説明

カテーテル操作

血管内にて使用されるカテーテルで、軸を有し長尺の本体、前記軸に沿ったルーメン、本体の一端にて前記ルーメン及び前尖端に接続される近位開口部、及び前記ルーメン内にあり遠端方向へ前尖端を押力を付加するよう構成された長尺の流体圧力式液体コラムを有し、前記押力は付加点にて付加される。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2002年11月25日に出願された米国出願10/303,064の一部継続出願であり、このすべての開示は、本明細書の一部を構成するものとしてその内容を援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、カテーテル案内のための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
血管には、特に血管の管腔内に閉塞が生じ、血管を狭窄または梗塞させる動脈硬化症等の様々な疾病を罹患する恐れがある。塞栓によってもまた血管の梗塞が生じ得る。狭窄に対する一般的な治療には、先端にバルーンを装備したカテーテルを血管の閉塞部位に挿入し、バルーンを膨張させて、また可能性に応じて閉塞部位にステントを移植して血管の拡張を維持する方法がある。
【0004】
一部の器具では、狭窄部位までガイドワイヤが挿入され、その後ガイドワイヤに沿ってカテーテルが押進される。カテーテルが柔軟であると、屈曲に沿って進める上では有効であるが、体外から先端までカテーテルに沿って押力を伝搬させることが難しい場合がある。カテーテルの剛性が高ければ、急な屈曲を進めることが困難になる場合がある。いずれの場合も、過剰な押力は血管を損傷させる恐れがある。
【0005】
当業者による一つの解決法として、基端部では剛性を高く、先端部は柔軟にするという、先端から基端にかけて剛性の異なるカテーテルが提供されている。
【0006】
結腸内視術では、米国特許6,485,409の開示は本明細書の一部を構成するものとしてその内容を援用するものであり、空気圧または流体圧力により前進させる結腸鏡を提示している。この方法は、大きさや、血液に接触する表面の形状などが原因で、心臓動脈や脳動脈等の特に小口径の血管に使用するカテーテルとしては明らかに不適切である。
【発明の開示】
【0007】
本発明の複数ある実施形態のうち一つの主要な態様は、流体圧力機構を通じてカテーテルの遠端付近にて押力を付加するカテーテルの前進機構に関する。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、付加された押力は、押力が付加される箇所の近位のカテーテルの遠尖端に(例えば、尖端より更に先へ)、少なくともカテーテルの一部を自身に沿って引張させる。本発明の他の例示的な実施形態においては、体内の十分内部に入った位置から付加された押力が、カテーテルの第二の、体外に延出する非可動部分に相対的に、カテーテルの一部を押進する。
【0008】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは本体内部に、内管と内管の少なくとも一部を包囲する外管という、少なくとも二本の管を有する。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、尖端が、カテーテルの内管部分をカテーテルの外管部分から引出する。代替的な実施例の一つにおいては、尖端が、カテーテルの外管部分をカテーテルの内管部分に沿って引張する。
【0009】
外管が引張される実施形態では、相当長の摺動するカテーテル本体が、包囲する血管(または任意の導入シース)と接触する場合がある。内管が引出される実施形態では、通常比較的短い可動域がシース及び/または包囲する血管と接触する。
【0010】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、押力は体外から選択的に加圧される流体圧力を利用して付加される。選択的に、外管と内管の間には摺動流体シールが存在する。この流体は、例えば内管の内部または内管と外管の間に設けられる。選択的に、同一の流体及び経路がバルーンの前進及び膨張に使用される。選択的に、流体圧力を解放するため及び流体への過剰な圧力を回避するために、弁が設けられる。
【0011】
選択的に、流体圧力に加えて固形体の機械要素による押力が前進のために用いられる。例えば、尖端を前進させるために内管を通してスタイレットが挿入される。選択的に、このようなスタイレットは尖端に振動を与える及び/または叩打するために使用される。
【0012】
選択的に、カテーテルの案内のためにガイドワイヤが設けられる。複数の実施形態では、このガイドワイヤが流体の経路を通過する。その他の実施形態においては異なる。
【0013】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、伸長するカテーテルの部分は柔軟であるため、体外から閉塞が生じた冠状動脈まで、ガイドワイヤに沿って確実に押進させることができない。けれども、体内において短距離の押進及び/または引抜を支持可能な程度に剛性がある。選択的に、伸長機構によって比較的小口径のカテーテルが使用可能になる。
【0014】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、押力は例えばカテーテルのバルーン部分の遠端部、またはバルーン部の近端部から例えば0から15mmの間、70mm未満、30mm未満、または10mm未満といった、例えば5cm未満の、尖端に極めて近い箇所に付加される。他の実施形態では、カテーテル尖端と押力が付加される位置との間に、例えば40cmまたは30cm未満の相対的に大きなオフセットが設けられる。本発明の例示的な実施形態では、カテーテルの相対的に剛性の高い部分を作業領域(例えば大動脈)付近に到達させるため、及びそこから相対的に柔軟な部分を(例えば閉塞した冠動脈まで前進させるために、押力付加点のオフセットは最小限とされる。
【0015】
選択的に、カテーテルはカテーテル尖端の過剰な伸長を防止する抑止体(stop)を有する。代替的にまたは付加的に、カテーテルは、体外に(選択的に)二本の管の相対的な動作を防止するため、またはそのような動作に、例えば動作量に対する制限及び/または動作速度に対する制限といった制限を加えるためのロックを有する。
【0016】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいては、抑止ワイヤ(stop wire)が、可動管に装着されカテーテル基部から伸長するよう設けられ、これは選択的に、ワイヤ上を摺動可能なブレーキ部を含む。一例では、ブレーキ部とカテーテル基部間の距離が、伸長可能な長さを決定する。選択的に、ブレーキは低速の動作よりも急速な動作に抵抗する、速度ブレーキである。
【0017】
本発明の複数の実施形態のうち一つの側面は、自身に装着されるシールを有するバルーンカテーテルに関し、シールはバルーンカテーテルと案内カテーテル間の流体の流れを遮断し、選択的に、案内カテーテルは標準の案内カテーテルと何ら変わらない物である。選択的に、バルーンカテーテルを前進させるためにバルーンカテーテルと案内カテーテル間に流体が供給される。選択的に、シールは構成可能でありバルーンカテーテルを各サイズの案内カテーテルの内径とを密着させることが出来る。
【0018】
本発明の複数の実施形態のうち一つの側面は、カテーテルの機械的に作動される弁に関する。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルのルーメンに沿って流体圧力が加えられ、弁は、流体が第一の位置及び/または第二の位置に圧力を付加することを許容するかについて選択する。一例では、流体は、第一の位置でバルーンを膨張させ、第二の位置でカテーテル尖端を前進させる押力を加える。
【0019】
弁には各種の構成が提供される。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、バルーンのルーメンから遮断要素を除去するためにワイヤが引張される。引張されない時、遮断要素は押力が付加されるための基礎として作用する。代替的にまたは付加的に、ワイヤは回転されて、遮断要素を回旋させ、その開口部と圧力が付加されるルーメンとを一致させる。
【0020】
本発明の例示的な実施形態のうち一つの側面は、カテーテル尖端が前進し、カテーテル自身の長さを伸長させるカテーテルに関する。この伸長は、体外で例えば軸方向に折り畳まれ、または螺旋状に回旋した、またはアコーディオン状に折り畳まれ曲折した構成の管部によって支持される。本発明の例示的な実施形態では、管部は血液と接触する構成となっている。代替的にまたは付加的に、管部はバルーンを膨張させるためのルーメンとして作用する。
【0021】
本発明の例示的な実施形態において、血管中で使用されるカテーテルには次の物が含まれる:
軸を有し長尺の本体、前記軸に沿ったルーメン、本体の尖端にてルーメン及び前尖端に接続される近位開口部;及び
前記ルーメン内にあり、前記前尖端に対して遠端方向に押力を付加するよう構成された長尺の流体圧力式液体コラム(fluid column)で、前記押力は付加点にて付加される。選択的に、前記付加点は前記近位開口部よりも前記前尖端の近位にある。代替的にまたは付加的に、前記近位開口部はカテーテルが使用される際に人体の外にあるよう構成される。
【0022】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記カテーテルは前記液体物質が前記血管中に流出しないよう構成される。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記液体コラムは本体外から前進させられるよう構成される。
【0023】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記本体は前記尖端から前記本体の外側へ伸長する曲折した管を有し、前記押力が曲折した管を伸長させる。
【0024】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記尖端はカテーテル直径の少なくとも5倍の長尺を持つ前記カテーテルの一部に沿って引張し、押力が前記尖端に付加される際に、前記長尺は前記尖端によって引張される。
【0025】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記本体は第一の管である内管及び第二の管である外管を有し、前記二本の管は軸方向に少なくとも一部重複し、前記押力が一方の管を他方の管に相対的に伸長する。選択的に、前記尖端は前記尖端に押力が付加される際、前記管のうち一方の少なくとも一部を自身と共に引張する。選択的に、前記引張される部分は、カテーテルが使用される際に人体内で500mmを越えた距離を確実に押進されるには柔軟性が過剰である。
【0026】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記尖端は前記尖端に押力が付加される際、前記の管以外の管に沿って引張する。
【0027】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記管のうち一方の少なくとも一部はカテーテルが使用させる際に人体外に格納されるよう構成され、前記カテーテルのカテーテル基部の外に伸長する。
【0028】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記管のうち一方の少なくとも一部はカテーテルが使用させる際に人体外に格納されるよう構成され、軸方向に収縮する外形を持つ構成である。
【0029】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記内管は前記押力が付加される際に伸長する。
【0030】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記外管は前記押力が付加される際に伸長する。
【0031】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記内管及び前記外管のうち一方のみが、前記押力が付加される際に実質的に伸長する。
【0032】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記液体コラムは前記二本の管の間を搬送される。
【0033】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記液体コラムは前記内管の内部を搬送される。
【0034】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは前記尖端に装着される器具を有する。選択的に、前記器具は前記尖端に装着されるバルーンを有する。
【0035】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは、前記バルーンを膨張させるためのルーメンを伴う独立した管を有する。代替的にまたは付加的に、前記バルーンは金属性の膨張管に装着される。代替的に、前記内管は前記バルーンを膨張させるためのルーメンとして作用する。選択的に、前記内管は前記バルーンを膨張させるためのルーメンとして、また前記液体コラムのためではなく作用する。
【0036】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記バルーンは前記液体コラムを搬送するルーメンを経て膨張される。選択的に、前記バルーンは前記カテーテルの伸長に使用されるよりも高い圧力を使用して膨張される。代替的にまたは付加的に、カテーテルは、前記バルーンへの流体の流入を選択的に許容するための弁を前記バルーンに有する。選択的に、前記弁は感圧弁である。代替的に、前記弁は外部より作動される弁である。選択的に、前記弁は抑止弁で、遮蔽体が注入口から前記バルーンへ後退し、加圧された流体がバルーン内に入ることを許容する。代替的に、前記弁は少なくとも二つの構成を持つ回転弁で、前記構成のうち第一の構成から第二の構成に遮蔽体が回転され、前記バルーンに対して注入口を選択的に密封または密封解除する。
【0037】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記バルーン膨張管はカテーテルが使用させる際に人体の外に格納されるよう構成される。選択的に、前記管は軸方向に屈曲された状態で格納される。
【0038】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記管は少なくとも50mm伸長するよう構成される。
【0039】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記管の一本は少なくとも150mm伸長するよう構成される。
【0040】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記管の一本は少なくとも250mm伸長するよう構成される。
【0041】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記管の一本が伸長するのは500mm以内となるよう構成される。
【0042】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは二本の管の間における所定の距離を超えた相対的な動きを防止するための少なくとも一つの抑止体を有する。
【0043】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記抑止体の少なくとも一つは前記本体の外側にある。
【0044】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記抑止体の少なくとも一つは前記流体と接触しない。
【0045】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記抑止体の少なくとも一つは前記カテーテルの外に伸長するワイヤと、前記ワイヤ上に少なくとも一つの可動ブレーキ部を装着されて有する。
【0046】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記抑止体は掛合時に液体の流過を防止する。
【0047】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記抑止体は掛合時に液体の流過を防止しない。
【0048】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記抑止体は伸長管(extending tube)の近位端から50mm以内の距離に配置される。
【0049】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記抑止体は伸長管の近位端から少なくとも50mmの距離に配置される。
【0050】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記管が最大限に伸長される際、前記抑止体は非伸長管(non-extending tube)の遠位端に配置される。
【0051】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記管が最大限に伸長される際、前記抑止体は非伸長管の遠位端から50mm未満の間隔を設けた位置に配置される。
【0052】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは軸方向に間隔を設けた複数の抑止体を有する。
【0053】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記抑止体は軸方向に5mm未満の長さの要素である。代替的に、前記抑止体は軸方向に5mmより長い要素である。
【0054】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは管の間に少なくとも一つのシールを有する。選択的に、前記少なくとも一つのシールは、特定の外管の内径に適合する。代替的に、前記少なくとも一つのシールは、外管の内径の範囲に適合する。
【0055】
選択的に、前記少なくとも一つのシールは軸方向に間隔を設けた複数のシールを有する。代替的に、前記少なくとも一つのシールは単一のシールのみから成る。
【0056】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記少なくとも一つのシールは前記一本の管の過剰な伸長を防ぐための抑止体として作用する。
【0057】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは、所定の距離を超えた伸長の過程を防止する伸長リミッタを有する。選択的に、前記所定の伸長の過程の制限はユーザにより設定可能である。
【0058】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは前記内管を前記外管に対して選択的に固定し運動を防止するよう構成されたロックを有する。
【0059】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは前記本体に前記他の管を選択的に連結させるよう構成されたロックを有する。
【0060】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは作動流体を特定の流体圧力から解放するよう構成された圧力弁を有する。
【0061】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは前記一本の管の伸長を制御するよう構成されたコントローラを有する。選択的に、前記コントローラは制御された分量の前記管を伸長させるよう構成される。代替的にまたは付加的に、前記コントローラは、前記液体に付加される圧力のレベルを設定することによって前記管を伸長するよう構成される。代替的にまたは付加的に、前記コントローラは前記カテーテルを前進させるよう構成される。代替的にまたは付加的に、前記コントローラは前記カテーテルのロックを前記カテーテルのバルーン部膨張と同期させるよう構成される。代替的にまたは付加的に、前記コントローラは前記管を前記カテーテルに対して抜去するよう構成される。選択的に、前記コントローラは前記抜去を前記カテーテルの前進と同期させるよう構成される。
【0062】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは前記管を包囲する案内シースを有する。
【0063】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルはガイドワイヤを有し、前記カテーテルは前記ガイドワイヤに乗載するよう構成される。選択的に、前記カテーテルは、カテーテル使用時に前記ガイドワイヤが前記内管内を通過し人体の外へ送出されるよう構成される。代替的に、前記カテーテルは、カテーテル使用時に前記ガイドワイヤが前記内管内と前記外管の間を通過し人体の外へ出るよう構成される。代替的に、前記カテーテルは、カテーテル使用時に前記ガイドワイヤが前記外管の外を通過し人体外へ出るよう構成される。代替的にまたは付加的に、前記カテーテルは、カテーテル使用時に前記ガイドワイヤが案内シースの外側を通過し人体外へ貫出するよう構成される。
【0064】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは前記尖端に一つのバルーンを有する。選択的に、前記ガイドワイヤは前記バルーンの膨張ルーメン内を通過する。代替的に、前記ガイドワイヤは前記バルーンに近接する前記バルーンからの近位の貫通口を有する。選択的に、前記バルーンには肉厚な基部(base)があり、前記ガイドワイヤはここから送出される。
【0065】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記送出されるする開口部は前記バルーンから20mm未満である。
【0066】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記ガイドワイヤは前記バルーンの膨張ルーメン内を通過する。
【0067】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記ガイドワイヤは、前記非伸長管の最遠端点より先の位置で、前記伸長管から前記カテーテルの外へ出る。
【0068】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記ガイドワイヤは、前記非伸長管の最遠端点から近位の位置で、前記伸長管から前記カテーテルの外へ出る。
【0069】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記ガイドワイヤは二本の管の間のシールを通過する。
【0070】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記ガイドワイヤは前記カテーテル内の前記コラムの液体経路を通過する。
【0071】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記ガイドワイヤは前記カテーテル内の前記コラムの液体経路の外のみを通過する。
【0072】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記内管は流体制御のために製造されたのではない標準的なバルーンカテーテルを有し、前記液体は前記外管と前記標準的バルーンカテーテルの間を搬送される。
【0073】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記内管は調節可能なシールを装着された標準的なバルーンカテーテルを有し、前記液体は前記外管と前記標準的バルーンカテーテルの間を搬送される。選択的に、案内カテーテルである。
【0074】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記外管は3mm未満の外径を有する。
【0075】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記外管は2mm未満の外径を有する。
【0076】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記外管は1mm未満の外径を有する。
【0077】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記内管は1.5mm未満の外径を有する。
【0078】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記内管は0.5mm未満の外径を有する。
【0079】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記付加点は前記カテーテルの最遠位点から500mm未満である。
【0080】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記付加点は前記カテーテルの最遠位点から350mm未満である。
【0081】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記付加点は前記カテーテルの最遠位点から70mm未満である。
【0082】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは前記付加点と前記尖端の間にオフセット要素を有し、付加点は前記コラムから前記尖端への前記押力を伝搬する。
【0083】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは前記尖端への第二の押力を付加するよう構成された押進ワイヤを有する。選択的に、前記押進ワイヤは前記第二の押力を、前記付加点と実質的に同一の軸位置で付加する。代替的にまたは付加的に、カテーテルは血管中の狭窄部を通過するために適合した、前記ワイヤの短距離の前進を許容するよう構成されたコントローラを有する。
【0084】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは、カテーテルが使用される際に人体外に維持されるよう構成された基礎ハブを有する。選択的に、前記基礎ハブは流体圧力に対して単一のみの注入口を有する。代替的に、前記基礎ハブは流体圧力に対して複数の注入口を有する。選択的に、前記注入口の少なくとも一つは、前記注入口内部の流体が5気圧以上にある際に流体の閉鎖を維持するよう構成された被覆体を有する。
【0085】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記基礎ハブは圧力解放弁を有する。代替的にまたは付加的に、前記基礎ハブはガイドワイヤ用の開口部を有する。代替的にまたは付加的に、前記基礎ハブは押進ワイヤ用の開口部を有する。代替的にまたは付加的に、前記基礎ハブは弁制御ワイヤ用の開口部を有する。代替的にまたは付加的に、前記基礎ハブは伸長制限ワイヤ用の開口部を有する。選択的に、前記基部が所定の圧力値を超えて加圧される際に、前記開口部は前記ワイヤをロックするよう構成される。
【0086】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記基礎ハブは、カテーテルの流体圧力と複数のルーメンのうちのいずれを連結させるかについて選択するセレクタを有する。
【0087】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記基礎ハブは開閉可能な開口部を有し、この門部を経由してユーザが選択的にカテーテルのルーメンへ到達するよう構成されている。選択的に、前記開口部は手動により敏速に開けることができるよう構成される。
【0088】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記基礎ハブは長尺のカテーテル格納部を含み、前記長尺はそこに格納されるカテーテル部の長さの80%未満である。
【0089】
本発明の例示的な実施形態において、次の物を有する伸長可能なカテーテルが提供される:
カテーテルが使用される際に、人体外に維持されるよう構成された基部;
ルーメン及び遠尖端を有し、かつ前記基部に格納される曲折部を含む、長尺の本体;及び
前記尖端に近接する前記本体に押力を付加するよう構成された液体コラム。選択的に、前記曲折部は折り畳まれた構成で格納される。代替的にまたは付加的に、前記曲折部は巻回された構成で格納される。代替的にまたは付加的に、前記曲折部は軸方向に屈曲した構成で格納される。代替的にまたは付加的に、前記曲折部は一部が表裏逆転して軸方向に折り畳まれた構成で格納される。
【0090】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは外管を有し、前記本体はその外管から曲折しない状態で送出される。代替的にまたは付加的に、カテーテルは前記曲折部の内側に第二の曲折した管を有する。選択的に、前記第二の曲折した管はバルーン膨張管である。
【0091】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは前記曲折部の曲折を展開するための送りノズル(feeding nozzle)を有する。
【0092】
本発明の例示的な実施形態において、次の物を有し、機械式に作動する流体弁を伴うカテーテルが提供される:
ルーメンを有する長尺の本体で、前記ルーメンは流体経路を特徴とする;
前記流体により作動し、前記長尺の本体の遠端部に配置される器具;
前記器具に流体を選択的に伝搬するよう構成された、前記遠端部にある流体弁;及び
前記弁に連結され、前記本体の外に延長する、前記弁を制御するための機械式作動装置。選択的に、前記器具は流体により膨張されるバルーンを有する。代替的にまたは付加的に、前記カテーテルは、前記流体により遠位に伸長される遠端部を有するよう構成される。
【0093】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記作動装置は前記弁を回転させる。代替的に、前記作動装置は前記弁の遮蔽部を後退させる。選択的に、前記作動装置は前記弁の遮蔽部を後退させ、最大限に後退させた位置にて遮蔽部が前記ルーメンから前記器具への流体の経路を許容する。
【0094】
本発明の例示的な実施形態において、次のことを含む、カテーテルにより搬送される器具を配置する方法が提供される:
体内の血管へ伸長可能なカテーテルを挿入すること;及び
カテーテルの遠端部を、少なくとも50mmの距離を伸長させて対象領域に到達させること。選択的に、この方法は前記伸長部の遠端にて前記器具を作動させることを含む。選択的に、前記伸長は前記カテーテルに流体圧力を加えることにより伸長することを含む。
【0095】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記器具はバルーンを有する。
【0096】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、挿入はガイドワイヤに沿って挿入することを含む。
【0097】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、挿入は案内カテーテルまたはシースを通して挿入することを含む。
【0098】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、方法は前記カテーテルを前記伸長させた後に前進させることを含む。
【0099】
本発明の例示的な実施形態において、次のことを含む、カテーテルを検査する方法が提供される:
カテーテルを液圧の圧力源に装着すること;及び
カテーテルの遠端部を少なくとも50mm伸長させるために前記圧力を上昇させること。
【発明を実施するための最良の形態】
【0100】
【概要】
【0101】
図1は、本発明の例示的な実施形態におけるカテーテルシステム100の概略図である。は狭窄部106(例えば、動脈硬化プラーク、古くなったステント等、または塞栓等他の種の罹患組織によって生じたもの)を伴う冠状血管104を有する。カテーテルシステム100は、案内カテーテル/シース112内にてカテーテル110が少なくとも部分的に乗載するガイドワイヤ108を有する。カテーテル110は、選択的にバルーン114及び/またはステント116を含む遠尖端111を有する。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテル110の遠端部118は、遠端部118またはその付近に付加される押力を利用してシース112より前進可能である。制御システム120は、この前進を制御するために選択的に使用される。ロック122は、カテーテル110をシース112へ固定させるため及び/または端部118の動作をシース112へ固定させるため、及び/またはカテーテル110を静止させるために設けられる。
【0102】
該図は冠状血管への誘導を示すものであるが、脳または他の器官内の血管への誘導においても同様のシステムが使用可能であることに留意すべきである。また、例えば腫瘍への放射性物質注入等、狭窄以外の血管性(または非血管性)の問題についても処置可能である。
【0103】
下に記載の通り、一部の実施形態においては、案内カテーテル112及び/またはガイドワイヤ108は省略されている。代替的にまたは付加的に、一部の実施形態においては、相対的な配置(例えば、何が何を包囲しているか)が図1に示す物から変更されている。
【可動型外管を伴う例示的なカテーテル】
【0104】
図2は、本発明の例示的な実施形態におけるカテーテル200の断面図である。カテーテル200は、外管202、及びルーメン206を伴う内管204を有する。外管202は、その遠端228にて例えば任意のバルーン218(詳細は後述)により密封されている。
【0105】
使用時には、例えば注射器等の圧力源208が、ルーメン206へ流体を注入するために使用される。流体が使用されると、これによりルーメン206と連通している外管202のルーメン部207内に圧力の上昇が生じる。外管202と内管204の間には摺動性流体シール214が存在する。そして、外管202により定められたシリンダ・ボディに対するピストンとして外管202が機能する。ルーメン部207の内圧上昇により、内管204(ピストン)と外管202(シリンダ)の相対運動が生じる。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、外管202の方が摺動自在であり、矢印の方向210への流体の流動とも関連し矢印212の方向にバルーン218を前進させ摺動する。圧力上昇がカテーテル200自体の遠端付近にある外管202の遠端228へ押力を付加することに留意すべきである。例えば、バルーン218の尖端232と遠端228との間の長さは、例えば20mmまたは10mmまたはそれ未満という30mm以下の短さである。選択的に、尖端232が内側に反転する反転バルーンが使用される。
【0106】
選択的に、シール214は、例えば連続した複数のリングなど、選択的に内管204から一体に形成されたガスケットを有する。代替的に、内管202及び204は止まり嵌めとし(少なくとも許容された相対運動の長さ分)、特別にシール剤は必要としない。内管ボリューム216が存在する場合は、潤滑剤を塗布してもよい。選択的に、この潤滑剤がシール剤として機能する。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、潤滑剤は、先行技術により既知の、水分と接触する際に膨張し、それにより密封する、また水分と接触する際に粘性を帯びる親水性物質から成る。本発明の代替的な実施形態において、ボリューム216は漏出した流体の流路として機能する。代替的にまたは付加的に、例えば、ボリューム216内の流体を潤滑剤として機能させるため、及び/またはルーメン部207の過圧を回避する圧力弁として機能させるために、シール214は漏出性のシール剤とする。内管202は選択的に、例えば20気圧での膨張が1%未満であり、実質的に非膨張性である。選択的に、外管202及び内管204の一方または両方は、作業環境において軸方向に膨張しないよう構成される。一例では、管に対する抗張力を増加させるため、一または複数の縦走繊維(例えばプラスチック製または金属製ワイヤ)が管内に埋め込まれる。一例では、円周状に均等な間隔を設けた3本または4本のワイヤが使用される。
【0107】
本発明の代替的な実施形態においては、実際のシール214は使用されない。代わりとして、遠端228への押力は、ボリューム216を経由した流体の流入量及び流出量を作用させる。通常、流出はボリューム216内の摩擦及び境界効果により抑制される。ルーメン206内のこれらの種類の作用は圧力を上昇させ、流入量と流出量の不均衡を構成することにより克服される。この比率は、例えば、圧力源208により加えられる圧力を上昇または下降させることにより制御出来る。従って、例えば不慮の損傷を防ぐため、または急角度の屈曲箇所及び/または狭窄部を通過させるために、バルーン218を前進させる押力をより緻密に制御することが出来る。
【0108】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、バルーン218はカテーテル200の遠端に設けられる。外管202及び内管204の内部に、独立した膨張ルーメン(inflation lumen)220(例えば管)が選択的に設けられ、独立した圧力源222により選択的に膨張される。バルーン218の膨張方法及びバルーンへの流体の注入方法についての変形例は、カテーテルの他の実施形態で下に記載する。本発明の異なる実施形態において、バルーンに代わってまたはバルーンに加えて異なる器具が用いられ、例えば膨張ではなくワイヤ及び/またはその他の材質を搬送するために、管220が用いられる。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、管220は金属性の可撓管であり、屈曲の低減及び/または押力の向上を補助する。
【0109】
ガイドワイヤ108は、例えばバルーン218内の専用チューブ(図示せず)を通過し、選択的に貫通口224を通じて外部へ出る。他の選択肢としては、例えば周知のバルーン設計を使用してもよい。そのような選択肢及び新規の選択肢の一部を、他の実施形態で下に記載する。
【0110】
一または複数の放射線不透過性マーカーが、例えばカテーテル200の遠端付近、シール214、及び/または遠端228に選択的に付加される。これらのマーカーは、例えば下に記載の通り、及び/またはカテーテル伸長の程度を判断するために、手術の各段階においてカテーテル200の位置決めに用いられる。
【0111】
シース112(図1参照)は図示されていないが、用いてもよい。選択的に、シースが近接するシール214まで延長する。ガイドワイヤ108は、選択的にシース内のシース壁とカテーテル200の外管202の間とを移動する。
【0112】
選択的に、シール214は例えば熱などにより内管204を展延して形成される。この構造により、流体圧力が上昇した際、展延部分が外管202に対して更に強固に押しつけられることになり、密着の程度が増す。
【例示的プロセス】
【0113】
図3は、本発明の例示的な実施形態においてカテーテル200を配置する例示的なプロセスのフローチャート300である。下に記載の通り、本発明のカテーテルは、異なるプロセスでも同様に使用可能である。
【0114】
302では、カテーテルを何処に案内するかという決定が選択的になされる。一部の場合、例えば診察過程において造影剤を注入するためにルーメン222が使用されるのであれば、事前に正確な対象部位が判断されない場合がある。他の場合では、特定の狭窄部106がバルーン及び/またはステントにより処置される。
【0115】
304では、体内の対象部位へ到達するために使用される経路により、大動脈または血管(例えば大腿動脈)への開口部が設けられる。
【0116】
306では、選択的に案内カテーテル/シース112が開口部から挿入される。冠状動脈の例では、シースは大動脈までまたは冠状大動脈までへも挿入される場合がある。
【0117】
308では、ガイドワイヤ108が選択的にシース112を通して狭窄部106まで前進させられる。先行技術により既知となっている様々なガイドワイヤ案内技術が用いられる。本発明の一部の実施形態においては2本のガイドワイヤが使用される。カテーテル案内の技術として、例えば最初に太いガイドワイヤ、次いで細いガイドワイヤを使用することが既知である。
【0118】
310では、カテーテル200がガイドワイヤ108(ある場合)に沿って、またシース112(ある場合)を通して、狭窄部106から所定の距離以内まで前進させられる。この距離は複数の要素に依存する。例えば標準的な方法では、シース112の遠端付近まで前進させられる。代替的にまたは付加的に、カテーテル200は前進可能な最遠端まで前進させられる。代替的にまたは付加的に、カテーテル200は狭窄部106からカテーテルが伸長可能な範囲内の距離まで前進させられる。
【0119】
312では、圧力源208が作動し、ルーメン207の内圧が上昇して、これにより外管202及びバルーン218を前進させる。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテル200の遠尖端付近に押進力が付加されると、通常、カテーテル200の一部を管壁に押し付ける方向よりも、ガイドワイヤ108に沿ってカテーテルを前進させる方向に作用するものと推定される。選択的に、必要に応じて、突発的な圧力をルーメン部207に加え、狭窄部106の通過を補助する。下に記載する通り、バルーンの過剰な前進は、外管202を内管204に相対的に抑止することにより選択的に回避される。
【0120】
314では、ガイドワイヤ108が選択的に抜去される。一部の実施例において、ガイドワイヤ108はこれよりも早い時点で抜去される。他の実施形態においては、ガイドワイヤ108は処置終了まで留保される。
【0121】
316では、バルーン218が選択的に膨張され(例えば、圧力源222を使用する)、選択的にステント116(ある場合)が配置される。バルーンの膨張及びステント配置と代替的にまたは付加的に、他の処置が施される場合がある。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、ロック122は、膨張時のバルーン218の揺動を避けるため、膨張の前に適用する。選択的に、バルーン218の位置は画像技術(例えば、蛍光透視法、CT画像、及び/またはMRI画像)を用いて膨張前に確認される。
【0122】
318では、ステント116に対する抜去が可能になるよう選択的にバルーン218が収縮される。
【0123】
320では、カテーテル200、シース112、及び/またはガイドワイヤ108が抜去される。抜去は、圧力源208にて圧力を逆転し、内管204に対する外管202の抜去を発生させることを含む。代替的な実施形態においては、カテーテル200が単に抜出される。
【0124】
322では、例えば外管202を内管204に相対的に再度前進させることにより、選択的にカテーテル200が再配置される。
【プロセスの変型】
【0125】
カテーテルを前進させる技術には、多数の既知の技術がある。本発明の一部の実施形態であるカテーテルを前方へ伸長させる能力を活用するために、カテーテル200はこれらの技術の多数を伴って使用され、選択的に適切な変更を加えられる場合がある。
【0126】
カテーテル前進技術の代替的な一例では、本発明によるガイドワイヤ及びカテーテルが対となって前進させられる。ガイドワイヤが短距離を前進し、次にカテーテルが短距離を押進及び/または前方に伸長される。
【0127】
カテーテルを前進させる代替的な技術の他の例では、カテーテル200がガイドワイヤなしで前進し、選択的に、柔軟な尖端を備えている。
【0128】
カテーテルを前進させる代替的な技術の他の例では、シース112が無くカテーテル200がガイドワイヤに沿って前進させられる。この技術の不利点には、カテーテル200が前方に伸長する都度、相当長の外管202が血管壁に沿って摺動することが想定される。伸長手段は、例えば大腿動脈への入口またはある中間点から用いることが出来る。代替的に、カテーテル200は、カテーテル200を伸長させる前に、容易に挿入可能な範囲で出来るだけ奥まで挿入される。例えばシースが装備されている場合、例えば大動脈弓の前または冠状動脈の一または二枝通過後など、カテーテルの伸長は冠動脈系への入口以外の箇所から開始してもよい。
【0129】
カテーテルを前進させる代替的な技術の他の例では、比較的小幅な動きでカテーテル200を徐行させる。この技術では遠端228が伸長し、それから内管204が前進する。選択的に、遠端228が血管に対して同位置で停留するよう、内管204が前進する際に遠端228を後退させる。選択的に、この技術では、内管204に対しては僅かに剛性の高いガイドワイヤである外管202を使用する。
【0130】
カテーテルを前進させる代替的な技術の他の例では、カテーテル200を可能な限り奥まで伸長し、それから後退させてバルーン218が正しい位置に来るようにする。代替的に、一旦正しい位置に到達すると、カテーテル200は後退させると同時に、及び/または小幅にて伸長させ、バルーン218が正しい位置に停留するようにする。この方法は、カテーテル200の伸長及びバルーン218の膨張に同一のルーメンが使用されるという点で、また伸長を完了させることによりバルーン218を揺動させるバルーン膨張の危険が無くなるという点で、カテーテル設計(下に記載)において有用である。他の実施形態では、このような揺動を回避するため位置決めロックが使用される。
【コントローラの論理】
【0131】
再び図1を参照する。カテーテル200の動作及び/または伸長を制御するコントローラ120には、多様な種類及び/または能力がある。選択的に、コントローラ120は手動にて制御される。代替的に、例えばロボットとして遠隔制御される。一部の実施形態において、制御論理の一部は例えば可動管(moving tube)などカテーテルの他の部分にも用いられる。
【0132】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテル200は、コントローラ120が作動流体の容量を特定量増加させ、それによりルーメン部207の容量を特定量増加させ、それに従って外管202を特定長伸長させるという、固定容量技術を用いて前進する。
【0133】
本発明の代替的な実施形態において、例えばシール214が漏出性であれば、押力に基づいた技術が用いられる。この技術では、コントローラ120は例えば段階的にまたは衝動的に外管202を伸長させるための押力を付加するために使用される。一旦必要な長さに伸長されると(または応答時間を調整するためにその直前)、押力は停止される。選択的に、外管202及び内管204の各管に対する抑止体を連結させることにより管の前進の最大長(または刻み幅)が設定されるという、押力と位置決めを組み合わせた伸長技術が用いられる。押力は外管202を伸長または後退させるために付加されるが、伸長(または後退)の長さは抑止体間の距離に限定される。このようなコントローラの例を、下の図4Cに示す。
【0134】
本発明の一部の実施形態において、前進するために必要な押力は、カテーテルの既に伸長されている部分における屈曲部の数及び屈曲の鋭角により、増加する点に留意すべきである。
【0135】
選択的に、例えば下に記載の通り、例えば一方または両方の管に抑止体としての縁があり、外管202が所定長を超えて(例えば、双方の縁が合致する際)伸長することを回避する。
【0136】
選択的に、コントローラ120は例えば作動流体の容量を減少させる、または負圧を加えることにより、外管202を内管204に向かって後退させるためにも使用される。
【0137】
動力源は、各種の物が使用される。例えば、押しシリンジまたは本体内に螺着されたピストンを伴うシリンジが用いられる。代替的な手動による実施形態では、作動流体を管に沿って前進させて管内の圧力を上昇させるために、管に沿って回転するノブが使用される。代替的な実施形態では、電気的に制御されたポンプまたは流体または圧力源が使用される。選択的に、押力は体外から非流体圧力により付加され(例えば、スタイレットなど剛性のある物を使用する)、押力は本体内の室内に充填された流体へと伝搬され、ここに記載された流体圧力による伸長が発生する。
【0138】
選択的に、コントローラ120は例えば外管202に施されたマークをウィンドウに示すことにより伸長の長さを表す。代替的に、伸長の長さは光学エンコーダを使用して測定される。選択的に、付加された圧力または押力に対する伸長の長さは学習され、例えば後退の際に最後に前進させた長さと同じ長さを後退させるために使用される。代替的にまたは付加的に、ユーザが一段階の伸長を要求し、その伸長が確定した時点で加圧が停止されるという、閉ループによる制御を行う目的から、伸長が追跡される。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、コントローラは記憶部を持つマイクロコントローラ・チップを有する。選択的に、そのような記憶部は、例えば製造の測定過程においてまたは使用中に判断される、カテーテル伸長機構の静摩擦及び動摩擦に対する数値を学習及び/または格納するために用いられる。
【0139】
コントローラ120は選択的に、例えば伸長管に施されたマークを読み取る光学エンコーダといった他の種類の伸長センサを有する。代替的な実施例では、一または複数の放射線不透過性マーカーが伸長管及び/または非伸長管に付加され、マーカーの相対的な位置がX線画像を使用して観察することが出来る。
【0140】
コントローラ120は選択的に、例えば漏出センサ及び作動流体圧センサという他の種類のセンサを有する。代替的に、例えばマグネスケールといった精細な圧力計が使用される。漏出は緩やかな圧力損失として表れる場合がある。
【0141】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、コントローラ120及び/またはカテーテル200は制限手段を有する。一例では、一段階における前進の最大長が制限される。代替的にまたは付加的に、コントローラ120は二またはそれ以上のガイドワイヤ108、シース112、内管204、及び外管202をロックすることが出来る。どの対がロック可能であるかについては、例えば特定の実施形態に依存する。他の例では、最大圧力制限器が設けられ、例えば過剰な圧力を漏出させるために本体外に弁が設けられる。最大圧力は選択的に設定可能である。代替的に、ルーメン部207からボリューム216までに排水弁が定義される。
【0142】
選択的に、コントローラ120はまた、例えば内管204を動かすことによりカテーテル200の全体を前進または後退させることが可能である。選択的に、コントローラ120は上に記載した徐行による方法が実現されるように、外管202と内管204の動作を同期化することが可能であり、例えば内管204を前進させながらも外管202を後退させる。このような種類の同期化は、ノブの回転により外管202の前進と、ルーメン206内のボリューム及び/または圧力を減少させることとを同時に行う機械的コントローラによっても実現される。
【0143】
多数の例が、食塩水または例えば生物学的適合物質または潤滑材といった他の適切な物質の液体作動流体が使用されることを記載している。選択的に、流体内に抗凝固剤が配合される。流体が治療部位に漏出されることが想定される実施形態では、各種の治療用薬剤が作動流体内に配合される。選択的に、放射線不透過性物質が流体内に配合される。本発明の一部の実施形態において、CO2といった気体作動流体が使用される。ボリューム216はそのような気体が体内の組織に全く接触することなく本体から放出されるための安全上の経路となっている点に留意すべきである。
【材質及び構造】
【0144】
本発明の例示的な実施形態によるカテーテルは、カテーテル構成における既知の技術を含み、例えばポリエチレン、ナイロン、PBX、テフロン(登録商標)、及びその他のプラスチック、ゴム及びラテックスといった様々な材質による。例えばシリコンまたは、親水性または疎水性コーティングといった様々なコーティングも選択的に施される。選択的に、伸長管と包囲する非伸長管との摩擦を低減させるため、かつ血流及び/または血管壁との摩擦またはその他の負の相互作用を低減させるため、同一のコーティングが用いられる。
【0145】
本発明の特定の実施形態において、カテーテルまたは少なくともその伸長部分は、体外からカテーテルを押進させる上で有効な材質よりも柔軟な材質で構成される。例えばカテーテルまたは伸長部分は、J&J Cordis製E95、J&J Cordis製Aqua(例えばT3)、またはBoston Scientific製Maverick等の標準的なカテーテルの最柔軟部分(例えばバルーンに近位の最遠端部分)と同程度の柔軟性を持つ。多少の弾性は、多くの場合有効である。一例では、このカテーテルは、体内の直線部位または冠動脈系または脳系といった包旋状部位で30cmまたは50cm以上効率的かつ確実に前進させる上では柔軟性が高過ぎる場合がある。脳での使用には、伸長部分は冠状動脈系で使用する場合よりも長く、柔軟に、かつ小口径とする場合がある。
【0146】
カテーテルの伸長部分の例示的な外径は2mm、1.5mm、1mm、07mm、0.5mm、またはそれ以下、その中間、またはそれ以上である。非伸長部分の外径は、例えば3mm未満または2mm未満、またはそれ以下、その中間、またはそれ以上である。
【0147】
本発明の一部の実施形態において、金属製の管がバルーンの膨張ルーメンとして使用され、また選択的にキンク耐性、押進効率、及び/または閉塞部への叩打及び/または振動の適用(例えば、既知の技術による振動手段を使用する)が提供される。
【0148】
非可動管(non-moving tube)(例えば外管)は、大動脈内(または他の主血管)に滞留する場合には伸長管(例えば内管)よりも剛性の高い物にする場合がある。選択的に、このように剛性の高い管は案内カテーテルとして動作可能な程度に剛性があり、独立した案内カテーテルの省略が可能となる場合がある。そのような実施形態では、バルーン運搬部のみが前進するようになる地点まで、案内カテーテル及びバルーン運搬部が選択的にガイドワイヤを越して一緒に前進されられる。
【0149】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは例えば外径が0.4mmと3mmの間である小口径の物であってもよい。
【0150】
「管」という用語を使用する際、様々な非円形断面の物でもよい。付加的に、通常、同心円管が記述されるものの、これは必須の特徴ではなく、管は非同心円形でもよい。
【0151】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルの尖端には相当量の押力が付加される。例えば、5フレンチのカテーテルは尖端に160グラム以上が付加される。選択的に、140グラムまでまたは100グラムまでといった比較的弱い押力が付加される。代替的に、200グラム以上といった比較的強い押力が付加される。これらの押力は、例えばカテーテルのサイズに一次関数または二次関数を適用し、小口径のカテーテルに対しては減少させる。選択的に、付加される押力は、相当の割合が(例えば、20%、30%、50%、またはそれ以上)カテーテル断面積と適用される圧力との積である。当然これは、カテーテルの流体圧力断面と、カテーテルに沿って損失される圧力とに依存する。選択的に、得られる押力には高い上昇率がある。
【可動型内管を伴うカテーテル】
【0152】
図4A及び図4Bは、外管402に相対的に内管404が伸長しているカテーテル400を示す。バルーン418は内管404の遠端に設けられている。内管404のルーメン406は、バルーン418の膨張に作用し、二本の管の間のボリューム416は内管404及びバルーン418を前進させる液体コラムとして作用する。ボリューム416内に作動流体を配置する利点は、外管402と内管404間の摩擦を低減させることにある。
【0153】
二本の管の間のシールは軸方向に短い物でもよいが(例えば下に記載の通り)、本発明の例示的な実施形態では相対的に長いシール管(sealing tube)414が使用される。シール管414の長さは例えば10mm、20mm、40mm、80mm、200mm、またはそれ以上が可能である。長い管を使用する上で想定される一つの利点は、漏出を抑制または防止しつつも(境界効果に基づく)内管及び/または外管との密着が緩やかになる点にある。
【0154】
選択的に、シール管414は一以上の機能を持つ。一つの選択的な機能である密閉は、管の一部によって提供される(例えば、ここに記載する他のシールのように、極めて短い部分であっても可能)。他の選択的な機能は、捻れの回避及び/または低減である。選択的に、シール管414に僅かに剛性を持たせる。他の選択的な機能である押力による伸長については次に記述する。例えば下に記載される他の実施形態では、作動流体は造影剤を含み、漏出が例えば蛍光透視法といった画像を用いて識別可能となるようにする。
【0155】
選択的に、シール管414の遠端は内管404上に形成される一または複数の突起部450に接触する。液体コラムがシール管414の近位部に接触すると、シール管414は付加された押力を突起部450に伝搬させ、それにより内管404が前進する。これにより選択的に押力を遠位の箇所に付加することが可能になる。選択的に、シール管414の少なくとも一部は外管402を越えて伸長することが出来る。図4Aは、伸長した構成のカテーテル400を示し、図4Bは非伸長の構成を示す。選択的に、シール管414は外管402及び内管404のうち一方に装着される。
【0156】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテル400には伸長最大長があり、例えば冠状動脈への使用であれば300mm、脳への使用であれば500mm、または閉塞物を通過して前進させる物は50mmである。選択的に、この伸長最大長は外管402上の抑止体448及び内管404上の抑止体449という少なくとも一対の抑止体によって拡大される。これらの抑止体は、内管404の近位端にない場合でも、伸長時に通常内管404の最遠端付近に来る点に留意すべきである。複数の抑止体が設けられている場合、流体圧力は押力を内管404の複数の点に付加する。図の実施形態では、抑止体は互いに接触しても液体の更なる流動を阻害しない。この設計により想定される一つの利点は、吸引を行うことにより後退が可能になる点である。他の想定される利点は、伸長の完了が近くなっても最大の押力が付加可能な点である。代替的な実施形態では、抑止体は密閉も提供する。選択的に、阻害しないことにより、抑止体を大きくしても意図に反してボリューム416を阻害する危険がない。代替的にまたは付加的に、抑止体は管の間に間隔を設けるスペーサー機能を提供する。複数のスペーサーは、管の間に間隔を空けるため、停止機能がない場合であっても設けてもよい。選択的にこれにより、これらの接点における摩擦が低減する。選択的に、内管404の最近位端の抑止体は内管404の端(または中程)を例えば熱及び/または変形により展延して形成し、口径を大きくする。
【0157】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、管の相対的な伸長が複数箇所で抑止可能となるよう、軸方向に間隔を空けた複数の抑止体が設けられる。例えばカテーテルまたは伸長した管を抜出することにより、小幅な前進超過は修正可能である。選択的に、中間点の抑止体は絶対的ではなく、例えば、十分かつ選択的に既知である押力は、これら中間点の抑止体を補完する。代替的にまたは付加的に、管の相対的な回転により一つの抑止体が他の抑止体を回避することが可能になる。代替的にまたは付加的に、抑止体は、互いを回避出来るようカテーテルの基部440に位置し、基部440では外管を伸長させるまたは内管を収縮させるための適切な機構が用いられる。本発明の代替的な実施形態では、抑止体448は基部440の一部として設けられ、例えば軸方向に調節可能である。例示的な抑止体の設計を下の図4Cに示す。
【0158】
複数の抑止体の想定される利点は、例えば抑止体一つ分または特定の数の分だけ伸長または後退させることで、ユーザが既知の特定の長さ毎に長さを変化させることが出来る点である。例えば、一つの抑止体直前まで伸長した後、抑止体間の距離相当分カテーテル400自体を前進させ、内管404を一つの抑止体直後まで後退させる。これによりバルーン418を体内の同一位置に滞留させることが出来る。他の例では、一つの抑止体が使用され、狭窄部またはその他の閉塞部を通過させるために高圧を付加する際、次の抑止体で伸長を停止させて超過を防ぐ。
【0159】
流体の注入口442は圧力を加えた(例えば、上に記述の通りコントローラ120またはシリンジを使用する)流体を注入するために、選択的に設けられる。同一の注入口は、注入口442を内管404へ選択的に接続することにより、バルーン418を膨張させる。本発明の代替的な実施形態では、一旦バルーン418が基部440に配置されると、基部440が開き、二番目のまたは同一の圧力源が内管404の近位側に装着される。選択的に、外管402及び内管404は基部440が開く前にロックされる。代替的にまたは付加的に、抑止体448と449は連結し、一旦前進した内管404が後退するのを抑止するよう設計される。基部840は、様々な長さとすることが出来る。例えば、内管404が屈曲していない場合は例えば20cm長、30cm長、または40cm長である。屈曲した管が使用される場合(例えば、下に記述の通り)、例えば20cm未満と短くすることが可能である。
【0160】
選択的に、上に記述の通りシース112が設けられる。選択的に、外管402をシース基部444に固定し、シース112とカテーテル400間の相対的な動きを防ぐために、シースロック446が設けられる。一部の実施形態では、このようなロックがない場合、内管404が伸長せずに本体外へ飛び出すまたは抜け落ちる場合がある。シース基部をロックすることにより、これが選択的に防止される。
【0161】
外管402とシース112間の密封には、例えば密着型ゴムパッキン及び弁等、既知の技術として様々な機構が使用される。
【0162】
図示の実施形態では、バルーン418に基部452があり、ガイドワイヤ108はこれを通過し、基部に設けられた貫通口224から出ている。これにより、高速及び/または交換可能タイプのガイドワイヤ使用が可能になる。貫通口224とバルーン418の近位端間の距離は、実施形態により異なり、例えば100mm未満または50mm未満、可能性により10mm程度、または0mmに近い短さとなる。この距離はまた、例えば5mm以上または10mm以上と0mmより大きくてもよい。本発明の他の実施形態では、ガイドワイヤ108がバルーン218の膨張ルーメンを通過する。
【0163】
図示の実施形態では、ガイドワイヤ108がシース112の外側に配置されている。下に記載の他の実施形態ではこれが入替可能であり、例えばガイドワイヤはシースの内側または外側、カテーテルの内側または外側、作動流体及び/または膨張性流体との接触の有無、シース基部444及び/またはカテーテルの基部440内の通過の有無が変更可能である。
【0164】
カテーテル400が伸長し閉塞物を通過する際、閉塞物を通過させために付加された高圧が、閉塞物を通過すると大幅かつ急速な伸長へと変換され、閉塞物を過剰に超過する危険がある。本発明の例示的な実施形態では、内管404及び基部440内に摩擦を起こし、そのような超過を減少させる。選択的に、そのような摩擦を制御することが出来る。代替的にまたは付加的に、最大長の伸長を制限するために仮留めすることが出来る。
【0165】
超過が問題とならないよう、注入口442へ注入される流体の容量が所定の伸長へと変換される容積を基本とした伸長機構が選択的に使用される。これは、カテーテル400の漏出が抑制される場合に使用される。選択的に、注入された流体が、伸長を生じずに圧力に変換され蓄積されるよう、基部440に弾性膜または弾性室が設けられる。選択的に、過圧(漏出を生じる可能性がある)を防ぐため基部404444に圧力解放弁が設けられる。選択的に、この弁による解放圧力はユーザにより設定可能である。代替的にまたは付加的に、圧力が過剰な場合に流体が管44から内管404へ滲出可能となるよう、弁は内管402内に形成される。選択的に、カテーテル400自体の弾性が圧力の緩衝に用いられる。
【ワイヤ抑止】
【0166】
図4Cは、本発明の例示的な実施形態によるワイヤ抑止機構を示す。ワイヤ460は例えば内管404の後部に装着され、ハブ基部440から伸長し、開口部4666を経由する。内管404が伸長する際、ワイヤ460を併せて引張する。選択的なブレーキ部464はそのような伸長を制御するためにワイヤ460上にある。一例では、ばね470に装着されたねじ472及びパッド468が、パッド468とワイヤ460間の摩擦を生じさせるために連携する。最大設定では、ブレーキ464と開口部466間の距離は、伸長可能な最大長に設定される。選択的に、例えばケーブル内の突起物といった一または複数の小型ブレーキ(図示せず)が選択的にワイヤ466を、その突起物が開口部466に到達した際に停止させるために使用される。他の例では、ブレーキ464は、これを通過するワイヤ460の速過ぎる動作を抑制する速度ブレーキである。多数の速度ブレーキの技術が既知となっており、例えばワイヤ460用の非直線的な開口部の利用がある。
【0167】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、弁466は図示の設計となっており、ハブ内の上昇した圧力により開口部がワイヤ460と更に密着し、可能性により漏出を低減させるようになっている。
【0168】
このようなワイヤ抑止は、本発明の他の実施形態でも使用することが出来る。ただし、一部の実施例では、場合によりバルーン418の基部(またはそれに相当する箇所)といった、内管404の更に遠位の部分にワイヤを装着させる物が有効である。
【短型シールの変形】
【0169】
図5A及び5Bは、カテーテル500を示し、シール管414がカテーテル500の内管504または外管502に装着された短型シール514に変更されている以外はカテーテル400と同一である。図5内の参照番号は、100を加算している以外は図4の物と同じである。該図及び他の図において、同一機能の同一部分は同一の下2桁を有し、概ねそのような要素について再度の記述はしない。
【0170】
短型シールの使用は、遠端の方向への押進力に関してシール管414の実際の有効性を喪失させる点に留意すべきである。
【0171】
図5Cは、シール514の例示的なシール設計の詳細を示す。この設計において、シール514は、内管504に装着された基部568及び延長された柔軟部(flexible portion)564を有する。選択的に、柔軟部564は、可能性により様々な外管402の外径に装着され、有効径が変形可能な程度に柔軟である。選択的に、この種類のシールは、案内カテーテルを外管として用い、バルーンカテーテルを案内カテーテルに密着させるために使用される。
【0172】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、シール514は前方突起物(forward protrusion)または接着点(adhesive point)560及び後方突起物(rear protrusion)及び/または接着点562の間に装着される。装着を支持するために、接着剤(または熱融着でもよい)の層を設けてもよい。
【0173】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、シール514はシール514の限定的な尖端域566で外管502と接触する。可能性により、これによって摩擦が低減する。
【0174】
図示の実施例で、シール514は、ボリューム516内の流体圧力が上昇するに従い尖端域566と外管502間の接触力を増加させる設計となっている。選択的に、反対の方向を向いた同種類のシールが、カテーテルシステムへの血液の流入を防ぐために使用される。
【0175】
例えば一方または両方の管の側線、Oリング、管の小区間及び/または磁性流体といった他のシール設計も同様に使用可能である。
【例示的なハブの設計】
【0176】
図5Dは、本発明の例示的な実施形態による例示的なハブの設計を示す。ハブ540は、本体582及び後部584から成る。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、本体582は接着層580を用いて外管502に装着されている。後部584は選択的に透過性で、その内部にて内管504の伸長が観察出来るようになっている。
【0177】
後部584は選択的にスナップ接続586、または半回転ロック接続といった簡便な接続を用いて本体582に装着されている。
【0178】
外管502が前進すると、後部584が抜去され、バルーン518を膨張させるために内管504が充填される。本発明の例示的な実施形態では、内管504の近位部590にキャップ592が設けられる。選択的に、このキャップはネジ蓋である。代替的に、スナップ蓋である。本発明の一部の実施形態の動作中、キャップ592が脱落しないようハブの基部540は内管504の基部よりも通常大きい点に留意すべきである。この設計では、注入口542からの流体が内管504を全面から包囲する。キャップ592の周囲には通常、流体が流動するのに十分な空間があり、ハブ基部540の全体に均一の圧力がかかるようになっている点にもまた留意すべきである。
【第二シール及び液体内のガイドワイヤを伴う変型】
【0179】
図6は、それぞれ独立して使用可能な複数の特徴を備えたカテーテル600を示す。図6に示す第一の特徴は、外管602がその遠端にシール614を係止する抑止体648を有することである。シール614はまた内管の抑止体としても動作する(例えば、図4の449と同様に)。選択的に、これにより、バルーンカテーテルへのシール614の装着を必要とするのみで、内管604として動作する標準的なバルーンカテーテルの使用が可能になる。選択的に、抑止体648は漏出を防止する、または予備の、第二シールとして作用する。
【0180】
この設計の想定される不利点は、シール614及びカテーテル600の遠位部への押力の付加点が、バルーン尖端618から伸長最大長分離間される点にある。
【0181】
図6に示す他の特徴は、バルーン618への貫通口624が、シール614付近にある点である。これにより、ガイドワイヤ108はボリューム616内の二本の管の間を通過し、選択的にカテーテルの基部640内の出口650から出る。選択的に、ガイドワイヤの作動流体との接触を避けて搬送するために、特殊な管が設けられる。代替的にまたは付加的に、漏出する流体がごく微量または皆無となる程度の狭小ルーメン(図示せず)が内管604内のガイドワイヤ108に対して設けられる。
【0182】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、貫通口624はシール614の遠位にあり、シール614を通過するガイドワイヤ108の経路として開き口がある(図示せず)。選択的に、上に記述の通り、バルーン618付近に貫通口を設ける。内管604膨張のための着脱可能なキャップ651を示す。選択的に、内管604が潰れないよう、内管604はバルーンを膨張させるより前であっても部分的に流体を充填される。代替的に、そのような潰れは、カテーテルが挿入される際の撚れや屈曲による管の間のボリュームの閉塞を防ぐという点で有効である。
【カテーテル尖端付近に付加される押力の変型】
【0183】
図7は、図6のカテーテルシステムに類似のカテーテルシステムで、外管702の抑止体748が内管704に接触しない。代わりに、シール714は内管704と外管702間のボリューム716と連続したルーメンを有する延長部715を含む。延長部715は抑止体748を通過する構成となっている。この方法により、液体コラムが実質的にバルーン718へ(または所望に応じてそれより手前まで)到達する。選択的に、図示の通り、抑止体748はシール714の近位部を係合及び係止する構成にする。
【0184】
この設計の想定される利点は、外管702と内管704間のシールが二つの接触する面(抑止体748及びシール714)を形成している点にあり、この接触は伸長過程の大半においては選択的に無く、可能性により摩擦を低減させる。ある程度の密封状態は選択的に、シール714によって抑止体748に接触することなく提供される。代替的に、抑止体748は延長部715と接触し、選択的に密着する。選択的に、図示の通り、シール714の端部は、一旦伸長が完了した際の内管704の後退を防ぐための歯止装置を有する。代替的に、図示の設計は、外管702の端からシール714を取り外すために使用される。代替的にまたは付加的に、取り外し用の突起物(offsetting protrusion)(例えば、抑止体748の近位で、例えば5mmの位置に)が外管702の内部に設けられる。
【0185】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、ガイドワイヤ108はシール714内の貫通口を通過する。
【単一流体ルーメンのカテーテル】
【0186】
図8Aは、伸長及びバルーン膨張の両方に単一のルーメンが使用される、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステム800を示す。カテーテルシステム800は、外管802、及びルーメン806を伴う内管804を有する。カテーテル400とは異なり、カテーテルシステム800を伸長させるための作動流体はルーメン806内に存在する。カテーテルシステム800の基部840にある流体の注入口842を通して液体が注入されると、内管804及びこれに装着されたバルーン818が伸長する。図示の実施形態では、ルーメン806は押力を付加する箇所となるバルーン818の尖端まで抑止されずに前進する。二本の管の間のボリューム816には、選択的に潤滑剤が塗布される。代替的にまたは付加的に、二本の管の一方または両方は、例えば米国Boston Scientific製Rotaglideといった例えばシリコン塗装または親水性塗装の低摩擦性の塗装材により塗装される。代替的にまたは付加的に、一部の作動流体が内管の抑止体849を通してボリューム816内へ漏出する。外管の抑止体849は、そのような漏出物が血流へ流れるのを防ぐため、選択的に密封する作用を持つ。
【0187】
選択的に、外管802と内管804間の抑止体は、作動流体を血液へ流入させない、及び/または血液を作動流体へ流入させないという役割を持つ。選択的に、カテーテルの基部の最も近位にあるシールは作動流体を封入し(例えば、シール514の設計を利用し、内向きにする)、またカテーテル尖端の最も近位にあるシールは血液を封止する(例えば、シール514の設計を利用し、外向きにする)。
【0188】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、バルーン818は、最低限の膨張圧力が、伸長に要される圧力よりも高いバルーンを使用して膨張される。一例では、伸長には4または2バールの圧力が用いられ、バルーン818の膨張には少なくとも10または15バールが用いられる。他の実施形態では、例えば屈曲部が多くある場合、前進するための圧力は例えば10または15気圧まで増加し、またバルーン用には15から20気圧、またはそれ以上になる。他の実施形態では、前進の方が容易であり、例えば2気圧未満の圧力は前進のために作用するが、4気圧以上の圧力はバルーン膨張のために作用する。選択的に、作動流体内で高圧かつ膨張に適した圧力に達しないよう、圧力解放弁850が基部840に設けられる。一旦バルーン818が膨張されると、弁は例えば調節、解除、または除去される。代替的にまたは付加的に、任意の圧力弁852がルーメン806とバルーン818の間に設けられ、高圧の場合にのみ解放される。代替的に、下に記述の通り、手動により作動する弁が使用される。
【0189】
選択的に、例えば下に記述の通り、バルーン818が閉塞物を通過して前進するのを支持するため、ルーメン806内に押進または振動させるためのワイヤが挿入される。これは、選択的に圧力解放弁850の開口部を通して行われる。
【0190】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、バルーン818が膨張される際、外管802と内管804は互いに対してロックされる。一つの実施形態では、内管804は単純にその端まで前進し、その後(または同時に)バルーン818が狭窄部106に対して正しい位置に来るよう、カテーテル全体が必要に応じて後退させられる。選択的に、図4Cに記載される引張ワイヤがそのような場合のロックに使用される。
【0191】
図示の実施形態では、ガイドワイヤ108はバルーン818の基部にあるガイドワイヤ口22を通してバルーン818から出ると、カテーテル800の外部を移動する。図示の実施形態では、ガイドワイヤ108を配置するための経路856と共に外部ホルダー854が設けられる。
【コイル状格納部】
【0192】
図8Bは図8Aの変型で、独立したバルーン膨張管860が設けられている。この管は格納部862内で選択的に巻回している。錐状のガイド口868が選択的に設けられており、膨張管860の巻回部864が内管804に引張されて直線状になるのを支持する。膨張管860の近位側は、選択的にバルーン膨張口866へ装着される。
【0193】
選択的に、カテーテル伸長に対する阻害を最小限とするよう、及び/または膨張管860への圧力がバルーン818を膨張させることを防ぐため、膨張管860は空のまま維持される。代替的に、膨張管860が例えば格納部862から出るのを支持するため、またはその撚れや積重を防ぐために、流体の一部の量が膨張管860内に保持される。例えば図4など、本発明の一部の実施形態では、内管と、内管の変形により損傷する可能性のある外管との間の密封を確保するため、内管(402)内に一部の量の流体を備える方が望ましいという点に留意すべきである。
【外部格納部】
【0194】
図8Cは、膨張管860がカテーテル外部に格納される変型を示し、例えば外部流体注入口872を伴う開口部870を通して基部840を出る。このような場合、膨張管860は選択的に、図4Cに記載したような抑止機構として作用する。該実施形態及び他の実施形態では、管の部分が選択的に密封を支持するために使用される。例えば、基部840内で管861は膨張管860を包囲し、開口部870の作動流体からの密封を支持し、及び/または膨張管860が開口部870により圧縮されるのを防ぐ。管861と膨張管860間の密着は、シール機能を提供するため選択的に比較的緊密である。選択的に、密封を強化するために適切な密閉剤または塗装が施される。
【0195】
選択的に、該実施形態または他の実施形態における管861などの管は、カテーテルのハブと外管の間の密封のために使用される。
【曲折ルーメン】
【0196】
図9Aは、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステム900を示し、その内管904は人体の外部で曲折している。内管904の単一のルーメン906が、例えば図8Aに記載の通り使用される。人体外で曲折することにより、体内で可能または妥当な大きさよりも、大きな口径の格納部を使用することが出来る。ただし、本発明の一部の実施形態では、小口径のカテーテルに対して格納領域を提供する目的で、口径の大きな血管内部を体外に見立てて扱う場合がある点に留意すべきである。
【0197】
図示の実施形態では、内管904の曲折部950が軸方向に曲折しており、折り畳まれたアコーディオンと類似の形状を成している。曲折部950は、選択的に例えば格納管952内など体外に格納される。選択的に、例えば1メートルの長さを持つ外管902が設けられ、その内部に内管904の対応する節954が曲折しない状態で配置される。送りノズル956は、選択的に曲折部950を内管904内またはシース(図示せず)内に送出する。
【0198】
図9Cは、アコーディオン形状が軸方向に伸張された際の曲折部950の例示的な設計を示し、襞(バルーンに見られるような物)が、選択的に所定の折れ線に沿って形成されている。これらの襞は、送りノズル956を通して曲折部950が引張される際、曲折部950に沿って曲折される。選択的に、好ましくない地点で伸張するのを防ぐため、引張力のある材質によるリングが曲折部850内(及び/または下に記述する他のアコーディオン管)に設けられる。曲折部950は選択的に、内管904の膨張により、複数の分割され軸方向に伸張する領域を伴う形状として形成される。
【0199】
再び図9Aでは、送りノズル956がこのような襞を形成及び/または曲折するのを支持するため、内管またはワイヤ958が選択的に設けられる。選択的に、内管958内に、襞を外側に押圧する流体を入れる一または複数の開口部960を設ける。
【0200】
使用時、カテーテル900の基部940の流体口942を経由した流体の圧力が上昇する。増加した流体の容積が、カテーテル900のバルーン918を押圧し、曲折部950の一部を送りノズル956から前方へ引張する。
【0201】
選択的に、バルーン918の前進を選択的に抑止し、及び/またはバルーン918を前進させずに膨張させるワイヤ943が設けられる。選択的に、ワイヤ943がカテーテル900の軸方向に装着されていない場合、圧力の付加及びワイヤ943の前進抑制による複合効果により、バルーン943の尖端が転向する場合があり、これは誘導に使用することが出来る。類似の機構は本発明の他の実施形態で同様に使用可能である。
【0202】
図9Bは、上昇した圧力(例えば、バルーン膨張の圧力)がワイヤ943のロックを行うという、自己密封型の弁口947の例示的な設計を示す。図示の設計では、弁口947の錐状部945が(基部940内に形成された)弁口947内へと押圧される。圧力が上昇すると、更に押圧が強くなる。錐状部は、ワイヤ943上に上昇した圧力を生じ、これにより摩擦力が増加して、錐状部は更に押圧される。選択的に、弁口947は即応性にすることが出来る。代替的に、遅応性にすることが出来る。一旦作用した後は、弁口947は手動にて押入することにより選択的に解除出来る。
【二重曲折ルーメン】
【0203】
図10は、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステム1000を示し、独立した管1060がカテーテルシステム1000のバルーン1018の膨張のために設けられている点以外は図9Aに類似している。図示の実施形態では、管1060もアコーディオン状に曲折されている。ただし、例えばカテーテルシステム1000の基部1040の外部で巻回または曲折または伸張する等、異なる方法で格納される。図9Aのような送りノズル956は選択的に設けられる。
【0204】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、基部1040は二つの開口部を有し、一つはバルーン1018の膨張用、また一つはその内管1004の伸長用である。代替的に、図示の通り、選択的に管1060または内管1004へ接続が可能な単一の注入口1042が使用される。図示の方法では、注入口1042は回転部1062上に設けられ、片寄せ軸のルーメン1064を有する。基部1040は、二つの片寄せルーメンを異なる角度位置に有し、ルーメン1066は外管1002に接続され、ルーメン1068は管1060に接続される。回転部1062は、自身のルーメン1064を一方のルーメン1066または他方のルーメン1068と選択的に整列させ、上昇した流体圧力の作用を選択する。
【軸方向に曲折したルーメン】
【0205】
図11は、本発明の例示的な実施形態による、単一のルーメンが軸方向の折り目により曲折されたカテーテルシステム1100を示す。内管1104の屈曲部1150は体外の格納管(または他の形状)1152に格納される。流体による圧力が注入口1042から付加されると、カテーテル1100のバルーン部1118が前方に押進され、内管1104が後方に引張される。これにより、屈曲部1150の一部が展開され、遠位に搬送される。図9Aのように、外管及び/または送りノズルが選択的に設けられる。選択的に、曲折を支持するため、少なくとも屈曲部1150が漸減される。
【曲折したバルーン管】
【0206】
図12は、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステム1200の後部を示し、カテーテル1200のバルーン部1218(図示せず)に独立した管1260が設けられている。
【0207】
この後部は、ここに記載される、バルーン1218の膨張用に独立した管が設けられるカテーテル設計の多数に使用され、例えば図6から8、10、及び11に使用される。例えばカテーテルシステム1000の場合、バルーン管1260は格納管1052の近位にある格納部1252内で曲折される。送りノズル1256は、送り管(feeding tube)1260に選択的に設けられる。類似の設計(またはここに記載の他の格納設計)が、これらの実施形態または他の実施形態の内管に使用される。また、図中には示されていないが、様々な実施形態で、独立したバルーン膨張管が設けられている点に留意すべきである。
【0208】
管1260の口径は、ルーメン1206の口径よりも大幅に小さい物として示されているが、同等の口径とすることも、あるいは内管として作用させることも可能である(例えば図6または図4内カテーテル600の内管604と同様に)。管1260は、襞状に曲折した物が示されているが、他に、例えばコイル状または螺旋状(例えば図8B及び8C)に配置してもよい。使用時、流体圧力は注入口1242から付加され、これがバルーン部1218を押進し、管1260を格納部1252から引出する。選択的に、管1260に独立した注入口1264が設けられる。
【0209】
選択的に、格納部1252を柔軟にして、そこへ(例えば、近接する送りノズル1256)圧力を付加することにより管1260の搬送を停止し、かつ可能性によりカテーテルの伸長を休止することが出来るようにする。
【0210】
代替的にまたは付加的に、格納部1252は作動流体圧力の上昇に対応するため圧搾可能とするか、圧搾可能容器に装着する。
【機械式押力の付加】
【0211】
図13は本発明の例示的な実施形態による単一のルーメン1306を伴うカテーテルシステム1300を示し、バルーン部1318の膨張を選択的に許容するための、機械式に作動する弁1370が設けられている。概して、カテーテルシステム1300は、内管1304のルーメン1306内の流体圧力の上昇により内管1304が外管1302に対して前進するという点で、カテーテル800(図8A)と同様である。
【0212】
ただし、図8Aの実施形態とは異なり、バルーン1318内への流体の不慮の進入を防ぐために弁1370が設けられている。図示の実施形態では、弁1370のガスケット部1372が選択的に、バルーン1318の注入口1374への流体の流入を抑止している。選択的に、注入口1374はバルーン1318の基部に設けられた開口部で、ガスケット1372の前方への動きに対するリミッタ1380としても作動する。一旦内管1304の前進が行われると、ガスケット1372に装着されたワイヤ1376が後方に引張され、注入口1374の密封を解除する。ガスケット1372は選択的に、例えばがガスケット1372の後退を制限するため、リミッタ1380(図示せず)に装着される。
【0213】
弁が解放されると、ルーメン1306内の流体圧力の上昇により、バルーン1318が膨張する。内管1304は選択的に、最後まで前進させられるか、または必要以上の伸長を防ぐため、例えば外部にブレーキを装着するか、または図4Cのように独立した抑止ワイヤを設けることにより、外管1302にロックされる。ガスケット1372が過剰に後退するのを抑止するため、逆行リミッタ1380が選択的に設けられる。
【0214】
選択的に、ガスケット1372が逆行リミッタ1380に到達するとルーメン1306内の流体のそれ以上の流動が阻止され、及び/または流体がバルーン1318を後退させるために使用される。代替的に、ガスケット1372は可撓性とするか、または抑制用開口を設け(stop apertured)、流動が停止しないようにする。選択的に、内管1304及び/またはカテーテル1300を後退させる際に、ルーメン1306からの流体がバルーン1318に入りこれを再度膨張させないようにする上で有用である。
【0215】
選択的に、ワイヤ1376は、例えば閉塞物を超過した場合や短距離の場合、バルーン1318及び/または内管1304を後方に引張するために、リミッタ1380に反して後退させることが出来る。選択的に、ワイヤ1376は、カテーテル1300の基部1340にあるワイヤ口1382を通して設けられる。例えば図4Cの、上昇した流体圧力が密封を強化するという開口部の設計が使用される。
【0216】
弁1370のこの設計は、ワイヤ1376が意図的に操作されない限り自動的に作動し、流体圧力の上昇に従い弁1370が閉鎖され、バルーンのそれ以上の膨張は阻止されるという点に留意すべきである。
【0217】
閉塞物(例えば、血管の狭窄部または狭窄部106)に前進した内管1304が到達すると、衝動的な圧力による推進力が付加される。弁1370の自動的な閉鎖によりバルーン1318の不慮の膨張が選択的に回避される。
【0218】
バルーン1318に押力を付加し、閉塞物を通過して前進するため、またはバルーン1318を短距離(例えば10mm)または長距離(例えば100mm)前進させるために、代替的にまたは付加的に、ワイヤ1376が使用される。代替的にまたは付加的に、例えば閉塞物を通過して進めるため、ワイヤ1376はバルーン1318を振動させるために使用される。このように、ワイヤ1376はカテーテル1300の前部へ機械的押力を付加するために使用される。選択的に、バルーン1318は押進により通過した狭窄部の拡張を支持するため、僅かに膨張される。
【0219】
本発明の一部の実施形態において、内管1304、あるいは単一の管のみが設けられている場合はルーメン1306内の液体コラムに代わってカテーテル1300を伸長させるために、ワイヤ1376が使用される。
【0220】
選択的に、ワイヤ1376は湾曲され、誘導に使用される(カテーテル1318を転回させる)。
【代替的逆行リミッタ】
【0221】
図14A及び14Bは、カテーテル1300と類似し、弁1470内に異なる逆行リミッタ1478を伴った、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステム1400を示す。図14Aは概要を示す物であり、図14Bは図14Aのカテーテルの特定の器具であり、概して同一の縮尺に従っている。
【0222】
図13のリミッタ1378とは異なり、リミッタ1478は内径に沿って形成されるスロットを伴った環状で、スロット部の口径はガスケット1472の口径よりも大きく、また非スロット部の口径はガスケット1472の口径よりも小さい。このため、ガスケット1472がリミッタ1478に反して後部に引張されても、リミッタ1478を通過した流体の流動が可能である。選択的に、内管1404のルーメン1406の口径は、リミッタ1478の箇所でガスケット1472よりも大きくなっている。
【0223】
代替的な実施形態では、ガスケット1472の後部1488はスロットが設けられた錐状で、またリミッタ1478として平リングが使用される。該実施形態では、ガスケット1472の最大口径は、リミッタ1478がある箇所の内管1402の内径よりも小さい。注入口1474の口径がルーメン1406よりも小さい場合、ガスケット1472の口径は選択的にルーメン1406の口径よりも実質的に小さくなる。
【0224】
弁1470のワイヤ1476を後方に引張または停止させることにより、バルーン1418が膨張される際に内管1404の前進を防ぐことが出来る点に留意すべきである。
【0225】
ここに記述される弁は、例えば体内の血液及び/または血圧の選択的なサンプル抽出、或いは薬剤または造影剤の注入等、他の目的にも使用される場合がある点に留意すべきである。このような流体は、ルーメンを経由して注入または摘出(該実施形態または他の実施形態において)することが可能であり、このルーメンはそれ以外の場合にはバルーン1418への加圧に用いられる。
【0226】
図14Bは、カテーテル1400の器具の断面図であり、概して同一の縮尺に従っている。図示の器具は、逆行リミッタ1478が軸方向に細長のスロット1479を伴う長尺の管である。
【回転弁】
【0227】
図15A及び15Bは、図13に類似した、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステム1500で、回転弁1570の設計を伴う。ここでも、図15Aは概要を示す図であり、図15Bは、概して同一の縮尺に従っている。
【0228】
カテーテル1500では、ガスケット1572がワイヤ1576により選択的に回転し、共に軸が一致する開口部1592とバルーン注入口1574が、選択的に一致する。選択的に、ガスケット1572は弓状スロット1594に嵌入し、自身の逆行を抑止する。スロット1594は選択的に、近接するバルーン注入口1574から分離する。選択的に、軸方向にスロット1594を越えた付近に、突出する例えば楔等の回転抑止体1596が設けられ、弁の開き状態及び/または単に使用中であることを確認可能にする。例えば、時計回りに最大限回転させることにより、弁の開放を示し(または生じさせ)、反時計回りに最大限回転させることにより、弁の閉塞を生じさせる。代替的にまたは付加的に、スロット1598がガスケット1572上に形成され、弓形部分のみに延出し、弁1570の非可動部分に連結された楔または弓部1599に乗載する。
【内部及び外部機構】
【0229】
ここに記載の実施形態では、内管の動作及び外管の機構の両方を述べる。内管の機構により想定される利点には、周囲の管または体腔との摩擦が少ないこと、小口径、伸長及びバルーン膨張用に内管が使用されること、が含まれる。外管の機構により想定される利点には、尖端にて押力が増加することと、漏出に対する密封性が高まることが含まれる。当然ここに示す設計は、内管及び外管の機構を維持の上変更してもよい。
【0230】
同様に、内管内または二本の管の間に作動流体を維持した変形には利点及び不利点がある。一つの検討材料は、密封性である。他の検討材料には、カテーテル尖端からの押力付加の距離がある。他には、流体圧力の有効な断面積がある。
【0231】
シールを通過した(またはシールがない場合の)流体の滲出は、圧力解放弁として作用し、過圧を防ぐという利点があることに留意すべきである。一部の実装では、高圧により制御性が低下する場合があり、動作停止や急進を生じる可能性がある。不慮の圧力上昇が生じた場合に、滲出はこのような圧力を低下させ、制御性を向上させる。他の実施形態では、このような滲出が、場合により薬剤を含む作動流体を所望の領域に供給するために用いられる。生理食塩水の滲出は、通常生理学的に問題ない点に留意すべきである。
【膨張管外部】
【0232】
図16は、バルーン膨張管1605が内管1604の外部にあるカテーテルシステム1600を示す。使用時、注入口1642から基部1640に圧力が付加され、内管1604を外管1602に対して前進させる。一旦前進が完了すると、内管1604は抜去され、バルーン1618の膨張に膨張管1605が用いられる。
【器具】
【0233】
上の記述は、カテーテルを使用するために備えられた器具としてのバルーンを中心に行った。バルーンに付加的または代替的に、他の器具を用いてもよい。一例では、造影剤または薬剤といった他の流体を投与するためにルーメンが用いられる。代替的にまたは付加的に、そのような薬剤を投与するためのバルーンは滲出性のバルーンである。代替的にまたは付加的に、バルーンは放射線治療を行うために使用される。
【0234】
代替的にまたは付加的に、動脈瘤治療用コイル、ガスケット、高周波アブレーション(ルーメンを介してワイヤを用いる)、ドリル、鉗子、閉鎖装置(例えば中隔欠損のため)といった他の器具が用いられる。本発明の例示的な実施形態では、ルーメン内で上昇した圧力を利用して、コイルがルーメンから押出される。他の例では、ルーメン内の引張ワイヤがバスケットを配置するために使用される。これは、一つの器具を作動させる上で二つの役割を果たす場合があり、本発明の一部の実施形態では、バルーンを前進させるために使用される作動流体、及び/またはこの流体を搬送するために使用される管に見られる。
【検査】
【0235】
選択的に、一部または全てのカテーテルに対して、製造中または製造後に一または複数の以下の検査が行われる:
(a)動作特性(例えば押力及び/または力量への反応)が一定であるかを判定;
(b)漏出を判定;及び
(c)カテーテルに沿った一箇所または複数箇所で摩擦(静的及び/または動的)を測定する。
【0236】
選択的に、例えばカテーテル動作(例えば伸長の検査)の確認、漏出の確認、及び/または医師によるカテーテル使用感の把握といった一部の検査は、使用前に体外で行われる。
【0237】
カテーテルに流体を充填する際、ハブを上に、バルーンを下にして保持し、カテーテルに流体を少量滴下して、空気を除去する処置が選択的に行われる。選択的に、気泡を除去するために振動が用いられる。選択的に、カテーテルは真空中に保管される。
【0238】
上のカテーテルシステムは、概して全ての種類の血管について記述された物であるが、当然のことながら、特定の種類の血管については特別の変更を加えることが望ましい場合がある。例えば、異なる冠状動脈であれば口径及び大動脈からの距離が異なり、従ってカテーテルの長さ、硬度、及び口径が異なるものと考えられる。
【0239】
測定値は、特定のケースにおける例示的な測定値としてのみ提示されるものである。本文中に記述される正確な測定値については、使用例、血管の種類(例えば動脈、静脈、異種移植片、人工血管)、屈曲の数、主要な血管から治療部位までの距離、器具の種類、及び/または使用される血管の口径(例えば1mm、2mm、3mm、5mm、大動脈程度)により異なる場合がある。
【0240】
「管」及び他の幾何学的形状は、一般的な観点から記述及び使用されているが、当然のことながらこの管は、一部の実施形態では完全な管状である必要はなく、また断面は円形である必要はない。
【0241】
当然のことながら、上に記載のカテーテル前進手段及び伸長手段は、各過程の順序及び使用される器具の種類の変更する等、多数の方法で変更が可能である。また、手段及び装置の両方につき各種の特徴を複合したものを記述した。一部の実施形態では、主として方法が記述されたが、それらの方法を実行する上で構成される装置についても本発明の範囲として含むものとする。当然のことながら、異なる特徴を異なる方法で組み合わせることも可能である。特に、特定の実施形態における上に示した全ての特徴が、本発明の同様の実施形態全てにおいて必要とされる物ではない。例えば、次の特徴は様々な形態で用いることが可能である。シールのタイプ、抑止体のタイプ、片寄せ、作動流体の位置、バルーンのルーメン格納、圧力に基づく制御、伸長コントローラ、及び弁といった特徴である。更に、異なる実施形態に対しても、上に記述した特徴の併用についても本発明の複数の実施形態の範囲内において考慮されるべきである。また、例えばカテーテルを中心とした単一または少数の過程を実行するために適切な医療装置の一式を含む外科処置用器具も本発明の範囲に含まれる。一部の実施形態では、上に記述された一または複数の装置は、一般的に滅菌処理され、装置の寸法及び/または装置が適用される状況を記述した説明書を伴って梱包及び/または販売される。段落の見出しは、実施形態の指針を細くするために設けられた物で、記載内容を見出しのみに限定するために構成された物ではない。各請求項で使用される「有する(comprise)」、「含む(include)」、「持つ(have)」、及びそれらの活用形は、「含むが、必ずしもそれらに限られる物ではない」ということを意味する。
【0242】
本発明は、これまでに記載内容により当業者によって限定されない物とする。本発明の範囲は、本明細書の請求項によってのみ限定される物である。
【図面の簡単な説明】
【0243】
本発明の例示的、かつ非限定的な実施形態を図面を参照して記載する。ここで、一以上の図面に記載される同一の構造、要素、または部分については選択的に同一または類似の番号を付けて表す:
【図1】図1は、本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、使用中にあるカテーテルシステムの概略図である;
【図2】図2は、本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルを前進させるシステムの断面図である;
【図3】図3は、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステムを使用する手順のフローチャートである;
【図4A】図4A及び図4Bは、本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、外管に相対的に内管が伸長しているカテーテルシステムを示す;
【図4B】図4A及び図4Bは、本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、外管に相対的に内管が伸長しているカテーテルシステムを示す;
【図4C】図4Cは、本発明の例示的な実施形態におけるカテーテルの抑止機構を示す;
【図5A】図5A及び5Bは、図4A及び4Bの本発明の例示的な実施形態におけるカテーテルシステムの変型で、短型シールが使用されている物を示す。
【図5B】図5A及び5Bは、図4A及び4Bの本発明の例示的な実施形態におけるカテーテルシステムの変型で、短型シールが使用されている物を示す。
【図5C】図5Cは、図5Aの本発明の例示的な実施形態におけるカテーテルの詳細を示しシールを示す;
【図5D】図5Dは、本発明の例示的な実施形態によるハブ部の詳細を示す;
【図6】図6は、本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、作動流体と接触するガイドワイヤを伴うカテーテルシステムを示す;
【図7】図7は、図6の本発明の例示的な実施形態による変型のカテーテルシステムの前部を拡大した物で、延長されたシールが使用されている物を示す;
【図8A】図8Aは、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステムで、伸長及びバルーン膨張の両方に単一のルーメンが使用される物を示す;
【図8B】図8B及び8Cは、図8Aのカテーテルシステムの本発明の例示的な実施形態による変型で、バルーンのルーメン装備方法を示す:
【図8C】図8B及び8Cは、図8Aのカテーテルシステムの本発明の例示的な実施形態による変型で、バルーンのルーメン装備方法を示す:
【図9A】図9Aは、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステムで、その内管が本体外で曲折している物を示す:
【図9B】図9Bは、図9Aのハブ基部の、本発明の例示的な実施形態による変型を示す;
【図9C】図9Cは、本発明の例示的な実施形態による襞状管の俯瞰図を示す;
【図10】図10は、カテーテルのバルーン部膨張のために独立した管が設けられている点以外は図9Aに類似の、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステムを示す;
【図11】図11は、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステムで、単一のルーメンが軸方向の折り目により曲折された物を示す;
【図12】図12は、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステムの後部で、カテーテルのバルーン部に独立した管1260が設けられている物を示す;
【図13】図13は、本発明の例示的な実施形態による単一のルーメンを伴うカテーテルシステムで、バルーン部の膨張を選択的に許容するための、機械式に作動する弁が設けられている物を示す;
【図14A】図14A及び14Bは、図13と類似する本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステムで、弁内に異なる逆行リミッタを伴った物を示す;
【図14B】図14A及び14Bは、図13と類似する本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステムで、弁内に異なる逆行リミッタを伴った物を示す;
【図15A】図15A及び15Bは、図13に類似した本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステムで、異なった回転弁の設計を伴う物を示す;
【図15B】図15A及び15Bは、図13に類似した本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステムで、異なった回転弁の設計を伴う物を示す;
【図16】図16は、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステムで、外部にバルーン膨張管が設けられた物を示す。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2002年11月25日に出願された米国出願10/303,064の一部継続出願であり、このすべての開示は、本明細書の一部を構成するものとしてその内容を援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、カテーテル案内のための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
血管には、特に血管の管腔内に閉塞が生じ、血管を狭窄または梗塞させる動脈硬化症等の様々な疾病を罹患する恐れがある。塞栓によってもまた血管の梗塞が生じ得る。狭窄に対する一般的な治療には、先端にバルーンを装備したカテーテルを血管の閉塞部位に挿入し、バルーンを膨張させて、また可能性に応じて閉塞部位にステントを移植して血管の拡張を維持する方法がある。
【0004】
一部の器具では、狭窄部位までガイドワイヤが挿入され、その後ガイドワイヤに沿ってカテーテルが押進される。カテーテルが柔軟であると、屈曲に沿って進める上では有効であるが、体外から先端までカテーテルに沿って押力を伝搬させることが難しい場合がある。カテーテルの剛性が高ければ、急な屈曲を進めることが困難になる場合がある。いずれの場合も、過剰な押力は血管を損傷させる恐れがある。
【0005】
当業者による一つの解決法として、基端部では剛性を高く、先端部は柔軟にするという、先端から基端にかけて剛性の異なるカテーテルが提供されている。
【0006】
結腸内視術では、米国特許6,485,409の開示は本明細書の一部を構成するものとしてその内容を援用するものであり、空気圧または流体圧力により前進させる結腸鏡を提示している。この方法は、大きさや、血液に接触する表面の形状などが原因で、心臓動脈や脳動脈等の特に小口径の血管に使用するカテーテルとしては明らかに不適切である。
【発明の開示】
【0007】
本発明の複数ある実施形態のうち一つの主要な態様は、流体圧力機構を通じてカテーテルの遠端付近にて押力を付加するカテーテルの前進機構に関する。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、付加された押力は、押力が付加される箇所の近位のカテーテルの遠尖端に(例えば、尖端より更に先へ)、少なくともカテーテルの一部を自身に沿って引張させる。本発明の他の例示的な実施形態においては、体内の十分内部に入った位置から付加された押力が、カテーテルの第二の、体外に延出する非可動部分に相対的に、カテーテルの一部を押進する。
【0008】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは本体内部に、内管と内管の少なくとも一部を包囲する外管という、少なくとも二本の管を有する。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、尖端が、カテーテルの内管部分をカテーテルの外管部分から引出する。代替的な実施例の一つにおいては、尖端が、カテーテルの外管部分をカテーテルの内管部分に沿って引張する。
【0009】
外管が引張される実施形態では、相当長の摺動するカテーテル本体が、包囲する血管(または任意の導入シース)と接触する場合がある。内管が引出される実施形態では、通常比較的短い可動域がシース及び/または包囲する血管と接触する。
【0010】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、押力は体外から選択的に加圧される流体圧力を利用して付加される。選択的に、外管と内管の間には摺動流体シールが存在する。この流体は、例えば内管の内部または内管と外管の間に設けられる。選択的に、同一の流体及び経路がバルーンの前進及び膨張に使用される。選択的に、流体圧力を解放するため及び流体への過剰な圧力を回避するために、弁が設けられる。
【0011】
選択的に、流体圧力に加えて固形体の機械要素による押力が前進のために用いられる。例えば、尖端を前進させるために内管を通してスタイレットが挿入される。選択的に、このようなスタイレットは尖端に振動を与える及び/または叩打するために使用される。
【0012】
選択的に、カテーテルの案内のためにガイドワイヤが設けられる。複数の実施形態では、このガイドワイヤが流体の経路を通過する。その他の実施形態においては異なる。
【0013】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、伸長するカテーテルの部分は柔軟であるため、体外から閉塞が生じた冠状動脈まで、ガイドワイヤに沿って確実に押進させることができない。けれども、体内において短距離の押進及び/または引抜を支持可能な程度に剛性がある。選択的に、伸長機構によって比較的小口径のカテーテルが使用可能になる。
【0014】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、押力は例えばカテーテルのバルーン部分の遠端部、またはバルーン部の近端部から例えば0から15mmの間、70mm未満、30mm未満、または10mm未満といった、例えば5cm未満の、尖端に極めて近い箇所に付加される。他の実施形態では、カテーテル尖端と押力が付加される位置との間に、例えば40cmまたは30cm未満の相対的に大きなオフセットが設けられる。本発明の例示的な実施形態では、カテーテルの相対的に剛性の高い部分を作業領域(例えば大動脈)付近に到達させるため、及びそこから相対的に柔軟な部分を(例えば閉塞した冠動脈まで前進させるために、押力付加点のオフセットは最小限とされる。
【0015】
選択的に、カテーテルはカテーテル尖端の過剰な伸長を防止する抑止体(stop)を有する。代替的にまたは付加的に、カテーテルは、体外に(選択的に)二本の管の相対的な動作を防止するため、またはそのような動作に、例えば動作量に対する制限及び/または動作速度に対する制限といった制限を加えるためのロックを有する。
【0016】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいては、抑止ワイヤ(stop wire)が、可動管に装着されカテーテル基部から伸長するよう設けられ、これは選択的に、ワイヤ上を摺動可能なブレーキ部を含む。一例では、ブレーキ部とカテーテル基部間の距離が、伸長可能な長さを決定する。選択的に、ブレーキは低速の動作よりも急速な動作に抵抗する、速度ブレーキである。
【0017】
本発明の複数の実施形態のうち一つの側面は、自身に装着されるシールを有するバルーンカテーテルに関し、シールはバルーンカテーテルと案内カテーテル間の流体の流れを遮断し、選択的に、案内カテーテルは標準の案内カテーテルと何ら変わらない物である。選択的に、バルーンカテーテルを前進させるためにバルーンカテーテルと案内カテーテル間に流体が供給される。選択的に、シールは構成可能でありバルーンカテーテルを各サイズの案内カテーテルの内径とを密着させることが出来る。
【0018】
本発明の複数の実施形態のうち一つの側面は、カテーテルの機械的に作動される弁に関する。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルのルーメンに沿って流体圧力が加えられ、弁は、流体が第一の位置及び/または第二の位置に圧力を付加することを許容するかについて選択する。一例では、流体は、第一の位置でバルーンを膨張させ、第二の位置でカテーテル尖端を前進させる押力を加える。
【0019】
弁には各種の構成が提供される。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、バルーンのルーメンから遮断要素を除去するためにワイヤが引張される。引張されない時、遮断要素は押力が付加されるための基礎として作用する。代替的にまたは付加的に、ワイヤは回転されて、遮断要素を回旋させ、その開口部と圧力が付加されるルーメンとを一致させる。
【0020】
本発明の例示的な実施形態のうち一つの側面は、カテーテル尖端が前進し、カテーテル自身の長さを伸長させるカテーテルに関する。この伸長は、体外で例えば軸方向に折り畳まれ、または螺旋状に回旋した、またはアコーディオン状に折り畳まれ曲折した構成の管部によって支持される。本発明の例示的な実施形態では、管部は血液と接触する構成となっている。代替的にまたは付加的に、管部はバルーンを膨張させるためのルーメンとして作用する。
【0021】
本発明の例示的な実施形態において、血管中で使用されるカテーテルには次の物が含まれる:
軸を有し長尺の本体、前記軸に沿ったルーメン、本体の尖端にてルーメン及び前尖端に接続される近位開口部;及び
前記ルーメン内にあり、前記前尖端に対して遠端方向に押力を付加するよう構成された長尺の流体圧力式液体コラム(fluid column)で、前記押力は付加点にて付加される。選択的に、前記付加点は前記近位開口部よりも前記前尖端の近位にある。代替的にまたは付加的に、前記近位開口部はカテーテルが使用される際に人体の外にあるよう構成される。
【0022】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記カテーテルは前記液体物質が前記血管中に流出しないよう構成される。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記液体コラムは本体外から前進させられるよう構成される。
【0023】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記本体は前記尖端から前記本体の外側へ伸長する曲折した管を有し、前記押力が曲折した管を伸長させる。
【0024】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記尖端はカテーテル直径の少なくとも5倍の長尺を持つ前記カテーテルの一部に沿って引張し、押力が前記尖端に付加される際に、前記長尺は前記尖端によって引張される。
【0025】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記本体は第一の管である内管及び第二の管である外管を有し、前記二本の管は軸方向に少なくとも一部重複し、前記押力が一方の管を他方の管に相対的に伸長する。選択的に、前記尖端は前記尖端に押力が付加される際、前記管のうち一方の少なくとも一部を自身と共に引張する。選択的に、前記引張される部分は、カテーテルが使用される際に人体内で500mmを越えた距離を確実に押進されるには柔軟性が過剰である。
【0026】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記尖端は前記尖端に押力が付加される際、前記の管以外の管に沿って引張する。
【0027】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記管のうち一方の少なくとも一部はカテーテルが使用させる際に人体外に格納されるよう構成され、前記カテーテルのカテーテル基部の外に伸長する。
【0028】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記管のうち一方の少なくとも一部はカテーテルが使用させる際に人体外に格納されるよう構成され、軸方向に収縮する外形を持つ構成である。
【0029】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記内管は前記押力が付加される際に伸長する。
【0030】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記外管は前記押力が付加される際に伸長する。
【0031】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記内管及び前記外管のうち一方のみが、前記押力が付加される際に実質的に伸長する。
【0032】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記液体コラムは前記二本の管の間を搬送される。
【0033】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記液体コラムは前記内管の内部を搬送される。
【0034】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは前記尖端に装着される器具を有する。選択的に、前記器具は前記尖端に装着されるバルーンを有する。
【0035】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは、前記バルーンを膨張させるためのルーメンを伴う独立した管を有する。代替的にまたは付加的に、前記バルーンは金属性の膨張管に装着される。代替的に、前記内管は前記バルーンを膨張させるためのルーメンとして作用する。選択的に、前記内管は前記バルーンを膨張させるためのルーメンとして、また前記液体コラムのためではなく作用する。
【0036】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記バルーンは前記液体コラムを搬送するルーメンを経て膨張される。選択的に、前記バルーンは前記カテーテルの伸長に使用されるよりも高い圧力を使用して膨張される。代替的にまたは付加的に、カテーテルは、前記バルーンへの流体の流入を選択的に許容するための弁を前記バルーンに有する。選択的に、前記弁は感圧弁である。代替的に、前記弁は外部より作動される弁である。選択的に、前記弁は抑止弁で、遮蔽体が注入口から前記バルーンへ後退し、加圧された流体がバルーン内に入ることを許容する。代替的に、前記弁は少なくとも二つの構成を持つ回転弁で、前記構成のうち第一の構成から第二の構成に遮蔽体が回転され、前記バルーンに対して注入口を選択的に密封または密封解除する。
【0037】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記バルーン膨張管はカテーテルが使用させる際に人体の外に格納されるよう構成される。選択的に、前記管は軸方向に屈曲された状態で格納される。
【0038】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記管は少なくとも50mm伸長するよう構成される。
【0039】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記管の一本は少なくとも150mm伸長するよう構成される。
【0040】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記管の一本は少なくとも250mm伸長するよう構成される。
【0041】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記管の一本が伸長するのは500mm以内となるよう構成される。
【0042】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは二本の管の間における所定の距離を超えた相対的な動きを防止するための少なくとも一つの抑止体を有する。
【0043】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記抑止体の少なくとも一つは前記本体の外側にある。
【0044】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記抑止体の少なくとも一つは前記流体と接触しない。
【0045】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記抑止体の少なくとも一つは前記カテーテルの外に伸長するワイヤと、前記ワイヤ上に少なくとも一つの可動ブレーキ部を装着されて有する。
【0046】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記抑止体は掛合時に液体の流過を防止する。
【0047】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記抑止体は掛合時に液体の流過を防止しない。
【0048】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記抑止体は伸長管(extending tube)の近位端から50mm以内の距離に配置される。
【0049】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記抑止体は伸長管の近位端から少なくとも50mmの距離に配置される。
【0050】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記管が最大限に伸長される際、前記抑止体は非伸長管(non-extending tube)の遠位端に配置される。
【0051】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記管が最大限に伸長される際、前記抑止体は非伸長管の遠位端から50mm未満の間隔を設けた位置に配置される。
【0052】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは軸方向に間隔を設けた複数の抑止体を有する。
【0053】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記抑止体は軸方向に5mm未満の長さの要素である。代替的に、前記抑止体は軸方向に5mmより長い要素である。
【0054】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは管の間に少なくとも一つのシールを有する。選択的に、前記少なくとも一つのシールは、特定の外管の内径に適合する。代替的に、前記少なくとも一つのシールは、外管の内径の範囲に適合する。
【0055】
選択的に、前記少なくとも一つのシールは軸方向に間隔を設けた複数のシールを有する。代替的に、前記少なくとも一つのシールは単一のシールのみから成る。
【0056】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記少なくとも一つのシールは前記一本の管の過剰な伸長を防ぐための抑止体として作用する。
【0057】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは、所定の距離を超えた伸長の過程を防止する伸長リミッタを有する。選択的に、前記所定の伸長の過程の制限はユーザにより設定可能である。
【0058】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは前記内管を前記外管に対して選択的に固定し運動を防止するよう構成されたロックを有する。
【0059】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは前記本体に前記外管を選択的に連結させるよう構成されたロックを有する。
【0060】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは作動流体を特定の流体圧力から解放するよう構成された圧力弁を有する。
【0061】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは前記一本の管の伸長を制御するよう構成されたコントローラを有する。選択的に、前記コントローラは制御された分量の前記管を伸長させるよう構成される。代替的にまたは付加的に、前記コントローラは、前記液体に付加される圧力のレベルを設定することによって前記管を伸長するよう構成される。代替的にまたは付加的に、前記コントローラは前記カテーテルを前進させるよう構成される。代替的にまたは付加的に、前記コントローラは前記カテーテルのロックを前記カテーテルのバルーン部膨張と同期させるよう構成される。代替的にまたは付加的に、前記コントローラは前記管を前記カテーテルに対して抜去するよう構成される。選択的に、前記コントローラは前記抜去を前記カテーテルの前進と同期させるよう構成される。
【0062】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは前記管を包囲する案内シースを有する。
【0063】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルはガイドワイヤを有し、前記カテーテルは前記ガイドワイヤに乗載するよう構成される。選択的に、前記カテーテルは、カテーテル使用時に前記ガイドワイヤが前記内管内を通過し人体の外へ送出されるよう構成される。代替的に、前記カテーテルは、カテーテル使用時に前記ガイドワイヤが前記内管内と前記外管の間を通過し人体の外へ出るよう構成される。代替的に、前記カテーテルは、カテーテル使用時に前記ガイドワイヤが前記外管の外を通過し人体外へ出るよう構成される。代替的にまたは付加的に、前記カテーテルは、カテーテル使用時に前記ガイドワイヤが案内シースの外側を通過し人体外へ貫出するよう構成される。
【0064】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは前記尖端に一つのバルーンを有する。選択的に、前記ガイドワイヤは前記バルーンの膨張ルーメン内を通過する。代替的に、前記ガイドワイヤは前記バルーンに近接する前記バルーンからの近位の貫通口を有する。選択的に、前記バルーンには肉厚な基部(base)があり、前記ガイドワイヤはここから送出される。
【0065】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記送出されるする開口部は前記バルーンから20mm未満である。
【0066】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記ガイドワイヤは前記バルーンの膨張ルーメン内を通過する。
【0067】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記ガイドワイヤは、前記非伸長管の最遠端点より先の位置で、前記伸長管から前記カテーテルの外へ出る。
【0068】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記ガイドワイヤは、前記非伸長管の最遠端点から近位の位置で、前記伸長管から前記カテーテルの外へ出る。
【0069】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記ガイドワイヤは二本の管の間のシールを通過する。
【0070】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記ガイドワイヤは前記カテーテル内の前記コラムの液体経路を通過する。
【0071】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記ガイドワイヤは前記カテーテル内の前記コラムの液体経路の外のみを通過する。
【0072】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記内管は流体制御のために製造されたのではない標準的なバルーンカテーテルを有し、前記液体は前記外管と前記標準的バルーンカテーテルの間を搬送される。
【0073】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記内管は調節可能なシールを装着された標準的なバルーンカテーテルを有し、前記液体は前記外管と前記標準的バルーンカテーテルの間を搬送される。選択的に、外管は案内カテーテルである。
【0074】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記外管は3mm未満の外径を有する。
【0075】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記外管は2mm未満の外径を有する。
【0076】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記外管は1mm未満の外径を有する。
【0077】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記内管は1.5mm未満の外径を有する。
【0078】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記内管は0.5mm未満の外径を有する。
【0079】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記付加点は前記カテーテルの最遠位点から500mm未満である。
【0080】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記付加点は前記カテーテルの最遠位点から350mm未満である。
【0081】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記付加点は前記カテーテルの最遠位点から70mm未満である。
【0082】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは前記付加点と前記尖端の間にオフセット要素を有し、付加点は前記コラムから前記尖端への前記押力を伝搬する。
【0083】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは前記尖端への第二の押力を付加するよう構成された押進ワイヤを有する。選択的に、前記押進ワイヤは前記第二の押力を、前記付加点と実質的に同一の軸位置で付加する。代替的にまたは付加的に、カテーテルは血管中の狭窄部を通過するために適合した、前記ワイヤの短距離の前進を許容するよう構成されたコントローラを有する。
【0084】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは、カテーテルが使用される際に人体外に維持されるよう構成された基礎ハブを有する。選択的に、前記基礎ハブは流体圧力に対して単一のみの注入口を有する。代替的に、前記基礎ハブは流体圧力に対して複数の注入口を有する。選択的に、前記注入口の少なくとも一つは、前記注入口内部の流体が5気圧以上にある際に流体の閉鎖を維持するよう構成された被覆体を有する。
【0085】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記基礎ハブは圧力解放弁を有する。代替的にまたは付加的に、前記基礎ハブはガイドワイヤ用の開口部を有する。代替的にまたは付加的に、前記基礎ハブは押進ワイヤ用の開口部を有する。代替的にまたは付加的に、前記基礎ハブは弁制御ワイヤ用の開口部を有する。代替的にまたは付加的に、前記基礎ハブは伸長制限ワイヤ用の開口部を有する。選択的に、前記基部が所定の圧力値を超えて加圧される際に、前記開口部は前記ワイヤをロックするよう構成される。
【0086】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記基礎ハブは、カテーテルの流体圧力と複数のルーメンのうちのいずれを連結させるかについて選択するセレクタを有する。
【0087】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記基礎ハブは開閉可能な開口部を有し、この門部を経由してユーザが選択的にカテーテルのルーメンへ到達するよう構成されている。選択的に、前記開口部は手動により敏速に開けることができるよう構成される。
【0088】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記基礎ハブは長尺のカテーテル格納部を含み、前記長尺はそこに格納されるカテーテル部の長さの80%未満である。
【0089】
本発明の例示的な実施形態において、次の物を有する伸長可能なカテーテルが提供される:
カテーテルが使用される際に、人体外に維持されるよう構成された基部;
ルーメン及び遠尖端を有し、かつ前記基部に格納される曲折部を含む、長尺の本体;及び
前記尖端に近接する前記本体に押力を付加するよう構成された液体コラム。選択的に、前記曲折部は折り畳まれた構成で格納される。代替的にまたは付加的に、前記曲折部は巻回された構成で格納される。代替的にまたは付加的に、前記曲折部は軸方向に屈曲した構成で格納される。代替的にまたは付加的に、前記曲折部は一部が表裏逆転して軸方向に折り畳まれた構成で格納される。
【0090】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは外管を有し、前記本体はその外管から曲折しない状態で送出される。代替的にまたは付加的に、カテーテルは前記曲折部の内側に第二の曲折した管を有する。選択的に、前記第二の曲折した管はバルーン膨張管である。
【0091】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは前記曲折部の曲折を展開するための送りノズル(feeding nozzle)を有する。
【0092】
本発明の例示的な実施形態において、次の物を有し、機械式に作動する流体弁を伴うカテーテルが提供される:
ルーメンを有する長尺の本体で、前記ルーメンは流体経路を特徴とする;
前記流体により作動し、前記長尺の本体の遠端部に配置される器具;
前記器具に流体を選択的に伝搬するよう構成された、前記遠端部にある流体弁;及び
前記弁に連結され、前記本体の外に延長する、前記弁を制御するための機械式作動装置。選択的に、前記器具は流体により膨張されるバルーンを有する。代替的にまたは付加的に、前記カテーテルは、前記流体により遠位に伸長される遠端部を有するよう構成される。
【0093】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記作動装置は前記弁を回転させる。代替的に、前記作動装置は前記弁の遮蔽部を後退させる。選択的に、前記作動装置は前記弁の遮蔽部を後退させ、最大限に後退させた位置にて遮蔽部が前記ルーメンから前記器具への流体の経路を許容する。
【0094】
本発明の例示的な実施形態において、次のことを含む、カテーテルにより搬送される器具を配置する方法が提供される:
体内の血管へ伸長可能なカテーテルを挿入すること;及び
カテーテルの遠端部を、少なくとも50mmの距離を伸長させて対象領域に到達させること。選択的に、この方法は前記伸長部の遠端にて前記器具を作動させることを含む。選択的に、前記伸長は前記カテーテルに流体圧力を加えることにより伸長することを含む。
【0095】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、前記器具はバルーンを有する。
【0096】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、挿入はガイドワイヤに沿って挿入することを含む。
【0097】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、挿入は案内カテーテルまたはシースを通して挿入することを含む。
【0098】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、方法は前記カテーテルを前記伸長させた後に前進させることを含む。
【0099】
本発明の例示的な実施形態において、次のことを含む、カテーテルを検査する方法が提供される:
カテーテルを液圧の圧力源に装着すること;及び
カテーテルの遠端部を少なくとも50mm伸長させるために前記圧力を上昇させること。
【発明を実施するための最良の形態】
【0100】
【概要】
【0101】
図1は、本発明の例示的な実施形態におけるカテーテルシステム100の概略図である。は狭窄部106(例えば、動脈硬化プラーク、古くなったステント等、または塞栓等他の種の罹患組織によって生じたもの)を伴う冠状血管104を有する。カテーテルシステム100は、案内カテーテル/シース112内にてカテーテル110が少なくとも部分的に乗載するガイドワイヤ108を有する。カテーテル110は、選択的にバルーン114及び/またはステント116を含む遠尖端111を有する。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテル110の遠端部118は、遠端部118またはその付近に付加される押力を利用してシース112より前進可能である。制御システム120は、この前進を制御するために選択的に使用される。ロック122は、カテーテル110をシース112へ固定させるため及び/または端部118の動作をシース112へ固定させるため、及び/またはカテーテル110を静止させるために設けられる。
【0102】
該図は冠状血管への誘導を示すものであるが、脳または他の器官内の血管への誘導においても同様のシステムが使用可能であることに留意すべきである。また、例えば腫瘍への放射性物質注入等、狭窄以外の血管性(または非血管性)の問題についても処置可能である。
【0103】
下に記載の通り、一部の実施形態においては、案内カテーテル112及び/またはガイドワイヤ108は省略されている。代替的にまたは付加的に、一部の実施形態においては、相対的な配置(例えば、何が何を包囲しているか)が図1に示す物から変更されている。
【可動型外管を伴う例示的なカテーテル】
【0104】
図2は、本発明の例示的な実施形態におけるカテーテル200の断面図である。カテーテル200は、外管202、及びルーメン206を伴う内管204を有する。外管202は、その遠端228にて例えば任意のバルーン218(詳細は後述)により密封されている。
【0105】
使用時には、例えば注射器等の圧力源208が、ルーメン206へ流体を注入するために使用される。流体が使用されると、これによりルーメン206と連通している外管202のルーメン部207内に圧力の上昇が生じる。外管202と内管204の間には摺動性流体シール214が存在する。そして、外管202により定められたシリンダ・ボディに対するピストンとして外管202が機能する。ルーメン部207の内圧上昇により、内管204(ピストン)と外管202(シリンダ)の相対運動が生じる。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、外管202の方が摺動自在であり、矢印の方向210への流体の流動とも関連し矢印212の方向にバルーン218を前進させ摺動する。圧力上昇がカテーテル200自体の遠端付近にある外管202の遠端228へ押力を付加することに留意すべきである。例えば、バルーン218の尖端232と遠端228との間の長さは、例えば20mmまたは10mmまたはそれ未満という30mm以下の短さである。選択的に、尖端232が内側に反転する反転バルーンが使用される。
【0106】
選択的に、シール214は、例えば連続した複数のリングなど、選択的に内管204から一体に形成されたガスケットを有する。代替的に、内管202及び204は止まり嵌めとし(少なくとも許容された相対運動の長さ分)、特別にシール剤は必要としない。内管ボリューム216が存在する場合は、潤滑剤を塗布してもよい。選択的に、この潤滑剤がシール剤として機能する。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、潤滑剤は、先行技術により既知の、水分と接触する際に膨張し、それにより密封する、また水分と接触する際に粘性を帯びる親水性物質から成る。本発明の代替的な実施形態において、ボリューム216は漏出した流体の流路として機能する。代替的にまたは付加的に、例えば、ボリューム216内の流体を潤滑剤として機能させるため、及び/またはルーメン部207の過圧を回避する圧力弁として機能させるために、シール214は漏出性のシール剤とする。内管202は選択的に、例えば20気圧での膨張が1%未満であり、実質的に非膨張性である。選択的に、外管202及び内管204の一方または両方は、作業環境において軸方向に膨張しないよう構成される。一例では、管に対する抗張力を増加させるため、一または複数の縦走繊維(例えばプラスチック製または金属製ワイヤ)が管内に埋め込まれる。一例では、円周状に均等な間隔を設けた3本または4本のワイヤが使用される。
【0107】
本発明の代替的な実施形態においては、実際のシール214は使用されない。代わりとして、遠端228への押力は、ボリューム216を経由した流体の流入量及び流出量を作用させる。通常、流出はボリューム216内の摩擦及び境界効果により抑制される。ルーメン206内のこれらの種類の作用は圧力を上昇させ、流入量と流出量の不均衡を構成することにより克服される。この比率は、例えば、圧力源208により加えられる圧力を上昇または下降させることにより制御出来る。従って、例えば不慮の損傷を防ぐため、または急角度の屈曲箇所及び/または狭窄部を通過させるために、バルーン218を前進させる押力をより緻密に制御することが出来る。
【0108】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、バルーン218はカテーテル200の遠端に設けられる。外管202及び内管204の内部に、独立した膨張ルーメン(inflation lumen)220(例えば管)が選択的に設けられ、独立した圧力源222により選択的に膨張される。バルーン218の膨張方法及びバルーンへの流体の注入方法についての変形例は、カテーテルの他の実施形態で下に記載する。本発明の異なる実施形態において、バルーンに代わってまたはバルーンに加えて異なる器具が用いられ、例えば膨張ではなくワイヤ及び/またはその他の材質を搬送するために、管220が用いられる。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、管220は金属性の可撓管であり、屈曲の低減及び/または押力の向上を補助する。
【0109】
ガイドワイヤ108は、例えばバルーン218内の専用チューブ(図示せず)を通過し、選択的に貫通口224を通じて外部へ出る。他の選択肢としては、例えば周知のバルーン設計を使用してもよい。そのような選択肢及び新規の選択肢の一部を、他の実施形態で下に記載する。
【0110】
一または複数の放射線不透過性マーカーが、例えばカテーテル200の遠端付近、シール214、及び/または遠端228に選択的に付加される。これらのマーカーは、例えば下に記載の通り、及び/またはカテーテル伸長の程度を判断するために、手術の各段階においてカテーテル200の位置決めに用いられる。
【0111】
シース112(図1参照)は図示されていないが、用いてもよい。選択的に、シースが近接するシール214まで延長する。ガイドワイヤ108は、選択的にシース内のシース壁とカテーテル200の外管202の間とを移動する。
【0112】
選択的に、シール214は例えば熱などにより内管204を展延して形成される。この構造により、流体圧力が上昇した際、展延部分が外管202に対して更に強固に押しつけられることになり、密着の程度が増す。
【例示的プロセス】
【0113】
図3は、本発明の例示的な実施形態においてカテーテル200を配置する例示的なプロセスのフローチャート300である。下に記載の通り、本発明のカテーテルは、異なるプロセスでも同様に使用可能である。
【0114】
302では、カテーテルを何処に案内するかという決定が選択的になされる。一部の場合、例えば診察過程において造影剤を注入するためにルーメン222が使用されるのであれば、事前に正確な対象部位が判断されない場合がある。他の場合では、特定の狭窄部106がバルーン及び/またはステントにより処置される。
【0115】
304では、体内の対象部位へ到達するために使用される経路により、大動脈または血管(例えば大腿動脈)への開口部が設けられる。
【0116】
306では、選択的に案内カテーテル/シース112が開口部から挿入される。冠状動脈の例では、シースは大動脈までまたは冠状大動脈までへも挿入される場合がある。
【0117】
308では、ガイドワイヤ108が選択的にシース112を通して狭窄部106まで前進させられる。先行技術により既知となっている様々なガイドワイヤ案内技術が用いられる。本発明の一部の実施形態においては2本のガイドワイヤが使用される。カテーテル案内の技術として、例えば最初に太いガイドワイヤ、次いで細いガイドワイヤを使用することが既知である。
【0118】
310では、カテーテル200がガイドワイヤ108(ある場合)に沿って、またシース112(ある場合)を通して、狭窄部106から所定の距離以内まで前進させられる。この距離は複数の要素に依存する。例えば標準的な方法では、シース112の遠端付近まで前進させられる。代替的にまたは付加的に、カテーテル200は前進可能な最遠端まで前進させられる。代替的にまたは付加的に、カテーテル200は狭窄部106からカテーテルが伸長可能な範囲内の距離まで前進させられる。
【0119】
312では、圧力源208が作動し、ルーメン207の内圧が上昇して、これにより外管202及びバルーン218を前進させる。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテル200の遠尖端付近に押進力が付加されると、通常、カテーテル200の一部を管壁に押し付ける方向よりも、ガイドワイヤ108に沿ってカテーテルを前進させる方向に作用するものと推定される。選択的に、必要に応じて、突発的な圧力をルーメン部207に加え、狭窄部106の通過を補助する。下に記載する通り、バルーンの過剰な前進は、外管202を内管204に相対的に抑止することにより選択的に回避される。
【0120】
314では、ガイドワイヤ108が選択的に抜去される。一部の実施例において、ガイドワイヤ108はこれよりも早い時点で抜去される。他の実施形態においては、ガイドワイヤ108は処置終了まで留保される。
【0121】
316では、バルーン218が選択的に膨張され(例えば、圧力源222を使用する)、選択的にステント116(ある場合)が配置される。バルーンの膨張及びステント配置と代替的にまたは付加的に、他の処置が施される場合がある。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、ロック122は、膨張時のバルーン218の揺動を避けるため、膨張の前に適用する。選択的に、バルーン218の位置は画像技術(例えば、蛍光透視法、CT画像、及び/またはMRI画像)を用いて膨張前に確認される。
【0122】
318では、ステント116に対する抜去が可能になるよう選択的にバルーン218が収縮される。
【0123】
320では、カテーテル200、シース112、及び/またはガイドワイヤ108が抜去される。抜去は、圧力源208にて圧力を逆転し、内管204に対する外管202の抜去を発生させることを含む。代替的な実施形態においては、カテーテル200が単に抜出される。
【0124】
322では、例えば外管202を内管204に相対的に再度前進させることにより、選択的にカテーテル200が再配置される。
【プロセスの変型】
【0125】
カテーテルを前進させる技術には、多数の既知の技術がある。本発明の一部の実施形態であるカテーテルを前方へ伸長させる能力を活用するために、カテーテル200はこれらの技術の多数を伴って使用され、選択的に適切な変更を加えられる場合がある。
【0126】
カテーテル前進技術の代替的な一例では、本発明によるガイドワイヤ及びカテーテルが対となって前進させられる。ガイドワイヤが短距離を前進し、次にカテーテルが短距離を押進及び/または前方に伸長される。
【0127】
カテーテルを前進させる代替的な技術の他の例では、カテーテル200がガイドワイヤなしで前進し、選択的に、柔軟な尖端を備えている。
【0128】
カテーテルを前進させる代替的な技術の他の例では、シース112が無くカテーテル200がガイドワイヤに沿って前進させられる。この技術の不利点には、カテーテル200が前方に伸長する都度、相当長の外管202が血管壁に沿って摺動することが想定される。伸長手段は、例えば大腿動脈への入口またはある中間点から用いることが出来る。代替的に、カテーテル200は、カテーテル200を伸長させる前に、容易に挿入可能な範囲で出来るだけ奥まで挿入される。例えばシースが装備されている場合、例えば大動脈弓の前または冠状動脈の一または二枝通過後など、カテーテルの伸長は冠動脈系への入口以外の箇所から開始してもよい。
【0129】
カテーテルを前進させる代替的な技術の他の例では、比較的小幅な動きでカテーテル200を徐行させる。この技術では遠端228が伸長し、それから内管204が前進する。選択的に、遠端228が血管に対して同位置で停留するよう、内管204が前進する際に遠端228を後退させる。選択的に、この技術では、内管204に対しては僅かに剛性の高いガイドワイヤとして外管202を使用する。
【0130】
カテーテルを前進させる代替的な技術の他の例では、カテーテル200を可能な限り奥まで伸長し、それから後退させてバルーン218が正しい位置に来るようにする。代替的に、一旦正しい位置に到達すると、カテーテル200は後退させると同時に、及び/または小幅にて伸長させ、バルーン218が正しい位置に停留するようにする。この方法は、カテーテル200の伸長及びバルーン218の膨張に同一のルーメンが使用されるという点で、また伸長を完了させることによりバルーン218を揺動させるバルーン膨張の危険が無くなるという点で、カテーテル設計(下に記載)において有用である。他の実施形態では、このような揺動を回避するため位置決めロックが使用される。
【コントローラの論理】
【0131】
再び図1を参照する。カテーテル200の動作及び/または伸長を制御するコントローラ120には、多様な種類及び/または能力がある。選択的に、コントローラ120は手動にて制御される。代替的に、例えばロボットとして遠隔制御される。一部の実施形態において、制御論理の一部は例えば可動管(moving tube)などカテーテルの他の部分にも用いられる。
【0132】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテル200は、コントローラ120が作動流体の容量を特定量増加させ、それによりルーメン部207の容量を特定量増加させ、それに従って外管202を特定長伸長させるという、固定容量技術を用いて前進する。
【0133】
本発明の代替的な実施形態において、例えばシール214が漏出性であれば、押力に基づいた技術が用いられる。この技術では、コントローラ120は例えば段階的にまたは衝動的に外管202を伸長させるための押力を付加するために使用される。一旦必要な長さに伸長されると(または応答時間を調整するためにその直前)、押力は停止される。選択的に、外管202及び内管204の各管に対する抑止体を連結させることにより管の前進の最大長(または刻み幅)が設定されるという、押力と位置決めを組み合わせた伸長技術が用いられる。押力は外管202を伸長または後退させるために付加されるが、伸長(または後退)の長さは抑止体間の距離に限定される。このようなコントローラの例を、下の図4Cに示す。
【0134】
本発明の一部の実施形態において、前進するために必要な押力は、カテーテルの既に伸長されている部分における屈曲部の数及び屈曲の鋭角により、増加する点に留意すべきである。
【0135】
選択的に、例えば下に記載の通り、例えば一方または両方の管に抑止体としての縁があり、外管202が所定長を超えて(例えば、双方の縁が合致する際)伸長することを回避する。
【0136】
選択的に、コントローラ120は例えば作動流体の容量を減少させる、または負圧を加えることにより、外管202を内管204に向かって後退させるためにも使用される。
【0137】
動力源は、各種の物が使用される。例えば、押しシリンジまたは本体内に螺着されたピストンを伴うシリンジが用いられる。代替的な手動による実施形態では、作動流体を管に沿って前進させて管内の圧力を上昇させるために、管に沿って回転するノブが使用される。代替的な実施形態では、電気的に制御されたポンプまたは流体または圧力源が使用される。選択的に、押力は体外から非流体圧力により付加され(例えば、スタイレットなど剛性のある物を使用する)、押力は本体内の室内に充填された流体へと伝搬され、ここに記載された流体圧力による伸長が発生する。
【0138】
選択的に、コントローラ120は例えば外管202に施されたマークをウィンドウに示すことにより伸長の長さを表す。代替的に、伸長の長さは光学エンコーダを使用して測定される。選択的に、付加された圧力または押力に対する伸長の長さは学習され、例えば後退の際に最後に前進させた長さと同じ長さを後退させるために使用される。代替的にまたは付加的に、ユーザが一段階の伸長を要求し、その伸長が確定した時点で加圧が停止されるという、閉ループによる制御を行う目的から、伸長が追跡される。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、コントローラは記憶部を持つマイクロコントローラ・チップを有する。選択的に、そのような記憶部は、例えば製造の測定過程においてまたは使用中に判断される、カテーテル伸長機構の静摩擦及び動摩擦に対する数値を学習及び/または格納するために用いられる。
【0139】
コントローラ120は選択的に、例えば伸長管に施されたマークを読み取る光学エンコーダといった他の種類の伸長センサを有する。代替的な実施例では、一または複数の放射線不透過性マーカーが伸長管及び/または非伸長管に付加され、マーカーの相対的な位置がX線画像を使用して観察することが出来る。
【0140】
コントローラ120は選択的に、例えば漏出センサ及び作動流体圧センサという他の種類のセンサを有する。代替的に、例えばマグネスケールといった精細な圧力計が使用される。漏出は緩やかな圧力損失として表れる場合がある。
【0141】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、コントローラ120及び/またはカテーテル200は制限手段を有する。一例では、一段階における前進の最大長が制限される。代替的にまたは付加的に、コントローラ120は二またはそれ以上のガイドワイヤ108、シース112、内管204、及び外管202をロックすることが出来る。どの対がロック可能であるかについては、例えば特定の実施形態に依存する。他の例では、最大圧力制限器が設けられ、例えば過剰な圧力を漏出させるために本体外に弁が設けられる。最大圧力は選択的に設定可能である。代替的に、ルーメン部207からボリューム216までに排水弁が定義される。
【0142】
選択的に、コントローラ120はまた、例えば内管204を動かすことによりカテーテル200の全体を前進または後退させることが可能である。選択的に、コントローラ120は上に記載した徐行による方法が実現されるように、外管202と内管204の動作を同期化することが可能であり、例えば内管204を前進させながらも外管202を後退させる。このような種類の同期化は、ノブの回転により外管202の前進と、ルーメン206内のボリューム及び/または圧力を減少させることとを同時に行う機械的コントローラによっても実現される。
【0143】
多数の例が、食塩水または例えば生物学的適合物質または潤滑材といった他の適切な物質の液体作動流体が使用されることを記載している。選択的に、流体内に抗凝固剤が配合される。流体が治療部位に漏出されることが想定される実施形態では、各種の治療用薬剤が作動流体内に配合される。選択的に、放射線不透過性物質が流体内に配合される。本発明の一部の実施形態において、CO2といった気体作動流体が使用される。ボリューム216はそのような気体が体内の組織に全く接触することなく本体から放出されるための安全上の経路となっている点に留意すべきである。
【材質及び構造】
【0144】
本発明の例示的な実施形態によるカテーテルは、カテーテル構成における既知の技術を含み、例えばポリエチレン、ナイロン、PBX、テフロン(登録商標)、及びその他のプラスチック、ゴム及びラテックスといった様々な材質による。例えばシリコンまたは、親水性または疎水性コーティングといった様々なコーティングも選択的に施される。選択的に、伸長管と包囲する非伸長管との摩擦を低減させるため、かつ血流及び/または血管壁との摩擦またはその他の負の相互作用を低減させるため、同一のコーティングが用いられる。
【0145】
本発明の特定の実施形態において、カテーテルまたは少なくともその伸長部分は、体外からカテーテルを押進させる上で有効な材質よりも柔軟な材質で構成される。例えばカテーテルまたは伸長部分は、J&J Cordis製E95、J&J Cordis製Aqua(例えばT3)、またはBoston Scientific製Maverick等の標準的なカテーテルの最柔軟部分(例えばバルーンに近位の最遠端部分)と同程度の柔軟性を持つ。多少の弾性は、多くの場合有効である。一例では、このカテーテルは、体内の直線部位または冠動脈系または脳系といった包旋状部位で30cmまたは50cm以上効率的かつ確実に前進させる上では柔軟性が高過ぎる場合がある。脳での使用には、伸長部分は冠状動脈系で使用する場合よりも長く、柔軟に、かつ小口径とする場合がある。
【0146】
カテーテルの伸長部分の例示的な外径は2mm、1.5mm、1mm、0.7mm、0.5mm、またはそれ以下、その中間、またはそれ以上である。非伸長部分の外径は、例えば3mm未満または2mm未満、またはそれ以下、その中間、またはそれ以上である。
【0147】
本発明の一部の実施形態において、金属製の管がバルーンの膨張ルーメンとして使用され、また選択的にキンク耐性、押進効率、及び/または閉塞部への叩打及び/または振動の適用(例えば、既知の技術による振動手段を使用する)が提供される。
【0148】
非可動管(non-moving tube)(例えば外管)は、大動脈内(または他の主血管)に滞留する場合には伸長管(例えば内管)よりも剛性の高い物にする場合がある。選択的に、このように剛性の高い管は案内カテーテルとして動作可能な程度に剛性があり、独立した案内カテーテルの省略が可能となる場合がある。そのような実施形態では、バルーン運搬部のみが前進するようになる地点まで、案内カテーテル及びバルーン運搬部が選択的にガイドワイヤを越して一緒に前進されられる。
【0149】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルは例えば外径が0.4mmと3mmの間である小口径の物であってもよい。
【0150】
「管」という用語を使用する際、様々な非円形断面の物でもよい。付加的に、通常、同心円管が記述されるものの、これは必須の特徴ではなく、管は非同心円形でもよい。
【0151】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルの尖端には相当量の押力が付加される。例えば、5フレンチのカテーテルは尖端に160グラム以上が付加される。選択的に、140グラムまでまたは100グラムまでといった比較的弱い押力が付加される。代替的に、200グラム以上といった比較的強い押力が付加される。これらの押力は、例えばカテーテルのサイズに一次関数または二次関数を適用し、小口径のカテーテルに対しては減少させる。選択的に、付加される押力は、相当の割合が(例えば、20%、30%、50%、またはそれ以上)カテーテル断面積と適用される圧力との積である。当然これは、カテーテルの流体圧力断面と、カテーテルに沿って損失される圧力とに依存する。選択的に、得られる押力には高い上昇率がある。
【可動型内管を伴うカテーテル】
【0152】
図4A及び図4Bは、外管402に相対的に内管404が伸長しているカテーテル400を示す。バルーン418は内管404の遠端に設けられている。内管404のルーメン406は、バルーン418の膨張に作用し、二本の管の間のボリューム416は内管404及びバルーン418を前進させる液体コラムとして作用する。ボリューム416内に作動流体を配置する利点は、外管402と内管404間の摩擦を低減させることにある。
【0153】
二本の管の間のシールは軸方向に短い物でもよいが(例えば下に記載の通り)、本発明の例示的な実施形態では相対的に長いシール管(sealing tube)414が使用される。シール管414の長さは例えば10mm、20mm、40mm、80mm、200mm、またはそれ以上が可能である。長い管を使用する上で想定される一つの利点は、漏出を抑制または防止しつつも(境界効果に基づく)内管及び/または外管との密着が緩やかになる点にある。
【0154】
選択的に、シール管414は一以上の機能を持つ。一つの選択的な機能である密閉は、管の一部によって提供される(例えば、ここに記載する他のシールのように、極めて短い部分であっても可能)。他の選択的な機能は、捻れの回避及び/または低減である。選択的に、シール管414に僅かに剛性を持たせる。他の選択的な機能である押力による伸長については次に記述する。例えば下に記載される他の実施形態では、作動流体は造影剤を含み、漏出が例えば蛍光透視法といった画像を用いて識別可能となるようにする。
【0155】
選択的に、シール管414の遠端は内管404上に形成される一または複数の突起部450に接触する。液体コラムがシール管414の近位部に接触すると、シール管414は付加された押力を突起部450に伝搬させ、それにより内管404が前進する。これにより選択的に押力を遠位の箇所に付加することが可能になる。選択的に、シール管414の少なくとも一部は外管402を越えて伸長することが出来る。図4Aは、伸長した構成のカテーテル400を示し、図4Bは非伸長の構成を示す。選択的に、シール管414は外管402及び内管404のうち一方に装着される。
【0156】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテル400には伸長最大長があり、例えば冠状動脈への使用であれば300mm、脳への使用であれば500mm、または閉塞物を通過して前進させる物は50mmである。選択的に、この伸長最大長は外管402上の抑止体448及び内管404上の抑止体449という少なくとも一対の抑止体によって拡大される。これらの抑止体は、内管404の近位端にない場合でも、伸長時に通常内管404の最遠端付近に来る点に留意すべきである。複数の抑止体が設けられている場合、流体圧力は押力を内管404の複数の点に付加する。図の実施形態では、抑止体は互いに接触しても液体の更なる流動を阻害しない。この設計により想定される一つの利点は、吸引を行うことにより後退が可能になる点である。他の想定される利点は、伸長の完了が近くなっても最大の押力が付加可能な点である。代替的な実施形態では、抑止体は密閉も提供する。選択的に、阻害しないことにより、抑止体を大きくしても意図に反してボリューム416を阻害する危険がない。代替的にまたは付加的に、抑止体は管の間に間隔を設けるスペーサー機能を提供する。複数のスペーサーは、管の間に間隔を空けるため、停止機能がない場合であっても設けてもよい。選択的にこれにより、これらの接点における摩擦が低減する。選択的に、内管404の最近位端の抑止体は内管404の端(または中程)を例えば熱及び/または変形により展延して形成し、口径を大きくする。
【0157】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、管の相対的な伸長が複数箇所で抑止可能となるよう、軸方向に間隔を空けた複数の抑止体が設けられる。例えばカテーテルまたは伸長した管を抜出することにより、小幅な前進超過は修正可能である。選択的に、中間点の抑止体は絶対的ではなく、例えば、十分かつ選択的に既知である押力は、これら中間点の抑止体を補完する。代替的にまたは付加的に、管の相対的な回転により一つの抑止体が他の抑止体を回避することが可能になる。代替的にまたは付加的に、抑止体は、互いを回避出来るようカテーテルの基部440に位置し、基部440では外管を伸長させるまたは内管を収縮させるための適切な機構が用いられる。本発明の代替的な実施形態では、抑止体448は基部440の一部として設けられ、例えば軸方向に調節可能である。例示的な抑止体の設計を下の図4Cに示す。
【0158】
複数の抑止体の想定される利点は、例えば抑止体一つ分または特定の数の分だけ伸長または後退させることで、ユーザが既知の特定の長さ毎に長さを変化させることが出来る点である。例えば、一つの抑止体直前まで伸長した後、抑止体間の距離相当分カテーテル400自体を前進させ、内管404を一つの抑止体直後まで後退させる。これによりバルーン418を体内の同一位置に滞留させることが出来る。他の例では、一つの抑止体が使用され、狭窄部またはその他の閉塞部を通過させるために高圧を付加する際、次の抑止体で伸長を停止させて超過を防ぐ。
【0159】
流体の注入口442は圧力を加えた(例えば、上に記述の通りコントローラ120またはシリンジを使用する)流体を注入するために、選択的に設けられる。同一の注入口は、注入口442を内管404へ選択的に接続することにより、バルーン418を膨張させる。本発明の代替的な実施形態では、一旦バルーン418が基部440に配置されると、基部440が開き、二番目のまたは同一の圧力源が内管404の近位側に装着される。選択的に、外管402及び内管404は基部440が開く前にロックされる。代替的にまたは付加的に、抑止体448と449は連結し、一旦前進した内管404が後退するのを抑止するよう設計される。基部840及び449は連結し、一旦前進した内管404が後退するのを抑止するよう設計される。基部440は、様々な長さとすることが出来る。例えば、内管404が屈曲していない場合は例えば20cm長、30cm長、または40cm長である。屈曲した管が使用される場合(例えば、下に記述の通り)、例えば20cm未満と短くすることが可能である。
【0160】
選択的に、上に記述の通りシース112が設けられる。選択的に、外管402をシース基部444に固定し、シース112とカテーテル400間の相対的な動きを防ぐために、シースロック446が設けられる。一部の実施形態では、このようなロックがない場合、内管404が伸長せずに本体外へ飛び出すまたは抜け落ちる場合がある。シース基部をロックすることにより、これが選択的に防止される。
【0161】
外管402とシース112間の密封には、例えば密着型ゴムパッキン及び弁等、既知の技術として様々な機構が使用される。
【0162】
図示の実施形態では、バルーン418に基部452があり、ガイドワイヤ108はこれを通過し、基部に設けられた貫通口224から出ている。これにより、高速及び/または交換可能タイプのガイドワイヤ使用が可能になる。貫通口224とバルーン418の近位端間の距離は、実施形態により異なり、例えば100mm未満または50mm未満、可能性により10mm程度、または0mmに近い短さとなる。この距離はまた、例えば5mm以上または10mm以上と0mmより大きくてもよい。本発明の他の実施形態では、ガイドワイヤ108がバルーン218の膨張ルーメンを通過する。
【0163】
図示の実施形態では、ガイドワイヤ108がシース112の外側に配置されている。下に記載の他の実施形態ではこれが入替可能であり、例えばガイドワイヤはシースの内側または外側、カテーテルの内側または外側、作動流体及び/または膨張性流体との接触の有無、シース基部444及び/またはカテーテルの基部440内の通過の有無が変更可能である。
【0164】
カテーテル400が伸長し閉塞物を通過する際、閉塞物を通過させために付加された高圧が、閉塞物を通過すると大幅かつ急速な伸長へと変換され、閉塞物を過剰に超過する危険がある。本発明の例示的な実施形態では、内管404及び基部440内に摩擦を起こし、そのような超過を減少させる。選択的に、そのような摩擦を制御することが出来る。代替的にまたは付加的に、最大長の伸長を制限するために仮留めすることが出来る。
【0165】
超過が問題とならないよう、注入口442へ注入される流体の容量が所定の伸長へと変換される容積を基本とした伸長機構が選択的に使用される。これは、カテーテル400の漏出が抑制される場合に使用される。選択的に、注入された流体が、伸長を生じずに圧力に変換され蓄積されるよう、基部440に弾性膜または弾性室が設けられる。選択的に、過圧(漏出を生じる可能性がある)を防ぐため基部440に圧力解放弁が設けられる。選択的に、この弁による解放圧力はユーザにより設定可能である。代替的にまたは付加的に、圧力が過剰な場合に流体が管402から内管404へ滲出可能となるよう、弁は内管404内に形成される。選択的に、カテーテル400自体の弾性が圧力の緩衝に用いられる。
【ワイヤ抑止】
【0166】
図4Cは、本発明の例示的な実施形態によるワイヤ抑止機構を示す。ワイヤ460は例えば内管404の後部に装着され、ハブ基部440から伸長し、開口部4666を経由する。内管404が伸長する際、ワイヤ460を併せて引張する。選択的なブレーキ部464はそのような伸長を制御するためにワイヤ460上にある。一例では、ばね470に装着されたねじ472及びパッド468が、パッド468とワイヤ460間の摩擦を生じさせるために連携する。最大設定では、ブレーキ464と開口部466間の距離は、伸長可能な最大長に設定される。選択的に、例えばケーブル内の突起物といった一または複数の小型ブレーキ(図示せず)が選択的にワイヤ466を、その突起物が開口部466に到達した際に停止させるために使用される。他の例では、ブレーキ464は、これを通過するワイヤ460の速過ぎる動作を抑制する速度ブレーキである。ワイヤ460は例えば内管404の後部に装着され、ハブ基部440から伸長し、開口部466を経由する。内管404が伸長する際、ワイヤ460を併せて引張する。選択的なブレーキ部464はそのような伸長を制御するためにワイヤ460上にある。一例では、ばね470に装着されたねじ472及びパッド468が、パッド468及びワイヤ460間の摩擦を生じさせるために連携する。最大設定では、ブレーキ464及び開口部466間の距離は、伸長可能な最大長に設定される。選択的に、例えばケーブル内の突起物といった一または複数の小型ブレーキ(図示せず)が選択的にワイヤ460を、その突起物が開口部466に到達した際に停止させるために使用される。他の例では、ブレーキ464は、これを通過するワイヤ460の速過ぎる動作を抑制する速度ブレーキである。多数の速度ブレーキの技術が既知となっており、例えばワイヤ460用の非直線的な開口部の利用がある。
【0167】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、弁466は図示の設計となっており、ハブ内の上昇した圧力により開口部がワイヤ460と更に密着し、可能性により漏出を低減させるようになっている。
【0168】
このようなワイヤ抑止は、本発明の他の実施形態でも使用することが出来る。ただし、一部の実施例では、場合によりバルーン418の基部(またはそれに相当する箇所)といった、内管404の更に遠位の部分にワイヤを装着させる物が有効である。
【短型シールの変形】
【0169】
図5A及び5Bは、カテーテル500を示し、シール管414がカテーテル500の内管504または外管502に装着された短型シール514に変更されている以外はカテーテル400と同一である。図5内の参照番号は、100を加算している以外は図4の物と同じである。該図及び他の図において、同一機能の同一部分は同一の下2桁を有し、概ねそのような要素について再度の記述はしない。
【0170】
短型シールの使用は、遠端の方向への押進力に関してシール管414の実際の有効性を喪失させる点に留意すべきである。
【0171】
図5Cは、シール514の例示的なシール設計の詳細を示す。この設計において、シール514は、内管504に装着された基部568及び延長された柔軟部(flexible portion)564を有する。選択的に、柔軟部564は、可能性により様々な外管402の外径に装着され、有効径が変形可能な程度に柔軟である。選択的に、この種類のシールは、案内カテーテルを外管として用い、バルーンカテーテルを案内カテーテルに密着させるために使用される。
【0172】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、シール514は前方突起物(forward protrusion)または接着点(adhesive point)560及び後方突起物(rear protrusion)及び/または接着点562の間に装着される。装着を支持するために、接着剤(または熱融着でもよい)の層を設けてもよい。
【0173】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、シール514はシール514の限定的な尖端域566で外管502と接触する。可能性により、これによって摩擦が低減する。
【0174】
図示の実施例で、シール514は、ボリューム516内の流体圧力が上昇するに従い尖端域566と外管502間の接触力を増加させる設計となっている。選択的に、反対の方向を向いた同種類のシールが、カテーテルシステムへの血液の流入を防ぐために使用される。
【0175】
例えば一方または両方の管の側線、Oリング、管の小区間及び/または磁性流体といった他のシール設計も同様に使用可能である。
【例示的なハブの設計】
【0176】
図5Dは、本発明の例示的な実施形態による例示的なハブの設計を示す。ハブ540は、本体582及び後部584から成る。本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、本体582は接着層580を用いて外管502に装着されている。後部584は選択的に透過性で、その内部にて内管504の伸長が観察出来るようになっている。
【0177】
後部584は選択的にスナップ接続586、または半回転ロック接続といった簡便な接続を用いて本体582に装着されている。
【0178】
外管502が前進すると、後部584が抜去され、バルーン518を膨張させるために内管504が充填される。本発明の例示的な実施形態では、内管504の近位部590にキャップ592が設けられる。選択的に、このキャップはネジ蓋である。代替的に、スナップ蓋である。本発明の一部の実施形態の動作中、キャップ592が脱落しないようハブの基部540は内管504の基部よりも通常大きい点に留意すべきである。この設計では、注入口542からの流体が内管504を全面から包囲する。キャップ592の周囲には通常、流体が流動するのに十分な空間があり、ハブ基部540の全体に均一の圧力がかかるようになっている点にもまた留意すべきである。
【第二シール及び液体内のガイドワイヤを伴う変型】
【0179】
図6は、それぞれ独立して使用可能な複数の特徴を備えたカテーテル600を示す。図6に示す第一の特徴は、外管602がその遠端にシール614を係止する抑止体648を有することである。シール614はまた内管の抑止体としても動作する(例えば、図4の449と同様に)。選択的に、これにより、バルーンカテーテルへのシール614の装着を必要とするのみで、内管604として動作する標準的なバルーンカテーテルの使用が可能になる。選択的に、抑止体648は漏出を防止する、または予備の、第二シールとして作用する。
【0180】
この設計の想定される不利点は、シール614及びカテーテル600の遠位部への押力の付加点が、バルーン尖端618から伸長最大長分離間される点にある。
【0181】
図6に示す他の特徴は、バルーン618への貫通口624が、シール614付近にある点である。これにより、ガイドワイヤ108はボリューム616内の二本の管の間を通過し、選択的にカテーテルの基部640内の出口650から出る。選択的に、ガイドワイヤの作動流体との接触を避けて搬送するために、特殊な管が設けられる。代替的にまたは付加的に、漏出する流体がごく微量または皆無となる程度の狭小ルーメン(図示せず)が内管604内のガイドワイヤ108に対して設けられる。
【0182】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、貫通口624はシール614の遠位にあり、シール614を通過するガイドワイヤ108の経路として開き口がある(図示せず)。選択的に、上に記述の通り、バルーン618付近に貫通口を設ける。内管604膨張のための着脱可能なキャップ651を示す。選択的に、内管604が潰れないよう、内管604はバルーンを膨張させるより前であっても部分的に流体を充填される。代替的に、そのような潰れは、カテーテルが挿入される際の撚れや屈曲による管の間のボリュームの閉塞を防ぐという点で有効である。
【カテーテル尖端付近に付加される押力の変型】
【0183】
図7は、図6のカテーテルシステムに類似のカテーテルシステムで、外管702の抑止体748が内管704に接触しない。代わりに、シール714は内管704と外管702間のボリューム716と連続したルーメンを有する延長部715を含む。延長部715は抑止体748を通過する構成となっている。この方法により、液体コラムが実質的にバルーン718へ(または所望に応じてそれより手前まで)到達する。選択的に、図示の通り、抑止体748はシール714の近位部を係合及び係止する構成にする。
【0184】
この設計の想定される利点は、外管702と内管704間のシールが二つの接触する面(抑止体748及びシール714)を形成している点にあり、この接触は伸長過程の大半においては選択的に無く、可能性により摩擦を低減させる。ある程度の密封状態は選択的に、シール714によって抑止体748に接触することなく提供される。代替的に、抑止体748は延長部715と接触し、選択的に密着する。選択的に、図示の通り、シール714の端部は、一旦伸長が完了した際の内管704の後退を防ぐための歯止装置を有する。代替的に、図示の設計は、外管702の端からシール714を取り外すために使用される。代替的にまたは付加的に、取り外し用の突起物(offsetting protrusion)(例えば、抑止体748の近位で、例えば5mmの位置に)が外管702の内部に設けられる。
【0185】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、ガイドワイヤ108はシール714内の貫通口を通過する。
【単一流体ルーメンのカテーテル】
【0186】
図8Aは、伸長及びバルーン膨張の両方に単一のルーメンが使用される、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステム800を示す。カテーテルシステム800は、外管802、及びルーメン806を伴う内管804を有する。カテーテル400とは異なり、カテーテルシステム800を伸長させるための作動流体はルーメン806内に存在する。カテーテルシステム800の基部840にある流体の注入口842を通して液体が注入されると、内管804及びこれに装着されたバルーン818が伸長する。図示の実施形態では、ルーメン806は押力を付加する箇所となるバルーン818の尖端まで抑止されずに前進する。二本の管の間のボリューム816には、選択的に潤滑剤が塗布される。代替的にまたは付加的に、二本の管の一方または両方は、例えば米国Boston Scientific製Rotaglideといった例えばシリコン塗装または親水性塗装の低摩擦性の塗装材により塗装される。代替的にまたは付加的に、一部の作動流体が内管の抑止体849を通してボリューム816内へ漏出する。外管の抑止体849は、そのような漏出物が血流へ流れるのを防ぐため、選択的に密封する作用を持つ。
【0187】
選択的に、外管802と内管804間の抑止体は、作動流体を血液へ流入させない、及び/または血液を作動流体へ流入させないという役割を持つ。選択的に、カテーテルの基部の最も近位にあるシールは作動流体を封入し(例えば、シール514の設計を利用し、内向きにする)、またカテーテル尖端の最も近位にあるシールは血液を封止する(例えば、シール514の設計を利用し、外向きにする)。
【0188】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、バルーン818は、最低限の膨張圧力が、伸長に要される圧力よりも高いバルーンを使用して膨張される。一例では、伸長には4または2バールの圧力が用いられ、バルーン818の膨張には少なくとも10または15バールが用いられる。他の実施形態では、例えば屈曲部が多くある場合、前進するための圧力は例えば10または15気圧まで増加し、またバルーン用には15から20気圧、またはそれ以上になる。他の実施形態では、前進の方が容易であり、例えば2気圧未満の圧力は前進のために作用するが、4気圧以上の圧力はバルーン膨張のために作用する。選択的に、作動流体内で高圧かつ膨張に適した圧力に達しないよう、圧力解放弁850が基部840に設けられる。一旦バルーン818が膨張されると、弁は例えば調節、解除、または除去される。代替的にまたは付加的に、任意の圧力弁852がルーメン806とバルーン818の間に設けられ、高圧の場合にのみ解放される。代替的に、下に記述の通り、手動により作動する弁が使用される。
【0189】
選択的に、例えば下に記述の通り、バルーン818が閉塞物を通過して前進するのを支持するため、ルーメン806内に押進または振動させるためのワイヤが挿入される。これは、選択的に圧力解放弁850の開口部を通して行われる。
【0190】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、バルーン818が膨張される際、外管802と内管804は互いに対してロックされる。一つの実施形態では、内管804は単純にその端まで前進し、その後(または同時に)バルーン818が狭窄部106に対して正しい位置に来るよう、カテーテル全体が必要に応じて後退させられる。選択的に、図4Cに記載される引張ワイヤがそのような場合のロックに使用される。
【0191】
図示の実施形態では、ガイドワイヤ108はバルーン818の基部にあるガイドワイヤ口824を通してバルーン818から出ると、カテーテル800の外部を移動する。図示の実施形態では、ガイドワイヤ108を配置するための経路856と共に外部ホルダー854が設けられる。
【コイル状格納部】
【0192】
図8Bは図8Aの変型で、独立したバルーン膨張管860が設けられている。この管は格納部862内で選択的に巻回している。錐状のガイド口868が選択的に設けられており、膨張管860の巻回部864が内管804に引張されて直線状になるのを支持する。膨張管860の近位側は、選択的にバルーン膨張口866へ装着される。
【0193】
選択的に、カテーテル伸長に対する阻害を最小限とするよう、及び/または膨張管860への圧力がバルーン818を膨張させることを防ぐため、膨張管860は空のまま維持される。代替的に、膨張管860が例えば格納部862から出るのを支持するため、またはその撚れや積重を防ぐために、流体の一部の量が膨張管860内に保持される。例えば図4など、本発明の一部の実施形態では、内管と、内管の変形により損傷する可能性のある外管との間の密封を確保するため、内管(404)内に一部の量の流体を備える方が望ましいという点に留意すべきである。
【外部格納部】
【0194】
図8Cは、膨張管860がカテーテル外部に格納される変型を示し、例えば外部流体注入口872を伴う開口部870を通して基部840を出る。このような場合、膨張管860は選択的に、図4Cに記載したような抑止機構として作用する。該実施形態及び他の実施形態では、管の部分が選択的に密封を支持するために使用される。例えば、基部840内で管861は膨張管860を包囲し、開口部870の作動流体からの密封を支持し、及び/または膨張管860が開口部870により圧縮されるのを防ぐ。管861と膨張管860間の密着は、シール機能を提供するため選択的に比較的緊密である。選択的に、密封を強化するために適切な密閉剤または塗装が施される。
【0195】
選択的に、該実施形態または他の実施形態における管861などの管は、カテーテルのハブと外管の間の密封のために使用される。
【曲折ルーメン】
【0196】
図9Aは、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステム900を示し、その内管904は人体の外部で曲折している。内管904の単一のルーメン906が、例えば図8Aに記載の通り使用される。人体外で曲折することにより、体内で可能または妥当な大きさよりも、大きな口径の格納部を使用することが出来る。ただし、本発明の一部の実施形態では、小口径のカテーテルに対して格納領域を提供する目的で、口径の大きな血管内部を体外に見立てて扱う場合がある点に留意すべきである。
【0197】
図示の実施形態では、内管904の曲折部950が軸方向に曲折しており、折り畳まれたアコーディオンと類似の形状を成している。曲折部950は、選択的に例えば格納管952内など体外に格納される。選択的に、例えば1メートルの長さを持つ外管902が設けられ、その内部に内管904の対応する節954が曲折しない状態で配置される。送りノズル956は、選択的に曲折部950を内管904内またはシース(図示せず)内に送出する。
【0198】
図9Cは、アコーディオン形状が軸方向に伸張された際の曲折部950の例示的な設計を示し、襞(バルーンに見られるような物)が、選択的に所定の折れ線に沿って形成されている。これらの襞は、送りノズル956を通して曲折部950が引張される際、曲折部950に沿って曲折される。選択的に、好ましくない地点で伸張するのを防ぐため、引張力のある材質によるリングが曲折部950内(及び/または下に記述する他のアコーディオン管)に設けられる。曲折部950は選択的に、内管904の膨張により、複数の分割され軸方向に伸張する領域を伴う形状として形成される。
【0199】
再び図9Aでは、送りノズル956がこのような襞を形成及び/または曲折するのを支持するため、内管またはワイヤ958が選択的に設けられる。選択的に、内管958内に、襞を外側に押圧する流体を入れる一または複数の開口部960を設ける。
【0200】
使用時、カテーテル900の基部940の流体口942を経由した流体の圧力が上昇する。増加した流体の容積が、カテーテル900のバルーン918を押圧し、曲折部950の一部を送りノズル956から前方へ引張する。
【0201】
選択的に、バルーン918の前進を選択的に抑止し、及び/またはバルーン918を前進させずに膨張させるワイヤ943が設けられる。選択的に、ワイヤ943がカテーテル900の軸方向に装着されていない場合、圧力の付加及びワイヤ943の前進抑制による複合効果により、バルーン943の尖端が転向する場合があり、これは誘導に使用することが出来る。類似の機構は本発明の他の実施形態で同様に使用可能である。
【0202】
図9Bは、上昇した圧力(例えば、バルーン膨張の圧力)がワイヤ943のロックを行うという、自己密封型の弁口947の例示的な設計を示す。図示の設計では、弁口947の錐状部945が(基部940内に形成された)弁口947内へと押圧される。圧力が上昇すると、更に押圧が強くなる。錐状部は、ワイヤ943上に上昇した圧力を生じ、これにより摩擦力が増加して、錐状部は更に押圧される。選択的に、弁口947は即応性にすることが出来る。代替的に、遅応性にすることが出来る。一旦作用した後は、弁口947は手動にて押入することにより選択的に解除出来る。
【二重曲折ルーメン】
【0203】
図10は、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステム1000を示し、独立した管1060がカテーテルシステム1000のバルーン1018の膨張のために設けられている点以外は図9Aに類似している。図示の実施形態では、管1060もアコーディオン状に曲折されている。ただし、例えばカテーテルシステム1000の基部1040の外部で巻回または曲折または伸張する等、異なる方法で格納される。図9Aのような送りノズル956は選択的に設けられる。
【0204】
本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、基部1040は二つの開口部を有し、一つはバルーン1018の膨張用、また一つはその内管1004の伸長用である。代替的に、図示の通り、選択的に管1060または内管1004へ接続が可能な単一の注入口1042が使用される。図示の方法では、注入口1042は回転部1062上に設けられ、片寄せ軸のルーメン1064を有する。基部1040は、二つの片寄せルーメンを異なる角度位置に有し、ルーメン1066は外管1002に接続され、ルーメン1068は管1060に接続される。回転部1062は、自身のルーメン1064を一方のルーメン1066または他方のルーメン1068と選択的に整列させ、上昇した流体圧力の作用を選択する。
【軸方向に曲折したルーメン】
【0205】
図11は、本発明の例示的な実施形態による、単一のルーメンが軸方向の折り目により曲折されたカテーテルシステム1100を示す。内管1104の屈曲部1150は体外の格納管(または他の形状)1152に格納される。流体による圧力が注入口1042から付加されると、カテーテル1100のバルーン部1118が前方に押進され、内管1104が後方に引張される。これにより、屈曲部1150の一部が展開され、遠位に搬送される。図9Aのように、外管及び/または送りノズルが選択的に設けられる。選択的に、曲折を支持するため、少なくとも屈曲部1150が漸減される。
【曲折したバルーン管】
【0206】
図12は、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステム1200の後部を示し、カテーテル1200のバルーン部1218(図示せず)に独立した管1260が設けられている。
【0207】
この後部は、ここに記載される、バルーン1218の膨張用に独立した管が設けられるカテーテル設計の多数に使用され、例えば図6から8、10、及び11に使用される。例えばカテーテルシステム1000の場合、バルーン管1260は格納管1052の近位にある格納部1252内で曲折される。送りノズル1256は、送り管(feeding tube)1260に選択的に設けられる。類似の設計(またはここに記載の他の格納設計)が、これらの実施形態または他の実施形態の内管に使用される。また、図中には示されていないが、様々な実施形態で、独立したバルーン膨張管が設けられている点に留意すべきである。
【0208】
管1260の口径は、ルーメン1206の口径よりも大幅に小さい物として示されているが、同等の口径とすることも、あるいは内管として作用させることも可能である(例えば図6または図4内カテーテル600の内管604と同様に)。管1260は、襞状に曲折した物が示されているが、他に、例えばコイル状または螺旋状(例えば図8B及び8C)に配置してもよい。使用時、流体圧力は注入口1242から付加され、これがバルーン部1218を押進し、管1260を格納部1252から引出する。選択的に、管1260に独立した注入口1264が設けられる。
【0209】
選択的に、格納部1252を柔軟にして、そこへ(例えば、近接する送りノズル1256)圧力を付加することにより管1260の搬送を停止し、かつ可能性によりカテーテルの伸長を休止することが出来るようにする。
【0210】
代替的にまたは付加的に、格納部1252は作動流体圧力の上昇に対応するため圧搾可能とするか、圧搾可能容器に装着する。
【機械式押力の付加】
【0211】
図13は本発明の例示的な実施形態による単一のルーメン1306を伴うカテーテルシステム1300を示し、バルーン部1318の膨張を選択的に許容するための、機械式に作動する弁1370が設けられている。概して、カテーテルシステム1300は、内管1304のルーメン1306内の流体圧力の上昇により内管1304が外管1302に対して前進するという点で、カテーテル800(図8A)と同様である。
【0212】
ただし、図8Aの実施形態とは異なり、バルーン1318内への流体の不慮の進入を防ぐために弁1370が設けられている。図示の実施形態では、弁1370のガスケット部1372が選択的に、バルーン1318の注入口1374への流体の流入を抑止している。選択的に、注入口1374はバルーン1318の基部に設けられた開口部で、ガスケット1372の前方への動きに対するリミッタ1380としても作動する。一旦内管1304の前進が行われると、ガスケット1372に装着されたワイヤ1376が後方に引張され、注入口1374の密封を解除する。ガスケット1372は選択的に、例えばがガスケット1372の後退を制限するため、リミッタ1380(図示せず)に装着される。
【0213】
弁が解放されると、ルーメン1306内の流体圧力の上昇により、バルーン1318が膨張する。内管1304は選択的に、最後まで前進させられるか、または必要以上の伸長を防ぐため、例えば外部にブレーキを装着するか、または図4Cのように独立した抑止ワイヤを設けることにより、外管1302にロックされる。ガスケット1372が過剰に後退するのを抑止するため、逆行リミッタ1380が選択的に設けられる。
【0214】
選択的に、ガスケット1372が逆行リミッタ1380に到達するとルーメン1306内の流体のそれ以上の流動が阻止され、及び/または流体がバルーン1318を後退させるために使用される。代替的に、ガスケット1372は可撓性とするか、または抑制用開口を設け(stop apertured)、流動が停止しないようにする。選択的に、内管1304及び/またはカテーテル1300を後退させる際に、ルーメン1306からの流体がバルーン1318に入りこれを再度膨張させないようにする上で有用である。
【0215】
選択的に、ワイヤ1376は、例えば閉塞物を超過した場合や短距離の場合、バルーン1318及び/または内管1304を後方に引張するために、リミッタ1380に反して後退させることが出来る。選択的に、ワイヤ1376は、カテーテル1300の基部1340にあるワイヤ口1382を通して設けられる。例えば図4Cの、上昇した流体圧力が密封を強化するという開口部の設計が使用される。
【0216】
弁1370のこの設計は、ワイヤ1376が意図的に操作されない限り自動的に作動し、流体圧力の上昇に従い弁1370が閉鎖され、バルーンのそれ以上の膨張は阻止されるという点に留意すべきである。
【0217】
閉塞物(例えば、血管の狭窄部または狭窄部106)に前進した内管1304が到達すると、衝動的な圧力による推進力が付加される。弁1370の自動的な閉鎖によりバルーン1318の不慮の膨張が選択的に回避される。
【0218】
バルーン1318に押力を付加し、閉塞物を通過して前進するため、またはバルーン1318を短距離(例えば10mm)または長距離(例えば100mm)前進させるために、代替的にまたは付加的に、ワイヤ1376が使用される。代替的にまたは付加的に、例えば閉塞物を通過して進めるため、ワイヤ1376はバルーン1318を振動させるために使用される。このように、ワイヤ1376はカテーテル1300の前部へ機械的押力を付加するために使用される。選択的に、バルーン1318は押進により通過した狭窄部の拡張を支持するため、僅かに膨張される。
【0219】
本発明の一部の実施形態において、内管1304、あるいは単一の管のみが設けられている場合はルーメン1306内の液体コラムに代わってカテーテル1300を伸長させるために、ワイヤ1376が使用される。
【0220】
選択的に、ワイヤ1376は湾曲され、誘導に使用される(カテーテル1318を転回させる)。
【代替的逆行リミッタ】
【0221】
図14A及び14Bは、カテーテル1300と類似し、弁1470内に異なる逆行リミッタ1478を伴った、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステム1400を示す。図14Aは概要を示す物であり、図14Bは図14Aのカテーテルの特定の器具であり、概して同一の縮尺に従っている。
【0222】
図13のリミッタ1378とは異なり、リミッタ1478は内径に沿って形成されるスロットを伴った環状で、スロット部の口径はガスケット1472の口径よりも大きく、また非スロット部の口径はガスケット1472の口径よりも小さい。このため、ガスケット1472がリミッタ1478に反して後部に引張されても、リミッタ1478を通過した流体の流動が可能である。選択的に、内管1404のルーメン1406の口径は、リミッタ1478の箇所でガスケット1472よりも大きくなっている。
【0223】
代替的な実施形態では、ガスケット1472の後部1488はスロットが設けられた錐状で、またリミッタ1478として平リングが使用される。該実施形態では、ガスケット1472の最大口径は、リミッタ1478がある箇所の内管1402の内径よりも小さい。注入口1474の口径がルーメン1406よりも小さい場合、ガスケット1472の口径は選択的にルーメン1406の口径よりも実質的に小さくなる。
【0224】
弁1470のワイヤ1476を後方に引張または停止させることにより、バルーン1418が膨張される際に内管1404の前進を防ぐことが出来る点に留意すべきである。
【0225】
ここに記述される弁は、例えば体内の血液及び/または血圧の選択的なサンプル抽出、或いは薬剤または造影剤の注入等、他の目的にも使用される場合がある点に留意すべきである。このような流体は、ルーメンを経由して注入または摘出(該実施形態または他の実施形態において)することが可能であり、このルーメンはそれ以外の場合にはバルーン1418への加圧に用いられる。
【0226】
図14Bは、カテーテル1400の器具の断面図であり、概して同一の縮尺に従っている。図示の器具は、逆行リミッタ1478が軸方向に細長のスロット1479を伴う長尺の管である。
【回転弁】
【0227】
図15A及び15Bは、図13に類似した、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステム1500で、回転弁1570の設計を伴う。ここでも、図15Aは概要を示す図であり、図15Bは、概して同一の縮尺に従っている。
【0228】
カテーテル1500では、ガスケット1572がワイヤ1576により選択的に回転し、共に軸が一致する開口部1592とバルーン注入口1574が、選択的に一致する。選択的に、ガスケット1572は弓状スロット1594に嵌入し、自身の逆行を抑止する。スロット1594は選択的に、近接するバルーン注入口1574から分離する。選択的に、軸方向にスロット1594を越えた付近に、突出する例えば楔等の回転抑止体1596が設けられ、弁の開き状態及び/または単に使用中であることを確認可能にする。例えば、時計回りに最大限回転させることにより、弁の開放を示し(または生じさせ)、反時計回りに最大限回転させることにより、弁の閉塞を生じさせる。代替的にまたは付加的に、スロット1598がガスケット1572上に形成され、弓形部分のみに延出し、弁1570の非可動部分に連結された楔または弓部1599に乗載する。
【内部及び外部機構】
【0229】
ここに記載の実施形態では、内管の動作及び外管の機構の両方を述べる。内管の機構により想定される利点には、周囲の管または体腔との摩擦が少ないこと、小口径、伸長及びバルーン膨張用に内管が使用されること、が含まれる。外管の機構により想定される利点には、尖端にて押力が増加することと、漏出に対する密封性が高まることが含まれる。当然ここに示す設計は、内管及び外管の機構を維持の上変更してもよい。
【0230】
同様に、内管内または二本の管の間に作動流体を維持した変形には利点及び不利点がある。一つの検討材料は、密封性である。他の検討材料には、カテーテル尖端からの押力付加の距離がある。他には、流体圧力の有効な断面積がある。
【0231】
シールを通過した(またはシールがない場合の)流体の滲出は、圧力解放弁として作用し、過圧を防ぐという利点があることに留意すべきである。一部の実装では、高圧により制御性が低下する場合があり、動作停止や急進を生じる可能性がある。不慮の圧力上昇が生じた場合に、滲出はこのような圧力を低下させ、制御性を向上させる。他の実施形態では、このような滲出が、場合により薬剤を含む作動流体を所望の領域に供給するために用いられる。生理食塩水の滲出は、通常生理学的に問題ない点に留意すべきである。
【膨張管外部】
【0232】
図16は、バルーン膨張管1605が内管1604の外部にあるカテーテルシステム1600を示す。使用時、注入口1642から基部1640に圧力が付加され、内管1604を外管1602に対して前進させる。一旦前進が完了すると、内管1604は抜去され、バルーン1618の膨張に膨張管1605が用いられる。
【器具】
【0233】
上の記述は、カテーテルを使用するために備えられた器具としてのバルーンを中心に行った。バルーンに付加的または代替的に、他の器具を用いてもよい。一例では、造影剤または薬剤といった他の流体を投与するためにルーメンが用いられる。代替的にまたは付加的に、そのような薬剤を投与するためのバルーンは滲出性のバルーンである。代替的にまたは付加的に、バルーンは放射線治療を行うために使用される。
【0234】
代替的にまたは付加的に、動脈瘤治療用コイル、ガスケット、高周波アブレーション(ルーメンを介してワイヤを用いる)、ドリル、鉗子、閉鎖装置(例えば中隔欠損のため)といった他の器具が用いられる。本発明の例示的な実施形態では、ルーメン内で上昇した圧力を利用して、コイルがルーメンから押出される。他の例では、ルーメン内の引張ワイヤがバスケットを配置するために使用される。これは、一つの器具を作動させる上で二つの役割を果たす場合があり、本発明の一部の実施形態では、バルーンを前進させるために使用される作動流体、及び/またはこの流体を搬送するために使用される管に見られる。
【検査】
【0235】
選択的に、一部または全てのカテーテルに対して、製造中または製造後に一または複数の以下の検査が行われる:
(a)動作特性(例えば押力及び/または力量への反応)が一定であるかを判定;
(b)漏出を判定;及び
(c)カテーテルに沿った一箇所または複数箇所で摩擦(静的及び/または動的)を測定する。
【0236】
選択的に、例えばカテーテル動作(例えば伸長の検査)の確認、漏出の確認、及び/または医師によるカテーテル使用感の把握といった一部の検査は、使用前に体外で行われる。
【0237】
カテーテルに流体を充填する際、ハブを上に、バルーンを下にして保持し、カテーテルに流体を少量滴下して、空気を除去する処置が選択的に行われる。選択的に、気泡を除去するために振動が用いられる。選択的に、カテーテルは真空中に保管される。
【0238】
上のカテーテルシステムは、概して全ての種類の血管について記述された物であるが、当然のことながら、特定の種類の血管については特別の変更を加えることが望ましい場合がある。例えば、異なる冠状動脈であれば口径及び大動脈からの距離が異なり、従ってカテーテルの長さ、硬度、及び口径が異なるものと考えられる。
【0239】
測定値は、特定のケースにおける例示的な測定値としてのみ提示されるものである。本文中に記述される正確な測定値については、使用例、血管の種類(例えば動脈、静脈、異種移植片、人工血管)、屈曲の数、主要な血管から治療部位までの距離、器具の種類、及び/または使用される血管の口径(例えば1mm、2mm、3mm、5mm、大動脈程度)により異なる場合がある。
【0240】
「管」及び他の幾何学的形状は、一般的な観点から記述及び使用されているが、当然のことながらこの管は、一部の実施形態では完全な管状である必要はなく、また断面は円形である必要はない。
【0241】
当然のことながら、上に記載のカテーテル前進手段及び伸長手段は、各過程の順序及び使用される器具の種類の変更する等、多数の方法で変更が可能である。また、手段及び装置の両方につき各種の特徴を複合したものを記述した。一部の実施形態では、主として方法が記述されたが、それらの方法を実行する上で構成される装置についても本発明の範囲として含むものとする。当然のことながら、異なる特徴を異なる方法で組み合わせることも可能である。特に、特定の実施形態における上に示した全ての特徴が、本発明の同様の実施形態全てにおいて必要とされる物ではない。例えば、次の特徴は様々な形態で用いることが可能である。シールのタイプ、抑止体のタイプ、片寄せ、作動流体の位置、バルーンのルーメン格納、圧力に基づく制御、伸長コントローラ、及び弁といった特徴である。更に、異なる実施形態に対しても、上に記述した特徴の併用についても本発明の複数の実施形態の範囲内において考慮されるべきである。また、例えばカテーテルを中心とした単一または少数の過程を実行するために適切な医療装置の一式を含む外科処置用器具も本発明の範囲に含まれる。一部の実施形態では、上に記述された一または複数の装置は、一般的に滅菌処理され、装置の寸法及び/または装置が適用される状況を記述した説明書を伴って梱包及び/または販売される。段落の見出しは、実施形態の指針を細くするために設けられた物で、記載内容を見出しのみに限定するために構成された物ではない。各請求項で使用される「有する(comprise)」、「含む(include)」、「持つ(have)」、及びそれらの活用形は、「含むが、必ずしもそれらに限られる物ではない」ということを意味する。
【0242】
本発明は、これまでに記載内容により当業者によって限定されない物とする。本発明の範囲は、本明細書の請求項によってのみ限定される物である。
【図面の簡単な説明】
【0243】
本発明の例示的、かつ非限定的な実施形態を図面を参照して記載する。ここで、一以上の図面に記載される同一の構造、要素、または部分については選択的に同一または類似の番号を付けて表す:
【図1】図1は、本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、使用中にあるカテーテルシステムの概略図である;
【図2】図2は、本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、カテーテルを前進させるシステムの断面図である;
【図3】図3は、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステムを使用する手順のフローチャートである;
【図4A】図4A及び図4Bは、本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、外管に相対的に内管が伸長しているカテーテルシステムを示す;
【図4B】図4A及び図4Bは、本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、外管に相対的に内管が伸長しているカテーテルシステムを示す;
【図4C】図4Cは、本発明の例示的な実施形態におけるカテーテルの抑止機構を示す;
【図5A】図5A及び5Bは、図4A及び4Bの本発明の例示的な実施形態におけるカテーテルシステムの変型で、短型シールが使用されている物を示す。
【図5B】図5A及び5Bは、図4A及び4Bの本発明の例示的な実施形態におけるカテーテルシステムの変型で、短型シールが使用されている物を示す。
【図5C】図5Cは、図5Aの本発明の例示的な実施形態におけるカテーテルの詳細を示しシールを示す;
【図5D】図5Dは、本発明の例示的な実施形態によるハブ部の詳細を示す;
【図6】図6は、本発明の例示的な実施形態の一つにおいて、作動流体と接触するガイドワイヤを伴うカテーテルシステムを示す;
【図7】図7は、図6の本発明の例示的な実施形態による変型のカテーテルシステムの前部を拡大した物で、延長されたシールが使用されている物を示す;
【図8A】図8Aは、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステムで、伸長及びバルーン膨張の両方に単一のルーメンが使用される物を示す;
【図8B】図8B及び8Cは、図8Aのカテーテルシステムの本発明の例示的な実施形態による変型で、バルーンのルーメン装備方法を示す:
【図8C】図8B及び8Cは、図8Aのカテーテルシステムの本発明の例示的な実施形態による変型で、バルーンのルーメン装備方法を示す:
【図9A】図9Aは、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステムで、その内管が本体外で曲折している物を示す:
【図9B】図9Bは、図9Aのハブ基部の、本発明の例示的な実施形態による変型を示す;
【図9C】図9Cは、本発明の例示的な実施形態による襞状管の俯瞰図を示す;
【図10】図10は、カテーテルのバルーン部膨張のために独立した管が設けられている点以外は図9Aに類似の、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステムを示す;
【図11】図11は、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステムで、単一のルーメンが軸方向の折り目により曲折された物を示す;
【図12】図12は、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステムの後部で、カテーテルのバルーン部に独立した管1260が設けられている物を示す;
【図13】図13は、本発明の例示的な実施形態による単一のルーメンを伴うカテーテルシステムで、バルーン部の膨張を選択的に許容するための、機械式に作動する弁が設けられている物を示す;
【図14A】図14A及び14Bは、図13と類似する本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステムで、弁内に異なる逆行リミッタを伴った物を示す;
【図14B】図14A及び14Bは、図13と類似する本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステムで、弁内に異なる逆行リミッタを伴った物を示す;
【図15A】図15A及び15Bは、図13に類似した本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステムで、異なった回転弁の設計を伴う物を示す;
【図15B】図15A及び15Bは、図13に類似した本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステムで、異なった回転弁の設計を伴う物を示す;
【図16】図16は、本発明の例示的な実施形態によるカテーテルシステムで、外部にバルーン膨張管が設けられた物を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管内にて使用されるカテーテルであって:
軸を有する長尺の本体、前記軸に沿ったルーメン、本体の遠端にてルーメン及び前尖端に接続される近位開口部;及び
前記ルーメン内にあり、前記前尖端に対して遠端方向に押力を付加するよう構成された長尺の流体圧力式液体コラム、付加点にて付加される前記押力、を含むカテーテル。
【請求項2】
前記付加点が前記近位開口部よりも前記前尖端の近位にある、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記近位開口部がカテーテル使用時に人体の外にあるよう構成される、請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記カテーテルが、前記液体物質が前記血管中に流出しないよう構成される、請求項1から3のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項5】
前記液体コラムが体外から前進されるよう構成された、請求項1から4のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項6】
前記本体が、前記尖端から前記本体の外へと伸長する曲折した管を含み、前記押力が曲折した管を伸長させる、請求項1から5のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項7】
前記尖端がカテーテル直径の少なくとも5倍の長尺を持つ前記カテーテルの一部に沿って引張し、前記長尺は押力が前記尖端に付加される際に前記尖端によって引張される、請求項1から6のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項8】
前記本体が第一の管である内管及び第二の管である外管を含み、前記二本の管は軸方向に少なくとも一部重複し、前記押力が一方の管を他方の管に相対的に伸長する、請求項1から5のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項9】
前記尖端に押力が付加される際、前記尖端が前記管のうち一方の少なくとも一部を自身と共に引張する、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記引張される部分が、カテーテルが使用される際に人体内で500mmを越えた距離を確実に押進されるには柔軟性が過剰である、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記尖端に押力が付加される際、前記尖端が前記管以外の管に沿って引張する、請求項9から10のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項12】
前記管のうち一方の少なくとも一部はカテーテルが使用させる際に人体外に格納されるよう構成されて、前記カテーテルのカテーテル基部の外に伸長する、請求項9から11のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項13】
前記管のうち一方の少なくとも一部が、カテーテルが使用させる際に人体外に格納されるよう構成され、軸方向に収縮する外形を持つ構成である、請求項9から11のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項14】
前記押力が付加される際に前記内管が伸長する、請求項8から13のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項15】
前記押力が付加される際に前記外管が伸長する、請求項8から13のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項16】
前記押力が付加される際に、前記内管及び前記外管のうち一方のみが実質的に伸長する、請求項8から13のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項17】
前記液体コラムが前記二本の管の間を搬送される、請求項8から16のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項18】
前記液体コラムが前記内管の内部を搬送される、請求項8から16のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項19】
前記尖端に装着される器具を含む、請求項8から18のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項20】
前記器具が前記尖端に装着されるバルーンを含む、請求項19に記載のカテーテル。
【請求項21】
前記バルーンを膨張させるための、ルーメンを伴う独立した管を含む、請求項20に記載のカテーテル。
【請求項22】
前記バルーンが金属性の膨張管に装着される、請求項20に記載のカテーテル。
【請求項23】
前記内管が前記バルーンを膨張させるためのルーメンとして作用する、請求項20に記載のカテーテル。
【請求項24】
前記内管が前記バルーンを膨張させるためのルーメンとして、かつ前記液体コラムのためではなく作用する、請求項23に記載のカテーテル。
【請求項25】
前記バルーンが前記液体コラムを搬送するルーメンを経て膨張される、請求項20に記載のカテーテル。
【請求項26】
前記バルーンが、前記カテーテルの伸長に使用されるよりも高い圧力を使用して膨張される、請求項25に記載のカテーテル。
【請求項27】
前記バルーンへの流体の流入を選択的に許容するための弁を前記バルーンに含む、請求項25に記載のカテーテル。
【請求項28】
前記弁が感圧弁である、請求項27に記載のカテーテル。
【請求項29】
前記弁が外部より作動される弁である、請求項27に記載のカテーテル。
【請求項30】
前記弁が、遮蔽体が注入口から前記バルーンへと後退し、加圧された流体がバルーン内に入ることを許容する抑止弁である、請求項29に記載のカテーテル。
【請求項31】
前記弁が少なくとも二つの構成を持つ回転弁で、前記構成のうち第一の構成から第二の構成に遮蔽体が回転され、前記バルーンに対して注入口を選択的に密封または密封解除する、請求項29に記載のカテーテル。
【請求項32】
前記バルーン膨張管が、カテーテルが使用させる際に人体の外に格納されるよう構成される、請求項21に記載のカテーテル。
【請求項33】
前記管が軸方向に屈曲された状態で格納される、請求項32に記載のカテーテル。
【請求項34】
前記管が少なくとも50mm伸長するよう構成される、請求項8から33のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項35】
前記管の一本が少なくとも150mm伸長するよう構成される、請求項8から33のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項36】
前記管の一本が少なくとも250mm伸長するよう構成される、請求項8から33のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項37】
前記管の一本が伸長するのは500mm未満となるよう構成される、請求項8から33のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項38】
二本の管の間における、所定の距離を超えた相対的な動きを防止するための少なくとも一つの抑止体を含む、請求項8から33のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項39】
前記抑止体の少なくとも一つが前記本体の外側にある、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項40】
前記抑止体の少なくとも一つが前記流体と接触しない、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項41】
前記抑止体の少なくとも一つが、前記カテーテルの外に伸長するワイヤと、前記ワイヤ上に少なくとも一つの可動ブレーキ部と、を装着されて含む、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項42】
前記抑止体が掛合時に液体の流過を防止する、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項43】
前記抑止体が掛合時に液体の流過を防止しない、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項44】
前記抑止体が伸長管の近位端から50mm以内の距離に配置される、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項45】
前記抑止体が伸長管の近位端から少なくとも50mmの距離に配置される、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項46】
前記管が最大限に伸長される際、前記抑止体が非伸長管の遠位端に配置される、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項47】
前記管が最大限に伸長される際、前記抑止体が非伸長管の遠位端から50mm未満の間隔を設けた位置に配置される、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項48】
軸方向に間隔を設けた複数の抑止体を含む、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項49】
前記抑止体が軸方向に5mm未満の長さの要素である、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項50】
前記抑止体が軸方向に5mmより長い要素である、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項51】
前記管の間に少なくとも一つのシールを含む、請求項8から50のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項52】
前記少なくとも一つのシールが特定の外管の内径に適合する、請求項51に記載のカテーテル。
【請求項53】
前記少なくとも一つのシールが外管の内径の範囲に適合する、請求項51に記載のカテーテル。
【請求項54】
前記少なくとも一つのシールが軸方向に間隔を設けた複数のシールを含む、請求項51に記載のカテーテル。
【請求項55】
前記少なくとも一つのシールが単一のシールのみから成る、請求項51に記載のカテーテル。
【請求項56】
前記少なくとも一つのシールが前記一本の管の過剰な伸長を防ぐための抑止体として作用する、請求項51に記載のカテーテル。
【請求項57】
所定の距離を超えた伸長の過程を防止する伸長リミッタを含む、請求項8から56のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項58】
前記所定の伸長の過程の制限はユーザにより設定可能である、請求項57に記載のカテーテル。
【請求項59】
前記内管を前記外管に対して選択的に固定し運動を防止するよう構成されたロックを含む、請求項8から58のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項60】
前記本体に前記他の管を選択的に連結させるよう構成されたロックを含む、請求項8から59のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項61】
作動流体を特定の流体圧力から解放するよう構成された圧力弁を含む、請求項8から60のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項62】
前記一本の管の伸長を制御するよう構成されたコントローラを含む、請求項8から61のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項63】
前記コントローラが、制御された分量の前記管を伸長させるよう構成される、請求項62に記載のカテーテル。
【請求項64】
前記コントローラが、前記液体に付加される圧力のレベルを設定することによって前記管を伸長するよう構成される、請求項62に記載のカテーテル。
【請求項65】
前記コントローラが前記カテーテルを前進させるよう構成される、請求項62に記載のカテーテル。
【請求項66】
前記コントローラが、前記カテーテルのロックを前記カテーテルのバルーン部の膨張と同期させるよう構成される、請求項62に記載のカテーテル。
【請求項67】
前記コントローラが、前記管を前記カテーテルに対して抜去するよう構成される、請求項62に記載のカテーテル。
【請求項68】
前記コントローラが、前記抜去を前記カテーテルの前進と同期させるよう構成される、請求項67に記載のカテーテル。
【請求項69】
前記管を包囲する案内シースを含む、請求項8から68のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項70】
前記カテーテルが乗載するよう構成されるガイドワイヤを含む、請求項8から69のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項71】
カテーテル使用時に、前記ガイドワイヤが前記内管内を通過し人体の外へ送出されるよう構成される、請求項70に記載のカテーテル。
【請求項72】
カテーテル使用時に、前記ガイドワイヤが前記内管内と前記外管の間を通過し人体の外へ送出されるよう構成される、請求項70に記載のカテーテル。
【請求項73】
カテーテル使用時に、前記ガイドワイヤが前記外管の外を通過し人体外へ送出されるよう構成される、請求項70に記載のカテーテル。
【請求項74】
カテーテル使用時に、前記ガイドワイヤが案内シースの外側を通過し人体外へ送出されるよう構成される、請求項70に記載のカテーテル。
【請求項75】
前記尖端に一つのバルーンを含む、請求項70に記載のカテーテル。
【請求項76】
前記ガイドワイヤが前記バルーンの膨張ルーメン内を通過する、請求項75に記載のカテーテル。
【請求項77】
前記ガイドワイヤが、前記バルーンに近接する前記バルーンからの近位の貫通口を含む、請求項75に記載のカテーテル。
【請求項78】
前記バルーンには、前記ガイドワイヤが送出される肉厚の基部がある、請求項77に記載のカテーテル。
【請求項79】
前記送出される開口部が前記バルーンから20mm未満にある、請求項77に記載のカテーテル。
【請求項80】
前記ガイドワイヤが前記バルーンの膨張ルーメン内を通過する、請求項77に記載のカテーテル。
【請求項81】
前記ガイドワイヤは、前記非伸長管の最遠端点より先の位置で、前記伸長管から前記カテーテルの外へ出る、請求項75に記載のカテーテル。
【請求項82】
前記ガイドワイヤは、前記非伸長管の最遠端点より先の位置で、前記伸長管から前記カテーテルの外へ出る、請求項75に記載のカテーテル。
【請求項83】
前記ガイドワイヤが二本の管の間のシールを通過する、請求項75に記載のカテーテル。
【請求項84】
前記ガイドワイヤが前記カテーテル内にある前記液体コラムの液体経路を通過する、請求項75に記載のカテーテル。
【請求項85】
前記ガイドワイヤが前記カテーテル内にある前記液体コラムの液体経路の外のみを通過する、請求項75に記載のカテーテル。
【請求項86】
前記内管が流体制御のために製造されたのではない標準的なバルーンカテーテルを含み、前記液体は前記外管と前記標準的バルーンカテーテルの間を搬送される、請求項8から85のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項87】
前記内管は調節可能なシールを装着された標準的なバルーンカテーテルを含み、前記液体は前記外管と前記標準的バルーンカテーテルの間を搬送される、請求項8から85のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項88】
前記外管が案内カテーテルである、請求項87に記載のカテーテル。
【請求項89】
前記外管が3mm未満の外径を有する、請求項8から88のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項90】
前記外管が2mm未満の外径を有する、請求項8から88のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項91】
前記外管が1mm未満の外径を有する、請求項8から88のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項92】
前記内管が1.5mm未満の外径を有する、請求項8から91のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項93】
前記内管が0.5mm未満の外径を有する、請求項8から91のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項94】
前記付加点が前記カテーテルの最遠位点から500mm未満である、請求項1から93のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項95】
前記付加点が前記カテーテルの最遠位点から350mm未満である、請求項1から93のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項96】
前記付加点が前記カテーテルの最遠位点から70mm未満である、請求項1から93のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項97】
前記付加点と前記尖端の間にオフセット要素を備え、付加点が前記コラムから前記尖端へ向かう前記押力を伝搬する、請求項1から93のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項98】
前記尖端への第二の押力を付加するよう構成された押進ワイヤを含む、請求項1から97のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項99】
前記押進ワイヤが前記第二の押力を、前記付加点と実質的に同一の軸位置で付加する、請求項98に記載のカテーテル。
【請求項100】
血管中の狭窄部を通過するために適合した、前記ワイヤの短距離の前進を許容するよう構成されたコントローラを含む、請求項98に記載のカテーテル。
【請求項101】
カテーテルが使用される際に人体外に維持されるよう構成された基礎ハブを含む、請求項1から100のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項102】
前記基礎ハブが流体圧力に対して単一のみの注入口を含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項103】
前記基礎ハブが流体圧力に対して複数の注入口を含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項104】
前記注入口の少なくとも一つは、前記注入口内部の流体が5気圧以上にある際に流体の閉鎖を維持するよう構成された被覆体を含む、請求項103に記載のカテーテル。
【請求項105】
前記基礎ハブが圧力解放弁を含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項106】
前記基礎ハブがガイドワイヤ用の開口部を含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項107】
前記基礎ハブが押進ワイヤ用の開口部を含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項108】
前記基礎ハブが弁制御ワイヤ用の開口部を含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項109】
前記基礎ハブは伸長制限ワイヤ用の開口部を含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項110】
前記基部が所定の圧力値を超えて加圧される際に、前記開口部が前記ワイヤをロックするよう構成される、請求項109に記載のカテーテル。
【請求項111】
前記基礎ハブが、カテーテルの流体圧力と複数のルーメンのうちのいずれを連結させるかについて選択するセレクタを含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項112】
前記基礎ハブは開閉可能な開口部を含み、この門部を経由してユーザが選択的にカテーテルのルーメンへ到達するよう構成されている、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項113】
前記開口部が手動により敏速に開けることができるよう構成される、請求項112に記載のカテーテル。
【請求項114】
前記基礎ハブは長尺のカテーテル格納部を含み、前記長尺はそこに格納されるカテーテル部の長さの80%未満である、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項115】
伸長可能なカテーテルであって:
カテーテルが使用される際に、人体外に維持されるよう構成された基部;
ルーメン及び遠尖端を有し、かつ前記基部に格納される曲折部を含む、長尺の本体;及び
前記尖端に近接する前記本体に押力を付加するよう構成された液体コラム、を含むカテーテル。
【請求項116】
前記曲折部が折り畳まれた構成で格納される、請求項115に記載のカテーテル。
【請求項117】
前記曲折部が軸方向に屈曲した構成で格納される、請求項115に記載のカテーテル。
【請求項118】
前記曲折部が巻回された構成で格納される、請求項115に記載のカテーテル。
【請求項119】
前記曲折部が、一部が表裏逆転して軸方向に折り畳まれた構成で格納される、請求項115に記載のカテーテル。
【請求項120】
外管を含み、前記本体が曲折しない状態で前記外管から送出される、請求項115に記載のカテーテル。
【請求項121】
前記曲折部の内側に第二の曲折した管を含む、請求項115に記載のカテーテル。
【請求項122】
前記第二の曲折した管がバルーン膨張管である、請求項121に記載のカテーテル。
【請求項123】
前記曲折部の曲折を展開するための送りノズルを含む、請求項115に記載のカテーテル。
【請求項124】
機械式に作動する流体弁を伴うカテーテルであって:
流体経路を特徴とするルーメンを有する長尺の本体;
前記流体により作動し、前記長尺の本体の遠端部に配置される器具;
前記器具に流体を選択的に伝搬するよう構成された、前記遠端部にある流体弁;及び
前記弁に連結され、前記本体の外に延長する、前記弁を制御するための機械式作動装置、を含むカテーテル。
【請求項125】
前記器具が流体により膨張されるバルーンを含む、請求項124に記載のカテーテル。
【請求項126】
前記流体により遠位に伸長される遠端部を有するよう構成される、請求項124に記載のカテーテル。
【請求項127】
前記作動装置が前記弁を回転させる、請求項124に記載のカテーテル。
【請求項128】
前記作動装置が前記弁の遮蔽部を後退させる、請求項124に記載のカテーテル。
【請求項129】
前記作動装置が前記弁の遮蔽部を後退させ、最大限に後退させた位置にて遮蔽部が前記ルーメンから前記器具への流体の経路を許容する、請求項128に記載のカテーテル。
【請求項130】
カテーテルにより搬送される器具を配置する方法で:
体内の血管へ伸長可能なカテーテルを挿入すること;及び
カテーテルの遠端部を、少なくとも50mmの距離を伸長させて対象領域に到達させること、を含む方法。
【請求項131】
前記伸長部の遠端にて前記器具を作動させること、を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
前記伸長が、前記カテーテルに流体圧力を加えることにより伸長すること、を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項133】
前記器具がバルーンを含む、請求項130に記載の方法。
【請求項134】
挿入が、ガイドワイヤに沿って挿入すること、を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項135】
挿入は案内カテーテルまたはシースを通して挿入すること、を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項136】
前記カテーテルを前記伸長の後に前進させること、を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項137】
カテーテルを検査する方法で:
カテーテルを液圧の圧力源に装着すること;及び
カテーテルの遠端部を少なくとも50mm伸長させるために前記圧力を上昇させること、を含む方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管内にて使用されるカテーテルであって:
軸を有する長尺の本体、前記軸に沿ったルーメン、本体の遠端にてルーメン及び前尖端に接続される近位開口部;
前記長尺の本体が第二の長尺の本体部に対して軸方向へ少なくとも50mmの運動を行うよう構成された、長尺の本体部;及び
前記ルーメン内にあり、前記前尖端に対して遠端方向に押力を付加するよう構成された長尺の流体圧力式液体コラム、付加点にて付加される前記押力、前記尖端を前記長尺の本体に対して少なくとも50mm伸長させるよう構成された前記押力、を含むカテーテル。
【請求項2】
前記付加点が前記近位開口部よりも前記前尖端の近位にある、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記近位開口部がカテーテル使用時に人体の外にあるよう構成される、請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記カテーテルが、前記液体物質が前記血管中に流出しないよう構成される、請求項1から3のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項5】
前記液体コラムが体外から前進されるよう構成された、請求項1から4のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項6】
前記本体が、前記尖端から前記本体の外へと伸長する曲折した管を含み、前記押力が曲折した管を伸長させる、請求項1から5のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項7】
前記尖端がカテーテル直径の少なくとも5倍の長尺を持つ前記カテーテルの一部に沿って引張し、前記長尺は押力が前記尖端に付加される際に前記尖端によって引張される、請求項1から6のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項8】
前記本体が第一の管である内管及び第二の管である外管を含み、前記二本の管は軸方向に少なくとも一部重複し、前記押力が一方の管を他方の管に相対的に伸長する、請求項1から5のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項9】
前記尖端に押力が付加される際、前記尖端が前記管のうち一方の少なくとも一部を自身と共に引張する、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記引張される部分が、カテーテルが使用される際に人体内で500mmを越えた距離を確実に押進されるには柔軟性が過剰である、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記尖端に押力が付加される際、前記尖端が前記管以外の管に沿って引張する、請求項9から10のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項12】
前記管のうち一方の少なくとも一部はカテーテルが使用させる際に人体外に格納されるよう構成されて、前記カテーテルのカテーテル基部の外に伸長する、請求項9から11のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項13】
前記管のうち一方の少なくとも一部が、カテーテルが使用させる際に人体外に格納されるよう構成され、軸方向に収縮する外形を持つ構成である、請求項9から11のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項14】
前記押力が付加される際に前記内管が伸長する、請求項8から13のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項15】
前記押力が付加される際に前記外管が伸長する、請求項8から13のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項16】
前記押力が付加される際に、前記内管及び前記外管のうち一方のみが実質的に伸長する、請求項8から13のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項17】
前記液体コラムが前記二本の管の間を搬送される、請求項8から16のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項18】
前記液体コラムが前記内管の内部を搬送される、請求項8から16のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項19】
前記尖端に装着される器具を含む、請求項8から18のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項20】
前記器具が前記尖端に装着されるバルーンを含む、請求項19に記載のカテーテル。
【請求項21】
前記バルーンを膨張させるための、ルーメンを伴う独立した管を含む、請求項20に記載のカテーテル。
【請求項22】
前記バルーンが金属性の膨張管に装着される、請求項20に記載のカテーテル。
【請求項23】
前記内管が前記バルーンを膨張させるためのルーメンとして作用する、請求項20に記載のカテーテル。
【請求項24】
前記内管が前記バルーンを膨張させるためのルーメンとして、かつ前記液体コラムのためではなく作用する、請求項23に記載のカテーテル。
【請求項25】
前記バルーンが前記液体コラムを搬送するルーメンを経て膨張される、請求項20に記載のカテーテル。
【請求項26】
前記バルーンが、前記カテーテルの伸長に使用されるよりも高い圧力を使用して膨張される、請求項25に記載のカテーテル。
【請求項27】
前記バルーンへの流体の流入を選択的に許容するための弁を前記バルーンに含む、請求項25に記載のカテーテル。
【請求項28】
前記弁が感圧弁である、請求項27に記載のカテーテル。
【請求項29】
前記弁が外部より作動される弁である、請求項27に記載のカテーテル。
【請求項30】
前記弁が、遮蔽体が注入口から前記バルーンへと後退し、加圧された流体がバルーン内に入ることを許容する抑止弁である、請求項29に記載のカテーテル。
【請求項31】
前記弁が少なくとも二つの構成を持つ回転弁で、前記構成のうち第一の構成から第二の構成に遮蔽体が回転され、前記バルーンに対して注入口を選択的に密封または密封解除する、請求項29に記載のカテーテル。
【請求項32】
前記バルーン膨張管が、カテーテルが使用させる際に人体の外に格納されるよう構成される、請求項21に記載のカテーテル。
【請求項33】
前記管が軸方向に屈曲された状態で格納される、請求項32に記載のカテーテル。
【請求項34】
前記管が少なくとも50mm伸長するよう構成される、請求項8から33のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項35】
前記管の一本が少なくとも150mm伸長するよう構成される、請求項8から33のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項36】
前記管の一本が少なくとも250mm伸長するよう構成される、請求項8から33のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項37】
前記管の一本が伸長するのは500mm未満となるよう構成される、請求項8から33のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項38】
二本の管の間における、所定の距離を超えた相対的な動きを防止するための少なくとも一つの抑止体を含む、請求項8から33のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項39】
前記抑止体の少なくとも一つが前記本体の外側にある、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項40】
前記抑止体の少なくとも一つが前記流体と接触しない、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項41】
前記抑止体の少なくとも一つが、前記カテーテルの外に伸長するワイヤと、前記ワイヤ上に少なくとも一つの可動ブレーキ部と、を装着されて含む、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項42】
前記抑止体が掛合時に液体の流過を防止する、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項43】
前記抑止体が掛合時に液体の流過を防止しない、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項44】
前記抑止体が伸長管の近位端から50mm以内の距離に配置される、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項45】
前記抑止体が伸長管の近位端から少なくとも50mmの距離に配置される、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項46】
前記管が最大限に伸長される際、前記抑止体が非伸長管の遠位端に配置される、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項47】
前記管が最大限に伸長される際、前記抑止体が非伸長管の遠位端から50mm未満の間隔を設けた位置に配置される、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項48】
軸方向に間隔を設けた複数の抑止体を含む、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項49】
前記抑止体が軸方向に5mm未満の長さの要素である、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項50】
前記抑止体が軸方向に5mmより長い要素である、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項51】
前記管の間に少なくとも一つのシールを含む、請求項8から50のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項52】
前記少なくとも一つのシールが特定の外管の内径に適合する、請求項51に記載のカテーテル。
【請求項53】
前記少なくとも一つのシールが外管の内径の範囲に適合する、請求項51に記載のカテーテル。
【請求項54】
前記少なくとも一つのシールが軸方向に間隔を設けた複数のシールを含む、請求項51に記載のカテーテル。
【請求項55】
前記少なくとも一つのシールが単一のシールのみから成る、請求項51に記載のカテーテル。
【請求項56】
前記少なくとも一つのシールが前記一本の管の過剰な伸長を防ぐための抑止体として作用する、請求項51に記載のカテーテル。
【請求項57】
所定の距離を超えた伸長の過程を防止する伸長リミッタを含む、請求項8から56のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項58】
前記所定の伸長の過程の制限はユーザにより設定可能である、請求項57に記載のカテーテル。
【請求項59】
前記内管を前記外管に対して選択的に固定し運動を防止するよう構成されたロックを含む、請求項8から58のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項60】
前記本体に前記他の管を選択的に連結させるよう構成されたロックを含む、請求項8から59のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項61】
作動流体を特定の流体圧力から解放するよう構成された圧力弁を含む、請求項8から60のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項62】
前記一本の管の伸長を制御するよう構成されたコントローラを含む、請求項8から61のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項63】
前記コントローラが、制御された分量の前記管を伸長させるよう構成される、請求項62に記載のカテーテル。
【請求項64】
前記コントローラが、前記液体に付加される圧力のレベルを設定することによって前記管を伸長するよう構成される、請求項62に記載のカテーテル。
【請求項65】
前記コントローラが前記カテーテルを前進させるよう構成される、請求項62に記載のカテーテル。
【請求項66】
前記コントローラが、前記カテーテルのロックを前記カテーテルのバルーン部の膨張と同期させるよう構成される、請求項62に記載のカテーテル。
【請求項67】
前記コントローラが、前記管を前記カテーテルに対して抜去するよう構成される、請求項62に記載のカテーテル。
【請求項68】
前記コントローラが、前記抜去を前記カテーテルの前進と同期させるよう構成される、請求項67に記載のカテーテル。
【請求項69】
前記管を包囲する案内シースを含む、請求項8から68のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項70】
前記カテーテルが乗載するよう構成されるガイドワイヤを含む、請求項8から69のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項71】
カテーテル使用時に、前記ガイドワイヤが前記内管内を通過し人体の外へ送出されるよう構成される、請求項70に記載のカテーテル。
【請求項72】
カテーテル使用時に、前記ガイドワイヤが前記内管内と前記外管の間を通過し人体の外へ送出されるよう構成される、請求項70に記載のカテーテル。
【請求項73】
カテーテル使用時に、前記ガイドワイヤが前記外管の外を通過し人体外へ送出されるよう構成される、請求項70に記載のカテーテル。
【請求項74】
カテーテル使用時に、前記ガイドワイヤが案内シースの外側を通過し人体外へ送出されるよう構成される、請求項70に記載のカテーテル。
【請求項75】
前記尖端に一つのバルーンを含む、請求項70に記載のカテーテル。
【請求項76】
前記ガイドワイヤが前記バルーンの膨張ルーメン内を通過する、請求項75に記載のカテーテル。
【請求項77】
前記ガイドワイヤが、前記バルーンに近接する前記バルーンからの近位の貫通口を含む、請求項75に記載のカテーテル。
【請求項78】
前記バルーンには、前記ガイドワイヤが送出される肉厚の基部がある、請求項77に記載のカテーテル。
【請求項79】
前記送出される開口部が前記バルーンから20mm未満にある、請求項77に記載のカテーテル。
【請求項80】
前記ガイドワイヤが前記バルーンの膨張ルーメン内を通過する、請求項77に記載のカテーテル。
【請求項81】
前記ガイドワイヤは、前記非伸長管の最遠端点より先の位置で、前記伸長管から前記カテーテルの外へ出る、請求項75に記載のカテーテル。
【請求項82】
前記ガイドワイヤは、前記非伸長管の最遠端点より先の位置で、前記伸長管から前記カテーテルの外へ出る、請求項75に記載のカテーテル。
【請求項83】
前記ガイドワイヤが二本の管の間のシールを通過する、請求項75に記載のカテーテル。
【請求項84】
前記ガイドワイヤが前記カテーテル内にある前記液体コラムの液体経路を通過する、請求項75に記載のカテーテル。
【請求項85】
前記ガイドワイヤが前記カテーテル内にある前記液体コラムの液体経路の外のみを通過する、請求項75に記載のカテーテル。
【請求項86】
前記内管が流体制御のために製造されたのではない標準的なバルーンカテーテルを含み、前記液体は前記外管と前記標準的バルーンカテーテルの間を搬送される、請求項8から85のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項87】
前記内管は調節可能なシールを装着された標準的なバルーンカテーテルを含み、前記液体は前記外管と前記標準的バルーンカテーテルの間を搬送される、請求項8から85のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項88】
前記外管が案内カテーテルである、請求項87に記載のカテーテル。
【請求項89】
前記外管が3mm未満の外径を有する、請求項8から88のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項90】
前記外管が2mm未満の外径を有する、請求項8から88のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項91】
前記外管が1mm未満の外径を有する、請求項8から88のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項92】
前記内管が1.5mm未満の外径を有する、請求項8から91のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項93】
前記内管が0.5mm未満の外径を有する、請求項8から91のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項94】
前記付加点が前記カテーテルの最遠位点から500mm未満である、請求項1から93のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項95】
前記付加点が前記カテーテルの最遠位点から350mm未満である、請求項1から93のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項96】
前記付加点が前記カテーテルの最遠位点から70mm未満である、請求項1から93のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項97】
前記付加点と前記尖端の間にオフセット要素を備え、付加点が前記コラムから前記尖端へ向かう前記押力を伝搬する、請求項1から93のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項98】
前記尖端への第二の押力を付加するよう構成された押進ワイヤを含む、請求項1から97のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項99】
前記押進ワイヤが前記第二の押力を、前記付加点と実質的に同一の軸位置で付加する、請求項98に記載のカテーテル。
【請求項100】
血管中の狭窄部を通過するために適合した、前記ワイヤの短距離の前進を許容するよう構成されたコントローラを含む、請求項98に記載のカテーテル。
【請求項101】
カテーテルが使用される際に人体外に維持されるよう構成された基礎ハブを含む、請求項1から100のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項102】
前記基礎ハブが流体圧力に対して単一のみの注入口を含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項103】
前記基礎ハブが流体圧力に対して複数の注入口を含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項104】
前記注入口の少なくとも一つは、前記注入口内部の流体が5気圧以上にある際に流体の閉鎖を維持するよう構成された被覆体を含む、請求項103に記載のカテーテル。
【請求項105】
前記基礎ハブが圧力解放弁を含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項106】
前記基礎ハブがガイドワイヤ用の開口部を含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項107】
前記基礎ハブが押進ワイヤ用の開口部を含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項108】
前記基礎ハブが弁制御ワイヤ用の開口部を含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項109】
前記基礎ハブは伸長制限ワイヤ用の開口部を含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項110】
前記基部が所定の圧力値を超えて加圧される際に、前記開口部が前記ワイヤをロックするよう構成される、請求項109に記載のカテーテル。
【請求項111】
前記基礎ハブが、カテーテルの流体圧力と複数のルーメンのうちのいずれを連結させるかについて選択するセレクタを含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項112】
前記基礎ハブは開閉可能な開口部を含み、この門部を経由してユーザが選択的にカテーテルのルーメンへ到達するよう構成されている、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項113】
前記開口部が手動により敏速に開けることができるよう構成される、請求項112に記載のカテーテル。
【請求項114】
前記基礎ハブは長尺のカテーテル格納部を含み、前記長尺はそこに格納されるカテーテル部の長さの80%未満である、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項115】
伸長可能なカテーテルであって:
カテーテルが使用される際に、人体外に維持されるよう構成された基部;
ルーメン及び遠尖端を有し、かつ前記基部に格納される曲折部を含む、長尺の本体;及び
前記尖端に近接する前記本体に押力を付加するよう構成された液体コラム、を含むカテーテル。
【請求項116】
前記曲折部が折り畳まれた構成で格納される、請求項115に記載のカテーテル。
【請求項117】
前記曲折部が軸方向に屈曲した構成で格納される、請求項115に記載のカテーテル。
【請求項118】
前記曲折部が巻回された構成で格納される、請求項115に記載のカテーテル。
【請求項119】
前記曲折部が、一部が表裏逆転して軸方向に折り畳まれた構成で格納される、請求項115に記載のカテーテル。
【請求項120】
外管を含み、前記本体が曲折しない状態で前記外管から送出される、請求項115に記載のカテーテル。
【請求項121】
前記曲折部の内側に第二の曲折した管を含む、請求項115に記載のカテーテル。
【請求項122】
前記第二の曲折した管がバルーン膨張管である、請求項121に記載のカテーテル。
【請求項123】
前記曲折部の曲折を展開するための送りノズルを含む、請求項115に記載のカテーテル。
【請求項124】
機械式に作動する流体弁を伴うカテーテルであって:
流体経路を特徴とするルーメンを有する長尺の本体;
前記流体により作動し、前記長尺の本体の遠端部に配置される器具;
前記器具に流体を選択的に伝搬するよう構成された、前記遠端部にある流体弁;及び
前記弁に連結され、前記本体の外に延長する、前記弁を制御するための機械式作動装置、を含むカテーテル。
【請求項125】
前記器具が流体により膨張されるバルーンを含む、請求項124に記載のカテーテル。
【請求項126】
前記流体により遠位に伸長される遠端部を有するよう構成される、請求項124に記載のカテーテル。
【請求項127】
前記作動装置が前記弁を回転させる、請求項124に記載のカテーテル。
【請求項128】
前記作動装置が前記弁の遮蔽部を後退させる、請求項124に記載のカテーテル。
【請求項129】
前記作動装置が前記弁の遮蔽部を後退させ、最大限に後退させた位置にて遮蔽部が前記ルーメンから前記器具への流体の経路を許容する、請求項128に記載のカテーテル。
【請求項130】
カテーテルにより搬送される器具を配置する方法で:
体内の血管へ伸長可能なカテーテルを挿入すること;及び
カテーテルの遠端部を、少なくとも50mmの距離を伸長させて対象領域に到達させること、を含む方法。
【請求項131】
前記伸長部の遠端にて前記器具を作動させること、を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
前記伸長が、前記カテーテルに流体圧力を加えることにより伸長すること、を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項133】
前記器具がバルーンを含む、請求項130に記載の方法。
【請求項134】
挿入が、ガイドワイヤに沿って挿入すること、を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項135】
挿入は案内カテーテルまたはシースを通して挿入すること、を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項136】
前記カテーテルを前記伸長の後に前進させること、を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項137】
カテーテルを検査する方法で:
カテーテルを液圧の圧力源に装着すること;及び
カテーテルの遠端部を少なくとも50mm伸長させるために前記圧力を上昇させること、を含む方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管内にて使用されるカテーテルであって:
軸を有する長尺の本体、前記軸に沿ったルーメン、本体の遠端にてルーメン及び前尖端に接続される近位開口部;
前記長尺の本体が第二の長尺の本体部に対して軸方向へ少なくとも50mmの運動を行うよう構成された、長尺の本体部;及び
前記ルーメン内にあり、前記前尖端に対して遠端方向に押力を付加するよう構成された長尺の流体圧力式液体コラム、付加点にて付加される前記押力、前記尖端を前記長尺の本体に対して少なくとも50mm伸長させるよう構成された前記押力、を含むカテーテル。
【請求項2】
前記付加点が前記近位開口部よりも前記前尖端の近位にある、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記近位開口部がカテーテル使用時に人体の外にあるよう構成される、請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記カテーテルが、前記液体物質が前記血管中に流出しないよう構成される、請求項1から3のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項5】
前記液体コラムが体外から前進されるよう構成された、請求項1から4のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項6】
前記本体が、前記尖端から前記本体の外へと伸長する曲折した管を含み、前記押力が曲折した管を伸長させる、請求項1から5のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項7】
前記尖端がカテーテル直径の少なくとも5倍の長尺を持つ前記カテーテルの一部に沿って引張し、前記長尺は押力が前記尖端に付加される際に前記尖端によって引張される、請求項1から6のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項8】
前記本体が第一の管である内管及び第二の管である外管を含み、前記二本の管は軸方向に少なくとも一部重複し、前記押力が一方の管を他方の管に相対的に伸長する、請求項1から5のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項9】
前記尖端に押力が付加される際、前記尖端が前記管のうち一方の少なくとも一部を自身と共に引張する、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記引張される部分が、カテーテルが使用される際に人体内で500mmを越えた距離を確実に押進されるには柔軟性が過剰である、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記尖端に押力が付加される際、前記尖端が前記管以外の管に沿って引張する、請求項9から10のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項12】
前記管のうち一方の少なくとも一部はカテーテルが使用させる際に人体外に格納されるよう構成されて、前記カテーテルのカテーテル基部の外に伸長する、請求項9から11のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項13】
前記管のうち一方の少なくとも一部が、カテーテルが使用させる際に人体外に格納されるよう構成され、軸方向に収縮する外形を持つ構成である、請求項9から11のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項14】
前記押力が付加される際に前記内管が伸長する、請求項8から13のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項15】
前記押力が付加される際に前記外管が伸長する、請求項8から13のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項16】
前記押力が付加される際に、前記内管及び前記外管のうち一方のみが実質的に伸長する、請求項8から13のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項17】
前記液体コラムが前記二本の管の間を搬送される、請求項8から16のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項18】
前記液体コラムが前記内管の内部を搬送される、請求項8から16のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項19】
前記尖端に装着される器具を含む、請求項8から18のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項20】
前記器具が前記尖端に装着されるバルーンを含む、請求項19に記載のカテーテル。
【請求項21】
前記バルーンを膨張させるための、ルーメンを伴う独立した管を含む、請求項20に記載のカテーテル。
【請求項22】
前記バルーンが金属性の膨張管に装着される、請求項20に記載のカテーテル。
【請求項23】
前記内管が前記バルーンを膨張させるためのルーメンとして作用する、請求項20に記載のカテーテル。
【請求項24】
前記内管が前記バルーンを膨張させるためのルーメンとして、かつ前記液体コラムのためではなく作用する、請求項23に記載のカテーテル。
【請求項25】
前記バルーンが前記液体コラムを搬送するルーメンを経て膨張される、請求項20に記載のカテーテル。
【請求項26】
前記バルーンが、前記カテーテルの伸長に使用されるよりも高い圧力を使用して膨張される、請求項25に記載のカテーテル。
【請求項27】
前記バルーンへの流体の流入を選択的に許容するための弁を前記バルーンに含む、請求項25に記載のカテーテル。
【請求項28】
前記弁が感圧弁である、請求項27に記載のカテーテル。
【請求項29】
前記弁が外部より作動される弁である、請求項27に記載のカテーテル。
【請求項30】
前記弁が、遮蔽体が注入口から前記バルーンへと後退し、加圧された流体がバルーン内に入ることを許容する抑止弁である、請求項29に記載のカテーテル。
【請求項31】
前記弁が少なくとも二つの構成を持つ回転弁で、前記構成のうち第一の構成から第二の構成に遮蔽体が回転され、前記バルーンに対して注入口を選択的に密封または密封解除する、請求項29に記載のカテーテル。
【請求項32】
前記バルーン膨張管が、カテーテルが使用させる際に人体の外に格納されるよう構成される、請求項21に記載のカテーテル。
【請求項33】
前記管が軸方向に屈曲された状態で格納される、請求項32に記載のカテーテル。
【請求項34】
前記管が少なくとも50mm伸長するよう構成される、請求項8から33のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項35】
前記管の一本が少なくとも150mm伸長するよう構成される、請求項8から33のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項36】
前記管の一本が少なくとも250mm伸長するよう構成される、請求項8から33のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項37】
前記管の一本が伸長するのは500mm未満となるよう構成される、請求項8から33のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項38】
二本の管の間における、所定の距離を超えた相対的な動きを防止するための少なくとも一つの抑止体を含む、請求項8から33のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項39】
前記抑止体の少なくとも一つが前記本体の外側にある、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項40】
前記抑止体の少なくとも一つが前記流体と接触しない、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項41】
前記抑止体の少なくとも一つが、前記カテーテルの外に伸長するワイヤと、前記ワイヤ上に少なくとも一つの可動ブレーキ部と、を装着されて含む、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項42】
前記抑止体が掛合時に液体の流過を防止する、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項43】
前記抑止体が掛合時に液体の流過を防止しない、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項44】
前記抑止体が伸長管の近位端から50mm以内の距離に配置される、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項45】
前記抑止体が伸長管の近位端から少なくとも50mmの距離に配置される、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項46】
前記管が最大限に伸長される際、前記抑止体が非伸長管の遠位端に配置される、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項47】
前記管が最大限に伸長される際、前記抑止体が非伸長管の遠位端から50mm未満の間隔を設けた位置に配置される、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項48】
軸方向に間隔を設けた複数の抑止体を含む、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項49】
前記抑止体が軸方向に5mm未満の長さの要素である、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項50】
前記抑止体が軸方向に5mmより長い要素である、請求項38に記載のカテーテル。
【請求項51】
前記管の間に少なくとも一つのシールを含む、請求項8から50のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項52】
前記少なくとも一つのシールが特定の外管の内径に適合する、請求項51に記載のカテーテル。
【請求項53】
前記少なくとも一つのシールが外管の内径の範囲に適合する、請求項51に記載のカテーテル。
【請求項54】
前記少なくとも一つのシールが軸方向に間隔を設けた複数のシールを含む、請求項51に記載のカテーテル。
【請求項55】
前記少なくとも一つのシールが単一のシールのみから成る、請求項51に記載のカテーテル。
【請求項56】
前記少なくとも一つのシールが前記一本の管の過剰な伸長を防ぐための抑止体として作用する、請求項51に記載のカテーテル。
【請求項57】
所定の距離を超えた伸長の過程を防止する伸長リミッタを含む、請求項8から56のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項58】
前記所定の伸長の過程の制限はユーザにより設定可能である、請求項57に記載のカテーテル。
【請求項59】
前記内管を前記外管に対して選択的に固定し運動を防止するよう構成されたロックを含む、請求項8から58のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項60】
前記本体に前記外管を選択的に連結させるよう構成されたロックを含む、請求項8から59のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項61】
作動流体を特定の流体圧力から解放するよう構成された圧力弁を含む、請求項8から60のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項62】
前記一本の管の伸長を制御するよう構成されたコントローラを含む、請求項8から61のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項63】
前記コントローラが、制御された分量の前記管を伸長させるよう構成される、請求項62に記載のカテーテル。
【請求項64】
前記コントローラが、前記液体に付加される圧力のレベルを設定することによって前記管を伸長するよう構成される、請求項62に記載のカテーテル。
【請求項65】
前記コントローラが前記カテーテルを前進させるよう構成される、請求項62に記載のカテーテル。
【請求項66】
前記コントローラが、前記カテーテルのロックを前記カテーテルのバルーン部の膨張と同期させるよう構成される、請求項62に記載のカテーテル。
【請求項67】
前記コントローラが、前記管を前記カテーテルに対して抜去するよう構成される、請求項62に記載のカテーテル。
【請求項68】
前記コントローラが、前記抜去を前記カテーテルの前進と同期させるよう構成される、請求項67に記載のカテーテル。
【請求項69】
前記管を包囲する案内シースを含む、請求項8から68のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項70】
前記カテーテルが乗載するよう構成されるガイドワイヤを含む、請求項8から69のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項71】
カテーテル使用時に、前記ガイドワイヤが前記内管内を通過し人体の外へ送出されるよう構成される、請求項70に記載のカテーテル。
【請求項72】
カテーテル使用時に、前記ガイドワイヤが前記内管内と前記外管の間を通過し人体の外へ送出されるよう構成される、請求項70に記載のカテーテル。
【請求項73】
カテーテル使用時に、前記ガイドワイヤが前記外管の外を通過し人体外へ送出されるよう構成される、請求項70に記載のカテーテル。
【請求項74】
カテーテル使用時に、前記ガイドワイヤが案内シースの外側を通過し人体外へ送出されるよう構成される、請求項70に記載のカテーテル。
【請求項75】
前記尖端に一つのバルーンを含む、請求項70に記載のカテーテル。
【請求項76】
前記ガイドワイヤが前記バルーンの膨張ルーメン内を通過する、請求項75に記載のカテーテル。
【請求項77】
前記ガイドワイヤが、前記バルーンに近接する前記バルーンからの近位の貫通口を含む、請求項75に記載のカテーテル。
【請求項78】
前記バルーンには、前記ガイドワイヤが送出される肉厚の基部がある、請求項77に記載のカテーテル。
【請求項79】
前記送出される開口部が前記バルーンから20mm未満にある、請求項77に記載のカテーテル。
【請求項80】
前記ガイドワイヤが前記バルーンの膨張ルーメン内を通過する、請求項77に記載のカテーテル。
【請求項81】
前記ガイドワイヤは、前記非伸長管の最遠端点より先の位置で、前記伸長管から前記カテーテルの外へ出る、請求項75に記載のカテーテル。
【請求項82】
前記ガイドワイヤは、前記非伸長管の最遠端点より先の位置で、前記伸長管から前記カテーテルの外へ出る、請求項75に記載のカテーテル。
【請求項83】
前記ガイドワイヤが二本の管の間のシールを通過する、請求項75に記載のカテーテル。
【請求項84】
前記ガイドワイヤが前記カテーテル内にある前記液体コラムの液体経路を通過する、請求項75に記載のカテーテル。
【請求項85】
前記ガイドワイヤが前記カテーテル内にある前記液体コラムの液体経路の外のみを通過する、請求項75に記載のカテーテル。
【請求項86】
前記内管が流体制御のために製造されたのではない標準的なバルーンカテーテルを含み、前記液体は前記外管と前記標準的バルーンカテーテルの間を搬送される、請求項8から85のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項87】
前記内管は調節可能なシールを装着された標準的なバルーンカテーテルを含み、前記液体は前記外管と前記標準的バルーンカテーテルの間を搬送される、請求項8から85のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項88】
前記外管が案内カテーテルである、請求項87に記載のカテーテル。
【請求項89】
前記外管が3mm未満の外径を有する、請求項8から88のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項90】
前記外管が2mm未満の外径を有する、請求項8から88のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項91】
前記外管が1mm未満の外径を有する、請求項8から88のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項92】
前記内管が1.5mm未満の外径を有する、請求項8から91のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項93】
前記内管が0.5mm未満の外径を有する、請求項8から91のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項94】
前記付加点が前記カテーテルの最遠位点から500mm未満である、請求項1から93のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項95】
前記付加点が前記カテーテルの最遠位点から350mm未満である、請求項1から93のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項96】
前記付加点が前記カテーテルの最遠位点から70mm未満である、請求項1から93のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項97】
前記付加点と前記尖端の間にオフセット要素を備え、付加点が前記コラムから前記尖端へ向かう前記押力を伝搬する、請求項1から93のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項98】
前記尖端への第二の押力を付加するよう構成された押進ワイヤを含む、請求項1から97のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項99】
前記押進ワイヤが前記第二の押力を、前記付加点と実質的に同一の軸位置で付加する、請求項98に記載のカテーテル。
【請求項100】
血管中の狭窄部を通過するために適合した、前記ワイヤの短距離の前進を許容するよう構成されたコントローラを含む、請求項98に記載のカテーテル。
【請求項101】
カテーテルが使用される際に人体外に維持されるよう構成された基礎ハブを含む、請求項1から100のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項102】
前記基礎ハブが流体圧力に対して単一のみの注入口を含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項103】
前記基礎ハブが流体圧力に対して複数の注入口を含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項104】
前記注入口の少なくとも一つは、前記注入口内部の流体が5気圧以上にある際に流体の閉鎖を維持するよう構成された被覆体を含む、請求項103に記載のカテーテル。
【請求項105】
前記基礎ハブが圧力解放弁を含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項106】
前記基礎ハブがガイドワイヤ用の開口部を含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項107】
前記基礎ハブが押進ワイヤ用の開口部を含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項108】
前記基礎ハブが弁制御ワイヤ用の開口部を含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項109】
前記基礎ハブは伸長制限ワイヤ用の開口部を含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項110】
前記基部が所定の圧力値を超えて加圧される際に、前記開口部が前記ワイヤをロックするよう構成される、請求項109に記載のカテーテル。
【請求項111】
前記基礎ハブが、カテーテルの流体圧力と複数のルーメンのうちのいずれを連結させるかについて選択するセレクタを含む、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項112】
前記基礎ハブは開閉可能な開口部を含み、この門部を経由してユーザが選択的にカテーテルのルーメンへ到達するよう構成されている、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項113】
前記開口部が手動により敏速に開けることができるよう構成される、請求項112に記載のカテーテル。
【請求項114】
前記基礎ハブは長尺のカテーテル格納部を含み、前記長尺はそこに格納されるカテーテル部の長さの80%未満である、請求項101に記載のカテーテル。
【請求項115】
伸長可能なカテーテルであって:
カテーテルが使用される際に、人体外に維持されるよう構成された基部;
ルーメン及び遠尖端を有し、かつ前記基部に格納される曲折部を含む、長尺の本体;及び
前記尖端に近接する前記本体に押力を付加するよう構成された液体コラム、を含むカテーテル。
【請求項116】
前記曲折部が折り畳まれた構成で格納される、請求項115に記載のカテーテル。
【請求項117】
前記曲折部が軸方向に屈曲した構成で格納される、請求項115に記載のカテーテル。
【請求項118】
前記曲折部が巻回された構成で格納される、請求項115に記載のカテーテル。
【請求項119】
前記曲折部が、一部が表裏逆転して軸方向に折り畳まれた構成で格納される、請求項115に記載のカテーテル。
【請求項120】
外管を含み、前記本体が曲折しない状態で前記外管から送出される、請求項115に記載のカテーテル。
【請求項121】
前記曲折部の内側に第二の曲折した管を含む、請求項115に記載のカテーテル。
【請求項122】
前記第二の曲折した管がバルーン膨張管である、請求項121に記載のカテーテル。
【請求項123】
前記曲折部の曲折を展開するための送りノズルを含む、請求項115に記載のカテーテル。
【請求項124】
機械式に作動する流体弁を伴うカテーテルであって:
流体経路を特徴とするルーメンを有する長尺の本体;
前記流体により作動し、前記長尺の本体の遠端部に配置される器具;
前記器具に流体を選択的に伝搬するよう構成された、前記遠端部にある流体弁;及び
前記弁に連結され、前記本体の外に延長する、前記弁を制御するための機械式作動装置、を含むカテーテル。
【請求項125】
前記器具が流体により膨張されるバルーンを含む、請求項124に記載のカテーテル。
【請求項126】
前記流体により遠位に伸長される遠端部を有するよう構成される、請求項124に記載のカテーテル。
【請求項127】
前記作動装置が前記弁を回転させる、請求項124に記載のカテーテル。
【請求項128】
前記作動装置が前記弁の遮蔽部を後退させる、請求項124に記載のカテーテル。
【請求項129】
前記作動装置が前記弁の遮蔽部を後退させ、最大限に後退させた位置にて遮蔽部が前記ルーメンから前記器具への流体の経路を許容する、請求項128に記載のカテーテル。
【請求項130】
カテーテルにより搬送される器具を配置する方法で:
体内の血管へ伸長可能なカテーテルを挿入すること;及び
カテーテルの遠端部を、少なくとも50mmの距離を伸長させて対象領域に到達させること、を含む方法。
【請求項131】
前記伸長部の遠端にて前記器具を作動させること、を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
前記伸長が、前記カテーテルに流体圧力を加えることにより伸長すること、を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項133】
前記器具がバルーンを含む、請求項130に記載の方法。
【請求項134】
挿入が、ガイドワイヤに沿って挿入すること、を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項135】
挿入は案内カテーテルまたはシースを通して挿入すること、を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項136】
前記カテーテルを前記伸長の後に前進させること、を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項137】
カテーテルを検査する方法で:
カテーテルを液圧の圧力源に装着すること;及び
カテーテルの遠端部を少なくとも50mm伸長させるために前記圧力を上昇させること、を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【公表番号】特表2006−513741(P2006−513741A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−554893(P2004−554893)
【出願日】平成15年11月25日(2003.11.25)
【国際出願番号】PCT/IL2003/000995
【国際公開番号】WO2004/047903
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(505189040)エフ.ディー. カルディオ リミテッド (3)
【Fターム(参考)】