説明

カウルカバー

【課題】カバー上側部の熱変形抑制と、フード後端部上方に衝突荷重が入力した際のカバー前側部による反力低減との両立を図る。
【解決手段】カバー上側部3に車両前方に延伸する方向に熱歪みが発生し、カバー前側部2の後壁部2Bが前方への押圧力を受けると、補強バー11の圧縮反力で該後壁部2Bの前方への撓み変形を抑制して、カバー上壁部3の熱変形を抑制する。フード35の後端部に上方から衝突荷重Fが入力し、カバー前側部2の前壁部2Aに車両前方への撓み荷重が作用すると、補強バー11が前後方向の引張り荷重に対して後端が後壁部2Bから離間して反力を出さずに前壁部2Aの車両前方への撓み変形を許容するので、反力を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のカウルボックスの上方開口部分を覆うカウルカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のカウルカバーの中には、カバー前側部を前,後壁部と底壁部とで凹状に形成し、この底壁部をカウルフロントの上縁に固定して前側部の上端をフードの後端部下面に近接配置し、そして、このカバー前側部の凹状の内側、つまり、前壁部と底壁部と後壁部の各内側面に亘って複数個のリブ壁を一体に形成すると共に、該リブ壁と前壁部内面との接続部分を上方から作用する所要の荷重に対して破断可能な構造としたものが知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−289237号公報(第4頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来のカウルカバーは、フードの後端部に上方から所要の衝突荷重が作用して、該フードの後端部がカバー前側部における前壁部の上端に圧接し、該前壁部とリブ壁との接続部分に破断荷重として作用すると、該接続部分で前壁部がリブ壁から破断して車両前方へ倒れ変形し、続いてフード後端部がリブ壁に衝接して該リブ壁を破壊することによって緩衝機能を発揮させようとするものである。
【0004】
従って、前壁部の破断挙動を確実に行わせ、かつ、リブ壁が破壊し易いようにして衝突物への反力を小さくするためには、該前壁部とリブ壁との接合強度を小さくし、かつ、リブ壁の剛性を低める必要がある。
【0005】
しかし、この接合強度を小さくし、かつ、リブ壁の剛性を低めた場合には、カウルカバーのカバー前側部に連設されて、後端部がフロントウィンドシールドの下縁に固定されたカバー上側部が日射を受けて車両前方へ延伸する方向に熱歪が発生すると、カバー前側部の前壁部とリブ壁との接合部分が変形してリブ壁が車幅方向にずれたり、該リブ壁自体が変形して、カバー前側部の後壁部が車両前方へ押圧されて撓み変形し、カバー上側部が車両前方へ熱変形してしまう。
【0006】
このため、車体のフロントウェスト部分の外観を損なってしまうばかりでなく、カバー上側部に配設されたウォッシャーノズルの噴射角度が変化する等の不具合を生じてしまう。
【0007】
そこで、本発明は日射によるカバー上側部の熱変形を抑制できるとともに、フード後端部に上方より所要の衝突入力が作用した場合には、カバー前側部における前壁部の車両前方へ容易に撓み変形を可能として、エネルギー吸収効果を発揮できるカウルカバーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のカウルカバーにあっては、前,後壁部と底壁部とで凹状に形成されたカバー前側部と、該カバー前側部の後壁部に連設されたカバー上側部と、を備え、該カバー上側部の後端を車体に固定する一方、カバー前側部の底壁部を車体に固定して、前壁部の上端をフードの後端部下面に近接配置したカウルカバーにおいて、
前記カバー前側部の前壁部と後壁部とに跨って、前後方向の圧縮入力に対しては反力を発生し、前後方向の引張り入力に対しては反力を発生せずに前壁部の後壁部に対する拡開を許容する反力手段を設けたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のカウルカバーによれば、カバー上側部が日射を受けて車両前方へ延伸する方向に熱歪みが発生し、カバー前側部の後壁部が車両前方への押圧力を受けると、該カバー前側部の前壁部と後壁部とに跨って設けた反力手段が前後方向の圧縮入力に対して反力を発生するため、前記後壁部の車両前方への撓み変形を抑制し、カバー上側部が車両前方へ熱変形するのを抑制することができる。
【0010】
一方、フード後端部に衝突荷重が入力して、カバー前側部の前壁部に車両前方への撓み変形荷重として作用すると、前記反力手段は前後方向の引張り入力に対しては反力を発生せずに前壁部の後壁部に対する拡開を許容するため、該前壁部が底壁部の固定部分を支持点として車両前方へ容易に撓み変形して衝突エネルギーを吸収することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0012】
図1〜図6は本発明にかかるカウルカバーの第1実施形態を示し、図1は自動車の車体フロント部におけるカウルカバー配設状態を示す斜視図、図2はカウルカバーの配設状態を示す断面図、図3はカバー前側部分を拡大して示す断面図、図4はフード後端部に衝突荷重が入力した際のカバー前側部の変形挙動を説明する断面図、図5は補強バーの下側から見た斜視図、図6は補強バーの上方から見た斜視図、図7は補強バーの側面図である。
【0013】
本実施形態のカウルカバー1は、図1、図2に示すように車体30のフロントウェスト部に設けられたカウルボックス31の上方開口部を覆って取付けてある。
【0014】
カウルボックス31は周知のように、車体30のフロントウェスト部の車幅方向骨格部材としての機能を持つ他、空調装置の外気取入れ部としての機能を併有し、ダッシュアッパパネル32とカウルフロント33とで上方を開放したボックス状に構成されている。
【0015】
カウルカバー1は、適宜の合成樹脂材をもって射出成形され、前記カウルフロント33に固定されるカバー前側部2と、フロントウィンドシールド34に固定されるカバー上側部3と、を備えている。
【0016】
カバー前側部2は、図3にも示すようにやや前傾した前壁部2Aと、やや後傾した後壁部2Bと、こられ前,後壁部2A,2Bを連設した底壁部2Cと、で略V字形断面の凹状に形成してあり、前記底壁部2Cをカウルフロント33の上縁フランジ33aに重合してクリップ固定して取付け、前壁部2Aの上縁フランジ2A′をフード35の後端部下面に近接配置してある。
【0017】
また、前記後壁部2Bと底壁部2Cとで成す隅角部には、車幅方向に適宜の間隔をおいて、複数個の形状保持用のリブ4を形成してある。
【0018】
カバー上側部3は、前記カバー前側部2の後壁部2Bの上端に連設してあり、後端部にはクリップ部3aを車幅方向に複数個一体成形してあって、該クリップ部3aをフロントウィンドシールド34の下縁に係着して取付けてある。
【0019】
また、このカバー上側部3の前記後壁部2Bと連設した前端部には、上方に突出する膨出部3bを車幅方向に形成してあり、この膨出部3b内にウォッシャーノズル5を取付けてある。
【0020】
そして、前記カバー前側部2の前壁部2Aと後壁部2Bとに跨って、前後方向の圧縮入力に対しては反力を出し、前後方向の引張り入力に対しては反力を出さずに前壁部2Aの後壁部2Bに対する拡開を許容する反力手段10を設けてある。
【0021】
本実施形態ではこの反力手段10を、前記ウォッシャーノズル5の配設部近傍となるように車幅方向に複数個設けてある。
【0022】
反力手段10として、本実施形態では適宜の合成樹脂材からなる補強バー11が用いられている。
【0023】
この補強バー11は、その前端または後端の少なくとも一方の端面をカバー前側部2の対応する壁部に突き当てて取付けられ、本実施形態では補強バー11の前,後部端面を前記前壁部2Aと後壁部2Bの各内側面に突き当てて取付けてある。
【0024】
前記補強バー11は図5〜図7に示すように、前記カバー前側部2の前壁部2Aの上縁フランジ2A′と後壁部2Bとに略水平に跨る矩形板状のベース部12と、該ベース部12の前端部に所要長さでフランジ部12aを残して、下面の車幅方向両側部に突設されて前後方向に延在する骨格部13とを備えている。
【0025】
本実施形態では、前記骨格部13の前,後の端面13aを、カバー前側部2の対応する前壁部2Aおよび後壁部2Bの傾斜角度に合わせて形成し、これら前,後の端面13aをもって前壁部2Aおよび後壁部2Bの各内側面に突き当てるようにしている。
【0026】
前記ベース部12のフランジ部12aの前端部下面にはピン部材14を突設してある一方、前壁部2Aの上縁フランジ2A′には嵌合孔15を形成してあり、該ベース部12の前端部分を、このピン部材14を嵌合孔15に圧入嵌合して、前壁部2Aの上縁フランジ2A′に固定してある。
【0027】
また、骨格部13の後端面13aと、これに対応する後壁部2Bとに、補強バー11に前後方向に作用する引張り荷重に対して離脱可能な係合手段16を設けてある。
【0028】
この係合手段16として、本実施形態では骨格部13の後端面13aに設けた突起部17と、後壁部2Bに形成されて前記突起部17が挿通する係止孔18とで構成している。
【0029】
従って、補強バー11は、前記突起部17を後壁部2Bの係止孔18に挿通係合した後、フランジ部12aのピン部材14を前壁部2Aの上縁フランジ2A′の嵌合孔15に圧入嵌合して、凹状のカバー前側部2に取付けられる。
【0030】
前壁部2Aの上縁フランジ2A′上には、車幅方向両端に亘ってフードシール部材19をクリップ固定して、フード35の閉止時に該フードシール部材19がフードの後端部下面に密接してシールするようにしているが、前記補強バー11のフランジ部12aの取付け部分では、フードシール部材19がこのフランジ部12aを跨ぐようにして取付けられる。
【0031】
以上の構成により本実施形態のカウルカバー1によれば、カバー上側部3が日射を受けると、該カバー上側部3はその後端部がクリップ部3aを介してフロントウィンドシールド34の下縁に固定されているため、該カバー上側部3はこの日射熱により車両前方へ延伸する方向に熱歪みが発生する。
【0032】
このカバー上側部3の車両前方への熱歪みにより、カバー前側部2の後壁部2Bは車両前方への押圧力を受けて、底壁部2Cの固定部を支持点として車両前方へ撓み変形する傾向となるが、該カバー前側部2の前壁部2Aと後壁部2Bとに跨って設けた反力手段10としての補強バー11が前後方向の圧縮入力に対して反力を出すため、前記後壁部2Bの車両前方への撓み変形を抑制し、カバー上側部3が車両前方へ熱変形するのを抑制することができる。
【0033】
この結果、カバー上側部3が車両前方へ熱変形して外観を損なうことがなく、また、この熱変形によりウォッシャーノズル5の噴射角度が変化するのを回避することができる。
【0034】
とりわけ、前記補強バー11はウォッシャーノズル5の配設部近傍に設けてあるので、該ウォッシャーノズル5の噴射角度の変化の抑制効果を高めることができる。
【0035】
一方、フード35の後端部に上方より衝突荷重Fが入力して、カバー前側部2の前壁部2Aに車両前方への撓み変形荷重として作用すると、補強バー11には前後方向の引張り荷重として作用するが、該補強バー11はその後端を後壁部2Bに当接配置しているのに過ぎないため、この引張り入力に対しては反力を出さずに図4に示すように前壁部2Aの後壁部2Bに対する拡開を許容するため、該前壁部2Aが底壁部2Cの固定部分を支持点として車両前方へ容易に撓み変形して衝突エネルギーを吸収する。
【0036】
ここで、本実施形態にあっては前述のように反力手段10として、前端または後端の少なくとも一方の端面をカバー前側部2の対応する壁部2Aまたは2Bに突き当てて取付けられた補強バー11を用いているため、設計を容易に行えるとともに、構造を簡単にすることができる。
【0037】
また、この補強バー11は、矩形板状のベース部12と、該ベース部12の車幅方向両側部に突設されて前後方向に延在する骨格部13と、を備え、該骨格部13の前後方向の端面13aをもって前記カバー前側部2の前壁部2Aおよび又は後壁部2Bに突き当てるようにしてあるため、これら一対の骨格部13によって、補強バー11の板厚を全体的に大きくすることなく前後方向の圧縮剛性を高められて、コスト的に有利に得ることができ、特に、補強バー11の対応する壁部2B,2Aに対する当接面積を大きくする場合に、該骨格部13の断面形状のみを大きくしてその前後方向の端面13aの面積を大きくすればよいので、設計上およびコスト上有利となる。
【0038】
更に、補強バー11を例えば、前述のようにその前端部を前壁部2Aの上縁フランジ2A′上に固定し、骨格部13の後端面13aを後壁部2Bに突き当てて取付ける場合に、該後端面13aと後壁部2Bとに、前後方向の引張り荷重に対して離脱可能な係合手段16を設けてあるため、補強バー11の後端部をグラツキを生じることなく適正に取付けることができる。
【0039】
しかも、この係合手段16を、骨格部13の後端面13aに突設した突起部17と、後壁部2Bに形成されて前記突起部17が挿通する係止孔18と、の簡単な構造とすることができるので、設計上より有利に得ることができる。
【0040】
前記実施形態では、上述のように係合手段16を突起部17と係止孔18とで構成しているが、図8に示すように突起部17の先端に、前記係止孔18をくぐり抜けてその孔縁に係止するフック部17aを形成すれば、突起部17の抜け止めを行えて補強バー11の後端部の取付け安定性を高めることができる。このフック部17aは、補強バー11に前後方向に所定の引張り荷重が入力した際には、反力を出さずに係止孔18から抜け出し得る係止力となるようにフック高さが設定されることは勿論である。
【0041】
図9は本発明の第2実施形態を示すもので、本実施形態では係合手段10として、補強バー11の骨格部13の後端面13aの近傍と、これに対応する後壁部2Bとに設けられて、相互に係合するフック部20,21で構成している。
【0042】
この第2実施形態では、骨格部13の後端面13aは後壁部2Bの内側面に当接しているだけであり、また、フック部20,21は、補強バー11に前後方向に所定の引張り荷重が入力した際には、反力を出さずにフック部20,21相互がそれらの斜面20a,21aが擦り抜けて離脱し得る係止力となるようにフック高さが設定される。
【0043】
従って、この第2実施形態にあっても前記第1実施形態と同様に、カバー上側部3の熱変形を補強バー11の圧縮反力で抑制し、フード35の後端部に上方から衝突入力Fが作用した場合には、フック部20,21相互が擦り抜けて離脱し、前壁部2Aを車両前方へ容易に撓み変形してエネルギー吸収機能を発揮させることができる。
【0044】
図10,図11は本発明の第3実施形態を示し、本実施形態では補強バー11は、その前端側を前記第1,第2実施形態と同様に、フランジ部12aを前壁部2Aの上縁フランジ2A′にピン部材14と嵌合孔15との圧入嵌合で固定してある一方、後端面13aは後壁部2Bの内側面に接着剤により接着固定してある。
【0045】
そして、この補強バー11の前後方向中間部に、前後方向に所定の引張り荷重が作用した際に破断可能な易破断部22を設けてある。
【0046】
この易破断部22は、補強バー11の下面側から所要の深さで切り込みを設けることで構成することができる。
【0047】
この第3実施形態の構造によれば、カバー上側部3の熱変形を補強バー11の圧縮反力で抑制することは前記第1,第2実施形態と同様である。
【0048】
一方、フード35の後端部に上方から衝突荷重Fが入力し、カバー前側部2の前壁部2Aに車両前方への撓み変形荷重として作用し、補強バー11に前後方向に所定の引張り荷重が作用すると、該補強バー11が易破断部22で図10に示すように破断する。
【0049】
これにより、前壁部2Aが車両前方へ容易に撓み変形してエネルギー吸収機能を発揮する。
【0050】
この第3実施形態では、補強バー11の前,後端部をカバー前側部2の前壁部2Aと後壁部2Bとに固定してあって、該補強バー11の前後方向に切り込み等により易破断部22を設けることで、前後方向の所定の引張り荷重に対しては反力を出さない構成として、前記変形例および第2実施形態のようなフック部構造を採用することなく、補強バー11のカバー前側部2に対する取付け安定性が得られるので、補強バー11の構造を簡単にすることができる。
【0051】
図12は本発明の第4実施形態を示すもので、本実施形態にあっては、前記第1実施形態の補強バー11における前端部のフランジ部12aおよび後端面13aの突起部17が無い補強バー11Aとして構成してある。
【0052】
この補強バー11Aは、その後端面13aを後壁部2Bの内側面に接着剤により接着固定し、前端面13aを前壁部2Aの内側面に当接して、これら前壁部2Aと後壁部2Bとに跨って取付けてある。
【0053】
補強バー11の前端部と前壁部2Aとの取付け安定性を高めるため、本実施形態では骨格部13の前端面13aに突起部17Aを設け、これを前壁部2Aに設けた係止孔18Aに挿通係止してある。即ち、第1実施形態における補強バー11の後端部と後壁部2Bと同様の関係構造が採られているが、第2実施形態と同様のフック部構造を採用してもよい。
【0054】
従って、本実施形態によれば、前記第1実施形態および又は第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0055】
なお、前記各実施形態では補強バー11を、カバー前側部2のウォッシャーノズル5を配設した近傍にのみ設けてあるが、必要に応じて該ウォッシャーノズル5から車幅方向に離間した位置に増設するようにしてもよい。
【0056】
また、この補強バー11は、カバー前側部2の凹状の開口部分から下がった位置に配設することも可能で、その取付け角度も略水平に限らず前傾又は後傾して取付けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】自動車の車体フロント部のカウルカバー配設状態を示す斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態におけるカウルカバーの配設状態を示す断面図。
【図3】カバー前側部分を拡大して示す断面図。
【図4】フード後端部に衝突荷重が入力した際のカバー前側部の変形挙動を説明する断面図。
【図5】補強バーの下側から見た斜視図。
【図6】補強バーの上方から見た斜視図。
【図7】補強バーの側面図。
【図8】第1実施形態の変形例を示す要部断面図。
【図9】本発明の第2実施形態を示す断面図。
【図10】本発明の第3実施形態を示す断面図。
【図11】本発明の第3実施形態における変形挙動を示す図3と同様の断面図。
【図12】本発明の第4実施形態を示す断面図。
【符号の説明】
【0058】
1 カウルカバー
2 カバー前側部
2A 前壁部
2A′ 上縁フランジ
2B 後壁部
2C 底壁部
3 カバー上側部
5 ウォッシャーノズル
10 反力手段
11,11A 補強バー
12 ベース部
13 骨格部
13a 端面
16 係合手段
17,17A 突起部
17a,20,21 フック部
18,18A 係止孔
22 易破断部
30 車体
31 カウルボックス
33 カウルフロント
34 フロントウィンドシールド
35 フード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前,後壁部と底壁部とで凹状に形成されたカバー前側部と、該カバー前側部の後壁部に連設されたカバー上側部と、を備え、該カバー上側部の後端を車体に固定する一方、カバー前側部の底壁部を車体に固定して、前壁部の上端をフードの後部下面に近接配置したカウルカバーにおいて、
前記カバー前側部の前壁部と後壁部とに跨って、前後方向の圧縮入力に対しては反力を発生し、前後方向の引張り入力に対しては反力を発生せずに前壁部の後壁部に対する拡開を許容する反力手段を設けたことを特徴とするカウルカバー。
【請求項2】
カバー上側部には、カバー前側部の後壁部近傍にウォッシャーノズルが配設され、反力手段は少なくともウォッシャーノズルの配設部近傍に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のカウルカバー。
【請求項3】
反力手段が、前端または後端の少なくとも一方の端面を前壁部または後壁部の対応する壁部に突き当てて取付けられた補強バーであることを特徴とする請求項1または2に記載のカウルカバー。
【請求項4】
補強バーの前記一方の端面と、前記対応する壁部とに、前後方向の引張り荷重に対して離脱可能な係合手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載のカウルカバー。
【請求項5】
係合手段が、補強バーの前記一方の端面に設けた突起部と、前記対応する壁部に設けた係止孔と、で構成されていることを特徴とする請求項4に記載のカウルカバー。
【請求項6】
突起部は、その先端に前記係止孔をくぐり抜けてその孔縁に係止するフック部を備えていることを特徴とする請求項5に記載のカウルカバー。
【請求項7】
係合手段が、補強バーの前記一方の端面の近傍と、前記対応する壁部とに設けられて、相互に係合するフック部であることを特徴とする請求項4に記載のカウルカバー。
【請求項8】
補強バーは、その前,後端部がカバー前側部の前壁部と後壁部とに各々固定され、該補強バーの前後方の中間部に、前後方向に所定の引張り荷重が作用した際に破断可能な易破断部を設けたことを特徴とする請求項3に記載のカウルカバー。
【請求項9】
補強バーは、板状のベース部と、該ベース部の車幅方向両側部に突設されて前後に延在する骨格部と、を備え、該骨格部の前後方向の端面をもって前記カバー前側部の前壁部および又は後壁部に突き当てるようにしたことを特徴とする請求項3〜8のいずれか1つに記載のカウルカバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−126792(P2008−126792A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−312658(P2006−312658)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】