説明

オレフィン重合用固体触媒成分

【課題】重合活性が高く、低温の有機溶媒に溶出する成分の含量の少ない重合体を与えるオレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用固体触媒成分の製造方法、オレフィン重合用固体触媒およびオレフィン重合体の製造方法を提供すること。
【解決手段】チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子および式(I)で表される内部電子供与体を含有するオレフィン重合用固体触媒成分:



式中、Rは水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数1〜10のハイドロカルビル基であり、複数のRは同一または異なり;Xはハロゲン原子または炭素原子数1〜10のハイドロカルビルオキシ基であり、2個のXは同一または異なり;nは10≦n≦20を満たす整数である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用固体触媒成分の製造方法、オレフィン重合用固体触媒の製造方法、およびオレフィン重合体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オレフィン重合用触媒成分として、チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子および内部電子供与体を含有する固体触媒成分が数多く知られている。また、内部電子供与体がオレフィン重合用触媒成分の性能に大きな影響を与えることも知られている。
【0003】
特許文献1には、三塩化チタン組成物、有機アルミニウム化合物、有機ケイ素化合物、及び内部電子供与体としてのアジピン酸エステルのような脂肪酸エステル化合物から形成される触媒の存在下にプロピレンを重合することが記載されている。
【0004】
特許文献2〜5には、セバシン酸エステル誘導体を内部電子供与体として用いたオレフィン重合用触媒が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−252704号明細書
【特許文献2】特開平6−49119号明細書
【特許文献3】特開昭61−21109号明細書
【特許文献4】特開昭62−146904号明細書
【特許文献5】特開平1−98603号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のオレフィン重合用触媒を重合反応に供しても、得られるオレフィン重合体の低温有機溶媒に溶出する成分(低分子量成分や無定形成分が主成分である)の含量の観点から未だ満足できるものではない。本発明は、重合活性が高く、低温の有機溶媒に溶出する成分の含量の少ない重合体を与えるオレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用固体触媒成分の製造方法、オレフィン重合用固体触媒およびオレフィン重合体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子および式(I)で表される内部電子供与体を含有するオレフィン重合用固体触媒成分である:



式中、Rは水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数1〜10のハイドロカルビル基であり、複数のRは同一または異なり;Xはハロゲン原子または炭素原子数1〜10のハイドロカルビルオキシ基であり、複数のXは同一または異なり;nは10≦n≦20を満たす整数である。
【0008】
本発明はまた、チタン化合物とマグネシウム化合物と上式(I)で表される内部電子供与体とを、またはチタン原子およびマグネシウム原子を含む固体成分と式(I)で表される内部電子供与体とを、接触させる工程からなる、上記のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法である。前者の、チタン化合物とマグネシウム化合物と上式(I)で表される内部電子供与体とを接触させる態様を、以下「触媒成分製造方法−1」と言い、後者の、チタン原子およびマグネシウム原子を含む固体成分と式(I)で表される内部電子供与体とを接触させる態様を、以下「触媒成分製造方法−2」と言う。
【0009】
本発明はさらに、上記のオレフィン重合用固体触媒成分、または上記の製造方法で製造されたオレフィン重合用固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、任意に外部電子供与体とを接触させる工程からなるオレフィン重合用固体触媒の製造方法である。
【0010】
本発明はさらにまた、上記の製造方法によって製造されるオレフィン重合用固体触媒の存在下にオレフィンを重合させる工程からなるオレフィン重合体の製造方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、重合活性が高く、低温の有機溶媒に溶出する成分の含量の少ない重合体を与えるオレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用固体触媒成分の製造方法、オレフィン重合用固体触媒およびオレフィン重合体の製造方法が提供される。
【0012】
上記の「オレフィン重合用固体触媒成分」および「オレフィン重合用固体触媒」を、以下それぞれ「固体触媒成分」および「固体触媒」と言う。
【発明を実施するための形態】
【0013】
式(I)におけるRのハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を例示することができ、好ましくはフッ素原子、塩素原子または臭素原子である。
【0014】
式(I)におけるRのハイドロカルビル基として、アルキル基、アラルキル基、アリール基、およびアルケニル基を例示することができ、これらはハロゲン原子、ハイドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホニル基、およびシリル基のような置換基を有していてもよい。
【0015】
上記アルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、およびn−オクチル基のような直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、および2−エチルヘキシル基のような分岐状アルキル基;ならびにシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、およびシクロオクチル基のような環状アルキル基を例示することができ、好ましくは炭素原子数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状アルキル基であり、より好ましくは直鎖状もしくは分岐状で炭素原子数1〜10のアルキル基である。上記アラルキル基として、ベンジル基、およびフェネチル基を例示することができ、好ましくは炭素原子数7〜10のアラルキル基である。上記アリール基として、フェニル基、トリル基、およびキシリル基を例示することができ、好ましくは炭素原子数6〜10のアリール基である。上記アルケニル基として、ビニル基、アリル基、3−ブテニル、および5−ヘキセニル基のような直鎖状アルケニル基;イソブテニル基、および5−メチル−3−ペンテニル基のような分岐状アルケニル基;ならびに2−シクロヘキセニル基、および3−シクロヘキセニル基のような環状アルケニル基を例示することができ、好ましくは炭素原子数2〜10のアルケニル基である。Rは、好ましくは水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基である。
【0016】
式(I)におけるXのハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を例示することができ、好ましくはフッ素原子、塩素原子または臭素原子である。
【0017】
式(I)におけるXのハイドロカルビルオキシ基として、アルコキシ基、アラルキロキシ基、アリーロキシ基、およびアルケニロキシ基を例示することができ、これらはハロゲン原子、ニトロ基、スルホニル基、およびシリル基のような置換基を有していてもよい。
【0018】
上記アルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキトキシ基、n−ヘプトキシ基、n−オクトキシ基、およびn−デコキシ基のような直鎖状アルコキシ基;イソプロポキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、イソペントキシ基、ネオペントキシ基、イソアミロキシ基、および2−エチルヘキシルオキシ基のような分岐状アルコキシ基;ならびにシクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロへプチルオキシ基、およびシクロオクチルオキシ基のような環状アルコキシ基を例示することができ、好ましくは炭素原子数1〜10の直鎖状もしくは分岐状アルコキシ基である。上記アラルキロキシ基として、ベンジロキシ基、およびフェネチロキシ基を例示することができ、好ましくは炭素原子数7〜10のアラルキロキシ基である。上記アリーロキシ基として、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、およびメシチロキシ基を例示することができ、好ましくは炭素原子数7〜10のアリーロキシ基である。上記アルケニロキシ基として、ビニロキシ基、アリロキシ基、3−ブテニロキシ基、および5−ヘキセニロキシのような直鎖状アルケニロキシ基;イソブテニロキシ基、および4−メチル−3−ペンテニロキシ基のような分岐状アルケニロキシ基;ならびに2−シクロヘキセニロキシ基、および3−シクロヘキセニロキシのような環状アルケニロキシ基を例示することができ、好ましくは炭素原子数2〜10の直鎖状もしくは分岐状アルケニロキシ基である。Xは、好ましくはハロゲン原子、または炭素原子数1〜10の直鎖状もしくは分岐状アルコキシ基である。
【0019】
式(I)におけるnは10≦n≦20を満たす整数であり、好ましくは10≦n≦18を満たす整数であり、より好ましくは10≦n≦16を満たす整数であり、さらに好ましくは10≦n≦14を満たす整数である。
【0020】
本発明の固体触媒成分中に含有される式(I)で表される内部電子供与体の含有量は、好ましくは1〜50wt%、より好ましくは4〜40wt%、更に好ましくは8〜35wt%である。
【0021】
nが10である場合の式(I)で表される化合物として、下記の化合物を例示することができる:
ドデカン二酸ジメチル、ドデカン二酸ジエチル、ドデカン二酸ジプロピル、ドデカン二酸ジイソプロピル、ドデカン二酸ジブチル、ドデカン二酸ジイソブチル、ドデカン二酸ジペンチル、ドデカン二酸ジイソペンチル、ドデカン二酸ジヘキシル、ドデカン二酸ジイソヘキシル、ドデカン二酸ジヘプチル、ドデカン二酸ジイソヘプチル、ドデカン二酸ジオクチル、ドデカン二酸ジイソオクチル、ドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−メチルドデカン二酸ジメチル、α−メチルドデカン二酸ジエチル、α−メチルドデカン二酸ジプロピル、α−メチルドデカン二酸ジイソプロピル、α−メチルドデカン二酸ジブチル、α−メチルドデカン二酸ジイソブチル、α−メチルドデカン二酸ジペンチル、α−メチルドデカン二酸ジイソペンチル、α−メチルドデカン二酸ジヘキシル、α−メチルドデカン二酸ジイソヘキシル、α−メチルドデカン二酸ジヘプチル、α−メチルドデカン二酸ジイソヘプチル、α−メチルドデカン二酸ジオクチル、α−メチルドデカン二酸ジイソオクチル、α−メチルドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−エチルドデカン二酸ジメチル、α−エチルドデカン二酸ジエチル、α−エチルドデカン二酸ジプロピル、α−エチルドデカン二酸ジイソプロピル、α−エチルドデカン二酸ジブチル、α−エチルドデカン二酸ジイソブチル、α−エチルドデカン二酸ジペンチル、α−エチルドデカン二酸ジイソペンチル、α−エチルドデカン二酸ジヘキシル、α−エチルドデカン二酸ジイソヘキシル、α−エチルドデカン二酸ジヘプチル、α−エチルドデカン二酸ジイソヘプチル、α−エチルドデカン二酸ジオクチル、α−エチルドデカン二酸ジイソオクチル、α−エチルドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−イソプロピルドデカン二酸ジメチル、α−イソプロピルドデカン二酸ジエチル、α−イソプロピルドデカン二酸ジプロピル、α−イソプロピルドデカン二酸ジイソプロピル、α−イソプロピルドデカン二酸ジブチル、α−イソプロピルドデカン二酸ジイソブチル、α−イソプロピルドデカン二酸ジペンチル、α−イソプロピルドデカン二酸ジイソペンチル、α−イソプロピルドデカン二酸ジヘキシル、α−イソプロピルドデカン二酸ジイソヘキシル、α−イソプロピルドデカン二酸ジヘプチル、α−イソプロピルドデカン二酸ジイソヘプチル、α−イソプロピルドデカン二酸ジオクチル、α−イソプロピルドデカン二酸ジイソオクチル、α−イソプロピルドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−メチルドデカン二酸ジメチル、β−メチルドデカン二酸ジエチル、β−メチルドデカン二酸ジプロピル、β−メチルドデカン二酸ジイソプロピル、β−メチルドデカン二酸ジブチル、β−メチルドデカン二酸ジイソブチル、β−メチルドデカン二酸ジペンチル、β−メチルドデカン二酸ジイソペンチル、β−メチルドデカン二酸ジヘキシル、β−メチルドデカン二酸ジイソヘキシル、β−メチルドデカン二酸ジヘプチル、β−メチルドデカン二酸ジイソヘプチル、β−メチルドデカン二酸ジオクチル、β−メチルドデカン二酸ジイソオクチル、β−メチルドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−エチルドデカン二酸ジメチル、β−エチルドデカン二酸ジエチル、β−エチルドデカン二酸ジプロピル、β−エチルドデカン二酸ジイソプロピル、β−エチルドデカン二酸ジブチル、β−エチルドデカン二酸ジイソブチル、β−エチルドデカン二酸ジペンチル、β−エチルドデカン二酸ジイソペンチル、β−エチルドデカン二酸ジヘキシル、β−エチルドデカン二酸ジイソヘキシル、β−エチルドデカン二酸ジヘプチル、β−エチルドデカン二酸ジイソヘプチル、β−エチルドデカン二酸ジオクチル、β−エチルドデカン二酸ジイソオクチル、β−エチルドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−イソプロピルドデカン二酸ジメチル、β−イソプロピルドデカン二酸ジエチル、β−イソプロピルドデカン二酸ジプロピル、β−イソプロピルドデカン二酸ジイソプロピル、β−イソプロピルドデカン二酸ジブチル、β−イソプロピルドデカン二酸ジイソブチル、β−イソプロピルドデカン二酸ジペンチル、β−イソプロピルドデカン二酸ジイソペンチル、β−イソプロピルドデカン二酸ジヘキシル、β−イソプロピルドデカン二酸ジイソヘキシル、β−イソプロピルドデカン二酸ジヘプチル、β−イソプロピルドデカン二酸ジイソヘプチル、β−イソプロピルドデカン二酸ジオクチル、β−イソプロピルドデカン二酸ジイソオクチル、β−イソプロピルドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−メチルドデカン二酸ジメチル、γ−メチルドデカン二酸ジエチル、γ−メチルドデカン二酸ジプロピル、γ−メチルドデカン二酸ジイソプロピル、γ−メチルドデカン二酸ジブチル、γ−メチルドデカン二酸ジイソブチル、γ−メチルドデカン二酸ジペンチル、γ−メチルドデカン二酸ジイソペンチル、γ−メチルドデカン二酸ジヘキシル、γ−メチルドデカン二酸ジイソヘキシル、γ−メチルドデカン二酸ジヘプチル、γ−メチルドデカン二酸ジイソヘプチル、γ−メチルドデカン二酸ジオクチル、γ−メチルドデカン二酸ジイソオクチル、γ−メチルドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−エチルドデカン二酸ジメチル、γ−エチルドデカン二酸ジエチル、γ−エチルドデカン二酸ジプロピル、γ−エチルドデカン二酸ジイソプロピル、γ−エチルドデカン二酸ジブチル、γ−エチルドデカン二酸ジイソブチル、γ−エチルドデカン二酸ジペンチル、γ−エチルドデカン二酸ジイソペンチル、γ−エチルドデカン二酸ジヘキシル、γ−エチルドデカン二酸ジイソヘキシル、γ−エチルドデカン二酸ジヘプチル、γ−エチルドデカン二酸ジイソヘプチル、γ−エチルドデカン二酸ジオクチル、γ−エチルドデカン二酸ジイソオクチル、γ−エチルドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−イソプロピルドデカン二酸ジメチル、γ−イソプロピルドデカン二酸ジエチル、γ−イソプロピルドデカン二酸ジプロピル、γ−イソプロピルドデカン二酸ジイソプロピル、γ−イソプロピルドデカン二酸ジブチル、γ−イソプロピルドデカン二酸ジイソブチル、γ−イソプロピルドデカン二酸ジペンチル、γ−イソプロピルドデカン二酸ジイソペンチル、γ−イソプロピルドデカン二酸ジヘキシル、γ−イソプロピルドデカン二酸ジイソヘキシル、γ−イソプロピルドデカン二酸ジヘプチル、γ−イソプロピルドデカン二酸ジイソヘプチル、γ−イソプロピルドデカン二酸ジオクチル、γ−イソプロピルドデカン二酸ジイソオクチル、γ−イソプロピルドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジメチルドデカン二酸ジメチル、α,β−ジメチルドデカン二酸ジエチル、α,β−ジメチルドデカン二酸ジプロピル、α,β−ジメチルドデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジメチルドデカン二酸ジブチル、α,β−ジメチルドデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジメチルドデカン二酸ジペンチル、α,β−ジメチルドデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジメチルドデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジメチルドデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジメチルドデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジメチルドデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジメチルドデカン二酸ジオクチル、α,β−ジメチルドデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジメチルドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジエチルドデカン二酸ジメチル、α,β−ジエチルドデカン二酸ジエチル、α,β−ジエチルドデカン二酸ジプロピル、α,β−ジエチルドデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジエチルドデカン二酸ジブチル、α,β−ジエチルドデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジエチルドデカン二酸ジペンチル、α,β−ジエチルドデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジエチルドデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジエチルドデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジエチルドデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジエチルドデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジエチルドデカン二酸ジオクチル、α,β−ジエチルドデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジエチルドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジイソプロピルドデカン二酸ジメチル、α,β−ジイソプロピルドデカン二酸ジエチル、α,β−ジイソプロピルドデカン二酸ジプロピル、α,β−ジイソプロピルドデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジイソプロピルドデカン二酸ジブチル、α,β−ジイソプロピルドデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジイソプロピルドデカン二酸ジペンチル、α,β−ジイソプロピルドデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジイソプロピルドデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジイソプロピルドデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジイソプロピルドデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジイソプロピルドデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジイソプロピルドデカン二酸ジオクチル、α,β−ジイソプロピルドデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジイソプロピルドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、ドデカン二酸ジクロリド、α−メチルドデカン二酸ジクロリド、α−エチルドデカン二酸ジクロリド、α−イソプロピルドデカン二酸ジクロリド、β−メチルドデカン二酸ジクロリド、β−エチルドデカン二酸ジクロリド、β−イソプロピルドデカン二酸ジクロリド、γ−メチルドデカン二酸ジクロリド、γ−エチルドデカン二酸ジクロリド、γ−イソプロピルドデカン二酸ジクロリド、α,β−ジメチルドデカン二酸ジクロリド、α,β−ジエチルドデカン二酸ジクロリド、α,β−ジイソプロピルドデカン二酸ジクロリド。
【0022】
nが11である場合の一般式(I)で表される化合物として、下記の化合物を例示することができる:
トリデカン二酸ジメチル、トリデカン二酸ジエチル、トリデカン二酸ジプロピル、トリデカン二酸ジイソプロピル、トリデカン二酸ジブチル、トリデカン二酸ジイソブチル、トリデカン二酸ジペンチル、トリデカン二酸ジイソペンチル、トリデカン二酸ジヘキシル、トリデカン二酸ジイソヘキシル、トリデカン二酸ジヘプチル、トリデカン二酸ジイソヘプチル、トリデカン二酸ジオクチル、トリデカン二酸ジイソオクチル、トリデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−メチルトリデカン二酸ジメチル、α−メチルトリデカン二酸ジエチル、α−メチルトリデカン二酸ジプロピル、α−メチルトリデカン二酸ジイソプロピル、α−メチルトリデカン二酸ジブチル、α−メチルトリデカン二酸ジイソブチル、α−メチルトリデカン二酸ジペンチル、α−メチルトリデカン二酸ジイソペンチル、α−メチルトリデカン二酸ジヘキシル、α−メチルトリデカン二酸ジイソヘキシル、α−メチルトリデカン二酸ジヘプチル、α−メチルトリデカン二酸ジイソヘプチル、α−メチルトリデカン二酸ジオクチル、α−メチルトリデカン二酸ジイソオクチル、α−メチルトリデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−エチルトリデカン二酸ジメチル、α−エチルトリデカン二酸ジエチル、α−エチルトリデカン二酸ジプロピル、α−エチルトリデカン二酸ジイソプロピル、α−エチルトリデカン二酸ジブチル、α−エチルトリデカン二酸ジイソブチル、α−エチルトリデカン二酸ジペンチル、α−エチルトリデカン二酸ジイソペンチル、α−エチルトリデカン二酸ジヘキシル、α−エチルトリデカン二酸ジイソヘキシル、α−エチルトリデカン二酸ジヘプチル、α−エチルトリデカン二酸ジイソヘプチル、α−エチルトリデカン二酸ジオクチル、α−エチルトリデカン二酸ジイソオクチル、α−エチルトリデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−イソプロピルトリデカン二酸ジメチル、α−イソプロピルトリデカン二酸ジエチル、α−イソプロピルトリデカン二酸ジプロピル、α−イソプロピルトリデカン二酸ジイソプロピル、α−イソプロピルトリデカン二酸ジブチル、α−イソプロピルトリデカン二酸ジイソブチル、α−イソプロピルトリデカン二酸ジペンチル、α−イソプロピルトリデカン二酸ジイソペンチル、α−イソプロピルトリデカン二酸ジヘキシル、α−イソプロピルトリデカン二酸ジイソヘキシル、α−イソプロピルトリデカン二酸ジヘプチル、α−イソプロピルトリデカン二酸ジイソヘプチル、α−イソプロピルトリデカン二酸ジオクチル、α−イソプロピルトリデカン二酸ジイソオクチル、α−イソプロピルトリデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−メチルトリデカン二酸ジメチル、β−メチルトリデカン二酸ジエチル、β−メチルトリデカン二酸ジプロピル、β−メチルトリデカン二酸ジイソプロピル、β−メチルトリデカン二酸ジブチル、β−メチルトリデカン二酸ジイソブチル、β−メチルトリデカン二酸ジペンチル、β−メチルトリデカン二酸ジイソペンチル、β−メチルトリデカン二酸ジヘキシル、β−メチルトリデカン二酸ジイソヘキシル、β−メチルトリデカン二酸ジヘプチル、β−メチルトリデカン二酸ジイソヘプチル、β−メチルトリデカン二酸ジオクチル、β−メチルトリデカン二酸ジイソオクチル、β−メチルトリデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−エチルトリデカン二酸ジメチル、β−エチルトリデカン二酸ジエチル、β−エチルトリデカン二酸ジプロピル、β−エチルトリデカン二酸ジイソプロピル、β−エチルトリデカン二酸ジブチル、β−エチルトリデカン二酸ジイソブチル、β−エチルトリデカン二酸ジペンチル、β−エチルトリデカン二酸ジイソペンチル、β−エチルトリデカン二酸ジヘキシル、β−エチルトリデカン二酸ジイソヘキシル、β−エチルトリデカン二酸ジヘプチル、β−エチルトリデカン二酸ジイソヘプチル、β−エチルトリデカン二酸ジオクチル、β−エチルトリデカン二酸ジイソオクチル、β−エチルトリデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−イソプロピルトリデカン二酸ジメチル、β−イソプロピルトリデカン二酸ジエチル、β−イソプロピルトリデカン二酸ジプロピル、β−イソプロピルトリデカン二酸ジイソプロピル、β−イソプロピルトリデカン二酸ジブチル、β−イソプロピルトリデカン二酸ジイソブチル、β−イソプロピルトリデカン二酸ジペンチル、β−イソプロピルトリデカン二酸ジイソペンチル、β−イソプロピルトリデカン二酸ジヘキシル、β−イソプロピルトリデカン二酸ジイソヘキシル、β−イソプロピルトリデカン二酸ジヘプチル、β−イソプロピルトリデカン二酸ジイソヘプチル、β−イソプロピルトリデカン二酸ジオクチル、β−イソプロピルトリデカン二酸ジイソオクチル、β−イソプロピルトリデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−メチルトリデカン二酸ジメチル、γ−メチルトリデカン二酸ジエチル、γ−メチルトリデカン二酸ジプロピル、γ−メチルトリデカン二酸ジイソプロピル、γ−メチルトリデカン二酸ジブチル、γ−メチルトリデカン二酸ジイソブチル、γ−メチルトリデカン二酸ジペンチル、γ−メチルトリデカン二酸ジイソペンチル、γ−メチルトリデカン二酸ジヘキシル、γ−メチルトリデカン二酸ジイソヘキシル、γ−メチルトリデカン二酸ジヘプチル、γ−メチルトリデカン二酸ジイソヘプチル、γ−メチルトリデカン二酸ジオクチル、γ−メチルトリデカン二酸ジイソオクチル、γ−メチルトリデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−エチルトリデカン二酸ジメチル、γ−エチルトリデカン二酸ジエチル、γ−エチルトリデカン二酸ジプロピル、γ−エチルトリデカン二酸ジイソプロピル、γ−エチルトリデカン二酸ジブチル、γ−エチルトリデカン二酸ジイソブチル、γ−エチルトリデカン二酸ジペンチル、γ−エチルトリデカン二酸ジイソペンチル、γ−エチルトリデカン二酸ジヘキシル、γ−エチルトリデカン二酸ジイソヘキシル、γ−エチルトリデカン二酸ジヘプチル、γ−エチルトリデカン二酸ジイソヘプチル、γ−エチルトリデカン二酸ジオクチル、γ−エチルトリデカン二酸ジイソオクチル、γ−エチルトリデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−イソプロピルトリデカン二酸ジメチル、γ−イソプロピルトリデカン二酸ジエチル、γ−イソプロピルトリデカン二酸ジプロピル、γ−イソプロピルトリデカン二酸ジイソプロピル、γ−イソプロピルトリデカン二酸ジブチル、γ−イソプロピルトリデカン二酸ジイソブチル、γ−イソプロピルトリデカン二酸ジペンチル、γ−イソプロピルトリデカン二酸ジイソペンチル、γ−イソプロピルトリデカン二酸ジヘキシル、γ−イソプロピルトリデカン二酸ジイソヘキシル、γ−イソプロピルトリデカン二酸ジヘプチル、γ−イソプロピルトリデカン二酸ジイソヘプチル、γ−イソプロピルトリデカン二酸ジオクチル、γ−イソプロピルトリデカン二酸ジイソオクチル、γ−イソプロピルトリデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジメチルトリデカン二酸ジメチル、α,β−ジメチルトリデカン二酸ジエチル、α,β−ジメチルトリデカン二酸ジプロピル、α,β−ジメチルトリデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジメチルトリデカン二酸ジブチル、α,β−ジメチルトリデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジメチルトリデカン二酸ジペンチル、α,β−ジメチルトリデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジメチルトリデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジメチルトリデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジメチルトリデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジメチルトリデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジメチルトリデカン二酸ジオクチル、α,β−ジメチルトリデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジメチルトリデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジエチルトリデカン二酸ジメチル、α,β−ジエチルトリデカン二酸ジエチル、α,β−ジエチルトリデカン二酸ジプロピル、α,β−ジエチルトリデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジエチルトリデカン二酸ジブチル、α,β−ジエチルトリデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジエチルトリデカン二酸ジペンチル、α,β−ジエチルトリデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジエチルトリデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジエチルトリデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジエチルトリデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジエチルトリデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジエチルトリデカン二酸ジオクチル、α,β−ジエチルトリデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジエチルトリデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジイソプロピルトリデカン二酸ジメチル、α,β−ジイソプロピルトリデカン二酸ジエチル、α,β−ジイソプロピルトリデカン二酸ジプロピル、α,β−ジイソプロピルトリデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジイソプロピルトリデカン二酸ジブチル、α,β−ジイソプロピルトリデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジイソプロピルトリデカン二酸ジペンチル、α,β−ジイソプロピルトリデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジイソプロピルトリデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジイソプロピルトリデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジイソプロピルトリデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジイソプロピルトリデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジイソプロピルトリデカン二酸ジオクチル、α,β−ジイソプロピルトリデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジイソプロピルトリデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、トリデカン二酸ジクロリド、α−メチルトリデカン二酸ジクロリド、α−エチルトリデカン二酸ジクロリド、α−イソプロピルトリデカン二酸ジクロリド、β−メチルトリデカン二酸ジクロリド、β−エチルトリデカン二酸ジクロリド、β−イソプロピルトリデカン二酸ジクロリド、γ−メチルトリデカン二酸ジクロリド、γ−エチルトリデカン二酸ジクロリド、γ−イソプロピルトリデカン二酸ジクロリド、α,β−ジメチルトリデカン二酸ジクロリド、α,β−ジエチルトリデカン二酸ジクロリド、α,β−ジイソプロピルトリデカン二酸ジクロリド。
【0023】
nが12である場合の一般式(I)で表される化合物として、下記の化合物を例示することができる:
テトラデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジエチル、テトラデカン二酸ジプロピル、テトラデカン二酸ジイソプロピル、テトラデカン二酸ジブチル、テトラデカン二酸ジイソブチル、テトラデカン二酸ジペンチル、テトラデカン二酸ジイソペンチル、テトラデカン二酸ジヘキシル、テトラデカン二酸ジイソヘキシル、テトラデカン二酸ジヘプチル、テトラデカン二酸ジイソヘプチル、テトラデカン二酸ジオクチル、テトラデカン二酸ジイソオクチル、テトラデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−メチルテトラデカン二酸ジメチル、α−メチルテトラデカン二酸ジエチル、α−メチルテトラデカン二酸ジプロピル、α−メチルテトラデカン二酸ジイソプロピル、α−メチルテトラデカン二酸ジブチル、α−メチルテトラデカン二酸ジイソブチル、α−メチルテトラデカン二酸ジペンチル、α−メチルテトラデカン二酸ジイソペンチル、α−メチルテトラデカン二酸ジヘキシル、α−メチルテトラデカン二酸ジイソヘキシル、α−メチルテトラデカン二酸ジヘプチル、α−メチルテトラデカン二酸ジイソヘプチル、α−メチルテトラデカン二酸ジオクチル、α−メチルテトラデカン二酸ジイソオクチル、α−メチルテトラデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−エチルテトラデカン二酸ジメチル、α−エチルテトラデカン二酸ジエチル、α−エチルテトラデカン二酸ジプロピル、α−エチルテトラデカン二酸ジイソプロピル、α−エチルテトラデカン二酸ジブチル、α−エチルテトラデカン二酸ジイソブチル、α−エチルテトラデカン二酸ジペンチル、α−エチルテトラデカン二酸ジイソペンチル、α−エチルテトラデカン二酸ジヘキシル、α−エチルテトラデカン二酸ジイソヘキシル、α−エチルテトラデカン二酸ジヘプチル、α−エチルテトラデカン二酸ジイソヘプチル、α−エチルテトラデカン二酸ジオクチル、α−エチルテトラデカン二酸ジイソオクチル、α−エチルテトラデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−イソプロピルテトラデカン二酸ジメチル、α−イソプロピルテトラデカン二酸ジエチル、α−イソプロピルテトラデカン二酸ジプロピル、α−イソプロピルテトラデカン二酸ジイソプロピル、α−イソプロピルテトラデカン二酸ジブチル、α−イソプロピルテトラデカン二酸ジイソブチル、α−イソプロピルテトラデカン二酸ジペンチル、α−イソプロピルテトラデカン二酸ジイソペンチル、α−イソプロピルテトラデカン二酸ジヘキシル、α−イソプロピルテトラデカン二酸ジイソヘキシル、α−イソプロピルテトラデカン二酸ジヘプチル、α−イソプロピルテトラデカン二酸ジイソヘプチル、α−イソプロピルテトラデカン二酸ジオクチル、α−イソプロピルテトラデカン二酸ジイソオクチル、α−イソプロピルテトラデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−メチルテトラデカン二酸ジメチル、β−メチルテトラデカン二酸ジエチル、β−メチルテトラデカン二酸ジプロピル、β−メチルテトラデカン二酸ジイソプロピル、β−メチルテトラデカン二酸ジブチル、β−メチルテトラデカン二酸ジイソブチル、β−メチルテトラデカン二酸ジペンチル、β−メチルテトラデカン二酸ジイソペンチル、β−メチルテトラデカン二酸ジヘキシル、β−メチルテトラデカン二酸ジイソヘキシル、β−メチルテトラデカン二酸ジヘプチル、β−メチルテトラデカン二酸ジイソヘプチル、β−メチルテトラデカン二酸ジオクチル、β−メチルテトラデカン二酸ジイソオクチル、β−メチルテトラデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−エチルテトラデカン二酸ジメチル、β−エチルテトラデカン二酸ジエチル、β−エチルテトラデカン二酸ジプロピル、β−エチルテトラデカン二酸ジイソプロピル、β−エチルテトラデカン二酸ジブチル、β−エチルテトラデカン二酸ジイソブチル、β−エチルテトラデカン二酸ジペンチル、β−エチルテトラデカン二酸ジイソペンチル、β−エチルテトラデカン二酸ジヘキシル、β−エチルテトラデカン二酸ジイソヘキシル、β−エチルテトラデカン二酸ジヘプチル、β−エチルテトラデカン二酸ジイソヘプチル、β−エチルテトラデカン二酸ジオクチル、β−エチルテトラデカン二酸ジイソオクチル、β−エチルテトラデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−イソプロピルテトラデカン二酸ジメチル、β−イソプロピルテトラデカン二酸ジエチル、β−イソプロピルテトラデカン二酸ジプロピル、β−イソプロピルテトラデカン二酸ジイソプロピル、β−イソプロピルテトラデカン二酸ジブチル、β−イソプロピルテトラデカン二酸ジイソブチル、β−イソプロピルテトラデカン二酸ジペンチル、β−イソプロピルテトラデカン二酸ジイソペンチル、β−イソプロピルテトラデカン二酸ジヘキシル、β−イソプロピルテトラデカン二酸ジイソヘキシル、β−イソプロピルテトラデカン二酸ジヘプチル、β−イソプロピルテトラデカン二酸ジイソヘプチル、β−イソプロピルテトラデカン二酸ジオクチル、β−イソプロピルテトラデカン二酸ジイソオクチル、β−イソプロピルテトラデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−メチルテトラデカン二酸ジメチル、γ−メチルテトラデカン二酸ジエチル、γ−メチルテトラデカン二酸ジプロピル、γ−メチルテトラデカン二酸ジイソプロピル、γ−メチルテトラデカン二酸ジブチル、γ−メチルテトラデカン二酸ジイソブチル、γ−メチルテトラデカン二酸ジペンチル、γ−メチルテトラデカン二酸ジイソペンチル、γ−メチルテトラデカン二酸ジヘキシル、γ−メチルテトラデカン二酸ジイソヘキシル、γ−メチルテトラデカン二酸ジヘプチル、γ−メチルテトラデカン二酸ジイソヘプチル、γ−メチルテトラデカン二酸ジオクチル、γ−メチルテトラデカン二酸ジイソオクチル、γ−メチルテトラデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−エチルテトラデカン二酸ジメチル、γ−エチルテトラデカン二酸ジエチル、γ−エチルテトラデカン二酸ジプロピル、γ−エチルテトラデカン二酸ジイソプロピル、γ−エチルテトラデカン二酸ジブチル、γ−エチルテトラデカン二酸ジイソブチル、γ−エチルテトラデカン二酸ジペンチル、γ−エチルテトラデカン二酸ジイソペンチル、γ−エチルテトラデカン二酸ジヘキシル、γ−エチルテトラデカン二酸ジイソヘキシル、γ−エチルテトラデカン二酸ジヘプチル、γ−エチルテトラデカン二酸ジイソヘプチル、γ−エチルテトラデカン二酸ジオクチル、γ−エチルテトラデカン二酸ジイソオクチル、γ−エチルテトラデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−イソプロピルテトラデカン二酸ジメチル、γ−イソプロピルテトラデカン二酸ジエチル、γ−イソプロピルテトラデカン二酸ジプロピル、γ−イソプロピルテトラデカン二酸ジイソプロピル、γ−イソプロピルテトラデカン二酸ジブチル、γ−イソプロピルテトラデカン二酸ジイソブチル、γ−イソプロピルテトラデカン二酸ジペンチル、γ−イソプロピルテトラデカン二酸ジイソペンチル、γ−イソプロピルテトラデカン二酸ジヘキシル、γ−イソプロピルテトラデカン二酸ジイソヘキシル、γ−イソプロピルテトラデカン二酸ジヘプチル、γ−イソプロピルテトラデカン二酸ジイソヘプチル、γ−イソプロピルテトラデカン二酸ジオクチル、γ−イソプロピルテトラデカン二酸ジイソオクチル、γ−イソプロピルテトラデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジメチルテトラデカン二酸ジメチル、α,β−ジメチルテトラデカン二酸ジエチル、α,β−ジメチルテトラデカン二酸ジプロピル、α,β−ジメチルテトラデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジメチルテトラデカン二酸ジブチル、α,β−ジメチルテトラデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジメチルテトラデカン二酸ジペンチル、α,β−ジメチルテトラデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジメチルテトラデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジメチルテトラデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジメチルテトラデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジメチルテトラデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジメチルテトラデカン二酸ジオクチル、α,β−ジメチルテトラデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジメチルテトラデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジエチルテトラデカン二酸ジメチル、α,β−ジエチルテトラデカン二酸ジエチル、α,β−ジエチルテトラデカン二酸ジプロピル、α,β−ジエチルテトラデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジエチルテトラデカン二酸ジブチル、α,β−ジエチルテトラデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジエチルテトラデカン二酸ジペンチル、α,β−ジエチルテトラデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジエチルテトラデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジエチルテトラデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジエチルテトラデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジエチルテトラデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジエチルテトラデカン二酸ジオクチル、α,β−ジエチルテトラデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジエチルテトラデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジイソプロピルテトラデカン二酸ジメチル、α,β−ジイソプロピルテトラデカン二酸ジエチル、α,β−ジイソプロピルテトラデカン二酸ジプロピル、α,β−ジイソプロピルテトラデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジイソプロピルテトラデカン二酸ジブチル、α,β−ジイソプロピルテトラデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジイソプロピルテトラデカン二酸ジペンチル、α,β−ジイソプロピルテトラデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジイソプロピルテトラデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジイソプロピルテトラデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジイソプロピルテトラデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジイソプロピルテトラデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジイソプロピルテトラデカン二酸ジオクチル、α,β−ジイソプロピルテトラデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジイソプロピルテトラデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、テトラデカン二酸ジクロリド、α−メチルテトラデカン二酸ジクロリド、α−エチルテトラデカン二酸ジクロリド、α−イソプロピルテトラデカン二酸ジクロリド、β−メチルテトラデカン二酸ジクロリド、β−エチルテトラデカン二酸ジクロリド、β−イソプロピルテトラデカン二酸ジクロリド、γ−メチルテトラデカン二酸ジクロリド、γ−エチルテトラデカン二酸ジクロリド、γ−イソプロピルテトラデカン二酸ジクロリド、α,β−ジメチルテトラデカン二酸ジクロリド、α,β−ジエチルテトラデカン二酸ジクロリド、α,β−ジイソプロピルテトラデカン二酸ジクロリド。
【0024】
nが13である場合の一般式(I)で表される化合物として、下記の化合物を例示することができる:
ペンタデカン二酸ジメチル、ペンタデカン二酸ジエチル、ペンタデカン二酸ジプロピル、ペンタデカン二酸ジイソプロピル、ペンタデカン二酸ジブチル、ペンタデカン二酸ジイソブチル、ペンタデカン二酸ジペンチル、ペンタデカン二酸ジイソペンチル、ペンタデカン二酸ジヘキシル、ペンタデカン二酸ジイソヘキシル、ペンタデカン二酸ジヘプチル、ペンタデカン二酸ジイソヘプチル、ペンタデカン二酸ジオクチル、ペンタデカン二酸ジイソオクチル、ペンタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−メチルペンタデカン二酸ジメチル、α−メチルペンタデカン二酸ジエチル、α−メチルペンタデカン二酸ジプロピル、α−メチルペンタデカン二酸ジイソプロピル、α−メチルペンタデカン二酸ジブチル、α−メチルペンタデカン二酸ジイソブチル、α−メチルペンタデカン二酸ジペンチル、α−メチルペンタデカン二酸ジイソペンチル、α−メチルペンタデカン二酸ジヘキシル、α−メチルペンタデカン二酸ジイソヘキシル、α−メチルペンタデカン二酸ジヘプチル、α−メチルペンタデカン二酸ジイソヘプチル、α−メチルペンタデカン二酸ジオクチル、α−メチルペンタデカン二酸ジイソオクチル、α−メチルペンタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−エチルペンタデカン二酸ジメチル、α−エチルペンタデカン二酸ジエチル、α−エチルペンタデカン二酸ジプロピル、α−エチルペンタデカン二酸ジイソプロピル、α−エチルペンタデカン二酸ジブチル、α−エチルペンタデカン二酸ジイソブチル、α−エチルペンタデカン二酸ジペンチル、α−エチルペンタデカン二酸ジイソペンチル、α−エチルペンタデカン二酸ジヘキシル、α−エチルペンタデカン二酸ジイソヘキシル、α−エチルペンタデカン二酸ジヘプチル、α−エチルペンタデカン二酸ジイソヘプチル、α−エチルペンタデカン二酸ジオクチル、α−エチルペンタデカン二酸ジイソオクチル、α−エチルペンタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−イソプロピルペンタデカン二酸ジメチル、α−イソプロピルペンタデカン二酸ジエチル、α−イソプロピルペンタデカン二酸ジプロピル、α−イソプロピルペンタデカン二酸ジイソプロピル、α−イソプロピルペンタデカン二酸ジブチル、α−イソプロピルペンタデカン二酸ジイソブチル、α−イソプロピルペンタデカン二酸ジペンチル、α−イソプロピルペンタデカン二酸ジイソペンチル、α−イソプロピルペンタデカン二酸ジヘキシル、α−イソプロピルペンタデカン二酸ジイソヘキシル、α−イソプロピルペンタデカン二酸ジヘプチル、α−イソプロピルペンタデカン二酸ジイソヘプチル、α−イソプロピルペンタデカン二酸ジオクチル、α−イソプロピルペンタデカン二酸ジイソオクチル、α−イソプロピルペンタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−メチルペンタデカン二酸ジメチル、β−メチルペンタデカン二酸ジエチル、β−メチルペンタデカン二酸ジプロピル、β−メチルペンタデカン二酸ジイソプロピル、β−メチルペンタデカン二酸ジブチル、β−メチルペンタデカン二酸ジイソブチル、β−メチルペンタデカン二酸ジペンチル、β−メチルペンタデカン二酸ジイソペンチル、β−メチルペンタデカン二酸ジヘキシル、β−メチルペンタデカン二酸ジイソヘキシル、β−メチルペンタデカン二酸ジヘプチル、β−メチルペンタデカン二酸ジイソヘプチル、β−メチルペンタデカン二酸ジオクチル、β−メチルペンタデカン二酸ジイソオクチル、β−メチルペンタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−エチルペンタデカン二酸ジメチル、β−エチルペンタデカン二酸ジエチル、β−エチルペンタデカン二酸ジプロピル、β−エチルペンタデカン二酸ジイソプロピル、β−エチルペンタデカン二酸ジブチル、β−エチルペンタデカン二酸ジイソブチル、β−エチルペンタデカン二酸ジペンチル、β−エチルペンタデカン二酸ジイソペンチル、β−エチルペンタデカン二酸ジヘキシル、β−エチルペンタデカン二酸ジイソヘキシル、β−エチルペンタデカン二酸ジヘプチル、β−エチルペンタデカン二酸ジイソヘプチル、β−エチルペンタデカン二酸ジオクチル、β−エチルペンタデカン二酸ジイソオクチル、β−エチルペンタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−イソプロピルペンタデカン二酸ジメチル、β−イソプロピルペンタデカン二酸ジエチル、β−イソプロピルペンタデカン二酸ジプロピル、β−イソプロピルペンタデカン二酸ジイソプロピル、β−イソプロピルペンタデカン二酸ジブチル、β−イソプロピルペンタデカン二酸ジイソブチル、β−イソプロピルペンタデカン二酸ジペンチル、β−イソプロピルペンタデカン二酸ジイソペンチル、β−イソプロピルペンタデカン二酸ジヘキシル、β−イソプロピルペンタデカン二酸ジイソヘキシル、β−イソプロピルペンタデカン二酸ジヘプチル、β−イソプロピルペンタデカン二酸ジイソヘプチル、β−イソプロピルペンタデカン二酸ジオクチル、β−イソプロピルペンタデカン二酸ジイソオクチル、β−イソプロピルペンタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−メチルペンタデカン二酸ジメチル、γ−メチルペンタデカン二酸ジエチル、γ−メチルペンタデカン二酸ジプロピル、γ−メチルペンタデカン二酸ジイソプロピル、γ−メチルペンタデカン二酸ジブチル、γ−メチルペンタデカン二酸ジイソブチル、γ−メチルペンタデカン二酸ジペンチル、γ−メチルペンタデカン二酸ジイソペンチル、γ−メチルペンタデカン二酸ジヘキシル、γ−メチルペンタデカン二酸ジイソヘキシル、γ−メチルペンタデカン二酸ジヘプチル、γ−メチルペンタデカン二酸ジイソヘプチル、γ−メチルペンタデカン二酸ジオクチル、γ−メチルペンタデカン二酸ジイソオクチル、γ−メチルペンタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−エチルペンタデカン二酸ジメチル、γ−エチルペンタデカン二酸ジエチル、γ−エチルペンタデカン二酸ジプロピル、γ−エチルペンタデカン二酸ジイソプロピル、γ−エチルペンタデカン二酸ジブチル、γ−エチルペンタデカン二酸ジイソブチル、γ−エチルペンタデカン二酸ジペンチル、γ−エチルペンタデカン二酸ジイソペンチル、γ−エチルペンタデカン二酸ジヘキシル、γ−エチルペンタデカン二酸ジイソヘキシル、γ−エチルペンタデカン二酸ジヘプチル、γ−エチルペンタデカン二酸ジイソヘプチル、γ−エチルペンタデカン二酸ジオクチル、γ−エチルペンタデカン二酸ジイソオクチル、γ−エチルペンタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−イソプロピルペンタデカン二酸ジメチル、γ−イソプロピルペンタデカン二酸ジエチル、γ−イソプロピルペンタデカン二酸ジプロピル、γ−イソプロピルペンタデカン二酸ジイソプロピル、γ−イソプロピルペンタデカン二酸ジブチル、γ−イソプロピルペンタデカン二酸ジイソブチル、γ−イソプロピルペンタデカン二酸ジペンチル、γ−イソプロピルペンタデカン二酸ジイソペンチル、γ−イソプロピルペンタデカン二酸ジヘキシル、γ−イソプロピルペンタデカン二酸ジイソヘキシル、γ−イソプロピルペンタデカン二酸ジヘプチル、γ−イソプロピルペンタデカン二酸ジイソヘプチル、γ−イソプロピルペンタデカン二酸ジオクチル、γ−イソプロピルペンタデカン二酸ジイソオクチル、γ−イソプロピルペンタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジメチルペンタデカン二酸ジメチル、α,β−ジメチルペンタデカン二酸ジエチル、α,β−ジメチルペンタデカン二酸ジプロピル、α,β−ジメチルペンタデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジメチルペンタデカン二酸ジブチル、α,β−ジメチルペンタデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジメチルペンタデカン二酸ジペンチル、α,β−ジメチルペンタデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジメチルペンタデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジメチルペンタデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジメチルペンタデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジメチルペンタデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジメチルペンタデカン二酸ジオクチル、α,β−ジメチルペンタデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジメチルペンタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジエチルペンタデカン二酸ジメチル、α,β−ジエチルペンタデカン二酸ジエチル、α,β−ジエチルペンタデカン二酸ジプロピル、α,β−ジエチルペンタデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジエチルペンタデカン二酸ジブチル、α,β−ジエチルペンタデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジエチルペンタデカン二酸ジペンチル、α,β−ジエチルペンタデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジエチルペンタデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジエチルペンタデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジエチルペンタデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジエチルペンタデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジエチルペンタデカン二酸ジオクチル、α,β−ジエチルペンタデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジエチルペンタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジイソプロピルペンタデカン二酸ジメチル、α,β−ジイソプロピルペンタデカン二酸ジエチル、α,β−ジイソプロピルペンタデカン二酸ジプロピル、α,β−ジイソプロピルペンタデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジイソプロピルペンタデカン二酸ジブチル、α,β−ジイソプロピルペンタデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジイソプロピルペンタデカン二酸ジペンチル、α,β−ジイソプロピルペンタデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジイソプロピルペンタデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジイソプロピルペンタデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジイソプロピルペンタデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジイソプロピルペンタデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジイソプロピルペンタデカン二酸ジオクチル、α,β−ジイソプロピルペンタデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジイソプロピルペンタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、ペンタデカンニ酸ジクロリド、α−メチルペンタデカンニ酸ジクロリド、α−エチルペンタデカンニ酸ジクロリド、α−イソプロピルペンタデカンニ酸ジクロリド、β−メチルペンタデカンニ酸ジクロリド、β−エチルペンタデカンニ酸ジクロリド、β−イソプロピルペンタデカンニ酸ジクロリド、γ−メチルペンタデカンニ酸ジクロリド、γ−エチルペンタデカンニ酸ジクロリド、γ−イソプロピルペンタデカンニ酸ジクロリド、α,β−ジメチルペンタデカンニ酸ジクロリド、α,β−ジエチルペンタデカンニ酸ジクロリド、α,β−ジイソプロピルペンタデカンニ酸ジクロリド。
【0025】
nが14である場合の一般式(I)で表される化合物として、下記の化合物を例示することができる:
ヘキサデカン二酸ジメチル、ヘキサデカン二酸ジエチル、ヘキサデカン二酸ジプロピル、ヘキサデカン二酸ジイソプロピル、ヘキサデカン二酸ジブチル、ヘキサデカン二酸ジイソブチル、ヘキサデカン二酸ジペンチル、ヘキサデカン二酸ジイソペンチル、ヘキサデカン二酸ジヘキシル、ヘキサデカン二酸ジイソヘキシル、ヘキサデカン二酸ジヘプチル、ヘキサデカン二酸ジイソヘプチル、ヘキサデカン二酸ジオクチル、ヘキサデカン二酸ジイソオクチル、ヘキサデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−メチルヘキサデカン二酸ジメチル、α−メチルヘキサデカン二酸ジエチル、α−メチルヘキサデカン二酸ジプロピル、α−メチルヘキサデカン二酸ジイソプロピル、α−メチルヘキサデカン二酸ジブチル、α−メチルヘキサデカン二酸ジイソブチル、α−メチルヘキサデカン二酸ジペンチル、α−メチルヘキサデカン二酸ジイソペンチル、α−メチルヘキサデカン二酸ジヘキシル、α−メチルヘキサデカン二酸ジイソヘキシル、α−メチルヘキサデカン二酸ジヘプチル、α−メチルヘキサデカン二酸ジイソヘプチル、α−メチルヘキサデカン二酸ジオクチル、α−メチルヘキサデカン二酸ジイソオクチル、α−メチルヘキサデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−エチルヘキサデカン二酸ジメチル、α−エチルヘキサデカン二酸ジエチル、α−エチルヘキサデカン二酸ジプロピル、α−エチルヘキサデカン二酸ジイソプロピル、α−エチルヘキサデカン二酸ジブチル、α−エチルヘキサデカン二酸ジイソブチル、α−エチルヘキサデカン二酸ジペンチル、α−エチルヘキサデカン二酸ジイソペンチル、α−エチルヘキサデカン二酸ジヘキシル、α−エチルヘキサデカン二酸ジイソヘキシル、α−エチルヘキサデカン二酸ジヘプチル、α−エチルヘキサデカン二酸ジイソヘプチル、α−エチルヘキサデカン二酸ジオクチル、α−エチルヘキサデカン二酸ジイソオクチル、α−エチルヘキサデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−イソプロピルヘキサデカン二酸ジメチル、α−イソプロピルヘキサデカン二酸ジエチル、α−イソプロピルヘキサデカン二酸ジプロピル、α−イソプロピルヘキサデカン二酸ジイソプロピル、α−イソプロピルヘキサデカン二酸ジブチル、α−イソプロピルヘキサデカン二酸ジイソブチル、α−イソプロピルヘキサデカン二酸ジペンチル、α−イソプロピルヘキサデカン二酸ジイソペンチル、α−イソプロピルヘキサデカン二酸ジヘキシル、α−イソプロピルヘキサデカン二酸ジイソヘキシル、α−イソプロピルヘキサデカン二酸ジヘプチル、α−イソプロピルヘキサデカン二酸ジイソヘプチル、α−イソプロピルヘキサデカン二酸ジオクチル、α−イソプロピルヘキサデカン二酸ジイソオクチル、α−イソプロピルヘキサデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−メチルヘキサデカン二酸ジメチル、β−メチルヘキサデカン二酸ジエチル、β−メチルヘキサデカン二酸ジプロピル、β−メチルヘキサデカン二酸ジイソプロピル、β−メチルヘキサデカン二酸ジブチル、β−メチルヘキサデカン二酸ジイソブチル、β−メチルヘキサデカン二酸ジペンチル、β−メチルヘキサデカン二酸ジイソペンチル、β−メチルヘキサデカン二酸ジヘキシル、β−メチルヘキサデカン二酸ジイソヘキシル、β−メチルヘキサデカン二酸ジヘプチル、β−メチルヘキサデカン二酸ジイソヘプチル、β−メチルヘキサデカン二酸ジオクチル、β−メチルヘキサデカン二酸ジイソオクチル、β−メチルヘキサデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−エチルヘキサデカン二酸ジメチル、β−エチルヘキサデカン二酸ジエチル、β−エチルヘキサデカン二酸ジプロピル、β−エチルヘキサデカン二酸ジイソプロピル、β−エチルヘキサデカン二酸ジブチル、β−エチルヘキサデカン二酸ジイソブチル、β−エチルヘキサデカン二酸ジペンチル、β−エチルヘキサデカン二酸ジイソペンチル、β−エチルヘキサデカン二酸ジヘキシル、β−エチルヘキサデカン二酸ジイソヘキシル、β−エチルヘキサデカン二酸ジヘプチル、β−エチルヘキサデカン二酸ジイソヘプチル、β−エチルヘキサデカン二酸ジオクチル、β−エチルヘキサデカン二酸ジイソオクチル、β−エチルヘキサデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−イソプロピルヘキサデカン二酸ジメチル、β−イソプロピルヘキサデカン二酸ジエチル、β−イソプロピルヘキサデカン二酸ジプロピル、β−イソプロピルヘキサデカン二酸ジイソプロピル、β−イソプロピルヘキサデカン二酸ジブチル、β−イソプロピルヘキサデカン二酸ジイソブチル、β−イソプロピルヘキサデカン二酸ジペンチル、β−イソプロピルヘキサデカン二酸ジイソペンチル、β−イソプロピルヘキサデカン二酸ジヘキシル、β−イソプロピルヘキサデカン二酸ジイソヘキシル、β−イソプロピルヘキサデカン二酸ジヘプチル、β−イソプロピルヘキサデカン二酸ジイソヘプチル、β−イソプロピルヘキサデカン二酸ジオクチル、β−イソプロピルヘキサデカン二酸ジイソオクチル、β−イソプロピルヘキサデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−メチルヘキサデカン二酸ジメチル、γ−メチルヘキサデカン二酸ジエチル、γ−メチルヘキサデカン二酸ジプロピル、γ−メチルヘキサデカン二酸ジイソプロピル、γ−メチルヘキサデカン二酸ジブチル、γ−メチルヘキサデカン二酸ジイソブチル、γ−メチルヘキサデカン二酸ジペンチル、γ−メチルヘキサデカン二酸ジイソペンチル、γ−メチルヘキサデカン二酸ジヘキシル、γ−メチルヘキサデカン二酸ジイソヘキシル、γ−メチルヘキサデカン二酸ジヘプチル、γ−メチルヘキサデカン二酸ジイソヘプチル、γ−メチルヘキサデカン二酸ジオクチル、γ−メチルヘキサデカン二酸ジイソオクチル、γ−メチルヘキサデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−エチルヘキサデカン二酸ジメチル、γ−エチルヘキサデカン二酸ジエチル、γ−エチルヘキサデカン二酸ジプロピル、γ−エチルヘキサデカン二酸ジイソプロピル、γ−エチルヘキサデカン二酸ジブチル、γ−エチルヘキサデカン二酸ジイソブチル、γ−エチルヘキサデカン二酸ジペンチル、γ−エチルヘキサデカン二酸ジイソペンチル、γ−エチルヘキサデカン二酸ジヘキシル、γ−エチルヘキサデカン二酸ジイソヘキシル、γ−エチルヘキサデカン二酸ジヘプチル、γ−エチルヘキサデカン二酸ジイソヘプチル、γ−エチルヘキサデカン二酸ジオクチル、γ−エチルヘキサデカン二酸ジイソオクチル、γ−エチルヘキサデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−イソプロピルヘキサデカン二酸ジメチル、γ−イソプロピルヘキサデカン二酸ジエチル、γ−イソプロピルヘキサデカン二酸ジプロピル、γ−イソプロピルヘキサデカン二酸ジイソプロピル、γ−イソプロピルヘキサデカン二酸ジブチル、γ−イソプロピルヘキサデカン二酸ジイソブチル、γ−イソプロピルヘキサデカン二酸ジペンチル、γ−イソプロピルヘキサデカン二酸ジイソペンチル、γ−イソプロピルヘキサデカン二酸ジヘキシル、γ−イソプロピルヘキサデカン二酸ジイソヘキシル、γ−イソプロピルヘキサデカン二酸ジヘプチル、γ−イソプロピルヘキサデカン二酸ジイソヘプチル、γ−イソプロピルヘキサデカン二酸ジオクチル、γ−イソプロピルヘキサデカン二酸ジイソオクチル、γ−イソプロピルヘキサデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジメチルヘキサデカン二酸ジメチル、α,β−ジメチルヘキサデカン二酸ジエチル、α,β−ジメチルヘキサデカン二酸ジプロピル、α,β−ジメチルヘキサデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジメチルヘキサデカン二酸ジブチル、α,β−ジメチルヘキサデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジメチルヘキサデカン二酸ジペンチル、α,β−ジメチルヘキサデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジメチルヘキサデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジメチルヘキサデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジメチルヘキサデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジメチルヘキサデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジメチルヘキサデカン二酸ジオクチル、α,β−ジメチルヘキサデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジメチルヘキサデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジエチルヘキサデカン二酸ジメチル、α,β−ジエチルヘキサデカン二酸ジエチル、α,β−ジエチルヘキサデカン二酸ジプロピル、α,β−ジエチルヘキサデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジエチルヘキサデカン二酸ジブチル、α,β−ジエチルヘキサデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジエチルヘキサデカン二酸ジペンチル、α,β−ジエチルヘキサデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジエチルヘキサデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジエチルヘキサデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジエチルヘキサデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジエチルヘキサデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジエチルヘキサデカン二酸ジオクチル、α,β−ジエチルヘキサデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジエチルヘキサデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジイソプロピルヘキサデカン二酸ジメチル、α,β−ジイソプロピルヘキサデカン二酸ジエチル、α,β−ジイソプロピルヘキサデカン二酸ジプロピル、α,β−ジイソプロピルヘキサデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジイソプロピルヘキサデカン二酸ジブチル、α,β−ジイソプロピルヘキサデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジイソプロピルヘキサデカン二酸ジペンチル、α,β−ジイソプロピルヘキサデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジイソプロピルヘキサデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジイソプロピルヘキサデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジイソプロピルヘキサデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジイソプロピルヘキサデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジイソプロピルヘキサデカン二酸ジオクチル、α,β−ジイソプロピルヘキサデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジイソプロピルヘキサデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、ヘキサデカンニ酸ジクロリド、α−メチルヘキサデカンニ酸ジクロリド、α−エチルヘキサデカンニ酸ジクロリド、α−イソプロピルヘキサデカンニ酸ジクロリド、β−メチルヘキサデカンニ酸ジクロリド、β−エチルヘキサデカンニ酸ジクロリド、β−イソプロピルヘキサデカンニ酸ジクロリド、γ−メチルヘキサデカンニ酸ジクロリド、γ−エチルヘキサデカンニ酸ジクロリド、γ−イソプロピルヘキサデカンニ酸ジクロリド、α,β−ジメチルヘキサデカンニ酸ジクロリド、α,β−ジエチルヘキサデカンニ酸ジクロリド、α,β−ジイソプロピルヘキサデカンニ酸ジクロリド。
【0026】
nが15である場合の一般式(I)で表される化合物として、下記の化合物を例示することができる:
ヘプタデカン二酸ジメチル、ヘプタデカン二酸ジエチル、ヘプタデカン二酸ジプロピル、ヘプタデカン二酸ジイソプロピル、ヘプタデカン二酸ジブチル、ヘプタデカン二酸ジイソブチル、ヘプタデカン二酸ジペンチル、ヘプタデカン二酸ジイソペンチル、ヘプタデカン二酸ジヘキシル、ヘプタデカン二酸ジイソヘキシル、ヘプタデカン二酸ジヘプチル、ヘプタデカン二酸ジイソヘプチル、ヘプタデカン二酸ジオクチル、ヘプタデカン二酸ジイソオクチル、ヘプタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−メチルヘプタデカン二酸ジメチル、α−メチルヘプタデカン二酸ジエチル、α−メチルヘプタデカン二酸ジプロピル、α−メチルヘプタデカン二酸ジイソプロピル、α−メチルヘプタデカン二酸ジブチル、α−メチルヘプタデカン二酸ジイソブチル、α−メチルヘプタデカン二酸ジペンチル、α−メチルヘプタデカン二酸ジイソペンチル、α−メチルヘプタデカン二酸ジヘキシル、α−メチルヘプタデカン二酸ジイソヘキシル、α−メチルヘプタデカン二酸ジヘプチル、α−メチルヘプタデカン二酸ジイソヘプチル、α−メチルヘプタデカン二酸ジオクチル、α−メチルヘプタデカン二酸ジイソオクチル、α−メチルヘプタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−エチルヘプタデカン二酸ジメチル、α−エチルヘプタデカン二酸ジエチル、α−エチルヘプタデカン二酸ジプロピル、α−エチルヘプタデカン二酸ジイソプロピル、α−エチルヘプタデカン二酸ジブチル、α−エチルヘプタデカン二酸ジイソブチル、α−エチルヘプタデカン二酸ジペンチル、α−エチルヘプタデカン二酸ジイソペンチル、α−エチルヘプタデカン二酸ジヘキシル、α−エチルヘプタデカン二酸ジイソヘキシル、α−エチルヘプタデカン二酸ジヘプチル、α−エチルヘプタデカン二酸ジイソヘプチル、α−エチルヘプタデカン二酸ジオクチル、α−エチルヘプタデカン二酸ジイソオクチル、α−エチルヘプタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−イソプロピルヘプタデカン二酸ジメチル、α−イソプロピルヘプタデカン二酸ジエチル、α−イソプロピルヘプタデカン二酸ジプロピル、α−イソプロピルヘプタデカン二酸ジイソプロピル、α−イソプロピルヘプタデカン二酸ジブチル、α−イソプロピルヘプタデカン二酸ジイソブチル、α−イソプロピルヘプタデカン二酸ジペンチル、α−イソプロピルヘプタデカン二酸ジイソペンチル、α−イソプロピルヘプタデカン二酸ジヘキシル、α−イソプロピルヘプタデカン二酸ジイソヘキシル、α−イソプロピルヘプタデカン二酸ジヘプチル、α−イソプロピルヘプタデカン二酸ジイソヘプチル、α−イソプロピルヘプタデカン二酸ジオクチル、α−イソプロピルヘプタデカン二酸ジイソオクチル、α−イソプロピルヘプタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−メチルヘプタデカン二酸ジメチル、β−メチルヘプタデカン二酸ジエチル、β−メチルヘプタデカン二酸ジプロピル、β−メチルヘプタデカン二酸ジイソプロピル、β−メチルヘプタデカン二酸ジブチル、β−メチルヘプタデカン二酸ジイソブチル、β−メチルヘプタデカン二酸ジペンチル、β−メチルヘプタデカン二酸ジイソペンチル、β−メチルヘプタデカン二酸ジヘキシル、β−メチルヘプタデカン二酸ジイソヘキシル、β−メチルヘプタデカン二酸ジヘプチル、β−メチルヘプタデカン二酸ジイソヘプチル、β−メチルヘプタデカン二酸ジオクチル、β−メチルヘプタデカン二酸ジイソオクチル、β−メチルヘプタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−エチルヘプタデカン二酸ジメチル、β−エチルヘプタデカン二酸ジエチル、β−エチルヘプタデカン二酸ジプロピル、β−エチルヘプタデカン二酸ジイソプロピル、β−エチルヘプタデカン二酸ジブチル、β−エチルヘプタデカン二酸ジイソブチル、β−エチルヘプタデカン二酸ジペンチル、β−エチルヘプタデカン二酸ジイソペンチル、β−エチルヘプタデカン二酸ジヘキシル、β−エチルヘプタデカン二酸ジイソヘキシル、β−エチルヘプタデカン二酸ジヘプチル、β−エチルヘプタデカン二酸ジイソヘプチル、β−エチルヘプタデカン二酸ジオクチル、β−エチルヘプタデカン二酸ジイソオクチル、β−エチルヘプタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−イソプロピルヘプタデカン二酸ジメチル、β−イソプロピルヘプタデカン二酸ジエチル、β−イソプロピルヘプタデカン二酸ジプロピル、β−イソプロピルヘプタデカン二酸ジイソプロピル、β−イソプロピルヘプタデカン二酸ジブチル、β−イソプロピルヘプタデカン二酸ジイソブチル、β−イソプロピルヘプタデカン二酸ジペンチル、β−イソプロピルヘプタデカン二酸ジイソペンチル、β−イソプロピルヘプタデカン二酸ジヘキシル、β−イソプロピルヘプタデカン二酸ジイソヘキシル、β−イソプロピルヘプタデカン二酸ジヘプチル、β−イソプロピルヘプタデカン二酸ジイソヘプチル、β−イソプロピルヘプタデカン二酸ジオクチル、β−イソプロピルヘプタデカン二酸ジイソオクチル、β−イソプロピルヘプタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−メチルヘプタデカン二酸ジメチル、γ−メチルヘプタデカン二酸ジエチル、γ−メチルヘプタデカン二酸ジプロピル、γ−メチルヘプタデカン二酸ジイソプロピル、γ−メチルヘプタデカン二酸ジブチル、γ−メチルヘプタデカン二酸ジイソブチル、γ−メチルヘプタデカン二酸ジペンチル、γ−メチルヘプタデカン二酸ジイソペンチル、γ−メチルヘプタデカン二酸ジヘキシル、γ−メチルヘプタデカン二酸ジイソヘキシル、γ−メチルヘプタデカン二酸ジヘプチル、γ−メチルヘプタデカン二酸ジイソヘプチル、γ−メチルヘプタデカン二酸ジオクチル、γ−メチルヘプタデカン二酸ジイソオクチル、γ−メチルヘプタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−エチルヘプタデカン二酸ジメチル、γ−エチルヘプタデカン二酸ジエチル、γ−エチルヘプタデカン二酸ジプロピル、γ−エチルヘプタデカン二酸ジイソプロピル、γ−エチルヘプタデカン二酸ジブチル、γ−エチルヘプタデカン二酸ジイソブチル、γ−エチルヘプタデカン二酸ジペンチル、γ−エチルヘプタデカン二酸ジイソペンチル、γ−エチルヘプタデカン二酸ジヘキシル、γ−エチルヘプタデカン二酸ジイソヘキシル、γ−エチルヘプタデカン二酸ジヘプチル、γ−エチルヘプタデカン二酸ジイソヘプチル、γ−エチルヘプタデカン二酸ジオクチル、γ−エチルヘプタデカン二酸ジイソオクチル、γ−エチルヘプタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−イソプロピルヘプタデカン二酸ジメチル、γ−イソプロピルヘプタデカン二酸ジエチル、γ−イソプロピルヘプタデカン二酸ジプロピル、γ−イソプロピルヘプタデカン二酸ジイソプロピル、γ−イソプロピルヘプタデカン二酸ジブチル、γ−イソプロピルヘプタデカン二酸ジイソブチル、γ−イソプロピルヘプタデカン二酸ジペンチル、γ−イソプロピルヘプタデカン二酸ジイソペンチル、γ−イソプロピルヘプタデカン二酸ジヘキシル、γ−イソプロピルヘプタデカン二酸ジイソヘキシル、γ−イソプロピルヘプタデカン二酸ジヘプチル、γ−イソプロピルヘプタデカン二酸ジイソヘプチル、γ−イソプロピルヘプタデカン二酸ジオクチル、γ−イソプロピルヘプタデカン二酸ジイソオクチル、γ−イソプロピルヘプタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジメチルヘプタデカン二酸ジメチル、α,β−ジメチルヘプタデカン二酸ジエチル、α,β−ジメチルヘプタデカン二酸ジプロピル、α,β−ジメチルヘプタデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジメチルヘプタデカン二酸ジブチル、α,β−ジメチルヘプタデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジメチルヘプタデカン二酸ジペンチル、α,β−ジメチルヘプタデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジメチルヘプタデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジメチルヘプタデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジメチルヘプタデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジメチルヘプタデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジメチルヘプタデカン二酸ジオクチル、α,β−ジメチルヘプタデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジメチルヘプタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジエチルヘプタデカン二酸ジメチル、α,β−ジエチルヘプタデカン二酸ジエチル、α,β−ジエチルヘプタデカン二酸ジプロピル、α,β−ジエチルヘプタデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジエチルヘプタデカン二酸ジブチル、α,β−ジエチルヘプタデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジエチルヘプタデカン二酸ジペンチル、α,β−ジエチルヘプタデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジエチルヘプタデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジエチルヘプタデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジエチルヘプタデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジエチルヘプタデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジエチルヘプタデカン二酸ジオクチル、α,β−ジエチルヘプタデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジエチルヘプタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジイソプロピルヘプタデカン二酸ジメチル、α,β−ジイソプロピルヘプタデカン二酸ジエチル、α,β−ジイソプロピルヘプタデカン二酸ジプロピル、α,β−ジイソプロピルヘプタデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジイソプロピルヘプタデカン二酸ジブチル、α,β−ジイソプロピルヘプタデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジイソプロピルヘプタデカン二酸ジペンチル、α,β−ジイソプロピルヘプタデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジイソプロピルヘプタデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジイソプロピルヘプタデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジイソプロピルヘプタデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジイソプロピルヘプタデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジイソプロピルヘプタデカン二酸ジオクチル、α,β−ジイソプロピルヘプタデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジイソプロピルヘプタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、ヘプタデカンニ酸ジクロリド、α−メチルヘプタデカンニ酸ジクロリド、α−エチルヘプタデカンニ酸ジクロリド、α−イソプロピルヘプタデカンニ酸ジクロリド、β−メチルヘプタデカンニ酸ジクロリド、β−エチルヘプタデカンニ酸ジクロリド、β−イソプロピルヘプタデカンニ酸ジクロリド、γ−メチルヘプタデカンニ酸ジクロリド、γ−エチルヘプタデカンニ酸ジクロリド、γ−イソプロピルヘプタデカンニ酸ジクロリド、α,β−ジメチルヘプタデカンニ酸ジクロリド、α,β−ジエチルヘプタデカンニ酸ジクロリド、α,β−ジイソプロピルヘプタデカンニ酸ジクロリド。
【0027】
nが16である場合の一般式(I)で表される化合物として、下記の化合物を例示することができる:
オクタデカン二酸ジメチル、オクタデカン二酸ジエチル、オクタデカン二酸ジプロピル、オクタデカン二酸ジイソプロピル、オクタデカン二酸ジブチル、オクタデカン二酸ジイソブチル、オクタデカン二酸ジペンチル、オクタデカン二酸ジイソペンチル、オクタデカン二酸ジヘキシル、オクタデカン二酸ジイソヘキシル、オクタデカン二酸ジヘプチル、オクタデカン二酸ジイソヘプチル、オクタデカン二酸ジオクチル、オクタデカン二酸ジイソオクチル、オクタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−メチルオクタデカン二酸ジメチル、α−メチルオクタデカン二酸ジエチル、α−メチルオクタデカン二酸ジプロピル、α−メチルオクタデカン二酸ジイソプロピル、α−メチルオクタデカン二酸ジブチル、α−メチルオクタデカン二酸ジイソブチル、α−メチルオクタデカン二酸ジペンチル、α−メチルオクタデカン二酸ジイソペンチル、α−メチルオクタデカン二酸ジヘキシル、α−メチルオクタデカン二酸ジイソヘキシル、α−メチルオクタデカン二酸ジヘプチル、α−メチルオクタデカン二酸ジイソヘプチル、α−メチルオクタデカン二酸ジオクチル、α−メチルオクタデカン二酸ジイソオクチル、α−メチルオクタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−エチルオクタデカン二酸ジメチル、α−エチルオクタデカン二酸ジエチル、α−エチルオクタデカン二酸ジプロピル、α−エチルオクタデカン二酸ジイソプロピル、α−エチルオクタデカン二酸ジブチル、α−エチルオクタデカン二酸ジイソブチル、α−エチルオクタデカン二酸ジペンチル、α−エチルオクタデカン二酸ジイソペンチル、α−エチルオクタデカン二酸ジヘキシル、α−エチルオクタデカン二酸ジイソヘキシル、α−エチルオクタデカン二酸ジヘプチル、α−エチルオクタデカン二酸ジイソヘプチル、α−エチルオクタデカン二酸ジオクチル、α−エチルオクタデカン二酸ジイソオクチル、α−エチルオクタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−イソプロピルオクタデカン二酸ジメチル、α−イソプロピルオクタデカン二酸ジエチル、α−イソプロピルオクタデカン二酸ジプロピル、α−イソプロピルオクタデカン二酸ジイソプロピル、α−イソプロピルオクタデカン二酸ジブチル、α−イソプロピルオクタデカン二酸ジイソブチル、α−イソプロピルオクタデカン二酸ジペンチル、α−イソプロピルオクタデカン二酸ジイソペンチル、α−イソプロピルオクタデカン二酸ジヘキシル、α−イソプロピルオクタデカン二酸ジイソヘキシル、α−イソプロピルオクタデカン二酸ジヘプチル、α−イソプロピルオクタデカン二酸ジイソヘプチル、α−イソプロピルオクタデカン二酸ジオクチル、α−イソプロピルオクタデカン二酸ジイソオクチル、α−イソプロピルオクタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−メチルオクタデカン二酸ジメチル、β−メチルオクタデカン二酸ジエチル、β−メチルオクタデカン二酸ジプロピル、β−メチルオクタデカン二酸ジイソプロピル、β−メチルオクタデカン二酸ジブチル、β−メチルオクタデカン二酸ジイソブチル、β−メチルオクタデカン二酸ジペンチル、β−メチルオクタデカン二酸ジイソペンチル、β−メチルオクタデカン二酸ジヘキシル、β−メチルオクタデカン二酸ジイソヘキシル、β−メチルオクタデカン二酸ジヘプチル、β−メチルオクタデカン二酸ジイソヘプチル、β−メチルオクタデカン二酸ジオクチル、β−メチルオクタデカン二酸ジイソオクチル、β−メチルオクタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−エチルオクタデカン二酸ジメチル、β−エチルオクタデカン二酸ジエチル、β−エチルオクタデカン二酸ジプロピル、β−エチルオクタデカン二酸ジイソプロピル、β−エチルオクタデカン二酸ジブチル、β−エチルオクタデカン二酸ジイソブチル、β−エチルオクタデカン二酸ジペンチル、β−エチルオクタデカン二酸ジイソペンチル、β−エチルオクタデカン二酸ジヘキシル、β−エチルオクタデカン二酸ジイソヘキシル、β−エチルオクタデカン二酸ジヘプチル、β−エチルオクタデカン二酸ジイソヘプチル、β−エチルオクタデカン二酸ジオクチル、β−エチルオクタデカン二酸ジイソオクチル、β−エチルオクタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−イソプロピルオクタデカン二酸ジメチル、β−イソプロピルオクタデカン二酸ジエチル、β−イソプロピルオクタデカン二酸ジプロピル、β−イソプロピルオクタデカン二酸ジイソプロピル、β−イソプロピルオクタデカン二酸ジブチル、β−イソプロピルオクタデカン二酸ジイソブチル、β−イソプロピルオクタデカン二酸ジペンチル、β−イソプロピルオクタデカン二酸ジイソペンチル、β−イソプロピルオクタデカン二酸ジヘキシル、β−イソプロピルオクタデカン二酸ジイソヘキシル、β−イソプロピルオクタデカン二酸ジヘプチル、β−イソプロピルオクタデカン二酸ジイソヘプチル、β−イソプロピルオクタデカン二酸ジオクチル、β−イソプロピルオクタデカン二酸ジイソオクチル、β−イソプロピルオクタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−メチルオクタデカン二酸ジメチル、γ−メチルオクタデカン二酸ジエチル、γ−メチルオクタデカン二酸ジプロピル、γ−メチルオクタデカン二酸ジイソプロピル、γ−メチルオクタデカン二酸ジブチル、γ−メチルオクタデカン二酸ジイソブチル、γ−メチルオクタデカン二酸ジペンチル、γ−メチルオクタデカン二酸ジイソペンチル、γ−メチルオクタデカン二酸ジヘキシル、γ−メチルオクタデカン二酸ジイソヘキシル、γ−メチルオクタデカン二酸ジヘプチル、γ−メチルオクタデカン二酸ジイソヘプチル、γ−メチルオクタデカン二酸ジオクチル、γ−メチルオクタデカン二酸ジイソオクチル、γ−メチルオクタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−エチルオクタデカン二酸ジメチル、γ−エチルオクタデカン二酸ジエチル、γ−エチルオクタデカン二酸ジプロピル、γ−エチルオクタデカン二酸ジイソプロピル、γ−エチルオクタデカン二酸ジブチル、γ−エチルオクタデカン二酸ジイソブチル、γ−エチルオクタデカン二酸ジペンチル、γ−エチルオクタデカン二酸ジイソペンチル、γ−エチルオクタデカン二酸ジヘキシル、γ−エチルオクタデカン二酸ジイソヘキシル、γ−エチルオクタデカン二酸ジヘプチル、γ−エチルオクタデカン二酸ジイソヘプチル、γ−エチルオクタデカン二酸ジオクチル、γ−エチルオクタデカン二酸ジイソオクチル、γ−エチルオクタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−イソプロピルオクタデカン二酸ジメチル、γ−イソプロピルオクタデカン二酸ジエチル、γ−イソプロピルオクタデカン二酸ジプロピル、γ−イソプロピルオクタデカン二酸ジイソプロピル、γ−イソプロピルオクタデカン二酸ジブチル、γ−イソプロピルオクタデカン二酸ジイソブチル、γ−イソプロピルオクタデカン二酸ジペンチル、γ−イソプロピルオクタデカン二酸ジイソペンチル、γ−イソプロピルオクタデカン二酸ジヘキシル、γ−イソプロピルオクタデカン二酸ジイソヘキシル、γ−イソプロピルオクタデカン二酸ジヘプチル、γ−イソプロピルオクタデカン二酸ジイソヘプチル、γ−イソプロピルオクタデカン二酸ジオクチル、γ−イソプロピルオクタデカン二酸ジイソオクチル、γ−イソプロピルオクタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジメチルオクタデカン二酸ジメチル、α,β−ジメチルオクタデカン二酸ジエチル、α,β−ジメチルオクタデカン二酸ジプロピル、α,β−ジメチルオクタデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジメチルオクタデカン二酸ジブチル、α,β−ジメチルオクタデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジメチルオクタデカン二酸ジペンチル、α,β−ジメチルオクタデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジメチルオクタデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジメチルオクタデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジメチルオクタデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジメチルオクタデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジメチルオクタデカン二酸ジオクチル、α,β−ジメチルオクタデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジメチルオクタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジエチルオクタデカン二酸ジメチル、α,β−ジエチルオクタデカン二酸ジエチル、α,β−ジエチルオクタデカン二酸ジプロピル、α,β−ジエチルオクタデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジエチルオクタデカン二酸ジブチル、α,β−ジエチルオクタデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジエチルオクタデカン二酸ジペンチル、α,β−ジエチルオクタデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジエチルオクタデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジエチルオクタデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジエチルオクタデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジエチルオクタデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジエチルオクタデカン二酸ジオクチル、α,β−ジエチルオクタデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジエチルオクタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジイソプロピルオクタデカン二酸ジメチル、α,β−ジイソプロピルオクタデカン二酸ジエチル、α,β−ジイソプロピルオクタデカン二酸ジプロピル、α,β−ジイソプロピルオクタデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジイソプロピルオクタデカン二酸ジブチル、α,β−ジイソプロピルオクタデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジイソプロピルオクタデカン二酸ジペンチル、α,β−ジイソプロピルオクタデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジイソプロピルオクタデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジイソプロピルオクタデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジイソプロピルオクタデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジイソプロピルオクタデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジイソプロピルオクタデカン二酸ジオクチル、α,β−ジイソプロピルオクタデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジイソプロピルオクタデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、オクタデカンニ酸ジクロリド、α−メチルオクタデカンニ酸ジクロリド、α−エチルオクタデカンニ酸ジクロリド、α−イソプロピルオクタデカンニ酸ジクロリド、β−メチルオクタデカンニ酸ジクロリド、β−エチルオクタデカンニ酸ジクロリド、β−イソプロピルオクタデカンニ酸ジクロリド、γ−メチルオクタデカンニ酸ジクロリド、γ−エチルオクタデカンニ酸ジクロリド、γ−イソプロピルオクタデカンニ酸ジクロリド、α,β−ジメチルオクタデカンニ酸ジクロリド、α,β−ジエチルオクタデカンニ酸ジクロリド、α,β−ジイソプロピルオクタデカンニ酸ジクロリド。
【0028】
nが17である場合の一般式(I)で表される化合物として、下記の化合物を例示することができる:
ノナデカン二酸ジメチル、ノナデカン二酸ジエチル、ノナデカン二酸ジプロピル、ノナデカン二酸ジイソプロピル、ノナデカン二酸ジブチル、ノナデカン二酸ジイソブチル、ノナデカン二酸ジペンチル、ノナデカン二酸ジイソペンチル、ノナデカン二酸ジヘキシル、ノナデカン二酸ジイソヘキシル、ノナデカン二酸ジヘプチル、ノナデカン二酸ジイソヘプチル、ノナデカン二酸ジオクチル、ノナデカン二酸ジイソオクチル、ノナデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−メチルノナデカン二酸ジメチル、α−メチルノナデカン二酸ジエチル、α−メチルノナデカン二酸ジプロピル、α−メチルノナデカン二酸ジイソプロピル、α−メチルノナデカン二酸ジブチル、α−メチルノナデカン二酸ジイソブチル、α−メチルノナデカン二酸ジペンチル、α−メチルノナデカン二酸ジイソペンチル、α−メチルノナデカン二酸ジヘキシル、α−メチルノナデカン二酸ジイソヘキシル、α−メチルノナデカン二酸ジヘプチル、α−メチルノナデカン二酸ジイソヘプチル、α−メチルノナデカン二酸ジオクチル、α−メチルノナデカン二酸ジイソオクチル、α−メチルノナデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−エチルノナデカン二酸ジメチル、α−エチルノナデカン二酸ジエチル、α−エチルノナデカン二酸ジプロピル、α−エチルノナデカン二酸ジイソプロピル、α−エチルノナデカン二酸ジブチル、α−エチルノナデカン二酸ジイソブチル、α−エチルノナデカン二酸ジペンチル、α−エチルノナデカン二酸ジイソペンチル、α−エチルノナデカン二酸ジヘキシル、α−エチルノナデカン二酸ジイソヘキシル、α−エチルノナデカン二酸ジヘプチル、α−エチルノナデカン二酸ジイソヘプチル、α−エチルノナデカン二酸ジオクチル、α−エチルノナデカン二酸ジイソオクチル、α−エチルノナデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−イソプロピルノナデカン二酸ジメチル、α−イソプロピルノナデカン二酸ジエチル、α−イソプロピルノナデカン二酸ジプロピル、α−イソプロピルノナデカン二酸ジイソプロピル、α−イソプロピルノナデカン二酸ジブチル、α−イソプロピルノナデカン二酸ジイソブチル、α−イソプロピルノナデカン二酸ジペンチル、α−イソプロピルノナデカン二酸ジイソペンチル、α−イソプロピルノナデカン二酸ジヘキシル、α−イソプロピルノナデカン二酸ジイソヘキシル、α−イソプロピルノナデカン二酸ジヘプチル、α−イソプロピルノナデカン二酸ジイソヘプチル、α−イソプロピルノナデカン二酸ジオクチル、α−イソプロピルノナデカン二酸ジイソオクチル、α−イソプロピルノナデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−メチルノナデカン二酸ジメチル、β−メチルノナデカン二酸ジエチル、β−メチルノナデカン二酸ジプロピル、β−メチルノナデカン二酸ジイソプロピル、β−メチルノナデカン二酸ジブチル、β−メチルノナデカン二酸ジイソブチル、β−メチルノナデカン二酸ジペンチル、β−メチルノナデカン二酸ジイソペンチル、β−メチルノナデカン二酸ジヘキシル、β−メチルノナデカン二酸ジイソヘキシル、β−メチルノナデカン二酸ジヘプチル、β−メチルノナデカン二酸ジイソヘプチル、β−メチルノナデカン二酸ジオクチル、β−メチルノナデカン二酸ジイソオクチル、β−メチルノナデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−エチルノナデカン二酸ジメチル、β−エチルノナデカン二酸ジエチル、β−エチルノナデカン二酸ジプロピル、β−エチルノナデカン二酸ジイソプロピル、β−エチルノナデカン二酸ジブチル、β−エチルノナデカン二酸ジイソブチル、β−エチルノナデカン二酸ジペンチル、β−エチルノナデカン二酸ジイソペンチル、β−エチルノナデカン二酸ジヘキシル、β−エチルノナデカン二酸ジイソヘキシル、β−エチルノナデカン二酸ジヘプチル、β−エチルノナデカン二酸ジイソヘプチル、β−エチルノナデカン二酸ジオクチル、β−エチルノナデカン二酸ジイソオクチル、β−エチルノナデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−イソプロピルノナデカン二酸ジメチル、β−イソプロピルノナデカン二酸ジエチル、β−イソプロピルノナデカン二酸ジプロピル、β−イソプロピルノナデカン二酸ジイソプロピル、β−イソプロピルノナデカン二酸ジブチル、β−イソプロピルノナデカン二酸ジイソブチル、β−イソプロピルノナデカン二酸ジペンチル、β−イソプロピルノナデカン二酸ジイソペンチル、β−イソプロピルノナデカン二酸ジヘキシル、β−イソプロピルノナデカン二酸ジイソヘキシル、β−イソプロピルノナデカン二酸ジヘプチル、β−イソプロピルノナデカン二酸ジイソヘプチル、β−イソプロピルノナデカン二酸ジオクチル、β−イソプロピルノナデカン二酸ジイソオクチル、β−イソプロピルノナデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−メチルノナデカン二酸ジメチル、γ−メチルノナデカン二酸ジエチル、γ−メチルノナデカン二酸ジプロピル、γ−メチルノナデカン二酸ジイソプロピル、γ−メチルノナデカン二酸ジブチル、γ−メチルノナデカン二酸ジイソブチル、γ−メチルノナデカン二酸ジペンチル、γ−メチルノナデカン二酸ジイソペンチル、γ−メチルノナデカン二酸ジヘキシル、γ−メチルノナデカン二酸ジイソヘキシル、γ−メチルノナデカン二酸ジヘプチル、γ−メチルノナデカン二酸ジイソヘプチル、γ−メチルノナデカン二酸ジオクチル、γ−メチルノナデカン二酸ジイソオクチル、γ−メチルノナデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−エチルノナデカン二酸ジメチル、γ−エチルノナデカン二酸ジエチル、γ−エチルノナデカン二酸ジプロピル、γ−エチルノナデカン二酸ジイソプロピル、γ−エチルノナデカン二酸ジブチル、γ−エチルノナデカン二酸ジイソブチル、γ−エチルノナデカン二酸ジペンチル、γ−エチルノナデカン二酸ジイソペンチル、γ−エチルノナデカン二酸ジヘキシル、γ−エチルノナデカン二酸ジイソヘキシル、γ−エチルノナデカン二酸ジヘプチル、γ−エチルノナデカン二酸ジイソヘプチル、γ−エチルノナデカン二酸ジオクチル、γ−エチルノナデカン二酸ジイソオクチル、γ−エチルノナデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−イソプロピルノナデカン二酸ジメチル、γ−イソプロピルノナデカン二酸ジエチル、γ−イソプロピルノナデカン二酸ジプロピル、γ−イソプロピルノナデカン二酸ジイソプロピル、γ−イソプロピルノナデカン二酸ジブチル、γ−イソプロピルノナデカン二酸ジイソブチル、γ−イソプロピルノナデカン二酸ジペンチル、γ−イソプロピルノナデカン二酸ジイソペンチル、γ−イソプロピルノナデカン二酸ジヘキシル、γ−イソプロピルノナデカン二酸ジイソヘキシル、γ−イソプロピルノナデカン二酸ジヘプチル、γ−イソプロピルノナデカン二酸ジイソヘプチル、γ−イソプロピルノナデカン二酸ジオクチル、γ−イソプロピルノナデカン二酸ジイソオクチル、γ−イソプロピルノナデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジメチルノナデカン二酸ジメチル、α,β−ジメチルノナデカン二酸ジエチル、α,β−ジメチルノナデカン二酸ジプロピル、α,β−ジメチルノナデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジメチルノナデカン二酸ジブチル、α,β−ジメチルノナデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジメチルノナデカン二酸ジペンチル、α,β−ジメチルノナデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジメチルノナデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジメチルノナデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジメチルノナデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジメチルノナデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジメチルノナデカン二酸ジオクチル、α,β−ジメチルノナデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジメチルノナデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジエチルノナデカン二酸ジメチル、α,β−ジエチルノナデカン二酸ジエチル、α,β−ジエチルノナデカン二酸ジプロピル、α,β−ジエチルノナデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジエチルノナデカン二酸ジブチル、α,β−ジエチルノナデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジエチルノナデカン二酸ジペンチル、α,β−ジエチルノナデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジエチルノナデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジエチルノナデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジエチルノナデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジエチルノナデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジエチルノナデカン二酸ジオクチル、α,β−ジエチルノナデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジエチルノナデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジイソプロピルノナデカン二酸ジメチル、α,β−ジイソプロピルノナデカン二酸ジエチル、α,β−ジイソプロピルノナデカン二酸ジプロピル、α,β−ジイソプロピルノナデカン二酸ジイソプロピル、α,β−ジイソプロピルノナデカン二酸ジブチル、α,β−ジイソプロピルノナデカン二酸ジイソブチル、α,β−ジイソプロピルノナデカン二酸ジペンチル、α,β−ジイソプロピルノナデカン二酸ジイソペンチル、α,β−ジイソプロピルノナデカン二酸ジヘキシル、α,β−ジイソプロピルノナデカン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジイソプロピルノナデカン二酸ジヘプチル、α,β−ジイソプロピルノナデカン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジイソプロピルノナデカン二酸ジオクチル、α,β−ジイソプロピルノナデカン二酸ジイソオクチル、α,β−ジイソプロピルノナデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、ノナデカンニ酸ジクロリド、α−メチルノナデカンニ酸ジクロリド、α−エチルノナデカンニ酸ジクロリド、α−イソプロピルノナデカンニ酸ジクロリド、β−メチルノナデカンニ酸ジクロリド、β−エチルノナデカンニ酸ジクロリド、β−イソプロピルノナデカンニ酸ジクロリド、γ−メチルノナデカンニ酸ジクロリド、γ−エチルノナデカンニ酸ジクロリド、γ−イソプロピルノナデカンニ酸ジクロリド、α,β−ジメチルノナデカンニ酸ジクロリド、α,β−ジエチルノナデカンニ酸ジクロリド、α,β−ジイソプロピルノナデカンニ酸ジクロリド。
【0029】
nが18である場合の一般式(I)で表される化合物として、下記の化合物を例示することができる:
エイコサン二酸ジメチル、エイコサン二酸ジエチル、エイコサン二酸ジプロピル、エイコサン二酸ジイソプロピル、エイコサン二酸ジブチル、エイコサン二酸ジイソブチル、エイコサン二酸ジペンチル、エイコサン二酸ジイソペンチル、エイコサン二酸ジヘキシル、エイコサン二酸ジイソヘキシル、エイコサン二酸ジヘプチル、エイコサン二酸ジイソヘプチル、エイコサン二酸ジオクチル、エイコサン二酸ジイソオクチル、エイコサン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−メチルエイコサン二酸ジメチル、α−メチルエイコサン二酸ジエチル、α−メチルエイコサン二酸ジプロピル、α−メチルエイコサン二酸ジイソプロピル、α−メチルエイコサン二酸ジブチル、α−メチルエイコサン二酸ジイソブチル、α−メチルエイコサン二酸ジペンチル、α−メチルエイコサン二酸ジイソペンチル、α−メチルエイコサン二酸ジヘキシル、α−メチルエイコサン二酸ジイソヘキシル、α−メチルエイコサン二酸ジヘプチル、α−メチルエイコサン二酸ジイソヘプチル、α−メチルエイコサン二酸ジオクチル、α−メチルエイコサン二酸ジイソオクチル、α−メチルエイコサン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−エチルエイコサン二酸ジメチル、α−エチルエイコサン二酸ジエチル、α−エチルエイコサン二酸ジプロピル、α−エチルエイコサン二酸ジイソプロピル、α−エチルエイコサン二酸ジブチル、α−エチルエイコサン二酸ジイソブチル、α−エチルエイコサン二酸ジペンチル、α−エチルエイコサン二酸ジイソペンチル、α−エチルエイコサン二酸ジヘキシル、α−エチルエイコサン二酸ジイソヘキシル、α−エチルエイコサン二酸ジヘプチル、α−エチルエイコサン二酸ジイソヘプチル、α−エチルエイコサン二酸ジオクチル、α−エチルエイコサン二酸ジイソオクチル、α−エチルエイコサン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α−イソプロピルエイコサン二酸ジメチル、α−イソプロピルエイコサン二酸ジエチル、α−イソプロピルエイコサン二酸ジプロピル、α−イソプロピルエイコサン二酸ジイソプロピル、α−イソプロピルエイコサン二酸ジブチル、α−イソプロピルエイコサン二酸ジイソブチル、α−イソプロピルエイコサン二酸ジペンチル、α−イソプロピルエイコサン二酸ジイソペンチル、α−イソプロピルエイコサン二酸ジヘキシル、α−イソプロピルエイコサン二酸ジイソヘキシル、α−イソプロピルエイコサン二酸ジヘプチル、α−イソプロピルエイコサン二酸ジイソヘプチル、α−イソプロピルエイコサン二酸ジオクチル、α−イソプロピルエイコサン二酸ジイソオクチル、α−イソプロピルエイコサン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−メチルエイコサン二酸ジメチル、β−メチルエイコサン二酸ジエチル、β−メチルエイコサン二酸ジプロピル、β−メチルエイコサン二酸ジイソプロピル、β−メチルエイコサン二酸ジブチル、β−メチルエイコサン二酸ジイソブチル、β−メチルエイコサン二酸ジペンチル、β−メチルエイコサン二酸ジイソペンチル、β−メチルエイコサン二酸ジヘキシル、β−メチルエイコサン二酸ジイソヘキシル、β−メチルエイコサン二酸ジヘプチル、β−メチルエイコサン二酸ジイソヘプチル、β−メチルエイコサン二酸ジオクチル、β−メチルエイコサン二酸ジイソオクチル、β−メチルエイコサン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−エチルエイコサン二酸ジメチル、β−エチルエイコサン二酸ジエチル、β−エチルエイコサン二酸ジプロピル、β−エチルエイコサン二酸ジイソプロピル、β−エチルエイコサン二酸ジブチル、β−エチルエイコサン二酸ジイソブチル、β−エチルエイコサン二酸ジペンチル、β−エチルエイコサン二酸ジイソペンチル、β−エチルエイコサン二酸ジヘキシル、β−エチルエイコサン二酸ジイソヘキシル、β−エチルエイコサン二酸ジヘプチル、β−エチルエイコサン二酸ジイソヘプチル、β−エチルエイコサン二酸ジオクチル、β−エチルエイコサン二酸ジイソオクチル、β−エチルエイコサン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、β−イソプロピルエイコサン二酸ジメチル、β−イソプロピルエイコサン二酸ジエチル、β−イソプロピルエイコサン二酸ジプロピル、β−イソプロピルエイコサン二酸ジイソプロピル、β−イソプロピルエイコサン二酸ジブチル、β−イソプロピルエイコサン二酸ジイソブチル、β−イソプロピルエイコサン二酸ジペンチル、β−イソプロピルエイコサン二酸ジイソペンチル、β−イソプロピルエイコサン二酸ジヘキシル、β−イソプロピルエイコサン二酸ジイソヘキシル、β−イソプロピルエイコサン二酸ジヘプチル、β−イソプロピルエイコサン二酸ジイソヘプチル、β−イソプロピルエイコサン二酸ジオクチル、β−イソプロピルエイコサン二酸ジイソオクチル、β−イソプロピルエイコサン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−メチルエイコサン二酸ジメチル、γ−メチルエイコサン二酸ジエチル、γ−メチルエイコサン二酸ジプロピル、γ−メチルエイコサン二酸ジイソプロピル、γ−メチルエイコサン二酸ジブチル、γ−メチルエイコサン二酸ジイソブチル、γ−メチルエイコサン二酸ジペンチル、γ−メチルエイコサン二酸ジイソペンチル、γ−メチルエイコサン二酸ジヘキシル、γ−メチルエイコサン二酸ジイソヘキシル、γ−メチルエイコサン二酸ジヘプチル、γ−メチルエイコサン二酸ジイソヘプチル、γ−メチルエイコサン二酸ジオクチル、γ−メチルエイコサン二酸ジイソオクチル、γ−メチルエイコサン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−エチルエイコサン二酸ジメチル、γ−エチルエイコサン二酸ジエチル、γ−エチルエイコサン二酸ジプロピル、γ−エチルエイコサン二酸ジイソプロピル、γ−エチルエイコサン二酸ジブチル、γ−エチルエイコサン二酸ジイソブチル、γ−エチルエイコサン二酸ジペンチル、γ−エチルエイコサン二酸ジイソペンチル、γ−エチルエイコサン二酸ジヘキシル、γ−エチルエイコサン二酸ジイソヘキシル、γ−エチルエイコサン二酸ジヘプチル、γ−エチルエイコサン二酸ジイソヘプチル、γ−エチルエイコサン二酸ジオクチル、γ−エチルエイコサン二酸ジイソオクチル、γ−エチルエイコサン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−イソプロピルエイコサン二酸ジメチル、γ−イソプロピルエイコサン二酸ジエチル、γ−イソプロピルエイコサン二酸ジプロピル、γ−イソプロピルエイコサン二酸ジイソプロピル、γ−イソプロピルエイコサン二酸ジブチル、γ−イソプロピルエイコサン二酸ジイソブチル、γ−イソプロピルエイコサン二酸ジペンチル、γ−イソプロピルエイコサン二酸ジイソペンチル、γ−イソプロピルエイコサン二酸ジヘキシル、γ−イソプロピルエイコサン二酸ジイソヘキシル、γ−イソプロピルエイコサン二酸ジヘプチル、γ−イソプロピルエイコサン二酸ジイソヘプチル、γ−イソプロピルエイコサン二酸ジオクチル、γ−イソプロピルエイコサン二酸ジイソオクチル、γ−イソプロピルエイコサン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジメチルエイコサン二酸ジメチル、α,β−ジメチルエイコサン二酸ジエチル、α,β−ジメチルエイコサン二酸ジプロピル、α,β−ジメチルエイコサン二酸ジイソプロピル、α,β−ジメチルエイコサン二酸ジブチル、α,β−ジメチルエイコサン二酸ジイソブチル、α,β−ジメチルエイコサン二酸ジペンチル、α,β−ジメチルエイコサン二酸ジイソペンチル、α,β−ジメチルエイコサン二酸ジヘキシル、α,β−ジメチルエイコサン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジメチルエイコサン二酸ジヘプチル、α,β−ジメチルエイコサン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジメチルエイコサン二酸ジオクチル、α,β−ジメチルエイコサン二酸ジイソオクチル、α,β−ジメチルエイコサン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジエチルエイコサン二酸ジメチル、α,β−ジエチルエイコサン二酸ジエチル、α,β−ジエチルエイコサン二酸ジプロピル、α,β−ジエチルエイコサン二酸ジイソプロピル、α,β−ジエチルエイコサン二酸ジブチル、α,β−ジエチルエイコサン二酸ジイソブチル、α,β−ジエチルエイコサン二酸ジペンチル、α,β−ジエチルエイコサン二酸ジイソペンチル、α,β−ジエチルエイコサン二酸ジヘキシル、α,β−ジエチルエイコサン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジエチルエイコサン二酸ジヘプチル、α,β−ジエチルエイコサン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジエチルエイコサン二酸ジオクチル、α,β−ジエチルエイコサン二酸ジイソオクチル、α,β−ジエチルエイコサン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、α,β−ジイソプロピルエイコサン二酸ジメチル、α,β−ジイソプロピルエイコサン二酸ジエチル、α,β−ジイソプロピルエイコサン二酸ジプロピル、α,β−ジイソプロピルエイコサン二酸ジイソプロピル、α,β−ジイソプロピルエイコサン二酸ジブチル、α,β−ジイソプロピルエイコサン二酸ジイソブチル、α,β−ジイソプロピルエイコサン二酸ジペンチル、α,β−ジイソプロピルエイコサン二酸ジイソペンチル、α,β−ジイソプロピルエイコサン二酸ジヘキシル、α,β−ジイソプロピルエイコサン二酸ジイソヘキシル、α,β−ジイソプロピルエイコサン二酸ジヘプチル、α,β−ジイソプロピルエイコサン二酸ジイソヘプチル、α,β−ジイソプロピルエイコサン二酸ジオクチル、α,β−ジイソプロピルエイコサン二酸ジイソオクチル、α,β−ジイソプロピルエイコサン二酸ビス(2−エチルヘキシル)、エイコサン二酸ジクロリド、α−メチルエイコサン二酸ジクロリド、α−エチルエイコサン二酸ジクロリド、α−イソプロピルエイコサン二酸ジクロリド、β−メチルエイコサン二酸ジクロリド、β−エチルエイコサン二酸ジクロリド、β−イソプロピルエイコサン二酸ジクロリド、γ−メチルエイコサン二酸ジクロリド、γ−エチルエイコサン二酸ジクロリド、γ−イソプロピルエイコサン二酸ジクロリド、α,β−ジメチルエイコサン二酸ジクロリド、α,β−ジエチルエイコサン二酸ジクロリド、α,β−ジイソプロピルエイコサン二酸ジクロリド。
【0030】
本発明における固体触媒成分の製造方法は特に限定されず、該製造方法として、以下(1)および(2)の製造方法を例示することが出来る:
(1)チタン化合物とマグネシウム化合物と式(I)で表される内部電子供与体とを接触させる方法;ならびに
(2)チタン原子およびマグネシウム原子を含む固体成分(c)と、式(I)で表される内部電子供与体とを接触させる方法。
【0031】
上記のチタン化合物は、チタン原子を含有する化合物であれば特に制限されない。チタン化合物として、四塩化チタン、四臭化チタン、および四ヨウ化チタンのようなテトラハロゲン化チタン;テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソブトキシチタン、およびテトラシクロヘキシロキシチタンのようなテトラアルコキシチタン;テトラフェノキシチタンのようなテトラアリーロキシチタン;メトキシチタントリクロリド、エトキシチタントリクロリド、n−プロポキシチタントリクロリド、およびn−ブトキシチタントリクロリドのようなアルコキシチタントリクロリド;ジメトキシチタンジクロリド、ジエトキシチタンジクロリド、ジイソプロポキシチタンジクロリド、ジ−n−プロポキシチタンジクロリド、およびジエトキシチタンジブロミドのようなジハロゲン化ジアルコキシチタン;トリメトキシチタンクロリド、トリエトキシチタンクロリド、トリイソプロポキシチタンクロリド、トリ−n−プロポキシチタンクロリド、およびトリ−n−ブトキシチタンクロリドのようなモノハロゲン化トリアルコキシチタン;ならびにそれらの2以上の組合せを例示することができる。中でも、好ましくはテトラハロゲン化チタンまたはアルコキシチタントリクロリドであり、より好ましくテトラハロゲン化チタンであり、更に好ましくは四塩化チタンである。
【0032】
上記のマグネシウム化合物は、マグネシウム原子を含有する化合物であれば特に制限されない。マグネシウム化合物として、下式(i)または(ii)で表される化合物を例示することが出来る:
MgR2−a (i)
Mg(OR2−a (ii)
式中、Rは炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基を示し、複数のRは同一または異なり;Xはハロゲン原子を示し、複数のXは同一または異なり、aは0≦a≦2を満足する整数である。
【0033】
上記のRとしては、アルキル基、アラルキル基、アリール基、およびアルケニル基を例示することができ、これらはハロゲン原子、ハイドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホニル基、およびシリル基のような置換基を有していてもよい。
【0034】
のアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、およびn−オクチル基のような直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基および2−エチルヘキシル基のような分岐状アルキル基;ならびにシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、およびシクロオクチル基のような環状アルキル基を例示することができ、好ましくは炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状アルキル基である。
【0035】
のアラルキル基として、ベンジル基、およびフェネチル基を例示することができ、好ましくは炭素原子数7〜20のアラルキル基である。
【0036】
のアリール基として、フェニル基、ナフチル基、およびトリル基を例示することができ、好ましくは炭素原子数6〜20のアリール基である。
【0037】
のアルケニル基として、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、および5−ヘキセニル基のような直鎖状アルケニル基;イソブテニル基、および4−メチル−3−ペンテニル基のような分岐状アルケニル基;ならびに2−シクロヘキセニル基、および3−シクロヘキセニル基のような環状アルケニル基を例示することができ、好ましくは炭素原子数2〜20の直鎖状および分岐状アルケニル基である。
【0038】
上記のXのハロゲン原子として、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、およびフッ素原子を例示することができ、好ましくは塩素原子である。
【0039】
上式(i)マグネシウム化合物として、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジイソプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジオクチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウム、およびブチルオクチルマグネシウムのようなジアルキルマグネシウム化合物;ジメトキシマグネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジプロポキシマグネシウム、ジイソプロポキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウム、およびジオクトキシマグネシウムのようなジアルコキシマグネシウム化合物;メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムクロリド、イソプロピルマグネシウムクロリド、イソブチルマグネシウムクロリド、t−ブチルマグネシウムクロリド、ベンジルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロミド、イソプロピルマグネシウムブロミド、イソブチルマグネシウムブロミド、t−ブチルマグネシウムブロミド、ヘキシルマグネシウムブロミド、ベンジルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムイオダイド、エチルマグネシウムイオダイド、イソプロピルマグネシウムイオダイド、イソブチルマグネシウムイオダイド、t−ブチルマグネシウムイオダイド、およびベンジルマグネシウムイオダイドのようなアルキルマグネシウムハライド化合物;メトキシマグネシウムクロリド、エトキシマグネシウムクロリド、イソプロポキシマグネシウムクロリド、ブトキシマグネシウムクロリド、ヘキシルオキシマグネシウムクロリド、メトキシマグネシウムブロミド、エトキシマグネシウムブロミド、イソプロポキシマグネシウムブロミド、ブトキシマグネシウムブロミド、ヘキシルオキシマグネシウムブロミド、メトキシマグネシウムイオダイド、エトキシマグネシウムイオダイド、イソプロポキシマグネシウムイオダイド、ブトキシマグネシウムイオダイドおよびヘキシルオキシマグネシウムブロミドのようなアルコキシマグネシウムハライド化合物;ならびにフッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、およびヨウ化マグネシウムのようなハロゲン化マグネシウム化合物を例示することができる。
【0040】
マグネシウム化合物は、好ましくはハロゲン化マグネシウム化合物、ジアルコキシマグネシウム化合物またはアルコキシマグネシウムハライド化合物である。ハロゲン化マグネシウム化合物は、好ましくは塩化マグネシウムである。塩化マグネシウムは固体状のまま、またはメタノール、エタノールおよび2−エチルヘキサノールのようなアルコール、またはトルエンおよびヘキサンのような炭化水素溶媒に溶解した溶液状で用いられ、アルコール、エーテル、エステルなどの付加物であってもよい。ジアルコキシマグネシウム化合物は、好ましくは炭素原子数1〜20のジアルコキシマグネシウムであり、更に好ましくは炭素原子数1〜10のジアルコキシマグネシウムであり、特に好ましくはジメトキシマグネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジプロポキシマグネシウム、ジイソプロポキシマグネシウム、またはジブトキシマグネシウムである。
【0041】
上記のジアルコキシマグネシウム化合物の製造方法として、金属マグネシウムと、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、およびオクタノールのようなアルコールとを、触媒の存在下で接触させる方法を例示することができる。触媒として、ヨウ素、塩素、および臭素のようなハロゲン;ならびにヨウ化マグネシウム、および塩化マグネシウムのようなハロゲン化マグネシウムを例示することができ、好ましくはヨウ素である。
【0042】
アルコキシマグネシウムハライド化合物は、好ましくは炭素原子数1〜20のハイドロカルビルオキシマグネシウムクロライドであり、更に好ましくは炭素原子数1〜10のハイドロカルビルオキシマグネシウムクロライドであり、特に好ましくはメトキシマグネシウムクロライド、エトキシマグネシウムクロライド、プロポキシマグネシウムクロライド、イソプロポキシマグネシウムクロライド、またはブトキシマグネシウムクロライドである。
【0043】
マグネシウム化合物は、担体に担持して用いてもよい。担体は特に制限されず、SiO、Al、MgO、TiO、およびZrOのような多孔質無機酸化物;ならびにポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−エチレングリコール−ジメタクリル酸メチル共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、アクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、およびポリプロピレンのような有機多孔質ポリマーを例示することができる。これらのうち、好ましくは多孔質無機酸化物であり、特に好ましくはSiOである。
【0044】
担体は、マグネシウム化合物を有効に固定化する観点から、細孔半径20〜200nmにおける細孔容量が、好ましくは0.3cm/g以上、より好ましくは0.4cm/g以上であり、かつ該範囲の細孔容量は、細孔半径3.5〜7500nmにおける細孔容量に対して好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上である多孔質の担体である。
【0045】
触媒成分製造方法−1において、チタン化合物の使用量は、使用されるマグネシウム化合物中の総マグネシウム原子1モルあたり、通常0.1〜1000mmol、好ましくは0.3〜500mmol、特に好ましくは0.5〜300mmolである。チタン化合物は、一度に、又は任意の複数回に分けて使用される。
【0046】
触媒成分製造方法−1において、式(I)で表される内部電子供与体の使用量は、使用されるマグネシウム化合物中の総マグネシウム原子1モルあたり、通常0.1〜1000mmol、好ましくは0.3〜500mmol、特に好ましくは0.5〜300mmolである。式(I)で表される内部電子供与体は、一度に、又は任意の複数回に分けて使用される。
【0047】
触媒成分製造方法−1における接触方法は特に限定されない。該方法として、スラリー法や機械的粉砕法(例えばボールミルによる方法)のような公知の方法を例示することができる。
【0048】
上記のスラリー法におけるスラリー濃度は、通常0.05〜0.7g固体/ml溶媒、特に好ましくは0.1〜0.5g固体/ml溶媒である。接触の温度は、通常30〜150℃、好ましくは45〜135℃、特に好ましくは60〜120℃である。接触の時間は特に制限されず、通常30分から6時間程度が好適である。本発明における「接触の時間」とは、チタン化合物とマグネシウム化合物と式(I)で表される内部電子供与体とを同時に接触させる場合は、該同時接触させている時間を意味し、これらの3化合物を逐次的に接触させる場合は(例えば、チタン化合物→マグネシウム化合物→内部電子供与体の順序で反応器に供給する場合)、各段階において接触している時間の総和を意味する。
【0049】
上記の機械的粉砕法は、得られる固体触媒成分の微粉含有量やその粒度分布の広がりを抑制するために、好ましくは液状物質の存在下で行われる。液状物質として、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、およびオクタンのような脂肪族ハイドロカルビル;ベンゼン、トルエンおよびキシレンのような芳香族ハイドロカルビル;シクロヘキサンおよびシクロペンタンのような脂環式ハイドロカルビル;ならびに1,2−ジクロルエタンおよびモノクロルベンゼンのようなハロゲン化ハイドロカルビルを例示することができる。中でも、芳香族ハイドロカルビルまたはハロゲン化ハイドロカルビルが特に好ましい。
【0050】
触媒成分製造方法−1において、下式(iii)で表される化合物をも任意に接触させてもよい:
MRm−c (iii)
式中、Mは第13族または第14族の原子を表し;Rは炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基またはハイドロカルビルオキシ基を表し;Xはハロゲン原子を表し;mはMの原子価を表し;cは0<c≦mを満足する整数を表す。
【0051】
Mの第13族元素として、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、およびタリウムを例示することができる。中でも、好ましくはホウ素またはアルミニウムであり、より好ましくはアルミニウムである。Mの第14族元素として、ケイ素、ゲルマニウム、錫、および鉛を例示することができる。中でも、好ましくはケイ素、ゲルマニウムまたは錫であり、より好ましくはケイ素である。
【0052】
のハイドロカルビル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、およびドデシル基のような直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロヘキシル基およびシクロペンチル基のような環状アルキル基;フェニル基、クレジル基、キシリル基およびナフチル基のようなアリール基を例示することができる。
のハイドロカルビルオキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、アミロキシ基、イソアミロキシ基、ヘキシロキシ基、ヘプチロキシ基、オクチロキシ基、デシロキシ基、およびドデシロキシ基のような直鎖状または分岐状のアルコキシ基;シクロヘキシロキシ基およびシクロペンチロキシ基のような環状アルコキシ基;ならびにフェノキシ基、キシロキシ基およびナフトキシ基のようなアリーロキシ基を例示することができる。中でも、好ましくは炭素原子数2〜18のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素原子数6〜18のアリール基もしくはアリーロキシ基である。
【0053】
として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を例示することができ、好ましくは塩素原子または臭素原子である。
【0054】
Mの原子価であるmは、Mが第13族元素のときは3であり、第14族元素のときは4である。
【0055】
上式(iii)で表される化合物として、クロロ化アルミニウム化合物およびクロロ化ケイ素化合物を例示することができる。中でも、好ましくは、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、トリクロロアルミニウム、テトラクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ノルマルプロピルトリクロロシラン、またはパラトリルトリクロロシランであり、より好ましくは第14族元素のクロロ化化合物であり、特に好ましくはテトラクロロシランおよびフェニルトリクロロシランである。
【0056】
触媒成分製造方法−1における、上式(iii)で表される化合物の使用量は、マグネシウム化合物中の総マグネシウム原子1モルあたり、通常0.1〜1000mmol、好ましくは0.3〜500mmol、特に好ましくは0.5〜300mmolであり、一度に、又は任意の複数回に分けて使用される。
【0057】
触媒成分製造方法−2における、チタン原子およびマグネシウム原子を含む固体成分(c)は、チタン原子とマグネシウム原子を含む固体成分であれば特に制限されない。固体成分(c)として、チタン酸マグネシウム、WO2004/039747号公報に記載のチタン酸アルミニウムマグネシウム、3価のチタン原子とマグネシウム原子とハイドロカルビルオキシ基とを含有する固体触媒成分前駆体を例示することができる。中でも、好ましくは固体触媒成分前駆体である。以下、「固体触媒成分前駆体」を「前駆体」と言いう。
【0058】
前駆体のハイドロカルビルオキシ基として、炭素原子数が1〜20のハイドロカルビルオキシ基を例示することができ、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペントキシ基、シクロペントキシ基、またはシクロヘキソキシ基である。
【0059】
前駆体の製造方法は特に限定されず、Si−O結合を有するケイ素化合物の存在下に、チタン化合物を有機マグネシウム化合物で還元する方法を例示することができる。還元反応は好ましくは、ケイ素化合物、チタン化合物および溶媒を含有する溶液に、有機マグネシウム化合物を加えることによって行われる。
【0060】
該ケイ素化合物として、下式(iv)から(vi)で表わされる化合物を例示することができる:
Si(OR(4−t) (iv)
(RSiO)SiR (v)
(RSiO) (vi)
式中、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立した炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基または水素原子であり;tは1〜4の整数であり;uは1〜1000の整数であり;vは2〜1000の整数である。
【0061】
該ハイドロカルビル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、およびドデシル基のようなアルキル基;フェニル基、クレジル基、キシリル基、およびナフチル基のようなアリール基;シクロヘキシル基およびシクロペンチル基のようなシクロアルキル基;アリル基のようなアルケニル基;ならびにベンジル基のようなアラルキル基を例示することができる。中でも、好ましくは炭素原子数2〜18のアルキル基または炭素原子数6〜18のアリール基であり、特に好ましくは炭素原子数2〜18の直鎖状アルキル基である。
【0062】
式(iv)から(vi)で示すケイ素化合物として、テトラメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリエトキシエチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、エトキシトリエチルシラン、テトライソプロポキシシラン、ジイソプロポキシ−ジイソプロピルシラン、テトラプロポキシシラン、ジプロポキシジプロピルシラン、テトラブトキシシラン、ジブトキシジブチルシラン、ジシクロペントキシジエチルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、シクロヘキシロキシトリメチルシラン、フェノキシトリメチルシラン、テトラフェノキシシラン、トリエトキシフェニルシラン、ヘキサメチルジシロヘキサン、ヘキサエチルジシロヘキサン、ヘキサプロピルジシロキサン、オクタエチルトリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルハイドロポリシロキサン、およびフェニルハイドロポリシロキサンを例示することができる。中でも、好ましくは式(iv)におけるtが4であるテトラアルコキシシランであり、最も好ましくはテトラエトキシシランである。
【0063】
前駆体を製造するためのチタン化合物として、下式(vii)で表される化合物を例示することができる:


式中、R9は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基を表し;X3はハロゲン原子または炭素原子数1〜20のハイドロカルビルオキシ基を表し、複数のX3は同一または異なり;mは1〜20の整数を表す。
【0064】
として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、およびn−ドデシル基のようなアルキル基;フェニル基、クレジル基、キシリル基、およびナフチル基のようなアリール基;シクロヘキシル基およびシクロペンチル基のようなシクロアルキル基;アリル基のようなアルケニル基;ならびにベンジル基のようなアラルキル基を例示することができる。Rは好ましくは、炭素原子数2〜18のアルキル基または炭素原子数6〜18のアリール基であり、特に好ましくは炭素原子数2〜18の直鎖状アルキル基である。
【0065】
のハロゲン原子として、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を例示することができる。特に好ましくは塩素原子である。
【0066】
のハイドロカルビルオキシ基は、好ましくは炭素原子数2〜18のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素原子数2〜10のアルコキシ基であり、特に好ましくは炭素原子数2〜6のアルコキシ基である。
【0067】
上式(vii)で表されるチタン化合物として、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソブトキシチタン、n−ブトキシチタントリクロリド、ジ−n−ブトキシチタンジクロリド、トリ−n−ブトキシチタンクロリド、ジ−n−テトライソプロピルポリチタネート(m=2〜10の範囲の混合物)、テトラ−n−ブチルポリチタネート(m=2〜10の範囲の混合物)、テトラ−n−ヘキシルポリチタネート(m=2〜10の範囲の混合物)、テトラ−n−オクチルポリチタネート(m=2〜10の範囲の混合物)、およびテトラアルコキシチタンに少量の水を反応して得られるテトラアルコキシチタンの縮合物、ならびにこれらの2以上の組合せを例示することができる。
【0068】
上式(vii)で表されるチタン化合物は、好ましくはmが1、2または4であるチタン化合物であり、より好ましくはテトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−n−ブチルチタニウムダイマーまたはテトラ−n−ブチルチタニウムテトラマーである。
【0069】
前駆体を製造するための有機マグネシウム化合物は、マグネシウム原子−炭素原子の結合を有する任意の化合物である。有機マグネシウム化合物として、下式(viii)または(ix)で表わされる化合物を例示することができ、良好な形態の前駆体を得る観点から、前者の式(viii)で表されるグリニャール化合物が好ましく、グリニャール化合物のエーテル溶液が特に好ましい:
10MgX・・・(viii)
1112Mg・・・(ix)
式中、R10、R11およびR12は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基を表し;Xはハロゲン原子を表わす。
【0070】
10、R11およびR12のハイドロカルビル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、フェニル基、アリル基およびベンジル基のような、炭素原子数1〜20の、アルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルケニル基を例示することができる。中でも、好ましいR10、R11およびR12は、炭素原子数2〜18のアルキル基または炭素原子数6〜18のアリール基であり、特に好ましくは炭素原子数2〜18のアルキル基である。
【0071】
として、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を例示することができる。特に好ましくは塩素原子である。
【0072】
上式で表されるグリニャール化合物として、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムクロリド、n−プロピルマグネシウムクロリド、イソプロピルマグネシウムクロリド、n−ブチルマグネシウムクロリド、イソブチルマグネシウムクロリド、t−ブチルマグネシウムクロリド、n−ペンチルマグネシウムクロリド、イソペンチルマグネシウムクロリド、シクロペンチルマグネシウムクロリド、n−ヘキシルマグネシウムクロリド、シクロヘキシルマグネシウムクロリド、n−オクチルマグネシウムクロリド、2−エチルヘキシルマグネシウムクロリド、フェニルマグネシウムクロリド、およびベンジルマグネシウムクロリドを例示することができる。それらの中で、エチルマグネシウムクロリド、n−プロピルマグネシウムクロリド、イソプロピルマグネシウムクロリド、n−ブチルマグネシウムクロリド、またはイソブチルマグネシウムクロリドが好ましく、n−ブチルマグネシウムクロリドが特に好ましい。
【0073】
これらのグリニャール化合物は、好ましくは、それらのエーテル溶液として用いられる。エーテルとして、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、エチルn−ブチルエーテルおよびジイソペンチルエーテルのようなジアルキルエーテル、ならびにテトラヒドロフランのような環状エーテルを例示することができる。それらのうち、ジアルキルエーテルが好ましく、ジ−n−ブチルエーテルまたはジイソブチルエーテルが特に好ましい。
【0074】
前駆体を製造するための還元反応は、任意にエステル基を有する化合物の共存下に行なわれてもよい。
【0075】
エステル基を有する化合物は特に限定されない。該化合物として、モノまたは多価のカルボン酸エステルを例示することができ、より具体的には飽和脂肪族カルボン酸エステル、不飽和脂肪族カルボン酸エステル、脂環式カルボン酸エステル、および芳香族カルボン酸エステルを例示することができる。更に具体的には、式(I)で例示した化合物の他に、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸フェニル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸エチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、フタル酸モノエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−プロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジ−n−ヘキシル、フタル酸ジ−n−ヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、およびフタル酸ジフェニルを例示することができる。中でも好ましくは、式(I)で例示した化合物のような脂肪族ジカルボン酸ジエステルおよびフタル酸エステルのような芳香族ジカルボン酸ジエステルである。
還元反応における溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよびデカンのような脂肪族炭化水素化合物;トルエンおよびキシレンのような芳香族炭化水素化合物;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびデカリンのような脂環式炭化水素化合物;ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、エチル−n−ブチルエーテル、およびジイソペンチルエーテルのようなジアルキルエーテル;テトラヒドロフランのような環状エーテル;クロロベンゼンおよびジクロロベンゼンのようなハロゲン化芳香族化合物;ならびに、これらの2種以上の組合せを例示することができる。中でも、好ましくは脂肪族炭化水素化合物、芳香族炭化水素化合物、または、脂環式炭化水素化合物であり、より好ましくは脂肪族炭化水素化合物、または、脂環式炭化水素化合物であり、さらに好ましくは脂肪族炭化水素化合物であり、特に好ましくはヘキサン、または、ヘプタンである。
【0076】
還元反応におけるケイ素化合物の使用量は、使用されるチタン化合物中の総チタン原子1モルあたり、ケイ素原子が通常1〜500モル、好ましくは1〜300モル、特に好ましくは3〜100モルとなる量である。
【0077】
還元反応における有機マグネシウム化合物の使用量は、使用される上記チタン原子と上記ケイ素原子の総和原子1モルあたり、マグネシウム原子が通常0.1〜10モル、好ましくは0.2〜5.0モル、特に好ましくは0.5〜2.0モルとなる量である。
【0078】
還元反応におけるチタン化合物、ケイ素化合物および有機マグネシウム化合物の各使用量はまた、得られる前駆体中のマグネシウム原子の量が、該前駆体中のチタン原子1モルあたり、1〜51モル、好ましくは2〜31モル、特に好ましくは4〜26モルとなるように決定してもよい。
【0079】
還元反応におけるエステル基を有する化合物の使用量は、使用されるチタン化合物中の総チタン原子1モルあたり、通常0.05〜100モル、好ましくは0.1〜60モル、特に好ましくは0.2〜30モルである。
【0080】
ケイ素化合物、チタン化合物および溶媒を含有する溶液中に有機マグネシウム化合物を加えるときの温度は、通常−50〜100℃であり、好ましくは−30〜70℃であり、特に好ましくは−25〜50℃の範囲である。有機マグネシウム化合物を加えるときの時間は特に限定されず、通常30分〜6時間程度である。良好な形態の前駆体を得る観点から、有機マグネシウム化合物は連続的に加えられるのが好ましい。該反応をさらに進めるために、有機マグネシウム化合物の連続的な投入後に反応混合物を5〜120℃で加熱処理してもよい。
【0081】
還元反応を担体の存在下に行い、生成する前駆体を担体に担持しもてよい。担体は特に制限されず、SiO、Al、MgO、TiO、およびZrOのような多孔質無機酸化物;ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−エチレングリコール−ジメタクリル酸メチル共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、アクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、およびポリプロピレンのような有機多孔質ポリマーを例示することができる。これらのうち好ましくは、有機多孔質ポリマーであり、特に好ましくは、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体である。
【0082】
担体は、好ましくは、前駆体を有効に固定化する観点から、細孔半径20〜200nmにおける細孔容量が、0.3cm/g以上であり、より好ましくは0.4cm/g以上であり、かつ該範囲の細孔容量は、細孔半径3.5〜7500nmにおける細孔容量に対して35%以上であり、より好ましくは40%以上である多孔質の担体である。
【0083】
還元反応において、式(vii)で表されるチタン化合物のチタン原子は4価から3価に還元される。本発明においては、実質上全ての4価のチタン原子が3価に還元されるのが好ましい。得られた前駆体は、3価のチタン原子、マグネシウム原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有し、一般に非晶性または極めて弱い結晶性を有し、好ましくは非晶性の構造である。
【0084】
得られる前駆体は溶媒で洗浄してもよい。該溶媒として、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよびデカンのような脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンおよびキシレンのような芳香族炭化水素;シクロヘキサンおよびシクロペンタンのような脂環式炭化水素;1,2−ジクロロエタンおよびモノクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素を例示することができる。これらの中で、脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素が好ましく、芳香族炭化水素がより好ましく、トルエンまたはキシレンが特に好ましい。
【0085】
触媒成分製造方法−2において、式(I)で表される内部電子供与体の使用量は、固体成分1gあたり、通常0.1〜1000mmol、好ましくは0.3〜500mmol、特に好ましくは0.5〜300mmolである。式(I)で表される内部電子供与体は、一度に、又は任意の複数回に分けて使用される。
【0086】
触媒成分製造方法−2において、接触温度は特に限定されず、通常−50〜200℃であり、好ましくは0〜170℃であり、より好ましくは50〜150℃の範囲であり、特に好ましくは50〜120℃の範囲である。接触時間は特に限定されず、通常10分〜12時間であり、好ましくは30〜10時間であり、特に好ましくは1時間〜8時間の範囲である。
【0087】
触媒成分製造方法−2において、下式(x)で表されるハロゲン化金属化合物をも任意に接触させてもよい:
MR13m−c (x)
式中、Mは第4族、第13族または第14族原子を表し;R13は炭素原子数が1〜20のハイドロカルビル基またはハイドロカルビルオキシ基を表し;Xはハロゲン原子を表し;mはMの原子価を表し;cは0<c≦mを満足する数を表す。
【0088】
Mの第4族元素として、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムを例示することができる。中でも、好ましくはチタンである。Mの第13族元素として、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、およびタリウムを例示することができる。中でも、好ましくはホウ素またはアルミニウムであり、より好ましくはアルミニウムである。Mの第14族元素として、ケイ素、ゲルマニウム、錫、および鉛を例示することができる。中でも、好ましくはケイ素、ゲルマニウムまたは錫であり、より好ましくはケイ素である。
【0089】
13のハイドロカルビル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、およびn−ドデシル基のような直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロヘキシル基およびシクロペンチル基のような環状アルキル基;ならびにフェニル基、クレジル基、キシリル基およびナフチル基のようなアリール基を例示することができる。
【0090】
13のハイドロカルビルオキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、アミロキシ基、イソアミロキシ基、ヘキシロキシ基、ヘプチロキシ基、オクチロキシ基、デシロキシ基、およびドデシロキシ基のような直鎖状または分岐状のアルコキシ基;シクロヘキシロキシ基およびシクロペンチロキシ基のような環状アルコキシ基;ならびにフェノキシ基、キシロキシ基およびナフトキシ基のようなアリーロキシ基を例示することができる。中でも、好ましくは炭素原子数2〜18のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素原子数6〜18のアリール基もしくはアリーロキシ基である。
【0091】
上記のXとして、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を例示することができ、好ましくは塩素原子または臭素原子である。
【0092】
上記のmは、Mが第4族元素のとき4であり、第13族元素のとき3であり、第14族元素のとき4である。
【0093】
上記のcは、Mが第4族元素および第14族元素のときcは0<c≦4を満足する整数を表し、第13族元素のときcは0<c≦3を満足する整数を表す。Mが第4族元素または第14族元素の場合の好ましいcは3または4であり、より好ましくは4である。Mが第13族元素の場合の好ましいcは3である。
【0094】
上式(x)で表されるハロゲン化金属化合物として、米国特許6,187,883に記載のチタン化合物、および米国特許6,903,041に記載の第13族元素のクロロ化化合物や第14族元素のクロロ化化合物を例示することができる。
【0095】
上式(x)で表されるハロゲン化金属化合物のハロゲン化チタン化合物は、好ましくは四塩化チタン、四臭化チタンおよび四沃化チタンのようなテトラハロゲン化チタン化合物;またはメトキシチタントリクロリド、エトキシチタントリクロリド、ブトキシチタントリクロリド、フェノキシチタントリクロリド、およびエトキシチタントリブロマイドのようなトリハロゲン化アルコキシチタン化合物であり、より好ましくはテトラハロゲン化チタン化合物であり、特に好ましくは四塩化チタンである。
【0096】
上式(x)で表されるハロゲン化金属化合物の第13族元素のクロロ化化合物または第14族元素のクロロ化化合物は、好ましくは、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、トリクロロアルミニウム、テトラクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ノルマルプロピルトリクロロシラン、またはパラトリルトリクロロシランであり、より好ましくは第14族元素のクロロ化化合物であり、特に好ましくはテトラクロロシランおよびフェニルトリクロロシランである。
【0097】
式(x)で表されるハロゲン化金属化合物の使用量は、前駆体1gあたり、通常0.1〜1000mmol、好ましくは0.3〜500mmol、特に好ましくは0.5〜300mmolである。ハロゲン化金属化合物は、一度に、又は任意の複数回に分けて使用される。
【0098】
触媒成分製造方法−2における接触方法は特に限定されない。該方法として、スラリー法や機械的粉砕法(例えばボールミルによる方法)のような公知の方法を例示することができる。機械的粉砕法は、得られる固体触媒成分の微粉含有量やその粒度分布の広がりを抑制するために、好ましくは上述の希釈剤の存在下で行われる。
【0099】
上記のスラリー法におけるスラリー濃度は、通常0.05〜0.7g固体/ml溶媒、特に好ましくは0.1〜0.5g固体/ml溶媒である。接触の温度は、通常30〜150℃、好ましくは45〜135℃、特に好ましくは60〜120℃である。接触の時間は特に制限されず、通常30分から6時間程度が好適である。
【0100】
本発明における固体触媒成分を、公知方法によって有機アルミニウム化合物および任意に外部電子供与体と反応させることにより、固体触媒を形成することができる。
【0101】
本発明で用いられる有機アルミニウム化合物として、上記米国特許6,903,041に記載された化合物を例示することができる。中でも、好ましくは、トリアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドとの混合物、または、アルキルアルモキサンであり、さらに好ましくはトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロリドとの混合物またはテトラエチルジアルモキサンである。
【0102】
本発明で任意に用いられる外部電子供与体として、上記米国特許6,903,041に記載された化合物を例示することができる。中でも、好ましくは酸素含有化合物または窒素含有化合物である。酸素含有化合物として、アルコキシケイ素、エーテル、エステル、およびケトンを例示することができる。中でも、好ましくはアルコキシケイ素またはエーテルである。
【0103】
外部電子供与体としてのアルコキシケイ素は、下式(xi)〜(xiii)で表される化合物が好ましい。
14Si(OR154−h・・・(xi)
Si(OR163(NR1718)・・・(xii)
Si(OR163(NR19)・・・(xiii)
式中、R14は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基または水素原子であり;R15は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基であり;hは0≦h<4を満たす整数であり;R14およびR15が複数存在する場合、それぞれのR14およびR15は同じか又は異なり;R16は炭素原子数1〜6のハイドロカルビル基であり;R17およびR18は水素原子または炭素原子数1〜12のハイドロカルビル基であり;NR19は炭素原子数5〜20の環状アミノ基である。
式中、R14は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基、水素原子またはヘテロ原子含有置換基を表し、R14が複数存在する場合、それらは互いに同じ又は異なり;R15は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基を表し、R15が複数存在する場合、それらは互いに同じ又は異なり;hは0≦h<4を満たす整数を表す。
【0104】
上式(xi)におけるR14およびR15のハイドロカルビル基としては、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル基等が挙げられ、R14およびR15のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、およびn−オクチル基のような直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、および2−エチルヘキシル基のような分岐状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、およびシクロオクチル基のような環状アルキル基が挙げられ、好ましくは炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状アルキル基である。R14およびR15のアラルキル基としては、ベンジル基、およびフェネチル基が挙げられ、好ましくは炭素原子数7〜20のアラルキル基である。R14およびR15のアリール基としては、フェニル基、トリル基、およびキシリル基が挙げられ、好ましくは炭素原子数6〜20のアリール基である。R14およびR15のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、3−ブテニル、および5−ヘキセニル基のような直鎖状アルケニル基;イソブテニル基、および5−メチル−3−ペンテニル基のような分岐状アルケニル基;2−シクロヘキセニル基、および3−シクロヘキセニル基のような環状アルケニル基が挙げられ、好ましくは炭素原子数2〜10のアルケニル基である。
【0105】
上式(xi)で表されるアルコキシケイ素の具体例としては、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、t−ブチルエチルジメトキシシラン、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジシクロブチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシランメチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、sec−ブチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシランが挙げられる。
【0106】
上式(xii)および(xiii)におけるR16のハイドロカルビル基としては、アルキル基、アルケニル基等が挙げられ、R16のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、およびn−ヘキシル基のような直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、およびネオペンチル基のような分岐状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、およびシクロヘキシル基のような環状アルキル基が挙げられ、好ましくは炭素原子数1〜6の直鎖状アルキル基である。R16のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、3−ブテニル、および5−ヘキセニル基のような直鎖状アルケニル基;イソブテニル基、および5−メチル−3−ペンテニル基のような分岐状アルケニル基;2−シクロヘキセニル基、および3−シクロヘキセニル基のような環状アルケニル基が挙げられ、好ましくは炭素原子数2〜6の直鎖状アルケニル基であり、特に好ましくはメチル基およびエチル基である。
【0107】
上式(xii)におけるR17およびR18のハイドロカルビル基としては、アルキル基、アルケニル基等が挙げられ、R17およびR18のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、およびn−ヘキシル基のような直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、およびネオペンチル基のような分岐状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、およびシクロヘキシル基のような環状アルキル基が挙げられ、好ましくは炭素原子数1〜6の直鎖状アルキル基である。R17およびR18のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、3−ブテニル、および5−ヘキセニル基のような直鎖状アルケニル基;イソブテニル基、および5−メチル−3−ペンテニル基のような分岐状アルケニル基;2−シクロヘキセニル基、および3−シクロヘキセニル基のような環状アルケニル基が挙げられ、好ましくは炭素原子数2〜6の直鎖状アルケニル基であり、特に好ましくはメチル基およびエチル基である。
【0108】
上式(xii)で表されるアルコキシケイ素の具体例としては、ジメチルアミノトリメトキシシラン、ジエチルアミノトリメトキシシラン、ジ−n−プロピルアミノトリメトキシシラン、ジメチルアミノトリエトキシシラン、ジエチルアミノトリエトキシシラン、ジ−n−プロピルアミノトリエトキシシラン、メチルエチルアミノトリエトキシシラン、メチル−n−プロピルアミノトリエトキシシラン、t−ブチルアミノトリエトキシシラン、ジイソプロピルアミノトリエトキシシラン、メチルイソプロピルアミノトリエトキシシランが挙げられる。
【0109】
上式(xiii)におけるNR19の環状アミノ基としては、パーヒドロキノリノ基、パーヒドロイソキノリノ基、1,2,3,4−テトラヒドロキノリノ基、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリノ基、オクタメチレンイミノ基が挙げられる。
【0110】
上式(xiii)で表されるアルコキシケイ素の具体例としては、パーヒドロキノリノトリエトキシシラン、パーヒドロイソキノリノトリエトキシシラン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリノトリエトキシシラン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリノトリエトキシシラン、オクタメチレンイミノトリエトキシシランが挙げられる。
【0111】
外部電子供与体としてのエーテルは、好ましくは環状エーテル化合物である。環状エーテル化合物とは、環構造内に少なくとも一つの−C−O−C−結合を有する複素環式化合物であり、より好ましくは環構造内に少なくとも一つの−C−O−C−O−C−結合を有する環状エーテル化合物である。
【0112】
外部電子供与体は、特に好ましくは、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、t−ブチルエチルジメトキシシラン、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジシクロブチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、1,3−ジオキソラン、又は1,3−ジオキサンである。
【0113】
外部電子供与体は、それぞれ単独で用いてもよく、また二種類以上を組み合わせて用いても良い。
【0114】
固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、任意に外部電子供与体とを接触させる方法は、固体触媒が生成される限り、特に限定されない。接触は溶媒の存在下または不在下で行われる。これらの接触混合物を重合槽に供給してもよいし、これらを別々に重合槽に供給して重合槽中で接触させてもよいし、任意の二成分の接触混合物と残りの成分とを別々に重合槽に供給してもよい
【0115】
本発明のオレフィン重合体の製造方法で用いられるオレフィンとして、エチレンおよび炭素原子数3以上のα−オレフィンを例示することができる。α−オレフィンとして、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、および1−デセンのような直鎖状モノオレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、および4−メチル−1−ペンテンのような分岐鎖状モノオレフィン;ビニルシクロヘキサンのような環状モノオレフィン;ならびに、これらの2種以上の組合せを例示することができる。中でも、好ましくはエチレンもしくはプロピレンの単独重合、または、エチレンもしくはプロピレンを主成分とする複数種のオレフィンの組合せの共重合であり、より好ましくはエチレンの重合単位の含有量が50重量パーセント以上である共重合である(共重合体の全量を100重量パーセントとする)。上記の複数種のオレフィンの組合せは、プロピレン以外の2種類またはそれ以上の種類のα−オレフィンの組合せを含んでいてもよく、共役ジエンや非共役ジエンのような多不飽和結合を有する化合物を含んでいてもよい。
【0116】
本発明のオレフィン重合体の製造方法で製造されるオレフィン重合体は、好ましくはエチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、1−ブテン単独重合体、1−ペンテン単独重合体、1−ヘキセン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、またはプロピレンを単独重合させた後、生成したプロピレン単独重合体の存在下に、プロピレンとエチレンと共重合させて得られる重合体である。
【0117】
本発明にかかる重合触媒を形成させるための方法は、以下の工程からなる方法の方が好ましい場合がある:
(1)固体触媒成分及び有機アルミニウム化合物の存在下、少量のオレフィン(本来の重合(通常、本重合と言われる)で使用されるオレフィンと同一または異なる)を重合させ(生成されるオレフィン重合体の分子量を調節するために水素のような連鎖移動剤を用いてもよいし、外部電子供与体を用いてもよい)、該オレフィンの重合体で表面が覆われた触媒成分を生成させる工程(該重合は通常、予備重合と言われ、したがって該触媒成分は通常、予備重合触媒成分と言われる)
(2)予備重合触媒成分と、有機アルミニウム化合物および外部電子供与体とを接触させる工程。
【0118】
本発明における「固体触媒成分」という用語は、上記の「固体触媒成分」のみならず、「予備重合触媒成分」や「両者の組合せ」をも意味する。
【0119】
予備重合は好ましくは、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン及びトルエンのような不活性炭化水素を溶媒とするスラリー重合である。
【0120】
上記工程(1)で用いられる有機アルミニウム化合物の量は、工程(1)で用いられる固体触媒成分中のチタン原子1モル当たり、通常0.5〜700モル、好ましくは0.8〜500モル、特に好ましくは1〜200モルである。
【0121】
予備重合されるオレフィンの量は、工程(1)で用いられる固体触媒成分1g当たり通常0.01〜1000g、好ましくは0.05〜500g、特に好ましくは0.1〜200gである。
【0122】
上記工程(1)をスラリー重合で行う場合の、固体触媒成分のスラリー濃度は、好ましくは1〜500g−オレフィン重合用固体触媒成分/リットル−溶媒、特に好ましくは3〜300g−オレフィン重合用固体触媒成分/リットル−溶媒である。
【0123】
予備重合の温度は、好ましくは−20〜100℃、特に好ましくは0〜80℃である。予備重合における気相部のオレフィンの分圧は、好ましくは0.01〜2MPa、特に好ましくは0.1〜1MPaであるが、予備重合の圧力や温度において液状であるオレフィンについては、この限りではない。予備重合の時間は特に制限されず、好ましくは2分間から15時間である
【0124】
予備重合における、固体触媒成分、有機アルミニウム化合物及びオレフィンを重合槽へ供給する方法として、以下の方法(1)および(2)を例示することができる:
(1固体触媒成分と有機アルミニウム化合物とを供給した後、オレフィンを供給する方法;および
(2)固体触媒成分とオレフィンとを供給した後、有機アルミニウム化合物を供給する方法。
【0125】
予備重合における、オレフィンを重合槽へ供給する方法として、以下の方法(1)および(2)を例示することができる:
(1)重合槽内の圧力を所定の圧力に維持するようにオレフィンを順次供給する方法;および
(2)オレフィンの所定量の全量を一括して供給する方法。
【0126】
予備重合で用いられる外部電子供与体の量は、固体触媒成分中に含まれるチタン原子1モルに対して、通常0.01〜400モル、好ましくは0.02〜200モル、特に好ましくは、0.03〜100モルであり、有機アルミニウム化合物1モルに対して、通常0.003〜5モル、好ましくは0.005〜3モル、特に好ましくは0.01〜2モルである。
【0127】
予備重合における、外部電子供与体を重合槽へ供給する方法として、以下の方法(1)および(2)を例示することができる:
(1) 外部電子供与体を単独で供給する方法;および
(2) 外部電子供与体と有機アルミニウム化合物との接触物を供給する方法。
予備重合については、特開平11−322833号公報にも記載されている。
【0128】
本重合時の有機アルミニウム化合物の使用量は、固体触媒成分中のチタン原子1molあたり、通常1〜1000mol、特に好ましくは5〜600molである。
【0129】
本重合時の外部電子供与体の使用量は、固体触媒成分中に含まれるチタン原子1molあたり、通常0.1〜2000mol、好ましくは0.3〜1000mol、特に好ましくは0.5〜800molであり、有機アルミニウム化合物1molあたり、通常0.001〜5mol、好ましくは0.005〜3mol、特に好ましくは0.01〜1molである。
【0130】
本重合の温度は、通常−30〜300℃、好ましくは20〜180℃、より好ましくは30〜140℃、特に好ましくは50〜110℃である。
【0131】
重合圧力は特に制限されず、工業的かつ経済的であるという点で、一般に常圧〜10MPa、好ましくは200kPa〜5MPa程度である。
【0132】
重合はバッチ式または連続式であり、重合方法としてプロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタンのような不活性炭化水素を溶媒とするスラリー重合法または溶液重合法や、重合温度において液状であるオレフィンを媒体とするバルク重合法や、気相重合法を例示することができる。
【0133】
本重合で得られる重合体の分子量を調節するために、連鎖移動剤(例えば、水素や、ジメチル亜鉛およびジエチル亜鉛のようなアルキル亜鉛)を用いてもよい。
【0134】
本発明によれば、重合活性が高く、低分子量成分や無定形成分に代表される低温の有機溶媒に溶出する成分の含量の少ない重合体を与えるオレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用固体触媒成分の製造方法、オレフィン重合用固体触媒およびオレフィン重合体の製造方法を得ることが出来る。
【実施例】
【0135】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって特に限定をうけるものではない。
【0136】
[実施例1]
(1)固体触媒成分前駆体の合成
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、ヘキサン270ml、テトラエトキシシラン79.9mlおよびテトラブトキシチタン8.1mlを投入し、撹拌した。次に、前記攪拌混合物に、ブチルマグネシウムクロリドのジブチルエーテル溶液(濃度2.1mol/l)182mlを反応器の温度を5℃に保ちながら4時間かけて滴下した。滴下終了後、20℃で1時間撹拌のちに濾過し、得られた固体をトルエン280mlでの洗浄を3回繰り返し、トルエン136mlを加えスラリー状態にした。得られた固体触媒成分先駆体中のチタン原子含有量は2.12wt%であった。
【0137】
上記の固体触媒成分前駆体中のチタン原子含有量は、固体サンプル約20mgを2規定の希硫酸約30mlで分解、これに過剰となる3重量%過酸化水素水3mlを加え、得られた液状サンプルの410nmの特性吸収を日立製ダブルビーム分光光度計U−2001型にて測定し、別途作成しておいた検量線によって求めた。
【0138】
(2)固体触媒成分の合成
撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた100mlのフラスコを窒素で置換したのち、前記(1)で得られた固体触媒成分前駆体7gを含むトルエンスラリーを投入し、スラリーの全体積が40.6mlとなるようにトルエン量を調製した。ドデカン二酸ジクロリド(n=10)4.5mlを投入し、105℃で3時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン30mlでの洗浄を3回繰り返した後、トルエンを20ml加えた。70℃に昇温後、四塩化チタン3.5mlを投入し、105℃で1時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン30mlでの洗浄を6回繰り返した後、更に室温にてヘキサン30mlでの洗浄を3回繰り返し、洗浄後の固体を乾燥して、固体触媒成分を得た。得られた固体触媒成分中のチタン原子含有量は1.91wt%、ドデカン二酸エステル量は21.5wt%であった。
【0139】
上記の固体触媒成分中の内部電子供与体の含量は、固体触媒成分約300mgをN,N−ジメチルアセトアミド100mlの混合液に溶解後、溶液中の内部電子供与体量をガスクロマトグラフィー内部標準法で求めた。
【0140】
(3)エチレン−1−ブテン重合
内容積3Lの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥した後これを真空にし、0.087MPaの水素を添加した後、ブタン640gおよび1−ブテン110gを仕込み、70℃に昇温した。次に、エチレンを分圧で0.6MPaとなるように加えた。トリエチルアルミニウム(有機アルミニウム化合物)5.7ミリモル、前記(2)で得られた固体触媒成分3.40mgをアルゴンによって圧入して重合を開始した。その後エチレンを連続して供給しつつ全圧を一定に保ちながら70℃で120分重合を行った。
【0141】
重合反応終了後、未反応モノマーをパージし、パウダー性状の良好なエチレン−1−ブテン共重合体33gを得た。オートクレーブの内壁および撹拌機には、重合体はほとんど付着していなかった。
【0142】
触媒単位量あたりの共重合体の生成量(重合活性)は9700g重合体/g固体触媒成分であった。得られた共重合体の短鎖分岐数(以下SCBと略す)は13.2/1000Cであり、20℃キシレン可溶成分量(以下CXSと略す)は4.3wt%であった。
【0143】
上記のSCBは、赤外線分光光度計(日本分光社製FT/IR−470PLUS)を用い、エチレンとα−オレフィンの特性吸収より検量線を求め、1000炭素当たりのメチル基の数として計算した。
【0144】
上記のCXSは以下のように測定した。1gの重合体を200mlの沸騰したキシレンに溶解させたのち、50℃まで除冷し、次いで氷水に浸し攪拌しながら20℃まで冷却し、20℃で3時間放置したのち、析出した重合体を濾別した。濾液中に残存した重合体の重量百分率をCXS(単位=重量%)とした。
【0145】
[比較例1]
(1)固体触媒成分の合成
ドデカン二酸ジクロリド4.5mlの代わりに、セバシン酸ジクロリド(n=8)4.5mlを使用した以外は実施例1(2)と同様に合成した。得られた固体触媒成分中のチタン原子含有量は2.16wt%、セバシン酸エステル量は23.8wt%であった。
【0146】
(2)エチレン−1−ブテン重合
固体触媒成分を上記(1)で得られた固体触媒成分13.73mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレン−1−ブテン共重合体6gを得た。触媒単位量あたりの重合体の生成量(重合活性)は400g重合体/g固体触媒成分であった。得られた共重合体のSCBは6.0/1000Cであり、CXSは1.2wt%であった。
【0147】
[実施例2]
(1)固体触媒成分の合成
撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた100mlのフラスコを窒素で置換したのち、実施例1(1)で得られた固体触媒成分前駆体7gを含むトルエンスラリーを投入し、スラリーの全体積が40.6mlとなるようにトルエン量を調製した。フェニルトリクロロシラン5.1ml、ドデカン二酸ジエチル(n=10)4.5mlを投入し、105℃で3時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン30mlでの洗浄を3回繰り返した後、トルエンを20ml加えた。70℃に昇温後、四塩化チタン3.5mlを投入し、105℃で1時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン30mlでの洗浄を6回繰り返した後、更に室温にてヘキサン30mlでの洗浄を3回繰り返し、洗浄後の固体を乾燥して、固体触媒成分を得た。得られた固体触媒成分中のチタン原子含有量は1.82wt%、ドデカン二酸エステル量は30.3wt%であった。
【0148】
(2)エチレン−1−ブテン重合
固体触媒成分を上記(1)で得られた固体触媒成分12.98mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレン−1−ブテン共重合体38gを得た。触媒単位量あたりの重合体の生成量(重合活性)は2900g重合体/g固体触媒成分であった。得られた共重合体のSCBは12.1/1000Cであり、CXSは3.3wt%であった。
【0149】
[比較例2]
(1)固体触媒成分の合成
ドデカン二酸ジエチルの代わりにセバシン酸ジエチル(n=8)を5.1ml使用した以外は実施例2(1)と同様に合成した。得られた固体触媒成分中のチタン原子含有量は2.17wt%、セバシン酸エステル量は32.4wt%であった。
【0150】
(2)エチレン−1−ブテン重合
固体触媒成分を上記(1)で得られた固体触媒成分9.36mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレン−1−ブテン共重合体3gを得た。触媒単位量あたりの重合体の生成量(重合活性)は300g重合体/g固体触媒成分であった。得られた共重合体の量が少なく、SCBおよびCXSの値は測定できなかった。
【0151】
[実施例3]
(1)固体触媒成分の合成
ドデカン二酸ジエチルの代わりにドデカン二酸ジ−n−ブチル(n=10)を3.0ml使用した以外は実施例2(1)と同様に合成した。得られた固体触媒成分中のチタン原子含有量は1.77wt%ドデカン二酸ジ−n−ブチル量は21.5wt%であった。
であった。
【0152】
(2)エチレン−1−ブテン重合
固体触媒成分を上記(1)で得られた固体触媒成分5.75mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレン−1−ブテン共重合体30gを得た。触媒単位量あたりの重合体の生成量(重合活性)は5200g重合体/g固体触媒成分であった。得られた共重合体のSCBは13.6/1000Cであり、CXSは4.4wt%であった。
【0153】
[実施例4]
(1)固体触媒成分の合成
ドデカン二酸ジエチルの代わりにドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)(n=10)を4.5ml使用した以外は実施例2(1)と同様に合成した。得られた固体触媒成分中のチタン原子含有量は1.67wt%、ドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)量は15.0wt%であった。
【0154】
(2)エチレン−1−ブテン重合
固体触媒成分を上記(1)で得られた固体触媒成分9.81mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレン−1−ブテン共重合体101gを得た。触媒単位量あたりの重合体の生成量(重合活性)は10300g重合体/g固体触媒成分であった。得られた共重合体のSCBは12.1/1000Cであり、CXSは3.5wt%であった。
た。
【0155】
[実施例5]
(1)固体触媒成分の合成
ドデカン二酸ジエチルの代わりにドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)(n=10)を5.4ml使用した以外は実施例2(1)と同様に合成した。得られた固体触媒成分中のチタン原子含有量は1.56wt%、ドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)量は16.7wt%であった。
【0156】
(2)エチレン−1−ブテン重合
固体触媒成分を上記(1)で得られた固体触媒成分9.81mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレン−1−ブテン共重合体101gを得た。触媒単位量あたりの重合体の生成量(重合活性)は7700g重合体/g固体触媒成分であった。得られた共重合体のSCBは11.8/1000Cであり、CXSは2.8wt%であった。
【0157】
[実施例6]
(1)固体触媒成分の合成
撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた100mlのフラスコを窒素で置換したのち、実施例1(1)で得られた固体触媒成分前駆体7gを含むトルエンスラリーを投入し、スラリーの全体積が40.6mlとなるようにトルエン量を調製した。フェニルトリクロロシラン7.1ml、ドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)(n=10)4.9mlを投入し、110℃で1時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン30mlでの洗浄を3回繰り返した後、トルエンを20ml加えた。70℃に昇温後、四塩化チタン2.5mlを投入し、110℃で2時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン30mlでの洗浄を6回繰り返した後、更に室温にてヘキサン30mlでの洗浄を3回繰り返し、洗浄後の固体を乾燥して、固体触媒成分を得た。得られた固体触媒成分中のチタン原子含有量は1.62wt%、ドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)量は8.4wt%であった。
【0158】
(2)エチレン−1−ブテン重合
固体触媒成分を上記(1)で得られた固体触媒成分11.73mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレン−1−ブテン共重合体98gを得た。触媒単位量あたりの重合体の生成量(重合活性)は8400g重合体/g固体触媒成分であった。得られた共重合体のSCBは11.8/1000Cであり、CXSは2.5wt%であった。
[実施例7]
(1)固体触媒成分の合成
撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた100mlのフラスコを窒素で置換したのち、実施例1(1)で得られた固体触媒成分前駆体7gを含むトルエンスラリーを投入し、スラリーの全体積が40.6mlとなるようにトルエン量を調製した。フェニルトリクロロシラン7.1ml、ドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)(n=10)5.5mlを投入し、100℃で3時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン30mlでの洗浄を3回繰り返した後、トルエンを20ml加えた。70℃に昇温後、四塩化チタン3.5mlを投入し、100℃で2時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン30mlでの洗浄を6回繰り返した後、更に室温にてヘキサン30mlでの洗浄を3回繰り返し、洗浄後の固体を乾燥して、固体触媒成分を得た。得られた固体触媒成分中のチタン原子含有量は1.48wt%、ドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)量は16.4wt%であった。
【0159】
(2)エチレン−1−ブテン重合
固体触媒成分を上記(1)で得られた固体触媒成分10.82mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレン−1−ブテン共重合体83gを得た。触媒単位量あたりの重合体の生成量(重合活性)は7700g重合体/g固体触媒成分であった。得られた共重合体のSCBは10.8/1000Cであり、CXSは2.0wt%であった。
【0160】
[実施例8]
(1)固体触媒成分の合成
撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた100mlのフラスコを窒素で置換したのち、実施例1(1)で得られた固体触媒成分前駆体7gを含むトルエンスラリーを投入し、スラリーの全体積が40.6mlとなるようにトルエン量を調製した。フェニルトリクロロシラン3.5ml、ドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)(n=10)4.9mlを投入し、100℃で2時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン30mlでの洗浄を3回繰り返した後、トルエンを20ml加えた。70℃に昇温後、四塩化チタン3.5mlを投入し、110℃で3時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン30mlでの洗浄を6回繰り返した後、更に室温にてヘキサン30mlでの洗浄を3回繰り返し、洗浄後の固体を乾燥して、固体触媒成分を得た。得られた固体触媒成分中のチタン原子含有量は1.92wt%、ドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)量は8.5wt%であった。
【0161】
(2)エチレン−1−ブテン重合
固体触媒成分を上記(1)で得られた固体触媒成分12.94mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレン−1−ブテン共重合体112gを得た。触媒単位量あたりの重合体の生成量(重合活性)は8700g重合体/g固体触媒成分であった。得られた共重合体のSCBは10.2/1000Cであり、CXSは1.8wt%であった。
【0162】
[実施例9]
(1)固体触媒成分の合成
撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた100mlのフラスコを窒素で置換したのち、実施例1(1)で得られた固体触媒成分前駆体7gを含むトルエンスラリーを投入し、スラリーの全体積が40.6mlとなるようにトルエン量を調製した。フェニルトリクロロシラン3.5ml、エイコサン二酸ジイソブチル(n=18)4.9gを投入し、105℃で3時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン30mlでの洗浄を3回繰り返した後、トルエンを20ml加えた。70℃に昇温後、四塩化チタン3.5mlを投入し、105℃で1時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン30mlでの洗浄を6回繰り返した後、更に室温にてヘキサン30mlでの洗浄を3回繰り返し、洗浄後の固体を乾燥して、固体触媒成分を得た。得られた固体触媒成分中のチタン原子含有量は1.60wt%、エイコサン二酸ジイソブチル量は8.6wt%であった。
【0163】
(2)エチレン−1−ブテン重合
固体触媒成分を上記(1)で得られた固体触媒成分6.86mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレン−1−ブテン共重合体27gを得た。触媒単位量あたりの重合体の生成量(重合活性)は3900g重合体/g固体触媒成分であった。得られた共重合体のSCBは12.0/1000Cであり、CXSは3.1wt%であった。
【0164】
[実施例10]
(1)固体触媒成分の合成
撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた100mlのフラスコを窒素で置換したのち、ジエトキシマグネシウム5.02g、トルエン35mlを投入した。70℃に昇温後、フェニルトリクロロシラン5.1ml、ドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)(n=10)3.6mlを投入し、105℃で3時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン30mlでの洗浄を3回繰り返した後、トルエンを20ml加えた。70℃に昇温後、四塩化チタン3.5mlを投入し、105℃で1時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン30mlでの洗浄を6回繰り返した後、更に室温にてヘキサン30mlでの洗浄を3回繰り返し、洗浄後の固体を乾燥して、固体触媒成分を得た。得られた固体触媒成分中のチタン原子含有量は0.35wt%、ドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)量は9.2wt%であった。
【0165】
(2)エチレン−1−ブテン重合
固体触媒成分を上記(1)で得られた固体触媒成分12.97mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレン−1−ブテン共重合体32gを得た。触媒単位量あたりの重合体の生成量(重合活性)は2500g重合体/g固体触媒成分であった。得られた共重合体のSCBは14.4/1000Cであり、CXSは4.7wt%であった。
【0166】
[実施例11]
(1)固体触媒成分の合成
撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた100mlのフラスコを窒素で置換したのち、塩化マグネシウム4.9g、デカン22.5ml、2−エチルヘキサノール25mlを投入し、130℃で2時間加熱攪拌した。60℃に保温後、ドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)(n=10)4.0ml投入し、130℃で2時間加熱攪拌した。このようにして得られた均一溶液を室温まで冷却した後、この均一溶液を−20℃に保持した四塩化チタン125ml中に攪拌回転数300rpmでの攪拌下で全量滴下投入した。投入終了後、この混合液の温度を5時間かけて110℃に昇温し、110℃になったところで混合液中にドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)(n=10)を1.5ml追添した。追添後、110℃で2時間反応させ、析出した固体部と液体部を分離した。この固体部を125mlの四塩化チタンにて再懸濁させた後、再び110℃で2時間、加熱反応を行った。反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、105℃のデカン30mlで洗浄を10回繰り返した後、更に室温にてヘキサン30mlでの洗浄を3回繰り返し、洗浄後の固体を乾燥して、固体触媒成分を得た。得られた固体触媒成分中のチタン原子含有量は3.00wt%、ドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)量は4.6wt%であった。
【0167】
(2)エチレン−1−ブテン重合
固体触媒成分を上記(1)で得られた固体触媒成分9.18mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレン−1−ブテン共重合体264gを得た。触媒単位量あたりの重合体の生成量(重合活性)は28800g重合体/g固体触媒成分であった。得られた共重合体のSCBは18.7/1000Cであり、CXSは12.0wt%であった。
【0168】
[実施例12]
(1)固体触媒成分前駆体の合成
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、ヘキサン270ml、テトラエトキシシラン79.9mlを投入し、撹拌した。次に、前記攪拌混合物に、ブチルマグネシウムクロリドのジブチルエーテル溶液(濃度2.1mol/l)170mlを反応器の温度を5℃に保ちながら4時間かけて滴下した。滴下終了後、20℃で1時間撹拌のちに濾過し、得られた固体をトルエン200mlでの洗浄を3回繰り返し、トルエン136mlを加えスラリー状態にした。
【0169】
(2)固体触媒成分の合成
撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた100mlのフラスコを窒素で置換したのち、前記(1)で得られた固体触媒成分前駆体5gを含むトルエンスラリーを投入し、スラリーの全体積が30mlとなるようにトルエン量を調製した。フェニルトリクロロシラン5.1ml、ドデカン二酸ジエチル(n=10)4.0mlを投入し、100℃で1時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン30mlでの洗浄を3回繰り返した後、トルエンを20ml加えた。70℃に昇温後、四塩化チタン2.5mlを投入し、105℃で2時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について105℃にてトルエン30mlでの洗浄を6回繰り返した後、更に室温にてヘキサン30mlでの洗浄を3回繰り返し、洗浄後の固体を乾燥して、固体触媒成分を得た。得られた固体触媒成分中のチタン原子含有量は0.63wt%、ドデカン二酸ビス(2−エチルヘキシル)量は1.3wt%であった。
【0170】
(3)エチレン−1−ブテン重合
固体触媒成分を上記(1)で得られた固体触媒成分9.18mgに変更した以外は実施例1(3)と同様に重合し、エチレン−1−ブテン共重合体264gを得た。触媒単位量あたりの重合体の生成量(重合活性)は2700g重合体/g固体触媒成分であった。得られた共重合体のSCBは15.3/1000Cであり、CXSは5.2wt%であった。
【0171】
実施例および比較例の結果を以下に示す。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子および式(I)で表される内部電子供与体を含有するオレフィン重合用固体触媒成分:



式中、Rは水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数1〜10のハイドロカルビル基であり、複数のRは同一または異なり;Xはハロゲン原子または炭素原子数1〜10のハイドロカルビルオキシ基であり、2個のXは同一または異なり;nは10≦n≦20を満たす整数である。
【請求項2】
式(I)のnが10≦n≦18を満たす整数である請求項1記載のオレフィン重合用固体触媒成分。
【請求項3】
式(I)のnが10≦n≦16を満たす整数である請求項1記載のオレフィン重合用固体触媒成分。
【請求項4】
チタン化合物とマグネシウム化合物と式(I)で表される内部電子供与体とを、またはチタン原子およびマグネシウム原子を含む固体成分と式(I)で表される内部電子供与体とを、接触させる工程からなる、請求項1記載のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法:


式中、Rは水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数1〜10のハイドロカルビル基であり、複数のRは同一または異なり;Xはハロゲン原子または炭素原子数1〜10のハイドロカルビルオキシ基であり、複数のXは同一または異なり;nは10≦n≦20を満たす整数である。
【請求項5】
マグネシウム化合物がハロゲン化マグネシウムである請求項4記載のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法。
【請求項6】
マグネシウム化合物がジアルコキシマグネシウムである請求項4記載のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法。
【請求項7】
マグネシウム化合物がアルコキシマグネシウムハライドである請求項4記載のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法。
【請求項8】
チタン原子とマグネシウム原子とを含む固体成分(c)、および式(I)で表される内部電子供与体を接触させる請求項4記載のオレフィン重合用固体触媒成分(A)の製造方法。
【請求項9】
固体成分(c)が3価のチタン原子、マグネシウム原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有するオレフィン重合用固体触媒成分前駆体である請求項8記載のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法。
【請求項10】
オレフィン重合用固体触媒成分前駆体が、Si−O結合を有するケイ素化合物の存在下、式(vii)で表されるチタン化合物を、有機マグネシウム化合物で還元して形成される前駆体である請求項9記載のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法:



式中、R9は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基を表し;X3はハロゲン原子または炭素原子数1〜20のハイドロカルビルオキシ基を表し、複数のX3は同一または異なり;mは1〜20の整数を表す。
【請求項11】
式(I)のXがハロゲン原子である請求項4記載のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法。
【請求項12】
請求項1記載のオレフィン重合用固体触媒成分、または請求項4記載の製造方法で製造されたオレフィン重合用固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、任意に外部電子供与体とを接触させる工程からなるオレフィン重合用固体触媒の製造方法。
【請求項13】
請求項12記載の製造方法によって製造されるオレフィン重合用固体触媒の存在下にオレフィンを重合させる工程からなるオレフィン重合体の製造方法。
【請求項14】
オレフィン重合体が、エチレンとα―オレフィンとの共重合体である請求項13記載の製造方法。

【公開番号】特開2011−225829(P2011−225829A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62077(P2011−62077)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】