説明

オキサゾラジンを含む一液型ガラスプライマー

基板を接着するための改良された、オープン時間の長い一液型プライマー組成物、接着方法及びそれから製造される物品。プライマー組成物は、オキサゾリジン環又はその誘導体若しくは類似体を含む成分を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本件は、仮特許出願第60/913,700号(2007年4月24日出願)の出願日の利益を請求する。この仮特許出願の内容全体を引用することによって本明細書中に組み入れる。
【0002】
発明の分野
本発明はプライマーに関し、そして、より詳細には、ガラスパネルを自動車車両に接着させるような、1種又はそれ以上のシーラントを非孔質基板に接着するプライマーに関する。
【背景技術】
【0003】
ガラス接着の分野において、ある範囲の条件下で使用できるプライマーが必要とされている。プライマーの望ましい機能の1つは、ガラスとシーラント(例えば接着剤)との頑強な接着を確実にするためにガラス表面を処理することである。1つの用途においては、接着剤又は他のシーラントは、プライマーの適用直後に適用されるであろう。他の用途においては、接着剤又はシーラントは、相当期間の経過後に適用される。これらの用途のいずれにおいても、接着剤又はシーラントの適用時点でプライマーが機能できることが重要である。プライマーの有効機能寿命はそのオープンタイム(open time)と称するのが一般的である。これは一般に、プライマーの適用と接着剤又は他のジーラントをプライマー上にもはや適用できなくなり且つ接着に最適に使用できなくなる時点との間の時間を意味する。即ち、自動車車両へのガラスの装着を含む用途の場合には、プライマーが過度に速く硬化し且つ処理するものに対して扱いにくくなるならば、窓の装着者は、ガラスを車両フレームに装着し且つ正確に配置するのに充分な時間がない。このようなガラス接着の目的では(特に自動車用途の場合には)、一般に、最適の接着には、接着剤又は他のシーラントのプライマーに対する破壊モードが主に凝集破壊である、より具体的には実質的に完全に凝集破壊であることが必要である。
【0004】
この分野におけるプライマー材料を扱っている文献からの例としては、特許文献1〜12が挙げられ、これらを全て引用することによって特別に本明細書中に組み入れる。2液型プライマー(two component primer)を使用することができ、その多くは短いオープンタイム特性及び長いオーブタイム特性の両方を示すことが知られている。しかし、二液型プライマーは、一般に、追加の労力及び取扱い工程を必要とする。
【0005】
特許文献13(引用することによって本明細書中に組み入れる)は、少なくとも1つのオキサゾリジン部分を含む化合物を使用できる、ポリウレタンプレポリマー一液型接着剤組成物を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開公報第20010041782A1号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開公報第20030100676A1号明細書
【特許文献3】米国特許第5,010,202号
【特許文献4】米国特許第4,874,805号
【特許文献5】米国特許第4,396,681号
【特許文献6】米国特許第4,367,313号
【特許文献7】米国特許第6,875,470号
【特許文献8】欧州特許第1217049A1号
【特許文献9】特開2003−336008号公報
【特許文献10】特開2003−128988号公報
【特許文献11】特開2002−309182号公報
【特許文献12】特開2002−309163号公報
【特許文献13】米国特許第6,133,398号
【発明の概要】
【0007】
本発明は、一般的には、(a)二級アミノシランのアミノ基と部分的に反応した、脂肪族ポリイソシアネートとポリオールとの反応から得られたイソシアネート官能性プレポリマー(プレポリマー(a))(前記アミノシランは珪素に結合した2若しくは3個のメトキシ基、珪素に結合した2若しくは3個のエトキシ基又はそれらの組合せを含む);(b)芳香族ポリイソシアネートとMn>300のポリオールとの反応生成物(例えば、芳香族ジイソシアネートとポリエーテルトリオールとの反応生成物)である、イソシアネート含量が約1%より多いイソシアネート官能性プレポリマー(プレポリマー(b))を含むベースプライマー組成物(好ましくは揮発性溶剤中に分散又は溶解された)と、オキサゾリジン環又はその誘導体若しくは類似体を含む成分を含んでなる、プライマーが少なくとも約1週間、より好ましくは少なくとも約1ヶ月、更に好ましくは少なくとも約3ヶ月若しくはそれ以上のオープンタイムを示す、オープンタイムの長い一液型プライマー組成物に関する。
【0008】
前記プライマー組成物はまた、(1)(i)脂肪族イソシアネートと(ii)メルカプトシラン、アミノ−シラン(例えば二級アミノシラン)又は両者(例えば、特に、Si原子に結合した2又は3個のメトキシ及び/又はエトキシ基を有するシラン)の第1付加物;又は(2)接着促進剤、例えば(i)芳香族ポリイソシアネートと(ii)メルカプトシラン、アミノ−シラン(例えば二級アミノシラン)又は両者(例えば、特に、Si原子に結合した2又は3個のメトキシ及び/又はエトキシ基を有するシラン)の第2付加物を含むものの1つ又は組合せを含むことができる。例えば、接着促進剤に用いるのに可能な芳香族ポリイソシアネートとしては、チオホスフェート、ホスフェート若しくはチオホスファン部分又はそれらの任意の組合せが挙げられる。具体的には、芳香族ポリイソシアネートはトリス−(イソシアナトフェニル)チオホスフェートであることができる。
【0009】
この組成物は更に着色剤又は顔料(例えばカーボンブラック)を含むことができる。成分は適当な溶剤中に分散及び/又は溶解させ、場合によっては適当な触媒を含むことができる。
【0010】
オキサゾリジン環又はそれらの誘導体若しくは類似体を含む成分としてはビスオキサゾリジンが挙げられ、それは全組成物の約2〜約8重量%の量で存在する。例えば、その成分はカルバミン酸、1,6−ヘキサンジイルビス−,ビス(2−(2−メチルエチル)−3−オキサゾリジニル)エチル)エステルを含み、全組成物の約4〜約6重量%の量で存在する。
【0011】
組成物は第2付加物を全組成物の約0〜約20重量、例えば約2〜約10重量%、又は更に具体的には、約4〜約6重量%の範囲の量で使用することが可能である。組成物は更に、全組成物の約10重量%未満の量の(メタ)アクリルフィルム形成剤;充填剤;マロン酸ジエチルのような安定剤;又は燐酸のような酸の種々の任意の組合せを含むことができる。
【0012】
本発明はまた、プライマー組成物を第1基板(substrate)に適用し;少なくとも約20秒、1分、3分若しくはそれ以上待ち;前記プライマー組成物上に接着剤を適用し且つ第2の基板を接着剤に接着させる工程を含む、本発明の組成物の使用方法も意図する。例えば、車両構造へのガラスパネルの接着方法は、(a)本明細書中に記載したプライマーを、実質的にガラスパネルの一面の周辺部に沿って適用し;(b)プライマー組成物上に接着剤のビードを載せ;そして(c)ガラスパネルを受けるための開口部を規定する車両構造と前記接着剤を接触させることによって前記ガラスパネルを装着する工程を含むことができる。工程(a)と工程(b)とは、室温で20秒より長く且つ3ヶ月より短い期間;室温で1日より長い期間;又は更には室温で1週間若しくは更には1ヶ月より長い期間隔てることができる。本発明はまた、本明細書中に記載したプライマーの得られる接着構造又は本明細書中に記載したプライマーを含む他の接着構造も意図する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
特に断らない限り(例えば重量比のように)本明細書中で使用する全ての重量部は列挙した組成物の100重量部に基づく。得られる組成物の場合には、これは、重量が得られる全組成物100重量部に基づくことを意味する。本明細書中に列挙した量の濃縮物又は稀釈物を使用できることがわかるであろう。一般に、列挙した成分の相対比率は同じままであろう。従って、一例として、教示によってコンポーネントA 30重量部及びコンポーネントB 10重量部が指示されるならば、当業者は、このような教示がコンポーネントA及びコンポーネントBの相対比3:1での使用の教示となることもわかるであろう。
【0014】
一態様において、本発明は、(a)二級アミノシランのアミノ基と部分的に反応した、脂肪族ポリイソシアネートとポリオールとの反応から得られたイソシアネート官能性プレポリマー(プレポリマー(a))(前記アミノシランは珪素に結合した2若しくは3個のメトキシ基、珪素に結合した2若しくは3個のエトキシ基又はそれらの組合せを含む);(b)イソシアネート含量が約1%より多いイソシアネート官能性プレポリマー(プレポリマー(b));並びに(c)成分(a)及び(b)のための少なくとも1種の溶剤を含むベースプライマー組成物と、オキサゾリジン環又はその誘導体若しくは類似体を含む成分に関する。
【0015】
別の態様において、本発明は、前記ベースプライマー組成物を、オキサゾリジン環又はその誘導体若しくは類似体を含む成分;(i)脂肪族イソシアネートと(ii)メルカプトシラン、アミノ−シラン(例えば二級アミノシラン)又は両者(例えば、特に、Si原子に結合した2又は3個のメトキシ及び/又はエトキシ基を有するシラン)の第1付加物;並びに(i)芳香族イソシアネートと(ii)メルカプトシラン、アミノ−シラン(例えば二級アミノシラン)又は両者(例えば、特に、Si原子に結合した2又は3個のメトキシ及び/又はエトキシ基を有するシラン)の第2付加物を含む接着促進剤と共に含む、改良された、オープンタイムが長い一液型プライマー組成物を提供する。望ましくは、この組成物は更に、着色剤又は顔料(例えばカーボンブラック)及び溶剤を含む。1つのアプローチにおいては、材料の前記組合せを、珪素を含む少なくとも1種のイソシアネートプレポリマー(例えばアミン官能性シランで少なくとも部分的にシリル化されている)を含むベースプライマー組成物に使用する。
【0016】
本発明のオキサゾリジン環又はその誘導体若しくは類似体を含む成分は任意の適当な成分であることができ、望ましくは、水分への暴露時に加水分解して、存在するイソシアネートと反応する反応性ヒドロキシル及びアミン官能基を生成するものであることができる。1つの具体的な例示において、その成分はビスオキサゾリジンを含む。しかし、イソオキサゾリジンを含むことも可能である。更に、オキサゾリジノン部分、オキサゾリジンジオン部分又はその組合せを含むもののようなオキサゾリジン類の誘導体又は類似体を使用できる。本発明の特定の態様において、好ましいアゾールは、少なくとも2、より具体的には4の官能価を有するビスオキサゾリジンに基づく。望ましくは、この成分は約50℃、例えば約60℃又は更には75℃若しくはそれ以上の引火点を有し、更には約80又はそれ以上のNH/OH当量を有することができる。例えば、この成分はウレタンビスオキサゾリジンに基づく脂肪族ポリアミノアルコールであることが可能である。オキサゾリドン含有化合物の例は、カルバミン酸、1,6−ヘキサンジイルビス−,ビス(2−(2−メチルエチル)−3−オキサゾリジニル)エチル)エステルである。本発明において有用な市販成分の例としては、Industrial Copolymers Ltd.から入手可能なIncozol 4若しくはIncozol LV、又はBayer MaterialScienceから入手可能なHardener OZが挙げられる。オキサゾリジン環又はその誘導体若しくは類似体を含む成分は一般に全組成物の約1〜約10重量%、より詳細には全組成物の約2〜約8重量%、更に詳細には約4〜約6重量%の範囲の量で存在する。場合によっては、オキサゾリジン環又はその誘導体若しくは類似体を含む成分は、被覆又は封入粒子又は液体粒子として、例えば米国特許第6,133,398号(引用することによって本明細書中に組み入れる)の教示に従って提供する。
【0017】
イソシアネート含量が約1%より多いイソシアネート官能性プレポリマー(b)は一般に、約2より多い官能価及び約300より大きい分子量(Mn)を有するポリオールとイソシアネート、より具体的には芳香族ポリイソシアネートとの反応生成物である。1つの具体的態様において、好ましいイソシアネートはジイソシアネート、例えば少なくとも2の官能価を有するジイソシアネート(例えば三官能価ジイソシアネート)である。例えば、このジイソシアネートは、TDI、MDI又はそれらの組合せから選ばれたもののような芳香族ジイソシアネートであることができる。具体的な好ましいイソシアネートには、MDI又はそのプレポリマー、例えば約97%の4,4’−ジフェニル−メタンジイソシアネート及び3%の2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを含むものがある。このようなイソシアネートの市販の例は、The Dow Chemical Companyを通して入手可能なIsonate(登録商標)M215 MDIである。他のポリオールも選択できるが、特定の好ましいポリオールはトリオール、詳細には少なくとも約200のヒドロキシル価を有するものである。このようなポリオールの一例は、The Dow Chemical CompanyからVORANOL(登録商標)CP260の名称で入手できる。
【0018】
第1付加物は典型的には、(i)脂肪族イソシアネートと(ii)メルカプトシラン、アミノ−シラン(例えば二級アミノシラン)又は両者(例えば、特に、Si原子に結合した2又は3個のメトキシ及び/又はエトキシ基を有するシラン)の反応生成物である。具体的な好ましいジイソシアネートは、脂肪族イソシアネート、特に三官能価脂肪族ポリイソシアネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)に基づくもの(その一例は、Bayer MaterialScienceから商品名Desmodur(登録商標)N100として市販されている)である。他のメルカプトシラン類も選択できるが、特定の好ましいメルカプトシランはメルカプトプロピルトリメトキシシラン(例えば、DegussaからDynasilan(登録商標)MTMOとして又はGeneral ElectricからSilquest(登録商標)A−189として市販されているもの)であろう。メルカプトシランの分子量は望ましくは約2000未満、より具体的には約900未満、更に具体的には約500未満(例えば約200又は更には約80)である。第3のプレポリマーが存在する場合には、それは一般に全組成物の約0〜約20重量%、より詳しくは約1〜約10重量%、更に詳しくは約2〜約4重量%の範囲の量で存在するであろう。
【0019】
第2付加物は典型的には接着促進剤として作用する。この接着促進剤は一般に、有機官能性シランとイソシアネートとの反応生成物である。より具体的には、これから触れるように、この接着促進剤は、より詳細には燐を含む少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネートを含む接着促進剤を使用する。
【0020】
一実施態様において、第2付加物の一成分はアミノ−シラン、より詳細には二級アミノ−シランを含むことができる。1つの魅力的なシランは、3個のメトキシ基がシランシランのそれぞれに結合した少なくとも2つのシリル基、ヒンダード二級アミノ基又はそれらの任意の組合せを含む。このような市販アミノ−シランの一例は、GE Advanced Materials−Silicones製のSilquest A−1170のようなビス−(トリメトキシシリルプロピル)−アミンである。本発明において使用するのに適当なシラン材料についての更なる情報は、米国特許第4,374,237号に記載されており、この特許を引用することによって本明細書中に組み入れる。単独の又はビス−(トリメトキシシリルプロピル)−アミンと組合せるシラン類の他の例としては、ヒドロキシ官能基、メルカプト官能基又は両者を有するシラン類、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリスメトキシ−エトキシエトキシシラン、3−アミノプロピル−メチル−ジエトキシシラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピル−メチル−ジメトキシシラン、(N−シクロヘキシルアミノメチ)メチルジ−エトキシシラン、(N−シクロヘキシルアミノメチル)トリエトキシシラン、(N−フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、(N−フェニルアミノメチル)トリメトキシシラン、N−エチル−アミノイソブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン又はそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0021】
第2付加物は、また、その成分の1つとして芳香族イソシアンネート、詳細には三官能価イソシアネートを含む。特定の好ましい実施態様において、それは燐を含む少なくとも1種のイソシアネートを含む。このようなイソシアネートの一例は一般に米国特許第6,974,500号(引用することによって本明細書中に組み入れる)に記載されており、下記式1:
【0022】
【化1】

【0023】
で表される。
【0024】
1つの可能なイソシアネートは、トリス(p−イソシアナト)チオホスファンである。特に好ましいイソシアネートは、イソシアネート基を有するチオホスフェート、例えば、商品名DESMODUR RFEとして販売されている、Bayer Corporation(Pittsburgh,Pa)から商業的に入手可能なトリス(p−イソシアナト−フェニル)−チオホスフェートの酢酸エチル中溶液である。単独で又はトリス(p−イソシアナト−フェニル)−チオホスフェートと組合せて使用できる可能なイソシアネートの他の例には、芳香族又は脂肪族であることができる三官能価イソシアネート(例えばHDIに基づく、場合によってはイソシアネート含量が約15〜約25%である脂肪族ポリイソシアネート)がある。適当な三官能価イソシアネートの例としては、Desmodur N100、Desmodur N3300又はTolonate HDTの名称で市販されているものが挙げられる。
【0025】
一般に、第2付加物は、シランとイソシアネートとを、特にシラン(例えばアミノ−シラン、メルカプトシラン又はそれらの組合せ)約1〜約3モルに対してイソシアネート約1モルの量で、より具体的にはシラン(例えばアミノ−シラン、メルカプトシラン又はそれらの組合せ)約2.3モルに対してイソシアネート約1モルの量で混合することによって製造する。
【0026】
第2付加物を製造するための1つの特定のアプローチは、約2より多い官能価を有する芳香族ポリイソシアネートを、珪素に結合した複数のアルコキシ(例えば珪素に結合した2若しくは3個のメトキシ基、珪素に結合した2若しくは3個のエトキシ基、それらの組合せなど)を含むシラン(例えばアミノ−シラン(例えば二級アミノ官能性シラン)、メルカプトシラン又はそれらの組合せ)と少なくとも部分的に反応させることである。
【0027】
一般に、本発明の組成物は、前記成分と、少なくとも1種のポリイソシアネートと少なくとも1種のポリオールとの反応によって得られる第1ポリマー(a)、詳細には遊離イソシアネート分を有するものを少なくとも含むベースプライマーとの組合せに基づく。より詳細な態様においては、ベースプライマーは、脂肪族イソシアネートとポリオールとの反応によって得られるイソシアネート官能性プレポリマーを含む。1つの極めて具体的な実施態様において、ベースプライマーは、脂肪族ポリイソシアネートとポリオールとの反応によって得られる、シラン[特に、珪素に結合した複数のアルコキシ基(例えば珪素に結合した2若しくは3個のメトキシ基、珪素に結合した2若しくは3個のエトキシ基、それらの組合せなど)を含むアミノシラン(例えば二級アミノシラン)]のアミノ基と少なくとも部分的に反応しているイソシアネート官能性プレポリマー;及び本明細書中に記載した第2プレポリマー(b)並びに前記2種のプレポリマーのための少なくとも1種の溶剤を含む。本明細書の教示に従って使用できる市販プライマーの一例としては、Betaprime(登録商標)5500が挙げられるが、これに限定するものではない。
【0028】
理論によって拘束するつもりはないが、本発明の組成物は、分子の少なくとも一部分が珪素を含み(例えばそれがシラン化されている)且つ分子の一部分がベースプライマーと、例えばベースプライマーの及び脂肪族イソシアネートプレポリマーと芳香族イソシアネートプレポリマーの組合せの分子網状構造によって結合できる官能基、例えばイソシアネート官能基を含む特定の分子構造を有利に利用すると考えられる。このようなプレポリマーはベースプライマー組成物の一部であることができる。
【0029】
本発明において有用なイソシアネートは、ジイソシアネート、トリイソシアネート又はそれらの任意の組合せから選ぶことができる。適当なイソシアネートとしては、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、複素環式、芳香族イソシアネート又はそれらの任意の組合せが挙げられる。詳細な例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジフェニル4,4’−ジイソシアネート(MDI)又はそれらの任意の組合せから選ばれたイソシアネート、更に詳細には、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジフェニル4,4’−ジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)又はそれらの任意の組合せから選ばれたイソシアネートが挙げられる。前述のように、ここに記載した任意のイソシアネートのポリマー誘導体も考えられる。
【0030】
好ましくは、使用するポリイソシアネートは、少なくとも約2.0の平均イソシアネート官能価及び少なくとも約80の当量を有する。好ましくは、ポリイソシアネートのポリイソシアネート官能価は少なくとも約2.0、より好ましくは少なくとも約2.2、最も好ましくは少なくとも2.4であって、且つ好ましくは約4.0以下、より好ましくは約3.5以下、最も好ましくは約3.0以下である。これより高い官能価も使用できるが、過剰な架橋を引き起こして、粘稠過ぎて容易に取り扱い及び適用ができない接着剤を生じる恐れがあり、更に、硬化プライマーを過度に脆くさせる可能性がある。好ましくは、ポリイソシアネートの当量は少なくとも約100、より好ましくは少なくとも約110、最も好ましくは少なくとも約120であって、且つ好ましくは約300以下、より好ましくは約250以下、最も好ましくは約200以下である。
【0031】
イソシアネート反応性化合物の例は、少なくとも2つのイソシアネート反応性部分を有する有機化合物、例えば活性水素部分を含む化合物又はイミノ官能性化合物であることができる。本発明においては、「活性水素」含有部分は、分子中のその位置のために、Wohlerによってthe Journal of American Chemical Society,Vol.49,p.3181(1927)に記載されたZerewitnoff試験によって著しい活性を示す水素原子を含む部分を意味する。このような活性水素部分の実例は、−COOH−、−OH、―NH2、−NH−、−CONH2、−SH及び−CONH−である。好ましい活性水素含有化合物としては、ポリオール、ポリアミン、ポリメルカプタン及び多酸が挙げられる。
【0032】
適当なポリオールとしては、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリオール、ヒドロキシル含有ポリチオエーテル、ポリマーポリオール及びそれらの混合物が挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、例えばポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン及び/又はポリテトラメチレンエーテルに基づく1種又はそれ以上のジオール、トリオール又はテトロールが挙げられる。一般に、ポリエーテルポリオールは、活性水素含有開始化合物の存在下でアルキレンオキシドを重合させることによって製造する。しかし、最も好ましいのはアルキレンオキシドでキャップされたポリオールである。
【0033】
好ましくは、イソシアネート反応性化合物は少なくとも約1.5、より好ましくは少なくとも約1.8、最も好ましくは少なくとも約2.0で且つ好ましくは約4.0以下、より好ましくは約3.5以下、最も好ましくは約3.0以下の官能価を有する。好ましくは、イソシアネート反応性化合物の当量は少なくとも約200、より好ましくは少なくとも約500、より好ましくは少なくとも約1,000であって且つ好ましくは約5,000以下、より好ましくは約3,000以下、最も好ましくは約2,500以下である。1つの特定の例は、約100〜約1500、より具体的には約300〜約1000の当量を有するポリオールイソシアネート反応性化合物を使用する。
【0034】
イソシアネート及びイソシアネート反応性化合物は、適当な触媒の存在下に反応させることができる。ここで使用する触媒は、例えば第一錫又は第二錫化合物のような金属錯体を含むことができる。例としては、カルボン酸の第一錫塩(例えばオクタン酸第一錫、オレイン酸第一錫、酢酸第一錫及びラウリン酸第一錫)、トリアルキル錫オキシド、ジアルキル錫ジカルボキシレート(例えばジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジエチル錫ジアセテート及びジヘキシル錫ジアセテート)、ジアルキル錫ジハライド、又はジアルキル錫オキシド、例えばジ−2−エチルヘキシル錫オキシド若しくはジオクチル錫ジオキシド、第三アミン、又は錫メルカプチドが挙げられる。他の触媒も使用できる。例えば、第三アミン触媒としては、トリアルキルアミン(例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン)、複素環式アミン、例えばN−アルキルモルホリン(例えばN−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ジメチルジアミノジエチルエセル(ethel)など)、1,4−ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミンなどが挙げられる。脂肪族ポリアミン、例えばN,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミンも触媒として使用できる。極めて好ましい触媒はジブチル錫化合物を含み、より具体的にはそれはジブチル錫ジラウレートを含むか又は本質的にジブチル錫ジラウレートからなる。しかし、1つの特定の実施態様においては、使用する触媒は、カルボン酸錫、有機珪素チタネート、チタン酸アルキル、カルボン酸ビスマス又はエーテル、例えばジモルホリノジエチルエーテル(DMDEE)若しくはアルキル置換ジモルホリノジエチルエーテルであろう。好ましい触媒には、ジモルホリノジエチルエーテル及び(ジ(2−(3,5−ジメチルモルホリノ)エチル))エーテルがある。このような触媒を使用する(単独で又は組合せて)場合には、これらは好ましくは全組成物の約1重量%以下、より具体的には全組成物の約0.8重量%未満(例えば約0.1〜約0.8重量%、より詳細には約0.3〜約0.5重量%)の量で使用する。本発明の一態様において、使用する触媒はビスマスを含まないであろう。
【0035】
イソシアネートとイソシアネート反応性化合物はまた、ベースプライマー中に珪素を導入するのに適当なシラン(例えばアミノシラン)の存在下で反応させることもできる。
【0036】
ここで得られる組成物は、1種又はそれ以上の他の成分、例えば溶剤、安定剤、フィルム形成剤、着色剤又は顔料(例えばカーボンブラック、例えばRaven 420)、充填剤、紫外線保護剤又はそれらの任意の組合せを含むことができる。
【0037】
プライマー組成物の溶剤コンポーネントは揮発性であり、好ましくは約−10℃〜約100℃、より好ましくは約0〜約40℃の範囲の温度で樹脂を溶解させる溶剤である。溶剤は好ましくは、イソシアネート基が水と過度に速く反応するのを防ぐのを助けるように無水である。このような溶剤の例としては、キシレン、エチルベンゼン、トルエン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、ブトキシル、2−ブトキシエタノール、3−メトキシブチルアセテート,NMP,n−ヘプタン、石油又はそれらの任意の組合せが挙げられ、このような溶剤は好ましくはブトキシル、メチルエチルケトン、酢酸エチル又はそれらの混合物である。溶剤は、得られる組成物又は中間体組成物の残りを構成し、好ましくは、全プライマー組成物の重量に基づき、少なくとも約40%、より好ましくは少なくとも約50%、最も好ましくは少なくとも約60%であって且つ約90%以下、より好ましくは約85%以下、最も好ましくは約80%以下の量で使用する。
【0038】
一実施態様においては、(メタ)アクリルフィルム形成樹脂を使用できることが更に考えられる。適当なフィルム形成樹脂としてはポリアクリレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂(カルボン酸とグリコールとのポリマー)、ポリエステルコポリマー、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ゴム、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリアクリレートコポリマー又はそれらの任意の組合せが挙げられる。フィルム形成樹脂は好ましくは、組成物に使用する任意の溶剤中に可溶である。好ましい一実施態様において、フィルム形成樹脂は好ましくは約3,000より大きい、より好ましくは約5,000より大きい分子量を有する。フィルム形成樹脂は好ましくは約50,000未満、より好ましくは約30,000未満の分子量を有する。具体的なフィルム形成樹脂の1つはポリ(メタ)アクリレート樹脂である。1種の特定の好ましいフィルム形成樹脂の一例は、Rohm and Haas CompanyからParaloid(登録商標)B48Nとして溶液の形態で市販されている、ヒドロキシル当量が約2,000のアクリルコポリマーである。フィルム形成樹脂は任意の適当な量で存在できる。例えばフィルム形成樹脂は、プライマー組成物の重量に基づき、約0.1重量部、約1重量部又は更には約5重量部若しくはそれ以上の量で存在できる。使用する場合には、フィルム形成樹脂の濃度は好ましくは全組成物の約10重量部未満、より好ましくは約5重量部未満、更に好ましくは約2重量部未満(例えば約0.5重量部以下)である。
【0039】
ポリマー及びポリウレタンプライマー中に一般的に使用される充填剤を本発明の組成物中に使用できる。適当な充填剤は二酸化チタン、炭酸カルシウム、表面処理シリカ、マイカ、ヒュームド・シリカ、タルク又はそれらの任意の組合せから選ばれることができる。使用する場合には、充填剤の濃度は一般に全組成物の約40重量%未満、より具体的には約5〜約20重量%、例えば約7〜約15重量%である。
【0040】
触媒、開始剤、硬化剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、チキソトロープ又はそれらの任意の組合せのような(これらに限定するものではないが)他の成分も使用できる。添加剤の実例は、米国特許第6,133,398号(引用することによって本明細書中に組み入れる)に記載されているが、これらに限定するものではない。
【0041】
1つの特定の好ましい組成物は、ベースプライマー組成物及びオキサゾリジン環又はその誘導体若しくは類似体を含む成分を含み、更に具体的には安定剤(例えばマロン酸ジエチル)、酸(例えば燐酸)又は両者を含むことができる。
【0042】
一例として、本発明のプライマー組成物成分の濃度を更に記載する。例えばベースプライマーは約20〜約90重量%、より具体的には約30〜約60重量%(例えば約40〜約45重量%)の量で存在できる。第1付加物が存在する場合には、それは約20重量%以下、より具体的には約10重量%以下(例えば約2〜約4重量%)の量で存在する。第2付加物が存在する場合には、それは約20重量%以下、より具体的には約2〜約10重量%(例えば約4〜約6重量%)の量で存在する。イソシアネート含量が約1%より多いイソシアネート官能性プレポリマーが存在する場合には、それは約50重量%以下、より具体的には約5〜約30重量%(例えば約15〜約20重量%)の量で存在する。具体的な組成物の1つは、触媒(例えばDMDEE)を約0.8重量%以下、より具体的には約0.1〜約0.5重量%以下、更に具体的には約0.13〜約0.3重量%の量で含むことができる。顔料又は着色剤(例えばカーボンブラック)を使用する用途の場合には、それは約40重量%、より具体的には約5〜約20重量%、更に好ましくは約7〜約15重量%の量で使用できる。組成物は、また、約0.1〜約0.5重量%のマロン酸ジエチル(例えば約0.25%)及び約0.01〜約0.05重量%の燐酸(例えば約0.03重量%)を含むことができる。
【0043】
当業者は、ここに記載した成分の製造方法を熟知しているであろう。一般的には米国特許第6,133,398号(引用することによって本明細書中に組み入れる)を参照されたい。一般に、組成物及びそれらの各反応生成物成分は、塊状重合及び溶液重合のような任意の適当な方法によって製造できる。反応工程及びまた好ましくは全コンポーネント(component)と前記成分(ingredient)の1種又はそれ以上とを混合する1つ又はそれ以上の工程は無水条件下で、好ましくは窒素ブランケットのような不活性雰囲気下で実施して、大気中水分によるイソシアネート基の架橋を防ぐのを助ける。
【0044】
本発明のプライマー組成物は、任意の多くの用途で使用できる。1つの特定のアプローチは、技術開示された方法を用いてプライマー組成物を(例えば一液型組成物として)、自動車車両のフロントガラス、バックライト、サイドウィンドウ、サン/ムーンルーフ、建物の窓、天窓、丸窓、ドア開口部、ディスプレイケース、レンズなどに使用する基板に適用することである。別の有用な用途は、ラベル、パッケージ、容器(例えば飲料用ボトル)の印刷などである。好ましい用途は、実質的に透明なパネルアセンブリを製造するために本発明のプライマー組成物を使用することである。ここに記載したアセンブリは、構造物への一時的又は永久的取り付けに適することができる。これらのアセンブリは、開閉又は別の方法での移動(translating)(例えば摺動、関節式連結、旋回運動、折り畳み又はそれらの任意の組合せによる)に適することができる。従って、これらのアセンブリは、自動車車両のバックライト、サイドウィンドウ、サン/ムーンルーフ、建物の窓、天窓、丸窓、ドア開口部、ディスプレイケースなどのような1つ又はそれ以上の用途に使用できる。本明細書中に記載した組成物及び方法はまた、予め適用された接着剤系と併用する場合に特に有用である。
【0045】
典型的には、基板は実質的に平らであるか又は造形されている(例えば曲面を規定するために)。これらの基板は一般に、少なくとも1つの表面から、特に両対向面から表面の面積の少なくとも約25%超、より具体的には少なくとも大部分(例えば表面の面積の少なくとも約60%、75%又は更には90%)が透けて見えるパネルである。ここに記載する基板は一般に、実質的に非晶質の材料、特に非晶質セラミック(例えばガラス)、プラスチック又はそれらの組合せから製造する。限定的なものではないが、適当な基板材料の例としては、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ビニル樹脂(例えばポリ塩化ビニル)、ポリエステル(例えば配向ポリエステル)、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリアミド、ガラス、それらの任意の組合せ(例えば合わせガラス)などが挙げられる。1つの特定の例においては、基板は、ガラス、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート又はそれらの任意の組合せから選ばれた材料を含むか又はそのような材料から本質的になる。基板は積層、淡い色又はそれらの任意の組合せを有することができる。基板はまた、反応射出成形プラスチックであることもできる。パネルを封入する反応射出成形品を含むアセンブリ、例えば実質的に透明なパネルは本明細書中の開示に従って接着できる。封入パネルの製造の可能なアプローチの一例は、米国特許出願第60/870,643号(発明の名称:”ENCAPSULATED PANEL ASSEMBLIES AND METHODS FOR MAKING SAME”;引用することによって本明細書中に組み入れる)に開示されている。本発明の組成物は、また、ピンチ溶接アセンブリの表面の接着にも使用できる。
【0046】
一部の用途は基板の実質的に全表面に本発明の被覆組成物を適用することを必要とする場合があるが、通常はこの被覆組成物は、所定のパターンに従って(例えば、実質的に基板の端部に沿って、基板の周辺部近くに、又はその他のパターンで)選択的に基板に適用する。例えば1つのアプローチは、基板の端部から中心部に向かって内向きに約2、5、8又は更には12cm若しくはそれ以上の幅で被覆を適用することである。また、幅、高さ、長さ又は他の寸法が一定の又は変動するセグメントを含む1つ又はそれ以上の直線、曲線、点又は他の幾何学的形状を規定するために被覆組成物を適用することができる可能性もある。
【0047】
種々の技術開示されたパターンのいずれかを適用できる。プライマー組成物は、任意の技術開示された手段を用いて、例えばブラシ、ローラー、表面への噴霧、インクジェット印刷、スクリーン印刷などによって基板(例えばガラス又は被覆プラスチック)に適用することができる。このプライマー組成物は技術開示されたロボット適用装置(例えば、少なくとも2つの運動軸を有するもの)を用いて適用することができる。プライマー組成物は、基板表面に適用後、重合条件に暴露する。
【0048】
ここに記載した基板は、典型的には、組成物が適用される少なくとも1つの表面を含む。その表面は場合によっては、基板への被覆の接着強度を改善するために、例えばプライマー、溶射、コロナ処理、プラズマ処理又はいくつかの他の表面処理によって処理することができる。しかし、1つの具体例においては、外表面は実質的に表面処理を行わない。従って、適用時に、被覆組成物は基板と直接密着し、特に中間界面層が実質的に存在しない場合にはそうである。言うまでもなく、組成物を基板に適用した後に、組成物及び基板の一方又は両方の一部又は全ての上に更なる層を(例えば、保護上塗層を得るためのシリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタンなどを)適用することも可能である。また、本発明の被覆組成物を無機又は有機フリット(例えば、Baikerikarらによって2006年6月20日に出願された同時係属出願第11/472,119号(2005年6月20日に出願された第60/692,318号について優先権を主張)(引用することによって本明細書中に組み入れる)に教示された型のフリット)の真上、真下及び/又は近傍に使用できる可能性もある。
【0049】
適用時には、本発明の組成物は一般に約250ミクロン以下又はそれ以上の厚さを有する。より一般的には、この厚さは約150ミクロン未満、約100ミクロン未満又は更には約50ミクロン未満(例えば約10〜約30ミクロン若しくはそれ以下)である。
【0050】
本発明のプライマー組成物と併用するのに適当な接着剤又はシーラントの例としては、一液型又は二液型ウレタン組成物が挙げられるがこれらに限定するものではなく、この一液型又は二液型ウレタン組成物は湿分硬化性であることができる。特に好ましいウレタン樹脂は、MDI、HMDI又はそれらの組合せに基づく。市販の接着剤の例としては、The Dow Chemical CompanyからBETASEAL(登録商標)の名称で入手できるもの、例えば銘柄番号1759、1841、1843、1965、2002又は2002 LVRPの1種又はそれ以上が挙げられるが、これらに限定するものではない。他の適当な市販例としては、The Dow Chemical CompanyからBETASEAL(登録商標)の名称で入手できるもの(例えば、銘柄番号15−625、15−685、15−845など)が挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0051】
本発明はまた、接着剤又はシーラント組成物及び1種又はそれ以上のプライマー組成物を含むキットも意図する。例えば、このようなキットは、接着剤又はシーラント組成物(例えば一液型ウレタン又は二液型ウレタン接着剤)を含む又は含まない本発明に係る1種又はそれ以上のプライマー組成物を含むであろう。このキットはまた、1種又はそれ以上のクリーナー、アプリケーター、テープ、ツール又はそれらの任意の組合せを含むこともできる。ここに記載した組成物はカートリッジ、ホイルパック又は両者で提供できる。
【0052】
ここに記載した組成物は概して硬質で耐摩耗性の塗膜を形成する。また、これらの組成物は、優れた接着性能及び耐候性を示すと予想される。本明細書中の教示に従って新たに製造した、得られるプライマー材料は、また、良好な貯蔵安定性を有すると予想される。
【0053】
本発明の組成物は、接着剤又は他のシーラントを後から適用する基板の下塗に有用である。従って、1つの態様は、基板と本明細書中に記載した組成物とを接触させることを意図する。より具体的には、本発明の組成物は、(a)本発明のプライマー組成物を、実質的にガラスパネル(例えば窓)の一面の周辺部に沿って適用し(例えば、スワッビング(swabbing)、はけ塗り、噴霧、浸漬、ワイピングなどによって);(b)前記プライマー組成物上に接着剤のビードを載せ;そして(c)ガラスパネルを配置する開口部を規定する車両構造とシーラント(例えば接着剤)を接触させ且つ前記接着剤及びプライマー組成物を硬化させることによって前記ガラスパネルを装着する工程を含む、自動車車両のような車両の構造へのガラスパネルの固定方法において有用である。ここに記載したプライマーは、基板上に適用するか又は他の方法で基板と接触させ且つ後からシーラント(例えば接着剤)を被覆するためのものである。使用できる基板には、ガラス(例えば板ガラス、ガラスフリット、被覆ガラス、淡彩ガラス、反射ガラス、強化ガラス、アニールガラス又はそれらの任意の組合せ)のような非孔質基板がある。エナメル、硬化ポリウレタン、ガラス封入材料、e−コート、ガルバニック亜鉛コート(galvanic zinc coat)、アルミニウム、スチール、ペイント、プラスチック、ハードコート有機透明板ガラス又はそれらの任意の組合せのような多数の他の基板のいずれかを使用できる。この組成物は、任意の適当な方法を用いて基板に適用できる。組成物を基板に適用する前に、基板は清浄、乾燥又は他の方法でプライマーのために表面を整える1つ又はそれ以上の工程を経ることができる。多数の接着剤又は他のシーラントのいずれかを使用できる。
【0054】
本発明は、前記工程(a)と前記工程(b)とを、室温で20秒より長く且つ約1年以下の期間(例えば最大で約3ヶ月又は更には6ヶ月)隔てることができる。より具体的には、本発明の1つの方法は、工程(a)の実施の少なくとも1分後、1時間後、1日後、1週間後又は更には1ヶ月後に工程(b)を実施するステップを意図する。工程(b)はまた、工程(a)の1分〜3ヶ月以内に又は工程(a)の1時間〜1ヶ月以内に実施することもできる。工程(a)と工程(b)との間の時間経過は、本発明のプライマーの得られる接着特性にそれほど影響を与えず、得られる接着層は、自然太陽光シミュレーター(例えば、キセノンアーク光源,例えばSAE J1885、ASTM D2565−99、SAE J1960又は別の適当な基準によってウェザロメーター試験(WOM)を用いることによる)下で少なくとも500、1000又は更には2000時間の促進暴露に依然として耐えることができる。このようなウェザロメーター試験の1つのアプローチは、ブラックエナメルを一面に有するガラス基板を提供することである。ここに記載したプライマーをエナメルに適用し、プライマー上にシーラントを適用する。次に、基板を一緒に接着し、シーラントの硬化のために熟成させる(例えば7日間)。
【0055】
更に、複数の官能性成分又は工程を単一成分又は工程に合することもできるし、或いは1つの工程又は成分の複数の機能又は構造を複数の工程又は成分の間に分割させることもできることがわかるであろう。例えば、前記は、複数の個別のプレポリマー又は他の成分の使用を意図することを理解すべきである。前記成分は同時に、連続して又はそれらの組合せで合することができる。従って、2種又はそれ以上のプレポリマー又は他の成分の組合せを、例えば、反応生成物を生成する反応が起こった後に2種又はそれ以上の成分の反応生成物を合することによって又は複数の前記成分の官能的特徴を使用する単一成分を用いることによって使用できる。別法として、成分の1つが果たす機能が複数の他の成分に分割されるか、又は他の複数の成分によって果たされるであろう。本発明はこれらの組合せの全てを意図する。特に断らない限り、ここに記載した種々の特徴の濃度及び量は、本発明を制限するものではなく、他も可能である。更に、本発明の特徴は例示した実施態様の1つのみとの関連で記載したかもしれないが、このような特徴は、任意の所定の用途のために他の実施態様の1つ又はそれ以上の他の特徴と組み合わせることができる。また、前記から、ここに記載した独特の構造体の組み立て及びその操作も本発明に係る方法を構成することがわかるであろう。
【0056】
本明細書中に記載した百分率は、限定を目的としない。列挙した量は、成分の一部又は全ての量の比例した量に換算できる、このような量も同様に意図する。例えば、組成物がA10重量%、B40重量%及びC50重量%を列挙する場合には、当業者は、A及びBが1:4の比で(例えば、A1部及びB4部)で存在すると考えられることがわかるであろう。或いは、B及びCは4:5の比(例えば、B4部及びC5部)で存在する。
【実施例】
【0057】
限定を目的としない以下の説明は、本発明の組成物及びそのいくつか好ましい実施態様を示す。示した値は概算値であり、本発明を限定するものと考えてはならない。プロセスパラメーターの変動も可能である。更に、示した予想される結果も同様に変動できる(例えば、記載した値の約+/−10%)。これらの説明のために、The Dow Chemical CompanyからBETASEAL(登録商標)銘柄として市販されている種々のポリウレタンシーラントを試験する。表Iにおいて、BETASEAL(登録商標)1759、1841、NC−1及び1843の銘柄をそれぞれシーラント1、2、3及び4と称する。一般に、カタプラズマサイクル(cataplasma cycling)の場合には、サンプルを70℃、相対湿度100%の気候室に直接7日間入れるか、又はコットンウールで包み、充分な水で湿らせ、そしてポリエチレンバッグ中にシールして、その後に70℃のオーブン中で7日間貯蔵する。次に、サンプルを−20℃のフリーザー中に16時間入れ、その後にサンプルを室温で2時間放置する。このサイクルを複数回繰り返すことができ、その後にサンプルをバッグから取り出し、クイックナイフ接着試験(quick knife adhesion test)に供する。望ましくは、膨れはなく、シーラント層において破壊は凝集破壊である。以下の表中に示した試験結果については、カタプラズマサイクルは1回のみ適用する。
【0058】
プライマーCと称するプライマーは、以下の比率(重量部)のベースプライマー、オキサゾリジン化合物及び付加物並びに他のコンポーネントの1つの例を混合することによって製造する:
オキサゾリジン 500部
Betaprime(登録商標)5500 6100部
第1付加物 310部
第2付加物 500部
燐酸 1部
カーボンブラック 750部
フィルム形成樹脂 40部
MEK溶剤 1799部
10,000部
【0059】
従来のエナメル(米国において自動車車両の製造に一般的に使用される型の)を塗布した基板をDow Betaclean(登録商標)BC3300クリーナーで洗浄した後に、このエナメル被覆基板に前記実施例のプライマーCを適用する。プライマーを適用してからちょうど3分後に、Dow Sealant Betaseal(登録商標)1759を適用する。このアセンブリを、SAE J 1960に従ってAtlasによるCi65機器中で2000時間の紫外線暴露によってウェザロメーター老化に供する。以下の記載に従って剥離試験(クイックナイフ試験)に供すると、シーラントへのプライマーの得られた接着は、完全に凝集破壊する。
【0060】
前記実施例のプライマー(C)は、経時的な粘度増加がごくわずかであることによって示されるように、優れた貯蔵安定性を示す。例えば、粘度の測定(DIN 53211による4mmカップ)により、以下の概算値が得られる。
【0061】
【表1】

【0062】
以下の表中のデータに関しては、剥離試験(クイックナイフ試験)を用いる。硬化させ且つ老化させたビード(高さ約4〜6cm、長さ約100〜150cm)を基板から手前に約90°の角度で最低3cmにわたって剥離する。残りの全てのビードを、ビードの方向に対して90°の角度でビードの長さに沿って約1cmの間隔で基板までカットする。付表1のコード表を用いて、剥離後に観察される、破断面及び剥離面における破壊モードを評価し、分類する。凝集破壊が起こった全ての面積を試験面積の百分率として概算し、1〜5の数で等級付けする。次いで、残りの面積を、付表1のコード表に記載された破壊モードと対照して評価し、該当するコード文字によって表す。結果を以下の形式を用いて記録する:数字 文字 文字 文字(数字は凝集破壊の%面積を示し、文字は降順に観察される他の破壊モードを示す)。例えば、2abvの報告は、25%の凝集破壊を意味し、残りは「b」よりも「a」が多く且つ「v」よりも「b」が多い剥離であり;2a/bは25%の凝集破壊を意味し、残りは等しい割合の「a]と「b」である。
【0063】
基板はフロートガラスであり、プライマーは標準的なスプレー塗布装置を用いて適用する。オープンタイムは、基板への適用とそれに続くシーラントの適用との間の経過時間を意味する。特に断らない限り、オープンタイム(例えば秒(s)、分(min)、日(d)又は月(mt)として明記)条件は、温度32℃及び相対湿度(RH)80%(32/80)である。アセンブリの老化プロトコールも明記し、7dRTは室温で7日間を意味し;+7dH2Oは更に7日間水(例えば脱イオン水(23℃))中に浸漬されることを意味し;+7d90℃は室温で7日間、次いで水(例えば脱イオン水(23℃))に7日間浸漬、次いで90℃において(空気循環炉中で)7日間を意味し;+7dCataは、室温で7日間、次いで水(例えば脱イオン水(23℃))中に更に7日間浸漬、次いで90℃において(空気循環炉中で)7日間、及び7日間のカタプラズマ処理を意味する。適切な試験条件を得るのに適当な気候室を使用できる。
【0064】
表IIには、フロートガラスに適用された、先行技術の代表的な1ステッププライマー組成物であると考えられるBETAPRIME(登録商標)5500について予想されるデータを報告する。
【0065】
表IIIには、ガラス上の任意の塗料又はフリットのどのような変動ならば、本発明の組成物を用いた結果に実質的に影響を与えないかが示されている。
【0066】
【表2】

【0067】
【表3】

【0068】
【表4】

【0069】
【表5】

【0070】
本明細書中に記載した説明及び例示は、本発明、その原理及びその実際の適用を当業者に知らせることを目的とする。当業者ならば、特定用途の要件に最も適することができるように、本発明をその多くの形態で適合させ且つ適用することができる。従って、記載した本発明の具体的な実施態様は、本発明を網羅又は限定するものではない。従って、本発明の範囲は前記説明を基準にして決定するのではなく、代わりに、添付した特許請求の範囲を基準にして、このような特許請求の範囲が表題に付けられた相当物と共に決定すべきである。特許出願及び刊行物を含む全ての論文及び参考文献の開示を引用することによって事実上本明細書中に組み入れる。アクリル若しくは(メタ)アクリル(又は「アクリレート」のような派生語)への言及は、メタクリル樹脂及びアクリル樹脂(並びに対応する派生語)を意図する。特に断らない限り、「接着剤」又は「シーラント」への言及は互換性がある。従って、特定の組成物の接着剤に関する言及は、このような組成物のシーラントも包含する。
【0071】
本明細書中においては1ステッププライマー組成物中への使用との関連において一般的に開示したが、接着促進剤とも称する第2付加物はそのように限定するものではない。それらはまた、複数のコンポーネントを含むプライマー系の一部として使用でき、任意の又は全てのコンポーネントに添加できる。例えば、接着促進剤はウレタン活性化剤組成物、フリット調合組成物(frit preparation composition)、フリットプライマー組成物、PVCプライマー、ピンチ溶接プライマーなど、例えばU−413、U−555、U−4000、U−401、U−402などの名称で販売されているThe Dow Chemical Company製の1種又はそれ以上の製品中に混和されるであろう。
【0072】
本明細書中の教示は、同時係属出願第60/913,703号(2007年4月24日出願):”Universal Primer Compositions and Methods”又は同時係属出願第60/913,706号(2007年4月24日出願):”Improved Primer Adhesion Promoters,Compositions and Methods”の一方又は両者と組合せて適用に使用でき、これらの両特許を引用することによって本明細書中に組み入れる。
【0073】
付表1
1 凝集破壊0%
2 凝集破壊約25%
3 凝集破壊約50%
4 凝集破壊約75%
5 凝集破壊約100%
a プライマーを併用した又は併用しない接着剤が基板から剥離を示す
b 接着剤がプライマーから剥離を示す
c 基板までカットする場合に、切り口に若干の剥離
d プライマー系において層の分離
e 接着剤/プライマー又は接着剤/基板界面が粘着性
f プライマーが基板表面を溶解させる
g プライマーが、接着剤ビードに隣接する接着表面に膨れを生じるか又は接着剤ビードに隣接する接着表面をはがす
* 基板剥離
k ビード下が腐蝕
i 接着剤中に気泡
m 接着剤から基板へ可塑剤が移行
n 基板から接着剤に可塑剤が移行
r 接着剤ビード下の被覆中に気泡
s 接着剤ビードに隣接する被覆中に気泡
t プライマー下であって接着剤ビードに隣接する被覆中に気泡
u 被覆系に剥離
v 被覆が基板から剥離
w 基板の被覆をカットする場合に、被覆が接着剤と共にわずかに剥がれる
x 接着剤/プライマー又は接着剤/基板界面の近くで凝集破壊
y 強化用繊維が基板から遊離する
z 端部において剥離
L 接着剤中に裂け目
T 接着剤中に空洞
*=評価には常に追加の数字が付けられる

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)二級アミノシランのアミノ基と部分的に反応した、脂肪族ポリイソシアネートとポリオールとの反応から得られた、イソシアネート官能性プレポリマーであって、前記アミノシランが珪素に結合した2若しくは3個のメトキシ基、珪素に結合した2若しくは3個のエトキシ基又はそれらの組合せを含むイソシアネート官能性プレポリマー;(b)芳香族ポリイソシアネートとMn>300のポリオールとの反応生成物である、イソシアネート含量が約1%より多いイソシアネート官能性プレポリマー;並びに(c)コンポーネント(a)及び(b)のための少なくとも1種の溶剤を含むベースプライマー組成物と、オキサゾリジン環又はその誘導体若しくは類似体を含む成分を含んでなる、プライマーが少なくとも約1ヶ月のオープンタイムを示す、オープンタイムの長い一液型プライマー組成物。
【請求項2】
(i)脂肪族イソシアネートと(ii)メルカプトシラン、アミノ−シラン(例えば二級アミノシラン)又は両者(例えば、特に、Si原子に結合した2又は3個のメトキシ及び/又はエトキシ基を有するシラン)の第1付加物を更に含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(i)芳香族ポリイソシアネートと(ii)メルカプトシラン、アミノ−シラン(例えば二級アミノシラン)又は両者(例えば、特に、Si原子に結合した2又は3個のメトキシ及び/又はエトキシ基を有するシラン)の第2付加物を更に含む請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
イソシアネート含量が約1%より多い前記イソシアネート官能性プレポリマーが芳香族ジイソシアネートとポリエーテルトリオールとの反応生成物である請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
前記芳香族ポリイソシアネートがチオホスフェート、ホスフェート又はチオホスファン部分を含む請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
前記芳香族ポリイソシアネートがトリス(イソシアナトフェニル)チオホスフェートである請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が着色剤又は顔料を更に含む請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
前記着色剤又は顔料がカーボンブラックを含む請求項7に記載に組成物。
【請求項9】
前記組成物が追加の溶剤を更に含む請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が触媒を更に含む請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
オキサゾリジン環又はその誘導体若しくは類似体を含む前記成分がビスオキサゾリジンを含み、全組成物の約2〜約8重量%の量で存在する請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
オキサゾリジン環又はその誘導体若しくは類似体を含む前記成分がカルバミン酸、1,6−ヘキサンジイルビス−,ビス(2−(2−メチルエチル)−3−オキサゾリジニル)エチル)エステルを含み、全組成物の約4〜約6重量%の量で存在する請求項1〜11のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
前記第1付加物が全組成物の約20重量%以下の範囲の量で存在する請求項2〜12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
前記第1付加物が全組成物の約1〜約10重量%の範囲の量で存在する請求項2〜13のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
前記第1付加物が全組成物の約2〜約4重量%の範囲の量で存在する請求項2〜14のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
前記第2付加物が一般に全組成物の約0〜約20重量%の範囲の量で存在するであろう請求項3〜15のいずれかに記載の組成物。
【請求項17】
前記第2付加物が一般に全組成物の約2〜約10重量%の範囲の量で存在するであろう請求項3〜16のいずれかに記載の組成物。
【請求項18】
前記第2付加物が一般に全組成物の約4〜約6重量%の範囲の量で存在するであろう請求項3〜17のいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
(メタ)アクリルフィルム形成剤を全組成物の約10重量%未満の量で更に含む請求項1〜18のいずれかに記載の組成物。
【請求項20】
充填剤を更に含む請求項1〜19のいずれかに記載の組成物。
【請求項21】
マロン酸ジエチルを更に含む請求項1〜20のいずれかに記載の組成物。
【請求項22】
酸を更に含む請求項1〜21のいずれかに記載の組成物。
【請求項23】
前記酸が燐酸である請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
(a)請求項1〜23のいずれかに記載のプライマーを、実質的にガラスパネルの一面の周辺部に沿って適用し;(b)プライマー組成物上に接着剤のビードを載せ;そして(c)ガラスパネルを受けるための開口部を規定する車両構造と前記接着剤を接触させることによってガラスパネルを装着する工程を含んでなる、車両構造へのガラスパネルの接着方法。
【請求項25】
工程(a)と工程(b)とを室温で1ヶ月より長い期間隔てる請求項24に記載の方法。
【請求項26】
工程(a)と工程(b)とを室温で3ヶ月より長い期間隔てる請求項25に記載の方法。
【請求項27】
請求項1〜26のいずれかに記載の硬化プライマーを含む接着構造。
【請求項28】
請求項24〜26のいずれかに記載の方法に従って作成された接着構造。

【公表番号】特表2010−507724(P2010−507724A)
【公表日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534955(P2009−534955)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/054273
【国際公開番号】WO2008/134110
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】