説明

カリウムチャンネル開放物質としての新規な三環式ジヒドロピラジン

本発明は、新規な三環式ジヒドロピラジン誘導体、それらを含有する製薬学的組成物及びカリウムチャンネルに関連する障害の処置におけるそれらの使用を目的とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、新規な三環式ジヒドロピラジン誘導体、それらを含有する製薬学的組成物及びカリウムチャンネルに関連する障害の処置におけるそれらの使用を目的とする。かくして本発明の化合物は、種々の障害の処置のために有用である。これは尿失禁、過活性膀胱(overactive bladder)、高血圧、勃起機能障害、女性性的障害、月経困難症、過敏性腸症候群、気道機能亢進、てんかん、発作、アルツハイマー病及びパーキンソン病、心筋損傷、冠動脈疾患ならびに脱毛及び禿頭症を含むが、これらに限られない。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
イオンチャンネルは、イオンの貫膜移動の調節を介して細胞機能のホメオスタシス(hormeostasis)において基本的な役割を果たす。細胞活性は、イオンチャンネルの活性の改変により影響され得る。これは膜電位差における変化を生ずる。カリウムチャンネルは、イオンチャンネルの多様且つ遍在性の群である。それらは主に細胞の静止膜電位を調節し、細胞の興奮(excitation)の程度を減衰させる。機能性KATPチャンネルは、4つの内方に調整する(inward rectifying)カリウムチャンネルサブユニット(Kir6.2)及び4つのスルホニルウレア受容体(SUR)サブユニットから組み立てられたヘテロ−8量体である。2つのSUR遺伝子、SUR1及びSUR2がある。SUR1/Kir6.2チャンネルは、膵臓及び脳において見出される。SUR2遺伝子から2つの主なスプライス変異体、SUR2A及びSUR2Bが生じ、それらはC−末端42アミノ酸においてのみ異なる。SUR2A/Kir6.2チャンネルは、心臓及び骨格組織において見出されるが、SUR2B/Kir6.2チャンネルは、膀胱を含む多くの組織の平滑筋において見出される(非特許文献1)。カリウムチャンネル開放物質(openers)を用いて、複数の疾患又は状態を処置することができる。これには過活性膀胱、尿失禁、男性勃起機能障害、女性性的障害、早産、良性前立腺過形成(BPH)、月経困難症、神経変性、発作、痛み、冠動脈疾患、狭心症、虚血、摂食障害、過敏性腸症候群、脱毛が含まれる。
【0003】
尿失禁(UI)は、患者の生命の全体的な質に影響し得る疾患である。過活性膀胱(OAB)はUIの最も一般的に多い形態であり、報告された有病率はすべての診断されたUIの症例の40〜70%である(非特許文献2)。OABは尿頻度の増加、尿意緊迫及び尿の不随意な排失(loss)の症状により特徴付けられる。OABの根本的な原因は、不意に且つ不随意に収縮する過敏性膀胱である。理想的な製薬学的薬剤は、正常な排泄収縮を無損傷で残しながら、不随意な収縮を抑制しなければならない。ATP−感受性カリウムチャンネル開放物質(KCO)はそのような薬剤として働くことができるはずである。ATP−感受性カリウムチャンネル(KATP)は膀胱平滑筋において発現され、これらの細胞における静止膜電位の重要な調節物質として機能する。これらのチャンネルを選択的に開放する化合物は、細胞を過分極させ、細胞の興奮性を低下させ、正常な放尿回路(circuitry)を無損傷で残しながら不随意な膀胱収縮の抑制を生ずる。
【非特許文献1】Aguilar−Bryan著,1998年
【非特許文献2】Wein著,2000年
【発明の開示】
【0004】
発明の概略
本発明は式I:
【0005】
【化1】

【0006】
[式中、
は水素、ハロゲン、カルボキシ、C1−4アルキル、ハロゲン化C1−4アルキル、−C(O)−C1−4アルキル、−C(O)−(ハロゲン化C1−4アルキル)、−C(O)O−C1−4アルキル、−S(O)0−2−C1−4アルキル、シアノ及びニトロより成る群から選ばれ;
は水素、ハロゲン、カルボキシ、C1−4アルキル、ハロゲン化C1−4アルキル、−C(O)−C1−4アルキル、−C(O)−(ハロゲン化C1−4アルキル)、−C(O)O−C1−4アルキル、−S(O)0−2−C1−4アルキル、シアノ及びニトロより成る群から選ばれ;
nは1〜2であり、
は水素又はC1−4アルキルである]
の化合物又はその製薬学的に許容され得る塩を目的とする。
【0007】
本発明の例は、製薬学的に許容され得る担体及び上記の化合物のいずれかを含んでなる製薬学的組成物である。本発明の例は、上記の化合物のいずれか及び製薬学的に許容され得る担体を混合することにより調製される製薬学的組成物である。本発明を例示するものは、上記の化合物のいずれか及び製薬学的に許容され得る担体を混合することを含んでなる、製薬学的組成物の調製方法である。
【0008】
本発明を例示するものは、必要のある患者に上記の化合物のいずれか又は製薬学的組成物の治療的に有効な量を投与することを含んでなる、イオンチャンネル、好ましくはカリウムイオンチャンネル、より好ましくはATP−感受性カリウムイオンチャンネルに関連する障害の処置方法である。
【0009】
本発明の例は、必要のある患者に上記の化合物のいずれか又は製薬学的組成物の有効量を投与することを含んでなる、尿失禁、過活性膀胱、高血圧、勃起機能障害、女性性的障害、月経困難症、過敏性腸症候群、気道機能亢進、てんかん、発作、アルツハイマー病、パーキンソン病、心筋損傷、冠動脈疾患、脱毛及び禿頭症より成る群から選ばれる障害、好ましくは尿失禁の処置方法である。
【0010】
本発明の他の例は、必要のある患者において:(a)尿失禁、(b)過活性膀胱、(c)高血圧、(d)勃起機能障害、(e)女性性的障害、(f)月経困難症、(g)過敏性腸症候群、(h)気道機能亢進、(i)てんかん、(j)発作、(k)アルツハイマー病
、(l)パーキンソン病、(m)心筋損傷、(n)冠動脈疾患、(o)脱毛又は(p)禿頭症を処置するための薬剤の製造における本明細書に記載の化合物のいずれかの使用である。
【0011】
発明の詳細な記述
本発明は式(I)
【0012】
【化2】

【0013】
[式中、R、R、R及びnは本明細書で定義される通りである]
の化合物を目的とする。本発明の化合物は、カリウムチャンネル開放物質である。かくして本発明の化合物は、尿失禁、過活性膀胱、高血圧、勃起機能障害、女性性的障害、月経困難症、過敏性腸症候群、気道機能亢進、てんかん、発作、アルツハイマー病及びパーキンソン病、心筋損傷、冠動脈疾患ならびに脱毛及び禿頭症を含むがこれらに限られない種々の障害の処置のために有用である。好ましくは、本発明の化合物は尿失禁又は過活性膀胱の処置において有用である。
【0014】
本明細書で用いられる場合、「ハロゲン」は塩素、臭素、フッ素及びヨウ素を意味する。好ましくは、ハロゲンは塩素、臭素又はフッ素、より好ましくは塩素又はフッ素である。
【0015】
本明細書で用いられる場合、単独で又は置換基の一部として用いられる「アルキル」という用語は、直鎖及び分枝鎖を含む。例えばアルキル基はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチルなどを含む。類似して、単独で又は置換基の一部として用いられる「C1−4アルキル」という用語は、4個の炭素原子を含有する直鎖及び分枝鎖を含む。例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル及びt−ブチル。
【0016】
本明細書で用いられる場合、他にことわらなければ、単独で又は置換基の一部として用いられる「アルコキシ」は、上記の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基の酸素エーテル基を示す。例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ヘキシルオキシなど。類似して、単独で又は置換基の一部として用いられる「C1−4アルコキシ」という用語は、上記の直鎖もしくは分枝鎖C1−4アルキル基の酸素エーテル基を示す。例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシなど。
【0017】
本明細書で用いられる場合、他にことわらなければ、「ハロゲン置換C1−4アルキル」という用語は、少なくとも1個のハロゲン原子で置換された、好ましくは少なくとも1個のフッ素原子で置換された上記で定義されたいずれかのC1−4アルキル基を意味する。適した例には−CF、−CHF、−CH−CF、−CF−CF−CF−CFなどが含まれるが、これらに限られない。類似して、本明細書で用いられる場合、他にことわらなければ、「ハロゲン置換C1−4アルコキシ」という用語は、少なくとも1個のハロゲン原子で置換された、好ましくは少なくとも1個のフッ素原子で置換された上記で定義されたいずれかのC1−4アルコキシ基を意味する。適した例には−OCF、−OCHF、−OCH−CF、−OCF−CF−CF−CFなどが含まれるが、これらに限られない。
【0018】
本明細書で用いられる場合、他にことわれなければ、「アリール」は非置換炭素環式芳香族基、例えばフェニル、ナフチルなどを指す。好ましくは、アリール基はフェニル又はナフチル、より好ましくはフェニルである。
【0019】
本明細書で用いられる場合、他にことわれなければ、環構造に言及する場合の「部分的に不飽和の」という用語は、環構造が安定であり、且つ少なくとも1個の不飽和結合(すなわち少なくとも1個の二重結合)を含有することを意味する。適した例にはシクロヘキセニルなどが含まれるが、これらに限られない。
【0020】
本明細書で用いられる場合、他にことわれなければ、「ヘテロアリール」は、O、N及びSより成る群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、場合によりO、N及びSより成る群から独立して選ばれる1〜3個の追加のヘテロ原子を含有することができる5もしくは6員単環式芳香族環構造;あるいはO、N及びSより成る群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、場合によりO、N及びSより成る群から独立して選ばれる1〜4個の追加のヘテロ原子を含有することができる9もしくは10員二環式芳香族環構造を示す。ヘテロアリール基は、結果が安定な構造であるように、環のいずれのヘテロ原子又は炭素原子において結合することもできる。
【0021】
適したヘテロアリール基の例にはピロリル、フリル、チエニル、オキサゾリル、イミダゾリル、プラゾリル(purazolyl)、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラニル、フラザニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリニル、インダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、イソチアゾリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニルなどが含まれるが、これらに限られない。
【0022】
本明細書で用いられる場合、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、O、N及びSより成る群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、場合によりO、N及びSより成る群から独立して選ばれる1〜3個の追加のヘテロ原子を含有することができる5〜7員単環式飽和もしくは部分的不飽和環構造;あるいはO、N及びSより成る群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、場合によりO、N及びSより成る群から独立して選ばれる1〜4個の追加のヘテロ原子を含有することができる9〜10員飽和、部分的不飽和もしくは部分的芳香族二環式環系を示す。ヘテロシクロアルキル基は、結果が安定な構造であるように、環のいずれのヘテロ原子又は炭素原子において結合することもできる。
【0023】
適したヘテロシクロアルキル基の例にはピロリニル、ピロリジニル、ジオキサラニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ジオキサニル、モルホリニル、ジチアニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、トリチアニル、インドリニル、クロメニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−ジヒドロ
ベンゾフリルなどが含まれるが、これらに限られない。
【0024】
本明細書で用いられる場合、他にことわれなければ、「ヘテロシクリル」という用語は、上記で定義したいずれかのヘテロアリール又はヘテロシクリル基を意味する。好ましくは、ヘテロシクリル基は少なくとも1個の窒素原子を含む。より好ましくは、ヘテロシクリル基は、O、S及びNより成る群から独立して選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含む。さらにもっと好ましくは、ヘテロシクリル基は、O、S及びNより成る群から独立して選ばれる1〜2個のヘテロ原子を含む。好ましくは、ヘテロシクリル基は1個のN原子を含み、さらにO、S及びNより成る群から独立して選ばれる1個の追加のヘテロ原子を含む。好ましくは、ヘテロシクリル基は飽和しているか、芳香族又は部分的芳香族であり、より好ましくは、ヘテロシクリル基は芳香族であるか、又はベンゾ−縮合している。
【0025】
好ましくは、ヘテロシクリルは4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、ピペリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピリダジニル、インドリニル、インダゾリル、イソインドリル、ピロロ[3,4−c]ピリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズオキサゾリル、キナゾリニル、キノリニル及びイソキノリニルより成る群から選ばれる。
【0026】
本明細書で用いられる場合、「」という表示は、ステレオジェン中心(stereogenic center)の存在を示す。
【0027】
特定の基が「置換されている」場合(例えばアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール)、その基は、置換基のリストから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基、好ましくは1〜5個の置換基、より好ましくは1〜3個の置換基、最も好ましくは1〜2個の置換基を有することができる。
【0028】
置換基に言及すると、「独立して」という用語は、1個より多いそのような置換基が可能な場合、そのような置換基は同じか又は互いに異なることができることを意味する。
【0029】
より簡潔な記述を与えるために、本明細書で与えられる量的表現のいくつかは「約」という用語で修飾されない。「約」という用語が明白に用いられても用いられなくても、本明細書で与えられるすべての量は実際の示される値を指すものとし、且つそのような与えられる値に関する実験及び/又は測定条件の故の近似を含んで、当該技術分野における通常の熟練に基づいて合理的に推論されるそのような与えられる値への近似も指すものとすることが理解される。
【0030】
本明細書で用いられる場合、他にことわらなければ、「離脱基」という用語は、置換もしくは置き換え(displacement)反応の間に去る帯電もしくは非帯電原子もしくは基を意味する。適した例にはBr、Cl、I、メシレート、トシレートなどが含まれるが、これらに限られない。
【0031】
本明細書で用いられる場合、他にことわれなければ、「窒素保護基」という用語は、反応への関与から窒素原子を保護するために窒素原子に結合させることができ、且つ反応に続いて容易に除去され得る基を意味する。適した窒素保護基には、Rが例えばメチル、エチル、t−ブチル、ベンジル、フェニルエチル、CH=CH−CH−などである式−C(O)O−Rの基であるカルバメート;R’が例えばメチル、フェニル、トリフルオロメチなどである式−C(O)−R’の基であるアミド;R”が例えばトリル、フェニル、トリフルオロメチル、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−イル−、2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンゼンなどである式−SO−R”であるN−スルホニル誘導体の基が含まれるが、これらに限られない。他の適した窒素保護基は、T.W.Greene & P.G.M.Wuts著,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991年のような教本において見出され得る。
【0032】
本開示を通じて用いられる標準的な命名法の下で、指示される側鎖の末端部分が最初に記載され、隣接する官能基が結合の点に向かって続く。かくして例えば「フェニル−C1−4アルキル−アミノ−カルボニル−C1−4アルキル−」置換基は式
【0033】
【化3】

【0034】
の基を指す。
【0035】
明細書、特にスキーム及び実施例において用いられる略語は以下の通りである:
DCM=ジクロロメタン
DMAC=ジメチルアセトアミド
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
Et=エチル(すなわち−CHCH
Etl=ヨウ化エチル
EtOAc=酢酸エチル
HPLC=高圧液体クロマトグラフィー
KO−t−Bu又はt−Bu−OK=カリウムt−ブトキシド
Me=メチル(すなわち−CH
Mel=ヨウ化メチル
MeOH=メタノール
NaNH
NaOAc=酢酸ナトリウム
TEA又はEtN=トリエチルアミン
THF=テトラヒドロフラン
【0036】
本明細書で用いられる「患者」という用語は、処置、観察又は実験の対象であった動物、好ましくは哺乳類、最も好ましくは人間を指す。
【0037】
本明細書で用いられる「治療的に有効な量」という用語は、組織系、動物又は人間において、研究者、獣医、医師又は他の臨床医が求めている生物学的もしくは医学的反応を引き出す活性化合物又は製薬学的薬剤の量を意味し、反応には処置されている疾患又は障害の症状の軽減が含まれる。
【0038】
本明細書で用いられる場合、「組成物」という用語は、特定の量における特定の成分ならびに特定の量における特定の成分の組み合わせから直接又は間接的に生ずる生成物を含んでなる生成物(product)を包含することが意図されている。
【0039】
本発明に従う化合物が少なくとも1個のキラル中心を有する場合、それらは従ってエナンチオマーとして存在し得る。化合物が2個もしくはそれより多いキラル中心を有する場合、それらはさらにジアステレオマーとして存在し得る。すべてのそのような異性体及びそれらの混合物は本発明の範囲内に包含されることが理解されるべきである。さらに、化
合物に関する結晶形のいくつかは多形相として存在し得、従って(as such)本発明に含まれることが意図されている。さらに、化合物のいくつかは水(すなわち水和物)又は通常の有機溶媒と溶媒和物を形成することができ、そのような溶媒和物も本発明の範囲内に包含されることが意図されている。
【0040】
本発明は、本発明の化合物の「プロドラッグ」をその範囲内に含む。一般にそのようなプロドラッグは、生体内で必要な化合物に容易に転換可能な化合物の官能基誘導体であろう。かくして本発明の処置方法において、「投与する」という用語は、特定的に開示される化合物を用いるか、又は特定的に開示されていないかも知れないが、患者への投与の後に生体内で特定の化合物に転換される化合物を用いる、記載される種々の障害の処置を包含する。適したプロドラッグ誘導体の選択及び製造のための通常の方法は、例えば“Design of Prodrugs”,ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985年に記載されている。
【0041】
本発明は、本発明の化合物の「製薬学的に許容され得る塩」をその範囲内に含む。医薬(medicine)中における使用のために、本発明の化合物の塩は無毒性の製薬学的に許容され得る塩を指す。しかしながら、他の塩は本発明に従う化合物又はそれらの製薬学的に許容され得る塩の製造において有用であり得る。化合物の適した製薬学的に許容され得る塩には酸付加塩が含まれ、それらは例えば化合物の溶液を製薬学的に許容され得る酸、例えば塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸又はリン酸の溶液と混合することにより形成され得る。さらに、本発明の化合物が酸性部分を有している場合、適したその製薬学的に許容され得る塩にはアルカリ金属塩、例えばナトリウム又はカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム又はマグネシウム塩;及び適した有機リガンドと形成される塩、例えば第4級アンモニウム塩が含まれ得る。かくして代表的な製薬学的に許容され得る塩には以下が含まれる:
アセテート、ベンゼンスルホネート、ベンゾエート、ビカーボネート(bicarbonate)、ビサルフェート(bisulfate)、ビタルタレート(bitartrate)、ボレート、ブロミド、カルシウムエデテート、カムシレート、カーボネート、クロリド、クラブラネート、シトレート、ジヒドロクロリド、エデテート、エジシレート、エストレート、エシレート、フマレート、グルセプテート、グルコネート、グルタメート、グリコリルアルサニレート、ヘキシルレゾルシネート、ヒドラバミン、ヒドロブロミド、ヒドロクロリド、ヒドロキシナフトエート、ヨーダイド、イソチオネート、ラクテート、ラクトビオネート、ラウレート、マレート、マレエート、マンデレート、メシレート、メチルブロミド、メチルナイトレート、メチルサルフェート、ムケート、ナプシレート、ナイトレート、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレエート、パモエート(エンボネート)、パルミテート、パントテネート、ホスフェート/ジホスフェート、ポリガラクツロネート、サリチレート、ステアレート、サルフェート、サブアセテート、スクシネート、タンネート、タルタレート、テオクレート、トシレート、トリエチオダイド及びバレレート。
【0042】
製薬学的に許容され得る塩の製造において用いることができる代表的な酸及び塩基には以下が含まれる:
酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、(+)−ショウノウ酸、ショウノウスルホン酸、(+)−(1S)−ショウノウ−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタール酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルコロン酸、L−グルタミン酸、α−オキソ−グルタール酸、グリコール酸、馬尿酸(hipuric acid)、臭化水素酸、塩酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデリン酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸及びウンデシレン酸を含む酸;ならびに
アンモニア、L−アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール(deanol)、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リシン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、第2級アミン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミン及び水酸化亜鉛を含む塩基。
【0043】
本発明の1つの態様において、Rは水素、ハロゲン、カルボキシ、C1−4アルキル、ハロゲン化C1−4アルキル、−C(O)−C1−4アルキル、−C(O)−(ハロゲン化C1−4アルキル)、−C(O)O−C1−4アルキル、−S(O)0−2−C1−4アルキル、シアノ、ニトロより成る群から選ばれる;本発明の他の態様において、Rは水素、ハロゲン、シアノ及びニトロより成る群から選ばれる;本発明の他の態様において、Rはハロゲン及びシアノより成る群から選ばれる;本発明の他の態様においてRはシアノである。
【0044】
本発明の1つの態様において、Rは水素、ハロゲン、カルボキシ、C1−4アルキル、ハロゲン化C1−4アルキル、−C(O)−C1−4アルキル、−C(O)−(ハロゲン化C1−4アルキル)、−C(O)O−C1−4アルキル、−S(O)0−2−C1−4アルキル、シアノ、ニトロより成る群から選ばれる;本発明の他の態様において、Rは水素、ハロゲン、シアノ、ニトロより成る群から選ばれる;本発明の他の態様において、Rは水素及びハロゲンより成る群から選ばれる;本発明の他の態様において、Rはハロゲンより成る群から選ばれる。
【0045】
本発明の1つの態様において、Rは水素、C1−4アルキル、−C(O)−C1−4アルキル、−S(O)0−2−C1−4アルキルより成る群から選ばれる;本発明の他の態様において、Rは水素及びC1−4アルキルである;本発明の他の態様において、Rは水素である。
【0046】
本発明の1つの態様において、nは1及び2より成る数から選ばれる;本発明の他の態様において、nは2より成る数から選ばれる。
【0047】
本発明の追加の態様は、本明細書で定義される可変項(すなわちR、R、R及びn)の1個もしくはそれより多くに関して選ばれる置換基が、本明細書で定義される完全なリストから選ばれるいずれかの個々の置換基又はいずれかの置換基のサブセットであるように独立して選ばれる態様を含む。
【0048】
本発明の代表的な化合物は、下記の表1に挙げる通りである。
【0049】
【表1】

【0050】
スキーム1に概述される方法に従って式(I)の化合物を製造することができる。
【0051】
【化4】

【0052】
従って、既知の化合物又は既知の方法により製造される化合物である適切に置換された式(II)の化合物を既知の化合物である適切に置換された(III)と、触媒Rh(OAc)二量体の存在下に、好ましくは約50℃〜約100℃の範囲内の温度で、より好ましくは約70℃の温度で、ベンゼン、トルエンなどの有機溶媒中で反応させ、対応する式(IX)の化合物を与える。
【0053】
式(IX)の化合物を、DMF、DMAC、THFなどのような有機溶媒中で、約50℃〜約100℃の範囲内の温度においてアンモニア源、例えば水酸化アンモニア、酢酸アンモニアなどを用いて処理し、対応する式(X)の化合物を与える。
【0054】
式(X)の化合物を、DMF、DMAC、THFなどのような有機溶媒中で、約50℃〜80℃の範囲内の温度において、ナトリウムアミド、水素化ナトリウム、カリウムt−ブトキシドなどのような塩基を用いて処理し、対応する式(XI)の化合物を与える。
【0055】
式(XI)の化合物を水素化ナトリウム、カリウムt−ブトキシドなどのような塩基の存在下に、DMF、DMAC、THFなどのような有機溶媒中で、約0℃〜25℃の範囲内の温度において、アルキルハライド、アシルハライド、アシル無水物などのような求電子試薬を用いて処理し、対応する式(XII)の化合物を与える。
【0056】
本発明の化合物の製造方法のいずれかの間に、関連する分子のいずれかの上の敏感なもしくは反応性の基を保護することが必要であるか、及び/又は望ましいかも知れない。これは、Protective Groups in Organic Chemistry,ed.J.F.W.McOmie,Plenum press,1973年;及びT.W.Greene & P.G.M.Wuts著,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991年に記載されているもののような、通常の保護基により達成され得る。その後の簡便な段階に、当該技術から既知の方法を用いて、保護基を除去することができる。
【0057】
当該技術分野における熟練者には、本発明の反応段階を多様な溶媒又は溶媒系中で行い得る場合、該反応段階を適した溶媒又は溶媒系の混合物中でも行い得ることがわかるであろう。
【0058】
本発明はさらに、製薬学的に許容され得る担体と一緒に1種もしくはそれより多い式(I)の化合物を含有する製薬学的組成物を含む。単数種もしくは複数種の化合物を通常の製薬学的配合法に従って製薬学的担体と緊密に混合することにより、本明細書に記載される本発明の化合物の1種もしくはそれより多くを活性成分として含有する製薬学的組成物を調製することができる。担体は、所望の投与経路(例えば経口的、非経口的)に依存して多用な形態をとることができる。かくして懸濁剤、エリキシル剤及び溶液のような液体の経口用調製物のために、適した担体及び添加剤には水、グリコール、油、アルコール、風味剤、防腐剤、安定剤、着色剤などが含まれ;粉剤、カプセル及び錠剤のような固体の経口用調製物のために、適した担体及び添加剤にはデンプン、糖類、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などが含まれる。吸収の主要な部位を調節するために、固体の経口用調製物を糖類のような物質でコーティングするか、又は腸溶コーティングすることもできる。非経口的投与のために、担体は通常無菌水から成り、且つ溶解性を向上させるか又は防腐のために他の成分を加えることができる。適した添加剤と一緒に水性担体を用い、注入可能な懸濁剤又は溶液を調製することもできる。
【0059】
本発明の製薬学的組成物の調製のために、活性成分として選ばれる1種もしくはそれより多い本発明の化合物を、通常の製薬学的配合法に従って製薬学的担体と緊密に混合し、その担体は、投与、例えば経口的又は非経口的、例えば筋肉内投与のために望ましい調製物の形態に依存して多様な形態をとることができる。経口的剤形における組成物の調製において、通常の製薬学的媒体のいずれを用いることもできる。かくして例えば懸濁剤、エリキシル剤及び溶液のような液体経口用調製物のために、適した担体及び添加剤には水、グリコール、油、アルコール、風味剤、防腐剤、着色剤などが含まれ;例えば粉剤、カプセル、カプレット、ゲルカップ及び錠剤のような固体経口用調製物のために、適した担体及び添加剤にはデンプン、糖類、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などが含まれる。それらの投与の容易さのために、錠剤及びカプセルは最も有利な経口的単位剤形を与え、その場合には固体の製薬学的担体が用いられるのは明らかである。必要なら、標準的な方法により錠剤を糖コーティング又は腸溶コーティングすることができる。非経口用
組成物の場合、担体は通常無菌水を含んでなるが、例えば溶解性を助けるか又は防腐の目的のための他の成分が含まれることができる。注入可能な懸濁剤を調製することもでき、その場合には適した液体担体、懸濁化剤などを用いることができる。本明細書における製薬学的組成物は、投薬単位、例えば錠剤、カプセル、粉剤、注射、小さじ一杯など当たりに、上記の有効な投薬量を送達するのに必要な量の活性成分を含有するであろう。本明細書における製薬学的組成物は、投薬単位、例えば錠剤、カプセル、粉剤、注射、座薬、小さじ一杯など当たりに、約50〜100mgを含有し、約0.5〜5.0mg/kg/日、好ましくは約1.0〜3.0mg/kg/日の投薬量で与えることができる。しかしながら、投薬量は患者の必要性、処置されている状態の重度及び用いられる化合物に依存して変わり得る。毎日の投与の使用又は周期−後投薬(post−periodic dosing)を用いることができる。
【0060】
好ましくは、これらの組成物は経口的、非経口的、鼻内、舌下又は直腸的投与のために、あるいは吸入もしくは吹入による投与のために;錠剤、丸薬、カプセル、粉剤、顆粒剤、無菌非経口用溶液もしくは懸濁剤、計量エアゾールもしくは液体スプレー、滴剤、アンプル、自動注入装置又は座薬のような単位剤形にある。あるいはまた、週に1回又は月に1回の投与に適した形態で組成物を与えることができ;例えばデカン酸塩のような活性化合物の不溶性塩を適応させて、筋肉内注入のためのデポ剤(depot preparation)を与えることができる。錠剤のような固体組成物の調製のために、主な活性成分を製薬学的担体、例えばコーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム又はゴム(gums)のような通常の錠剤化成分ならびに他の製薬学的希釈剤、例えば水と混合し、本発明の化合物又は製薬学的に許容され得るその塩の均一な混合物を含有する固体の予備調製組成物を形成する。これらの予備調製組成物を均一と言及する場合、活性成分が組成物全体に均一に分散し、組成物を錠剤、丸薬及びカプセルのような等しく有効な剤形に容易に細分できることを意味する。この固体の予備調製組成物を次いで0.1〜約500mgの本発明の活性成分を含有する上記の型の単位剤形に細分する。新規な組成物の錠剤又は丸薬をコーティングするか、又は他の方法で配合し、長期間の作用の利点を与える剤形を与えることができる。例えば錠剤又は丸薬は内部投薬及び外部投薬成分を含むことができ、後者は前者を覆う外被の形態にある。2つの成分は腸溶層により隔てられていることができ、それは胃における崩壊に抵抗するように働き、内部成分が十二指腸中に無損傷で通過するか又はその放出を遅らせることを可能にする。そのような腸溶層又はコーティングのために多様な材料を用いることができ、そのような材料にはシェラック、セチルアルコール及び酢酸セルロースのような材料とともに複数の高分子酸が含まれる。
【0061】
経口的又は注入による投与用に本発明の新規な組成物を導入することができる液体形態物には水溶液、適切に風味付けされたシロップ剤、水性もしくは油懸濁剤及び綿実油、ごま油、ココナツ油又はピーナツ油のような食用油で風味付けされた乳剤ならびにエリキシル剤及び類似の製薬学的ビヒクルが含まれる。水性懸濁剤のために適した分散剤又は懸濁化剤には合成及び天然ゴム、例えばトラガカントゴム、アラビアゴム、アルギネート、デキストラン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドン又はゼラチンが含まれる。
【0062】
本発明において記載されるイオンチャンネル、例えばカリウムイオンチャンネルに関連する障害の処置方法を、本明細書で定義される化合物のいずれか及び製薬学的に許容され得る担体を含んでなる製薬学的組成物を用いて行なうこともできる。製薬学的組成物は約0.01mg〜1000mg、好ましくは約1〜500mg、より好ましくは約10〜100mgの化合物を含有することができ、選ばれる投与様式に適したいずれの形態物にも構成され得る。担体には、結合剤、懸濁化剤、滑沢剤、風味剤、甘味剤、防腐剤、色素(dyes)及びコーティングを含むがこれらに限らない必要且つ不活性な製薬学的賦
形剤が含まれる。経口的投与に適した組成物には固体形態物、例えば丸薬、錠剤、カプレット、カプセル(それぞれ即時放出型、時間調節放出(timed release)型及び徐放性調剤を含む)、顆粒剤及び粉剤ならびに液体形態物、例えば溶液、シロップ剤、エリキシル剤、乳剤及び懸濁剤が含まれる。非経口的投与のために有用な形態物には無菌の溶液、乳剤及び懸濁剤が含まれる。
【0063】
有利には、本発明の化合物を単独の1日の投薬量において投与することができるか、あるいは合計の1日の投薬量を1日2、3又は4回の分割された投薬量において投与することができる。さらに、本発明の化合物を適した鼻内ビヒクルの局所的使用を介して鼻内形態で、あるいは当該技術分野における通常の熟練者に周知の経皮的皮膚パッチを介して投与することができる。経皮送達系の形態において投与するために、投薬量の投与はもちろん投薬管理を通じて断続的ではなくて継続的であろう。
【0064】
例えば錠剤又はカプセルの形態における経口的投与のために、活性薬剤成分を経口用無毒性の製薬学的に許容され得る不活性担体、例えばエタノール、グリセロール、水などと合わせることができる。さらに、望ましいかもしくは必要な場合、適した結合剤;滑沢剤、崩壊剤及び着色剤も混合物中に導入することができる。適した結合剤にはデンプン、ゼラチン、天然糖類、例えばグルコース又はベータ−ラクトース、コーン甘味剤、天然及び合成ゴム、例えばアカシアゴム、トラガカントゴム又はオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれるが、制限ではない。崩壊剤にはデンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴムなどが含まれるが、制限ではない。
【0065】
合成及び天然ゴム、例えばトラガカントゴム、アカシアゴム、メチルセルロースなどのような適切に風味付けされた懸濁化剤又は分散剤中の液体形態物。非経口的投与のためには、無菌の懸濁剤及び溶液が望ましい。静脈内投与が望ましい場合、一般に適した防腐剤を含有する等張調製物が用いられる。
【0066】
本発明の化合物をリポソーム送達系、例えば小さい単層小胞、大きい単層小胞及び多層小胞の形態で投与することもできる。リポソームは多様なリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミン又はホスファチジルコリンから形成され得る。
【0067】
化合物分子をカップリングさせる個々の担体としてモノクローナル抗体を用いることにより、本発明の化合物を送達することもできる。本発明の化合物を、標的化可能な(targetable)薬剤担体として可溶性ポリマーとカップリングさせることもできる。そのようなポリマーにはポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシ−エチルアスパルタミドフェノール又はパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリシンが含まれ得る。さらに本発明の化合物を、薬剤の制御された放出の達成において有用なある種の生分解性ポリマー、例えばポリ乳酸、ポリエプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート及びヒドロゲルの架橋又は両親媒性ブロックコポリマーとカップリングさせることができる。
【0068】
イオンチャンネル、例えばカリウムイオンチャンネルに関連する障害の処置が必要な場合には常に、本発明の化合物を前記の組成物のいずれかにおいて、且つ当該技術分野において確立された投薬管理に従って投与することができる。
【0069】
生成物の1日の投薬量は、1日につき成人当たり0.01〜1,000mgの広い範囲に及んで変わり得る。経口的投与のために、組成物は、好ましくは処置されるべき患者への投薬量の症状的調整のために、0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5
、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、150、200、250、500及び1000ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で与えられる。薬剤の有効量は通常、1日につき体重のkg当たり約0.01mg〜約300mgの投薬量レベルで供給される。好ましくは、範囲は1日につき体重のkg当たり約0.05〜約5.0mg、最も好ましくは1日につき体重のkg当たり約1.0〜約3.0mgである。化合物を1日当たり1〜4回の管理に基づいて投与することができる。
【0070】
投与されるべき最適投薬量は当該技術分野における熟練者により容易に決定され得、用いられる特定の化合物、投与の様式、調製物の濃度、投与の様式及び疾患状態の進行度とともに変わるであろう。さらに、患者の年令、体重、食事及び投与の時間を含む処置されている特定の患者と関連する因子は、投薬量を調整する必要性を生ずるであろう。
【0071】
以下の実施例は本発明の理解を助けるために示され、前記の請求項中に示された本発明をいかようにも制限する意図はなく、そのようにみなされるべきではない。
【0072】
以下の実施例において、いくつかの合成の生成物は残留物として単離されたとして挙げられる。「残留物」という用語は生成物が単離された物理的状態を制限せず、例えば固体、油、泡、ゴム、シロップなどを含み得ることが当該技術分野における通常の熟練者に理解されるであろう。
【実施例1】
【0073】
3−[ビス−(2−ヒドロキシ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−アミノ]−ベンゾニトリル
【0074】
【化5】

【0075】
ベンゼン(10mL)中の文献から既知の方法により製造される2−ジアゾ−シクロヘキサン−1,3−ジオン(2ミリモル)、3−シアノ−アニリン(1ミリモル)及び酢酸ロジウム二量体(0.01ミリモル)を80℃で4〜6時間加熱した。固体を濾過し、濾液を濃縮して黄色の油を与え、それをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を白色の固体として与えた。
H NMR:(CDCl)δ 12.8(br,s,2H),7.25(d,J=7.5Hz,1H),7.05(d,J=7.5Hz,1H),6.76(m,2H),2.75(m,4H),2.55(m,4H),2.11(m,4H).MS(m/z):MH340。
【実施例2】
【0076】
3,4−ジフルオロ−[ビス−(2−ヒドロキシ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−アミノ]−ベンゼン
【0077】
【化6】

【0078】
実施例1に記載の方法に従い、2−ジアゾ−シクロヘキサン−1,3−ジオン及び3,4−ジフルオロアニリンを出発材料として用いて表題化合物を白色の固体として与えた。H NMR:(CDCl)δ 6.95(q,J=8.5Hz,1H),6.35(m,1H),6.21(m,1H),2.65(m,8H),2.10(m,4H).MS(m/z):MH350。
【実施例3】
【0079】
3−ヨード−[ビス−(2−ヒドロキシ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−アミノ]−ベンゼン
【0080】
【化7】

【0081】
実施例1に記載の方法に従い、2−ジアゾ−シクロヘキサン−1,3−ジオン及び3−ヨードアニリンを出発材料として用いて表題化合物を白色の固体として与えた。
H NMR:(CDCl)δ 7.05(d,J=7.5Hz,1H),6.81(d,J=2.0Hz,1H),6.50(d,J=7.5Hz,2H),2.75(m,8H),2.15(m,4H).MS(m/z):MH440。
【実施例4】
【0082】
3−ブロモ−4−フルオロ−[ビス−(2−ヒドロキシ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−アミノ]−ベンゼン
【0083】
【化8】

【0084】
実施例1に記載の方法に従い、2−ジアゾ−シクロヘキサン−1,3−ジオン及び3−ブロモ−4−フルオロアニリンを出発材料として用いて表題化合物を白色の固体として与えた。
H NMR:(CDCl)δ 6.90(m,J=8.0Hz,1H),6.75(s,1H),6.48(d,J=7.5Hz,1H),2.60(m,8H),2.10(m,4H).MS(m/z):MH411。
【実施例5】
【0085】
3−[ビス−(2−ヒドロキシ−5−オキソ−シクロペンテ−1−エニル)−アミノ]−ベンゾニトリル
【0086】
【化9】

【0087】
実施例1に記載の方法に従い、2−ジアゾ−シクロペンタン−1,3−ジオン及び3−シアノアニリンを出発材料として用いて表題化合物を白色の固体として与えた。
H NMR:(CDCl)δ 7.06(m,J=7.0Hz,1H),6.90(s,1H),6.55(m,J=7.5Hz,1H),2.45(m,4H),2.23(m,4H).MS(m/z):MH311。
【実施例6】
【0088】
3−[(2−アミノ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−(2−ヒドロキシ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−アミノ]−ベンゾニトリル
【0089】
【化10】

【0090】
DMF(5mL)中の3−[ビス−(2−ヒドロキシ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−アミノ]−ベンゾニトリル(0.6ミリモル)を、80℃でNHOAc(3.0ミリモル)を用いて6時間処理した。反応混合物を酢酸エチルと水に分配した。有機層をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮して粗材料を与え、それを次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を褐色の固体として与えた。
H NMR:(CDCl)δ 9.10(br,2H),7.20(d,J=8.5Hz,1H),7.05(s,1H),6.75(m,J=8.5Hz,2H),2.75(m,4H),2.63(m,4H),1.55(m,4H).MS(m/z):MH338。
【実施例7】
【0091】
3,4−ジフルオロ−[(2−アミノ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−(2−ヒドロキシ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−アミノ]−ベンゼン
【0092】
【化11】

【0093】
実施例6に記載の方法に従い、3,4−ジフルオロ−[ビス−(2−ヒドロキシ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−アミノ]−ベンゼンを出発材料として用いて、表題化合物を褐色の固体として与えた。
H NMR:(d−DMSO)δ 7.06(m,J=7.0Hz,1H),6.90(s,1H),6.55(m,J=7.5Hz,1H),2.45(m,4H),2.23(m,4H),1.45(m,4H).MS(m/z):MH311。
【実施例8】
【0094】
3−ヨード−[(2−アミノ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−(2−ヒドロキシ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−アミノ]−ベンゼン
【0095】
【化12】

【0096】
実施例6に記載の方法に従い、3−ヨード−[ビス−(2−ヒドロキシ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−アミノ]−ベンゼンを出発材料として用いて、表題化合物を褐色の固体として与えた。
H NMR:(d−DMSO)δ 7.10(m,J=8.0Hz,1H),7.00(s,1H),6.60(m,J=8.0Hz,2H),2.65(m,4H),2.30(m,4H),1.70(m,4H).MS(m/z):MH439。
【実施例9】
【0097】
3−ブロモ−4−フルオロ−[(2−アミノ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−(2−ヒドロキシ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−アミノ]−ベンゼン
【0098】
【化13】

【0099】
実施例6における方法に従い、3−ブロモ−4−フルオロ−[ビス−(2−ヒドロキシ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−アミノ]−ベンゼンを出発材料として用いて、表題化合物を褐色の固体として与えた。
H NMR:(d−DMSO)δ 7.10(m,J=7.5Hz,1H),6.95(s,1H),6.75(m,J=7.5Hz,1H),2.60(m,4H),2.20(m,4H),1.75(m,4H).MS(m/z):MH410。
【実施例10】
【0100】
3−[ビス−(2−ヒドロキシ−5−オキソ−シクロペンテ−1−エニル)−アミノ]−ベンゾニトリル
【0101】
【化14】

【0102】
実施例6における方法に従い、3−[ビス−(2−ヒドロキシ−5−オキソ−シクロペンテ−1−アミノ]−ベンゾニトリルを出発材料として用いて、表題化合物を褐色の固体として与えた。
MS(m/z):MH310,MNa332。
【実施例11】
【0103】
3−(4,6−ジオキソ−2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロ−1H−フェナジン−5−イル)−ベンゾニトリル
【0104】
【化15】

【0105】
THF(5mL)中の3−[(2−アミノ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−(2−ヒドロキシ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−アミノ]−ベンゾニトリル(0.4ミリモル)を、70℃においてNaNH(1ミリモル)を用いて6時間処理した。溶媒を除去し、残留物をDCMと水に分配した。有機層をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮して粗材料を与え、それを次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を白色の固体として与えた。
H NMR:(d−DMSO)δ 9.90(br,s,1H),7.28(d,J=8.5Hz,1H),7.15(d,J=7.5Hz,1H),6.75(d,J=7.0Hz,1H),6.70(s,1H),2.62(m,4H),2.48(m,4H),2.01(m,4H).MS(m/z):MH320。
【実施例12】
【0106】
3,4−ジフルオロ−(4,6−ジオキソ−2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロ−1H−フェナジン−5−イル)−ベンゾニトリル
【0107】
【化16】

【0108】
実施例11における方法に従い、3,4−ジフルオロ−[(2−アミノ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−(2−ヒドロキシ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−アミノ]−ベンゼンを出発材料として用いて、表題化合物を白色の固体として与えた。
H NMR:(d−DMSO)δ 10.01(br,s,1H),7.10(q,J=9.5Hz,1H),6.45(m,J=7.5Hz,1H),6.30(m,J=7.0Hz,1H),2.60(m,4H),2.45(m,4H),2.00(m,4H).MS(m/z):MH331。
【実施例13】
【0109】
3−ヨード−(4,6−ジオキソ−2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロ−1H−フェナジン−5−イル)−ベンゾニトリル
【0110】
【化17】

【0111】
実施例11における方法に従い、3−ヨード−[(2−アミノ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−(2−ヒドロキシ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−アミノ]−ベンゼンを出発材料として用いて、表題化合物を灰色の固体として与えた。
H NMR:(d−DMSO)δ 10.00(br,s,1H),7.11(d,J=8.5Hz,1H),6.85(t,J=7.5Hz,1H),6.75(s,1H),6.46(d,J=7.0Hz,1H),2.65(m,4H),2.40(m,4H),1.95(m,4H).MS(m/z):MH421。
【実施例14】
【0112】
3−ブロモ−4−フルオロ−(4,6−ジオキソ−2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロ−1H−フェナジン−5−イル)−ベンゾニトリル
【0113】
【化18】

【0114】
実施例11における方法に従い、3−ブロモ−4−フルオロ−[(2−アミノ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−(2−ヒドロキシ−6−オキソ−シクロヘキセ−1−エニル)−アミノ]−ベンゼンを出発材料として用いて、表題化合物を灰色の固体として与えた。
H NMR:(d−DMSO)δ 9.95(br,s,1H),7.05(m,J=7.5Hz,1H),6.60(s,Hz,1H),6.28(m,J=7.5Hz,1H),2.65(m,4H),2.40(m,4H),2.04(m,4H).MS(m/z):MH392。
【実施例15】
【0115】
3−(3,5−ジオキソ−2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−4,8−ジアザ−s−インダセン−4−イル)−ベンゾニトリル
【0116】
【化19】

【0117】
実施例11における方法に従い、3−[ビス−(2−ヒドロキシ−5−オキソ−シクロペンテ−1−エニル)−アミノ]−ベンゾニトリルを出発材料として用いて、表題化合物を灰色の固体として与えた。
H NMR:(d−DMSO)δ 9.95(br,s,1H),7.15(d,J=8.5Hz,1H),7.00(d,J=8.5Hz,1H),6.70(d,J=7.3Hz,1H),6.68(s,1H),2.55(m,4H),2.40(m,4H).MS(m/z):MH292。
【実施例16】
【0118】
:カリウムチャンネルアッセイ
TE671ヒト髄芽腫細胞をATCCから得、10% 胎児ウシ血清、100U/ml
ペニシリン及び100U/ml ストレプトマイシンが補足されたDulbeccoの修正Eagle倍地(DMEM)中で成長させた。
【0119】
試験の前日に、細胞を黒色96−ウェルプレート中で50K/ウェルにおいてプレート化した。試験の日に、成長倍地を除去し、次いで100μlのFLIPR緩衝液(20mM HEPES,120mM NaCl,2mM KCl,2mM CaCl,1mM
MgCl,5mM グルコース)及びFLIPR緩衝液中に溶解された100μlのMembrane Potential Assay Dye(Molecular Devices)を各ウェルに加えた。細胞を室温で15〜30分間インキュベーションした。
【0120】
KATPチャンネルへの試験化合物の効果を、蛍光測定画像法プレートリーダー(fluorometric imaging plate reader)(FLIPR,Molecular Devices)上で室温において評価した。ベースライン期間の後、FLIPR緩衝液中で調製された試験化合物の5X倍液の50μlを加え、蛍光の変化を3分間監視した。この読み取りの後、KATPチャンネルブロッカーであるグリブリド(glyburide)を5μMの最終的な濃度まで加え、KATPチャンネル開放物質としての試験化合物の特異性を検査した。KATPチャンネル開放から生ずる過分極を、蛍光強度の低下として観察した。
【0121】
本発明の代表的な化合物を上記の方法に従って試験し、下記の表BIO1に挙げる結果を得た。試験化合物活性はパーセントとして決定された。化合物が30μMにおいて10%より大きいかもしくはそれに等しい反応を生じたら、それを活性と称した。化合物が30μMにおいて10%より小さい反応を生じたら、それを不活性と称した。
【0122】
【表2】

【実施例17】
【0123】
経口用組成物の特定の態様として、実施例11における通りに製造される化合物の100mgを、サイズO硬質ゲルカプセルに充填するための580〜590mgの合計量を与えるのに十分な微粉砕ラクトースと調製した。
【0124】
前記の明細書は本発明の原理を記載し、例示の目的で実施例を与えているが、本発明の実施は、前記の請求項及びそれらの同等事項の範囲内に含まれる通常の変更、応用及び/又は修正のすべてを包含することが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は式I:
【化1】

[式中、
は水素、ハロゲン、カルボキシ、C1−4アルキル、ハロゲン化C1−4アルキル、−C(O)−C1−4アルキル、−C(O)−(ハロゲン化C1−4アルキル)、−C(O)O−C1−4アルキル、−S(O)0−2−C1−4アルキル、シアノ及びニトロより成る群から選ばれ;
は水素、ハロゲン、カルボキシ、C1−4アルキル、ハロゲン化C1−4アルキル、−C(O)−C1−4アルキル、−C(O)−(ハロゲン化C1−4アルキル)、−C(O)O−C1−4アルキル、−S(O)0−2−C1−4アルキル、シアノ及びニトロより成る群から選ばれ;
nは1〜2であり、
は水素又はC1−4アルキルである]
の化合物又はその製薬学的に許容され得る塩を目的とする。
【請求項2】
が水素、フルオロ、ブロモ、クロロ、シアノより成る群から選ばれ;
が水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノより成る群から選ばれ、;
nが1〜2から選ばれ、
が水素である
請求項3に記載の化合物又はその製薬学的に許容され得る塩。
【請求項3】
製薬学的に許容され得る担体及び請求項1の化合物を含んでなる製薬学的組成物。
【請求項4】
請求項1の化合物及び製薬学的に許容され得る担体を混合することにより調製される製薬学的組成物。
【請求項5】
必要のある患者に請求項1の化合物の治療的に有効な量を投与することを含んでなる、イオンチャンネルに関連する障害の処置方法。
【請求項6】
イオンチャンネルがカリウムイオンチャンネルである請求項5の方法。
【請求項7】
イオンチャンネルがATP−感受性カリウムイオンチャンネルである請求項6の方法。
【請求項8】
イオンチャンネルに関連する障害が尿失禁、過活性膀胱(overactive bladder)、高血圧、勃起機能障害、女性性的障害、月経困難症、過敏性腸症候群、気道機能亢進、てんかん、発作、アルツハイマー病、パーキンソン病、心筋損傷、冠動脈疾
患、脱毛及び禿頭症より成る群から選ばれる請求項5の方法。
【請求項9】
イオンチャンネルに関連する障害が尿失禁及び過活性膀胱より成る群から選ばれる請求項8の方法。
【請求項10】
必要のある患者に請求項1の組成物の治療的に有効な量を投与することを含んでなる、尿失禁、過活性膀胱、高血圧、勃起機能障害、女性性的障害、月経困難症、過敏性腸症候群、気道機能亢進、てんかん、発作、アルツハイマー病、パーキンソン病、心筋損傷、冠動脈疾患、脱毛及び禿頭症より成る群から選ばれる障害の処置方法。

【公表番号】特表2009−526079(P2009−526079A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554462(P2008−554462)
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際出願番号】PCT/US2007/061442
【国際公開番号】WO2007/095424
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】