説明

オンラインTOCのエクスカーション試料を捕獲して再試験する方法および装置

【課題】オンラインTOCの測定精度を高める。
【解決手段】本発明の一態様は、試料水中の全有機炭素の測定値を検証するための分析装置であって、1以上のプロセッサおよびプログラム命令を格納しているメモリを含み、該メモリが、第1の試料水に含まれる全有機炭素量を分析装置を用いて測定し、その第1の測定値を得るための命令と、第1の試料水に含まれる全有機炭素量が所定の閾値を上回る場合に、潜在的なエクスカーション事象を同定するための命令と、潜在的なエクスカーション事象を検出することに応答して、ボトルの中に第2の試料水を捕獲するための命令と、その第2の試料水を分析装置に導入するための命令と、第2の試料水に含まれる全有機炭素量を分析装置を用いて測定し、その第2の測定値を得るための命令と、第1の測定値と第2の測定値とを比較するための命令と、を含むプログラム命令を格納している分析装置を提供する。他の態様は、明細書に記載されるとともに請求の範囲で請求されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権の主張]
本出願は、2011年8月19日に出願された、「オンラインTOCのエクスカーション試料を捕獲して再試験する方法および装置(METHOD AND APPARATUS FOR CAPTURING AND RETESTING AN ONLINE TOC EXCURSION SAMPLE)」と題する米国特許仮出願第61/525,530号の優先権を主張し、その開示の全ては本願明細書に引用されるものとする。
【背景技術】
【0002】
全有機炭素(TOC)とは、有機化合物に結合した炭素量のことである。TOCは、一般的に、炭素の1兆分の1(ppt)から100万分の1(ppm)まで計測され、水質または水の清浄度の非特異的指標としてしばしば利用されている。すなわち、TOC値が高いと水中に存在する潜在的有機汚染物質が多く、TOC値が低いと水中に存在する潜在的有機汚染物質が少ないということである。
【0003】
全てのTOC分析装置に共通の目的は、試料水中の有機汚染物質を酸化または分解して、二酸化炭素(CO)を生成し、続いて導電率測定法またはNDIR検出法を用いて二酸化炭素を測定することにある。TOCレベルが低い(ppt〜低ppm)場合、試料水中のTOC量を測定する従来のアプローチは、紫外線(UV)光を用いて有機炭素をCOに酸化する酸化工程と、この酸化工程の前後に試料水の導電率を測定する工程とを含み得る。次に、かかる導電率の変化は、導電性の製品に対して知られている導電率および温度データに基づく、様々なアルゴリズムを用いてTOC値に変換される。
【0004】
水中のTOC量を測定できる計器には多くの用途がある。例えば、製薬業界においては、TOCレベルを超低レベルにすることが重要であり、従って、製造業者は調合薬の生産、および/または、その生産設備の洗浄に用いられる水に含まれるTOCのレベルを定期的に測定している。
【0005】
超純水(UPW)システムは、典型的には、これらのシステムによって生産される水の導電率(μS/cm)およびTOC(ppbC)のレベルを絶えずモニタするよう設計されている。連続オンラインTOC分析装置の一例には、コロラド州ラブランド所在のHach社によって市販されているANATEL PAT700型TOC分析装置がある。ANATELは、米国およびその他の国におけるHach社の登録商標である。
【0006】
オンボード自動標準導入システム(OASIS)を装備した既存のANATEL PAT700型のTOC分析装置は、この分析装置に挿入された標準ボトルから試料水の少量の一定分量を取り出すことにより、分析装置の検定を可能にする。給水系の他の部分からのグラブ試料も採取して、この分析装置を用いて試験するよう手動で装置に挿入することができる。標準試料またはグラブ試料は、ニードルを通って装置内部の酸化セルに取り込まれ、UV光にさらされて二酸化炭素に分解される。ベントニードルによって、ボトル内を真空状態にすることなく試料水を(ボトルから)分析装置に取り込むことができる。
【0007】
OASISは、試料水の注入口として機能することに加え、オンラインソースから試料水を引き込み、分析装置に設置された空のボトル内に注入する試料水の放水口として機能することも可能であり、従って、OASISは、確認のために、他の場所(実験室)での試験工程から試料水を採取することができる。この場合、既存のOASISを搭載した分析装置は、エクスカーション試料水の獲得および検証機能を用いるよう構成可能であり、これにより分析装置は、ユーザが規定した高いTOCレベルまたは導電率によってアラームがオンライン測定中に生じた際に、UPWシステムから試料水を獲得することができる。この機能が選択されると、分析装置は本来アラームの直ぐ後に、プラスチック製またはガラス製のボトルにエクスカーション試料水を充填する。この充填プロセスにおいては、システムに逆さまに挿入されたボトルに逆噴射して、そのボトルを試料水で満たすよう、給水系のライン圧力を用いる。キャップ内にセプタムを含むボトルは、ニードル(試料水の注入口/放水口となる(移送)ニードルおよびベントニードル)がセプタムを貫通するよう、逆さまの状態でボトルベイに挿入される。
【0008】
分析装置が、試料水の電導率、TOCレベルもしくはその他のパラメータが許容範囲外にあることを示すエクスカーションおよび/または潜在的な状態を検出すると、分析装置は、そのエクスカーション状態が検出されたことを給水系または生産設備に知らせる警報アラームを起動させる。分析装置はまた、上記のシステムから試料水を自動的に採取する。
【0009】
この試料水は、その後、オフラインで測定可能である。オフライン測定は、通常、関連する超純水システムから採取した試料水を分析するよう、試料水を研究室へ運ぶ工程を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
かかるオフライン試験を行うにあたっては、少なくとも2つの潜在的な問題が生じる。先ず第1に、試料水を試験する時間が、超純水システム内にリアルタイムに派生するエクスカーションの発生時間と一致することは殆どあり得ない。例えば、エクスカーションが生じて試料水を採取した後で、その試料水を研究室において試験する前に、数分、数時間または数日以上も経過し得る。その時点では、既にエクスカーションは消滅してしまい、水質は標準状態に戻っていることがある。これでは、測定システムの精度および信頼性が疑問視される結果となり得るし、および/または、水質に関して未決の懸案事項になり得る。
【0011】
第2に、水試料を採取する工程においては、採取容器(概して、ガラス製かプラスチック製のボトル)に存在する汚染物質によるか、または、試料水を採取する際にさらされ得る浮遊有機物質によって、追加の汚染物質が試料水にもたらされ得る。例えば、検査技士が試料水の採取中にうっかり試料水に触れて、汚染させたりする。このような追加のTOC汚染は、わずか数ppbCかもしれないし、または、数百ppbCになる可能性もある。これらの状況下では、給水系からの実際のTOCを、2次的な試料水汚染によってもたらされたTOCと区別することは不可能である。測定されたTOCがあまりに高い(例えば、500ppbCを超える)場合には、超純水システムの水を調合薬の製造、および/または、そのための製造器材の洗浄に使用することはできない。
【0012】
既存の分析装置に生じうる他の潜在的な問題に、採取に使用するボトルを水で完全に満たせないことも挙げられる。ボトルが水で完全に満たされないので、試料水を適切に試験するのに十分な量の水が得られない。
【課題を解決するための手段】
【0013】
これらの問題を解決るために、分析装置に用いるボトルは、分析装置が給水系に潜在的なエクスカーションが存在することを示す場合に、試料水で完全に満たすことができるようにする。要するに、ボトルの一実施形態は、ボトル本体とボトル本体に取り付け可能なボトルキャップとを含み、ボトルキャップは、開孔を有する主部と、開孔を覆ってボトルキャップ内側の空洞にぴったりはまるセプタムと、ボトルキャップ内側の空洞に配置されたベント管と、を含むことができる。
【0014】
上記のボトルキャップの内部空洞、および/または、ボトル内にベント管を包含することにより、特に、逆さまの状態のボトルに水を満たす場合に、ボトルに水を完全に満たすことができる。ベント管は、ボトルに水を注入している間にボトル内の空気を逃がし、これによりボトル内の圧力を下げることができる。
【0015】
本明細書では、分析装置がエクスカーションを正しく測定できているか否かをオンラインで検証する方法も開示する。このオンラインの検証方法は、給水系に是正処置をとる必要があるか否か、または、最初に検出したエクスカーションは例外もしくは誤認警報ではなかったか、といったリアルタイムな情報をユーザに提供する。
【0016】
エクスカーション捕獲試料を検証する方法は、分析装置を用いてエクスカーション事象を検出する工程と、エクスカーション事象を検出することに応答して、エクスカーションボトルの中にエクスカーション試料を捕獲する工程と、エクスカーションボトル内のエクスカーション試料を分析装置の測定チャンバ内に再度導入する工程と、測定チャンバにてエクスカーション試料を分析することによってエクスカーション試料を検証する工程と、を含む。
【0017】
前述したのは本発明の要約であり、詳細については簡略化、一般化、および省略化された内容であり得る。従って、当業者は、上述した要約は単に例示的に示されるものであり、これがいかなる形であれ、本発明を制限することを目的としていないことを理解されたい。
【0018】
本実施形態がより良く理解されるよう、実施形態のその他の特徴および更なる特徴、ならびにその利点とともに、添付の図面と併せて、以下、本発明について詳細に述べる。なお、本発明の範囲は、添付の請求の範囲において示されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】エクスカーション捕獲ボトルを例示する図である。
【図2】エクスカーション捕獲ボトルを例示する図である。
【図3】例示エクスカーション捕獲ボトルの分解図である。
【図4】TOC分析装置のボトルベイにおける、エクスカーション捕獲ボトルを例示する図である。
【図5】分析装置のユーザインターフェースの画面キャプチャを例示する図である。
【図6】エクスカーション試料を検証する方法を例示する図である。
【図7】分析装置の回路を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書において、一般的に記載され、図と共に説明される実施形態の構成要素は、ここに記載された例示的実施形態に加えて、多種多様の異なる構成において設計可能であることは容易に理解されよう。従って、図面に示された、例示的実施形態に係る以下のより詳細な記載は、実施形態の範囲を制限することを目的とせず、特許請求の範囲に記載されるように、単に例示的実施形態を示しているに過ぎない。
【0021】
本明細書を通して記載される「一実施形態」または「実施形態」(又は、これに類するもの)は、その実施形態と関連して記載される特定の特徴、構造または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、この明細書の様々な部分で記載されている「一実施形態において」もしくは「実施形態において」、または、これらに類するフレーズは、その全てが同一の実施形態を参照しているということではない。
【0022】
本明細書を通して記載される「エクスカーション」とは、給水系における正規の、または典型的なTOCおよび/または導電率の値からの予期せぬ変化または摂動を意味する。エクスカーションは、給水系における有機物のブレークスルーによって引き起こされる得るもので、多くの場合、TOCまたは導電率レベルの一時的な増加(数時間から数日にかけて)をもたらす。
【0023】
本明細書を通して記載される「エクスカーション試料」とは、給水系のTOCおよび/または導電率エクスカーションの発現事象中に採取した試料水を意味する。
【0024】
本明細書を通して記載される「リアルタイムエクスカーション」とは、給水系のエクスカーション事象が発生しているか、または、起きている実際の時間を意味する。
【0025】
本明細書を通して記載される「オンライン」とは、TOC分析装置または他の水分析機器がリアルタイムに水を測定するために、サイドストリーム、分岐、「T」フィッティングからの水をサンプリングできるよう給水系に直結されていることを意味する。オンライン測定は、プロセス測定またはインプロセス測定としばしば同義的に用いられる。
【0026】
本明細書を通して記載される「オフライン」とは、TOC分析装置または他の水分析機器が給水系とは物理的に離間される、または、同じ場所に配置されていないことを意味する。オフライン測定は、検査室測定としばしば同義的に用いられる。
【0027】
本明細書を通して記載される「セプタム」とは、間仕切壁もしくは、隔膜部材または封止部材を意味する。例えば、本明細書において開示される実施形態では、ボトルの一部を封止するセプタムが開示されており、これは、ボトルの外側からボトルの内部を区画している。このような封止機能に加えて、セプタムは、ボトルの内から外、またはその逆方向に流体を移送できるように、ニードルを突き通すことができる。
【0028】
本明細書を通して記載される「検証する」または「検証すること」とは、確認する、証明する、立証する、または、実証することを意味している。
【0029】
さらに、記載される特徴、構成または特性は、1以上の実施形態において、任意の好適な方法で組み合わせることができる。以下の説明における多数の具体的詳細は、例示的実施形態を十分に理解するために提示されるものである。しかしながら、当業者であれば、種々の実施形態が具体的詳細の1以上を有さずとも、または、他の方法、他の構成要素、他の材料等で実施可能であることを認識するであろう。他の例では、周知の構成、材料または動作について、詳細に図示または記載していない。以下の説明は、例示することのみを意図しており、単に特定の例示的実施形態を示しているに過ぎない。
【0030】
既存のシステム、例えば、ANATEL PAT700型のTOC分析装置では、ベントニードルによってボトルが水で完全に満たされることはない。従って、実施形態は、ボトルを完全に、または略完全に満たすことができるようガス抜きを促進するために、ベントドロップ管またはベントインサートを提供する。
【0031】
加えて、実施形態は、分析装置の同じ酸化チャンバ内に捕獲したエクスカーション試料を試験し、このような分析におけるいくつかの潜在的誤差源を排除するための自動化プロセスを提供する。例えば、いったん試料を捕獲したら、そのエクスカーション試料をTOC分析装置に再度引き込んで、同じ分析または測定チャンバを用いて検証用に再分析することができる。TOCまたは導電率の結果が依然としてユーザ規定のレベルを上回る場合には、エクスカーション試料は検証されて、ユーザは、TOC分析装置が試料を正確に測定し、TOCが高値となる結果が単に分析装置の故障または外部汚染の結果でないことを確信することができる。
【0032】
実施形態は、多数のエクスカーション試料の自動採取(逐次または同時)を提供する。例えば、エクスカーションボトルから分析装置内に試料を再投入し、試験して得られるエクスカーション結果を検証することに加えて、分析装置は必要に応じて、他のボトルの他のエクスカーション試料を捕獲して、例えば、(研究室における)オフライン試験のような追加の試験のためにその追加試料を保管することができる。分析装置に再投入された最初のエクスカーション試料には追加の外部汚染は持ち込まれない。その理由は、試料/分析装置の界面は決して壊れず、試料が空中浮遊の有機汚染物にさらされるリスクを排除するからである。
【0033】
従って、実施形態は、アラーム状態の後に、熟練者が手動でエクスカーション試料を捕獲するのではなく、例えば、TOC値または伝導率値が閾値を超えると、給水系から自動的にエクスカーション試料を捕獲することができる分析装置を提供する。さらに、実施形態は、追加のガス抜き機構を含むことで、エクスカーションボトルを完全に、または略完全に満たすことを可能にする。さらに、実施形態は、ボトル内の空隙、即ち、「ヘッドスペース」を実質上なくすことにより、より正確なオフライン分析を可能にする。ヘッドスペースをなくすことは、試料中に溶解されている有機汚染物の一部が、気相に放出される(液体上の空隙に蒸発する)のを防ぐ。さらに、エクスカーション事象の間に水試料を自動的に捕獲する方法は、給水系の問題解決に設備要員が対応する必要をなくす。試料を捕獲し、検証し、(必要に応じて、または、所望される場合に)再検証し、且つ、追加の試料を採取したら、ユーザは、これらの状況を緊急事項として処理するのではなく、むしろ、都合の良いときに、これらのエクスカーションを調査するよう待機することができる。エクスカーションの生成時点でのこのようなリアルタイムな試験および応答により、処理の品質が高まる。従って、実施形態は、規制機関との簡単なコンプライアンスを可能にするシステムも提供する。
【0034】
ここで、図の説明に移る。例示されるこれらの図は、実施形態を制限するものではない点に留意されたい。
【0035】
図1(A〜B)および図2(A〜C)を参照するに、ボトル100にエクスカーション試料を満杯に採取できるよう、ボトルキャップ106には、その内部にベントドロップ管またはベントインサート(「ベント管」)105が組み込まれ、実際上、このベント管はベントニードル103の作用を、ボトル100の頂部(逆さまにしたボトルの「頂部」は、真っ直ぐに立てた場合のボトルの底部であるという理解のもと)にまで伸ばす。これにより、図1Bに示されるように、ベントニードル103の実行頂部を提供しているベント管105を用いて、ベントニードル103の実行頂部のレベルに達するまで、ボトル100に水を満たすことが可能となる。比較すると、図1Aには、ベント管105を有しないボトル100が示されている。明細書全体を通して、ボトル100をエクスカーション捕獲ボトルと称しているが、その構造が本明細書に記載のものに相応するものであれば、例えば、通常のボトルのように、他の機能の役目も果たすことができる。
【0036】
さらに、キャップ106の構造は、TOC分析装置(図2および4)への挿入中に位置合わせとして役立てるために、様々な位置合わせおよび配向タブ108を含むことができる。キャップ106は、ボトル100を給水系の特定の流速で完全に満たすことを可能にし、且つ、セプタム104による封止も提供する。
【0037】
図2(B〜C)に示されるように、ベント管105は、セプタム104からボトル100(直立の状態)の底部付近にまで延在する。従って、ボトル100をTOC分析装置(図4)に逆さにして挿入すると、その逆さの状態のボトルが具えるベント管105は、その一端がセプタム104に密封固定され、他端はボトル100(逆さの状態)の頂部に近い位置にてベント管105内に空気を取り込むことができる。これによって、エクスカーション流体(例えば、エクスカーション試料の採取をトリガしたTOCを含有する水)を、ボトル100の略満水面であるベント管105のレベルにまで満たすことができる。
【0038】
図3に示されるのは、分解図である。図3の例において、キャップ106が含む、ニードルホールまたは開孔(ベントニードルホールを、とりわけ107にて特定してある)は、記載のTOC分析装置の液体移送用およびガス抜き用のニードル(それぞれ102、103)の挿入を容易にするためのものである。
【0039】
キャップ106は、ボトルがTOC分析装置の対応するボトルベイ(図1および図4の101)のみに収まるようにする、位置合わせタブ108を具えることもできる。このように、キャップ106には、ボトルがボトルベイ101内に適切な向きでのみ収まるように、1以上の位置合わせタブ108を設けることができる。これにより、ニードル102および103と、キャップ106におけるそれぞれのホールとの適切な位置合わせも促進する。従って、ベントニードル103は、TOC分析装置の対応する形状のボトルベイ101に適合する位置合わせタブ108によって、キャップ106のベントニードルホール107と必然的に整列することになる。
【0040】
図3には、セプタム104およびベント管105も例示されている。キャップ106およびその位置合わせタブ108と同様に、ベント管105も位置合わせタブ109を含むことができる。これは、ベント管105を、組み立て時にベントニードルホール107と適切に整列させる。ベント管105は、このベント管の位置合わせタブ109を、キャップ106の内部の対応する溝に合わせることによって、キャップ106の内側部分内の所定の位置にぴったりはめ込むことができる。従って、ベント管105は、このベント管105とキャップ106との間にセプタム104を挟んで、キャップ106の内側部分内の所定位置にはめ込むことができる。セプタム104は、キャップ106の内側に対してセプタム104の反対面に、テフロン層を有するシリコン系の材料で構成することができる。セプタム104は、機械的手段、接着手段(化学的またはその他の手段)、または、これらを適切に組み合わせることによって、適所に保持される。例えば、ベント管104とキャップ106との間に挟むことができる。テフロンは、米国およびその他の国における、E. I. du Pont de Nemours and Company社の登録商標である。
【0041】
ボトル100は、いったん組み立てると、例えば図4に例示されるように、TOC分析装置に挿入可能となる。図4に示される例示的なTOC分析装置は、4つのボトルベイ(1〜4のラベルが付されている)を含んでいるが、より多数またはより少数のボトルベイを利用可能である。ボトル100は、ユーザに適当な向きを知らせるように、その上に「前」を示す表示を有している位置合わせタブ108を、ユーザの方に向けた逆さの位置で、図4に例示されるボトルベイ(4)内に固定される。さらに、実施形態は、ボトル100がボトルベイ101(1〜4)の間違った位置に固定された場合は、TOC分析装置のドアが閉じないようにする。換言するに、TOC分析装置は、ボトル100が適切な位置に固定される場合にのみ、そのドアが閉まるよう構成するのがよい。再度述べるが、ボトル100は、標準のボトル、グラブ試料ボトル、または、本明細書に記載されるようなボトルとすることができる。
【0042】
ここで図5および図6を参照するに、実施形態は、一度捕獲したエクスカーション試料を再検査することができる。図5は、例示ユーザインターフェース、例えば、タッチスクリーンユーザインターフェースからの、例示スクリーンキャプチャを示している。ユーザは、分析装置のボトルモードを設定し、第1のインターフェースビュー501上のエクスカーションモードボタンを選択することによって、分析装置をエクスカーションモードで作動可能にすることにより開始する。次に、分析装置のインターフェースは、エクスカーションボトルを適切なボトルベイ(この例では、ボトルベイの位置3および4)に装填するようユーザに指示するビュー502を提供する。次に、分析装置のインターフェースは、エクスカーションモード・セットアップ・ダイアログ・ボックスにてTOCのトリガ限界値(適切な単位で)を、入力するようユーザに指示する、ビュー503を提供する。分析装置は、既知の操作用に、デフォルト値または選択可能な推奨値を格納しておくこともできる。起動ボタンを押すと、設定されたトリガ限界値に基づいてエクスカーションの捕獲がトリガされる。このようにして、TOC分析装置はエクスカーションモードに設定され、空のエクスカーションボトル、例えば、適切なボトルベイ(図4の実施例における、ボトルベイ3および4)に設置されたボトル100にエクスカーション試料を自動的に捕獲するよう準備される。
【0043】
エクスカーションモードにおいて、TOC分析装置は、図4に示す注入ラインおよび放水ラインを経由して、オンラインの分析装置に流れる試料水が、図5につき述べた特定のTOC限界値を超えるという検出結果に応答して、1以上のエクスカーション試料を自動的に捕獲することができる。図6には、エクスカーション試料を自動的に捕獲して、検証する例示的方法が示されている。
【0044】
TOC分析装置は、この分析装置に流れる水のTOC含有量を連続的に、または、所定の間隔でモニタする(工程610)ので、エクスカーションを検出する(工程620)ことができる。すなわち、TOCレベルが所定の限界値、例えば、ユーザが決定した限界値を超えるかどうかを検出する(工程620)ことができる。TOCエクスカーションが検出されると、実施形態は、1以上の試料水の入ったボトルを分析装置から自動的に捕獲する(工程630)。このように、分析装置は、プロセス水から工程620にて最初に検出したエクスカーション事象をさらに分析するために、エクスカーションボトル100のエクスカーション試料として関連試料水を捕獲することができる。このTOC分析装置は、オンボード分析またはリモート/実験室分析用に、2以上の試料水のエクスカーションボトルを順次捕獲するように、エクスカーション事象を検出することに応答して、2以上のエクスカーション試料を捕獲することができることに留意されたい。追加の試料を同時に捕獲することも可能である。
【0045】
実施形態は、エクスカーションボトル100に捕獲したエクスカーション試料を分析装置に再投入して、エクスカーション事象を再分析または検証することができる(工程640)。このようにして、確認または検証メカニズムを可能にする。これは、自動的に行うか、またはユーザによる手動入力、例えば、TOC分析装置のユーザインターフェースを介しての入力によって行うことができる。試料は、流体移送ニードル102、即ち、エクスカーション試料を採取するのに用いるのと同じニードルを用いて、ボトルに引き込むことができる。本明細書に記載されるように、ベントニードル103は、エクスカーション試料を採取/捕獲する間、および、エクスカーション試料の再投入の間に、ボトル内が真空にならないよう、ベント管105を通して気体を適切にガス抜きする。
【0046】
TOC分析装置は、この分析装置に再投入されたエクスカーション試料を、同じ分析チャンバを用いて再分析または検証可能であるが、これは必須の工程ではない(工程650)。試料が検証されたら(工程660)、分析装置は、詳細解析すべく、追加のボトルを捕獲することができ(工程670)、エクスカーション試料の分析に関する試料分析情報を格納および/または送信することができる(工程680)。試料分析情報は、メモリ(例えば、TOC分析装置のメモリ)に格納可能である。さらに、試料分析情報は、他の記憶装置に送信可能である。例えば、リモート記憶装置、または、エクスカーションボトル100に(例えば、RFIDタグを含むステッカーによって)取り付けられている格納ユニット(例えば、RFIDタグ)に送信可能である。試料情報は、TOCオンライン分析情報(TOCエクスカーションの初期の検出)、検証結果、ボトル識別子、プロセスID、タイムスタンプ、場所、などを含むが、これらに限定されない。
【0047】
このように、エクスカーションモードを有効にし、2つ(またはそれ以上)の空のエクスカーション試料ボトルを装填すれば、トリガ事象の後に、プロセスシステムの2つの試料水(例えば、65mlの試料)を直ちにボトルに引き込んで、上記2つの試料ボトルを満たすことができる。いったん両ボトルが満たされると、分析装置は一方のボトル(例えば、図5の例に従うと、ボトルベイ3のボトル)の内容物についてエクスカーション試料の分析を自動的に行うことができる。従って、この分析は、オンラインの(初期の)分析結果を検証するのに用いることができる。エクスカーション捕獲ボトルの内容物を分析したら、そのTOCレベルまたは伝導率の結果(試料情報)を報告可能であり、その結果が初期の分析結果と同じ、または略同じである場合には、「エクスカーションは妥当である」旨のメッセージが報告される。結果が同じでない場合、エクスカーション事象の初期の分析結果の報告は妥当でなかった旨のメッセージを提供できる。
【0048】
次に、第2のボトル(例えば、図5の例に従うと、ボトルベイ4のボトル)に入った試料水は、研究室/オフライン分析に用いることができ、これは、給水系におけるTOCエクスカーションの原因を究明するのに役立つ。エクスカーション試料ボトルは、RFIDタグまたは他の書き込み可能な記憶装置、並びに、印刷可能なインディシアを含むことができる。エクスカーション事象からの情報は、ボトルの記憶装置(例えば、RFIDタグ)に書き込むか、または印刷し、あるいはボトルに貼り付けたインディシア(例えば、ステッカー)に印刷して、試料水についての正確な情報を利用可能なままとする。
【0049】
分析装置は、それからオンライン測定モードに戻り、TOCおよび/または伝導率の測定を続行することができる。追加のボトルが未使用のボトルベイにおいて利用可能である場合、または、満水のエクスカーションボトルを移動させて、新しい空のエクスカーション捕獲ボトルと置き換えれば、更なるエクスカーションの捕獲が可能である。
【0050】
図1に例示される実施形態においては、略同じ長さのニードル102および103(ベントニードル103の方が幾分長い)が示されているが、この実施形態によるTOC分析装置は、この構成に限定されないことに留意されたい。図4の実施形態に例示されるボトルベイよりも多いか、または少ないボトルベイを設けることができ、また、異なる長さのニードルも設けることもできる。例えば、実施形態によっては、所定のボトルベイに図1に例示されるようなニードルを用い、他のボトルベイには長さの異なるニードルを用いることもできる。例えば、必要に応じて、ボトルベイは十分に長いベントニードルを含むことができる。
【0051】
従って、分析装置に用いるボトルを提供する実施形態のボトルは、ボトル本体とボトル本体に取り付け可能なボトルキャップとを具え、ボトルキャップは、開孔を有する主部と、ボトルキャップの開孔を覆い、ボトルキャップの内部空洞にはめ込まれるサイズのセプタムと、ボトルキャップの内部空洞内に配置されたベント管とを有する。ベント管は、ボトルキャップの内部空洞に配置され、ボトルキャップをボトル本体に取り付けると、ボトル本体の内部に延在する。さらに、ベント管、セプタム、およびボトルキャップの主部は層状構造で配置可能である。ベント管は、中空とすることができる。ボトルキャップは、その内部に1以上の溝をさらに含むのがよく、この溝は、ボトルキャップ内に配置されたベントニードルの開孔にベント管を整列させるために、ベント管に設けた1以上の溝にぴったり合わせることができる。ボトルキャップは、1以上の位置合わせタブをさらに具えることができ、この1以上の位置合わせタブは、ボトルキャップの外表面に配置される。1以上の位置合わせタブは、分析装置のボトルベイにおける1以上の溝にはまるよう構成可能である。分析装置は、全有機炭素分析装置であり、分析装置によって送信された試料情報を記憶するよう構成された、記憶コンポーネントを具えるものである。記憶コンポーネントは、RFIDタグとすることができる。
【0052】
図7を参照するに、TOC分析装置(「分析装置」)710は、本明細書に記載するように、自動で試料の捕獲および試験を行うよう構成されたプログラム命令を実行可能であり、且つ実施形態の他の機能を発揮できることが容易に理解されよう。
【0053】
分析装置710の構成要素は、1以上の処理ユニット720、メモリ730、およびメモリ730を含む様々な構成要素を処理ユニット720に結合するシステムバス722を含むことが可能であるが、これらの構成要素に限定されない。分析装置710は、種々の可読媒体を含むか、それらにアクセスすることができる。メモリ730は、読取り専用メモリ(ROM)および/またはランダムアクセスメモリ(RAM)のような、揮発性および/または不揮発性メモリの形で可読記憶媒体を含むことができる。例えば、メモリ730は、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、他のプログラムモジュールおよびプログラムデータを含むこともできるが、これらの例示に限定されない。
【0054】
ユーザは、入力デバイス740を介して(例えば、命令および情報を入力して)分析装置710と対話することができる。例えば、出力インターフェース750のようなインターフェースを介して、バス722にモニタまたは他種のデバイスを接続することもできる。分析装置は、モニタに加えて他の周辺の出力デバイスも含み得る。分析装置710は、1以上の他のリモートコンピュータまたはデータベースへの論理回線を利用して、ネットワーク環境または分散環境にて作動させることができる。論理回線は、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)のようなネットワークを含むことができるが、オーディオチャンネル接続を含む、他のネットワーク/バスを含むこともできる。
【0055】
幾つかの実施形態は、システム、方法またはプログラムとして実行可能である点に留意すべきである。従って、本発明の形態は、全くのハードウェアの実施形態、全くのソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐のソフトウェア、マイクロコード等を含む)、または、ソフトウェアとハードウェアとを合わせた実施形態とすることができる。さらに、本発明の形態は、プログラムコードを有する1以上のノンシグナル可読媒体に具体化される、プログラムであってもよい。
【0056】
可読媒体は、組合せて利用可能である。また、可読媒体は記憶媒体であってもよい。記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁、赤外線または半導体のシステム、機器もしくは装置、或いは、前述したものの任意の適当な組合せとすることができるが、これに限定されない。記憶媒体の例として、以下のもの(この列挙に、全ては含まれていない)、すなわち、携帯型記憶装置、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能PROM(EPROMまたはフラッシュメモリ)、読み取り専用コンパクトディスク(CD−ROM)、光学記憶装置、磁気記憶装置、または前述したものの任意の適切な組合せを含むことができる。本明細書の文脈において、記憶媒体は任意のノンシグナル媒体とすることができ、この媒体は、例えば、命令を実行するシステム、機器もしくは分析装置710のような装置に使用されるプログラム、または、それらに関連したプログラムを含んだり格納したりすることができる。
【0057】
コンピュータ可読媒体上に具体化されるプログラムコードは、無線、有線、光ファイバーケーブル、RF等、または、前述したものの任意の適切な組合せを含むが、これらに限定されない任意の適切な媒体を用いて送信可能である。
【0058】
記憶媒体には、分析装置710を特定の方法で機能させるように指示できるプログラム命令を格納させて、記憶媒体に格納されたプログラム命令が、本明細書および/または図面に特定される機能/作用を実施する命令を含んでいる製品を生産するようにすることもできる。
【0059】
プログラム命令は、分析装置710にロードして、この分析装置710において行われる一連の作業工程によって、分析装置710において実行する命令が、本明細書および/または図面に特定される機能/作用を実施するためのプロセスを提供するといった、プロセスを生成することもできる。
【0060】
本開示は、具体例を示して説明することを目的としたものであり、発明の内容を限定することを目的としていない。多くの修正変更は、当業者にとって明らかである。実施形態は、本発明の原理および実装置を説明するように、また、当業者や他者が種々の修正(考えらる特定の用途に適合した修正)を伴う様々な実施形態の開示を理解できるように、選択および記載されるものである。
【0061】
本明細書では、本発明の例示的実施形態を記載してきたが、実施形態は、詳細に記載された実施形態に制限されるものではないこと、また、当業者による種々の変更および修正が、本発明の開示の範囲または本発明の精神から逸脱することなく、上記の実施形態に変更および修正を加えることができると理解されたい。
【符号の説明】
【0062】
100 ボトル
101 ボトルベイ
102 液体移送ニードル
103 ベントニードル
104 セプタム
105 ベント管
106 ボトルキャップ
107 ベントニードルホール
108、109 位置合わせタブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料水中の全有機炭素の測定値を検証する方法であって、
第1の試料水に含まれる全有機炭素量を分析装置を用いて測定し、その第1の測定値を得る工程と、
前記第1の試料水に含まれる全有機炭素量が所定の閾値を超えている場合に、潜在的なエクスカーション事象を同定する工程と、
前記潜在的なエクスカーション事象を検出することに応答して、ボトルの中に第2の試料水を捕獲する工程と、
前記第2の試料水を前記分析装置に導入する工程と、
前記第2の試料水に含まれる有機炭素量を前記分析装置を用いて測定し、その第2の測定値を得る工程と、
前記第1の測定値と前記第2の測定値とを前記分析装置を用いて比較する工程と、
を含む、全有機炭素の測定値検証方法。
【請求項2】
前記第2の試料水を捕獲する工程は、前記分析装置により自動化される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の試料水に含まれる全有機炭素量を測定する前記工程は、前記分析装置の第1モードで生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の試料水に含まれる全有機炭素量を測定する前記工程は、前記分析装置の前記第1モードで生じる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の試料水に含まれる全有機炭素量を測定する前記工程は、前記分析装置の第2モードで生じる、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
1以上の追加の試料水を、1以上の対応する追加ボトルの中に捕獲する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記1以上の追加の試料水は、順次に捕獲される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記1以上の追加の試料水は、同時に捕獲される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の測定値と前記第2の測定値とを前記分析装置を用いて比較する前記工程は、前記比較の指標を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記分析装置に前記比較の指標を提供させる工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の測定値、前記第2の測定値、および前記比較の指標のうちの1以上を含む試料情報を格納する工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記試料情報は前記ボトルに格納される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記試料情報は、前記ボトルのRFIDタグに送信されて前記ボトルに格納される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ボトルは、該ボトルのボトルキャップ内に配置されたベント管を具える、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
試料水中の全有機炭素の測定値を検証するための分析装置であって、
1以上のプロセッサと、該1以上のプロセッサにより実行可能なプログラム命令を格納しているメモリとを具え、
前記プログラム命令は、
第1の試料水に含まれる全有機炭素量を前記分析装置を用いて測定し、その第1の測定値を得るためのプログラム命令と、
前記第1の試料水に含まれる全有機炭素量が所定の閾値を上回る場合に、潜在的なエクスカーション事象を同定するためのプログラム命令と、
前記潜在的なエクスカーション事象を検出することに応答して、ボトルの中に第2の試料水を捕獲するためのプログラム命令と、
前記第2の試料水を前記分析装置に導入するためのプログラム命令と、
前記第2の試料水に含まれる有機炭素量を前記分析装置を用いて測定し、その第2の測定値を得るためのプログラム命令と、
前記第1の測定値と前記第2の測定値とを比較するためのプログラム命令と、
を含む分析装置。
【請求項16】
前記第2の試料水の捕獲は自動化される、請求項15に記載の分析装置。
【請求項17】
前記第1の試料水に含まれる全有機炭素量の測定は、前記分析装置の第1モードで生じる、請求項16に記載の分析装置。
【請求項18】
前記第2の試料水に含まれる全有機炭素量の測定は、前記分析装置の前記第1モードで生じる、請求項16に記載の分析装置。
【請求項19】
前記プログラム命令は、1以上の追加の試料水を、1以上の対応する追加のボトルの中に捕獲するためのプログラム命令をさらに含む、請求項15に記載の分析装置。
【請求項20】
前記1以上の追加の試料水は順次に捕獲される、請求項19に記載の分析装置。
【請求項21】
前記1以上の追加の試料水は同時に捕獲される、請求項19に記載の分析装置。
【請求項22】
前記第1の測定値と前記第2の測定値とを比較することに応答して、該比較の指標を生成するためのプログラム命令をさらに含む、請求項15に記載の分析装置。
【請求項23】
前記比較の指標を提供するためのプログラム命令をさらに含む、請求項15に記載の分析装置。
【請求項24】
前記第1の測定値、前記第2の測定値、および前記比較の指標のうち1以上を含んでいる試料情報を格納するためのプログラム命令をさらに含む、請求項22に記載の分析装置。
【請求項25】
前記試料情報は前記ボトルに格納される、請求項24に記載の分析装置。
【請求項26】
前記試料情報を前記ボトルのRFIDタグに送信するためのプログラム命令をさらに含む、請求項25に記載の分析装置。
【請求項27】
コンピュータで具体化されるプログラム命令を有する、コンピュータ読取り可能記憶媒体を具えている分析装置を用いて、試料水中の全有機炭素の測定値を検証するためのプログラムであって、
前記プログラム命令は、
第1の試料水に含まれる全有機炭素量を前記分析装置を用いて測定し、その第1の測定値を得るためのプログラム命令と、
前記第1の試料水に含まれる全有機炭素量が所定の閾値を上回る場合に、潜在的なエクスカーション事象を同定するためのプログラム命令と、
前記潜在的なエクスカーション事象を検出することに応答して、ボトルの中に第2の試料水を捕獲するためのプログラム命令と、
前記第2の試料水を前記分析装置に導入するためのプログラム命令と、
前記第2の試料水に含まれる有機炭素量を前記分析装置を用いて測定し、その第2の測定値を得るためのプログラム命令と、
前記第1の測定値と前記第2の測定値とを比較するためのプログラム命令と、
を含むプログラム。
【請求項28】
前記第2の試料水の捕獲は自動化される、請求項27に記載のプログラム。
【請求項29】
前記第1の試料水に含まれる全有機炭素量の測定は、前記分析装置の第1モードで生じる、請求項28に記載のプログラム。
【請求項30】
前記第2の試料水に含まれる全有機炭素量の測定は、前記分析装置の前記第1モードで生じる、請求項29に記載のプログラム。
【請求項31】
前記プログラム命令は、1以上の追加の試料水を、1以上の対応する追加のボトルの中に捕獲するためのプログラム命令をさらに含む、請求項28に記載のプログラム。
【請求項32】
前記1以上の追加の試料水は順次に捕獲される、請求項31に記載のプログラム。
【請求項33】
前記1以上の追加の試料水は同時に捕獲される、請求項31に記載のプログラム。
【請求項34】
前記第1の測定値と前記第2の測定値とを比較することに応答して、該比較の指標を生成するためのプログラム命令をさらに含む、請求項28に記載のプログラム。
【請求項35】
前記比較の指標を提供するためのプログラム命令をさらに含む、請求項34に記載のプログラム。
【請求項36】
前記第1の測定値、前記第2の測定値、および前記比較の指標のうちの1以上を含んでいる試料情報を格納するためのプログラム命令をさらに含む、請求項28に記載のプログラム。
【請求項37】
前記試料情報は前記ボトルに格納される、請求項36に記載のプログラム。
【請求項38】
前記試料情報を前記ボトルのRFIDタグに送信するためのプログラム命令をさらに含む、請求項37に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−44750(P2013−44750A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−181162(P2012−181162)
【出願日】平成24年8月17日(2012.8.17)
【出願人】(508345726)ハック・カンパニー (1)
【Fターム(参考)】