説明

オーダー情報管理装置、及びこれを用いて構成されるオーダー情報管理システム、並びにオーダー情報を管理する為のプログラム。

【課題】人件費を削減可能でありながらも、利用者の要望に迅速且つ的確に答え、サービスの低下を招く事の無いオーダー情報管理装置の提供。
【解決手段】商品及び役務の少なくとも何れかを提供する提供施設で付与された固有の第一識別情報と、携帯情報端末から送信された当該携帯情報端末が保有する固有の第二識別情報とを対応付けて保持する施設内情報保持手段と、携帯情報端末から送信された第二識別情報と商品及び役務の少なくとも何れかのオーダー情報を取得するオーダー情報取得手段と、取得したオーダー情報における第二識別情報に基づいて、前記ユーザ情報保持手段から固有の第一識別情報を取得し、当該第一識別情報を付与している提供施設に設置されているデバイスに対して第一識別情報とオーダー情報を送信するオーダー情報送信手段とからなるオーダー情報管理装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品及び役務の少なくとも何れかを提供する提供施設におけるオーダー情報を取得し、当該オーダー情報を提供施設に送信するオーダー情報管理装置、及びこれを用いて構成されるオーダー情報管理システム、並びにオーダー情報を管理する為のプログラムに関し、特に、飲食店における料理等の注文(以下、「オーダー」とも言う)を、利用者が保有する携帯情報端末から行えるようにする情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レストラン等の飲食店で利用者がメニューを注文しようとするときには、利用者が着席した場席に店員を呼んで、店員に対して注文を頼むことが広く行われていた。また店員を呼ぶための呼び出しボタンをテーブル毎に設置することも行われていた。
【0003】
特許文献について見れば、従来は、客席に設置された顧客端末を用いて、オーダ品の確認とオーダステータスの確認が可能な外食オーダ方法と外食オーダシステムの提供を目的として、特許文献1(特開2002−215755号公報)が提案されている。この文献では、複数台のハンディエントリー端末と、オーダ受付手段とキッチン管理手段と売上管理手段とデータ記憶手段とデータ転送手段と通信制御部とを有する店舗サーバと、調理指示を表示部に表示出力し、調理工程を管理するキッチン端末と、操作手段を用いてオーダの内容一覧、オーダステータスなどの受付入力手段とオーダ一覧、オーダステータスなどの表示データ生成手段と表示手段と無線通信制御手段とを有する複数台の客席端末とで構成された外食オーダシステムが提案されている。
【0004】
また、携帯電話を含むコンピュータ端末を用いた飲食物の注文受付システムは、特許文献2(特開2002−367040号公報)で提案されている。この文献では、データ通信可能に接続された複数のコンピュータ端末から成るオープンコンピュータネットワークであるインターネット網に接続され、前記コンピュータ端末に対して飲食店舗内にて注文可能な飲食物の種別を把握可能な飲食物注文ページを配信し、注文する飲食物の種別並びに数量と該コンピュータ端末を所持する飲食者の飲食店舗内の客席とを特定可能な注文情報とを受付け可能とされたサーバコンピュータと、前記飲食店舗内の所定位置に設置されるとともに前記サーバコンピュータに接続され、前記注文情報を出力可能な出力手段を備える注文出力端末と、を備える飲食物の注文受付システムが提案されている。
【0005】
更に、飲食店におけるオーダシステム、オーダ方法およびオーダ用プログラムは、特許文献3(特開2003−296420号公報)で提案されている。この文献では、ネットワークを介して接続された通信会社サーバと位置検出装置と集中制御装置と店舗サーバとを備え、さらに、前記通信会社サーバに接続された携帯電話を備え、前記携帯電話は、飲食物の注文データを前記集中制御装置に送信する手段を有し、前記位置検出装置は、前記携帯電話の位置を検出して位置データを前記集中制御装置に送信する手段を有し、前記集中制御装置は、前記位置データを受信して前記携帯電話が存在する店舗を特定する手段と、前記注文データに注文番号を採番する手段と、特定した店舗の店舗サーバに前記注文データと前記注文番号とを送信する手段とを有し、前記店舗サーバは、前記注文番号と料理完了データとを前記携帯電話に送信する手段と前記注文完了データを前記集中制御装置に送信する手段とを有するオーダシステムが提案されている。
【特許文献1】特開2002−215755号公報
【特許文献2】特開2002−367040号公報
【特許文献3】特開2003−162771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的な飲食店等におけるサービスの流れでは、利用者が来店すると、店員は利用者とのやりとりで注文を受け、そこからキッチン等の厨房で料理等を調理し、これを利用者のテーブル店員が運び利用者に提供する。そして店員は何れかのタイミングで料理の注文票や納品票を利用者のテーブルに置き、この注文票や納品票を利用者がレジ等に持参し料金を支払う事で清算が行われる。
【0007】
このようなサービスの流れにおいては、利用者が料理などを注文したい時には、店内にいる店員を呼び止め、利用者の注文したい料理の名前と数量を伝える必要がある。また、店員側からすれば、利用者の注文を受け、受注伝票を作成し、これを厨房に伝え、出来上がった調理済み料理を利用者のテーブルに配膳し、飲食済みの食器等をさげ、飲食代金の精算を行ったりなど、店内における種々の業務をこなしている。そのため、ある利用者からの呼び止めに対応できず、結果として利用者を待たせてしまうというサービスの低下を招いてしまう。そして店舗側では、サービスの低下をおそれて、いつ来店するか不確定な利用者のニーズに対し店舗のフロア要員を必要以上に配置する必要が生じ、その結果人件費の増大を招くことになる。
【0008】
更に、利用者が店員に料理名称や数量を伝えるには、多くの場合は口頭であり、料理名称の間違いや数量違いが発生する場合がある。そして近年では海外出身の労働者等を、労働力不足の為やコスト削減の為に採用しているが、その多くはコミュニケーション不足でオーダミス等を発生させ、その結果、利用者において店舗イメージの悪化を招来する結果となっている。
【0009】
そこで本発明は、人件費を削減可能でありながらも、利用者の要望に迅速且つ的確に答え、サービスの低下を招く事の無いオーダー情報管理装置、及びこれを用いて構成されるオーダー情報管理システム、並びにオーダー情報を管理する為のプログラムの提供を第一の課題とする。
【0010】
また、前記特許文献1〜3では、携帯電話などの情報端末を利用してオーダーすることで人件費の増加を削減できる旨が記載されているが、その操作は利用者においては少なからず煩わしさを伴っている。拠って、その使用方法の説明や、操作間違いの対応など、却ってフロア人員の増加を招来するおそれも否定できない。さらに利用者が着席した場席に、当該利用者のオーダーした料理を配膳する為には、利用者と場席との関連付けや、場席又は利用者と注文した料理とを関連付け等が必要になり、何れかの情報について正確性を欠く場合には料理の配膳間違いなどの問題が生じる可能性もある。そしてこのような配膳間違いなどの問題が生じた場合には、却ってサービスの低下となってしまい、これが信用の喪失になってしまうおそれもある。
【0011】
そこで本発明は、利用者における操作性を向上させることで、人員の増加に伴う課題を大幅に改善し、更に携帯端末から取得できる情報を用いて、場席情報および注文情報を関連付ける事により、所謂いたずらによるオーダーを確実に阻止して信頼性を向上させたオーダー情報管理装置、及びこれを用いて構成されるオーダー情報管理システム、並びにオーダー情報を管理する為のプログラムの提供を第二の課題とする。
【0012】
また、店舗側においては、利用者に対するサービスの向上のために、会員番号の入った会員カード等を発行し、利用者がいつ来店し、何を注文したかなどの履歴を記録・保存することを望んでいる。しかし会員登録をする為には、利用者登録シートに個人情報を記載し管理する必要があり、個人個人のオーダー情報を取得するのは困難である。何故ならば、仮に1テーブルに複数の利用者が着席している場合には、その個人個人が何をオーダしたか確認する必要があり、更に1テーブルで個々の利用者が食した分を精算する場合には、個人別に金額を集計しなければならない等の問題がある為である。
【0013】
そこで本発明は、このような従前における問題を解決して、面倒なくユーザー登録を行う事ができ、更に個人ごとのオーダー履歴情報を管理することができ、利用者に対するサービスの向上を図る事のできるオーダー情報管理装置、及びこれを用いて構成されるオーダー情報管理システム、並びにオーダー情報を管理する為のプログラムの提供を第三の課題とする。
【0014】
更に、店舗においては、新たに利用者が来店した場合や、電話等で予約を受け付けた場合には、店舗の各テーブルの空き状況を確認する必要がある。そしてこの確認は、来店時や電話受付時など、瞬時に店舗内の複数テーブルの内、どのテーブルが空いているか簡易に知る必要もある。
【0015】
そこで本発明に係るオーダー情報管理装置は、空いている場席を迅速に確認することのできるオーダー情報管理装置、及びこれを用いて構成されるオーダー情報管理システム、並びにオーダー情報を管理する為のプログラムの提供を第四の課題とする。
【0016】
また、如何に人件費等を削減でき且つ顧客満足度を高める事のできるシステムであっても、利用されなければ何ら意味を成すものでもない。そこで本発明は、オーダー情報管理装置の利用を促進する為の機能を有し、且つオーダー情報管理装置を利用如何による差別化を行う事により、当該オーダー情報管理装置の利用促進を図る事のできるオーダー情報管理システム、並びにオーダー情報を管理する為のプログラムの提供を第五の課題とする。
【0017】
そして、上記のようなオーダーの受注業務や、場席(空席)の管理に相当する在庫管理業務は、商品の販売を行う業務、例えば各種商品の小売業や、飲食物などの宅配業務などにおいても、そのまま当て嵌まる内容となっている。
【0018】
よって本発明は、受注業務や在庫管理業務における処理の煩雑さを解消する為のオーダー情報管理装置、及びこれを用いて構成されるオーダー情報管理システム、並びにオーダー情報を管理する為のプログラムの提供を第六の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、上記課題の少なくとも何れかを解決する為に、携帯情報端末から確実に取得できる第二の識別情報および/または、更に関連付けて取得可能な第三の識別情報を用いてユーザー、場席または商品を特定して、商品及び役務の少なくとも何れかを提供するものである。
【0020】
即ち本発明では、前記課題の少なくとも何れかの課題を解決する為、商品及び役務の少なくとも何れかを提供する提供施設におけるオーダー情報を取得し、当該オーダー情報を提供施設に送信するオーダー情報管理装置であって、当該オーダー情報管理装置は、商品及び役務の少なくとも何れかを提供する提供施設で付与された固有の第一識別情報(場席番号・小売商品番号)と、携帯情報端末から送信された当該携帯情報端末が保有する固有の第二識別情報(例えば「機種製造番号」又は「ICカード番号」など)とを対応付けて保持する施設内情報保持手段と、携帯情報端末から送信された第二識別情報と商品及び役務の少なくとも何れかのオーダー情報(料理・小売商品購入個数)を取得するオーダー情報取得手段と、取得したオーダー情報における第二識別情報に基づいて、前記ユーザ情報保持手段から固有の第一識別情報を取得し、当該第一識別情報を付与している提供施設に設置されているデバイスに対して第一識別情報とオーダー情報を送信するオーダー情報送信手段とからなる、オーダー情報管理装置を提供する。
【0021】
上記第一識別情報は、飲食物の提供、医業の提供、或いは理容の提供などの各種の役務を提供する施設や、小売店や卸売店などの商品を提供する施設で付与した識別番号(ID:Identification)であり、当該施設内において役務を提供する為の物や、提供する商品等を特定する為の識別番号として位置づけられる。よって、例えば飲食物の提供にあっては場席毎に異ならせたIDを使用することができ、商品の販売を提供する場合には、商品の種類毎に異ならせたIDを使用することができる。また、かかる第一識別情報は、複数の店舗や施設において異ならせることができる。この場合には各施設乃至は店舗ごとに異なる識別番号(店舗ID)を付与し、この店舗IDに、更に提供施設で付与した識別番号(店舗ID)を付加したものを第一識別情報として使用することもできる。
【0022】
上記第二識別情報は、オーダーした者を特定する為の識別番号として位置づけられ、少なくとも携帯端末またはその使用者を特定する事ができる識別情報が使用される。例えば、携帯電話においては、機種ごとに付与された製造番号、SIMカード(Subscriber Identity Module Card)等のICカードの番号など、そのハードウエアに固有の番号を使用する他、メールアドレスなどユーザーが任意に設定した値を使用することができる。更に、インターネット閲覧用のブラウザを搭載している携帯電話やパーソナルコンピュータ等、インターネット等の情報通信網に接続可能な機種においては、固有のIPアドレスなどをこの第二識別情報とすることができる。
【0023】
上記施設内情報保持手段は、当該オーダー情報管理装置を構成する記憶装置に設けられており、テーブル形式、ファイル形式、データベース形式等として形成することができる。具体的には、第一識別情報と第二識別情報とを関連付けて、オーダー情報管理装置としてのコンピュータを構成する主記憶装置(メモリ)や、外部記憶装置(ディスクなど)に保持しておく事ができる。かかる施設内情報保持手段においては、第二識別情報を検索キーとして第一識別情報を抽出できるように構成され、更に第一識別情報を検索キーとして第二識別情報を抽出できるように構成することが望ましい。
【0024】
上記本発明に係るオーダー情報管理装置は、更にオーダー情報取得手段と、オーダー情報送信手段を具備する。
【0025】
オーダー情報取得手段は、携帯情報端末から送信されたオーダー情報を取得するものであり、更に、オーダー情報を取得する際に、当該オーダーした者を特定する為の第二識別情報を取得するものとして構成される。即ち、インターネットや電子メールなどの情報通信を介して、携帯情報端末からのオーダー情報および第二識別情報を取得するものであり、これはオーダー情報管理装置を構成するコンピュータにおいて、ネットワークデバイスや、それらのインターフェースおよびソフトウエアによって構成される。
【0026】
そして受信したオーダー情報は、オーダー情報送信手段によって、誰が、何をオーダーしたのか、或いは誰がどの商品を(又は何個)オーダーしたのかが整理、解読され、提供施設に設置されているデバイスに送信される。具体的には、オーダー情報と共に送信された第二識別情報に基づいて、前記ユーザ情報保持手段から固有の第一識別情報を取得する。即ち、飲食店において場席の指定の場面を考慮すれば、第二識別情報は携帯端末が保持する固有の記号であり、第一識別情報は当該飲食店における場席に付与された記号である。よって第二識別情報と共にオーダー内容を示すオーダー情報を取得し、この第二識別情報から第一識別情報である場席を特定すれば、どの場席で何をオーダーしたのかを判別することができる。また商品の提供の場面を考慮すれば、販売される商品に付与された第一識別情報から商品を特定し、オーダー情報として当該商品を何個オーダーするのかを特定し、オーダー情報と共に取得する第二識別情報からオーダーした者を特定することができる。
【0027】
上記オーダー情報管理装置は、更に複数の携帯情報端末を関連付けておき、関連付けられた携帯情報から送信されたオーダー情報を同じ場席に配膳するように構成する事もできる。即ち、1つの第一識別情報に対して、2つ以上の第二識別情報および/または第三識別情報を関連付けて保持するオーダー情報管理装置とすることができる。
【0028】
このように構成することで、例えば飲食店などにおいては、1つのテーブルに対して、複数の人数からなるグループが着席した場合、そのグループに属する各人が所持する複数の携帯情報端末(の第二識別情報および/または第三識別情報)を紐付けることにより、従来ではできなった、発注者毎の履歴管理が可能になる。この場合、当該場席からオーダーした商品(料理)の合計金額としては、各携帯情報端末ごとに集計する他、各場席、即ち第一識別情報ごとに集計する事もできる。かかるオーダー情報管理装置とするには、例えば、1つの第一識別情報に対して、複数の第二識別情報および/または第三識別情報を関連付けて保持できるように構成すると共に、会計時における合計金額を第一識別情報に関連付けて保持することができる。
【0029】
そして本発明に係るオーダー情報管理装置は、以上のような構成によれば、飲食物の提供のみならず、その他の役務(特に場席などを特定して役務を提供する役務)の提供においても役務の提供に供する物を特定し、携帯情報端末からオーダー情報を取得することができる。更に、商品の販売などにおいても、購入する商品の予約や購入処理等を行うシステムとして使用することができる。
【0030】
次に、上記本発明に係るオーダー情報管理装置が具備することのできる構成を、以下に説明する。
先ず上記本発明に係るオーダー情報管理装置における、前記施設内情報保持手段は、更に、携帯情報端末に対する情報送信時に当該携帯情報端末を特定する固有の第三識別情報(例えば「電子メールアドレス」など)を、前記第二識別情報(例えば「機種製造番号」又は「ICカード番号」など)に関連付けて保持する事ができる。
【0031】
この第三識別情報は、前記第二識別情報とは異なり、携帯情報端末に向けて情報を送信する場合に、当該携帯情報端末を特定する為の識別情報として位置づける事ができる。例えば携帯情報端末が携帯電話の場合には、電子メールアドレスや電話番号などを使用することができ、また携帯可能なパーソナルコンピュータの場合には、電子メールアドレスやIPアドレスなどを使用することができる。かかる第三識別情報は、当該携帯情報端末の所有者(ユーザー)に対して、特売やセール、或いは割引クーポン券などの配信等のユーザーサービスに使用するものであり、必ずしも必須の要件では無い。ただし、オーダー情報管理装置が、かかる第三識別情報を保持しておく事により、当該オーダー情報管理装置からのオーダー受付確認情報などを配信する事も可能となる。
【0032】
上記第三識別情報を取得した場合には、本発明に係るオーダー情報管理装置には、当該第三識別情報を記録するユーザー情報保持手段を設けることができ、当該ユーザー情報保持手段は、テーブル形式、ファイル形式、データベース形式等としてオーダー情報管理装置を構成する記憶手段に形成することができる。
【0033】
また、上記本発明に係るオーダー情報管理装置では、複数の携帯情報端末について、各携帯情報端末から送信された当該携帯情報端末が保有する固有の第二識別情報(例えば「機種製造番号」又は「ICカード番号」など)および、各携帯情報端末に対する情報送信時に当該携帯情報端末を特定する固有の第三識別情報(例えば「電子メールアドレス」など)の少なくとも何れかを保持するユーザー情報保持手段と、何れかの携帯情報端末から送信された指令情報を取得し、当該指令情報および当該指令情報を送信した携帯情報端末についての第二識別情報または第三識別情報の少なくとも何れかに基づいて、前記指令情報又はその応答情報の送信先を特定する応答情報送信先特定手段を具備する事ができる。
【0034】
上記応答情報送信先特定手段は、携帯情報端末やユーザーを特定する第二識別情報及び第三識別情報の何れか、または携帯情報端末から送信された指令情報に応じて、当該指令情報に対する応答情報の送信先を特定するものである。ここで指令情報としては、前記オーダー情報以外の情報であり、例えば、ユーザーが、何らかの要求を施設内の店員や管理者などに対して通知する場合の指令情報である。このような指令情報としては、例えば飲食店内において、店員に何らかの用事があるときの呼び出しを指示する指令が挙げられる。
【0035】
そして、このような指令情報を受信すると、応答情報送信先特定手段は、第二識別情報又は第三識別情報から携帯情報端末やユーザーを特定するか、或いは指令情報の内容から、当該指令情報、またはその応答情報を送信する送信先を選定する。例えば、前記飲食店内における店員の呼び出しの場合には、取得した指令情報から、呼び出しの内容であることを特定し、また当該情報の送信者(詳細には「携帯情報端末」)を第二識別情報及び第三識別情報の何れかで特定する。そしてこの第二識別情報又は第三識別情報から第一識別情報を特定し、これにより何れの場席から、如何なる要求があったのかを特定することができる。そして応答情報送信先特定手段は、当該場席を担当する店員が保持する携帯情報端末に付与されている送信先情報を特定し、当該担当者の携帯情報端末に対して指令情報又はその応答情報を送信する。その結果、他の店員が保持ずる携帯情報端末に対しても指令情報又はその応答情報を送信することがなくなり、店内においては効率的な作業を行う事ができる。
【0036】
また、上記本発明に係るオーダー情報管理装置では、更に、前記オーダー情報取得手段におけるオーダー情報の取得を契機とするイベントの実行およびイベントにおける当選確率を制御するイベント制御手段を具備する事ができる。
【0037】
イベント制御手段は、オーダー情報を取得する度に、割引やクーポン券の発行等の何らかの特典を提供する抽選を実行するか否か、実行する場合には、当該イベントの実行、および当選確率を制御するものである。イベントとしてはビンゴなどの電子ルーレットでもよく、このようなイベントは、オーダー情報の受信を契機として実行することができる。また、当該イベントの当選によって取得した特典はオーダー情報管理装置が保持する必要がある。即ち、オーダー情報管理装置は、何れのユーザー又は場席が、如何なる特典を取得したのかを保持し、これを会計時などに反映させておく必要がある。更にそれぞれの携帯情報端末ごとにビンゴなどのイベントを発生させる事により、当選に近い状態の携帯情報端末からオーダーを行うなどの娯楽性も発揮させることができる。これは各テーブルに関連付けて複数の携帯情報端末からのオーダーを可能とすることにより、実現可能となっている。
【0038】
オーダー情報管理装置が上記のようなイベント制御手段を具備し、且つイベントを実行することにより、このオーダー情報管理装置を利用しない者との差別的優位性を提供することができる。その結果、オーダー情報管理装置の利用者(ユーザー)の利用促進を図る事ができる。
【0039】
また、上記本発明に係るオーダー情報管理装置では、携帯情報端末から送信された当該携帯情報端末が保有する固有の第二識別情報(例えば「機種製造番号」又は「ICカード番号」など)および、携帯情報端末に対する情報送信時に当該携帯情報端末を特定する固有の第三識別情報(例えば「電子メールアドレス」など)の少なくとも何れかを含んで構成されるユーザー情報を保持するユーザー情報保持手段と、当該ユーザー情報に関連付けて、これまでのオーダー情報を含む履歴を保持する履歴管理手段を具備する事ができる。
【0040】
履歴管理手段は、第二識別情報又は第三識別情報のいずれかに関連付けて、オーダー情報の履歴を保持しておくものであり、オーダーの内容の他、更に、何れの施設におけるオーダーなのかや、当該施設を利用したときの同伴者の人数、或いはオーダーの日付等を保持しておく事ができる。これらはテーブル形式、ファイル形式、データベース形式等としてオーダー情報管理装置を構成する記憶手段に形成することができる。
【0041】
このような履歴管理手段を具備することにより、当該携帯端末の保有者(ユーザー)の嗜好や施設の利用パターンを取得することができ、これにより当該ユーザーに対してキメ細やかなサービスや情報を提供することが可能になる。更に、これまでは清算時において、清算者単位で行われていた購買履歴の管理を、発注者単位、即ちオーダーした携帯端末ごとに購買履歴を管理することができる。その他にも、ユーザーごとに購買履歴を蓄積していることから、当該履歴(例えば利用回数や利用金額など)に応じてポイントを加算したり、割引などの特典を付与することができ、その結果、前記当該オーダー情報管理装置を利用することによる、利用しない者との差別化を提供することができる。
【0042】
また、上記本発明に係るオーダー情報管理装置では、携帯情報端末から送信された当該携帯情報端末が保有する固有の第二識別情報(例えば「機種製造番号」又は「ICカード番号」など)および、携帯情報端末に対する情報送信時に当該携帯情報端末を特定する固有の第三識別情報(例えば「電子メールアドレス」など)の少なくとも何れかを含んで構成されるユーザー情報を保持するユーザー情報保持手段と、当該ユーザー情報に関連付けて、当該ユーザーが印刷物の発行を希望するか否かを示す印刷物要/不要情報を保持する印刷物発行情報保持手段を具備する事ができる。
【0043】
印刷物発行情報保持手段は、そのユーザーが印刷物の発行を希望するか否かの情報(印刷物要/不要情報)を保持するものであり、印刷物の発行を希望するユーザーについてだけ印刷物を発行することができる。このような印刷物としては、例えばレシートや、クーポン券、広告などが考えられる。そして印刷物の発行を希望しないとの情報が付与されたユーザーに対しては、この印刷物の内容を電子メールなどで送付するか否かの付加情報を付する事ができる。オーダー情報管理装置が、このような印刷物の発行について必要か不要かの情報を保持することにより、印刷物の削減に伴うユーザーの環境保全意識を高め、これにより印刷物の発行に伴って発生する二酸化炭素等の地球温暖化ガスの排出量を削減することができる。このような地球温暖化ガスの排出量を削減する目的からすれば、当該印刷物の発行を不要とするユーザーに対しては何らかの特典を付与する事も望ましい。例えば、印刷物の発行を不要とするユーザーの携帯情報端末から送信されたオーダー情報については、当該オーダー時におけるイベントの当選確率を高めることが考えられる。この場合には、当該イベントの抽選を実行するプログラムにおいて、印刷物要/不要情報を参照乃至は取得するロジックが必要になる。
【0044】
また、上記本発明に係るオーダー情報管理装置では、更に、前記オーダー情報取得手段が取得したオーダー情報に基づいて、商品及び役務の少なくとも何れかを提供する提供施設における提供費用を集計する提供費用集計手段と、集計した提供費用に対して、携帯情報端末から送信された数値に基づいて演算を行い、当該演算結果を携帯情報端末に送信する提供費用演算結果送信手段を具備する事ができる。
【0045】
提供費用集計手段は、オーダーした商品や提供を受けた役務の対価を集計するものであり、これはオーダー情報に基づき、商品や役務の単価を規定する料金マスタ等を参照し、オーダーした金額を集計することでも実施することができる。そして提供費用演算結果送信手段は、提供費用を集計した合計金額に対して演算を行い、その結果を携帯情報端末に送信するものである。この演算に使用される数値などは携帯情報端末から送信されることになる。かかる提供費用集計手段および提供費用演算結果送信手段を具備することにより、例えば合計費用を人数や一定の割合で除する場合(割る場合)に、その金額を簡易に算出することができる。
【0046】
また、上記本発明に係るオーダー情報管理装置は、飲食店における場席などの第一識別情報について空き具合の情報を保有し、且つ携帯情報端末の機種IDの他、メールアドレスなどの第三識別情報を取得する事から、当該携帯情報端末に対して、飲食店における空席情報などを配信する事ができる。かかる携帯情報端末からの空席確認要求に応じて、当該飲食店における空席情報を通知するオーダー情報管理装置は、例えば前記第一識別情報が、商品及び役務の少なくとも何れかを提供する提供施設ごとに、一意の記号で構成されて複数付与されており、更に、前記第二識別情報(機種製造番号など)が対応付けられていない第一識別情報(場席番号・小売商品番号など)を空情報として保有する空情報保持手段と、携帯情報端末から送信された空情報の確認要求に応じて前記空情報保持手段を参照し、その参照結果を当該携帯情報端末に送信する様に構成する事ができる。
【0047】
更に本発明にかかるオーダー情報管理装置では、上記空席確認の処理に関連して、空席予約処理を実施するオーダー情報管理装置とする事ができる。即ち、更に、前記空情報保持手段の参照結果において1つ以上の空情報がある場合に、少なくとも何れかの空き情報に対応付けて、前記空情報の確認要求が行われた携帯情報端末における第二識別情報(機種製造番号)および第三識別情報(メアド)の少なくとも何れかを記録してこれを予約情報として保持する予約情報保持手段を具備するオーダー情報管理装置とすることができる。
【0048】
更に上記空席確認処理や空席予約処理に関連して、空席が出来た場合に、その旨をユーザーが保持する携帯情報端末に送信し、空席の存在を知らせるオーダー情報管理装置とする事ができる。即ち、更に、前記空情報保持手段の参照結果において空情報が無い場合に、前記空情報の確認要求が行われた携帯情報端末における第二識別情報(機種製造番号)および第三識別情報(メアド)の少なくとも何れかを記録して、これを空席待ち情報として保持する空席待ち情報保持手段と、前記空情報保持手段が1つ以上の空情報として取得した時に、当該空席待ち情報保持手段が保持する空席待ち情報に対して空き情報を配信する空き情報配信手段を具備するオーダー情報管理装置とすることができる。
【0049】
更に、上記空席確認処理や空席予約処理に関連して、携帯情報端末から送信されたこれらの情報の信憑性を確認する構成を具備する事が出来る。例えば、空席確認処理や空席予約処理の要求を行った携帯情報端末の所在地を、GPS位置情報などを取得する事で確認し、空席確認等を行った店舗まで実際に移動できる距離か否かを確認する事が出来る。即ち、更に、前記携帯情報端末からの空情報の確認要求と共に当該携帯端末の位置情報を取得する、位置情報取得手段と、取得した位置情報の場所から空情報の確認要求がなされた提供施設までの距離を算出するか、或いは取得した位置情報が規定の値か否かを判断する携帯体情報端末位置判断手段を具備するオーダー情報管理装置とするkとができる。
【0050】
そして本発明では、前記課題の少なくとも何れかの課題を解決する為に、前記オーダー情報管理装置を用いて形成したオーダー情報管理システムを提供する。
【0051】
即ち、ネットワークを介して接続されたサーバ装置とクライアント端末とからなるオーダー情報管理システムであって、当該サーバ装置として、請求項1〜7の何れか一項に記載されたオーダー情報管理装置が使用され、当該クライアント装置は、携帯情報端末から当該携帯情報端末が保有する固有の第二識別情報(例えば「機種製造番号」又は「ICカード番号」など)を取得する第二情報取得手段を具備するオーダー情報管理システムである。
【0052】
かかるオーダー情報管理装置によれば、上記本発明に係るオーダー情報管理装置が使用されていることから前記した効果を享受することができる。
【0053】
また、当該オーダー情報管理システムにおいて、前記クライアント装置は、第二情報取得手段が第二識別情報を取得した事を契機として、当該携帯情報端末に対して、携帯情報端末に対する情報送信時に当該携帯情報端末を特定する固有の第三識別情報(例えば「電子メールアドレス」など)を前記サーバ装置に送信するためのアプリケーションの起動要求を発する様に形成する事ができる。
【0054】
かかるオーダー情報管理システムによれば、簡易な操作で第三識別情報の送信処理を実施することができ、これによりユーザーにおける操作時の煩わしさを解消し、より多くのユーザーが簡易に第三識別情報を登録することができる。
【0055】
そして本発明では、前記課題の少なくとも何れかの課題を解決する為に、コンピュータに、商品及び役務の少なくとも何れかを提供する提供施設で付与された固有の第一識別情報(場席番号・小売商品番号)と、携帯情報端末から送信された当該携帯情報端末が保有する固有の第二識別情報(例えば「機種製造番号」又は「ICカード番号」など)とを対応付けて保持する施設内情報保持ステップと、携帯情報端末から送信された第二識別情報と商品及び役務の少なくとも何れかのオーダー情報(料理・小売商品購入個数)を取得するオーダー情報取得ステップと、取得したオーダー情報における第二識別情報に基づいて、前記ユーザ情報保持手段から固有の第一識別情報を取得し、当該第一識別情報を付与している提供施設に設置されているデバイスに対して第一識別情報とオーダー情報を送信するオーダー情報送信ステップとを実行させるオーダー情報を管理する為のプログラムを提供する。
【0056】
かかるプログラムにおいては、更に、前記施設内情報保持ステップでは、携帯情報端末に対する情報送信時に当該携帯情報端末を特定する固有の第三識別情報(例えば「電子メールアドレス」など)を、前記第二識別情報(例えば「機種製造番号」又は「ICカード番号」など)に関連付けて保持する事ができる。
【0057】
上記プログラムを使用することによっても前記した本発明に係るオーダー情報管理装置およびオーダー情報管理システムを実現でき、これにより前記の効果を享受することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
以下、図面に基づいて本発明に係るオーダー情報管理装置およびオーダー情報管理システムの1つの実施の形態を説明する。特に、この実施の形態ではオーダー情報管理システムを構成するサーバ装置としてオーダー情報管理装置を使用した例を示しており、図1は、このオーダー情報管理システムを構成するシステム構成を示しており、図2はオーダー情報管理装置のハードウエア構成を示している。
【0059】
先ず、図1に示すように、このオーダー情報管理システムは、サーバとして使用されるオーダー情報管理装置と、このサーバ装置にネットワークを介して接続可能な複数の携帯情報端末(ユーザ側クライアント端末)と、商品や役務を提供する施設に設置されるコンピュータ及びプリンタ32(店舗側クライアント端末)とで構成されている。携帯情報端末は、ユーザーが保持するものであり、例えばWebサイトの閲覧が可能なブラウザを搭載した携帯電話や、その他のPDA、或いは携帯可能なパーソナルコンピュータを使用することができる。また店舗側クライアントは、サーバ装置とインターネットなどの通信網を介して情報通信可能なソフトウエア(例えばWebブラウザ等のプログラム)を搭載したコンピュータを使用することができる。また、店舗側クライアント端末には、ユーザ側クライアント端末としての携帯情報端末が保有するSIMカードの製造番号を非接触で取得することのできるICカードリーダー31を伴って構成されている。
【0060】
このような構成において、何れかのユーザ側クライアントである携帯情報端末から、サーバ装置であるオーダー情報管理装置に対してオーダー情報が送信されると、オーダー情報管理装置は、取得したオーダー情報を解析することにより、オーダー情報を送信する店舗側クライアントを特定し、当該店舗に対してオーダー情報を送信する。この処理内容については、後に図3〜5に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0061】
図2は、このオーダー情報管理装置となり得る、サーバー装置10および店舗側クライアント30(以下、これらを合わせて「コンピュータ」とする)のハードウエア構成を示すブロック図である。この図に示すように、当該オーダー情報管理装置(および店舗側クライアント)を構成するコンピュータ800は、CPU801、メモリ802、音声出力装置803、ネットワークインタフェース804、ディスプレイコントローラ805、表示装置806、入力機器インタフェース807、キーボード808、マウス809、外部記憶装置810、記録媒体駆動装置811、記録媒体インタフェース812、およびこれらの構成要素を互いに接続するバス813を含んで構成することができる。ただし、音声出力装置803、ディスプレイコントローラ805、表示装置806、入力機器インタフェース807、キーボード808、およびマウス809は、オーダー情報管理装置においては必須の構成要素ではない。
【0062】
CPU801は、コンピュータ800の各構成要素の動作を制御し、オペレーティングシステム(以下、「OS」)の制御下で、各プログラムの実行をコントロールし、本発明に係るオーダー情報管理装置の各構成要素の動作を制御する。メモリ802は通常、不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)、および揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)から構成される。ROMには、コンピュータ800の起動時に実行されるプログラム等が格納される。RAMには、本実施の形態にかかるオーダー情報管理装置の各機能乃至は処理がCPU801で実行される際に、それを実現するためのプログラムや、それらのプログラムが実行中に使用するデータが格納される。
【0063】
音声出力装置803は、たとえば、スピーカ等のように音声を出力する機器であり、ネットワークインタフェース804は、インターネットやイーサーネットなどの各種のネットワーク820に接続するためのインタフェースである。
【0064】
ディスプレイコントローラ805は、CPU801が発する描画命令を実際に処理するための専用コントローラである。ディスプレイコントローラ805で処理された描画データは、一旦グラフィックメモリに書き込まれ、その後、表示装置としてのLCDやCRTで構成されるディスプレイ806に出力される。
【0065】
入力機器インタフェース807は、キーボード808やマウス809から入力された信号を受信して、その信号パターンに応じた所定の指令をCPU801に送信する。キーボード808やマウス809は、CPUに対して所定の指令を与える為に必要となる。
【0066】
外部記憶装置810は、たとえば、ハードディスクドライブ(HDD)のような記憶装置であり、この装置内には後述の処理を実行するプログラムやデータが記録され、実行時に、必要に応じてそこからメモリ802のRAMにロードされる。オーダー情報管理装置での演算に使用される演算ファイルや、処理を行う為のプログラム、および各種のデータなどが格納される記憶手段が、この外部記憶装置810に相当する。
【0067】
記録媒体駆動装置811は、CD(Compact Disc)、MO(Magneto−Optical Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの可搬型ディスクタイプの記録媒体830の記録面にアクセスして、そこに記録されているデータを読み取る装置である。記録媒体830には、本発明に係るオーダー情報管理装置を実現するためのプログラムも記録することが可能である。記録媒体830に記録されているデータは、記録媒体駆動装置811を介して外部記憶装置810に格納され、プログラムであれば、実行時にメモリ802のRAMにロードされる。
【0068】
また、本発明に係るオーダー情報管理装置を実現する(又は構築する)ためのプログラムの他の流通形態としては、ネットワーク上の所定のサーバから、ネットワーク820およびネットワークインタフェース804を介して外部記憶装置810に格納され、あるいは直接実行されるということも考えられる。このようなルートで格納されたプログラムは、上記と同様に、実行時にメモリ802のRAMにロードされ、実行される。
【0069】
記録媒体インタフェース812は、USBメモリ、SDメモリ、メモリスティックといった、半導体メモリ(たとえば、フラッシュメモリ)を備える可搬型メモリタイプの記録媒体840と接続端子等で接続し、そこに記録されているデータを読み取る装置である。記録媒体840には、ディスクタイプの記録媒体830と同様に、本発明に係るオーダー情報管理装置を実現するためのプログラムを記録することが可能である。
【0070】
次にこのオーダー情報管理システムにおける情報の送受信と処理内容について、図3の新規ユーザーについての入店処理フロー、図4の既存ユーザーについての入店処理フロー、及び図5のオーダー処理フロー、およびこれらの遷移画面(図11〜14の店舗側クライアント端末30における処理画面、及び図16〜20の携帯情報端末の遷移画面)に基づいて説明する。
【0071】
先ず、このオーダー情報管理システムの動作に際して、最初にユーザー登録が必要になる。この処理の流れを、入店時の処理とあわせて図3のフローチャート、図11の店舗側クライアント端末30の処理画面75、および図16の携帯情報端末の遷移画面を参照しながら説明する。
【0072】
先ず、新規にユーザーが来店した際に、店舗側クライアント端末30から人数と場席を指定する(図11参照)。即ち、店舗側クライアント端末30において「入店」を示すボタンを押下することにより、オーダー情報管理装置に新規入店を指示する情報を送信し、オーダー情報管理装置はこれを契機として来店人数および団体名(又はグループ名)の入力を要求する。この要求は、図11に示すように、店舗側クライアントのディスプレイに、「来店グループ情報」の入力画面75を表示させる事により行う事ができ、当該入力画面に対する店舗側クライアント端末30からの情報入力により、オーダー情報管理装置は当該情報を取得することができる。また、オーダー情報管理装置は、この「来店グループ情報」の表示と前後して、当該団体が着席する場席の指定を要求し、この場席の指定情報を取得する。場席の指定は、当該飲食店内に設置された場席の模式図で行う他、席番号等の入力により行う事ができる。
【0073】
上記店舗側クライアント端末30から入力された上記来店人数、団体名、および場席の情報は、インターネットなどの情報通信網を通じてサーバ装置としてのオーダー情報管理装置に送信される。
【0074】
オーダー情報管理装置では、店舗側クライアント端末30から入力された人数や場席の情報を取得すると、これを契機として、来店したユーザーが保有する携帯情報端末固有の機種ID(即ち第二識別情報)の取得を待機する(図12参照)。本実施の形態では、当該第二識別情報(機種ID)として、当該携帯情報端末に組み込まれているSIMカードの製造番号を取得している。かかる携帯情報端末におけるSIMカードの製造番号の取得は、店舗側クライアント端末30に付随して設けられる非接触型情報読取装置(例えば、「ICカードリーダー」など)に、ユーザーが保有する携帯情報端末を近接させる事により行うことができる。そしてICカードリーダーを介して店舗側クライアントが携帯情報端末の機種ID(即ち第二識別情報)を取得すると、この情報はオーダー情報管理装置に送信される。オーダー情報管理装置においては、場席と携帯情報端末の機種ID(即ち第二識別情報)との関連付けを行う。
【0075】
携帯情報端末の機種ID(本実施の形態ではSIMカードの製造番号)は、当該団体(即ち場席)に1つづつ設定する他、図12の機種ID登録画面76に示すように1つの団体(グループ)に複数の第二識別情報を登録する事もできる。特に、1つの第一識別情報に関連付けて複数の第二識別情報を登録した場合、何れの携帯情報からオーダーしても、当該オーダーは第一識別情報毎に保持するように構成することが望ましい。この場合、各携帯情報端末ごと、即ち第二識別情報ごとにオーダー情報を保持することも勿論可能である。
【0076】
またICカードリーダーにおいては、携帯情報端末の機種IDを取得した事を契機として、当該携帯情報端末に対して、電子メール送受信用のプログラム(以下、「メーラー」とする)を起動させるための起動要求を送信する。この起動要求を受信した携帯情報端末においては、メーラーが起動し、当該メーラーによって作成した電子メールをオーダー情報管理装置に送信可能な状態に作成する。このICカードリーダーからの起動要求に応じて起動したメーラーが作成する電子メールには、その送信先としてオーダー情報管理装置が指定されていることが望ましい。
【0077】
更に当該ICカードリーダーでは、前記メーラーの起動要求と共に、Webページ閲覧用のプログラム(以下「ブラウザ」とする)の起動要求を携帯情報端末に送信し、携帯情報端末においてはブラウザを起動させる。このとき、当該ICカードリーダーによって起動されるブラウザは、その接続先のURLとして、オーダー情報管理装置、特にオーダーするメニューを選択可能なWebページが指定されていることが望ましい。
【0078】
また、ICカードリーダーは、前記したようなメーラーの起動要求を行わずに、Webページ閲覧用のプログラム(以下「ブラウザ」とする)の起動要求を携帯情報端末に送信することもできる。この場合は、オーダー情報管理装置において利用者情報としての第二識別情報を取得する必要がある。この為に、当該ICカードリーダーによって起動されるブラウザの接続先のURLとして、図16に示すような会員登録画面52(携帯情報端末における遷移画面)にアクセスする為のURLを指定しておくことが望ましい。このような会員登録画面52を介して取得されるユーザー情報(「会員情報」とも言う)としては、メールアドレスの情報を必須とし、任意にニックネームや生年月日、性別、所在する都道府県等の情報を要求する事もできる。そしてこのユーザー登録の入力が終了すると、入力情報の確認画面51を表示した後、オーダーを行う事のできるオーダー入力画面50を表示させることができる。なお、図16(A)は、ユーザー登録の為の入力画面52であり、同(B)は入力情報の確認画面51、同(C)はユーザー登録後のオーダー入力画面50をそれぞれ示している。
【0079】
なお、上記した「入店」を示すボタンを押下から「来店グループ情報」の入力画面の表示、来店人数および団体名(又はグループ名)の取得、場席の指定、および第二識別情報の取得の処理は、これらのステップを実行するプログラムを店舗側クライアント端末30に導入しておけば、ネットワークによる情報の送受信回数を減じて、店舗側クライアント端末30において処理することもできる。この場合、店舗側クライアント端末30で取得した来店人数、団体名、当該団体の場席、当該場席に関連付けられた第二識別情報(機種ID)は、最終的にサーバ装置としてのオーダー情報管理装置に送信される。
【0080】
そして、オーダー情報管理装置では、以上のようにして人数および場席を指標する第一識別情報、機種IDを指標する第二識別情報、更にメールアドレスを指標する第三識別情報を取得すると、これらの情報を関連付けて保持する。特に、機種IDを示す第二識別情報とメールアドレスを示す第三識別情報については、当該ユーザーの履歴を保持する為に、ユーザー情報として外部記録装置810に保持しておく事が望ましい。この登録内容は、例えば図6に示すようなユーザ管理画面70で確認することができる。登録情報としては電子メールアドレス、およびユーザー登録した店舗情報の他、必要に応じて機種ID(SIMカード番号など)とすることができる。ここでユーザーを識別するIDとしては、当該電子メールアドレスを使用する他、機種ID(SIMカード番号など)を使用することができる。
【0081】
更に、ユーザーが所持する携帯情報端末が、非接触により機種IDを送信できない携帯情報端末である場合、当該ユーザーの会員登録は、前記図16に示した処理で行う事ができる。即ち、図16に示すようなユーザー情報の登録画面を、例えばWebペイジとして提供しておき、このWebペイジを介してオーダー情報管理装置に対する会員情報の送信を行うものである。かかるWebペイジへのアクセスは、インターネットにおけるサービス(ASP)を利用して検索したり、URLを入力したりする他、QRコード等のバーコードの読取により接続先のURLを取得し、アクセス可能とする事もできる。なお、このユーザー情報の登録画面の入力情報については、前述した通りである。
【0082】
次に、図4に示すフローチャートを参照しながら、既にユーザー登録を済ませている場合の再来店時の入店処理を説明する。
【0083】
この図に示すように、ユーザーが入店すると、前記図3の新規ユーザー来店時と同じように人数及び場席を店舗側クライアントで指定し、これをオーダー情報管理装置に送信する。これらの情報を取得したオーダー情報管理装置においては、当該場席に関連付ける機種ID(第二識別情報)の取得を待機する。そして、店舗側クライアントに設けられるICカードリーダーから機種IDを取得すると、オーダー情報管理装置では、当該機種IDについてユーザデータベースを参照し、該当する登録情報(ユーザー登録情報)の有無を確認する。そして機種IDと電子メールアドレスと場席とを対応させて保持する。またICカードリーダーにおいては、機種ID(第二識別情報)を取得すると、その携帯情報端末に対してWebページ閲覧用のプログラム(以下「ブラウザ」とする)の起動要求を送信する。これにより携帯情報端末においてはブラウザを起動させる。このとき、当該ICカードリーダーによって起動されるブラウザは、その接続先のURLとして、オーダー情報管理装置、特にオーダーするメニューを選択可能なWebページが指定されていることが望ましい。
【0084】
以上のようにして、オーダー情報管理装置は、オーダー情報を送信するための携帯情報端末を特定する第二識別情報と、当該携帯情報端末を保有するユーザーが着席した場席を特定する第一識別情報とを関連付けて保持することができる。そこで次にこのような関連付けが行われた後におけるオーダーの処理の流れを図5及び図17を参照しながら説明する。
【0085】
先ず、前記のような来店時におけるユーザー登録の処理(即ち入店処理)により、オーダーを入力するためのWebページ(オーダー入力画面50)へのアクセスを許容し、当該情報通信を開始する。そして、図17に示すような携帯情報端末における遷移画面に従ってオーダー情報を入力する。即ち、ユーザーが入店した飲食店のメニューを保持するトップ画面において、メニューブックからオーダーするか、或いは商品番号からオーダーするかを選択する。ここで選択する項目により、それぞれアクセスするWebページを異ならせている。
【0086】
オーダーの為のトップ画面(オーダー入力画面50)からメニューブックによるオーダーを選択すると、料理の種類乃至はジャンルによって分類されているオーダー品目(メニュー)を選択するためのメニューブックトップ画面53に移行する。そしてメニューブックトップ画面53において、任意の品目をチェックすると、当該オーダー品目(メニュー)に包含されるメニューを表示するメニューブック画面54に移行する。ユーザーは、このメニューブック画面54から必要なメニューについて数量をプルダウン形式で選択し、要求するオーダー品目を特定する。かかるオーダー情報管理装置が提供するメニューは、料理の種類乃至はジャンルに応じて階層化されていることが望ましく、更に当該分類および分類に付される名称は、各場席に設置される印刷物としてのメニューに合致している事が望ましい。各場席に設置される印刷メニューとオーダーペイジの階層とが一致している事により、ユーザーは目的とするオーダー品目(メニュー)を簡易且つ迅速に探し出す事ができる為である。
【0087】
また、オーダーの為のトップ画面(オーダー入力画面50)から商品番号によるオーダーを選択すると、商品番号から注文画面56に移行する。この注文画面56では、商品番号を場席に設置された印刷物のメニューから選択、指定することができ、また必要とする数量をプルダウン形式で選択することができる。
【0088】
以上のようにしてオーダーするメニューを選択すると、当該メニューの何れかについて、更に複数の調理方法乃至は提供方法がある場合には、それを特定する為に商品オプション選択画面55を携帯情報端末に表示させる。拠って、本実施の形態に係るオーダー情報管理装置が保持する各メニューを規定するレコードは、オプションの有無を分類するフィールド乃至はフラグを保持することが必要である。また、オーダー情報管理装置がオーダーしたメニュー品目情報を取得した場合には、その中のメニュー品目の何れかがオプション設定を有するか否かを解析することが必要になる。なお、このような商品オプション選択画面55を表示せずに、メニューブック画面54で分けて表示する事も可能である。
【0089】
また、オーダーするメニューについての詳細を確認する場合には、更に商品詳細画面57を表示させる事もできる。よって、オーダー情報管理装置が提供する画面は、当該商品詳細画面57に案内する為のリンク情報を保持することが望ましい。
【0090】
以上のようにして一連のオーダー品目が確定すると最後に注文伝票画面58を表示させ、オーダーする内容の最終確認を行う事ができるようにしている。この注文伝票画面58で注文確定を選択することにより、当該オーダー情報はオーダー情報管理装置に送信される(図5参照)。
【0091】
なお、図5のフローチャートには明示していないが、オーダー情報管理装置が当該オーダー情報を受信すると電子ルーレットなどのイベントを開始することができる。このイベントの開催内容は、オーダー情報を送信した携帯情報端末に表示され、その抽選結果はオーダー情報管理装置が保持することになる。ただし、オーダー情報管理装置が保持する抽選結果は、イベントにおける当選時の特典情報だけにすることも可能である。
【0092】
そして、前記のようにオーダー情報を受信したオーダー情報管理装置では、オーダー情報と共に送信された機種ID(「SIMカード製造番号」)から、当該オーダー情報を送信した携帯情報端末を特定し、かつ入店処理時に関連付けて記憶手段に保持した情報から場席を特定する。
【0093】
このような処理において、携帯情報端末からオーダー情報を送信するに際して、通常であれば機種ID(「SIMカード製造番号」)が同時に送信されることから、オーダー情報管理装置においては、当該オーダー情報から機種ID(第二識別情報)を取得し、更にこの機種IDから、入店処理時に関連付けて記憶手段に保持した情報に基づいて、当該ユーザーが着席している場席を特定するものである。そして、オーダー情報管理装置では、この特定した場席とオーダー情報におけるオーダー品目(メニュー)を組み合わせ、これを各店舗側クライアント、または当該店舗側クライアントに付随するプリンターに送信する。なお、このプリンタがネットワーク対応のプリンタであれば、オーダー情報管理装置から直接オーダー情報を当該プリンタに送信することができる。
【0094】
そして飲食店などにおいては、プリンタから出力されたオーダー情報に基づいてオーダー品目(メニュー)を調理し、これを指定された場席に配膳することができる。これにより、オーダーから調理場への調理の指示までの流れは、ユーザーが携帯情報端末を介してオーダーすることにより、オーダー情報管理装置で処理することができ、そのための人員を大幅に削減することができる。
【0095】
また、図18はオーダーしたオーダー品目(メニュー)の確認時における処理を示す携帯情報端末における遷移画面である。即ち、ユーザーが携帯情報端末を介してアクセス可能なオーダー入力画面50に、現在オーダーしている品目を一覧表示する注文明細画面59へのリンク情報を設けている。そしてこのリンク情報の選択により注文明細画面59への移動を可能としている。また、オーダー入力画面50には、既に注文したメニュー品目の取消を行う為の注文伝票画面60へのリンク情報を設けている。そしてこのリンク情報の選択により注文伝票画面60への移動を可能としている。この注文伝票画面60には、先にオーダーしているが、未だ配膳されていないメニュー品目が一覧表示されている。よってオーダー情報管理装置は、既に配膳したメニュー品目か否かを、店舗側クライアント端末30からの入力情報か、或いはオーダー情報を受領した後からの経過時間などにより取得乃至は判断することが望ましい。ただし、この注文伝票画面60に表示するメニュー品目は、既に配膳したものも含めて、オーダーされた全てのメニュー品目を表示することもできる。この場合には、当然のことながら、オーダー情報管理装置において既に配膳したメニュー品目か否かを判断する必要はなくなる。
【0096】
図19は上記した一連のオーダー処理などを行い、ユーザーが希望する全ての役務を提供した後における、会計処理の流れを示す携帯情報端末における遷移画面である。以下、この図19を参照しながら、会計処理の流れを説明する。
【0097】
先ず、ユーザーが携帯情報端末に表示されているオーダー入力画面50から、リンクボタンを押下することにより、オーダー情報管理装置は、会計処理を要求する為の会計依頼画面61を携帯情報端末に提供する。この会計依頼画面61には、ユーザーによるアンケートの入力を促すアンケート画面62へのリンク情報と、複数の利用者で会計金額の負担額を演算する為の割り勘計算処理を行う割り勘方法選択画面65へのリンク情報と、会計依頼を確定する会計依頼完了画面62へのリンク情報が設けられている。
【0098】
この会計依頼画面61からアンケート画面62に移動した場合には、オーダー情報管理装置は料理の味、料理の量、価格など、任意に設定した項目についての情報の入力画面を携帯情報端末に表示させ、これらの情報の取得を待機する。そして、これらのアンケート項目についての情報が送信されると、当該アンケート結果を第一識別情報、第二識別情報、および第三識別情報の少なくとも何れかに関連付けて保持することができる。また、アンケート結果の送信のあった携帯情報端末を特定する第二識別情報、および第三識別情報の少なくとも何れかに関連付けて、特典を付与することを指標する情報又はフラグを保持する事もできる。
【0099】
また上記したアンケート画面への移行は、会計依頼の後に強制的に移行するように構成する事もできる。即ち、アンケート画面63へのリンク情報を伴わない会計依頼画面64を携帯情報端末に表示させ、会計依頼完了画面62へのリンク情報の選択により、強制的にアンケート画面63に移行させるものである。このように構成すれば、通常は取得が困難なアンケート情報を確実に取得することができる。
【0100】
そして会計依頼画面61から割り勘方法選択画面65への移動が行われた場合、オーダー情報管理装置は、図20に示す画面遷移に示す処理を実行する。即ち、図20の割り勘処理における遷移画面に示すように、携帯情報端末に表示された会計依頼画面64から割り勘方法選択画面への移動が支持されると、これを受けてオーダー情報管理装置は割り勘方法選択画面65を携帯情報端末に提供する。この割り勘方法選択画面65では、1つ又は2つ以上の割り勘方法を一覧表示しており、ユーザーは携帯情報端末を操作して何れかの方法を選択し、その選択情報をオーダー情報管理装置に送信する。
【0101】
オーダー情報管理装置では、この選択情報に応じて、当該選択した割り勘方法を実施する為の画面、即ち演算に必要な情報の入力項目、および演算結果を表示する画面66を携帯情報端末に提供する。この実施の形態では、割り勘画面66として、合計金額を人数で割る単純な割り算を行う単純割り勘画面66a、男女間で支払い金額が異なる重み付きの演算を行う男女割り勘画面66b、グループの中の1人または2人以上が一定の金額を支払い、残りに対して割り算を行う宴会割り勘画面66c、合計金額から一定の会費の合計を除し、残金に対して割り算を行う会費割り算画面66d、および全員が一定額を支払い、合計金額を減じた残金に対して割り算を行う幹事割り勘画面66eを提供している。
【0102】
以上のような割り勘画面66により演算を行った後、会計依頼完了画面67に移動することにより、会計を終了することができる。
【0103】
また、本実施の形態に係るオーダー情報管理装置では、店舗側クライアント端末30を操作することにより、来店者の新規登録処理、退店処理、テーブル(場席)の移動処理、テーブル(場席)の追加/削除処理、オーダー明細の表示・変更処理、会計処理を実施することができる。このような処理の開始に際しては、店舗側クライアント端末30において、情報処理を行う場席を選択し、図13に示すような、当該場席に対する管理処理画面77から行う事ができる。かかる管理処理画面77における項目を選択することにより、各処理を実施する。具体的には、来店者の新規登録処理は、前記入店処理と同じ処理が行われる。退店処理では、当該場席に関連付けたオーダー情報の取得の終了、又は何れかの携帯情報端末に関連付けられたオーダー情報の取得の終了を実施する。テーブルの移動やテーブルの移動・削除を行う処理では、既に設定した第一識別情報の変更、追加又は削除を実施する。またオーダー明細の表示・変更処理や会計処理では、前記携帯情報端末から行ったのと同じ処理を実施する。
【0104】
そして、店舗側クライアント端末30から会計処理を行った場合には、当該店舗側クライアント端末が具備するディスプレイ806に、図14に示す会計処理画面78を表示させる。この会計処理画面78では、来店した団体ごとに付与されたグループ番号毎に検索・表示することができ、また未会計商品を一覧で表示する事も可能になっている。なお、この未開系商品一覧を表示し得る前提として、当該団体に含まれる何れかのユーザーが保持する携帯情報端末から、当該端末でオーダーした商品の会計が終了しており、その他の商品についての会計がまだ終了していないことを想定している。この為、当該オーダー情報管理装置は、携帯情報端末ごと、即ち第二識別情報又は第三識別情報ごとの会計が可能なように、各携帯情報端末からのオーダー情報を保持している。
【0105】
そしてこの会計処理画面78には、オーダー情報管理装置における演算結果として、オーダーした商品の税込み金額や、何らかの特典に基づく割引金額、およびその合計金額を表示する。
【0106】
図15は、このオーダー情報管理装置における管理画面79を表示しており、この管理画面は、店舗側クライアント端末30からそう差可能になっている。そしてこの管理項目としては、注文した商品(オーダー品目)の個数変更や、取消または返品処理、当該飲食店における品切れ項目を設定する品切れ設定処理、その店舗の従業員が所持する従業員携帯の管理処理、および各情報を保持しているテーブルやマスタのメンテナンス処理を行う事ができる。特に、品切れ設定処理では、既に提供できなくなった商品についてフラグを設定することができ、この品切れの設定が行われた商品に対するオーダーが行われた場合には、オーダー情報を送信した携帯情報端末に対して、品切れであることを示す情報を送信するように構成することができる。また、従業員携帯管理処理では、当該店舗内でサービスを提供する従業員が保持する携帯情報端末の第二識別番号または第三識別番号を特定する。特に第三識別番号によって当該携帯情報端末を所持するものを特定することにより、ユーザー側が保持する携帯情報端末から送信された情報を、特定の従業員に対して通知することが可能になる。
【0107】
図7〜10は、当該オーダー情報管理装置を管理する為に、このオーダー情報管理装置の運営者で設定する項目を表示する画面を、それぞれ示している。特に本実施の形態では、1つの企業グループで1又は複数の飲食店である企業を運営し、各企業ごとに1又は複数の店舗を運営している場面を想定した例である。図7では、当該オーダー情報管理装置を利用してオーダー情報を取得する企業グループを管理する為の画面71および入力項目であり、この図に示すように各企業グループ毎に、修正および削除を行う事が可能になっている。図8はこの企業グループの登録又は修正を行う為の入力画面72および入力項目を示しており、それぞれの企業グループについては、この図8に示す項目が登録されている。図9は各企業グループに属する企業を一覧表示させて、これを管理する為の画面73である。そして、図10は、このオーダー情報管理装置によってオーダーを受け付ける飲食店などの店舗を一覧表示する画面74である。
【産業上の利用可能性】
【0108】
上記本発明に係るオーダー情報管理装置をサーバ装置として使用することにより、オーダーを受ける為の人員を削減することができ、しかも聞き間違えによる受注ミスを削減することができる。よって、本発明は飲食物の提供を行う役務のみならず、その他の受注業務を伴う役務や、商品の販売を行う業務においても利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】オーダー情報管理システムを構成するシステム構成を示す略図
【図2】オーダー情報管理装置のハードウエア構成を示すブロック図
【図3】新規ユーザーについての入店処理を示すフローチャート
【図4】既存ユーザーについての入店処理を示すフローチャート
【図5】携帯情報端末からのオーダー処理を示すフローチャート
【図6】ユーザ管理画面を示す略図
【図7】オーダー情報管理装置を利用してオーダー情報を取得する企業グループを管理する為の管理画面を示す略図
【図8】企業グループの登録又は修正を行う為の入力画面を示す略図
【図9】各企業グループに属する企業を一覧表示させて管理する画面の略図
【図10】オーダー情報管理装置によってオーダーを受け付ける飲食店などの店舗を一覧表示する画面の略図
【図11】店舗側クライアント端末における入店処理画面を示す略図
【図12】来店したユーザーが保有する携帯情報端末固有の機種ID(第二識別情報)の取得画面の略図
【図13】店舗側クライアント端末における来店者の管理画面を示す略図
【図14】店舗側クライアント端末における会計処理画面を示す略図
【図15】オーダー情報管理装置における管理画面を示す略図
【図16】携帯情報端末における会員登録画面の遷移を示す略図
【図17】携帯情報端末におけるオーダー情報の入力の遷移を示す略図
【図18】携帯情報端末におけるオーダー品目の確認時の画面の遷移を示す略図
【図19】携帯情報端末における会計処理の流れにおける画面の遷移を示す略図
【図20】携帯情報端末における割り勘処理の流れにおける画面の遷移を示す略図
【符号の説明】
【0110】
10 サーバー装置(オーダー情報管理装置)
30 店舗側クライアント端末
31 カードリーダー
32 プリンタ
50 オーダー入力画面
52 会員登録画面
54 メニューブック画面
55 商品オプション選択画面
58 注文伝票画面
59 注文明細画面
61 会計依頼画面
62 アンケート画面
65 勘方法選択画面
70 ユーザ管理画面
800 コンピュータ
802 メモリ
803 音声出力装置
804 ネットワークインタフェース
806 ディスプレイ(表示装置)
807 入力機器インタフェース
808 キーボード
809 マウス
810 外部記憶装置
812 記録媒体インタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品及び役務の少なくとも何れかを提供する提供施設におけるオーダー情報を取得し、当該オーダー情報を提供施設に送信するオーダー情報管理装置であって、当該オーダー情報管理装置は、
商品及び役務の少なくとも何れかを提供する提供施設で付与された固有の第一識別情報と、携帯情報端末から送信された当該携帯情報端末が保有する固有の第二識別情報とを対応付けて保持する施設内情報保持手段と、
携帯情報端末から送信された第二識別情報と商品及び役務の少なくとも何れかのオーダー情報を取得するオーダー情報取得手段と、
取得したオーダー情報における第二識別情報に基づいて、前記ユーザ情報保持手段から固有の第一識別情報を取得し、当該第一識別情報を付与している提供施設に設置されているデバイスに対して第一識別情報とオーダー情報を送信するオーダー情報送信手段とからなる、オーダー情報管理装置。
【請求項2】
前記施設内情報保持手段は、更に、携帯情報端末に対する情報送信時に当該携帯情報端末を特定する固有の第三識別情報を、前記第二識別情報に関連付けて保持する、請求項1に記載のオーダー情報管理装置。
【請求項3】
複数の携帯情報端末について、各携帯情報端末から送信された当該携帯情報端末が保有する固有の第二識別情報および、各携帯情報端末に対する情報送信時に当該携帯情報端末を特定する固有の第三識別情報の少なくとも何れかを保持するユーザー情報保持手段と、
何れかの携帯情報端末から送信された指令情報を取得し、当該指令情報および当該指令情報を送信した携帯情報端末についての第二識別情報または第三識別情報の少なくとも何れかに基づいて、前記指令情報又はその応答情報の送信先を特定する応答情報送信先特定手段を具備する、請求項2に記載のオーダー情報管理装置。
【請求項4】
更に、前記オーダー情報取得手段におけるオーダー情報の取得を契機とするイベントの実行およびイベントにおける当選確率を制御するイベント制御手段を具備する、請求項1〜3の何れか一項に記載のオーダー情報管理装置。
【請求項5】
携帯情報端末から送信された当該携帯情報端末が保有する固有の第二識別情報および、携帯情報端末に対する情報送信時に当該携帯情報端末を特定する固有の第三識別情報の少なくとも何れかを含んで構成されるユーザー情報を保持するユーザー情報保持手段と、
当該ユーザー情報に関連付けて、これまでのオーダー情報を含む履歴を保持する履歴管理手段を具備する、請求項1〜4の何れか一項に記載のオーダー情報管理装置。
【請求項6】
携帯情報端末から送信された当該携帯情報端末が保有する固有の第二識別情報および、携帯情報端末に対する情報送信時に当該携帯情報端末を特定する固有の第三識別情報の少なくとも何れかを含んで構成されるユーザー情報を保持するユーザー情報保持手段と、
当該ユーザー情報に関連付けて、当該ユーザーが印刷物の発行を希望するか否かを示す印刷物要/不要情報を保持する印刷物発行情報保持手段を具備する、請求項1〜5の何れか一項に記載のオーダー情報管理装置。
【請求項7】
更に、前記オーダー情報取得手段が取得したオーダー情報に基づいて、商品及び役務の少なくとも何れかを提供する提供施設における提供費用を集計する提供費用集計手段と、
集計した提供費用に対して、携帯情報端末から送信された数値に基づいて演算を行い、当該演算結果を携帯情報端末に送信する提供費用演算結果送信手段を具備する請求項1〜6の何れか一項に記載のオーダー情報管理装置。
【請求項8】
ネットワークを介して接続されたサーバ装置とクライアント端末とからなるオーダー情報管理システムであって、
当該サーバ装置として、請求項1〜7の何れか一項に記載されたオーダー情報管理装置が使用され、
当該クライアント装置は、携帯情報端末から当該携帯情報端末が保有する固有の第二識別情報を取得する第二情報取得手段を具備することを特徴とする、オーダー情報管理システム。
【請求項9】
前記クライアント装置は、第二情報取得手段が第二識別情報を取得した事を契機として、当該携帯情報端末に対して、携帯情報端末に対する情報送信時に当該携帯情報端末を特定する固有の第三識別情報を前記サーバ装置に送信するためのアプリケーションの起動要求を発することを特徴とする、請求項8に記載のオーダー情報管理システム。
【請求項10】
コンピュータに、
商品及び役務の少なくとも何れかを提供する提供施設で付与された固有の第一識別情報と、携帯情報端末から送信された当該携帯情報端末が保有する固有の第二識別情報とを対応付けて保持する施設内情報保持ステップと、
携帯情報端末から送信された第二識別情報と商品及び役務の少なくとも何れかのオーダー情報を取得するオーダー情報取得ステップと、
取得したオーダー情報における第二識別情報に基づいて、前記ユーザ情報保持手段から固有の第一識別情報を取得し、当該第一識別情報を付与している提供施設に設置されているデバイスに対して第一識別情報とオーダー情報を送信するオーダー情報送信ステップとを実行させることを特徴とする、オーダー情報を管理する為のプログラム。
【請求項11】
更に、前記施設内情報保持ステップでは、携帯情報端末に対する情報送信時に当該携帯情報端末を特定する固有の第三識別情報を、前記第二識別情報に関連付けて保持する、請求項10に記載のオーダー情報を管理する為のプログラム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−157153(P2010−157153A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−335758(P2008−335758)
【出願日】平成20年12月29日(2008.12.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(508160819)ITカーズ株式会社 (8)
【Fターム(参考)】