説明

オストミーパウチ用潤滑消臭組成物

水溶性潤滑剤および糞便物の発臭分子と錯体形成してそれを中和することが可能な相溶性水溶性錯化剤の両方を含有する水溶液の形態のオストミーパウチ用潤滑消臭剤。他の界面活性剤、保存料、湿潤剤、およびpH調製剤も含まれ得る。かかる潤滑消臭剤溶液の使用方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[背景および概要]
オストミーパウチ(ostomy pouches)に使用するための消臭組成物は、例えば米国特許第6,129,716号明細書(スティア(Steer))および6,200,939号明細書(マウラー(Maurer))に開示されたように、当該技術分野では既知である。それらは、再使用のために定期的に空にしてきれいにするように設計された排出可能なパウチと共に使用される場合にとりわけ有益である。かかる手順により、オストメイト(ostomates)および/または介護者は、糞便物質が空気に露出する際にパウチの中身から発生する悪臭にさらされる。脱臭剤が減少させることを目的とする悪臭問題は、オストミーパウチの内面に張り付くあるいは付着する(stick or cling)糞便物の性質のため、空にしてきれいにする手順の間のその悪臭への露出が延長されることにより悪化するばかりである。
【0002】
かかる悪臭問題とは別に、使用者は、パウチの反対側の内面が互いに張り付くまたはブロックすることによりパウチに放出された糞便物の流入(entry)や下方への動きが妨害される際にも困難を感じてきた。また、糞便は反対のパウチ面に付着し、糞便物の下方への進行を妨げる「パンケーキ(pancaking)」作用を招くこともある。かかるブロックおよび張り付き問題を減少させようとしてきた使用者は、内側パウチ表面、あるいは少なくとも瘻孔の開口部と反対の表面を、一般に家庭にあるような固着防止剤でコートする手段を使うことがあることが長い間知られてきた。使用者は、例えば「パム(Pam)」という商標で広く販売されている物質を、かかるパウチを皮膚へ接着させる前に、オストミーパウチへその瘻孔受入(receiving)開口部を経てスプレーしてきたことが認識されている。かかる油性の固着防止剤は、パウチの端でヒートシールに進行することも可能であり、かかるパウチが形成されるポリマー物質に吸収されるようになることにより、ヒートシールを弱めて使用時にパウチの破裂のリスクを増加させることが、欠点の1つである。
【0003】
オストミーパウチの壁の間の表面摩擦係数および起こりうる付着を減少させるための他のアプローチが提案されてきた。パウチを製造する際、1つまたはそれ以上の内面部分に、親水性コーティングを接着して適用した、国際公開第03/026540号パンフレット(アンダーセン等)を参照することもできる。欠点の1つは、かかる親水性コーティングは、水和するおよび滑るようになるために実質的な湿気を必要とすることであるため、パウチに放出される廃棄物質が親水性コーティング物質を活性化するのに十分に液体でない場合は、有益な効果を実現することができない。
【0004】
オストミーパウチにおける汚物の動きに対する摩擦抵抗を減少させるための様々なアプローチを開示または提案する、他の特許および公開された出願は、米国特許第5,348,546号明細書、同第4,518,388号明細書、同第5,001,009号明細書、および欧州特許第0 991 701号明細書、および同第0 272 816号明細書である。これらの参考文献は、いろいろな点で粘着問題を解決するが、臭気中和も同時に起こる、または水性組成物が互いにコートする成分を有して両方の結果を達成および増進する物質または手順には関係しない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の主な態様は、糞便物の発臭分子を錯体形成してそれを中和することが可能な水溶性潤滑剤および水溶性錯化剤の水溶液の形態をとるオストミーパウチ潤滑消臭剤を提供することである。かかる液体潤滑消臭剤は、使用者によってパウチ、通常は排出可能なパウチに入れられる。オストミー装具が(パウチが接着性面板と恒久的に接続している)ワンピース装具である場合、その後、新しいパウチの使用者は、パウチを皮膚へ付着させる前に、瘻孔受入開口部を経て、推奨される量の液体潤滑消臭剤をパウチに導入し得る。その後、パウチは排出および清浄(少なくとも幾つかの液体消臭/潤滑剤の損失を招く手順)を必要とする際は、望ましい量のかかる薬剤を、パウチの排出可能な開口部を経てそれを導入することによって補充してもよい。装具が(パウチが面板から取り外せる)ツーピース装具である場合、消臭潤滑剤を、1つあれば、パウチの瘻孔受入開口部を経て、またはその排出可能な開口部を経て、パウチに導入してもよい。
【0006】
本発明の特に有効な実施形態においては、糞便物の発臭分子を中和する作用をする水溶性錯化剤は界面活性剤でもあり、後者の潤滑効果を増進する水溶性潤滑剤と共に界面活性剤として作用する。更に、液体の潤滑および消臭溶液は、他の界面活性剤、湿潤剤、水和剤、保存料、およびpH調整剤またはバッファーを含有してもよい。
【0007】
本発明の他の特徴、長所、および目的は、以下の説明から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の臭気中和潤滑剤は、発臭分子または糞便物を中和することが可能な潤滑剤および錯化剤の水溶液を本質的に含む。更に、この溶液は1つまたはそれ以上の界面活性剤を含み、理想的には、錯化剤も液体組成物の潤滑および消臭機能の両方を増進するための界面活性剤能を有する。
【0009】
潤滑剤は、ヒドロキシエチルセルロース(例えば、株式会社ヘラクレス(Hercules Incorporated)(ウィルミントン、デラウェア)社製「ナトロソル(Natrosol)250」、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ダウケミカル社製「メソセル(Methocel)K15Mプレミアム」)、またはヒドロキシプロピルセルロース等の、多数のセルロース系物質のいずれかの水溶液の形態を取り得る。ポリエチレンオキサイド(ユニオンカルバイド(Union carbide)社製「ポリオックス(Polyox)WSR1105」)等の、他の親水性ポリマーの水溶液も使用され得る。ポリマーエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、親水コロイドおよびそれらの誘導体、合成ポリマー、ポリオール、およびカルボマー、ならびにそれらの組み合わせの水溶液によって、有効な結果が得られ得る。
【0010】
かかる潤滑剤は、増粘剤または粘性上昇剤とみなされることがある;しかしながら、それらは十分に水和されて粘性の溶液を形成すると、滑りやすくなる(becoming slippery or lubricious)性質も有している。特定の粘性を達成するための希釈の程度は、潤滑剤がオストミーパウチの内壁面を湿潤させ、多かれ少なかれそれに付着させることが可能な流動性液体のままである限り重大でないと考えられる。かかる壁が形成されるポリマーフィルム物質は既知であって大変様々であるが、一般に、かかるフィルムは多層または単層であってもよく、液体およびガス(とりわけ臭気)不浸透性である。
【0011】
本発明の好ましい実施形態における臭気中和剤は、糞便物の発臭分子と錯体形成してそれを中和することにより気相中のそれらの濃度を減少させることが可能な、水溶性錯化剤の形態を取らなければならない。その機能を実行する際、錯化剤は、単に香りまたは臭気マスキング剤の役割をすることとは大きく異なり、発臭分子と直接反応する。特に有効な中和剤は、n−エチル−n−ソヤ−モルフォリニウムエトサルフェート、クエン酸銅、および植物性タンパク質抽出物等の物質であることがわかっているが、他のイオン性および非イオン性化合物ならびにタンパク質誘導体および抽出物、かつそれらの組み合わせを使用してもよい。臭気中和剤が界面活性剤として機能する場合では、それは潤滑剤の潤滑効果も、それ自身の臭気中和剤としての効果も増進させるようにも働く。この点で、陽イオン性界面活性剤として機能し、フォレストール(Forestall)という商標(ユニケマ(Uniqema)、ニューキャッスル、デラウェア)で入手可能なn−エチル−n−ソヤ−モルフォリニウムエトサルフェートがとりわけ有効である。
【0012】
複数の界面活性剤が提供される場合は、高濃度の単一の界面活性剤のみを使用することとは大きく異なり、界面活性または湿潤化特性が増進することもわかった。かかる界面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性、または両性、あるいはそれらの組み合わせであってもよい。例としては、オクトキシノール−9、ポロキサマー188、ソルビタンモノラウレート、およびアルキルジメチルアミンオキサイドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
他の成分としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、フェノキシエタノール、あるいはかかる保存料の2つまたはそれ以上の混合物等の、微生物の成長を妨げて保存期間を延長する保存料が挙げられる。適切であることがわかったかかる混合物の1つは、「フェノニップ」という商標でクラリアント社(Clariant Corporation)(シャルロット、ノースカロライナ)から販売されている。様々な他の既知の保存料のいずれかを使用してもよい。更に、溶媒水和効果のためだけでなく、保存料としてもプロピレングリコールを含むことが望ましい;しかしながら、類似の特性を有する、グリセリンやブチレングリコール等の他の薬剤を使用してもよい。
【0014】
水性混合物のpHは中性、またはほぼ中性でなければならず、そのため、選択された特定の成分に応じて、pH調整剤およびバッファーを必要に応じて添加してもよいが、全ては当該技術分野で既知である。
【0015】
本発明の潤滑消臭剤は、ボトルまたはチューブで、好ましくは適用を簡易化するために分注栓(dispensing closure)を有するプラスチック製スクイーズボトルで、使用者に都合良く提供され得る。代替的には、潤滑消臭剤は、スクイーズボトルよりもかかる小包の方が持ち運んで使用するのに煩わしくないと感じる仕事または旅行中のオストメイトのために、使用単位小包(unit-of-use packet)に梱包してもよい。オストメイトまたは介護者は、少量の、好ましくは約5ml(1tsp)、より一般的には約3〜10mlの範囲の粘性液体を、皮膚に接着して取り付ける前にパウチの瘻孔開口部を経て、またはそのように皮膚へ取り付けられた後でパウチの排出開口部を経て導入するように指示される。もちろん、パウチが閉鎖または排出不可能なパウチである場合は、まさに利用できる手順がこれらの最初である。その後、排出開口部(1つ存在する場合)を閉鎖し、使用者はパウチの壁を擦るまたは絞り、液体潤滑消臭剤でその内面をコートする。その後、排出可能なパウチを空にすることが必要な場合は、パウチの排出可能なネックを広げるまたはクランプから外し、パウチの中身をトイレに放出し、パウチの中身を放出するのに必要なパウチの外壁面に対して指で絞る動作をほとんどまたは全くしなくても、重力によって潤滑消臭剤がかかる動作をすることを可能にする。その後、空にするおよびきれいにする工程の間に失われた量を補充するために、追加量の潤滑消臭剤が排出開口部を経てパウチに導入される。
【0016】
一般に、本発明を具体化する潤滑消臭剤は、およそ0.1〜5.0パーセントの重量パーセントの範囲でセルロース系または他の水溶性潤滑剤の重量パーセントを、また錯化および臭気中和剤を約0.2〜7パーセントの範囲で含有しなければならない。約15パーセント、好ましくは約0.1〜10パーセントまでの組み合わせ重量を有する、1つまたはそれ以上の追加の界面活性剤も含まれていてもよく、好ましくは包含されている。プロピレングリコール等の湿潤溶剤は、およそ0.5〜20パーセント存在してもよく、保存料は約0.03〜1.0重量パーセントを占めてもよい。精製水は、溶液の総重量の約58〜98パーセントに上る重量の点から見て、重要な成分である。
【0017】
以下の実施例により、本発明の重要な特徴を更に説明する。
【実施例】
【0018】
(実施例1)
本発明を具体化するオストミーパウチ用液体潤滑消臭剤100グラム(100g)は、以下の成分を用いて調製され得る。
【0019】
【表1】

【0020】
メカニカルスターラーを備えた(quipped)250mlビーカーに、精製水75gを入れる。その後、攪拌しながらヒドロキシエチルセルロース0.70gを添加する。これらの成分を15分間混合し、溶液を40℃に加温する。加熱を終了し、プロピレングリコール1.5gを添加して60分間混合する。混合しながら、フォレストール1.5g、プロピレングリコール1.5g、ポロキサマー188NF2.0g、およびフェノニップ0.3gを添加する。その後、水溶液のpHを7.00(プラスマイナス0.25)に調整し、精製水を添加して100gバッチ重量を製造する。更に30分間混合を継続した後、産生物を8オンスボトルに詰める。
【0021】
(実施例2)
本発明を具体化する潤滑消臭剤溶液の別の例は、以下の成分を用いて調製され得る。
【0022】
【表2】

【0023】
この溶液を調製する手順は、潤滑剤としてのヒドロキシエチルセルロースをヒドロキシプロピルメチルセルロースに置換する以外は、実施例1の記載と本質的に同じである。
【0024】
(実施例3)
本発明を具体化する潤滑消臭剤の更なる例は、臭気中和剤として植物性タンパク質抽出物を用いるが、以下の成分を用いて実施例1に記載されたように調製され得る。
【0025】
【表3】

【0026】
(実施例4)
実施例1にしたがって調製された潤滑消臭剤の効果は、糞便をシミュレートするためにリフライドビーンズ(refried beans)ペーストの塊(globs or lumps)を用い、本発明の潤滑消臭剤(LD)添加および無添加の排出可能なオストミーパウチにおけるかかるペースト落下(drop)時間および排出時間を比較することにより試験した。この試験は、3つの排出可能なオストミーパウチ(ホリスター(Hollister)パウチ3669)を用いて実施し、パウチ1は乾燥しており(すなわち、潤滑消臭剤無添加)、パウチ2および3は、それぞれ潤滑消臭剤5.102gおよび5.452gを入れた。
【0027】
試験を実施する際は、これらのパウチを水平の棒の上のクランプによって吊り下げた。その後、測定量の潤滑消臭剤を、底部開口部を経てパウチ2および3のそれぞれに絞り入れた。その後、パウチクランプを用いてパウチの底部排出開口部を閉じた。その後、パウチを優しく手で擦り、パウチの内側全体に潤滑消臭剤を広げた。
【0028】
その後、ビーンズペースト(ベジタリアンリフライドビーンズ、ジュエル銘柄(Jewel brand))を、改良型シリンジ(25ccの使い捨てシリンジを、容器の末端の開口部が容器の内側と同じ直径となるように針の末端付近で横に切断することにより改良された)にロードした。ビーンズペーストは、スパチュラを用いて前方末端からシリンジに手動で充填した。シリンジに充填されたビーンズペーストの量を記録した後、面板開口部を経て各パウチの内側にペーストを放出した。ペーストがパウチに放出された時に測時を開始し、ペーストのパウチの内側での動きが止まった時に終了した。ペーストを3回連続的に各パウチへロードし、各充填に対して落下時間を測定した後、底部クランプを注意深く取り除き、パウチの排出開口部を開いてビーンズペーストの塊をパウチから自由に落下させることによって排出時間を決定した。排出時間は、排出開口部を有するパウチの下端を自由に吊り下げた時から、ビーンズペーストの塊がパウチから落下するまで測定した。
【0029】
その後、各パウチの排出出口をきれいに拭き取り、更なる塊のビーンズペーストをパウチに再充填し、上記の操作を繰り返した。
【0030】
(分):(秒):(100分の1秒)で示される時間による、これらの試験の結果は以下の通りである。
【0031】
【表4】

【0032】
(実施例5)
実施例1および3にしたがって調製された潤滑消臭剤の消臭効果を試験するため、発臭分子と錯体形成することが可能な、マウラーの特許6,200,939号にしたがって調製された、既知のクエン酸銅液体脱臭剤(ホリスターM9ドロップ(Drop)脱臭剤)によってもたらされた結果と、かかる溶液を比較した。M9臭気中和剤は、様々な物質によりもたらされる悪臭を減少または中和するのに有効であることが知られており、糞便の臭気を排除または減少するためにオストミーパウチにドロップの形態で添加され得る液体として販売されている。
【0033】
試験は以下のように実施した:秤量した2gの刻み玉ねぎを12個のジャーのそれぞれに入れた後、蓋を取り付けた(刻み玉ねぎは、硫黄化合物が両方の臭気に大きく関与するため、糞便臭に関する試験手順において広く使用される)。ジャーを3つの群(A、BおよびC)に分類し、各ジャーは英数字コードでラベルされた。各群において、ジャーの1つは対照の役割をするために、消臭剤での処理を行わないままにした。各群における他の3つのジャーは、3つの異なる消臭剤製剤によって処理し、1つは実施例1の潤滑消臭剤(LD Ex.1)であり、2つ目は実施例3の潤滑消臭剤(LD Ex.3)を用い、3つ目はM9として販売されている市販のドロップ脱臭剤を用いた。M9の場合、製品のラベルの指示に基づき、9ドロップを各ジャーに添加した。
【0034】
20人の成人被験者が試験に参加し、全ての試験はドラフトで実施した。フードのファンをしばらくの間つけ、(ジャーを開ける前に)各サンプルの臭いを嗅ぐ間に、試験を妨害する臭気が確実に大気中に残存しないようにした。
【0035】
参加者は、各ジャーの蓋を取り除き、中身を嗅いで、0〜4のスケール(スコア「0」は無臭を表し、スコア4は強い臭気を表す)で玉ねぎ臭に関してスコアをつけるように指示された。各評価の間で、参加者は新鮮な挽いたコーヒーを含有するジャーの臭いを嗅いで、次のジャーを評価する前に玉ねぎ臭の残存する鼻をきれいにした。
【0036】
これらの試験のスコアは、以下のチャートに記載されている。このチャートにより、実施例3の潤滑消臭剤またはM9消臭剤を含有するジャーと比べて、実施例1の潤滑消臭剤を含有するジャーは、もたらされる検出可能な臭気は一般に少なかったことが明らかになった。市販のM9ドロップ脱臭剤を含有するジャーと実施例3に記載の植物性タンパク質抽出物を用いた潤滑消臭剤を含有するジャーとの間に、性能の統計学的差異は存在しなかった。
【0037】
【表5】

【0038】
前述において、本発明者等は例示の目的のために本発明の実施形態を非常に詳細に開示したが、これらの詳細の多くが本発明の精神および範囲を逸脱することなく変化しうることは、当業者に理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オストミーパウチ用潤滑消臭剤であって、水溶性潤滑剤および糞便物の発臭分子と錯体形成してそれを中和することが可能な相溶性水溶性錯化剤の両方を含有する水溶液を含む、オストミーパウチ用潤滑消臭剤。
【請求項2】
前記錯化剤は、オストミーパウチの内側を湿潤させる前記潤滑剤の能力を増進する界面活性剤でもある、請求項1に記載の潤滑消臭剤。
【請求項3】
前記水溶液中に前記錯化剤以外の他の界面活性剤が少なくとも1つ存在する、請求項2に記載の潤滑消臭剤。
【請求項4】
前記潤滑剤はセルロース系である、請求項1、2または3のいずれか1項に記載の潤滑消臭剤。
【請求項5】
前記セルロース系潤滑剤は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびヒドロキシプロピルセルロース、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項4に記載の潤滑消臭剤。
【請求項6】
前記潤滑剤は、ポリエチレンオキサイド、ポリマーエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、親水コロイドおよびそれらの誘導体、合成ポリマー、ポリオール、カルボマー、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される親水性ポリマーである、請求項1、2または3のいずれか1項に記載の潤滑消臭剤。
【請求項7】
前記水溶性錯化剤は、n−エチル−n−ソヤ−モルフォリニウムエトサルフェート、クエン酸銅、および植物性タンパク質抽出物からなる群から選択される、請求項1、2または3のいずれか1項に記載の潤滑消臭剤。
【請求項8】
前記溶液は、前記溶液を実質的に中性pHに維持するためにpH調整剤またはバッファーを含有する、請求項1、2または3のいずれか1項に記載の潤滑消臭剤。
【請求項9】
前記潤滑剤および錯化剤は、それぞれ全溶液重量の約0.1〜5.0パーセントおよび約0.2〜7パーセントの割合である、請求項1、2または3いずれか1項に記載の潤滑消臭剤。
【請求項10】
オストミーパウチの内面の潤滑化およびパウチ中で発生した糞便臭を中和する薬剤の提供を同時に行うためのオストミーパウチの内側を処理する方法であって、水溶性潤滑剤および糞便物の発臭分子と錯体形成してそれを中和することが可能な水溶性錯化剤の両方を含有する水溶液の形態で所定の量の潤滑消臭剤を使用前にパウチに導入する工程、その後パウチの壁を圧搾し、それにより前記潤滑消臭剤溶液をパウチ全体に分配し、その内面と十分に接触させる、圧搾する工程を含む、オストミーパウチの内面の潤滑化およびパウチ中で発生した糞便臭を中和する薬剤の提供を同時に行うためのオストミーパウチの内側を処理する方法。
【請求項11】
前記パウチに導入された潤滑消臭剤の量は約3〜10mlの範囲である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記潤滑消臭剤の錯化剤は、前記オストミーパウチの内面を湿潤させる前記潤滑剤の能力を増進させる界面活性剤でもある、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記潤滑剤はセルロース系である、請求項10または11に記載の方法。
【請求項14】
前記潤滑剤および前記錯化剤は、それぞれ全溶液重量の約0.1〜5.0パーセントおよび約0.2〜7パーセントの割合である、請求項10または11に記載の方法。

【公表番号】特表2007−525251(P2007−525251A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517124(P2006−517124)
【出願日】平成16年5月17日(2004.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/015687
【国際公開番号】WO2005/004944
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(591000414)ホリスター・インコーポレイテッド (38)
【氏名又は名称原語表記】HOLLISTER INCORPORATED
【Fターム(参考)】