カウルトップカバーの取付構造
【課題】カウルトップパネルが移動したときに、カウルトップカバーのフロントウインドシールドパネルに対する移動を抑える。
【解決手段】フード5とフロントウインドシールドパネル7との間に位置するカウルトップカバー1は、カウルトップパネル9に対し移動可能にクリップ17で取り付ける。カウルトップカバー1の車両後端部の嵌合溝31にフロントウインドシールドパネル7の下端部7aを挿入する。下端部7aの下面における車幅方向中央に取り付けた中央スペーサ41の中央位置規制ピン41cを、嵌合溝31の下壁39に設けた車幅方向位置規制用切欠部45bに挿入してカウルトップカバー1の車幅方向の位置規制を行う。下端部7aの下面の車幅方向両端部に取り付けた端部スペーサ43は、下壁39に設けた切欠部49の当接部49aに当接させてカウルトップカバー1の車両後方への位置規制を行う。
【解決手段】フード5とフロントウインドシールドパネル7との間に位置するカウルトップカバー1は、カウルトップパネル9に対し移動可能にクリップ17で取り付ける。カウルトップカバー1の車両後端部の嵌合溝31にフロントウインドシールドパネル7の下端部7aを挿入する。下端部7aの下面における車幅方向中央に取り付けた中央スペーサ41の中央位置規制ピン41cを、嵌合溝31の下壁39に設けた車幅方向位置規制用切欠部45bに挿入してカウルトップカバー1の車幅方向の位置規制を行う。下端部7aの下面の車幅方向両端部に取り付けた端部スペーサ43は、下壁39に設けた切欠部49の当接部49aに当接させてカウルトップカバー1の車両後方への位置規制を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のフロントウインドシールドパネルとフードとの間に位置するカウルトップカバーの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カウルトップカバーの車両後端部にフロントウインドシールドパネルの下端部を挿入する嵌合溝を設けた構造として、下記特許文献1に記載されたものがある。これは、カウルトップカバーの嵌合溝にフロントウインドシールドパネルの下端部を挿入した状態で、カウルトップカバーの車両前方側をクリップによりカウルトップパネルに固定している。
【特許文献1】実開平1−144107号公報(第4頁第7行〜15行,第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記した従来の構造では、フードの開閉時の衝撃や走行時の振動の入力により、カウルトップパネルの位置が瞬間的もしくは連続的に変化したときに、カウルトップカバーがカウルトップパネルに固定されているので、カウルトップパネルに連動してカウルトップカバーが、車体に固定されているフロントウインドシールドパネルに対して移動することになる。
【0004】
このようにカウルトップカバーがフロントウインドシールドパネルに対して移動するとき、フロントウインドシールドパネルとカウルトップカバーの嵌合溝との間に、特に硬質の異物が進入した状態であると、フロントウインドシールドパネルを傷付け亀裂発生を引き起こす恐れがある。
【0005】
そこで、本発明は、カウルトップパネルが移動したときに、カウルトップカバーのフロントウインドシールドパネルに対する移動を抑えることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、カウルトップカバーの車両前方側をカウルトップパネルに対して相対移動可能に取り付け、前記カウルトップカバーの車両後端部に、フロントウインドシールドパネルの下端部を挿入する嵌合溝を車幅方向に沿って設け、前記フロントウインドシールドパネルの下端部の下面における車幅方向中央及び車幅方向両端に、下方に突出する中央位置規制突起及び端部位置規制突起をそれぞれ取り付け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の車幅方向中央に、前記中央位置規制突起が前端開口から挿入されて前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車幅方向の位置規制を行う車幅方向位置規制用切欠部を設け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の車幅方向両端に、前記端部位置規制突起が前端開口から挿入されて前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両後方への位置規制を行う後方位置規制用切欠部を設け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の車幅方向適宜位置に、前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両上下方向の位置規制を行う上下方向位置規制用凸部を設け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の少なくとも車幅方向両端部に、前記フロントウインドシールドパネルに設けた被係止部に係止して前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両前方への位置規制を行う前方位置規制用係止部を設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、カウルトップカバーの車両前方側をカウルトップパネルに対して車両前後方向に相対移動可能かつ車幅方向に移動不能に取り付けて前記カウルトップカバーのフロントウインドシールドパネルに対する車幅方向の位置規制を行い、前記カウルトップカバーの車両後端部に、前記フロントウインドシールドパネルの下端部を挿入する嵌合溝を車幅方向に沿って設け、前記フロントウインドシールドパネルの下端部の下面における車幅方向両端に、下方に突出する端部位置規制突起を取り付け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の車幅方向両端に、前記端部位置規制突起が前端開口から挿入されて前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両後方への位置規制を行う後方位置規制用切欠部を設け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の車幅方向適宜位置に、前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両上下方向の位置規制を行う上下方向位置規制用凸部を設け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の少なくとも車幅方向両端部に、前記フロントウインドシールドパネルに設けた被係止部に係止して前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両前方への位置規制を行う前方位置規制用係止部を設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のカウルトップカバーの取付構造において、前記端部位置規制突起及び前記被係止部を、フロントウインドシールドパネルに取り付けるベース部に対して一体的に設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のカウルトップカバーの取付構造において、前記上下方向位置規制用凸部を、車両前後方向に延びるリブとしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、カウルトップカバーの位置規制をフロントウインドシールドパネル側で行うとともに、カウルトップカバーをカウルトップパネルに対して相対移動可能としているので、カウルトップパネルが位置変化し移動しても、カウルトップカバーのフロントウインドシールドパネルに対する移動を抑えることができる。このため、カウルトップパネルが移動したときに、フロントウインドシールドパネルの下端部とカウルトップカバーの嵌合溝との間に、異物が進入した状態であっても、フロントウインドシールドパネルの損傷を防止することができる。
【0011】
請求項2の発明によれば、カウルトップカバーの車両前後方向及び上下方向の位置規制をフロントウインドシールドパネル側で行い、車幅方向の位置規制については、カウルトップパネルが、他の部位に比較して位置精度が高く、車幅方向への位置変化も少ないので、カウルトップパネルが車両前後方向に位置変化し移動しても、カウルトップカバーのフロントウインドシールドパネルに対する移動を抑えることができる。このため、カウルトップパネルが移動したときに、フロントウインドシールドパネルの下端部とカウルトップカバーの嵌合溝との間に、異物が進入した状態であっても、フロントウインドシールドパネルの損傷を防止することができる。
【0012】
請求項3の発明によれば、端部位置規制突起及び被係止部が、フロントウインドシールドパネルに取り付けるベース部に一体化した部品となり、構造の簡素化に寄与することができる。
【0013】
請求項4の発明によれば、上下方向位置規制用凸部を車両前後方向に延びるリブとすることで、カウルトップカバーの剛性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係わるカウルトップカバーの取付構造を示す、図2のA−A断面図であり、図中の矢印FRで示す方向が車両前方、矢印UPで示す方向が車両上方、矢印LHで示す方向が車両左方である。
【0016】
カウルトップカバー1は、合成樹脂で一体成形してあり、エンジンルーム3の上部開口を覆うフード5と、フロントウインドシールドパネル7との間に位置して車幅方向に延設され、エアボックスとして機能するカウルトップパネル9の上部開口を覆っている。このカウルトップパネル9は、エンジンルーム3と車室内空間11とを仕切るダッシュパネル13に車両後端部9aを取り付け、車両前端部9bをカウルトップカバー1の前方側の下方突出部15にクリップ17により取り付けている。
【0017】
カウルトップカバー1の下方突出部15に形成したクリップ挿入孔15aは、クリップ17の軸部17aよりも大径の円形としてあり、カウルトップパネル9の車両前端部9bに設けてあるクリップ挿入孔9cは、クリップ17の軸部17aの直径とほぼ同一の内径を備えている。これによりカウルトップパネル9とカウルトップカバー1とは、カウルトップパネル9に固定された状態のクリップ17が大径のクリップ挿入孔15a内で移動するので、相対移動可能となる。
【0018】
また、フロントウインドシールドパネル7は、シール剤18を介してダッシュパネル13の上部に圧接され、下端部7aを除く周縁が車体に固定されている。なお、図2中の符号20はフェンダカバーであり、このフェンダカバー20は、下端部がカウルトップカバー1の車幅方向両端における車両後端側の上部を覆うようにして車体に取り付けてある。
【0019】
カウルトップカバー1の上記下方突出部15よりも車両前方側の端部19上にはシール用ラバー21を取り付け、そのシール用ラバー21上に閉時のフード5が圧接する。カウルトップカバー1の上記下方突出部15よりも車両後方側は、上方に向けて立上る縦壁部23を有し、この縦壁部23に、カウルトップパネル9とカウルトップカバー1との間のエアボックス空間25に空気を導入する空気取入用スリット23aを設けている。なお、図2では図1に示してあるフード5を省略している。
【0020】
縦壁部23の上端23bは車両後方の斜め下方に向けて延びる前部傾斜壁27の上端に連続し、前部傾斜壁27の下端は車両後方の斜め上方に向けて延びる後部傾斜壁29に連続し、後部傾斜壁29の先端側に、フロントウインドシールドパネル7の下端部7aを挿入する嵌合溝31を設けている。なお、図中の符号33はワイパーである。
【0021】
嵌合溝31は、上記した後部傾斜壁29からさらに車両後方の斜め上方に向けて延びる上壁35と、上壁35の基端部35aから上壁部35に対してほぼ直角に下方に向けて延びる底壁37と、底壁37の先端(下端)から上壁35の傾斜よりもやや緩やかな傾斜を持って車両後方に向けて延びる下壁39とを有して、断面ほぼコ字形状となっている。このような嵌合溝31は、断面ほぼコ字形状が車幅方向に沿って形成してあるが、車幅方向に連続的に設けてもよく、断続的に設けてもよい。
【0022】
フロントウインドシールドパネル7の下端部7aの下面における車幅方向中央には、図3に示す中央スペーサ41を取り付け、下端部7aの下面における車幅方向両端部には、図4に示す端部スペーサ43を取り付けている。これら中央スペーサ41及び端部スペーサ43は、互いに形状が同等なので、ここでは図3の中央スペーサ41について説明する。
【0023】
なお、図3及び図4は、図2に対し車両前後方向を逆にした状態の、フロントウインドシールドパネル7と、カウルトップカバー1と、中央スペーサ41及び端部スペーサ43とを示す分解斜視図であり、カウルトップカバー1の後部傾斜壁29及び上壁35は省略している。
【0024】
中央スペーサ41は、車幅方向に長いほぼ長方形のベース部41aを有し、このベース部41aをフロントウインドシールドパネル7の下面に接着固定する。このときベース部41aのカウルトップカバー1側の側縁41bとフロントウインドシールドパネル7の下端部7aの端縁7bとをほぼ一致させる。
【0025】
また、上記ベース部41aの長手方向(車幅方向)中央における側縁41b側の下面(フロントウインドシールドパネル7への接着面と反対側)には、ベース部41aに対してほぼ直角に下方に向けて延びるやや先細の中央位置規制突起としての中央位置規制ピン41cを設けている。さらに、この中央位置規制ピン41cの車幅方向両側から車幅方向両端に沿って突起41dを設けている。
【0026】
なお、図4における端部スペーサ43の中央スペーサ41と同一部位には、符号43に中央スペーサ41と同様の小文字のアルファベットを付けて示している。すなわち、中央スペーサ41の中央位置規制ピン41cに対応して、端部スペーサ43は端部位置規制突起としての端部位置規制ピン43cを備えている。
【0027】
一方、図3に示すように、カウルトップカバー1の中央スペーサ41に対応する位置の下壁39は、図3では不図示の上壁35に対向する内面に、凹部39aを形成して薄肉部としてあり、この凹部39aの車幅方向中央に、全体としてほぼV字形状の切欠部45を形成している。この切欠部45は、前端開口側ほど幅が広く底壁37に近づくほど幅が狭くなる入口部45aと、入口部45aの底壁37側に連続し、前記した中央スペーサ41の中央位置規制ピン41cが、入口部45aの前端開口側から挿入されて入り込む車幅方向位置規制用切欠部45bとを備えている。
【0028】
上記した車幅方向位置規制用切欠部45bは、中央位置規制ピン41cが挿入された状態で、カウルトップカバー1が中央位置規制ピン41cに対して車幅方向に移動不能となるように、車幅方向の寸法を中央位置規制ピン41cの直径とほぼ同等としている。これによりカウルトップカバー1は、フロントウインドシールドパネル7に対し車幅方向の移動を規制する位置規制を行っている。
【0029】
図5は、カウルトップカバー1を設けた部位付近の車両の平面図で、図6は、図5の車幅方向中央の上記中央スペーサ41を設けたP部の拡大した平面透視図である。図6のB−B断面図である図7に示すように、中央スペーサ41の中央位置規制ピン41cは、上記した車幅方向位置規制用切欠部45bの底部にほぼ当接して車両後方側のフロントウインドシールドパネル7に対する位置規制(カウルトップカバー1のフロントウインドシールドパネル7に対する車両後方への移動規制)を行っている。
【0030】
なお、このカウルトップカバー1の車両後方への移動規制は、後述するように図4に示す端部スペーサ43側で行っているので、必ずしも実施する必要はなく、したがって、中央位置規制ピン41cは車幅方向位置規制用切欠部45bの底部から離反していてもよい。
【0031】
また、図3に示すように、凹部39aには車両前後方向に延びる上下方向位置規制用凸部としてのリブ47を設けてあり、このリブ47は、図6のC−C断面図である図8に示すように、中央スペーサ41の突起41dに接触している。この接触状態でフロントウインドシールドパネル7の中央スペーサ41と反対側の表面が上壁35の先端内側に接触している。つまり、フロントウインドシールドパネル7は、その下端部7aが嵌合溝31内で上壁35と下壁39との間に挟まれた状態であり、この状態でカウルトップカバー1は、フロントウインドシールドパネル7に対し上下方向の移動を規制する位置規制を行っている。
【0032】
前記した図4は、図5の車幅方向右側(図5中では左側に相当)の端部の端部スペーサ43を設けたQ部に対応しており、このQ部におけるカウルトップカバー1の端部スペーサ43に対応する位置の下壁39は、図4では不図示の上壁37に対向する内面に、凹部39bを形成してその一部を薄肉部としてある。
【0033】
そして、この凹部39bには、後方位置規制用切欠部としての矩形状の切欠部49を形成している。この切欠部49は、車両前方側に車幅方向に沿って延びる当接部49aを備え、この当接部49aの車幅方向ほぼ中央位置に端部スペーサ43の端部位置規制ピン43cが当接する。これによりカウルトップカバー1は、フロントウインドシールドパネル7に対し車両後方への移動を規制する位置規制を行っている。
【0034】
また、切欠部49の車幅方向外側の下壁39における上壁35に対向する側を、弾性変形片39cとし、この弾性変形片39cの先端の上壁35に対向する側に前方位置規制用係止部としての爪部51を設けてある。この爪部51は、上記した端部位置規制ピン43cが当接部49aに当接した状態で、図10(a)に示すように、端部スペーサ43の被係止部となる突起43dに係止してカウルトップカバー1のフロントウインドシールドパネル7に対する車両前方への移動を規制する。すなわち、カウルトップカバー1は、上記した爪部51により、フロントウインドシールドパネル7に対し車両前方への移動を規制する位置規制を行っている。
【0035】
なお、上記した図10(a)は、図5における車幅方向端部の端部スペーサ43を設けたQ部の平面透視図である図9のD−D断面図である。
【0036】
上記弾性変形片39cの先端は下方に突出するよう厚肉に形成し、この厚肉部の車幅方向外側に指掛け部53を突出して設けるとともに、弾性変形片39cの車幅方向内側には前記切欠部49に連続しかつ底壁37にわたるリット55を設けてある。これにより、図10(a)の状態で指掛け部53を、図10(b)の矢印Eの方向に指57によって押し付け、弾性変形片39cを上壁35から離れる方向に撓ませることで、突起43dと爪部51との係止状態が解除される。
【0037】
逆に、上記解除された状態から係止状態とするには、爪部51の傾斜面51aが突起43dの傾斜面43d1に押し付けられつつ摺接移動することで、弾性変形片39cが上壁35から離れる方向にやや撓みつつ図10(a)の係止状態となる。
【0038】
また、上記した凹部39bにおいても、前記図3における凹部39aのリブ47と同様に、車両前後方向に延びる上下方向位置規制用凸部としてのリブ59を、切欠部49を間に挟んで弾性変形片39cと反対側に設けてあり、このリブ59も、図6のC−C断面図である図8と同様に、端部スペーサ43の突起43dに接触する。すなわち、図9のリブ59を設けた部分のF−F断面図は、上記図8と同様の断面図となる。同様にして、図9の端部位置規制ピン43cを設けた部分のG−G断面図は、図6のB−B断面図である図7と同様の断面図となる。
【0039】
上記図4に示した構造、すなわち図5の車幅方向右側端部におけるQ部の構造は、これと反対側の車幅方向左側端部(図5中で右側)におけるR部においても、左右対称形状として適用してある。
【0040】
また、図3,図4に示すように、凹部39a,39bを設けた部位以外の下壁39の上壁35に対向する面には、前記した各リブ47,59と同様のリブ61を車幅方向の適宜位置に複数設けてある。このリブ61を設けた部位に相当する図9のH−H断面図である図11に示すように、リブ61はフロントウインドシールドパネル7の下端部7aにおける下面側の角部7a1に接触する一方、下端部7aの表面側がカウルトップカバー1の上壁35の先端内側に接触している。
【0041】
これにより、フロントウインドシールドパネル7は、その下端部7aが嵌合溝31内で上壁35と下壁39との間に挟まれた状態となり、この状態でカウルトップカバー1は、前記図8の断面形状部位と同様に、フロントウインドシールドパネル7に対し上下方向の移動を規制する位置規制を行っている。すなわち、リブ61も、前記したリブ47,59と同様に上下方向位置規制用凸部を構成している。
【0042】
このように、本実施形態におけるカウルトップカバー1は、フロントウインドシールドパネル7に対し、車幅方向中央に設けた中央スペーサ41と車幅方向位置規制用切欠部45bとにより車幅方向の位置規制を行い、車幅方向両端部に設けた端部スペーサ43と当接部49a,爪部51及び突起43dにより車両前後方向の位置規制を行い、さらにリブ47,59,61により上下方向の位置規制を行っている。
【0043】
そして、このカウルトップカバー1は、前記図1に示したようにカウルトップパネル9に対して相対移動可能としているので、フード5の開閉時の衝撃や走行時の振動の入力により、カウルトップパネル9の位置が瞬間的もしくは連続的に変化したとしても、カウルトップカバー1のフロントウインドシールドパネル7に対する移動を抑えることができる。したがって、カウルトップパネル9が位置変化して移動したときに、フロントウインドシールドパネル7の下端部7aとカウルトップカバー1の嵌合溝31との間に、例え硬質の異物が進入した状態であっても、フロントウインドシールドパネル7の損傷を防止することができる。
【0044】
また、上記したように、カウルトップカバー1を、フロントウインドシールドパネル7に対して位置決め規制して取り付けた状態で、フロントウインドシールドパネル7から取り外す際には、前記図5のQ部に対応する図4に示した指掛け部53及び、R部に対応する同様の図示しない指掛け部53を、前記図10(b)のようにして押し付けて、突起43dと爪部51との係合を解除し、カウルトップカバー1を車両前方側へ引き抜けばよい。
【0045】
図12は、図1におけるカウルトップカバー1とカウルトップパネル9とのクリップ17による取付構造に代わる例を示している。これは、カウルトップカバー1の下方突出部15の下面にフック15bを車両後方に向けて突出形成し、このフック15bと下方突出部15の下面との間の隙間63に、カウルトップパネル9の車両前端部9bを、車両前後方向及び車幅方向に相対移動可能に挿入している。
【0046】
図13は、車幅方向中央の切欠部45近傍のカウルトップカバー1の斜視図で、図4に示した爪部51と同様の爪部65及び、指掛け部53と同様の指掛け部67を設定している。さらに、爪部65を設けた部分の弾性変形片39dに隣接する凹部39aとの間には、前記図4のスリット55と同様のスリット69を設けている。
【0047】
すなわち、カウルトップカバー1をフロントウインドシールドパネル7に取り付けた状態では、爪部65が中央スペーサ41の被係止部となる突起41dに、前記図10(a)の爪部53と突起43dとの係合状態と同様にして係合することになる。
【0048】
そして、この係合状態を解除する際には、指掛け部67を設けた位置に対応した上壁35にほぼ正方形状の作業穴35cを形成し、この作業穴35cから指掛け部67を押し下げればよい。なお、作業穴35cは通常時には蓋71で塞いでおく。
【0049】
このように、車幅方向両端部に加え車幅方向中央部においても、爪部65と突起41dとを係止させて、カウルトップカバー1のフロントウインドシールドパネル7に対する車両後方への移動を規制する位置規制を行うことで、カウルトップカバー1のフロントウインドシールドパネル7に対する取り付け状態がより安定化する。
【0050】
図14(a)は、前記図4の爪部51の形状を変化させている。前記した爪部51は、図10(a)に示すように、突起43に対して互いに面接触により係止しているため、この係止状態を解除するために指掛け部53を設けていたが、ここでの爪部73は、指掛け部53を不要とし、カウルトップカバー1をフロントウインドシールドパネル7から離れる方向に引っ張るだけで上記した係止状態を解除できるようにしている。
【0051】
すなわち、図14(a)に示す爪部73は、端部スペーサ43側の突起43dに係止する係止面73aを傾斜面として図14(a)の断面形状で点接触させている。
【0052】
したがって、この場合には、カウルトップカバー1をフロントウインドシールドパネル7から離れる方向(図14(a)中の矢印J方向)に引っ張るだけで上記した係止状態を解除できるので、構造が簡素化するとともに取り外し作業も容易となる。
【0053】
図14(b)は、図14(a)とは逆に、端部スペーサ43の突起43d側に傾斜面43d2を設けた例であり、この場合にも、図14(a)と同様に、カウルトップカバー1をフロントウインドシールドパネル7から離れる方向に引っ張るだけで上記した係止状態を解除することができる。
【0054】
図15は、図14(a)と同様に爪部73に傾斜面73aを設けているが、端部スペーサ43には突起43dを設けずに、傾斜面73aを端部スペーサ43の角部に引っ掛けるようにしている。したがって、この場合にも、図14(a)と同様に、カウルトップカバー1をフロントウインドシールドパネル7から離れる方向に引っ張るだけで上記した係止状態を解除することができる。
【0055】
なお、上記した図14及び図15の構造は、図13の爪部65による係止構造に適用してもよい。
【0056】
図16は、前記図1,図3における中央スペーサ41によるカウルトップカバー1の車幅方向の位置規制構造を廃止し、これに代えて、カウルトップカバー1とカウルトップパネル9とのクリップ17による取付構造のクリップ挿入孔15bを、車両前後方向に長い長孔として、上記の車幅方向の位置規制を行うようにしている。
【0057】
すなわち、このクリップ挿入孔15bの車幅方向の寸法は、クリップ17の軸部17aの直径とほぼ同等である。また、カウルトップパネル9の車両前端部9bに設けてあるクリップ挿入孔9cは、図1と同様にクリップ17の軸部17aの直径とほぼ同一の内径を備えている。
【0058】
したがって、この場合には、カウルトップカバー1はカウルトップパネル9に対して車両前後方向には相対移動可能であるが、車幅方向に対しては移動不能として位置規制されている。
【0059】
カウルトップパネル9は、車幅方向中央部付近については、他の部位に比較して位置精度が高く、車幅方向への姿勢変位(位置変化)も少ない。このため、カウルトップパネル9にフード5の開閉時の衝撃や走行時の振動の入力があっても、カウルトップパネル9の車幅方向中央部付近の位置が瞬間的もしくは連続的に変化しにくく、これに対応してカウルトップカバー1はフロントウインドシールドパネル7に対して移動しにくいものとなっている。
【0060】
したがって、車幅方向中央部付近においては、カウルトップカバー1の車幅方向の位置規制をカウルトップパネル9に対して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態に係わるカウルトップカバーの取付構造を示す、図2のA−A断面図である。
【図2】図1のカウルトップカバーの取付構造周辺を示す車両の斜視図である。
【図3】図2に対し車両前後方向を逆にした状態の、フロントウインドシールドパネルとカウルトップカバーと中央スペーサとを示す分解斜視図である。
【図4】図2に対し車両前後方向を逆にした状態の、フロントウインドシールドパネルとカウルトップカバーと端部スペーサとを示す分解斜視図である。
【図5】カウルトップカバーを設けた部位付近の車両の平面図である。
【図6】図5における車幅方向中央の中央スペーサを設けた部位の平面透視図である。
【図7】図6(図9)のB−B(G−G)断面図である。
【図8】図6(図9)のC−C(F−F)断面図である。
【図9】図5における車幅方向端部の端部スペーサを設けた部位の平面透視図である。
【図10】(a)は図9のD−D断面図、(b)は(a)に対し突起と爪部との係止状態を解除する動作を示す動作説明図である。
【図11】図9のH−H断面図である。
【図12】図1におけるカウルトップカバーとカウルトップパネルとのクリップによる取付構造に代わる例を示す断面図である。
【図13】車幅方向中央の切欠部近傍のカウルトップカバーの他の例を示す斜視図である。
【図14】(a)は、図4の爪部の形状を変化させた例を示す断面図、(b)はさらにその別の例を示す断面図である。
【図15】図14(a)に対し、端部スペーサ側の突起を廃止した例を示す断面図である。
【図16】カウルトップカバーとカウルトップパネルとのクリップによる取付構造のクリップ挿入孔を、車両前後方向に長い長孔として車幅方向の位置規制を行うようにした例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0062】
1 カウルトップカバー
7 フロントウインドシールドパネル
7a フロントウインドシールドパネルの下端部
9 カウルトップパネル
31 カウルトップカバーの嵌合溝
39 嵌合溝における下壁
41c 中央位置規制ピン(中央位置規制突起)
43c 端部位置規制ピン(端部位置規制突起)
41a,43a ベース部
41d,43d 突起(被係止部)
45b 車幅方向位置規制用切欠部
47,59,61 リブ(上下方向位置規制用凸部)
49 切欠部(後方位置規制用切欠部)
51,65 爪部(前方位置規制用係止部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のフロントウインドシールドパネルとフードとの間に位置するカウルトップカバーの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カウルトップカバーの車両後端部にフロントウインドシールドパネルの下端部を挿入する嵌合溝を設けた構造として、下記特許文献1に記載されたものがある。これは、カウルトップカバーの嵌合溝にフロントウインドシールドパネルの下端部を挿入した状態で、カウルトップカバーの車両前方側をクリップによりカウルトップパネルに固定している。
【特許文献1】実開平1−144107号公報(第4頁第7行〜15行,第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記した従来の構造では、フードの開閉時の衝撃や走行時の振動の入力により、カウルトップパネルの位置が瞬間的もしくは連続的に変化したときに、カウルトップカバーがカウルトップパネルに固定されているので、カウルトップパネルに連動してカウルトップカバーが、車体に固定されているフロントウインドシールドパネルに対して移動することになる。
【0004】
このようにカウルトップカバーがフロントウインドシールドパネルに対して移動するとき、フロントウインドシールドパネルとカウルトップカバーの嵌合溝との間に、特に硬質の異物が進入した状態であると、フロントウインドシールドパネルを傷付け亀裂発生を引き起こす恐れがある。
【0005】
そこで、本発明は、カウルトップパネルが移動したときに、カウルトップカバーのフロントウインドシールドパネルに対する移動を抑えることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、カウルトップカバーの車両前方側をカウルトップパネルに対して相対移動可能に取り付け、前記カウルトップカバーの車両後端部に、フロントウインドシールドパネルの下端部を挿入する嵌合溝を車幅方向に沿って設け、前記フロントウインドシールドパネルの下端部の下面における車幅方向中央及び車幅方向両端に、下方に突出する中央位置規制突起及び端部位置規制突起をそれぞれ取り付け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の車幅方向中央に、前記中央位置規制突起が前端開口から挿入されて前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車幅方向の位置規制を行う車幅方向位置規制用切欠部を設け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の車幅方向両端に、前記端部位置規制突起が前端開口から挿入されて前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両後方への位置規制を行う後方位置規制用切欠部を設け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の車幅方向適宜位置に、前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両上下方向の位置規制を行う上下方向位置規制用凸部を設け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の少なくとも車幅方向両端部に、前記フロントウインドシールドパネルに設けた被係止部に係止して前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両前方への位置規制を行う前方位置規制用係止部を設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、カウルトップカバーの車両前方側をカウルトップパネルに対して車両前後方向に相対移動可能かつ車幅方向に移動不能に取り付けて前記カウルトップカバーのフロントウインドシールドパネルに対する車幅方向の位置規制を行い、前記カウルトップカバーの車両後端部に、前記フロントウインドシールドパネルの下端部を挿入する嵌合溝を車幅方向に沿って設け、前記フロントウインドシールドパネルの下端部の下面における車幅方向両端に、下方に突出する端部位置規制突起を取り付け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の車幅方向両端に、前記端部位置規制突起が前端開口から挿入されて前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両後方への位置規制を行う後方位置規制用切欠部を設け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の車幅方向適宜位置に、前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両上下方向の位置規制を行う上下方向位置規制用凸部を設け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の少なくとも車幅方向両端部に、前記フロントウインドシールドパネルに設けた被係止部に係止して前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両前方への位置規制を行う前方位置規制用係止部を設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のカウルトップカバーの取付構造において、前記端部位置規制突起及び前記被係止部を、フロントウインドシールドパネルに取り付けるベース部に対して一体的に設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のカウルトップカバーの取付構造において、前記上下方向位置規制用凸部を、車両前後方向に延びるリブとしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、カウルトップカバーの位置規制をフロントウインドシールドパネル側で行うとともに、カウルトップカバーをカウルトップパネルに対して相対移動可能としているので、カウルトップパネルが位置変化し移動しても、カウルトップカバーのフロントウインドシールドパネルに対する移動を抑えることができる。このため、カウルトップパネルが移動したときに、フロントウインドシールドパネルの下端部とカウルトップカバーの嵌合溝との間に、異物が進入した状態であっても、フロントウインドシールドパネルの損傷を防止することができる。
【0011】
請求項2の発明によれば、カウルトップカバーの車両前後方向及び上下方向の位置規制をフロントウインドシールドパネル側で行い、車幅方向の位置規制については、カウルトップパネルが、他の部位に比較して位置精度が高く、車幅方向への位置変化も少ないので、カウルトップパネルが車両前後方向に位置変化し移動しても、カウルトップカバーのフロントウインドシールドパネルに対する移動を抑えることができる。このため、カウルトップパネルが移動したときに、フロントウインドシールドパネルの下端部とカウルトップカバーの嵌合溝との間に、異物が進入した状態であっても、フロントウインドシールドパネルの損傷を防止することができる。
【0012】
請求項3の発明によれば、端部位置規制突起及び被係止部が、フロントウインドシールドパネルに取り付けるベース部に一体化した部品となり、構造の簡素化に寄与することができる。
【0013】
請求項4の発明によれば、上下方向位置規制用凸部を車両前後方向に延びるリブとすることで、カウルトップカバーの剛性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係わるカウルトップカバーの取付構造を示す、図2のA−A断面図であり、図中の矢印FRで示す方向が車両前方、矢印UPで示す方向が車両上方、矢印LHで示す方向が車両左方である。
【0016】
カウルトップカバー1は、合成樹脂で一体成形してあり、エンジンルーム3の上部開口を覆うフード5と、フロントウインドシールドパネル7との間に位置して車幅方向に延設され、エアボックスとして機能するカウルトップパネル9の上部開口を覆っている。このカウルトップパネル9は、エンジンルーム3と車室内空間11とを仕切るダッシュパネル13に車両後端部9aを取り付け、車両前端部9bをカウルトップカバー1の前方側の下方突出部15にクリップ17により取り付けている。
【0017】
カウルトップカバー1の下方突出部15に形成したクリップ挿入孔15aは、クリップ17の軸部17aよりも大径の円形としてあり、カウルトップパネル9の車両前端部9bに設けてあるクリップ挿入孔9cは、クリップ17の軸部17aの直径とほぼ同一の内径を備えている。これによりカウルトップパネル9とカウルトップカバー1とは、カウルトップパネル9に固定された状態のクリップ17が大径のクリップ挿入孔15a内で移動するので、相対移動可能となる。
【0018】
また、フロントウインドシールドパネル7は、シール剤18を介してダッシュパネル13の上部に圧接され、下端部7aを除く周縁が車体に固定されている。なお、図2中の符号20はフェンダカバーであり、このフェンダカバー20は、下端部がカウルトップカバー1の車幅方向両端における車両後端側の上部を覆うようにして車体に取り付けてある。
【0019】
カウルトップカバー1の上記下方突出部15よりも車両前方側の端部19上にはシール用ラバー21を取り付け、そのシール用ラバー21上に閉時のフード5が圧接する。カウルトップカバー1の上記下方突出部15よりも車両後方側は、上方に向けて立上る縦壁部23を有し、この縦壁部23に、カウルトップパネル9とカウルトップカバー1との間のエアボックス空間25に空気を導入する空気取入用スリット23aを設けている。なお、図2では図1に示してあるフード5を省略している。
【0020】
縦壁部23の上端23bは車両後方の斜め下方に向けて延びる前部傾斜壁27の上端に連続し、前部傾斜壁27の下端は車両後方の斜め上方に向けて延びる後部傾斜壁29に連続し、後部傾斜壁29の先端側に、フロントウインドシールドパネル7の下端部7aを挿入する嵌合溝31を設けている。なお、図中の符号33はワイパーである。
【0021】
嵌合溝31は、上記した後部傾斜壁29からさらに車両後方の斜め上方に向けて延びる上壁35と、上壁35の基端部35aから上壁部35に対してほぼ直角に下方に向けて延びる底壁37と、底壁37の先端(下端)から上壁35の傾斜よりもやや緩やかな傾斜を持って車両後方に向けて延びる下壁39とを有して、断面ほぼコ字形状となっている。このような嵌合溝31は、断面ほぼコ字形状が車幅方向に沿って形成してあるが、車幅方向に連続的に設けてもよく、断続的に設けてもよい。
【0022】
フロントウインドシールドパネル7の下端部7aの下面における車幅方向中央には、図3に示す中央スペーサ41を取り付け、下端部7aの下面における車幅方向両端部には、図4に示す端部スペーサ43を取り付けている。これら中央スペーサ41及び端部スペーサ43は、互いに形状が同等なので、ここでは図3の中央スペーサ41について説明する。
【0023】
なお、図3及び図4は、図2に対し車両前後方向を逆にした状態の、フロントウインドシールドパネル7と、カウルトップカバー1と、中央スペーサ41及び端部スペーサ43とを示す分解斜視図であり、カウルトップカバー1の後部傾斜壁29及び上壁35は省略している。
【0024】
中央スペーサ41は、車幅方向に長いほぼ長方形のベース部41aを有し、このベース部41aをフロントウインドシールドパネル7の下面に接着固定する。このときベース部41aのカウルトップカバー1側の側縁41bとフロントウインドシールドパネル7の下端部7aの端縁7bとをほぼ一致させる。
【0025】
また、上記ベース部41aの長手方向(車幅方向)中央における側縁41b側の下面(フロントウインドシールドパネル7への接着面と反対側)には、ベース部41aに対してほぼ直角に下方に向けて延びるやや先細の中央位置規制突起としての中央位置規制ピン41cを設けている。さらに、この中央位置規制ピン41cの車幅方向両側から車幅方向両端に沿って突起41dを設けている。
【0026】
なお、図4における端部スペーサ43の中央スペーサ41と同一部位には、符号43に中央スペーサ41と同様の小文字のアルファベットを付けて示している。すなわち、中央スペーサ41の中央位置規制ピン41cに対応して、端部スペーサ43は端部位置規制突起としての端部位置規制ピン43cを備えている。
【0027】
一方、図3に示すように、カウルトップカバー1の中央スペーサ41に対応する位置の下壁39は、図3では不図示の上壁35に対向する内面に、凹部39aを形成して薄肉部としてあり、この凹部39aの車幅方向中央に、全体としてほぼV字形状の切欠部45を形成している。この切欠部45は、前端開口側ほど幅が広く底壁37に近づくほど幅が狭くなる入口部45aと、入口部45aの底壁37側に連続し、前記した中央スペーサ41の中央位置規制ピン41cが、入口部45aの前端開口側から挿入されて入り込む車幅方向位置規制用切欠部45bとを備えている。
【0028】
上記した車幅方向位置規制用切欠部45bは、中央位置規制ピン41cが挿入された状態で、カウルトップカバー1が中央位置規制ピン41cに対して車幅方向に移動不能となるように、車幅方向の寸法を中央位置規制ピン41cの直径とほぼ同等としている。これによりカウルトップカバー1は、フロントウインドシールドパネル7に対し車幅方向の移動を規制する位置規制を行っている。
【0029】
図5は、カウルトップカバー1を設けた部位付近の車両の平面図で、図6は、図5の車幅方向中央の上記中央スペーサ41を設けたP部の拡大した平面透視図である。図6のB−B断面図である図7に示すように、中央スペーサ41の中央位置規制ピン41cは、上記した車幅方向位置規制用切欠部45bの底部にほぼ当接して車両後方側のフロントウインドシールドパネル7に対する位置規制(カウルトップカバー1のフロントウインドシールドパネル7に対する車両後方への移動規制)を行っている。
【0030】
なお、このカウルトップカバー1の車両後方への移動規制は、後述するように図4に示す端部スペーサ43側で行っているので、必ずしも実施する必要はなく、したがって、中央位置規制ピン41cは車幅方向位置規制用切欠部45bの底部から離反していてもよい。
【0031】
また、図3に示すように、凹部39aには車両前後方向に延びる上下方向位置規制用凸部としてのリブ47を設けてあり、このリブ47は、図6のC−C断面図である図8に示すように、中央スペーサ41の突起41dに接触している。この接触状態でフロントウインドシールドパネル7の中央スペーサ41と反対側の表面が上壁35の先端内側に接触している。つまり、フロントウインドシールドパネル7は、その下端部7aが嵌合溝31内で上壁35と下壁39との間に挟まれた状態であり、この状態でカウルトップカバー1は、フロントウインドシールドパネル7に対し上下方向の移動を規制する位置規制を行っている。
【0032】
前記した図4は、図5の車幅方向右側(図5中では左側に相当)の端部の端部スペーサ43を設けたQ部に対応しており、このQ部におけるカウルトップカバー1の端部スペーサ43に対応する位置の下壁39は、図4では不図示の上壁37に対向する内面に、凹部39bを形成してその一部を薄肉部としてある。
【0033】
そして、この凹部39bには、後方位置規制用切欠部としての矩形状の切欠部49を形成している。この切欠部49は、車両前方側に車幅方向に沿って延びる当接部49aを備え、この当接部49aの車幅方向ほぼ中央位置に端部スペーサ43の端部位置規制ピン43cが当接する。これによりカウルトップカバー1は、フロントウインドシールドパネル7に対し車両後方への移動を規制する位置規制を行っている。
【0034】
また、切欠部49の車幅方向外側の下壁39における上壁35に対向する側を、弾性変形片39cとし、この弾性変形片39cの先端の上壁35に対向する側に前方位置規制用係止部としての爪部51を設けてある。この爪部51は、上記した端部位置規制ピン43cが当接部49aに当接した状態で、図10(a)に示すように、端部スペーサ43の被係止部となる突起43dに係止してカウルトップカバー1のフロントウインドシールドパネル7に対する車両前方への移動を規制する。すなわち、カウルトップカバー1は、上記した爪部51により、フロントウインドシールドパネル7に対し車両前方への移動を規制する位置規制を行っている。
【0035】
なお、上記した図10(a)は、図5における車幅方向端部の端部スペーサ43を設けたQ部の平面透視図である図9のD−D断面図である。
【0036】
上記弾性変形片39cの先端は下方に突出するよう厚肉に形成し、この厚肉部の車幅方向外側に指掛け部53を突出して設けるとともに、弾性変形片39cの車幅方向内側には前記切欠部49に連続しかつ底壁37にわたるリット55を設けてある。これにより、図10(a)の状態で指掛け部53を、図10(b)の矢印Eの方向に指57によって押し付け、弾性変形片39cを上壁35から離れる方向に撓ませることで、突起43dと爪部51との係止状態が解除される。
【0037】
逆に、上記解除された状態から係止状態とするには、爪部51の傾斜面51aが突起43dの傾斜面43d1に押し付けられつつ摺接移動することで、弾性変形片39cが上壁35から離れる方向にやや撓みつつ図10(a)の係止状態となる。
【0038】
また、上記した凹部39bにおいても、前記図3における凹部39aのリブ47と同様に、車両前後方向に延びる上下方向位置規制用凸部としてのリブ59を、切欠部49を間に挟んで弾性変形片39cと反対側に設けてあり、このリブ59も、図6のC−C断面図である図8と同様に、端部スペーサ43の突起43dに接触する。すなわち、図9のリブ59を設けた部分のF−F断面図は、上記図8と同様の断面図となる。同様にして、図9の端部位置規制ピン43cを設けた部分のG−G断面図は、図6のB−B断面図である図7と同様の断面図となる。
【0039】
上記図4に示した構造、すなわち図5の車幅方向右側端部におけるQ部の構造は、これと反対側の車幅方向左側端部(図5中で右側)におけるR部においても、左右対称形状として適用してある。
【0040】
また、図3,図4に示すように、凹部39a,39bを設けた部位以外の下壁39の上壁35に対向する面には、前記した各リブ47,59と同様のリブ61を車幅方向の適宜位置に複数設けてある。このリブ61を設けた部位に相当する図9のH−H断面図である図11に示すように、リブ61はフロントウインドシールドパネル7の下端部7aにおける下面側の角部7a1に接触する一方、下端部7aの表面側がカウルトップカバー1の上壁35の先端内側に接触している。
【0041】
これにより、フロントウインドシールドパネル7は、その下端部7aが嵌合溝31内で上壁35と下壁39との間に挟まれた状態となり、この状態でカウルトップカバー1は、前記図8の断面形状部位と同様に、フロントウインドシールドパネル7に対し上下方向の移動を規制する位置規制を行っている。すなわち、リブ61も、前記したリブ47,59と同様に上下方向位置規制用凸部を構成している。
【0042】
このように、本実施形態におけるカウルトップカバー1は、フロントウインドシールドパネル7に対し、車幅方向中央に設けた中央スペーサ41と車幅方向位置規制用切欠部45bとにより車幅方向の位置規制を行い、車幅方向両端部に設けた端部スペーサ43と当接部49a,爪部51及び突起43dにより車両前後方向の位置規制を行い、さらにリブ47,59,61により上下方向の位置規制を行っている。
【0043】
そして、このカウルトップカバー1は、前記図1に示したようにカウルトップパネル9に対して相対移動可能としているので、フード5の開閉時の衝撃や走行時の振動の入力により、カウルトップパネル9の位置が瞬間的もしくは連続的に変化したとしても、カウルトップカバー1のフロントウインドシールドパネル7に対する移動を抑えることができる。したがって、カウルトップパネル9が位置変化して移動したときに、フロントウインドシールドパネル7の下端部7aとカウルトップカバー1の嵌合溝31との間に、例え硬質の異物が進入した状態であっても、フロントウインドシールドパネル7の損傷を防止することができる。
【0044】
また、上記したように、カウルトップカバー1を、フロントウインドシールドパネル7に対して位置決め規制して取り付けた状態で、フロントウインドシールドパネル7から取り外す際には、前記図5のQ部に対応する図4に示した指掛け部53及び、R部に対応する同様の図示しない指掛け部53を、前記図10(b)のようにして押し付けて、突起43dと爪部51との係合を解除し、カウルトップカバー1を車両前方側へ引き抜けばよい。
【0045】
図12は、図1におけるカウルトップカバー1とカウルトップパネル9とのクリップ17による取付構造に代わる例を示している。これは、カウルトップカバー1の下方突出部15の下面にフック15bを車両後方に向けて突出形成し、このフック15bと下方突出部15の下面との間の隙間63に、カウルトップパネル9の車両前端部9bを、車両前後方向及び車幅方向に相対移動可能に挿入している。
【0046】
図13は、車幅方向中央の切欠部45近傍のカウルトップカバー1の斜視図で、図4に示した爪部51と同様の爪部65及び、指掛け部53と同様の指掛け部67を設定している。さらに、爪部65を設けた部分の弾性変形片39dに隣接する凹部39aとの間には、前記図4のスリット55と同様のスリット69を設けている。
【0047】
すなわち、カウルトップカバー1をフロントウインドシールドパネル7に取り付けた状態では、爪部65が中央スペーサ41の被係止部となる突起41dに、前記図10(a)の爪部53と突起43dとの係合状態と同様にして係合することになる。
【0048】
そして、この係合状態を解除する際には、指掛け部67を設けた位置に対応した上壁35にほぼ正方形状の作業穴35cを形成し、この作業穴35cから指掛け部67を押し下げればよい。なお、作業穴35cは通常時には蓋71で塞いでおく。
【0049】
このように、車幅方向両端部に加え車幅方向中央部においても、爪部65と突起41dとを係止させて、カウルトップカバー1のフロントウインドシールドパネル7に対する車両後方への移動を規制する位置規制を行うことで、カウルトップカバー1のフロントウインドシールドパネル7に対する取り付け状態がより安定化する。
【0050】
図14(a)は、前記図4の爪部51の形状を変化させている。前記した爪部51は、図10(a)に示すように、突起43に対して互いに面接触により係止しているため、この係止状態を解除するために指掛け部53を設けていたが、ここでの爪部73は、指掛け部53を不要とし、カウルトップカバー1をフロントウインドシールドパネル7から離れる方向に引っ張るだけで上記した係止状態を解除できるようにしている。
【0051】
すなわち、図14(a)に示す爪部73は、端部スペーサ43側の突起43dに係止する係止面73aを傾斜面として図14(a)の断面形状で点接触させている。
【0052】
したがって、この場合には、カウルトップカバー1をフロントウインドシールドパネル7から離れる方向(図14(a)中の矢印J方向)に引っ張るだけで上記した係止状態を解除できるので、構造が簡素化するとともに取り外し作業も容易となる。
【0053】
図14(b)は、図14(a)とは逆に、端部スペーサ43の突起43d側に傾斜面43d2を設けた例であり、この場合にも、図14(a)と同様に、カウルトップカバー1をフロントウインドシールドパネル7から離れる方向に引っ張るだけで上記した係止状態を解除することができる。
【0054】
図15は、図14(a)と同様に爪部73に傾斜面73aを設けているが、端部スペーサ43には突起43dを設けずに、傾斜面73aを端部スペーサ43の角部に引っ掛けるようにしている。したがって、この場合にも、図14(a)と同様に、カウルトップカバー1をフロントウインドシールドパネル7から離れる方向に引っ張るだけで上記した係止状態を解除することができる。
【0055】
なお、上記した図14及び図15の構造は、図13の爪部65による係止構造に適用してもよい。
【0056】
図16は、前記図1,図3における中央スペーサ41によるカウルトップカバー1の車幅方向の位置規制構造を廃止し、これに代えて、カウルトップカバー1とカウルトップパネル9とのクリップ17による取付構造のクリップ挿入孔15bを、車両前後方向に長い長孔として、上記の車幅方向の位置規制を行うようにしている。
【0057】
すなわち、このクリップ挿入孔15bの車幅方向の寸法は、クリップ17の軸部17aの直径とほぼ同等である。また、カウルトップパネル9の車両前端部9bに設けてあるクリップ挿入孔9cは、図1と同様にクリップ17の軸部17aの直径とほぼ同一の内径を備えている。
【0058】
したがって、この場合には、カウルトップカバー1はカウルトップパネル9に対して車両前後方向には相対移動可能であるが、車幅方向に対しては移動不能として位置規制されている。
【0059】
カウルトップパネル9は、車幅方向中央部付近については、他の部位に比較して位置精度が高く、車幅方向への姿勢変位(位置変化)も少ない。このため、カウルトップパネル9にフード5の開閉時の衝撃や走行時の振動の入力があっても、カウルトップパネル9の車幅方向中央部付近の位置が瞬間的もしくは連続的に変化しにくく、これに対応してカウルトップカバー1はフロントウインドシールドパネル7に対して移動しにくいものとなっている。
【0060】
したがって、車幅方向中央部付近においては、カウルトップカバー1の車幅方向の位置規制をカウルトップパネル9に対して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態に係わるカウルトップカバーの取付構造を示す、図2のA−A断面図である。
【図2】図1のカウルトップカバーの取付構造周辺を示す車両の斜視図である。
【図3】図2に対し車両前後方向を逆にした状態の、フロントウインドシールドパネルとカウルトップカバーと中央スペーサとを示す分解斜視図である。
【図4】図2に対し車両前後方向を逆にした状態の、フロントウインドシールドパネルとカウルトップカバーと端部スペーサとを示す分解斜視図である。
【図5】カウルトップカバーを設けた部位付近の車両の平面図である。
【図6】図5における車幅方向中央の中央スペーサを設けた部位の平面透視図である。
【図7】図6(図9)のB−B(G−G)断面図である。
【図8】図6(図9)のC−C(F−F)断面図である。
【図9】図5における車幅方向端部の端部スペーサを設けた部位の平面透視図である。
【図10】(a)は図9のD−D断面図、(b)は(a)に対し突起と爪部との係止状態を解除する動作を示す動作説明図である。
【図11】図9のH−H断面図である。
【図12】図1におけるカウルトップカバーとカウルトップパネルとのクリップによる取付構造に代わる例を示す断面図である。
【図13】車幅方向中央の切欠部近傍のカウルトップカバーの他の例を示す斜視図である。
【図14】(a)は、図4の爪部の形状を変化させた例を示す断面図、(b)はさらにその別の例を示す断面図である。
【図15】図14(a)に対し、端部スペーサ側の突起を廃止した例を示す断面図である。
【図16】カウルトップカバーとカウルトップパネルとのクリップによる取付構造のクリップ挿入孔を、車両前後方向に長い長孔として車幅方向の位置規制を行うようにした例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0062】
1 カウルトップカバー
7 フロントウインドシールドパネル
7a フロントウインドシールドパネルの下端部
9 カウルトップパネル
31 カウルトップカバーの嵌合溝
39 嵌合溝における下壁
41c 中央位置規制ピン(中央位置規制突起)
43c 端部位置規制ピン(端部位置規制突起)
41a,43a ベース部
41d,43d 突起(被係止部)
45b 車幅方向位置規制用切欠部
47,59,61 リブ(上下方向位置規制用凸部)
49 切欠部(後方位置規制用切欠部)
51,65 爪部(前方位置規制用係止部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カウルトップカバーの車両前方側をカウルトップパネルに対して相対移動可能に取り付け、前記カウルトップカバーの車両後端部に、フロントウインドシールドパネルの下端部を挿入する嵌合溝を車幅方向に沿って設け、前記フロントウインドシールドパネルの下端部の下面における車幅方向中央及び車幅方向両端に、下方に突出する中央位置規制突起及び端部位置規制突起をそれぞれ取り付け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の車幅方向中央に、前記中央位置規制突起が前端開口から挿入されて前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車幅方向の位置規制を行う車幅方向位置規制用切欠部を設け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の車幅方向両端に、前記端部位置規制突起が前端開口から挿入されて前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両後方への位置規制を行う後方位置規制用切欠部を設け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の車幅方向適宜位置に、前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両上下方向の位置規制を行う上下方向位置規制用凸部を設け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の少なくとも車幅方向両端部に、前記フロントウインドシールドパネルに設けた被係止部に係止して前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両前方への位置規制を行う前方位置規制用係止部を設けたことを特徴とするカウルトップカバーの取付構造。
【請求項2】
カウルトップカバーの車両前方側をカウルトップパネルに対して車両前後方向に相対移動可能かつ車幅方向に移動不能に取り付けて前記カウルトップカバーのフロントウインドシールドパネルに対する車幅方向の位置規制を行い、前記カウルトップカバーの車両後端部に、前記フロントウインドシールドパネルの下端部を挿入する嵌合溝を車幅方向に沿って設け、前記フロントウインドシールドパネルの下端部の下面における車幅方向両端に、下方に突出する端部位置規制突起を取り付け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の車幅方向両端に、前記端部位置規制突起が前端開口から挿入されて前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両後方への位置規制を行う後方位置規制用切欠部を設け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の車幅方向適宜位置に、前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両上下方向の位置規制を行う上下方向位置規制用凸部を設け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の少なくとも車幅方向両端部に、前記フロントウインドシールドパネルに設けた被係止部に係止して前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両前方への位置規制を行う前方位置規制用係止部を設けたことを特徴とするカウルトップカバーの取付構造。
【請求項3】
前記端部位置規制突起及び前記被係止部を、フロントウインドシールドパネルに取り付けるベース部に対して一体的に設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のカウルトップカバーの取付構造。
【請求項4】
前記上下方向位置規制用凸部を、車両前後方向に延びるリブとしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のカウルトップカバーの取付構造。
【請求項1】
カウルトップカバーの車両前方側をカウルトップパネルに対して相対移動可能に取り付け、前記カウルトップカバーの車両後端部に、フロントウインドシールドパネルの下端部を挿入する嵌合溝を車幅方向に沿って設け、前記フロントウインドシールドパネルの下端部の下面における車幅方向中央及び車幅方向両端に、下方に突出する中央位置規制突起及び端部位置規制突起をそれぞれ取り付け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の車幅方向中央に、前記中央位置規制突起が前端開口から挿入されて前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車幅方向の位置規制を行う車幅方向位置規制用切欠部を設け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の車幅方向両端に、前記端部位置規制突起が前端開口から挿入されて前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両後方への位置規制を行う後方位置規制用切欠部を設け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の車幅方向適宜位置に、前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両上下方向の位置規制を行う上下方向位置規制用凸部を設け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の少なくとも車幅方向両端部に、前記フロントウインドシールドパネルに設けた被係止部に係止して前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両前方への位置規制を行う前方位置規制用係止部を設けたことを特徴とするカウルトップカバーの取付構造。
【請求項2】
カウルトップカバーの車両前方側をカウルトップパネルに対して車両前後方向に相対移動可能かつ車幅方向に移動不能に取り付けて前記カウルトップカバーのフロントウインドシールドパネルに対する車幅方向の位置規制を行い、前記カウルトップカバーの車両後端部に、前記フロントウインドシールドパネルの下端部を挿入する嵌合溝を車幅方向に沿って設け、前記フロントウインドシールドパネルの下端部の下面における車幅方向両端に、下方に突出する端部位置規制突起を取り付け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の車幅方向両端に、前記端部位置規制突起が前端開口から挿入されて前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両後方への位置規制を行う後方位置規制用切欠部を設け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の車幅方向適宜位置に、前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両上下方向の位置規制を行う上下方向位置規制用凸部を設け、前記カウルトップカバーの嵌合溝における下壁の少なくとも車幅方向両端部に、前記フロントウインドシールドパネルに設けた被係止部に係止して前記カウルトップカバーの前記フロントウインドシールドパネルに対する車両前方への位置規制を行う前方位置規制用係止部を設けたことを特徴とするカウルトップカバーの取付構造。
【請求項3】
前記端部位置規制突起及び前記被係止部を、フロントウインドシールドパネルに取り付けるベース部に対して一体的に設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のカウルトップカバーの取付構造。
【請求項4】
前記上下方向位置規制用凸部を、車両前後方向に延びるリブとしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のカウルトップカバーの取付構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−64518(P2010−64518A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−230019(P2008−230019)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(000229955)日本プラスト株式会社 (740)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(000229955)日本プラスト株式会社 (740)
【Fターム(参考)】
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