説明

カラーケア組成物

布地及びカラーケア利点が改善された組成物。組成物は、移染防止剤(類)及びシリコーンを含む。該組成物は、布地色の鮮やかさを向上させるための洗濯処理工程での使用に適する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布地及びカラーケア利点を備えた組成物に関する。より具体的には、本発明は、移染防止剤(類)及びシリコーンを含む布地処理組成物に関する。本発明の組成物は、布地色の鮮やかさを改善させるための洗濯処理工程での使用に適する。
【背景技術】
【0002】
染色布を現在の洗濯洗剤製品で選択した場合に、繰り返し洗濯することで洗浄プロセス中に布地の色褪せが生じ得るという問題はよく知られている。漂白剤などの洗剤成分、pH及び温度及び攪拌などの洗浄プロセスで使用される他の条件の全てが、本問題に寄与し得る。このため、布地洗浄にとって最適な洗剤処方及び洗浄プロセス条件は、布地のカラーケアにとって有害でもあり得、かつ染色布の退色を引き起こし得る。この問題を緩和するため、布地のカラーケアの利点を改善させるために特に処方された洗剤が知られている。典型的には、これらの洗剤は漂白剤非含有であるとともに、場合により、洗浄プロセス中に染料が着色された布地表面に結合し続けるのを手助けする染料洗剤成分を含む。しかしながら、これらの洗剤を使用した繰り返し洗浄サイクルを経た後の、染色布からの退色は依然として問題となり得る。しかしながら、特に複数サイクル洗浄後の良好な洗浄に加えて、効果的なカラーケア利益を提供する洗剤に対する必要性は依然として存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
驚くべきことではあるが、本願発明者らは、移染防止剤、シリコーン及び粘土を組成物へ添加することによって、繰り返し洗浄した場合であっても、洗浄プロセス中の退色を減らしつつ、布地色を極めて効果的に鮮やかにすることができることを見出した。
【0004】
移染防止剤は、再付着防止剤として洗濯組成物中でそれらを使用することが知られている。移染防止剤は、洗浄水から遊離染料分子を補足し、これによって染料を懸濁させ、それらが布地上に再付着するのを防止する。染料との親和性が大きいために、移染防止剤はまた、布地から染料を除去して、それによって布地の色の鮮やかさを減少させる場合がある。したがって、布地の色の鮮やかさを向上させるという完全に反対の目的のために、移染防止剤を使用可能であるということは極めて驚くべきことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施態様では、移染防止剤、シリコーン、及び粘土を含むカラーケア組成物が提供される。
典型的には、組成物は布地処理のためであり、特に組成物は洗剤組成物である。
【0006】
特に、組成物は粘土及びシリコーンを含む粒子を含む。
【0007】
本願発明者らは、本発明の組成物が布地の色の鮮やかさを改善させるだけでなく、柔軟性の利点をも提供することを見出した。本発明の組成物は更に、結果として良好な白色度をも提供する。
【0008】
更なる実施形態によれば、本発明は布地の色の鮮やかさを向上させるための組成物を調製するための移染防止剤の使用に関する。
本発明における意味では、色の鮮やかさとは色の強度が高いこととして理解されるべきである。色の鮮やかさが強いこととは、退色がより少ないこととして理解され得る。
【0009】
更なる実施形態によれば、本発明はまた、布地の色の鮮やかさを向上させるための移染防止剤の使用にも関する。特に、本発明は、布地の色の鮮やかさを向上させるための移染防止剤及び粘土の使用に関する。本発明の別の態様によれば、本発明は、布地の色の鮮やかさを向上させるための移染防止剤及びシリコーンの使用に関する。
【0010】
本発明は更に、
−本発明の組成物を水中へ導入して、布地処理溶液を形成する工程、
−布地を該布地処理溶液と接触させる工程、
を含む、布地の色の鮮やかさを向上させる方法に関する。
工程は、任意の順序で実施されてもよい。
特に、組成物はB:H比が0〜0.8となるような量で、水中へ導入されてもよい。B:H比は、硬度に対するビルダー容量のモル比である。
特に指定しない場合、百分率は重量百分率である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
移染防止剤
本発明の組成物は、有効量の移染防止剤(DTI)又はその混合物を含有する。
【0012】
有効量のDTIとは典型的には、洗浄又はリンス溶液中にて少なくとも約0.1ppm、好ましくは約0.1ppm〜約2,000ppm、より好ましくは約0.2ppm〜約1,000ppmを提供する量である。好ましくは、本発明の組成物は、0.01重量%〜30重量%、特に0.03重量%〜10重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約5重量%、更により好ましくは約0.1%〜約2%、又は0.2重量%あるいは0.4重量%〜約1重量%の移染防止剤を含有する。
【0013】
好ましい移染防止剤は、好ましくは、水溶性でありかつ染料へ結合可能であるポリマー類、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーである。特に、DTIは窒素及び酸素原子を含有するポリマーである。DTIは、酵素ではない。
【0014】
典型的には、本発明で有用な移染防止剤としては、
(A)少なくとも1個のN−C(=O)−基を含有する1以上のモノマー単位を含むポリマー類であって、式中、窒素が更に1個又は2個のその他の原子のいずれかに結合しているもの(即ち、2個の単結合又は1個の二重結合を更に有することができる);
(B)少なくとも1個のN−オキシド基を含有する1以上のモノマー単位を含むポリマー;
(C)(A)のN−C(=O)−基を含有する1個以上のモノマー単位であって、式中、窒素が更に1個又は2個のその他の原子のいずれかに結合しているもの、及び(B)のN−オキシド基を含有する1個以上のモノマー単位の両方を含むポリマー;
(D)これらの混合物;
からなる群から選択される、窒素及び酸素原子を含有する水溶性ポリマーが挙げられる。
【0015】
本発明で有用な移染防止剤としては、次の構造を有する水溶性ポリマーが挙げられる。
−[P(D)
式中、各Pは、結合してポリマー主鎖を形成する、単独重合可能な及び共重合可能な部分から選択され、好ましくは、各Pは、ビニル部分(例えば、[−C(R)−C(R)−])、その他のモノマー部分(例えば、[[C(R)−L−])からなる群から選択され、式中、各xは1〜6の整数であって、かつ各Lは独立して次のものからなる群から選択され、
−N(R)−;−O−;−S−;−O−C(=O)−;−C(=O)−O−;−S(=O)−;−S(−O)−;−S(−O)−O−;−O−S(=O)−;−O−S(=O)−O−;−O−[−Si(R)−O−]−;−C(=O)−;及び−O−C(=O)−O−;並びにDTI−活性基−N(−O)(R)−;−N(R)C(=O)−;−C(=O)−N(R)−
式中、各RはH、C1〜12(好ましくはC1〜4)アルキ(レン)、C〜C12アリー(レン)及び/又はDであり、mは0〜2であり、かつpは1〜約6であり、式中、各Dは、L部位、直鎖及び環状のC1〜12(好ましくは、C1〜4)アルキル、C1〜12アルキレン、C1〜12複素環基(DTI活性基、芳香族C6〜12基、及び基を完成させるためのRsを含有することもできる)からなる群から選択される構造部位からなる群から選択される部位を含み、ここで、お互いに結合している任意の連結基が、使用条件下において実質的に安定した結合を形成し、かつ、ここで窒素原子が、1個、2個、又は3個のその他原子に結合することができ、存在するN−C(=O)−及び/又はN−オキシド基の数が、移染防止を提供するのに十分であり、総分子量が、約500〜約1,000,000であり、好ましくは約1,000〜約500,000であり、nが示された分子量を提供するように選択され、かつ、水溶性は、水中、約25℃の周囲温度にて少なくとも約100ppm、好ましくは少なくとも約300ppm、より好ましくは少なくとも約1,000ppmである。
【0016】
A.活性なN−C(=O)−基を備えたポリマー類
高分子DTI類の1つの有用なグループとしては、活性なN−C(=O)−基(酵素を除く)を含有する水溶性ポリマー類が挙げられる。N−C(=O)−基の窒素は、1個又2個いずれかのその他原子に結合することができる。
【0017】
N−C(=O)−基を含有するポリマー類の例は次の通りである。
ポリビニルピロリドン:
【化1】

ポリビニルオキサゾリドン:
【化2】

ポリビニルメチルオキサゾリドン:
【化3】

ポリアクリルアミド及びN−置換ポリアクリルアミド:
【化4】

式中、各R1は、H及びC1〜6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、又はイソプロピル)から独立して選択され、あるいは2個のR1基が5員又は6員環構造を形成することができる。
【0018】
ポリメタクリルアミド及びN−置換ポリメタクリルアミド:
【化5】

ポリ(N−アクリリルグリシナミド):
【化6】

ポリ(N−メタクリリルグリシナミド):
【化7】

ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン):
【化8】

ポリビニルウレタン:
【化9】

式中、各R1は、上記の通りである。これらの基の混合物は、前述の及び以下の(A)及び(C)の高分子DTI基中に存在し得る。
【0019】
これらポリマー類は、親水的性質を与える極性基及び疎水的性質を与える無極性基を備え、両親媒的性質を有する。好ましいポリマー類は、窒素原子が高度に置換され、それらが周囲の無極性基によって異なった程度にまで遮蔽された窒素原子を有するようなものである。
【0020】
このようなポリマーの例は、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルオキサゾリドン、N,N−二置換ポリアクリルアミド、及びN,N−二置換ポリメタクリルアミドである。これらポリマー類の幾つかについての物理化学的性質の詳細な説明は、「水溶性合成ポリマー:性質及び挙動(Water-Soluble Synthetic Polymers: Properties and Behavior)」(第1巻、フィリップ・モリヌー(Philip Molyneux)著、CRCプレス、1983年)に示されている。
【0021】
これらポリマー類は更に、部分的に加水分解したかつ/又は架橋した形態にて、本発明で有用である。
【0022】
好ましい移染防止剤は、ポリビニルピロリドン(PVP)である。本ポリマーは、親水的性質及び極性誘引性を与える高極性アミド基を備え、両親媒的性質を有し、かつ更に、疎水的性質を与える無極性のメチレン及びメチン基を主鎖及び/又は環内に有する。
【0023】
環はまた、色素分子中の芳香環と平面配向してもよい。PVPは、水性及び有機溶剤系中に速やかに溶解する。
【0024】
PVPは、ISP(ニュージャージー州ウェーン)及びBASF(ニュージャージー州パーシッパニー)から、粉末又は水溶液として、幾つかの粘度等級にて、例えば、K−12、K−15、K−25、及びK−30の名称で入手可能である。これらのK値は、以下に示すように粘度平均分子量を指す。
【表1】

PVP K−12、K−15、及びK−30は更に、ポリサイエンス(Polysciences, Inc)(ペンシルバニア州ウォリントン)からも入手可能であり、PVP K−15、K−25、及びK−30並びにポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)は、アルドリッチ・ケミカルズ(Aldrich Chemical Co., Inc.)(ウィスコンシン州ミルウォーキー)からも入手可能である。
【0025】
N−C(=O)−基を備え、本発明で有用な水溶性ポリマーの平均分子量は、典型的には、約500〜約100,000、好ましくは約500〜約40,000、より好ましくは約1,000〜約30,000である。
【0026】
B.活性なN−オキシド基を備えたポリマー類
高分子DTIの別の有用なグループとしては、活性なN−オキシド基を含有する水溶性ポリマーが挙げられる。N−オキシド基の窒素は、1個、2個、又は3個のいずれかのその他原子に結合することができる。
【0027】
1個以上のN−オキシド基は、ペンダントD基の一部であることができ、あるいは1個以上のN−オキシド基は、重合性P単位の一部であることができ、あるいは両者の組み合わせであることができる。
【0028】
N−オキシド基がペンダントD基の一部である場合、好ましいD基は、環の一部であり又は環の外側にある、N−オキシド基の窒素原子を備えた環状構造を含有する。D基内の環は、飽和、不飽和、又は芳香族であってもよい。
【0029】
N−オキシド基の窒素原子を含有するD基の例としては、ピリジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ピペリジン、ピロリドン、アゾリジン、モルホリンのN−オキシド、及びその誘導体などの複素環化合物のN−オキシドが挙げられる。好ましい移染防止剤は、ポリ(4−ビニルピリジンN−オキシド)(PVNO)である。環の外側にN−オキシド基の窒素原子を備えたD基の例としては、アニリン酸化物及びN−置換アニリン酸化物が挙げられる。
【0030】
N−オキシド基が単量体P骨格基の一部であるポリマーの一例は、ポリエチレンイミンN−オキシドである。
【0031】
これらの基の混合物は、(B)及び(C)の高分子DTI類中に存在し得る。
【0032】
本発明のアミンN−オキシドポリマー類は通常、約1:0〜約1:2のアミンN−オキシド対アミン比を有する。ポリアミンオキシドポリマー内に存在するアミンオキシド基の量は、適切な共重合又は適切なN−酸化の程度によって変化し得る。好ましくは、アミンN−オキシド対アミンの比は、約1.0〜約1.1、最も好ましくは1:0〜約3:1である。
【0033】
ポリアミンN−オキシド類のアミンオキシド単位は、PKa≦10、好ましくはPKa≦7、より好ましくはPKa≦6を有する。
【0034】
本発明で有用な(B)の平均分子量は、約500〜約1,000,000、より好ましくは約1,000〜約500,000、最も好ましくは約2,000〜約100,000である。
【0035】
形成されたポリマーが水溶性であり、移染阻害特性を有する限り、上記の任意のポリマー主鎖を(A)又は(B)中にて使用することができる。好適なポリマー主鎖の例は、ポリビニル類、ポリアルキレン類、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリアミド類(polyamide)、ポリイミド類、ポリアクリレート類、並びにこれらのコポリマー類及びブロックコポリマー類、並びにこれらの混合物である。
【0036】
C.活性なN−C(=O)−及び/又はN−オキシド基を含むコポリマー類(Copolvmers)
効果的な高分子DTI剤は、活性なN−C(=O)−基及び/又は活性なN−オキシド基を含有するモノマー単位、オリゴマー単位、及び/又はポリマー単位の混合物を共重合することによって形成されるもの(例えば、PVP及びPVNOのコポリマー及び/又はブロックコポリマー)を含むことができる。他の好適なDTIコポリマー類としては、活性なN−C(=O)−基及び/又は活性なN−オキシド基を含有する有効量のモノマー単位、オリゴマー単位、及び/又はポリマー単位が、活性なN−C(=O)−又はN−オキシド基を含有しないが、DTIコポリマーへ、水溶性増大又は布地直接性の向上などのその他の望ましい特性を付与する、「充填剤」モノマー単位、オリゴマー単位、及び/又はポリマー単位と共重合するようなもの(例えば、PVP(約60%)及びポリビニルイミダゾール(PVPVI)のブロックコポリマー)が挙げられる。
【0037】
好ましいDTIは、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリ(4−ビニルピリジンN−オキシド)(PVNO)、並びにPVP及びポリビニルイミダゾール(polyvimyilimidazole)(PVPVI)のコポリマー並びにこれらの混合物から選択される。
【0038】
本発明で有用な高分子DTIの平均分子量は、500〜1,000,000、より好ましくは1,000〜500,000、最も好ましくは2,000〜100,000である。
【0039】
シリコーン
本発明の組成物は、少なくとも0.03重量%、あるいは少なくとも0.1重量%のシリコーンを含有してもよい。組成物は、0.3重量%〜30重量%のシリコーン、特に0.4重量%〜10重量%、あるいは1重量%〜5重量%又は1.1重量%〜4.0重量%のシリコーンを含んでもよい。
【0040】
組成物中に存在する場合、好ましくはシリコーンは布地柔軟化シリコーンである。好適なシリコーンは、一般式
A−[Si(R)(R)−O−]−A
を有し、
式中、各反復単位、−(Si(R)(R)O)−中の各R及びRは独立して、分岐若しくは非分岐、置換若しくは非置換のC〜C10アルキル若しくはアルケニル、置換若しくは非置換のフェニル、又は−[−RSi−O−]−の単位から選択してもよく、xは50〜300,000、好ましくは100〜100,000、より好ましくは200〜50,000の数字であってもよい。置換アルキル、アルケニル又はフェニルは、典型的には、ハロゲン基、アミノ基、ヒドロキシル基、四級アンモニウム基、ポリアルコキシ基、カルボキシル基、又はニトロ基で置換されてもよい。各A基は、ヒドロキシル基、水素又は−SiRであって、式中、Rは水素若しくはヒドロキシルなどの官能基又はアルキル(好ましくはメチル)であるものからなる群から独立して選択してもよい。
【0041】
好適なシリコーンとしては、欧州特許第150872号、国際公開特許第92/01773号及び米国特許第4800026号に記載されているようなアミノシリコーン類;米国特許第4448810号及び欧州特許第459821号に記載されているような四級シリコーン類;国際公開特許第00/71806号及び同第00/71807号に記載されているような高粘度シリコーン類;変性ポリジメチルシロキサン;米国特許第5668102号に記載されているような官能化ポリジメチルシロキサンが挙げられる。好ましくは、シリコーンはポリジメチルシロキサンである。
【0042】
シリコーンは、好ましくは、2つ以上の異なる種類のシリコーンのシリコーン混合物でもよい。好ましいシリコーン混合物は、高粘度シリコーンと低粘度シリコーン、官能化シリコーンと非官能化シリコーン、又は非帯電シリコーンポリマーとカチオン性シリコーンポリマーを含むものである。
【0043】
シリコーンは通常、20s−1の剪断速度及び周囲条件(20℃かつ0.1MPa(1気圧))で測定した場合、5,000cp〜5,000,000cp、又は10,000cp超〜1,000,000cp、又は10,000cp〜600,000cp、より好ましくは50,000cp〜400,000cp、より好ましくは80,000cp〜200,000cpの粘度を有する。シリコーンは、通常、液体又は液化可能な形態であり、特に粘土と混合された場合にはこうした状態である。典型的には、シリコーンは、3個を超える、好ましくは5個を超える、又は更に10個を超えるシロキサンモノマー単位を含む高分子シリコーンである。
【0044】
シリコーンは、粘土などの無機担体上に装着することが好ましい。
【0045】
好ましくは、組成物中でのシリコーン対高分子移染防止剤の重量比は、1:10〜100:1、好ましくは1:3〜30:1、より好ましくは1:1〜10:1、あるいは約3:1である。
【0046】
粘土
本発明の組成物は、少なくとも0.3重量%、あるいは少なくとも1重量%の粘土を含有してもよい。組成物は、2重量%〜30重量%、より好ましくは3重量%〜10重量%の粘土を含んでもよい。
【0047】
典型的には、粘土はスメクタイト粘土等の布地柔軟化粘土である。好ましいスメクタイト粘土類は、バイデライト粘土類、ヘクトライト粘土類、ラポナイト粘土類、モンモリロナイト粘土類、ノントナイト粘土類(nontonite)、サポナイト粘土類及びこれらの混合物である。好ましくは、該スメクタイト粘土は、2八面体型スメクタイト粘土、より好ましくはモンモリロナイト粘土である。2八面体型(dioctrahedral)スメクタイト粘土類は、典型的には次の2つの一般式のうち1つを有する。
式(I) NaAl2−xMgSi10(OH)
又は
式(II) CaAl2−xMgSi10(OH)
式中、xは0.1〜0.5、好ましくは0.2〜0.4の数字である。
【0048】
好ましい粘土類は、帯電量の少ないモンモリロナイト粘土類(ナトリウムモンモリロナイト粘土又はワイオミング(Wyoming)型モンモリロナイト粘土としても周知)であり、それは上記一般式(i)を有する。好ましい粘土類は更に、帯電量の大きいモンモリロナイト粘土類(カルシウムモンモリロナイト粘土又はチェト(Cheto)型モンモリロナイト粘土としても周知)であり、それは上記一般式(ii)を有する。好ましい粘土は、アーキラス・アクティバラス・アンディナス(Arcillas Activadas Andinas)のフラソフト1(Fulasoft 1)、フォーダミン(Fordamin)のホワイトベントナイト(White Bentonites)STP、及びラビオサ・ケミカ・ミネラリア(Laviosa Chemica Mineraria)SPAのデターカル(Detercal)P7の商品名で供給されている。
【0049】
粘土は、ヘクトライト粘土であってもよい。典型的なヘクトライト粘土は、次の一般式を有する。
【0050】
式(III) [(Mg3−xLi)Si4−yMeIII10(OH2−z)]−(x+y)((x+y)/n)Mn+
式中、y=0〜0.4であり、y>0の場合、MeIIIはAl、Fe又はBであり、好ましくは、y=0であり、Mn+は、一価の(n=1)又は二価の(n=2)金属イオンであり、好ましくは、Na、K、Mg、Ca及びSrから選択される。xは0.1〜0.5の数字であり、好ましくは0.2〜0.4であり、より好ましくは0.25〜0.35である。zは0〜2の数字である。(x+y)の値は、粘土の層荷電であり、好ましくは(x+y)の値は0.1〜0.5の範囲内にあり、好ましくは0.2〜0.4、より好ましくは0.25〜0.35である。好ましいヘクトライト粘土は、レオックス(Rheox)より商標名ベントーン(Bentone)HCで供給されているものである。本明細書に用いる他の好ましいヘクトライト粘土類は、AMCOLマテリアルズ(AMCOL Materials)からそれぞれヘクトライト(Hectorite)U及びヘクトライトRの商標名にて供給されているヘクトライト粘土である。
【0051】
粘土は、更にアロフェン粘土、緑泥石粘土(好ましい緑泥石粘土はアメス石粘土、ベイリークロア粘土、シャモス石粘土、クリノクロア粘土、クーク石粘土、コランドファイト(corundophite)粘土、ダフネ石粘土、鉄緑泥石粘土、ゴニヤライト粘土、ニマイト粘土、オディナイト粘土、斜方シャモス石粘土、パンナンタイト(pannantite)粘土、苦土緑泥石粘土、リピドライト(rhipidolite)粘土、須藤石粘土、及び塊緑泥石粘土である)、イライト粘土、混合層(inter-stratified)粘土、オキシ水酸化鉄粘土(好ましいオキシ水酸化鉄粘土は、赤鉄鉱粘土、針鉄鉱粘土、レピドクライト(lepidocrite)粘土、及びフェリハイドロ石粘土である)、カオリン粘土(好ましいカオリン粘土は、カオリナイト粘土、ハロイサイト粘土、ディッカイト粘土、ナクライト粘土、及びヒシンゲル石粘土である)、スメクタイト粘土、バーミキュライト粘土、並びにこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0052】
また粘土は、好ましくは波長460nmで、少なくとも60、より好ましくは少なくとも70、又は少なくとも80の反射率を有する淡色結晶性粘土鉱物であってもよい。好ましい淡色結晶性粘土鉱物は、陶土、ハロイサイト粘土、カオリナイトのような2八面体粘土、アンチゴライト及びアメス石のような3八面体粘土、ベントナイト(モンモリロナイト)のようなスメクタイト及びホルマイト(hormite)粘土、バイデル石(beidilite)、ノントロナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、ピメライト、雲母、白雲母、バーミキュライト粘土、並びに、葉蝋石/タルク、ウイレムサイト及びミネソタイト粘土である。好ましい淡色結晶性粘土鉱物は、英国特許第2357523A号及び国際公開特許第01/44425号に記載されている。
【0053】
好ましい粘土は、少なくとも70meq/100gのカチオン交換容量を有する。粘土類のカチオン交換容量は、グリムショー(Grimshaw)著、「粘土の化学と物理(The Chemistry and Physics of Clays)」(インターサイエンス・パブリッシャーズ社(Interscience Publishers Inc.)、264〜265ページ、1971年)に記載されている方法を用いて測定することができる。
【0054】
好ましくは、粘土は、通常0.1マイクロメートル〜50マイクロメートル、より好ましくは5マイクロメートル〜30マイクロメートルの重量平均1次粒径を有する。これらの好ましい重量平均1次粒径を有する粘土類は、更に改善された布地柔軟化効果をもたらす。粘土の重量平均粒径の決定方法は、欧州特許第1 561 806号に記載されている。
【0055】
好ましくは、シリコーン対粘土の重量比は、3:1〜1:30、例えば1:1〜1:10である。
【0056】
好ましくは、組成物中での粘土対高分子移染防止剤の重量比は、1:3〜300:1、好ましくは1:1〜100:1、より好ましくは3:1〜30:1、あるいは約10:1である。
【0057】
粘土及びシリコーンを含む粒子
本発明の好ましい1つの実施形態によれば、組成物は粘土及びシリコーンを含む粒子を含む。
【0058】
粘土及びシリコーンを含む粒子を製造するために、シリコーンは、粘土と混合する前にエマルションの形態であることが好ましい。エマルションは、油中水型エマルション又は水中油型エマルションであることができる。エマルションは、好ましくは、連続相の少なくとも一部、好ましくは全部がシリコーンで形成され、不連続相の一部、好ましくは全部が水で形成されている油中水型エマルション状態である。エマルションは、典型的には0.1マイクロメートル〜5,000マイクロメートル、好ましくは0.1マイクロメートル〜50マイクロメートル、最も好ましくは0.1マイクロメートル〜5マイクロメートルの体積平均一次液滴直径を有する。体積平均1次粒径は通常、コールター・マルチサイザー(Coulter Multisizer)(商標)を用いて、又は欧州特許第1 561 806号に記載の方法によって測定される。
【0059】
好ましくは、エマルション中でのシリコーン対乳化剤の重量比は、もしそれらが存在する場合、3:1〜20:1である。
【0060】
乳化形態のシリコーンは、通常、500cp〜70,000cp、又は3,000cp〜20,000cpの粘度を有する。
【0061】
使用に適した市販のシリコーンオイル類は、ダウ・コーニング(Dow Coming)により供給されているDC200(商標)(12,500cp〜600,000cp)、又はGEシリコーン(GE Silicone)により供給されているベイシロン流体Mシリーズ(Baysilone Fluid M series)のシリコーンである。あるいは、予め形成されたシリコーンエマルションもまた使用に好適である。これらのエマルションは、シリコーンの乳化を助けるのに有効な量の水及び/又は他の溶剤を含んでもよい。
【0062】
粘土及びシリコーンを含む粒子は、粘土及びシリコーンを十分に混合させることによって、又は(i)シリコーンを水と、所望により乳化剤と接触させて、乳化形態のシリコーンを形成する工程、及び(ii)その後に、乳化形態のシリコーンを粘土と接触させて、粘土と乳化形態のシリコーンとの混合体を形成する工程を含むプロセスに従うこと、のいずれかによって得られてもよい。好ましくは、シリコーンを工程(ii)に該粘土と接触させる際には、該シリコーンが液体中にあるか又は液体状の形態である。
【0063】
工程(i)は、周囲温度(例えば、20℃)にて実施されてもよいが、工程(i)は、30℃〜60℃の温度範囲といった高い温度で実施されるのが望ましい。乳化剤がプロセス中に使用される場合には、該乳化剤が水と接触して乳化剤−水混合物が形成され、その後、乳化剤−水混合物がシリコーンと接触するのが望ましい。連続プロセスの場合、工程(i)は通常、インライン静的ミキサー又はインライン動的(剪断力)ミキサー内で実施される。非連続プロセスの場合、工程(i)は通常はZ−ブレードミキサー、アンカーミキサー又はパドルミキサーのようなバッチミキサー内で実施される。
【0064】
粘土とシリコーンとの混合体は、好ましくは引き続いて高剪断ミキサー内でアグロメレート化される。好適な高剪断ミキサーとしては、CBレーディゲミキサー、シュージ(Schugi)ミキサー、リトルフォード(Littleford)ミキサー、ドレイス(Drais)ミキサー及びブラウン(Braun)ミキサーなどの実験室スケールのミキサーが挙げられる。好ましくは、高速攪拌機は、CBレーディゲミキサー又はリトルフォード(Littleford)ミキサー又はドライス(Drais)ミキサー等のピンミキサーである。高剪断(sheer)ミキサーは通常、好ましくは30ms−1〜35ms−1の先端速度を有する高速で作動する。好ましくは水を高剪断ミキサーへ追加する。
【0065】
粘土とシリコーンとの混合体は、通常は引き続いて低剪断ミキサー内でのコンディショニング工程に移される。好適な低剪断ミキサーには、レーディゲKMなどのすき型剪断(Ploughshear)ミキサーが含まれる。好ましくは、低剪断ミキサーは、5ms−1〜10ms−1の先端速度を有する。所望により、1マイクロメートル〜40マイクロメートル又は1マイクロメートル〜10マイクロメートルの平均粒径を通常有する、ゼオライトなどの微粒子及び/又は粘土粒子が、低剪断ミキサー内へと導入される。このダスティング工程が、微粒子の粘着性を低下させこれらの成長をコントロールすることで、その結果得られる微粒子の流動性を改善する。
【0066】
粘土とシリコーンの該混合体には、通常サイジング工程が施され、微粒子寸法が500mmより大きな微粒子は該混合体から除去される。通常、これらの大きな微粒子はふるいによって該混合体から除去される。
【0067】
粘土とシリコーンとの該混合体を好ましくは、50℃超又は場合により100℃超の温度の熱風に当てる。通常は、粘土とシリコーンとの該混合体は高温(例えば、50℃又は場合により100℃を超える温度)で乾燥させ、好ましくは、該混合体を流体ベッド乾燥機のような低剪断機器内で乾燥される。この好適な乾燥プロセスに引き続いて、粘土とシリコーンとの該混合体は好ましくはその後15℃未満、好ましくは1℃〜10℃の温度の冷風に当てられる。この冷却工程は好ましくは流体ベッド冷却装置内で実施される。
【0068】
粘土とシリコーンの混合体には、好ましくは第2のサイジング工程が施され、粒子寸法が250マイクロメートルより小さな微粒子は混合体から除去される。これらの小さな粒子は、ふるい及び/又は水簸によって、混合体より除去される。水簸が使用される場合には、好ましくは第2のサイジング工程は、流体ベッド乾燥機及び/又は流体ベッド冷却機等(それらがプロセス内で使用されている場合)の流体ベッドによって実施される。
【0069】
粘土とシリコーンの混合体は、好ましくは第3のサイジング工程が施され、粒子寸法が1,400マイクロメートルより大きい微粒子は混合体から除去される。これらの大きな微粒子は、ふるいによって混合体から除去される。
【0070】
第1及び/又は第3のサイジング工程中に該混合体から所望により除去される大きな粒子は、もし高速攪拌機及び/又は流体ベッド乾燥機又は冷却機がプロセスで使用されている場合、通常これらに戻して再利用される。所望により、これらの大きな粒子は高速攪拌機及び/又は流体ベッド乾燥機又は冷却機に送られる前に粉砕工程を施される。第2サイジング工程中に混合体より所望により除去される小さい粒子は、通常は高剪断混合器及び/又は低剪断混合器がプロセスで使用されている場合には、それらに戻して再利用される。
【0071】
粘土及びシリコーン粒子は、少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも40重量%、あるいは少なくとも60重量%、特に少なくとも80重量%のシリコーン及び粘土を含んでもよい。
【0072】
粘土/シリコーン混合体の粒子の例は、欧州特許第1 561 806号に開示されている。
【0073】
補助剤
本発明の目的には必須でないが、以下に例示される補助剤の非限定的なリストは、本組成物での使用に適し、望ましくは本発明のある種の実施形態に組み込まれてもよい。これらの追加の添加剤構成成分の厳密な性質及びそれらの組み込み濃度は、組成物の物理的形態及び組成物が使用されるべき洗浄操作の性質によって決まることになる。好適な補助剤材料としては、界面活性剤、ビルダー類、凝集補助剤、キレート剤、追加の移染防止剤、酵素及び酵素安定化剤、触媒材料、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素供給源、予め形成された過酸、高分子分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、光沢剤、泡抑制剤、染料、香料、構造弾性化剤、布地柔軟剤、キャリア、屈水性誘発物質、加工助剤、溶剤並びに/又は色素が挙げられるが、これらに限定されない。下記の開示に加え、このような他の補助剤の好適な例及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812B1号、及び同第6,326,348B1号に記載されており、これらは参照により組み込まれる。しかしながら、1つ以上の添加剤が存在する場合、その1つ以上の添加剤は、以下に詳細に記載されているように存在してもよい。
【0074】
界面活性剤−本発明の組成物は、界面活性剤又は界面活性剤系を含んでもよい。組成物は、0.01重量%〜90重量%、又は5重量%〜10重量%の界面活性剤系を含んでもよい。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤及びこれらの混合物から選択してもよい。
【0075】
アニオン性界面活性剤類
典型的には、洗剤組成物は、1重量%〜50重量%、更に典型的には2重量%〜40重量%のアニオン性界面活性剤を含む。
【0076】
好適なアニオン性界面活性剤類は、典型的には炭酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の部分含む。アニオン性界面活性剤は、1種でもよく、あるいはC8〜18アルキルサルフェート及びC8〜18アルキルスルホネート及び、直鎖又は分岐鎖であり、所望によりC8〜18アルキルサルフェート及び/又はC8〜18アルキルスルホネートの1モル当たり、1〜9モルのC1〜4アルキレンオキシドを縮合させたもののうち複数のものの混合物であってもよい。
【0077】
好ましいアニオン性洗浄性界面活性剤は、直鎖又は分枝状、置換又は非置換のC12〜18アルキルスルフェート類;直鎖又は分枝状、置換又は非置換のC10〜13アルキルベンゼンスルホネート類、好ましくは直鎖C10〜13アルキルベンゼンスルホネート類;及びこれらの混合物からなる群から選択される。極めて好ましいのは、直鎖C10〜13アルキルベンゼンスルホネート類である。極めて好ましいのは、市販の直鎖アルキルベンゼン類(LAB)をスルホン化することにより得ることができ、好ましくはスルホン化することにより得られる、直鎖C10〜13アルキルベンゼンスルホネート類であり、好適なLABには、サソール社(Sasol)からイソケム(Isochem)の商標名又はペトレサ社(Petresa)からペトレラボ(Petrelab)の商標名で供給されているような低級2−フェニルLABを含み、他の好適なLABには、サゾール社(Sasol)からハイブリーン(Hyblene)の商標名で販売されているような高級2−フェニルLABを含む。
【0078】
アルコキシル化アニオン性界面活性剤類
組成物は、アルコキシル化アニオン性界面活性剤を含んでもよい。アルコキシル化アニオン性界面活性剤が存在する場合、一般に、洗剤組成物全体を基準にして、0.1重量%〜40重量%、例えば1重量%〜3重量%の量で存在する。
【0079】
好ましくは、アルコキシル化アニオン性洗浄性界面活性剤は、平均アルコキシル化度が1〜30、好ましくは3〜7の、直鎖又は分岐鎖、置換又は非置換のC12〜18アルキルアルコキシル化サルフェートである。
【0080】
好適なアルコキシル化アニオン性洗浄性界面活性剤は、コグニス(Cognis)によるテキサパン(Texapan)LEST(商標)、サソール(Sasol)によるコスマコール(Cosmacol)AES(商標)、ステファン(Stephan)によるBES151(商標)、エンピコール(Empicol)ESC70/U(商標)、及びこれらの混合物である。
【0081】
非イオン性洗浄性界面活性剤
本発明の組成物は、非イオン性界面活性剤を含んでもよい。非イオン性洗浄性界面活性剤(類)が存在する場合、一般に、0.5重量%〜20重量%、又は2重量%〜4重量%の量で存在する。
【0082】
非イオン性洗浄性界面活性剤は、アルキルポリグルコシド及び/又はアルキルアルコキシル化アルコール;シェル(Shell)からのネオドール(NEODOL)(登録商標)非イオン性界面活性剤などのC12〜C18アルキルエトキシレート類;アルコキシレート単位がエチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの混合物である、C〜C12アルキルフェノールアルコキシレート類、C12〜C18アルコール及びC〜C12アルキルフェノールの、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマー類との縮合物、例えばBASFからのプルロニック(Pluronic)(登録商標);米国特許第6,150,322号により詳細に記述されているような、C14〜C22中鎖分枝状アルコール類、BA;C14〜C22の中鎖分岐状アルキルアルコキシレート類、BAExであって、式中、Xは1〜30であるもの、米国特許第6,153,577号、同第6,020,303号及び同第6,093,856号により詳細に記載されているようなもの;米国特許第4,565,647号により詳細に記載されているようなアルキル多糖類、具体的には米国特許第4,483,780号及び同第4,483,779号により詳細に記載されているようなアルキルポリグリコシド類;米国特許第5,332,528号、国際公開特許第92/06162号、同第93/19146号、同第93/19038号及び同第94/09099号により詳細に記載されているようなポリヒドロキシ脂肪酸アミド類;米国特許第6,482,994号及び国際公開特許第01/42408号により詳細に記載されているような、エーテルで末端保護されたポリ(オキシアルキレート)アルコール界面活性剤類並びにこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0083】
カチオン性洗浄界面活性剤
本発明の一態様では、洗剤組成物は、カチオン性界面活性剤を含まない。しかしながら、組成物は所望により、カチオン性洗浄性界面活性剤を含んでもよい。存在する場合、組成物は0.1重量%〜10重量%、又は1重量%〜2重量%のカチオン性洗浄性界面活性剤を含むことが好ましい。
【0084】
好適なカチオン性洗浄性界面活性剤類は、アルキルピリジニウム化合物、アルキル四級アンモニウム化合物、アルキル四級ホスホニウム化合物、及びアルキル3元スルホニウム化合物である。カチオン性洗浄性界面活性剤は、米国特許第6,136,769号においてより詳細に記載されているようなアルコキシラート四級アンモニウム(AQA)界面活性剤類;米国特許第6,004,922号においてより詳細に記載されているようなジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム界面活性剤類;国際公開特許第98/35002号、同第98/35003号、同第98/35004号、同第98/35005号及び同第98/35006号においてより詳細に記載されているようなポリアミンカチオン性界面活性剤類;米国特許第4,228,042号、同第4,239,660号、同第4,260,529号、及び同第6,022,844号においてより詳細に記載されているようなカチオン性エステル界面活性剤類;米国特許第6,221,825号及び国際公開特許第00/47708号においてより詳細に記載されているようなアミノ界面活性剤類、特にアミドプロピルジメチルアミン;並びにこれらの混合物からなる群より選択することができる。
【0085】
非常に好ましいカチオン性洗浄界面活性剤類は、モノ−C8〜10アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライド、モノ−C10〜12アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライド、及びモノ−C10アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライドである。プレパゲン(Praepagen)HY(クラリアント社(Clariant)の商標名)などのカチオン性界面活性剤類は、有用であり得かつ泡促進剤としても有用であり得る。
【0086】
ビルダー−ビルダーは、非水溶性又は部分的水溶性ビルダー、水溶性ビルダー、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0087】
非水溶性又は部分的水溶性ビルダー
本明細書の組成物は、非水溶性又は部分的水溶性ビルダーを含んでもよい。極めて非水溶性であるビルダーの例としては、アルミノケイ酸ナトリウムが挙げられる。好適なアルミノケイ酸塩ゼオライトは、次式の単位セルを有する。
Na[(Al O(SiO].xH
式中、z及びyは少なくとも6であり、zとyのモル比は1.0〜0.5であり、かつ、xは少なくとも5、好ましくは7.5〜276、より好ましくは10〜264である。
【0088】
アルミノシリケート材料は、水和形態であって、好ましくは結晶性であり、10重量%〜28重量%、より好ましくは18重量%〜22重量%の水を結合形態にて含有する。アルミノケイ酸塩ゼオライトは、天然材料であり得るが、合成品が好ましい。合成結晶性アルミノケイ酸塩イオン交換材料は、ゼオライトA、ゼオライトB、ゼオライトP、ゼオライトX、ゼオライトHSの名称で及びこれらの混合物として入手可能であり、ゼオライトAは、次式を有する。
Na12[(Al O12(SiO12].xH
式中、xは20〜30、特に27である。ゼオライトXは、次式を有する。
Na86[(Al O86(SiO106].276H
本明細書で使用するのに好ましい結晶性層状シリケート類は、次の一般式を有する。
NaMSi2x+1.yH
式中、Mはナトリウム又は水素であり、xは1.9〜4の数字であり、yは0〜20の数字である。
【0089】
この種の結晶性層状ケイ酸ナトリウムは、欧州特許出願第0164514A号に開示されており、それらの調製方法は、ドイツ公開特許第3417649A号及び同第3742043A号に開示されている。本明細書中、上記一般式中のxが2、3又は4の値を有することが好ましく、好ましくは2である。最も好ましい材料は、δ−NaSiであり、ヘキスト(Hoechst)AGからNaSKS−6として入手可能である。
【0090】
水溶性ビルダー
本明細書の組成物は、水溶性ビルダーを含んでもよい。好ましくは、水溶性ビルダーは、リン酸塩のアルカリ又はアルカリ土類金属塩を含む。水溶性ホスフェートビルダー類の好適例は、アルカリ金属トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム及びピロリン酸アンモニウム;ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム及びピロリン酸アンモニウム;正リン酸ナトリウム及び正リン酸カリウム、ナトリウムポリメタホスフェート(polymeta/phosphate)(重合度は、約6〜21の範囲である)、並びにフィチン酸の塩類である。ビルダーは、ポリカルボン酸及びその塩類、好ましくはクエン酸、そのアルカリ金属塩、並びにこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0091】
本明細書の組成物は、1重量%〜40重量%、より好ましくは3重量%〜、あるいは5重量%〜又は8重量%〜25重量%、〜15重量%、〜10重量%のビルダーを含んでよい。
【0092】
本発明の1つの特定の実施形態によれば、組成物は、最大5%、例えば、0.1〜3%、あるいは0.3〜1%のアルミノシリケート(類)(ゼオライトなど)を含む。組成物は、最大5%、例えば、0.1〜3%、あるいは0.3〜1%のリン酸塩ビルダー(類)を含んでもよい。組成物は、最大5%、例えば、0.1〜3%、あるいは0.3〜1%のアルミノシリケート(類)(ゼオライトなど)及びリン酸塩ビルダー(類)を含んでもよい。
【0093】
組成物は、最大15%、好ましくは3〜12%、あるいは5〜10%のホスフェートビルダー(類)、アルミノシリケートビルダー(類)、ポリカルボン酸ビルダー(類)、及び追加のシリケートビルダー(類)(層状シリケートビルダー(類)など)を含んでもよい。
【0094】
組成物は、最大15%、好ましくは3〜12%、あるいは5〜10%のホスフェートビルダー(類)、アルミノシリケートビルダー(類)、ポリカルボン酸ビルダー(類)、追加のシリケートビルダー(類)、及び25℃の温度及び0.1Mイオン強度にて、50mg/gよりも優れたカルシウム結合能力及び3.50より大きなカルシウム結合定数を有する他の材料(単一又は複数)を含んでもよい。
【0095】
本発明の組成物により提供される色の鮮やかさが、ビルダー(類)の量がより少ない場合に更に改善され得ると考えられている。
【0096】
凝集補助剤−組成物は凝集補助剤を更に含んでもよい。典型的には、凝集補助剤はポリマーである。好ましくは、凝集補助剤は、エチレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸及びこれらの混合物からなる群から選択されるモノマー単位を含むポリマーである。好ましくは、凝集補助剤はポリエチレンオキシドである。典型的には、凝集補助剤は、少なくとも100,000Da、好ましくは150,000Da〜5,000,000Da、最も好ましくは200,000Da〜700,000Daの分子量を有する。好ましくは、組成物は該組成物の少なくとも0.3重量%の凝集補助剤を含む。
【0097】
存在する場合、組成物中の粘土対凝集補助剤の重量比は、好ましくは10:1〜200:1、好ましくは14:1〜160:1、より好ましくは20:1〜100:1、更に一層好ましくは50:1〜80:1の範囲内である。
【0098】
漂白剤−特に、組成物がカラーケア組成物である場合、組成物は、1%未満、更により好ましくは0.1%未満を占めてよく、好ましくは漂白剤を含有しなくてもよい。組成物は、漂白剤及び/又は漂白活性化剤及び/又は光漂白剤を含まなくてもよい。しかしながら、本発明の組成物は、1種以上の漂白剤を含んでもよい。一般に、漂白剤を使用する場合、本発明の化合物は、対象となる洗剤組成物の、約0.1重量%〜約50重量%、又は更には約0.1重量%〜約25重量%の漂白剤を含んでもよい。存在する場合、好適な漂白剤としては、漂白触媒、光漂白剤、例えばビタミンK3及び亜鉛又はアルミニウムフタロシアニン(phtalocyanine)スルホネート;テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)及びノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)などの漂白活性化剤;過酸化水素水;予め形成された過酸類;過酸化水素の供給源、例えば、過ホウ酸塩(通常モノ−又は四水和物)のナトリウム塩などのアルカリ金属塩類、過炭酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩類、及びこれらの混合物を含む無機加水和物塩類であって、所望によりコーティングされた、好適なコーティングであって、アルカリ金属などの無機塩を含むもの;並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0099】
過酸化水素供給源及び過酸又は漂白活性化剤の量は、有効酸素(該過酸化物供給源より供給される)対過酸のモル比が、1:1〜35:1、又は更に2:1〜10:1となるように選択してもよい。
【0100】
蛍光増白剤−特に、組成物がカラーケア組成物である場合、組成物は、洗浄された物品に色合いを付けることがある構成成分、例えば蛍光増白剤を含有しなくてもよい。しかし、存在する場合、洗濯洗剤組成物において使用するのに好適な任意の蛍光増白剤を、本発明の組成物において使用してもよい。最も一般的に使用される蛍光増白剤は、ジアミノスチルベン−スルホン酸誘導体、ジアリールピラゾリン誘導体及びビスフェニル−ジスチリル誘導体の部類に所属するものである。
【0101】
好ましい蛍光増白剤は、マラマウント・ミネラルズ・アンド・ケミカルズ(Paramount Minerals and Chemicals)(インド、ムンバイ)により供給されているパラホワイト(Parawhite)KX、チバ−ガイギーAG(スイス、バーゼル)から入手可能なチノパル(Tinopal)(登録商標)DMS及びチノパル(Tinopal)(登録商標)CBSである。チノパル(Tinopal)(登録商標)DMSは、4,4’−ビス−(2−モルホリノ−4−アニリノ−s−トリアジン−6−イルアミノ)スチルベンジスルホネートの二ナトリウム塩である。チノパル(Tinopal)(登録商標)CBSは、2,2’−ビス−(フェニル−スチリル)ジスルホネートの二ナトリウム塩である。
【0102】
布地色調剤−洗剤組成物中に配合した場合、該洗剤組成物を含む洗浄溶液に該布地を接触させると、布地に付着し、可視光線の吸収を通して布地の色合いを変化できる染料又は色素。蛍光増白剤は、少なくともいくらかの可視光線を放出する。対照的に、布地色調剤は、可視光スペクトルの少なくとも一部を吸収するため、表面の色合いを変える。好適な布地色相剤は、染料及び染料−粘土共役体を含み、色素を含んでいてもよい。適切な染料としては、小分子染料及びポリマー染料が挙げられる。適切な小分子染料としては、ダイレクトブルー、ダイレクトレッド、ダイレクトバイオレット、アシッドブルー、アシッドレッド、アシッドバイオレット、ベーシックブルー、ベーシックバイオレット、及びベーシックレッドのカラーインデックス(C.I.)分類に該当する染料、又はこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。
【0103】
高分子分散剤−本発明の組成物は、高分子分散剤を含有することもできる。好ましくは、組成物が粘土を含む場合、組成物は高分子分散剤(類)を含まない。好適な高分子分散剤としては、約2,000〜約10,000の平均分子量を有するアクリル酸系ポリマー;約2,000〜約100,000の平均分子量及び約30:1〜約1:1のアクリレート対マレエートセグメント比を有するアクリル酸/マレイン酸系コポリマー;マレイン酸/アクリル酸/ビニルアルコールターポリマー;約500〜約100,000、好ましくは約1,000〜約50,000、より好ましくは約1,500〜約10,000の分子量を有するポリエチレングリコール(PEG);ポリアスパラテート及びポリグルタメート;カルボキシメチルセルロース(CMC)材料;並びに水溶性又は分散性のアルコキシル化ポリアルキレンアミン材料などの高分子ポリカルボキシレート類、置換(四級化(quarternized)及び酸化を含む)ポリアミンポリマー類、並びにポリエチレングリコール類が挙げられる。これらの高分子分散剤は、含まれる場合には、典型的には、約5%以下、好ましくは約0.2%〜約2.5%、より好ましくは約0.5%〜約1.5%の濃度である。
【0104】
高分子汚れ放出剤−本発明の組成物は、高分子汚れ放出剤を含有することもできる。高分子汚れ放出剤、又は「SRA」は、ポリエステル及びナイロンなどの疎水性繊維の表面を親水化するための親水性部分と、疎水性繊維上に付着して、洗浄及びすすぎサイクルの完了までその上に密着し続けて、親水性部分のためのアンカーとして働く疎水性部分とを有する。これによって、後の洗浄手順で、SRAでの処置の後に浮かび上がるシミをより容易に落とすことができるようになる。好ましいSRAとしては、オリゴマーテレフタレートエステル;テレフタロイル及びオキシアルキレンオキシ反復単位のオリゴマーエステル骨格並びに骨格へと共有結合にて結合したアリル由来のスルホン化末端部分を含む実質的に線状のエステルオリゴマーのスルホン化生成物;非イオン性末端封鎖した1,2−プロピレン/ポリオキシエチレンテレフタレートポリエステル;実験式(CAP)(EG/PG)(T)(SIP)を有するオリゴマーであって、これがテレフタロイル(T)、スルホイソフタロイル(SIP)、オキシエチレンオキシ及びオキシ−1,2−プロピレン(EG/PG)単位を含み、かつエンドキャップ(CAP)(好ましくは変性イセチオネート)によって好ましくは末端処理され、1個のスルホイソフタロイル単位、5個のテレフタロイル単位を含むオリゴマー中では、オキシエチレンオキシ及びオキシ−1,2−プロピレン単位が規定比率であり、好ましくは約0.5:1〜約10:1であり、ナトリウム−2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エタンスルホネートから誘導される2個のエンドキャップ単位であるもの;(1)骨格であって、(a)ジヒドロキシスルホネート、ポリヒドロキシスルホネート及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の単位であって、この単位が、少なくとも三官能性であって、ここでエステル結合が形成され、これによって分枝状オリゴマー骨格となるもの;(b)テレフタロイル部分である少なくとも1つの単位;並びに(c)1,2−オキシアルキレンオキシ部分である少なくとも1つの非スルホン化単位を含むもの;並びに(2)非イオン性キャッピング単位、アニオン性キャッピング単位(例えば、アルコキシル化、好ましくはエトキシル化イセチオネート、アルコキシル化プロパンスルホネート、アルコシキル化プロパンジスルホネート、アルコキシル化フェノールスルホネート、スルホアロイル誘導体並びにこれらの混合物)から選択される1以上のキャッピング単位;を含むオリゴマーエステルが挙げられる。好ましいのは、次の実験式のエステルである。
((CAP)(EG/PG)(DEG)PEG)(T)(SIP)(SEG)(B)
式中、CAP、EG/PG、PEG、T及びSIPは上記で定義したようなものであり、DEGはジ(オキシエチレン)オキシ単位を表し、SEGはグリセリンのスルホエチルエーテルから誘導される単位及び関連部分の単位を表し、Bは少なくとも三官能性であって、それによって、エステル結合が形成され、結果的に分枝状オリゴマー骨格となる分岐単位を表し、aは約1〜約12であり、bは約0.5〜約25であり、cは0〜約12であり、dは0〜約10であり、b+c+dの合計は約0.5〜約25であり、eは約1.5〜約25であり、fは0〜約12であり、e+fの合計は約1.5〜約25であり、gは約0.05〜約12であり、hは約0.01〜約10であり、かつa、b、c、d、e、f、g、及びhは、エステル1モル当たりの対応する単位の平均モル数を表し、かつエステルが約500〜約5,000の範囲の分子量を有し、メトセル(METHOCEL)(登録商標)としてダウ・ケミカルから入手可能なヒドロキシエーテルセルロース性ポリマーなどのセルロース誘導体であり;C〜Cアルキルセルロース及びCヒドロキシアルキルセルロース(米国特許第4,000,093号、1976年12月28日発行、二コル(Nicol)ら)であり、かつ約1.6〜約2.3の無水グルコース単位当たりの平均置換度(メチル)及び20℃にて2%水溶液として測定して約80〜約120センチポアズの溶液粘度を有するメチルセルロースエーテルである。このような材料は、信越化学工業(Shinetsu Kagaku Kogyo KK)製のメチルセルロースエーテルの商標名である、メトルース(METOLOSE)SM100(登録商標)及びメトルース(METOLOSE)SM200(登録商標)として入手可能である。
【0105】
酵素−組成物は、洗浄性能及び/又は布地ケア効果を提供する1種以上の酵素を含むことができる。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、他のセルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクテートリアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ及びアミラーゼ、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、本発明の組成物は更に、洗浄及び白色化性能を更に改善するためにリパーゼを含む。典型的な組み合わせは、例えば、プロテアーゼ及びリパーゼをアミラーゼとともに含んでもよい酵素反応混液である。洗剤組成物中に存在する場合、上述した酵素類は、組成物の約0.00001重量%〜約2重量%、約0.0001重量%〜約1重量%、又は更に約0.001重量%〜約0.5重量%の濃度の酵素タンパク質で存在してもよい。
【0106】
酵素安定剤−種々の技法によって、洗剤に使用する酵素を安定化させることができる。本明細書で採用される酵素は、カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンを酵素に供給する、最終組成物中のカルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源の存在によって安定化させることができる。プロテアーゼを含む水性組成物の場合、更に安定性を改善するために、可逆性蛋白質分解酵素抑制剤(例えば、ホウ素化合物)を添加することができる。
【0107】
触媒金属錯体−本発明の組成物は、好ましくは、触媒金属錯体を含まない。しかし、存在する場合、金属含有漂白触媒の1つの種類は、限定された漂白触媒活性の遷移金属カチオン(例えば、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン又はマンガンのカチオン)、漂白触媒活性をほとんど又は全く有さない補助金属カチオン(例えば、亜鉛又はアルミニウムのカチオン)並びに触媒金属及び補助金属のカチオンに対して限定された安定度定数を有する金属イオン封鎖剤、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びこれらの水溶性の塩を含む触媒系である。このような触媒は、米国特許第4,430,243号に開示されている。
【0108】
所望であれば、本明細書の組成物は、マンガン化合物を用いて触媒され得る。このような化合物及び使用濃度は当該技術分野において周知であり、例えば、米国特許第5,576,282号に開示されるマンガン系触媒が挙げられる。
【0109】
本明細書で有用なコバルト漂白触媒は既知であり、例えば、米国特許第5,597,936号、同第5,595,967号に記載されている。このようなコバルト触媒は、例えば米国特許第5,597,936号及び同第5,595,967号に教示されているような、既知の手順によって容易に調製される。
【0110】
本明細書の組成物はまた、配位子の遷移金属錯体(例えば、ビスピドン(bispidone)(国際公開特許第05/042532A1号)及び/又は大多環状剛性配位子(「MRL」と略される)を適切に含んでもよい。実際問題として、限定するためではないが、本明細書の組成物及び工程は、水性洗浄媒体において、少なくとも1億分の1のオーダーの活性MRL種を提供するように調整することができ、典型的には、約0.005ppm〜約25ppm、約0.05ppm〜約10ppm、又は更に約0.1ppm〜約5ppmのMRLを洗浄溶液中に提供する。
【0111】
本遷移金属漂白触媒における適切な遷移金属としては、例えばマンガン、鉄、及びクロムが挙げられる。好適なMRLとしては、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンが挙げられる。
【0112】
適した遷移金属MRLは、既知の手順(例えば、国際公開特許第00/32601号、及び米国特許第6,225,464号にて教示される)によって容易に調製される。
【0113】
溶剤−好適な溶媒としては、水及び他の溶剤(例えば、親油性流体)が挙げられる。好適な親油性流体の例としては、シロキサン、他のシリコーン、炭化水素、グリコールエーテル、グリセリンエーテルのようなグリセリン誘導体、ペルフルオロ化アミン、ペルフルオロ化及びハイドロフルオロエーテル溶媒、低揮発性の非フッ素化有機溶媒、ジオール溶媒、環境に優しいその他の溶媒、並びにこれらの混合物が挙げられる。組成物は、最大20%、特に最大5%の水を含んでもよい。
【0114】
柔軟化システム−本発明の組成物は、所望により洗浄中に柔軟化するために、柔軟化剤を、並びに、所望により凝集剤及び酵素をまた含んでもよい。
【0115】
布地柔軟性増強成分−通常は、組成物は更に、帯電ポリマー布地柔軟性増強成分を含む。組成物が粘土及びシリコーン粒子を含む場合、粘土及びシリコーン粒子を得るために、帯電ポリマー布地柔軟性増強成分が、プロセスの工程(ii)において粘土及びシリコーンに接触させられることが好ましい(上記参照)。帯電ポリマー布地柔軟性増強成分を粘土及びシリコーンと十分に混合すると、得られた組成物の布地柔軟化効果が更に改善する。
【0116】
着色剤−本発明の組成物は、着色剤、好ましくは染料又は色素を含んでもよい。特に、好ましい染料は、洗濯洗浄サイクル中に酸化によって破壊されるようなものである。染料が貯蔵中に分解しないことを確実にするために、染料は40℃までの温度で安定であることが好ましい。組成物中での染料の安定性は、組成物の水分含有量を確実にできるだけ低くすることによって向上させることができる。可能ならば、染料又は色素は、織物繊維に結合したり織物繊維と反応したりするべきではない。着色剤が織物繊維と反応してしまう場合、織物に付与される色は、洗濯液中に存在する酸化剤との反応によって消失されるべきである。これは、特に数回の洗浄を通した織物の着色を回避するためである。特に、好ましい染料としては、BASFからのベイスアシッド(Basacid)(登録商標)グリーン970及びアルビオン(Albion)からのモナストラール(Monastral)ブルーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0117】
洗濯洗剤組成物
組成物は洗濯洗剤組成物、例えばカラーケア組成物及び/又は布地ケア組成物であることが好ましい。
【0118】
洗濯洗剤組成物は、例えば微粒子形態であり、組成物が任意の液体又は固体形態であったとしても、好ましくは自由流動性微粒子形態である。固形組成物は、凝集体、粒塊、フレーク、押出品、棒、錠剤又はこれらの任意の組み合わせの形態であることができる。固形組成物は、乾式混合(dry-mixing)、凝集、圧縮、噴霧乾燥、パン型造粒機による造粒(pan-granulation)、球形化又はこれらの任意の組み合わせ等の方法によって製造されることができる。固形組成物は、好ましくは300g/L〜1,500g/L、好ましくは500g/L〜1,000g/Lのバルク密度を有する。
【0119】
組成物は更に液体、ゲル、ペースト、分散体、好ましくはコロイド状分散体又はこれらのいかなる組み合わせの形態でもあり得る。液状組成物は典型的には、剪断速度20s−1及び周囲条件(20℃で0.1MPa(1気圧))で測定して、500cps〜3,000cpsの粘度を有し、典型的には800g/L〜1300g/Lの密度を有する。組成物が分散体の形態であれば、典型的には1マイクロメートル〜5,000マイクロメートル、好ましくは1マイクロメートル〜50マイクロメートルの体積平均粒径を有する。分散体を形成する粒子は、通常、粘土であり、更にシリコーンが存在する場合にはシリコーンである。典型的には、コールター・マルチサイザー(Coulter Multisizer)を使用して分散体の体積平均粒径を測定する。
【0120】
組成物は、錠剤の他に、該組成物が少なくとも部分的に封入され、好ましくは例えばポリビニルアルコール製フィルムで完全に封入された1回用量の小袋を含む、1回用量の形態であってもよい。
【0121】
カラーケア組成物は更に、洗濯プロセス中に布地の洗浄と柔軟化の両方を行うことができてもよい。典型的には、組成物は自動洗濯機で使用するように配合されるが、手による洗浄用にも配合されることができる。
【0122】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、そのような各寸法は、列挙された値及びその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図されている。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図される。
【0123】
以下の実施例は、実例としてのみ提供されるのであって、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0124】
例示された組成物中において、構成成分濃度は重量パーセントであり、成分識別の略号は以下の意味である。
C45AE7S=アルキルアルコール1モル当たり、平均7モルのエチレンオキシドと縮合させた平均C14〜C15線状アルコールエトキシレート
DHLAC=ジメチルヒドロキシエチルラウリル塩化アンモニウム;
LAS=線状アルキルベンゼンスルホネート;
DTPA=ジエチレントリアミンペンタアセタート
p(AA/MA)=アクリル酸/マレイン酸コポリマー
PDMS=ポリジメチルシロキサン
p(エチレンオキシド)=高分子量ポリ(エチレンオキシド)
PVNO=ポリ(4−ビニルピリジンN−オキシド)
PVPVI=ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)−ポリ(N−ビニル−イミダゾール)
【表2】

粘土/シリコーン粒子は、欧州特許第1 561 806号の実施例2に開示されるプロセスに従って得られる。
【0125】
実施例の組成物は、以下のように処方される。LAS、DHLAC、リン酸塩ビルダー、緩衝剤、キレート剤、及び凝集補助剤をクラッチャー内で混合して、吹き飛ばされた粉末を得る。その後、この吹き飛ばされた粉末をその他のビルダー類(クエン酸、シリケート、ゼオライト)、酵素、ポリマー、泡抑制、粘土/シリコーン粒子、高分子移染防止剤、及び充填剤と混合する。最後に、C45AE7を粒子上に噴霧する。
【0126】
着色された布地を40℃、硬水(0.26g/L(15gpg)超)中、上記実施例の組成物の1種と共に洗浄する。次に、布地を専門家パネルによって目視で比較する。
【0127】
1サイクル及び5サイクル後に、実施例3の組成物で洗浄した着色された布地は、比較実施例1及び2の組成物で洗浄した布地よりも色がより鮮やかである。
【0128】
実施例1〜3の組成物のいずれかを用いて洗浄した白い布地は、同様の白色度を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移染防止剤、シリコーン及び粘土を含む、カラーケア組成物。
【請求項2】
粘土及びシリコーンを含む粒子を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも1%重量のシリコーンを含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
少なくとも2%重量の粘土を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
少なくとも0.1%重量の移染防止剤を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記移染防止剤が、窒素及び酸素原子を含有する水溶性ポリマーからなる群から選択され、特に
(A)少なくとも1個のN−C(=O)−基を含有する1以上のモノマー単位を含むポリマーであって、式中、窒素が更に1個又は2個のその他の原子のいずれかに結合しているもの;
(B)少なくとも1個のN−オキシド基を含有する1以上のモノマー単位を含むポリマー;
(C)(A)のN−C(=O)−基の少なくとも1個を含有する1個以上のモノマー単位であって、式中、窒素が更に1個又は2個のその他の原子のいずれかに結合しているもの、及び(B)のN−オキシド基を含有する1個以上のモノマー単位の両方を含むポリマー;
(D)これらの混合物;
からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
最大5重量%のアルミノシリケート(類)及び/又はリン酸塩ビルダー(類)を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
シリコーン対移染防止剤の重量比が1:1〜10:1である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
布地の色の鮮やかさを向上させるための組成物、特に請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物を調製するための移染防止剤の使用。
【請求項10】
−請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物を水中に導入して、布地処理溶液を形成する工程;
−布地を前記布地処理溶液と接触させる工程;
を含む、布地の色の鮮やかさを向上させる方法。

【公表番号】特表2011−509331(P2011−509331A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541880(P2010−541880)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【国際出願番号】PCT/IB2009/050136
【国際公開番号】WO2009/093152
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】