説明

カチオン性ナフチルジアゾ染料ならびにケラチン繊維の染色のためのかかる染料を含む剤

本発明は、一般式(I)のカチオン性ナフチルジアゾ染料、およびケラチン繊維を着色するための、前記染料を含む着色剤に関する。:


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケラチン繊維、例えば毛髪、絹または羊毛等のための非酸化染色剤の製造のための、新規な直接染色性染料に関するものである。
毛髪の染色は、現代においては、多様な傾向に支配されている。かつて毛髪はすべて、髪の老いて白くなった部分を長く持続的に覆うためになされていたが、今日では、現代的モードで毛髪染色を完成させることに対する、ならびに人物の表現としての要請が強い。
【背景技術】
【0002】
毛髪の染色のためには、依然として、使用される二つの方法がある。一方は、非常に永続的な染色効果を生じる酸化毛髪染料であり、他方は、通常、酸化染料よりも穏やかであるが、持ちの弱い非酸化色調剤である。このような非酸化染色剤は、それゆえ、消費者が短い間隔で染色ニュアンスを変え、そして、酸化剤の頻繁な作用による毛髪の質の損傷を回避したい場合に有利であり、この点では、非酸化(「直接染色性」)染色剤は、非常に穏やかな条件下に適用できる。だから、色調剤によれば、洗髪のたびに染色が徐々に弱まり、使用される製品や毛髪のタイプに応じて、このような染色は通常最大10〜15回の洗髪に耐える。多くの有用な公知技術は、まさにこの特性のために、種々の染色態様を得るために、その後に新規な色みを塗布する。酸化的ならびに非酸化的両方の染色方法において、皮膚染色はわずかにして、毛髪への高い染色密度を得ることが、特に望まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
色調剤における使用のために、特に適したものとして、アリールアゾ基またはヘテロアリールアゾ基を有するカチオン性染料ならびにアントラキノンまたはナフトキノンが公知である。ここで、前記カチオン基は、脱極性化されたものであっても極性化されたものであってもよい。これらに関しては、例えば、広く普及している「Arianor(登録商標)-染料」が挙げられ、これは、良好な染色特性を示すだけでなく、非常にわずかな皮膚染色しか生じない。主にカチオン性アゾ染料から成るこの「Arianor(登録商標)-染料」は、青色染料(「Arianor(登録商標)スチール-ブルー」)を除き、ナフトキノン誘導体である。かかる「Arianor(登録商標)-染料」により特に問題となるのは、この染料が時として様々な速度で洗い落とされ、そのため、1または複数回の、染料のより強力な洗浄の結果として、色調が制御不能に変化し得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
驚くべきことに、所定のカチオン性ナフチルジアゾ染料が、優れた態様で毛髪の半永続的な染色のために有用であることが、この度見出された。さらに、かかる染料は、Arianor(登録商標)-染料に対する適合性により特記され、理想的な態様で、その染色の多様性を補充することができる。また、本発明による染料は、非常に一様な付着態様および特別な被覆力を意のままに発揮でき、特に流行の効果を単独で、ないし場合により、それを自然なニュアンスで得るために、さらに式(I)の染料または市場入手可能な直接染色性毛髪染料と組み合わせて、使用することができる。
本発明の対象はそれゆえ、一般式(I)のカチオン性ナフチルジアゾ染料である;
【0005】
【化3】

【0006】
(式中、
R1は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖または分枝(C1-C4)-アルキル基、直鎖または分枝(C1-C4)-アルコキシ基、フェニル基または(C2-C4)-ヒドロキシアルキル基を示し、
R2およびR3は、同じでも異なっていてもよく、互いに独立に水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、アセチルアミノ基、(C1-C6)-アルコキシ基、(C2-C4)-ヒドロキシアルコキシ基、(C3-C6)-ジ-またはポリヒドロキシアルコキシ基、-COOR-基、-NRR'-基または-CONRR'-基を示し、RおよびR'は、同じでも異なっていてもよく、水素原子、直鎖または分枝(C1-C6)-アルキル基またはヒドロキシエチル基を示し、または、RおよびR'は一緒に、それらが結合する窒素原子と共に、少なくとも4環員を有するヘテロ環(特に4-〜6-員環)を形成し、このヘテロ環は、場合により酸素原子、窒素原子または硫黄原子等のさらなるへテロ原子を含んでよく、ここで、RおよびR'ならびに前記へテロ環は、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基またはアミノアルキル基で置換されていてよく;
【0007】
Gは、窒素原子またはメチン基(CH)を示し;
Yは、酸素原子またはN-(C1-C4)-アルキル基を示し;
Lは、架橋基を示し、かつ、場合により1または複数の、酸素、窒素または硫黄などのヘテロ原子で中断されてよい直鎖または分枝(C1-C14)-アルキレン基として存在し、ここで、前記架橋基は、場合により、1または複数のヒドロキシ基、モノヒドロキシ-(C2-C6)-アルキル基、ポリヒドロキシ-(C2-C6)-アルキル基または(C1-C6)-アルコキシ基で置換されており;
Qは、式(II)の飽和カチオン基または式(III)〜(V)の不飽和カチオン基を示し;
【0008】
【化4】

【0009】
R4〜R6は、同じかまたは異なっていてよく、互いに独立して、直鎖または分枝(C1-C6)-アルキル基、(C2-C4)-ヒドロキシアルキル基、(C3-C6)-ジヒドロキシアルキル基、(C3-C6)-ポリヒドロキシアルキル基または(C1-C6)-アルコキシ-(C1-C4)-アルキル基を示し、ここで、基R4〜R6の2つが一緒に、それらが結合する窒素原子と共に、5-または6-員のヘテロ環を形成し、かかるヘテロ環は、場合により1または複数の酸素原子、硫黄原子または窒素原子などのヘテロ原子により中断されていてよく、かつ場合により、さらなる置換基、例えばハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、直鎖または分枝(C1-C6)-アルキル基、(C1-C6)-アルコキシ基、(C1-C6)-アルコキシ-(C1-C4)-アルキル基またはヒドロキシエチル基を示してよく;
【0010】
R7は、直鎖または分枝(C1-C8)-アルキル基、アリル基、ビニル基、ヒドロキシエチル基またはベンジル基を示し;
R8は、水素原子、直鎖または分枝(C1-C9)-アルキル-基、アミノ基、ジ-(C1-C6)-アルキルアミノ基またはピロリジノ基を示し;
R9は、直鎖または分枝(C1-C8)-アルキル基、アリル基、ビニル基、ヒドロキシエチル基、ジヒドロキシプロピル基またはベンジル基を示し;および、
X-は、アニオン、特にクロリドアニオン、ブロミドアニオン、ヨージドアニオン、アルキルスルフェートアニオン、アリールスルホネートアニオン、ヒドロゲンスルフェートアニオン、スルフェートアニオン、ホスフェートアニオン、アセテートアニオンまたはタートレートアニオンとして存在する)。
【0011】
R1が、水素原子、塩素原子またはメチル基を示し、
R2およびR3が、同じかまたは異なり、かつ、互いに独立に水素原子、ヒドロキシ基、メトキシ基、-NRR'-基または-CONRR'-基を示し、ここで、R及びR'が同じでも異なっていてもよく、水素原子、メチル基またはヒドロキシエチル基を示し、またはR及びR'が一緒に、それらが結合する窒素原子と共に、5ないし6個の環員を有するヘテロ環、例えばピロリジノ基、3-ヒドロキシ-ピロリジノ基、2-メトキシ-メチル-ピロリジノ基、2,5-ビス-(メトキシメチル)-ピロリジノ基、ピペリジノ基、3-ヒドロキシ-ピペリジノ基、4-ヒドロキシ-ピペリジノ基、4-メチル-ピペリジノ基、2,3-または2,6-ジメチル-ピペリジノ基、2-エチル-ピペリジノ基、4-ベンジル-ピペリジノ基、モルホリノ基、N-メチル-ピペラジノ基または1-(2-ヒドロキシエチル)-ピペラジノ基を形成し;
Gが、窒素原子またはメチン基(CH)として存在し;
Yが、酸素またはN-メチル基であり;
Lが、直鎖(C2-C4)-架橋基として存在し;
【0012】
Qが、式(II)の飽和カチオン基または式(III)〜(V)の不飽和カチオン基を示し、ここで、残基R4〜R6は、同じでも異なっていてもよく、互いに独立に、直鎖(C1-C3)-アルキル基、ヒドロキシエチル基またはメトキシエチル基を示し、または基R4〜R6の2つが一緒に、それらが結合する窒素原子と共に5員ないし6員のヘテロ環、例えばピロリジノ基、3-ヒドロキシ-ピロリジノ基、2-メトキシメチル-ピロリジノ基、2,5-ビス-(メトキシメチル)-ピロリジノ基、ピペリジノ基、3-ヒドロキシ-ピペリジノ基、4-ヒドロキシ-ピペリジノ基、2-メチル-ピペリジノ基、3-メチル-ピペリジノ基、4-メチル-ピペリジノ基、2,6-ジメチル-ピペリジノ基、2-エチル-ピペリジノ基、4-ベンジル-ピペリジノ基、モルホリノ基、N-メチル-ピペラジノ基または1-(2-ヒドロキシエチル)-ピペラジノ基を形成し;
R7が、メチル基またはヒドロキシエチル基を示し;
R8が、水素原子、メチル基、ジメチルアミノ基またはピロリジノ基を示し;
R9が、メチル基、エチル基またはヒドロキシエチル基であり;および、
X-が、クロリドアニオン、ブロミドアニオンまたはメチルスルフェートアニオンである、式(I)の染料が好ましい。
特に好ましい式(I)の染料は、
【0013】
【化5】


2-{2-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]フェノキシ}-N,N,N-トリメチル-エタンアミニウム-メチルスルフェート(1)
【0014】
【化6】


2-{2-[(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]フェノキシ}-N,N,N-トリメチル-エタンアミニウム-クロリド(2)
【0015】
【化7】


2-(2-{2-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]フェノキシ}エチル)-1-メチルピリジニウム-メチルスルフェート(3)
【0016】
【化8】


2-{2-[(2,7-ジヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]フェノキシ}-N,N,N-トリメチル-エタンアミニウム-クロリド(4)
【0017】
【化9】


4-(2-{2-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]フェノキシ}エチル)-4-メチル-モルホリン-4-イウム-クロリド(5)
【0018】
【化10】


2-({2-[(2,4-ジヒドロキシ-1-ナフタレニル)ジアゼニル]-フェニル}オキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-クロリド(6)
【0019】
【化11】


2-[(2-{[2-ヒドロキシ-7-(メチルオキシ)-1-ナフタレニル]ジアゼニル}フェニル)オキシ]-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-クロリド(7)
【0020】
【化12】


2-{[2-({2-ヒドロキシ-3-[(フェニルアミノ)カルボニル]-1-ナフタレニル}ジアゼニル)-フェニル]オキシ}-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-クロリド(8)
【0021】
【化13】


2-[{4-[(2-ヒドロキシ-1-ナフタレニル)ジアゼニル]フェニル}-(メチル)アミノ]-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-メチルスルフェート(9)
【0022】
【化14】


2-[{2-[(2-ヒドロキシ-1-ナフタレニル)ジアゼニル}-フェニル}(メチル)アミノ]-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-メチルスルフェート(10)
【0023】
【化15】


2-[{2-[(4-ヒドロキシ-1-ナフタレニル)ジアゼニル}-フェニル}(メチル)アミノ]-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-メチルスルフェート(11)
【0024】
【化16】


2-({5-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]-2-ピリジニル}オキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-クロリド(12)
【0025】
【化17】


2-({3-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]-2-ピリジニル}-オキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-クロリド(13)
【0026】
【化18】


2-({3-[(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]-2-ピリジニル}オキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-クロリド(14)
【0027】
【化19】


2-{3-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]フェノキシ}-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-クロリド(15)
【0028】
【化20】


3-(2-{2-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]フェノキシ}エチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-3-イウムクロリド(16)
【0029】
本発明による式(I)の染料は、特に、スキーマ1により作製され、ここで、出発化合物としては、特に、一般式(VI)のカチオン性のニトロ芳香族、例えば特許出願DE-A2017497号に記載されているものを使用する。例えば触媒性水素化を用いる前記ニトロ化合物の還元により、式(VII)のアミンを得、これを通常の方法により、好ましくは水中でジアゾ化し、次いで対応する1-または2-ナフトール誘導体へカップリングする。
【0030】
【化21】


本発明による式(I)の染料は、ケラチン繊維、特に毛髪のための染色剤中に含ませるために、特に優れている。
【0031】
本願のさらなる対象はそれゆえ、少なくとも一つの、一般式(I)のカチオン性ナフチルジアゾ染料を含む、ケラチン繊維のための染色剤である。
かかる染色剤は、一般式(I)のカチオン性ナフチルジアゾ染料を、0.01〜10重量%、特に0.1〜6重量%の総量で含む。
【0032】
前記式(I)の染料の他に、前記染色剤は、さらなる染料、例えば、3-((4,5-ジヒドロ-3-メチル-5-オキソ-1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)アゾ)-N,N,N-トリメチル-ベンゼン-アミニウムクロリド、3-[(3-メチル-5-ヒドロキシ-1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)アゾ]-トリメチルアンモニオ-ベンゾール-クロリド(C.I. 12719; ベイシック・イエロー57)、8-[(4-アミノフェニル)アゾ]-7-ヒドロキシ-N,N,N-トリメチル-2-ナフタリンアミニウム-クロリド(C.I. 12250; ベイシック・ブラウン16)、8-[(4-アミノ-3-ニトロフェニル)アゾ]-7-ヒドロキシ-N,N,N-トリメチル-2-ナフタリン-アミニウム-クロリド(C.I. 12251; ベイシック・ブラウン17)、8-[(4-アミノ-2-ニトロフェニル)-アゾ]-7-ヒドロキシ-N,N,N-トリメチル-2-ナフタリンアミニウム-クロリド(C.I.12251:1; ベイシック・レッド118)、7-ヒドロキシ-N,N,N-トリメチル-8-{[2-(メチルオキシ)フェニル]-アゾ}-2-ナフタリンアミニウム-クロリド(C.I. 12245; ベイシック・レッド76)、3-((4-アミノ-6-ブロモ-5,8-ジヒドロ-1-ヒドロキシ-8-イミノ-5-オキソ-2-ナフタレニル)アミノ)-N,N,N-トリメチル-ベンゾールアモニウムクロリド(C.I. 56059; ベイシック・ブルー99)およびN,N-ジメチル-3-{[4-(メチルアミノ)-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロ-1-アントラセニル)-アミノ}-N-プロピル-1-プロパンアミニウム-ブロミドを含むことができる。
【0033】
染色パレットの拡大のために、本発明による染色剤は、さらなる天然または合成非酸化染料を追加的に含むことができる。天然染料として、植物染料、例えばヘンナまたはインジゴを挙げることができ、他方、合成非酸化染料としては、例えば前記式(I)に該当しない他のカチオン染料、ニトロ染料、アゾ染料、トリフェニルメタン染料またはキノン染料が挙げられる。さらなる天然または合成非酸化染料としては、特に、以下に列挙する直接染色性染料を含めることができる:
【0034】
9-(ジメチルアミノ)-ベンゾ[a]フェノキサジン-7-イウム-クロリド(C.I. 51175; ベイシック・ブルー6)、ジ[4-(ジエチルアミノ)フェニル][4-(エチルアミノ)ナフチル]カルベニウム-クロリド(C.I. 42595; ベイシック・ブルー7)、3,7-ジ(ジメチルアミノ)フェノチアジン-5-イウム-クロリド(C.I.52015; ベイシック・ブルー9)、ジ[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-[4-(フェニル-アミノ)ナフチル]カルベニウム-クロリド(C.I. 44045; ベシック・ブルー26)、2-[(4-(エチル(2-ヒドロキシエチル)アミノ)-フェニル)アゾ]-6-メトキシ-3-メチル-ベンゾチアゾリウム-メチルスルフェート(C.I.11154; ベイシック・ブルー41)、2,8-ジメチル-7-(ジメチルアミノ)-3-イミノ-3H-フェノキサジン-モノヒドロクロリド(ベイシック・ブルー151)、
【0035】
7-(ジメチルアミノ)-3-イミノ-2-メトキシ-3H-フェノキサジン-モノヒドロクロリド(ベイシック・ブルー124)、ビス[4-(ジメチルアミノ)-フェニル]-[4-(メチルアミノ)フェニル]カルベニウム-クロリド(C.I. 42535; ベイシック・バイオレット1)、4-[(4-アミノ-3-メチルフェニル)(4-イミノ-3-メチル-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン)メチル]-2-メチルベンゼンアミン-ヒドロクロリド(C.I. 42520、ベイシック・バイオレット2)、トリス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-カルベニウム-クロリド(C.I.42555; ベイシック・バイオレット3)、2-[3,6-(ジエチルアミノ)-ジベンゾピラニウム-9-イル]-安息香酸-クロリド(C.I. 45170; ベイシック・バイオレット10)、ジ(4-アミノフェニル)-(4-アミノ-3-メチルフェニル)カルベニウム-クロリド(C.I.42510; ベイシック・バイオレット14)、1,3-ビス[(2,4-ジアミノ-5-メチルフェニル)アゾ]-3-メチルベンゾール(C.I. 21010; ベイシック・ブラウン4)、3,7-ジアミノ-2,8-ジメチル-5-フェニルフェナジニウム-クロリド(C.I.50240; ベイシック・レッド2)、1,4-ジメチル-5-[(4-(ジメチルアミノ)フェニル)アゾ]-1,2,4-トリアゾリウム-クロリド(C.I.11055; ベイシック・レッド22)、3(ないし5)-[[4-[ベンジル-メチルアミノ]フェニル]アゾ]-1,2-(ないし1,4)-ジメチル-1,2,4-トリアゾリウム-ブロミド(C.I.ベイシック・レッド46)、
【0036】
2-{[4-(ジメチルアミノ)フェニル]アゾ}-1,3-ジメチル-1H-イミダゾール-3-イウム-クロリド(ベイシック・レッド51)、5-{[4-(ジメチルアミノ)フェニル]アゾ}-1,2-ジメチル-1H-ピラゾール-2-イウム-クロリド、1,3-ジメチル-2-{[4-(メチルアミノ)-フェニル]アゾ}-1H-イミダゾール-3-イウム-クロリド(ベイシック・レッド109)、2-[(4-アミノ-フェニル)アゾ]-1,3-ジメチル-1H-イミダゾール-3-イウム-クロリド、4-{[4-(ジメチル-アミノ)フェニル]アゾ]-1-メチルピリジニウム-クロリド、N,N-ジメチル-4-[(E)-(1-オキシド-4-ピリジニル)ジアゼニル]アニリンまたは4-((4-(ジメチルアミノ)フェニル)アゾ)-ピリジン-N-オキシド、2-[2-((2,4-ジメトキシフェニル)アミノ)エテニル]-1,3,3-トリメチル-3H-インドール-1-イウム-クロリド(C.I. 48055; ベイシック・イエロー11)、1-メチル-4-{[メチル-(フェニル)ヒドラゾノ]メチル}ピリジニウム-クロリド(ベイシック・イエロー87)、1-メチル-4-{(E)-[メチル(4-メトキシ-フェニル)ヒドラゾノ]メチル}ピリジニウム-クロリド、1-メチル-4-({メチル[4-メトキシ-フェニル]ヒドラゾノ}メチル)ピリジニウム-メチルスルフェート(ベイシック・イエロー91)またはビス[4-(ジエチルアミノ)フェニル]-フェニル-カルベニウム-ヒドロゲンスルフェート(1:1)(C.I.42040; ベイシック・グリーン1)。
【0037】
前記本発明による剤中に含まれる式(I)の染料はカチオン特性を有するが、これは、使用される染料キャリア物質により、特別な場合において、アニオン性(「酸性」)染料と組み合わせて使用することができる。
更なる(特に天然および/または合成非酸化)染料の、本発明による染色剤中での総量は、約0.01〜15重量%、特に約0.1〜12重量%である。
染色強度を高めるために、化粧システムにおいて通常用いられるキャリアを追加することができる。適当な化合物は、例えば、DE-A19618595に記載されており、これを本明細書中に明確に引用する。特に適したキャリアは、例えばベンジルアルコール、バニリンおよびイソバニリンである。
【0038】
ケラチン繊維の染色のための本発明による剤は、例えば、溶液、特に水性-アルコール性溶液、クリーム、ジェルまたはエマルジョンの形態で存在してよい。溶媒としては、水の他に、例えば、低脂肪族一価または多価アルコール、そのエステルおよびエーテル、またはこれらの溶媒の互いのまたは水との混合物が挙げられる。前記の適当な溶媒の最高の沸点は、約400℃であり、20℃〜250℃の沸点が好ましい。
同様に、本発明による剤は、噴霧器若しくは他の適したポンプ装置またはスプレー装置を用いて、または、通常圧力下に液化推進剤との混合で、圧力容器からエアロゾルスプレーまたはエアロゾル泡として、取り出されることが可能である。
【0039】
本発明による染色剤のpH値は、約2〜11であり、約5〜9のpH値が特に好ましい。アルカリ性のpH値の調整は、好ましくはアンモニアを用いてなされ、また、アンモニア有機アミンの代わりに、例えばモノエタノールアミンまたはトリエタノールアミンを用いることもできる。一方、これに対して、酸性のpH値の調整のためには、有機または無機酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸、アスコルビン酸、グリコール酸または乳酸を使用することができる。
【0040】
もちろん、前記染料は、場合により、ケラチン繊維の染色剤のために通常用いられる添加物、例えば手入れ剤、湿潤剤、増粘剤、可塑剤、保存剤および香油ならびにさらに以下に列挙する添加物を含むことができる。
本発明による染色剤には、アニオン性、両性、非イオン性または双イオン性界面活性剤に分類される湿潤剤または乳化剤、例えば、脂肪アルコールスルフェート、アルカンスルホネート、アルキルベンゾールスルホネート、アルキルベタイン、α-オレフィンスルホネート、オキシエチル化脂肪アルコール、オキシエチル化ノニルフェノール、脂肪酸アルカノールアミン、オキシエチル化脂肪酸エステル、脂肪アルコール-ポリグリコールエーテルスルフェート、アルキルポリグルコシド、増粘剤、例えば高脂肪アルコール、スターチ、アルギネート、ベントナイト、セルロース誘導体、ワセリン、パラフィンオイルおよび脂肪酸、水溶性ポリマー増粘剤、例えば天然ゴム種、グアーガム、キサンタンガム、イナゴマメ粉、ペクチン、デキストラン、アガー-アガー、アミロース、アミロペクチン、デキストリン、調色または完全合成ヒドロコロイド、例えばポリビニルアルコール、更に、手入れ剤、例えばラノリン誘導体、コレステリン、パントテン酸、水溶性ポリマー、タンパク質誘導体、プロビタミン、ビタミン、植物抽出物、糖およびベタイン、助剤、例えば保湿剤、電解質、抗酸化剤、脂肪アミド、保管剤、造膜剤および保存剤を含むことができる。
【0041】
前記染料は、さらに天然または合成ポリマーもしくは変更された天然起源のポリマーを含むことができ、これにより染色と同時に、ケラチン繊維の固定 (Festigung)が達成される。このような剤は、一般に、調色性固定剤(Toenungsfestiger)または染色性固定剤(Farbfestiger)と呼ばれる。かかる目的のために化粧剤において公知の合成ポリマーに関しては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコールまたはポリアクリル化合物、例えば、ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸、ポリアクリルニトリル、ポリビニルアセテート並びにこの種の化合物の重合物、例えばポリビニルピロリドンビニルアセテートが言及され、他方、天然ポリマーまたは変更された天然ポリマーとしては、例えばキトサン(脱アセチル化キチン)またはキトサン誘導体が含まれ得る。
【0042】
前記成分は、かかる目的のために通常用いられる量で用いられ、例えば、湿潤剤および乳化剤は、例えば0.5〜30重量%の濃度で、増粘剤は、例えば0.1〜25重量%の量で、および手入れ剤は、例えば0.1〜5重量%の量で用いられる。前記ポリマーは、本発明による剤中、かかる剤中に通常用いられる量で、特に例えば1〜5重量%の量で使用することができる。
ケラチン繊維の染色のための本発明による剤は、特に毛髪の染色のために適している。本発明による染色剤は、このためには、通常用いられる方法で、毛髪の染色のために十分な量で、概して例えば50〜150gが毛髪の上に塗布される。毛髪染色のために十分な作用時間、通常、20〜50℃にて約10〜45分、好ましくは約40℃にて約15〜30分の後、毛髪を水で濯ぎ、場合によりシャンプーで洗浄し、および/または弱有機酸、例えばクエン酸または酒石酸等の水溶液で後洗いし、次いで乾燥する。
追加的な固定を伴う前記染色剤の使用は、公知かつ通常の方法で、毛髪を当該固定剤で湿らせ、当該毛髪を髪型にセットし、次いで乾燥することにより行う。
【0043】
本発明による染色剤を用いて、天然の範囲のニュアンスも、流行の範囲のニュアンス(例えば非常に光沢のあるニュアンス)も得られる。その他、所定の色調と共に、全ての可視的な染色範囲を超える範囲のブリリアントな染色反射を得ることができる。前記染料の高い染色強度および良好な顕色状態により、優れた態様で、繊維の本来の色調を覆うことができる。これにより、冒頭で述べた、現代的モードでの毛髪染色の完成並びに人物の表現としての要請に応じることができる。前記新規な染色剤の優れた特性は、光および天候により損傷した毛髪またはパーマネントウェーブをかけた毛髪において特に現れる。この際、得られた染色は、特に、その非常に優れた耐久性および耐洗浄性によっても、特記される。
以下の実施例により、本発明を、列挙した実施例に限定することなく、より詳細に説明する。
【0044】
[実施例]
実施例1:2-{2-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]-フェノキシ}-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-メチルスルフェートの製造
ステップ1.1:2-(2-アミノフェノキシ)-N,N,N-トリメチル-エタンアミニウム-メチルスルフェートの製造
DE-A2017497によるN,N,N-トリメチル-2-(2-ニトロフェノキシ)エタンアミニウム-メチルスルフェートの34g(100mmol)を、300mlのエタノール中3.4gのPd/C(10%)にて、9バールの水素圧で水素化する。2時間後、当該触媒から濾別し、次いで乾燥状態へと濃縮する。徐々に固まる無色のオイルが得られる。
収量:3.1g(理論の100%)
1H-NMR(DMSO-d6):δ=6,85ppm(d,1H);6,70ppm(m,2H);6,52ppm(m,1H);4,82ppm(s ブロード,2H);4,39ppm(sブロード,2H);3,79ppm(s ブロード,2H);3,38ppm(s,3H);3,19ppm(s,9H).
【0045】
ステップ1.2:2-{2-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]-フェノキシ}-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-メチルスルフェートの製造
ステップ1.1の15.6g(50mmol)を、160mlの水と18.3gの32%塩酸溶液に溶解し、氷浴で冷やしながら、25mlの水中4.2g(60mmol)のナトリウムニトライトでジアゾ化する。ここで、温度は5℃を越えないようにする。1時間後、さらに攪拌し、次いで、過剰のニトライトをスルフアミン酸の添加により分解する。このジアゾニウム塩溶液を、攪拌下に、50mlのイソプロパノール中7.4g(51mmol)の2-ナフトールの溶液に注ぐ。飽和炭酸ナトリウム溶液の添加により、pH値を9〜10に調整し、これにて、カップリングが開始し、どろどろした染料の粥状物が生じる。さらに30分間攪拌した後、吸引濾過する。次いで、粗生成物を300mlの60℃の温水に収容し、2規定の塩酸で中和し、冷却後、改めて吸引濾過する。乾燥後、13g(理論の55%)の赤色の生成物が得られる。
1H-NMR(DMSO-d6):δ=8,51(d,1H);8,08(d,1H):7,91(d,1H);7,73(d,1H);7,58(t,1H);7,43(t,1H);7,37(m,2H);7,22(m,1H);6,80(d,1H);4,72(t,2H);3,96(t,2H);3,32ppm(s,12H).
【0046】
実施例2:2-{2-[(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]-フェノキシ}-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-クロリドの製造
2-ナフトールの代わりに同量の1-ナフトールを用いて、実施例1に記載の方法を行う。
収量:11.8g(理論の50%)
1H-NMR(DMSO-d6):δ=8,77ppm(d,1H);8,22ppm(dd,1H);7,86ppm(d,1H);7,72ppm(dd,1H);7,45ppm(m,1H);7,26ppm(m,2H);7,20ppm(d,1H);7,08ppm(m,1H);6,41ppm(d,1H);4.60ppm(t,2H);3,88ppm(t,2H);3,28ppm(s,9H).
【0047】
実施例3:2-(2-{2-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]-フェノキシ}エチル)-1-メチルピリジニウム-メチルスルフェートの製造
ステップ3.1:2-[2-(2-ニトロフェノキシ)エチル]ピリジンの製造
7.05g(50mmol)の2-フルオロ-ニトロベンゾール、6.77g(50mmol)の2-(2-ヒドロキシ-エチル)-ピリジンおよび16.62g(50mmol)のセシウムカルボネートを30mlのジメチルホルムアミド中で、7日間、室温で攪拌する。次いで濾過し、濾液を蒸留する。溶媒および変換されていない2-フルオロ-ニトロベンゾールは、100℃未満で8〜4mbarで蒸留される。生成物は、球管蒸留器にて170〜180℃の炉温および3mbarの真空状態で蒸留される。
収量:8.7g(理論の71%)
1H-NMR(DMSO-d6):δ=8,50ppm(d,1H);7,82ppm(dd,1H);7,69ppm(dt,1H);7,61ppm(dt,1H);7,36ppm(m,2H);7,22ppm(t,1H);7,07ppm(t,1H);4,53ppm(t,2H);3,20ppm(t,2H).
【0048】
ステップ3.2:1-メチル-2-[2-(2-ニトロフェノキシ)エチル]-ピリジニウム-メチルスルフェートの製造
ステップ3.1の4.88g(20mmol)を、60mlの酢酸エチルエステルに溶解し、2.78g(20mmol)のジメチルスルフェートと攪拌下に混合する。次第に、無色の沈殿物が形成される。更に4時間室温で攪拌し、濾過し、少量の酢酸エチルエステルで洗浄し、次いで40℃で真空乾燥する。
収量:6g(理論の81%)の無色の生成物
1H-NMR(DMSO-d6):δ=9,06ppm(d,1H);8,55ppm(dt,1H);8,12ppm(d,1H);8,02ppm(dt,1H);7,71ppm(dd,1H);7,69ppm(dt,1H);7,42ppm(d,1H);7,15ppm(dt.1H);4,65ppm(t,2H);4,37ppm(s,3H);3,65ppm(t,2H);3,37ppm(s、3H).
【0049】
ステップ3.3:2-[2-(2-アミノフェノキシ)エチル]-1-メチル-ピリジニウム-メチルスルフェートの製造
ステップ3.2の3.7g(10mmol)を、25mlの水中0.3gのPd/C(10%)にて、9バールの水素圧にて水素化する。2時間後、当該触媒から濾別し、得られた溶液を直接さらに変換する。
【0050】
ステップ3.4:2-(2-{2-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]-フェノキシ}-エチル)-1-メチルピリジニウム-メチルスルフェートの製造
ステップ3.3からの溶液(10mmol)を2.9gの32%塩酸溶液と混合する。次いで、氷浴にて、5mlの水に溶解した0.7g(10mmol)のナトリウムニトライトを10分以内で滴下する。ここで温度は5℃を越えないようにする。1分間氷浴にてさらに攪拌後、スルフアミン酸の添加により、変換されていないニトライトを分解する。かかる溶液を、15mlの水中1.45gの2-ナフトール(10mmol)、15mlのイソプロパノールおよび3.4gの30%重炭酸ナトリウムアルカリ液から成る溶液に添加する。アゾカップリングが自発的に起こり、これにより、どろどろした赤色の粥状物が生じる。さらに1時間攪拌後、吸引濾過する。得られた染料を、40℃真空中で乾燥する。
【0051】
収量:3.65g(理論の95%)の濃赤色の生成物
1H-NMR(DMSO-d6):δ=8,51ppm(m,1H);8,49ppm(d,1H);8,04ppm(d,1H);7,92ppm(d,1H);7,70ppm(m,2H);7,56ppm{m,2H):7,47ppm(t,1H);7,29ppm(m,2H);7,23ppm(m,1H);7,12ppm(m,1H);6,84ppm(d,1H);4,56ppm(t,2H);3,33ppm(t,水とのシグナル重複,2H).
【0052】
実施例4:2-{2-[(2,7-ジヒドロキシ-1-ナフチル)-ジアゼニル]-フェノキシ}-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-クロリドの製造
2-ナフトールの代わりに8.0g(50mmol)の2,7-ジヒドロキシナフタリンを用いて、合成実施例1に記載の方法により行う。
収量:16.10(理論の80%)の濃赤色の生成物
1H-NMR(DMSO-d6):δ=10,12ppm(s,1H);8,00ppm(d,1H);7,81ppm(d,1H);7,80ppm(d,1H);7,56ppm(d,1H);7,32ppm(m,2H);7,22ppm(t.1H);6,91ppm(dd,1H);6,53ppm(d,1H);4,70ppm(t,2H);3,95ppm(t,2H);3,37ppm(s,9H).
【0053】
実施例5:4-(2-{2-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]-フェノキシ}エチル)-4-メチルモルホリン-4-イウム-クロリドの製造
ステップ5.1:4-[2-(2-ニトロフェノキシ)エチル]モルホリンの製造
WO00/59883の実施例1と同様の方法で、14.11g(100mmol)の2-フルオロニトロベンゾール、14.45g(100mmol)のモルホリノエタノール、35.8g(100mmol)のセシウムカルボネートおよび100mlのジメチルホルムアミドを7日間、室温で攪拌する。濾過し、回転蒸発器でジメチルホルムアミドを除去した後、残留物を球管炉にて、4mbarおよび160〜170℃の炉温で蒸留する。
収量:17.8g(理論の70.6%)の黄色のオイル
1H-NMR(DMSO-d6):δ=7,85ppm(d,1H);7,64ppm(t,1H);7,38ppm(d,1H);7,11ppm(t,1H);4,27ppm(t,2H);3,55ppm(m,4H);2,70ppm(t,2H).
【0054】
ステップ5.2:4-メチル-4-[2-(2-ニトロフェノキシ)エチル]-モルホリン-4-イウム-メチルスルフェートの製造
ステップ5.1の2.52g(10mmol)を30mlの酢酸エステルに溶解し、1.4g(11mmol)のジメチルスルフェートと混合し、室温で攪拌し、これにより沈殿物が生じる。4時間濾し、少量の酢酸エステルで洗浄する。真空中40℃で乾燥後、2.3g(理論の61%)のベージュ色のわずかにべたつく生成物が得られる。
1H-NMR(DMSO-d6):δ=7,94ppm(dd,1H);7,73ppm(dt,1H);7,42ppm(1d,1H);7,20ppm(dt,1H);4.69ppm(t,2H);4,02ppm(t,2H);3,96ppm(m,4H);3,55ppm(m,4H);3,38ppm(s,3H):3,30ppm(s,3H).
【0055】
ステップ5.3:4-[2-(2-アミノフェノキシ)エチル]-4-メチルモルホリン-4-イウム-メチルスルフェートの製造
ステップ5.2からの化合物の2.08g(5.5mmol)を80mlのエタノールに溶解し、0.25gのPd/C(10%)にて、9バールの水素圧にて水素化する。2時間後、当該触媒から濾別し、濾液を乾燥状態へと濃縮する。1.9g(理論の99%)の無色のオイルが得られ、これをさらに精製することなく変換する。
【0056】
ステップ5.4:4-(2-{(2-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]-フェノキシ}エチル)-4-メチルモルホリン-4-イウム-クロリドの製造
ステップ5.3からの化合物の1.5g(4.3mmol)を、30mlの水および1.3gの32%塩酸溶液に溶解する。当該温度が5℃を越えないよう、0〜5℃で、3mlの水中0.31g(4.5mmol)のナトリウムニトライトを滴下する。氷浴にて1時間攪拌後、過剰のニトライトをスルフアミン酸で分解し、8mlのイソプロパノール中0.65g(4.3mmol)の2-ナフトールの溶液に攪拌しながら注ぐ。かかる混合物に、飽和炭酸ナトリウム溶液を、pH値が9に調整されるまで添加する。さらに30分間攪拌後、希釈塩酸で中和し、吸引濾過する。このようにして得られた粗生成物を15分間室温で20mlの2規定の塩酸で希釈し、吸引濾過後、乾燥する。
【0057】
収量:1.75g(理論の95%)の赤色の染料
1H-NMR(DMSO-d6):δ=8,50ppm(d,1H);8,11ppm(d,1H);7,96ppm(d,1H);7,76ppm(d,1H):7,61ppm(t,1H);7,49ppm(t,1H);7,34ppm(m,1H);7,22ppm(t,2H);6,82ppm(d,1H);4,75ppm(t,2H);4,11ppm(t,2H):4,01ppm(m,4H);3,69ppm(m,4H);3,43ppm(s,3H).
【0058】
実施例6:2-({2-[(2,4-ジヒドロキシ-1-ナフタレニル)-ジアゼニル]-フェニル}オキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-クロリドの製造
ステップ1.1からの化合物の1.56g(5mmol)を、20mlの水および1.85gの塩酸(32%)に溶解し、氷浴での冷却下、3mlの水中0.42g(6mmol)のナトリウムニトライトでジアゾ化する。ここで、温度は5℃を越えないようにする。1時間さらに攪拌し、次いで、スルフアミン酸の添加により過剰のニトライトを分解する。30mlのイソプロパノール中0.8g(5mmol)の1,3-ジヒドロキシナフタリンの溶液中に、攪拌下に、このジアゾニウム塩溶液を注ぐ。飽和炭酸ナトリウムの添加により、pH値を9〜10に調整し、これによりカップリングが起こり、べとべとした染料の粥状物が得られる。さらに30分間攪拌後、吸引濾過する。粗生成物を次いで、30mlの60℃の温水に溶解し、塩酸(32%)でpH1に調整し、これにより染料がクロリドとして析出する。冷却し、次いで再度吸引濾過する。乾燥により、18g(理論の89%)の橙色の生成物が得られる。
1H-NMR(DMSO-d6):δ=10,09(s,1H);9,48(s,1H):8,40(d,1H);8,00(d,1H):7,93(d,1H);7,62(t,1H);7,49(t,1H);7,20(m,3H);6,20(s,1H);4,66(t,2H);3,93(t,2H);3,32ppm(s,9H).
【0059】
実施例7:2-[(2-{[2-ヒドロキシ-7-(メチルオキシ)-1-ナフタレニル]-ジアゼニル}フェニル)オキシ]-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-クロリドの製造
ジアゾニウム塩を、実施例6に記載の方法に従い製造し、0.87g(5mmol)の7-メトキシ-2-ナフトールへカップリングする。
収量:1.1g(理論の77%)の赤色の染料
1H-NMR(DMSO-d6):δ=8,11(d,1H);7,90(d,1H);7,86(d,1H);7,70(d,1H);7,32(m,2H);7,21(t,1H);7,08(dd,1H);6,65(d,1H);4,71(m,不規則,2H);3,95(m,不規則,2H);3,33(s,9H);3.31ppm(s,3H).
【0060】
実施例8:2-{[2-({2-ヒドロキシ-3-[(フェニルアミノ)-カルボニル]-1-ナフタレニル}ジアゼニル)フェニル]オキシ}-N,N,N-トリメチル-エタンアミニウム-クロリドの製造
ジアゾニウム塩を実施例6に記載の方法に従い製造し、1.32g(5mmol)の3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸アニリドにカップリングする。
収量:1.3g(理論の51%)の赤紫色の染料
1H-NMR(DMSO-d6):δ=8,89(s,1H);8,53(s,1H);8,19(d,1H):8,01(d,1H);7,92(d,1H);7,86(d,1H):7,74(m,3H);7,52(m,1H);7,38(m,4H);7,15(m,2H);4,77(m,不規則,2H);4,07(m,不規則,2H);
【0061】
実施例9:2-[{4-[(2-ヒドロキシ-1-ナフタレニル)-ジアゼニル]-フェニル}-(メチル)アミノ]-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-メチルスルフェートの製造
ステップ9.1:N,N,N'-トリメチル-N'-(4-ニトロフェニル)-1,2-エタンジアミンの製造
7.05g(50mmol)の4-フルオロ-ニトロベンゾールおよび8.17g(80mmol)のN,N,N'-トリメチルエチレンジアミンを50mlのトルオールに溶解する。この際、若干の温度上昇が認められる。発熱の沈静後、当該混合物を10時間80℃で暖める。次いで、溶媒を回転蒸発器で除去し、オイル状の残存物を80mlの3規定のエタノール性塩酸中に収容する。氷浴での攪拌により、徐々に結晶化が始まる。1時間後、生じた結晶粥状物を吸引濾過し、少量の冷エタノールで後洗浄し、真空中40℃にて乾燥する。
収量:11.0g(理論の85%)の鮮やかな黄色の結晶
1H-NMR(DMSO-d6):δ=8,06(d,2H);6,94(d,2H);3,93(t,2H);3,24(t,2H);3,10(s,3H);2,78ppm(s,6H).
【0062】
塩基を遊離させるために、前記生成物の10gを50mlの水に溶解し、飽和炭酸ナトリウム溶液の添加により、pH10に調整し、3回25mlの酢酸エステルで抽出する。合わせた有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥し、乾燥状態へと濃縮する。
8.0g(理論の93%)の黄色オイルを得る。
1H-NMR(DMSO-d6):δ=8,02(d,2H);6,74(d,2H);3,55(t,2H):3,06(s,3H):2,40(t,2H);2,18ppm(s,6H).
【0063】
ステップ9.2:N,N,N-トリメチル-2-[メチル(4-ニトロフェニル)アミノ]-エタンアミニウム-メチルスルフェートの製造
ステップ9.1の化合物の8.0g(36mmol)を50mlのアセトアニリルに溶解し、攪拌下に、5分間以内で4.55g(36mmol)のジメチルスルフェートと混合した。ここで、反応混合物は若干暖まり、生成物が徐々に結晶析出する。3時間室温で攪拌後、吸引濾過する。少量のアセトニトリルでの後洗浄および40℃真空中での乾燥により、11.0g(理論の88%)の黄色の結晶が得られる。
1H-NMR(DMSO-d6):δ=8,10(d,2H);6,90(d,2H);3,97(t,2H);3,52(t,2H);3,39(s,3H);3,17(s,9H);3,14ppm(s,3H).
【0064】
ステップ9.3:2-[(4-アミノフェニル)(メチル)アミノ]-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-メチルスルフェートの製造
ステップ9.2からの化合物の10g(28.6mmol)を80mlの水に溶解し、1gのPd/C(10%溶液)にて9バールの水素圧にて水素化する。2時間後、当該触媒から濾別し、濾液を乾燥状態へと濃縮する。9.3g(理論の99.6%)の褐色のオイルが得られる。
1H-NMR(DMSO-d6):δ=6,65(d,2H);6,53(d,2H);4,56(s ブロード,2H);3,51(m,不規則,2H);3,39(s,3H);3,37(m,不規則,2H);3,11ppm(s,9H).
【0065】
ステップ9.4:2[{4-[(2-ヒドロキシ-1-ナフタレニル)-ジアゼニル]フェニル}-(メチル)アミノ]-N,N,N-トリメチル-エタンアミニウム-メチルスルフェートの製造
ステップ9.3からの化合物の1.6g(5mmol)を20mlの水および1.7gの塩酸(32%)に溶解し、氷浴にて攪拌下に、2ml水中0.35g(5mmol)のナトリウムニトライトと少しずつ混合する。氷浴にて30分間さらに攪拌し、10%スルフアミン酸溶液を滴下して混合し、8mlのイソプロパノール中0.72g(5mmol)の2-ナフトールの溶液に注ぐ。次いで、飽和炭酸ナトリウム溶液の添加により、pH値を9に高め、これにより褐色の溶液が生成する。30分後、2規定の塩酸の添加により中和し、染料の分離のために、まず、回転蒸発器で乾燥状態へと濃縮する。次いで、残存物を80mlのメタノールに採取し、無機塩を濾過し、溶媒を約10mlの全容積に濃縮する。約30mlのイソプロパノールの添加により、染料が沈殿する。
収量:1.5g(理論の63%)の赤褐色の生成物
1H-NMR(DMSO-d6):δ=8,75(d,2H);7,90(m,4H);7,63(t,1H);7,46(t,1H);7,17(d,1H);6,98(d,2H);3,97(t,2H);3,57(t,2H);3,38(s,3H);3,21(s,9H);3,14ppm(s,3H).
【0066】
実施例10:2-[{2-[(2-ヒドロキシ-1-ナフタレニル)-ジアゼニル]-フェニル}(メチル)アミノ]-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムメチルスルフェートの製造
ステップ10.1:N,N,N'-トリメチル-N'-(2-ニトロフェニル)-1,2-エタンジアミン-ヒドロクロリドの製造
7.05g(50mmol)の2-フルオロ-ニトロベンゾールを50mlのトルオールに溶解する。この溶液に徐々に攪拌下に5分以内で8.20g(80mmol)のN,N,N'-トリメチルエチレンジアミンを滴下する。この際、反応混合物の約40℃を越える発熱が生じる。発熱の沈静後、沈殿物を10時間80℃で加熱する。次いで冷却し、回転蒸発器で溶媒を除去する。油状の残存物が得られ、80mlの3規定のエタノール性塩酸と混合し、氷浴にて1時間攪拌する。これにより、次第に橙色の沈殿物が形成され、これを吸引濾過し、次いで少量の冷エタノールで後洗浄する。真空中40℃にて乾燥後、7g(理論の69%)の橙色の染料粉末が得られる。
1H-NMR(DMSO-d6):δ=10,90(sブロード,1H);7,81(dd,1H);7,57(m,1H);7,42(dd,1H);7,08(dt,1H);3,57(t,2H);3,24(t,2H);2,75(s,6H);2,72ppm(s,3H).
【0067】
ステップ10.2:N,N,N-トリメチル-N'-(2-ニトロフェニル)-1,2-エタンジアミンの製造
ステップ10.1からの化合物の6.50(25mmol)を50mlの水に溶解し、飽和炭酸ナトリウム溶液でアルカリ性に調整する。次いで、3回 20mlの酢酸エステルで抽出し、合わせた相を硫酸マグネシウムにて乾燥し、濃縮し、5.3g(理論の95%)の黄色のオイルが得られる。
1H-NMR(DMSO-d6):δ=7,71(dd,1H);7,49(極分裂を伴うt,1H);7,24(dd,1H);6,91(極分裂を伴うt,1H);3,19(t,2H);2,78(s,3H);2.40(t,2H);2,11ppm(s,6H).
【0068】
ステップ10.3:N,N,N-トリメチル-2-[メチル(2-ニトロ-フェニル)アミノ]-エタンアミニウムメチルスルフェートの製造
ステップ10.2からの遊離アミンの5.0g(22.4mmol)を、50mlのアセトニトリルに溶解し、10分以内の攪拌下に、2.83g(22.4mmol)のジメチルスルフェートを滴下する。反応温度は、45℃に徐々に高まり、沈殿物が形成される。3時間の攪拌後、吸引濾過し、少量のアセトニトリルで洗浄し、次いで40℃にて真空乾燥する。
収量:4.8g(理論の61%)の黄色の粉末
1H-NMR(DMSO-d6):δ=7,82(dd,H);7.61(極分裂を伴うt,1H);7,44(dd,1H):7,14(極分裂を伴うt,1H);3,58(m,4H);3,38(s,3H);3,2(s,9H);2,76ppm(s;3H).
【0069】
ステップ10.4:2-[(2-アミノフェニル)(メチル)アミノ]-N,N,N-トリメチルエタン-アミニウム-メチルスルフェートの製造
ステップ10.3からの化合物の4.5g(12.9mmol)を80mlの水に溶解し、0.3gのPd/C(10%)にて2時間、9バールの水素圧にて水素化する。次いで当該触媒から濾別し、濾液を乾燥状態へと濃縮する。4.1g(理論の99%)の紫色を帯びたオイルが得られる。
1H-NMR(DMSO-d6):δ=7,00(dd,1H);6,82(極分裂を伴うt.1H);6,70(dd,1H);6,56(極分裂を伴うt,1H);4,83(2H);3,44(t,2H);3,39(s,3H);3,26(t,2H):3,09(s,9H);2,57ppm(s,3H).
【0070】
ステップ10.5:2-[{2-[(2-ヒドロキシ-1-ナフタレニル)-ジアゼニル]フェニル}-(メチル)アミノ]-N,N,N-トリメチルエタン-アミニウム-メチルスルフェートの製造
ステップ10.4の1.4g(4.4mmol)を20mlの水および1.5gの塩酸(32%)に溶解し、氷浴にて攪拌し、10分間、2mlの水中0.3g(4.4mmol)のナトリウムニトライトと混合する。30分間さらに攪拌し、当該溶液を、10mlのイソプロパノール中0.63g(4.4mmol)の2-ナフトールから成る溶液に添加する。pH値を飽和炭酸ナトリウム溶液の添加により8〜9に調整する。この際、カップリングが生じ、褐色溶液が得られる。1時間後、乾燥状態へと濃縮し、純粋な染料を分離するために、残存物を80mlのメタノールと混合する。1時間の室温での攪拌後、無機塩を濾過する。初期容積の約20%の濾液を得、結晶化のために、30mlのイソプロパノールと混合する。氷浴での攪拌、濾過および真空中40℃での乾燥後、1.6g(理論の67%)の赤褐色の生成物を得る。
1H-NMR(DMSO-d6):δ=8,48(d,1H);8,10(極分裂を伴うd,1H);7,93(d,1H);7,74(d,1H);7,60(極分裂を伴うt,1H);7,46(m,2H);7,35(m,2H);6,78(d,1H);3,55(m,4H);3,38(s,3H);3,14(s,9H);2,78ppm(s,3H).
【0071】
実施例11:2-[{2-[(4-ヒドロキシ-1-ナフタレニル)-ジアゼニル]-フェニル}(メチル)アミノ]-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-メチルスルフェートの製造
2-ナフトールの代わりに0.63g(4.4mmol)の1-ナフトールを用いて、合成実施例9のステップ9.4に記載の方法を行う。
収量:1.2g(理論の57%)の赤褐色の生成物
1H-NMR(DMSO-d6):δ=8,71(d,1H);8,13(d,lH);7,89(d,lH);7,58(dd,1H);7,43(極分解を伴うt,1H);7,22(t,1H);7,12(m,2H);7,01(極分裂を伴うt,1H);6,30(d,1H);3,64(m,4H);3,35(s,3H);3,03(s,9H);2,97ppm(s,3H).
【0072】
実施例12:2-({5-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]-2-ピリジニル}オキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-クロリドの製造
ステップ12.1:N,N-ジメチル-2-[(5-ニトロ-2-ピリジニル)オキシ]-エタンアミンの製造
50mlのジメチルホルムアミド中、7.93g(50mmol)の2-クロロ-5-ニトロ-ピリジン、4.9g(55mmol)の2,2-ジメチルアミノ-エタノールおよび4g(29mmol)の炭酸カリウムの混合物を3日間、時々反転させながら、室温に置く。次いで、沈殿物を200mlの水に注ぎ、3回、30mlの酢酸エステルで抽出する。溶媒を、硫酸マグネシウム上で乾燥および蒸発処理の後、黄色オイルが生成する。
収量:4.9g(理論の46%)
1H-NMR(DMSO-d6):δ=9,07(d,lH);8,46(dd,1H);7,04(d,1H);4,48(t,2H):2,64(t,2H);2,20ppm(s,6H).
【0073】
ステップ12.2:N,N,N-トリメチル-2-[(5-ニトロ-2-ピリジニル)-オキシ]エタンアミニウム-メチルスルフェートの製造
ステップ12.1からの化合物の4.4g(21mmol)を50mlの酢酸に溶解し、5分以内の攪拌下に、2.65g(21mmol)のジメチルスルフェートと混合する。僅かな発熱下に、沈殿物が形成する。1時間の攪拌後、吸引乾燥する。酢酸での後洗浄および40℃真空中での乾燥後、6.5g(理論の92%)の無色の結晶が得られる。
1H-NMR(DMSO-d6):δ=9,13(d,1H);8,56(dd,1H);7,12(d,1H):4,86(m,2H);3,84(m,2H);3,37(s,3H);3,18ppm(s,9H).
【0074】
ステップ12.3:2-[(5-アミノ-2-ピリジニル)オキシ]-N,N,N-トリメチルエタン-アミニウム-メチルスルフェートの製造
ステップ12.2からの化合物の4.0g(12mmol)を80mlの水中で、0.4gのPd/C(10%)にて9バールの水素圧にて水素化する。3時間後、当該触媒から濾別し、次いで、水を回転蒸発器で除去する。
収量:3.6g(理論の98.5%)の紫色を帯びたオイル
1H-NMR(DMSO-d6):δ=7,52(d,lH);7,05(dd,1H);6,61(d,1H);4,87(s,2H);4,56(m,2H);3,71(m,2H);3,38(s,3H);3,15ppm(s,9H).
【0075】
ステップ12.4:2-({5-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]-2-ピリジニル}オキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-クロリドの製造
ステップ12.3からの化合物の1.81g(5.9mmol)を30mlの水および2.4gの塩酸(32%)に溶解し、氷浴にて0〜5℃にて、0.41g(6mmol)のナトリウムニトライトの溶液を滴下して混合する。30分氷浴にて攪拌し、スルフアミン酸の添加により、過剰のニトライトを分解する。得られたジアゾニウム塩溶液を、10mlのイソプロパノール中0.87g(6mmol)の2-ナフトールの溶液に添加し、カップリングのために、飽和炭酸ナトリウム溶液の添加により、pH値を8〜9に調整する。1時間カップリングし、2規定の塩酸で中和し、沈殿物を吸引濾過する。フィルターケーキの加圧および真空中40℃での乾燥により、1.7g(理論の74%)の鮮やかな橙色の生成物が得られる。
1H-NMR(DMSO-d6):δ=14,55(sブロード,1H);8,91(d,1H);8,75(d,1H);8,47(dd,1H);8,03(d,1H);7,90(d,1H);7,65(t,1H);7,50(t,1H);7,16(d,1H);7,11(d.1H);4,85(m不規則,2H);3,86(m,2H);3,22ppm(s,9H).
【0076】
実施例13:毛髪染色剤
以下の組成の染料塊を製造する。:
4.0g デシルグルコシド
5.0g エタノール
0.0025mol 表1に記載の染料
100.0gまで 脱ミネラル水
【0077】
前記染色剤のpH値を、リン酸又は重炭酸ナトリウムアルカリ液で7に調整する。次いで、当該剤を、脱色した毛髪に塗布し、40℃での20分間の作用時間後、水で洗浄する。乾燥後、表1に記載する染色が得られる。
【0078】
【表1】

【0079】
実施例14〜18:毛髪染色剤
以下の組成の染料塊を製造する。:
10.00g エタノール
1.00g ヒドロキシエチルセルロース
0.29g 実施例1に記載の染料
Xg 表2に記載の直接染色性染料
100.00gまで 脱ミネラル水
【0080】
前記染色剤を、脱色した毛髪に塗布し、40℃で20分間の作用時間後、水で洗浄する。次いで毛髪を乾燥する。
【0081】
【表2】

【0082】
前記L*a*b*-染色測定値は、ミノルタ社の染色測定器、タイプクロマトメーターIIを用いて測定した。ここでL*-値は明るさを示し(つまり、L*-値が小さい程、それだけ染色強度は高い)、a*-値は、赤色の度合いの尺度を示し(つまり、a*-値が大きい程、赤色の度合いは高い)、およびb*-値は染色の青色の度合いの尺度を示す(つまり、b*-値がネガティブであるほど、青色の度合いは高い)。
全パーセント表示は、特記されない限り、重量パーセントを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)のカチオン性ナフチルジアゾ染料;
【化1】


(式中、
R1は水素原子、ハロゲン原子、直鎖または分枝(C1-C4)-アルキル基、直鎖または分枝(C1-C4)-アルコキシ基、フェニル基または(C2-C4)-ヒドロキシアルキル基を示し、
R2およびR3は同じでも異なっていてもよく、互いに独立に水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、アセチルアミノ基、(C1-C6)-アルコキシ基、(C2-C4)-ヒドロキシアルコキシ基、(C3-C6)-ジ-またはポリヒドロキシアルコキシ基、-COOR-基、-NRR'-基または-CONRR'-基を示し、RおよびR'は同じでも異なっていてもよく、水素原子、直鎖または分枝(C1-C6)-アルキル基またはヒドロキシエチル基を示し、または、RおよびR'は一緒に、それらが結合する窒素原子と共に、少なくとも4環員を有するヘテロ環を形成し、かかるヘテロ環は、場合により更なるへテロ原子を含み得、ここで、RおよびR'ならびに前記へテロ環はアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基またはアミノアルキル基で置換されていてよく;
Gは、窒素原子またはメチン基(CH)を示し;
Yは、酸素原子またはN-(C1-C4)-アルキル基を示し;
Lは、架橋基を示し、かつ、場合により1または複数のヘテロ原子で中断されてよい直鎖または分枝(C1-C14)-アルキレン基として存在し、ここで、前記架橋基は場合により、1または複数のヒドロキシ基、モノヒドロキシ-(C2-C6)-アルキル基、ポリヒドロキシ-(C2-C6)-アルキル基または(C1-C6)-アルコキシ基で置換されており;
Qは、式(II)の飽和カチオン基または式(III)〜(V)の不飽和カチオン基を示し;
【化2】


R4〜R6は、同じかまたは異なっていてよく、互いに独立して、直鎖または分枝(C1-C6)-アルキル基、(C2-C4)-ヒドロキシアルキル基、(C3-C6)-ジヒドロキシアルキル基、(C3-C6)-ポリヒドロキシアルキル基または(C1-C6)-アルコキシ-(C1-C4)-アルキル基を示し、ここで、基R4〜R6の2つが一緒に、それらが結合する窒素原子と共に、5-または6-員のヘテロ環を形成し、かかるヘテロ環は、場合により1または複数の酸素原子、硫黄原子または窒素原子などのヘテロ原子により中断されていてよく、かつ、場合により、さらなる置換基、例えばハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、直鎖または分枝(C1-C6)-アルキル基、(C1-C6)-アルコキシ基、(C1-C6)-アルコキシ-(C1-C4)-アルキル基またはヒドロキシエチル基を示してよく;
R7は、直鎖または分枝(C1-C8)-アルキル基、アリル基、ビニル基、ヒドロキシエチル基またはベンジル基を示し;
R8は、水素原子、直鎖または分枝(C1-C9)-アルキル-基、アミノ基、ジ-(C1-C6)-アルキルアミノ基またはピロリジノ基を示し;
R9は、直鎖または分枝(C1-C8)-アルキル基、アリル基、ビニル基、ヒドロキシエチル基、ジヒドロキシプロピル基またはベンジル基を示し;および、
X-は、アニオンを示す。)。
【請求項2】
R1が、水素原子、塩素原子またはメチル基を示し、
R2およびR3が、同じでも異なっていてもよく、互いに独立に水素原子、ヒドロキシ基、メトキシ基、-NRR'-基または-CONRR'-基を示し、R及びR'が同じでも異なっていてもよく、水素原子、メチル基またはヒドロキシエチル基を示し、またはR及びR'が一緒に、それらが結合する窒素原子と共に、5ないし6個の環員を有するヘテロ環を形成し;
Gが、窒素原子またはメチン基(CH)として存在し;
Yが、酸素またはN-メチル基であり;
Lが、直鎖(C2-C4)-架橋基として存在し;
Qが、式(II)の飽和カチオン基または式(III)〜(V)の不飽和カチオン基を示し、ここで、残基R4〜R6は、同じでも異なっていてもよく、互いに独立に、直鎖(C1-C3)-アルキル基、ヒドロキシエチル基またはメトキシエチル基を示し、または基R4〜R6の2つが一緒に、それらが結合する窒素原子と共に、5員ないし6員のヘテロ環を形成し;
R7が、メチル基またはヒドロキシエチル基を示し;
R8が、水素原子、メチル基、ジメチルアミノ基またはピロリジノ基を示し;
R9が、メチル基、エチル基またはヒドロキシエチル基であり、および、
X-が、クロリドアニオン、ブロミドアニオンまたはメチルスルフェートアニオンであることを特徴とする、請求項1に記載の式(I)の染料。
【請求項3】
2-{2-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]フェノキシ}-N,N,N-トリメチル-エタンアミニウム-メチルスルフェート、2-{2-[(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]フェノキシ}-N,N,N-トリメチル-エタンアミニウム-クロリド、2-(2-{2-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]フェノキシ}エチル)-1-メチルピリジニウム-メチルスルフェート、2-{2-[(2,7-ジヒドロキシ-1-ナフチル)-ジアゼニル]フェノキシ}-N,N,N-トリメチル-エタンアミニウム-クロリド、4-(2-{2-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]フェノキシ}エチル)-4-メチル-モルホリン-4-イウム-クロリド、2-[(2-{[2-ヒドロキシ-7-(メトキシ)-1-ナフタレニル]ジアゼニル}フェニル)オキシ]-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-クロリド、2-[{4-[(2-ヒドロキシ-1-ナフタレニル)ジアゼニル]フェニル}-(メチル)アミノ]-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-メチルスルフェート、2-[{2-[(2-ヒドロキシ-1-ナフタレニル)ジアゼニル}-フェニル}(メチル)アミノ]-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-メチルスルフェート、2-[{2-[(4-ヒドロキシ-1-ナフタレニル)ジアゼニル}-フェニル}(メチル)-アミノ]-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-メチルスルフェート、2-({5-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]-2-ピリジニル}オキシ)-N,N,N-トリメチル-エタンアミニウム-クロリド、2-({3-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]-2-ピリジニル}オキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-クロリド、2-({3-[(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]-2-ピリジニル}オキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-クロリド、2-{3-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]フェノキシ}-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-クロリド、3-(2-{2-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)ジアゼニル]フェノキシ}エチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-3-イウムクロリド、2-({2-[(2,4-ジヒドロキシ-1-ナフタレニル)-ジアゼニル]-フェニル}オキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム-クロリド、および2-{[2-({2-ヒドロキシ-3-[(フェニルアミノ)-カルボニル]-1-ナフタレニル}ジアゼニル)フェニル]オキシ}-N,N,N-トリメチル-エタンアミニウム-クロリドから選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の式(I)の染料。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の式(I)の染料の少なくとも一つを含むことを特徴とする、ケラチン繊維の染色のための剤。
【請求項5】
前記式(I)の染料を、0.01〜10重量%の総量で含むことを特徴とする、請求項4に記載の剤。
【請求項6】
前記式(I)の染料の他に、さらなる染料を含むことを特徴とする、請求項4または5に記載の剤。
【請求項7】
前記さらなる染料が、3-((4,5-ジヒドロ-3-メチル-5-オキソ-1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)アゾ)-N,N,N-トリメチル-ベンゼン-アミニウムクロリド、3-[(3-メチル-5-ヒドロキシ-1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)アゾ]-トリメチルアンモニオ-ベンゾール-クロリド、8-[(4-アミノフェニル)アゾ]-7-ヒドロキシ-N,N,N-トリメチル-2-ナフタリンアミニウム-クロリド、8-[(4-アミノ-3-ニトロフェニル)アゾ]-7-ヒドロキシ-N,N,N-トリメチル-2-ナフタリン-アミニウム-クロリド、8-[(4-アミノ-2-ニトロフェニル)-アゾ]-7-ヒドロキシ-N,N,N-トリメチル-2-ナフタリンアミニウム-クロリド、7-ヒドロキシ-N,N,N-トリメチル-8-{[2-(メチルオキシ)フェニル]-アゾ}-2-ナフタリンアミニウム-クロリド、3-((4-アミノ-6-ブロモ-5,8-ジヒドロ-1-ヒドロキシ-8-イミノ-5-オキソ-2-ナフタレニル)アミノ)-N,N,N-トリメチル-ベンゾールアモニウムクロリドおよびN,N-ジメチル-3-{[4-(メチルアミノ)-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロ-1-アントラセニル)-アミノ}-N-プロピル-1-プロパンアミニウム-ブロミドから選択されることを特徴とする、請求項6に記載の剤。
【請求項8】
前記さらなる染料を、0.01〜15重量%の総量で含むことを特徴とする、請求項6または7に記載の剤。
【請求項9】
少なくとも1種の天然または合成ポリマーまたは変更された天然起源のポリマーを含み、調色性固定剤または染色性固定剤の形態であることを特徴とする、請求項4〜8のいずれか1項に記載の剤。
【請求項10】
毛髪染色剤であることを特徴とする、請求項4〜9のいずれか1項に記載の剤。

【公表番号】特表2007−527457(P2007−527457A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501128(P2007−501128)
【出願日】平成16年12月13日(2004.12.13)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014189
【国際公開番号】WO2005/085362
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(591011627)ウエラ アクチェンゲゼルシャフト (64)
【氏名又は名称原語表記】WELLA AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】