説明

カメラ及びカメラの操作方法

【課題】 見やすいスルー画像や再生画像を表示させることができ、また、アイコンを表示させるための操作部材を用いることなく容易にアイコンを表示させることができるカメラを提供する。
【解決手段】 スルー画像または再生画像を表示する表示部14と、前記表示部の初期姿勢に対する姿勢変化を検出する姿勢センサ20と、前記姿勢変化に応じて操作内容を示すアイコンを前記スルー画像または前記再生画像が表示されている前記表示部にスライドインさせて表示する表示制御部16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ及びカメラの操作方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示部にタッチセンサを備えた電子機器が知られている(例えば、特許文献1参照)。この電子機器においては操作内容を示すアイコンを表示部に表示し、ユーザによりタッチセンサを用いたアイコンの選択が行われた場合には、選択されたアイコンにより示される操作内容に基づく処理を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−23005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、カメラ撮影を行う際に表示部にスルー画像を表示する場合や撮影画像等を表示部において再生する場合において、アイコンを重畳表示すると被写体や画像が見づらくなる虞がある。従って、アイコンを表示せずにスルー画像や再生画像を表示することが求められている。
【0005】
しかし、アイコンを表示しない場合においては、アイコンを表示させるための操作部材を設け、操作指示を行う場合には、操作部材を操作してアイコンを表示部に表示させる必要があった。
【0006】
本発明の目的は、見やすいスルー画像や再生画像を表示させることができ、また、アイコンを表示させるための操作部材を用いることなく容易にアイコンを表示させることができるカメラ及びカメラの操作方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るカメラは、スルー画像または再生画像を表示する表示部と、前記表示部の初期姿勢に対する姿勢変化を検出する姿勢センサと、前記姿勢変化に応じて操作内容を示すアイコンを前記スルー画像または前記再生画像が表示されている前記表示部にスライドインさせて表示する表示制御部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るカメラの操作方法は、カメラの表示部にスルー画像または再生画像を表示するステップと、前記表示部の初期姿勢に対する姿勢変化を検出するステップと、前記姿勢変化に応じて操作内容を示すアイコンを前記スルー画像または前記再生画像が表示されている前記表示部にスライドインさせて表示するステップと、前記表示部に表示されたアイコンを選択するステップと、選択された前記アイコンにより示される操作内容に基づく処理を実行するステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るカメラ及びカメラの操作方法によれば、見やすいスルー画像や再生画像を表示させることができ、また、アイコンを表示させるための操作部材を用いることなく容易にアイコンを表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態に係るカメラのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るカメラのディスプレイにおけるアイコンのスライドイン処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態に係るカメラのディスプレイにおけるアイコンのスライドインの状態を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るカメラのディスプレイにおけるアイコンのスライドインの状態を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るカメラのディスプレイにおけるアイコンのスライドインの状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係るカメラ及びカメラの操作方法について説明する。図1は、実施の形態に係るカメラのシステム構成を示すブロック図である。カメラ2は、CPU4を備え、CPU4には、図示しない撮影レンズを介した被写体光を撮像して撮像信号(蓄積電荷としてのアナログ信号)を生成するCCD或いはCMOS等により構成される撮像素子6、撮像素子6から出力された撮像信号を図示しないA/D変換部においてA/D変換することにより生成された画像データを記憶する画像記憶部8、撮像素子6から出力される撮像信号に基づく画像データに、ホワイトバランス調整、輪郭補償、ガンマ補正等の画像処理を行う画像処理部10、撮影画像データや種々のデータを記録するメモリカード12、LCD等により構成されるディスプレイ14の表示制御を行う表示制御部16、ディスプレイ14に積層して配置されるタッチセンサ18、ディスプレイ14の初期姿勢に対する傾きを検出する傾きセンサ20、電源スイッチ21、レリーズボタン22、撮影時に被写体に対して照明光を照射するフラッシュ23、PCやプリンタ等のUSB接続可能な外部機器を接続し撮影画像データ等の送受信を行うUSBポート24、PCやプリンタ、サーバ等の無線通信可能な外部機器をWiFi等により接続し撮影画像データ等の情報の送受信を行う無線通信部25が接続されている。ここで、ディスプレイ14は、撮影モードにおいては撮像素子6から出力された撮像信号に基づくスルー画像を表示し、再生モードにおいてはメモリカード12に記録された撮影画像データに基づく撮影画像を表示する他、タッチセンサ18を用いた操作内容を示すアイコンをスルー画像または撮影画像に対して重畳表示する。
【0012】
次に、図2に示すフローチャートを参照して実施の形態に係るカメラのディスプレイにおけるアイコンのスライドイン処理について説明する。なお、このスライドイン処理は、撮影モードにおいても再生モードにおいても行われる処理である。
【0013】
撮影モードにおいてディスプレイ14にスルー画像を表示している状態、または再生モードにおいてディスプレイ14に撮影画像を表示している状態においてCPU4はカメラ2の姿勢が静止状態であるか否かを判断する(ステップS1)。ここで、傾きセンサ20から出力される値が所定時間以上、一定値である場合にCPU4はカメラ2の姿勢が静止状態であると判断する。なお、傾きセンサ20から所定時間以上、一定値との差が所定範囲内である値が継続して出力されている場合にも静止状態であると判断する。
【0014】
カメラ2の姿勢が静止状態であると判断すると、CPU4は静止状態であると判断した姿勢(傾きセンサ20により上述の一定値が出力される姿勢)におけるディスプレイ14の表示面の位置を初期姿勢として検出する(ステップS2)。一方、カメラ2の姿勢が静止状態ではないと判断した場合には、カメラ2の姿勢が静止状態となるまでステップS1に示す処理を繰り返して実行する。
【0015】
次に、CPU4はカメラ2の姿勢変化を検出する(ステップS3)。即ち、CPU4は傾きセンサ20から出力される値と上述の一定値との差を検出する。CPU4は、カメラ2の姿勢変化を検出すると表示制御部16を制御して、検出された姿勢変化に基づいてディスプレイ14にアイコンをスライドインさせて表示させる(ステップS4)。ここで、CPU4は表示制御部16を制御して、姿勢変化の方向、姿勢変化の量、姿勢変化の速度のうちの少なくとも1つに基づいてディスプレイ14の縁部からディスプレイ14の表示領域にアイコンをスライドさせて表示させる。
【0016】
姿勢変化の方向に基づいてアイコンをスライドインさせて表示させる場合には、CPU4は傾きセンサ20により検出された姿勢変化の方向に基づき定められた方向からディスプレイ14にアイコンをスライドインさせて表示させる。例えば、図3(a)は、撮影モードにおいてディスプレイ14にスルー画像を表示し、ディスプレイ14の表示面が水平面に対して略垂直である状態を示している。図3(a)のカメラ2の姿勢におけるディスプレイ14の表示面の位置を初期姿勢とし、図3(b)の矢印で示すようにカメラ2を左方向へ回転した場合には、傾きセンサ20はディスプレイ14の表示面と平行な面内でディスプレイ14が左方向へ回転したことを検出する。この場合には、図3(b)に示すようにCPU4は表示制御部16を制御して、図3(a)におけるディスプレイ14の右側から左方向へアイコン26,28,30をスライドインさせて表示させる。
【0017】
ここで、アイコン26は撮影時にフラッシュ23による発光を行うか否かのフラッシュモードを選択する操作を示すアイコンである。ここで、アイコン26が選択されるとCPU4は表示制御部16を制御して、フラッシュ23による発光を行う強制発光モード、発光を禁止する発光禁止モード、撮像素子6から出力された撮像信号から算出された被写体の明るさに基づいて発光を行うか否かを決定するオートフラッシュモード等を選択するためのアイコンをディスプレイ14のスルー画像上に重畳表示させる。
【0018】
また、アイコン28は、ズーム操作を示すアイコンである。ここで、アイコン28が選択されるとCPU4は表示制御部16を制御して、ズームイン・ズームアウトの操作を行うためのアイコンをディスプレイ14のスルー画像上に重畳表示させる。
【0019】
また、アイコン30は、画像処理部10により撮影画像に対して行うホワイトバランスの設定操作を示すアイコンである。ここで、アイコン30が選択されるとCPU4は表示制御部16を制御して、ホワイトバランスの設定値を撮像素子6から出力された撮像信号に基づいて設定するオートホワイトバランスモード、晴天の屋外での撮影に適した設定値とする晴天モード、白色蛍光灯の下での撮影に適した設定値とする蛍光灯モード等を選択するアイコンをディスプレイ14のスルー画像上に重畳表示させる。
【0020】
なお、図3(a)においてアイコン26,28,30のそれぞれの右側に示された影32,34,36は、アイコン26,28,30がディスプレイ14の右側から左方向へスライドインすることを説明するために示したものであり、実際には表示されない。
【0021】
一方、図3(a)のカメラ2の姿勢におけるディスプレイ14の表示面の位置を初期姿勢とし、図3(c)の矢印で示すようにカメラ2を右方向へ回転した場合には、傾きセンサ20はディスプレイ14の表示面と平行な面内でディスプレイ14が右方向へ回転したことを検出する。この場合には、図3(c)に示すようにCPU4は表示制御部16を制御して、図3(a)におけるディスプレイ14の左側から右方向へアイコン38,40,42をスライドインさせて表示させる。
【0022】
ここで、アイコン38,40は、撮影モードと再生モードとを選択する操作を示すアイコンである。撮影モードにおいてアイコン40が選択されるとCPU4は、撮影モードから再生モードへの切り替えを行う。また、再生モードにおいてアイコン38が選択されるとCPU4は、再生モードから撮影モードへの切り替えを行う。
【0023】
また、アイコン42は、カメラ2のセットアップを行う操作を示すアイコンである。アイコン42が選択されると、CPU4は表示制御部16を制御して、日時の設定操作を示すアイコン、日時を撮影画像に写し込むか否かの設定操作を示すアイコン、操作音を出力するか否かの設定操作を示すアイコン、非操作時のオートパワーオフ設定操作を示すアイコン等、セットアップ操作を示すアイコンをディスプレイ14のスルー画像上に重畳表示させる。
【0024】
なお、図3(c)においてアイコン38,40,42のそれぞれの左側に示された影44,46,48は、アイコン38,40,42がディスプレイ14の左側から右方向へスライドインすることを説明するために示したものであり、実際には表示されない。
【0025】
また、図4(a)及び(b)は、再生モードにおいてディスプレイ14に再生画像を表示し、ディスプレイ14の表示面が水平面に対して略平行である状態を示している。ここで、図4(a)及び(c)は、カメラ2の底面側から視た図を示している。図4(a)のカメラ2の姿勢におけるディスプレイ14の表示面に平行な面を初期姿勢50とし、図4(c)の矢印で示すようにカメラ2の右側を下げて傾けると、傾きセンサ20はディスプレイ14の右側が初期姿勢50に対して下に下がったことを検出する。この場合には、図4(d)に示すようにCPU4は表示制御部16を制御して、図4(b)におけるディスプレイ14の左側から右方向へアイコン38,40,42をスライドインさせて表示させる。
【0026】
なお、図4(a)に示すカメラ2の姿勢におけるディスプレイ14の表示面に平行な面を初期姿勢50とし、カメラ2の左側、上側、または下側を下げて傾けた場合にも、傾きセンサ20はディスプレイ14の左側、上側、または下側がそれぞれ初期姿勢50に対して下に下がったことを検出する。この場合にも、CPU4は表示制御部16を制御して、傾きセンサ20により検出された姿勢変化の方向に基づき定められた方向からディスプレイ14にアイコンをスライドインさせて表示させる。
【0027】
また、図5(a)及び(b)は、撮影モードにおいてディスプレイ14にスルー画像を表示し、ディスプレイ14の表示面が水平面に対して略垂直である状態を示している。ここで、図5(a)及び(c)は、カメラ2の背面から視て左側に位置する側面から視た図を示している。図5(a)のカメラ2の姿勢におけるディスプレイ14の表示面に平行な面を初期姿勢58とし、図5(c)の矢印で示すようにディスプレイ14を観察するユーザ側にカメラ2の上部を傾けると、傾きセンサ20はディスプレイ14の初期姿勢58からの傾きを検出する。この場合には、図5(d)に示すようにCPU4は表示制御部16を制御して図5(b)におけるディスプレイ14の上側から下方向へアイコン52,54,56をスライドインさせて表示させる。
【0028】
ここで、アイコン52は、カメラ2の撮影条件の設定操作等のメニュー操作を示すアイコンである。アイコン52が選択されると、CPU4は表示制御部16を制御して、撮影画像データをメモリカード12に記録する際の画像サイズの設定操作を示すアイコン、露出補正の設定操作を示すアイコン、ISO感度設定操作を示すアイコン等、メニュー操作を示すアイコンをディスプレイ14のスルー画像上に重畳表示させる。
【0029】
また、アイコン54は、外部機器との接続方法を選択する画面を表示させる操作を示すアイコンである。アイコン54が選択されると、CPU4は表示制御部16を制御して、外部機器との接続をUSBポート24を介したUSB接続により行うか、無線通信部25を介したWiFi等の無線接続により行うか、外部機器との接続を禁止するか等の選択操作を示すアイコンをディスプレイ14のスルー画像上に重畳表示させる。
【0030】
また、アイコン56は、連写モードの設定を行う操作を示すアイコンである。アイコン56が選択されると、CPU4は表示制御部16を制御して、単写、連写、レリーズボタン22の全押し操作が行われている間は連写を継続し撮影された画像の中から最も鮮明に撮影されている1コマをCPU4が選択してメモリカード12に記録するBSS(ベストショットセレクター)等を選択するアイコンをディスプレイ14のスルー画像上に重畳表示させる。
【0031】
なお、図5(d)においてアイコン52,54,56のそれぞれの上側に示された影60,62,64は、アイコン52,54,56がディスプレイ14の上側から下方向へスライドインすることを説明するために示したものであり、実際には表示されない。
【0032】
また、図5(a)に示すカメラ2の姿勢におけるディスプレイ14の表示面に平行な面を初期姿勢58とし、ディスプレイ14を観察するユーザに対して奥側に傾けた場合にも、傾きセンサ20はディスプレイ14の初期姿勢58からの傾きを検出する。この場合には、CPU4は表示制御部16を制御して、ディスプレイ14の下側からディスプレイ14にアイコンをスライドインさせて表示させる。
【0033】
姿勢変化の量に基づいてアイコンをスライドインさせて表示させる場合には、CPU4は表示制御部16を制御して、傾きセンサ20により検出された姿勢変化の量に基づいて定められた数のアイコンをディスプレイ14にスライドインさせて表示させる。例えば、傾きの量が少ないときにはアイコンを1列(例えば3個)スライドインさせて表示させ、傾きの量が大きくなるにつれて2列(例えば6個)ないし3列(例えば9個)等スライドインさせて表示するアイコンの数を増加させる。
【0034】
例えば、図3(a)のカメラ2の姿勢におけるディスプレイ14の表示面の位置を初期姿勢とし、図3(c)の矢印で示すようにカメラ2を右方向へ回転させ、さらに右方向へ回転させた場合には、例えば、アイコン38,40,42の左側にさらにアイコンをスライドインさせて表示させる。このときCPU4は表示制御部16を制御して、例えば、手ブレ補正を行うか否かの設定操作を示すアイコン、セルフタイマーの設定操作を示すアイコン、シーンモードの設定操作を示すアイコン等をディスプレイ14のスルー画像上に重畳表示させる。これにより、ディスプレイ14のスルー画像上にはアイコンが2列表示される。
【0035】
姿勢変化の速度に基づいてアイコンをスライドインさせて表示させる場合には、CPU4は表示制御部16を制御して、姿勢変化の速度(ステップS3において検出された一定値との差の単位時間当りの変化量)に基づき決められたスライドイン速度でアイコンをスライドインさせて表示させる。例えば、ステップS3において検出された一定値との差の単位時間当りの変化量が小さい場合にはCPU4は表示制御部16を制御して徐々にアイコンをスライドインさせて表示させ、一定値との時間当りの変化量が大きい場合にはCPU4は表示制御部16を制御して素早くアイコンをスライドインさせて表示させる。
【0036】
ここで、徐々にアイコンをスライドインさせて表示させる場合には、例えば、図3(c)においてアイコン38,40,42の3個のアイコン全てのスライドイン速度を遅くして表示させてもよいし、アイコン38,40,42の順、またはアイコン42,40,38の順等1個ずつスライドインさせて表示させてもよい。
【0037】
アイコンをスライドインさせて表示させると、CPU4は、所定時間内にタッチセンサ18を用いたアイコンの選択操作が行われたか否かを判断する(ステップS5)。アイコンの選択操作が行われるとCPU4は、表示制御部16を制御してアイコンを非表示とすると共に、選択操作に対応する処理を実行する(ステップS6)。
【0038】
一方、アイコンをスライドインさせて表示させてから所定時間内にタッチセンサ18を用いたアイコンの選択操作が行われなかった場合には、CPU4は表示制御部16を制御してアイコンを非表示とする(ステップS7)。
【0039】
なお、アイコンをスライドインさせて表示させた後に、傾きセンサ20からの出力に基づいてカメラ2の姿勢がステップS2において検出した初期姿勢へ戻されたとCPU4が判断した場合には、CPU4は表示制御部16を制御してアイコンを非表示としてもよい。また、カメラ2の姿勢がステップS2において検出した初期姿勢へ戻されたとCPU4が判断してから所定時間アイコンの表示を継続し、ステップS5〜S7に示す処理を行ってもよい。
【0040】
本実施の形態に係るカメラ及びカメラの操作方法によれば、見やすいスルー画像や再生画像を表示することができ、また、アイコンを表示させるための操作部材を用いることなく容易にアイコンを表示することができる。従って、撮影モードにおいてはアイコンが被写体を隠すことを防ぐことができる。また、アイコンを表示させるための操作部材を追加する必要がなく、部品点数を削減することができる。また、直感的な操作によりアイコンの表示を行うことができる。
【0041】
なお、上述の実施の形態においては、アイコンをスライドインさせて表示させる構成としたが、画像情報をスライドインさせて表示させる構成としてもよい。ここで、画像情報として、撮影モードにおいては、撮影を行った場合にメモリカード12に記録する撮影画像データの画像サイズや露出補正値、ISO感度等をスライドインさせて表示させてもよい。再生モードにおいては、表示している撮影画像の撮影日時、画像サイズ、表示している撮影画像の番号及び再生可能な全画像数をスライドインさせて表示させてもよい。また、再生モードにおいては、表示している撮影画像の画像編集方法を示す画像編集ガイドをスライドインさせて表示させてもよい。
【0042】
また、上述の実施の形態においては、ディスプレイ14がカメラ2の背面に固定して設けられているが、ディスプレイ14がカメラ2の背面に回転可能に設けられるバリアングルのものであってもよい。この場合には、カメラ2の本体側に傾きセンサ20を設け更にディスプレイ14の表示面のカメラ2の本体に対する回転角度を検出するセンサを設けることにより初期姿勢及びディスプレイ14の姿勢変化を検出する。また、この場合において、ディスプレイ14に傾きセンサ20を設けることにより初期姿勢及びディスプレイ14の姿勢変化を検出する構成としてもよい。
【0043】
また、上述の実施の形態において、カメラ2の所定方向への姿勢変化を検出しアイコンを一旦スライドインさせた後にカメラ2の姿勢が初期姿勢へ戻され、傾きセンサ20からの出力に基づいて再び所定方向への姿勢変化を検出した場合に、1度目にスライドインさせて表示させたアイコンとは異なるアイコンをスライドインさせて表示させる構成としてもよい。即ち、所定時間に複数回同じ方向への姿勢変化を検出した場合には、スライドインさせて表示させるアイコンの種類を異ならせてもよい。
【0044】
また、上述の実施の形態に係るカメラは、レリーズボタン22を備えているが、レリーズボタン22を設けずにディスプレイ14にレリーズ指示を示すアイコンを表示してもよい。この場合には、タッチセンサ18を介してレリーズ指示を示すアイコンが選択されると、CPU4は被写体の撮影処理を行う。
【0045】
また、上述の実施の形態において、スライドインさせて表示させるアイコンの配置は予め定められた順序としてもよいし、ユーザにとって使い勝手がよくなるように配置する構成としてもよい。ユーザの使い勝手に対応した配置とする場合には、使用頻度が高いアイコンを上部に配置する構成としてもよい。また、ユーザにとって使い勝手がよいようにユーザ自身がアイコンの配置を変更可能な構成としてもよい。
【0046】
また、上述の実施の形態においては、横位置撮影を例に説明したが、縦位置撮影においても上述の実施の形態と同様にアイコンをスライドインさせて表示させてもよい。この場合には、縦位置撮影においても、横位置撮影においても、ユーザがディスプレイ14を観察する際のユーザの右側からスライドインさせて表示させるアイコン、左側からスライドインさせて表示させるアイコン、上側からスライドインさせて表示させるアイコンをそれぞれ一致させる。即ち、図2のフローチャートに示すステップS2において検出した初期姿勢を用いて縦位置撮影においても、アイコン26,28,30をユーザの右側からスライドインさせて表示させ、アイコン38,40,42をユーザの左側からスライドインさせて表示させ、アイコン52,54,56をユーザの上側からスライドインさせて表示させる。
【0047】
また、横位置撮影においてスライドインさせて表示させるアイコンと同一の操作内容を示すアイコンを、縦位置撮影用のデザインに変更してスライドインさせて表示させてもよい。
【符号の説明】
【0048】
2…カメラ、4…CPU、6…撮像素子、14…ディスプレイ、16…表示制御部、18…タッチセンサ、20…傾きセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スルー画像または再生画像を表示する表示部と、
前記表示部の初期姿勢に対する姿勢変化を検出する姿勢センサと、
前記姿勢変化に応じて操作内容を示すアイコンを前記スルー画像または前記再生画像が表示されている前記表示部にスライドインさせて表示する表示制御部と
を備えることを特徴とするカメラ。
【請求項2】
前記表示部に積層して配置されたタッチセンサを備えることを特徴とする請求項1記載のカメラ。
【請求項3】
前記姿勢センサは、姿勢変化の方向、姿勢変化の量、姿勢変化の速度のうちの少なくとも1つを検出することを特徴とする請求項1または2記載のカメラ。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記姿勢変化の方向に基づき定められた方向から前記表示部に前記アイコンをスライドインさせて表示することを特徴とする請求項3記載のカメラ。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記姿勢変化の量に基づき定められた数の前記アイコンを前記表示部にスライドインさせて表示することを特徴とする請求項3または4記載のカメラ。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記姿勢変化の速度に基づき決められたスライドイン速度で前記アイコンを前記表示部にスライドインさせて表示することを特徴とする請求項4または5記載のカメラ。
【請求項7】
前記表示制御部により前記アイコンを表示させた後、所定時間前記アイコンの選択操作が行われない場合に、前記表示制御部は前記アイコンの表示を終了することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のカメラ。
【請求項8】
前記表示制御部により前記アイコンをスライドインさせて表示した後、前記姿勢センサにより前記姿勢変化が検出されなくなった場合に、前記表示制御部は前記アイコンを前記表示部に所定時間表示することを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のカメラ。
【請求項9】
前記表示制御部により前記アイコンをスライドインさせて表示した後、前記姿勢センサにより前記姿勢変化が検出されなくなった場合に、前記表示制御部は前記アイコンの表示を終了することを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のカメラ。
【請求項10】
前記表示制御部は、さらに画像情報を前記表示部にスライドインさせて表示することを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載のカメラ。
【請求項11】
カメラの表示部にスルー画像または再生画像を表示するステップと、
前記表示部の初期姿勢に対する姿勢変化を検出するステップと、
前記姿勢変化に応じて操作内容を示すアイコンを前記スルー画像または前記再生画像が表示されている前記表示部にスライドインさせて表示するステップと、
前記表示部に表示されたアイコンを選択するステップと、
選択された前記アイコンにより示される操作内容に基づく処理を実行するステップと
を含むことを特徴とするカメラの操作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−9061(P2013−9061A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139052(P2011−139052)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】