説明

カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ

【課題】コントラスト比が高いカラーフィルタを形成でき、微細かつ整粒された顔料を用いたカラーフィルタ用着色組成物、および輝度およびコントラスト比が高いカラーフィルタの提供。
【解決手段】透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と顔料とを含有するカラーフィルタ用着色組成物において、前記顔料が、有機顔料と水溶性無機塩と水溶性有機液体との混合物を環状の固定円盤21と、駆動軸121の軸心回りに一体回転する前記固定円盤21と同心の回転円盤23との間隙部分に形成された粉砕空間を有する連続混練機10にて混練してなる微細有機顔料であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物およびこれを用いて形成されるカラーフィルタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置であり、ツイストネマチック(TN)型液晶を用いるタイプが主流となっている。液晶表示装置は、2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となり、近年、テレビやパソコンモニタなどに用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高輝度化、高コントラスト化の要求が高まっている。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行または交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
【0003】
一般的に、カラー液晶表示装置では、カラーフィルタの上に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極および配向膜の性能を充分に得るには、その形成を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。このため、現在、カラーフィルタの製造方法としては、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色剤とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっている。
しかし、一般に顔料を分散したカラーフィルタは、顔料による光の散乱等により、液晶が制御した偏光度合いを乱してしまうという問題がある。すなわち、光を遮断しなければならないとき(OFF状態)に光が漏れたり、光を透過しなければならないとき(ON状態)に透過光が減衰したりするため、ON状態とOFF状態における表示装置上の輝度の比(コントラスト比)が低いという問題がある。
【0004】
カラーフィルタの高コントラスト化を実現させるためには、フィルタセグメント中に含まれる顔料を微細化処理することが行われる。顔料を微細化処理する方法として、現在広く用いられている方法には、ソルベントソルトミリング法がある。
ソルベントソルトミリング法は、粗大な顔料粒子を、塩化ナトリウムや硫酸ナトリウム等の無機塩類と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等の粘性の高い水溶性有機溶剤の存在下で、ニーダー等により機械的に摩砕して微細化する方法である。ソルベントソルトミリング法は、顔料粒子を微細化、整粒するのに有効な方法であるが、カラーフィルタにおいてより高コントラスト化を実現させるためには、従来のソルトミリング法で得られていた顔料よりもより微細かつ整粒された顔料を用いる必要性がある。
また、従来のバッチ式ニーダー等では、バッチ式に由来する生産スケールの制約、品質のロット毎のバラツキ、開放型であるための異物混入や粉塵発生による作業環境の汚染等の問題があった。
【特許文献1】特開平7−53889号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、微細かつ整粒された顔料を用い、コントラスト比が高いカラーフィルタを形成できるカラーフィルタ用着色組成物、およびコントラスト比が高いカラーフィルタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と顔料とを含有するカラーフィルタ用着色組成物において、前記顔料が、有機顔料と水溶性無機塩と水溶性有機液体との混合物を、環状の固定円盤と、駆動軸の軸心回りに一体回転する前記固定円盤と同心の回転円盤との間隙部分に形成された粉砕空間を有する連続混練機にて混練してなる微細有機顔料であることを特徴とする。
また、本発明のカラーフィルタは、本発明の着色組成物から形成されるフィルタセグメントを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、従来得ることが困難であった微細でかつ均一な粒径に整粒された有機顔料を含むため、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いることにより、従来よりも高いコントラスト比を有するカラーフィルタを形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と顔料とを含有するものであって、前記顔料は、有機顔料と水溶性無機塩と水溶性有機液体との混合物を、環状の固定円盤と、駆動軸の軸心回りに一体回転する前記固定円盤と同心の回転円盤との間隙部分に形成された粉砕空間を有する連続混練機にて混練してなる微細有機顔料である。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物の最大の特徴は、環状の固定円盤と、駆動軸の軸心回りに一体回転する前記固定円盤と同心の回転円盤との間隙部分に形成された粉砕空間を有する連続混練機を使用して製造された微細有機顔料を含有する点にある。
【0009】
まず、図1を基に、微細有機顔料の製造に使用される連続混練機について説明する。図1は、微細有機顔料の製造に使用される連続混練機の一実施形態を示す側面視の断面図である。因みに、本発明において好適に使用される連続混練機は、特公平2−92号公報などに記載されているものであり、例えば、浅田鉄工社製の連続混練機「ミラクルK.C.K.」が好適なものとして挙げられる。
【0010】
図1に示すように、連続混練機10は、フィード部1、混練部2、排出部3および定量フィーダー部4とを備えた基本構成を有している。前記フィード部1は、水平方向に延びる筒状のケーシング11とこのケーシング11に同心、かつ、摺接状態で嵌挿されたスパイラルロッド12とを備えている。前記ケーシング11の上流側の上面には、定量フィーダー部4からの原料を受け入れる原料受入口111が開口されている。前記スパイラルロッド12は、その基端部(図1の右方)が図略のモータ駆動軸121に同心で固定され、駆動モータの駆動で駆動軸121を介して軸心回りに回転するようになっている。かかるスパイラルロッド12の外周面には、所定方向に螺設されたスパイラルフィン122が設けられ、定量フィーダー部4から供給された原料は、スパイラルフィン122の軸心回りの回転によって混練部2へ向けて圧送されるようになっている
【0011】
前記定量フィーダー部4は、連続混練処理の対象となる原料(本発明においては、有機顔料、水溶性無機塩および水溶性有機液体の混合物でゾル状またはゲル状を呈したもの)をフィード部1へ供給するためのものであり、原料を収容する原料ホッパー41と、この原料ホッパー41の底部から切り出された原料をフィード部1へ向けて送り出すスパイラルフィーダー42とスパイラルフィーダー42の下流端を覆うように前記ケーシング11に原料受入口111の周縁部から立設された連絡筒体43とを備えて構成されている。
【0012】
前記スパイラルフィーダー42は、原料ホッパー41の底部開口と連絡筒体43の上部開口との間に介設された介設筒体44内にスパイラルフィンが摺接した状態で装着され、基端側(図1の右方)が図略のフィードモータの駆動軸に同心で連結されている。したがって、フィードモータの駆動によるスパイラルフィーダー42の軸心回りに回転で、原料ホッパー41内の原料がスパイラルフィーダー42によって搬送され、介設筒体44および連絡筒体43を介してケーシング11内へ予め設定された搬送量で供給されるようになっている。
【0013】
前記混練部2は、複数の固定円盤21と、この固定円盤21間に挟持された状態で固定円盤21と交互に配設される環状の混練シリンダ22と、表裏面(図1における左右の面)が前記固定円盤21と対向した状態で前記混練シリンダ22に同心で嵌挿される回転円盤23とを備えて構成されている。前記複数の固定円盤21および混練シリンダ22には、図略のタイロッドが貫通され、このタイロッドの基端部がフィード部1のケーシング11に固定されることにより、固定円盤21および混練シリンダ22がフィード部1と一体化している。
【0014】
前記各回転円盤23は、スパイラルロッド12の先端面から同心で突設された図略のスプライン軸に外嵌されている。隣接された回転円盤23間には筒状の中間スクリュー24が介設され、これによってスプライン軸には回転円盤23とスクリュー24とが交互に装着された状態になっている。かかる回転円盤23は、外径寸法が固定円盤21の内径寸法より僅かに小さく設定されているとともに、中間スクリュー24は、外径寸法が回転円盤23の内径寸法より僅かに小さく設定され、これによって各回転円盤23および各中間スクリュー24は、前記スプライン軸に交互に外嵌された状態で、外周面が混練シリンダ22および固定円盤21の内周面に対して原料が通過し得る隙間を介してそれぞれ対向するようになされている。
【0015】
かかる連続混練機10の構成によれば、原料ホッパー41に装填された原料は、スパイラルフィーダー42の駆動によって原料ホッパー41の底部から払い出され、介設筒体44および連続筒体43を介してフィード部1のケーシング11内に導入される。ケーシング11内に導入された原料は、スパイラルロッド12の駆動回転によるスパイラルフィン122の回転によって順次下流側の混練部2へむけて搬送される。
【0016】
そして、混練部2へ搬送された原料は、まず、軸心回りに回転している最上流側(図1の右方)の中間スクリュー24の外周面と、最上流側の駆動軸121の内周面との間を通過し、引き続き最上流側の固定円盤21の図1における左側面と、軸心回りに回転している最上流側の回転円盤23の右側面との間を通過し、これらの隙間の通過に際して当該原料に混練処理が施される。かかる原料に対する混練操作が固定円盤21、混練シリンダ22、回転円盤23および中間スクリュー24の設置分だけ複数段で繰り返され、これによって原料の複数種類の構成要素(本発明においては有機顔料、水溶性無機塩および水溶性有機液体)に対し混練処理が施される。混練処理の完了により得られた製品は、最下流側の回転円盤23の外周面と、同固定円盤21の内周面との隙間、すなわち排出部3から外部に排出される。
【0017】
図2は、図1に示す連続混練機に適用される固定円盤および回転円盤の一実施形態を示す正面図(図1の右方から見た図)または背面図(図1の左方から見た図)であり、(a)はキャビティー扇型固定円盤21a、(b)はキャビティー扇形回転円盤23b、(c)はキャビティー菊型固定円盤21c、(d)はキャビティー菊型回転円盤23d、(e)はキャビティー臼型固定円盤21e、(f)はキャビティー臼型回転円盤23fをそれぞれ示している。
【0018】
図2に示すように、固定円盤21には、同心で穿設された中間スクリュー24に遊嵌させるための遊嵌孔211が設けられているとともに、固定円盤21の表裏面(正面側および背面側)には、この遊嵌孔211から径方向に向けて凹設された周方向に等ピッチの複数の凹部(キャビティー(粉砕空間)212)が設けられている。一方、回転円盤23には、同心で穿設された図略のスプライン軸に密着状態で外嵌するための外嵌孔231が設けられているとともに、回転円盤23の表裏面には、前記固定円盤21のキャビティー212に対応するキャビティー(粉砕空間)232が凹設されている。回転円盤23のキャビティー232は、周縁部が開放状態になっている。
【0019】
そして、固定円盤21および回転円盤23間の隙間に導入された原料は、前記スパイラルロッド12の駆動により押圧されることにより各キャビティー212,232内に順次入り込み、この状態で回転円盤23が軸心回りに回転することによって各キャビティー212,232間の界面を境にして各キャビティー212,232内の原料に対し剪断力が付与されるようになされている。すなわち、対向する固定円盤21と回転円盤23との各キャビティー212,232内の原料は、各キャビティー212,232の山部の稜線でスライスされて原料に剪断力と置換(剪断された原料が各キャビティー212,232から出されるとともに、新たな原料が各キャビティー212,232に入り込むこと)とが作用し、これによって原料が混練分散されるようになっている。
【0020】
かかる固定円盤21および回転円盤23を、キャビティー212,232の形状によって図2(a)および図2(b)に示すキャビティー扇形固定円盤21aおよびキャビティー扇形回転円盤23bと、図2(c)および図2(d)に示すキャビティー菊型固定円盤21cおよびキャビティー菊型回転円盤23dと、図2(e)および図2(f)に示すキャビティー臼型固定円盤21eおよびキャビティー臼型回転円盤23fとの複数種類に分けているのは、混練分散処理の進行に応じて原料に対する剪断力を大きくしていくためである。
すなわち、各キャビティー212,232の空隙率(固定円盤21および回転円盤23の表面の面積に対する各キャビティー212,232の面積の割合(%))は、扇型のキャビティー212,232、菊型のキャビティー212,232および臼型のキャビティー212,232の順に低くなっているが、空隙率が小さくなるに従って原料に対する剪断力が大きくなる。
【0021】
そして、本実施形態においては、原料に対する混練分散処理の進行に伴い原料に対する剪断力を大きくしていくべく、上流側から下流側に向けてキャビティー212、232が扇型の固定円盤21および回転円盤23、キャビティー212、232が菊型の固定円盤21および回転円盤23、キャビティー212、232が臼型の固定円盤21および回転円盤23を順次配設するようにしている。
こうすることによって、原料にいきなり大きな剪断力が作用するのではなく、混練分散処理の進行に伴って原料に対する剪断力が順次増大していくため、原料に対して無理の無い円滑な混練分散処理が施され、これによって原料の構成要素である有機顔料、水溶性無機塩および水溶性有機液体を互いに確実に混練分散させることができる。
【0022】
また、かかる構成の連続混練機10によれば、原料の構成要素の一つである有機顔料が粗大粒子からなるものである場合、当該有機顔料が固定円盤21と回転円盤23との隙間(特に各キャビティー212、232)に導入されることにより、回転円盤23の回転による粗大粒子への剪断力の付与で当該有機顔料を微粉化することができる。
これに対し、有機顔料が微細粒子の凝集物からなる場合、当該凝集物が固定円盤21と回転円盤23との隙間(特に各キャビティー212,232)に導入されることにより、回転円盤23の回転によって当該凝集物を確実に解砕・整粒することができる。
【0023】
次に、このような連続混練機10によって混練処理が施される、有機顔料と水溶性無機塩と水溶性有機液体と、必要に応じて含まれる樹脂および/または顔料誘導体との混合物(以下、「混練組成物」ということがある。)について説明する。
本発明で使用する有機顔料は、カラーフィルタに用いられている公知の有機顔料であり、1種を単独で、または2種類以上を混合して用いることができる。有機顔料として、平均一次粒子径が0.1〜0.5μmの有機顔料を用いると、平均一次粒子径が0.01〜0.1μmの非常に微細な状態まで有機顔料を微細化することができ、特に高いコントラストが発揮されるため好ましい。有機顔料としては、粗製有機顔料、すなわち合成により得られたままの、(a)平均一次粒子径が10〜200μm程度の大きな粒子や、(b)平均一次粒子径が0.01μm以下の非常に微細な粒子が非常に強く凝集した粒子(凝集物)を用いることもできる。
【0024】
以下に、使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
赤色フィルタセグメントを形成するための赤色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272等の赤色顔料を用いることができる。赤色着色組成物には、黄色顔料、オレンジ顔料を併用することができる。
【0025】
イエロー色フィルタセグメントを形成するためのイエロー色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199等の黄色顔料を用いることができる。
【0026】
オレンジ色フィルタセグメントを形成するためのオレンジ色着色組成物には、例えばC.I. Pigment orange 36、43、51、55、59、61等のオレンジ色顔料を用いることができる。
緑色フィルタセグメントを形成するための緑色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Green 7、10、36、37等の緑色顔料を用いることができる。緑色着色組成物には黄色顔料を併用することができる。
青色フィルタセグメントを形成するための青色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料を用いることができる。青色着色組成物には、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
【0027】
シアン色フィルタセグメントを形成するためのシアン色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Blue15:1、15:2、15:4、15:3、15:6、16、81等の青色顔料を用いることができる。
マゼンタ色フィルタセグメントを形成するためのマゼンタ色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Violet 1、19、C.I. Pigment Red144、146、177、169、81等の紫色顔料および赤色顔料を用いることができる。マゼンタ色組成物には、黄色顔料を併用することができる。
【0028】
本発明で使用する水溶性無機塩としては、特に限定されないが、例えば、食塩(塩化ナトリウム)、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、塩化亜鉛、塩化カルシウムまたはこれらの混合物等を挙げることができる。
混練組成物中の水溶性無機塩の量は、有機顔料1重量部に対し、1重量部以上30重量部以下であることが好ましい。水溶性無機塩の量が1重量部未満の場合は、有機顔料を微細化し難く、30重量部を超える場合は、微細化した有機顔料を得ることが可能となるが、有機顔料の微細化処理量が少なくなるため、生産性が低下して工業的には不利となるからである。
【0029】
また、本発明で使用する水溶性有機液体は、有機顔料と水溶性無機塩とが均一な固まりとなるように加えるもので、水と自由に混和するもの、または自由に混ざらないが工業的に水洗により除去できる溶解度をもつものである。水溶性有機液体は、顔料粒子が成長するものであれば特に限定されないが、混練時に温度が上昇し、有機液体が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から高沸点溶剤が好ましい。
混練組成物中の水溶性有機液体の量は、有機顔料1重量部に対し、0.1重量部以上7重量部以下であることが好ましく、水溶性無機塩の量と混練組成物の硬さに応じて選択できる。水溶性無機塩の量が0.1重量部未満の場合は、混練組成物が硬くなりすぎて安全運転し難く、7重量部を超える場合は、混練組成物が軟らかくなりすぎて有機顔料の微細化レベルが低下する。
【0030】
水溶性有機液体としては、例えば、2,2−ジメトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコール、アニリン、ピリジン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。水溶性有機液体は、必要に応じて2種類以上を混合して使用しても良い。
【0031】
有機顔料と水溶性無機塩と水溶性有機液体との混合物を混練する際には、得られる微細有機顔料を顔料担体へ容易に分散できるようにする目的で、樹脂を添加してもよい。
樹脂は、水難溶性で、水溶性有機液体に部分的に溶解するものが好ましく、例えば、ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、ロジンアミン、マレイン化ロジン、フマル化ロジン、ロジン金属塩、ロジン変性フェノール樹脂およびロジン変性マレイン樹脂などのロジン系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリアミド樹脂などの合成樹脂、繊維素およびゴムなどから誘導された変性樹脂などがあげられるが、特に添加効果と価格の面からロジン系樹脂が好ましい。
混練組成物中の樹脂の量は特に制限はないが、有機顔料1重量部に対し、0.001重量部以上1.0重量部以下であることが好ましい。樹脂の量が、0.001重量部未満の場合は、分散効果が得られ難く、1.0重量部を超える場合は、添加した分の分散効果が得られない。また、樹脂と、顔料担体との性質の差異によって樹脂の量を調整することが好ましい。すなわち、差異が大きい場合は樹脂の量を必要最小限に止めて顔料担体の物性への影響を少なくし、一方、差異が小さい場合は樹脂の量を多くして分散効果を十分に発揮させることが好ましい。
【0032】
また、有機顔料と水溶性無機塩と水溶性有機液体との混合物を混練する際には、有機顔料の結晶成長や結晶転位を防止する目的で、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性または酸性の置換基、あるいはフタルイミドメチル基を導入した各種誘導体を添加してもよい。なかでも、有機顔料に塩基性または酸性の置換基、あるいはフタルイミドメチル基を導入した顔料誘導体を添加することが好ましい。塩基性の置換基としては、下記式(1)〜(4)で示される置換基が挙げられる。酸性の置換基としては、スルホン酸基及びカルボキシル基が挙げられる。
顔料誘導体としては、微粉砕する有機顔料と同一の構造を母体とする顔料誘導体が好ましいが、母体が異なる構造の顔料誘導体であっても良い。
混練組成物中の顔料誘導体の量は、有機顔料1重量部に対し、0.001重量部以上0.3重量部以下であることが好ましい。顔料誘導体の量が、0.001重量部未満の場合は、添加した効果が得られ難い。また、0.3重量部を超える場合は、添加した分の効果が得られないばかりか、得られる微細有機顔料が顔料誘導体との混合物となることから、有機顔料単独の物性との差異が大きくなる。そのため、このような微細有機顔料を含有する着色組成物を用いて形成されるカラーフィルタは、実用上の品質に問題が起きることがある。
【0033】
【化1】

【0034】
(上記式(1)〜(4)において、
Xは、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−または直接結合を表し、
nは、1〜10の整数を表し、
1およびR2は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜36のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜36のアルケニル基もしくは置換されていてもよいフェニル基を表すか、またはR1とR2とが結合して更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を形成し、
3は、置換されていてもよい炭素数1〜36のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜36のアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表し、
4、R5、R6およびR7は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜36のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜36のアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表し、
Yは、−NR8−Z−NR9−または直接結合を表し、R8およびR9は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜36のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜36のアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表し、
Zは、置換されていてもよい炭素数1〜36のアルキレン基、置換されていてもよい炭素数2〜36のアルケニレン基、または置換されていてもよいフェニレン基を表し、
Rは、下記式(5)で示される置換基、または下記式(6)で示される置換基を表し、
Qは、水酸基、アルコキシル基、下記式(5)で示される置換基または下記式(6)で示される置換基を表す。式(5)および式(6)において、R1〜R7およびnは、上に定義した通りのものである。)
【0035】
【化2】

【0036】
顔料誘導体を構成する有機顔料としては、例えば、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系玩弄、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料が挙げられる。また、上記に示した混練組成物に用いられる顔料でもよい。
【0037】
また、アントラキノン誘導体およびアクリドン誘導体を構成するアントラキノンおよびアクリドンは、メチル基、エチル基等のアルキル基、アミノ基、ニトロ基、水酸基、またはメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、または塩素等のハロゲン等の置換基を有していてもよいアントラキノンおよびアクリドンである。
また、トリアジン誘導体を構成するトリアジンは、メチル基、エチル基等のアルキル基、アミノ基またはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基等のアルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、またはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、塩素等のハロゲン、またはメチル基、メトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、水酸基等で置換されていてもよいフェニル基またはメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、水酸基等で置換されていてもよいフェニルアミノ基等の置換基を有していてもよい1,3,5−トリアジンである。
【0038】
塩基性の置換基を有する顔料誘導体、アントラキノン誘導体およびアクリドン誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、有機顔料、アントラキノンまたはアクリドンに、下記式(7)〜(10)で表される置換基を導入した後、該置換基と反応して一般式(1)〜(4)で表される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N−メチルピペラジン、ジエチルアミンまたは4−[4−ヒドロキシ−6−[3−(ジブチルアミノ)プロピルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ]アニリン等を反応させることによって得られる。
【0039】
式(7) −SO2Cl
式(8) −COCl
式(9) −CH2NHCOCH2Cl
式(10) −CH2Cl
一般式(7)〜(10)と上記アミン成分の反応時には、一般式(7)〜(10)の一部が加水分解して、塩素が水酸基に置換したものが混在していてもよい。その場合、一般式(7)、一般式(8)はそれぞれスルホン酸基、カルボン酸基となるが、何れも遊離酸のままでもよく、また、1〜3価の金属または上記のモノアミンとの塩であってもよい。
【0040】
有機顔料がアゾ系顔料である場合は、一般式(1)〜(4)で表される置換基をあらかじめジアゾ成分またはカップリング成分に導入し、その後カップリング反応を行うことによって塩基性基を有するアゾ系顔料誘導体を製造することもできる。
また、特定の塩基性基を有するトリアジン誘導体も、種々の合成経路で合成することができる。例えば、塩化シアヌルを出発原料とし、塩化シアヌルの少なくとも1つの塩素に一般式(1)〜(4)で表される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンまたはN−メチルピペラジン等を反応させ、次いで塩化シアヌルの残りの塩素と種々のアミンまたはアルコール等を反応させることによって得られる。
【0041】
塩基性の置換基を有する誘導体の具体例を以下に示すが、これらに限定されるわけではない。これらの誘導体は、単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
【化3】

【0042】
【化4】

【0043】
【化5】

【0044】
【化6】

【0045】
【化7】

【0046】
【化8】

【0047】
【化9】

【0048】
【化10】

【0049】
【化11】

【0050】
【化12】

【0051】
連続混練機の運転条件については特に制限はないが、有機顔料の処理量や、得られる微細有機顔料の品質をコントロールするために、混練温度、機械的エネルギー投入量(主軸(駆動軸121)回転数、原料の供給量、主軸動力負荷など)を調整することができる。ただし、混練温度については、有機顔料粒子の磨砕と、水溶性有機溶剤との接触による有機顔料の粒子成長をいずれも効果的に進行させるため、10〜150℃、特には40〜130℃であることが好ましい。混練温度を上げることにより、顔料粒子の成長速度を促進させることが可能となる。逆に混練温度を下げることにより、顔料粒子の成長を抑制してより微細化することが可能となる。混練温度が150℃より高温では、有機顔料の粒子成長が大きく、混練を短時間とする必要があるが、整粒時間が短くなり品質上好ましくない。尚、混練開始後、必要に応じて加熱または冷却を行い、混練温度を各種円盤毎に変更し、顔料粒子の成長を変化させることも可能である。
【0052】
混練後の有機顔料は、常法により処理される。すなわち、混練組成物を水または鉱酸水溶液で処理し、濾過、水洗により水溶性無機塩および水溶性有機液体を除去し、微細有機顔料を単離する。微細有機顔料は、このまま湿潤状態で使用することも、乾燥・粉砕により粉末状態で使用することも可能である。必要に応じて樹脂、界面活性剤、その他の添加剤を混練後に加えても良い。
微細有機顔料の平均一次粒子径は、微細化処理の条件や有機顔料の種類によって異なるが、適切に条件を設定することで、10〜500nm程度の範囲で、任意の一次粒子径に制御することができる。
【0053】
次に、このようにして得られた微細有機顔料と、顔料担体とを含有する本発明のカラーフィルタ用着色組成物について説明する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物に含まれる顔料担体は、微細有機顔料を分散させるものであり、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物により構成される。透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および活性エネルギー線硬化性樹脂が含まれ、その前駆体には、活性エネルギー線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
【0054】
顔料担体は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、30〜700重量部、好ましくは60〜450重量部の量で用いることができる。また、透明樹脂とその前駆体との混合物を顔料担体として用いる場合には、透明樹脂は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、20〜400重量部、好ましくは50〜250重量部の量で用いることができる。また、透明樹脂の前駆体は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、10〜300重量部、好ましくは10〜200重量部の量で用いることができる。
【0055】
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
【0056】
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子に、イソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性の置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
【0057】
透明樹脂の前駆体であるモノマー、オリゴマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1, 6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられ、これらを単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
【0058】
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化するときには、光重合開始剤等が添加される。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられる。光重合開始剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、5〜200重量部、好ましくは10〜150重量部の量で用いることができる。
【0059】
上記光重合開始剤は、単独あるいは2種以上混合して用いるが、増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル−9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。増感剤は、着色組成物中の光重合開始剤100重量部に対して、0.1〜60重量部の量で用いることができる。
【0060】
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストの形態で調整することができる。着色レジストは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または活性エネルギー線硬化性樹脂とモノマーを含む顔料担体中に顔料を分散させたものであり、1種または2種以上の上記微細有機顔料を、必要に応じて光重合開始剤と共に、顔料担体中に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、数種類の上記微細顔料を別々に顔料担体に分散したものを混合して製造することもできる。
【0061】
顔料を顔料担体中に分散する際には、適宜、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤、上記顔料誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体、トリアジン誘導体等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を顔料担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。分散助剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.1〜40重量部、好ましくは0.1〜30重量部の量で用いることができる。
なかでも、顔料誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体、およびトリアジン誘導体(以下、まとめて「誘導体」ということがある。)は、微細有機顔料の凝集を防ぎ、有機顔料が微細に分散した状態を維持する働きに優れ、これらの誘導体を含有する着色組成物を用いることにより、高コントラスト比で色純度の高いカラーフィルタを製造することができるため、分散助剤として好ましい。
【0062】
樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、顔料担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の顔料担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0063】
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0064】
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、顔料を充分に顔料担体中に分散させ、ガラス基板等の透明基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために溶剤を含有させることができる。
溶剤としては、例えば1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。溶剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、800〜4000重量部、好ましくは1000〜2500重量部の量で用いることができる。
【0065】
また、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、トリエチルホスフィン、トリフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
また、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
【0066】
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、透明あるいは反射基板上に、R(赤)、G(緑)、B(青)、Y(エロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)から選ばれる少なくとも2色のフィルタセグメントが形成されたものである。各色のフィルタセグメントは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成することができる。
透明基板としては、ガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。
【0067】
印刷法による各色フィルタセグメントの形成は、上記各種の印刷インキとして調製したカラーフィルタ用着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の板上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
【0068】
フォトリソグラフィー法により各色フィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストとして調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジストの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
【0069】
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
【0070】
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物は、いずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、透明基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめカラーフィルタ層を形成しておき、このカラーフィルタ層を所望の透明基板に転写させる方法である。
【実施例】
【0071】
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。
実施例に先立ち、顔料の平均一次粒子径、アスペクト比、比表面積、レジスト塗膜のコントラスト比の測定法、および実施例で用いるアクリル樹脂溶液の製造例について説明する。
【0072】
顔料の平均一次粒子径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する一般的な方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の直方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。なお、電子顕微鏡は透過型(TEM)または走査型(SEM)のいずれを用いてもほぼ同じ結果が得られる。
顔料のアスペクト比は、電子顕微鏡から個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、下記式で算出した。このアスペクト比が1に近いほど粒子の結晶状態が正方形に近づき好ましい。
(アスペクト比)=(長軸径)/(短軸径)
顔料粒子の比表面積は、窒素吸着によるBET法で求めた。なお、測定には自動蒸気吸着量測定装置(日本ベル社製「BELSORP18」)を用いた。
【0073】
次に、レジストを用いて作製した塗膜のコントラスト比の測定法について、図3を用いて説明する。液晶ディスプレー用バックライトユニット(7)から出た光は、偏光板(6)を通過して偏光され、ガラス基板(5)上に塗布された着色組成物の乾燥塗膜(4)を通過し、偏光板(3)に到達する。偏光板(6)と偏光板(3)の偏光面が平行であれば、光は偏光板(3)を透過するが、偏光面が直行している場合には光は偏光板(3)により遮断される。しかし、偏光板(6)によって偏光された光が着色組成物の乾燥塗膜(4)を通過するときに、顔料粒子による散乱等が起こり、偏光面の一部にずれを生じると、偏光板が平行のときは偏光板(3)を透過する光量が減り、偏向板が直行のときは偏光板(3)を一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が平行のときの輝度と、直行のときの輝度との比(コントラスト比)を算出した。
(コントラスト比)=(平行のときの輝度)/(直行のときの輝度)
【0074】
従って、着色組成物の乾燥塗膜(4)の顔料により散乱が起こると、平行のときの輝度が低下し、かつ直行のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
なお、輝度計(1)としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(日東電工社製「NPF−G1220DUN」)を用いた。なお、測定に際しては、不要光を遮断するために、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色のマスク(2)を当てた。
【0075】
(実施例で用いるアクリル樹脂溶液の製造例)
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱し、同温度で、スチレン60.0部、メタクリル酸60.0部、メタクリル酸メチル65.0部、メタクリル酸ブチル65.0部およびアゾビスブチロニトリル10.0部の混合物を1時間かけて滴下し、重合を行った。滴下後さらに100℃にて3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解したものを添加し、さらに1時間反応を続け、重量平均分子量が約40,000(GPCによる測定)のアクリル樹脂溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液の一部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、不揮発分が20%となるように得られた樹脂溶液にシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
【0076】
[実施例1]
粗製銅フタロシアニン(珠海東洋社製「T−95クルードブルー」)100部、塩化ナトリウム100部、およびジエチレングリコール10部を、ほぼ均一となるようにコンバートミキサー(浅田鉄工社製)にて5分間予備混合した。この混合物をスクリュー式定量フィーダー(図1の定量フィーダー部4)で連続混練機(浅田鉄工社製「ミラクルK.C.K.−42型」)に供給し、混練した。連続混練機は、フィード部スクリュー径120mmφ、固定円盤と回転円盤からなる混練部組数8組で、混練組成物の押出量21kg/時、主軸回転数50rpm、磨砕温度100℃の条件で運転した。ここで得られた混練物を70℃の1%硫酸溶液1300部に取り出し、1時間保温攪拌後、濾過、水洗、乾燥、粉砕し、微細銅フタロシアニン顔料を得た。得られた微細銅フタロシアニン顔料は、比表面積が111m2/gであり、TEM(電子顕微鏡)で観察したところ、平均一次粒子径が23.1nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、アスペクト比は1.61であった。
【0077】
ついで、得られた微細銅フタロシアニン顔料を含む下記組成の混合物を均一に撹拌した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、青色顔料分散体を作製した。
微細銅フタロシアニン顔料 10.0部
誘導体48(顔料誘導体) 1.0部
リン酸エステル系顔料分散剤(ビックケミー社製「BYK111」) 1.0部
アクリル樹脂溶液 40.0部
シクロヘキサノン 48.0部
【0078】
さらに、得られた青色顔料分散体を含む下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、アルカリ現像型青色レジストを作製した。
青色顔料分散体 45.0部
アクリル樹脂溶液 15.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート 9.0部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤 2.0部
(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製「イルガキュアー907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.2部
シクロヘキサノン 28.8部
【0079】
[比較例1]
粗製銅フタロシアニン(珠海東洋社製「T−95クルードブルー」)100部と塩化ナトリウム100部、ジエチレングリコール10部を1000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、100〜110℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら5時間混練した。磨砕後70℃の1%硫酸水溶液1300部に取り出し、1時間保温攪拌後、濾過、水洗、乾燥、粉砕し、微細銅フタロシアニン顔料を得た。得られた微細銅フタロシアニン顔料は、比表面積が93m2/gであった。また、TEM(電子顕微鏡)で観察したところ、顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかったが、平均一次粒子径は72.3nmで、アスペクト比は1.75であった。
得られた微細銅フタロシアニン顔料を用いて、実施例1と同様にしてアルカリ現像型青色レジストを作製した。
【0080】
[実施例2]
キノフタロン顔料(C.I.ピグメントイエロー138,BASF社製「パリオトールイエローK0961HD」)100部、塩化ナトリウム3000部、およびジエチレングリコール700部を含む混練組成物を、実施例1と同じ連続混練機に供給し、混練組成物の押出量25kg/時、主軸回転数50rpm、磨砕温度110℃の条件で運転して混練した。得られた混練物を実施例1と同じように精製、濾過、乾燥、粉砕し、微細キノフタロン顔料を得た。得られた微細キノフタロン顔料は、比表面積が115m2/gであり、TEM(電子顕微鏡)で観察したところ、平均一次粒子径が33.2nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、アスペクト比は、1.53であった。
【0081】
ついで、得られた微細キノフタロン顔料を含む下記組成の混合物を均一に撹拌した後、実施例1と同様にして分散、濾過し、黄色顔料分散体を作製した。さらに、得られた黄色顔料分散体を用いて、実施例1と同様にして、アルカリ現像型黄色レジストを作製した。
微細キノフタロン顔料 10.0部
誘導体39(顔料誘導体) 1.0部
リン酸エステル系顔料分散剤(ビックケミー社製「BYK111」) 1.0部
アクリル樹脂溶液 40.0部
シクロヘキサノン 48.0部
【0082】
[比較例2]
キノフタロン顔料(C.I.ピグメントイエロー138,BASF社製「パリオトールイエローK0961HD」)100部と塩化ナトリウム3000部、ジエチレングリコール700部を1000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、100〜110℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら6時間混練した。磨砕後70℃の1%硫酸水溶液1300部に取り出し、1時間保温攪拌後、濾過、水洗、乾燥、粉砕し微細キノフタロン顔料を得た。得られた微細キノフタロン顔料は、比表面積が95m2/gであった。また、TEM(電子顕微鏡)で観察したところ、顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかったが、平均一次粒子径は82.5nmで、アスペクト比は1.72であった。
得られた微細キノフタロン顔料を用いて、実施例2と同様にしてアルカリ現像型黄色レジストを作製した。
【0083】
[実施例3]
ジケトピロロピロール顔料(C.I.ピグメントレッド254,チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製「イルガフォアレッドB−CF」)100部、塩化ナトリウム2000部、およびジエチレングリコール230部を含む混練組成物を、実施例1と同じ連続混練機に供給し、混練組成物の押出量23kg/時、主軸回転数50rpm、磨砕温度60℃の条件で運転して混練した。得られた混練物を実施例1と同じように精製、濾過、乾燥、粉砕し、微細ジケトピロロピロール顔料を得た。得られた微細ジケトピロロピロール顔料は、比表面積が122m2/gであり、TEM(電子顕微鏡)で観察したところ、平均一次粒子径が35.2nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、アスペクト比は、1.61であった。
【0084】
ついで、得られた微細ジケトピロロピロール顔料を含む下記組成の混合物を均一に撹拌した後、実施例1と同様にして分散、濾過し、赤色顔料分散体を作製した。さらに、得られた赤色顔料分散体を用いて、実施例1と同様にして、アルカリ現像型赤色レジストを作製した。
微細化ジケトピロロピロール顔料 10.0部
誘導体49(顔料誘導体) 1.0部
リン酸エステル系顔料分散剤(ビックケミー社製「BYK111」) 1.0部
アクリル樹脂溶液 40.0部
シクロヘキサノン 48.0部
【0085】
[比較例3]
ジケトピロロピロール顔料(C.I.ピグメントレッド254,チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製「イルガフォアレッドB−CF」)100部と塩化ナトリウム2000部、ジエチレングリコール230部を1000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、65〜75℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら6時間混練した。磨砕後70℃の1%硫酸水溶液20000部に取り出し、1時間保温攪拌後、濾過、水洗、乾燥、粉砕し微細ジケトピロロピロール顔料を得た。得られた微細ジケトピロロピロール顔料は、比表面積が105m2/gであった。また、TEM(電子顕微鏡)で観察したところ、顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかったが、平均一次粒子径は69.5nmで、アスペクト比は1.81であった。
得られた微細ジケトピロロピロール顔料を用いて、実施例3と同様にしてアルカリ現像型赤色レジストを得た。
【0086】
[実施例4]
粗製ジオキサジンバイオレット顔料(住友化学社製「スミトンファーストバイオレットRLベース」)100部、塩化ナトリウム1000部、およびジエチレングリコール150部を含む混練組成物を、実施例1と同じ連続混練機に供給し、混練組成物の押出量22kg/時、主軸回転数50rpm、磨砕温度100℃の条件で運転して混練した。得られた混練物を実施例1と同じように精製、濾過、乾燥、粉砕し、微細ε型銅フタロシアニン顔料を得た。得られた微細ε型銅フタロシアニン顔料は、比表面積が140m2/gであり、TEM(電子顕微鏡)で観察したところ、平均一次粒子径が30.3nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、アスペクト比は、1.63であった。
【0087】
ついで、得られた微細ε型銅フタロシアニン顔料を含む下記組成の混合物を均一に撹拌した後、実施例1と同様にして分散、濾過し、紫色顔料分散体を作製した。さらに、得られた紫色顔料分散体を用いて、実施例1と同様にして、アルカリ現像型紫色レジストを作製した。
微細化ジオキサジンバイオレット顔料 10.0部
誘導体48(顔料誘導体) 1.0部
リン酸エステル系顔料分散剤(ビックケミー社製「BYK111」) 1.0部
アクリル樹脂溶液 40.0部
シクロヘキサノン 48.0部
【0088】
[比較例4]
粗製ジオキサジンバイオレット顔料(住友化学社製「スミトンファーストバイオレットRLベース」)100部と塩化ナトリウム1000部、ジエチレングリコール150部を1000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、100〜110℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら5時間混練した。磨砕後70℃の1%硫酸水溶液10000部に取り出し、1時間保温攪拌後、濾過、水洗、乾燥、粉砕し微細ジオキサジンバイオレット顔料を得た。得られた微細ジオキサジンバイオレット顔料は、比表面積が93m2/gであった。また、TEM(電子顕微鏡)で観察したところ、顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかったが、平均一次粒子径は59.5nmで、アスペクト比は1.85であった。
得られた微細ジオキサジンバイオレット顔料を用いて、実施例4と同様にしてアルカリ現像型紫色レジストを得た。
【0089】
[実施例5]
粗製銅フタロシアニン(珠海東洋社製「T−95クルードブルー」)100部、塩化ナトリウム600部、ジエチレングリコール100部、および樹脂としてロジンエステル5部を含む混練組成物を、実施例1と同じ連続混練機に供給し、混練組成物の押出量22kg/時、主軸回転数50rpm、磨砕温度90℃の条件で運転して混練した。得られた混練物を実施例1と同じように精製、濾過、乾燥、粉砕し、微細銅フタロシアニン顔料を得た。得られた微細銅フタロシアニン顔料は、比表面積が128m2/gであり、TEM(電子顕微鏡)で観察したところ、平均一次粒子径が21.1nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、アスペクト比は1.54であった。
【0090】
ついで、得られた微細銅フタロシアニン顔料を含む下記組成の混合物を均一に撹拌した後、実施例1と同様にして分散、濾過し、黄色顔料分散体を作製した。さらに、得られた黄色顔料分散体を用いて、実施例1と同様にして、アルカリ現像型青色レジストを作製した。
微細銅フタロシアニン顔料 10.0部
誘導体48(顔料誘導体) 1.0部
リン酸エステル系顔料分散剤(ビックケミー社製「BYK111」) 1.0部
アクリル樹脂溶液 40.0部
シクロヘキサノン 48.0部
【0091】
[比較例5]
粗製銅フタロシアニン(珠海東洋社製「T−95クルードブルー」)100部と塩化ナトリウム600部、ジエチレングリコール100部、および樹脂としてロジンエステル5部を1000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、90℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら5時間混練した。磨砕後70℃の1%硫酸水溶液1300部に取り出し、1時間保温攪拌後、濾過、水洗、乾燥、粉砕し、微細銅フタロシアニン顔料を得た。得られた微細銅フタロシアニン顔料は、比表面積が97m2/gであった。また、TEM(電子顕微鏡)で観察したところ、顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかったが、平均一次粒子径は68.9nmで、アスペクト比は1.71であった。
得られた微細銅フタロシアニン顔料を用いて、実施例1と同様にしてアルカリ現像型青色レジストを作製した。
【0092】
[実施例6]
粗製銅フタロシアニン(珠海東洋社製「T−95クルードブルー」)100部、塩化ナトリウム600部、ジエチレングリコール100部、および誘導体51(顔料誘導体)5部を含む混練組成物を、実施例1と同じ連続混練機に供給し、混練組成物の押出量22kg/時、主軸回転数50rpm、磨砕温度100℃の条件で運転して混練した。得られた混練物を実施例1と同じように精製、濾過、乾燥、粉砕し、微細銅フタロシアニン顔料を得た。得られた微細銅フタロシアニン顔料は、比表面積が132m2/gであり、TEM(電子顕微鏡)で観察したところ、平均一次粒子径が20.2nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、アスペクト比は1.50であった。
【0093】
ついで、得られた微細銅フタロシアニン顔料を含む下記組成の混合物を均一に撹拌した後、実施例1と同様にして分散、濾過し、黄色顔料分散体を作製した。さらに、得られた黄色顔料分散体を用いて、実施例1と同様にして、アルカリ現像型青色レジストを作製した。
微細銅フタロシアニン顔料 10.0部
誘導体48(顔料誘導体) 1.0部
リン酸エステル系顔料分散剤(ビックケミー社製「BYK111」) 1.0部
アクリル樹脂溶液 40.0部
シクロヘキサノン 48.0部
【0094】
[比較例6]
粗製銅フタロシアニン(珠海東洋社製「T−95クルードブルー」)100部と塩化ナトリウム600部、ジエチレングリコール100部、および樹脂として誘導体51(顔料誘導体)5部を1000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、100℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら5時間混練した。磨砕後70℃の1%硫酸水溶液1300部に取り出し、1時間保温攪拌後、濾過、水洗、乾燥、粉砕し、微細銅フタロシアニン顔料を得た。得られた微細銅フタロシアニン顔料は、比表面積が99m2/gであった。また、TEM(電子顕微鏡)で観察したところ、顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかったが、平均一次粒子径は66.3nmで、アスペクト比は1.69であった。
得られた微細銅フタロシアニン顔料を用いて、実施例1と同様にしてアルカリ現像型青色レジストを作製した。
【0095】
実施例および比較例で得られた微細顔料の比表面積、平均一次粒子径、アスペクト比の測定結果を表1に示す。
また、実施例および比較例で得られたレジストを用いて膜厚が異なる3点の塗布基板を作製し、それぞれの膜厚およびコントラスト比を測定し、3点のデータから膜厚が2μmにおけるコントラスト比を一次相関法で求めた。結果を表1に示す。なお、塗布基板は、スピンコーターを用いて、回転数を変えて乾燥膜厚が約1μm前後となるように基板にレジストを塗布後、80℃で30分、熱風オーブンで乾燥して作製した。
実施例1〜6で得られたレジストを用いて作製された塗布基板は、比較例1〜6で得られたレジストを用いて作製された塗布基板と比べ、コントラスト比が高くなっている。
【0096】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明で使用する連続混練機の一例を示す、側面視の断面図である。
【図2】図1に示す連続混練機に適用される固定円盤および回転円盤の一実施形態を示す正面図または背面図であり、(a)はキャビティー扇型固定円盤、(b)はキャビティー扇形回転円盤、(c)はキャビティー菊型固定円盤、(d)はキャビティー菊型回転円盤、(e)はキャビティー臼型固定円盤、(f)はキャビティー臼型回転円盤をそれぞれ示している。
【図3】コントラスト比を測定するための測定装置の概念図である。
【符号の説明】
【0098】
(図1および図2)
10 連続混練機 1 フィード部
11 ケーシング 111 原料受入口
12 スパイラルロッド 121 駆動軸
122 スパイラルフィン 2 混練部
21 固定円盤
21a キャビティー扇型固定円盤
21b キャビティー菊型固定円盤
21c キャビティー臼型固定円盤
211 遊嵌孔 212 キャビティー(粉砕空間)
22 混練シリンダ 23 回転円盤
23b キャビティー扇型回転円盤
23d キャビティー菊型回転円盤
23d キャビティー臼型回転円盤
231 外嵌孔 232キャビティー(粉砕空間)
3 排出部 4 定量フィーダー部
41 原料ホッパー 42 スパイラルフィーダー
43 連絡筒体 44 介設筒体
【0099】
(図3)
1 輝度計
2 マスク
3 偏光板
4 着色組成物乾燥塗膜
5 ガラス基板
6 偏光板
7 バックライトユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と顔料とを含有するカラーフィルタ用着色組成物において、前記顔料が、有機顔料と水溶性無機塩と水溶性有機液体との混合物を、環状の固定円盤と、駆動軸の軸心回りに一体回転する前記固定円盤と同心の回転円盤との間隙部分に形成された粉砕空間を有する連続混練機にて混練してなる微細有機顔料であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
【請求項2】
有機顔料と水溶性無機塩と水溶性有機液体との混合物が、有機顔料1重量部に対し、水溶性無機塩を1重量部以上30重量部以下、水溶性有機液体を0.1重量部以上7重量部以下含む混合物であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用着色組成物。
【請求項3】
有機顔料と水溶性無機塩と水溶性有機液体との混合物を混練する際の混練温度が、10〜150℃に制御されていることを特徴とする請求項1または2記載のカラーフィルタ用着色組成物。
【請求項4】
有機顔料と水溶性無機塩と水溶性有機液体との混合物が、さらに樹脂を含むことを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
【請求項5】
有機顔料と水溶性無機塩と水溶性有機液体との混合物が、さらに顔料誘導体を含むことを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれか1項に記載の着色組成物から形成されるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−241050(P2007−241050A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−65683(P2006−65683)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(000222118)東洋インキ製造株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】