説明

カメラ、カメラシステム、及び交換レンズ

【課題】AF制御の為の専用CPUを設けることなく、またカメラ本体と交換レンズとの間の通信が不良な場合であっても、フォーカスレンズの駆動中にフォーカス調整精度を低下させることなくフォーカスレンズの駆動目標を更新することが可能なカメラ、カメラシステム、及び交換レンズを提供すること。
【解決手段】演算手段は、駆動手段によるフォーカスレンズの駆動中において、光電変換手段による光電変換のタイミングに関する情報を、前記光電変換手段による光電変換が行われる前に、交換レンズに送信し、位置検出手段は、前記光電変換手段による光電変換のタイミングに対応するレンズ位置を検出して前記演算手段に送信し、これを受信した前記演算手段は、前記レンズ位置に基づいて駆動目標レンズ位置を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ、カメラシステム、及び交換レンズに関し、特にフォーカスレンズの駆動中に測距を行い、駆動目標を更新することが可能なカメラ、カメラシステム、及び交換レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、例えばレンズ交換式の一眼レフレックスカメラは、オートフォーカス(以降、AFと称する)機能を有する。そして現在、このAF機能におけるフォーカス調整時間の短縮化(フォーカス調整の高速化)及びフォーカス調整精度の高精度化が求められている。
【0003】
このような一眼レフレックスカメラにおいては、フォーカス調整精度の向上の為に、フォーカスレンズを複数回駆動して合焦位置まで移動させる多段駆動方式が採られている。この多段駆動方式によれば、カメラ本体側に設けられたフォーカス調整機構により算出されるデフォーカス量(フォーカスのずれ量)は、各々の交換レンズに応じた変換パラメータを用いてレンズ駆動量に変換される。
【0004】
この変換パラメータは、光学系の微少な誤差や、フォーカスレンズのレンズ位置に伴う誤差等の様々な要因により生じる誤差を含んでいる。そして、この変換パラメータに含まれる誤差は、デフォーカス量に比例して大きくなる。従って、フォーカスレンズのレンズ位置が合焦位置に近いほど、変換パラメータはより正確な値となり、精度の良いフォーカス調整を行うことができる。
【0005】
多段駆動方式によれば、上述したようにしてフォーカスレンズを徐々に合焦位置に近づけていくことで、高精度なフォーカス調整が可能となる。
【0006】
しかしながら、多段駆動方式によれば、光学系が小刻みに駆動されることに起因して、AF動作感覚の低下を招いてしまう。また、レンズ駆動によってフォーカスレンズが合焦位置に停止するまでに掛かる時間が長くなってしまうことに起因して、レリーズタイムラグが増加してしまう。
【0007】
このような多段駆動方式における課題を解決する為に、フォーカスレンズの駆動中に測距を行ってフォーカスレンズの駆動目標の更新を行うことで、一回のフォーカスレンズの駆動によって、フォーカスレンズを合焦位置まで移動させる手法が、例えば特許文献1に開示されている。
【0008】
すなわち、特許文献1には、撮影光学系に含まれるフォーカスレンズの駆動中に、撮影光学系により形成された光学像の光電変換情報に基づいて生成された撮影光学系の焦点情報を用いて、フォーカスレンズの目標駆動量を算出する演算手段と、フォーカスレンズのレンズ位置を検出する位置検出手段とを有し、演算手段は、位置検出手段を用いて光学像の光電変換時から目標駆動量の算出時までのフォーカスレンズの移動量を求め、該移動量に応じて目標駆動量を補正する焦点調節装置が開示されている。
【0009】
さらに、特許文献1に開示されている焦点調節装置は、光電変換時のフォーカスレンズのレンズ位置を求める為に、光電変換素子による光電変換のタイミング情報および焦点情報を光学機器に送信する通信手段とを有し、前記光電変換素子による電荷蓄積開始タイミング及び電荷蓄積終了タイミングを通知し、各時点におけるフォーカスレンズのレンズ位置の中間位置を、光電変換時のフォーカスレンズのレンズ位置とする。
【特許文献1】特開2005−173267号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、カメラ本体と交換レンズとの間の通信レスポンスは常に良好であるとは限らない。すなわち、カメラ本体と交換レンズとの間の通信レスポンスに時間が掛かる場合や、当該通信レスポンスに掛かる時間等が一定でない場合も十分に考えられ得る。
【0011】
このような場合には、特許文献1に開示された焦点調節装置によれば、電荷蓄積(以降、単に蓄積と称する)開始時点におけるフォーカスレンズのレンズ位置及び電荷蓄積終了時点におけるレンズ位置に、実際の電荷蓄積制御が行なわれた時点におけるレンズ位置との誤差が生じる可能性がある。そして、このように誤差を含むレンズ位置に基づいてデフォーカス量の補正等を行った場合、合焦性能に支障をきたすことは明白である。
【0012】
なお、カメラ本体と交換レンズとの間の通信レスポンスを良好に保つ方法として、AF制御の為の専用CPUを用いることが考えられるが、このようにカメラ全体の制御を行なうシステムコントローラとは別途のCPUを用いることは当該カメラのコストアップ等に繋がってしまう。
【0013】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、AF制御の為の専用CPUを設けることなく、またカメラ本体と交換レンズとの間の通信が不良な場合であっても、フォーカスレンズの駆動中にフォーカス調整精度を低下させることなくフォーカスレンズの駆動目標を更新することが可能なカメラ、カメラシステム、及び交換レンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様によるカメラは、フォーカスレンズを含む撮影光学系と、前記撮影光学系により形成された被写体像を光電変換する光電変換手段と、前記光電変換手段によって取得した光電変換情報に基づいて焦点検出を行い前記フォーカスレンズのデフォーカス量を算出するデフォーカス量演算手段と、前記フォーカスレンズを駆動する為の駆動手段と、前記フォーカスレンズの位置であるレンズ位置を検出する位置検出手段と、前記デフォーカス量と前記レンズ位置とに基づいて前記フォーカスレンズの駆動目標である駆動目標レンズ位置を演算する駆動量演算手段と、を有するカメラにおいて、さらに、前記光電変換手段による光電変換のタイミングを指示する光電変換タイミング指示手段と、前記位置検出手段により検出されたレンズ位置を記録する記録手段と、を有し、前記駆動手段による前記フォーカスレンズの駆動中においては、前記位置検出手段によるレンズ位置の検出、前記記録手段による前記検出された複数のレンズ位置の記録、前記光電変換手段による前記光電変換タイミング指示手段の出力に応じた光電変換動作、及び前記デフォーカス量演算手段によるデフォーカス量の算出がなされるとともに、前記駆動量演算手段は、前記記録手段に記録された複数のレンズ位置と、前記光電変換タイミング指示手段の出力と前記デフォーカス量とに基づいて、駆動中の前記フォーカスレンズの駆動目標レンズ位置を再度演算することを特徴とする。
【0015】
上記の目的を達成するために、本発明の第2の態様によるカメラシステムは、フォーカスレンズを含む撮影光学系と、前記フォーカスレンズを駆動する為の駆動手段と、前記フォーカスレンズの位置であるレンズ位置を検出する位置検出手段と、を備える交換レンズと、前記撮影光学系により形成された被写体像を光電変換する光電変換手段と、前記光電変換手段によって取得した光電変換情報に基づいて焦点検出を行い前記フォーカスレンズのデフォーカス量を算出するデフォーカス量演算手段とを備えるカメラと、を有し、前記カメラに対して前記交換レンズが着脱可能であるカメラシステムであって、前記交換レンズは、前記デフォーカス量演算手段により算出された前記デフォーカス量と前記位置検出手段により検出されたレンズ位置とに基づいて前記フォーカスレンズの駆動目標である駆動目標レンズ位置を演算する駆動量演算手段と、前記位置検出手段により検出されたレンズ位置を所定のタイミングで記録する記録手段とを備え、前記カメラは、前記光電変換手段による光電変換のタイミングを指示する光電変換タイミング指示手段を備え、前記駆動手段による前記フォーカスレンズの駆動中においては、前記位置検出手段によるレンズ位置の検出、前記記録手段による前記検出された複数のレンズ位置の記録、前記光電変換手段による前記光電変換タイミング指示手段の出力に応じた光電変換動作、及び前記デフォーカス量演算手段によるデフォーカス量の算出がなされるとともに、前記駆動量演算手段は、前記記録手段に記録された複数のレンズ位置と、前記カメラから送信される前記光電変換タイミング指示手段の出力と、前記デフォーカス量演算手段により算出された前記デフォーカス量と、に基づいて前記フォーカスレンズ駆動中の駆動目標レンズ位置を再度演算することを特徴とする。
【0016】
上記の目的を達成するために、本発明の第3の態様による交換レンズは、フォーカスレンズを含む撮影光学系と、前記フォーカスレンズを駆動する為の駆動手段と、前記フォーカスレンズの位置であるレンズ位置を検出する位置検出手段と、前記フォーカスレンズの駆動目標である駆動目標レンズ位置を演算する駆動量演算手段とを具備し、前記撮影光学系により形成された被写体像を光電変換する光電変換手段と、前記光電変換手段の光電変換タイミングを制御するとともに前記光電変換手段によって取得した光電変換情報に基づいて焦点検出を行い前記フォーカスレンズのデフォーカス量を算出し、前記光電変換タイミングに関する情報と前記デフォーカス量を出力する演算制御手段と、を具備するカメラに対して着脱可能かつ通信可能な交換レンズであって、前記駆動手段による前記フォーカスレンズの駆動中においては、前記位置検出手段はレンズ位置を検出し、前記記憶手段は前記検出された複数のレンズ位置を記録するとともに、前記駆動量演算手段は、前記演算制御手段の出力する前記光電変換手段の光電変換タイミングに関する情報及び前記デフォーカス量演算手段により算出されたデフォーカス量を前記カメラとの通信により受信して、前記記録手段に記録された複数のレンズ位置と、前記受信した前記光電変換タイミングに関する情報と、前記デフォーカス量とに基づいて前記フォーカスレンズの駆動中の駆動目標レンズ位置を再度演算することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、AF制御の為の専用CPUを設けることなく、またカメラ本体と交換レンズとの間の通信が不良な場合であっても、フォーカスレンズの駆動中にフォーカス調整精度を低下させることなくフォーカスレンズの駆動目標を更新することが可能なカメラ、カメラシステム、及び交換レンズを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、以下説明する各実施形態においては、カメラとしてデジタル一眼レフレックスカメラ(以下、単にカメラと略称する)を例に説明する。
【0019】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るカメラの一構成例を示す図である。
【0020】
同図に示すように、本第1実施形態に係るカメラは、交換レンズ101と、カメラボディ110とを具備する。前記交換レンズ101は、前記カメラボディ110の前面に設けられたカメラマウント(不図示)を介して前記カメラボディ110に着脱自在に構成されている。
【0021】
前記交換レンズ101は、フォーカスレンズ102及びズームレンズ群(不図示)等から成る撮影光学系と、レンズCPU104と、モータ103と、エンコーダ106と、モータ制御回路107と、ROM108と、RAM109とを有する。
【0022】
一方、前記カメラボディ110は、メインミラー111と、フォーカシングスクリーン112と、ペンタプリズム113と、接眼レンズ114と、サブミラー115と、コンデンサレンズ116と、全反射ミラー117と、セパレータ絞り118と、セパレ一夕レンズ119と、AFセンサ120と、AFコントローラ121と、システムコントローラ122と、撮像素子123と、表示部124と、レリーズ釦125と、シャッター126とを有する。
【0023】
なお、記録手段として、前記カメラボディ110には、メモリカード127が装着されている。
【0024】
ここで、前記フォーカシングスクリーン112と、前記ペンタプリズム113と、前記接眼レンズ114とでファインダー光学系を構成している。また、前記コンデンサレンズ116と、前記全反射ミラー117と、前記セパレータ絞り118と、前記セパレ一夕レンズ119とでAF光学系を構成している。
【0025】
前記フォーカスレンズ102は、撮影光学系に含まれるフォーカス調整の為のレンズである。前記モータ103は、例えばDCモータであり、前記フォーカスレンズ102を、その光軸方向(図1において矢印Aで示す方向)に駆動し、該駆動によって前記撮影光学系のフォーカス調整を行う。
【0026】
このフォーカス調整により、前記撮影光学系を通過した被写体(不図示)からの光束は、前記カメラボディ110内の前記撮像素子123に、ピントの合った像を結ぶ。
【0027】
前記モータ制御回路107は、前記レンズCPU104からの指示に従って、前記モータ103を駆動するパルス波形を生成する。
【0028】
前記ROM108は、例えばフォーカスレンズの製造ばらつき情報やフォーカスレンズの収差情報等の、後述するデフォーカス量の演算の際に用いられる各種の情報を記録している。前記RAM109は、詳細は後述するが、測距に係わる蓄積時間中のフォーカスレンズ102の変位が記録される。
【0029】
ここで、前記ROM108及び前記RAM109は、本第1実施形態においては、図1に示すようにレンズCPU104の外部に構成されている。しかしながら、前記ROM108及び前記RAM109の代わりに、前記レンズCPU104内蔵のメモリを使用しても勿論よい。
【0030】
そして、前記レンズCPU104は、前記通信コネクタ105を介して前記カメラボディ110内の前記システムコントローラ122と通信可能に接続されている。ここで、レンズCPU104からシステムコントローラ122へは、例えばROM108に予め記憶された、フォーカスレンズの製造ばらつき情報やフォーカスレンズ102の収差情報等の、後述するデフォーカス量の演算の際に用いられる各種レンズデータや、フォーカス制御に係わる制御コマンドが通信される。
【0031】
ところで、前記カメラボディ110内の前記メインミラー111はハーフミラー部を備え、ダウン位置(図1に示す位置)に位置するときには、前記交換レンズ101を介して当該カメラボディ110内に入射する被写体(不図示)からの光束の一部を反射し、一部を透過させる。そして、前記メインミラー111によって反射された光束は、前記フォーカシングスクリーン112に結像される。
【0032】
前記ペンタプリズム113は、前記フォーカシングスクリーン112において結像した被写体像を正立像として、前記接眼レンズ114に入射させる。この接眼レンズ114は、前記ペンタプリズム113からの被写体像を、ユーザが観察可能なように拡大する。このようにして、ユーザは、被写体(不図示)の状態を観察することができる。
【0033】
前記サブミラー115は、前記メインミラー111におけるハーフミラー部の背面に設置され、前記メインミラー111におけるハーフミラー部を透過した光束をAF光学系の方向に反射する。
【0034】
前記AF光学系のコンデンサレンズ116は、前記サブミラー115で反射されて1次結像面(不図示)に結像した光束を集光して、前記全反射ミラー117の方向に入射させる。
【0035】
前記全反射ミラー117は、前記コンデンサレンズ116からの光束を前記AFセンサ120の側に反射させる。前記セパレータ絞り118は、前記AFセンサ120の前面に配され、前記全反射ミラー117からの光束を瞳分割する。
【0036】
セパレータレンズ119は、前記セパレータ絞り118で瞳分割された光束を集光して、AFセンサ120に再結像させる。このAFセンサ120は、瞳分割され再結像された視差をもつ被写体像を、映像信号に変換する。ここで、AFセンサ120は、撮影画面内の複数の焦点検出エリアにおける焦点状態を検出可能なように構成されている。
【0037】
前記AFコントローラ121は、前記AFセンサ120から、対をなす映像信号を読み出し、読み出した映像信号より被写体像の二像間隔値を相関演算によって算出する。
【0038】
前記システムコントローラ122は、前記AFコントローラ121によって求められた二像間隔値よりデフォーカス量を算出すると共に、この算出したデフォーカス量に基づいて、デフォーカス量の中からフォーカス調整に使用すべきデフォーカス量を選択し、この選択したデフォーカス量をレンズCPU104に送信する。
【0039】
前記レンズCPU104は、前記システムコントローラ122から受信したデフォーカス量に基づいてフォーカスレンズ102のフォーカス調整を行う。ここで、デフォーカス量とフォーカスレンズ102の駆動量との関係について説明する。
【0040】
まず、前記フォーカスレンズ102のレンズ位置は、前記エンコーダ106からのパルスを前記レンズCPU104内のカウンタによって数えて算出した計数値(以降、パルス数と称する)によって定義される。
【0041】
そして、駆動パルス数をΔPとし、前記AFコントローラ121によって求められたフォーカスのずれ量をデフォーカス量Dとすると、
ΔP=D・Kx…(式1)
が成立する。
【0042】
前記Kxは、デフォーカス量からパルス数への変換係数であり、交換レンズに固有の変換係数である。また、前記Kxの値は、前記フォーカスレンズ102のレンズ位置によっても変化する。
【0043】
なお、実際には撮影光学系の特性を補正する演算等も行われるが、ここでは説明の便宜上前記(式1)に示すように簡略化する。
【0044】
ところで、本第1実施形態においては、レンズパルス位置に対応した係数Kxが前記ROM108内に保持されている。なお、このレンズパルス位置とは、前記フォーカスレンズ102の動きを前記エンコーダ106によってパルス信号に変換し、且つ前記レンズCPU104内のカウンタ(不図示)によって計数した値であり、各レンズパルス位置は前記RAM109に記録される。
【0045】
ここで、測距した時点での基準のレンズパルス位置をPとした場合、駆動目標とするレンズパルス位置Pは、
=P+ΔP…(式2)
で定義される。
【0046】
ここで、前記フォーカスレンズ102の駆動速度F(パルス数/秒)が等速であるとした場合、その駆動時間をtとすると以下の関係式が成立する。
【0047】
ΔP=F・t…(式3)
前記システムコントローラ122は、図1に示すカメラにおける各種動作全般を制御する制御部である。
【0048】
また、前記撮像素子123は、前記メインミラー111が図1に示す位置から退避された場合であって、且つ前記シャッター126が開放された状態において、撮影光学系を介して結像される被写体像を映像信号に変換する。
【0049】
前記撮像素子123において被写体像が映像信号に変換された場合、前記システムコントローラ122は、当該撮像素子123によって取得した映像信号に対して種々の画像処理を施した後、この画像処理によって得られた画像を、前記表示部124に表示させ、前記メモリカード127に格納する。
【0050】
図2は、前記AFコントローラ121の詳細な構成を示すブロック図である。
【0051】
同図に示すように、前記AFコントローラ121は、ADC1211と、補正演算回路1212と、第1メモリ1213と、相関演算回路1214と、第2メモリ1215と、センサ読出し制御回路1216と、蓄積制御回路1217と、レジスタ1218と、カウンタ1219とを備える。
【0052】
前記ADC1211は、前記AFセンサ120からの対をなす映像信号をデジタル値に変換する。前記補正演算回路1212は、前記AFセンサ120の特性及び前記撮影光学系の特性に基づく補正を行う。前記第1メモリ1213は、前記補正演算回路1212の補正結果を保持する。前記相関演算回路1214は、前記第1メモリ1213に保持された、対応するデータの相関値を算出する。前記第2メモリ1215は、前記相関演算回路1214の演算結果を保持する。前記センサ読出し制御回路1216は、前記AFセンサ120からの映像信号の読み出しを制御する。前記蓄積制御回路1217は、前記AFセンサ120における光電変換を制御する。前記レジスタ1218は、各部の動作設定条件や、補正・演算のためのパラメータ等を保持する。前記カウンタ1219は、前記AFセンサ120における電荷蓄積時間を計数する。
【0053】
なお、前記第2メモリ1215は、前記システムコントローラ122より参照可能に構成されている。
【0054】
図3は、本第1実施形態に係るカメラにおけるファインダー内の視野及び各測距点におけるラインセンサの配置の関係の一例を示す図である。
【0055】
同図に示すように、本第1実施形態においては11個の測距点を有する場合を例に説明する。同図において、測距点は各々+形状のマークにて表示されているが、これは、1つの測距点に対して、水平方向に配置された一対のラインセンサと垂直方向に配置された一対のラインセンサとが対応していることを意味している。従って、1点の測距点に対して、2つのデフォーカス量が算出される。
【0056】
図4は、本第1実施形態に係るカメラにおいて用いられるAF光学系の2次結像系を模式的に示す図である。
【0057】
同図に示すように、前記サブミラー115(図1参照)によって反射された光束は、1次結像面上116Aに結像される。1次結像面上116Aに結像された被写体(不図示)からの光束は、前記コンデンサレンズ116において集光され、前記全反射ミラー117によって反射された後、前記セパレータ絞り118によって瞳分割される。
【0058】
前記セパレータ絞り118によって瞳分割された被写体からの光束は、セパレ一夕レンズ119によって集光され、AF光学系の後方に配置された前記AFセンサ120(図4においては受光面を示す)における所定領域に入射する。
【0059】
ここで、前記AFセンサ120は、測距点に対応した1対のラインセンサを、複数有する。
【0060】
図5A乃至図5Cは前記AFセンサ120及び光学系における測距の原理を示す図である。
【0061】
図5A乃至図5Cに示すように、前記フォーカスレンズ102によって結像された被写体からの光束は、前記コンデンサレンズ116において集光され、前記セパレータ絞り118によって瞳分割され、前記セパレ一夕レンズ119によって前記AFセンサ120上に配置された受光面に再結像される。このようにして結像された被写体像は、前記AFセンサ120上の受光面であるセンサアレイにおいて、映像信号に変換される。
【0062】
ここで、前記AFセンサ120上の対応するセンサアレイA120A、及びセンサアレイB120Bにおける映像信号の二像間隔を求める。そして、二像間隔のずれ量の変化は、ピントのずれ量に比例するので、このずれ量に基づいて、前記フォーカスレンズ102の繰り出し量を求めることができる。
【0063】
図6A乃至図6Cは、それぞれ図5A乃至図5Cに対応するセンサアレイA120A、及びセンサアレイB120Bにおける映像信号の二像間隔を示す図である。以下、図5A乃至図5C及び図6A乃至図6Cを参照して、この二像間隔とピント状態との関係について説明する。
【0064】
図5A及び図6Aに示す例においては、対応するセンサアレイA120A及びセンサアレイB120Bによって変換された映像信号の二像間隔が、合焦時の二像間隔と一致している。このため、合焦状態(ピントが合っている)となっている。
【0065】
図5B及び図6Bに示す例においては、二像間隔が、合焦時の二像間隔よりも小さく、被写体よりも手前側(カメラ側)にピントが合っている状態(所謂前ピンの状態)となっている。
【0066】
図5C及び図6Cに示す例においては、二像間隔が、合焦時の二像間隔よりも大きく、被写体の後ろ側にピントが合っている状態(所謂後ピンの状態)となっている。
【0067】
図7は、前記カメラボディ110と前記交換レンズ101との間で、前記通信コネクタ105を経由して行われる通信に関するコマンド及びデータの一例を示す図である。なお、説明の便宜上、同図においては本第1実施形態の特徴部に関わるコマンドのみが記されている。
【0068】
No.001は、レンズデータ送信コマンドである。前記レンズCPU104は、No.001コマンドを受け取ると、前記ROM108内に記録された、交換レンズ101に関わる固有の情報を、カメラボディ110における前記システムコントローラ122に通知する。No.001コマンドは、起動時に1回発行され、フォーカス制御に関わる情報、例えば前記フォーカスレンズ102の駆動スピードやデフォーカス量の変換パラメータ等の情報を入手するために用いられる。
【0069】
No.002は、目標パルス演算コマンドである。No.002コマンドによってデフォーカス量を通知することで、前記レンズCPU104が、駆動パルス数を演算して応答する。
【0070】
No.003は、レンズ状態送信コマンドである。このNo.003コマンドを受け取ると、前記レンズCPU104は、前記フォーカスレンズ102のレンズ位置や絞りの状態、フォーカスレンズの駆動中・停止中などの交換レンズ101の動作状態を応答する。
【0071】
No.004は、レンズ目標デフォーカス駆動コマンドである。前記レンズCPU104は、No.004コマンドを受け取ると、データ1のデフォーカス量に基づいて目標レンズパルス位置を算出し、前記フォーカスレンズ102を駆動する。なお、データ2のAF開始待ち時間は、本第1実施形態に係るカメラの制御における待ち処理(詳細は後述する)に使用される。
【0072】
No.005は、レンズ目標デフォーカス駆動更新コマンドである。前記レンズCPU104は、No.005コマンドを受け取ると、デフォーカス量及び電荷蓄積時間に基づいて、駆動目標パルス数を更新する。
【0073】
以下、図8乃至図11を参照して、本第1実施形態に係るカメラに特有の動作制御について説明する。
【0074】
図8は、時間tとレンズパルス位置P(前記フォーカスレンズ102のレンズ位置)との関係のグラフを示す図である。図9は、時間tと前記フォーカスレンズ102の速度との関係の一例を示す図である。図10は、前記システムコントローラ122によるカメラ各部の制御の流れを示す図である。図11は、前記交換レンズ101及び前記カメラボディ110における各制御とデータ通信の流れとを示す図である。
【0075】
まず、図10及び図11に示すように、前記レリーズ釦125が押されると、最新のAF結果におけるデフォーカス量Dに基づいて、前記交換レンズ101における前記フォーカスレンズ102の駆動時間を概算する。
【0076】
すなわち、カメラボディ110の起動時に、前記交換レンズ101内に設けられた前記レンズCPU104より受信したフォーカスに係わる情報に含まれる情報の一つである前記フォーカスレンズ102の駆動速度のパラメータに基づいて、前記フォーカスレンズ102の駆動時間を求める。
【0077】
より詳細には、図11に示すように、目標パルス演算コマンドを用いて、前記デフォーカス量Dから、駆動パルス数|Pt0−P|をレンズ側に算出させ、駆動パルス数のとレンズのスピードより、前記(式3)に示す関係を用いて、前記フォーカスレンズ102の駆動時間を概算する。
【0078】
続いて、上述したようにして算出した前記フォーカスレンズ102の駆動時間に基づいて、AF開始待ち時間Tを算出する。
【0079】
すなわち、2回目のAF時間及び更新デフォーカス量を前記レンズCPU104へ通知して当該レンズCPU104側で更新目標が算出されるまでの時間に余裕確保の為の時間を加算して算出した時間を、前記駆動時間から減算して、AF開始待ち時間Tを算出する。
【0080】
ここで、図8及び図9に示すグラフにおいて、前記フォーカスレンズ102の駆動開始時刻は、時間軸(横軸)における原点として示されている。
【0081】
なお、2回目のAF時間は、1回目のAF時間に基づいて求めることができる。また、前記交換レンズ101と前記カメラボディ110との間の通信時間は一定であり、更新目標算出時間はレンズ固有の値であり、この更新目標算出時間は、カメラボディ110の初期起動時に前記フォーカスに係わる情報に含まれる一つのパラメータとしてレンズCPU104に通知される。
【0082】
なお、ここではAF開始待ち時間Tの算出を行なう例を説明したが、この算出を行わずに、AF開始待ち時間Tとして常に一定の値をレンズCPU104に通知するとしても構わない。
【0083】
ところで、上述したようにAF開始待ち時間TをレンズCPU104に通知した後、レンズ目標デフォーカス駆動コマンドを発行し、デフォーカス量Do及び次回のAFまでのAF開始待ち時間TをレンズCPU104に通知する。
【0084】
ここで、前記レンズCPU104からの応答を受け取ると、AF開始待ち時間Twを待つ為に、システムコントローラ122は内蔵タイマ(不図示)にAF開始待ち時間Tを設定する。この内蔵タイマ(不図示)は、設定時間経過後、システムコントローラ122に割込みを発生させ、設定時間が経過したことを通知する為のタイマである。
【0085】
同様に、レンズCPU104は、レンズ目標デフォーカス駆動コマンドに応答すると共に、レンズCPU104の内蔵タイマ(不図示)に、AF開始待ち時間Tを設定する。
【0086】
そして、レンズCPU104は、受けとったAF開始待ち時間Twを基に、前記フォーカスレンズ102の駆動速度Fcを算出し、前記フォーカスレンズ102の駆動を開始する。
【0087】
このように、AF開始待ち時間Tのカウント開始の基準時刻は、通信したタイミング又はフォーカスレンズ102の駆動を開始した時刻と略同一のタイミングである。
【0088】
なお、本第1実施形態においては、図9のグラフに示す関係のように、DCモーターの一般的な制御である台形制御を行う場合を例に説明した。しかしながら、例えば図12に示すグラフの様に、複数の駆動速度を持たせ、AF実行中(同図に示す時刻t以降)には、なるべく低速で一定速度を保つことが、精度向上のためにも望ましい。
【0089】
ところで、AF開始待ち時間Tが経過すると、システムコントローラ122及びレンズCPU104の双方において同一のタイミング(時刻t)で割り込みが発生する。換言すれば、時刻tと時刻Tとは、略同一の時刻である。
【0090】
そして、システムコントローラ122は、AF開始待ち時間Tの経過を、割り込みで検知すると、前記AFコントローラ121を制御してAFを開始させる。ここで、AFとは、AFコントローラ121によって行われる前記AFセンサ120における蓄積及びCCDの読出しの制御且つ相関値の算出、及び前記システムコントローラ122によって行われる前記相関値のデフォーカス量への変換且つ該デフォーカス量の前記交換レンズ101への通知という一連の動作制御を指し示している。
【0091】
ところで、前記レンズCPU104は、AF開始待ち時間Tの経過を、前記割り込みにより検知すると、レンズ目標デフォーカス駆動更新コマンドが送付されるまで、一定周期でレンズパルス位置を記録し続ける。
【0092】
図8に示す例では、tからtまでの期間において時間t間隔でレンズパルス位置(Pi〜Pvi)を保持している。
【0093】
ここで、レンズパルス位置に関しては、前記フォーカスレンズ102の動きを前記エンコーダ106によってパルス信号に変換し、前記レンズCPU104内のカウンタ(不図示)で計数した値であり、各レンズパルス位置は前記RAM109に記録される。
【0094】
前記システムコントローラ122は、デフォーカス量Dが算出されると、前記AFコントローラ121より蓄積時間TSTを読み出し、レンズ目標デフォーカス駆動更新コマンドによって、デフォーカス量D及び蓄積時間TSTを、前記レンズCPU104に通知する。
【0095】
前記レンズCPU104は、通知された蓄積時間TSTより蓄積終了時刻t及び蓄積時間中間位置時刻tを、以下のように算出する。
【0096】
=t+Tst …(式4)
=t+Tst/2 …(式5)
ここで、蓄積時間Tstの代わりに、蓄積終了時刻T+Tstを通知してもよい。
【0097】
上記のような蓄積開始、終了時刻または蓄積時間中間位置時刻等の蓄積タイミングに関連する情報に基づいて対応するレンズパルス位置(基準レンズ位置(図11))を次のような方法で求める。
【0098】
すなわち、図8に示す例では、蓄積時間中間位置時刻tにおけるレンズパルス位置Pを求める。tにおけるレンズパルス位置Pは、tの前後でサンプリングされた結果を用いて、Pii(t+t)とPiii(t+2t)とから時刻tのPを直線補間して求めることができる。
【0099】
=Pii+(Piii−Pii)・{t−(t+t)}/t …(式6)
また、やや誤差は大きくなるが、Pii(t+t)とPiii(t+2t)の平均処理により簡略化して求めても良い。
【0100】
あるいは、蓄積時間中間位置時刻tの代わりに蓄積開始時刻t、終了時刻tを用いて対応するレンズパルス位置を求めてもよい。
【0101】
ここで、レンズパルス位置の記録周期tを説明する。このレンズパルス位置の記録周期tは、前記フォーカスレンズ102の駆動速度をFとすると、下式の関係によって決定される。
【0102】
≦1/F …(式7)
つまり、前記フォーカスレンズ102の速度を1000パルス/秒とした場合、記録周期tは1ms以下であればよい。
【0103】
これは、1パルスカウントごとの変化を記録できる為であり、これにより誤差を±1パルスよりも小さくすることができる。
【0104】
なお、蓄積中のレンズパルス位置Pの算出方法については、上述した算出方法に限定されるものではない。すなわち、例えば記録したレンズパルス位置を用いた様々な算出方法が考えられる。
【0105】
次に、前記レンズCPU104は、デフォーカス量Dと、レンズパルス位置Pを用いることで、駆動目標レンズ位置Pt1を算出することができる。
【0106】
t1=P+KPii・D…(式8)
ここで、デフォーカス量から駆動パルス数への変換パラメータとしては、時刻tに最も近いサンプリング位置であるPiiにおける変換パラメータを用いているが、Pにおける変換パラメータを用いても勿論良い。
【0107】
更新目標のレンズパルス位置が算出されると、続いて前記レンズCPU104は、駆動目標を前記更新目標のレンズパルス位置に置き換えて、前記システムコントローラ122に応答する。
【0108】
前記システムコントローラ122は該応答を確認すると、レンズ状態送信コマンドにより、レンズステータスを読み出し、前記フォーカスレンズ102の駆動の停止を確認するまでこれを繰り返す。そして、前記フォーカスレンズ102の駆動停止を確認すると、前記システムコントローラ122は合焦を確認し、次のレリーズを待つ。
【0109】
次に、カメラボディ110が有する前記システムコントローラ122における本第1実施形態に関わる制御を、図13A乃至図13Cを参照して説明する。
【0110】
図13Aは、撮影待機時における前記システムコントローラ122による動作制御のフローチャートを示す図である。図13Bは、前記システムコントローラ122によるAF制御に関する動作制御のフローチャートを示す図である。図13Cは、本第1実施形態における主な特徴の一つである前記フォーカスレンズ102を駆動中の前記システムコントローラ122によるフォーカス制御に関する動作制御のフローチャートを示す図である。
【0111】
なお、図13A乃至図13Cに示すフローチャートは、説明の便宜上、本第1実施形態に係るカメラの特徴部に焦点を当てたフォーカス制御に着目した動作制御のフローチャートである。従って、前記システムコントローラ122は、当然ながら同フローチャートに示す以外の当該カメラに関わる通常の動作制御(フォーカス制御と同時に測光制御や表示部124の表示制御等の動作制御)も実行している。
【0112】
まず、図13Aに示す様に、前記システムコントローラ122は、AF制御を行う(ステップS101)。ここで、このステップS101におけるAF制御のサブルーチンの一例を、図13Bに示すフローチャートを参照して説明する。
【0113】
まず、前記システムコントローラ122は、前記AFコントローラ121を制御し、前記AFセンサ120に蓄積制御を行い、且つ蓄積の開始から終了までの時間をAFコントローラ121にて計数し、計数結果を読み出して蓄積時間Tstを算出する(ステップS111)。
【0114】
続いて、前記AFセンサ120のデータの読出し準備として、CCDを動作させながら、全てのCCDの電荷が排出されるのを待つ(ステップS112)。そして、前記AFコントローラ121を制御して、前記AFセンサ120のデータを読出し、相関値を算出する(ステップS113)。
【0115】
さらに、前記システムコントローラ122は、前記AFコントローラ121により演算された相関演算値より、デフォーカス量Dを算出する(ステップS114)。なお、ここでの、相関演算及びデフォーカス量の算出には、従来より用いられている既存の方式を用いる。
【0116】
そして前記ステップS101におけるAF制御の処理を終えると、前記レリーズ釦125が半押し押圧操作された(1stレリーズがONされた)か否かを判断する(ステップS102)。つまり、このステップS102は、前記レリーズ釦125が押圧操作される(1stレリーズがONされる)のを待つステップである。
【0117】
このステップS102をNOに分岐する場合は、前記ステップS101へ戻る。一方、前記ステップS102をYESに分岐する場合は、図13Cに示すフローチャートにおけるステップS121へ進む。
【0118】
すなわち、前記システムコントローラ122は、前記ステップS102において前記レリーズ釦125が半押しされた状態(1stレリーズがONされた状態)を検出すると、最近のデフォーカス量を用いて、前記交換レンズ101における前記フォーカスレンズ102の駆動時間を概算し、AF開始待ち時間Tを算出する(ステップS121)。
【0119】
このステップS121においては、例えば当該カメラの起動時に読み出したフォーカスに関わるパラメータのうち、フォーカスレンズの駆動速度と、駆動パルスへの変換パラメータと、デフォーカス量とを用いて、前記(式1)及び前記(式3)によって上述したように求める。
【0120】
続いて、前記ステップS121においてレンズ目標デフォーカス駆動コマンドにより求めた、AF開始待ち時間T及びデフォーカス量Dを、前記交換レンズ101が有する前記レンズCPU104に通知する(ステップS122)。
【0121】
そして、AF開始待ち時間T間待ち処理を行う(ステップS123)。このステップS123におけるAF開始待ち時間T間待ち処理を終えた後、AF制御を行ってデフォーカス量Dを求める(ステップS124)。このステップS124におけるAF制御は、前記ステップS101におけるAF制御と同様の処理である。
【0122】
そして、上述した一連のAF制御処理を終えると、前記システムコントローラ122は、レンズ目標デフォーカス駆動更新コマンドにより、デフォーカス量D及びAF制御処理によって求めた蓄積時間Tstを、前記交換レンズ101の有する前記レンズCPU104に通知する(ステップS125)。
【0123】
さらに、レンズ状態送信コマンドにより、前記レンズCPU104から前記フォーカスレンズ102の状態を受信して監視し(ステップS126)、前記フォーカスレンズ102が停止したか否かを判断する(ステップS127)。このステップS127をNOに分岐する場合は、前記ステップS126に戻る。一方、前記ステップS127をYESに分岐する場合は、当該フォーカス制御を終了する。
【0124】
以下、図14A及び図14Bを参照して、前記レンズCPU104による本第1実施形態に特有の動作制御である、前記フォーカスレンズ102の駆動中におけるフォーカス制御の詳細を説明する。
【0125】
図14Aは、前記フォーカスレンズ102のレンズ駆動開始から合焦位置に停止するまでにおける前記レンズCPU104による一連のシーケンスのフローチャートを示す図である。図14Bは、駆動中における前記フォーカスレンズ102のレンズ駆動目標の更新に関するシーケンスのフローチャートを示す図である。
【0126】
まず、前記レンズ目標デフォーカス駆動コマンドにより、デフォーカス量DとAF開始待ち時間Tを受け取る(ステップS201)。続いて、前記フォーカスレンズ102の現在のレンズ位置Pに対応する変換パラメータKを前記ROM108より読み出し、受け取ったデフォーカス量Dと変換パラメータKとを用いて、前記(式1)により、目標レンズパルス位置Pt0を算出する(ステップS202)。
【0127】
そして、AF開始待ち時間Tと目標レンズパル位置Pt0とを用いて、前記フォーカスレンズ102の最適な駆動速度Fを算出する(ステップS203)。ここで、前記最適な駆動速度Fとは、前記フォーカスレンズ102を目標レンズパルス位置Pt0まで駆動速度Fで駆動する場合に要する時間から、AF開始待ち時間Tと蓄積時間Tstとコマンド通信時間とを差し引いても、駆動目標パルス数の演算時間を確保できるような駆動速度である。
【0128】
前記ステップS205における処理を終えると、前記フォーカスレンズ102の駆動を開始させる(S204)。このステップS204で前記フォーカスレンズ102の駆動を開始させた後、AF開始待ち時間Tw間待ち、且つ前記フォーカスレンズ102の変位の記録に関わる変数を初期化する(ステップS205)。
【0129】
そして、レンズパルス位置を更新し(ステップS206)、レンズパルス位置のサンプリングの周期すなわちレンズパルス位置の記録周期tの経過を待つ(ステップS207)。その後、レンズ目標デフォーカス駆動更新コマンドを受け取ったか否かを判断する(ステップS208)。このステップS208をYESに分岐する場合は、図14Bに示すフローチャートを参照して詳述する目標更新制御に移る。
【0130】
一方、前記ステップS208をNOに分岐する場合は、レンズパルス位置を読み出し、該レンズパルス位置を変数に保持する(ステップS209)。そして、前記フォーカスレンズ102のレンズ位置が合焦位置付近であるか否かを判断する(ステップS210)。
【0131】
前記ステップS210をNOに分岐する場合には、前記ステップS206へ戻る。一方、前記ステップS210をYESに分岐する場合は、前記フォーカスレンズ102の駆動停止制御を行い(ステップS211)、当該フォーカス制御を終了する。
【0132】
ところで、前記ステップS208をYESに分岐する場合は、図14Bに示すフローチャートの駆動目標更新の制御を実行する。すなわち、まずレンズ目標デフォーカス駆動更新コマンドによりデフォーカス量D及びAF制御に関わる蓄積時間Tstを受け取る(ステップS221)。そして、レンズ基準位置を下式によって算出する(ステップS222)。
【0133】
P3←(P[n−1]+P[n])/2 …(式9)
ここで、P[n−1]は、AF制御に関わる蓄積中の中間位置(t+tst/2)時点の直前における前記フォーカスレンズ102のレンズ位置の記録結果である。また、P[n]は、前記中間位置時点(t+tst/2)の直後におけるレンズ位置の記録結果である。ここでは、上記P[n−1]、P[n]の平均値を、蓄積中の中間位置に相当するものとして採用している。
【0134】
前記ステップS222における処理を終えた後、前記フォーカスレンズ102の更新目標レンズパルス位置を下式によって算出する(ステップS223)。
【0135】
t1←P+K・D …(式9)
そして、レンズパルス位置を読み出し、現時点における前記フォーカスレンズ102のレンズパルス位置が、前記更新目標レンズパルス位置Pt1付近であるか否かを判断する(ステップS225)。
【0136】
このステップS225をNOに分岐する場合は、前記ステップS224へ戻る。一方、前記ステップS225をYESに分岐する場合は、前記フォーカスレンズ102の減速・停止制御を行い、前記フォーカスレンズ102を前記更新目標レンズパルス位置Pt1に停止させる(ステップS226)。
【0137】
以上説明したように、本第1実施形態によれば、AF制御の為の専用CPUを設けることなく、またカメラ本体と交換レンズとの間の通信が不良な場合であっても、フォーカスレンズの駆動中にフォーカス調整精度を低下させることなくフォーカスレンズの駆動目標位置を更新することが可能なカメラ、カメラシステム、及び交換レンズを提供することができる。
【0138】
具体的には、本第1実施形態によれば、前記システムコントローラ122が、前記交換レンズ101に、AF開始までの待ち時間及び蓄積時間を通知することで、蓄積が行われた期間における中間時点のレンズ位置を前記交換レンズ101側で正確に求めることができ、デフォーカス量の更新を行う際の基準レンズ位置を求めることができる。これにより、前記フォーカスレンズ102の駆動中におけるAF制御によるレンズ駆動目標位置の更新を正確に行うことが可能となる。
【0139】
[第2実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第2実施形態に係るカメラ、カメラシステム、及び交換レンズを説明する。なお、本第2実施形態に係るカメラ、カメラシステム、及び交換レンズの特徴部に焦点を当てる為に、前記第1実施形態と重複する内容については説明を省略する。
【0140】
図15は、本第2実施形態における前記カメラボディ110と前記交換レンズ101との間で、前記通信コネクタ105を経由して行われる通信に関するコマンドとデータとの一例を示す図である。なお、説明の便宜上、同図においては本願発明に関わるコマンドのみが記されている。
【0141】
図16は、前記システムコントローラ122による本第2実施形態に係るカメラ各部の制御の流れを示す図である。
【0142】
前記第1実施形態と本第2実施形態との主な相違点の一つは、本第2実施形態においては、No.006の蓄積開始タイミング通知用のコマンド(以降、蓄積開始タイミング通知コマンドと称する)、及びNo.007の蓄積時間通知用のコマンド(以降、蓄積時間通知コマンドと称する)が追加されている点である。
【0143】
図16に示すように、前記レリーズ釦125が半押し押圧操作される(1stレリーズがONされる)と、前記第1実施形態と同様、AF開始待ち時間Tを算出し、前記レンズ目標デフォーカス駆動コマンドを用いて、前記レンズCPU104にデフォーカス量を通知する。
【0144】
本第2実施形態においては、前記システムコントローラ122は、AF開始待ち時間Tを、レンズ目標デフォーカス駆動コマンドでは通知せずに、AF開始待ち時間Tの経過を待つ。
【0145】
そして、デフォーカス量の通知を受けた前記レンズCPU104は、前記フォーカスレンズ102の駆動を開始する。前記システムコントローラ122は、一定時間の経過を待った後、図15に示すNo.006の蓄積タイミング通知コマンドを用いて、前記レンズCPU104に蓄積開始タイミングを通知する。
【0146】
前記システムコントローラ122は、前記蓄積開始タイミングに合わせて、蓄積を開始し、前記レンズCPU104は、前記フォーカスレンズ102のレンズパルス位置の変位を、一定周期で前記RAM109に記録する。
【0147】
なお、データ1にある開始待ち時間が0である場合には、前記システムコントローラ122及び前記レンズCPU104は、コマンドに応答するとすぐに上述した制御を開始する。一方、時間が指定されている場合には、前記システムコントローラ122及び前記レンズCPU104は、データ1に示された時間の経過を待った後に、上述した制御を開始する。
【0148】
また、図15に示すNo.006の蓄積タイミング通知コマンドの応答である“コマンド受付”は、コマンドが受け付けられたか否かを応答する。ここで、コマンドが受け付けられない場合は、既に前記フォーカスレンズ102が停止していることを意味している。
【0149】
ところで、前記システムコントローラ122は、蓄積を終了すると、CCD読出しをしつつ、図15に示すNo.007の蓄積時間通知コマンドにより、蓄積時間を前記レンズCPU104に通知する。
【0150】
そして、前記レンズCPU104は、通知された蓄積時間と、前記RAM109に記録されている前記フォーカスレンズ102の変位とを用いて、蓄積の中間位置に当たる基準レンズ位置を算出する。
【0151】
本第2実施形態においては、前記フォーカスレンズ102の駆動速度にばらつきがある場合にも対応できるよう、蓄積時間中のレンズパルス位置に基づいて計算することで、蓄積時間中のレンズパルス位置の中間値を求める。
【0152】
ここで、前記AFセンサ120の蓄積開始タイミング時点を時刻t、蓄積時間通知コマンドを受けた時点を時刻t、蓄積終了時点を時刻tとすると、時刻tから時刻tまでの問に記録された情報(P〜Piv)を用いて、例えば補間計算を行って基準位置を算出することができる。例えば、やや誤差は大きくなるが平均処理により求めてもよい。
【0153】
この場合の算出式を以下に示す。
【0154】
=(P+Pii+Piii十Piv)/4 …(式10)
前記システムコントローラ122は、AF制御が終了しデフォーカス量を算出すると、レンズ目標デフォーカス駆動更新コマンドを用いて、前記フォーカスレンズ102の目標位置を更新する。
【0155】
以上説明したように、本第2実施形態によれば、前記第1実施形態に係るカメラ、カメラシステム、及び交換レンズと同様の効果を奏する上に、次のような効果を奏するカメラ、カメラシステム、及び交換レンズを提供することができる。
【0156】
すなわち、本第2実施形態に係るカメラ、カメラシステム、及び交換レンズによれば、蓄積開始タイミングと蓄積時間の通知とを別個のコマンドで行う為、これらを複数回行うことで1回のレンズ駆動中に複数回のフォーカスレンズの駆動目標位置の更新を行うことができる。
【0157】
以上第1実施形態及び第2実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0158】
例えば、前記ROM108及び前記RAM109は、前記レンズCPU104内に設けられる構成としても勿論よい。さらには、前記AFコントローラ121と前記システムコントローラ122との双方の機能を、前記システムコントローラ122に担わせても勿論よい。
【0159】
さらに、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明の第1実施形態に係るカメラの一構成例を示す図。
【図2】AFコントローラの詳細な構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第1実施形態に係るカメラにおけるファインダー内の視野及び各測距点におけるラインセンサの配置の関係を示す図。
【図4】本発明の第1実施形態に係るカメラにおいて用いられるAF光学系の2次結像系を模式的に示す図。
【図5A】AFセンサ及び光学系における測距の原理を示す図。
【図5B】AFセンサ及び光学系における測距の原理を示す図。
【図5C】AFセンサ及び光学系における測距の原理を示す図。
【図6A】図5Aに対応するセンサアレイA、及びセンサアレイBにおける映像信号の二像間隔を示す図。
【図6B】図5Bに対応するセンサアレイA、及びセンサアレイBにおける映像信号の二像間隔を示す図。
【図6C】図5Cに対応するセンサアレイA、及びセンサアレイBにおける映像信号の二像間隔を示す図。
【図7】カメラ本体と交換レンズとの間で、通信コネクタを経由して行われる通信に関するコマンドとデータとの一例を示す図。
【図8】時間tとレンズパルス位置Pとの関係のグラフを示す図。
【図9】時間tとフォーカスレンズの速度との関係の一例を示す図。
【図10】システムコントローラによる本第1実施形態に係るカメラ各部の制御の流れを示す図。
【図11】交換レンズ及びカメラ本体における各制御とデータ通信の流れとを示す図。
【図12】複数の駆動速度を持たせ、AF実行中に低速で一定速度を保つ場合の時間tとフォーカスレンズの速度との関係の一例を示す図。
【図13A】撮影待機時における前記システムコントローラの動作制御のフローチャートを示す図。
【図13B】システムコントローラによるAF制御に関する動作制御のフローチャートを示す図。
【図13C】本発明の第1実施形態における主な特徴の一つである前記フォーカスレンズを駆動中のシステムコントローラによるフォーカス制御に関する動作制御のフローチャートを示す図。
【図14A】フォーカスレンズのレンズ駆動開始から合焦位置に停止するまでにおける一連のシーケンスのフローチャートを示す図。
【図14B】駆動中における前記フォーカスレンズのレンズ駆動目標の更新に関するシーケンスのフローチャートを示す図。
【図15】本発明の第2実施形態におけるカメラ本体と交換レンズとの間で、通信コネクタを経由して行われる通信に関するコマンドとデータとの一例を示す図。
【図16】システムコントローラによる本発明の第2実施形態に係るカメラ各部の制御の流れを示す図。
【符号の説明】
【0161】
101…交換レンズ、 102…フォーカスレンズ、 103…モータ、 104…レンズCPU、 105…通信コネクタ、 106…エンコーダ、 107…モータ制御回路、 108…ROM、 109…RAM、 110…カメラボディ、 111…メインミラー、 112…フォーカシングスクリーン、 113…ペンタプリズム、 114…接眼レンズ、 115…サブミラー、 116…コンデンサレンズ、 117…全反射ミラー、 119…セパレ一夕レンズ、 120…AFセンサ、 121…AFコントローラ、 122…システムコントローラ、 123…撮像素子、 124…表示部、 125…レリーズ釦、 126…シャッター、 127…メモリカード、 1211…ADC、 1212…補正演算回路、 1213…第1メモリ、 1214…相関演算回路、 1215…第2メモリ、 1216…制御回路、 1217…蓄積制御回路、 1218…レジスタ、 1219…カウンタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーカスレンズを含む撮影光学系と、
前記撮影光学系により形成された被写体像を光電変換する光電変換手段と、
前記光電変換手段によって取得した光電変換情報に基づいて焦点検出を行い前記フォーカスレンズのデフォーカス量を算出するデフォーカス量演算手段と、
前記フォーカスレンズを駆動する為の駆動手段と、
前記フォーカスレンズの位置であるレンズ位置を検出する位置検出手段と、
前記デフォーカス量と前記レンズ位置とに基づいて前記フォーカスレンズの駆動目標である駆動目標レンズ位置を演算する駆動量演算手段と、
を有するカメラにおいて、
さらに、
前記光電変換手段による光電変換のタイミングを指示する光電変換タイミング指示手段と、
前記位置検出手段により検出されたレンズ位置を記録する記録手段と、
を有し、
前記駆動手段による前記フォーカスレンズの駆動中においては、前記位置検出手段によるレンズ位置の検出、前記記録手段による前記検出された複数のレンズ位置の記録、前記光電変換手段による前記光電変換タイミング指示手段の出力に応じた光電変換動作、及び前記デフォーカス量演算手段によるデフォーカス量の算出がなされるとともに、
前記駆動量演算手段は、前記記録手段に記録された複数のレンズ位置と、前記光電変換タイミング指示手段の出力と、前記デフォーカス量とに基づいて、駆動中の前記フォーカスレンズの駆動目標レンズ位置を再度演算することを特徴とするカメラ。
【請求項2】
前記駆動量演算手段は、前記記録手段に記録された複数のレンズ位置と前記光電変換タイミング指示手段の出力とに基づいて、前記光電変換タイミングに対応する基準レンズ位置を求め、前記基準レンズ位置と前記デフォーカス量とに基づいて駆動目標レンズ位置を再度演算することを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
前記駆動量演算手段は、前記光電変換タイミング指示手段の出力する前記光電変換手段の電荷蓄積開始のタイミング、及び電荷蓄積期間を示す情報に基づいて前記基準レンズ位置を求めることを特徴とする請求項2に記載のカメラ。
【請求項4】
前記駆動量演算手段は、前記光電変換タイミング指示手段の出力する前記光電変換手段の電荷蓄積開始のタイミング及び電荷蓄積終了のタイミングを示す情報に基づいて、前記基準レンズ位置を求めることを特徴とする請求項2に記載のカメラ。
【請求項5】
フォーカスレンズを含む撮影光学系と、前記フォーカスレンズを駆動する為の駆動手段と、前記フォーカスレンズの位置であるレンズ位置を検出する位置検出手段と、を備える交換レンズと、
前記撮影光学系により形成された被写体像を光電変換する光電変換手段と、前記光電変換手段によって取得した光電変換情報に基づいて焦点検出を行い前記フォーカスレンズのデフォーカス量を算出するデフォーカス量演算手段とを備えるカメラと、
を有し、前記カメラに対して前記交換レンズが着脱可能であるカメラシステムであって、
前記交換レンズは、前記デフォーカス量演算手段により算出された前記デフォーカス量と前記位置検出手段により検出されたレンズ位置とに基づいて前記フォーカスレンズの駆動目標である駆動目標レンズ位置を演算する駆動量演算手段と、前記位置検出手段により検出されたレンズ位置を所定のタイミングで記録する記録手段とを備え、
前記カメラは、前記光電変換手段による光電変換のタイミングを指示する光電変換タイミング指示手段を備え、
前記駆動手段による前記フォーカスレンズの駆動中においては、前記位置検出手段によるレンズ位置の検出、前記記録手段による前記検出された複数のレンズ位置の記録、前記光電変換手段による前記光電変換タイミング指示手段の出力に応じた光電変換動作、及び前記デフォーカス量演算手段によるデフォーカス量の算出がなされるとともに、
前記駆動量演算手段は、前記記録手段に記録された複数のレンズ位置と、前記カメラから送信される前記光電変換タイミング指示手段の出力と、前記デフォーカス量演算手段により算出された前記デフォーカス量と、に基づいて前記フォーカスレンズ駆動中の駆動目標レンズ位置を再度演算することを特徴とするカメラシステム。
【請求項6】
フォーカスレンズを含む撮影光学系と、前記フォーカスレンズを駆動する為の駆動手段と、前記フォーカスレンズの位置であるレンズ位置を検出する位置検出手段と、前記フォーカスレンズの駆動目標である駆動目標レンズ位置を演算する駆動量演算手段とを具備し、
前記撮影光学系により形成された被写体像を光電変換する光電変換手段と、前記光電変換手段の光電変換タイミングを制御するとともに前記光電変換手段によって取得した光電変換情報に基づいて焦点検出を行い前記フォーカスレンズのデフォーカス量を算出し、前記光電変換タイミングに関する情報と前記デフォーカス量を出力する演算制御手段と、を具備するカメラに対して着脱可能かつ通信可能な交換レンズであって、
前記駆動手段による前記フォーカスレンズの駆動中においては、前記位置検出手段はレンズ位置を検出し、前記記憶手段は前記検出された複数のレンズ位置を記録するとともに、
前記駆動量演算手段は、前記演算制御手段の出力する前記光電変換手段の光電変換タイミングに関する情報及び前記デフォーカス量演算手段により算出されたデフォーカス量を前記カメラとの通信により受信して、前記記録手段に記録された複数のレンズ位置と、前記受信した前記光電変換タイミングに関する情報と、前記デフォーカス量とに基づいて前記フォーカスレンズの駆動中の駆動目標レンズ位置を再度演算することを特徴とする交換レンズ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−286880(P2008−286880A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−129682(P2007−129682)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】