説明

カム装置

【課題】カムレバーの運動の変更を容易に実現するカム装置を提供すること。
【解決手段】カム装置10,20が、回転駆動されるカム板(11,21)11,21と、接触子13,23を有するカムレバー14,24と、接触子13,23を移動させてカム面12,22に接触させると共にカム面から離間させる接触子移動手段15,25とを具備する。カム面12,22は、円周方向で区画された複数のカム面区画から構成され、接触子移動手段15,25は、カム板(11,21)の一回転の間に、接触子13,23,が複数のカム面区画の特定のものには接触するが、他のカム面区画からは離間するように接触子13,23を移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転運動を周期的な直線運動に変換するカム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
回転駆動される円板カムと、その外周のカム面に接するカムローラを有する従動節(カムレバー)とを備えるカム装置は広く知られており、例えば特許文献1及び2に記載されたものが知られている。そこでは、円板カムの1回転の回転運動がカムレバーの1周期の直線運動に変換される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−10332号公報
【特許文献2】特開平5−337749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ワークとしての部品のハンドリングを行うピックアンドプレイス装置に特許文献1及び2に示されたようなカム装置を利用することが可能である。ピックアンドプレイス装置では、部品の種類に応じてカムレバーの運動を変更する必要が生じる場合があるが、そのような場合、カムレバーの運動は、カム装置の円板カムを交換することにより、あるいは予め設けられていた複数の円板カムの一つを他のものに切り替えることにより変更され得る。但し、そうすることにより、装置の不稼働時間の増加、構造の複雑化、及び重量の増加等が問題となる。
【0005】
本発明は前述した従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、カムレバーの運動の変更を容易に実現するカム装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、カム装置(10,20,30,40,110,120)が、回転駆動されるカム板(11,21,31,41)と、カム板に接する接触子(13,23,33,43,113,123)を有するカムレバー(14,24,34,44,114,124)と、接触子(13,23,33,43,113,123)を移動させてカム板(11,21,31,41)のカム面(12,22,32,42)に接触させると共にカム面から離間させる接触子移動手段(15,25,35,45,115,125)とを具備し、カム面(12,22,32,42)は、円周方向で区画されて異なるカム輪郭を有する複数のカム面区画(12a〜12f、22a〜22f)から構成され、接触子移動手段(15,25,35,45)は、カム板(11,21,31,41)の1回転の間に、接触子(13,23,33,43,113,123)が複数のカム面区画の特定のもの(12a、22a)には接触するが、他のカム面区画(12b〜12f、22b〜22f)からは離間するように接触子(13,23,33,43,113,123)を移動させることを特徴とするものである。
【0007】
このように、カム面を複数のカム面区画に分割すると共に、所望の一つのカム面区画に接触子が接するように、接触子移動手段が接触子を移動させるので、接触子の接触すべきカム面区画を変更するだけでカムレバーの運動を変更することが可能になる。
【0008】
本発明では、カムレバー(14,24)が、枢軸(16,26)と、枢軸(16,26)に関して一方の側のレバー第1部分(14a、24a)と、他方の側のレバー第2部分(14b、24b)とを有し、接触子(13,23)がレバー第1部分(14a、24a)に配置され、接触子移動手段(15,25)が、レバー第2部分(14b、24b)に力を作用することにより接触子(13,23)を移動させてよい。これによれば、レバーは枢軸を中心に回動するので、枢軸と接触子との間の距離及び枢軸と接触子移動手段による力の作用点との間の距離等を選択することによりカム装置の作動の最適化が容易に実現される。
【0009】
本発明では、接触子(33)が、カムレバー(34)に対して移動可能であるようにカムレバー(34)により支持されて、接触子移動手段(35)が、カムレバー(34)に搭載されて接触子(33)を移動させてもよい。これによれば、接触子は接触子移動手段によって直接に駆動されるので、接触子の移動の応答性を高めることが可能になる。
【0010】
本発明では、カムレバー(44)が、接触子(43)を有するレバー第1部分(44a)と、レバー第2部分(44b)と、接触子移動手段(45)によって第1位置(P1)と第2位置(P2)のとの間を移動させられる枢軸(46)とを有して、枢軸(46)が第1位置(P1)にあるとき、接触子(43)はカム面区画の特定のものに接触して、レバー第1部分(44a)とレバー第2部分(44b)は枢軸(46)を中心にして一体に回動し、枢軸(46)が第2位置(P2)にあるとき、接触子(43)がカム面(42)から離間させられてよい。
【0011】
本発明では、接触子移動手段が、カム板(11,21)と同軸に且つ隣接して配置されて一体に回転する接触子移動カム(115,125)を具備するカム装置(110,120)であってよい。その場合、接触子(113,123)は接触子移動カム(115,125)にも接するように配置されており、接触子移動カム(115,125)は、カム板(11,21)の複数のカム面区画(12a〜12f、22a〜22f)の特定のもの(12a、22a)へ接触子(113,123)を接触させるようにカム板(11,21)のカム輪郭より内側に輪郭を有する非接触区画(115b)と、カム板(11,21)の他のカム面区画(12b〜12f、22b〜22f)から接触子(113,123)を離間させるようにカム板(11,21)のカム輪郭より外側に輪郭を有する接触区画(115a)とを含んでいる。
【0012】
これによれば、特定のカム面区画に対する接触子の接触とそこからの離間は、カム板と一体に回転する接触子移動カムによってなされるので、特にそのタイミングを制御することも不要となり、したがってより正確な接触子の離間及び接触が実現される。また、その結果カム輪郭にドウエル部を設けないことも可能になる。さらに、接触すべき特定のカム面区画を変更する場合には、接触子移動カムの位相をずらすだけで変更できるので、装置を停止することなくこの位相を変更することも可能となる。
【0013】
本発明では、カムレバー(114,124)が、第1枢軸(116a,126a)と、接触子(113,123)が配設されて第1枢軸(116a,126a)周りに回転する第1レバー部材(114a,124a)と、第2枢軸(116b,126b)と、第2枢軸(116b,126b)周りに回転する第2レバー部材(114b,124b)と、第1レバー部材(114a,124a)に固定されて第1枢軸(116a,126a)周りに回転する第1歯車(114c,124c)と、第2レバー部材(114b,124b)に固定されて第2枢軸(116b,126b)周りに回転する第2歯車(114d,124d)にして、第1歯車(114c,124c)に噛み合う第2歯車(114d,124d)とを具備してよい。この場合、接触子(113,123)の移動に基づく第1レバー部材(114a,124a)の運動が第1歯車(114c,124c)及び第2歯車(114d,124d)を介して第2レバー部材(114b,124b)に伝達される。
【0014】
これによれば、接触子の移動量と第2レバー部材の先端の移動量の比率を第1及び第2レバー部材の長さの比だけでなく第1及び第2歯車の歯車比によっても決定できるので、比較的単純な構成であるにも拘わらず自由度の高い前記比率の設定が可能となる。
【0015】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態による第1及び第2カム装置を含んだピックアンドプレイス装置の主に左側面を表す模式的な斜視図である。
【図2】前記ピックアンドプレイス装置の主に右側面を表す模式的な斜視図である。
【図3】前記第1カム装置のカム板の模式的正面図である。
【図4】前記第2カム装置のカム板の模式的正面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態によるカム装置の模式的正面図である。
【図6】図5に示されるカム装置の模式的平面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態によるカム装置の模式的正面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態による第1及び第2カム装置を含んだピックアンドプレイス装置の模式的な正面図である。
【図9】図8のピックアンドプレイス装置の模式的側面図である。
【図10】図8のピックアンドプレイス装置の内部を示す図であって第4の実施形態による第1カム装置を模式的に示す図である。
【図11】図8のピックアンドプレイス装置の内部を示す図であって第4の実施形態による第2カム装置を模式的に示す図である。
【図12】第4の実施形態による第1カム装置のカム板と接触子移動カムとの模式的正面図である。
【図13】前記第1カム装置のカム板と接触子移動カムの位相の変更を示す模式的正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態によるカム装置について図1〜図4を参照して説明する。第1の実施形態のカム装置は、ワークである部品(図示せず)を摘み上げて所定の位置まで搬送して配置する所謂ピックアンドプレイス装置1に利用されている。図1及び図2は、第1の実施形態による二組のカム装置10,20を含んだピックアンドプレイス装置1の模式的な斜視図である。また、図3及び図4は前記二組のカム装置のカム板の模式的正面図である。
【0018】
図1及び図2に示されるピックアンドプレイス装置1は、二組のカム装置10,20と、ワークである部品(図示せず)を把持するためのチャックユニット(図示せず)と、チャックユニットをX方向及びZ方向に移動させる二軸移動機構50と、前記カム装置の各カム板11、21を回転駆動するカム駆動モータ60と、フレーム70とを具備している。なお、図1及び図2では、カム駆動モータ60は、フレーム70によって支持されていないように描かれているが、実際にはフレーム70の図示を省略した部分によって支持されている。また、本明細書では、図1及び図2の二軸移動機構50のX方向の駆動に関係するカム装置を第1カム装置10と呼び、Z方向の駆動に関係するカム装置を第2カム装置20と呼ぶ。
【0019】
二軸移動機構50は、下端部にチャックユニットが装着される二本の平行に鉛直方向に延びるZ移動シャフト51と、二本のZ移動シャフト51をその中間部でZ方向に移動可能に支持する中間連結部材52と、Z移動シャフト51の上部を連結する上部連結部材53と、フレーム70に対してZ方向に移動するZ方向作動板54と、フレーム70によってX方向に移動可能に支持されて平行に延びる二本のX移動シャフト55と、この二本のX移動シャフト55を連結する連結板56とを具備している。二本のX移動シャフト55の先端は中間連結部材52に結合されている。また連結板56には、後述する第1カム装置10の第1レバーの下端に設けられた第1伝達ピン17を受け入れる長穴56aがあけられている。一方、Z方向作動板54は、後述する第2カム装置20のレバー第2部分24bの先端に設けられた第2伝達ピン27を受け入れる溝54aを有しており、この溝54aに係合された第2伝達ピン27を介して第2カム装置20から力を伝達されてZ方向に移動される。
【0020】
第1カム装置10は、図1に示されるように、カム板として第1円板カム11と、第1円板カム11の外周面に形成されたカム面12に接触可能な接触子である第1カムローラ13を有する第1カムレバー14と、第1カムレバー14を移動させることによって第1カムローラ13を移動させる第1接触子移動手段15とを具備している。
【0021】
本実施形態の第1カムレバー14は、図1で概ね下方に延びる板状のレバー第1部分14aと、図1で概ね横に延びる板状のレバー第2部分14bとから略L字状に形成されている。また第1カムレバー14は、レバー第1部分14aと第2部分14bとの交差部に、第1円板カム11の回転軸線に平行な軸線を有する第1枢軸16を有しており、この第1枢軸16はフレーム70に固定されている。
【0022】
第1カムローラ13は、レバー第1部分14aのほぼ中間部に設けられており、また第1枢軸16に平行な回転軸線を中心に回転することができる。さらにレバー第1部分14aの下端部には、二軸移動機構50の連結板56に動力を伝達するための第1伝達ピン17が固定されている。また、レバー第2部分14bの先端部は、第1接触子移動手段15の第1エアシリンダ15aの作動軸15bの先端部に第1連結ピン18によって回動可能に連結されている。
【0023】
本実施形態における第1接触子移動手段15は、鉛直方向に往復移動可能な作動軸15bを有する第1エアシリンダ15aを具備している。第1エアシリンダ15aはその本体部が装置のフレーム70に固定され、その作動軸15bの先端部が、前述したとおり、第1カムレバー14の第1連結ピン18と回動可能に連結されている。また、第1エアシリンダ15aは、図示しないシリンダ制御装置によってその作動が制御されるように構成されている。
【0024】
第2カム装置20は、図2に示されるように、カム板として第2円板カム21と、第2円板カム21の外周面に形成されたカム面22に接触可能な接触子である第2カムローラ23を有する第2カムレバー24と、第2カムレバー24を移動させることによって第2カムローラ23を移動させる第2接触子移動手段25とを具備している。
【0025】
第2カムレバー24は、第2枢軸26と、第2カムローラ23を備える板状のレバー第1部分24aと、第2枢軸26に関して、レバー第1部分24aの反対側のレバー第2部分24bとから構成されている。レバー第1部分24aとレバー第2部分24bは一体に形成されている。レバー第2部分24bは、2枚の平行に延びる部材から構成されており、前記2枚の部材のうちの一方部材の端部から二軸移動機構50のZ方向作動板54に力が伝達され、他方の部材の端部に後述する第2エアシリンダ25aの作動軸25bが連結されている。また、第2枢軸26は円板カムの回転軸線に平行な軸線を有し、またフレーム70に固定されている。
【0026】
第2カムローラ23は、第2カムレバー24のレバー第1部分24aの先端部に設けられており、また第2枢軸26に平行な回転軸線を中心に回転することができる。一方、レバー第2部分24bの一方の部材の先端部には、二軸移動機構50のZ方向作動板54に動力を伝達するための第2伝達ピン27が固定されていて、この第2伝達ピン27はZ方向作動板54の端部に設けられた溝54aに係合している。また、レバー第2部分24bの他方の部材の先端部は、第2エアシリンダ25aの作動軸25bに第2連結ピン28により回動可能に連結されている。
【0027】
本実施形態における第2接触子移動手段25は、鉛直方向に往復移動可能な作動軸25bを有する第2エアシリンダ25aを具備している。第2エアシリンダ25aはその本体部が装置のフレーム70に固定され、その作動軸25bの先端部が、前述したとおり、第2カムレバー24と第2連結ピン28によって回動可能に連結されている。また、第2エアシリンダ25aは、図示しないシリンダ制御装置によってその作動が制御されるように構成されている。
【0028】
このように構成されているので、図1及び図2に示されるピックアンドプレイス装置1では、第1カム装置10の第1カムローラ13の第1枢軸16を中心にした周方向の変位は第1カムレバー14の下端の第1伝達ピン17を介して二軸移動機構50の連結板56のX方向の変位に変換されるので、第1カムローラ13が第1円板カム11に接触しているとき第1円板カム11が回転すると、X移動シャフト55及び中間連結部材52及びこれに結合されているZ移動シャフト51がX方向に移動される。一方、第1エアシリンダ15aを作動させてその作動軸15bを伸長させると、第1カムレバー14の図1における反時計回りの回動が引き起こされ、第1カムローラ13が第1円板カム11から切り離される。
【0029】
同様に、第2カム装置20の第2カムローラ23の第2枢軸26を中心にした周方向の変位は第2カムレバー24に設けられた第2伝達ピン27を介して二軸移動機構50のZ方向作動板54のZ方向の変位に変換されるので、第2カムローラ23が接触しているとき第2円板カム21が回転すると、Z方向作動板54に結合された上部連結部材53及びZ移動シャフト51がZ方向に移動される。一方、第2エアシリンダ25aを作動させてその作動軸25bを伸張させると、第2カムレバー24の図2における時計回りの回動が引き起こされ、第2カムローラ23が第2円板カム21から切り離される。
【0030】
次に本実施形態における第1円板カム11についてより詳しく説明する。第1円板カム11は、カム駆動モータ60のシャフトが連結される中心部の円筒状の第1ハブ部11aと外周にカム面12が形成された円板状の第1円板部11bとを有している。第1円板部11bのカム面12は、本実施形態では図3に模式的に示されるように、60度の等角度で区画された第1〜第6カム面区画12a〜12fから構成されていて、これら第1〜第6カム面区画12a〜12fの輪郭は互いに異なっている。従って圧力角及びリフト量等も異なっている。ところで、第1〜第6カム面区画12a〜12fはピックアンドプレイス装置1によりハンドリングされる6種類のA〜F部品(図示せず)に対応しており、第1〜第6カム面区画12a〜12f間の輪郭の差異はA〜F部品の外形及搬送距離等の差異に対応している。
【0031】
本発明においては、第1円板カム11が1回転する間に、第1カムローラ13は所望の特定の一つのカム面区画には接触するが他の五つのカム面区画には接触しないように制御される。第1カムローラ13は、前述したとおり、第1エアシリンダ15aを作動させることによりカム面12から切り離されることが可能である。例えばハンドリングすべき対象がA部品であるとすると、第1カム面区画12aが第1カムローラ13との接触が必要な区画で、残りの第2〜第6カム面区画12b〜12fが第1カムローラ13と切り離されなければならない区画であるので、図3に示されるように、第1カムローラ13は、第1円板カム11の回転角度が0〜60度の間に第1カム面区画12aに接し、それ以外の回転角度の間にはカム面12から切り離されるように制御される。また、例えばハンドリングすべき対象がD部品に変更された場合は、第1カムローラ13は、第1円板カム11の回転角度が180〜240度の間に第4カム面区画12dに接し、それ以外の回転角度の間にはカム面12から切り離されるように制御される。
【0032】
第2円板カム21は、第1円板カム11より大きな外径を有するものであるがその基本的な構造は第1円板カム11に同様であるので以下に簡単に説明する。第2円板カム21は、第1円板カム11と共通のカム駆動モータ60のシャフトに一体に固定されている。また、第2円板カム21のカム面22も、図4に模式的に示されるように、60度の等角度で区画された第1〜第6カム面区画22a〜22fから構成されていて、これら第1〜第6カム面区画22a〜22fの輪郭は、A〜D部品の差異に対応して互いに異なっており、さらに第1円板カム11の第1〜第6カム面区画12a〜12fともそれぞれ異なっている。図4に示される第2円板カム21においても、第1カム面区画22aが第2カムローラ23との接触が必要な区画であり、残りの第2〜第6カム面区画22b〜22fが第2カムローラ23と切り離されなければならない区画である。第2カムローラ23をカム面22から切り離すときは第2エアシリンダ25aが作動される。
【0033】
ところで、本実施形態の第1及び第2円板カムのカム面は60度で6等分された第1〜第6カム面区画から構成されていたが、本発明においては、カム面区画の数は2以上であればよく、また角度的に等分されていなくともよい。
【0034】
また、本実施形態では、カム装置は第1及び第2カム装置という二つのカム装置が示されたが、本発明ではカム装置は単一又は3以上であってもよい。
【0035】
また、本実施形態では、接触子としてカムローラが用いられたが、本発明では回転しない接触子であってもよく、例えばカムレバーの一部を接触子としてもよい。
【0036】
また、本実施形態では、接触子移動手段にエアシリンダが用いられたが、接触子移動手段は、例えば油圧シリンダ、又はサーボモータとボールねじとの組合せによるものであってもよい。
【0037】
(第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態によるカム装置30について、その模式的正面図である図5及び模式的平面図である図6を参照して説明する。このカム装置30は、カム板として円板カム31と、接触子であるカムローラ33を搭載するカムレバー34と、カムローラ33を移動させる接触子移動手段35と、カムレバー34の作動端側を摺動可能に支持する直線摺動ユニット80と、円板カム31を回転駆動するカム駆動モータ60と、それらを支持固定する基盤90とを具備している。
【0038】
カムレバー34は、ほぼ水平に延びるレバー第1部分34aと、斜め下方に延びるレバー第2部分34bとを有しており、前記レバー第1部分34aとレバー第2部分34bは一体に形成されている。また、カムレバー34は基盤90に固定された枢軸36を中心にして回動可能である。レバー第1部分34aにはカムローラ33及び接触子移動手段35が搭載されていて、レバー第2部分34bの下端は直線摺動ユニット80の後述する水平作動部材81にピンで連結されている。この連結部はレバー第2部分34b下端の枢軸36を中心にした円周方向の変位が水平作動部材81の水平方向の変位に変換可能であるように、水平作動部材81には図示されない縦方向の長穴が形成され、一方レバー第2部分34b側には前記長穴に挿通するピンが固定されている。
【0039】
接触子移動手段35は、エアシリンダ35aと、接触子であるカムローラ33が固定されたスライド部材35cと、スライド部材35cをほぼ水平方向に案内する直動ガイド35dとを具備している。また、エアシリンダ35aは図示されないシリンダ制御装置によって作動が制御されることが可能である。エアシリンダ35aはレバー第1部分34aに固定されており、スライド部材35cはエアシリンダ35aの作動軸35bに固定されると共に直動ガイド35dによって摺動可能に支持されている。このように構成されているので、スライド部材35cの図5の右端部に固定されたカムローラ33は、エアシリンダ35aの作動軸35bの作動によって円板カム31のカム面32との接触及びカム面32からの切り離しが可能にされる。
【0040】
直線摺動ユニット80は、カムレバー34のレバー第2部分34bに連結されている水平作動部材81と、前記水平作動部材81を挟んで水平に延びる一対のガイドレール82と、ガイドレール82上を滑動する4個の移動体83と、水平作動部材81と移動体83を連結固定する2個の連結部材84とを具備している。
【0041】
円板カム31は、カム駆動モータ60のシャフトが連結される中心部の円筒状のハブ部31aと外周にカム面32が形成された円板状の円板部31bとを有している。円板部31bのカム面32は、第1の実施形態におけるカム面12と同様に構成されており、従って図3で示された第1〜第6カム面区画12a〜12fと同様の第1〜第6カム面区画から構成されている。
【0042】
第2の実施形態によるカム装置30はこのように構成されているので、エアシリンダ35aを制御することにより、前記第1〜第6カム面区画のうちの特定の一つのものにカムローラ33が接触するが他のカム面区画には接触しないようにカム装置30を作動させることが可能になる。
【0043】
また、第2の実施形態のカム装置は、そのカムレバーが枢軸を中心に回動するものであったが、カムレバーが直線運動をするものであってもよい。
【0044】
(第3の実施形態)
次に本発明の第3の実施形態によるカム装置40について、その模式的正面図である図7を参照して説明する。このカム装置40は、カム板として円板カム41と、接触子であるカムローラ43を有するカムレバー44と、接触子移動手段45と、直線摺動ユニット180と、円板カム41を回転駆動する図示しないカム駆動モータと、それらを支持固定する基盤190とを具備している。
【0045】
カムレバー44は、カムローラ43が端部に備えられたレバー第1部分44aと、枢軸46と、枢軸46に関してレバー第1部分44aの反対側のレバー第2部分44bとを具備している。
【0046】
第3の実施形態では、接触子移動手段45は、基盤190に固定されたエアシリンダ45aを具備していて、このエアシリンダ45aの作動軸45bの先端がカムレバー44の枢軸46に連結されている。従ってエアシリンダ45aは、カムレバー44の枢軸46を移動させ、その結果カムレバー44及びカムローラ43を移動させることができる。
【0047】
第3の実施形態では、枢軸46は下側の第1位置P1と上側の第2位置P2との間を移動できるように構成されている。枢軸46が第1位置P1に配置されたとき、レバー第1部分44a及びレバー第2部分44bは互いに角度θ1を形成し、カムローラ43は円板カム41に接触し、その結果カムレバー44はカム面の輪郭に従って枢軸46を中心にして回動する。一方、枢軸46が第2位置P2に配置されたときは、図7の2点鎖線で示されるようにレバー第1部分44a及びレバー第2部分44bは、θ1より小さい角度θ2を互いに形成して、カムローラ43が円板カム41から切り離される。
【0048】
直線摺動ユニット180は、カムレバー44のレバー第2部分44bの端部に連結された連結部材165と、この連結部材165を摺動自在に支持する軸受部166とを具備している。連結部材165とカムレバー44のレバー第2部分44bとは、枢軸46が第1位置P1に配置されているとき、レバー第2部分44bの先端の枢軸46を中心とした円周方向の変位が連結部材165の水平方向の直線変位に変換されるように連結されている。
【0049】
第3の実施形態における円板カム41は、第1の実施形態の場合と同様である。従ってカム面42は、図3で示された第1の実施形態のカム面12の第1〜第6カム面区画12a〜12fと同様の第1〜第6カム面区画から構成されている。
【0050】
第3の実施形態によるカム装置40はこのように構成されているので、エアシリンダ45aを制御することにより、前記第1〜第6カム面区画のうちの特定の一つのものにカムローラ43が接触するが他のカム面区画には接触しないようにカム装置40を作動させることが可能になる。
【0051】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態によるカム装置について図8〜図13を参照して説明する。図8は、第4の実施形態による二組のカム装置を含んだピックアンドプレイス装置4の模式的な正面図であり、図9は図8の右側面から見た模式的部分断面図であり、図10及び図11は、カム装置の内部の構造を示すために、ピックアンドプレイス装置4の内側から外側を見た模式的図であり、図12及び図13はカム板と後述する接触子移動カムの輪郭を示す模式的正面図である。また、第4の実施形態のカム装置及びピックアンドプレイス装置4の構成要素のうち、第1の実施形態のものに同様の機能を有する構成要素には同様の参照符号を付してある。
【0052】
図8〜図11に示されるピックアンドプレイス装置4は、二組のカム装置110,120と、ワークである部品(図示せず)を把持するためのチャックユニット(図示せず)と、チャックユニットをX方向及びZ方向に移動させる二軸移動機構50と、前記カム装置の各カム板11、21をカム駆動用の歯付ベルト161及び一対の歯付プーリ162、163で回転駆動するカム駆動モータ160と、接触子移動手段としての接触子移動カム115、125を接触子移動カム駆動用の歯付ベルト165及び一対の歯付プーリ166、167で回転駆動する移動カム駆動モータ(図示せず)と、フレーム170とを具備している。なお、図9では、カム駆動モータ160は、フレーム170によって支持されていないように描かれているが、実際にはフレーム170の図示を省略した部分によって支持されている。移動カム駆動モータ(図示せず)についても同様であり、フレーム170によって支持されている。また、第4実施形態においても二軸移動機構50のX方向の駆動に関係するカム装置を第1カム装置110と呼び、Z方向の駆動に関係するカム装置を第2カム装置120と呼ぶ。
【0053】
二軸移動機構50は、図8、図10、及び図11では一本のみが示されるが平行に鉛直方向に延びる二本のZ移動シャフト51と、二本のZ移動シャフト51をその中間部でZ方向に移動可能に支持する中間連結部材52と、Z移動シャフト51の上部を連結する上部連結部材53と、フレーム170に対してZ方向に移動するZ方向作動板54と、フレーム170に固定された直動軸受(図示せず)によってX方向に移動可能に支持されて平行に延びる二本のX移動シャフト55と、この二本のX移動シャフト55を連結する連結板56とを具備している。二本のX移動シャフト55の先端は中間連結部材52に結合されている。また連結板56には、第1カム装置110の後述する第1カムレバー114の第2レバー部材114bの下端に設けられた第1伝達ピン17を受け入れる長穴56aがあけられている。一方、Z方向作動板54は、第2カム装置120の後述する第2カムレバー124の第2レバー部材124bの先端に設けられた第2伝達ピン27を受け入れる溝54aを有しており、この溝54aに係合された第2伝達ピン27を介して第2カム装置120から力を伝達されてZ方向に移動される。
【0054】
第1カム装置110は、図10に示されるように、カム板として第1円板カム11と、第1円板カム11の外周面に形成されたカム面12に接触可能な接触子である第1カムローラ113を有する第1カムレバー114と、第1カムローラ113を第1円板カム11から離間させるための第1接触子移動手段としての第1接触子移動カム115とを具備している。
【0055】
第2カム装置120も同様に、図11に示されるように、第2円板カム21と、第2カムローラ123を有する第2カムレバー124と、第2接触子移動手段としての第2接触子移動カム125とを具備している。なお、図11及び図10には、ピックアンドプレイス装置4の移動カムモータ及び歯付ベルト165等の作図は、第1及び第2カム装置を明瞭にするために、省略されている。
【0056】
第1円板カム11及び第2円板カム21は、フレーム170の対向する二枚の側板171、172にそれぞれ固定された軸受によって軸支されたカム回転軸164に固定されており、前記カム回転軸164はカム駆動モータ160から動力を伝達される歯付プーリ163に固定されている。したがって、第1円板カム11及び第2円板カム21はカム駆動モータ160によって同時に回転される。
【0057】
第4の実施形態の第1カムレバー114は、図10に示されるように、フレーム170に固定された第1枢軸116aと、第1カムローラ113が一端に配設され他端側の第1枢軸116a周りに回動する第1レバー部材114aと、第1レバー部材114aに固定されて第1枢軸116a周りに回転する第1歯車114cと、フレーム170の図示されない部分に固定されている第2枢軸116bと、一端側の第2枢軸116b周りに回動する第2レバー部材114bと、第2レバー部材114bに固定されて第2枢軸116b周りに回転するとともに第1歯車114cに噛み合う第2歯車114dとを具備している。
【0058】
第2カムレバー124は、図11に示されるように、同様にフレーム170に固定された第1枢軸126aと、第2カムローラ123が配設されて第1枢軸126a周りに回動する第1レバー部材124aと、第1レバー部材124aに固定されて第1枢軸126a周りに回転する第1歯車124cと、フレーム170の図示されない部分に固定されている第2枢軸126bと、第2枢軸126b周りに回動する第2レバー部材124bと、第2レバー部材124bに固定されて第2枢軸126b周りに回転するとともに第1歯車124cに噛み合う第2歯車124dとを具備している。
【0059】
第1及び第2カムレバーのそれぞれの第1枢軸116a、126a及び第2枢軸116b、126bは、カム回転軸164に平行な軸線を有するものである。また、第1カム装置の第2レバー部材114bの下端部には、二軸移動機構50の連結板56に動力を伝達するための第1伝達ピン17が固定されている。一方、第2カム装置120の第2レバー部材124bの先端部には、二軸移動機構50のZ方向作動板54に動力を伝達するための第2伝達ピン27が固定されている
【0060】
第4の実施形態における第1接触子移動手段は、第1円板カム11と同軸に且つ隣接して配置されて一体に回転する第1接触子移動カム115から構成される。第2接触子移動手段も同様に第2接触子移動カム125から構成される。第1及び第2接触子移動カム115、125は、移動カム駆動用の一対の歯付プーリ166、167と歯付ベルト165を介して移動カム駆動モータ(図示せず)によって駆動される。第1及び第2接触子移動カム115、125及び歯付プーリ167は、カム回転軸164に固定されたそれぞれの軸受によりそれぞれ軸支されている。但し、第1及び第2接触子移動カム115、125と歯付プーリ167はそれぞれ結合パイプ168によって結合されており、したがって第1及び第2接触子移動カム115、125は歯付プーリ167と共に回転する。さらに、カム駆動モータ160と移動カム駆動モータとは、第1円板カム11と第1接触子移動カム115とが一体に、及び第2円板カム21と第2接触子移動カム125とが一体に、つまり円板カムと接触子移動カムの間に回転の位相ずれが生じることなく回転するように制御される。
【0061】
このように構成されているので、図8〜図11に示されるピックアンドプレイス装置4では、第1カム装置110の第1カムローラ113の第1枢軸116aを中心にした周方向の変位は、第1カムレバー114の第1レバー部材114a、第1歯車114c、第2歯車114d、第2レバー部材114b、及び第1伝達ピン17を介して二軸移動機構50の連結板56のX方向の変位に変換される。
【0062】
同様に、第2カム装置120の第2カムローラ123の第1枢軸126aを中心にした周方向の変位は、第2カムレバー124の第1レバー部材124a、第1歯車124c、第2歯車124d、第2レバー部材124b、及び第2伝達ピン27を介して二軸移動機構50のZ方向作動板54のZ方向の変位に変換される。
【0063】
次に第4の実施形態における第1接触子移動カム115について第1円板カム11と共に図12を参照して説明する。第4の実施形態における第1円板カム11の第1カム面12は、第1の実施形態におけるものと同様のものであって、60度の等角度で区画された第1〜第6カム面区画12a〜12fから構成されている。図12は、同軸に重ねて配置された第1円板カム11と第1接触子移動カム115と第1カムローラ113との輪郭を模式的に示す図であり、第1円板カム11のカム面12の第1〜第6カム面区画12a〜12fの仮想的境界線も示されている。
【0064】
第4の実施形態では、第1接触子移動カム115は第1円板カム11と同軸に重ね合わされ或いは同軸に隣接して配置されて一体に回転し、第1カムローラ113がこれら2枚のカムのどちらにも接触する軸線方向の長さを有している。第1接触子移動カム115は、略円板状に形成されており、第1円板カム11のカム面12の輪郭よりわずかに大きい直径を有することにより第1カムローラ113が接触する接触区画115aと、切欠きが形成されて第1円板カム11のカム面12の輪郭より内側に輪郭を有することにより、第1カムローラ113が接触しない非接触区画115bとから構成されている。このため、第1カムローラ113が第1接触子移動カム115の非接触区画115b上を通過するときは、第1カムローラ113は第1円板カム11のカム面に接触する。
【0065】
図12に示された第1接触子移動カム115の非接触区画115bの角度範囲は、第1カムローラ113が第1円板カム11の一つのカム面区画(図12の場合第1カム面区画12a)にその全範囲で接触するが隣接するカム面区画には接触しないように、第1カムローラ113の直径等を考慮して、カム面区画の角度範囲の60度よりやや大きい角度範囲で形成されている。また、第1接触子移動カム115の非接触区画115bにおける切欠きの概ね半径方向に延びる側面115cは、圧力角が45度以下となるように形成されている。
【0066】
このように構成されているので、第4実施形態では、第1円板カム11と第1接触子移動カム115が一体になって1回転する間に、第1カムローラ113は所望の特定の一つのカム面区画(図12では第1カム面区画12a)には接触するが他の五つのカム面区画には接触しない。
【0067】
第1カムローラ113が接触すべきカム面区画を第1カム面区画12aから例えば第2カム面区画12bに変更したい場合には、図13に示されるように第1接触子移動カム115の位相が図13の(A)から(B)へ60度ずれるように移動カム駆動モータが制御される。この位相の変更は、ピックアンドプレイス装置4の作動を休止することなく実施可能である。
【0068】
第2円板カム21及び第2接触子移動カム125についても上記の構成及び作用に同様であるのでそれらの説明は省略される。
【符号の説明】
【0069】
11 カム板
12 カム面
12a〜12f 第1〜第6カム面区画
13 カムローラ
14 カムレバー
15 接触子移動手段
16 枢軸
50 二軸移動機構
60 カム駆動モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動されるカム板(11,21,31,41)と、
前記カム板(11,21,31,41)に接する接触子(13,23,33,43,113,123)を有するカムレバー(14,24,34,44,114,124)と、
前記接触子(13,23,33,43,113,123)を移動させて前記カム板(11,21,31,41)のカム面(12,22,32,42)に接触させると共に前記カム面から離間させる接触子移動手段(15,25,35,45,115,125)と、を具備するカム装置(10,20,30,40,110,120)であって、
前記カム面(12,22,32,42)は、円周方向で区画されて異なるカム輪郭を有する複数のカム面区画(12a〜12f、22a〜22f)から構成され、
前記接触子移動手段(15,25,35,45,115,125)は、前記カム板(11,21,31,41)の1回転の間に、前記接触子(13,23,33,43,113,123)が前記複数のカム面区画の特定のもの(12a、22a)には接触するが、他のカム面区画(12b〜12f、22b〜22f)からは離間するように前記接触子(13,23,33,43,113,123)を移動させることを特徴とするカム装置(10,20,30,40,110,120)。
【請求項2】
前記カムレバー(14,24)が、枢軸(16,26)と、前記枢軸(16,26)に関して一方の側のレバー第1部分(14a、24a)と、他方の側のレバー第2部分(14b、24b)とを有し、
前記接触子(13,23)が前記レバー第1部分(14a、24a)に配置され、
前記接触子移動手段(15,25)が、前記レバー第2部分(14b、24b)に力を作用することにより前記接触子(13,23)を移動させることを特徴とする、請求項1に記載のカム装置(10,20)。
【請求項3】
前記接触子(33)が、前記カムレバー(34)に対して移動可能であるように前記カムレバー(34)により支持され、
前記接触子移動手段(35)が、前記カムレバー(34)に搭載されて前記接触子(33)を移動させることを特徴とする、請求項1に記載のカム装置(30)。
【請求項4】
前記カムレバー(44)が、前記接触子(43)を有するレバー第1部分(44a)と、レバー第2部分(44b)と、前記接触子移動手段(45)によって第1位置(P1)と第2位置(P2)のとの間を移動させられる枢軸(46)とを有しており、
前記枢軸(46)が前記第1位置(P1)にあるとき、前記接触子(43)は前記カム面区画の特定のものに接触して、前記レバー第1部分(44a)と前記レバー第2部分(44b)は前記枢軸(46)を中心にして一体に回動し、
前記枢軸(46)が第2位置(P2)にあるとき、前記接触子(43)がカム面(42)から離間させられることを特徴とする、請求項1に記載のカム装置(40)。
【請求項5】
前記接触子(13,23,33,43)がカムローラ(13,23,33,43)からなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカム装置(10,20,30,40)。
【請求項6】
前記接触子移動手段(15,25,35,45)が、流体圧シリンダ(15a,25a,35a,45a)を具備することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のカム装置(10,20,30,40)。
【請求項7】
前記接触子移動手段(15,25,35,45)が、電動モータを具備することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のカム装置(10,20,30,40)。
【請求項8】
前記接触子移動手段が、前記カム板(11,21)と同軸に且つ隣接して配置されて一体に回転する接触子移動カム(115,125)を具備する、請求項1に記載のカム装置(110,120)であって、
前記接触子(113,123)は前記接触子移動カム(115,125)にも接するように配置されており、
前記接触子移動カム(115,125)は、前記カム板(11,21)の前記複数のカム面区画(12a〜12f、22a〜22f)の前記特定のもの(12a、22a)へ前記接触子(113,123)を接触させるように前記カム板(11,21)の前記カム輪郭より内側に輪郭を有する非接触区画(115b)と、前記カム板(11,21)の前記他のカム面区画(12b〜12f、22b〜22f)から前記接触子(113,123)を離間させるように前記カム板(11,21)の前記カム輪郭より外側に輪郭を有する接触区画(115a)とを含むことを特徴とする、請求項1に記載のカム装置(110,120)。
【請求項9】
前記カムレバー(114,124)が、第1枢軸(116a,126a)と、前記接触子(113,123)が配設されて前記第1枢軸(116a,126a)周りに回転する第1レバー部材(114a,124a)と、第2枢軸(116b,126b)と、前記第2枢軸(116b,126b)周りに回転する第2レバー部材(114b,124b)と、前記第1レバー部材(114a,124a)に固定されて前記第1枢軸(116a,126a)周りに回転する第1歯車(114c,124c)と、前記第2レバー部材(114b,124b)に固定されて前記第2枢軸(116b,126b)周りに回転する第2歯車(114d,124d)にして、前記第1歯車(114c,124c)に噛み合う第2歯車(114d,124d)とを具備し、
前記接触子(113,123)の移動に基づく前記第1レバー部材(114a,124a)の運動が前記第1歯車(114c,124c)及び前記第2歯車(114d,124d)を介して前記第2レバー部材(114b,124b)に伝達されることを特徴とする、請求項8に記載のカム装置(110,120)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−230158(P2010−230158A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−14691(P2010−14691)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】