説明

カスタマイズ可能なサービス・プロバイダ・ユーザ・インターフェース

カスタマイズ可能なサービス・プロバイダ・ユーザ・インターフェースが開示される。一実施例において、ユーザは、以前にログオンしたことのないウェブサービスへと一続きにログオンされる。ユーザ・インターフェースは複数の部分を持って出力され、その1つ又は複数は、一連のウェブ・サービスとの相互作用をカスタマイズするための1つ又は複数のオーバーレイの使用を通じてユーザによってカスタマイズ可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カスタマイズ可能なサービス・プロバイダ・ユーザ・インターフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
莫大な量のコンテンツがネットワーク・アクセスを介してユーザに利用可能であり、その量はさらに増加しつつある。例えば、ユーザは、現在、インターネットを通じて何十億ものウェブ・ページにアクセスする。さらに、ウェブ・ページから画像、ダウンロード可能な音楽などに至るまで、利用可能なコンテンツの種類が増加している。したがって、このような量及び種類のコンテンツから興味のある特定のコンテンツを見つけることはユーザにとって困難となり得る。
【0003】
コンテンツにアクセスしコンテンツと対話するために様々な技術が利用できる。例えば、ユーザは、ウェブ・ページを探索するために「検索エンジン」にアクセスしてもよい。検索エンジンは、通常、ウェブサイト・アドレスを介してアクセスされ、インターネット上で収集された情報のデータベースを保持するスタンドアロンのプログラムとして機能する。例えば、ユーザによって提供されたキーワードを有するウェブ・ページを見つけるように、テキストサーチを実行することにより、興味のある特定のウェブ・ページを見つけるために、検索エンジンは、カード目録のように使用されてもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の検索エンジンはインターネット検索を提供するという唯一の目的のために構成されており、したがって、典型的には、他のコンテンツを一般に欠いた、内容の乏しいウェブ・ページを介して閲覧されていた。検索エンジンへのトラフィックを促進するための1つの技術は、ウェブ・ポータルとしての構成を通じてものであり、これにより、ウェブ・ポータルは、インターネットを介してコンテンツにアクセスするためのユーザによる「始点」として機能していた。ウェブ・ポータルは、例えば、検索機能のほか、ニュース記事やスポーツのスコアのようなコンテンツの出力も含み得る。いくつかの例では、このようなコンテンツの出力はユーザによってカスタマイズ可能であったが、そのようなカスタマイズにおいては、コンテンツを選択するために最初のウェブ・ページから1つ又は複数の他のウェブ・ページまでナビゲートするように検索エンジンと情報をやり取りする際、ユーザは最初の「体験(experience)」を残すこととなっていた。さらに、当該最初の体験は希薄であることもあり、それによって、検索エンジンについてのユーザの最初の判断に悪影響を及ぼし、カスタマイズはユーザにとって骨の折れるものに見えていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
カスタマイズ可能なサービス・プロバイダ・ユーザ・インターフェースが開示される。一実施例において、ユーザは、以前にログオンしたことのないウェブサービスへと一続きにログオンされる。ユーザ・インターフェースは複数の部分を持って出力され、その1つ又は複数は、一連のウェブ・サービス(ウェブ・サービス・スイート、web service suite)との相互作用(interaction)をカスタマイズするための1つ又は複数のオーバーレイ(overlay)の使用を通じてユーザによってカスタマイズ可能である。別の実施例では、当該部分は、表示の際に、初期のサイズから拡張したサイズまでアニメートする。
【0006】
この項における記載は、発明の詳細な説明において以下でさらに説明される概念のうち選択されたものについて、簡略化された形式で紹介するために提供されるものである。この項における記載は、特許請求の範囲に記載された主題の主な特長あるいは本質的な特徴を特定することを意図せず、また、特許請求の範囲に記載の主題の範囲の決定に際しての助けとして使用することも意図しない。
【0007】
図面において、同じ参考番号は、同様の構造とコンポーネントの参照への説明における事例中で利用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
莫大な量のコンテンツがインターネットを通じてユーザに利用可能である。このようなコンテンツにアクセスするため、ユーザは、ウェブ・ページを探索すべく「検索エンジン」にアクセスしてもよい。しかし、従来の検索エンジンは、通常、インターネット検索を提供するという唯一の目的のために構成され、一般に他のコンテンツに欠ける内容の薄いウェブ・ページを介して閲覧されていた。例えば、検索エンジンは、テキストを受け取るように構成された検索部、及びサービス・プロバイダのロゴを含んでいるかもしれない。
【0009】
他の目的のための検索エンジンへのトラフィックを促進するために、インターネットを介してコンテンツにアクセスするためのユーザによる「始点」として機能するように、検索エンジンは、ウェブ・ポータルとして構成されてもよい。ウェブ・ポータルは、さらに例えば、ニュース記事とスポーツ・スコアのようなコンテンツを含んでいるかもしれない。しかしながら、いくつかの例において、コンテンツについてのこのような出力はユーザによりカスタマイズ可能であり得るが、従来のカスタマイズ技術は、ユーザを異なる体験の間にナビゲートするものであった。例えば、ユーザは、サービスへログオンしてデフォルトのウェブ・ページにアクセスしてもよい。ウェブ・ページをカスタマイズするために、ユーザは、コンテンツを選択するためにウェブ・ページとは別個に表示された他のページにナビゲートする。したがって、ユーザは最初の「体験」を残し、コンテンツをカスタマイズするために1つ又は複数の他の経験を介してナビゲートする。したがって、ユーザは、カスタマイズが望ましいものかどうか判断するために、カスタマイズされたページに戻ることを強いられ、追加のカスタマイズを実行するための変更を加えるためにページ間を前後にナビゲートし続けることを強いられていた。さらに、初期の体験は希薄であることもあり、そのため、検索エンジンについてのユーザの最初の判断に悪影響を及ぼし、カスタマイズを骨の折れるものに見せていた。さらに、このインターフェースは伝統的に、ローカルなコンテンツに関連するユーザ・インターフェースから、別々に提供されていた。
【0010】
従って、カスタマイズ可能なサービス・プロバイダ・ユーザ・インターフェースが開示される。一実施例において、ユーザ・インターフェースは、カスタマイズされる体験にユーザがとどまるよう、オーバーレイのユーザを通じてカスタマイズ可能である。例えば、オーバーレイは、カスタマイズされている体験の上の半透明層(translucent layer)として提供されてもよい。カスタマイズがなされている際、カスタマイズは少なくともオーバーレイの一部「を介して」見られてもよい。さらに、ユーザ・インターフェースによりユーザの体験を改善するアニメーションが提供されてもよい。さらに、ユーザ・インターフェースは、クライアント装置に局在するコンテンツを組込み、それによって、「統合された」体験を提供してもよい。これら及び他の技術についてのさらなる説明は図3−10に関してなされる。
【0011】
以下の説明では、上述のユーザ・インターフェース技術のほかに他の技術をも使用するために動作可能な例示的な環境が最初に記述される。その後、当該例示的な環境中のほか、他の環境中においても使用され得る、例示的な手続き及びユーザ・インターフェースが記述される。
【0012】
例示的な環境
図1は、カスタマイズ技術を使用するよう動作可能な例示的な実施例における環境100の図である。図示された環境100は、複数のサービス・プロバイダ102(m)(ここで「m」は1から「M」まで任意の整数になりえる)、及びネットワーク106を介して通信で接続される複数のクライアント104(n)(ここで「n」は1から「N」まで任意の整数になりえる)を含んでいる。
【0013】
クライアント104(n)は、サービス・プロバイダ102(m)にアクセスするための様々な方法で構成することができる。例えば、クライアント104(n)のうち1つ又は複数は、デスクトップコンピュータ、移動局、娯楽器具、ディスプレイ装置に通信でつながれたセットトップ・ボックス、無線電話、ゲーム機などのような、計算装置として構成されてもよい。したがって、クライアント104(n)は、十分なメモリ及びプロセッサリソースを備えた十分なリソースをもつ装置(full-resource devices)(例えばパーソナルコンピュータ、ゲーム機)から、限られたメモリ、処理リソース及び/又はディスプレイリソースを備えた低リソースの装置(low-resource devices)(例えば従来のセットトップ・ボックス、携帯型のゲーム機、無線電話)に及んてもよい。以下の説明の目的のために、クライアント104(n)は、さらにクライアントを操作する人及び/又は実体(エンティティ、entity)に関連してもよい。換言すれば、クライアント104(n)の1つ又は複数は、ユーザ、ソフトウェア及び/又は装置を含む論理的なクライアントを表してもよい。
【0014】
ネットワーク106はインターネットとして説明されるが、当該ネットワークは種々の構成を仮定してもよい。例えば、ネットワーク106は、広域ネットワーク(WAN)、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイヤレス・ネットワーク、公衆電話網、イントラネットなどを含んでもよい。さらに、単一のネットワーク106が示されているが、ネットワーク106は複数のネットワークを含むように構成されてもよい。
【0015】
サービス・プロバイダ102(m)は、ネットワーク106を介してアクセス可能な複数のサービス112(s)(ここで「s」は1から「S」まで任意の整数でありえる)を有する一連のウェブ・サービス(ウェブ・サービス・スイート、web service suite)110をもつものとして説明される。サービス112(s)は、クライアント104(n)にネットワーク106を介して機能を提供するための様々な方法で構成されてもよい。例えば、サービス112(s)は、ネットワーク106上でデータを交換するための、プラットフォームに依存しないプロトコル及び標準を介したアクセス用に構成されてもよい。サービス112(s)は、例えば、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、拡張マークアップ言語(XML)などを介した簡易オブジェクト・アクセス・プロトコル(SOAP)のような標準化されたネットワーク・プロトコルによってアクセスされる、インターネット・ホスト・モジュール(Internet-hosted module)を介して提供されてもよく、これについてのさらなる説明は図2に関してなされる。
【0016】
広範な機能が複数のサービス112(s)によって利用可能となり得る。例えば、ウェブ検索112(1)サービス(例えば検索エンジン)はインターネットを探索するために提供されてもよく、電子メール112(2)サービスは電子メールを送受信するために提供されてもよく、また、インスタント・メッセージ112(3)サービスはクライアント104(n)間のインスタント・メッセージを提供するために提供されてもよい。追加の例は、ニュース112(4)サービス、ショッピング(例えば「eコマース」)112(5)サービス及びウェブログ112(6)サービスを含む。さらに、ワードプロセシング、スプレッドシート、プレゼンテーション、図面、ノート取りなどのプロダクティビティ(productivity)112(7)サービスもまた提供されてもよい。例えば、ネットワーク・アクセスが、クライアント104(n)上でもともとローカルに実行されていたアプリケーションに対して、クライアント104(n)に与えられてもよい。したがって、モジュールの実行は、サービス・プロバイダ102(m)において遠隔的に行なわれてもよく、実行の結果はネットワーク106を介してクライアント104(n)に伝えられてもよい。認証サービス112(8)も、サービス・プロバイダ102(m)によって提供される他のサービスのほか、他のサービス・プロバイダによって提供される他のサービスをも含み得るような他のサービスにアクセスするために、クライアント104(n)を認証するために提供されてもよい。サービスのいくつかの例が説明されたが、種々の他のサービス112(S)も考慮されることは明らかである。
【0017】
サービス・プロバイダ102(m)は、サービス管理モジュール114を有するものとして説明され、当該サービス管理モジュール114は、ネットワーク106を介したサービス112(s)へのアクセス、サービス112(s)の性能などを管理するためにサービス・プロバイダ102(m)によって使用される機能を表す。別々に説明されているが、サービス管理モジュール114によって表される機能は、サービス110(s)自体の中に組み込まれてもよい。
【0018】
サービス管理モジュール114は、例えば、クライアント104(n)がサービス112(s)と対話することを可能にするためにクライアント104(n)にネットワーク106を介して提供されるユーザ・インターフェース116を生成するために利用されてもよい。例えば、ユーザ・インターフェース116は、ユーザ・インターフェース116、特にユーザ・インターフェースを形成するのに使用されるデータを与えるためにクライアント104(n)上で実行可能な通信モジュール118(n)の使用を通じて出力されてもよい。ユーザ・インターフェース116は様々な目的のために利用され、クライアント104(n)によってカスタマイズ可能であってもよい。これについてのさらなる説明は図3−9に関してなされる。
【0019】
さらに、サービス管理モジュール114は、複数のアカウント120(a)(ここで「a」は1から「A」まで任意の整数でありえる)を管理してもよく、その各々は、クライアント104(n)による複数のサービス112(s)との相互作用(interaction)のために利用されるデータを表す。例えば、アカウント120(a)は、特定のクライアント104(n)に対応してもよく、クライアント104(n)が、もしあれば期限切れや支払情報の欠如によるなどして、サービス112(s)のうち特定のものと対話することを許可されるかどうかを示すサービス許可120(1)を含んでもよい。
【0020】
アカウント120(a)は、また、クライアント104(n)の異なる外部表現を提供するために使用されるクライアント104(n)の1つ又は複数のペルソナ(persona)120(2)を含んでもよい。例えば、「仕事」ペルソナは、仕事(例えば仕事に関わる電子メール及びインスタント・メッセージ)に関連する相互作用のためにクライアント104(n)によって利用されてもよく、「個人」ペルソナは、家族や友達と対話するために使用されてもよい。ペルソナはそれぞれ、他のクライアントが異なる電子メールアドレス、ユーザ・タイル(user tile)などのようなクライアントをどのように「見る」かにつき異なる外部表現を提供してもよい。アカウント120(a)は、さらにクライアント104(n)の同一性を認証するために使用される認証データ120(3)(例えば名前とパスワード)を含んでもよい。個別化された感情アイコン(emoticon)、オーディオファイルなどの種々の他のクライアントデータ120(A)も考慮される。
【0021】
一般に、ここに記述された機能のうちのいずれも、ソフトウェア、ファームウェア(例えば固定論理回路)、手動処理あるいはこれらの実施の組み合わせを使用して実施することができる。本明細書において使用される用語「モジュール」、「機能」及び「論理」は、一般に、ソフトウェア、ファームウェアあるいはソフトウェアとファームウェアの組み合わせを表す。ソフトウェアによる実施の場合には、モジュール、機能あるいは論理は、プロセッサ(例えばCPU)上で実行される際に指定されたタスクを行なうプログラムコードを表わす。当該プログラムコードは、1つ又は複数のコンピュータ可読記憶装置に格納することができ、これについてのさらなる説明は図2に関してなされる。以下に述べられるユーザ・インターフェース技術の特徴はプラットフォーム無依存であることであり、これは、当該技術が様々なプロセッサを有する様々な商用コンピュータ・プラットフォーム上で実施され得ることを意味する。
【0022】
図2は、サービス・プロバイダ102(m)及びクライアント104(n)をより詳細に示す例示的な実施例におけるシステム200の図である。図2において、サービス・プロバイダ102(m)は、複数のサーバ202(x)(ここで「x」は1から「X」まで任意の整数でありえる)によって実施されるものとして示され、クライアント104(n)はクライアント装置として示される。
【0023】
サーバ202(x)及びクライアント104(n)は各々それぞれのプロセッサ204(x)、206(n)及びそれぞれのメモリ208(x)、210(n)を含んでいる。
【0024】
プロセッサは、それらが形成される材料あるいは使用される処理機構によって制限されない。例えば、プロセッサは、半導体及び/又はトランジスタ(例えば電子集積回路(IC))で構成されてもよい。そのような場合、プロセッサ実行可能命令は電子的に実行可能な命令であってもよい。代替的に、プロセッサの、あるいはプロセッサのための、したがって計算装置の、あるいは計算装置のための機構は、量子コンピューティング、光コンピューティング、機械的コンピューティング(例えば、ナノテクノロジーを使用するもの)などを含み得るが、これらに限定されない。さらに、単一のメモリ208(x)及び210(n)がそれぞれサーバ202(x)及びクライアント104(n)について示されるが、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ハードディスクメモリ、取り外し可能な媒体メモリなどの種々の種類のメモリ及びその組み合わせが使用されてもよい。
【0025】
前述のように、図1のサービス112(s)は、クライアント104(n)にネットワーク106を介して機能を提供するための様々な方法で構成されてもよい。例えば、サービス112(s)は、プロセッサ204(x)上で実行されるものとして示され、メモリ208(x)において格納可能な1つ又は複数のサービスモジュール212(y)によって提供されてもよい。この例におけるサービスモジュール212(y)は、標準化されたネットワーク・プロトコルによってアクセスされるインターネット・ホスト・モジュールとして構成される。サービスモジュール212(y)は、さらに、実行される際、対応する機能を提供するためにそれぞれのサービスデータ214(z)を使用してもよい。例えば、サービスモジュール212(y)は、インターネット検索を提供するためのインデックス付き検索データベースとして構成されたサービスデータ214(z)を調べるインターネット検索モジュール(例えば検索エンジン)として構成されてもよい。様々な他の例も考慮される。
【0026】
さらに、サービスはスタンド・アロンのサービスとして提供されてもよい。例えば、認証サービス216はネットワーク106のアクセスのために構成され、プロセッサ220及びメモリ222を有するサーバ218によって提供されてもよい。認証サービス216は、認証データ226(a)を使用して、クライアント104(n)を認証するためにプロセッサ220上で実行可能な認証サービスモジュール224を含み、ここで「a」は1から「A」まで任意の整数でありえる。例えば、クライアント104(n)は、認証データ226(a)を使用して、認証サービスモジュール224によって認証される名前及びパスワードを提供してもよい。認証が成功する場合(つまり、クライアント104(n)が「自らが自称しているとおりの者」である場合)、認証サービスモジュール224は、サービス・プロバイダ102(m)のサービス110(s)にアクセスするのにクライアントによって使用される、クライアント104(n)へのトークンを渡してもよい。当該トークンはまた、クライアント104(n)が複数のサービス・プロバイダ102(m)の各々へアクセスするのに再認証することを強いられないように、他のサービス・プロバイダによる他のサービスにアクセスするために使用されてもよい。様々な他の例も考慮される。
【0027】
サービス管理モジュール114は、プロセッサ204(x)上で実行されるものとして示され、サーバ202(x)のメモリ208(x)において格納可能である。前述のように、サービス管理モジュール114は、図1の複数のサービス112(s)とのクライアント104(n)の相互作用を管理する機能を表し、それらの複数のサービスは、図2のサービスモジュール212(y)及びサービスデータ214(z)によって実施される。例えば、サービス管理モジュール114は、ユーザ・インターフェース116を形成するのに十分なデータを提供してもよい。このデータは、ネットワーク106を介してクライアント104(n)へ伝達されてもよく、ユーザ・インターフェース116’を出力するために通信モジュール118(n)(プロセッサ206(n)上で実行されるものとして示され、メモリ210(n)において格納可能である)によって使用され得る。ユーザ・インターフェース116’は、この相互作用を提供するための様々な方法で構成されてもよく、これについてのさらなる説明が図面に関してなされる。
例示的な手続き
以下の説明は、上述のシステム及び装置を利用して実施され得るユーザ・インターフェース技術について記述する。手続きの各々の側面は、ハードウェア、ファームウェアあるいはソフトウェア、あるいはその組み合わせで実施されてもよい。手続きは、1つ又は複数の装置によって行なわれる動作を特定し、それぞれのブロックによる動作を行なうために示された命令に必ずしも制限されない、1組のブロックとして示される。以下の説明の一部では、図1の環境100及び図2のシステム200が参照される。
【0028】
図3は、サービス・プロバイダ・ユーザ・インターフェースがカスタマイズされる例示的な実施例での手続き300を示す流れ図である。図3の手続き300の説明中に、図4−10の例示的なユーザ・インターフェース400−1000がさらに言及される。
【0029】
ログオンは一連のウェブ・サービス上でユーザについて実行される(ブロック302)。例えば、図4のユーザ・インターフェース400は、それぞれユーザ名とパスワードを入力として受け取る部分402及び404を含んでいる。一旦入力されたならば、認証のためのユーザの証明書(credentials)(例えばユーザ名とパスワード)を含んでいる通信が形成されてもよい(ブロック304)。例えば、証明書は、対応する認証データ226(a)の使用により認証のために認証サービス216に伝えられてもよい(ブロック306)。
【0030】
一旦認証されると、複数の部分を有するユーザ・インターフェースが出力される(ブロック308)。 例えば、図5のユーザ・インターフェース500は部分502、504、506及び508を含んでおり、これらの各々は特定のシナリオに対応し、ともに、複数のサービスと相互作用する統合されたユーザ体験を提供する。その後、これら部分は、図5の初期のサイズから図6のユーザ・インターフェース600において示されるような拡張したサイズまでアニメートされてもよい(ブロック310)。
【0031】
図6は、拡張された部分602、604、606及び608を有するユーザ・インターフェースを示し、それら部分は、それぞれ、図5の初期の一部502、504、506及び508に対応する。拡張した部分602−608は、初期の部分502−508が拡張した部分602−608「を介して」部分的に可視のままであるように、初期の部分502−508上に重ねられた半透明のオーバーレイとして表示される(ブロック312)。拡張した部分602−608の各々及びそれらの対応する初期の部分502−508は、一連のウェブ・サービス110に関連する異なる使用法のシナリオに関連する。
【0032】
当該シナリオは、例えば、関係、情報、インスピレーション及び保護に関連してもよい。これらのシナリオは、図6のユーザ・インターフェース600の部分によって表され、ユーザは、サービスとの相互作用を「開始」することができ;自らを「表現」して自らの同一性を構築でき;自身に近づこうとする者をすばやく見ることにより、自身の世界の中で何が起こっているか、何が最新ニュースであるか、及び自身がどのように保護されているかを「知る」ことができるほか;一連のウェブ・サービス110を使用して、相互作用してそれらのコンテンツを共有する新しい方法を「発見/調査」することができる。
【0033】
例えば、複数のウェブ・サービス及び検索部分の表現を含む拡張サイズ部分602が表示されてもよい(ブロック314)。したがって、この拡張サイズ部分602によって、ユーザは、興味のあるサービスにナビゲートし、電子メール、インスタント・メッセージ、画像、ウェブサイト、ドキュメントなどの興味のある特定の項目を探索することができる。
【0034】
拡張サイズ部分602は、また、複数のウェブ・サービスを介してユーザによって行なわれた以前のアクションの記述を表示してもよい(ブロック316)。例えば、拡張サイズ部分602は、インターネット検索サービスと併せてユーザによって行なわれた動作について記述し(例えば、「クロンダイク・ゴールドラッシュ(Klondike Gold Rush)上で検索した」)、ウェブ・ログ・サービスと相互作用した動作を記述し(例えば「ジョンのスペースに関する記入されたコメント」)、プロダクティビティサービスと相互作用した動作を記述し(例えば、「ダンとドキュメントを共有した」)、電子メールサービスと相互作用した動作を記述し(例えば「イーサンへの草案のメール」)、画像サービスと相互作用した動作を記述し(例えば「ライブラリへの追加写真」)、ドキュメント共有サービスと相互作用した動作を記述(例えば「最新の060505__plan.doc」)したりする。したがって、ユーザは、一連のウェブ・サービス110の複数のウェブ・サービスとのそれらの相互作用の履歴を備えてもよい。
【0035】
同様に、認証されたユーザと連絡をとるために他のユーザによってなされた通信の試行などの他のユーザによって行なわれた以前のアクションについて記述する拡張サイズ部分が表示されてもよい(ブロック318)。例えば、拡張部分604は、「この人はあなたに連絡しようとしている」と題されたセクションを含み、それはインスタント・メッセージ、電子メール、ボイス・オーバ・インターネット・プロトコル(VoIP)などを介して他のユーザによってなされた通信の試行について記述してもよい。この拡張サイズ部分604はまた、ニュース、クライアント装置104(n)へなされた変更(例えば「あなたのコンピュータ上の新着情報」)など、最後のログイン以来「世界で他に何が起こっているか」について記述するコンテンツを含む。
【0036】
拡張サイズ部分606はまた、ユーザの1つ又は複数の外部表現について記述するために利用されてもよい(ブロック320)。この例においては、拡張サイズ部分606は、前述のような1つ又は複数のペルソナの使用を通じてなど、他のユーザにユーザがどのように「見られる」かを説明する。
【0037】
これらの部分502−508、602−608の使用を通じて、ユーザは個別の体験のためにユーザ・インターフェースをカスタマイズしてもよい(ブロック322)。例えば、図7のユーザ・インターフェース700に示されるように、ユーザは、その拡張サイズ部分602−608が半透明のオーバーレイとして表示され得る特定の背景画像702を指定してもよい。したがって、拡張サイズ部分602−608は、追加のデータ(例えば、この例では「ハリー・ポッター」の背景)も表示されることを可能にしてもよく、それによって、利用可能な表示領域を有効に拡張する。様々な他のカスタマイズも考慮される。
【0038】
例えば、ウェブ・サービス表現のうちの1つを選択する入力が受け取られてもよい(ブロック324)。入力に応じて、対応するウェブ・サービスを利用して実行可能な動作についてオーバーレイが出力される(ブロック326)。例えば、図8のユーザ・インターフェース800は、ローカル・ニュース・ウェブ・サービスに関連する動作とコンテンツの表示を含むオーバーレイ802を有するものとして示される。「プレビュー」、他の「文脈上のアクション」などを提供するように、様々な他の方法でオーバーレイ802が構成されてもよいことは明らかである。オーバーレイ802の出力は、対応する表現804を「右クリック」し、所定量の時間の間、表現804上にカーソルを「とどめる」(つまり、カーソルを近接して配置するが「クリック」しない)ことなどによって、様々な方法で引き起こされてもよい。その後、オーバーレイ802と表現804との対応が容易に決定されるように、オーバーレイ802は表現804の近くに表示される。前述のように、オーバーレイ802の使用を通じて、ユーザは特定のサービスに関係のある追加のアクションを行い、及び/又は追加情報を得るために、現在の体験から遠ざかってナビゲートすることは強いられない。
【0039】
別の例において、追加コンテンツを選択するために入力が受け取られる(ブロック328)。入力に応じて、選択された際にユーザ・インターフェースに追加コンテンツを含ませるような追加コンテンツの表現を有するオーバーレイが、ユーザ・インターフェースにおいて出力される(ブロック330)。例えば、図9のユーザ・インターフェース900は、カーソル制御デバイスの使用を介するなどして選択可能である、「コンテンツを加える」902という機能を示す。選択されると、機能「コンテンツを加える」902は、図10のユーザ・インターフェース1000に示されるように、オーバーレイ1002を出力させる。オーバーレイ1002は、当該表現されたコンテンツをユーザ・インターフェース1000内に含めるために選択可能な、コンテンツの複数の表現を含んでいる。実施例において、コンテンツの選択が達成されると(例えば、チェックボックス及び「適用」ボタンの使用を通じて)、コンテンツ変更をリアル・タイムでユーザが見ることができるように、この選択されたコンテンツは、ユーザ・インターフェース1000に加えられる。様々な他の例も考慮される。
【0040】
結論
本発明は、構造的特徴及び/又は方法論的作用に特有の用語によって記載されているが、添付の特許請求の範囲において定義された発明は特定の特徴又は作用に必ずしも限定されないことを理解されたい。正確にいえば、特定の特徴及び作用は特許請求の範囲に記載の発明を実施する例示的な形式として開示されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】プレビュー及び改良の技術を使用するために動作可能な例示的な実施例における環境の図である。
【図2】図1のサービス・プロバイダ及びクライアントをより詳細に示す例示的な実施例におけるシステムの図である。
【図3】サービス・プロバイダ・ユーザ・インターフェースがカスタマイズされる例示的な実施例における手続きを表す流れ図である。
【図4】図3の手続きの実施を通じてカスタマイズされる例示的なユーザ・インターフェースの図である。
【図5】図3の手続きの実施を通じてカスタマイズされる例示的なユーザ・インターフェースの図である。
【図6】図3の手続きの実施を通じてカスタマイズされる例示的なユーザ・インターフェースの図である。
【図7】図3の手続きの実施を通じてカスタマイズされる例示的なユーザ・インターフェースの図である。
【図8】図3の手続きの実施を通じてカスタマイズされる例示的なユーザ・インターフェースの図である。
【図9】図3の手続きの実施を通じてカスタマイズされる例示的なユーザ・インターフェースの図である。
【図10】図3の手続きの実施を通じてカスタマイズされる例示的なユーザ・インターフェースの図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一連のウェブ・サービスへ以前にログオンしたことのないユーザの前記一連のウェブ・サービスへのログオンを実行するステップ(302)と、
複数の部分を有するユーザ・インターフェースを出力するステップ(308)とを具備し、1つ又は複数の前記部分が、前記一連のウェブ・サービスとの相互作用をカスタマイズするための1つ又は複数のオーバーレイの使用を通じてユーザによってカスタマイズ可能である(322)方法。
【請求項2】
前記部分の各々は、初期サイズから拡張サイズまでアニメートする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記拡張サイズの部分の少なくとも1つは、複数の前記ウェブ・サービスを介してユーザによって実行された以前のアクションを記述する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記拡張サイズの部分の少なくとも1つは、複数の前記ウェブ・サービスと、前記複数のウェブ・サービスを検索するためのテキストを受け取るように構成される検索部分との表現を含み、
それぞれの前記ウェブ・サービスの前記表現の各々は、前記それぞれのウェブ・サービスへとナビゲートするために選択可能である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記拡張サイズの部分の少なくとも1つは、前記一連のウェブ・サービスと相互作用しているユーザの1つ又は複数の外部表現を記述する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
一連のウェブ・サービスへユーザをログオンするための証明書を含む通信を形成するステップ(304)と、
複数の部分を有するユーザ・インターフェースを出力するステップ(308)とを具備し、前記部分の各々は、初期サイズから拡張サイズまでアニメートし(310)、少なくとも1つの前記拡張サイズの部分は、複数の前記ウェブ・サービスについての表現を含み、前記ウェブ・サービスのうち2つ又はそれ以上を検索するためのテキストを受け取るように構成される方法。
【請求項7】
1つ又は複数の前記部分がオーバーレイを使用することによりユーザによってカスタマイズ可能である請求項6に記載の方法。
【請求項8】
1つの前記部分が、
初期サイズの場合に、前記ユーザの表現を含み、
拡張サイズの場合に、前記表現及びネットワークを介して他のユーザに前記ユーザの外部表現を提供するために使用される追加のデータを含む請求項6に記載の方法。
【請求項9】
対応するウェブ・サービスの少なくとも1つの前記表現は、前記対応するウェブ・サービスを利用して実行可能なアクションのオーバーレイを出力するために選択可能である請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザ・インターフェースは、ユーザによって選択可能な追加コンテンツの表現を有するオーバーレイを出力して、対応する前記追加コンテンツを前記ユーザ・インターフェースに含めるように構成される請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記拡張サイズの部分の各々は、各前記初期サイズの部分の上の半透明のオーバーレイとして表示することができる請求項6に記載の方法。
【請求項12】
複数の部分を有するユーザ・インターフェースを出力するためにコンピュータ上で実行可能なコンピュータ実行可能命令を含む、1つ又は複数のコンピュータ読取可能な媒体であって、
1つ又は複数の前記部分は初期サイズから拡張サイズまでアニメートし(310)、
第1の前記拡張サイズの部分は、複数のウェブ・サービスと、1つ又は複数の前記ウェブ・サービスを検索するためのテキストを受け取るように構成される検索部分との表現を含み(314)、
第2の前記拡張サイズの部分は、複数の前記ウェブ・サービスを使用して、ユーザによって実行された以前のアクションを記述する(316)、1つ又は複数のコンピュータ読取可能な媒体。
【請求項13】
1つ又は複数の前記部分が、名前を有する初期サイズから、そのタイトルがそれぞれの前記名前を含む拡張サイズまでアニメートする請求項12に記載の1つ又は複数のコンピュータ読取可能な媒体。
【請求項14】
それぞれの前記ウェブ・サービスの前記表現の各々は、前記それぞれのウェブ・サービスにナビゲートするために選択可能であり、
前記検索部分は前記コンピュータに局在するコンテンツを検索するようにも構成される請求項12に記載の1つ又は複数のコンピュータ読取可能な媒体。
【請求項15】
初期サイズから拡張サイズまでアニメートする別の部分は、拡張された場合、前記ウェブ・サービスの1つ又は複数と相互作用しているユーザの1つ又は複数の外部表現を記述する請求項12に記載の1つ又は複数のコンピュータ読取可能な媒体。
【請求項16】
第2の前記部分は、前記ウェブ・サービスの1つ又は複数と相互作用しているユーザに対してなされた複数の通信の試行の記述を含む請求項12に記載の1つ又は複数のコンピュータ読取可能な媒体。
【請求項17】
前記記述の各々は、ユーザが前記複数のウェブ・サービスにログインされなかった間になされた1つ又は複数の通信の試行を記述する請求項16に記載の1つ又は複数のコンピュータ読取可能な媒体。
【請求項18】
初期サイズから拡張サイズまでアニメートする別の部分は、拡張された場合に、ニュースサービスとして構成されるウェブ・サービスのうちの1つから得られるニュースの記述を含む請求項12に記載の1つ又は複数のコンピュータ読取可能な媒体。
【請求項19】
初期サイズから拡張サイズまでアニメートする別の部分は、拡張された場合、前記コンピュータ上で実行されるモジュールによって自動的に実行された1つ又は複数のアクションの記述を含み、
前記アクションはウィルススキャン又はソフトウェアの更新を含む請求項12に記載の1つ又は複数のコンピュータ読取可能な媒体。
【請求項20】
初期サイズから拡張サイズまでアニメートする別の部分は、拡張された場合、前記複数のサービスの1つ又は複数を使用してコンテンツと相互作用しコンテンツを共有するために使用され得る技術の記述を含む請求項12に記載の1つ又は複数のコンピュータ読取可能な媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−528777(P2009−528777A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557312(P2008−557312)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/004822
【国際公開番号】WO2007/100714
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】