説明

オイルポンプ

【課題】一対の吸入ポートのうち、吸入圧が低い側の吸入ポートにバイパス穴から作動油を直接吸入することにより、一対の吸入ポートの吸入圧の差を緩和するようにしたオイルポンプを提供する。
【解決手段】吐出ポート33、34に吐出された作動油の一部を吸入ポート31、32側へ還流する流量制御弁51は、吐出ポートに吐出された作動油の流量に応じて変位するスプール弁54により順次開口される第1バイパス穴55aおよび第2バイパス穴55bを備え、第1バイパス穴は、一対の吸入ポートの一方および他方にそれぞれ接続され、第2バイパス穴は、一対の吸入ポートの他方に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出ポートに吐出された作動油の一部を吸入ポート側へ還流する流量制御弁を備えたオイルポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
吐出ポートより吐出された流量を流量制御弁により所定流量に制御して送り出すオイルポンプとして、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。かかる特許文献1に記載のオイルポンプは、図5の等価回路図に示すように、ポンプ作用によって作動油が吸入される一対の吸入ポート1a、1bと、作動油が吐出される一対の吐出ポート2a、2bとを備え、吐出ポート2a、2bより吐出された作動油のうち、所定流量を超えた作動油は、流量制御弁3によってバイパス穴4を開口することにより、第1分岐通路5を介して一方の吸入ポート1aに吸入するとともに、第2分岐通路6を介して他方の吸入ポート1bに吸入するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−82325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バイパス穴4より高速で噴射される作動油は、特許文献1の図3の矢印で示されているように、噴射方向が偏向されるために、噴射方向に向いた側の一方の吸入ポート(1a)により多くの作動油が還流され、この結果、図6に示すように、一方の吸入ポート1aの圧力(吸入圧)Paと他方の吸入ポート1bの圧力(吸入圧)Pbとの間で差が生ずる。かかる圧力差はポンプの高回転域でより顕著となり、高回転域での圧力差はΔP0となる。すなわち、一方の吸入ポート1aにおいては、バイパス穴4からのスーパチャージ効果によって十分に圧力復帰されて、キャビテーションの発生が抑制されるが、吸入圧が低い側(吸入ポート1b側)では、ポンプの高回転域で吸入圧不足からキャビテーションが発生するおそれがあり、騒音およびエロージョンの発生の原因となる。また、吸入ポート1a、1bにおける圧力差ΔP0は、ポンプ駆動軸への負荷となり、ポンプ駆動軸を支持する軸受に作用する径方向トルクが増加する。
【0005】
本発明は、上述した従来の問題を解消するためになされたもので、一対の吸入ポートのうち、吸入圧が低い側の吸入ポートにバイパス穴から作動油を直接吸入することにより、一対の吸入ポートの吸入圧の差を緩和するようにしたオイルポンプを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の特徴は、吸入行程を行うポンプ室に対応して設けられ径方向に対向する一対の吸入ポートと、吐出行程を行うポンプ室に対応して設けられ径方向に対向する一対の吐出ポートと、前記吐出ポートに吐出された作動油の一部を前記吸入ポート側へ還流することにより所定量の作動油を送出口から送り出す流量制御弁を備えたオイルポンプにおいて、前記流量制御弁は、前記吐出ポートに吐出された作動油の流量に応じて変位するスプール弁により順次開口される第1バイパス穴および第2バイパス穴を備え、前記第1バイパス穴は、前記一対の吸入ポートの一方および他方にそれぞれ接続され、前記第2バイパス穴は、前記一対の吸入ポートの他方に接続されていることである。
【0007】
請求項2に係る発明の特徴は、請求項1において、前記第1バイパス穴は、ポンプの所定の回転域で開口され、前記第2バイパス穴は、前記所定の回転域より高い回転域で開口され、前記第2バイパス穴に接続された補助吸入通路を前記吸入ポートの一方に直接接続したことである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、流量制御弁は、吐出ポートに吐出された作動油の流量に応じて変位するスプール弁により順次開口される第1バイパス穴および第2バイパス穴を備え、第1バイパス穴は、一対の吸入ポートの一方および他方にそれぞれ接続され、第2バイパス穴は、一対の吸入ポートの他方に接続されているので、一対の吸入ポートの他方には、第1バイパス穴に加えて第2バイパス穴より作動油が吸入されることにより、一対の吸入ポートにおける吸入圧の差を減少することができる。
【0009】
請求項2に係る発明によれば、第1バイパス穴はポンプの所定の回転域で開口され、第2バイパス穴は所定の回転域より高い回転域で開口され、第2バイパス穴に接続された補助吸入通路を一対の吸入ポートの他方に直接接続したので、高回転域では第2バイパス穴より補助吸入通路を介して吸入ポートの他方に作動油を直接吸入することができるようになり、高回転域での吸入圧不足を緩和でき、キャビテーションの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態を示すオイルポンプの縦断面図である。
【図2】図1の2−2線に沿って切断した断面図である。
【図3】図2の3−3線に沿って切断した断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るオイルポンプを等価回路で示す図である。
【図5】従来のオイルポンプを等価回路で示す図である。
【図6】ポンプ回転数に対する一対の吸入ポートの吸入圧を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1および図2は、本実施の形態に係るベーン式のオイルポンプの断面を示し、当該オイルポンプは、例えば、車両のステアリング操作をアシストするパワーステアリング装置に使用されるものである。オイルポンプは、車両のエンジンによって駆動され、エンジン回転数に比例した作動油を吐出する。オイルポンプには、後述するように、エンジン回転数(ポンプ回転数)に比例した吐出流量をパワーステアリング装置に必要な所定流量に制御するために、流量制御弁を備えている。
【0012】
オイルポンプは、図1および図2に示すように、フロントハウジング11を備え、このフロントハウジング11には断面円形の収納穴12が形成され、収納穴12はフロントハウジング11の取付端面13に開口されている。フロントハウジング11の取付端面13には、収納穴12を閉塞するリアハウジング14がボルト15によって固定されている。フロントハウジング11の収納穴12内には、サイドプレート16およびカムリング17が、フロントハウジング11とリアハウジング14とで挟持されるように、軸線方向に積層して嵌装され、ピン18によって回り止めされている。カムリング17の内周には、周期が180度のカム曲線を有するカム面19が形成されている。
【0013】
フロントハウジング11には、エンジンによってベルトを介して駆動されるポンプ駆動軸21が軸受22を介して回転可能に軸承され、ポンプ駆動軸21の一端はリアハウジング14に形成された凹部20内に回転可能に支持されている。ポンプ駆動軸21上には、ロータ23がスプライン嵌合されている。
【0014】
ロータ23は、収納穴12に嵌装されたカムリング17内に回転可能に収容されている。ロータ23の外周には、複数のベーン溝24が円周上等角度間隔に形成され、これらベーン溝24にベーン25が放射方向にそれぞれ摺動可能に嵌合されている。ベーン25の先端は、後述するベーン背圧室に導入される作動油の圧力によって、カムリング17の内周カム面19に常時当接される。
【0015】
ロータ23および各ベーン25の一方の側面は、サイドプレート16の端面に摺接し、他方の側面は、リアハウジング14の端面に摺接するように配置されている。これにより、カムリング17の内周カム面19とロータ23の外周面との間に、複数のベーン25によって区画された円周上複数のポンプ室27が区画され、各ポンプ室27はロータ23の回転により容積変化する。
【0016】
サイドプレート16の端面には、ロータ23の回転によって容積が拡大するポンプ室27に対応して、一対の吸入ポート31、32が径方向に対向して形成され、また、ロータ23の回転によって容積が縮小するポンプ室27に対応して、一対の吐出ポート33、34が径方向に対向して形成されている。すなわち、一対の吸入ポート31、32および一対の吐出ポート33、34は、吸入(膨張)行程および吐出(圧縮)行程を行うポンプ室27にそれぞれ対応して形成されている。
【0017】
さらに、サイドプレート16の端面には、吸入ポート31、32および吐出ポート33、34の内周側に、円周方向に分離された複数の背圧溝35が形成され、各背圧溝35には吐出ポート33、34より作動油が導入されるようになっている。背圧溝35は、ベーン25を収納するベーン溝24の底部にそれぞれ連通され、ベーン溝24の底部に導入される作動油の圧力により、ベーン25が放射方向に押圧される。これによって、ベーン25の先端がカムリング17の内周カム面19に摺接可能に当接される。
【0018】
リアハウジング14の端面には、一対の吸入ポート31、32に対応して凹部(図示せず)が形成され、一対の吐出ポート33、34に対応して凹部37、38が形成されている。これら凹部は、ポンプ室27を介して吸入ポート31、32および吐出ポート33、34に連通されている。また、リアハウジング14の端面には、背圧溝35に対応して凹部39が形成され、凹部39は、ベーン溝24の底部を介して背圧溝35に連通されている。
【0019】
一対の吐出ポート33、34は、サイドプレート16を貫通するように形成され、収納穴12の底部に凹設された圧力室41に連通されている。圧力室41にはフロントハウジング11に形成された吐出通路42が連通されている。また、フロントハウジング11には、一対の吸入ポート31、32に各々連通する第1および第2分岐通路43、44が形成されている。これら分岐通路43、44の各一端は吸入通路45に連通されている。
【0020】
吐出通路42と吸入通路45との間には、図3に示すように、流量制御弁51が配置されている。流量制御弁51は、吐出通路42に吐出された作動油の一部を吸入通路45側に還流することにより、送出口52よりパワーステアリング装置等の油圧機器に送り出す作動油の流量を一定量(所定量)に制御するものである。そのために、流量制御弁51は、図3および図4に示すように、吐出通路42と吸入通路45との間に形成された弁収納穴53と、この弁収納穴53に摺動可能に嵌装されたスプール弁54を有している。弁収納穴53には、吸入通路45に連通するバイパス穴55と吐出通路42が弁収納穴53の軸線方向に離間して開口され、スプール弁54によってバイパス穴55の開度が調整されるようにしている。スプール弁54にはバイパス穴55を閉じる方向に付勢する付勢手段としてのスプリング56が作用している。
【0021】
スプール弁54は、吐出通路42と送出口52との間に設けられたメータリングオリフィス57の前後差圧がスプリング56にて設定されたバイアスより大きくなると、スプリング56の付勢力に抗して摺動され、バイパス穴55を開口する。これにより、吐出ポート33、34より吐出された作動油のうち余剰の作動油が、吐出通路42よりバイパス穴55を介して吸入通路45側に還流されるため、送出口52より一定量の作動油が送出されるようになる。この際、ポンプ駆動軸21がエンジンによって回転されるため、エンジン回転数の上昇に応じて吐出ポート33、34に吐出される作動油の流量が増加し、スプール弁54はより多くの余剰流をバイパスするように、バイパス穴55の開口面積を増大するように作用する。
【0022】
ところで、本実施の形態におけるバイパス穴55は、図3に示すように、第1バイパス穴55aと第2バイパス穴55bの2つからなっている。弁収納穴53には、第1バイパス穴55aと第2バイパス穴55bが互いに異なる角度位置に開口され、第1バイパス穴55aおよび第2バイパス穴55bは、スプール弁54により時間差をもって順次開口されるようになっている。具体的には、ポンプの所定の回転域においてスプール弁54が所定量摺動すると、第1バイパス穴55aがまず開口され、さらにポンプの回転域の上昇によりスプール弁54が所定量D1摺動されると、第2バイパス穴55bが開口される。
【0023】
弁収納穴53に開口された第1バイパス穴55aには、図4に示すように、吸入通路45および第1分岐通路43を介して一対の吸入ポート31、32の一方(以下これを一方の吸入ポート31という)が連通されているとともに、吸入通路45および第2分岐通路44を介して一対の吸入ポート31、32の他方(以下これを他方の吸入ポート32という)が連通されている。第1バイパス穴55aには、補給路59が開口され、この補給路59は流入通路60(図1参照)を介してリザーバ61(図4参照)に連通されている。
【0024】
一方、弁収納穴53に開口された第2バイパス穴55bには、図4に示すように、補助吸入通路58が連通され、第2バイパス穴55bより補助吸入通路58を介して他方の吸入ポート32に直接作動油が吸入されるようになっている。
【0025】
すなわち、第1バイパス穴55aより吸入通路45に還流される作動油は、図3の矢印で示すように、噴射方向が偏向されることにより、噴射方向に向いた側に配置された第1分岐通路43側により多くの作動油が還流される。この結果、図6に示すように、ポンプ回転数の上昇に応じて一対の吸入ポート31、32に吸入される作動油の吸入圧に差が生ずるようになり、ポンプ高回転域においてより顕著となる。
【0026】
しかるに、ポンプ高回転域においては、第2バイパス穴55bより補助吸入通路58を介して吸入圧の低い側の他方の吸入ポート32に直接作動油を吸入することができるため、ポンプ高回転域における他方の吸入ポート32への作動油の吸入不足を解消できるようになる。
【0027】
次に、上記した実施の形態に係るオイルポンプの作動について説明する。ポンプ駆動軸21がエンジンによって回転されると、ロータ23がカムリング17内で回転する。ロータ23の回転によって容積が拡大するポンプ室27では、一対の吸入ポート31、32に作動油が吸入され、ロータ23の回転によって容積が縮小するポンプ室27では、一対の吐出ポート33、34にポンプ駆動軸21の回転数(エンジン回転数)に比例した作動油が吐出される。
【0028】
吐出ポート33、34に吐出された作動油は、サイドプレート16とフロントハウジング11の底面との間に形成された圧力室41を介して吐出通路42より流量制御弁51の弁収納穴53内に供給され、メータリングオリフィス57を通って送出口52よりパワーステアリング等の油圧機器に送り出される。エンジン回転数の上昇に応じて吐出ポート33、34に吐出される作動油の流量が増大すると、メータリングオリフィス57前後の差圧が増大し、この差圧の増大に応じてスプール弁54がスプリング56の付勢力に抗して摺動し、バイパス穴55を開口する。これによって、余剰の作動油がバイパス穴55より吸入側にバイパスされ、メータリングオリフィス57の前後差圧が一定に維持され、送出口52より油圧機器に送り出される作動油の流量が一定に制御される。
【0029】
すなわち、ポンプ回転数が比較的低い領域では、メータリングオリフィス57の前後差圧の増大に応じてスプール弁54がスプリング56の付勢力に抗して摺動されることにより、第1バイパス穴55aが開口される。従って、第1バイパス穴55aより余剰の作動油が、吸入通路45および第1分岐通路43を介して一方の吸入ポート31に吸入されるとともに、吸入通路45および第2分岐通路44を介して他方の吸入ポート32に吸入される。
【0030】
ポンプ回転数の上昇に応じて、第1バイパス穴55aより還流される余剰の作動油の流量が増加すると、第1バイパス穴55aより噴射される噴射方向(図3の矢印参照)の影響等によって、一対の吸入ポート31、32の圧力(吸入圧)に差が生ずる。すなわち、図6に示すように、一方の吸入ポート31に吸入される吸入圧に対し、他方の吸入ポート32に吸入される吸入圧が低くなる。そして、この傾向はオイルポンプの高回転域でより顕著となり、他方の吸入ポート32においては、高回転時に吸入圧不足からキャビテーションが発生する場合があり、騒音およびエロージョンの発生の原因となる。
【0031】
ところが、本実施の形態によれば、スプール弁54の摺動量が大きくなるオイルポンプの高回転域においては、第2バイパス穴55bも開口されるようになり、この第2バイパス穴55bより余剰の作動油の一部が、補助吸入通路58を介して他方の吸入ポート32に直接吸入される。これにより、他方の吸入ポート32には、第1バイパス穴55aに加えて第2バイパス穴55bからも作動油が吸入されるようになり、オイルポンプの高回転域での他方の吸入ポート32の吸入圧が、図6の破線で示すように上昇され、高回転域での圧力差がΔP0からΔP1に減少される。その結果、高回転域での吸入圧不足が緩和され、キャビテーションの発生が抑制される。しかも、吸入ポート31、32における圧力差の減少によって、ポンプ駆動軸21を支持する軸受に作用する径方向トルクも軽減できるようになる。
【0032】
上記した実施の形態によれば、流量制御弁51は、吐出ポート33、34に吐出された作動油の流量に応じて変位するスプール弁54により順次開口される第1バイパス穴55aおよび第2バイパス穴55bを備え、第1バイパス穴55aは、一対の吸入ポート31、32の一方および他方にそれぞれ接続され、第2バイパス穴55bは、一対の吸入ポート31、32の他方に補助吸入通路58を介して直接接続されている。従って、一対の吸入ポート31、32の他方には、第1バイパス穴55aに加えて第2バイパス穴55bより作動油が吸入されることになり、一対の吸入ポート31、32における吸入圧の差を減少でき、キャビテーションの発生を抑制することができる。特に、第2バイパス穴55bは、ポンプの高回転域で開口されるので、キャビテーションが発生しやすくなる高回転域での吸入圧不足を緩和することができる。
【0033】
なお、上記した実施の形態においては、ベーン式のオイルポンプを例に述べたが、本発明は、ベーンポンプに限定されることなく、径方向に対向する一対の吸入ポート31、32および一対の吐出ポート33、34ならびに流量制御弁51を備えた各種ポンプに適用可能である。
【0034】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係るオイルポンプは、吐出ポートに吐出された作動油の一部を流量制御弁によって吸入ポート側へ還流することにより、所定量の作動油を送り出すものに用いるのに適している。
【符号の説明】
【0036】
11、14…ハウジング、16…サイドプレート、17…カムリング、19…カム面、21…ポンプ駆動軸、23…ロータ、25…ベーン、27…ポンプ室、31、32…吸入ポート、33、34…吐出ポート、42…吐出通路、43、44…分岐通路、45…吸入通路、51…流量制御弁、54…スプール弁、55a…第1バイパス穴、55b…第2バイパス穴、58…補助吸入通路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入行程を行うポンプ室に対応して設けられ径方向に対向する一対の吸入ポートと、吐出行程を行うポンプ室に対応して設けられ径方向に対向する一対の吐出ポートと、前記吐出ポートに吐出された作動油の一部を前記吸入ポート側へ還流することにより所定量の作動油を送出口から送り出す流量制御弁を備えたオイルポンプにおいて、
前記流量制御弁は、前記吐出ポートに吐出された作動油の流量に応じて変位するスプール弁により順次開口される第1バイパス穴および第2バイパス穴を備え、前記第1バイパス穴は、前記一対の吸入ポートの一方および他方にそれぞれ接続され、前記第2バイパス穴は、前記一対の吸入ポートの他方に接続されていることを特徴とするオイルポンプ。
【請求項2】
請求項1において、前記第1バイパス穴は、ポンプの所定の回転域で開口され、前記第2バイパス穴は、前記所定の回転域より高い回転域で開口され、前記第2バイパス穴に接続された補助吸入通路を前記一対の吸入ポートの他方に直接接続したことを特徴とするオイルポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−2182(P2012−2182A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139561(P2010−139561)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】