説明

オフセット作業機

【課題】農作業を行う作業部をオフセット移動可能で、現在の作業部の状態を確認することのできる表示部を有するトラクタに装着するオフセット作業機を提供することを目的とする。
【解決手段】農作業を行う作業部20をオフセット移動可能でトラクタ1に装着するオフセット作業機2において、表示部51と、センサ41とを有し、表示部51は、センサ41からの情報によりオフセット移動による作業部20の位置を示す現在オフセット位置51aと、あらかじめ設定されている設定オフセット位置51bとを表示することで上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフセット作業機に関し、特に、農作業を行う作業部をオフセット移動可能で、現在の作業部の状態を確認することのできる表示部を有するトラクタに装着するオフセット作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、オフセット機能を有する畦塗り機のリモートコントロール装置では、装置の操作スイッチを操作すると対応するアクチュエータを動作させ、トラクタの運転席などから直接操作することが可能である。
【0003】
特許文献1には、コントローラによりリモートコントロールする畦形成機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−245350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、リモートコントロールで操作しても、実際の作業部の設定・調整の状態については、作業者が作業部を目視で確認する必要があり、所定の状態に正確に作業部を設定・調整するのが困難である。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みて、農作業を行う作業部をオフセット移動可能で、現在の作業部の状態を確認することのできる表示部を有するトラクタに装着するオフセット作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のオフセット作業機は、農作業を行う作業部をオフセット移動可能でトラクタに装着するオフセット作業機において、表示部と、センサとを有し、前記表示部は、前記センサからの情報によりオフセット移動による前記作業部の位置を示す現在オフセット位置と、あらかじめ設定されている設定オフセット位置とを表示することを特徴とする。
【0008】
さらに本発明のオフセット作業機は、作業部をオフセット移動させるアクチュエータと、該アクチュエータを動作させるためのスイッチを具備する操作部とを有し、前記操作部は前記表示部と一体に構成されていることを特徴とする。
さらに本発明のオフセット作業機は、作業部を調整する調整機構と、第2のセンサとを有し、前記表示部は、前記第2のセンサからの情報により前記調整機構の現在の状態と、あらかじめ設定されている前記調整機構の設定状態とを表示することを特徴とする。
【0009】
さらに本発明のオフセット作業機は、当該オフセット作業機は、耕耘部とディスク部を有する畦塗り機であり、前記調整機構は、前記耕耘部の耕深量を調整する機構であることを特徴とする。
さらに本発明のオフセット作業機は、当該オフセット作業機は畦塗り機であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、農作業を行う作業部をオフセット移動可能で、トラクタに装着するオフセット作業機において、現在の作業部の状態を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のオフセット作業機の一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1における操作表示部を示す平面図である。
【図3】本発明のオフセット作業機のオフセットの状態を示す第1の平面図である。
【図4】本発明のオフセット作業機のオフセットの状態を示す第2の平面図である。
【図5】本発明のオフセット作業機の耕深の状態を示す第1の側面図である。
【図6】本発明のオフセット作業機の耕深の状態を示す第2の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明のオフセット作業機の一実施形態を示す平面図である。トラクタ1(一部図示省略)の後部には、作業機2が装着されている。ここでは、作業機2について畦塗り機を例に説明する。
【0014】
作業機2は、トラクタ1に装着する装着部10と、農作業を行う作業部20を有しており、これらの間は、リンク機構により作業部20が装着部10に対してオフセット移動が可能となっている。作業部20は、耕耘部21とディスク部22を有している。さらに、耕耘部21とディスク部22を支持するためのフレーム部23が必要に応じて構成される。
【0015】
トラクタからの動力は、ジョイント14等を介して作業部20側へ伝達され、耕耘部21の耕耘軸21aやディスク部22を回転させる動力となる。図1の例について説明する。ジョイント14からの動力がミッションケース24内のベベルギアに伝達され、それから、耕耘軸21aへは、第1フレームパイプ25内の軸と第1チェーンケース28内のチェーンにより伝達され、ディスク部22へは、第2フレームパイプ26内の軸、第2チェーンケース29内のチェーン、第3フレームパイプ27内の軸により伝達される。畦塗り作業をする場合、耕耘爪等を有する耕耘軸21aを回転させて、旧畦の土を掻き出し、この掻き出した土をディスク部22の回転によりスリップさせながら押しつけて畦形状に形成する。なお、図中、5は畦を示し、5aは畦下端ラインを、5bは畦肩ラインを示す。
【0016】
装着部10と作業部20の間は、第1アーム11と第2アーム12により形成される平行リンク機構により連結されており、オフセット用アクチュエータ13を動作させて、この平行リンク機構を動かし、作業部20の装着部10に対するオフセット位置(図1では作業部20の左右方向の位置)を変更することができる。第1アーム11と第2アーム12の一端はそれぞれ、装着部10に有する装着部側支点11aと装着部側支点12aに水平方向に回動可能に支持され、他端はそれぞれ、作業部20(フレーム部23)に有する作業部側支点11bと作業部側支点12bに水平方向に回動可能に支持されて、これらにより平行リンク機構が形成されている。オフセット用アクチュエータ13は、一端が装着部10側の第1支点13a、他端が作業部20側の第2支点13bにそれぞれ水平方向に回動可能に支持されて、オフセット用アクチュエータ13の伸縮により、平行リンク機構が変形しオフセット位置が変更できる。なお、オフセット用アクチュエータ13の支点の位置は、第1アーム11や第2アーム12上でも適用できる。
【0017】
また、耕深調整用アクチュエータ15を動かすことにより、第1チェーンケース28をフレーム部23に対して回動させ、耕耘部21の耕深を調整することができる。
【0018】
次に、リモートコントロールシステムについて説明する。リモートコントロールシステムは、オフセット用アクチュエータ13と、耕深調整用アクチュエータ15と、第1センサ41と、第2センサ42と、制御部40と、操作表示部50とを有している。これらは、例えば、図1の二点鎖線で示されるように接続されている。
【0019】
第1センサ41は、オフセット用アクチュエータ13による作業部20のオフセット位置を計測するためのものであり、回動角度センサ等が適用される。具体例として回動角度センサを装着部側支点11a近傍に設置し、第1アーム11の回動状態を計測する。そして、計測された情報から、制御部40でオフセット位置を計算し操作表示部50で表示する。
【0020】
第2センサ42は、耕深調整用アクチュエータ15による耕耘部21の状態を計測するものであり、耕耘部21の耕深を計測するため回動角度センサ等が適用される。具体例として回動角度センサを第1チェーンケース28のフレーム部23に対する回動部近傍に設置し、第1チェーンケース28の回動状態を計測する。そして、計測された情報から、制御部40で耕深位置を計算し操作表示部50で表示する。
【0021】
制御部40は、このほか、操作表示部50の操作された情報等に基づき、第1センサ41や第2センサ42の情報を参照して、オフセット用アクチュエータ13や耕深調整用アクチュエータ15を制御する。制御部40は、例えば、必要なデバイス等をボックス内に格納して構成される。また、制御部は、操作表示部50と一体でも可能である。また、表示のための制御手段は別に設けていてもよい。また、記録手段も必要に応じ有している。
【0022】
操作表示部50は、トラクタ1の運転席近傍に配置されることができ、作業者はトラクタ1に乗ったまま表示の確認や操作をすることができる。図2は、図1における操作表示部を示す平面図である。操作表示部50は、表示部51と、電源ボタン52と、操作設定ボタン53とを有している。表示部51は、操作設定ボタン53の上側に位置し、電源ボタン52は、表示部51の横側に位置し、「入」側52aを押すと電源が入り、「切」側52bを押すと電源が切れる。
【0023】
表示部51の表示について説明する。表示部51の下部の横方向に、オフセット位置表示51aがあり、現状の作業部20のオフセット位置が示されている。図2では、横方向のグラフ表示であり四角の表示が横方向に複数並んでおり、白抜きの四角と黒塗りの四角がある。左から、黒塗りの四角が表示されて右の端部が現在のオフセット位置となっている。また、それ以降の右側は、白抜きの四角で表示さている。これらの隣り合う四角の間は25mmや、50mm毎等、オフセット位置調整に適した単位により表される。一方、オフセット位置表示51aのすぐ下側には、オフセット位置表示51aと対応してオフセット設定表示51bがある。これは、現在のオフセットの設定位置がオフセット位置表示51aに対応する四角表示の下で点滅等してわかるようになっている。また、オフセット位置表示51aの上側にオフセットに関する表示とわかるよう「オフセット」の文字の表示がなされている。また、図2の場合、左側がオフセット量が少なくなるため「小」の文字表示が、右側がオフセット量が大きくなるため「大」の文字表示がなされている。
【0024】
一方、表示部51の右部の縦方向に、耕深位置表示51cがあり、現状の耕耘部21の耕深位置が示されている。図2では、縦方向のグラフ表示であり四角の表示が縦方向に複数並んでおり、白抜きの四角と黒塗りの四角がある。上から、黒塗りの四角が表示されて下の端部が現在の耕深位置となっている。また、それ以降の下側は、白抜きの四角で表示さている。これらの隣り合う四角の間は、耕深位置調整に適した単位により表される。一方、耕深位置表示51cのすぐ右側には、耕深位置表示51cと対応して耕深設定表示51dがある。これは、現在の耕深の設定位置が耕深位置表示51cに対応する四角表示の下で点滅等してわかるようになっている。また、耕深位置表示51cの上側に耕深に関する表示とわかるよう「耕深」の文字の表示がなされている。また、図2の場合、上側が耕深が浅くなるため上部左側に「上」の文字表示が、下側が耕深が深くなるため下部左側に「下」の文字表示がなされている。また、ディスク部22のディスクの大きさ(畦高さ300mmや350mmに適用)に対応する耕深位置表示51cの標準耕深量の左側に「300」や「350」の文字表示がなされている。
【0025】
次に、設定や操作手順について説明する。
【0026】
「メニュー」ボタン53aを押すと選択可能なメニューとカーソルを表示する(メニュー選択表示)。表示例として、「モード切替」、「オフセット位置設定」「作業耕深設定」などが挙げられる。
【0027】
次に、「∧」ボタン53cまたは「∨」ボタン53dを押し、上記メニューの中から実行したいものにカーソルを合わせる。そして、操作にしたがって表示画面のカーソルが移動して、選択したい位置で「決定」ボタン53bを押す。これで、選択したメニューの実行がなされる。
【0028】
「モード切替」の場合は、選択可能なモード(「通常モード」や「アクチュエータの手動操作モード」)とカーソルの表示をする。「オフセット位置設定」の場合は、例えば、選択可能なオフセット位置に対応する車幅とカーソルを表示(1400・1450・1500・・・・1750)する。「作業耕深設定」の場合は選択可能な作業耕深とカーソルの表示をする。「∧」ボタン53cまたは「∨」ボタン53dを押し、上記の中から設定したいモードやオフセット位置、作業耕深にカーソルを合わせる。そして、操作にしたがって表示画面のカーソルが移動して、「決定」ボタン53bを押す。すると、選択したモード、設定値を記憶しメニュー選択表示に戻る。メニュー選択表示時に「メニュー」ボタン53aを押すと、選択したモードで状態(オフセット位置や作業耕深の現在値)を表示し、作業者からの入力待ちとなる。
【0029】
次に、「オフセット位置設定」の具体例について述べる。オフセット作業可能範囲が800〜975mmの畦塗り機を例として挙げれば、トラクタのタイヤ外端+100mm程度の位置で作業するのが一般的なので、トラクタのタイヤ外幅が1400mmならば、オフセット設定値(トラクタの中心からディスク内側端部までの距離)は800mm(1400/2+100)となるため、操作表示部50でオフセット作業設定値を800mmに設定する。A)オフセット量で設定する方法について述べる。例えば、オフセット設定値は25mm刻みで設定可能とし、操作表示部50で設定する際に、オフセット設定値を800・825・850・875・900・925・950・975のいずれかが選択可能とする。B)トラクタのタイヤ幅で設定する方法について述べる。畦塗り機の場合のオフセット位置設定は上記の通りなので、操作表示部50でトラクタのタイヤ外幅を選択・設定することでオフセット位置が設定可能となる((トラクタのタイヤ外幅/2)+100mm)。例えば、トラクタのタイヤ外幅設定値は50mm刻みで設定可能とし、操作表示部50で設定する際に1400・1450・1500・・1750のいずれかが選択可能とする。C)トラクタで設定する方法について述べる。操作表示部50でトラクタの型式を選択・設定する。例えば、トラクタのメーカーおよび型式で設定可能とし、操作表示部50で設定する際に、メーカー名と型式を選択すると(対応するトラクタのタイヤ外幅が記憶されており)オフセット量が設定される。例えば、選択したトラクタのタイヤ外幅が1535であれば、(1535/2)+100=867.5から875mmと設定される。
【0030】
次に、「作業耕深設定」の具体例について述べる。A)畦高さ300mm用ディスクの際の標準作業耕深と畦高さ350mm用ディスクの際の標準作業耕深の2段階を設定可能とする。B)300ディスク・350ディスクの間を10mm刻みで設定可能として、可動範囲内で最浅〜最深まで12段階を選択可能とする。
【0031】
通常モードの場合(「モード切替」で「通常モード」を選択した場合)の操作等について説明する。
【0032】
「作業」ボタン53iを押すと、作業者が設定したオフセット位置までオフセット用アクチュエータ13が動作して前進オフセット作業姿勢となり、入力待ちに戻る。「格納」ボタン53hを押すと、あらかじめ設定されている移動・格納・保管姿勢までオフセット用アクチュエータ13が動作し(図1、図3、図4の状態より作業部20が左側へ移動し中央付近に位置する)、入力待ちに戻る。耕深「浅」ボタン53kか、耕深「深」ボタン53lのいずれかを押すと、押したスイッチとその押している時間(もしくは回数)に対応した分だけ耕深調整用アクチュエータ15が動作し、入力待ちに戻る。「設定耕深」ボタン53jを押すと、作業者が設定した作業耕深まで耕深調整用アクチュエータ15が動作し、入力待ちに戻る。オフセット「小」ボタン53eか、オフセット「大」ボタン53fのいずれかを押すと、前進オフセット作業状態で、押したスイッチとその押している時間(もしくは回数)に対応した分だけオフセット用アクチュエータ13が動作し、入力待ちに戻る。「決定」ボタン53b、「∧」ボタン53c、「∨」ボタン53dのいずれかを押しても、何も動作せず、入力待ちを継続する。また、図示しないが、畦塗り機にリターン機能がある場合は、「リターン」ボタン53gを押すと、後進作業位置まで所定のアクチュエータが動作して、逆サイドで後進作業が可能となり、入力待ちに戻る。
【0033】
アクチュエータの手動操作モードの場合(「モード切替」で「アクチュエータの手動操作モード」を選択した場合)の操作等について説明する。
【0034】
表示部51の画面で、作業機2の状態および手動操作可能なアクチュエータとそれに対応したスイッチの説明を表示し、入力待ちになる。オフセット「小」ボタン53eか、オフセット「大」ボタン53fのいずれかを押すと、オフセット位置に関係なくオフセット用アクチュエータ13が押したスイッチとその押した時間(もしくは回数)に対応して伸縮動作し、入力待ちに戻る。耕深「浅」ボタン53kか、耕深「深」ボタン53lのいずれかを押すと、作業耕深に関係なく作業耕深調整アクチュエータが押したスイッチとその押した時間に対応して伸縮動作し、入力待ちに戻る。「決定」ボタン53b、「作業」ボタン53i、「格納」ボタン53h、「リターン」ボタン53g、「設定耕深」ボタン53jのいずれかを押しても何も動作させず、入力待ちを継続する。「メニュー」ボタン53aを押すとメニュー選択に戻る。また、図示しないが、畦塗り機に作業部20の方向を調整する作業部方向調整アクチュエータを有する場合、「∧」ボタン53cか「∨」ボタン53dのいずれかを押す(他の空いているスイッチに割り当ててもよい)と、オフセット位置や作業部の方向に関係なく作業部方向調整アクチュエータが押したスイッチとその押した時間に対応して伸縮動作し、入力待ちに戻る。
【0035】
図3は、本発明のオフセット作業機のオフセットの状態を示す第1の平面図である。図4は、本発明のオフセット作業機のオフセットの状態を示す第2の平面図である。これらの図に示すように作業部20をオフセット用アクチュエータ13により調整する。このとき、各トラクタの車幅に対する適切な標準オフセット位置があるため(図3ではトラクタ中心線1aから畦下端ライン5a(ディスク内側端部)までが800mm、図4では900mm)、これを設定値として設定しておけば、標準モードの場合、作業者は、格納状態から「作業」ボタン53iを押すだけで、この標準オフセット位置にすることができる。そして、表示部51のオフセット位置表示51aで、現在のオフセット位置が表示され、その隣に、オフセット設定表示51bで設定値が表示されるため、作業者は、現在のオフセット位置と設定値を一目で確認することができる。さらに、オフセット「小」ボタン53eやオフセット「大」ボタン53fでオフセット位置を微調整しても、どの程度の調整をしているが一目でわかることになる。
【0036】
図5は、本発明のオフセット作業機の耕深の状態を示す第1の側面図である。図6は、本発明のオフセット作業機の耕深の状態を示す第2の側面図である。これらの図に示すように耕耘部21を耕深調整用アクチュエータ15により調整する。耕深調整用アクチュエータ15は、両端が、フレーム部23側の耕深フレーム30に有する第1の支点15aと、第1チェーンケース28に有する第2の支点15bに回動可能に支持されている。そして、耕深調整用アクチュエータ15を動作させて伸縮すると、第1チェーンケース28は、回動中心28aを中心に、フレーム部23に対して回動し、耕耘中心28bの高さを変更できる。このとき、ディスク部22の大きさ等に対する適切な標準耕深量があるため、これを設定値として設定しておけば、標準モードの場合、作業者は、「設定耕深」ボタン53jを押すだけで、この標準耕深位置にすることができる。そして、表示部51の耕深位置表示51cで、現在の耕深位置が表示され、その隣に、耕深設定表示51dで設置値が表示されるため、作業者は、現在の耕深位置と設定値を一目で確認することができる。さらに、作業者は、耕深「浅」ボタン53kや耕深「深」ボタン53lで耕深量を微調整しても、どの程度の調整をしているが一目でわかることになる。図5では、耕深量は、耕耘下部面7と地面6の距離が30mmの深さであり、図6では耕深量は、耕耘下部面7と地面6の距離が100mmの深さの例を示してある。
【0037】
以上の実施形態は、平行リンク機構を有する畦塗り機で、オフセット位置と耕深位置の表示や操作について説明したが、これ以外にも、上記の表示や操作のシステムは、トラクタに装着して農作業を行う作業部をオフセット移動可能なオフセット作業機に広く適用することができる。例えば、溝堀機の場合、オフセット機能を有する場合のオフセット位置と、作業部カバーの向きが調整可能な構造である場合のカバーの向きについて、それらを操作表示部50で設定・表示・操作することが可能とできる。また、例えば、モアの場合、オフセット機能を有する場合のオフセット位置と、作業部の水平面に対する角度が調整可能である場合の作業部の水平面に対する角度の調整について、それらを操作表示部50で設定・表示・操作可能とできる。また、表示部51の表示は、液晶の他、LEDやパイロットランプ等の組み合わせも適用できる。LEDやパイロットランプの場合、上述した四角表示が1つのLEDやパイロットランプで適用できる。この場合、色を緑(現在値)や赤(設定値)に分けて表示してもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 トラクタ
2 作業機
5 畦
10 装着部
11 第1アーム
12 第2アーム
13 オフセット用アクチュエータ
15 耕深調整用アクチュエータ
20 作業部
21 耕耘部
21a 耕耘軸
22 ディスク部
23 フレーム部
28 第1チェーンケース
40 制御部
41 第1センサ
42 第2センサ
50 操作表示部
51 表示部
51a オフセット位置表示
51b オフセット設定表示
51c 耕深位置表示
51d 耕深設定表示
52 電源ボタン
53 操作設定ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農作業を行う作業部をオフセット移動可能でトラクタに装着するオフセット作業機において、
表示部と、センサとを有し、
前記表示部は、前記センサからの情報によりオフセット移動による前記作業部の位置を示す現在オフセット位置と、あらかじめ設定されている設定オフセット位置とを表示することを特徴とするオフセット作業機。
【請求項2】
請求項1に記載のオフセット作業機において、
作業部をオフセット移動させるアクチュエータと、該アクチュエータを動作させるためのスイッチを具備する操作部とを有し、前記操作部は前記表示部と一体に構成されていることを特徴とするオフセット作業機。
【請求項3】
請求項1に記載のオフセット作業機において、
作業部を調整する調整機構と、第2のセンサとを有し、
前記表示部は、前記第2のセンサからの情報により前記調整機構の現在の状態と、あらかじめ設定されている前記調整機構の設定状態とを表示することを特徴とするオフセット作業機。
【請求項4】
請求項3に記載のオフセット作業機において、
当該オフセット作業機は、耕耘部とディスク部を有する畦塗り機であり、前記調整機構は、前記耕耘部の耕深量を調整する機構であることを特徴とするオフセット作業機。
【請求項5】
請求項1に記載のオフセット作業機において、
当該オフセット作業機は畦塗り機であることを特徴とするオフセット作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−45287(P2011−45287A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196337(P2009−196337)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000188009)松山株式会社 (285)
【Fターム(参考)】