説明

カメラモジュールソケット

【課題】基板に開口させる装着窓穴の寸法がより小さくでき、部品数が少なくて製造組み立てコストをより低いものとでき、更に少ない部品の設計変更によって基板に対する取り付け高さの変更を容易にする。
【解決手段】方形状の底版部1と該底版部周囲の4辺部から上方に立ち上げた前後壁部2,3及び左右壁部4,5によって囲まれた上方開放型のカメラモジュール収容部を有するハウジングを備え、前記底版部1と前後壁部2,3とを、絶縁性合成樹脂材によって一体成形されたモールド材Aによって構成し、前記底版部下面を覆う底面シールド部6と、その両側縁より一体に立ち上げた左右側面シールド部7,8とを一体に有するシールド材Bを使用し、該シールド材の前記左右側面シールド部7,8をもって前記左右壁部4,5を構成させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に携帯電話などの電子機器に対して小型のカメラモジュールを取り付けるためのカメラモジュールソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯電話などの電子機器に小型のカメラモジュールを組み込むために、カメラモジュールソケットが使用されている。この従来のカメラモジュールソケットにおいて、特に携帯電話などの小型電子機器に使用する場合、ソケットを取り付けるプリント配線基板(以下基板と記す)の表面側に充分な高さの収容スペースがない場合には、基板にソケット装着用窓穴を貫通開口させ、その中にソケットの下端側を挿入して装着する、言わば窓穴内落し込み式による取付方法が採用されている(例えば特許文献1,2)。
【0003】
この種の従来のカメラモジュールソケットは、絶縁性合成樹脂によりモールド成形されたハウジング(モールドハウジング)を使用しており、このモールドハウジングは、方形状をした底版部の4辺から立ち上げた前後壁部及び左右壁部からなる周壁を一体に有し、全体が方形状をした上方開放の箱型に形成され、このモールドハウジングに必要なコンタクトを組み込むとともに、底版及び前後左右壁部からなる周壁の外側を覆う配置にシールド材を取り付けているものであった。
【0004】
また、前述した窓穴内落し込み式による装着の場合には、基板の窓穴の縁部表面に設けたパターン端子部に、ハウジングから突出させたコンタクトの端子部を半田付けする方法が採用されており、この場合にはハウジングの周壁の中間高さ位置から基板接続用の端子を突出させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−276626号公報
【特許文献2】特開2006−140111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の如き、従来のカメラモジュールは、箱型にモールド成形されたハウジングを使用し、その外側をシールド材にて覆うことによりシールドしているため、周壁全体の厚さが大きくならざるを得ず、このため、基板に対する取付のための装着窓穴が大きくなり、基板占用スペースを多く要するという問題があった。
【0007】
また、窓穴内落し込み式取付方式では、基板に接続する端子を周壁の中間高さ位置に突出させる必要から、シールド材の形状が複雑であり、また部品点数も多いという問題があった。
【0008】
更に、基板に対する取り付け高さを違えたものを製造する際に、そのための設計変更を要する部品数が多く、コスト高となるという問題があった。
【0009】
本発明は、上述の如き従来の問題を鑑み、基板に開口させる装着窓穴の寸法がより小さくでき、部品数が少なくて製造組み立てコストをより低いものとでき、更に少ない部品の設計変更によって基板に対する取り付け高さの変更が容易かつ低コストにて可能なカメラモジュールソケットの提供を目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の如き従来の問題を解決し、初期の目的を達成する請求項1に記載の発明の特徴は、方形状の底版部と該底版部周囲の4辺部から上方に立ち上げた前後壁部及び左右壁部によって囲まれた上方開放型のカメラモジュール収容部を有するハウジングを備え、該ハウジングの前記前後壁部にコンタクトが支持され、該コンタクトのモジュールに対する接触片部を前記底版部からその上面側に突出させるとともに、該コンタクトの基板側接続端子を前記前後壁部の外面の所望高さ位置に並べて突出させ、前記ハウジングは、底版部、左右壁部及び前後壁部をシールド材によってシールドさせるとともに、前記前後壁部より突出したコンタクトの基板側接続端子の上側をシールド材によってシールドさせ、基板に対し前記ハウジングの下部を基板の表裏に貫通開口させたソケット装着窓穴内に挿入させて固定させるカメラモジュールソケットにおいて、
【0011】
前記ハウジングの底版部と前後壁部とを構成する断面が凹溝状のモールド材と、底面シールド部とその両側縁より一体に立ち上げた左右側面シールド部とを導電性金属板材によって一体成形された断面が凹溝状の第1シールド材とを使用し、前記モールド材とシールド材とを、該モールド材の底版部下面に前記第1シールド材の底面シールド部を重ねるとともに、前記左右側面シールド部をもって該モールド材の左右の開放部を閉鎖するように組み合わせて互いに固定し、該第1シールド材の左右側面シールド部によってハウジングの前記左右壁部を構成させたことにある。
【0012】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記両側面シールド部の前後端部上縁に前記前後壁部に対する圧入片部を一体に備えるとともに、前記モールド材の前後壁部のそれぞれの両側端部に下向きの側面シールド部固定用の圧入穴を備え、該圧入穴に前記圧入片部を圧入して前記モールド材と第1シールド材とを固定したことにある。
【0013】
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の何れか1の構成に加え、前記左右壁部を構成する左右側面シールド部には、それぞれの上縁より外側に折り返した折り返し片部を一体に備え、該折り返し片部の下端を外向き水平方向に折り曲げた形状に前記基板表面に当接される対基板当接片を一体に備えたことにある。
【0014】
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1〜3の何れか1の請求項の構成に加え、前記前後壁部をシールドするシールド材は、前記底面シールド部の前後縁から一体に立ち上げた壁部下側シールド片部と、前記前後壁部に支持させた壁部上側シールド片部とからなり、該上下側シールド片部間に前記コンタクトの接続端子を水平方向外側に向けて突出させ、該接続端子の上側を前記上側シールド部より外向き水平方向に突出させた接続端子シールド片部によって覆ったことにある。
【0015】
請求項5に記載の発明の特徴は、請求項1〜4の何れか1の請求項の構成に加え、前記前後面シールド部のそれぞれの上側シールド片は、その上縁より内側下向きに折り返した固定片部を一体に有し、該固定片部を前記モールド材によって形成された前後壁部の上面に開口させた固定片圧入穴に圧入することによって固定されていることにある。
【0016】
請求項6に記載の発明の特徴は、請求項1〜5の何れか1の請求項の構成に加え、前記左右側面シールド部のそれぞれに、その前後縁を前記前後壁部の外側に沿うように折り曲げた前・後面シールド部接触片部を一体に有し、該接触片部に前記前後面シールド部を接触させることによって互いに導通させていることにある。
【発明の効果】
【0017】
本発明においては、上述したように、方形状の底版部と該底版部周囲の4辺部から上方に立ち上げた前後壁部及び左右壁部によって囲まれた上方開放型のカメラモジュール収容部を有するハウジングを備え、そのハウジングの下部を基板の表裏に貫通開口させたソケット装着窓穴内に挿入させて固定させるカメラモジュールソケットにおいて、前記ハウジングの底版部と前後壁部とを構成する断面が凹溝状のモールド材と、底面シールド部とその両側縁より一体に立ち上げた左右側面シールド部とを導電性金属板材によって一体成形された断面が凹溝状の第1シールド材とを使用し、前記モールド材とシールド材とを、該モールド材の底版部下面に前記第1シールド材の底面シールド部を重ねるとともに、前記左右側面シールド部をもって該モールド材の左右の開放部を閉鎖するように組み合わせて互いに固定し、該第1シールド材の左右側面シールド部によってハウジングの前記左右壁部を構成させたことにより、左右側壁部はモールド材を使用せずにシールド材のみによって構成されているため、従来品に比べ、モールド材を使用しない分だけ左右の長さが短くなり、基板に対する装着窓穴孔の大きさが小さく、基板の占有面積を小さくできる。
【0018】
また、前記両側面シールド部の前後端部上縁に前記前後壁部に対する圧入片部を一体に備えるとともに、前記モールド材の前後壁部のそれぞれの両側端部に下向きの側面シールド部固定用の圧入穴を備え、該圧入穴に前記圧入片部を圧入して前記モールド材と第1シールド材とを固定することによってハウジングを組み立てることにより、前後壁部及び両側壁部の開きが効果的に防止されることとなり、部品数が少なく、シンプルな形状でハウジングの強固な組み立てがなされる。
【0019】
また、本発明では、前記左右壁部を構成する左右側面シールド部には、それぞれの上縁より外側に折り返した折り返し片部を一体に備え、該折り返し片部の下端を外向き水平方向に折り曲げた形状に前記基板表面に当接される対基板当接片を一体に備えているため、基板に対するカメラモジュールの固定がより安定したものとなる。
【0020】
また、本発明では、前記前後壁部をシールドするシールド材は、前記底面シールド部の前後縁から一体に立ち上げた壁部下側シールド片部と、前記前後壁部に支持させた壁部上側シールド片部とからなり、該上下側シールド片部間に前記コンタクトの接続端子を水平方向外側に向けて突出させ、該接続端子の上側を前記上側シールド部より外向き水平方向に突出させた接続端子シールド片部によって覆っていることにより、カメラモジュールの底面及びその周囲の窓穴挿入部分は、1枚のシールド材によって一体に形成されることとなり、シンプルで突起物の無い形状にでき、窓穴に対する嵌め合い公差を小さくでき、小型化した際にも高い精度が確保できる。
【0021】
更に、本発明では、ハウジングの側面に突出している対基板当接片及び接続端子の突出高さ位置の変更によって、基板に対する取り付け高さが変更できるが、部品構成を違えることなく、より少ない部品の寸法を違えた設計変更によって可能となるり経済性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係るカメラモジュールソケットの実施例を示す斜視図である。
【図2】同カメラモジュールソケットの分解斜視図である。
【図3】同カメラモジュールソケットの平面図である。
【図4】同正面図である。
【図5】同側面図である。
【図6】図1に示した実施例のカメラモジュールソケットに使用しているコンタクトの斜視図である。
【図7】同カメラモジュールソケットの基板に対する実装及びカメラモジュール装着状態を示す部分縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0023】
図1〜図7は本発明の第一実施例に係るカメラモジュールソケットを示している。このソケットは、図1に示すように、方形状をした底版部1と、その周囲の4辺から立ち上げた形状の前壁部2、後壁部3、左壁部4及び右壁部5からなる周壁とによって、方形状をした上方開放型のハウジングが構成されている。そのハウジングの前記周壁によって囲まれた部分がカメラモジュール収容部となっている。
【0024】
このソケットは、図2に示すように、絶縁性合成樹脂によりモールド成形されたモールド材Aと、導電性金属材からなる第1〜第3のシールド材B〜D及び多数のコンタクトEによって構成されている。
【0025】
モールド材Aは、底版部1とその前後縁から立ち上げた形状の前壁部2及び後壁部3とを一体形成した凹溝状をしており、これにコンタクトEが保持されている。
【0026】
第1シールド材Bは、底版部1の下側を覆う底面シールド部6と、その両縁から立ち上げた形状の左側面シールド部7及び右側面シールド部8とが一体に成形された凹溝状をしており、モールド材Aの底版部1下に底面氏ヘルド部6を重ね、左右側面シールド部7,8によってモールド材Aの左右の開放部を閉鎖させるように組み立てられており、この左右側面シールド部7,8によって前記ハウジングの左右壁部4,5が構成されている。
【0027】
左右側面シールド部7,8のそれぞれの前後端部には、互いに向き合う方向に折り曲げた折り曲げ片9,9......を有し、これがモールド材Aの前後壁部2,3の左右端部外側に添わされている。
【0028】
第1シールド材Bの左右側面シールド部7,8のそれぞれには、その上縁を下向きU字状の折り返し部を介して下向き折り返し片部7a,8aが一体に備えられており、その区折り返し片の下端を外向き水平方向に折り曲げて形成された対基板当接片7b,8bが一体に形成されている。この各対基板当接片7a,8aが後述する基板のアース端子に半田付けされるようになっている。
【0029】
また、左右側面シールド部7,8のそれぞれの上縁の前後端部には、それぞれ、モールド材Aに対して圧入される圧入片部9,9......が、上向きに一体成形されている。一方モールド材Aには、前後壁部2,3のそれぞれの左右端部には、左右壁部側に折り曲げた形状の側面シールド固定用凸部2a,2a,3a,3aが一体に形成され、前後壁部の上縁及び側面シールド固定用凸部2a,3aに連続させてフランジ状の厚肉に形成されており、その側面シールド固定用凸部2a,3aの上下に貫通して前記圧入片部9,9......がそれぞれ圧入されるスリット状の圧入穴10,10......が形成され、この各圧入穴10に対応する圧入片9を圧入することによってモールド材Aと第1シールド材Bとが固定されて、内部にカメラモジュール収容部を有するハウジングが形成されている。
【0030】
左右側面シールド部7,8には、それぞれハウジング内に突出させたカメラモジュールの側面を押圧して水平方向の位置決めをなすための一対のカメラモジュール押圧用バネ片11,11がそれぞれ切り起こしによって形成されている。
【0031】
左右側面シールド部7,8のそれぞれの前後端部には、互いに向き合う方向に折り曲げた壁部上側シールド片部接触片7c,7c,8c,8cを有し、これがモールド材Aの前後壁部2,3の左右端部外側に添わされており、これに後述する壁部上側シールド片部40が接触し互いにアース側に導通されるようになっている。
【0032】
モールド材Aには、その前壁部2から底版部1に、また構壁部3から底版部1に跨って、多数のコンタクト収容溝12,12......が形成されており、この各コンタクト収容溝12内にコンタクトEが挿入されて固定されている。
【0033】
コンタクトEは、図6に示すように、全体が導電性の弾性金属材板材を打ち抜き、これを折り曲げて形成されているものであり、中央部分に縦向きの固定片部20があり、その両縁に圧入用の突片20a,20aが形成されている。
【0034】
固定片部20の前面側には、その上端を下向きに折り曲げた形状の湾曲部21を介して弾性接触片部22が一体に形成されている。この弾性片部22は、湾曲部21より前方斜め下向きの下向き片部22aと、その下端を前方斜め稍上向きに延びる接触片部22bとを有しており、その接触片部22bの先端部が水平稍下向きに湾曲され、その湾曲した部分の上面に突起状の接点22cが形成されている。
【0035】
固定片部20の背面側には、その下端を上向きに折り曲げた形状の湾曲部23を介して立ち上がり片部24が一体に形成され、その立ち上がり片部24の上端を背面側水平方向に折り曲げて接続端子25が一体に形成されている。
【0036】
このように構成されるコンタクトEは、各コンタクト収容溝12内に装着され、その接触片部22bを底版部1に上下に貫通して形成した接触片収容凹部33内より接点22c部分が底版部1の上面側に突出させ、接続端子24が前壁部2又は後壁部3よりその外側に突出させて装着されている。
【0037】
尚、コンタクト収容溝12は図7に示すように、前後壁部2及び3のそれぞれの外面側に、スリット状の立ち上がり片収容部30が、壁部の下面に下端を開放した状態に形成され、その内側に連続して固定片圧入部31が、更にその内側に下向き片収容部32が形成され、下向き片収容部32に連続して底版部1に接触片収容部33が形成されている。コンタクトEは、これらの各収容部30〜33に対応する各部分が収容されて組み込まれている。
【0038】
第2シールド材C及び第3シールド材Dは同一形状をしており、両者によって前後壁部2,3の接続端子突出部分より上側及び接続端子の上側をシールドしている。この両シールド材C,Dは平板状をした壁部上側シールド片部40を有し、これが壁部2又は3の外面上部側に添って重ねられている。
【0039】
この壁部上側シールド片部40の下縁を水平外向きに折り曲げた形状に、接続端子25,25......の上側を覆う接続端子シールド片部41が一体に形成されている。この接続端子シールド片部41は、コンタクトEの接続端子25の突出長さと略同じ長さに突出されており、その先端縁に、各接続端子25を挟む配置の櫛歯状をした垂下シールド片部41aが、接続端子25の数に応じた数だけ形成されている。
【0040】
壁部上側シールド片部40の両端部には、接続端子シールド片部41の端部より外側に、基板上面に達し、該接続端子シールド片部41と略同じ長さだけ突出された対基板当接片42,42が形成されており、必要に応じ、基板のアース端子に半田付けされるようになっている。
【0041】
この壁部上側シールド片部40の固定は、その上縁の複数個所(本実施例では4箇所)に、下向きコ字状に折り返して固定片45が形成され、この各固定片42を壁部2,3の頂面に形成したスリット状の固定片圧入用穴46に圧入することにより、各壁部2,3の外側に固定されている。
【0042】
また、この壁部上側シールド片部40と一体に、1つのカメラモジュール抜け止め用バネ片48と2つのカメラモジュール側面押圧用バネ片49とが形成されており、これらは、図2に示すように壁部上側シールド片部40の上縁を折り返した形状に形成され、前後壁部2,3の内側のバネ片収容凹部50,51より弾性的に突出されている。
【0043】
前後壁部2,3の接続端子突出高さ位置より下側には、第1シールド部材Bの底面シールド部6の前後縁より上方に立ち上げた壁部下側シールド片部52が、外面に添わされており、これによって前後壁部2,3の下側がシールドされている。
【0044】
このように構成されるカメラモジュールソケットは、これを基板に対する取付は、図7に示すように、基板60にソケット挿入用の窓穴61を形成し、その周囲の基板表面に、所定のパターン端子62を配線しておき、窓穴61内にソケットの下半部を挿入し、接続端子25及び対基板当接片7b,8b及び42を半田付けすることによって実装する。
【0045】
このカメラモジュールソケットの基板に対する取り付け高さを違えたものとする設計の変更は、接続端子25の前後壁部2,3に対する突出位置の高さ、その上の接続端子シールド片部41の突出高さ、及び第1シールド材の左右壁部7,8からの対基板当接片7b,8bの突出高さを変更することによってなすことができる。
【0046】
コンタクト収容溝12の立ち上がり片収容部30の上端部の高さが、接続端子25の最高突出高さ位置を決定するものであり、コンタクトEの立ち上がり片部24の長さh1を変更することによって、接続端子25の突出位置の高さが変更され、接続端子シールド片部41の突出高さ位置変更は、第2、第3シールド材の壁部上側シールド片部41の上下の長さh2を変更することにより、また、対基板当接片42突出高さ位置変更は、下向き折り返し片部7a,8aの上下の長さh3を変更することによってなされる。
【0047】
尚、接続端子25の突出位置の高さが変更に伴って、その下側の壁部下側シールド片部52の上下の長さh4も変更する。
【0048】
また、接続端子シールド片部41の両側の対基板当接片42の突出高さは、第2、第3シールド材の壁部上側シールド片部40の上下の長さh2を変更することにより共に変更される。
【0049】
また、このソケットに対するカメラモジュールFの装着は、図7に示すようにハウジング内にその開口部からカメラモジュールFを所定の深さまで挿入することによって、カメラモジュールFの底面に露出している接点部(図示せず)に、コンタクトEの接点22cが弾性片部22の弾力によって所定の接触圧によって接続されるとともに、カメラモジュール抜け止め用バネ片48がカメラモジュールFの側面の係止段部63に係合して抜け止めし、各カメラモジュール側面押圧用バネ片49によってカメラモジュールFの側面を押圧し、指定の位置に位置決めする。
【符号の説明】
【0050】
A モールド材
B 第1シールド材
C 第2シールド材
D 第3シールド材
E コンタクト
F カメラモジュール
1 底版部
2 前壁部
2a,2a 側面シールド固定用凸部
3 後壁部
3a,3a 側面シールド固定用凸部
4 左壁部
5 右壁部
6 底面シールド部
7 左側面シールド部
8 右側面シールド部
7a,8a 下向き折り返し片部
7b,8b 対基板当接片
7c,8c シールド片部接触片
9 圧入片部
10 圧入穴
11 カメラモジュール押圧用バネ片
12 コンタクト収容溝
20 固定片部
20a 突片
21 湾曲部
22 弾性片部
22a 下向き片部
22b 接触片部
22c 接点
23 湾曲部
24 立ち上がり片部
25 接続端子
30 立ち上がり片収容部
31 固定片圧入部
32 下向き片収容部
33 接触片収容部
40 壁部上側シールド片部
41 接続端子シールド片部
41a 垂下シールド片部
42 対基板当接片
45 固定片
46 圧入用穴
48 カメラモジュール抜け止め用バネ片
49 カメラモジュール側面押圧用バネ片
50,51 バネ片収容凹部
52 壁部下側シールド片部
60 基板
61 ソケット装着窓穴
62 パターン端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方形状の底版部と該底版部周囲の4辺部から上方に立ち上げた前後壁部及び左右壁部によって囲まれた上方開放型のカメラモジュール収容部を有するハウジングを備え、該ハウジングの前記前後壁部にコンタクトが支持され、該コンタクトのモジュールに対する接触片部を前記底版部からその上面側に突出させるとともに、該コンタクトの基板側接続端子を前記前後壁部の外面の所望高さ位置に並べて突出させ、前記ハウジングは、底版部、左右壁部及び前後壁部をシールド材によってシールドさせるとともに、前記前後壁部より突出したコンタクトの基板側接続端子の上側をシールド材によってシールドさせ、基板に対し前記ハウジングの下部を基板の表裏に貫通開口させたソケット装着窓穴内に挿入させて固定させるカメラモジュールソケットにおいて、
前記ハウジングの底版部と前後壁部とを構成する断面が凹溝状のモールド材と、底面シールド部とその両側縁より一体に立ち上げた左右側面シールド部とを導電性金属板材によって一体成形された断面が凹溝状の第1シールド材とを使用し、
前記モールド材とシールド材とを、該モールド材の底版部下面に前記第1シールド材の底面シールド部を重ねるとともに、前記左右側面シールド部をもって該モールド材の左右の開放部を閉鎖するように組み合わせて互いに固定し、該第1シールド材の左右側面シールド部によってハウジングの前記左右壁部を構成させたことを特徴としてなるカメラモジュールソケット。
【請求項2】
前記両側面シールド部の前後端部上縁に前記前後壁部に対する圧入片部を一体に備えるとともに、前記モールド材の前後壁部のそれぞれの両側端部に下向きの側面シールド部固定用の圧入穴を備え、該圧入穴に前記圧入片部を圧入して前記モールド材と第1シールド材とを固定した請求項1に記載のカメラモジュールソケット。
【請求項3】
前記左右壁部を構成する左右側面シールド部には、それぞれの上縁より外側に折り返した折り返し片部を一体に備え、該折り返し片部の下端を外向き水平方向に折り曲げた形状に前記基板表面に当接される対基板当接片を一体に備えてなる請求項1又は2に記載のカメラモジュールソケット。
【請求項4】
前記前後壁部をシールドするシールド材は、前記底面シールド部の前後縁から一体に立ち上げた壁部下側シールド片部と、前記前後壁部に支持させた壁部上側シールド片部とからなり、該上下側シールド片部間に前記コンタクトの接続端子を水平方向外側に向けて突出させ、該接続端子の上側を前記上側シールド部より外向き水平方向に突出させた接続端子シールド片部によって覆ってなる請求項1〜3の何れか1に記載のカメラモジュールソケット。
【請求項5】
前記前後面シールド部のそれぞれの上側シールド片は、その上縁より内側下向きに折り返した固定片部を一体に有し、該固定片部を前記モールド材によって形成された前後壁部の上面に開口させた固定片圧入穴に圧入することによって固定されている請求項1〜4の何れか1項に記載のカメラモジュールソケット。
【請求項6】
前記左右側面シールド部のそれぞれに、その前後縁を前記前後壁部の外側に沿うように折り曲げた前・後面シールド部接触片部を一体に有し、該接触片部に前記前後面シールド部を接触させることによって互いに導通させている請求項1〜5の何れか1項に記載のカメラモジュールソケット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−28902(P2011−28902A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171244(P2009−171244)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(000102500)SMK株式会社 (528)
【Fターム(参考)】