説明

カラーレジストレーション検出装置、及びこれを用いた画像形成装置

【課題】カラーレジストレーション検出用マークを目立たなく形成することができ、しかもマークの一部が欠落している場合であっても位置を検出することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】予め定められた位置関係にある複数の図形の組み合わせである図形群からなるカラーレジストレーション検出用マークを被検知媒体上に形成するマーク形成手段と、前記マーク形成手段によって前記被検知媒体上に形成されたカラーレジストレーション検出用マークを検出するマーク検出手段と、前記マーク検出手段によって検出されたカラーレジストレーション検出用マークのうち、一部の図形が検出不可能である場合であっても、検出された残りの図形群から前記カラーレジストレーション検出用マークの位置を推定して検出する位置推定検出手段を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カラーレジストレーション検出装置、及びこれを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記カラーレジストレーション検出用マークに関連する技術としては、例えば、特開昭59−26854号公報、特開平02−29338号公報、特開平11−99634号公報及び特開2002−236925号公報等に開示されたものが既に提案されている。
【0003】
上記特開昭59−26854号公報に係る走行材料のマーク検出装置は、所定幅のマーク素子を所定数設けて形成したマークを走行材料の所定位置に付し、このマークを検出するマーク検出装置において、マーク素子、印刷汚れ等の被検出部が所定位置に来たときに検出動作を開始し、被検出部が予め設定されたマーク素子幅の設定範囲内にあり、上記マーク素子の所定数が1個以外の場合には隣接する被検出部間の間隙が予め設定されたマーク間隙幅の設定範囲内にあり、且つ被検出部の個数が設定したマーク素子数に一致したときのみマーク検出信号を発生するマーク検出手段を設けるように構成したものである。
【0004】
また、上記特開平02−29338号公報に係る自動色見当合せ装置は、紙面に印刷された複数の色見当マークと、当該色見当マークの相対位置関係を維持しながら画像として取り込む撮像手段と、取り込まれた色見当マーク間の相対的位置ずれ量を演算し当該位置ずれ量の修正指示信号を出力する手段と、前記修正指示信号に応じてブランケット間の位置を修正する手段とからなる自動色見当合せ装置において、前記紙面上の各色見当マークが、微小径の色見当スポットからなり、前記撮像手段が、モノクローム撮像素子と、前記色見当スポットの配列に応じて色分解され前記撮像素子の撮像画の前に配置され前記各色見当スポットを検出するための分解フィルタを含み、前記色見当マーク間の相対的位置ずれ量演算手段が、前記モノクローム撮像素子の1画面内で各色見当スポットのずれ量を演算する手段であるように構成したものである。
【0005】
さらに、上記特開平11−99634号公報に係る色間自動見当修正装置は、(a)レジスタマークを読み取るためのカラーCCDカメラから成るイメージセンサと、(b)前記イメージセンサからのRGB信号をYMC信号に変換する信号変換部と、(c)前記YMC信号を記憶するフレームメモリ部と、(d)イエロー,マゼンタ,シアンに分解されたフレームメモリ上のそれぞれのレジスタマークパターンをパターンマッチング等の手法にて比較して正規化したデータを見当調整用補正値として用いるために、見当調整量を演算する演算処理部と、(e)前記演算処理部の演算結果に基づいて多色刷印刷機の見当調整用モータを制御する制御部と、をそれぞれ具備するように構成したものである。
【0006】
又、上記特開2002−236925号公報に係る画像検査装置は、検査画像内所定位置に基準となる既知のトンボを有する画像に対して、該既知のトンボ画像と該検査画像を細かく分割した検査エリアを順次パターンマッチング方式で比較し、該トンボが示す基準位置を自動検出する装置において、該検査画像を細かく分割した検査エリア内の黒画像を所定量太らせた結果と該既知のトンボ画像を比較するように構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭59−26854号公報
【特許文献2】特開平02−29338号公報
【特許文献3】特開平11−99634号公報
【特許文献4】特開2002−236925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、この発明が解決しようとする課題は、カラーレジストレーション検出用マークを目立たなく形成することができ、しかもカラーレジストレーション検出用マークの一部が欠落している場合であっても、カラーレジストレーションを検出することが可能なカラーレジストレーション検出用マーク形成装置、及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、請求項1に記載された発明は、画像形成手段によって被検知媒体上に形成される互いに色の異なる複数のトナー像の位置であるカラーレジストレーションを検出するためのマークであって、予め定められた位置関係にある複数の図形の組み合わせである図形群からなるカラーレジストレーション検出用マークを被検知媒体上に形成するマーク形成手段と、
前記マーク形成手段によって前記被検知媒体上に形成されたカラーレジストレーション検出用マークを検出するマーク検出手段と、
前記マーク検出手段によって検出されたカラーレジストレーション検出用マークのうち、一部の図形が検出不可能である場合であっても、検出された残りの図形群から前記カラーレジストレーション検出用マークの位置を推定して検出する位置推定検出手段とを備えたことを特徴とするカラーレジストレーション検出装置である。
【0010】
また、請求項2に記載された発明は、請求項1に記載されたカラーレジストレーション検出装置において、
前記カラーレジストレーション検出用マークを構成する図形群は、互いに予め定められた位置関係に配置された複数のドット状の画像からなることを特徴とするカラーレジストレーション検出装置である。
【0011】
さらに、請求項3に記載された発明は、請求項1に記載されたカラーレジストレーション検出装置において、
前記マーク検出手段は、二次元のCCDイメージセンサからなることを特徴とするカラーレジストレーション検出装置である。
【0012】
又、請求項4に記載された発明は、請求項1に記載されたカラーレジストレーション検出装置において、
前記位置推定検出手段は、前記マーク検出手段によって検出されたカラーレジストレーション検出用マークと、予め定められたカラーレジストレーション検出用マークとを比較することにより、当該カラーレジストレーション検出用マークの位置を推定して検出することを特徴とするカラーレジストレーション検出装置である。
【0013】
更に、請求項5に記載された発明は、互いに色の異なる複数のトナー像を被検知媒体上に形成する複数の画像形成手段と、
前記画像形成手段によって被検知媒体上に形成される複数のトナー像の位置であるカラーレジストレーションを検出するためのマークであって、予め定められた位置関係にある複数の図形の組み合わせである図形群からなるカラーレジストレーション検出用マークを被検知媒体上に形成するマーク形成手段と、
前記マーク形成手段によって前記被検知媒体上に形成されたカラーレジストレーションマークを検出するマーク検出手段と、
前記マーク検出手段によって検出されたカラーレジストレーション検出用マークのうち、一部の図形が検出不可能である場合であっても、検出された残りの図形群から前記カラーレジストレーション検出用マークの位置を推定して検出する位置推定検出手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載された発明によれば、カラーレジストレーション検出用マークを目立たなく形成することができ、しかもカラーレジストレーション検出用マークの一部が欠落している場合であっても、カラーレジストレーションを検出することができる。
【0015】
また、請求項2に記載された発明によれば、カラーレジストレーション検出用マークをより一層目立たなく形成することができる。
【0016】
さらに、請求項3に記載された発明によれば、カラーレジストレーション検出用マークを精度良く検出することができる。
【0017】
又、請求項4に記載された発明によれば、カラーレジストレーション検出用マークの位置を精度良く検出することができる。
【0018】
更に、請求項5に記載された発明によれば、カラーレジストレーション検出用マークを目立たなく形成することができ、しかもカラーレジストレーション検出用マークの一部が欠落している場合であっても、カラーレジストレーションを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の実施の形態1に係るカラーレジストレーション検出用マークを示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るカラーレジストレーション検出用マークを適用した画像形成装置としての電子写真方式の高速プリンタを示す構成図である。
【図3】画像形成部を示す構成図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係るカラーレジストレーション検出用マークを適用した画像形成装置としての電子写真方式の高速プリンタを示す要部斜視構成図である。
【図5】カラーレジストレーション検出用マークを示す説明図である。
【図6】カラーレジストレーション検出用マークを示す説明図である。
【図7】従来のカラーレジストレーション検出用マークを示す説明図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係るカラーレジストレーション検出用マークを示す構成図である。
【図9】この発明の実施の形態3に係るカラーレジストレーション検出用マークを示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係るカラーレジストレーション検出装置を適用した画像形成装置としての電子写真方式の高速プリンタを示すものである。
【0022】
この高速プリンタ1は、図2に示すように、一連の連続した長尺な用紙であって、必要に応じて1ページ毎に折り目(ミシン目)で区切られた長尺な記録シート(長尺物)としての連帳紙2に、高速(例えば、約60m/分)で画像をプリントすることが可能となっている。上記高速プリンタ1は、その右側に位置して連帳紙2を給送する給送ステーション3と、その中央部右側に位置してブラック色及びシアン色の画像を形成する画像形成部4K、4Cからなる第1の画像形成ステーション(画像形成手段)5aと、その中央部左側に位置してマゼンタ色及びイエロー色の画像を形成する画像形成部4M、4Yからなる第2の画像形成ステーション(画像形成手段)5bと、その左側に位置する定着ステーション6とを備えている。
【0023】
上記給送ステーション3は、連帳紙2をロール状に巻き付けた図示しない供給ロールから連帳紙2が供給され、この連帳紙2をドライブロール9を含む複数のロール7、8、9、10を介して給送するように構成されている。上記複数のロール7、8、9、10のうち、駆動ロール9には、張架ロール11が当接されており、後述する張架ロール22を備えたサブ駆動ロール26との間で、連帳紙2に予め定められた張力を付与した状態で連帳紙2を給送するものである。
【0024】
また、上記ブラック色、シアン色の画像形成部4K、4Cと、マゼンタ色及びイエロー色の画像形成部4M、4Yは、形成する画像の色以外は同様に構成されており、各画像形成部4K、4C、4M、4Yには、図3に示すように、像担持体としての感光体ドラム12が、矢印方向に沿って高速で回転可能に配設されている。この感光体ドラム12は、例えば、直径約240mmと大きく設定されており、有機光導電体(OPC)やアモルファス−Si、あるいはSe等の光導電性材料からなる感光体層を表面に被覆した導電性円筒体によって構成されている。上記感光体ドラム12の左斜め下方には、当該感光体ドラム12の表面を予め定められた電位に一様に帯電するスコロトロン等からなる大型の帯電装置13が配設されている。また、上記感光体ドラム12の下方には、帯電装置13によって予め定められた電位に一様に帯電された感光体ドラム12の表面に、画像情報に応じて画像露光を施す画像露光手段としてのLEDアレイを備えたLEDプリントヘッド14が配設されており、当該感光体ドラム12の表面には、LEDプリントヘッド14によって画像露光が施されて、画像情報に応じた静電潜像が形成されるようになっている。
【0025】
また、上記感光体ドラム12の表面に形成された静電潜像は、当該感光体ドラム12の右側面に配設された二成分現像方式を採用した現像装置16により顕像化されて、粉体トナーからなるトナー像が形成される。この現像装置16には、高速で回転する感光体ドラム12に対応して、当該感光体ドラム12上に形成された静電潜像を高速で現像可能なように、3連の現像ロール17が配設されている。なお、上記現像装置16は、トナーとキャリアからなる二成分現像方式を採用するものであっても、トナーのみからなる一成分現像方式を採用するものであっても何れでも良い。
【0026】
また、上記感光体ドラム12の上方には、当該感光体ドラム12上に形成されたトナー像を、記録シートとしての連帳紙2に転写するための転写手段としての転写ロール18が配設されており、感光体ドラム12上に形成されたトナー像は、転写ロール18による帯電を受けて、連帳紙2上に順次多重に転写されるようになっている。なお、上記転写ロール18の上流側及び下流側には、連帳紙を案内する案内ロール19、19が設けられている。
【0027】
上記記録シートとしての連帳紙2は、一連の連続した長尺な用紙であって、必要に応じて1ページ毎に折り目(ミシン目)で区切られたものである。この連帳紙12としては、例えば、ユーザーのニーズに応じて、任意の種類のものが用いられ、普通紙、当該普通紙よりも薄い薄紙、厚紙、あるいは、普通紙や厚紙などの表面にコーティングを施したコート紙、あるいは黄色など所定の色に着色された用紙など、7〜8種類、あるいはそれ以上の種類の用紙が必要に応じて用意されている。
【0028】
上記各画像形成部4K、4C、4M、4Yの感光体ドラム12からトナー像が多重に転写された連帳紙2は、図2に示すように、搬送ロール20を介して定着ステーション6へと搬送され、当該定着ステーション6に配設されたフラッシュ定着装置21によって、フルカラー等の未定着トナー像が連帳紙2上に定着される。なお、上記フラッシュ定着装置21の連帳紙2を介した背面側には、定着対向部材22が配設されている。上記フラッシュ定着装置21の連帳紙2の搬送方向に沿った下流側には、テンション付与装置40が配設されているとともに、当該テンション付与装置40には、その連帳紙2の搬送方向に沿って搬送ロールとしての第1のアイドラーロール23と、テンションロール24と、第2のアイドラーロール25と、サブ駆動ロール26とが順次配設されており、連帳紙2に張力を付与しつつ、排出ロール27によって図示しない排出部へと搬送するように構成されている。なお、上記サブ駆動ロール36には、張架ロール28が当接されており、連帳紙2に予め定められた張力を付与するようになっている。
【0029】
そして、上記フラッシュ定着装置21によって未定着トナー像が定着された連帳紙2は、排出ロール27によって排出され、図示しない後処理装置(リワインダ、カッタなど)に送られる。
【0030】
なお、上記トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム12の表面は、図3に示すように、徐電ランプ29によって残留電荷が徐電された後、クリーニング装置30のクリーニングブラシ31及びクリーニングブレード32によって残留トナー等が除去され、次の画像形成工程に備えるようになっている。
【0031】
また、図2中、33K、33C、33M、33Yはブラック色、シアン色、マゼンタ色及びイエロー色の各画像形成部4K、4C、4M、4Yに対応する色のトナーを供給するトナーカートリッジをそれぞれ示している。
【0032】
ところで、上記の如く構成される高速プリンタ1では、図2に示すように、ブラック色、シアン色、マゼンタ色及びイエロー色の画像形成部4K、4C、4M、4Yによって、ブラック色、シアン色、マゼンタ色及びイエロー色のトナー像が、連帳紙2上に順次多重に転写されるが、各画像形成部4K、4C、4M、4Yによって形成されるブラック色、シアン色、マゼンタ色及びイエロー色の各トナー像の形成位置に位置ずれがあると、連帳紙2上に多重に転写されるカラー画像に色ずれ等の画質欠陥が発生する。
【0033】
そのため、上記高速プリンタ1では、図1に示すように、マーク形成手段を兼ねる各画像形成部4K、4C、4M、4Yによって、連帳紙2上に互いに色の異なる複数のトナー像の位置であるカラーレジストレーションを検出するためのマークであるカラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yを形成するように構成されている。
【0034】
このカラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yとしては、例えば、図1に示すように、直径の小さな円形状の画像である4つのドット状の図形41a〜41dを、矩形状(長方形状)に配置した図形群からなるものが用いられる。上記ドット状の図形41a〜41dは、例えば、外径(直径)が約200μm〜500μm程度の小さな円形状に形成される。また、上記カラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yは、4つのドット状の図形41a〜41dのうち、第1のドット状図形41aと第2のドット状図形41b、及び第3のドット状図形41cと第4のドット状図形41dを、連帳紙2の移動方向と交差する方向(主走査方向)に沿って予め定められた間隔L1を隔てて直線状に配置するとともに、第1のドット状図形41aと第4のドット状図形41d、及び第2のドット状図形41bと第3のドット状図形41cを、連帳紙2の移動方向(副走査方向)に沿って予め定められた間隔L2を隔てて直線状に配置することによって、矩形状(長方形状)に形成されている。
【0035】
また、上記カラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yは、図1に示すように、ブラック色、シアン色、マゼンタ色及びイエロー色の各色のトナー像を1組として、予め定められた距離を隔てて、連帳紙2の幅方向の一端部に、その移動方向(副走査方向)に沿って少なくとも1組、望ましくは複数組にわたって形成される。
【0036】
さらに、上記カラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yは、図2に示すように、イエロー色の画像形成部4Yの下流側に配設されたCCD等からなるレジセンサ42によって検出される。また、上記レジセンサ42と連帳紙2を介して対向する背面側には、連帳紙2を支持する反射部材43が設けられている。
【0037】
上記レジセンサ42の検出信号は、図4に示すように、カラーレジスト検出回路102を介してメインの印字制御部100に入力されており、このメイン印字制御部100では、レジセンサ42からの検出信号に基づいて、カラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yの位置が演算され、カラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yのずれ量が求められる。
【0038】
また、上記メイン印字制御部100では、カラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yのずれ量に基づいて、各画像形成部におけるレジずれの補正量を併せて演算し、当該レジずれの補正量を各サブの印字制御部101K、101C、101M、101Yに出力して、各画像形成部における画像形成位置を補正するように構成されている。
【0039】
上記レジセンサ42は、カラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yを検出するものであるが、図1に示すように、カラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yを構成する4つのドット状の図形41a〜41dの相対的な位置関係を含めて検出することが可能となっている。
【0040】
すなわち、上記レジセンサ42は、図1に示すように、例えば、破線で囲まれた矩形状の領域44内の画像を読み取ることが可能となっている。上記レジセンサ42の機械的な取付位置が決まれば、レジセンサ42の矩形状の検出領域44も一義的に定まる。
【0041】
いま、上記レジセンサ42の矩形状の検出領域44に対して、当該検出領域44の下方の横の辺をX軸とし、その左側の縦の辺をY軸とすると、カラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yを構成する4つのドット状の図形41a〜41dの中心位置は、それぞれ(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y4)と表すことができる。
【0042】
そして、上記カラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yの位置が正規の位置であれば、つまりレジずれがなければ、4つのドット状の図形41a〜41dの中心位置を示す座標は、予め定められた位置を示す座標(x01,y01)、(x02,y02)、(x03,y03)、(x04,y04)と一致するはずである。
【0043】
また、図1に示すように、4つのドット状図形41a〜41dのすべてが検出されれば、これら4つのドット状図形41a〜41dの座標(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y4)のうち、少なくともいずれか1つのドット状図形41a〜41dの座標(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y4)から、図5に示すように、例えば、左上の基準位置からY方向に沿った距離Lを、予め定められた値Lとの誤差ΔLを、黒色とシアン色とで求めて、その差分ΔLk−ΔLcを基めることによって、カラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yの位置を検出するように構成しても良い。また、対角線上に位置する2つのドット状図形41a〜41dをそれぞれ結んだ直線の交点Gの位置によって、カラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yの位置を検出するように構成しても良い。
【0044】
一方、図6に示すように、4つのドット状図形41a〜41dのうち、いずれか1つのドット状図形41a〜41dが検出されない(エラー率25%)場合には、他の3つのドット状図形41b、41c、41dの座標(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y4)、あるいは3つのドット状図形41a、41c、41dの座標(x1,y1)、(x3,y3)、(x4,y4)、あるいは3つのドット状図形41a、41b、41dの座標(x1,y1)、(x2,y2)、(x4,y4)、あるいは3つのドット状図形41a、41b、41cの座標(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)から、どのパターンであるかを判別し、検出されたいずれか1つ以上のドット状図形41a〜41dの座標(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y4)から、カラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yの位置を検出することができる。
【0045】
この場合、例えば、X軸方向またはY軸方向に沿って2つのドット状図形が検出されたか否かを判別し、図6(a)の場合には、X軸方向に沿って2つのドット状図形41c、41dが検出され、残り1つのドット状図形41bが、先に検出された2つのドット状図形41c、41dのうち、ドット状図形41cの副走査方向に位置するため、図6(a)のパターンであると判別することができる。
【0046】
あるいは、図6(a)〜(d)のパターンを予めメモリに記憶しておき、パターンマッチングによって、図6(a)〜(d)のいずれかのパターンであるかを判別するように構成しても良い。
【0047】
以上の構成において、この実施の形態に係る高速プリンタでは、次のようにして、カラーレジストレーション検出用マークを目立たなく形成することができ、しかもカラーレジストレーション検出用マークの一部が欠落している場合であっても、カラーレジストレーションを検出することが可能となっている。
【0048】
すなわち、上記高速プリンタの場合には、図7に示すような従来のカラーレジストレーション検出用マークと異なり、図1に示すように、4つのドット状の図形41a〜41dを矩形状に配置したカラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yを用いているため、カラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yが目立つことがなく、連帳紙2の幅方向の端部にカラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yがそのまま残っていても画像品質を低下させることがない。
【0049】
しかも、上記カラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yは、図1に示すように、4つのドット状の図形41a〜41dの相対的な位置関係を含めて検出するように構成されているため、仮に何らかの要因によって、4つのドット状の図形41a〜41dのうち、いずれか1つが検出されない場合であっても、図6に示すように、他の3つのドット状の図形41a〜41dの相対的な位置関係から、カラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yの位置を特定することができ、カラーレジストレーション検出用マークの一部が欠落している場合であっても、カラーレジストレーションを検出することができる。
【0050】
実施の形態2
図8はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、カラーレジストレーション検出用マークが4つのドット状の図形から構成されているが、これら4つのドット状の図形の配列が前記実施の形態1と異なるように構成されている。
【0051】
すなわち、この実施の形態2では、図8に示すように、カラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yが4つのドット状の図形41a〜41dを台形状に配列して構成されている。4つのドット状の図形41a〜41dのうち、2つのドット状の図形41a、41bは短い辺を構成しており、他の2つのドット状の図形41c、41dは長い辺を構成している。また、上記2つのドット状の図形41a、41bと、他の2つのドット状の図形41c、41dは、中心線Cに対して対称な位置に配置されている。
【0052】
この実施の形態2では、図8に示すように、カラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yを構成する4つのドット状の図形41a〜41dのうち、2つのドット状図形が検出できない場合であっても、カラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yの位置(XY座標)を特定することができ、カラーレジストレーションを検出することが可能となっている。
【0053】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0054】
実施の形態3
図9はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、カラーレジストレーション検出用マークが6つのドット状の図形から構成されているが、これら6つのドット状の図形の配列が前記実施の形態1と異なるように構成されている。
【0055】
すなわち、この実施の形態3では、図9に示すように、カラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yが6つのドット状の図形41a〜41dを2つの台形を組み合わせた形状に配列して構成されている。6つのドット状の図形41a〜41fのうち、4つのドット状の図形41a〜41dが1つの台形状図形を構成しているとともに、4つのドット状の図形41c〜41fが他の1つの台形状図形を構成している。
【0056】
この実施の形態3では、実施の形態2と異なり、6つのドット状の図形41a〜41fのうち、2つのドット状の図形が検出できれば、カラーレジストレーション検出用マーク40K、40C、40M、40Yの位置(XY座標)を特定することができ、カラーレジストレーションを検出することが可能となっている。
【0057】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【符号の説明】
【0058】
2:連帳紙、40K、40C、40M、40Y:カラーレジストレーション検出用マーク、41a〜41d:ドット状の図形。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像形成手段によって被検知媒体上に形成される互いに色の異なる複数のトナー像の位置であるカラーレジストレーションを検出するためのマークであって、予め定められた位置関係にある複数の図形の組み合わせである図形群からなるカラーレジストレーション検出用マークを被検知媒体上に形成するマーク形成手段と、
前記マーク形成手段によって前記被検知媒体上に形成されたカラーレジストレーション検出用マークを検出するマーク検出手段と、
前記マーク検出手段によって検出されたカラーレジストレーション検出用マークのうち、一部の図形が検出不可能である場合であっても、検出された残りの図形群から前記カラーレジストレーション検出用マークの位置を推定して検出する位置推定検出手段とを備えたことを特徴とするカラーレジストレーション検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたカラーレジストレーション検出装置において、
前記カラーレジストレーション検出用マークを構成する図形群は、互いに予め定められた位置関係に配置された複数のドット状の画像からなることを特徴とするカラーレジストレーション検出装置。
【請求項3】
請求項1に記載されたカラーレジストレーション検出装置において、
前記マーク検出手段は、二次元のCCDイメージセンサからなることを特徴とするカラーレジストレーション検出装置。
【請求項4】
請求項1に記載されたカラーレジストレーション検出装置において、
前記位置推定検出手段は、前記マーク検出手段によって検出されたカラーレジストレーション検出用マークと、予め定められたカラーレジストレーション検出用マークとを比較することにより、当該カラーレジストレーション検出用マークの位置を推定して検出することを特徴とするカラーレジストレーション検出装置。
【請求項5】
互いに色の異なる複数のトナー像を被検知媒体上に形成する複数の画像形成手段と、
前記画像形成手段によって被検知媒体上に形成される複数のトナー像の位置であるカラーレジストレーションを検出するためのマークであって、予め定められた位置関係にある複数の図形の組み合わせである図形群からなるカラーレジストレーション検出用マークを被検知媒体上に形成するマーク形成手段と、
前記マーク形成手段によって前記被検知媒体上に形成されたカラーレジストレーション検出用マークを検出するマーク検出手段と、
前記マーク検出手段によって検出されたカラーレジストレーション検出用マークのうち、一部の図形が検出不可能である場合であっても、検出された残りの図形群から前記カラーレジストレーション検出用マークの位置を推定して検出する位置推定検出手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−224157(P2010−224157A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−70615(P2009−70615)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】