カメラ制御装置、カメラ制御システムおよびカメラ制御方法
【課題】複数回にわたって撮像対象位置を撮像するためのカメラ操作を自動化する。
【解決手段】カメラより得られた撮影画像から抽出された特定画像の領域を示す基準領域の位置及び大きさと、前記撮影画像において指定された注目領域の前記撮影画像における位置及び大きさとを示す注目領域情報を格納する格納部を有するカメラ制御装置は、カメラより撮影画像を受信し、受信した撮影画像を表示する。カメラ制御装置は、受信した撮影画像から特定画像の領域を抽出し、抽出された領域の位置及び大きさと格納部に格納されている基準領域の位置及び大きさとの差、及び、格納部に格納されている注目領域の位置に基づいて、注目領域に対応する場所をカメラが撮影するようにカメラの撮影方向と画角を制御する。
【解決手段】カメラより得られた撮影画像から抽出された特定画像の領域を示す基準領域の位置及び大きさと、前記撮影画像において指定された注目領域の前記撮影画像における位置及び大きさとを示す注目領域情報を格納する格納部を有するカメラ制御装置は、カメラより撮影画像を受信し、受信した撮影画像を表示する。カメラ制御装置は、受信した撮影画像から特定画像の領域を抽出し、抽出された領域の位置及び大きさと格納部に格納されている基準領域の位置及び大きさとの差、及び、格納部に格納されている注目領域の位置に基づいて、注目領域に対応する場所をカメラが撮影するようにカメラの撮影方向と画角を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ(撮像装置)で撮影した映像をもとに当該カメラの撮影位置を制御するカメラ制御装置、カメラ制御システムおよびカメラ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、カメラなどの撮像装置で撮影した映像を基に撮像装置の動作を制御し、撮影対象とする部位の位置合せを行うカメラ制御システムが提案されている。特許文献1では、各監視対象に取り付けた呼出ランプの位置を基準位置として認識し、この呼び出しランプが画面上部から1/5の位置となるようカメラのパン角,チルト角を初期設定するシステムが提案されている。また、特許文献2では、患部近傍に存在する特徴的部位(臓器)の特徴点を画像内でマーキングし、次回撮影時にこのマーキングポイントをパターンマッチングすることで患部中心位置に照射の中心位置を合せるシステムが提案されている。これまでにも、ネットワークを通じて遠隔地間で画像や音声などの情報を通信するネットワーク通信システムはよく知られているが、この中では、近年、特に遠隔診断システムが注目を集めている。この遠隔診断システムは、在宅している患者の家(自宅)と、医師が常駐している医療センターとの間を通信メディアで接続して画像通信を行うことにより医師が患者の病気の診断および健康相談などを行えるようにした医療システムである。
【0003】
この種の遠隔診断システムでは、医療センターにいる医師が操作卓を操作して遠隔操作で患者側のカメラを患者に向けて患者を撮影し、その映像を医療センターの表示装置で医師が観察する。この場合、患者は、患者側のカメラで撮影した映像がどのように医療センターで表示されるかを、患者側の表示部で確認できる。また、この患者側の表示部には、医療センターのカメラで撮影した医師の映像も表示されるので、患者が医師の様子をうかがうこともできる。また医師側のマイクおよびスピーカと、患者側のマイクおよびスピーカとを使用することにより患者と医師とは互いの表示部でそれぞれ相手の姿を見ながら遠隔地間でも相互に会話をしてコミュ二ケーションをとることができる。
【0004】
したがって、医師は、医師側の表示部に映し出された患者の上半身映像を見て、患者の腕の患部(傷など)の状態を診断し、その患部の症状をカメラ(マイク)に向かって発声することで、患者に診断内容を通知する。また、患者がその通知を聞いて応答すれば、その応答が医師に伝わる。このようにして遠隔地間において、音声と映像とで相互に会話をしながら患者の症状を診察することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-191724号公報
【特許文献2】特開平11-009708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
在宅患者を撮影する場合は、患者の位置が固定されていないため、診断の度ごとに患者の位置が変ってしまい、患者あるいは観察しようとしている患部が医師側の表示部上では異なった位置と大きさで表示されることになる。そのため、一定期間にわたって患部の経過を観察する必要がある場合には、医師が表示部に表示されている患部の映像と過去の患部画像とを見比べながら、患者側のカメラの位置とズーム率を遠隔操作により調整することで患部を撮影していた。このように、撮像した患部画像を過去の画像と較べながら診断を行っていくためには、患者の身体の所定部位を、撮像対象位置と定めると共に、常にその対象位置を診断の度ごとに正確に撮像する必要がある。しかしながら、在宅患者の場合は、その対象位置が固定されていないため、撮像対象位置を診断の度に正確に撮像することはとても難しいのが現状である。
【0007】
このように、一般的な遠隔診断システムでは、在宅患者の患部を過去と同じ位置で撮像するためには、医師が撮影中の患部と過去の患部画像を注意深く見比べながらカメラを操作しなければならい。したがって、医師は、医療技術以外に、カメラ制御などの操作技術も要求されることになり、医師への負担が増加してしまう。また、患部の色や大きさは診断のたびに変る可能性があるため、医師が手動で撮像対称位置を合せることが困難となり、よって、正確な比較や診断をしづらいという課題もあった。
【0008】
本発明は、上述したような課題に鑑みてなされたものであり、複数回にわたって撮像対象位置を撮像するためのカメラ操作を自動化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の一態様によるカメラ制御装置は以下の構成を備える。すなわち、
カメラより得られた撮影画像から抽出された特定画像の領域を示す基準領域の位置及び大きさと、前記撮影画像において指定された注目領域の前記撮影画像における位置及び大きさとを示す注目領域情報を格納した格納手段と、
前記カメラより撮影画像を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した撮影画像を表示する表示手段と、
前記受信した撮影画像から前記特定画像の領域を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出された領域の位置及び大きさと前記基準領域の位置及び大きさとの差、及び、前記注目領域の位置に基づいて、前記注目領域に対応する場所を前記カメラが撮影するように前記カメラの撮影方向と画角を制御する制御手段とを備える。
【0010】
上記目的を達成するための本発明の他の態様によるカメラ制御装置は以下の構成を備える。すなわち、
カメラより得られた撮影画像から抽出された特定画像の領域を示す基準領域の位置及び大きさと、前記撮影画像において指定された注目領域の前記撮影画像における位置及び大きさを示す注目領域情報を格納した格納手段と、
前記カメラより撮影画像を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した撮影画像を表示する表示手段と、
前記受信した撮影画像から前記特定画像の領域を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出された領域の位置及び大きさと前記基準領域の位置及び大きさが一致するように前記カメラの撮影方向と画角を制御する制御手段と、
前記制御手段によって撮影方向と画角が制御された前記カメラより受信した撮影画像から、前記注目領域の前記位置及び大きさに該当する部分画像を切り出し、前記表示手段に拡大表示する拡大表示手段とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明のカメラ制御装置及び方法によれば、複数回にわたって撮像対象位置を撮像するためのカメラ操作を自動化することが可能となる。従って、例えば本発明のカメラ制御装置及び方法を遠隔診断システムに適用すれば、医師は、診断対象の患部を繰り返し撮影するためのカメラ操作から解放され、カメラの操作負担が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態によるカメラ制御システムの全体構成を表すブロック図である。
【図2】第1実施形態による、初回撮影の処理を説明するフロー図である。
【図3】第1実施形態による、初回撮影時の医師側GUIの表示例を示す図である。
【図4】第1実施形態による、患者側GUIの表示例を示す図である。
【図5】第1実施形態による、初回全身像の表示例を示す図である。
【図6】第1実施形態による、患部撮影映像の表示例を示す図である。
【図7】第1実施形態による、患部リストを示す図である。
【図8】第1実施形態による、2回目以降の全身像をの表示例を示す図である。
【図9】第1実施形態による、2回目以降の撮影時の医師側GUIの表示面例を示す図である。
【図10】第1実施形態による、初回撮影時の静止画像と、基準領域及び撮影領域の例を示す図である。
【図11】第1実施形態による、現行の撮影時の静止画像と、基準領域及び撮影領域の例を示す図である。
【図12】第1実施形態による、PTZ調整後の撮影映像の例を示す図である。
【図13】第1実施形態によるデータベースのデータ構成例を示す図である。
【図14】第1実施形態による、目と目の間を基準とする例を示す図である。
【図15】第1実施形態による、患者側の端末装置における動作例を説明するフロー図である。
【図16】第1実施形態による、医師側の端末装置における動作例を説明するフロー図である。
【図17】第1実施形態による、2回目以降の診断における撮影処理を説明するフロー図である。
【図18】第2実施形態によるカメラ制御システムの全体構成例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0014】
(第1実施形態)
本実施形態では、本発明のカメラ制御装置を、特に在宅患者の患部を撮影しその映像をもとに診断を行うためのカメラ制御システム(遠隔診断システム)に適用する場合を説明する。すなわち、本実施形態は、在宅患者宅に設置したネットワークカメラから撮影した映像を基に、遠隔から医師が診断を行うための遠隔診断システムである。本実施形態の遠隔診断システムは、初回の診断で撮影した在宅患者の顔の中心位置を元に、2回目以降に撮影した顔の中心位置との差分から撮影方向(パン角・チルト角)を、顔のサイズの差異から画角(ズーム倍率)を計算して設定する。そして、設定したパン角、チルト角、ズーム倍率でカメラを制御し撮影することで、初回の診断時と同じ患部領域を同じような大きさで撮影するようにする。その結果、医師は、過去の患部データと容易に比較診断ができるようになる。以下、本実施形態の遠隔診断システムについて詳細に説明する。
【0015】
図1は第1実施形態における遠隔診断システムのブロック図である。患者側の通信端末100、医師側の通信端末200はネットワーク10を介して接続されている。患者側の通信端末100は患者の家などに設置された端末装置である。通信端末100において、制御部11は通信端末100の全体を制御する。制御部11は、不図示のCPUが不図示のメモリ(ROM,RAM)に格納されたプログラムを実行することにより、以下に説明する各種制御を実現する。カメラ制御部16は、カメラ15と接続され、カメラ15に制御コマンドを送り、カメラの位置や拡大率等を制御する。画像表示部14は、映像やテキストを表示する。コマンド入力部12はユーザの操作入力を受け付ける。音声入出力部13は、マイク(不図示)からアナログ音声を入力してデジタル化したり、音源データをデジタル化してスピーカ(不図示)に出力したりする。通信部17は、通信部17は、ネットワーク10を介して医師側の通信端末200との通信を行う。
【0016】
医師側の通信端末200において、制御部21、コマンド入力部22、音声入出力部23、画像表示部24、カメラ25、カメラ制御部26、通信部27は、それぞれ通信端末100の11〜17で示される構成と同様である。医師側の通信端末200は、これらの他に、画像データ記憶部28、基準領域抽出部29、撮影領域決定部30を有する。画像データ記憶部28は、通信端末100から送られた被写体の全身像と顔部分の位置情報、患部撮影データ等を記憶する。基準領域抽出部は、通信端末100から送られて着たい映像から基準領域(本実施形態では顔領域)を自動抽出する。撮影領域決定部30は、基準領域(顔領域)を基準として、2回目以降の撮影対象領域(患部撮影領域)を決定する。
【0017】
図15は、本実施形態の遠隔診断システムにおける患者側の通信端末100の動作を示すフローチャートである。また、図16は、本実施形態の遠隔診断システムにおける医師側の通信端末200の動作を説明するフローチャートである。図15、図16では、それぞれの端末の動作の流れとともに、(a)〜(f)により、通信部17,27を用いた両端末間の通信を経由したデータやコマンドの流れも示されている。
【0018】
まず、患者側の通信端末100の動作について説明する。ステップS1501で動作開始し、ステップS1502で、制御部11は、通信端末200からのカメラ15への接続要求を受け付ける。この接続要求が受信され、その送り元が接続可能な相手先であり、カメラ15が接続可能な動作状態であれば、ステップS1503で、制御部11は接続要求の送り元へ接続許可を送信する。以下の送信動作(ステップS1508における映像データ配信等)は、この接続要求の送り元へ行われる。次にステップS1504で、制御部11は、パン角・チルト角・ズーム率のパラメータ値(PTZ)を受信する。そして、ステップS1505において、制御部11は、カメラ制御部16を用いてカメラ15を動作させる。次に、ステップS1506で、制御部11は、コマンド受付け動作に入る。コマンドが受信されると、ステップS1507において、制御部11はコマンド種別を判別し、それが映像配信要求であればステップS1508においてカメラ15により得られた映像データを送信する。また、パン、チルト、ズームの変更等、カメラ操作の要求であれば、処理はステップS1509へ進み、受け付けたカメラ操作にしたがってカメラ15を制御する。また、切断要求であれば、処理はステップS1510へ進み、本処理が終了する。なお、実際の機器への実施時には、本処理の終了後、ステップS1501に戻り再び上記の動作を行うが、説明の簡素化のため、この流れは省略している。
【0019】
一方、医師側の通信端末200は、ステップS1600で動作を開始する。ステップS1601において、制御部21は、映像を受信、表示しようとするカメラに対し接続要求を送信する。本実施形態では、通信端末100に接続されたカメラ15であるとし、以下の送信動作はこのカメラ15に対して行われるものとする。ステップS1602において、制御部21は、上記接続要求に対する接続許可を通信端末100から受付けるのを待つ。通信端末100からの接続許可が受信されると、ステップS1603において制御部21は、カメラ15の位置を初期化するために、予め設定したPTZの値を通信端末100に送信する。制御部21は、ステップS1604でPTZを通知した後、ステップS1605で通信端末100に対して映像配信要求を送信し、ステップS1606で映像データを受信する。すなわち、通信端末200は、カメラ15で撮影された撮影画像を通信端末100から受信する。ステップS1607において、制御部21は受信した映像データを画像表示部24へ表示する。
【0020】
映像データが受信されると、ステップS1608において、制御部21は、所定の条件に基づいて患部撮影を行うかどうかを判断する。患部撮影を行わないと判断されたならば、ステップS1605からの動作を繰り返す。また、ステップS1608において患部撮影を行うと判断されたならば、ステップS1609において、基準領域抽出部29は、受信した映像データから基準領域を抽出する。なお、患部撮影開始を判断するための所定の条件としては、たとえば、画像表示部24における、医師のボタン操作(例えば、患部撮影開始ボタンの操作)などが挙げられる。
【0021】
ステップS1609において、基準領域抽出部29はまず現行の映像から静止画像を切り出し、それを画像データ記憶部28に記憶する。そして、基準領域抽出部29は、画像データ記憶部28に記憶した静止画像から基準領域を抽出する。次にステップS1610において、撮影領域決定部30は、撮影対象領域を決定する。ステップS1611において、制御部21は、ステップS1610で求めた撮影対象領域からPTZを設定する。ステップS1612で診断を終了するかどうかを判断し、終了しないと判断された場合はステップS1614からの動作を繰り返し、ステップS1611で決定されたPTZを通信端末100に通知する。これにより、通信端末100では、撮影対象領域を撮影するようにカメラ15が制御される。また、ステップS1612で診断を終了する判定された場合は、ステップS1613において、制御部21は切断要求を送信し、ステップS1614で本処理を終了する。なお、撮影完了の判断としては、たとえば、表示開始から所定時間経過した場合や、ユーザの終了操作による場合などが有る。
【0022】
次に本発明の処理内容について詳しく説明する。まずは、図2の処理フローを用いて、初回の患部撮影処理について詳しく説明する。
【0023】
<ステップS201>
診断は、図3に示す医師側の画像表示部24のGUI(医師側GUI)における診断開始ボタン305と、図4に示す患者側の画像表示部14のGUI(患者側GUI)における診断開始ボタン404を選択することで開始される。例えば、診断開始ボタン305の押下により接続要求が送信され(S1601)、診断開始ボタン404の押下により接続許可が送信される(S1503)。したがって、カメラ15による撮影は双方の診断開始ボタンが押されてはじめて開始される。カメラ制御部16がPTZ初期値によりカメラ15を制御することにより(S1603、S1604、S1504,S1505)、患者側のカメラ15は、患者の顔と患部を含む全身像あるいは半身像を撮影する。患部に対して、初めて診断及び撮影する場合は、図3の医師側GUIにおいて新規ボタン311が選択されることにより初回撮影モードに切り替わり、2回目以降の撮影とは区別される。以下のステップS202〜S210は、初回撮影モードにおける処理である。
【0024】
<ステップS202>
通信端末100から受信された撮影画像は、リアル動画表示部303に表示される。すなわち、カメラ15により撮影中の全身像は、医師側GUIのリアル動画表示部303に表示される(S1605〜S1607、S1508)。医師は、この画像を見ながら調整ボタン307により、カメラ15のパン・チルト・ズーム等を調整することができる。また、図4に示す患者側GUIでは、リアル動画表示部401にカメラ15が撮影した動画像が表示される。更に、患者側GUIでは、医師側に設置したカメラ25で撮影した映像、例えば会話している医師の映像が外部映像表示部403に表示される。
【0025】
<ステップS203>
次に、医師は、医師側GUIにおいて、リアル動画表示部303の動画像上で撮影するべき患部領域を設定する処理をおこなう。具体的には、医師(ユーザ)が、図3の領域指定ボタン308を選択した後、マウス等でリアル動画表示部303上の2点を指示するというような領域指定操作を行う。制御部21は、これらの指示された2点を含む矩形領域313を患部Aの撮影領域(注目領域)として設定する。
【0026】
<ステップS204>
上記ステップS203で撮影領域が設定され、患部撮影開始ボタン309が選択されると、基準領域抽出部29は撮影領域が選択されたタイミングで撮影された全身像から、1フレームを抽出する。そして、初回撮影時の全身像(静止画像)として画像データ記憶部28に保管する。また、当該1フレームを撮影した時点のカメラ15のパン・チルト・ズームのPTZ情報も抽出し、画像データ記憶部28に保管する。以上のステップS204における処理は、ステップS1608、S1609に対応する。
【0027】
<ステップS205>
次に、上記ステップS204で抽出した全体像の静止画像から、基準領域抽出部29は特定の画像(顔)の領域を基準領域として自動的に抽出し、該顔領域の位置情報を求める(S1609に対応)。顔領域の抽出方法は既知の画像処理技術であるのでここでは詳しく説明しない。
【0028】
<ステップS206>
ここでは、上記ステップS204で画像データ記憶部28に保管した静止画像とPTZ情報、及びステップS205で抽出した顔領域の画像と位置データ(位置と大きさを示す)を、図13に示すようなデータベースに登録する。また、ステップS203で指定された患部の撮影領域(矩形領域)の位置データ(位置と大きさを示す)を、全体像と顔領域に対応付けてデータベースに登録する。こうして、図13に示される、初回全身像データと、初回顔データと、初回患部データにおける位置情報とが登録される。すなわち、データベースには、
・カメラ15より得られた撮影画像から抽出された特定画像の領域を示す基準領域(例えば顔領域)の位置及び大きさと、
・撮影画像において指定された注目領域(撮影領域)の当該撮影画像における位置及び大きさと、を示す注目領域情報が1つのレコードとして格納される。なお、データベースは画像データ記憶部28に形成されているものとする。
【0029】
<ステップS207>
制御部21は、全身像の静止画像を初回全身像表示部301に表示し、撮影領域の矩形をグラフィック表示する。図5は初回全身像表示部301への表示例を示す図である。ここで、表示された撮影領域の矩形(ステップS203で設定された患部領域)を、当該静止画上で調整できるようにしてもよい。また、上記手順では、リアル動画表示部303において患部領域を設定するのようにしたがこれに限られるものではない。たとえば、図3のユーザインターフェースに静止画抽出指示ボタンを設け、抽出した静止画上で患部領域を設定するようにしてもよい。この場合、制御部21は、リアル動画表示部303に動画を表示している間に静止画抽出指示ボタンの押下を検出すると、静止画を抽出して初回全身像表示部301に表示する。そして、領域指定ボタン308が押されると、制御部21は、初回全身像表示部301における静止画上で患部領域を設定できるよう装置を制御する。
【0030】
<ステップS208>
制御部21は、指定された撮影領域にカメラを制御し、患部を拡大撮影する。図6はリアル動画表示部303に患部の映像を表示した例を示している。なお、撮影領域の指定は、所望の撮影領域(患部領域)の矩形をユーザが指示することによりなされる。指定された撮影領域の、データベースに登録されている位置と大きさに基づいて、制御部21はカメラ15のPTZを決定し、通信端末100に送信する(S1609,S1610,S1611,S1604)。
【0031】
<ステップS209>
制御部21は、撮影している患部の映像から所定の1フレームを抽出し、初回患部データの画像として図13のデータベースに保存する。具体的には全体像と患部画像の位置のズレを最小にするために、動画像(複数フレーム)のうち、なるべく初期のフレームを抽出し保存する。図7は、医師側GUIのデータ表示部302に患部の静止画像から作成したサムネイルを表示した例を示している。なお、患部名及び説明等は医師が手動で入力し各患部の履歴情報として保存するものとする。
【0032】
<ステップS210>
医師側GUIの患部撮影終了ボタン310が選択されたタイミングで、カメラ15による当該患部領域の撮影を終了し、その動画像を図13のデータベースに保存する。次にデータベースから全身像のPTZ情報を読み込み、カメラ15を初回全身像の撮影状態に戻し、全身像を再度撮影する。更に別の患部を指定し撮影する場合は、ステップS203の患部領域を設定する処理から繰り返し、別の患部の撮影を開始する。診断を終了する場合は、図3の診断終了ボタン306を選択する。この操作により、患者との接続が切断されるS1612、S1613、S1507,S1510)。
【0033】
次に、図17の処理フローを用いて同一患部に対して、2回目以降の診断及び撮影を実施する場合の処理について詳しく説明する。
【0034】
<ステップS2101>
初回の患部撮影処理と同様に、診断の開始は図3に示す医師側GUIの診断開始ボタン305と図4に示す患者側GUIの診断開始ボタン404を選択することで開始される。カメラ15による撮影は双方の診断開始ボタンが押されてはじめて開始される。患者側に設置したカメラから患者の顔と患部を含む全身像あるいは半身像を撮影する(S1502〜S1506,S1601〜S1605)。
【0035】
<ステップS2102>
カメラ15により撮影している全身像を医師側GUIのリアル動画表示部303に表示する(S1606,S1607)。図8はリアル動画表示部303に、全身像を表示している例を示したものである。また、図4に示す患者側GUIのリアル動画表示部401にもカメラ15によって撮影された動画像を表示する。なお、図4の患者がGUIでは、医師側に設置したカメラ25で撮影した映像、例えば会話している医師の映像が、外部映像表示部403に表示されている。
【0036】
<ステップS2103>
ここでは撮影の対象とする患部を選択する。具体的には、医師側GUIにおいて、データ表示部302の患部リストから対象の患部を選択し、追加ボタン312を選択する。
【0037】
<ステップS2104>
次に、上記ステップで選択された患部に対応して登録されている初回全身像をデータベースから検索し、医師側GUIの初回全身像表示部301に表示する。制御部21は、さらに初回患部データに登録されている患部撮影領域の矩形をグラフィック表示する。図5は初回全身像表示部301に、データベースに登録されている初回全身像を表示した例を示している。ここでは、患部Aが選択されたために、患部Aの撮影領域が矩形でグラフィック表示されている。
【0038】
<ステップS2105>
次に、医師側GUIにおいて患部撮影開始ボタン309が選択されると、基準領域抽出部29は、そのタイミングで、図8に示す撮影中の全身像から1フレームを抽出し、位置情報とともに一時保管する(S1608、S1609)。
【0039】
<ステップS2106>
次に、基準領域抽出部29は、ステップS2105で抽出した全体像の静止画像から、顔領域を自動的に抽出し、その顔領域の位置情報を算出し一時保管する(S1609)。
【0040】
<ステップS2107>
撮影領域決定部30は、初回診断時にデータベースに保存した顔領域と患部領域を基に、患部撮影領域を決定する(S1610)。図10において、初回撮影モードにおいて撮影された全身の静止画像であり、顔領域の中心位置座標1001は(x1,y1)、初回患部データの撮影領域1003はP1(xp1,yp1)、Q1(xq1,yq1)である。また、図11において、1102は現行の撮影において保存した静止画像を示している。また、1101は、現行の顔領域の中心位置(x2,y2)を示す。撮影領域決定部30は、初回撮影モード時の顔領域の中心位置座標1001から当該顔領域の角までの長さPL1と、現行の顔領域の中心位置1101から当該顔領域の角までの長さPL2とを求め、ズーム率L=PL1/PL2を求める。そして、得られたズーム率Lでもって(拡大/縮小)をして得られたズーム調整後の静止画像を用いて、更にパン角とチルト角を決定する。すなわち、撮影領域決定部30は、ズーム調整後の静止画像における顔領域の中心位置と、初回診断時の顔領域の中心位置座標1001(x1,y1)との差分を抽出する。そして、ズーム調整後の画像の顔領域の中心位置が初回撮影モード時の顔領域の中心位置座標1001となるように、カメラ15のパン角・チルト角を決定し、カメラ15を制御する。より具体的には、制御部21がカメラ制御部16に、カメラ15の姿勢を撮影領域決定部30で決定されたパン角、チルト角とするためのコマンドを送り、カメラ15の駆動を制御する。こうして、図12に示すように現行の撮影画像を得ることができる。すなわち、抽出された領域の位置及び大きさと基準領域の位置及び大きさとが一致するようにカメラ15のズーム、撮影方向及び画角が制御される。そして、患部撮影領域P2(xp2,yp2)、Q2(xq2,yq2)が決定される。
【0041】
<ステップS2108>
次に、制御部21は、患部撮影領域P2(xp2,yp2)、Q2(xq2,yq2)の中心位置に焦点を合せるようにパン角・チルト角を制御し、患部撮影領域P2(xp2,yp2)、Q2(xq2,yq2)にズーム(拡大)する。以上のようにして、
・ステップS2106で抽出された領域の位置及び大きさと、データベースに格納されている基準領域(顔領域)の位置及び大きさとの差、及び、
・データベースに格納されている注目領域(撮影領域)の位置、
に基づいて、注目領域に対応する場所をカメラ15が撮影するように撮影方向と画角が制御される(S1610、S1611)。そして、更に、注目領域が撮影画像の中央に拡大して表示されるようにカメラ15の撮影方向と画角が制御される。図9は2回目以降の患部撮影を行っている医師側GUIの表示例である。リアル動画表示部303には、カメラ15によって撮影中の患部の映像が表示され、過去データ表示部304には患部Aの前回の患部画像が表示される。過去データが複数あった場合は、ボタン903とボタン904の操作により、前回より更に前のデータをさかのぼって、任意の時点の過去データを過去データ表示部304に表示させることができる。
【0042】
なお、図9では、過去データ表示部304が一つの場合の例を示したが、同一患部につき過去のデータの複数、或いは全てを同時に表示するようにしてもよい。また、複数或いは全ての過去データを同時に表示するか、一つの過去データを表示するかを選択するための複数テータ表示ボタンを設け医師側GUIに設けてもよい。
【0043】
<ステップS2109>
制御部21は、撮影している患部の映像から所定の1フレームを抽出して図13のデータベース(例えば2回目患部データ)に保存する。具体的には全体像と患部画像の位置のズレを最小にするために、患部領域を撮影した動画像(複数フレーム)のうち初期のフレームを抽出してデータベースに保存するようにする。図7はデータ表示部に患部の静止画像から作成したサムネイルを表示した例を示している。患部名及び説明等は医師が手動で入力する。
【0044】
<ステップS2110>
医師側GUIの患部撮影終了ボタン310が選択されたタイミングで撮影を終了し、患部の動画像を図13のデータベースに保存する。こうして、S2109とS2110とにより、撮影方向と画角が制御されたカメラからの撮影画像が、注目領域情報の一部としてデータベース記録されることになる。このあと、更に別の患部を指定し撮影する場合は、医師側GUIのデータ表示部302の患部リストから所望の患部を選択する。患部リストから患部が選択されると、ステップ2103からの処理が繰り返され、別の患部が撮影される。医師側GUIの診断終了ボタン306が選択されると、患者側の通信端末100との接続が切断され、診断が終了する。
【0045】
以上、第1実施形態では、患部領域にカメラの位置と拡大率を合せて撮影する方法を述べたがこれに限られるものではない。例えば、基準領域に基づいてパン、チルト、ズームを調整して得られた全体像の画像から、データベースに登録されている患部領域の位置情報に基づいて部分画像を切り出して記憶し、これを患部映像として拡大表示するようにしてもよい。
【0046】
また、本実施形態では基準領域を顔領域とした場合の処理について説明したがこれに限られるものではない。例えば、図14に示すように患部が顔の内部にある場合は、全体像として顔部分だけを撮影し、目と目の間の中心点1401と距離を基準に患部領域1402、1403の領域を拡大撮影することも可能である。
【0047】
以上のように、本実施形態の遠隔診断システムによれば、診断対象の患部の大きさや状態が変化しても、毎回同じ患部領域を撮影できるので、過去データとの比較が容易になり診断効率を高めることが可能になる。また、顔を含む上半身あるいは全身をプレ撮影するだけで、自動的に患部を撮影できるので、位置合せのためのカメラ操作量を低減することができる。更に、撮影位置や拡大率の調整に要する時間を大幅に短縮できるので、被写体(患者)への負担も軽減することができる。
【0048】
(第2実施形態)
第1実施形態では、画像データ記憶部28と基準領域抽出部29と撮影領域決定部30を医師側の通信端末200に設けているが、これに限られるものではない。例えば、システム全体の処理を制御する制御サーバに画像データ記憶部28と基準領域抽出部29と撮影領域決定部30を構成することによっても、本発明は実施され得る。この場合の遠隔診断システムは、図18に示すようなブロック構成となる。すなわち、制御サーバ300は制御部31と画像データ記憶部32と基準領域抽出部33と撮影領域決定部34と通信部35とを有する。制御サーバ300は、患者側の通信端末100と医師側の通信端末200からの通信を受信し、第1実施形態で説明した各処理に応じた命令を送信する。基準領域の抽出方法や撮影領域の決定方法等については第1実施形態で詳しく説明したものと同等であるので、ここでは省略する。
【0049】
以上、実施形態を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0050】
尚、本発明は、ソフトウェアのプログラムをシステム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによって前述した実施形態の機能が達成される場合を含む。この場合、供給されるプログラムは実施形態で図に示したフローチャートに対応したコンピュータプログラムである。
【0051】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明には、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体、並びに、個のコンピュータプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も含まれる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ(撮像装置)で撮影した映像をもとに当該カメラの撮影位置を制御するカメラ制御装置、カメラ制御システムおよびカメラ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、カメラなどの撮像装置で撮影した映像を基に撮像装置の動作を制御し、撮影対象とする部位の位置合せを行うカメラ制御システムが提案されている。特許文献1では、各監視対象に取り付けた呼出ランプの位置を基準位置として認識し、この呼び出しランプが画面上部から1/5の位置となるようカメラのパン角,チルト角を初期設定するシステムが提案されている。また、特許文献2では、患部近傍に存在する特徴的部位(臓器)の特徴点を画像内でマーキングし、次回撮影時にこのマーキングポイントをパターンマッチングすることで患部中心位置に照射の中心位置を合せるシステムが提案されている。これまでにも、ネットワークを通じて遠隔地間で画像や音声などの情報を通信するネットワーク通信システムはよく知られているが、この中では、近年、特に遠隔診断システムが注目を集めている。この遠隔診断システムは、在宅している患者の家(自宅)と、医師が常駐している医療センターとの間を通信メディアで接続して画像通信を行うことにより医師が患者の病気の診断および健康相談などを行えるようにした医療システムである。
【0003】
この種の遠隔診断システムでは、医療センターにいる医師が操作卓を操作して遠隔操作で患者側のカメラを患者に向けて患者を撮影し、その映像を医療センターの表示装置で医師が観察する。この場合、患者は、患者側のカメラで撮影した映像がどのように医療センターで表示されるかを、患者側の表示部で確認できる。また、この患者側の表示部には、医療センターのカメラで撮影した医師の映像も表示されるので、患者が医師の様子をうかがうこともできる。また医師側のマイクおよびスピーカと、患者側のマイクおよびスピーカとを使用することにより患者と医師とは互いの表示部でそれぞれ相手の姿を見ながら遠隔地間でも相互に会話をしてコミュ二ケーションをとることができる。
【0004】
したがって、医師は、医師側の表示部に映し出された患者の上半身映像を見て、患者の腕の患部(傷など)の状態を診断し、その患部の症状をカメラ(マイク)に向かって発声することで、患者に診断内容を通知する。また、患者がその通知を聞いて応答すれば、その応答が医師に伝わる。このようにして遠隔地間において、音声と映像とで相互に会話をしながら患者の症状を診察することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-191724号公報
【特許文献2】特開平11-009708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
在宅患者を撮影する場合は、患者の位置が固定されていないため、診断の度ごとに患者の位置が変ってしまい、患者あるいは観察しようとしている患部が医師側の表示部上では異なった位置と大きさで表示されることになる。そのため、一定期間にわたって患部の経過を観察する必要がある場合には、医師が表示部に表示されている患部の映像と過去の患部画像とを見比べながら、患者側のカメラの位置とズーム率を遠隔操作により調整することで患部を撮影していた。このように、撮像した患部画像を過去の画像と較べながら診断を行っていくためには、患者の身体の所定部位を、撮像対象位置と定めると共に、常にその対象位置を診断の度ごとに正確に撮像する必要がある。しかしながら、在宅患者の場合は、その対象位置が固定されていないため、撮像対象位置を診断の度に正確に撮像することはとても難しいのが現状である。
【0007】
このように、一般的な遠隔診断システムでは、在宅患者の患部を過去と同じ位置で撮像するためには、医師が撮影中の患部と過去の患部画像を注意深く見比べながらカメラを操作しなければならい。したがって、医師は、医療技術以外に、カメラ制御などの操作技術も要求されることになり、医師への負担が増加してしまう。また、患部の色や大きさは診断のたびに変る可能性があるため、医師が手動で撮像対称位置を合せることが困難となり、よって、正確な比較や診断をしづらいという課題もあった。
【0008】
本発明は、上述したような課題に鑑みてなされたものであり、複数回にわたって撮像対象位置を撮像するためのカメラ操作を自動化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の一態様によるカメラ制御装置は以下の構成を備える。すなわち、
カメラより得られた撮影画像から抽出された特定画像の領域を示す基準領域の位置及び大きさと、前記撮影画像において指定された注目領域の前記撮影画像における位置及び大きさとを示す注目領域情報を格納した格納手段と、
前記カメラより撮影画像を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した撮影画像を表示する表示手段と、
前記受信した撮影画像から前記特定画像の領域を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出された領域の位置及び大きさと前記基準領域の位置及び大きさとの差、及び、前記注目領域の位置に基づいて、前記注目領域に対応する場所を前記カメラが撮影するように前記カメラの撮影方向と画角を制御する制御手段とを備える。
【0010】
上記目的を達成するための本発明の他の態様によるカメラ制御装置は以下の構成を備える。すなわち、
カメラより得られた撮影画像から抽出された特定画像の領域を示す基準領域の位置及び大きさと、前記撮影画像において指定された注目領域の前記撮影画像における位置及び大きさを示す注目領域情報を格納した格納手段と、
前記カメラより撮影画像を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した撮影画像を表示する表示手段と、
前記受信した撮影画像から前記特定画像の領域を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出された領域の位置及び大きさと前記基準領域の位置及び大きさが一致するように前記カメラの撮影方向と画角を制御する制御手段と、
前記制御手段によって撮影方向と画角が制御された前記カメラより受信した撮影画像から、前記注目領域の前記位置及び大きさに該当する部分画像を切り出し、前記表示手段に拡大表示する拡大表示手段とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明のカメラ制御装置及び方法によれば、複数回にわたって撮像対象位置を撮像するためのカメラ操作を自動化することが可能となる。従って、例えば本発明のカメラ制御装置及び方法を遠隔診断システムに適用すれば、医師は、診断対象の患部を繰り返し撮影するためのカメラ操作から解放され、カメラの操作負担が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態によるカメラ制御システムの全体構成を表すブロック図である。
【図2】第1実施形態による、初回撮影の処理を説明するフロー図である。
【図3】第1実施形態による、初回撮影時の医師側GUIの表示例を示す図である。
【図4】第1実施形態による、患者側GUIの表示例を示す図である。
【図5】第1実施形態による、初回全身像の表示例を示す図である。
【図6】第1実施形態による、患部撮影映像の表示例を示す図である。
【図7】第1実施形態による、患部リストを示す図である。
【図8】第1実施形態による、2回目以降の全身像をの表示例を示す図である。
【図9】第1実施形態による、2回目以降の撮影時の医師側GUIの表示面例を示す図である。
【図10】第1実施形態による、初回撮影時の静止画像と、基準領域及び撮影領域の例を示す図である。
【図11】第1実施形態による、現行の撮影時の静止画像と、基準領域及び撮影領域の例を示す図である。
【図12】第1実施形態による、PTZ調整後の撮影映像の例を示す図である。
【図13】第1実施形態によるデータベースのデータ構成例を示す図である。
【図14】第1実施形態による、目と目の間を基準とする例を示す図である。
【図15】第1実施形態による、患者側の端末装置における動作例を説明するフロー図である。
【図16】第1実施形態による、医師側の端末装置における動作例を説明するフロー図である。
【図17】第1実施形態による、2回目以降の診断における撮影処理を説明するフロー図である。
【図18】第2実施形態によるカメラ制御システムの全体構成例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0014】
(第1実施形態)
本実施形態では、本発明のカメラ制御装置を、特に在宅患者の患部を撮影しその映像をもとに診断を行うためのカメラ制御システム(遠隔診断システム)に適用する場合を説明する。すなわち、本実施形態は、在宅患者宅に設置したネットワークカメラから撮影した映像を基に、遠隔から医師が診断を行うための遠隔診断システムである。本実施形態の遠隔診断システムは、初回の診断で撮影した在宅患者の顔の中心位置を元に、2回目以降に撮影した顔の中心位置との差分から撮影方向(パン角・チルト角)を、顔のサイズの差異から画角(ズーム倍率)を計算して設定する。そして、設定したパン角、チルト角、ズーム倍率でカメラを制御し撮影することで、初回の診断時と同じ患部領域を同じような大きさで撮影するようにする。その結果、医師は、過去の患部データと容易に比較診断ができるようになる。以下、本実施形態の遠隔診断システムについて詳細に説明する。
【0015】
図1は第1実施形態における遠隔診断システムのブロック図である。患者側の通信端末100、医師側の通信端末200はネットワーク10を介して接続されている。患者側の通信端末100は患者の家などに設置された端末装置である。通信端末100において、制御部11は通信端末100の全体を制御する。制御部11は、不図示のCPUが不図示のメモリ(ROM,RAM)に格納されたプログラムを実行することにより、以下に説明する各種制御を実現する。カメラ制御部16は、カメラ15と接続され、カメラ15に制御コマンドを送り、カメラの位置や拡大率等を制御する。画像表示部14は、映像やテキストを表示する。コマンド入力部12はユーザの操作入力を受け付ける。音声入出力部13は、マイク(不図示)からアナログ音声を入力してデジタル化したり、音源データをデジタル化してスピーカ(不図示)に出力したりする。通信部17は、通信部17は、ネットワーク10を介して医師側の通信端末200との通信を行う。
【0016】
医師側の通信端末200において、制御部21、コマンド入力部22、音声入出力部23、画像表示部24、カメラ25、カメラ制御部26、通信部27は、それぞれ通信端末100の11〜17で示される構成と同様である。医師側の通信端末200は、これらの他に、画像データ記憶部28、基準領域抽出部29、撮影領域決定部30を有する。画像データ記憶部28は、通信端末100から送られた被写体の全身像と顔部分の位置情報、患部撮影データ等を記憶する。基準領域抽出部は、通信端末100から送られて着たい映像から基準領域(本実施形態では顔領域)を自動抽出する。撮影領域決定部30は、基準領域(顔領域)を基準として、2回目以降の撮影対象領域(患部撮影領域)を決定する。
【0017】
図15は、本実施形態の遠隔診断システムにおける患者側の通信端末100の動作を示すフローチャートである。また、図16は、本実施形態の遠隔診断システムにおける医師側の通信端末200の動作を説明するフローチャートである。図15、図16では、それぞれの端末の動作の流れとともに、(a)〜(f)により、通信部17,27を用いた両端末間の通信を経由したデータやコマンドの流れも示されている。
【0018】
まず、患者側の通信端末100の動作について説明する。ステップS1501で動作開始し、ステップS1502で、制御部11は、通信端末200からのカメラ15への接続要求を受け付ける。この接続要求が受信され、その送り元が接続可能な相手先であり、カメラ15が接続可能な動作状態であれば、ステップS1503で、制御部11は接続要求の送り元へ接続許可を送信する。以下の送信動作(ステップS1508における映像データ配信等)は、この接続要求の送り元へ行われる。次にステップS1504で、制御部11は、パン角・チルト角・ズーム率のパラメータ値(PTZ)を受信する。そして、ステップS1505において、制御部11は、カメラ制御部16を用いてカメラ15を動作させる。次に、ステップS1506で、制御部11は、コマンド受付け動作に入る。コマンドが受信されると、ステップS1507において、制御部11はコマンド種別を判別し、それが映像配信要求であればステップS1508においてカメラ15により得られた映像データを送信する。また、パン、チルト、ズームの変更等、カメラ操作の要求であれば、処理はステップS1509へ進み、受け付けたカメラ操作にしたがってカメラ15を制御する。また、切断要求であれば、処理はステップS1510へ進み、本処理が終了する。なお、実際の機器への実施時には、本処理の終了後、ステップS1501に戻り再び上記の動作を行うが、説明の簡素化のため、この流れは省略している。
【0019】
一方、医師側の通信端末200は、ステップS1600で動作を開始する。ステップS1601において、制御部21は、映像を受信、表示しようとするカメラに対し接続要求を送信する。本実施形態では、通信端末100に接続されたカメラ15であるとし、以下の送信動作はこのカメラ15に対して行われるものとする。ステップS1602において、制御部21は、上記接続要求に対する接続許可を通信端末100から受付けるのを待つ。通信端末100からの接続許可が受信されると、ステップS1603において制御部21は、カメラ15の位置を初期化するために、予め設定したPTZの値を通信端末100に送信する。制御部21は、ステップS1604でPTZを通知した後、ステップS1605で通信端末100に対して映像配信要求を送信し、ステップS1606で映像データを受信する。すなわち、通信端末200は、カメラ15で撮影された撮影画像を通信端末100から受信する。ステップS1607において、制御部21は受信した映像データを画像表示部24へ表示する。
【0020】
映像データが受信されると、ステップS1608において、制御部21は、所定の条件に基づいて患部撮影を行うかどうかを判断する。患部撮影を行わないと判断されたならば、ステップS1605からの動作を繰り返す。また、ステップS1608において患部撮影を行うと判断されたならば、ステップS1609において、基準領域抽出部29は、受信した映像データから基準領域を抽出する。なお、患部撮影開始を判断するための所定の条件としては、たとえば、画像表示部24における、医師のボタン操作(例えば、患部撮影開始ボタンの操作)などが挙げられる。
【0021】
ステップS1609において、基準領域抽出部29はまず現行の映像から静止画像を切り出し、それを画像データ記憶部28に記憶する。そして、基準領域抽出部29は、画像データ記憶部28に記憶した静止画像から基準領域を抽出する。次にステップS1610において、撮影領域決定部30は、撮影対象領域を決定する。ステップS1611において、制御部21は、ステップS1610で求めた撮影対象領域からPTZを設定する。ステップS1612で診断を終了するかどうかを判断し、終了しないと判断された場合はステップS1614からの動作を繰り返し、ステップS1611で決定されたPTZを通信端末100に通知する。これにより、通信端末100では、撮影対象領域を撮影するようにカメラ15が制御される。また、ステップS1612で診断を終了する判定された場合は、ステップS1613において、制御部21は切断要求を送信し、ステップS1614で本処理を終了する。なお、撮影完了の判断としては、たとえば、表示開始から所定時間経過した場合や、ユーザの終了操作による場合などが有る。
【0022】
次に本発明の処理内容について詳しく説明する。まずは、図2の処理フローを用いて、初回の患部撮影処理について詳しく説明する。
【0023】
<ステップS201>
診断は、図3に示す医師側の画像表示部24のGUI(医師側GUI)における診断開始ボタン305と、図4に示す患者側の画像表示部14のGUI(患者側GUI)における診断開始ボタン404を選択することで開始される。例えば、診断開始ボタン305の押下により接続要求が送信され(S1601)、診断開始ボタン404の押下により接続許可が送信される(S1503)。したがって、カメラ15による撮影は双方の診断開始ボタンが押されてはじめて開始される。カメラ制御部16がPTZ初期値によりカメラ15を制御することにより(S1603、S1604、S1504,S1505)、患者側のカメラ15は、患者の顔と患部を含む全身像あるいは半身像を撮影する。患部に対して、初めて診断及び撮影する場合は、図3の医師側GUIにおいて新規ボタン311が選択されることにより初回撮影モードに切り替わり、2回目以降の撮影とは区別される。以下のステップS202〜S210は、初回撮影モードにおける処理である。
【0024】
<ステップS202>
通信端末100から受信された撮影画像は、リアル動画表示部303に表示される。すなわち、カメラ15により撮影中の全身像は、医師側GUIのリアル動画表示部303に表示される(S1605〜S1607、S1508)。医師は、この画像を見ながら調整ボタン307により、カメラ15のパン・チルト・ズーム等を調整することができる。また、図4に示す患者側GUIでは、リアル動画表示部401にカメラ15が撮影した動画像が表示される。更に、患者側GUIでは、医師側に設置したカメラ25で撮影した映像、例えば会話している医師の映像が外部映像表示部403に表示される。
【0025】
<ステップS203>
次に、医師は、医師側GUIにおいて、リアル動画表示部303の動画像上で撮影するべき患部領域を設定する処理をおこなう。具体的には、医師(ユーザ)が、図3の領域指定ボタン308を選択した後、マウス等でリアル動画表示部303上の2点を指示するというような領域指定操作を行う。制御部21は、これらの指示された2点を含む矩形領域313を患部Aの撮影領域(注目領域)として設定する。
【0026】
<ステップS204>
上記ステップS203で撮影領域が設定され、患部撮影開始ボタン309が選択されると、基準領域抽出部29は撮影領域が選択されたタイミングで撮影された全身像から、1フレームを抽出する。そして、初回撮影時の全身像(静止画像)として画像データ記憶部28に保管する。また、当該1フレームを撮影した時点のカメラ15のパン・チルト・ズームのPTZ情報も抽出し、画像データ記憶部28に保管する。以上のステップS204における処理は、ステップS1608、S1609に対応する。
【0027】
<ステップS205>
次に、上記ステップS204で抽出した全体像の静止画像から、基準領域抽出部29は特定の画像(顔)の領域を基準領域として自動的に抽出し、該顔領域の位置情報を求める(S1609に対応)。顔領域の抽出方法は既知の画像処理技術であるのでここでは詳しく説明しない。
【0028】
<ステップS206>
ここでは、上記ステップS204で画像データ記憶部28に保管した静止画像とPTZ情報、及びステップS205で抽出した顔領域の画像と位置データ(位置と大きさを示す)を、図13に示すようなデータベースに登録する。また、ステップS203で指定された患部の撮影領域(矩形領域)の位置データ(位置と大きさを示す)を、全体像と顔領域に対応付けてデータベースに登録する。こうして、図13に示される、初回全身像データと、初回顔データと、初回患部データにおける位置情報とが登録される。すなわち、データベースには、
・カメラ15より得られた撮影画像から抽出された特定画像の領域を示す基準領域(例えば顔領域)の位置及び大きさと、
・撮影画像において指定された注目領域(撮影領域)の当該撮影画像における位置及び大きさと、を示す注目領域情報が1つのレコードとして格納される。なお、データベースは画像データ記憶部28に形成されているものとする。
【0029】
<ステップS207>
制御部21は、全身像の静止画像を初回全身像表示部301に表示し、撮影領域の矩形をグラフィック表示する。図5は初回全身像表示部301への表示例を示す図である。ここで、表示された撮影領域の矩形(ステップS203で設定された患部領域)を、当該静止画上で調整できるようにしてもよい。また、上記手順では、リアル動画表示部303において患部領域を設定するのようにしたがこれに限られるものではない。たとえば、図3のユーザインターフェースに静止画抽出指示ボタンを設け、抽出した静止画上で患部領域を設定するようにしてもよい。この場合、制御部21は、リアル動画表示部303に動画を表示している間に静止画抽出指示ボタンの押下を検出すると、静止画を抽出して初回全身像表示部301に表示する。そして、領域指定ボタン308が押されると、制御部21は、初回全身像表示部301における静止画上で患部領域を設定できるよう装置を制御する。
【0030】
<ステップS208>
制御部21は、指定された撮影領域にカメラを制御し、患部を拡大撮影する。図6はリアル動画表示部303に患部の映像を表示した例を示している。なお、撮影領域の指定は、所望の撮影領域(患部領域)の矩形をユーザが指示することによりなされる。指定された撮影領域の、データベースに登録されている位置と大きさに基づいて、制御部21はカメラ15のPTZを決定し、通信端末100に送信する(S1609,S1610,S1611,S1604)。
【0031】
<ステップS209>
制御部21は、撮影している患部の映像から所定の1フレームを抽出し、初回患部データの画像として図13のデータベースに保存する。具体的には全体像と患部画像の位置のズレを最小にするために、動画像(複数フレーム)のうち、なるべく初期のフレームを抽出し保存する。図7は、医師側GUIのデータ表示部302に患部の静止画像から作成したサムネイルを表示した例を示している。なお、患部名及び説明等は医師が手動で入力し各患部の履歴情報として保存するものとする。
【0032】
<ステップS210>
医師側GUIの患部撮影終了ボタン310が選択されたタイミングで、カメラ15による当該患部領域の撮影を終了し、その動画像を図13のデータベースに保存する。次にデータベースから全身像のPTZ情報を読み込み、カメラ15を初回全身像の撮影状態に戻し、全身像を再度撮影する。更に別の患部を指定し撮影する場合は、ステップS203の患部領域を設定する処理から繰り返し、別の患部の撮影を開始する。診断を終了する場合は、図3の診断終了ボタン306を選択する。この操作により、患者との接続が切断されるS1612、S1613、S1507,S1510)。
【0033】
次に、図17の処理フローを用いて同一患部に対して、2回目以降の診断及び撮影を実施する場合の処理について詳しく説明する。
【0034】
<ステップS2101>
初回の患部撮影処理と同様に、診断の開始は図3に示す医師側GUIの診断開始ボタン305と図4に示す患者側GUIの診断開始ボタン404を選択することで開始される。カメラ15による撮影は双方の診断開始ボタンが押されてはじめて開始される。患者側に設置したカメラから患者の顔と患部を含む全身像あるいは半身像を撮影する(S1502〜S1506,S1601〜S1605)。
【0035】
<ステップS2102>
カメラ15により撮影している全身像を医師側GUIのリアル動画表示部303に表示する(S1606,S1607)。図8はリアル動画表示部303に、全身像を表示している例を示したものである。また、図4に示す患者側GUIのリアル動画表示部401にもカメラ15によって撮影された動画像を表示する。なお、図4の患者がGUIでは、医師側に設置したカメラ25で撮影した映像、例えば会話している医師の映像が、外部映像表示部403に表示されている。
【0036】
<ステップS2103>
ここでは撮影の対象とする患部を選択する。具体的には、医師側GUIにおいて、データ表示部302の患部リストから対象の患部を選択し、追加ボタン312を選択する。
【0037】
<ステップS2104>
次に、上記ステップで選択された患部に対応して登録されている初回全身像をデータベースから検索し、医師側GUIの初回全身像表示部301に表示する。制御部21は、さらに初回患部データに登録されている患部撮影領域の矩形をグラフィック表示する。図5は初回全身像表示部301に、データベースに登録されている初回全身像を表示した例を示している。ここでは、患部Aが選択されたために、患部Aの撮影領域が矩形でグラフィック表示されている。
【0038】
<ステップS2105>
次に、医師側GUIにおいて患部撮影開始ボタン309が選択されると、基準領域抽出部29は、そのタイミングで、図8に示す撮影中の全身像から1フレームを抽出し、位置情報とともに一時保管する(S1608、S1609)。
【0039】
<ステップS2106>
次に、基準領域抽出部29は、ステップS2105で抽出した全体像の静止画像から、顔領域を自動的に抽出し、その顔領域の位置情報を算出し一時保管する(S1609)。
【0040】
<ステップS2107>
撮影領域決定部30は、初回診断時にデータベースに保存した顔領域と患部領域を基に、患部撮影領域を決定する(S1610)。図10において、初回撮影モードにおいて撮影された全身の静止画像であり、顔領域の中心位置座標1001は(x1,y1)、初回患部データの撮影領域1003はP1(xp1,yp1)、Q1(xq1,yq1)である。また、図11において、1102は現行の撮影において保存した静止画像を示している。また、1101は、現行の顔領域の中心位置(x2,y2)を示す。撮影領域決定部30は、初回撮影モード時の顔領域の中心位置座標1001から当該顔領域の角までの長さPL1と、現行の顔領域の中心位置1101から当該顔領域の角までの長さPL2とを求め、ズーム率L=PL1/PL2を求める。そして、得られたズーム率Lでもって(拡大/縮小)をして得られたズーム調整後の静止画像を用いて、更にパン角とチルト角を決定する。すなわち、撮影領域決定部30は、ズーム調整後の静止画像における顔領域の中心位置と、初回診断時の顔領域の中心位置座標1001(x1,y1)との差分を抽出する。そして、ズーム調整後の画像の顔領域の中心位置が初回撮影モード時の顔領域の中心位置座標1001となるように、カメラ15のパン角・チルト角を決定し、カメラ15を制御する。より具体的には、制御部21がカメラ制御部16に、カメラ15の姿勢を撮影領域決定部30で決定されたパン角、チルト角とするためのコマンドを送り、カメラ15の駆動を制御する。こうして、図12に示すように現行の撮影画像を得ることができる。すなわち、抽出された領域の位置及び大きさと基準領域の位置及び大きさとが一致するようにカメラ15のズーム、撮影方向及び画角が制御される。そして、患部撮影領域P2(xp2,yp2)、Q2(xq2,yq2)が決定される。
【0041】
<ステップS2108>
次に、制御部21は、患部撮影領域P2(xp2,yp2)、Q2(xq2,yq2)の中心位置に焦点を合せるようにパン角・チルト角を制御し、患部撮影領域P2(xp2,yp2)、Q2(xq2,yq2)にズーム(拡大)する。以上のようにして、
・ステップS2106で抽出された領域の位置及び大きさと、データベースに格納されている基準領域(顔領域)の位置及び大きさとの差、及び、
・データベースに格納されている注目領域(撮影領域)の位置、
に基づいて、注目領域に対応する場所をカメラ15が撮影するように撮影方向と画角が制御される(S1610、S1611)。そして、更に、注目領域が撮影画像の中央に拡大して表示されるようにカメラ15の撮影方向と画角が制御される。図9は2回目以降の患部撮影を行っている医師側GUIの表示例である。リアル動画表示部303には、カメラ15によって撮影中の患部の映像が表示され、過去データ表示部304には患部Aの前回の患部画像が表示される。過去データが複数あった場合は、ボタン903とボタン904の操作により、前回より更に前のデータをさかのぼって、任意の時点の過去データを過去データ表示部304に表示させることができる。
【0042】
なお、図9では、過去データ表示部304が一つの場合の例を示したが、同一患部につき過去のデータの複数、或いは全てを同時に表示するようにしてもよい。また、複数或いは全ての過去データを同時に表示するか、一つの過去データを表示するかを選択するための複数テータ表示ボタンを設け医師側GUIに設けてもよい。
【0043】
<ステップS2109>
制御部21は、撮影している患部の映像から所定の1フレームを抽出して図13のデータベース(例えば2回目患部データ)に保存する。具体的には全体像と患部画像の位置のズレを最小にするために、患部領域を撮影した動画像(複数フレーム)のうち初期のフレームを抽出してデータベースに保存するようにする。図7はデータ表示部に患部の静止画像から作成したサムネイルを表示した例を示している。患部名及び説明等は医師が手動で入力する。
【0044】
<ステップS2110>
医師側GUIの患部撮影終了ボタン310が選択されたタイミングで撮影を終了し、患部の動画像を図13のデータベースに保存する。こうして、S2109とS2110とにより、撮影方向と画角が制御されたカメラからの撮影画像が、注目領域情報の一部としてデータベース記録されることになる。このあと、更に別の患部を指定し撮影する場合は、医師側GUIのデータ表示部302の患部リストから所望の患部を選択する。患部リストから患部が選択されると、ステップ2103からの処理が繰り返され、別の患部が撮影される。医師側GUIの診断終了ボタン306が選択されると、患者側の通信端末100との接続が切断され、診断が終了する。
【0045】
以上、第1実施形態では、患部領域にカメラの位置と拡大率を合せて撮影する方法を述べたがこれに限られるものではない。例えば、基準領域に基づいてパン、チルト、ズームを調整して得られた全体像の画像から、データベースに登録されている患部領域の位置情報に基づいて部分画像を切り出して記憶し、これを患部映像として拡大表示するようにしてもよい。
【0046】
また、本実施形態では基準領域を顔領域とした場合の処理について説明したがこれに限られるものではない。例えば、図14に示すように患部が顔の内部にある場合は、全体像として顔部分だけを撮影し、目と目の間の中心点1401と距離を基準に患部領域1402、1403の領域を拡大撮影することも可能である。
【0047】
以上のように、本実施形態の遠隔診断システムによれば、診断対象の患部の大きさや状態が変化しても、毎回同じ患部領域を撮影できるので、過去データとの比較が容易になり診断効率を高めることが可能になる。また、顔を含む上半身あるいは全身をプレ撮影するだけで、自動的に患部を撮影できるので、位置合せのためのカメラ操作量を低減することができる。更に、撮影位置や拡大率の調整に要する時間を大幅に短縮できるので、被写体(患者)への負担も軽減することができる。
【0048】
(第2実施形態)
第1実施形態では、画像データ記憶部28と基準領域抽出部29と撮影領域決定部30を医師側の通信端末200に設けているが、これに限られるものではない。例えば、システム全体の処理を制御する制御サーバに画像データ記憶部28と基準領域抽出部29と撮影領域決定部30を構成することによっても、本発明は実施され得る。この場合の遠隔診断システムは、図18に示すようなブロック構成となる。すなわち、制御サーバ300は制御部31と画像データ記憶部32と基準領域抽出部33と撮影領域決定部34と通信部35とを有する。制御サーバ300は、患者側の通信端末100と医師側の通信端末200からの通信を受信し、第1実施形態で説明した各処理に応じた命令を送信する。基準領域の抽出方法や撮影領域の決定方法等については第1実施形態で詳しく説明したものと同等であるので、ここでは省略する。
【0049】
以上、実施形態を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0050】
尚、本発明は、ソフトウェアのプログラムをシステム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによって前述した実施形態の機能が達成される場合を含む。この場合、供給されるプログラムは実施形態で図に示したフローチャートに対応したコンピュータプログラムである。
【0051】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明には、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体、並びに、個のコンピュータプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラより得られた撮影画像から抽出された特定画像の領域を示す基準領域の位置及び大きさと、前記撮影画像において指定された注目領域の前記撮影画像における位置及び大きさとを示す注目領域情報を格納した格納手段と、
前記カメラより撮影画像を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した撮影画像を表示する表示手段と、
前記受信した撮影画像から前記特定画像の領域を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出された領域の位置及び大きさと前記基準領域の位置及び大きさとの差、及び、前記注目領域の位置に基づいて、前記注目領域に対応する場所を前記カメラが撮影するように前記カメラの撮影方向と画角を制御する制御手段とを備えることを特徴とするカメラ制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記注目領域に対応する場所を前記カメラに撮影させるための前記カメラのパン、チルト、ズームの各値を、前記カメラに送信することを特徴とする請求項1に記載のカメラ制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記抽出手段で抽出された領域の位置及び大きさと前記基準領域の位置及び大きさとが一致するように、前記カメラの撮影方向と画角を制御し、
更に、前記注目領域の位置に基づいて、前記注目領域が撮影画像の中央に拡大して表示されるように前記カメラの撮影方向と画角を制御することを特徴とする請求項1に記載のカメラ制御装置。
【請求項4】
前記カメラを所定の撮影方向及び画角に設定して得られた撮影画像より、前記特定の画像を抽出して前記基準領域を決定し、
前記所定の撮影方向及び画角に設定して得られた前記撮影画像に対するユーザの領域指定操作に応じて前記注目領域を決定し、
前記基準領域の位置及び大きさと、前記注目領域の位置とを前記格納手段に登録する登録手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカメラ制御装置。
【請求項5】
前記制御手段により撮影方向と画角が制御された前記カメラからの撮影画像を、前記注目領域情報の一部として前記格納手段に格納する記録手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカメラ制御装置。
【請求項6】
前記格納手段は、複数の注目領域について前記注目領域情報を格納しており、
前記制御手段で用いる注目領域を、前記複数の注目領域からユーザに選択させる選択手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のカメラ制御装置。
【請求項7】
前記表示手段は、前記記録手段により前記注目領域情報として格納されている撮影画像を、前記受信手段で受信した撮影画像とともに表示することを特徴とする請求項5に記載のカメラ制御装置。
【請求項8】
カメラより得られた撮影画像から抽出された特定画像の領域を示す基準領域の位置及び大きさと、前記撮影画像において指定された注目領域の前記撮影画像における位置及び大きさを示す注目領域情報を格納した格納手段と、
前記カメラより撮影画像を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した撮影画像を表示する表示手段と、
前記受信した撮影画像から前記特定画像の領域を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出された領域の位置及び大きさと前記基準領域の位置及び大きさが一致するように前記カメラの撮影方向と画角を制御する制御手段と、
前記制御手段によって撮影方向と画角が制御された前記カメラより受信した撮影画像から、前記注目領域の前記位置及び大きさに該当する部分画像を切り出し、前記表示手段に拡大表示する拡大表示手段とを備えることを特徴とするカメラ制御装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のカメラ制御装置と、前記カメラ制御装置による制御の対象であるカメラとがネットワークを介して接続されていることを特徴とするカメラ制御システム。
【請求項10】
カメラより得られた撮影画像から抽出された特定画像の領域を示す基準領域の位置及び大きさと、前記撮影画像において指定された注目領域の前記撮影画像における位置及び大きさとを示す注目領域情報を格納した格納手段を備えたカメラ制御装置によるカメラ制御方法であって、
前記カメラより撮影画像を受信する受信工程と、
前記受信工程で受信した撮影画像を表示する表示工程と、
前記受信した撮影画像から前記特定画像の領域を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程で抽出された領域の位置及び大きさと前記基準領域の位置及び大きさとの差、及び、前記注目領域の位置に基づいて、前記注目領域に対応する場所を前記カメラが撮影するように前記カメラの撮影方向と画角を制御する制御工程とを有することを特徴とするカメラ制御方法。
【請求項11】
カメラより得られた撮影画像から抽出された特定画像の領域を示す基準領域の位置及び大きさと、前記撮影画像において指定された注目領域の前記撮影画像における位置及び大きさを示す注目領域情報を格納した格納手段を備えるカメラ制御装置によるカメラ制御方法であって、
前記カメラより撮影画像を受信する受信工程と、
前記受信工程で受信した撮影画像を表示手段に表示する表示工程と、
前記受信した撮影画像から前記特定画像の領域を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程で抽出された領域の位置及び大きさと前記基準領域の位置及び大きさが一致するように前記カメラの撮影方向と画角を制御する制御工程と、
前記制御工程で撮影方向と画角が制御された前記カメラより受信した撮影画像から、前記注目領域の前記位置及び大きさに該当する部分画像を切り出し、前記表示手段に拡大表示する拡大表示工程とを有することを特徴とするカメラ制御方法。
【請求項12】
請求項10または11に記載のカメラ制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項10または11に記載のカメラ制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項1】
カメラより得られた撮影画像から抽出された特定画像の領域を示す基準領域の位置及び大きさと、前記撮影画像において指定された注目領域の前記撮影画像における位置及び大きさとを示す注目領域情報を格納した格納手段と、
前記カメラより撮影画像を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した撮影画像を表示する表示手段と、
前記受信した撮影画像から前記特定画像の領域を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出された領域の位置及び大きさと前記基準領域の位置及び大きさとの差、及び、前記注目領域の位置に基づいて、前記注目領域に対応する場所を前記カメラが撮影するように前記カメラの撮影方向と画角を制御する制御手段とを備えることを特徴とするカメラ制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記注目領域に対応する場所を前記カメラに撮影させるための前記カメラのパン、チルト、ズームの各値を、前記カメラに送信することを特徴とする請求項1に記載のカメラ制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記抽出手段で抽出された領域の位置及び大きさと前記基準領域の位置及び大きさとが一致するように、前記カメラの撮影方向と画角を制御し、
更に、前記注目領域の位置に基づいて、前記注目領域が撮影画像の中央に拡大して表示されるように前記カメラの撮影方向と画角を制御することを特徴とする請求項1に記載のカメラ制御装置。
【請求項4】
前記カメラを所定の撮影方向及び画角に設定して得られた撮影画像より、前記特定の画像を抽出して前記基準領域を決定し、
前記所定の撮影方向及び画角に設定して得られた前記撮影画像に対するユーザの領域指定操作に応じて前記注目領域を決定し、
前記基準領域の位置及び大きさと、前記注目領域の位置とを前記格納手段に登録する登録手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカメラ制御装置。
【請求項5】
前記制御手段により撮影方向と画角が制御された前記カメラからの撮影画像を、前記注目領域情報の一部として前記格納手段に格納する記録手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカメラ制御装置。
【請求項6】
前記格納手段は、複数の注目領域について前記注目領域情報を格納しており、
前記制御手段で用いる注目領域を、前記複数の注目領域からユーザに選択させる選択手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のカメラ制御装置。
【請求項7】
前記表示手段は、前記記録手段により前記注目領域情報として格納されている撮影画像を、前記受信手段で受信した撮影画像とともに表示することを特徴とする請求項5に記載のカメラ制御装置。
【請求項8】
カメラより得られた撮影画像から抽出された特定画像の領域を示す基準領域の位置及び大きさと、前記撮影画像において指定された注目領域の前記撮影画像における位置及び大きさを示す注目領域情報を格納した格納手段と、
前記カメラより撮影画像を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した撮影画像を表示する表示手段と、
前記受信した撮影画像から前記特定画像の領域を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出された領域の位置及び大きさと前記基準領域の位置及び大きさが一致するように前記カメラの撮影方向と画角を制御する制御手段と、
前記制御手段によって撮影方向と画角が制御された前記カメラより受信した撮影画像から、前記注目領域の前記位置及び大きさに該当する部分画像を切り出し、前記表示手段に拡大表示する拡大表示手段とを備えることを特徴とするカメラ制御装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のカメラ制御装置と、前記カメラ制御装置による制御の対象であるカメラとがネットワークを介して接続されていることを特徴とするカメラ制御システム。
【請求項10】
カメラより得られた撮影画像から抽出された特定画像の領域を示す基準領域の位置及び大きさと、前記撮影画像において指定された注目領域の前記撮影画像における位置及び大きさとを示す注目領域情報を格納した格納手段を備えたカメラ制御装置によるカメラ制御方法であって、
前記カメラより撮影画像を受信する受信工程と、
前記受信工程で受信した撮影画像を表示する表示工程と、
前記受信した撮影画像から前記特定画像の領域を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程で抽出された領域の位置及び大きさと前記基準領域の位置及び大きさとの差、及び、前記注目領域の位置に基づいて、前記注目領域に対応する場所を前記カメラが撮影するように前記カメラの撮影方向と画角を制御する制御工程とを有することを特徴とするカメラ制御方法。
【請求項11】
カメラより得られた撮影画像から抽出された特定画像の領域を示す基準領域の位置及び大きさと、前記撮影画像において指定された注目領域の前記撮影画像における位置及び大きさを示す注目領域情報を格納した格納手段を備えるカメラ制御装置によるカメラ制御方法であって、
前記カメラより撮影画像を受信する受信工程と、
前記受信工程で受信した撮影画像を表示手段に表示する表示工程と、
前記受信した撮影画像から前記特定画像の領域を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程で抽出された領域の位置及び大きさと前記基準領域の位置及び大きさが一致するように前記カメラの撮影方向と画角を制御する制御工程と、
前記制御工程で撮影方向と画角が制御された前記カメラより受信した撮影画像から、前記注目領域の前記位置及び大きさに該当する部分画像を切り出し、前記表示手段に拡大表示する拡大表示工程とを有することを特徴とするカメラ制御方法。
【請求項12】
請求項10または11に記載のカメラ制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項10または11に記載のカメラ制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−187711(P2010−187711A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−31965(P2009−31965)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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