説明

カラーフィルタの直接描画システム及び直接描画方法

写真感光性を与えられた面にわたってレーザビームを走査することを含む、感光性を与えられた面上のストライプパターンのレーザ直接描画システム及びレーザ直接描画方法。ストライプパターンは、パルスレーザを使用し、且つ、ストライプの領域を追加して露光するようにパルスの送出を同期させることによって露光される。或いは、レーザは、回転されるパネルにわたって走査され、平行移動速度、走査速度、及び回転角度が、各ストライプを連続して露光し、且つ、ストライプ間の領域の露光を回避するように調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2003年9月22日に出願された米国仮特許出願第60/503,887号の利益を主張するものであり、この米国仮特許出願の記載内容全体を参照目的で本願明細書中に盛り込まれているものとする。
【0002】
本発明は、感光面にパターンを直接描画するためのシステム及び方法に関し、より詳細には、フラットパネルディスプレイの基板上にカラーフィルタパターンを直接描画することに関する。
【背景技術】
【0003】
TFT(薄膜トランジスタ)ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイは、通常、カラーフィルタを使用してカラー画像を表示する。カラーフィルタは、通常、3原色のそれぞれ1つを含む。3原色は、通常、赤、緑、及び青である。カラーフィルタは、通常はストライプパターンである一定のパターンで配置される。各カラーフィルタは、パネル上のすべてではなく一部のピクセルに重なる。カラー画像は、カラーフィルタの属性である位置及び色に従って光を選択されたピクセルに通すことによって、ディスプレイ上に形成される。
【0004】
従来、フラットパネルディスプレイ上にカラーフィルタを形成するのに、フォトリソグラフィープロセスが使用されていた。適切に着色された感光フィルタ材が、通常はストライプパターンである所望のフィルタパターンで選択的に露光されて現像される。フィルタ材の露光されない部分は除去され、それによって、所望の位置にのみカラーフィルタが残される。感光フィルタ材のどの部分が露光されるかを画定するのにマスクが使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、フラットパネルディスプレイ上にカラーフィルタを形成するための改良されたシステム及び方法を提供しようとするものである。
【0006】
本発明は、さらに、感光材を選択可能に露光するレーザ直接描画システム及びレーザ直接描画方法、詳細にはデジタルシステム及びデジタル方法を利用して、ストリップパターンを形成しようとするものである。ストリップパターンには、フラットパネルディスプレイ上のカラーフィルタが含まれるが、これに限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の包括的な一態様によれば、レーザ直接描画システムは、感光材のストライプの部分を露光するレーザのエネルギー利用を最適化するように適切に設定される。最適化は、パルスレーザを使用する場合に、露光されるストリップの位置にパルスを送出するタイミングを調整することによって達成される。レーザ電力を最適化するための別の方法は、走査中の搬送を考慮して、走査されるパネルの走査装置に対する向きを合わせ、レーザをオン及びオフに変調することなく各ストリップを連続して走査できるようにすることである。ストライプの向き、走査速度、及び露光されるパネルと走査装置との間の相互の相対搬送速度は、第1のストライプの走査の完了時に、レーザビームが戻されて、露光される次のストリップを走査するように調整される。露光されない中間部分は、自動的にスキップされる。
【0008】
本発明の別の包括的な態様によれば、レーザ直接描画システムは、走査方向にビームを走査する走査装置と、交差走査方向に走査ビームを偏向する偏向器とを含む。交差走査方向における偏向は、露光されるパネルの搬送と調整されて、交差走査方向における搬送を補償する。適切な偏向器には、音響光学偏向器が含まれる。この音響光学偏向器では、レーザビームは、変調器の音波の周波数の関数として偏向される。
【0009】
したがって、本発明の一実施の形態により、感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム及び方法が提供され、当該システム及び方法は、レーザビームを出力するレーザビーム光源と、パネルを支持する支持面であって、パネルは、パネル上に形成されるパターン要素の配列を備え、パネルは、さらに、パターンに重なる感光材を含む、支持面と、感光性を与えられた面にわたる走査経路に沿った複数の通過でレーザビームを走査して感光材の部分を露光する走査装置と、パネル及び走査装置が互いに対して一定の位置にある場合に、パネル上のパターン要素の並びが走査経路と交差するように、パネルと走査装置との間の相互の角度方向を提供する回転装置と、を備える。
【0010】
さまざまな実施の形態は、以下の追加された特徴及び代替的な特徴の1つ又は2つ以上を含む。
【0011】
搬送装置は交差走査方向において、走査装置とパネルとの間の相互の相対平行移動を提供するように動作し、交差走査方向は走査経路と交差する。
【0012】
交差走査方向は、走査経路に対して横方向である。
【0013】
パネル回転装置は、パターン要素の並びが、相互の相対平行移動の間、有効な走査経路と平行になるように、パネルを位置合わせする。
【0014】
パネル回転装置は、レーザビームの各通過の期間中、レーザビームが、パターン要素の単一の並びのパターン要素に重なる、感光性を与えられた面の部分を露光するように、パネルを回転させる。
【0015】
相互の相対平行移動の速度は、レーザビームの各通過において、パターン要素の後続の並びのパターン要素に重なる、感光性を与えられた面の部分が露光されるように、走査の速度と調整される。
【0016】
レーザビーム光源は、多数の時間的に分離されたレーザパルスによって規定されるパルスレーザビームを出力し、各パルスは、感光性を与えられた面の重なる部分を露光する。或いは、レーザビームは連続波レーザビームである。
【0017】
回転装置は、パネルを走査装置に対して回転させる。或いは、走査装置は、パネルを支持する支持構造体に対して回転される。
【0018】
したがって、本発明の別の実施の形態によれば、感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステムが提供され、当該システムは、一連の時間的に分離されたレーザパルスによって規定されるレーザビームを出力するレーザビーム光源と、感光性を与えられた面にわたって走査方向にレーザビームを走査する走査装置と、を備え、走査すること及び一連のレーザパルスは、描画されるパターンの走査方向における不連続な位置に各レーザパルスを送出するように同期される。
【0019】
さまざまな実施の形態は、以下の追加された特徴及び代替的な特徴の1つ又は2つ以上を含む。
【0020】
レーザビーム光源は、Qスイッチパルスレーザである。
【0021】
走査装置は、回転ポリゴンである。
【0022】
搬送装置は、走査装置と感光性を与えられた面との間の相互の相対平行移動を提供する。
【0023】
システムコントローラは、レーザビームを規定するパルスのパルスレート、相互の相対平行移動の速度、及び走査の速度の少なくとも1つを制御する。
【0024】
走査装置は、露光される第1の並びへ第1の走査におけるパルスを送出し、露光される第1の並びに連続した、露光される第2の並びへ第2の走査におけるパルスを送出するように動作する。
【0025】
走査装置は、領域を追加して露光するように各パルスを送出して、ストライプを形成する。
【0026】
描画されるパターンは、フラットパネルディスプレイ上のカラーフィルタのストライプのパターンを含む。
【0027】
したがって、本発明のさらに別の実施の形態によれば、感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム及び方法が提供され、当該システム及び方法は、レーザビームを出力するレーザビーム光源と、感光性を与えられた面にわたって走査方向にレーザビームを走査する走査装置と、走査方向に対して横方向の交差走査方向において、走査装置と感光性を与えられた面との間の相互の相対平行移動を提供する搬送装置と、レーザビームが走査方向に走査されるにつれて、相互の相対平行移動と同期して、交差走査方向にレーザビームを偏向するレーザビーム偏向器と、を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明は、図面及び以下の詳細な説明から、より十分に理解され認識されるであろう。
【0029】
図1を参照する。図1は、本発明の一実施の形態による、感光材にストリップパターンを露光するためのシステム10の一部簡略化された描画部分ブロック図である。本明細書で説明するシステム及び方法は、フラットパネルディスプレイの一部であるカラーフィルタのストリップを製造するのに特に適している。ただし、適切な感光材におけるストリップパターンの露光も考慮される。
【0030】
簡潔に言えば、フラットパネルディスプレイは、ピクセルの配列を含む。カラーフィルタは、それらのピクセルのそれぞれに関連付けられる。光をそれらのピクセルから選択的に出力することによって、画像がパネルに表示される。各ピクセルは、その位置及び色に従って選択される。
【0031】
通常、カラーフィルタは、ストリップ状に配置され、各カラーフィルタのストリップは、ディスプレイパネル12上のピクセルの行(又は列)に重なる。フィルタは、着色された感光材を適切に露光することによって製造される。
【0032】
この発明の一実施の形態によれば、感光材を露光するのに、レーザ直接描画技術が使用される。この発明は、たとえば、走査型レーザ直接描画機器を適切に適合させることによって実施することができる。この走査型レーザ直接描画機器は、イスラエルのヤッファ(Yavne)のオーボテック(Orbotech)社から市販されているDP(商標)シリーズのレーザ直接描画システム等である。
【0033】
図1に見られるように、この発明の一実施の形態によれば、システム10は、パルスレーザビーム22を出力するパルスレーザ20を含む。パルスレーザビーム22は、連続ビームではなく、時間的に分離された一連のレーザパルス24によって規定される。パルスレーザビームを提供するための適切なレーザは、たとえば、Qスイッチダイオード励起固体レーザを含む。このQスイッチダイオード励起固体レーザは、米国カリフォルニア州のコーヒーレント(Coherent)社及びスペクトラ(Spectra)社を含むいくつかのレーザ製造業者のいずれからも市販されている。
【0034】
レーザパルス24は、適切な前置走査光学装置26を通って、複数の反射面30を有する回転ポリゴン等の走査装置28に当たるように方向付けられる。前置走査光学装置26は、通常、複数のレンズ(図示せず)を含む。これらのレンズは、レーザビーム22を適切に成形して、その結果、各レーザパルス24が、パネル12上において所望のサイズ及び形状を有するスポットを露光するように選択される。走査装置は、各レーザパルスをパネル12上の異なる位置へ送出することに留意されたい。レーザパルス24の各経路は破線によって示されている。
【0035】
走査装置28のポリゴンが、矢印32の方向(走査方向)に回転するにつれて、ビーム22は、ポリゴンの反射面30の1つに当たる。このポリゴンの反射面30の1つは、ビームを走査光学装置34に通す。通常、走査光学装置34は、f−θ走査レンズ及び他の光学素子(図示せず)を含む。ポリゴンが回転するにつれて、ビーム22は、矢印36によって示された走査方向の走査経路に沿って走査される。
【0036】
露光されるパターンに対応するパターンデータ40が、システムコントローラ42に供給される。システムコントローラ42は、走査装置28のポリゴンの回転速度、パネル12の走査装置28に対する相互の平行移動、及びレーザパルス24の生成を管理するクロックの1つ又は2つ以上を制御する。図1は、平行移動装置(translator)が矢印46の方向(交差走査方向)にパネル12を移動させる一方、走査装置28が静止していることを示しているが、実際のシステム設計は、パネル12が静止している一方、走査装置28が移動されるようにすることもできる。
【0037】
図1では、パルス発生器50によって出力されるタイミング信号48が示されている。これらのタイミング信号は、レーザビーム22のレーザパルス24に対応する。この発明の一実施の形態によれば、レーザパルス24は、走査装置28のポリゴンの回転と同期され、その結果、各レーザパルス24は、パネル12上の感光材の別の部分を露光し、それによって、露光領域60が形成される。レーザパルス24間の時間的分離が走査装置28の連続回転と組み合わされることによって、露光領域60のそれぞれは、他の露光領域60と相互に不連続になる。パルスビームに本来備わっているオン−オフ変調、すなわち、ビームが「オフ」である時のパルス間の時間が、或る露光領域60から次の露光領域へビーム22を移動させるのに利用される。
【0038】
走査経路が完了する、すなわち、レーザビーム22が、走査されるスワスの終端に到達すると、走査装置28のポリゴンの次の反射面が所定の位置に回転されて、レーザビーム22が走査経路の始点へ瞬時に戻される。走査されるスワスは、パネル12の全幅とすることができるが、全幅である必要はない。レーザビーム22は、走査経路に沿って再度走査される。たとえば、パネル搬送装置44によって提供される、パネル12と走査装置28との間の相互の相対平行移動のために、前の走査位置に隣接した、パネル12上の新たな位置が次に走査される。したがって、各走査経路は、前の走査経路と連続し、それによって、各露光領域60に一部分が追加生成され、露光領域は交差走査方向のストリップとして伸びることに留意されたい。
【0039】
次に図2を参照する。図2は、本発明の別の実施の形態による、感光材にストリップパターンを露光するためのシステム110の一部簡略化された描画部分ブロック図である。感光材は、フラットパネルディスプレイ等のパネル112上にカラーフィルタを製造するのに適した、染色されたフィルタ材を含む。この染色されたフィルタ材は、通常、パネル112上にすでに形成されたピクセルパターン113上に敷設される。システム110及びシステム10は、共に、不連続なストリップのパターンを露光するためのレーザ直接描画装置を最適に利用するように構成されるが、システム10が各ストリップの領域を追加しながら露光する一方、システム110は各ストリップを連続的に露光する。
【0040】
図2に見られるように、システム110は、レーザビーム122を出力するレーザ120を含む。レーザビーム122は、連続波レーザビームとすることもできるし、パルスレーザビームとすることもできる。パルスレーザビームは、たとえば、米国カリフォルニア州のコヒーレント社及びスペクトル社を含むいくつかのレーザ製造業者のいずれからも市販されているようなQスイッチダイオード励起固体レーザによって提供される。この発明の一実施の形態によれば、パルスレーザが使用される場合、後述するように、システム設計(スポットサイズ、走査速度、及び相互の平行移動速度)は、連続したストリップの露光を確保するために、パルスのそれぞれによって露光されるスポットが少なくとも1つの他のスポットに相互に重なるようにされる必要がある。
【0041】
レーザビーム122は、適切な事前走査光学装置126を通って、複数の反射面130を有する回転ポリゴン等の走査装置128に当たるように方向付けられる。前置走査光学装置126は、通常、複数のレンズ(図示せず)を含む。これらのレンズは、レーザビーム122を適切に成形して、パネル112上に連続したストリップを露光するように選択される。
【0042】
走査装置128のポリゴンが、矢印32の方向(走査方向)に回転するにつれて、ビーム122は、ポリゴンの反射面130の1つに当たる。このポリゴンの反射面130の1つは、ビームを走査光学装置134に通す。通常、走査光学装置134は、f−θ走査レンズ及び他の光学素子(図示せず)を含む。ポリゴンが回転するにつれて、ビーム122は、矢印136によって示された名目的な走査方向の走査経路に沿って走査される。
【0043】
走査中、パネル112及び走査装置128は、たとえば搬送装置144によって、矢印146により示された交差走査方向に相互に相対的に平行移動される。走査中の相互の相対平行移動のために、実際の走査方向は、矢印148によって示されるように、わずかに斜めになることに留意されたい。
【0044】
回転装置150が、走査中にパネル112と走査装置128との間の相互の角度オフセットを確立することが本実施の形態の一特徴である。したがって、パネル112及び走査装置128の相互の相対平行移動がない場合には、パターン113のパターン要素の並びは、名目的な走査方向136に対応する軸と交差する。パネル112と走査装置128との間の相互の相対平行移動を導入すると、実際の走査方向は、パターン要素113の並びの向きと一致し、それによって、領域160の連続した露光が容易になる。
【0045】
図2では、露光されるパターンに対応するパターンデータ140が、システムコントローラ142に供給されることが分かる。システムコントローラ142は、走査装置128のポリゴンの回転速度、パネル112の走査装置128に対する相互の平行移動、及びパネル112の走査装置128に対する回転の向きの1つ又は2つ以上を制御する。
【0046】
図2は、平行移動装置144が矢印146の方向(交差走査方向)にパネル112を移動させる一方、走査装置128が静止していることを示しているが、実際のシステム設計は、パネル112が静止している一方、走査装置128が移動されるようにすることもできる。たとえば、パネル112がエアクッションで支持されると同時に、平行移動装置は、パネル112を直接移動させるように動作することができる。又は、平行移動装置は、パネル112を支持する支持台を移動させるように動作することもできる。
【0047】
さらに、図2は、パネル112を回転させるように動作する回転装置150を概略的に示しているが、この発明の一実施の形態によれば、回転装置150は、パネル112又はパネル112を支持する支持台(図示せず)を直接動作させることもできるし、パネル112が静止して保持されている間に、走査装置128をパネル112に対して回転させることもできることに留意されたい。回転装置は、パネルがシステム128にすでに配置されている場合には直ちに動作することもできるし、たとえば、ピックアンドプレース型のローダの一部としてパネルをシステム110に配置する前にパネル112を回転させることもできる。
【0048】
走査経路が完了する、すなわち、レーザビーム122が、走査されるスワスの終端に到達すると、走査装置128のポリゴンの次の反射面が所定の位置に回転されて、レーザビーム122が走査経路の始点へ瞬時に戻されるようにシステム110は構成されている。システムコントローラ142は、各走査経路が露光されるストライプ領域160に対応し、且つ、ストライプの間の領域をスキップするように、パネル112及び走査装置128の適切な相対角度方向を、平行移動速度及び走査速度と共に求める。
【0049】
次に図3を参照する。図3は、本発明の別の実施の形態による、感光材にストリップパターンを露光するためのシステム210の一部簡略化された描画部分ブロック図である。感光材は、フラットパネルディスプレイ等のパネル112上にカラーフィルタを製造するのに適した、染色されたフィルタ材を含む。この染色されたフィルタ材は、パネル112上にすでに形成されたピクセルパターン113上に敷設される。
【0050】
図3に見られる実施の形態では、システム210は、追加されたオプションの交差走査偏向器370を含むことを除いて、すべての点でシステム110と同一である。この交差走査偏向器370は、システム制御142と通信して、ビーム122を交差走査方向に偏向させるように動作する。したがって、この発明の一実施の形態によれば、システム制御142は、さらに、ビーム122の偏向角を制御して、パネル112と走査装置128との間の相互の相対平行移動を補償する。偏向器370によって提供される補償は、図2について上述したようなパネル112と走査装置128との間の相互の相対回転を確立することに加えて行うこともできるし、それに代えて行うこともできる。
【0051】
偏向器370は、オプションとして、音波を使用してレーザビーム122を偏向させる音響光学偏向器である。偏向量は、当該技術分野で知られているように、偏向器370の音波の周波数を変更することによって制御される。
【0052】
本発明は、以上詳細に図示して説明した内容に限定されるものでないことは当業者にとって理解されよう。逆に、本発明は、上記説明を読むと当業者には思いつき、且つ、従来技術にはない本発明の変更及び変形を含む。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施の形態による、感光材にストリップパターンを露光するためのシステムの一部簡略化された描画部分ブロック図である。
【図2】本発明の別の実施の形態による、感光材にストリップパターンを露光するためのシステムの一部簡略化された描画部分ブロック図である。
【図3】本発明のさらに別の実施の形態による、感光材にストリップパターンを露光するためのシステムの一部簡略化された描画部分ブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステムであって、
レーザビームを出力するレーザビーム光源と、
パターン要素配列と、パターン上に重なる感光材とを含むパネルを支持するための支持面と、
前記感光性を与えられた面にわたる走査経路に沿った複数の通過で前記レーザビームを走査して前記感光材の一部を露光する走査装置と、
前記パネル及び前記走査装置が互いに対して一定の位置にある場合に、前記パネル上のパターン要素の並びが前記走査経路と交差するように、前記パネルと前記走査装置との間の相互の角度方向を提供して回転する回転装置と、
を備えることを特徴とする感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項2】
交差走査方向において、前記走査装置と前記パネルとの間の相互の相対平行移動を提供するように動作する搬送装置をさらに備え、前記交差走査方向は前記走査経路と交差することを特徴とする請求項1に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項3】
前記交差走査方向は、前記走査経路に対して横方向であることを特徴とする請求項2に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項4】
前記パネル回転装置は、パターン要素の並びが、前記相互の相対平行移動の間、前記走査経路と平行になるように、前記パネルを位置合わせするよう動作することを特徴とする請求項2に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項5】
前記パネル回転装置は、前記レーザビームの各通過の期間中、前記レーザビームが、パターン要素の単一の並びの前記パターン要素に重なる、前記感光性を与えられた面の一部を露光するように、前記パネルを回転させることを特徴とする請求項1に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項6】
前記走査装置と前記パネルとの間の相互の相対平行移動を提供するように動作する搬送装置、をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項7】
前記相互の相対平行移動の速度は、前記レーザビームの各通過において、パターン要素の後続の並びの前記パターン要素に重なる、前記感光性を与えられた面の一部が露光されるように、走査の速度と調整されることを特徴とする請求項6に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項8】
前記パターン要素の後続の並びは、パターン要素の少なくとも1つの中間の並びの分だけ、前のパターン要素の並びから離されることを特徴とする請求項7に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項9】
前記レーザビーム光源は、多数の時間的に分離されたレーザパルスによって規定されるパルスレーザビームを出力することを特徴とする請求項1に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項10】
各パルスは、前記感光性を与えられた面の一部を露光することを特徴とする請求項9に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項11】
前記感光性を与えられた面の少なくとも2つの部分は相互に重なることを特徴とする請求項10に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項12】
前記レーザビーム光源は、連続波レーザビームを出力することを特徴とする請求項1に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項13】
前記回転装置は、前記走査装置に対して前記パネルを回転させるように動作することを特徴とする請求項1に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項14】
前記回転装置は、前記パネルを支持する支持構造体に対して前記走査装置を回転させるように動作することを特徴とする請求項1に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項15】
感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法であって、
レーザビームを出力し、
パターン要素配列と、パターン上に重なる感光材とを含むパネルを支持し、
前記感光性を与えられた面にわたる走査経路に沿った複数の通過で前記レーザビームを走査し、それによって、前記感光材の部分を露光走査し、及び
前記パネル及び前記走査装置が互いに対して一定の位置にある場合に、前記パネル上のパターン要素の並びが前記走査経路と交差するように、前記パネルと前記走査装置との間の相互の角度方向を提供する各ステップを含むことを特徴とする感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法。
【請求項16】
交差走査方向における前記走査装置と前記パネルとの間の相互の相対平行移動を提供するステップをさらに含み、前記交差走査方向は前記走査経路と交差することを特徴とする請求項15に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法。
【請求項17】
前記交差走査方向は、前記走査経路に対して横方向であることを特徴とする請求項16に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法。
【請求項18】
前記相互の角度方向を提供するステップは、パターン要素の並びが、前記相互の相対平行移動の間、実際の走査経路と平行になるように前記パネルを位置合わせすることを含むことを特徴とする請求項16に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法。
【請求項19】
相互の角度方向を提供するステップは、前記レーザビームの各通過の期間中、前記レーザビームが、パターン要素の単一の並びの前記パターン要素に重なる前記感光性を与えられた面の一部を露光するように、前記パネルを位置合わせするステップを含むことを特徴とする請求項15に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法。
【請求項20】
前記走査装置と前記パネルとの間の相互の相対平行移動を提供するステップをさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法。
【請求項21】
前記レーザビームの各通過において、パターン要素の後続の並びの前記パターン要素に重なる、前記感光性を与えられた面の一部が露光されるように、前記相互の相対平行移動の速度及び走査の速度を調整するステップをさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法。
【請求項22】
前記パターン要素の後続の並びは、パターン要素の少なくとも1つの中間の並びの分だけ、前のパターン要素の並びから離されることを特徴とする請求項21に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法。
【請求項23】
パルスレーザビームを出力するステップでは、パルスレーザビームを出力することを特徴とする請求項15に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法。
【請求項24】
各パルスは、前記感光性を与えられた面の一部を露光することを特徴とする請求項23に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法。
【請求項25】
前記感光性を与えられた面の少なくとも2つの部分は相互に重なることを特徴とする請求項24に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法。
【請求項26】
レーザビームを出力するステップでは、連続波レーザビームを出力することを特徴とする請求項15に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法。
【請求項27】
前記回転装置は、前記走査装置に対して前記パネルを回転させるように動作することを特徴とする請求項15に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法。
【請求項28】
前記回転装置は、前記パネルを支持する支持構造体に対して前記走査装置を回転させるように動作することを特徴とする請求項15に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法。
【請求項29】
感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステムであって、
一連の時間的に分離されたレーザパルスによって規定されるレーザビームを出力するレーザビーム光源と、
前記感光性を与えられた面にわたって走査方向に前記レーザビームを走査する走査装置と、
を備え、
前記走査すること及び前記一連のレーザパルスは、描画されるパターンの前記走査方向における不連続な位置に各レーザパルスを送出するように同期されることを特徴とする感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項30】
前記レーザビーム光源は、Qスイッチパルスレーザを備えることを特徴とする請求項29に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項31】
前記走査装置は、回転ポリゴンを備えることを特徴とする請求項29に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項32】
前記走査装置と前記感光性を与えられた面との間の相互の相対平行移動を提供する搬送装置をさらに備えることを特徴とする請求項29に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項33】
前記レーザビームを規定するパルスのパルスレート、前記相互の相対平行移動の速度、及び走査の速度の少なくとも1つを制御するシステムコントローラ、をさらに備えることを特徴とする請求項32に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項34】
前記走査装置は、露光される第1の並びへ第1の走査におけるパルスを送出し、前記露光される第1の並びに連続した、露光される第2の並びへ第2の走査におけるパルスを送出するように動作することを特徴とする請求項32に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項35】
前記走査装置は、領域を追加して露光するように各パルスを送出して、ストライプを形成することを特徴とする請求項34に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項36】
前記描画されるパターンは、フラットパネルディスプレイ上のカラーフィルタのストライプのパターンを含むことを特徴とする請求項29に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項37】
感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法であって、
一連の時間的に分離されたレーザパルスによって規定されるレーザビームを出力し、
前記感光性を与えられた面にわたって走査方向に前記レーザビームを走査し、及び
前記走査し、前記一連のレーザパルスを同期するステップによって描画されるパターンの前記走査方向における不連続な位置に各レーザパルスを送出し、同期させることを特徴とする感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法。
【請求項38】
前記レーザビームを出力するステップでは、Qスイッチパルスレーザからレーザビームを出力することを特徴とする請求項37に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項39】
前記走査するステップでは、回転ポリゴンから前記レーザを反射することを特徴とする請求項37に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法。
【請求項40】
走査装置と前記感光性を与えられた面との間の相互の相対平行移動を提供するステップをさらに含むことを特徴とする請求項37に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法。
【請求項41】
前記レーザビームを規定するパルスのパルスレート、前記相互の相対平行移動の速度、及び走査の速度の少なくとも1つを制御するステップをさらに含むことを特徴とする請求項40に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法。
【請求項42】
前記走査するステップでは、露光される第1の並びへ第1の走査におけるパルスを送出し、前記露光される第1の並びに連続した露光される第2の並びへ第2の走査におけるパルスを送出することを特徴とする請求項40に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法。
【請求項43】
前記走査するステップでは、領域を追加して露光する各パルスを送出し、それによって、ストライプを形成する、送出するステップを含むことを特徴とする請求項42に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法。
【請求項44】
前記描画されるパターンは、フラットパネルディスプレイ上のカラーフィルタのストライプのパターンを含むことを特徴とする請求項37に記載の感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法。
【請求項45】
感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステムであって、
レーザビームを出力するレーザビーム光源と、
感光性を与えられた面にわたって走査方向に前記レーザビームを走査する走査装置と、
前記走査方向に対して横方向の交差走査方向において、前記走査装置と前記感光性を与えられた面との間の相互の相対平行移動を提供する搬送装置と、
前記レーザビームが前記走査方向に走査されるにつれて、前記相互の相対平行移動と同期して、前記交差走査方向に前記レーザビームを偏向するレーザビーム偏向器と、
を備えることを特徴とする感光性を与えられた面にパターンを描画するためのシステム。
【請求項46】
感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法であって、
レーザビームを出力し、
感光性を与えられた面にわたって走査方向に前記レーザビームを走査し、
前記走査方向に対して横方向の交差走査方向において、前記走査装置と前記感光性を与えられた面との間の相互の相対平行移動を提供し、
前記レーザビームが前記走査方向に走査されるにつれて、前記相互の相対平行移動と同期して、前記交差走査方向に前記レーザビームを偏向する各ステップを含むことを特徴とする感光性を与えられた面にパターンを描画するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−506136(P2007−506136A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526809(P2006−526809)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【国際出願番号】PCT/IL2004/000882
【国際公開番号】WO2005/029178
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(503457301)オーボテック リミテッド (12)
【Fターム(参考)】