説明

カラオケルーム空気清浄システム

【課題】 演奏時間の経過や演奏回数の増加に応じて悪化するカラオケルーム内の空気環境について、利用者やサービス担当員の手を煩わすことなく、芳香作用、消臭作用、殺菌作用等を有する空気清浄剤を自動的に噴霧して、快適なカラオケ環境を実現する。
【解決手段】 空気清浄剤を噴霧する噴霧装置27と、カラオケ楽曲の演奏時間又は演奏回数を計測する計測手段39と、計測手段39における計測値が予め定めた基準値を超えた場合に、所定タイミングにて、噴霧装置27を作動させる噴霧制御手段27aと、を備える。噴霧装置27が噴霧を行う所定タイミングは、楽曲の演奏が行われなくなってから所定時間経過後や、人体検知手段28が人体を検知しなくなってから所定時間経過後とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケルーム内の空気清浄を行うために、芳香作用、消臭作用、殺菌作用等を有する空気清浄剤を所定のタイミングで噴霧することが可能なカラオケルーム空気清浄システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なカラオケルームは、狭い空間内でカラオケ歌唱を楽しみながら、飲食や飲酒、あるいは喫煙を行うことが多く、種々の臭いが室内にこもることがある。このため、カラオケ事業者のサービス担当員は、各カラオケルームの利用が終了し、利用者が入れ替わる際に消臭剤や芳香剤等の噴霧スプレーを用いて、室内の空気清浄を行っていた。
【0003】
しかし、カラオケルームの利用が長時間に及ぶ場合には、利用者自らが発した臭いであっても不快感を覚えることがある。通常の場合、サービス担当者は、カラオケルームの利用者が入れ替わる際に空気清浄剤の噴霧を行うため、利用者が入れ替わらない場合には対応することができない。この場合、利用者自らに空気清浄剤の噴霧を依頼してもよいが、サービスの低下に繋がりかねず、好ましい対応とは言えない。さらに、サービス担当者の数が不十分であったり、サービス担当者が他の作業に専念したりしている場合には、利用者が入れ替わる毎に空気清浄剤を噴霧できないこともあり、快適にカラオケを楽しむことができないことになる。
【0004】
従来、カラオケルーム等において、芳香剤や消臭剤等を自動的に噴霧するための技術が種々開発されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載された技術は、カラオケルーム等の設置空間に自動噴霧装置を設置し、赤外線センサ等の人体検知センサにより人の入室及び退室を監視し、入室者が退室した後に、自動噴霧装置を作動させて設置空間内に、芳香剤や消臭剤等を自動的に噴霧するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−70797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した特許文献1に記載された技術では、カラオケルーム等の設置空間に入室した人間が、当該設置空間から退出したことを検知して自動噴霧装置を作動させ、芳香剤や消臭剤等の空気清浄剤を自動的に噴霧するため、サービス担当者が入退室した際にも空気清浄剤の噴霧が行われてしまう。すなわち、特許文献1に記載された技術では、カラオケルームへ入退室する人間を区別することができず、カラオケルームが利用されていないにもかかわらず、装置の点検等のためにサービス担当者が入退室した場合であっても自動噴霧装置が作動してしまい、無駄な噴霧が行われることになる。特に、カラオケルームでは、自然時間の経過により室内に臭いがこもるのではなく、利用時間の経過に伴い徐々に室内に臭いがこもる傾向にある。換言すれば、実際の演奏時間に比例して室内に臭いがこもり、空気清浄剤の噴霧が必要な状態となる。
【0007】
また、上述したように、カラオケルームの利用が長時間に及ぶ場合には、利用者自らが発した臭いであっても不快感を覚えることがあり、この場合には、カラオケルームの利用中に空気清浄剤を噴霧する必要がある。この際、利用者の手を煩わせることなく、自動的に空気清浄剤の噴霧を行うことが好ましい。
【0008】
また、楽曲の歌唱中に空気清浄剤が噴霧されたのでは、歌唱に集中することができずにカラオケの楽しさを十分に味わうことができないことがあるため、楽曲の演奏が中断している間に、空気清浄剤の噴霧を行うことが好ましい。さらに、空気清浄剤の噴霧自体が気になる利用者もいるため、カラオケルーム内に利用者が存在する状態で空気清浄剤を噴霧することが好ましくない場合もある。
【0009】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、演奏時間の経過や演奏回数の増加に応じて悪化するカラオケルーム内の空気環境について、利用者やサービス担当員の手を煩わすことなく、芳香作用、消臭作用、殺菌作用等を有する空気清浄剤を自動的に噴霧して、快適なカラオケ環境を実現することが可能な、カラオケルーム空気清浄システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のカラオケルーム空気清浄システムは、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明のカラオケルーム空気清浄システムは、カラオケ演奏装置が設置されたカラオケルーム内に、芳香作用、消臭作用、殺菌作用等を有する空気清浄剤を噴霧するためのシステムであって、空気清浄剤を噴霧する噴霧装置と、カラオケ楽曲の演奏時間又は演奏回数を計測する計測手段と、計測手段における計測値が予め定めた基準値を超えた場合に、所定タイミングにて、噴霧装置を作動させる噴霧制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0011】
ここで、噴霧装置を作動させる所定タイミングは、楽曲の演奏が行われなくなってから所定時間経過後とすることが可能である。また、人体を検知する人体検知手段を備えた構成とし、噴霧装置が噴霧を行う所定タイミングは、人体検知手段が人体を検知しなくなってから所定時間経過後とすることが可能である。
【0012】
このような構成からなるカラオケルーム空気清浄システムでは、計測手段の機能により、カラオケ楽曲の演奏時間又は演奏回数を計測する。そして、カラオケ楽曲の演奏時間が所定時間に達し、あるいはカラオケ楽曲の演奏回数が所定回数に達すると、噴霧制御手段の機能により、所定のタイミングで噴霧装置を作動させて、カラオケルーム内に空気清浄剤を噴霧する。すなわち、カラオケ楽曲の演奏時間が所定時間に達したこと、あるいはカラオケ楽曲の演奏回数が所定回数に達したことが噴霧装置の作動条件となり、直ちに噴霧装置を作動させて空気清浄剤を噴霧してもよいし、楽曲の演奏が行われなくなってから所定時間経過後、あるいは人体検知手段が人体を検知しなくなってから所定時間経過後に、噴霧装置を作動させて空気清浄剤を噴霧してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のカラオケルーム空気清浄システムによれば、カラオケ楽曲の演奏時間が所定時間に達し、あるいはカラオケ楽曲の演奏回数が所定回数に達したことを条件として、所定のタイミングで噴霧装置を作動させ、カラオケルーム内に芳香作用、消臭作用、殺菌作用等を有する空気清浄剤を噴霧することにより、演奏時間の経過や演奏回数の増加に応じて悪化するカラオケルーム内の空気環境について、利用者やサービス担当員の手を煩わすことなく、芳香作用、消臭作用、殺菌作用等を有する空気清浄剤を自動的に噴霧して、快適なカラオケ環境を提供することが可能となる。
【0014】
また、カラオケ楽曲の演奏時間が所定時間に達し、あるいはカラオケ楽曲の演奏回数が所定回数に達した場合に、直ちに空気清浄剤を噴霧するのではなく、楽曲が演奏されなくなってから所定時間経過後、例えば、任意の楽曲の演奏が終了してから次の楽曲の演奏が開始するまでの時間内に空気清浄剤を噴霧することにより、楽曲の歌唱中に空気清浄剤が噴霧されることがなく、歌唱者は歌唱に集中してカラオケの楽しさを十分に味わうことができる。
【0015】
また、空気清浄剤の噴射タイミングを、人体検知手段が人体を検知しなくなってから所定時間経過後とすることにより、カラオケルームから利用者が退室した後に空気清浄剤が噴霧されるので、空気清浄剤の噴霧に対する不快感を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係るカラオケルーム空気清浄システムを適用したカラオケ演奏装置の基本構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例1に係るカラオケルーム空気清浄システムの主要構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施例2に係るカラオケルーム空気清浄システムの主要構成を示すブロック図。
【図4】本発明の実施例3に係るカラオケルーム空気清浄システムの主要構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明のカラオケルーム空気清浄システム(以下、空気清浄システムという)の実施形態について説明する。図1は本発明の実施形態に係る空気清浄システムを適用したカラオケ演奏装置の基本構成を示すブロック図である。また、図2は実施例1、図3は実施例2、図4は実施例3に係る空気清浄システムの主要構成を示すブロック図である。
【0018】
<空気清浄システムの一般構成>
本発明の実施形態に係る空気清浄システムは、例えば、個室タイプのカラオケルームが複数設置されたカラオケボックス営業店において利用可能なシステムである。この空気清浄システムは、芳香作用、消臭作用、殺菌作用等を有する空気清浄剤を自動噴霧するための噴霧装置を備えており、カラオケ楽曲の演奏時間が所定時間に達し、あるいはカラオケ楽曲の演奏回数が所定回数に達したことを条件として、所定のタイミングで、カラオケルーム内に空気清浄剤を噴霧する。なお、空気清浄剤とは、エアロゾルとして噴霧可能な芳香剤、消臭剤、除菌剤、殺菌剤等のことであり、芳香作用、消臭作用、殺菌作用等を有していれば、特にその成分を限定するものではない。例えば、悪臭を芳香成分で包み込んでしまう薬剤、悪臭の元となる成分と化学反応を生じさせて無臭成分とする薬剤、抗菌剤のように細菌の繁殖を抑止する薬剤等、種々の成分を含有する空気清浄剤を用いることができる。また、空気清浄剤は、上述したすべての作用を発揮する必要はなく、いずれか一つ以上の作用を発揮するものであればよい。
【0019】
<カラオケ演奏装置>
本発明の実施形態に係る空気清浄システムを適用するカラオケ演奏装置10は、図1に示すように、カラオケ本体21、カラオケリモコン装置22、スピーカ23、ミキシングアンプ24、マイクロホン25、表示装置26、噴霧装置27を備えている。さらに、図4に示すように、人体を検知するための人体検知手段28を備えていてもよい。
【0020】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置22は、ユーザインタフェース機能を備えており、カラオケ本体21の送受信手段35との間で有線方式又は無線方式によりデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置22は、楽曲検索手段22aとして機能するプログラム、楽曲索引データベース22bの他に、データの送受信を行うための電子回路及びプログラム、フラッシュメモリ等からなる記憶手段(図示せず)を備えている。このカラオケリモコン装置22に付帯するスイッチ類や、入出力表示部(図示せず)に表示される各種のアイコン等を操作することにより、選曲操作等が行われる。なお、本実施形態においてプログラムとは、ソフトウエア又はこれと同等の機能を発揮する論理回路のことをいう。
【0021】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段22aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース22bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース22bは、カラオケ演奏装置10で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲か否かなど、種々の属性情報がこれに含まれている。
【0022】
<マイクロホン>
マイクロホン25は、歌唱音声の入力を行うための装置である。マイクロホン25から入力された歌唱音声信号は、ミキシングアンプ24により、音楽再生制御手段37から送出される演奏音声信号とミキシングされると共に増幅され、スピーカ23へ出力される。
【0023】
<カラオケ本体>
カラオケ本体21は、中央制御手段31、ROM32、RAM33、HDD34、送受信手段35、予約管理手段36、音楽再生制御手段37、映像再生制御手段38、計測手段39を備えている。
【0024】
<中央制御手段>
中央制御手段31は、カラオケ本体21を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM32等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0025】
<ROM/RAM>
ROM32は、カラオケ本体21を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM33は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。なお、物理的な半導体メモリによりRAM33を構成するのではなく、ハードディスク記憶装置等を用いて仮想的なRAM33を構成してもよい。本実施形態では、RAM33に、予約待ち行列33aが記憶されるようになっている。予約待ち行列33aは、選曲予約されたカラオケ楽曲について、演奏順に楽曲IDを並べて構成されたデータテーブルであり、選曲者の利用者IDや、他の識別データが紐付けられている場合もある。
【0026】
<HDD>
HDD34は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース34a及び映像データベース34bが格納されている。なお、HDD34に替えて、あるいはHDD34と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0027】
<楽曲データベース/映像データベース>
楽曲データベース34aは、演奏データ(MIDI(登録商標)データ)及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成されたデータベースである。演奏データは、各楽曲の演奏データをデジタル化したものであり、歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。また、演奏データには、発声ガイドの表示を行うためのガイドメロディデータが含まれている。映像データベース34bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。
【0028】
<送受信手段>
送受信手段35は、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、赤外線通信により、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間でデータの送受信が行われる。
【0029】
<予約管理手段>
予約管理手段36は、利用者により楽曲検索手段22aの機能を用いて選曲された楽曲IDを演奏順に並べて予約待ち行列33aを生成し、この予約待ち行列33aをRAM33に格納して管理するためのプログラムからなる。
【0030】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段37は、楽曲IDに基づいて楽曲データベース34aから抽出された演奏データをデジタル再生すると共にアナログ変換してミキシングアンプ24に出力するための電子回路である。上述したように、ミキシングアンプ24は、マイクロホン25から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段37から送出される演奏音声信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してスピーカ23より出力させるための装置である。
【0031】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段38は、カラオケ楽曲の演奏中に、映像データベース34bから抽出した映像データ及び楽曲データベース34aから抽出した楽曲データのうちの歌詞テロップデータ(歌詞文字データ)を、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置26に出力するためのプログラムからな。
【0032】
<表示装置>
表示装置26は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。
【0033】
<計測手段>
計測手段39は、カラオケ楽曲の演奏時間又は演奏回数を計測するためのプログラム及び電子回路からなり、計測結果である計測値データ39aを記憶するための記憶領域を有している。カラオケ楽曲の演奏時間を計測して計測値データ39aを取得するには、例えば、音楽再生制御手段37により任意の楽曲の演奏データの再生が開始されてから、当該楽曲の演奏データの再生が終了するまでの時間を計測して積算すればよい。また、カラオケ楽曲の演奏回数を計測して計測値データ39aを取得するには、音楽再生制御手段37により任意の楽曲の演奏データを再生した回数を積算すればよい。他の方法としては、予約待ち行列33aに格納された楽曲が再生される毎に、当該楽曲の演奏データに含まれる演奏時間を積算し、あるいは演奏回数を積算するカウンタをカウントアップすればよい。
【0034】
<噴霧装置>
噴霧装置27は、噴霧制御手段27aの制御により、空気清浄剤を噴霧するための装置であり、空気清浄剤を噴霧することができれば、公知となっている種々の装置を用いることができる。例えば、図示しないが、空気清浄剤貯留室、噴霧ポンプ、噴霧ポンプを作動させるスイッチ及び電源等を備えた構成とすることができる。また、貯留タンク内に空気清浄剤を貯留すると共に、圧縮空気等を充填し、押圧手段によりノズルを押圧することにより、タンク内に貯留された空気清浄剤を空気と共にノズルから噴射するような構成としてもよい。また、本実施形態の噴霧装置27は、噴霧制御を行う基準値を設定するための基準値設定手段27cを備えている。さらに、図3及び図4に示すように、噴霧装置27の構成要素として、時間設定手段27eを有するタイマ27dを含ませることが可能である。
【0035】
<基準値設定手段>
基準値設定手段27cは、噴霧装置27に組み込まれた手段であり、例えば、ディップスイッチ等により構成される。この基準値設定手段27cの機能により、噴霧制御手段27aにおいて噴霧装置27を作動させるための基準値データ27bが設定され、噴霧制御手段27aの記憶領域に記憶される。この基準値データ27bは、噴霧制御手段27aにおける計測値データ39aとの比較処理で使用される。なお、基準値は、カラオケ演奏装置10を設置したカラオケルームの利用状況に応じて、適宜変更して設定することができ、例えば、カラオケ楽曲の演奏時間であれば1時間、カラオケ楽曲の演奏回数であれば20回等が基準値となる。
【0036】
<噴霧制御手段>
噴霧制御手段27aは、噴霧装置27に組み込まれた機能手段であり、計測手段39における計測値が予め定めた基準値を超えた場合に、所定タイミングにて、噴霧装置27を作動させるためのプログラム及び電子回路からなる。ここで、噴霧装置27を作動させる所定タイミングとは、選曲予約された楽曲のすべてについて演奏が終了してから所定時間経過後とすることが可能である(図3参照)。また、人体を検知する人体検知手段28を備えた構成とし、噴霧装置27を作動させる所定タイミングは、人体検知手段28が人体を検知しなくなってから所定時間経過後とすることが可能である(図4参照)。なお、噴霧制御手段27aを噴霧装置27に組み込むのではなく、噴霧装置27とは別個の装置として構成してもよい。
【0037】
<噴霧制御/実施例1>
実施例1の噴霧制御は、本発明に係る空気清浄システムにおける基本的な噴霧制御であり、カラオケ楽曲の演奏時間又は演奏回数を計測して、計測値が予め定めた基準値を超えた場合に、噴霧装置27を作動させる制御を行う。すなわち、図2に示すように、楽曲が演奏される毎に、計測手段39により当該楽曲の演奏時間又は演奏回数を計測して積算し、計測値データ39aを取得する。また、噴霧装置27では、基準値設定手段27cの機能により基準値が設定され、噴霧制御手段27aにおいて基準値データ27bとして記憶される。そして、噴霧制御手段27aの機能により、計測値データ39aと基準値データ27bとを比較し、計測値が予め定めた基準値に達すると、噴霧装置27に駆動信号を送信する。
【0038】
この基準値は、例えば、演奏時間の場合には合計1時間とし、演奏回数の場合には合計20回とすることができる。噴霧装置27では、噴霧制御手段27aからの駆動信号を受信すると、空気清浄剤を所定時間(例えば3秒間)噴霧する。なお、上述したように、基準値は、カラオケ演奏装置10を設置したカラオケルームの利用状況に応じて、最適な値が設定される。また、計測値が基準値に達した場合に、噴霧装置27に設けた発光ダイオードを点滅させたり、表示装置26の表示画面にその旨の表示を行ったりして、噴霧装置27が作動する旨を報知してもよい。
【0039】
<噴霧制御/実施例2>
実施例2の噴霧制御は、実施例1の基本的な噴霧制御に加えて、楽曲の演奏が行われなくなってから所定時間経過後に、噴霧装置27を作動させる制御を行う。すなわち、実施例2では、図3に示すように、実施例1の構成要素に加えて、噴霧装置27の構成要素としてタイマ27dを含んでいる。さらに、タイマ27dは、タイムアップする時間を設定するための時間設定手段27eを含んでいる。
【0040】
実施例2では、上述した実施例1と同様にして、計測手段39における計測値が予め定めた基準値に達すると、噴霧装置27の作動条件が整う。さらに、任意の楽曲の演奏が終了して音楽再生制御手段37から演奏信号を受信しなくなると、タイマ27dが計時を開始し、次の楽曲の演奏が開始するまでに、時間設定手段27eで設定された所定時間(例えば3分間)が経過して、タイマ27dがタイムアップすると、噴霧制御手段27aの機能により、噴霧装置27に駆動信号を送信する。そして、噴霧装置27が駆動信号を受信すると、空気清浄剤の噴霧を行う。なお、タイマ27dがタイムアップする以前に次の楽曲の演奏が開始され、音楽再生制御手段37から演奏信号を受信すると、タイマ27dのカウント値がリセットされる。
【0041】
このように、実施例2では、計測手段39における計測値が予め定めた基準値に達して噴霧装置27の作動条件が整った場合であっても、楽曲の演奏が継続している場合には、空気清浄剤の噴霧は行われない。なお、上述したように、噴霧装置27を作動させる際にその旨の報知を行ってもよい。
【0042】
<噴霧制御/実施例3>
実施例3の噴霧制御は、実施例1の基本的な噴霧制御に加えて、人体検知手段28が人体を検知しなくなってから所定時間経過後に、噴霧装置27を作動させる制御を行う。すなわち、実施例3では、図4に示すように、実施例1の構成要素に加えて、噴霧装置27の構成要素としてタイマ27dを含むと共に、人体検知手段28を備えている。また、実施例2と同様に、タイマ27dは、タイムアップする時間を設定するための時間設定手段27eを含んでいる。
【0043】
実施例3で用いる人体検知手段28とは、例えば、焦電型赤外線センサからなり、人体が発生する赤外線を検知して、カラオケルーム内に利用者が存在するか否かを検知する。なお、一般的な焦電型赤外線センサは、付属するレンズにより検知角度が規定されるため、カラオケルームの広さ等に応じて検知角度を設定したり、カラオケルーム内で検知角度が重複するように複数の赤外線センサを設置したりすることが好ましい。また、人体を検知するためのセンサは、焦電型赤外線センサに限られず、赤外線ビームを発射し、その赤外線ビームを反射したり遮ったりした物体を検出するアクティブセンサであってもよいし、その他、公知の技術を用いたセンサであってもよい。
【0044】
実施例3では、上述した実施例1と同様にして、計測手段39における計測値が予め定めた基準値に達すると、噴霧装置27の作動条件が整う。さらに、人体検知手段28による人体検知を行い、カラオケルームからすべての利用者が退室し、人体検知手段28からの人体検知信号を受信しなくなると、タイマ27dが計時を開始し、時間設定手段27eで設定された所定時間(例えば3分間)が経過して、タイマ27dがタイムアップすると、噴霧制御手段27aの機能により、噴霧装置27に駆動信号を送信する。そして、噴霧装置27が駆動信号を受信すると、空気清浄剤の噴霧を行う。なお、タイマ27dがタイムアップする以前にカラオケルーム内に利用者等が入室し、人体検知手段28からの人体検知信号を受信すると、タイマ27dのカウント値がリセットされる。
【0045】
このように、実施例3では、計測手段39における計測値が予め定めた基準値に達して噴霧装置27の作動条件が整った場合であっても、カラオケルームから利用者が退室して、人体検知手段28により人体が検知されなくなってから所定時間が経過するまでは、空気清浄剤の噴霧は行われない。なお、上述したように、噴霧装置27を作動させる際にその旨の報知を行ってもよい。
【0046】
<他の実施形態>
本発明のカラオケルーム空気清浄システム及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。
【符号の説明】
【0047】
10 カラオケ演奏装置
21 カラオケ本体
22 カラオケリモコン装置
22a 楽曲検索手段
22b 楽曲索引データベース
23 スピーカ
24 ミキシングアンプ
25 マイクロホン
26 表示装置
27 噴霧装置
27a 噴霧制御手段
27b 基準値データ
27c 基準値設定手段
27d タイマ
27e 時間設定手段
28 人体検知手段
31 中央制御手段
32 ROM
33 RAM
33a 予約待ち行列
34 HDD
34a 楽曲データベース
34b 映像データベース
35 送受信手段
36 予約管理手段
37 音楽再生制御手段
38 映像再生制御手段
39 計測手段
39a 計測値データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ演奏装置が設置されたカラオケルーム内に、芳香作用、消臭作用、殺菌作用等を有する空気清浄剤を噴霧するためのシステムであって、
空気清浄剤を噴霧する噴霧装置と、
カラオケ楽曲の演奏時間又は演奏回数を計測する計測手段と、
前記計測手段における計測値が予め定めた基準値を超えた場合に、所定タイミングにて、前記噴霧装置を作動させる噴霧制御手段と、を備えた、
ことを特徴とするカラオケルーム空気清浄システム。
【請求項2】
前記噴霧装置が噴霧を行う所定タイミングは、楽曲の演奏が行われなくなってから所定時間経過後である、
ことを特徴とする請求項1に記載のカラオケルーム空気清浄システム。
【請求項3】
人体を検知する人体検知手段を備え、
前記噴霧装置が噴霧を行う所定タイミングは、前記人体検知手段が人体を検知しなくなってから所定時間経過後である、
ことを特徴とする請求項1に記載のカラオケルーム空気清浄システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−247552(P2011−247552A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−123737(P2010−123737)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】