説明

カバーテープおよび製造方法

物品は、カバーテープを含み、それには、基材フィルム層、陥凹部、破断機構、および接着剤が備わる。基材フィルム層は、向かい合う長手方向縁部を有する。陥凹部は、基材フィルム層の長手方向縁部に沿って広がる。破断機構は、長手方向縁部に実質的に平行である。接着剤は、陥凹部上に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンポーネントを搬送するためのテープもしくは前記テープの製造方法および装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
製造設定において、コンポーネントの保持および運搬が要求されることが多い。例えば、電子回路組立品の分野において、電子コンポーネントは、コンポーネントの供給所(supply)から、そこに付着するための回路基板上の特定の位置まで、運ばれることが多い。コンポーネントは、表面実装コンポーネントを包含するいくつかの様々な種類であり得る。特定の例としては、メモリーチップ、集積回路チップ、抵抗器、コネクタ、プロセッサ、コンデンサ、ゲートアレイ等が挙げられる。米国特許第5,325,654号で開示されたキャリアテープ/カバーテープ・システムを用いて小さくて繊細なコンポーネントを運ぶことが可能になる。
【0003】
電子業界は、継続的に、より小さな装置および、そのために、より小さなコンポーネントの方向に向かっており、それは、順々に、より繊細かつ正確に、前記コンポーネントをキャリアテープ/カバーテープ・システムから除去することを必要とする。最も良く知られたカバーテープは、カバーテープをキャリアテープに固着するために熱活性接着剤(HAA)または感圧性接着剤(PSA)を使用する。コンポーネントの除去は、安全なコンポーネントの除去のためにコンポーネントをまず、真空ノズルまたは他のコンポーネント処理機器に暴露するために、キャリアテープのカバーテープを、注意深く剥がすか、または剥離することによって実施される。
【特許文献1】米国特許第5,325,654号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、周知のカバーテープからは、幾つかの操作上の困難が生じる。例えば、キャリアテープからカバーテープを剥がすと、乱れ、粗雑、不均一および不一致の様相がある剥離物ができ、それによって、小さなコンポーネントを移動させるキャリアテープ/カバーテープを移動させることになる。乱れた剥離物は、キャリアテープ内にあるポケットから小さなコンポーネントを排出し、ミスピックを起こし、そのために自動化されたコンポーネント処理機器のシャットダウンを引き起こすことも知られている。
【0005】
接着剤カバーテープの剥離力は、カバーテープの幅および使用されたキャリアテープの種類によりかなり変化する。より幅広いHAAカバーテープは、確かに固着するためにより高熱を要する。同様に、より幅広いPSAカバーテープは、剥離力がより小さく、確かに固着するためには、より幅広い接着剤の曝露を要する。更に、1つのキャリアテープの種類のために設計されたカバーテープは、他のキャリア材料の種類(例えば、ポリスチレン)からは、良い性能を得ることはない。カバーテープが、通常は、異なる型のキャリアテープで動作するとしても、それらは、最適な剥離力に満たなく、不均一な剥離物を有し得る。更には、HAAも、剥離力が経時的であり、温度によって低下するため、安定性が低い。
【0006】
更には、周知のカバーテープは、カバーテープの保存および移送に困難が伴う。例えば、接着剤がテープの縁部を越えて移動するような圧力および/または熱の条件で、テープの底面の接着剤が、移動および変形する時、接着剤の「搾り出し」が起こり得る。これは、問題であって、何故なら、接着剤を望まない位置に接着させ、汚染に結びつき、望まない洗浄を要し、美的価値を損ね、並びに、望ましくない機器のダウンタイム等の他の問題を引き起こすためである。更に、平らなフィルム(すなわち、凹部のないフィルム)から作成されるカバーテープが巻き上げられた場合、接着剤ストリップ間に望ましくない弛みを生じさせ、それが不安定なロールをもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの態様では、物品は、カバーテープを含み、それには、基材フィルム層、陥凹部、破断機構、および接着剤が備わる。基材フィルム層は、向かい合う長手方向縁部を有する。陥凹部は、基材フィルム層の長手方向縁部に沿って広がる。破断機構は、基材フィルムの長手方向縁部に実質的に平行である。接着剤は、陥凹部上に処理される。
【0008】
本発明の別の態様では、カバーテープの製造方法は、向かい合う長手方向縁部を有する基材フィルム層の提供、各長手方向縁部に沿って広がる陥凹部の形成、長手方向縁部に実質的に平行に基材フィルム層内に破断機構を形成すること、および各陥凹部に接着剤を塗布することを含む。
【0009】
上記の要約は、本発明の開示された各実施形態、またはあらゆる実施を記載するものではない。図面及び以下の詳細な説明は、実例の実施形態をより具体的に例証する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の態様は、カバーテープ/カバーテープ・システム並びにカバーテープの製造のための方法および装置に関連する。カバーテープは、本発明に従って、保管および運搬用にコンポーネントを保持するキャリアテープに接着することができる。カバーテープは、コンポーネントを保持することができるキャリアテープ内のカバーポケットを覆うことができ、キャリアテープ内のポケットを暴露するために、システムから分離することができる部分を有する。カバーテープの破断機構は、カバーテープの部分をカバーテープの他の部分(およびカバーテープが接着されたキャリアテープ)から実質的に一定および均一の離脱力で、分離させることができ、それによって、離脱プロセスの間、キャリアテープによって保持されるコンポーネントの潜在的な望ましくない動きが削減する。本明細書で使用する時、「破断(tear)」という用語は、一般的に制御されたコンポーネント部分の離脱を意味する。更に、カバーテープは、本発明に従って、カバーテープの長手方向縁部に沿って凹部を提供し、それによって、保管および適用中に、カバーテープが比較的平らな輪郭を維持できる助けをする。接着剤の位置は、カバーテープの縁部から隔たりがあり、それによって、接着剤の混入およびカバーテープ処理装置等の他の表面への望ましくない接着剤の付着を防ぐことができる。
【0011】
図1は、キャリアテープ/カバーテープ・システムの用途に適したカバーテープ20の断面概略図である。カバーテープ20は、向かい合う長手方向縁部24および26、および向かい合う上面および底面28および30をそれぞれ有する細長いフィルムを含む。フィルム22は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、配向ポリプロピレン(すなわち、2軸配向ポリプロピレン)、配向ポリアミド、配向ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィンおよびポリイミドフィルム等のポリマーフィルムであり得る。フィルム22は、透明であり得る。更に、フィルム22は、本質的に、導電性または静電気拡散性であり得る。縦方向に広がる破断機構32および34もしくは縦方向に広がる凹部36および38は、フィルム22の底面30に対して定置される。破断機構32および34に隔たりがあり、フィルム22の中央部分40がそれらの間に形成される。上塗り42は、所望により、フィルム22の上面28に沿って提供される。上塗り42は、静電気拡散性(SD)コーティング、LAB(すなわち、接着剤剥離剤コーティング)、抗反射性またはグレア低減コーティング、もしくは他のコーティングおよびコーティング類の混合が含まれ得る。下塗り44も、所望により、フィルム22の底面30に沿って提供され、それは、SDコーティングまたは他の型のコーティングでも良く、少なくとも部分的にフィルム22と混合することができる。縦方向に処理された接着剤ストリップ46および48は、凹部36および38に沿って提供される。
【0012】
凹部36および38は、それぞれ、フィルム22の長手方向縁部24および26に定置される。凹部36および38はそれぞれ解放されて、フィルム22の底面30および長手方向縁部に面している。代わりに、凹部はカバーテープの両面に形成され得る。この機構は、例えば、接着剤ストリップの厚さがDの深さより大きい場合、カバーテープの巻き上げを促進するために有用となる。
【0013】
図1に示される実施形態では、底部50および側部52が凹部36および38をそれぞれ形成する。接着剤ストリップ46および48は、それぞれ、凹部36および38の底部50上に配置することができる。凹部36および38の底部50は、接着剤ストリップ46および48をフィルム22により良く接着するために微構造(図1に表示されない)を有する。凹部36および38が、隣接するフィルム22の細長い縁部24または26およびフィルム22の底面30に面して、開いている限り、他の凹部形状が活用され得ることを認識しなければならない。
【0014】
フィルム22は、凹部36および38もしくはすべての微構造を含み、スコーリング、押出成形、カレンダー工法、マイクロ複製、レーザー切断、超音波、打抜き、化学エッチング、および剥離等のプロセスを使用して形成することができる。更なる実施形態では、凹部36および38は、異なるプロセスを用いて形成することができる。更に、フィルム22は、センターライン(すなわち、フィルム22の上面および底面間の中間にあるライン)に沿って、破壊または剥離することができるフィルムを使用して形成することができ、分離ラインは、凹部を形成するために、上部および底部からセンターラインまで切断することができる。図11Aに示されているように、例えば、弱い中間面を持つ2層の異なる材料25、27をラミネートまたは共押し出しすることにより、センターラインの破壊または剥離が確立され得る。複数個のカバーテープ20は、複数個の分離ラインをシートの幅に沿って切断することにより、2層材料の単一フィルムウェブから形成され得る。1つの層にある分離ラインは、幅がW離れている。これらの分離ラインは、各隣接するカバーテープ20の向かい合う長手方向縁部24および26を形成する。Wこれらの分離ラインは、各隣接するカバーテープの側部分52を形成し、その側部は、幅W離れている。第1の層にある分離ラインに向かい合う第2の層の部分は、スクラップ材29になる。分離ラインが切断された後で、テープ類20がフィルム22の切断面を縁部24および26、側部52および破壊ライン31に沿って分離することにより形勢される。破壊ライン31は、スクラップ材29の内側を形成する。
【0015】
図11Bが示すように、このスクラップ材を避けるために、異なるプロセスが使用され得る。この場合、フィルムウェブの上部層および下部層は、破壊または層間剥離を促すために、これらの層間の異なる材料27の薄い層内にある同様の材料25で作成される。好ましくは、材料27の凝集度は、材料25および27間の接着強度以下になる。上部および底部層の材料が同じであるために、両方の層は、より幅広く、狭いカバーテープ部分を形成する。(この方法は、異なる材料の上部層および下部層にも使用できるが、同じ材料から作成される上部および下部層を有することが望ましい場合、特に有用になる。)それ故に、隣接したカバーテープは、上から下まで互いに隣接しあうように配置し得る(すなわち、互いに対して、180度で配置される)。そのために、層にある各分離ラインは、1つのカバーテープの長手方向縁部24または26を形成し、隣接したテープの側部分も形成することができる。換言すれば、それぞれの層にある分離ラインは、代わりに幅Wおよび幅Wによって分離される。1つの層と他の層の関係において、分離ライン間の距離は、1つの層25にある幅Wが他の層25にある幅Wと一対になるように、逆の順番に変更される。分離ラインが切断された後で、テープ20は、フィルム22をエッジ24/52、26/52および破壊ライン33に沿って分離することによって形成される。
【0016】
凹部36および38の底部50上の接着剤ストリップ46および48は、例えば、感圧性接着剤(PSA)、加熱活性およびマイクロカプセル化接着剤であり得る。接着剤ストリップ46および48は、陥凹部36および38の深さDを超えるか、それ以下の厚さを有することができる。通常、厚さは、深さD以下になる。接着剤ストライプ46および48は、陥凹部36および38の幅W以下の幅を有する。陥凹部36および38の幅Dに満たない幅によって、カバーテープ20が表面に適用されていない時(すなわち、張力を受けていない)、それぞれの接着剤ストリップ46および48の片側にある凹部36および38の底部50に沿って縦方向に広がる実質的に接着剤がないゾーンを提供する。
【0017】
破断機構32および34は、フィルム22の底面30に対して位置し、その側部52の凹部36および38に隣接して位置する。しかし、更なる実施形態では、破断機構32および34は、フィルム22の長手方向縁部からそれぞれが幅を取っている限り、フィルム22の上面28、底面30、または両面に沿った、ほぼどこにでも定置させることができる。図1が示すように、テエ許可機構32および34は、フィルム22に沿って、縦方向に広がる連続的スコーリングラインである。前記のスコーリングラインは、フィルム22に切り込みをいれることにより、形成できる(例えば、下記記載のブレード・スコーリング手順に従い、例えば、レーザー、ダイカッター、ブレードを用いる)。更なる実施形態では、破断機構32および34は、フィルム22の弱体化領域(例えば、より薄い領域、微小穿孔等)、2つの材料間の移行、(例えば、第1の材料がフィルム22の中央部40を含み、第2の材料が凹部36および38の底部50間のフィルム22の領域および上面28を含む)、または破断を促進する他の構造であり得る。
【0018】
1つの実施形態では、制限ではなく実施例として提供され、カバーテープは、以下の寸法を有する。フィルム22の全幅W(細長い縁部24および26間が計測された)は、約2.54センチメートル(1インチ)である。フィルム22の厚さTは、約0.0254ミリメートル(2ミル)(フィルム22の中央部40の最も厚い部分が計測された)。凹部36および38は、それぞれ約1ミリメートル(0.0393701インチ)の幅Wおよび約0.0127ミリメートル(0.5ミル)の深さDを有する。破断機構32および34は、それぞれが約0.0381ミリメートル(1.5ミル)の深さを有する分割ラインである(フィルム22の底面30から計測された)。カバーテープ20の寸法が望まれた場合、変更できることを認識すべきである。例えば、フィルム22の中央部40の幅は、カバーテープ20が使用されるキャリアテープのポケットと少なくとも、同じくらいの幅になるように選択することができる。
【0019】
図2は、本発明に従った、カバーテープ80の他の実施例の断面概略図である。図2に示されたカバーテープ80は、一般的に、図1に関連して表示および説明されたカバーテープ20に類似している。図2のカバーテープ80は、更に、フィルム22の細長い縁部24上のコーティング82および84をそれぞれ含む。コーティング82および84は、細長い縁部24および26に接着剤が固着する可能性を減らし、そのため、望ましくない粘性汚染および暴露された接着剤に関連する他の問題の可能性を減らすためにLABコーテイクングでも良い。
【0020】
図3は、本発明に従った、カバーテープ90の他の実施例の断面概略図である。図3に示されたカバーテープ90は、一般的に図1に関連して表示および説明されたカバーテープ20に類似している。図3のカバーテープ90は、更に、凹部外側コーティング92および94もしくは凹部内側コーティング96および98を含む。凹部外側コーティング92および94は、それぞれ、接着剤ストリップ46および48に隣接しており、フィルム22の細長い縁部24および26に向かっている凹部36および38の底部50に位置している。凹部内側コーティング96および98は、それぞれ、接着剤ストリップ46および48に隣接し、凹部36および38の側部52に向かっている凹部36および38の底部50に位置している。コーティング92、94、96および98は、例えば、凹部36および38内にある接着剤ストリップ46および48をより確実に抑制することによって望ましくない接着剤との接触を防ぐことができるLAB材または不粘着材であり得る。
【0021】
図4Aは、カバーテープ100の更なる実施形態の断面概略図である。カバーテープ100は、一般的にカバーテープ20に類似しているが、フィルム22は、第1の材料104および第2の材料106を含む。カバーテープ100で、第2の材料106は、凹部36および38に(すなわち、上部に)位置され、細長い縁部24または26から材料中間面108まで広がる。フィルム22の中央部40は、材料中間部108間に形成される。
【0022】
材料の境界面108は、第1の材料104または第2の材料106のいずれかの内的固着または結着力が弱い固着または結合力を示す。材料の境界面108の相対的弱さは、実質的に一定で均一な破断、つまり、材料の境界面108での第1の材料104および第2の材料106の分離を促す。それによって、材料の境界面108は、破断機構を形成することができる。
【0023】
第1および第2の材料104および106は、一般的に、上記記載の図1〜3に関連して議論した材料と同じ種類の材料から選択することができる。ある実施形態では、第1の材料104は、第2の材料106より弱い可能性もあり、または逆もまた同様である。換言すれば、1つの材料が他の材料よりも弱い内的凝集または接着特性を持ち得る。更に、フィルム22の中央部分40は、透明および高い光学的透明度であり得る。
【0024】
カバーテープ100のフィルム22は、共押出成形および異形押し出し等のプロセスを使用して加工することができる。共押出成形で、第1および第2の材料104および106は、望ましい配置で共に押し出される。異形押し出しで、第1および第2の材料104および106は、望ましい形状で個々に押し出され、初期の個別押し出しプロセス後にまだ溶解している間、結合される。加工は、境界面(例えば、図4Aの境界面108で)で第1および第2の材料104および106が望ましくない混合の結果となり得る。本実施形態の1つの利点は、破断機構は、スコーリングを必要としないということにある。
【0025】
図4Bは、カバーテープ102の別の実施形態の断面概略図である。カバーテープ102は、一般的にカバーテープ100に類似しており、フィルム22は、第1の材料104および第2の材料106を含む。カバーテープ102で、第2の材料106は、凹部36および38の側部52の近くに位置された細長い縁部110および112に処理され、第1の材料が第2の材料106のバンド110および112の片側に配置される。フィルム22の中央部40は第2の材料106のバンド110と112の間に形成される。
【0026】
第2の材料106は、一般的に、第1の材料104よりも弱い。換言すれば、第2の材料106は、第1の材料104よりも弱い内的固着または結合特性を持つ。これは、第2の材料106のバンド110および112内のフィルム22に一定した均一の破断を促す。バンド110および112は、かくして破断機構を構成する。ある実施形態では、第1の材料104は、破断に抵抗することができる。第2の材料106は、第1の材料として異なったより弱い形態の材料の種類を含むことができるか、または完全に異なる種類の材料であり得る。第1および第2の材料は、一般的に、上記の図1〜3に関連して議論したものと同じ種類の材料から選択することができる。更に、より弱い第2の材料106は、エチレンビニルアセテート(EVA)で作成することができる。本実施形態の1つの利点は、破断機構は、スコーリングを必要としないということである。
【0027】
図5は、加熱および加圧後のカバーテープ20の断面概略図である。使用する際、引張および圧縮力がテープ20に作用するように、カバーテープ20が表面(例えば、それ自体が巻き上げられる)に接するように位置される。熱および圧力が凹部36および38の側のフィルム22の部分を少し、偏向させる。熱および圧力が、接着剤ストリップ46および48を変形および移動させることもできる。更に詳しくは、熱および圧力は、接着剤ストリップ46および48を第1の形状46Aおよび48Aから第2の形状46Bおよび48Bに変更させることができる。第1の形状46Aおよび48Aは、第2の形状46Bおよび48Bよりも一般的に厚く、一般的に幅が狭い。それでも尚、前記変形後でさえ、接着剤ストリップ46および48は、圧力および熱の存在にも関わらず、実質的に凹部36および38内に含有される。第2の形状46Bおよび48Bでは、接着剤ストリップ46および48は、一般的に、陥凹部36および38の側壁52から隔たりがあり、フィルム22の細長い縁部から隔たりがある。接着剤ストリップ46および48を凹部36および38内に実質的に含むことにより(熱および/または圧力で変形された時でさえ)、カバーテープ20は、望ましくない位置に望ましくない接着剤または粘着性を露呈せずに、望ましい位置に確実に固着させることができる。凹部36および38の機構が図5に示されたカバーテープの特定の実施形態に制限されていないことに注意しなければならない。
【0028】
ロールの形式で、本発明に従い、カバーテープを定置することが可能である。図6は、カバーテープのロール120の部分の横断面の概略側面図である。カバーテープ20は、芯122に巻き取られる(例えば、実質的に円筒の厚紙芯)。この構成では、カバーテープ20の上面28は、実質的に滑らかで平面的であり、ロール120は、一般的に安定している。更に、ロール120の側面124は、接着剤が、ロール120の側面124に沿ったカバーテープ20からはみ出さないために(接着剤は、凹部内のテープの側面縁部から離されている)、一般的に不粘着である。接着剤ストリップ46および48は、カバーテープ20の上面コーティング42に、外せるように接着することができる。
【0029】
カバーテープは、加工後およびキャリアテープに接着される前にロール(例えば、図6のロール120)に定置することができる。ロールへのカバーテープの配置は、保管および運搬並びにカバーテープの自動処理を促す。カバーテープの上面にあるコーティング材は、ロールからのカバーテープの剥離を助ける。
【0030】
カバーテープは、キャリアテープ/カバーテープ・システムに用いることができる。図7は、キャリアテープ132およびカバーテープ20を含むキャリアテープ/カバーテープ・システム130の斜視図である。キャリアテープ132は、一対の向かい合う細長いリップ部分134および1つ以上のポケット136を有する。電子コンポーネント等のコンポーネント138は、ポケット136に定置することができる。コンポーネント138が、望ましく、キャリアテープ132のポケット136に定置された後で、カバーテープ20が、ポケット136をカバーし、キャリアテープ132およびカバーテープ20間のコンポーネント138を含むために、細長いリップ部分134に接着することができる。カバーテープ20は、ロールから分配され得る。
【0031】
コンポーネント138を露出および除去するために、カバーテープ20の部分がシステム130から分離される。図7が示すように、破断機構32および34間に形成されたカバーテープ20の中央部分40が、切り離される。カバーテープ20の外側部は、カバーテープの(中央部分40が切り離された後、キャリアテープ132に接着し続ける。切り離された後、カバーテープ20の中央部分40は、廃棄またはリサイクル用にロールに巻き上げることができる。
【0032】
カバーテープ20の中央部分40は、破断機構32および34で、分離される(例えば、図1〜3に関連して表示および記載された実施形態の分割ライン)。他の実施形態では、材料境界面(例えば、図4Aに関連して表示および記載された材料境界面108)、より弱い材料のバンド(例えば、図4Bに関連して表示および記載される第2の材料106のバンド110および112)、または破断機構の型および位置に応じた他の位置で分離する。
【0033】
カバーテープ部分を切り離した時に実質的に均一な切断力を有することが望ましい。レーザーまたはブレードがスコーリングラインの作製に使用できるが、差異が0.0254ミリメートル(0.001インチ)未満の多数の正確なスコーリングラインを作ることは、レーザーでは、費用がかかり過ぎ、ブレード切削縁部位置決めにおける差異に妨げられる周知のブレードの使用では、ほぼ不可能になる。
【0034】
スコーリングラインがあるカバーテープで均一な切断を達成するためには、カバーテープの長さに沿い並びに明確なスコーリングライン間に深さの差異が微小であるスコーリングラインを提供することが望ましい。実質的に均一の深さであるスコーリングラインは、下記記載の方法および装置を使用し、フィルムウェプに簡単におよび効率的に形成することができる。スコーリングラインは、フィルムが凹部で形成された後に、一般的に、フィルムウェブに形成されるが、スコーリングラインは、カバーテープ加工プロセスの他の段階で実施することができる。例えば、1つの可能な製造プロセスは、複数個の平行で、横方向に間隔があり、縦方向に広がる凹部を大きなフィルムウェブに形成することを含む。次に縦方向のスコーリングラインが大きなフィルムウェブに形成される。それから、縦方向の接着剤ストリップがフィルムの凹部に適用される(例えば、1つのストリップが各凹部内にある2つの間隔がある接着剤ストリップ)。最後に、大きなフィルムウェブが、切断され、その中の接着剤バンド間の各凹部を通って切削することにより、複数個の個別カバーテープストリップに分けられる。
【0035】
図8は、ウェブ支持体ローラー、202A、202Bおよび202Cもしくはブレード組立品204を含むスコーリング装置の概略的側面図である。図9は、ブレード組立品の横断面概略的側面図である。ブレード組立品204は、後面210に沿って形成された空洞208がある主構造体206および全面214に沿って形成された一般的にU型の開口部212を含む。位置合わせ手段218(例えば、調整マイクロメートル組立品)は、ローラー202Bに対してスコーリング装置の正確な位置合わせをするため、例えば、スコーリング深さを調整するために提供された。実質的に一定したスコーリング深さを維持するために、支持体ローラー202Bの形状における差異の影響を減らすことが望ましい。これは、1つ以上のスコーリング深さコントロール・ローラー228を主構造体206に接合することにより達成できる。これらのスコーリング深さコントロール・ローラー228は、ウェブ支持体ローラー202Bと直接接触し、主構造体206がウェブ支持体ローラー202Bの輪郭を追うことができるようにし、それがスコーリング深さにおける差異を最小化する。1つ以上のブレード220(例えば、片刃かみそりブレードの構造に似ている構成の直線的にテーパーの付いた刃先がある従来の金属ブレード)が、ブレード220の刃先222が主構造体206の前面214に面し、平面を形成する空洞208の精密内側表面224(図9)に接触するように、空洞208に挿入されている。ブレード220は、連結物、バネおよびバンパー(図8に示されていない偏倚手段)等の偏倚手段を使用して、精密表面224に対して偏倚されている。一般的に、ブレード220の刃先222の中央部分は、ブレード220がそれらに接触するフィルムウェブ材を切削できるように、開口部212を通して露出されている。
【0036】
ブレード組立品204の主構造体206は、精密な内表面224がブレード220による切削を拒絶するようないかなる材料(例えば、金属、ガラス、ポリマー等)ででも形成することができる。1つの実施形態では、主構造体206は、少なくともブレード220と同程度に固い金属材料で形成される。
【0037】
作動中、分割されていないフィルム22Aは、ローラー202Bおよびブレード組立品204間を通り抜ける。ブレード220の刃先222は、望ましい切削深さが達成できるようにローラー202Bに対して,位置合わせ手段218で調整される。異なるブレードに対して、異なる切り込み深さを提供することが可能である。例えば、他のブレードが個々のカバーテープストリップを複数個の連結されたカバーテープストリップを含む物品から同時に切り離す一方、あるブレードは、スコーリングを提供することができる。しかし、個々のカバーテープストリップを分断するための切削は、スコーリングと同時に実施する必要はない。
【0038】
ブレード組立品を通過させた後で、たった今分割されたフィルム22は、ローラー202Cで更なるプロセスのために他の位置に移動することができ、最後には、ロールに巻かれ得る(例えば、図6に関連して表示および記載されたロール120)。
【0039】
図8および9に関連して表示および記載された装置を使用して複数個の分割ラインを同時にフィルムに提供することが可能である。図10は、ブレード組立品204の概略的背面図である。図10では、明確さを帰すために、ブレードが省略されている。多くの横方向のスペーサ226がブレード組立品204の空洞208に挿入されている。ブレードをギャップに挿入できるように、隣接したスペーサ間にギャップが形成されている。スペーサは、分割されるフィルムの幅にわたって位置合わせをする。更に、スペーサは、ブレードの剛性を高め、真直ぐで、均一なスコーリングラインの形成を促進するために、薄くても良い支持体をブレードに提供する。スペーサ226の番号、寸法、および配置は、望ましいスコーリング・パターンによって変化する。スペーサ226は、金属またはポリマー材料から形成することができる。
【0040】
更なる実施形態では、スペーサ226は、ブレード組立品204の主構造体206で,全体的に形成される。前記の実施形態では、ブレード位置合わせ平面は、各ギャップに対して形成される複数個の精微表面によって集合的に定義され得る。
【0041】
上記の議論の見地から、本発明による多数の利点および利益を認識するべきである。本発明によるカバーテープの1つの利点は、テープの中央部分に均一性が高い離脱力があり、それが、キャリアテープのキャリアポケットからパーツまたはコンポーネントが飛び出すことによる保管および運搬操作の間のミスピックをする危険を削減する。更に、カバーテープは、接着剤ストリップ−コーティングされたテープ(例えば、弛みの問題がある不安定なロール)に、通常起こる巻き取り問題を解決する一方、カバーテープは、接着剤ストリップを用いてよりコスト効率を良くすることができる。更に、本発明のカバーテープは、テープの中央の切取りの前後に凹部に接着剤を相当量含有し続けることによる接着剤の「搾り出し」によって、装置への接着剤堆積の危険性を減らすこともできる。それは、ロール形式に巻き上げられた時、実質的に不燃性の側面縁部も有し、それは、カバーテープのロールがテーブルまたは他の表面に置かれた時、汚染の危険を削減する。更に、カバーテープを形成する一方、接着剤を通した切削は、必要ではなく、切削装置への接着剤の堆積を避けることによって、より効果的なプロセスに導くことができる。
【0042】
フィルムのスコーリングのための方法および装置は、多数の利点も提示する。スコーリングは、簡単に、効率的におよびコスト効果を高める方法で、達成することができる。本発明のスコーリング装置は、スコーリング深さの差異が比較的小さい状態で、提供される実質的に均一なスコーリング深さを可能にする。本発明の実施方法で従来のブレード(例えば、片刃かみそりブレードに似たブレード)を使用することにより、スコーリング装置が比較的簡素になり、ブレードおよび装置が比較的廉価になる。更に、刃先から隔たりがあるブレード参照機構(例えば、切欠及び孔)を使用するのではなく、ブレードを直接、それぞれの刃先に位置合わせすることにより、ブレードの個々の違いによる切削またはスコーリングにおける望ましくない差異を減らすことができる。
【0043】
いくつかの代替実施形態を参照して本発明を記載してきたが、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細を変更してもよいことを認識するであろう。例えば、本発明に従って、様々な種類の破断機構を使用することができ、それらの破断機構は、様々な配置を有することができる。
【0044】
上記の図面は、本発明の幾つかの実施形態を説明するが、考察において記載したように、他の実施形態もまた検討される。すべての場合において、本開示は、代表例によって本発明を表しており、限定を意味するものではない。多数の他の修正例及び実施形態が当業者によって考案でき、それらは本発明の原理の範囲及び趣旨の範囲内にあることが理解されるべきである。図面は縮尺通りに描かれていない場合がある。図面全体を通して、類似の部分を表すために類似の参照番号が使用されている。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明によるカバーテープの横断面概略図。
【図2】本発明に従った、カバーテープの他の実施例の断面概略図。
【図3】本発明に従った、カバーテープの他の実施例の断面概略図。
【図4A】本発明に従った、カバーテープの他の実施例の断面概略図。
【図4B】本発明に従った、カバーテープの他の実施例の断面概略図。
【図5】加熱および加圧後の図1にあるカバーテープの断面概略図。
【図6】本発明に従った、カバーテープのロール部分の横断面概略側面図。
【図7】本発明に従ったキャリアテープ/カバーテープ・システムの斜視図。
【図8】本発明によるカバーテープ・スコーリング装置の概略側面図。
【図9】図8のスコーリング装置部分の横断面概略側面図。
【図10】図8および9のスコーリング装置部分の概略背面図。
【図11A】本発明に従った、一連のカバーテープの他の実施例の断面概略図。
【図11B】本発明に従った、一連のカバーテープの他の実施例の断面概略図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバーテープを含む物品であって、
カバーテープは、
向かい合った長手方向縁部がある基材フィルム層、
長手方向縁部に沿って広がる陥凹部、
長手方向縁部にほぼ平行の破断機構、および
陥凹部に塗布された接着剤を備える、物品。
【請求項2】
前記基材フィルム層が、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリアクリロニトル、ポリオレフィンおよびポリイミドから成る群から選択される材料から製造される請求項1に記載の物品。
【請求項3】
基材フィルム層が配向膜から成る請求項1に記載の物品。
【請求項4】
基材フィルム層が透明である請求項1に記載の物品。
【請求項5】
接着剤が、感圧性接着剤、加熱活性型接着剤およびマイクロカプセル化接着剤から成る群から選択される請求項1に記載の物品。
【請求項6】
物品はそれ自体巻くことが可能で、巻かれる前の接着剤の厚さが陥凹部の深さ以下である請求項1に記載の物品。
【請求項7】
物品はそれ自体巻くことが可能で、巻かれる前の接着剤は陥凹部の深さを超える初期厚さを有し、巻かれた後に物品が実質的に平らな輪郭になるように、接着剤が移動され得る請求項1に記載の物品。
【請求項8】
接着剤が陥凹部の幅以下の幅である請求項1に記載の物品。
【請求項9】
各陥凹部にある接着剤が、基材フィルム層の長手方向縁部から離されている請求項1に記載の物品。
【請求項10】
各陥凹部にある接着剤が、隣接した破断機構から離されている請求項1に記載の物品。
【請求項11】
陥凹部に不粘着物質を更に含む請求項1に記載の物品。
【請求項12】
2つの破断機構を備え、各破断機構は連続している請求項1に記載の物品。
【請求項13】
各破断機構は基材フィルム層により弱い領域を含む請求項1に記載の物品。
【請求項14】
前記基材フィルム層が、第1の物質および第2の物質を含み、前記破断機構が第1の物質および第2の物質間の変わり目を含む請求項1に記載の物品。
【請求項15】
破断機構がほぼ一定した破断力を提供する請求項1に記載の物品。
【請求項16】
更に、コンポーネントを保持するために、その中に形成された区画を有するキャリアテープを備え、
前記カバーテープが、コンポーネントを区画に密閉するために前記キャリアテープに接着され得る請求項1に記載の物品。
【請求項17】
各陥凹部が、隣接する基材フィルム層の長手方向縁部に開いている請求項1に記載の物品。
【請求項18】
カバーテープの製造方法であって、
向かい合う長手方向縁部を有する基材フィルム層を提供するステップと、
各長手方向縁部に沿って伸びる基材フィルム層に陥凹部を形成するステップと、
長手方向縁部に実質的に平行な基材フィルム層に破断機構を形成するステップと、
各陥凹部に接着剤を塗布するステップとを含む方法。
【請求項19】
陥凹部の形成工程が、スコーリング、押出成形、カレンダー工法、微細複製、レーザー切断、超音波、化学エッチングおよび剥離から成る群から選択されるプロセスを含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
基材フィルム層は、弱い中間面を有するラミネートされたかまたは共押出された2層の材料を含み、陥凹部を形成するステップは、オフセット位置で各層を中間面まで切断するステップを含み、次に、2層の基材フィルム層の区画を切断部および中間面の一部に沿って互いに分離させるステップを含む請求項18に記載の方法。
【請求項21】
基材フィルム層が、外層との接着力より弱い結合力を有する中間層によって分離された、2層のラミネートまたは共押出された材料の外層から成り、陥凹部を形成するステップは、各外層を中間層との境界面までオフセット位置で切断するステップを有し、次に、3層の基材フィルム層の区画を切断部および中間層の一部に沿って互いに分離するステップを含む請求項18に記載の方法。
【請求項22】
破断機構を形成するステップが、スコーリング、押出成形、カレンダー工法、微細複製、レーザー切断、超音波、打ち抜きおよび化学エッチングから成る群から選択されるプロセスを含む請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記基材フィルム層が、長手方向に並列する複数個のストリップを有する第1の長手方向のフィルム基材のストリップを含み、請求項18に記載のステップが、複数個の並列したカバーテープを形成するために平行して実施され、
更に、隣接するカバーテープを分離するステップを含む請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【公表番号】特表2009−508773(P2009−508773A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531292(P2008−531292)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/035704
【国際公開番号】WO2007/035374
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】