をエンコーダスケール25及びエンコーダセンサ26に適用した場合には、エンコーダスケール25とエンコーダセンサ26が相対的に移動することで、受光部102からはON/OFFを繰り返すパルス信号が出力され、パルスが繰り返される回数から、エンコーダスケール25とエンコーダセンサ26の相対的な角度を求めることができ、またパルスのエッジ間隔時間を測定することで、角速度を求めることができる。
【0045】
ここで、エンコーダセンサ24においては、図5に示すように、光源101A、101Bからの光が受光部102に向けて、上下方向(エンコーダスケール23上のスリット23A、23Bが伸びる方向:スリットの長手方向)に並んだ複数の箇所から投光される。
【0046】
これにより、図5に示すように、エンコーダスケール23の透過部23Bに汚れ300が付着した場合、エンコーダスケール23の汚れ300によって一部の光が遮られるが、受光面104上には何れかの箇所から投光された光が当たる。例えば、図5(a)において、領域aは光源101A、101Bからのいずれの光も当たる領域、領域bは光源101A、101Bのいずれかからの光が当たる領域となり、光源101A、101Bのいずれの光も当たらない領域は汚れ300付近の領域cとなり、受光部102は透過部23Bと対向するときには確実に受光することができる。
【0047】
すなわち、図5(b)に示すように、エンコーダセンサ23の透過部23Bであるにもかかわらず、汚れ300によって受光部102が発光部101の光を検出できなくなることはなく、汚れ300が付着してもエンコーダセンサ24は正常な読み取りを行なうことができる。
【0048】
なお、複数箇所(例えば二箇所)から投光した場合であっても、エンコーダスケール23の遮光部23Aは汚れ300に対して十分に大きいため、図4(c)に示すように、遮光部23Aの読み取りに影響は生じない。
【0049】
このように、発光部は複数の箇所から受光部側に向けて光を射出する構成とすることで、エンコーダスケールの汚れに伴う検出精度の低下を抑制できる。
【0050】
ここで、比較のために一般的なエンコーダセンサについて図6及び図7を参照して説明する。
一般的なエンコーダセンサ1024は、図6に示すように、1つの光源からなる発光部1101と、エンコーダスケール23を挟んで1つの発光部(光源)1101に対向する1つの受光部1102とを有している。
【0051】
ここで、図7に示すように、エンコーダスケール23の透過部23Bに汚れ300が付着した場合、発光部(光源)1101からの光は汚れ300に遮られ、受光部1102が配置された受光面1104上に光源(発光部1101)からの光が当たらない領域cが発生する。そのため、この領域c内に受光部1102が配設されている場合、透過部23Bであるにもかかわらず受光部1102が光を検出できないので、エンコーダセンサ1024は正常な読み取りができなくなる。
【0052】
次に、本発明の第2実施形態の第1例について図8を参照して説明する。なお、図8は同実施形態のエンコーダを説明する説明図である。
ここでは、発光部101の2つの光源101A、101Bと受光部102との距離L1、L2が異なっている。
【0053】
このように構成することで、光源101A、101Bからの両方の光が当たる場合(図8(a))、近い方の光だけが当たる場合(図8(b))、遠い方の光が当たる場合(図8(c))の、それぞれで受光部102が受光する光量が変化することから、汚れ300がエンコーダスケール23の上の方にあるのか、下の方にあるのか、つまり、汚れの位置を検出することができる。
【0054】
なお、2つの光源101A、101Bと受光部102との距離が同じ構成としても、各光源101A、101Bの発光量を変えることで同様の検出を行なうこともできる。
【0055】
次に、本発明の第2実施形態の第2例について図9を参照して説明する。なお、図9は同実施形態のエンコーダを説明する説明図である。
ここでは、発光部101の各光源として異なる色の光を射出する光源101C、101Dを有している。
【0056】
これにより、受光部102が検出する色の違いから汚れ300の位置を検出することができる。
【0057】
なお、この場合、受光部102で受光した色の判別方法としては、一般的に光センサには、図10に示すように光の波長に対する感度特性を有するので、センサ出力の大きさから、受光した色を判別することができる。なお、図10の「色1」は光源101Cの光の色を、「色2」は光源101Dの光の色を意味している。
【0058】
また、特定の色の光しか検知しない各色専用の受光部を設置することで、検知した受光部の種類から汚れの位置を判別することもできる。
【0059】
これらの第2実施形態によれば、例えばエンコーダスケールを上下方向(スケール面に平行な方向でスリットの長手方向)に移動可能に配設し、上下方向の汚れの位置を検出して、例えばエンコーダスケールの上の方に汚れが検出された場合にはエンコーダスケールを機械的に上方向にずらすことで汚れの位置を避けるようにすることができる。
【0060】
次に、本発明の第3実施形態について図11を参照して説明する。なお、図11は同実施形態のエンコーダを説明する説明図である。
ここでは、発光部101は、1(又は複数でもよい。)の光源105と、光源105からら光を偏向する(曲げる)レンズ106とで構成されている。この場合、レンズ106の焦点が受光部102になるようにレンズ106を設置することが好ましい。
【0061】
このように構成することで、光源の数を増やすことなく、複数の箇所から受光部側に向けて光を射出する(投光する)ことができる。また、点光源であっても、受光部に向かわずに拡散してしまっていた光を受光部に向けることができので、同じ消費電力であってもセンサの感度が向上する、又は消費電力を低減しても同じ感度が得られる。
【0062】
次に、本発明の第4実施形態について図12を参照して説明する。なお、図12は同実施形態のエンコーダを説明する説明図である。
ここでは、発光部101は、1(又は複数でもよい。)の光源105と、光源105からら光を反射するミラー107とで構成されている。この場合、上下方向の全ての反射光が受光部102に集中するよう、ミラー107を設置することが好ましい。
【0063】
このように構成することで、光源が全方向に発光できる(極端な指向性がない)場合、これまで受光部と反対方向に発光し、無駄になっていた光を受光部に向けることができるので、同じ消費電力であってもセンサの感度が向上する、又は消費電力を低減しても同じ感度が得られる。また、上記第3実施形態と比較して、ミラーはレンズよりも安価に生産できるため、コストを低減することができる。
【0064】
次に、複数の光源を有する場合における複数光源間距離について図13及び図14を参照して説明する。
まず、図13に示すように、想定される汚れ300の上下方向の幅をXm、投光面103から受光面104までの距離をX0、エンコーダスケール23の受光面側から受光面104までの距離をXsとすると、複数光源間101A、101Bの距離(投光面上での距離)を、次の(1)式で得られる複数光源間の最小距離Xwよりも大きく取ることで、受光面104上に何れの光源からの光も当たらない範囲ができないようにすることができる。
【0065】
Xw=Xm×X0/Xs …(1)
【0066】
次に、図14に示すように、受光部102とスリット23A、23Bの上下限を結ぶ直線に囲まれる範囲Hより外側から投光した場合、遮光部23Aであっても光が遮光部23Aを超えて受光部102に検出されてしまい、正しく検出できない。したがって、この範囲Hの内側に光源を配置する必要がある。
【0067】
つまり、エンコーダセンサ24の複数光源の間隔は、(1)式の最小距離Xwより大きく、かつ、受光部102とスリット上下限を結ぶ線分で囲まれた範囲内とする。
【0068】
次に、複数の発光部を有する場合の複数の発光部とスリットの並び方向に関係について図15も参照して説明する。なお、図15では発光部がエンコーダスケールに対して移動したときの状態で図示している。
通常1つの発光部1011と1つの受光部1102を備える場合には、図15(a)に示すように、横方向の位置によって検知(実線図示の射出光)と非検知(破線図示の射出光)を繰り返すので、エンコーダスケール23のパターンに応じた出力を得ることができる。
【0069】
しかしながら、図15(b)に示すように、複数の発光部101A、101Bを有する場合には、複数の発光部101A、101Bがスリットの並び方向に沿う方向に配置されていると、エンコーダスケール23の非透過部23Aの位置にかかわらず、複数の発光部101A、101Bからの射出光が受光部102に届き、エンコーダスケール23のパターに応じた出力が得られなくなることがある。
【0070】
そこで、本発明では、上述したようにエンコーダスケール23のパターンの並び方向と直交する方向に複数の発光部を配置することで、エンコーダスケール23のパターに応じた出力が得られるようにしている。
【0071】
これの本発明に係るエンコーダセンサを前記画像形成装置におけるエンコーダセンサ24、26として使用することで、汚れによる検出精度の低下(読取誤り)が抑制され、高精度なキャリッジ位置、速度の制御、搬送ベルトなどの搬送手段の駆動送り制御を行なうことができて、高画質画像を形成することができ、また、エンコーダの読取り誤りによる動作不良などを防止できる。
【符号の説明】
【0072】
3 キャリッジ
4 記録ヘッド
23 エンコーダスケール
23A スリット(遮蔽部)
23B スリット(透過部)
24 エンコーダセンサ
101 発光部
101A、101B、101C、101D 光源
103 投光面
104 受光面
200 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンコーダスケールのパターンを読み取る光透過型のエンコーダセンサであって、
光を射出する発光部と、前記発光部からの光を受光する受光部と、を有し、
前記発光部は、前記パターンの並び方向と直交する方向の複数の箇所から前記受光部側に向けて光を射出する
ことを特徴とするエンコーダセンサ。
【請求項2】
前記発光部は、複数の光源を備えていることを特徴とする請求項1に記載のエンコーダセンサ。
【請求項3】
前記発光部は、1又は複数の光源と、前記光源から射出された光を前記受光部に向けて偏向するレンズとを備えていることを特徴とする請求項1に記載のエンコーダセンサ。
【請求項4】
前記発光部は、1又は複数の光源と、前記光源から射出された光を前記受光部に向けて反射するミラーとを備えていることを特徴とする請求項1に記載のエンコーダセンサ。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のエンコーダセンサを含むリニアエンコーダ及びロータリエンコーダの少なくともいずれかを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
エンコーダスケールのパターンを読み取る光透過型のエンコーダセンサであって、
光を射出する発光部と、前記発光部からの光を受光する受光部と、を有し、
前記発光部は、前記パターンの並び方向と直交する方向の複数の箇所から前記受光部側に向けて光を射出する
ことを特徴とするエンコーダセンサ。
【請求項2】
前記発光部は、複数の光源を備えていることを特徴とする請求項1に記載のエンコーダセンサ。
【請求項3】
前記発光部は、1又は複数の光源と、前記光源から射出された光を前記受光部に向けて偏向するレンズとを備えていることを特徴とする請求項1に記載のエンコーダセンサ。
【請求項4】
前記発光部は、1又は複数の光源と、前記光源から射出された光を前記受光部に向けて反射するミラーとを備えていることを特徴とする請求項1に記載のエンコーダセンサ。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のエンコーダセンサを含むリニアエンコーダ及びロータリエンコーダの少なくともいずれかを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−161695(P2011−161695A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24911(P2010−24911)
【出願日】平成22年2月6日(2010.2.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月6日(2010.2.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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