説明

カプセル化されたフレグランスを含むエマルジョン及びパーソナルケア組成物

本発明は、連続的な水相中に分布する有機の不連続相を含むエマルジョンであって、有機相は、a)有機溶媒、及び/又は
b)疎水性部分を含みそして水相よりも有機相中により可溶性の物質である、有機相安定化物質、を含み、そして前記エマルジョンが、微粒子内にカプセル化されているカプセル化されたフレグランスをさらに含む、エマルジョンを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルケア組成物における改善されたフレグランスの送達のための、カプセル化されたフレグランスを含むエマルジョン、及び該エマルジョンを含むパーソナルケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者製品に香りを与えるために現在のところ採用されている方法は、製品に直接フレグランスを混合することである。この方法の欠点は、フレグランス分子は非常に揮発性であり及び/又は非常に不安定なため、たいていのフレグランスは製造、貯蔵及び使用中に失われることである。しばしば、フレグランスはまた、芳香を付けられる支持体、例えば、皮膚、髪、布、タイル又はその他の表面、への付着力の欠如のために、失われる。
【0003】
種々の基質、例えば、皮膚又は髪の表面を、香水、フレーバー、医薬品及び/又は殺生物剤、殺虫剤、殺カビ剤等を含む生物防除剤のような有益剤で処理することが望ましい。そのような処理の目的は、基質の表面に付与された利益が残存するように、十分の有益剤を、基質の表面に付着したままにすることである。
【0004】
多くの消費者製品において、香料、特に香料原料は長時間をかけて徐々に放出されることが望ましい。より揮発性の香料原料が、消費者が経験する “フレッシュな感覚”に関
与するため、より揮発性の香料原料が、徐々に、制御された方法で放出されることが望ましい。
【0005】
幾つかの場合において、フレグランスは、シクロデキストリンを用いて処理され、揮発性を減少させそして安定性を改善する包接錯体を形成する。これらの方法は、しばしば十分でない結果を与えるか又は費用がかかりすぎる。例えば、米国特許第5,382,567号明細書に開示されているように、これまで使用されたシクロデキストリンの欠点は、水関連の用途において使用されると直ちに溶解するその高い水溶性である。
【0006】
国際公開第2000/41528号パンフレットは、吸着性ポリマー、活性剤、及び放出遅延剤を含む制御された放出性の組成物を開示している。
【0007】
米国特許第6,024,952号明細書は、カチオン性ポリマー及びアニオン性皮膚軟化剤を含む、パーソナル洗浄配合物を開示しており、そして該開示はここに参照により取り込まれる。
【0008】
欧州特許出願公開第925,776号明細書は、少なくとも1種の感覚刺激性物質のための結合部位を示すポリマーを開示している。
【0009】
米国特許出願公開第2004/0092414号明細書は、香料ポリマー粒子香料原料送達系を含む、洗い流す(rinse−off)パーソナルケア組成物を開示している。
【0010】
米国特許出願公開第2004/0234558号明細書は、有益剤プレミックスまたは送達ビヒクルを含む、パーソナル製品組成物を開示している。
【0011】
欧州特許出願公開第1,407,753号明細書は、ポリマーでカプセル化されたシェルが、ポリアミンポリマーで被覆されている、ポリマー状のカプセル化されたフレグラン
スを開示している。
【0012】
したがって、基質へ付着及び/又は基質から放出する香料原料のレベルを増強し/高めるカプセル化されたフレグランスを含むエマルジョン、及び基質、特に皮膚及び/又は髪へ香料原料を送達するための方法、の必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第5,382,567号明細書
【特許文献2】国際公開第2000/41528号パンフレット
【特許文献3】米国特許第6,024,952号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第925,776号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2004/0092414号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2004/0234558号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第1,407,753号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、連続的な水相中に分布する有機の不連続相を含むエマルジョンであって、
有機相は、
a)25℃において液体である有機溶媒、及び/又は
b)疎水性部分を含みそして水相よりも有機相中により可溶性の物質からなる、有機相安定化物質、
そして前記エマルジョンが、カプセル化されたフレグランスをさらに含み、該フレグランスが微粒子内にカプセル化されているものである、
エマルジョンを提供する。
【0015】
本発明はまた、改善されたフレグランスの送達のためのカプセル化されたフレグランスを含むエマルジョンを含むパーソナルケア組成物に関する。
本発明はまた、微粒子内にカプセル化されたフレグランスを含むエマルジョンを含む、液体又は固体のパーソナルケア組成物の有効量の身体の少なくとも一部への適用を含む使用方法に関する。
【0016】
有機相は、25℃において液体であり、かつ、フレグランス又は香料原料活性物が溶解し得、混和し得または分散し得る物質である、任意の有機溶媒を含み得る。例えば、フレグランス活性物が有機溶媒中に溶解される。有機溶媒は、芳香族または脂肪族の有機性液体、例えば、炭素原子数3のアルキル基またはそれより大きいアルキル基で置換された芳香族化合物又はアルキルベンゼン/溶媒ナフサであり得る。例えば、有機溶媒はカルボン酸のアルキルエステルである。例えば、溶媒はアルコール部分が少なくとも4個の炭素原子を含むカルボン酸エステル、例えば、カルボン酸の炭素原子数4乃至30のアルキルエステルである。好適なものは、イソブチルアセテート、ラウリルアセテート、イソブチルイソブチレート及びラウリルイソブチレートのような、モノマー状であるが飽和されたエステルである。モノマー状エチレン性不飽和エステル、例えばイソブチルメタクリレートまたはラウリルメタクリレートが好ましい。
【0017】
有機相が有機溶媒を含む場合、それは好ましくは、エマルジョンの安定性及びフレグランス活性の寿命の両方を増強する量において存在する。有機溶媒は、エマルジョンの総質量に基づき約0.01質量%乃至50.0質量%の量において使用される。例えば、エマルジョンは約0.1質量%乃至約40.0質量%の量において、例えば、約1.0質量%乃至約30.0質量%の量において有機溶媒を含む。例えば、エマルジョンが約1.0質
量%乃至約10.0質量%の有機溶媒を含む場合、非常に有効な結果が得られる。
【0018】
あるいは、有機相は、水性連続相と比較して有機相により可溶性の物質である有機相安定化物質を含む。有機相安定化剤が、a)炭素原子数8乃至30のアルキル部分を含むエチレン性不飽和モノマーの少なくとも1種、b)エチレン性不飽和カルボン酸又はエチレン性不飽和酸無水物の少なくとも1種、及びc)所望によりその他の非水溶性エチレン性不飽和モノマー、から形成される付加コポリマーから選ばれる。
【0019】
炭素原子数8乃至30のアルキル部分を含むエチレン性不飽和モノマーは、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、N−置換(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アリルエーテ
ルであり得る。例えば、有機相安定化物質は、a)40.0乃至90.0質量%の炭素原子数8乃至30のアルキル(メタ)アクリレート、b)10.0乃至40.0質量%の、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸及びメタクリル酸からなる群より選ばれた少なくとも1種のモノマー、そしてc)0.0乃至50.0質量%の、炭素原子数1乃至7のアルキル(メタ)アクリレート、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリルからなる群から選ばれた少なくとも1種のモノマー、を含むモノマー混合物から形成される付加ポリマーから選ばれる。
【0020】
本発明のその他の実施態様において、有機相安定化物質は、ステアリルメタクリレート/無水マレイン酸/スチレンのコポリマーである。
【0021】
本発明のその他の実施態様において、有機相安定化物質は、ステアリルメタクリレート/無水マレイン酸/スチレンのコポリマーであって、モノマーの質量に基づきモノマー質量比が60/10/30であるものである。
【0022】
ポリマー状の有機相安定化剤は、標準的な重合技術を用いて有機溶媒中でモノマー混合物を重合させることにより製造され得る。そのようなポリマーは、好適な有機溶媒中で、そして例えば好適なラジカル発生開始剤、例えば熱開始剤、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AZDN)を採用することにより、モノマーブレンドの溶液の重合によって好適に形成され得る。
【0023】
例えば、一方の有機相安定化剤は、親水性/疎水性バランス(HLB)の低い界面活性剤である。典型的には、界面活性剤は、親水性/疎水性バランスが7より低いものを含み、好ましくは2乃至6の範囲のものを含む。
【0024】
低いHLBの界面活性剤は、その化合物が水相よりも有機相へより可溶性であるような比率において親水性及び疎水性部分を含めば、必ずしもポリマーであるというわけではない。例えば、本発明による低いHLBの界面活性剤は、ソルビタンモノオレエートを含む。
【0025】
必要とされる有機相安定化物質の量は、具体的な安定化剤及びエマルジョン中に含まれる分散相対水相の比率に応じて変化するであろう。フレグランスの最大の安定性及び保護を達成するために、有機相安定化物質はエマルジョンの約0.01質量%乃至約15.0質量%の量でエマルジョン中に存在することが望ましい。安定化剤がエマルジョンの総質量に基づき約1.5乃至約8%の量において存在する場合に、良好な結果がまた得られる。
【0026】
例えば、エマルジョンは、エマルジョンの総質量に基づき、有機溶媒が約5乃至約50.0質量%の量で、そして有機相重合安定剤が約0.1乃至約15.0質量%の量で、両方を有機相中に含む。
【0027】
本発明の第一の態様のカプセル化されたフレグランスエマルジョン中にその他の成分を含むことは望ましいことであり得る。例えば、低温に曝される場合に不安定性の問題を防ぐために凍結防止添加剤、例えば、モノプロピレングリコール及びモノエチレングリコールを含むことが望ましいことであり得る。
【0028】
例えば、本発明のその他の実施態様において、カプセル化されたフレグランス調合物は、i)カプセル化されたフレグランス、及びii)25℃において液体である有機溶媒及び/又は疎水性部分を含みそして水相よりも有機相中により可溶性の物質である有機相安定化物質、を含む有機相を含み、該有機相は、水と、多数の親水性基及び疎水性基を有する水溶性安定化ポリマーである水溶性安定化物質と、所望により凍結防止化合物を含有する水相連続層中に分布しているところの安定なエマルジョンを含む。
【0029】
本発明のその他の実施態様において、カプセル化されたフレグランスは、微粒子中にカプセル化される。これらの微粒子はコア−シェル構造からなる。
【0030】
粒子は、コアが、ポリマ−シェルにより囲まれたポリマー粒子を含む、コア−シェル構造を有することが好ましい。
【0031】
より好ましくは、粒子は、ポリマー粒子を含むコア及び、水溶性又は部分的に水溶性のポリマーを含むシェル、を含む。水溶性又は部分的に水溶性のポリマーのシェルは、重合の間にポリマー粒子のコアの周りに形成されることが特に好ましい。
【0032】
コアポリマー又はコポリマーは、微粒子のコア部分が、ガラス転移温度(Tg)が50℃より低いコポリマーを形成し得る、メタクリレート又はアクリレートモノマー及びビニルモノマーの組合せから形成される。
【0033】
ポリマーについてのガラス転移温度(Tg)はカーク・オスマー(Kirk Othmer)の化学工学事典,第19巻、第四版、891頁に、それより低温では(1)全分子の転移運動、及び、(2)炭素原子数40から50の鎖セグメントのコイル又は非コイル、のどちらも凍結されるところの温度として定義される。それゆえに、そのTgより下ではポリマーは流動やゴム弾性を示さない。ポリマーのTgは、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定され得る。
【0034】
本発明の目的のために、Tgが50℃より低く、好ましくは40℃より低い、アルキル
(メタ)アクリレートとのスチレンベースのコポリマーの全てが、スチレン−アクリレートコアポリマー又はコポリマーとして使用され得る。
【0035】
コアポリマー又はコポリマーを形成するために使用される(メタ)アクリレートモノマーは、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、デシル又はラウリル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及びマレエートのようなジカルボン酸エステルモノマー及びプロピル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる。好ましい(メタ)アクリレートモノマーは、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル−ヘキシル(メタ)アクリレート及びt−ブチル(メタ)アクリレート又はそれらの混合物である。
【0036】
コアポリマー又はコポリマーのビニル重合性モノマー又は複数モノマーは、メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、スチレン、及びα−メチルスチレ
ン、アルキル化されたスチレン及びその混合物のようなスチレン誘導体からなる群より選ばれる。好ましいビニル重合性モノマー又は複数モノマーは、メチルメタクリレート、スチレン又はアルキル化スチレンである。
【0037】
コアポリマー又はコポリマーのためのビニル重合性モノマーは、(メタ)アクリル酸又はアクリル酸のような、酸官能基を含まない上記したようなモノマーである。特に、スチレン、α−メチルスチレン及びアルキル化スチレンが好ましい。
【0038】
コアポリマー又はコポリマー中の(メタ)アクリレートモノマー対ビニル重合性モノマーの質量比は、約30/70乃至約70/30の範囲であり、好ましくは(メタ)アクリレートモノマー対ビニル重合性モノマーの質量比は約35/60乃至約60/35である。最も好ましくは、該質量比は、コアポリマー又はコポリマーの総質量に基づき、約40/60乃至約60/40である。
【0039】
例えば、本発明のコアポリマー又はコポリマーは、
50.0質量%のn−ブチルアクリレート及び50.0質量%のスチレン、
45.0質量%のn−ブチルアクリレート及び55質量%のスチレン、
40.0質量%の2−エチルヘキシルアクリレート及び60.0質量%のスチレン、
40.0質量%の2−エチルヘキシルアクリレート及び30.0質量%のメチルメタクリレート及び30.0質量%のスチレン、及び
45.0質量%の2−エチルヘキシルアクリレート及び55質量%のスチレン、
を含む。
【0040】
それらの例のそれぞれは、低いTg(50℃より低い)を与える。例えば、55/45
スチレン2−エチルヘキシルアクリレートコアコポリマーは約22℃のTgを与える。
【0041】
コアポリマー又はコポリマーの平均分子量は、約150,000乃至約350,000g/molの範囲である(標準工業規格を用いてGPCにより測定された)。
好ましくは、ポリマーは、約200,000乃至約300,000g/molの分子量を有する。より好ましくは、マトリクスポリマーの最適な分子量は、約200,000乃至約275,000g/molである。
【0042】
コアポリマー又はコポリマーの平均粒径は、約300ナノメートルより小さい。例えば、平均粒径は約60乃至約200ナノメートルの範囲内であり、例えば、約60乃至約150ナノメートルである。平均粒径は文献で十分実証された標準的な手順によりコールター(Coulter)粒度測定装置により測定される。
【0043】
これらのビニルモノマーから水性分散液を得るためには、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム又は過酸化水素水のような親水性触媒、又はレドックス系触媒を用いて安定な分散液を製造する公知の方法によりモノマーのエマルジョン重合を行なえば十分である。
【0044】
コアポリマー又はコポリマーの重合の間存在するシェルポリマー又はコポリマーは、(メタ)アクリル酸又はアクリル酸と、酸モノマー以外のビニル重合性モノマーを共重合させて、ガラス転移温度(Tg)が約50℃乃至約120℃、好ましくは約70℃乃至約1
20℃の範囲でありそして最も好ましくは約80℃乃至約110℃の範囲であるコポリマーを形成することにより作られる。
【0045】
シェルポリマー又はコポリマーのビニル重合性モノマー又は複数モノマーは、 (メタ)アクリル酸又はアクリル酸と酸モノマー以外のビニルモノマーを含む。ビニルモノマーの少なくとも1種は好ましくは、スチレン、アルキル化スチレン、α−メチルスチレン、
ブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート及びそれらの混合物からなる群より選ばれる。
【0046】
シェルポリマー又はコポリマーは、(メタ)アクリル酸又はアクリル酸を(メタ)アクリル酸又はアクリル酸以外のビニル重合性モノマーと共重合させることにより作られた酸含有のポリマーであり、そして、約10.0乃至約50.0質量%の、好ましくは、約10.0乃至約45.0質量%のアクリル酸、メタクリル酸又はそれらの混合物、及び、約90.0乃至約50.0質量%の、好ましくは約90.0乃至55.0質量%の(メタ)アクリル酸又はアクリル酸モノマー以外のビニル重合性モノマー、から形成される。モノマーの百分率は、ポリマー又はコポリマーの総質量に基づく。
【0047】
適切なシェルポリマー又はコポリマーの例は:
65%のスチレンと35%のアクリル酸;
43%のイソブチルメタクリレート、43%のメチルメタクリレートと14%のアクリル酸;
43%のブチルアクリレート、43%のメチルメタクリレートと14%のアクリル酸;そして
80%のエチレンと20%のアクリル酸、
である。
【0048】
シェルポリマー又はコポリマーの塩は、乳化性を保持するポリマーである限り任意の塩であり得る。好ましくは、ポリマー又はコポリマーは、揮発性の塩;例えばアンモニウム塩を含む。
【0049】
シェルポリマー又はコポリマーは、約6,000乃至約15,000g/molの平均分子量を有する。好ましくは、シェルポリマーは、約6,000乃至約12,000g/molの平均分子量を有する。最も好ましくは、シェルポリマーは、約6,000乃至約10,000g/molの平均分子量を有する。
【0050】
コア−シェルポリマー又はコポリマーは、水溶性エマルジョン中にもたらされ、そして、増粘剤、脱泡又は消泡剤、顔料、スリップ剤、離型剤、フッ素系化学物質、スターチ、ワックス及びブロッキング防止剤のようなその他の添加剤を含み得る。フッ素系化学物質、スターチ及びワックスのような成分もまた、オイル、グリース及び撥水性及び透湿バリアのようなその他のバリア特性を改善するために添加され得る。
【0051】
微粒子の平均粒径は、約100ナノメートル乃至約100マイクロメートルである。例えば、平均粒径は、約500ナノメートル乃至約50マイクロメートル;例えば約1マイクロメートル乃至約25マイクロメートルの範囲である。平均粒径は文献で実証された標準的な手順によりコールター(Coulter)粒度分布測定装置により測定される。
【0052】
エマルジョンは例えば、例えば少なくとも10%の香料原料を含むフレグランス濃縮物である場合、それは、それ自体で直接使用され得、又はあるいは希釈され得る。典型的には、濃縮物は、約0.1乃至0.5質量%の香料原料の活性濃度へ希釈されるであろう。
【0053】
ここで用いられる用語“フレグランス”は、香水又は香料成分又は香料原料、冷却剤及びその他の感知できる剤、又はそれらの組合せを含み得る。
【0054】
本発明のエマルジョンに含まれるカプセル化されたフレグランスは、エマルジョンの総質量に基づき、約0.001質量%乃至約90質量%;例えば、約40質量%乃至約80質量%;例として、エマルジョンの総質量に基づき約50質量%乃至約70質量%を占め
る。
【0055】
カプセル化されたフレグランスは、エマルジョンの総質量に基づき約0.001質量%乃至約20質量%;例えば、約0.01質量%乃至約10質量%;例として、エマルジョンの総質量に基づき約0.1質量%乃至1質量%を占める。
【0056】
本発明のエマルジョンに採用されたフレグランス又は香料成分は、当該技術分野において知られる従来のものである。そのままの形態において使用された場合の揮発性(強度における変化で示されるように)又は変色に起因して不安定である香料成分でさえも、以下に記載されたようにフレグランス担体中に含浸された場合に本発明のエマルジョンにおける使用のために、安定でそして好適である。ここで使用されるように、フレグランスは、フレグランスが色又は強度において感知できる変化を示さず、そして49℃において10日後の揮発性により感知できる損失を示さない場合は、“安定な”ものであると考えられる。
【0057】
好適な香料化合物及び組成物は、
米国特許第4,145,184号明細書;米国特許第4,209,417号明細書;米国特許第4,515,705号明細書;米国特許第4,152,272号;明細書;米国特許第5,378,468号明細書;米国特許第5,081,000号明細書;米国特許第4,994,266号明細書;米国特許第4,524,018号明細書;米国特許第3,849,326号明細書;米国特許第3,779,932号明細書、;1995年7月18日に発行された特開平07−179,328号公報;1993年9月7日に発行された特開平05−230496号公報;国際公開第96/38528号パンフレット;“国際公開第96/14827号パンフレット;国際公開第95/04809号パンフレット;及び国際公開第95/16660号パンフレットを含む先行技術において見られ得る。さらに、P.M.Muller、D.Lamparsky、パフュームスアート、サイエンス,アンドテクノロジー(Perfumes Art、Science,& Technology)、ブラッキー アカデミック アンド プロフェッショナル(Blackie Academic &Professional)(ニューヨーク、1994年)が、ここに参照として含まれる。
【0058】
香料は、その揮発性により分類され得る。高揮発性で、低い沸点の、香料成分は典型的に約250℃又はそれ以下の沸点を有する。適度な揮発性の香料成分は約250℃乃至300℃の沸点を有するものである。揮発性がより少ない、高い沸点の、香料成分は、約300℃又はそれより高い沸点を有するものである。
【0059】
高い揮発性で、低い沸点の香料成分の例は、アネトール、ベンズアルデヒド、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルホルメート、イソ−ボルニルアセテート、カンファー、シス−シトラール(ネラール)、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルアセテート、パラシメンデカナール、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメチルフェニルカルビノール、オイカリプトール、ゲラニアール、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルニトリル、シス−3−ヘキセニルアセテート、ヒドロキシシトロネラール、d−リモネン、リナロール(linalool)、リナロールオキシド、リナリルアセテート、リナリルプロピオネート、メチルアントラニレート、α−メチルイオノン、メチルノニルアセトアルデヒド、メチルフェニルカルボニルアセテート、左遷性の−メンチルアセテート、メントン、イソ−メントン、ミルセン、リルセニルアセテート、ミルセノール、メロ、メリルアセテート、ノニルアセテート、フェニルエチルアルコール、α−、β−又はγ−フェネネ(phenene)、α−テルピネオール、β−テルピネオール、テルピニルアセテート、及びヴェルテネックス(パラ−ターシャリー−ブチルシクロヘキシルアセテート)である。例えば、ラヴァディン(lavadin)は、リナロ
ール;リナリルアセテート;ゲラニオール;及びシトロネロールを主成分として含有する。レモンオイル及びオレンジテルペンの両方とも約95%のd−リモネンを含有する。
【0060】
適度な揮発性の香料成分の例は、アミルシンナミックアルデヒド、イソ−アミルサリチレート、β−カリオフィレン、セドレン、シンナミックアルコール、クマリン、ジメチルベンジルカルボニルアセテート、エチルバニリン、オイゲノール、イソ−オイゲノール、フロ(flor)アセテート、ヘリオトロピン、3−シス−ヘキセニルサリチレート、ヘキシルサリチレート、リリアール(パラ−ターシャリーブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド)、γ−メチルイオノン、メロリドール、パチョリアルコール、フェニルヘキサノール、ゲタ−セリネン、トリクロロメチルフェニルカルボニルアセテート、トリエチルシトレート、バニリン及びベラトルムアルデヒドである。シダーテルペンは主にα−セドレン、β−セドレン及びその他のC1524セスキテルペンから構成される。
【0061】
より低い揮発性、高い沸点の香料成分の例は、ベンゾフェノン、ベンジルサリチレート、エチレンブラッシレート、ガラキソリド(1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチル−シクロペンタ−γ−2−ベンゾピラン)、ヘキシルシンナミックアルデヒド、リラール(4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−10−カロキサルデヒド)、メチルセドリロン(methyl cedrylone)、メチルジヒドロジャスモネート、メチル−β−ナフチルケトン、ムスクインダノン、ムスクケトン、ムスクチベテン、及びフェニルエチルフェニルアセテートである。
【0062】
前記に示されるように、本発明において採用されたフレグランスはまた、冷却剤または冷却剤の組合せを含み得る。冷却剤は、熱又は冷感覚に関与する神経末端に直接作用する化合物である。好適な冷却剤は、メントール、メントールベースの又は非環式カルボキシミド、カンフル、オイカリプタス、及びメントールベースの又は非環式ケタール(アセタール)である。例えば、本発明における使用のための冷却剤は、3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール、N−置換−p−メンタン−3−カルボキサミド及び非環式カルボキサミド及びそれらの混合物からなる群より選ばれるものである。
【0063】
3−1−メントキシプロパン1,2−ジオールは、米国特許第4,459,425号明細書に詳細が十分に記載されている。この揮発性芳香族物質は、日本、東京の高砂香料工業株式会社からTJ−10として市販されている。
【0064】
N−置換−p−メンタン−3−カルボキサミドは、米国特許第4,136,163号明細書において十分に記載されている。例えば、この種類の冷却剤は、ウィルキンソン スウォードリミテッドからWS−3として市販されているN−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミドである。
【0065】
有用な非環式カルボキサミドは、米国特許第4,230,688号明細書において十分に記載されている。例えば、この種類の冷却剤は、それぞれ1:75:42の比率におけるN−2,3−トリメチル−2−イソプロイルブタナミドである。
【0066】
本発明のその他の実施態様は、連続水相中の至るところに分散された有機非連続層を含むエマルジョンを含むパーソナルケア組成物であって、該有機相は、
a)25℃において液体である有機溶媒、及び/又は
b)疎水性部分を含みそして水相よりも有機相により可溶の物質である有機相安定化物質、
を含み、そして該エマルジョンはカプセル化されたフレグランスをさらに含み、該フレグランスは微粒子中にカプセル化されたものであるところの組成物。
【0067】
本発明によるパーソナルケア組成物は、パーソナルケア組成物の総質量に基づいて、約0.01乃至約40質量%;例えば、約1乃至20質量%の、そして例としては約2乃至15質量%のエマルジョンを含む。
【0068】
パーソナルケア組成物は、同様にその他の成分;例えば、化粧品として許容できる担体又は助剤そして、所望により補助成分を含み得る。水が化粧品として許容できそして殆どの場合また存在もする一方、“化粧品として許容できる担体又は助剤”の語句は、パーソナルケア又は化粧品組成物において習慣的に採用される水以外の少なくとも1種の物質を指すことを意図する。
【0069】
ここで用いられる“補助成分”は、有益剤のポリマー状送達系を製造する方法に使用される成分を意味する。例えば、そのような送達系は、パーソナルケア/クレンジング製品、ヘアー製品等を含む。補助成分は、製品調合 成分とも呼ばれる。
【0070】
本発明によるパーソナルケア組成物は、多種多様な化粧品製剤に含まれ得る。特に、例えば以下の製剤が考慮される。
−シェービング製剤、例えば、シェービング石鹸、泡状シェービングクリーム、非泡状シェービングクリーム、フォーム及びジェル、ドライシェービングのためのプレシェーブ製剤、アフターシェーブ又はアフターシェーブローション、
−スキンケア製剤、例えば、スキンエマルジョン、マルチエマルジョン、又はスキンオイル、及びボディパウダー、
−パーソナルケア化粧品製剤、例えば、口紅、アイシャドウ、アイライナー、リキッドメイクアップ、デイクリーム又はパウダー、フェイシャルローション、ファンデーション、クリーム及びパウダー(ルース又はプレス)の形態のフェイシャルメークアップ、
−光保護製剤、例えば、日焼けローション、クリーム及びオイル、サンブロック及びプレタンニング製剤、
−マニキュア製品、例えば、ネイルポリッシュ、ネイルエナメル、エナメル除去剤、ネイルトリートメント、
−デオドラント、たとえば、デオドラントスプレー、ポンプ式スポレー、デオドラントジェル、スティック又はロールオン、
−制汗剤、たとえば制汗剤スティック、クリーム又はロールオン、及び
−固体/液体パーソナルクリーニング製品、たとえば石鹸、クレンザー、シャンプー、コンディショナー、ヘアートリートメント。
【0071】
本発明のその他の実施態様は、油中水型又は水中油型エマルジョンとして、アルコール性又はアルコール含有配合物として、イオン性又は非イオン性の両親媒性の油脂の小胞性の分散液として、ジェルとして、又は、水性又は非水性系としての固体スティックとして作成されたパーソナルケア組成物である。
【0072】
本発明のその他の実施態様は、金属イオン封鎖剤、非カプセル化着色剤、香料、増粘剤又は凝固(コンシステンシー調整)剤、皮膚軟化剤、UV吸収剤、界面活性剤、漂白剤、皮膚保護剤、酸化防止剤、及び防腐剤からなる群より選ばれた更なる成分の少なくとも1種を含む、パーソナルケア組成物である。
【0073】
本発明のパーソナルケア組成物は、1種又はそれ以上の更なるスキンケア、ネイルケア、又はヘアケア成分を含み得る。好ましい実施態様において、組成物が人の角質組織と接触するものである場合、更なる成分は、角質組織への適用に好適なものであるべきである、即ち、組成物に配合される場合、それらは、適切な医学上の判断の範囲内で、適切でない毒性、不適合性、不安定性、アレルギー性反応等なしにヒトの角質組織と接触する使用
に適している。
【0074】
CTFA化粧品成分ハンドブック(CTFA Cosmetic Ingredient Handbook)第2版(1992)は、本発明のパーソナルケア組成物における使用のために好適である、パーソナルケア産業において一般的に使用される広範な化粧品及び医薬品成分を記載している。
【0075】
本発明は所望によりオイルストラクチュラント(oil structrant)を含む。該ストラクチュラントは、的確なレオロジー特性をもつ分散層を提供し得る。これは、皮膚への適切な付着と保持を提供する助けとなり得、構造化された油又は油相は、1秒−1での測定で100乃至約200,000Pa s、好ましくは200乃至約100,000Pa s、そして最も好ましくは200乃至約50,000Pa sの範囲の粘度を有するべきである。この粘度を生ずるために必要なストラクチュラントの量は、油及びストラクチュラントにより変化するであろうが、一般的に、ストラクチュラントは、好ましくは分散された油相の75質量パーセントより少なく、より好ましくは50質量パーセントより少なく、そしてさらにより好ましくは分散された油相の35質量パーセントより少ないであろう。
【0076】
ストラクチュラントは、有機又は無機ストラクチュラントのどちらかであり得る。本発明に好適な有機増粘剤は、固体脂肪酸エステル、天然又は変性された油脂、脂肪酸、脂肪酸アミン、脂肪酸アルコール、天然及び合成ワックス、及びワセリン、及びシェルよりクラトン(Craton)(登録商標)の商標で販売されているブロックコポリマーである。無機ストラクチャリング剤は、疎水的に変性されたシリカ又は疎水的に変性された粘土を含む。無機ストラクチュラントの例は、レオックス(Rheox)から提供されているベントン(BENTONE)(登録商標)27V、ベントン38V又はベントンジェルミオV(BENTONE GEL MIO V);及びカボット(Cabot)コーポレーションから提供されているカブ−オ−シル(Cab−o−sil)(登録商標)TS720又はカブ−オ−シル(CAB−O−SIL)M5である。
【0077】
上記要件を満たすストラクチュラントと選択された皮膚へ適合性のある油は、三次元のネットワークを形成して選択された油の粘度を増強し得る。そのような構造化された、即ち、三次元ネットワークで増強された、油相は、入浴において使用されるウェット−スキントリートメント組成物としての使用のために非常に望ましいことが見出されている。これらの構造化された油は、濡れた皮膚上に付着し得そして非常に効果的に保持され、そしてすすぎ及び乾燥後に保持され、油っぽく/べたべたしすぎる濡れた又は乾燥した感触を引き起こすことなしに、長時間持続する皮膚洗浄後の利益をもたらす。そのような構造化された油の非常に望ましい使用中及び使用後の特性は、それらのせん断化薄(shear
thinning)レオロジー特性及びネットワークの弱い構造に起因すると考えられる。その高い低いせん断粘度に起因して、三次元ネットワーク構造化オイルは、スキンコンディショナーの適用中皮膚上に良好に留まり保持され得る。皮膚に付着された後、そのネットワークは、結晶ネットワークの弱い構造化及びそのより低い高せん断粘度(high−shear viscosity)に起因して、摩擦中に容易に崩壊する。
【0078】
多種多様のストラクチュラントが、分散相の乳化のため、並びに非発泡性の系のための許容できる拡散特性及び使用特性をもたらすための両方に、ここで有用であり得る。洗浄用途のために、界面活性剤相がまた、皮膚を清浄にするために、そして使用者のための許容できる量の泡立ちを与えるために役立つ。組成物は、好ましくは約50質量パーセント以下の界面活性剤、より好ましくは約30質量パーセント以下、さらに好ましくは約15質量パーセント以下、そしてさらにより好ましくは約5質量パーセント以下の界面活性剤を含む。組成物は、好ましくは、少なくとも約5質量パーセントの界面活性剤、より好ま
しくは少なくとも約3質量パーセント、さらに好ましくは約1質量パーセント、そしてさらにより好ましくは少なくとも0.1質量パーセントの界面活性剤を含む。クレンジング用途のために、パーソナルケア組成物は、好ましくは少なくとも300mL、より好ましくは600mLより多い、泡立ち量試験において説明される、総泡立ち量(Total Lather Volume)を生じる。パーソナルケア組成物は、好ましくは少なくとも100mL、好ましくは200mLより大きな、より好ましくは300mLより大きな、泡立ち量試験において説明される、フラッシュ泡立ち量を生じる。
【0079】
好ましい界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非発泡性界面活性剤、乳化剤及びそれぞれの混合物からなる群より選ばれるものを含む。本発明の組成物に有用な界面活性剤の例は、米国特許第6,280,757号明細書に開示されている。
【0080】
本発明のパーソナルケア組成物に有用なアニオン性界面活性剤の例は、マッカーション(McCutcheon)の、洗浄剤と乳化剤(Detergents and Emulsifiers)、ノースアメリカ版(North American edition)(1986年)、アリュアードパブリッシング コーポレーション(Allured
Publishing Corporation),及びマッカーションの機能性材料(Functional Materials),ノースアメリカ版(1992年)、及び米国特許第3,929,678号明細書に開示されている。
【0081】
アニオン性界面活性剤の例は、サルコシン酸塩、硫酸塩、イセチオン酸塩、タウレート(taurates)、リン酸塩、乳酸塩、グルタミン酸塩及びそれらの混合物からなる群から選ばれるものを含む。イセチオン酸塩の中でも、イセチオン酸アルコイルが好ましい、そして硫酸塩の中でも、アルキル硫酸塩及びアルキルエーテル硫酸塩が好ましい。
【0082】
ここで有用なその他のアニオン性物質は、典型的には、約8乃至約24個の炭素原子、好ましくは約10乃至約20個の炭素原子を有する脂肪酸からの脂肪酸石鹸(即ち、アルカリ金属塩、例えばナトリウム又はカリウム塩)である。これらの石鹸を作るために使用される脂肪酸は、例えば、植物又は動物由来のグリセリド(例えば、パーム油、ココナッツ油、大豆油、海狸油、牛脂、ラード等)のような天然源から得られ得る。脂肪酸はまた、合成的に製造され得る。石鹸及びその製造は米国特許第4,557,853号明細書に記載されている。
【0083】
その他のアニオン性物質は、モノアルキル、ジアルキル及びトリアルキルリン酸塩のようなリン酸塩を含む。ここで有用な好ましいアニオン性発泡性界面活性剤の例は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、セチル硫酸アンモニウム、セチル硫酸ナトリム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイル乳酸ナトリウム、ラウロイル乳酸トリエタノールアミン、カプロイル乳酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリン酸ナトリウム、ココイルメチルタウリン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、及びココイルグルタミン酸ナトリウム及びそれらの混合物からなる群より選ばれるようなものを含む。
【0084】
ここに使用するために特に好ましいものは、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイル乳酸ナトリウム、及びラウロイル乳酸トリエタノールアミンである。
【0085】
本発明のパーソナルケア組成物における使用のための非イオン性界面活性剤の例は、前掲のマッカーション(McCutcheon)の、洗浄剤と乳化剤(Detergents and Emulsifiers)及びマッカーションの機能性材料(Functional Materials)に開示されている。
【0086】
ここで有用な非イオン性界面活性剤は、アルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルコキシル化された脂肪酸エステル、スクロースエステル、アミンオキシド及びそれらの混合物からなる群より選ばれるものを含む。
【0087】
ここで使用される非イオン性界面活性剤の好ましい例は、炭素原子数8乃至14のグルコースアミド、炭素原子数8乃至14のアルキルポリグルコシド、スクロースココエート、スクロースラウレート、ラウラミンオキシド、ココアミンオキシド及びそれらの混合物からなる群より選ばれるものである。
【0088】
用語、両性界面活性剤は、両性界面活性剤の一部として当業者に周知の双性イオン界面活性剤を包含する。
【0089】
広範な両性発泡性界面活性剤が本発明のパーソナルケア組成物に使用され得る。特に有用なものは、脂肪族第二及び第三アミンの誘導体として広範に記載されているものであり、好ましくは窒素原子は、カチオン状態であり、脂肪族基は直鎖又は分枝であり得そして、基の1つがイオン性水溶性の基、例えば、カルボキシ基、スルホネート基、スルフェート基、ホスフェート基又はホスホネート基を含む。
【0090】
本発明の組成物に有用な両性界面活性剤の例は、前掲のマッカーション(McCutcheon)の、洗浄剤と乳化剤(Detergents and Emulsifiers)及びマッカーションの機能性材料(Functional Materials)に開示されている。
【0091】
双性イオン性界面活性剤の例は、ベタイン、サルタイン、ヒドロキシサルタイン、アルキルイミノアセテート、イミノジアルカノエート、アミノアルカノエート及びそれらの混合物からなる群より選ばれるものである。
【0092】
ここで用いられる好ましい界面活性剤は、以下のものがあり、アニオン性界面活性剤は、ラウロイルサルコシン酸アンモニウム、トリデセス硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ラウロイル乳酸ナトリウム、ラウロイル乳酸トリエタノールアミン、及びそれらの混合物からなる群より選ばれ、非イオン性界面活性剤は、ラウラミンオキシド、ココアミンオキシド、デシルポリグルコース、ラウリルポリグルコース、スクロースココエート、炭素原子数12乃至14のグルコサミド、スクロースラウレート、及びそれらの混合物からなる群より選ばれ、そして、両性界面活性剤は、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、セチルジメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココアミドプロピルヒドロキシスルタイン、及びそれらの混合物からなる群より選ばれる。
【0093】
広範な非発泡性の界面活性がここで有用である。本発明のパーソナルケア組成物は、分散層を乳化して適切な粒子サイズ及び濡れた皮膚への良好な適用性を得るために十分な量の1種又はそれ以上の非発泡性界面活性剤を含み得る。
【0094】
これらの非発泡性組成物の例は:ポリエチレングリコール20ソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20)、ポリエチレングリコール5ソヤステロール、ステアレス−20、セテアレス−20、PPG−2メチルグルコースエーテルジステアレート、セテス−10、ポリソルベート80、セチルリン酸塩、セチルリン酸カリウム、セチルリン酸ジエタノールアミン、ポリソルベート60、グリセチルステアレート、PEG−100ステアレート、ポリオキシエチレン20ソルビタントリオレエート(ポリソルベート85)、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン4ラウリルエーテルステアリン酸ナトリウム、ポリグリセリル−4−イソステアレート、ヘキシルラウレート、ステアレス−20、セテアレス−20、PPG−2メチルグルコースエーテルジステアレート、セテス−10、セチルリン酸ジエタノールアミン、ステアリン酸グリセリル、PEG−100ステアレート、及びそれらの混合物である。
【0095】
さらに、本発明によるパーソナルケア組成物の幾つかの実施態様において有用な幾つかの市販の乳化剤混合物がある。例としては、ISPが提供しているプロリピッド(PROLIPID)141(グリセチルステアレート、べヘニルアルコール、パルミチン酸、ステアリン酸、レシチン、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール及びセチルアルコール)及び151(グリセリルステアレート、セテアリルアルコール、ステアリン酸、1−プロパナミウム、3−アミノ、N−(2−ヒドロキシエチル),N,N−ジメチル、N−炭素原子数16乃至18のアシル誘導体、例えば塩化物);クロダ(Croda)が提供しているポラワックス(POLAWAX)NF(乳化性ワックスNF)、インクロクワットべヘニル(INCROQUAT BEHENYL)TMS(硫酸べヘントリモニウム及びセテアリルアルコール);そしてガッテフォッセが提供しているエマリウムデルタ(EMULLIUM DELTA)(セチルアルコール、グリセリルステアレート、ペグ(peg)−75ステアレート、セテス−20及びステアレス−20)を含む。
【0096】
本発明のパーソナルケア組成物は、さらに、1種又はそれ以上の増粘/水相安定剤を含み得る。異なる安定剤は異なる効率で増粘するため、正確な組成の範囲を提供することは難しく、存在する場合は、組成物は、好ましくは、パーソナルケア組成物の約10.0質量パーセント以下であり、より好ましくは約8.0質量パーセント以下の量、そしてさらにより好ましくは約7.0質量パーセント以下の量を占める。存在する場合は、増粘/水相安定剤は好ましくは、パーソナルケア組成物の少なくとも約0.01質量パーセント、より好ましくは少なくとも約0.05質量パーセント、そしてさらにより好ましくは少なくとも約0.1質量パーセントを占める。安定剤を説明するよりよい方法は、製品中の粘度を増強しなければならないということである。これは、安定剤粘度試験を用いて測定され得る。好ましくは、安定剤は、この試験における粘度が少なくとも1000cps、より好ましくは少なくとも1500cps、そしてさらにより好ましくは少なくとも2000cpsを生じる。
【0097】
ここで有用な増粘剤の例としては、カルボマー(ビー.エフ.グッドリッチ(B.F.Goodrich)から提供されている商品名カルボポール(CARBOPOL.)(登録商標)シリーズ;例えばカルボポール(登録商標)954)のようなカルボン酸ポリマーを含む。その他の好適なカルボン酸ポリマー状薬剤は、1種又はそれ以上のアクリル酸、メタクリル酸、又はそれらの短鎖(即ち、炭素原子数1乃至4のアルコール)エステルの1種との炭素原子数10乃至30のアルキルアクリレートのコポリマーを含み、該コポリマーにおける架橋剤はスクロース又はペンタエリスリトールのアリルエーテルである。これらのコポリマーはアクリレート/炭素原子数10乃至30のアルキルアクリレートクロスポリマーとして知られそしてカルボポール(登録商標)1342、カルボポール1382、ペムレン(Pemulen)(登録商標)TR−1、そしてペムレンTR−2(ビー.エフ.グッドリッチ)として市販されている。
【0098】
増粘剤のその他の例としては、カチオン性及び非イオン性の両方を含む架橋されたポリアクリレートポリマーを含む。
【0099】
増粘剤のさらにその他の例はとしては、ポリアクリルアミドポリマー、特に、置換された分枝又は非分枝のポリマーを含む非イオン性ポリアクリルアミドポリマーを含む。これらのポリアクリルアミドポリマーの中でもより好ましいものは、セピック(Seppic)コーポレーション(米国フェアフィールド)より提供されている商品名セピゲル(Sepigel)(登録商標)305として入手可能な、CTFA(米国規格)指定のポリアクリルアミド及びイソパラフィン及びラウレス−7、の非イオン性ポリマーである。ここで有用なその他のポリアクリルアミドポリマーは、アクリル酸及び置換アクリル酸とアクリルアミド及び置換アクリルアミドとのマルチブロックコポリマーを含む。これらのマルチブロックコポリマーの市販例は、リポ(Lipo)ケミカルズインコーポレーテッド(米国、パターソン)より提供されるハイパン(Hypan)(登録商標)SR150H、SS500V、SS500W、SSSA100Hを含む。
【0100】
その他の種類のここで有用な増粘剤は、多糖類である。多糖類のゲル化剤は、セルロース及びセルロース誘導体から選ばれるものを含む。アルキルヒドロキシアルキルセルロースエーテルの中でも好ましいものは、アクアロン(Aqualon)コーポレーション(米国ウィルミントン)より提供される商品名ナトロソール(Natrosol)(登録商標)CS PLUSとして販売されるセチルアルコールとヒドロキシエチルセルロースのエーテルである、CTFA指定を受けているヒドロキシエチルセルロースである。その他の有用な多糖類は、マイケル・メルシエ(Michel Mercier)プロダクツ インコーポレーテッド(米国マウンテンサイド)より提供されるクレアロゲル(Clearogel)(登録商標)CS11が市販例である、3単位毎に(1−6)結合されたグルコースを有する(1−3)結合されたグルコース単位の直線である、スクレログルカンを含む。
【0101】
その他の種類のここで有用な増粘剤は、ゴムである。ここで有用なゴムの例としては、ヘクトライト、シリカ水和物、キサンタンゴム、及びそれらの混合物を含む。
【0102】
さらにその他の種類のここで有用な増粘剤は、変性デンプンである。ウォーターロック(Waterlock)(登録商標)(グレインプロセッシングコーポレーション)のようなアクリルレート変性デンプンが用いられ得る。ナショナルスターチから提供されるヒドロキシプロピルデンプンリン酸、ストラクチャー(Structure)XLは、有用な変性デンプンのその他の例である。そして、その他の有用な例は、クラリアント(Clariant)から提供されるアリストフレックス(Aristoflex)(登録商標)HMB(アンモニウムアクリロジメチルタウレート/べヘネス−25メタクリレートクロスポリマー)及びカチオン性のスタビレン(Stabylen)を含む。
【0103】
本発明によるパーソナルケア組成物はまた、有機カチオン性沈着ポリマーを含み得る。カチオン性沈着ポリマーの濃度は、パーソナルケア組成物の質量の、好ましくは約0.025%乃至約3.0%、より好ましくは約0.05%乃至約2.0%、さらにより好ましくは約0.1%乃至1.0%の範囲である。
【0104】
本発明における使用のための好適なカチオン性沈着ポリマーは、第4級アンモニウム又はカチオン性のプロトン化したアミノ部分のような、カチオン性窒素含有部分を含む。カチオン性のプロトン化したアミンは、パーソナルクレンジング組成物の特定の種類及び選択されたpHに応じて、第1級、第2級又は第3級アミン(好ましくは第2級又は第3級)であり得る。カチオン性沈着ポリマーの平均分子量は、約5,000乃至約1×106
、好ましくは少なくとも約100,000、より好ましくは少なくとも約200,000
であるが、好ましくは約2×106より大きくなく、より好ましくは約1.5×106より大きくない量である。ポリマーはまた、pHが約pH4乃至約pH9、好ましくは約pH5乃至約pH8の範囲であろうところの、パーソナルクレンジング組成物の使用を目的とするpHにおいて、約0.2meq/g乃至約5meq/g、好ましくは少なくとも約0.4meq/g、より好ましくは少なくとも約0.6meq/gのカチオン性の電荷密度を有する。
【0105】
パーソナルケア組成物における使用のためのカチオン性沈着ポリマーの例としては、カチオン性セルロース誘導体のような、多糖ポリマーを含む。好ましいカチオン性セルロースポリマーは、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩であり、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム10と呼ばれ、アマーコール(Amerchol)コーポレーション(米国ニュージャージー州エディソン)から入手可能で、彼らのポリマーKG、JR及びLRシリーズのポリマーであり、最も好ましいものはKG−30Mである。
【0106】
その他の好適なカチオン性沈着ポリマーは、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドのようなカチオン性グアーゴム誘導体を含み、その具体的な例としては、ロディア(Rhodia)インコーポレーテッドから市販されているジャガー(Jaguar)シリーズ(好ましくはジャガーC−17)及びアクアロン(Aqualon)より市販されているN−Hanceポリマーシリーズを含む。
【0107】
その他の好適なカチオン性沈着ポリマーは合成カチオン性ポリマーを含む。ここでパーソナルクレンジング組成物における使用のために好適なカチオン性ポリマーは、約4meq/g乃至約7meq/g、好ましくは約4meq/g乃至約6meq/g、より好ましくは約4.2meq/g乃至約5.5meq/gの範囲のカチオン性の電荷密度を有する水溶性又は分散性、非架橋性、カチオン性ポリマーである。選択されたポリマーはまた、約1,000乃至約1 106、好ましくは約10,000乃至約500,0000、よ
り好ましくは約75,000乃至約250,000の平均分子量を有するべきである。
【0108】
パーソナルケア組成物中のカチオン性ポリマーの濃度は、組成物の質量の、約0.025%乃至約5.0%、好ましくは約0.1%乃至3.0%、より好ましくは約0.2%乃至約1.0%の範囲である。
【0109】
洗浄組成物における使用のための市販されている合成カチオン性ポリマーの例としては、ロディア(米国クランベリー)より提供される商品名ポリケア(Polycare)(登録商標)133として入手可能なポリメチルアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドである。
【0110】
その他の任意の成分の例としては、有益剤を含み、ビタミン及びその誘導体、例えば、アスコルビン酸、ビタミンE、トコフェリルアセテート等;サンスクリーン;増粘剤、例えば、クロダ(Croda)よりCROTHIXとしての入手可能なポリオールアルコキシエーテル;洗浄組成物の抗菌性品質を維持するための防腐剤;抗にきび剤、例えば、レゾルシノール、サリチル酸等;抗酸化剤;アロエベラ抽出物、アラントイン等のような皮膚鎮静及び治癒剤;錯化剤及び金属イオン封鎖剤;及びフレグランス、エッセンシャルオイル、皮膚知覚剤(skin sensate)、顔料、真珠光沢剤、例えば、マイカ及び二酸化チタン、レーキ、着色剤等、例えば、クローブオイル、メントール、カンフル、オイカリプタスオイル、及びオイゲノールのような美的目的のために好適な剤、抗菌剤及びそれらの混合物からなる群より選ばれる。これらの物質は、当業者に自明なように、必要とされる利点を提供するのに十分な範囲において使用され得る。
【0111】
本発明によるパーソナルケア組成物は、当業者により良く知られた方法により、パーソナルケア組成物又は配合物中へカプセル化されたフレグランスを含む好適なエマルジョンを物理学的にブレンドすることにより製造され得る。
【0112】
本方法の1つの実施態様において、パーソナルケア又は化粧品組成物は、単一のポリマーマトリクス物質中に個別に提供されるカプセル化された複数のフレグランスのブレンドを含む。他の実施態様においては、パーソナルケア又は化粧品組成物は、別々のポリマーマトリクス物質中に個別に提供される異なる複数のカプセル化されたフレグランスを含む上記のような微粒子のブレンドを含む。
【0113】
本発明のその他の実施態様は、下記工程:
a)水で髪及び/又は皮膚をぬらすこと、
b)エマルジョン中にカプセル化されたフレグランスを含むパーソナルケア組成物の有効量を髪及び/又は皮膚へ適用すること、そして
c)水を用いて髪及び/又は皮膚から組成物を洗い流すこと、
を含む髪及び皮膚をケア/洗浄する方法である。
【0114】
これらの工程は、所望のパーソナルケア及びフレグランス付着の利点を達成するために必要な回数繰り返され得る。
【0115】
本発明のその他の実施態様は、以下の工程:
a)人体の少なくとも1部分へカプセル化されたフレグランスを含むエマルジョンを含むパーソナルケア組成物の有効量を適用すること、そして
b)パーソナルケア組成物を均一に効率的に分布させるために十分な力で人体の効果を受けた部分を摩擦すること、
を含む人体への改善されたフレグランス送達の方法である。
【0116】
本発明による組成物は、香料ポリマー粒子及び/又はポリマー粒子とプレミックスされ得る微粒子とは別の補助成分としての更なるポリマーを含み得る。
【0117】
以下の実施例は、本発明の特定の実施態様を説明するが、本発明のこれに限定されるものではない。
【実施例】
【0118】
実施例1
カプセル化されたフレグランスを含有するエマルジョンの製造
油相を、10.0部のフローラルフレグランス(ムーンライトパス(Moonlight Path)、IFF)、5.0部の化粧油フィンソルブ(Finsolv)(登録商標)TN(炭素原子数12乃至15の安息香酸アルキル、フィンテックス(Fintex))、及び2.0部のステアリルメタクリレート、スチレン及び無水マレイン酸(60/30/10質量%)の油溶性安定剤コポリマーを25mLのビーカーに加えることにより製造した。その混合物を均一な溶液が得られるまで攪拌した。別の150mLのビーカーで、水相を、60.0部の脱イオン(DI)水、7.0部のプロピレングリコール、及び11.0部の実施例7で製造したエマルジョンコポリマーを加えることにより製造した。その混合物を、シルバーソン(Silverson)ホモジナイザーを用いて低速で全ての成分が溶解するまで攪拌した。ホモジナイザー速度は、油相が徐々に添加されるにつれて上昇させた。得られたカプセル化されたフレグランスを有するエマルジョンは、粒径1乃至5マイクロメートルの粒子が得られる速度においてホモジナイズした。その手順は、新鮮なフレグランスで繰り返した。カプセル化されたフレグランスを含むエマルジョンが得られた。
【0119】
実施例2
カプセル化されたフレグランスを含有するエマルジョンのコンディショニングシャンプーの製造
カプセル化されたフレグランスを含有するコンディショニングシャンプーを製造した。
【表1】

【0120】
適切な容器へ、パートAを加え、そして中程度の攪拌を開始した。パートBを添加しそしてその混合物を70℃まで加熱した。パートCの成分を、それぞれの添加の間に混合しながら加えた。その混合物を20分間混合しそして次に、冷却させた。パートDの成分を加えそして均一になるまで混合した。その混合物を50℃まで冷却した。パートEを加え、15分間混合し、そして35℃まで冷却させた。パートFの成分をその中間に混合しながら加えた。パートGのフレグランスを加えそしてよく混合した。このバッチを次に室温まで冷却させた。
【0121】
実施例3
髪の束におけるシャンプーの評価
髪の束を、実施例2の配合物の2mLで処理しそして1時間摩擦した。髪の束を次に水で30秒すすいだ。髪の束を空気乾燥させた。
【0122】
それぞれのパネリストを、コード化された髪の束の臭いをかいでもらい、そしてより強いフレグランスがそれぞれの髪の束に検出され得るかどうか又は如何なる違いも判断できないかを決めるよう依頼した。パネル結果を以下の表に示す。
【0123】
【表2】

【0124】
このことは、カプセル化されたフレグランスなしのコンディショニングシャンプーで処理された髪よりも、本発明により処理された髪がより強いフレグランスを保持することを示すものである。
【0125】
実施例4
カプセル化されたバニラフレグランスを含有するエマルジョンの製造
油相を、5.0部のバニラ(カルーバ(Carrubba))、2.5部の化粧油フィンソルブ(登録商標)TN(炭素原子数12乃至15の安息香酸アルキル、フィンテックス(Fintex))、及び2.0部の油溶性安定剤(ソルビタンモノオレエート、スパン(Span)(登録商標)80)を25mLのビーカーに加えることにより製造した。その混合物を均一な溶液が得られるまで攪拌した。別の100mLのビーカーにおいて、35.0部の脱イオン(DI)水、3.75部のブチレングリコール、及び7.0部の実施例7で得られたエマルジョンコポリマーを加えることにより、水相を製造した。その混合物を、シルバーソンホモジナイザーを用いて低速で全ての成分が溶解するまで攪拌した。ホモジナイザー速度は、油相が徐々に添加されるにつれて上昇させた。得られたエマルジョンは、粒径1乃至5マイクロメートルの粒子が得られる速度においてホモジナイズした。
【0126】
実施例5
カプセル化されたマンゴーフレグランスを含有するエマルジョンの製造
油相を、5.0部のマンゴーオイルフレグランス(マンゴーオイル、カルーバ(Carrubba))、2.5部の化粧油フィンソルブ(登録商標)TN(炭素原子数12乃至15の安息香酸アルキル、フィンテックス)、及び2.0部の油溶性安定剤(ソルビタンモノオレエート、スパン(登録商標)80)を25mLのビーカーに加えることにより製造した。その混合物を均一な溶液が得られるまで攪拌した。別の100mLのビーカーにおいて、35.0部の脱イオン水、3.75部のブチレングリコール、及び7.0部の本発明の実施例7で得られたエマルジョンコポリマーを加えることにより、水相を製造した。その混合物を、シルバーソンホモジナイザーを用いて低速で全ての成分が溶解するまで
攪拌した。ホモジナイザー速度は、油相が徐々に添加されるにつれて上昇させた。得られたエマルジョンは、粒径1乃至5マイクロメートルの粒子が得られる速度においてホモジナイズした。
【0127】
実施例6
カプセル化されたオレンジを含有するエマルジョンの製造
油相を、5.0部のオレンジオイル(オレンジオイル、IFF)、2.5部の化粧油フィンソルブ(登録商標)TN、及び2.0部の油溶性安定剤(ソルビタンモノオレエート、スパン(登録商標)80)を25mLのビーカーに加えることにより製造した。その混合物を均一な溶液が得られるまで攪拌した。別の100mLのビーカーにおいて、35.0部の脱イオン水、3.75部のブチレングリコール、及び7.0部のブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート及びメタクリル酸からなるコポリマー(30/30/25/15質量%、水性安定剤)を加えることにより、水相を製造した。その混合物を、シルバーソンホモジナイザーを用いて低速で全ての成分が溶解するまで攪拌した。ホモジナイザー速度は、油相が徐々に添加されるにつれて上昇させた。得られたエマルジョンは、粒径が1乃至5マイクロメートルの粒子が得られる速度においてホモジナイズした。安定性は、エマルジョンが以下に挙げた条件において1週間の貯蔵後に有意にフレグランスを消失するかどうかの、フレグランス強度の人による嗅ぎ分けテスト(human stiff test)による判定に基づく。
【0128】
【表3】

Org.Stab. は、油溶性安定剤を表し;
Aq.Atab. は、水性安定剤を表し;
PGはプロピレングリコールを表す。
成分の質量はgで表した。
得られた生成物の安定性を、45℃における1週間後に測定した。ランA乃至Eによるそれぞれの組成物については如何なる安定性も得られなかった。このことは、フレグランスの非カプセル化はフレグランス組成物又はエマルジョンの不安定性を招くことを示す。
【0129】
実施例7
コアシェルポリマーの製造
必要な補助装置を装着した実験室用反応器へ、アンモニウム塩としてのスチレン/アクリル酸コポリマーを(65質量%スチレン/35質量%アンモニウム塩としてのアクリル酸、988g、分子量7,000)、水(3520g)、過硫酸アンモニウム(3.4g)、及びテトラロン(TETRALON)B(1.5g)を添加した。攪拌された反応器の中身を85℃に加熱した。モノマー溶液[スチレン(1294g)及び2−エチルヘキシルアクリレート(1058g)の溶液]及び開始剤溶液[水(210g)に溶解した過硫酸アンモニウム(9g)]を同時に添加した。モノマー溶液を3時間、一方開始剤溶液を4時間かけて添加した。得られたポリマーエマルジョンを室温まで冷却した、そして該
エマルジョンは約46%の固形分であった。粒子の組成は、70部のスチレン/2−エチルヘキシルアクリレートコポリマー(55/45、分子量250,000)のコア及び30部のスチレン/アクリル酸(65/35)のシェルである。コア−シェルの粒径は典型的には約80nm乃至約120nmであった。ガラス転移温度(Tg)は37℃であった


【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的な水相中に分布する有機の不連続相を含むエマルジョンであって、
有機相は、
a)25℃において液体である有機溶媒、及び/又は
b)疎水性部分を含みそして水相よりも有機相中により可溶性の物質からなる、有機相安定化物質、
を含み、
そして前記エマルジョンが、カプセル化されたフレグランスをさらに含み、該フレグランスが微粒子内にカプセル化されているものである、
エマルジョン。
【請求項2】
前記有機相が、
a)炭素原子数8乃至30のアルキル部分を含むエチレン性不飽和モノマーの少なくとも1種、
b)エチレン性不飽和カルボン酸又はエチレン性不飽和酸無水物の少なくとも1種、及びc)所望によりその他の非水溶性エチレン性不飽和モノマー、
から形成された付加コポリマーから選ばれる有機相安定化物質を含む、請求項1に記載のエマルジョン。
【請求項3】
前記有機相安定化物質が、
a)40乃至90質量%の炭素原子数8乃至30のアルキル(メタ)アクリレート、
b)10乃至40質量%の、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸及びメタクリル酸からなる群より選ばれた少なくとも1種のモノマー、そして
c)0乃至50質量%の、炭素原子数1乃至7のアルキル(メタ)アクリレート、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリルからなる群から選ばれた少なくとも1種のモノマー、から形成された付加ポリマーから選ばれる、請求項2に記載のエマルジョン。
【請求項4】
前記有機相安定化物質が、親水性/親油性バランスが7より小さい界面活性剤である、請求項1に記載のエマルジョン。
【請求項5】
前記有機相安定化物質が、ソルビタンモノオレエートである、請求項4に記載のエマルジョン。
【請求項6】
前記微粒子が、コア−シェル構造を含む、請求項1に記載のエマルジョン。
【請求項7】
前記微粒子のコア部分が、ガラス転移温度(Tg)が50℃より低いコポリマーを形成し得る、メタクリレート又はアクリレートモノマー及びビニルモノマーの組合せから形成されたポリマーを含む、請求項6に記載のエマルジョン。
【請求項8】
前記ビニルモノマーが、メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、アルキル化スチレン、及びそれらの混合物からなる群より選ばれる、請求項7に記載のエマルジョン。
【請求項9】
前記微粒子のシェル部分が、メタクリル酸又はアクリル酸と、スチレン、アルキル化スチレン、α−メチルスチレン、ブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物から成る群より選ばれるビニルモノマーとの組合せから形成されたポリマーを含む、請求項8に記載のエマルジョン。
【請求項10】
請求項1に記載のエマルジョンの有効量を含む、パーソナルケア組成物。

【公表番号】特表2010−513369(P2010−513369A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541968(P2009−541968)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【国際出願番号】PCT/EP2007/063567
【国際公開番号】WO2008/074675
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】