説明

カラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物およびカラーフィルタ

【課題】本発明は、未露光箇所における現像残渣が少なく、露光箇所における残膜率が高いカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物を提供することを主目的としている。
【解決手段】上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも顔料、バインダー樹脂、多官能性モノマー、光重合開始剤、分散剤、および溶剤を有するカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物であって、上記バインダー樹脂が、アルキルシクロヘキシル基を有するアルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートと、酸基を有するモノマーとが少なくとも共重合されてなる主鎖構造を有する共重合体を含み、上記共重合体の水酸基価が15mgKOH/g〜200mgKOH/gの範囲内であることを特徴とするカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、未露光箇所における現像残渣が少なく、露光箇所における残膜率が高いカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に用いられるカラーフィルタは、一般的に、透明基板と、透明基板上に形成され、赤、緑、青の三原色の着色パターンからなる着色層と、各着色パターンを区画するように透明基板上に形成された遮光部とを有している。
このような着色層の形成方法としては、例えば、顔料や染料等の着色剤を含有する着色層用感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法が知られている。透明基板上にフォトリソグラフィー法により着色層を形成する場合、透明基板上に着色層用感光性樹脂組成物の残渣が付着することがあり、上記着色層用感光性樹脂組成物の残渣がカラーフィルタ表面に存在した場合には、透過率やコントラストの低下、表示不良などを引き起こすほか、パターンエッジ部に残存した場合には、ITO膜の剥離や、液晶セル化工程でのシール性劣化を起こすなど、後工程にまで影響を及ぼすような問題が生じるといった問題があった。
【0003】
また近年、カラーフィルタの色再現性向上のため、このようなフォトリソグラフィー法に用いられる着色層用感光性樹脂組成物は、そこに含まれる顔料の高濃度化が要求されおり、その顔料の高濃度化に伴い、感光性や溶解性などの着色層形成性に寄与する成分が相対的に減少することになる。その結果、現像後に着色層用感光性樹脂組成物が残存し易くなるといった問題(現像残渣の増加)や、上記着色層用感光性樹脂組成物が露光されてなる硬化物の硬化度が不十分となり、上記硬化物が現像時に溶出するといった問題(残膜率の低下)が生じている。
【0004】
このような問題を解決するために、特許文献1では、酸価および重量平均分子量が所定の範囲内であるメタクリル酸およびベンジルメタクリレートの共重合体を用い、現像時における未露光箇所の残渣を低減した着色感光性樹脂組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示されるような方法であっても、現像残渣の発生を十分に抑制することができないといった問題があった。また、露光後の硬化物の硬化度を十分に高いものとすることが難しく残膜率が低いものとなるといった問題があった。
【0005】
【特許文献1】特開2003−149810号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、未露光箇所における現像残渣が少なく、露光箇所における残膜率が高いカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物を提供することを主目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、少なくとも顔料、バインダー樹脂、多官能性モノマー、光重合開始剤、分散剤、および溶剤を有するカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物であって、上記バインダー樹脂が、アルキルシクロヘキシル基を有するアルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートと、酸基を有するモノマーとが少なくとも共重合されてなる主鎖構造を有する共重合体を含み、上記共重合体の水酸基価が15mgKOH/g〜200mgKOH/gの範囲内であることを特徴とするカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物(以下、単に着色感光性樹脂組成物とする場合がある。)を提供する。
【0008】
本発明によれば、上記バインダー樹脂に含まれる共重合体が、少なくともアルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートを含む構成単位が共重合されてなる主鎖構造を有するものであるため、未露光箇所での現像残渣を少ないものとすることができる。
また、上記共重合体の水酸基価が15mgKOH/g〜200mgKOH/gの範囲内であることにより、現像性および硬化性に優れたものとすることができ、露光箇所における残膜率の向上を図ることができる。また、このようなことから、本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてカラーフィルタの着色層を形成した場合には、現像性および硬化性に優れるため、顔料濃度を高くすることが可能となり、色再現性の高いものとすることができる。
【0009】
本発明においては、上記共重合体に含まれるアルキルシクロヘキシル基の含有量が、上記共重合体中に15質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましい。上記共重合体に含まれるアルキルシクロヘキシル基の含有量が、上述した範囲内であることにより、未露光箇所での現像残渣を少ないものとすることができるからである。
【0010】
本発明においては、上記アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートが、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、またはイソプロピルシクロヘキシル(メタ)アクリレートであることが好ましい。上記アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートが、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートおよびイソプロピルシクロヘキシル(メタ)アクリレートの少なくともひとつを含むものであることにより、未露光箇所での現像残渣をより少ないものとすることができるからである。
【0011】
本発明においては、上記共重合体が、少なくともアルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートと、酸基を有するモノマーとが共重合されてなる酸基含有共重合体に、エポキシ基を有する化合物が付加されてなるエポキシ化合物付加共重合体であっても良い。
また、上記共重合体が、アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートと、酸基を有するモノマーと、水酸基を有するモノマーとが共重合されてなる水酸基含有モノマー共重合体であっても良い。
このような共重合体であることにより、水酸基の含有量の調整が容易だからである。
【0012】
本発明においては、上記共重合体の酸価が、50mgKOH/g〜150mgKOH/gの範囲内であることが好ましい。上記共重合体の酸価が、上述した範囲内であることにより、アルカリ水溶液への溶解性に優れたものとすることができるため、現像に要する時間を短いものとすることができ、さらに現像形態を溶解型とすることができるからである。溶解型であることにより、剥離型の現像形態のときに生じやすい未溶解物の再付着による欠陥の発生を抑制することができるからである。
【0013】
本発明においては、上記共重合体の分子量が、5000〜20000の範囲内であることが好ましい。上記共重合体の分子量が、上述した範囲内であることにより、アルカリ水溶液への溶解性に優れたものとすることができるため、現像に要する時間を短いものとすることができ、さらに現像形態を溶解型とすることができるからである。
【0014】
本発明は、上記カラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物を用いて形成された着色層を有することを特徴とするカラーフィルタを提供する。
【0015】
本発明によれば、上記カラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物を用いて形成された着色層を有するものであるため、本発明のカラーフィルタを、未露光箇所における上記着色感光性樹脂組成物の現像残渣が少ないものとすることができる。また、上記カラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物は顔料濃度を高くすることができるため、このような着色感光性樹脂組成物を用いて形成された着色層を有することにより、色再現性の高いものとすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、未露光箇所における現像残渣が少なく、露光箇所における残膜率が高いカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物を提供するといった効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、カラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物およびそれを用いたカラーフィルタに関するものである。以下、本発明のカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物、およびカラーフィルタについて説明する。
【0018】
A.カラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物
まず、本発明のカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物について説明する。本発明のカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物は、少なくとも顔料、バインダー樹脂、多官能性モノマー、光重合開始剤、分散剤、および溶剤を有し、上記バインダー樹脂が、アルキルシクロヘキシル基を有するアルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートと、酸基を有するモノマーとが少なくとも共重合されてなる主鎖構造を有する共重合体を含み、上記共重合体の水酸基価が15mgKOH/g〜200mgKOH/gの範囲内であることを特徴とするものである。
【0019】
本発明によれば、上記バインダー樹脂に含まれる共重合体が、少なくともアルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートを含む構成単位が共重合されてなる主鎖構造を有するものであるため、未露光箇所における現像残渣を少ないものとすることができる。
また、上記共重合体の水酸基価が15mgKOH/g〜200mgKOH/gの範囲内であることにより、現像性および硬化性に優れたものとすることができる。このため、露光箇所における残膜率の向上を図ることができる。また、このようなことから、本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてカラーフィルタの着色層を形成した場合には、着色層の顔料濃度を高いものとすることができるため、カラーフィルタの色再現性を高いものとすることができる。
ここで、上記バインダー樹脂に含まれる共重合体が、上記アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートを構成単位として有すること、および、上記共重合体の水酸基価が上記範囲であることにより上述した効果を発揮する理由としては、以下のように推測される。
【0020】
すなわち、従来のバインダー樹脂は、疎水性が十分ではないため、上記バインダー樹脂を含む着色感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成した場合には、そのアルカリ現像処理においてアルカリ水溶液に比較的素早く溶解する。このため、上記着色感光性樹脂組成物に含まれる顔料等、アルカリ水溶液への溶解性が低い材料が、カラーフィルタ上に取り残され現像残渣となる。
【0021】
一方、上記バインダー樹脂に含まれる共重合体は、主鎖構造を構成する構成単位としてアルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートを含むものである。また、このようなアルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートは、シクロヘキシル基にアルキル基が付与された構造を有するため、疎水性が比較的強く、アルカリ水溶液への溶解性を抑制することができる。また、上記バインダー樹脂がこのような共重合体を含むものであるため、顔料等、アルカリ水溶液への溶解性が低い材料との親和性の高いものとすることができる。このため、アルカリ現像処理時において、上記バインダー樹脂が、上記着色感光性樹脂組成物に含まれる顔料等のアルカリ水溶液への溶解性が低い材料を伴って徐々にアルカリ水溶液中に溶解することができる。したがって、上記顔料等のアルカリ水溶液への溶解性が低い材料も除去され易いものとなる。その結果、本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてカラーフィルタの着色層を形成した場合に、未露光箇所における上記着色感光性樹脂組成物の現像残渣を少ないものとすることができるのである。
【0022】
また、上記共重合体が水酸基を含むことにより、現像液との親和性が向上し、現像時間を短くできると共に、光重合開始剤との親和性が向上し、露光箇所の硬化性を高める効果がある。このため、このような水酸基を、水酸基価が上述した範囲内となるように含むことにより、現像性および硬化性に優れたものとすることができる。
ここで、現像性に優れることにより、未露光箇所における上記着色感光性樹脂組成物は、現像液に容易に溶解されるものとなり、短時間で現像(除去)することが可能となる。
また、硬化性に優れることにより、上記着色感光性樹脂組成物を露光し硬化させてなる硬化物を十分に硬化されたものとすることができ、現像時において現像液に溶出することを抑制することができる。
したがって、露光箇所における残膜率の向上を図ることができるのである。また、このようなことから、本発明の着色感光性樹脂組成物は、顔料濃度を高くしても現像性や硬化性が良好なものとすることができるので、カラーフィルタを色再現性の良いものとすることができるのである。
一方、上記共重合体の水酸基価が上述した範囲外、すなわち、15mgKOH/g未満だと現像性が悪いものとなり、200mgKOH/gより大きいと残膜率が低下することになる。
【0023】
以下、本発明のカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
【0024】
1.バインダー樹脂
本発明のカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物に含まれるバインダー樹脂は、上記共重合体を含むものである。
【0025】
(1)共重合体
本発明に用いられるバインダー樹脂に含まれる共重合体は、少なくともアルキルシクロヘキシル基を有するアルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートと、酸基を有するモノマーとが少なくとも共重合されてなる主鎖構造を有し、水酸基価が15mgKOH/g〜200mgKOH/gの範囲内であるものである。
すなわち、上記共重合体は、アルキルシクロヘキシル基と、酸基と、水酸基とを有するものである。
【0026】
このような共重合体としては、(1)アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートと、酸基を有するモノマーとが共重合されてなる酸基含有共重合体に、エポキシ基を有する化合物が付加されたエポキシ化合物付加共重合体、あるいは(2)アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートと、酸基を有するモノマーと、水酸基を有するモノマーとが共重合されてなる水酸基含有モノマー共重合体等を用いることができる。このような共重合体であることにより、水酸基の含有量の調整が容易なものとすることができるからである。
本発明においては、なかでも、エポキシ化合物付加共重合体であることが好ましい。水酸基の含有量等の調整が容易であり、共重合体の均質性、硬化性に優れたものとすることができるからである。
【0027】
(a)エポキシ化合物付加共重合体
本発明における共重合体として用いられるエポキシ化合物付加共重合体は、アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートと、酸基を有するモノマーとが共重合されてなる酸基含有共重合体に、エポキシ基を有する化合物が付加されたものである。
【0028】
(i)酸基含有共重合体
本発明における酸基含有共重合体は、アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートと、酸基を有するモノマーとが共重合されてなるものである。
【0029】
a.アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレート
本発明におけるアルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートは、シクロヘキシル(メタ)アクリレートのシクロヘキシル基に、アルキル基が結合されているものである。
【0030】
本発明においては、アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートを構成単位として有することにより、現像残渣の少ないものとすることができる。
【0031】
本発明におけるアルキル基としては、上記アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、炭素数が、1〜4の範囲内であることが好ましく、なかでも2〜4の範囲内であることが好ましい。炭素数が上記範囲より大きいと、上記バインダー樹脂の疎水性が強くなり過ぎるために、カラーフィルタの着色層等を形成する場合の現像時において、本発明の着色感光性樹脂組成物の現像のされ方である現像形態が、上記着色感光性樹脂組成物からなる着色層形成用層が徐々に溶解される溶解型ではなく、上記着色感光性樹脂組成物の塊が上記カラーフィルタ上から剥離するように現像される剥離型となる恐れがあるからである。このため上記着色層形成用層の塊が現像異物として上記カラーフィルタ上に再付着し、品質低下を招く恐れがあるからである。また、上記範囲より小さいと十分な残渣低減効果が得られない恐れがあるからである。
【0032】
また、上記アルキル置換基の結合箇所としては、上記アルキル置換基が結合できる箇所であれば良い。
【0033】
このようなアルキル基を有する、アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートの具体例としては、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソプロピルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートを挙げることができ、なかでもtert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソプロピルシクロヘキシル(メタ)アクリレートを好ましく用いることができ、特にtert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、を好ましく用いることができる。上記アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートが、上述した化合物であることにより、本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてカラーフィルタの着色層を形成した場合に、未露光箇所における現像残渣をより少ないものとすることができるからである。
なお、本発明においては、上記のアルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートの1種類以上を用いることができる。
【0034】
本発明におけるエポキシ化合物付加共重合体、すなわち、上記共重合体に含まれるアルキルシクロヘキシル基の含有量としては、所望の現像性を発揮するものであれば良いが、上記共重合体中に15質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも40質量%〜85質量%の範囲内であることが好ましく、特に50質量%〜80質量%の範囲内であることが好ましい。上記アルキルシクロヘキシル基の含有量が、上記範囲内であることにより、未露光箇所での現像残渣をより少ないものとすることができるからである。
【0035】
b.酸基を有するモノマー
本発明における酸基を有するモノマーは、エチレン性不飽和二重結合を有し、上述したアルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートと共重合することができ、かつ酸基を有するものである。
【0036】
本発明においては、上記酸基を有するモノマーを構成単位として有することにより、アルカリ可溶性に優れたものとすることができる。その結果、現像に要する時間を短いものとすることができ、さらに現像形態を溶解型とすることができるからである。
【0037】
本発明において、酸基を有するモノマーに含まれる酸基としては、水中において酸性を示す官能基であれば特に限定されるものではないが、通常、カルボキシル基が用いられる。
【0038】
このような酸基を有するモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、アクリル酸の二量体、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、およびこれらの無水物を挙げることができる。本発明においては、なかでも、(メタ)アクリル酸を好ましく用いることができる。
なお、本発明においては、上記の1種類以上を用いることができる。
【0039】
c.酸基含有共重合体
本発明における酸基含有共重合体は、上記アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートおよび酸基を有するモノマーがランダムに配置されたランダム共重合体であっても良く、上記アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートおよび酸基を有するモノマーが、それぞれ連続して重合した領域を有するブロック共重合体であっても良い。
【0040】
本発明における酸基含有共重合体としては、上述したアルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートと、酸基を有するモノマーとが共重合されてなるものであれば良く、必要に応じて、その他のモノマーを構成単位として含むものであっても良い。
【0041】
このようなその他のモノマーとしては、上記アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートおよび酸基を有するモノマーと共重合できるものであれば良く、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ベンジルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、スチレン、γ−メチルスチレン等を挙げることができる。
【0042】
本発明における酸基含有共重合体の製造方法としては、上述したアルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートと、酸基を有するモノマーとを構成単位として共重合することができる方法であれば特に限定されるものではなく、公知の重合方法を用いることができる。具体的には、ビニル基を有する化合物の重合に一般的に用いられる方法であるラジカル重合、アニオン重合、リビングラジカル重合等を用いることができる。
【0043】
(ii)エポキシ基を有する化合物
本発明におけるエポキシ基を有する化合物としては、エポキシ基を有し、上述した酸基含有共重合体に付加することができるものであれば良い。
上記酸基含有共重合体に含まれる酸基と上記エポキシ基とが反応し、水酸基が生成されることにより、現像性および硬化性に優れたものとすることができ、露光箇所における残膜率を高いものとすることができるからである。
【0044】
このようなエポキシ基を有する化合物としては、具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサンを挙げることができ、なかでも本発明においては、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートを好ましく用いることができ、特に、グリシジル(メタ)アクリレートを好ましく用いることができる。上記エポキシ基を有する化合物が上述した化合物であることにより、上記酸基含有共重合体に含まれる酸基との反応性に優れるものであるため、導入される水酸基の量の調整が容易だからである。また、エチレン性不飽和二重結合も付加されるため、さらに硬化性に優れたものとすることができる。またその結果、露光箇所における残膜率をさらに高いものとすることができるからである。
【0045】
(iii)エポキシ化合物付加共重合体
本発明におけるエポキシ化合物付加共重合体、すなわち、共重合体の水酸基価は、15mgKOH/g〜200mgKOH/gの範囲内であるが、なかでも本発明においては、15mgKOH/g〜110mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、特に20mgKOH/g〜70mgKOH/gの範囲内であることが好ましい。上記共重合体の水酸基価が上記範囲内であることにより、硬化性に優れたものとすることができる。またその結果、露光箇所における残膜率が高いものとすることができるからである。
なお、このような水酸基価の調整は、上記エポキシ基を有する化合物の付加量を調整することにより行なうことができる。また、上記水酸基価としては、JIS−K0070により求めることができる。
【0046】
本発明におけるエポキシ化合物付加共重合体の酸価としては、所望の現像性を発揮するものであれば良いが、50mgKOH/g〜150mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、なかでも60mgKOH/g〜130mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、特に70mgKOH/g〜110mgKOH/gの範囲内であることが好ましい。上記酸価が上記範囲内であることにより、アルカリ水溶液への溶解性に優れたものとすることができるため、現像に要する時間を短いものとすることができ、さらに現像形態を溶解型とすることができるからである。溶解型であることにより、剥離型の現像形態のときに生じやすい未溶解物の再付着による欠陥の発生を抑制することができるからである。
一方、上記範囲より大きいと、アルカリ水溶液への溶解性が高すぎるため、本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてカラーフィルタの着色層を形成した場合に、露光された箇所のパターンが欠けたり、密着性が低下する可能性があるからである。また、上記範囲より小さいと、アルカリ水溶液への溶解性が低くいものとなり、現像に要する時間が長いものとなる可能性があるからである。
なお、このような酸価の調整は、上記酸基を有するモノマーの構成比率および上記エポキシ基を有する化合物の付加量を調整することにより行なうことができる。
【0047】
本発明におけるエポキシ化合物付加共重合体の分子量としては、所望の現像性を発揮することができるものであれば良いが、5000〜20000の範囲内であることが好ましく、なかでも6000〜18000の範囲内であることが好ましく、特に7000〜15000の範囲内であることが好ましい。上記分子量が、上記範囲内であることにより、アルカリ水溶液への溶解性に優れたものとすることができるため、現像に要する時間を短いものとすることができ、さらに現像形態を溶解型とすることができるからである。
また、上記範囲より小さいと、アルカリ水溶液への溶解性が高すぎるため、本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてカラーフィルタの着色層を形成した場合に、露光された箇所である着色層も溶解することにより、パターンが欠損したり、密着性が低下する可能性があるからである。また、上記範囲より大きいと、アルカリ水溶液への溶解性が低くいものとなり、現像に要する時間が長いものとなる、すなわち、現像性が低下する可能性があるからである。
なお、上記分子量とは、重量平均分子量(Mw)のことであり、上記重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値として求めることができる。
【0048】
本発明におけるエポキシ化合物付加共重合体の含有量としては、所望の硬化度を有する着色層を形成することができるものであれば良いが、固形分中に5質量%〜60質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも、10質量%〜40質量%の範囲内であることが好ましい。上記エポキシ化合物付加共重合体の含有量が、上記範囲内であることにより、未露光箇所における現像残渣が少なく、露光箇所における残膜率が高いものとすることができるからである。
なお、固形分中とは、溶剤以外の全ての成分をいうものである。
【0049】
(b)水酸基含有モノマー共重合体
本発明における水酸基含有モノマー共重合体は、アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートと、酸基を有するモノマーと、水酸基を有するモノマーとが共重合されてなるものである。
なお、上記アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートおよび酸基を有するモノマーについては、上記「(a)エポキシ化合物付加共重合体」と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0050】
本発明における水酸基含有モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を有し、上述したアルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートおよび酸基を有するモノマーと共重合することができ、かつ水酸基を有するものである。
本発明においては、上記水酸基を有するモノマーを構成単位として有することにより、現像性および硬化性に優れたものとすることができる。またその結果、露光箇所における残膜率が高いものとすることができる。
【0051】
このような水酸基を有するモノマーの具体例としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
本発明においては、なかでも、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートを好ましく用いることができ、特に2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを好ましく用いることができる。上記水酸基を有するモノマーが、上記化合物であることにより、硬化性に優れたものとすることができる。またその結果、露光箇所における残膜率が高いものとすることができる。また、上述したアルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートおよび酸基を有するモノマーと精度良く共重合させることができるからである。
なお、本発明においては、上記の1種類以上を用いることができる。
【0052】
本発明における水酸基含有モノマー共重合体は、アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、酸基を有するモノマーおよび水酸基を有するモノマーがランダムに配置されたランダム共重合体であっても良く、上記アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、酸基を有するモノマーおよび水酸基を有するモノマーが、それぞれ連続して重合した領域を有するブロック共重合体であっても良い。
【0053】
本発明における水酸基含有モノマー共重合体は、上記アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、酸基を有するモノマー、および水酸基含有モノマーが共重合されてなるものであるが、必要に応じてその他のモノマーを構成単位として含むものであっても良い。
このようなその他のモノマーとしては、上記「(a)エポキシ化合物付加共重合体」と同様とすることができる。
【0054】
また、本発明における水酸基含有モノマー共重合体の水酸基価、酸価、分子量、含有量およびアルキルシクロヘキシル基の含有量については、上記「(a)エポキシ化合物付加共重合体」と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0055】
本発明における水酸基含有モノマー共重合体の製造方法としては、上述したアルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、酸基を有するモノマーおよび水酸基を有するモノマーを構成単位として共重合することができる方法であれば特に限定されるものではなく、上記酸基含有共重合体の製造方法と同様とすることができる。
【0056】
(2)バインダー樹脂
本発明のカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物に含まれるバインダー樹脂は、少なくとも上記共重合体を含むものであるが、必要に応じて、その他の樹脂を含むものであっても良い。
このようなその他の樹脂としては、カラーフィルタに一般的に用いられるものを使用することができ、具体的には、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ノボラック系樹脂などの感光性または非感光性の樹脂を挙げることができる。
【0057】
2.顔料
本発明に用いられる顔料としては、公知の顔料を用いることができる。本発明において使用可能な有機顔料の具体例を下記表1および表2に示す。
【0058】
【表1】

【0059】
【表2】

【0060】
また、用いることができる無機顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、ベンガラ、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等を挙げることができる。
なお、これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いても良い。
【0061】
また、本発明に用いられる顔料の分散平均粒径としては、本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてカラーフィルタの着色層を形成した場合に、所望の発色が可能なものであれば特に限定されるものではなく、通常、0.01μm〜0.15μmの範囲内であることが好ましく、なかでも0.01μm〜0.10μmの範囲内であることが好ましい。本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてカラーフィルタの着色層を形成した場合に、輝度、コントラストに優れた着色層とすることができるからである。
【0062】
本発明に用いられる顔料の含有量としては、本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてカラーフィルタの着色層を形成した場合に、所望の発色が可能なものであれば特に限定されるものではなく、用いる顔料の種類によっても異なるが、上記着色感光性樹脂組成物の固形分中において、1質量%〜70質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも10質量%〜60質量%の範囲内であることが好ましい。上記顔料の含有量が、上記範囲より多いと、本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてカラーフィルタの着色層を形成した場合に、現像残渣の発生や、現像性が低下する可能性があるからである。また、上記範囲より少ないと、本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてカラーフィルタの着色層を形成した場合に、着色層を発色が十分なものとすることができない可能性があるからである。
【0063】
3.多官能性モノマー
本発明のカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物に含まれる多官能性モノマーとしては、上記バインダー樹脂と重合可能なものであれば特に限定されるものではないが、通常、エチレン性不飽和二重結合を2つ以上含むものである。
このような多官能性モノマーとしては、なかでも、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートであることが好ましい。
【0064】
上記多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、長鎖脂肪族ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、プロピレンジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、アクリル化イソシアヌレート、ビス(アクリロキシネオペンチルグリコール)アジペート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジ(メタ)アクリレート、リン酸ジ(メタ)アクリレート、亜鉛ジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0065】
また、多官能(メタ)アクリレートとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ウレタントリ(メタ)アクリレート、エステルトリ(メタ)アクリレート、ウレタンヘキサ(メタ)アクリレート、エステルヘキサ(メタ)アクリレート、コハク酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の三官能以上の(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0066】
これらの多官能(メタ)アクリレートは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用して使用してもよい。
【0067】
特に、本発明の着色感光性樹脂組成物に優れた光硬化性(高感度)が要求される場合には、多官能(メタ)アクリレートが、重合可能な二重結合を1分子中に2つ(二官能)以上有することが好ましく、さらに3つ(三官能)以上有することが好ましい。
【0068】
上記多官能性モノマーの含有量は、着色感光性樹脂組成物中の固形分に対して、5質量%〜60質量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは10質量%〜40質量%の範囲内である。上記多官能性モノマーの含有量が少なすぎると十分に硬化が進まず、露光箇所が溶出する場合があるからである。また、上記多官能性モノマーを有する化合物の含有量が多すぎると未露光箇所でも現像できなくなる場合があるからである。
【0069】
4.分散剤
本発明に用いられる分散剤としては、上記顔料を、均一に分散させることができるものであれば良く、公知の分散剤を使用することができる。具体的には、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、変性ポリエステル、変性ポリアミド等の高分子分散剤、リン酸エステル、アルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の界面活性剤や顔料誘導体を挙げることができる。本発明においては、これらの中でも、高分子分散剤が好ましく、具体的な商品名としては、EFKA−4046、EFKA−4047、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー4300、EFKAポリマー4330、(以上、チバスペシャリティーケミカルズ社製)、Disperbyk111、Disperbyk161、Disperbyk165、Disperbyk167、Disperbyk182、Disperbyk2000、Disperbyk2001(以上、ビックケミー社製)、SOLSPERSE24000、SOLSPERSE27000、SOLSPERSE28000(以上、ルーブリゾール社製)、アジスパーPB821、PB822(味の素ファインテクノ(株)製)等を挙げることができる。
【0070】
本発明に用いられる分散剤の含有量としては、後述する顔料を均一に分散することができるものであれば特に限定されるものではないが、本発明の着色感光性樹脂組成物の固形分中に、0.5質量%〜30質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも1質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましい。上記分散剤の含有量が、上記範囲より小さいと、上記顔料を均一に分散することが困難になり、上記範囲より大きいと、上記着色感光性樹脂組成物の現像性が低下したり、未露光箇所での現像残渣が増加する可能性があるからである。
【0071】
5.光重合開始剤
本発明に用いられる光重合開始剤は、一般的にカラーフィルタの製造に用いられるものを使用することができる。
【0072】
このような光重合開始剤としては、具体的には、紫外線のエネルギーによりフリーラジカルを発生する化合物であって、ベンゾイン、ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体またはそれらのエステルなどの誘導体;キサントン、ジエチルチオキサントンおよびイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン誘導体;イルガキュアOXE−01、イルガキュアOXE−02(以上チバ、スペシャルティケミカルズ社製)、ADEKA OPT−N−1919(旭電化製)などのオキシムエステル化合物、クロロスルフォニル、クロロメチル多核芳香族化合物、クロロメチル複素環式化合物、クロロメチルベンゾフェノン類などの含ハロゲン化合物;トリアジン類;フルオレノン類;ハロアルカン類;光還元性色素と還元剤とのレドックスカップル類;有機硫黄化合物;過酸化物などが挙げられる。
【0073】
また、3級アミン構造を有する光重合開始剤を用いることができる。3級アミン構造を有する光重合開始剤は、分子内に酸素クエンチャーである3級アミン構造を有するため、光重合開始剤から発生したラジカルが酸素により失活し難く、感度を向上させることができるといった利点を有する。
上記3級アミン構造を有する光重合開始剤の市販品としては、例えば、イルガキュア907、イルガキュア369(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、ハイキュアABP(川口薬品製)などが挙げられる。
【0074】
本発明においては、イルガキュア907、イルガキュア369、ハイキュアABP、およびジエチルチオキサントンを適宜組み合わせたものを好適に用いることができる。密着性、硬化性、および現像性に優れたものとすることができるからである。
【0075】
本発明に用いられる光重合開始剤の含有量としては、カラーフィルタの着色層を形成することができるものであれば良いが、本発明の着色感光性樹脂組成物の固形分中に、3質量%〜40質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも、5質量%〜35質量%の範囲内であることが好ましい。上記光重合開始剤の含有量が、上記範囲より少ないと、ラジカル重合を十分に進行させることができず、硬化が不十分となり、硬化性が低下する恐れがあるからである。また、上記範囲より多いと副反応が起こりやすく経時安定性を損なう恐れがあるからである。
【0076】
6.溶剤
本発明に用いられる溶剤としては、本発明の着色感光性樹脂組成物の各成分とは反応せず、これらを溶解もしくは均一に分散可能な溶剤であれば良い。具体的には、シクロヘキシルアセテート;メトキシブチルアセテート(MBA);エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等の他のエーテル類;シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;γ−ブチロラクトン、3−メトキシブタノール、3-メチル−3-メトキシブチルアセテート等を挙げることができる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
【0077】
本発明に用いられる溶剤の含有量としては、着色層を精度良く形成することができるものであれば特に限定されるものではないが、通常、上記着色感光性樹脂組成物中に、70質量%〜95質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも75質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましい。上記溶剤の含有量が、上記範囲内であることにより、塗布性に優れたものとすることができるからである。
【0078】
7.着色樹脂組成物
本発明のカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物は、顔料、バインダー樹脂、多官能性モノマー、光重合開始剤、分散剤および溶剤を少なくとも有するものであるが、必要に応じて、添加剤等を含むものであっても良い。
【0079】
本発明において、上記添加剤としては、増感剤、重合停止剤、連鎖移動剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、シランカップリング剤等が挙げられる。
【0080】
本発明のカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物の製造方法としては、上記顔料、バインダー樹脂、多官能性モノマー、光重合開始剤、分散剤および溶剤を均一に混合または分散させることができる方法であれば特に限定されるものではなく、公知の混合または分散手段を用いることができる。
【0081】
本発明のカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物の用途としては、カラーフィルタの着色層をフォトリソグラフィー法を用いて形成する際に用いられる着色層用感光性樹脂組成物を挙げることができる。なかでも、着色層を形成した際に、現像残渣が少なく、色再現性に優れるものとすることが要求される着色層用感光性樹脂組成物に好適に用いられる。
【0082】
B.カラーフィルタ
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、上記カラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物を用いて形成された着色層を有するものである。
【0083】
このような本発明のカラーフィルタを図を参照して説明する。図1は、本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。図1に例示するように、カラーフィルタ10は、透明基板1と、上記透明基板1上にパターン状に形成され、開口部を有する遮光部2と、上記遮光部2の開口部上に形成された着色層3とを有するものである。
ここで、上記着色層は、上記「A.カラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物」の項に記載のカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物を用いて形成されたものである。
【0084】
本発明によれば、上記カラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物を用いて形成された着色層を有するものであるため、本発明のカラーフィルタを、未露光箇所における上記着色感光性樹脂組成物の現像残渣が少ないものとすることができる。
また、上記カラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物は顔料濃度を高くすることができるため、このような着色感光性樹脂組成物を用いて形成された着色層を有することにより、色再現性の高いものとすることができる。
以下、本発明のカラーフィルタの各構成について説明する。
【0085】
1.着色層
本発明に用いられる着色層は、上記カラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物を用いて形成されたものである。
【0086】
このような本発明に用いられる着色層の配列としては、一般的なカラーフィルタの着色層が有するものとすることができ、例えば、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の配列とすることができる。また、着色層の幅、面積等は任意に設定することができる。
【0087】
上記着色層の厚みとしては、通常、1μm〜5μmの範囲内であることが好ましい。
【0088】
本発明に用いられる着色層の形成方法は、上記カラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物を、後述する透明基板上に塗布し、乾燥させ、露光および現像を行うフォトリソグラフィー法により形成することができる。
本発明においては、上記着色層が、上述したカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物を用いて形成されたものであるため、本発明のカラーフィルタを、未露光箇所における上記カラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物の現像残渣が少ないものとすることができる。また、上記カラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物は顔料濃度を高くすることができるため、このような着色感光性樹脂組成物を用いて形成された着色層を有することにより、色再現性の高いものとすることができる。
【0089】
なお、上記カラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物については、上記「A.カラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物」の項に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0090】
2.カラーフィルタ
本発明のカラーフィルタは、上記着色層以外に、通常、透明基板と、遮光部とを少なくとも有するものである。このような透明基板および遮光部としては、一般的なカラーフィルタに使用されるものを用いることができる。
【0091】
本発明のカラーフィルタの製造方法としては、上記カラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法によって、上記着色層を形成するものであれば特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタの製造方法を用いることができる。
【0092】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【実施例】
【0093】
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
【0094】
[実施例1〜10および比較例1〜6]
1.バインダー樹脂の作製
(バインダー樹脂A〜G、I〜K、およびM〜O)
重合槽に、溶媒を300g仕込み、窒素雰囲気下で下記表3に示す主鎖合成温度に昇温した後、t−ブチルシクロヘキシルメタクリレート(t−BuCHMA)、エチルシクロヘキシルメタクリレート(EtCHMA)、イソプロピルシクロヘキシルメタクリレート(i−PrCHMA)、メタクリル酸(MAA)、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)、スチレン(St)、ベンジルメタクリレート(BzMA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)およびアゾイソブチロニトリル(AIBN)を下記表3に示す組成で含む主鎖形成用混合物を、それぞれ1.5時間かけて連続的に滴下した。
その後、上記主鎖合成温度を保持して反応を続け、上記主鎖形成用混合物の滴下終了から2時間後に重合禁止剤として、p−メトキシフェノールを添加して重合を停止した。
【0095】
次に、空気を吹き込みながら、グリシジルメタクリレート(GMA)(エポキシ化合物1)、または3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート(エポキシ化合物2)を下記表3に示す組成で添加して、110℃に昇温した後、トリエチルアミンを添加して110℃で15時間付加反応させ、バインダー樹脂(固形分40質量%)を得た。
なお、溶媒としては、それぞれ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶媒1)、および、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル=7/3の混合溶媒(溶媒2)を用いた。また、表3における主鎖形成用混合物の各成分、エポキシ化合物、トリエチルアミン、およびp−メトキシフェノールの数値は、配合の割合を重量部で表したものである。
【0096】
得られたバインダー樹脂について、重量平均分子量、酸価を測定した。また、JIS−K0070に従い、水酸基価を求めた後、固形分濃度から固形分1gあたりの水酸基価を算出した。結果を下記表4に示す。
なお、重量平均分子量の測定方法は、ポリスチレンを標準物質とし、THFを溶離液としてショウデックスGPCシステム−21H(Shodex GPC System−21H)により重量平均分子量を測定した。また酸価の測定方法は、上述した方法を用いた。
【0097】
(バインダー樹脂H、LおよびP)
重合槽に、溶媒を300g仕込み、窒素雰囲気下で下記表3に示す主鎖合成温度に昇温した後、表3に示す組成で含む主鎖形成用混合物を、それぞれ1.5時間かけて連続的に滴下した。その後、上記主鎖合成温度を保持して2時間攪拌してバインダー樹脂(固形分40質量%)を得た。
【0098】
【表3】

【0099】
2.着色感光性樹脂組成物
実施例1〜10として、それぞれ上記バインダー樹脂A〜Jを用い、下記に示す組成を、ビーズミルを使用して均一に混合分散して着色感光性樹脂組成物を調製した。また、比較例1〜6として、実施例と同様に、それぞれ上記バインダー樹脂K〜Pを用いて着色感光性樹脂組成物を調製した。
【0100】
<着色感光性樹脂組成物の組成>
・上記バインダー樹脂:7.7重量部(固形分換算)
・ジペンタエリストールヘキサアクリレート(DPHA):3.3重量部
・イルガキュア369(チバスペシャリティーケミカルズ社製、IRGACURE369):1重量部
・イルガキュア907(チバスペシャリティーケミカルズ社製、IRGACURE907):1重量部
・ピグメントレッド177(赤色顔料、P.R.177):0.7重量部
・ピグメントレッド254(赤色顔料、P.R.254):5.6重量部
・ピグメントイエロー139(黄色顔料、P.Y.139):0.7重量部
・分散剤(ビックケミー社製、Disperbyk161):2.0重量部(固形分換算)
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート):60.8重量部
【0101】
[評価]
実施例および比較例で得られた着色感光性樹脂組成物を用いて、着色層の形成を行い、現像性、現像残渣、密着性、残膜率について評価を行った。
【0102】
1.着色層の形成
アルカリ洗浄済みのガラス基板上に、上記着色感光性樹脂組成物をスピンコーティングし、上記着色感光性樹脂組成物からなる着色層形成用層を形成した後、室温3分間、80℃のホットプレート上で3分間加熱することによりプリベイクさせ、乾燥させた。
次いで、乾燥後の上記着色層形成用層を、超高圧水銀灯を用いて100mJ/cmでマスク露光し硬化させた。
次いで、0.05wt%水酸化カリウム(KOH)を現像液として用いてスピン現像し、現像液に60秒間接液させた後に純水で洗浄することで現像処理を行った。その後、パターン形成された基板を230℃のオーブン内で30分間ポストベイクした。ポストベイク後の着色層形成用層からなる着色層の膜厚は、1.9μmであった。
【0103】
2.評価
着色感光性樹脂組成物を用いて形成された着色層について、現像性、現像残渣、密着性、残膜率について評価を行った。
【0104】
(1)現像性
上記着色層の形成において、未露光部が溶解し、現像されるまでの時間を測定し、下記基準で評価を行った。現像の終了は、目視により判断した。結果を表4に示す。
・○:10秒〜30秒で現像が終了する。
・△:31秒〜60秒で現像が終了する。
・×:60秒以内で現像が終了しない。
【0105】
(2)現像残渣
着色層形成後のガラス基板を、(a)目視評価、(b)拭き取り後評価、のそれぞれの方法により残渣の有無の評価を行った。
(a)目視評価
上記着色層の形成後のガラス基板の表面から投光器により光を照射した状態で、目視観察し、未露光箇所における残渣の有無(投光器による目視)を確認した。結果を、下記表4に示す。ここで、上記ガラス基板上に白化が全く見られない場合には残渣がないと判断し○とし、わずかに白化が見られた場合には△とし、上記ガラス基板表面に白化が多く見られた場合には残渣があると判断し×とした。
【0106】
(b)拭き取り後評価
上記着色層の形成後のガラス基板の未露光部(50mm×50mm)を、エタノールを含ませたレンズクリーナー(東レ製 トレシーMKクリーンクロス(登録商標))で十分に拭き取り、そのレンズクリーナーの着色度合いを目視で観察した。結果を表4に示す。なお、レンズクリーナーが全く着色しなかった場合は○、レンズクリーナーが微かに着色した場合は△、レンズクリーナーが着色した場合は×とした。
【0107】
(3)密着性
1μm〜100μmの線幅のラインパターンを露光し、現像後に溶解されずに密着しているラインパターンの最小線幅を測定し、下記基準で評価した。結果を表4に示す。
・○:10μm以下の線幅のラインが密着している。
・△:10μmより大きく、20μm以下の線幅のラインが密着している。
・×:20μm以下の線幅のラインが密着しない。
【0108】
(4)残膜率
残膜率(%)を以下に示す計算方法により計算し、80%より高い場合には○とし、75%〜80%の範囲内である場合には△とし、75%未満の場合には×とした。
残膜率(%)=(ポストベイク後の着色層形成用層の膜厚/露光後の着色層形成用層の膜厚)×100
【0109】
【表4】

【0110】
表4より、実施例では、現像残渣が少なく、残膜率が高いことが確認できた。一方、比較例では、現像残渣および残膜率の両者が良好なものとすることができなかった。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0112】
1…基板
2…遮光部
3…着色層
10…カラーフィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも顔料、バインダー樹脂、多官能性モノマー、光重合開始剤、分散剤、および溶剤を有するカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物であって、
前記バインダー樹脂が、アルキルシクロヘキシル基を有するアルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートと、酸基を有するモノマーとが少なくとも共重合されてなる主鎖構造を有する共重合体を含み、
前記共重合体の水酸基価が15mgKOH/g〜200mgKOH/gの範囲内であることを特徴とするカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物。
【請求項2】
前記共重合体に含まれるアルキルシクロヘキシル基の含有量が、前記共重合体中に15質量%〜90質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物。
【請求項3】
前記アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートが、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートおよびイソプロピルシクロヘキシル(メタ)アクリレートの少なくともひとつを含むものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記共重合体が、少なくともアルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートと、酸基を有するモノマーとが共重合されてなる酸基含有共重合体に、エポキシ基を有する化合物が付加されてなるエポキシ化合物付加共重合体であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物。
【請求項5】
前記共重合体が、少なくともアルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートと、酸基を有するモノマーと、水酸基を有するモノマーとが共重合されてなる水酸基含有モノマー共重合体であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物。
【請求項6】
前記共重合体の酸価が、50mgKOH/g〜150mgKOH/gの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物。
【請求項7】
前記共重合体の分子量が、5000〜20000の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物を用いて形成された着色層を有することを特徴とするカラーフィルタ。

【図1】
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【公開番号】特開2009−276674(P2009−276674A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−129598(P2008−129598)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(000183923)ザ・インクテック株式会社 (268)
【Fターム(参考)】