説明

オブジェクト処理装置およびオブジェクト選択方法

【課題】画像中に含まれるあるオブジェクトが他のオブジェクトの下側に完全に隠れてしまっている場合でも、極めて簡単な操作で所望のオブジェクトを選択できるようにする。
【解決手段】画像中で複数のオブジェクト21,22が重なった部分を複数の小領域31a,32aに分割して、当該複数の小領域31a,32aに対応する各ドットに対して複数のオブジェクト21,22の識別情報を各々付与することによって識別用レイアウト情報を生成することにより、表示画像のレイアウト上では複数のオブジェクトが重なっていても、当該複数のオブジェクトを識別するために生成された識別用レイアウト情報のレイアウト上では、各オブジェクトに対応する識別情報が重なることがないようにして、カーソルの位置から取得される識別情報によって各オブジェクトを識別できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オブジェクト処理装置およびオブジェクト選択方法に関し、特に、画面上に表示された複数のオブジェクトの中から所望のオブジェクトをポインティングデバイスにより選択することを支援するためのオブジェクト処理装置およびオブジェクト選択方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、表示装置の画面上に表示した図形、記号、文字、イラスト等をそれぞれ独立したオブジェクトとして扱い、所望のオブジェクトをマウス等のポインティングデバイスにより指定して選択できるようにした技術が広く提供されている。この技術を適用して所望のオブジェクトを選択することにより、当該選択したオブジェクトに関連する所定の処理をコンピュータに実行させるようにすることが可能である。
【0003】
また、このようなオブジェクトを含む画像を拡大または縮小する技術も提供されている。ここで、図10に示すように、複数のオブジェクト 101〜103を含む画像104を縮小した場合、画像101内に含まれる個々のオブジェクト101〜103が縮小されると同時に、オブジェクト間の間隔も縮小される。オブジェクト101〜103の大きさに比べてオブジェクト間の間隔が小さい場合には、縮小率が大きくなると、縮小された複数のオブジェクト101〜103同士に重なりが生じることもある。
【0004】
例えば2つのオブジェクトに重なりが生じた場合、所定のルールによって重なりの上下関係が生じる。すなわち、下側のオブジェクトの一部は上側のオブジェクトの一部の下に隠れた状態となる。この場合、2つのオブジェクトが重なっている部分にマウスのカーソルを合わせると、上側のオブジェクトが選択されることになる。したがって、下側のオブジェクトを選択するためには、下側のオブジェクト上で、かつ、上側のオブジェクトと重なっていない部分にカーソルを合わせる必要がある。
【0005】
ところが、画像を縮小したときにその中に含まれる複数のオブジェクトが完全に重なってしまい、小さいオブジェクトがそれより大きいオブジェクトの下側に完全に隠れてしまうことがある。あるいは、3つ以上のオブジェクトが重なり合って、1つのオブジェクトが他の2つ以上のオブジェクトの下側に完全に隠れてしまうこともある。このような状態の場合は、下側に隠れたオブジェクトをマウスにより選択することができないという問題が生じる。
【0006】
なお、あるオブジェクトが他のオブジェクトの下側に完全に隠れてしまう場合でも、所望のオブジェクトを選択できるようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この特許文献1に記載の技術では、2つのオブジェクトが重なっている部分にマウスのカーソルを合わせ、マウスの左ボタンを押したときは上側のオブジェクトが選択されたものとし、マウスの右ボタンを押したときは下側のオブジェクトが選択されたものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−223241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、マウスの左ボタンまたは右ボタンの何れかを押さなければ所望のオブジェクトを選択することができない。すなわち、マウスカーソルをオブジェクトの位置に合わせるだけでは所望のオブジェクトを選択することができないという問題があった。そのため、例えば所望のオブジェクトにマウスカーソルを合わせることによって当該オブジェクトをハイライト表示させ、左ボタンのクリックによって選択状態を確定する(あるいは所定の処理を実行する)といったことができない。
【0009】
また、画像を縮小した結果、あるオブジェクトが他のオブジェクトの下側に完全に隠れてしまった場合、画面の表示を見ても下側のオブジェクトの存在が分からない。したがって、殆どの場合はマウスの左ボタンをクリックすることによって上側のオブジェクトが選択されることになってしまう。下側のオブジェクトを選択するためには、存在するかどうか分からなくても念のためにマウスの右ボタンを押してみる必要があり、その操作が無駄になることも多い。よって、所望のオブジェクトを選択するための操作が煩雑になるという問題もあった。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、あるオブジェクトが他のオブジェクトの下側に完全に隠れてしまっている場合でも、極めて簡単な操作で所望のオブジェクトを選択できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した課題を解決するために、本発明では、複数のオブジェクトが含まれる画像について、画像と同じ2次元レイアウト上で複数のオブジェクトに関連付けた各ドットに対してオブジェクトの識別情報を各々付与して成る識別用レイアウト情報を生成する。識別用レイアウト情報を生成する際に、画像内で重なりがないオブジェクトについては、当該オブジェクトに対応する各ドットに対して当該オブジェクトの識別情報を付与する。一方、重なりがある複数のオブジェクトについては、重なりのない部分に対応する各ドットに対して複数のオブジェクトの識別情報を各々付与するとともに、重なりのある部分は複数の小領域に分割して、当該複数の小領域に対応する各ドットに対して複数のオブジェクトの識別情報を各々付与する。そして、表示装置に表示された画像上で指定されたドットに対応する識別情報を識別用レイアウト情報から取得し、取得した識別情報に対応するオブジェクトを選択するようにしている。
【発明の効果】
【0012】
上記のように構成した本発明によれば、表示装置に表示される画像とは別に生成された識別用レイアウト情報を用いることにより、画像上でカーソルが合わせられた位置にあるオブジェクトを識別することが可能となる。この識別用レイアウト情報は、画像内に含まれる複数のオブジェクト同士に重なりがある場合には、その重なった部分が複数の小領域に分割されて、各小領域に対して各オブジェクトの識別情報を各々付与することによって生成される。そのため、表示装置に表示された画像のレイアウト上では複数のオブジェクトが重なっていても、当該複数のオブジェクトを識別するために生成された識別用レイアウト情報のレイアウト上では、各オブジェクトに対応する識別情報が重なることはなく、カーソルの位置から取得される識別情報によって各オブジェクトを識別することが可能となる。したがって、あるオブジェクトが他のオブジェクトの下側に表示上は完全に隠れてしまっている場合でも、極めて簡単な操作で所望のオブジェクトを選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態によるオブジェクト処理装置を備えた画像処理装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の画像生成部により生成される元画像および縮小画像の例を示す図である。
【図3】図2(a)に示す元画像から生成される識別用レイアウト情報を示す図である。
【図4】オブジェクト同士が重なった部分を小領域に分割して各オブジェクトの識別情報を付与する例を示す図である。
【図5】図2(b)に示す縮小画像から生成される識別用レイアウト情報を示す図である。
【図6】本実施形態による画像処理装置の動作例を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態によるオブジェクト処理装置を応用した画像処理装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図8】本実施形態の画像生成部により生成される画像と当該画像内に含まれる複数のオブジェクトおよびグループの例を示す図である。
【図9】本実施形態の識別情報生成部により生成される第1の識別用レイアウト情報および第2の識別用レイアウト情報の例を示す図である。
【図10】複数のオブジェクトを含む画像を縮小した場合の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態によるオブジェクト処理装置を備えた画像処理装置100の機能構成例を示すブロック図である。本実施形態の画像処理装置100は、例えばパーソナルコンピュータに内蔵されている。また、図1に示すように、本実施形態の画像処理装置100は、その機能構成として、画像生成部11、識別情報生成部12、識別情報記憶部13、表示制御部14、識別情報取得部15、オブジェクト選択部16および動作制御部17を備えている。
【0015】
これらの各機能ブロック11〜17は、ハードウェア構成、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても実現することが可能である。例えばソフトウェアによって実現する場合、本実施形態の画像処理装置100は、実際にはコンピュータのCPUあるいはMPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。
【0016】
画像生成部11は、元データ記憶部200に記憶されている元データを用いて、複数のオブジェクトを含む画像を生成する。例えば、元データは複数のオブジェクトとその配置を表わすレイアウト情報とを含むデータであり、画像生成部11はこの元データを用いて上記複数のオブジェクトを含む所定サイズの画像(以下、元画像という)を生成する。また、画像生成部11は、この元画像を縮小して縮小画像を生成したり、拡大して拡大画像を生成したりする。
【0017】
図2は、画像生成部11により生成される元画像および縮小画像の例を示す図である。図2(a)は元画像を示し、図2(b)は縮小画像を示す。図2の例では、背景24の上に3つのオブジェクト21,22,23が存在する画像を示している。複数のオブジェクト21〜23を含む元画像を縮小した場合、元画像内に含まれる個々のオブジェクト21〜23が背景24と共に縮小されると同時に、オブジェクト21〜23間の間隔も縮小される。その結果、図2(b)に示す縮小画像では、縮小された複数のオブジェクト21〜23同士に重なりが生じている。
【0018】
後述するように、画像生成部11により生成された画像内の所望のオブジェクト21〜23をマウス400等のポインティングデバイスにより指定して選択することにより、当該選択したオブジェクトに関連する所定の処理をコンピュータ(例えば、画像処理装置100を備えたパーソナルコンピュータ)に実行させることができるようになされている。
【0019】
識別情報生成部12は、画像生成部11により生成された画像(元画像、縮小画像、拡大画像)に基づいて、画像上の複数のオブジェクトをそれぞれ識別可能な識別情報を生成し、当該画像と同じ2次元レイアウト(ビットマップレイアウト)上で複数のオブジェクトに関連付けた各ドットに対して識別情報を各々付与して成る識別用レイアウト情報を生成する。本実施形態では、識別情報生成部12が生成する各ドットの識別情報として、色情報を用いる。識別情報生成部12は、生成した識別用レイアウト情報を識別情報記憶部13に記憶する。
【0020】
識別情報生成部12は、識別用レイアウト情報を生成する際に、複数のオブジェクト同士に重なりがあるか否かを判定する。そして、重なりがないオブジェクトについては、当該オブジェクトに対応する識別用レイアウト情報の各ドットに対して当該オブジェクトの識別情報を付与する。
【0021】
一方、重なりがある複数のオブジェクトについては、重なりのない部分に対応する識別用レイアウト情報の各ドットに対して複数のオブジェクトの識別情報を各々付与する。また、重なりのある部分は複数の小領域に分割して、当該複数の小領域に対応する識別用レイアウト情報の各ドットに対して複数のオブジェクトの識別情報を各々付与する。
【0022】
例えば、図2(a)のように、3つのオブジェクト21〜23に重なりがない場合は、当該オブジェクト21〜23に対応する識別用レイアウト情報の各ドットに対して当該オブジェクト21〜23の識別情報を各々付与する。すなわち、第1のオブジェクト21に対応する識別用レイアウト情報の各ドットに対して第1の識別情報を付与し、第2のオブジェクト22に対応する識別用レイアウト情報の各ドットに対して第2の識別情報を付与し、第3のオブジェクト23に対応する識別用レイアウト情報の各ドットに対して第3の識別情報を付与する。
【0023】
図3は、図2(a)に示す元画像から生成される識別用レイアウト情報を示す図である。図3に示すように、複数のオブジェクト21〜23に重なりがない場合は、図2(a)の元画像と同じ2次元レイアウト上で、複数のオブジェクト21〜23と全く同じ領域の各ドットに対して第1〜第3の識別情報31〜33を各々付与して成る識別用レイアウト情報が生成される。なお、識別用レイアウト情報において背景24に対応する部分には、識別情報は付与されていない。
【0024】
一方、図2(b)のように、3つのオブジェクト21〜23に重なりがある場合は、重なっていない部分に対応する識別用レイアウト情報の各ドットに対して、3つのオブジェクト21〜23に対応する第1〜第3の識別情報31〜33を各々付与する。また、重なった部分については識別用レイアウト情報上の領域を複数の小領域に分割し、当該複数の小領域に対応する識別用レイアウト情報の各ドットに対して、重なりを生じている複数のオブジェクトの識別情報を各々付与する。
【0025】
図4は、オブジェクト同士が重なった部分を小領域に分割して各オブジェクトの識別情報を付与する例を示す図である。図4に示すように、第1のオブジェクト21と第2のオブジェクト22とは一部において重なりが生じている。この場合、識別情報生成部12は、重なった部分の識別用レイアウト情報上の領域を2つの小領域31a,32aに分割し、第1のオブジェクト21に近い側の一方の小領域31aに対して第1の識別情報31を付与し、第2のオブジェクト22に近い側の他方の小領域32aに対して第2の識別情報32を付与する。ここで、2つの小領域31a,32aは互いに面積が等しくなるように分割される。第1のオブジェクト21および第2のオブジェクト22は何れも矩形であるため、2つの小領域31a,32aも矩形となる。
【0026】
また、第1のオブジェクト21は第3のオブジェクト23との間でも一部において重なりが生じている。この場合、識別情報生成部12は、重なった部分の識別用レイアウト情報上の領域を2つの小領域31b,33bに分割し、第1のオブジェクト21に近い側の一方の小領域31bに対して第1の識別情報31を付与し、第3のオブジェクト23に近い側の他方の小領域33bに対して第3の識別情報33を付与する。この2つの小領域31b,33bも、互いに面積が等しくなるように分割される。
【0027】
なお、第1のオブジェクト21は矩形であるのに対し、第3のオブジェクト23は楕円形であるため、2つの小領域31b,33bの形状が両方とも矩形になることはない。図4の例では、第3のオブジェクト23に近い側の他方の小領域33bを矩形とし、残りの重複領域を一方の小領域31bとしているが、小領域31b,33bの形状はこれに限定されない。
【0028】
図5は、図2(b)に示す縮小画像から生成される識別用レイアウト情報を示す図である。なお、縮小画像から生成される識別用レイアウト情報は、当該縮小画像と同じ2次元レイアウト上で同じサイズにて生成されるが、図5は説明の都合上、識別用レイアウト情報を拡大して図示している。
【0029】
図5に示すように、複数のオブジェクト21〜23において重なりがある場合には、識別用レイアウト情報における第1〜第3の識別情報31〜33の領域は、第1〜第3のオブジェクト21〜23とは異なる形状となる。すなわち、第1の識別情報31の領域は、第1のオブジェクト21の領域から小領域32a,33bが欠けた形状となる。第2の識別情報32の領域は、第2のオブジェクト22の領域から小領域31aが欠けた形状となる。また、第3の識別情報33の領域は、第3のオブジェクト23の領域から小領域31bが欠けた形状となる。
【0030】
表示制御部14は、画像生成部11により生成された画像を表示装置300に表示させるように制御する。識別情報取得部15は、表示制御部14により表示装置300に表示された画像上でマウス400のカーソルにより指定されたドットに対応する識別情報(色情報)を、識別情報記憶部13に記憶されている識別用レイアウト情報から取得する。識別用レイアウト情報は、2次元レイアウトの各ドットに色情報が付与された画像データ(ビットマップデータ)と同じ形態を有していることから、色情報の取得はBitmapDataクラスのgetPixcel関数などを用いて行うことが可能である。
【0031】
オブジェクト選択部16は、識別情報取得部15により取得された識別情報(色情報)に対応するオブジェクトを選択する。すなわち、オブジェクト選択部16は、識別情報取得部15により識別用レイアウト情報から取得された識別情報により示されるドット列をオブジェクトとして選択する。例えば、図5に示す第1の識別情報31の領域内のドットがマウスカーソルにより指定された場合、識別情報取得部15は識別用レイアウト情報から第1の識別情報31を取得し、これに対応してオブジェクト選択部16は第1のオブジェクト21を選択する。
【0032】
動作制御部17は、オブジェクト選択部16によりオブジェクトが選択されたとき、その選択されたオブジェクトに関する所定の動作を行うように制御する。例えば、動作制御部17は、オブジェクト選択部16により選択されたオブジェクトをハイライト表示させるように画像生成部11と表示制御部14とを制御する。具体的には、動作制御部17の制御を受けて画像生成部11は、オブジェクト選択部16により選択されたオブジェクトが特定のハイライト色で最前面に現れるように画像を再描画する。そして、表示制御部14は、画像生成部11により再描画された画像を表示装置300に表示させる。
【0033】
また、動作制御部17は、オブジェクト選択部16により選択されたオブジェクトがマウス400によりクリックされたとき、そのオブジェクトに関する所定の動作を行うように制御する。例えば、オブジェクトに関連付けられたアプリケーションを起動したり、オブジェクトに関する情報を表示装置300に表示させるように表示制御部14を制御したりする。このような動作を行うために、例えば、元データ記憶部200に記憶されている元データにおいてオブジェクトとアプリケーションとの関連情報や、オブジェクトに関する情報を記憶しておく。そして、動作制御部17は、これらの情報を参照することによって所定の動作を実行するように制御する。
【0034】
次に、上記のように構成した本実施形態による画像処理装置100の動作を説明する。図6は、本実施形態による画像処理装置100の動作例を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートは、画像処理装置100を起動して画像の表示を指示したときにスタートする。
【0035】
図6において、まず、画像生成部11は、元データ記憶部200に記憶されている元データを用いて、複数のオブジェクトを含む画像を生成する(ステップS1)。最初は元画像を生成する。次に、識別情報生成部12は、画像生成部11により生成された画像に基づいて識別用レイアウト情報を生成し、識別情報記憶部13に記憶する(ステップS2)。続いて、表示制御部14は、画像生成部11により生成された画像を表示装置300に表示させる(ステップS3)。
【0036】
画像が表示装置300に表示された状態で、識別情報取得部15は、当該画像上でマウスカーソルによる位置の指定が行われたか否かを判定する(ステップS4)。画像上でマウスカーソルによる位置の指定が行われていないと識別情報取得部15にて判定した場合、画像生成部11は、画像縮小や画像拡大などの画像生成指示がユーザにより行われたか否かを判定する(ステップS5)。
【0037】
なお、画像縮小や画像拡大の指示は、例えば、マウス400を操作して画像表示領域の境界部分をドラッグし、当該画像表示領域を任意に縮小または拡大することによって行うことが可能である。または、マウス400を操作して、所望の縮小率または拡大率をメニューから選択することによって画像の縮小または拡大の指示を行うようにしてもよい。
【0038】
ここで、画像生成指示が行われていないと判断した場合、処理はステップS11にジャンプする。一方、画像生成指示が行われたと判断した場合、処理はステップS1に戻り、画像生成部11は、マウス400の操作により指定されたサイズの縮小画像または拡大画像を生成する。そして、識別情報生成部12は、画像生成部11により生成された画像に基づいて識別用レイアウト情報を再生成し、識別情報記憶部13に記憶する(ステップS2)。続いて、表示制御部14は、画像生成部11により再生成された画像を表示装置300に表示させる(ステップS3)。
【0039】
このようにして、画像生成部11により生成された画像(元画像、縮小画像または拡大画像)が表示装置300に表示された状態で、当該画像上でマウスカーソルによる位置の指定が行われたと識別情報取得部15により判断された場合(ステップS4でYes)、識別情報取得部15は、マウスカーソルにより指定されたドットに対応する識別情報を識別情報記憶部13の識別用レイアウト情報から取得する(ステップS6)。
【0040】
次に、オブジェクト選択部16は、識別情報取得部15により取得された識別情報に対応するオブジェクトを選択する(ステップS7)。そして、動作制御部17は画像生成部11および表示制御部14を制御して、オブジェクト選択部16により選択されたオブジェクトをハイライト表示させる(ステップS8)。その後、動作制御部17は、選択されたオブジェクトがマウス400によりクリックされたか否かを判定する(ステップS9)。
【0041】
選択されたオブジェクトがクリックされていない場合、処理はステップS4に戻る。一方、選択されたオブジェクトがクリックされた場合、動作制御部17は、クリックされたオブジェクトに関する所定の動作(アプリケーションの起動や関連情報の表示など)を行うように制御する(ステップS10)。最後に、画像処理装置100は動作を終了するための指示がユーザにより行われたか否かを判定する(ステップS11)。画像処理装置100の動作を終了するための指示が行われていない場合、処理はステップS4に戻る。一方、画像処理装置100の動作を終了するための指示が行われた場合、図6に示すフローチャートの処理は終了する。
【0042】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、画像に含まれる複数のオブジェクトを識別するための識別用レイアウト情報をマウス判定用に画像とは別に生成している。この識別用レイアウト情報は、画像と同じ2次元レイアウト上で複数のオブジェクトに関連付けた各ドットに対して各オブジェクトの識別情報を付与したものである。特に、複数のオブジェクトが重なっている部分については、その重複領域を複数の小領域に分割して、当該複数の小領域に対応する各ドットに対して各オブジェクトの識別情報を各々付与している。そして、表示装置300に表示された画像上でマウスカーソルにより指定されたドットに対応する識別情報をこの識別用レイアウト情報から取得し、取得した識別情報に対応するオブジェクトを選択するようにしている。
【0043】
このように、表示装置300に表示される画像とは別に生成された識別用レイアウト情報を用いることにより、画像上でカーソルが合わせられた位置にあるオブジェクトを識別することが可能となる。カーソルが合わせられた位置の画像情報を取得するわけではないので、オブジェクトを含めて画像全体がビットマップデータで生成されていても、当該画像内に含まれるオブジェクトを識別することができる。
【0044】
また、表示装置300に表示された画像のレイアウト上では複数のオブジェクトが重なっていても(図2(b)参照)、当該複数のオブジェクトを識別するために生成された識別用レイアウト情報のレイアウト上では、各オブジェクトに対応する識別情報が重なることはない(図5参照)。そのため、カーソルの位置から取得される識別情報によって、重なっている各オブジェクトでも識別することが可能となる。したがって、あるオブジェクトが他のオブジェクトの下側に表示上は完全に隠れてしまっている場合でも、カーソルを移動させるだけの極めて簡単な操作で、その隠れてしまっているオブジェクトも含めて所望のオブジェクトを選択することができる。
【0045】
また、本実施形態では、マウスカーソルの位置判定を行うのに、マウス400から座標情報を取得するのではなく、識別用レイアウト情報から識別情報を取得している。マウス400から座標情報を取得する方法であると、カーソルを少し動かす度に外部デバイスのマウス400から座標情報を一々取得する必要があり、多くの時間を要する。
【0046】
これに対し、本実施形態のように内部の識別用レイアウト情報から識別情報を取得する方法であれば、マウスカーソルの移動に追随して瞬時に識別情報を取得することができる。このため、マウス位置の判定速度を向上させることができる。これにより、画像の表示からマウス位置の判定を経て、それにより選択したオブジェクトのハイライト表示等を行うまでの一連のパフォーマンスを極めて高いものにすることができる。
【0047】
なお、上記実施形態では、マウスカーソルによる位置の指定によってオブジェクトが選択された場合はハイライト表示を行い、オブジェクトがクリックされた場合はアプリケーションの起動等を行う例について説明したが、動作制御部17が制御する動作はこの例に限定されない。すなわち、用途に応じて任意の動作を行わせることが可能である。
【0048】
次に、本実施形態によるオブジェクト処理装置の応用例について説明する。図7は、本実施形態によるオブジェクト処理装置を応用した画像処理装置100’の機能構成例を示すブロック図である。なお、この図7において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0049】
図7に示す画像処理装置100’は、その機能構成として、画像生成部11、識別情報生成部12’、識別情報記憶部13、表示制御部14、識別情報取得部15’、オブジェクト選択部16’および動作制御部17’を備えている。これらの各機能ブロックは、ハードウェア構成、DSP、ソフトウェアの何れによっても実現することが可能である。
【0050】
識別情報生成部12’は、2種類の識別用レイアウト情報を生成する。第1の識別用レイアウト情報と第2の識別用レイアウト情報である。第1の識別用レイアウト情報は、複数のオブジェクトを含むグループを識別するための情報である。また、第2の識別用レイアウト情報は、グループ内に含まれる個々のオブジェクトを識別するための情報である。
【0051】
すなわち、識別情報生成部12’は、画像生成部11により生成された画像に含まれる複数のオブジェクトを複数のグループに分類する。そして、識別情報生成部12’は、複数のグループの各々について、画像と同じ2次元レイアウト上でグループに含まれる全オブジェクトに対応する各ドットに対してグループの識別情報を各々付与して第1の識別用レイアウト情報を生成する。また、識別情報生成部12’は、グループに含まれるオブジェクトの各々について、画像と同じ2次元レイアウト上で個々のオブジェクトに対応する各ドットに対してオブジェクトの識別情報を各々付与して第2の識別用レイアウト情報を生成する。
【0052】
図8は、画像生成部11により生成される画像と当該画像内に含まれる複数のオブジェクトおよびグループの例を示す図である。図8において、81A,82A,83Aはアイコンを表わすマークのオブジェクト、81B,82B,83Bはタイトルを表わすテキストのオブジェクト、84はグラフ等のチャート画像(この例では、マウスカーソルにより選択可能なオブジェクトではないものとする)である。
【0053】
図8の例では、チャート画像84として3本のグラフが表示されている。この3本のグラフに対応して、画像内の複数のオブジェクトが3つのグループに分類されている。すなわち、2つのオブジェクト81A,81Bが第1グループ81に分類され、2つのオブジェクト82A,82Bが第2グループ82に分類され、2つのオブジェクト83A,83Bが第3グループ83に分類されている。なお、どのオブジェクトがどのグループに属するかは、例えば元データにより示される。
【0054】
図9は、図8に示す画像に基づいて識別情報生成部12’により生成される第1の識別用レイアウト情報および第2の識別用レイアウト情報の例を示す図である。図9(a)が第1の識別用レイアウト情報を示し、図9(b)が第2の識別用レイアウト情報を示している。
【0055】
図9(a)に示すように、識別情報生成部12’は、第1の識別用レイアウト情報を生成する際に、第1グループ81内の全オブジェクト81A,81Bを囲む所定範囲の矩形領域内の各ドットに対して第1の識別情報91を付与する。また、識別情報生成部12’は、第2グループ82内の全オブジェクト82A,82Bを囲む所定範囲の矩形領域内の各ドットに対して第2の識別情報92を付与する。また、識別情報生成部12’は、第3グループ83内の全オブジェクト83A,83Bを囲む所定範囲の矩形領域内の各ドットに対して第3の識別情報93を付与する。
【0056】
また、図9(b)に示すように、識別情報生成部12’は、第2の識別用レイアウト情報を生成する際に、第1グループ81に含まれる個々のオブジェクト81A,81Bに対応する各ドットに対して第4〜第5の識別情報94A,94Bを各々付与する。また、識別情報生成部12’は、第2グループ82に含まれる個々のオブジェクト82A,82Bに対応する各ドットに対して第6〜第7の識別情報95A,95Bを各々付与する。また、識別情報生成部12’は、第3グループ83に含まれる個々のオブジェクト83A,83Bに対応する各ドットに対して第8〜第9の識別情報96A,96Bを各々付与する。
【0057】
識別情報生成部12’は、以上のようにして生成した第1の識別用レイアウト情報および第2の識別用レイアウト情報を識別情報記憶部13に記憶する。図7に示す応用例においても、識別情報生成部12’が生成する各ドットの識別情報として、色情報を用いる。具体的には、識別情報生成部12’が生成する識別用レイアウト情報における各ドットの識別情報は、所定範囲内にある類似色を同一色グループにグルーピングした色情報であり、1つのグループに対して同一色グループの類似色を付与する。ここで言う類似色とは、人間の目では殆ど識別できないがコンピュータでは識別できる色のことをいうものとする。
【0058】
すなわち、識別情報生成部12’は、1つのグループに含まれる各オブジェクトに対応する各ドットに対して、同一色グループに属する類似色の色情報を各々付与する。その際に識別情報生成部12’は、1つのグループ内に含まれるオブジェクトの各々に対応する各ドットに対しては異なる類似色の色情報を各々付与することによって第2の識別用レイアウト情報を生成する。また、グループ内の全オブジェクトを囲む所定範囲の矩形領域内の各ドットに対して、第2の識別用レイアウト情報で使用した類似色とは異なる類似色を付与することによって第1の識別用レイアウト情報を生成する。
【0059】
例えば、識別情報生成部12’は、第1グループ81に含まれる2つのオブジェクト81A,81Bの各々に対応する第2の識別用レイアウト情報上の各ドットに対して、同一色グループに属するが異なる類似色の色情報を第4〜第5の識別情報94A,94Bとして各々付与する。また、2つのオブジェクト81A,81Bを囲む矩形領域に対応する第1の識別用レイアウト情報上の各ドットに対して、第4〜第5の識別情報94A,94Bとは異なる類似色の色情報を第1の識別情報91として付与する。
【0060】
また、識別情報生成部12’は、第2グループ82に含まれる2つのオブジェクト82A,82Bの各々に対応する識別用レイアウト情報上の各ドットに対して、同一色グループ(第1グループ81に対して設定したものとは異なるグループ)に属するが異なる類似色の色情報を第6〜第7の識別情報95A,95Bとして各々付与する。また、2つのオブジェクト82A,82Bを囲む矩形領域に対応する第1の識別用レイアウト情報上の各ドットに対して、第6〜第7の識別情報95A,95Bとは異なる類似色の色情報を第2の識別情報92として付与する。
【0061】
また、識別情報生成部12’は、第3グループ83に含まれる2つのオブジェクト83A,83Bの各々に対応する識別用レイアウト情報上の各ドットに対して、同一色グループ(第1グループ81および第2グループ82に対して設定したものとは異なるグループ)に属するが異なる類似色の色情報を第8〜第9の識別情報96A,96Bとして各々付与する。また、2つのオブジェクト83A,83Bを囲む矩形領域に対応する第1の識別用レイアウト情報上の各ドットに対して、第8〜第9の識別情報96A,96Bとは異なる類似色の色情報を第3の識別情報93として付与する。
【0062】
識別情報取得部15’は、表示制御部14により表示装置300に表示された画像上でマウス400のカーソルにより指定されたドットに対応する識別情報(色情報)を、識別情報記憶部13に記憶されている識別用レイアウト情報から取得する。例えば、識別情報取得部15’は、単にマウスカーソルが所望の位置に合わせられただけのときは第1の識別用レイアウト情報から色情報を取得し、マウスカーソルが合わせられた位置でクリックが行われたときは第2の識別用レイアウト情報から色情報を取得する。
【0063】
オブジェクト選択部16’は、識別情報取得部15’により第1の識別用レイアウト情報から色情報が取得されたときは、当該色情報に対応するオブジェクトのグループを選択する。また、オブジェクト選択部16’は、識別情報取得部15’により第2の識別用レイアウト情報から色情報が取得されたときは、当該色情報に対応するオブジェクトを選択する。すなわち、オブジェクト選択部16’は、識別情報取得部15’により第1の識別用レイアウト情報から取得された色情報により示されるドット列をオブジェクトのグループとして選択するとともに、識別情報取得部15’により第2の識別用レイアウト情報から取得された色情報により示されるドット列をオブジェクトとして選択する。
【0064】
動作制御部17’は、オブジェクト選択部16’によりオブジェクトまたはそのグループが選択されたとき、選択されたオブジェクトまたはグループに関する所定の動作を行うように制御する。例えば、動作制御部17’は、オブジェクト選択部16’により所望のオブジェクトのグループが選択された場合、当該選択されたグループをハイライト表示させるように画像生成部11と表示制御部14とを制御する。
【0065】
また、動作制御部17’は、オブジェクト選択部16’により所望のオブジェクトが選択された場合(クリックされた場合)、当該選択されたオブジェクトに関連付けられたアプリケーションを起動したり、オブジェクトに関する情報を表示装置300に表示させるように表示制御部14を制御したりする。
【0066】
図7〜図9を用いて説明した応用例においても、例えば図8に示す画像を縮小することによって複数のオブジェクト同士に重なりが生じる場合、または複数のグループ同士に重なりが生じる場合には、その重複領域を複数の小領域に分割して、当該複数の小領域に対応する各ドットに対して識別情報を各々付与する。そして、表示装置300に表示された画像上でマウスカーソルにより指定されたドットに対応する識別情報を第1の識別用レイアウト情報または第2の識別用レイアウト情報から取得し、取得した識別情報に対応するオブジェクトまたはグループを選択する。
【0067】
これにより、表示装置300に表示された画像のレイアウト上では複数のオブジェクトまたはオブジェクトのグループが重なっていても、当該複数のオブジェクトまたはグループを識別するために生成された識別用レイアウト情報のレイアウト上では、各オブジェクトや各グループに対応する識別情報が重なることはない。そのため、カーソルの位置から取得される識別情報によって各オブジェクトや各グループを識別することが可能となる。
【0068】
したがって、あるオブジェクトのグループが他のグループの下側に表示上は完全に隠れてしまっている場合でも、カーソルを移動させるだけの極めて簡単な操作で、その隠れてしまっているグループも含めて所望のグループを選択することができる。また、あるオブジェクトが他のオブジェクトの下側に表示上は完全に隠れてしまっている場合でも、決められたクリック操作(例えば、左クリック)を行うだけの極めて簡単な操作で、その隠れてしまっているオブジェクトも含めて所望のオブジェクトを選択することができる。
【0069】
なお、上記応用例では、単にマウスカーソルが所望の位置に合わせられたか、クリックされたかの区別によって、第1の識別用レイアウト情報または第2の識別用レイアウト情報の何れかより色情報を取得する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、グループを識別するための識別情報に関して、第1の識別用レイアウト情報において当該グループの位置を表わす矩形領域のうち、各オブジェクトが位置する領域については色情報を何も付与せず、矩形領域内の残りの領域についてのみ色情報を付与する。そして、複数のオブジェクトを含むグループを表わす矩形領域のうち、各オブジェクトの位置する領域がマウスカーソルにより指定された場合は第2の識別用レイアウト情報から色情報を取得し、矩形領域内の残りの領域がマウスカーソルにより指定された場合は第1の識別用レイアウト情報から色情報を取得するようにしても良い。
【0070】
この場合、グループを表わす矩形領域のうち、各オブジェクトの位置する領域がマウスカーソルにより指定されたときに当該オブジェクトに関連するアプリケーションの起動等を行う一方、矩形領域内の残りの領域がマウスカーソルにより指定されたときにグループのハイライト表示を行うようにしても良い。このようにすれば、マウスカーソルの位置を変えるだけで、動作制御部17’が制御する動作の内容を異ならせることができる。
【0071】
また、上記応用例では、グラフ等のチャート画像84がマウスカーソルにより選択可能なオブジェクトではないものとして説明したが、これをオブジェクトとして扱うことも可能である。例えば、チャート画像84により表わされている1つのグラフを1つのグループとし、グラフ上の複数の折れ点をグループ内の各オブジェクトとしてもよい。この場合、グラフ上の各ドットに対して同一色グループの異なる類似色を付与することによって第1の識別用レイアウト情報を生成するとともに、当該第1の識別用レイアウト情報における折れ点の部分に付与した色情報と同じ色情報を折れ点に対応するドットに付与することによって第2の識別用レイアウト情報を生成する。
【0072】
この場合において、例えば、折れ点以外のグラフ上をマウスカーソルで指定したときは当該グラフをハイライト表示させ、折れ点の部分をマウスカーソルで指定したきは折れ点部分の情報をラベル表示させるようにすることが可能である。なお、ラベル表示に必要な情報は、元データにより示される。このラベル表示に必要な情報を第2の識別用レイアウト情報に関連付けて記憶しておけば、第2の識別用レイアウト情報からマウスカーソルの位置に対応した色情報を取得するときに、対応するラベル情報も合わせて取得することができる。
【0073】
また、上記実施形態では、識別用レイアウト情報を構成する識別情報として色情報を用いる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、画像中に含まれる複数のオブジェクト(応用例の場合はオブジェクトおよびグループ)をそれぞれ識別することが可能な情報であれば、色情報以外の情報を用いても良い。
【0074】
また、上記実施形態では、表示装置300に表示された画像上のドットをマウス400のカーソルにより指定する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、表示装置300にタッチパネルを設け、当該タッチパネルに対するタッチペンや指のタッチにより画像上のドットを指定するようにしても良い。
【0075】
また、上記実施形態では、複数のオブジェクトを含む画像に基づいて識別用レイアウト情報を生成する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、画像内に含まれるオブジェクトのレイアウトが元データから分かる場合には、その元データに基づいて識別用レイアウト情報を生成するようにしてもよい。
【0076】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0077】
11 画像生成部
12,12’ 識別情報生成部
13 識別情報記憶部
14 表示制御部
15,15’ 識別情報取得部
16,16’ オブジェクト選択部
17,17’ 動作制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオブジェクトを含む画像に関して、上記複数のオブジェクトをそれぞれ識別可能な識別情報を生成し、上記画像と同じ2次元レイアウト上で上記複数のオブジェクトに関連付けた各ドットに対して上記識別情報を各々付与して成る識別用レイアウト情報を生成する識別情報生成部と、
表示装置に表示された画像上で指定されたドットに対応する識別情報を上記識別用レイアウト情報から取得する識別情報取得部と、
上記識別情報取得部により取得された識別情報に対応するオブジェクトを選択するオブジェクト選択部とを備え、
上記識別情報生成部は、上記オブジェクトに重なりがあるか否かを判定し、重なりがないオブジェクトについては、当該オブジェクトに対応する各ドットに対して当該オブジェクトの上記識別情報を付与する一方、重なりがある複数のオブジェクトについては、重なりのない部分に対応する各ドットに対して上記複数のオブジェクトの上記識別情報を各々付与するとともに、重なりのある部分は複数の小領域に分割して上記複数の小領域に対応する各ドットに対して上記複数のオブジェクトの上記識別情報を各々付与することによって、上記識別用レイアウト情報を生成することを特徴とするオブジェクト処理装置。
【請求項2】
上記識別情報生成部が生成する各ドットの上記識別情報は色情報であることを特徴とする請求項1に記載のオブジェクト処理装置。
【請求項3】
上記識別情報生成部は、上記画像に含まれる複数のオブジェクトを複数のグループに分類し、上記複数のグループの各々について、上記画像と同じ2次元レイアウト上で上記グループに含まれる全オブジェクトを囲む所定領域に対応する各ドットに対して上記複数のグループをそれぞれ識別可能な識別情報を各々付与して成る第1の識別用レイアウト情報と、上記グループに含まれるオブジェクトの各々について、上記画像と同じ2次元レイアウト上で上記グループに含まれる個々のオブジェクトに対応する各ドットに対して上記個々のオブジェクトを識別可能な識別情報を各々付与して成る第2の識別用レイアウト情報とを生成し、
上記オブジェクト選択部は、上記識別情報取得部により上記第1の識別用レイアウト情報から取得された識別情報に対応するオブジェクトのグループを選択するとともに、上記識別情報取得部により上記第2の識別用レイアウト情報から取得された識別情報に対応するオブジェクトを選択することを特徴とする請求項1に記載のオブジェクト処理装置。
【請求項4】
上記識別情報生成部が生成する各ドットの上記識別情報は、所定範囲内にある類似色を同一色グループにグルーピングした色情報であり、上記識別情報生成部は、1つのグループおよびそれに含まれる各オブジェクトに対応する各ドットに対して上記同一色グループに属する類似色の色情報を各々付与し、その際に上記1つのグループ内に含まれるオブジェクトの各々に対応する各ドットに対しては上記第1の識別用レイアウト情報とは異なる類似色の色情報を各々付与することによって上記第2の識別用レイアウト情報を生成することを特徴とする請求項3に記載のオブジェクト処理装置。
【請求項5】
複数のオブジェクトを含む画像に関して、上記複数のオブジェクトをそれぞれ識別可能な識別情報を生成し、上記画像と同じ2次元レイアウト上で上記複数のオブジェクトに関連付けた各ドットに対して上記識別情報を各々付与して成る識別用レイアウト情報を生成する識別情報生成ステップと、
表示装置に表示された画像上で指定されたドットに対応する識別情報を上記識別用レイアウト情報から取得する識別情報取得ステップと、
上記識別情報取得ステップで取得された識別情報に対応するオブジェクトを選択するオブジェクト選択ステップとを有し、
上記識別情報生成ステップでは、上記オブジェクトに重なりがあるか否かを判定し、重なりがないオブジェクトについては、当該オブジェクトに対応する各ドットに対して当該オブジェクトの上記識別情報を付与する一方、重なりがある複数のオブジェクトについては、重なりのない部分に対応する各ドットに対して上記複数のオブジェクトの上記識別情報を各々付与するとともに、重なりのある部分は複数の小領域に分割して上記複数の小領域に対応する各ドットに対して上記複数のオブジェクトの上記識別情報を各々付与することによって、上記識別用レイアウト情報を生成することを特徴とするオブジェクト選択方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−141748(P2011−141748A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2088(P2010−2088)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(504103984)1stホールディングス株式会社 (4)
【出願人】(509035576)株式会社フォー・クルー (3)
【Fターム(参考)】