説明

カラー調節層を有するフールカラー有機電界発光素子

【課題】本発明は、長期間駆動後にもホワイトバランスを維持するだけでなく製造時間が短縮されて、高解像度を有する有機電界発光素子を提供する。
【解決手段】カラー調節層を有する有機電界発光素子を提供する。前記有機電界発光素子は基板100を含む。前記基板100上に第1電極550が位置する。前記第1電極550上に第2電極400が位置する。前記第1電極550及び/または前記第2電極400は透明電極である。前記第1電極550と前記第2電極400間に少なくとも発光層を有する有機機能膜600を介在する。前記透明電極の前記発光層に隣接した面と対向する面上に、レーザー熱転写法により形成されたカラー調節層が位置する。前記カラー調節層はカラーフィルター710R,710G,710B及び/または色変換層である。このように、発光層を基板全体にかけて単一色で形成してカラー調節層をレーザー熱転写法を用いて形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機電界発光素子に係り、特にカラー調節層を有する有機電界発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に有機電界発光素子は、基板、前記基板上に位置したアノード(anode)、前記アノード上に位置した発光層(emission layer;EML)、前記発光層上に位置したカソード(cathode)で構成される。このような有機電界発光素子において、前記アノードとカソード間に電圧を印加すれば、正孔と電子が前記発光層内に注入されて、前記発光層内に注入された正孔と電子は前記発光層で結合して励起子(exiton)を生成して、このような励起子が励起状態から基底状態に転移しながら光を放出するようになる。
【0003】
このような有機電界発光素子のフールカラー化(フルカラー化)を具現するためにはR、G及びB各々に該当する発光層を形成する方法がある。しかし、この場合、前記R、G及びB各々に該当する発光層は相異なる寿命特性を有していて、長時間駆動する場合ホワイトバランスを維持するのが難しい短所がある。
【0004】
これを解決するために前記単一色の光を放出する発光層を形成して、前記発光層から放出される光から所定色に該当する光を抽出するためのカラーフィルター層または前記発光層から放出される光を所定色の光に変換する色変換層を形成する方法がある。これに対する例示として、米国特許第6515418号では白色光を放出する発光層とフォトリソグラフィを用いて形成されたカラーフィルター層を適用したアクティブマトリックス有機電界発光素子を開示している。しかし、前記カラーフィルター層をフォトリソグラフィを用いて形成することは各色のカラーフィルター物質を基板全体にスピンコーテイングしてこれを露光及び現像してパターニングする工程を繰り返すことを必要とする。このような過程で既に形成されたカラーフィルター層はそのカラーフィルター層上にほかの色のカラーフィルター物質がスピンコーテイングなる時に汚染されることがある。また、前記フォトリソグラフィにより形成された層に含まれた揮発性溶媒などを除去するための加熱処理を進行しなければならない。このように、前記カラーフィルター層をフォトリソグラフィを用いて形成することは多くの工程段階を必要とすると同時に有機電界発光素子を製造するための時間が長くなる短所がある。
【0005】
また、米国特許第6522066号では青色光を放出する発光層とフォトリソグラフィを用いて形成された色変換層を適用したアクティブマトリックス有機電界発光素子を開示している。しかし、前記色変換層をフォトリソグラフィを用いて形成するのは前記カラーフィルター層をフォトリソグラフィを用いて形成するのと類似の問題点を誘発することがある。
【0006】
これを解決するために、大韓民国特許出願第2001−0000943号では真空蒸着により形成したカラーフィルター層または色変換層を含む有機電界発光素子を開示している。
【特許文献1】米国特許第6515418号
【特許文献2】米国特許第6522066号
【特許文献3】大韓民国特許出願第2001−0000943号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このように真空蒸着により前記カラーフィルター層または前記色変換層を形成することはメタルマスクを用いてR、G及びBに該当する層を各々独立に蒸着することによって遂行するようになるが、これは前記メタルマスクと基板の整列(align)が難しくて高解像度を具現するのが難しいだけでなく、R、G及びBに該当する層をそれぞれの独立したチャンバー(chamber)で蒸着するので、設備投資規模が大きくなる短所がある。
【0008】
本発明が解決しようとする技術的課題は、前記した従来技術の問題点を解決するためのものであって、長期間駆動後にもホワイトバランスを維持するだけでなく製造時間が短縮されて、高解像度を有する有機電界発光素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記技術的課題を達成するために本発明は、カラー調節層を有する有機電界発光素子を提供する。前記有機電界発光素子は基板を含む。前記基板上に第1電極が位置する。前記第1電極上に第2電極が位置する。前記第1電極及び/または前記第2電極は透明電極である。前記第1電極と前記第2電極間に少なくとも発光層を有する有機機能膜を介在する。前記透明電極の前記発光層に隣接した面と反対される面上に、レーザー熱転写法により形成されたカラー調節層が位置する。前記カラー調節層はカラーフィルター及び/または色変換層である。
【発明の効果】
【0010】
上述したように本発明によれば、発光層を基板全体にかけて単一色で形成して前記発光層の上部または下部にカラー調節層をレーザー熱転写法を用いて形成することによって、長期間駆動後にもホワイトバランスを維持することができるだけでなく、製造工程時間が短縮されて高解像度を具現することができる。また、光学的特性の改善とカラー調節層のパターン品質の向上を期待することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明をさらに具体的に説明するために本発明による望ましい実施例を添付した図面を参照しながらさらに詳細に説明する。しかし、本発明はここで説明される実施例に限定されなくて他の形態で具体化される場合もある。
【0012】
本発明の実施例における有機電界発光素子は、基板、前記基板上に位置する第1電極、前記第1電極上に位置する第2電極、前記第1電極と前記第2電極間に介在して少なくとも発光層を有する有機機能膜を含む。
【0013】
前記第1電極及び/または前記第2電極は透明電極である。敷衍すれば、前記第1電極が透明電極である場合に前記第2電極は透明電極であったり反射電極であることができて、前記第1電極が反射電極である場合に前記第2電極は透明電極である。前記透明電極は前記発光層から放出された光を透過する電極であって前記透明電極の位置によって前記有機電界発光素子は前面発光型、背面発光型及び両面発光型に区分される。
【0014】
前記透明電極はアノードまたはカソードであることができるが、前記透明電極がカソードである場合、例えばMg、Ca、Al、Ag、Baまたはこれらの合金を用いて光を透過することができる程度の厚さに薄く形成して、前記透明電極がアノードである場合、例えばITOまたはIZOで形成する。前記反射電極もアノードまたはカソードであることができるが、前記反射電極がアノードである場合に反射板(reflective plate)とITOまたはIZOが順に積層された構造であったり、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、金(Au)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)及びその酸化物で構成された群から選択された一つ以上で構成された単層構造でありうる。前記反射板はアルミニウム−ネオジム(Neodymium)(AlNd)で形成することが望ましい。前記反射電極がカソードである場合、例えばMg、Ca、Al、Ag、Baまたはこれらの合金を用いて光を反射することができる程度の厚さに形成する。
【0015】
前記透明電極は、前記発光層に隣接した面とそれに反対される面(対向する面)を持つ。前記反対される面(対向する面)上にレーザー熱転写法により形成されたカラー調節層が位置する。前記カラー調節層は前記発光層から放出された光のカラーを調節して所定のカラーにかえる。この場合、単一色光を放出する発光層を赤色、緑色及び青色画素領域に形成して前記発光層の上部または下部に後述するカラー調節層を赤色、緑色及び青色別に各々形成することによってフールカラー有機電界発光素子を具現する。したがって、相互に寿命特性を異にする赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層を各々形成しなくて前記単一色光を放出する発光層を形成することができて、長期間駆動後にもホワイトバランスを維持することができる。前記カラー調節層はカラーフィルター及び/または色変換層である。別の言い方をすれば、前記カラー調節層はカラーフィルターまたは色変換層であることができる。または、前記カラー調節層はカラーフィルターと色変換層の積層構造を持つことができる。
【0016】
前記カラーフィルターは、顔料と高分子バインダーを含むことができるが、前記顔料の種類によって赤色カラーフィルター、緑色カラーフィルター及び青色カラーフィルターに区分することができる。前記赤色カラーフィルター、前記緑色カラーフィルター及び前記青色カラーフィルターは各々前記発光層からの入射光を赤色領域の波長、緑色領域の波長及び青色領域の波長で透過させる特性を有する。
【0017】
前記色変換層は、蛍光物質と高分子バインダーを含むことができる。前記蛍光物質は前記発光層から入射された光により励起されて基底状態に転移しながら前記入射光より長波長の光を放出するようになるが、前記蛍光物質の種類によって前記入射光を赤色に変換させる赤色色変換層、前記入射光を緑色に変換させる緑色色変換層及び前記入射光を青色に変換させる青色色変換層に区分される。
【0018】
前記カラー調節層をレーザー熱転写法を用いて形成する。前記レーザー熱転写法を用いて前記カラー調節層を形成することを詳細に説明すると次の通りである。まず、前記カラー調節層を形成するためのドナーフィルムを準備するが、前記ドナーフィルムを準備することは基材フィルム上に光−熱変換層を形成して、前記光−熱変換層上にカラー調節層用転写層を形成することによって実施する。続いて、前記ドナーフィルムを基板上に前記カラー調節層用転写層が前記基板に向けるように位置させて、前記ドナーフィルムの基材フィルム上にレーザーを照射することによって、前記カラー調節層用転写層は前記基板上に転写されて前記基板上にカラー調節層を形成する。このような方法を繰り返して前記基板上に赤色、緑色及び青色カラー調節層を各々形成する。これで、露光と現像を繰り返して遂行するフォトリソグラフィ法を用いて前記カラー調節層を形成する場合に比べて製造工程時間が短縮され、真空蒸着を用いて前記カラー調節層を形成する場合に比べては高解像度を具現することができる。
【0019】
前記単一色光を放出する発光層は、二層以上の有機薄膜でも形成することができるが、前記二層以上の有機薄膜は各々相異なる波長の光を発して前記単一色光を放出できる。また前記発光層は高分子物質及び/または低分子物質(高分子物質及び低分子物質、高分子物質または低分子物質)で形成することができ、スピンコーティングまたは真空蒸着を用いて基板全面にかけて形成することができる。
【0020】
前記発光層は、白色光または青色光を放出するように形成することが望ましいが、前記カラーフィルター層を形成する場合には前記発光層は白色光を放出するように形成することが望ましくて、前記色変換層を形成する場合には前記発光層は青色光を放出するように形成することが望ましい。
【実施例1】
【0021】
図1及び図2は、本発明の第1実施例によるカラー調節層を有する前面発光型パッシブマトリックス有機電界発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【0022】
図1及び図2を参照すれば、赤色R、緑色G及び青色B画素領域を有する基板100を提供する。前記基板100全面にかけて反射膜(図示せず)を形成することができる。前記反射膜は前記基板100に光が流出されることを防止するための膜である。前記反射膜上に前記画素領域R、G、B別に相互に離隔された第1電極550を形成する。本実施例において、前記第1電極550は光を反射させる反射電極で形成する。また、前記第1電極550はアノードまたはカソードで形成することができる。
【0023】
前記第1電極550が形成された基板上に前記第1電極550の表面一部を露出させる開口部を有する画素定義膜570を形成する。前記画素定義膜570は例えば、アクリル系有機物で形成する。続いて、前記露出した第1電極550を含む基板全面に少なくとも発光層を有する有機機能膜600を形成する。前記有機機能膜600は電荷輸送層及び/または電荷注入層(電荷輸送層及び電荷注入層、電荷輸送層または電荷注入層)をさらに含んで形成することができる。
【0024】
前記有機機能膜600上に前記第1電極550を横切るように第2電極650を形成する。本実施例において、前記第2電極650は透明電極であって前記発光層から放出される光は前記第2電極650を経て放出される。前記第2電極650は前記第1電極550がアノードである場合カソードであって、前記第1電極550がカソードである場合アノードである。前記第2電極650上に保護膜670を形成することが望ましい。本実施例において、前記保護膜670は透明なことが望ましい。前記保護膜670は無機膜、有機膜または有ー無機複合膜で形成することができる。望ましくは前記無機膜はITO、IZO、SiO、SiN、Y及びAlで構成された群から選択される一つであって、前記有機膜はパリレン(parylene)またはHDPEであり、前記有ー無機複合膜はAlと有機高分子の複合膜である。
【0025】
続いて、前記保護膜670上にカラー調節層をレーザー熱転写法を用いて前記第1電極550に各々対応するように形成する。前記カラー調節層はカラーフィルター及び/または色変換層(カラーフィルター及び色変換層、カラーフィルターまたは色変換層)である。
【0026】
図1のように前記カラー調節層は赤色カラーフィルター710R、緑色カラーフィルター710G及び青色カラーフィルター710Bである。この場合、前記発光層は白色光を放出する発光層で形成することが望ましい。
【0027】
これとは異なり、図2のように前記カラー調節層は赤色色変換層700R、緑色色変換層700G及び青色色変換層700Bである。この場合、前記発光層は青色光を放出する発光層で形成することが望ましくて、前記発光層が青色光を放出する発光層である場合、前記青色色変換層700Bは形成しない場合がある。図2は色変換層とカラーフィルターが積層なったことを表しているが、色変換層が単独で使用されることができる。
【0028】
そして、前記色変換層700R、700G、700B上に各々赤色カラーフィルター710R、緑色カラーフィルター710G及び青色カラーフィルター710Bをさらに形成することによって、色変換層とカラーフィルターが順に積層された構造を持つカラー調節層を形成することができる。望ましくは、色変換層とカラーフィルターを持つ前記カラー調節層はレーザー熱転写法を用いて一度に形成する。これとは異なり、前記カラーフィルター710R、710G、710B上に各々前記赤色色変換層700R、緑色色変換層700G及び青色色変換層700Bを形成することもできる。
【0029】
続いて、前記カラーフィルター層(図1及び図2の710R、710G、710B)または前記色変換層(図2の700R、700G、700B)上にオーバーコーティング層800を形成することが望ましい。前記オーバーコーティング層800は透明膜であって前記カラーフィルター層710R、710G、710Bまたは前記色変換層700R、700G、700Bを物理的損傷などから保護する役割を有する。これで、カラー調節層を備える前面発光型パッシブマトリックス有機電界発光素子を完成する。
【実施例2】
【0030】
図3及び図4は、本発明の第2実施例によるカラー調節層を適用した前面発光型アクティブマトリックス有機電界発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【0031】
図3及び図4を参照すれば、赤色R、緑色G及び青色B画素領域を有する基板100を提供する。前記基板100全面にかけて反射膜(図示せず)を形成することができて、前記反射膜上に緩衝膜150を形成することができる。前記緩衝膜150は前記基板100から流出される不純物から後続する工程で形成される薄膜トランジスタを保護する役割を有する。前記緩衝膜150上に前記画素領域R、G、B別にソース領域210、ドレイン領域230及びチャネル領域220を有する活性層250を形成する。前記活性層250上に第1絶縁膜300を形成する。前記第1絶縁膜300上にゲート350を形成するが、前記チャネル領域220に対応するように形成する。続いて、前記ゲート350を覆う第2絶縁膜400を形成して、前記第2絶縁膜400上に前記ソース領域210及び前記ドレイン領域230に各々電気的に接するソース電極410及びドレイン電極430を形成する。前記活性層250、前記ソース電極410、前記ドレイン電極430及び前記ゲート350は薄膜トランジスタを形成する。続いて、前記薄膜トランジスタを覆う第3絶縁膜500を形成して、前記第3絶縁膜500内に前記ドレイン電極430を露出させるビアホール510を形成する。
【0032】
前記ビアホール510が形成された基板上に前記画素領域R、G、B別に相互に離隔された第1電極550を形成する。これで、前記第1電極550は前記ビアホール510を通じて前記ドレイン電極430すなわち、前記薄膜トランジスタに電気的に連結する。本実施例において、前記第1電極550は光を反射させる反射電極で形成する。前記反射電極である第1電極550はアノードまたはカソードで形成することができる。
【0033】
前記第1電極550が形成された基板上に前記第1電極550の表面一部を露出させる開口部を有する画素定義膜570を形成する。前記画素定義膜570は例えば、アクリル系有機膜で形成する。続いて、前記露出した第1電極550を含む基板全面に少なくとも発光層を有する有機機能膜600を形成する。前記有機機能膜600は電荷輸送層及び/または電荷注入層をさらに含んで形成することができる。
【0034】
前記有機機能膜600上に第2電極650を形成する。本実施例において、前記第2電極650は透明電極であって前記発光層から放出される光は前記第2電極650を経て放出される。前記第2電極650は前記第1電極550がアノードである場合カソードであって、前記第1電極550がカソードである場合アノードである。前記第2電極650上に保護膜670を形成することが望ましい。前記保護膜670は無機膜、有機膜または有ー無機複合膜で形成することができる。望ましくは前記無機膜はITO、IZO、SiO、SiN、Y及びAlで構成された群から選択される一つであって、前記有機膜はパリレン(parylene)またはHDPEであり、前記有ー無機複合膜はAlと有機高分子の複合膜である。
【0035】
続いて、前記保護膜670上にカラー調節層をレーザー熱転写法を用いて前記第1電極550に各々対応するように形成する。前記カラー調節層はカラーフィルター及び/または色変換層である。
【0036】
図3のように前記カラー調節層は赤色カラーフィルター710R、緑色カラーフィルター710G及び青色カラーフィルター710Bである。この場合、前記発光層は白色光を放出する発光層で形成することが望ましい。
【0037】
これとは異なり、図4のように前記カラー調節層は赤色色変換層700R、緑色色変換層700G及び青色色変換層700Bである。この場合、前記発光層は青色光を放出する発光層で形成することが望ましくて、前記発光層が青色光を放出する発光層である場合、前記青色色変換層700Bは形成しない場合がある。図4は色変換層とカラーフィルターが積層になったことを表しているが、色変換層が単独で使用されることができる。
【0038】
そして、前記色変換層700R、700G、700B上に各々赤色カラーフィルター710R、緑色カラーフィルター710G及び青色カラーフィルター710Bをさらに形成することによって、色変換層とカラーフィルターが順に積層された構造を持つカラー調節層を形成することができる。望ましくは、色変換層とカラーフィルターを持つ前記カラー調節層はレーザー熱転写法を用いて一度に形成する。これとは異なり、前記カラーフィルター710R、710G、710B上に各々前記赤色色変換層700R、緑色色変換層700G及び青色色変換層700Bを形成することもできる。
【0039】
続いて、前記カラーフィルター層(図3及び図4の710R、710G、710B)または前記色変換層(図4の700R、700G、700B)上にオーバーコーティング層800を形成することが望ましい。前記オーバーコーティング層800は透明膜であって前記カラーフィルター層710R、710G、710Bまたは前記色変換層700R、700G、700Bを物理的損傷などから保護する役割を有する。これで、カラー調節層を備える前面発光型アクティブマトリックス有機電界発光素子を完成する。
【実施例3】
【0040】
図5及び図6は、本発明の第3実施例によるカラー調節層を有する背面発光型パッシブマトリックス有機電界発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【0041】
図5及び図6を参照すれば、赤色R、緑色G及び青色B画素領域を有する基板100を提供する。本実施例において、前記基板100は光を透過させることができる透明基板で提供する。
【0042】
続いて、前記基板100上に前記画素領域R、G、B別に相互に離隔されたカラー調節層をレーザー熱転写法を用いて形成する。前記カラー調節層はカラーフィルター及び/または色変換層である。
【0043】
図5のように前記カラー調節層は赤色カラーフィルター530R、緑色カラーフィルター530G及び青色カラーフィルター530Bである。この場合、後続する工程で形成する発光層は白色光を放出するように形成することが望ましい。これとは異なり、図6のように前記カラー調節層は赤色色変換層540R、緑色色変換層540G及び青色色変換層540Bである。この場合、後続する工程で形成される発光層は青色光を放出する発光層で形成することが望ましくて、前記発光層が青色光を放出する発光層である場合、前記青色色変換層540Bは形成しない場合がある。図6はカラーフィルターと色変換層が積層になったことを表しているが、色変換層が単独で使用されることができる。
【0044】
そして、前記色変換層540R、540G、540Bを形成する前に前記基板100上に赤色カラーフィルター530R、緑色カラーフィルター530G及び青色カラーフィルター530Bをさらに形成することによって、カラーフィルターと色変換層が順に積層された構造を持つカラー調節層を形成することができる。望ましくは、色変換層とカラーフィルターを持つ前記カラー調節層はレーザー熱転写法を用いて一度に形成する。これとは異なり、前記色変換層540R、540G、540B上に各々赤色カラーフィルター530R、緑色カラーフィルター530G及び青色カラーフィルター530Bを形成することもできる。
【0045】
続いて、前記カラーフィルター(図5の530R、530G、530B)または前記色変換層(図6の540R、540G、540B)が形成された基板上にオーバーコーティング層545を形成することが望ましい。前記オーバーコーティング層545は透明膜であって前記カラーフィルター層530R、530G、530Bまたは前記色変換層540R、540G、540Bを物理的損傷などから保護するだけでなく、前記カラーフィルター層530R、530G、530Bまたは前記色変換層540R、540G、540Bを形成することによって発生する段差を被覆する役割を有する。
【0046】
続いて、前記オーバーコーティング層545上に第1電極560を前記カラーフィルター層530R、530G、530Bに各々対応するように形成する。本実施例において、前記第1電極560は透明電極であって後続する工程で形成される発光層から放出される光は前記第1電極560を経て放出される。前記第1電極560はアノードまたはカソードで形成することができる。前記第1電極560が形成された基板100上に前記第1電極560の表面一部を露出させる開口部を有する画素定義膜570を形成する。前記画素定義膜570は例えば、アクリル系有機膜で形成する。続いて、前記露出した第1電極560を含む基板全面に少なくとも発光層を有する有機機能膜600を形成する。前記有機機能膜600は電荷輸送層及び/または電荷注入層をさらに含んで形成することができる。
【0047】
前記有機機能膜600上に前記第1電極560を横切るように第2電極660を形成する。本実施例において、前記第2電極660は光を反射させる反射電極で形成する。前記第2電極660は前記第1電極560がアノードである場合カソードで形成して、前記第1電極560がカソードである場合アノードで形成する。これで、カラー調節層を含む背面発光型パッシブマトリックス有機電界発光素子を完成する。
【実施例4】
【0048】
図7及び図8は、本発明の第4実施例によるカラー調節層を適用した背面発光型アクティブマトリックス有機電界発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【0049】
図7及び図8を参照すれば、赤色R、緑色G及び青色B画素領域を有する基板100を提供する。本実施例において、前記基板100は光を透過させることができる透明基板で提供する。前記基板100上に活性層250、ソース電極410、ドレイン電極430及びゲート350を有する薄膜トランジスタを前記画素領域R、G、B上に各々形成して、前記薄膜トランジスタを覆う第3絶縁膜500を形成する。前記薄膜トランジスタを形成することは第2実施例で説明したのと同じ工程である。前記基板100の各画素領域R、G、Bにおいて、前記薄膜トランジスタが形成された領域は後続する工程で形成される発光層から放出される光が遮断される光遮断領域であって、前記光遮断領域を除外した領域は後続する工程で形成される発光層から放出される光が透過する光透過領域である。
【0050】
続いて、前記光透過領域の第3絶縁膜500上に前記画素領域R、G、B別に相互に離隔されたカラー調節層をレーザー熱転写法を用いて形成する。これとは異なり、図面では図示しなかったが前記カラー調節層を前記光透過領域の第2絶縁膜400と第3絶縁膜500間に形成したり、または前記光透過領域の第1絶縁膜300と前記第2絶縁膜400間に形成したり、または前記光透過領域の緩衝膜150と前記第1絶縁膜300間に形成したり、または前記光透過領域の基板100と前記緩衝膜150間に形成することができる。前記カラー調節層はカラーフィルター及び/または色変換層である。
【0051】
図7のように前記カラー調節層は赤色カラーフィルター530R、緑色カラーフィルター530G及び青色カラーフィルター530Bである。この場合、後続する工程で形成する発光層は白色光を放出するように形成することが望ましい。これとは異なり、図8のように前記カラー調節層は赤色色変換層540R、緑色色変換層540G及び青色色変換層540Bであることができる。この場合、後続する工程で形成される発光層は青色光を放出する発光層で形成することが望ましくて、前記発光層が青色光を放出する発光層である場合、前記青色色変換層540Bは形成しない場合がある。図8はカラーフィルターと色変換層が積層になったことを表しているが、色変換層が単独で使用されることができる。
【0052】
そして、前記色変換層540R、540G、540Bを形成する前に前記基板100上に赤色カラーフィルター530R、緑色カラーフィルター530G及び青色カラーフィルター530Bをさらに形成することによって、カラーフィルターと色変換層が順に積層された構造を持つカラー調節層を形成することができる。望ましくは、色変換層とカラーフィルターを持つ前記カラー調節層はレーザー熱転写法を用いて一度に形成する。これとは異なり、前記色変換層540R、540G、540B上に各々赤色カラーフィルター530R、緑色カラーフィルター530G及び青色カラーフィルター530Bを形成することもできる。
【0053】
続いて、前記カラーフィルター層(図7の530R、530G、530B)または前記色変換層(図8の540R、540G、540B)が前記第3絶縁膜500上に形成された場合、前記カラーフィルター層530R、530G、530Bまたは前記色変換層540R、540G、540B上にオーバーコーティング層545を形成することが望ましい。
【0054】
続いて、前記第3絶縁膜500内に前記ドレイン電極430を露出させるビアホール510を形成する。前記ビアホール510が形成された基板上に第1電極560を形成するが、前記カラーフィルター層530R、530G、530Bに各々対応するように形成する。これで、前記第1電極560は前記ビアホール510を通じて前記ドレイン電極430に電気的に連結する。本実施例において、前記第1電極560は透明電極であって後続する工程で形成される発光層から放出される光は前記第1電極560を経て放出される。前記透明電極である第1電極560はアノードまたはカソードでありうる。
【0055】
前記第1電極560が形成された基板上に前記第1電極560の表面一部を露出させる開口部を有する画素定義膜570を形成する。続いて、前記露出した第1電極560を含む基板全面に少なくとも発光層を有する有機機能膜600を形成する。前記有機機能膜600は電荷輸送層及び/または電荷注入層をさらに含んで形成することができる。
【0056】
前記有機機能膜600上に第2電極660を形成する。本実施例において、前記第2電極660は光を反射させる反射電極で形成する。前記第2電極660は前記第1電極560がアノードである場合カソードで形成して、前記第1電極560がカソードである場合アノードで形成する。これで、カラー調節層を適用した背面発光型アクティブマトリックス有機電界発光素子を完成する。
【実施例5】
【0057】
図9及び図10は、本発明の第5実施例によるカラー調節層を有する両面発光型パッシブマトリックス有機電界発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【0058】
図9及び図10を参照すれば、赤色R、緑色G及び青色B画素領域を有する基板100を提供する。本実施例において、前記基板100は光を透過させることができる透明基板で提供する。
【0059】
続いて、前記基板100上に前記画素領域R、G、B別に相互に離隔された第1カラー調節層をレーザー熱転写法を用いて形成する。前記第1カラー調節層は第1カラーフィルター及び/または第1色変換層(第1カラーフィルター及び第1色変換層、第1カラーフィルターまたは第1色変換層)である。
【0060】
図9のように前記第1カラー調節層は第1赤色カラーフィルター530R、第1緑色カラーフィルター530G及び第1青色カラーフィルター530Bである。この場合、後続する工程で形成する発光層は白色光を放出するように形成することが望ましい。
【0061】
これとは異なり、図10のように前記第1カラー調節層は第1赤色色変換層540R、第1緑色色変換層540G及び第1青色色変換層540Bである。この場合、後続する工程で形成される発光層は青色光を放出する発光層で形成することが望ましくて、前記発光層が青色光を放出する発光層である場合、前記第1青色色変換層540Bは形成しない場合がある。図10は第1カラーフィルターと第1色変換層が積層になったことを表しているが、第1色変換層が単独で使用されることができる。
【0062】
そして、前記第1色変換層540R、540G、540Bを形成する前に前記基板100上に第1赤色カラーフィルター530R、緑色カラーフィルター530G及び青色カラーフィルター530Bをさらに形成することによって、第1カラーフィルターと第1色変換層が順に積層された構造を持つ第1カラー調節層を形成することができる。望ましくは、第1色変換層と第1カラーフィルターを持つ前記第1カラー調節層はレーザー熱転写法を用いて一度に形成する。これとは異なり、前記第1色変換層540R、540G、540B上に各々第1赤色カラーフィルター530R、第1緑色カラーフィルター530G及び第1青色カラーフィルター530Bを形成することもできる。
【0063】
続いて、前記第1カラーフィルター層(図9の530R、530G、530B)または前記第1色変換層(図10の540R、540G、540B)が形成された基板上に第1オーバーコーティング層545を形成することが望ましい。前記第1オーバーコーティング層545は透明膜であって前記第1カラーフィルター層530R、530G、530Bまたは前記第1色変換層540R、540G、540Bを物理的損傷などから保護するだけでなく、前記第1カラーフィルター層530R、530G、530Bまたは前記第1色変換層540R、540G、540Bを形成することによって発生する段差を被覆する役割を有する。
【0064】
続いて、前記第1オーバーコーティング層545上に第1電極560を前記第1カラーフィルター層530R、530G、530Bに各々対応するように形成する。本実施例において、前記第1電極560は透明電極であって後続する工程で形成される発光層から放出される光は前記第1電極560を経て放出される。前記第1電極560はアノードまたはカソードで形成することができる。前記第1電極560が形成された基板100上に前記第1電極560の表面一部を露出させる開口部を有する画素定義膜570を形成する。前記画素定義膜570は例えば、アクリル系有機膜で形成する。続いて、前記露出した第1電極560を含む基板全面に少なくとも発光層を有する有機機能膜600を形成する。前記有機機能膜600は電荷輸送層及び/または電荷注入層をさらに含んで形成することができる。
【0065】
前記有機機能膜600上に前記第1電極560を横切るように第2電極650を形成する。本実施例において、前記第2電極650も透明電極であって前記発光層から放出される光は前記第1電極560及び前記第2電極650を経て放出される。前記第2電極650は前記第1電極560がアノードである場合カソードであって、前記第1電極560がカソードである場合アノードである。前記第2電極650上に保護膜670を形成することが望ましい。前記保護膜670は無機膜、有機膜または有ー無機複合膜で形成することができる。望ましくは前記無機膜はITO、IZO、SiO、SiN、Y及びAlで構成された群から選択される一つであって、前記有機膜はパリレン(parylene)またはHDPEであり、前記有ー無機複合膜はAlと有機高分子の複合膜である。
【0066】
続いて、前記保護膜670上に第2カラー調節層をレーザー熱転写法を用いて前記第1電極550に対応するように形成する。前記第2カラー調節層は第2カラーフィルター及び/または第2色変換層(第2カラーフィルター及び第2色変換層、第2カラーフィルターまたは第2色変換層)である。
【0067】
図9のように前記第2カラー調節層は第2赤色カラーフィルター710R、第2緑色カラーフィルター710G及び第2青色カラーフィルター710Bである。この場合、前記発光層は白色光を放出する発光層で形成することが望ましい。
【0068】
これとは異なり、図10のように前記第2カラー調節層は第2赤色色変換層700R、第2緑色色変換層700G及び第2青色色変換層700Bである。この場合、前記発光層は青色光を放出する発光層で形成することが望ましくて、前記発光層が青色光を放出する発光層である場合、前記第2青色色変換層700Bは形成しない場合がある。図10は第2色変換層と第2カラーフィルターが積層になったことを表しているが、第2色変換層が単独で使用されることができる。
【0069】
そして、前記第2色変換層700R、700G、700B上に各々第2赤色カラーフィルター710R、第2緑色カラーフィルター710G及び第2青色カラーフィルター710Bをさらに形成することによって、第2色変換層と第2カラーフィルターが順に積層にされた構造を持つ第2カラー調節層を形成することができる。望ましくは、第2色変換層と第2カラーフィルターを持つ前記第2カラー調節層はレーザー熱転写法を用いて一度に形成する。これとは異なり、前記第2カラーフィルター710R、710G、710B上に各々前記第2赤色色変換層700R、第2緑色色変換層700G及び第2青色色変換層700Bを形成することもできる。
【0070】
続いて、前記第2カラーフィルター710R、710G、710B上に第2オーバーコーティング層800を形成することが望ましい。前記第2オーバーコーティング層800は透明膜であって前記第2カラーフィルター(図9の710R、710G、710B)または前記第2色変換層(図10の700R、700G、700B)を物理的損傷などから保護する役割を有する。これで、発光層の上下部にカラー調節層を備える両面発光型パッシブマトリックス有機電界発光素子を完成する。
【実施例6】
【0071】
図11及び図12は、本発明の第6実施例によるカラー調節層を有する両面発光型アクティブマトリックス有機電界発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【0072】
図11及び図12を参照すれば、赤色R、緑色G及び青色B画素領域を有する基板100を提供する。本実施例において、前記基板100は光を透過させることができる透明基板で提供する。前記基板100上に活性層250、ソース電極410、ドレイン電極430及びゲート350を有する薄膜トランジスタを前記画素領域R、G、B上に形成して、前記薄膜トランジスタを覆う第3絶縁膜500を形成する。前記薄膜トランジスタを形成することは第2実施例において説明したのと同じ工程である。前記基板100の各画素領域R、G、Bにおいて、前記薄膜トランジスタが形成された領域は後続する工程で形成される発光層から放出される光が遮断される光遮断領域であって、前記光遮断領域を除外した領域は後続する工程で形成される発光層から放出される光が透過する光透過領域である。
【0073】
続いて、前記光透過領域の第3絶縁膜500上に前記画素領域R、G、B別に相互に離隔された第1カラー調節層をレーザー熱転写法を用いて形成する。これとは異なり、図面では図示しなかったが前記第1カラー調節層を前記光透過領域の第2絶縁膜400と第3絶縁膜500間に形成したり、または前記光透過領域の第1絶縁膜300と前記第2絶縁膜400間に形成したり、または前記光透過領域の緩衝膜150と前記第1絶縁膜300間に形成したり、または前記光透過領域の基板100と前記緩衝膜150間に形成することができる。前記第1カラー調節層は第1カラーフィルター及び/または第1色変換層である。
【0074】
図11のように前記第1カラー調節層は第1赤色カラーフィルター530R、第1緑色カラーフィルター530G及び第1青色カラーフィルター530Bである。この場合、後続する工程で形成する発光層は白色光を放出するように形成することが望ましい。
【0075】
これとは異なり、図12のように前記第1カラー調節層は第1赤色色変換層540R、第1緑色色変換層540G及び第1青色色変換層540Bである。この場合、後続する工程で形成される発光層は青色光を放出する発光層で形成することが望ましくて、前記発光層が青色光を放出する発光層である場合、前記第1青色色変換層540Bは形成しない場合がある。図12は第1カラーフィルターと第1色変換層が積層になったことを表しているが、第1色変換層が単独で使用されることができる。
【0076】
そして、前記第1色変換層540R、540G、540Bを形成する前に前記基板100上に第1赤色カラーフィルター530R、第1緑色カラーフィルター530G及び第1青色カラーフィルター530Bをさらに形成することによって、第1カラーフィルターと第1色変換層が順に積層された構造を持つ第1カラー調節層を形成することができる。 望ましくは、第1色変換層と第1カラーフィルターを持つ前記第1カラー調節層はレーザー熱転写法を用いて一度に形成する。これとは異なり、前記第1色変換層540R、540G、540B上に各々第1赤色カラーフィルター530R、第1緑色カラーフィルター530G及び第1青色カラーフィルター530Bを形成することもできる。
【0077】
前記第1カラーフィルター(図11の530R、530G、530B)または前記第1色変換層(図12の540R、540G、540B)が前記第3絶縁膜500上に形成された場合、前記第1カラーフィルター530R、530G、530Bまたは前記第1色変換層540R、540G、540B上に第1オーバーコーティング層545を形成することが望ましい。
【0078】
続いて、前記第3絶縁膜500内に前記ドレイン電極430を各々露出させるビアホール510を形成する。前記ビアホール510が形成された基板上に第1電極560を形成するが、前記第1カラーフィルター530R、530G、530Bに対応するように形成する。これで、前記第1電極560は前記ビアホール510を通じて前記ドレイン電極430に電気的に連結する。本実施例において、前記第1電極560は透明電極であって後続する工程で形成される発光層から放出される光は前記第1電極560を経て放出される。前記透明電極である第1電極560はアノードまたはカソードでありうる。
【0079】
前記第1電極560が形成された基板上に前記第1電極560の表面一部を露出させる開口部を有する画素定義膜570を形成する。続いて、前記露出した第1電極560を含む基板全面に少なくとも発光層を有する有機機能膜600を形成する。前記有機機能膜600は電荷輸送層及び/または電荷注入層をさらに含んで形成することができる。
【0080】
前記有機機能膜600上に第2電極650を形成する。本実施例において、前記第2電極650も透明電極であって前記発光層から放出される光は前記第1電極560及び前記第2電極650を経て放出される。前記第2電極650は前記第1電極560がアノードである場合カソードであって、前記第1電極560がカソードである場合アノードである。前記第2電極650上に保護膜670を形成することが望ましい。前記保護膜670は無機膜、有機膜または有ー無機複合膜で形成することができる。望ましくは前記無機膜はITO、IZO、SiO、SiN、Y及びAlで構成された群から選択される一つであって、前記有機膜はパリレン(parylene)またはHDPEであり、前記有ー無機複合膜はAlと有機高分子の複合膜である。
【0081】
続いて、前記保護膜670上に第2カラー調節層をレーザー熱転写法を用いて前記第1電極550に各々対応するように形成する。前記第2カラー調節層は第2カラーフィルター及び/または第2色変換層である。
【0082】
図11のように前記第2カラー調節層は第2赤色カラーフィルター710R、第2緑色カラーフィルター710G及び第2青色カラーフィルター710Bであることができる。この場合、前記発光層は白色光を放出する発光層で形成することが望ましい。
【0083】
これとは異なり、図12のように前記第2カラー調節層は第2赤色色変換層700R、第2緑色色変換層700G及び第2青色色変換層700Bである。この場合、前記発光層は青色光を放出する発光層で形成することが望ましくて、前記発光層が青色光を放出する発光層である場合、前記第2青色色変換層700Bは形成しない場合がある。図12は第2色変換層と第2カラーフィルターが積層になったことを表しているが、第2色変換層が単独で使用されることができる。
【0084】
そして、前記第2色変換層700R、700G、700B上に各々第2赤色カラーフィルター710R、第2緑色カラーフィルター710G及び第2青色カラーフィルター710Bをさらに形成することによって、第2色変換層と第2カラーフィルターが順に積層された構造を持つ第2カラー調節層を形成することができる。望ましくは、色変換層とカラーフィルターを持つ前記第2カラー調節層はレーザー熱転写法を用いて一度に形成する。これとは異なり、前記第2カラーフィルター710R、710G、710B上に各々前記第2赤色色変換層700R、第2緑色色変換層700G及び第2青色色変換層700Bを形成することもできる。
【0085】
続いて、前記第2カラーフィルター710R、710G、710B上にオーバーコーティング層800を形成することが望ましい。前記第2オーバーコーティング層800は透明膜であって前記第2カラーフィルター層710R、710G、710Bまたは前記第2色変換層700R、700G、700Bを物理的損傷などから保護する役割を有する。これで、発光層の上下部にカラー調節層を含む両面発光型アクティブマトリックス有機電界発光素子を完成する。
【0086】
以下、本発明の理解を助けるために望ましい実験例(example)を提示する。ただし、下記の実験例は、本発明の理解を助けるためのものであるだけで、本発明が下記の実験例により限定されるのではない。
【0087】
下記実験例と比較例は、本発明による有機電界発光素子のカラーフィルター層パターンの品質及び光学的特性を説明するための例である。
【0088】
<実験例>
基板を準備する一方、ドナーフィルム(3M社)上にカラーフィルター用物質(3M社)を塗布してカラーフィルター用転写層を形成した。前記ドナーフィルムを前記転写層が前記基板に向けるように前記基板上に位置させてネオジム−ヤグレーザー(Nd−YAG laser)を前記ドナーフィルムに照射することによって、前記転写層を前記基板上に転写させた。前記転写過程でレーザーパワーは10Wであって、スキャン速度は7m/secだった。これを赤色、緑色及び青色別に繰り返して前記基板上に赤色、緑色及び青色カラーフィルターパターンを形成した。続いて、前記カラーフィルターパターン上にアノードパターンを各々形成して、前記アノードを含んだ基板全面に白色光を放出する発光層を形成した。前記発光層上にカソードを形成することによってフールカラー有機電界発光素子を完成した。
【0089】
<比較例>
基板を提供して、前記基板上にカラーフィルター用物質であるフォトレジスト(赤色の場合Red6011L、緑色の場合Green6011L、青色の場合Blue6011L;富士ハント社)を塗布して露光及び現像してカラーフィルターパターンを形成した。これを赤色、緑色及び青色別に繰り返して前記基板上に赤色、緑色及び青色カラーフィルターパターンを形成した。これを除いては前記実験例と同一な方法によってフールカラー有機電界発光素子を完成した。
【表1】



【0090】
前記比較例によるカラーフィルターパターンは、前記実験例と同一なパターン幅を有する時、パターン縁の粗さ(pattern edge roughness)は2±0.1μm程度である。これに対して実験例によるカラーフィルター層パターンの品質は前記表1に示したように、パターン縁の粗さが非常に向上した結果を見せる。
【表2】



【0091】
表2を参照すれば、前記実験例による有機電界発光素子の光学特性は、前記比較例による有機電界発光素子の光学特性に対して、白色Yが10.5%程度向上して、色再現性は4.9%程度改善されたことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の第1実施例による有機電界発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【図2】本発明の第1実施例による有機電界発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【図3】本発明の第2実施例による有機電界発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【図4】本発明の第2実施例による有機電界発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【図5】本発明の第3実施例による有機電界発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【図6】本発明の第3実施例による有機電界発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【図7】本発明の第4実施例による有機電界発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【図8】本発明の第4実施例による有機電界発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【図9】本発明の第5実施例による有機電界発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【図10】本発明の第5実施例による有機電界発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【図11】本発明の第6実施例による有機電界発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【図12】本発明の第6実施例による有機電界発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0093】
100 基板
530R、530G、530B、710R、710G、710B カラーフィルター
540R、540G、540B、700R、700G、700B 色変換層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板、前記基板上に位置する第1電極、前記第1電極上に位置する第2電極、前記第1電極と前記第2電極間に介在して少なくとも発光層を有する有機機能膜を含む有機電界発光素子において、
前記第1電極及び/または前記第2電極は透明電極であって、
前記透明電極の前記発光層に隣接した面と対向する面上に位置して、レーザー熱転写法により形成されたカラー調節層を有することを特徴とする有機電界発光素子。
【請求項2】
前記カラー調節層はカラーフィルターであり、前記発光層は白色光を放出することを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項3】
前記カラー調節層は色変換層であり、前記発光層は青色光を放出することを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項4】
前記カラー調節層はカラーフィルターと色変換層の積層構造を持つことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項5】
前記カラーフィルターと色変換層の積層構造を持つカラー調節層はレーザー熱転写法により同時に形成されることを特徴とする請求項4に記載の有機電界発光素子。
【請求項6】
前記発光層は、高分子物質及び/または低分子物質で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項7】
前記発光層は、両層以上の有機薄膜で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項8】
前記発光層は、蒸着またはスピンコーティング法を用いて形成された発光層であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項9】
前記有機機能膜は、電荷注入層及び/または電荷輸送層をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項10】
前記第1電極と電気的に連結した薄膜トランジスタをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項11】
前記第2電極が透明電極である場合、前記第1電極は反射電極であって、
前記カラー調節層は、前記透明電極である第2電極上に位置することを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項12】
前記第1電極と電気的に連結した薄膜トランジスタをさらに有することを特徴とする請求項11に記載の有機電界発光素子。
【請求項13】
前記第2電極と前記カラー調節層間に介在した保護膜をさらに有することを特徴とする請求項11に記載の有機電界発光素子。
【請求項14】
前記保護膜は、無機膜、有機膜または有ー無機複合膜であることを特徴とする請求項13に記載の有機電界発光素子。
【請求項15】
前記カラー調節層上にオーバーコーティング層をさらに有することを特徴とする請求項11に記載の有機電界発光素子。
【請求項16】
前記第1電極が透明電極である場合、前記第2電極は反射電極であって、
前記カラー調節層は、前記基板と前記透明電極である第1電極間に位置することを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項17】
前記カラー調節層と前記第1電極間に介在したオーバーコーティング層をさらに有することを特徴とする請求項16に記載の有機電界発光素子。
【請求項18】
前記第1電極と電気的に連結した薄膜トランジスタをさらに有することを特徴とする請求項16に記載の有機電界発光素子。
【請求項19】
前記基板上に位置して、ソース領域、ドレイン領域及びチャネル領域を有する活性層と、前記活性層上に位置する第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に前記チャネル領域と対応して位置するゲートと、前記ゲート上に位置する第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜上に位置して前記ソース領域及びドレイン領域に各々接するソース電極及びドレイン電極と、及び前記ソース電極及びドレイン電極上に位置する前記ソース電極または前記ドレイン電極を露出させるビアホールを持つ第3絶縁膜をさらに有して、
前記第1電極は、前記第3絶縁膜上に位置して前記ビアホールを通じて前記ソース電極または前記ドレイン電極と連結して、前記カラー調節層は、前記基板と前記第1電極間に位置することを特徴とする請求項16に記載の有機電界発光素子。
【請求項20】
前記カラー調節層は、前記第3絶縁膜と前記第1電極間、前記第2絶縁膜と前記第3絶縁膜間、前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜間または前記基板と前記第1絶縁膜間に位置することを特徴とする請求項19に記載の有機電界発光素子。
【請求項21】
前記カラー調節層は前記第3絶縁膜と前記第1電極間に位置する場合、前記カラー調節層と前記第1電極間に介在したオーバーコーティング層をさらに有することを特徴とする請求項20に記載の有機電界発光素子。
【請求項22】
前記第1電極及び前記第2電極がすべて透明電極である場合、前記基板と前記第1電極間に位置する第1カラー調節層及び前記第2電極上に位置する第2カラー調節層を有することを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項23】
前記第1カラー調節層と前記第1電極間に介在した第1オーバーコーティング層をさらに有することを特徴とする請求項22に記載の有機電界発光素子。
【請求項24】
前記第2電極と前記第2カラー調節層間に保護膜をさらに有することを特徴とする請求項22に記載の有機電界発光素子。
【請求項25】
前記保護膜は、無機膜、有機膜または有ー無機複合膜であることを特徴とする請求項24に記載の有機電界発光素子。
【請求項26】
前記第2カラー調節層上に第2オーバーコーティング層をさらに有することを特徴とする請求項22に記載の有機電界発光素子。
【請求項27】
前記第1電極と電気的に連結した薄膜トランジスタをさらに有することを特徴とする請求項22に記載の有機電界発光素子。
【請求項28】
前記基板上に位置して、ソース領域、ドレイン領域及びチャネル領域を有する活性層と、前記活性層上に位置する第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に前記チャネル領域と対応して位置するゲートと、前記ゲート上に位置する第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜上に位置して前記ソース領域及びドレイン領域に各々接するソース電極及びドレイン電極と、及び前記ソース電極及びドレイン電極上に位置する前記ソース電極または前記ドレイン電極を露出させるビアホールを持つ第3絶縁膜をさらに有して、
前記第1電極は、前記第3絶縁膜上に位置して前記ビアホールを通じて前記ソース電極または前記ドレイン電極と連結して、前記第1カラー調節層は、前記基板と前記第1電極間に位置することを特徴とする請求項22に記載の有機電界発光素子。
【請求項29】
前記第1カラー調節層は、前記第3絶縁膜と前記第1電極間、前記第2絶縁膜と前記第3絶縁膜間、前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜間または前記基板と前記第1絶縁膜間に位置することを特徴とする請求項28に記載の有機電界発光素子。
【請求項30】
前記第1カラー調節層は前記第3絶縁膜と前記第1電極間に位置する場合、前記第1カラー調節層と前記第1電極間に介在した第1オーバーコーティング層をさらに有することを特徴とする請求項29に記載の有機電界発光素子。
【請求項31】
前記第1電極はアノードであって、前記第2電極はカソードであることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項32】
前記第1電極はカソードであって、前記第2電極はアノードであることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2005−100939(P2005−100939A)
【公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−185219(P2004−185219)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】