説明

オーバーキャップ付エアゾール容器

【課題】残留ガスを排出する際にガスの吐出量を調整することができるオーバーキャップ付エアゾール容器を提供すること。
【解決手段】オーバーキャップ3が、エアゾール容器2に着脱可能に嵌合される下キャップ部21と、下キャップ部21上に中心軸線O回りで回転可能に取り付けられた上キャップ部22とを備え、下キャップ部21が、中央部に開口部31Aが形成された第1天板部31と、開口部31A内に形成された環状凸部36とを有し、上キャップ部22が、第1天板部31よりも中心軸線O方向上方に間隙をあけて配置された第2天板部41と、第2天板部41に下方に向けて延設されて開口部31A内に挿通された押下筒部44と、押下筒部44の外周面に形成されて環状凸部36と係合する螺旋状溝部45とを有し、螺旋状溝部45は、上キャップ部22を中心軸線O回りで回転させると、押下筒部44を中心軸線O方向に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーバーキャップ付エアゾール容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のエアゾール容器として、上方付勢状態で立設されたステムと、このステムに取り付けられた噴霧ヘッドとを備える構成が知られている。このようなエアゾール容器は、容器内の残留ガスを完全に排出した状態で廃棄することが求められている。そこで、オーバーキャップの天板部の下面に凸部材を設け、この凸部材により噴霧ヘッドの上端面を押し下げて残留ガスを抜き出すことを図ったオーバーキャップ付エアゾール容器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−31158号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来のオーバーキャップ付エアゾール容器においても、以下の課題が残されている。すなわち、従来のオーバーキャップ付エアゾール容器では、残留ガスを排出する際の噴霧ヘッドの押下量が一定となるため、ガスの吐出量を調整できず、徐々にガスを抜くことができないという問題がある。
【0004】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、残留ガスを排出する際にガスの吐出量を調整することができるオーバーキャップ付エアゾール容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するために以下のような手段を採用した。すなわち、本発明のオーバーキャップ付エアゾール容器は、上方付勢状態で立設されたステム及び該ステムに取り付けられた噴霧ヘッドを備えるエアゾール容器と、該エアゾール容器に着脱可能に嵌合されるオーバーキャップとを備えるオーバーキャップ付エアゾール容器であって、前記オーバーキャップが、前記エアゾール容器に着脱可能に嵌合される下キャップ部と、該下キャップ部上に中心軸線回りで回転可能に取り付けられた上キャップ部とを備え、前記下キャップ部が、中央部に開口部が形成された第1天板部と、前記開口部内に形成された第1回転係合部とを有し、前記上キャップ部が、前記第1天板部よりも前記中心軸線方向上方に間隙をあけて配置された第2天板部と、前記第2天板部に下方に向けて延設されて前記開口部内に挿通された押下部と、該押下部の外周面に形成されて前記第1回転係合部と係合する第2回転係合部とを有し、該第2回転係合部は、前記上キャップ部を前記下キャップ部に対して前記中心軸線回りで相対的に回転させると、前記押下部を前記中心軸線方向で移動させることを特徴とする。
【0006】
この発明によれば、押下部の下端部が噴霧ヘッドと共にステムを押し下げてこの押下量を調整することで、エアゾール容器内の残留ガスを徐々に抜き出すことができる。すなわち、上キャップ部を下キャップ部に対して相対的に中心軸線回りで回転させると、第2回転係合部が第1回転係合部によって案内される。このため、押下部が中心軸線方向下方にねじ込まれていく。そして、押下部の下端部が噴霧ヘッドと共にステムを押下することで、残留ガスが抜き出される。このとき、押下部のねじ込み量を調整することで、噴霧ヘッド及びステムの押下量が調整できる。したがって、残留ガスを排出する際にガスの吐出量を調整することができ、残留ガスを徐々に抜き出せる。また、残留ガスを抜き出している間に上キャップ部を反対方向に回転させると、残留ガスの抜き出しを中断することができる。
【0007】
また、本発明のオーバーキャップ付エアゾール容器は、前記第1及び第2回転係合部のいずれか一方が、前記中心軸線回りに該中心軸線方向に沿って螺旋状に延びる螺旋状溝部であり、前記第1及び第2回転係合部のいずれか他方が、前記螺旋状溝部と係合する係合凸部であることとしてもよい。
この発明では、上キャップ部を回転させると、係合凸部が螺旋状溝部に沿って案内されることで、押下部が中心軸線方向下方にねじ込まれていく。
【0008】
また、本発明のオーバーキャップ付エアゾール容器は、前記第2天板部には、前記押下部を囲む折曲溝部が形成されていることが好ましい。
この発明では、押下部が中心軸線方向下方にねじ込まれていく際、第2天板部の中央部が中心軸線方向下方に向けて突出するように変形するが、折曲溝部を形成することで、この折曲溝部を起点として第2天板部が折れ曲がり、第2天板部を安定かつ容易に変形できる。
【0009】
また、本発明のオーバーキャップ付エアゾール容器は、前記第1天板部の上面には、上方に向けて突出する第1ストッパ凸部が設けられ、前記第2天板部の下面には、下方に向けて突出し、前記第1ストッパ凸部と当接する第2ストッパ凸部が設けられていることが好ましい。
この発明では、第1及び第2天板部間の間隙を確保できると共に、残留ガス抜きを行わない場合において第2天板部の中心軸線方向下方への変形強度を高めることができる。
【発明の効果】
【0010】
この発明にかかるオーバーキャップ付エアゾール容器によれば、上キャップ部の回転によって押下部の下端部のねじ込み量を調整することで、残留ガスを排出する際にガスの吐出量を調整することができ、残留ガスを徐々に抜き出せる。また、残留ガスを抜き出している間に上キャップ部を反対方向に回転させると、残留ガスの抜き出しを中断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明によるオーバーキャップ付エアゾール容器の第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
【0012】
本実施形態におけるオーバーキャップ付エアゾール容器1は、図1に示すように、エアゾール容器2と、エアゾール容器2に嵌合されるオーバーキャップ3とを備えている。なお、本実施形態において、オーバーキャップ付エアゾール容器1の中心軸線Oに沿ってオーバーキャップ3側を上方、エアゾール容器2側を下方とする。
【0013】
エアゾール容器2は、容器本体11と、容器本体11に上方付勢状態で立設されたステム12と、ステム12が嵌合されて導入口を有する噴霧ヘッド13とを備えている。
容器本体11は、胴部15と、この胴部15の上端に設けられた肩部16とを備えており、上端開口部にマウンティングカップ17が巻き締められている。肩部16は、中心軸線O方向の上方に向かうにしたがって漸次縮径された外周面形状となっている。
【0014】
オーバーキャップ3は、図1及び図2に示すように、容器本体11に嵌合して取り付けされる下キャップ部21と、下キャップ部21に取り付けられる上キャップ部22とを備えている。
下キャップ部21は、第1天板部31と、第1天板部31の外周縁からほぼ垂下する第1周壁部32とを備えている。
第1天板部31は、平面視でほぼ円形をなしており、中央部に第1天板部31と同心の円形をなす開口部31Aが形成されている。また、第1天板部31は、外周部から開口部31Aに向けて下方に向けてほぼ円錐状に傾斜する傾斜部となっている。そして、第1天板部31には、3本のリブ部33が周方向等間隔で形成されると共に、開口部31Aに案内筒部34が連設されている。
【0015】
リブ部33それぞれにおいて第1天板部31の中心側の端部は、案内筒部34の上端部に接続されている。また、リブ部33それぞれの上面には、第1ストッパ凸部35が設けられている。
案内筒部34は、中心軸線が中心軸線Oと一致するほぼ円筒状をなしている。また、案内筒部34は、上端部が開口部31Aよりも上側に突出しており、その高さが第1天板部31の上面高さとほぼ一致している。そして、案内筒部34の軸方向中央部における内周面には、案内筒部34の周方向にわたる環状凸部(係合凸部、第1回転係合部)36が形成されている。
【0016】
第1周壁部32は、中心軸線が中心軸線Oと一致するほぼ円筒状をなしている。また、第1周壁部32の上端部には、上側に向けて突出する取付凸部37が設けられている。取付凸部37における上端部は、径方向外方に向けて突出している。そして、第1周壁部32の上端部には、図3に示すように、断面L字状をなすガス抜溝38が形成されている。
また、第1周壁部32の下端部における内周面は、図1に示すように、マウンティングカップ17と嵌合している。
【0017】
上キャップ部22は、図1及び図2に示すように、平面視円形をなす第2天板部41と、ほぼ円筒状をなして第2天板部41の外周縁からほぼ垂下する第2周壁部42とを備えている。
第2天板部41の下面には、第1ストッパ凸部35と同様に3つの第2ストッパ凸部43が周方向等間隔で形成されていると共に、下方に向けて突出する押下筒部(押下部)44が延設されている。
第2ストッパ凸部43それぞれは、オーバーキャップ3を用いた残留ガス抜きを行わない状態において、平面視で第1ストッパ凸部35それぞれと重なる位置に形成されており、下方に向けて突出している。そして、第2ストッパ凸部43それぞれの下面は、第1ストッパ凸部35それぞれの上面と接している。
【0018】
押下筒部44は、中心軸線が中心軸線Oと一致するほぼ円筒状をなしている。また、押下筒部44の下端は、オーバーキャップ3を用いたガス抜きを行わない状態において、噴霧ヘッド13の上端部から離間している。そして、押下筒部44の上部における外周面には、螺旋状溝部(第2回転係合部)45が形成されている。
螺旋状溝部45は、押下筒部44の外周面においてその中心軸線が中心軸線Oと一致するような螺旋状をなして形成されており、環状凸部36が係合されている。したがって、上キャップ部22を下キャップ部21に対して相対的に中心軸線O回りの一方向(図4に示す矢印R方向)に回転させると、環状凸部36が螺旋状溝部45に沿って案内され、押下筒部44が中心軸線O方向下方にねじ込まれる構成となっている。
【0019】
また、第2天板部41の下面には、環状の折曲溝部41A、41Bが形成されている。折曲溝部41Aは、押下筒部44の基端部における外周縁近傍に形成され、折曲溝部41Bは、第2天板部41の外周縁近傍に形成されており、共に押下筒部44を囲むように形成されている。そして、第2天板部41における折曲溝部41A、41Bの形成領域が薄肉化されている。
【0020】
第2周壁部42の外周面には、中心軸線O方向に沿う滑り止め用の溝部が周方向で複数形成されている。
第2周壁部42の下端部における内周面には、周方向にわたって取付凸部37の上端部に形成された凸部と係合する取付溝部46が形成されている。
【0021】
次に、以上のような構成のオーバーキャップ付エアゾール容器1による残留ガスの抜き出し方法について説明する。
まず、図4及び図5に示すように、下キャップ部21を抑えた状態で上キャップ部22を下キャップ部21に対して相対的に中心軸線O回りで図4に示す矢印R方向に回転させる。なお、上キャップ部22の回転前において、図1及び図2に示すように、第1及び第2ストッパ凸部35、43それぞれが当接しているため、第2天板部41の中心軸線O方向における変形が防止される。そして、図4及び図5に示すように、上キャップ部22を回転させると、第1及び第2ストッパ凸部35、43それぞれの当接状態が解除される。また、押下筒部44の螺旋状溝部45と案内筒部34の環状凸部36とが係合しているため、螺旋状溝部45が環状凸部36に沿って案内され、押下筒部44が中心軸線O方向下方に移動していく。すなわち、押下筒部44は、上キャップ部22を回転させることによって中心軸線O方向下方にねじ込まれる。
【0022】
ここで、上キャップ部22を回転させていくと、第2天板部41が下方に向けて突出するように変形する。これにより、第2天板部41の下面に形成されている第2ストッパ凸部43が第2天板部41と共に下方に傾く。このとき、上キャップ部22が下キャップ部21に取り付けられており、螺旋状溝部45と環状凸部36とが係合しているため、第2天板部41の中央部分が中心軸線O方向下方に向けて撓む。そして、第2天板部41において折曲溝部41A、41Bの形成部分が薄肉化されているため、第2天板部41は、折曲溝部41A、41Bそれぞれを起点として折れ曲がる。なお、第1及び第2天板部31、41間に間隙が形成されているため、第2天板部41が下方に向けて変形しても、上キャップ部22を回転させることができる。
【0023】
上キャップ部22をさらに回転させていくと、第2ストッパ凸部43の側面がリブ部33の側面と当接するため、上キャップ部22の矢印R方向の回転が停止する。これにより、上キャップ部22の下キャップ部21に対する回転量を容易に判別することができる。このとき、押下筒部44が下キャップ部21にねじ込まれるため、押下筒部44は、下端が噴霧ヘッド13の上端と当接し、噴霧ヘッド13と共にステム12を押し下げる。このとき、押下筒部44のねじ込み量を調整することで、残留ガスを排出する際にガスの吐出量を調整することができ、残留ガスを徐々に抜き出せる。
以上のようにして、押下筒部44が噴霧ヘッド13を押し下げることにより、エアゾール容器2内の残留ガスを抜き出す。
【0024】
ここで、エアゾール容器2内の残留ガスは、一部が第1及び第2天板部31、41間の空間に移動し、さらにガス抜溝38を介して外部に放出される。なお、残留ガスは、一部が第1周壁部32とマウンティングカップ17との間の間隙からオーバーキャップ付エアゾール容器1の外部に放出してもよい。
なお、残留ガスを抜き出している間に上キャップ部22を図4に示す矢印R方向とは反対方向に回転させると、押下筒部44のねじ込み量が減少して押下筒部44の下端部は、噴霧ヘッド13の上端から離間する。これにより、残留ガスの抜き出しを中断することができる。
【0025】
以上のような構成のオーバーキャップ付エアゾール容器1によれば、上キャップ部22を中心軸線O回りで回転させて押下筒部44が中心軸線O方向下方に向けてねじ込んで噴霧ヘッド13と共にステム12を押し下げるので、押下筒部44のねじ込み量を調整することで、ガスの吐出量を調整できて残留ガスを徐々に抜き出せる。また、残留ガスを抜き出している間に上キャップ部22を反対方向に回転させると、残留ガスの抜き出しを中断することができる。
そして、押下筒部44のねじ込み時に第2天板部41が折曲溝部41A、41Bを起点として変形するため、第2天板部41が下方に凹む際の第2天板部41の変形形状が安定する。
さらに、第1及び第2ストッパ凸部35、43が当接することで第1及び第2天板部31、41間の間隙を確保できると共に、第2天板部41の変形強度が向上する。
【0026】
次に、本発明におけるオーバーキャップ付エアゾール容器の第2の実施形態について説明する。なお、ここで説明する実施形態は、その基本的構成が上述した第1の実施形態と同様であり、上述の第1の実施形態に別の要素を付加したものである。したがって、図6においては、図1から図3と同一構成要素に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0027】
本実施形態におけるオーバーキャップ付エアゾール容器では、図6に示すように、オーバーキャップ100における上キャップ部101を構成する第2天板部102の中央部が中心軸線O方向上方に向けて突出している。また、上キャップ部101を構成する第2周壁部103と、下キャップ部104を構成する第1周壁部105とのそれぞれには、下キャップ部104に対する上キャップ部101の回転位置を容易に確認するためのマーキング106、107が形成されている。
【0028】
以上のような構成のオーバーキャップ付エアゾール容器においても、上述した第1の実施形態と同様の作用、効果を奏するが、第2天板部102の中央部における中心軸線O方向の移動量を多くすることができるため、押下部の移動量が多くなる。また、第2天板部102の中央部が上方に向けて突出変形しているため、平板形状をなす場合と比較して上キャップ部101を回転させた際に第2天板部102を容易に変形させることができる。
【0029】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、オーバーキャップをエアゾール容器に被着した状態で上キャップ部を回転させることで、ガス抜きを行っているが、オーバーキャップをエアゾール容器から取り外した状態で上キャップ部を回転させた後にオーバーキャップをエアゾール容器に被着することで、ガス抜きを行ってもよい。
また、第1及び第2回転係合部の構造は、第1回転係合部を環状凸部、第2回転係合部を螺旋状溝部としているが、上キャップ部を回転させることで押下部を下方にねじ込むことができれば、例えば第1回転係合部を螺旋状溝部、第2回転係合部を環状凸部とした構造など、他の構造であってもよい。
そして、第2天板部に2つの折曲溝部を形成しているが、いずれか一方のみであっても3以上形成してもよく、折曲溝部を形成しなくてもよい。このとき、第2天板部は、第2天板部自体を薄肉化することによって変形容易とする構成としてもよい。
さらに、第2天板部の上面における外周縁には、第2天板部の周方向にわたって環状の上面凸部を形成してもよい。これにより、押下筒部をねじ込む際に第2天板部が変形しやすくなる。
【0030】
また、第1及び第2ストッパ凸部それぞれは、第1及び第2天板部それぞれにおいて周方向で等間隔の3箇所に形成されているが、1箇所や2箇所、4箇所以上形成してもよく、第1及び第2天板部間の間隙を確保できれば、設けなくてもよい。ここで、第1ストッパ凸部をリブ部上に形成しているが、リブ部を設けず、第1天板部における傾斜部上に形成してもよい。このとき、上キャップ部を回転させた際に下キャップ部の第1ストッパ凸部の側面に上キャップ部の第2ストッパ凸部の側面が当接して回転位置を判別する構成としてもよい。
そして、第1周壁部における取付凸部にガス抜溝を形成しているが、残留ガスを外部に放出するための流通口を別途形成してもよい。例えば、第1周壁部にガス抜き用の貫通孔を形成してもよい。ここで、ガス抜き用の貫通孔を第1周壁部の上部に形成し、この貫通孔を塞ぐシールを上キャップ部にわたって貼付してもよい。これにより、残留ガスの抜き出しを行わない通常使用時において上キャップが回転することを防止できる。
さらに、第1周壁部の下端部における内周面がマウンティングカップと係合しているが、第1周壁部の下端部における外周面をマウンティングカップと係合させる構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
この発明によれば、残留ガスを排出する際にガスの吐出量を調整することができるオーバーキャップ付エアゾール容器に関して、産業上の利用可能性が認められる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるオーバーキャップ付エアゾール容器を示す軸方向断面図であるである。
【図2】図1のオーバーキャップを示す平面図である。
【図3】第1及び第2周壁部を示す拡大断面図である。
【図4】上キャップを回転させた際のオーバーキャップを示す平面図である。
【図5】図4のX−X矢視断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態におけるオーバーキャップ付エアゾール容器のオーバーキャップを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0033】
1 オーバーキャップ付エアゾール容器、2 エアゾール容器、3,100 オーバーキャップ、12 ステム、13 噴霧ヘッド、21,104 下キャップ部、22,101 上キャップ部、31 第1天板部、31A 開口部、35 第1ストッパ凸部、36 環状凸部(第1回転係合部,係合凸部)、41,102 第2天板部、41A,41B 折曲溝部、43 第2ストッパ凸部、44 押下筒部(押下部)、45 螺旋状溝部(第2回転係合部)、O 中心軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方付勢状態で立設されたステム及び該ステムに取り付けられた噴霧ヘッドを備えるエアゾール容器と、該エアゾール容器に着脱可能に嵌合されるオーバーキャップとを備えるオーバーキャップ付エアゾール容器であって、
前記オーバーキャップが、前記エアゾール容器に着脱可能に嵌合される下キャップ部と、該下キャップ部上に中心軸線回りで回転可能に取り付けられた上キャップ部とを備え、
前記下キャップ部が、中央部に開口部が形成された第1天板部と、前記開口部内に形成された第1回転係合部とを有し、
前記上キャップ部が、前記第1天板部よりも前記中心軸線方向上方に間隙をあけて配置された第2天板部と、前記第2天板部に下方に向けて延設されて前記開口部内に挿通された押下部と、該押下部の外周面に形成されて前記第1回転係合部と係合する第2回転係合部とを有し、
該第2回転係合部は、前記上キャップ部を前記下キャップ部に対して前記中心軸線回りで相対的に回転させると、前記押下部を前記中心軸線方向で移動させることを特徴とするオーバーキャップ付エアゾール容器。
【請求項2】
前記第1及び第2回転係合部のいずれか一方が、前記中心軸線回りに該中心軸線方向に沿って螺旋状に延びる螺旋状溝部であり、
前記第1及び第2回転係合部のいずれか他方が、前記螺旋状溝部と係合する係合凸部であることを特徴とする請求項1に記載のオーバーキャップ付エアゾール容器。
【請求項3】
前記第2天板部には、前記押下部を囲む折曲溝部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のオーバーキャップ付エアゾール容器。
【請求項4】
前記第1天板部の上面には、上方に向けて突出する第1ストッパ凸部が設けられ、
前記第2天板部の下面には、下方に向けて突出し、前記第1ストッパ凸部と当接する第2ストッパ凸部が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のオーバーキャップ付エアゾール容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−241935(P2009−241935A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88612(P2008−88612)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】